説明

画像形成装置、画像形成制御方法、画像形成制御プログラム及び記録媒体

【課題】本発明は、スキップ処理を伴う画像形成を行う画像形成装置、画像形成制御方法、画像形成制御プログラム及び記録媒体に関する。
【解決手段】複合装置1は、DMAC21がコントローラメモリ53から読み出した画像データが白画素か否かのスキップ制御部33の入力制御部41による白画素検知結果に基づいてスキップ処理を伴った画像形成を複数部行う場合に、DMAC21が、1部目の画像データに対する白検知結果をコントローラメモリ53上のディスクリプタに保持し、2部目以降の画像データの転送において、ディスクリプタの1部目の白検知結果に基づいて、該白検知結果が無効バンドの画像データについては、スキップ通知を出すとともに、該白検知結果が有効バンドの画像データのみをコントローラメモリ53から読み出す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成制御方法、画像形成制御プログラム及び記録媒体に関し、詳細には、スキップ処理を伴う画像形成における処理速度の向上及び消費電力削減を図った画像形成装置、画像形成制御方法、画像形成制御プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ装置、複写装置、ファクシミリ装置、複合装置等の画像形成装置においては、従来から、画像形成処理をページ単位で行うレーザプリンタ等のページ画像形成装置とライン単位で画像形成処理を行うインクジェットプリンタ等のライン画像形成装置とがある。ページ画像形成装置は、画像処理を行うシステムコントローラが、スキャナ部で原稿を読み取った読み取り画像データや外部コンピュータ等から受信した受信画像データを処理する画像処理部から画像データを受け取ってメモリに1ページ分の画像データを蓄積すると、必要な画像処理を行った後、画像形成を制御するエンジンコントローラに画像データを転送し、エンジンコントローラが、1ページ分の画像データを受け取ると、必要な画像処理を施して実際に画像形成する画像形成エンジンに適切なタイミングで該1ページ分の画像データを出力してページ単位で画像形成する。
【0003】
ライン画像形成装置は、システムコントローラが、読み取り画像データや受信画像データを処理する画像処理部から画像データを受け取ってメモリに所定量の画像データを蓄積すると、必要な画像処理を行った後、画像形成を制御するエンジンコントローラに画像データを転送し、エンジンコントローラが、受け取った画像データをバンド単位(ライン単位または複数ライン単位)で画像形成エンジンに適切なタイミングで出力して、バンド単位で画像形成させる。
【0004】
そして、ライン画像形成装置は、紙や布等の画像形成媒体が続く限り、継ぎ目のない長尺サイズの画像形成が可能であることから、垂れ幕や横断幕等の大きなサイズや長尺サイズの画像形成媒体に画像形成することが行われている。ライン画像形成装置は、このような大きなサイズや長尺サイズの画像形成媒体、特に、長尺サイズの画像形成媒体への画像形成においては、より高速で、かつ、高品質の画像形成が望まれているが、画像データが、ラインサイズに応じて大きなサイズになるため、ラインサイズが大きな広幅で長尺の画像形成媒体に画像形成する場合、ラインサイズが大きくなるほど、画像データの処理時間が長くなる。ところが、従来のライン画像形成装置は、画像形成媒体に画像形成するイメージデータのパターンに関係なく常に一定の速度で、システムコントローラからエンジンコントローラにデータを送り出し、画像データのパターンのない空白ラインに対しても常に一定速度で画像形成媒体を搬送しているため、画像形成速度が遅く、画像形成速度の高速化が要望されていた。
【0005】
そして、従来、コントローラの記憶手段に画像データを記憶して、該画像データのうち全て白データであるラインの有無を検知して、有効画像データを含むラインデータのみをコントローラからエンジン側に転送する技術が提案されている(特許文献1参照)。
【0006】
また、従来、画像データに基づいて画素毎に印刷ヘッドを主走査方向に往復移動させつつ印字する際に、1ライン以上の連続した空白ドットの画像データが存在すると、次に空白以外の画像データが存在するまで、印刷ヘッドの往復移動を停止し、空白ライン分用紙搬送を行う、いわゆるスキップ処理を行うことにより、画像形成速度の高速化を図った技術が提案されている(特許文献2、特許文献3参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記公報記載の従来技術にあっては、いずれも複数部を画像形成する場合については考慮されておらず、改良の必要があった。
【0008】
画像形成装置においては、複数ページの原稿画像データを画像形成するだけでなく、複数部の画像形成を行うことがある。特に、広幅長尺対応の画像形成装置においては、通常サイズの画像形成装置とは異なり、複数ページの原稿を画像形成する用途よりも、ポスターや垂れ幕等の1枚の大きなサイズの画像を複数部画像形成することが多い。
【0009】
このように複数部画像形成する場合、特許文献1記載の従来技術にあっては、全て白データではなく有効画素を含むラインデータのみをコントローラ側からエンジン側に転送しているが、複数部画像形成する場合については特に述べられておらず、複数部画像形成する場合であっても、同じ原稿の画像データに対して複数回(画像形成部数分の回数)白検知を行う必要があり、処理速度を向上させる上で、改良の必要があった。
【0010】
特許文献2及び特許文献3記載の従来技術にあっては、1ライン以上の連続した空白ドットの画像データが存在すると、次に空白以外の画像データが存在するまで、印刷ヘッドの往復移動を停止し、空白ライン分用紙搬送を行う、いわゆるスキップ処理を行っているため、処理速度を向上させることはできるが、この従来技術においても、複数部画像形成する場合については考慮されておらず、白検知を部毎に毎回行なう必要があり、処理速度の向上及び消費電力削減を図る上で、改良の必要があった。
【0011】
また、今日、画像形成装置においては、ライン画像形成装置だけでなく、ページ画像形成装置も広く利用されており、ライン画像形成装置にページ画像形成装置のハードウェアとソフトウェアを流用することが開発コストを低減させるとともに、汎用性を向上させる上で、重要である。そこで、ページ画像形成装置のシステムコントローラをライン画像形成装置に適用して、ライン画像形成装置のエンジンコントローラに接続し、画像読み取り部で読み取られて必要な画像処理の行われた画像データ(以下、必要に応じて、スキャナ画像データという。)や受信して必要な画像処理の行われた画像データ(以下、必要に応じて、受信画像データという。)を該システムコントローラのメモリに一旦保管して、必要な画像処理を行った後に、エンジンコントローラに送る。そして、エンジンコントローラで必要な画像処理を行った後、エンジンに画像データを送り、エンジンで該画像データに基づいてライン毎に、画像形成媒体に画像形成する。そして、適用したページ画像形成装置のシステムコントローラのメモリからライン画像形成装置のエンジンコントローラのメモリに画像データを転送する場合、エンジンコントローラのメモリに空きがあると、システムコントローラのメモリから画像データをエンジンコントローラのメモリに転送する処理を行う必要がある。
【0012】
ところが、ページ画像形成装置のハードウェア、特に、システムコントローラをライン画像形成装置に適用した場合、システムコントローラが画像データ用のメモリとして、通常、数ライン分のメモリをトグルで備えているだけであるため、長尺の画像形成媒体への画像形成を行うライン画像形成装置に適用した場合、スキャナ画像データや受信画像データが画像形成媒体が続く限り連続して入力されるため、長尺の画像データを一旦、ハードディスク等の大容量メモリに保管して、順次システムコントローラのメモリに転送し、システムコントローラが、該メモリの画像データを、エンジンコントローラからの転送要求に応じて、転送する処理を行う。
【0013】
そして、ライン画像形成装置においては、画像形成速度を向上させるために、特に、広幅の画像形成媒体に画像形成を行う際の画像形成速度を向上させるために、スキップ処理を行う。ところが、ページ画像形成装置には、ページ単位で画像形成を行い、上述のように、スキップ処理を行うことがないため、ページ画像形成装置のシステムコントローラは、ハードウェア及びソフトウェアとしてスキップ処理を行う機能を備えていない。そこで、ページ画像形成装置のシステムコントローラを適用したライン画像形成装置でスキップ処理を行うには、エンジンコントローラが、システムコントローラから転送されてきた画像データを処理する段階で、スキップ処理を行って、エンジンの制御を行う必要がある。
【0014】
ページ画像形成装置のシステムコントローラを流用したライン画像形成装置においてスキップ処理を行う場合、エンジン側で白検知を行うことになり、2部目以降も全データをコントローラからエンジン側に転送する必要がある。その結果、システムの効率及び消費電力を向上させる上で、改良の必要があった。また、1バンド分の画像データをエンジン側でリードして空白バンドの判定を行う必要があり、判定結果を通知するのがエンジン側で1バンド分の画像データをリードした後になってしまう。その結果、コントローラ−エンジン間のバスやメモリバス等で他のアクセスが発生して画像データの転送が遅れた場合、白検知中であっても後段からの転送要求までに1バンド分のデータをリードして空白バンド判定ができないときには、白データであってもスキップ制御を行うことなく、後段にデータを転送する必要があり、処理効率を向上させて消費電力の削減を図る上で改良の必要があった。
【0015】
そこで、本発明は、複数部画像形成を行う場合に、2部目以降の処理効率を向上させて、処理速度の向上及び消費電力の削減を図る画像形成装置、画像形成制御方法、画像形成制御プログラム及び記録媒体を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、上記目的を達成するために、画像データを保管する画像データ記憶手段の該画像データを読み取ると該画像データが白画素であるか否かの白検知を画素毎に順次行って白画素が連続すると該白画素を破棄して連続白画素数をカウントするとともに該連続白画素数が所定のスキップバンド数分になると無効バンドであるとして、記録ヘッドの主走査移動を停止させて画像形成媒体のみを該スキップバンド分副走査方向に搬送するスキップ制御動作を行い、該画像データ記憶手段から読み取った画像データから連続する白画素の後に白以外の有効画素を検知すると、該画像データ記憶手段からの画像データの読み取りを一時停止して、該有効画素の属するバンドを有効バンドとして該有効バンドにおける先頭ラインの先頭画素から該有効画素までの破棄した白画素の画像データを前記連続白画素数に基づいて生成して複数部を画像形成する場合に、1部目の画像データに対する前記白検知結果を白検知結果保持手段に保持し、2部目以降の画像データの転送において、前記白検知結果保持手段に保持されている1部目の該白検知結果に基づいて、該白検知結果が無効バンドを示している該無効バンドの画像データについては、前記スキップ通知を出すとともに、該白検知結果が有効バンドを示している有効バンドの画像データについてのみ前記画像データ記憶手段から読み出すことを特徴としている。
【0017】
また、本発明は、DMAコントローラが、前記画像データ記憶手段に登録されているディスクリプタに基づいて前記画像データをDMA転送し、該DMAコントローラが、前記スキップ制御手段の前記白検知結果を該ディスクリプタに書き戻すことを特徴としてもよい。
【0018】
さらに、本発明は、前記白検知結果保持手段は、レジスタであることを特徴としてもよい。
【0019】
また、本発明は、2部目以降の画像形成において前記スキップ制御の駆動を停止させ、該スキップ制御を迂回して画像データを転送する迂回転送経路を通して有効バンドの画像データを転送することを特徴としてもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、複数部画像形成を行う場合に、2部目以降の処理効率を向上させて、処理速度を向上させることができるとともに、消費電力を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施例を適用した複合装置の要部ブロック構成図。
【図2】コントローラメモリ上のディスクリプタの一例を示す図。
【図3】1部目の画像データ転送制御処理を示すフローチャート。
【図4】スキップ制御処理を示すフローチャート。
【図5】図4の続きの処理を示すフローチャート。
【図6】2部目以降の画像データ転送制御処理を示すフローチャート。
【図7】部数情報を有するディスクリプタの一例を示す図。
【図8】ディスクリプタで部数管理する場合の画像データ転送制御処理を示すフローチャート。
【図9】図8の続きの処理を示すフローチャート。
【図10】レジスタで空白バンド情報を管理する場合の1部目の画像データ転送制御処理を示すフローチャート。
【図11】レジスタで空白バンド情報を管理する場合の2部目以降の画像データ転送制御処理を示すフローチャート。
【図12】スキップ制御部をバイパスする画像データパスを有する複合装置の要部ブロック構成図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施例は、本発明の好適な実施例であるので、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明によって不当に限定されるものではなく、また、本実施の形態で説明される構成の全てが本発明の必須の構成要件ではない。
【実施例1】
【0023】
図1〜図12は、本発明の画像形成装置、画像形成制御方法、画像形成制御プログラム及び記録媒体の一実施例を示す図であり、図1は、本発明の画像形成装置、画像形成制御方法、画像形成制御プログラム及び記録媒体の一実施例を適用した複合装置1の要部ブロック構成図である。
【0024】
図1において、複合装置1は、スキャナ部2、エンジン部3、インクジェットヘッド部4、システムコントローラ部5及びハードディスク(HDD)6等を備えているとともに、図示しないが、操作表示部や通信部等を備えており、スキャナ機能、プリンタ機能、コピー機能、ファクシミリ機能等の複合機能を実行する。複合装置1は、インク噴射方式で、定型サイズとして、広幅の用紙(画像形成媒体)、例えば、A0サイズ用紙への記録を行い、特殊サイズとして、長尺の用紙、例えば、A0幅(841mm)で長さが15mの広幅のロール紙やロール布等への画像形成(印刷)出力に対応している。複合装置1には、LAN(Local Area Network)等のネットワーク、あるいは、専用通信回線等の有線または無線の通信回線によってコンピュータ等のホスト装置HSが接続される通信部(図示略)を備えており、複合装置1は、該通信部を介してホスト装置HSと通信処理を行って該ホスト装置HSから印刷データを受信する。
【0025】
操作表示部は、各種操作キー及び表示部(液晶ディスプレイ等)を備えており、操作キーからは複合装置1に各種処理を行わせるための各種操作が行われる。操作表示部は、表示部に、操作キーからの入力内容や複合装置1からユーザに通知する各種情報を表示する。
【0026】
エンジン部3は、スキャナ側画像処理部11、エンジンCPU(Central Processing Unit )12、ヘッド制御部13、コントローラI/F制御部14、画像データ制御部15及びヘッド側画像処理部16等を備えており、コントローラI/F制御部14は、DMAC(Direct Memory Access Controller :DMAコントローラ)21を備えている。画像データ制御部15は、メモリ制御部31、スキップ用メモリ32、スキップ制御部33及びヘッド側画像処理部I/F34等を備えており、スキップ制御部33は、入力制御部41、データ格納バッファ42及び出力制御部43等を備えている。
【0027】
システムコントローラ部5は、コントローラCPU51、画像メモリアクセス制御部52、コントローラメモリ53及び図示しない画像処理部を備えている。
【0028】
そして、複合装置1は、システムコントローラ部5が、レーザプリンタ装置等のページ画像形成装置のシステムコントローラ部が流用されていてもよく、また、該ページ画像形成装置のシステムコントローラ部のソフトウェアが可能な限り使用されていてもよい。また、スキャナ部2、スキャナ側画像処理部11及びコントローラI/F制御部14も、適宜、ページ画像形成装置、例えば、ページ複合装置、ページファクシミリ装置等のスキャナ部、スキャナ側画像処理部及びコントローラI/F制御部を流用することができる。
【0029】
スキャナ部2は、例えば、CCD(Charge Coupled Device )を利用したカラーイメージスキャナ等が用いられている。スキャナ部2は、光源から読み取り光をカラー原稿に照射して、カラー原稿からの反射光をミラー及びレンズを介してCCD等の受光素子に集光させ、該受光素子で光電変換することで、カラー原稿を主走査及び副走査してカラー原稿のカラー画像を読み取って、RGBのカラー画像信号をデジタル変換した後、エンジン部3のスキャナ側画像処理部11に出力する。
【0030】
インクジェットヘッド部(画像形成手段)4は、ヘッド制御部13の制御下でC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の各色のインクを吐出するインクジェットヘッド(記録ヘッド)、該インクジェットヘッドを搭載して主走査方向に往復移動するキャリッジ、該キャリッジを主走査方向に往復移動させるキャリッジ駆動部、インクジェットからのインクが噴射されて画像の形成される用紙を副走査方向に搬送する用紙搬送機構部等を備えており、ヘッド側画像処理部16から送られてくる画像データに基づいてヘッド制御部13の制御下で、インクジェットヘッドから所定ライン数を1バンドとして、該1バンド分同時にインクを噴射しつつ該インクジェットヘッドを主走査方向に移動させて1バンド(数ライン)分を同時に画像形成する。
【0031】
スキャナ側画像処理部11は、エンジンCPU12の制御下で、スキャナ部2からのRGBのカラー画像データに対して、スキャナ部2の光源のバラツキやCCDの画素毎の感度ムラ等が原因で一様な濃度の原稿を読み取ったにもかかわらず、読み取りデータがばらつく現象を補正するシェーディング補正、地肌除去、固定長符号化等の画像処理を施してコントローラI/F制御部14に出力する。
【0032】
コントローラI/F制御部14は、メモリアクセスのアービトレーションを制御して、エンジン部3とシステムコントローラ部5との間の画像データの転送を行う。
【0033】
コントローラI/F制御部14のDMAC21は、システムコントローラ部5のコントローラメモリ53に予め用意されたディスクリプタ情報を読み出し(リードし)、該ディスクリプタに格納されている命令に基づいてコントローラメモリ53から画像データを読み出して、画像データ制御部15のメモリ制御部31に渡す。DMAC21は、画像データ転送制御手段として機能している。
【0034】
このディスクリプタは、例えば、図2に示すような構成となっており、後述するように、コントローラCPU51によってコントローラメモリ53上に書き込まれる。本実施例のディスクリプタは、図2に示すように、チェーン先アドレス、画像データ格納先アドレス、ライン数情報、モード情報及び空白バンド情報等の項目があり、チェーン先アドレス欄には、チェーンするネクストディスクリプタのアドレス、画像データ格納先アドレス欄には、画像データの保存されているスタートアドレス、ライン数情報欄には、該ディスクリプタによってリードする画像データのライン数情報、モード情報欄には、DMAC21の動作設定、空白バンド情報欄には、該ディスクリプタによってリードする画像データが有効バンド「1」であるか、空白バンド「0」であるかの白検知結果情報が格納される。1部目のデータ転送前は、空白バンド情報は不明であるため、空白バンド情報欄には、初期値として「1]が格納される。
【0035】
DMAC21は、インクジェットヘッド部4で画像形成する画像データが2部目であるときには、1部目のデータ転送の際にスキップ制御部33内の入力制御部41において画像データの各バンドが白バンドであるか否か判定されて、ディスクリプタの空白バンド情報格納部に格納されている空白バンド情報を参照して、空白バンドのディスクリプタリード時には、コントローラメモリ53からの画像データの読み出しを行わずに、該ディスクリプタに示されている空白バンド情報に基づいて次のディスクリプタにチェーンする。また、DMAC21は、1部目の転送時に各バンド毎に判定された空白バンド情報をディスクリプタに書き戻す動作処理を行い、2部目のデータ転送の際には、ディスクリプタに示されている空白バンド情報に基づいて、空白バンドはコントローラメモリ53から画像データのリードを行わずに、次のディスクリプタにチェーンする。
【0036】
エンジンCPU(画像形成制御手段)12は、図示しないROM内のプログラムに基づいてエンジン部3の各部を制御して、複合装置1のエンジン部3としての基本処理を行うとともに、本実施例の画像形成制御処理を行う。
【0037】
ヘッド制御部13は、インクジェットヘッド部4及び紙搬送等の制御を行い、また、エンジンCPU12の命令によってスキップ制御部33に対してバンド転送開始信号をアサートし、スキップ制御部33にバンド単位で画像データの転送要求を行う。
【0038】
画像データ制御部15のメモリ制御部31は、スキップ用メモリ32とスキップ制御部33に接続されているとともに、コントローラI/F制御部14のDMAC21に接続されており、コントローラI/F制御部14のDMAC21を介してシステムコントローラ部5の画像メモリアクセス制御部52にデータ転送要求を行って、システムコントローラ部5のコントローラメモリ53の画像データをDMAC21から受信してスキップ用メモリ32に書き込む。また、メモリ制御部31は、スキップ用メモリ32の画像データの格納状態に応じてコントローラI/F制御部14及びスキップ制御部33に画像データの書き込み及び読み出しの停止命令を出して、スキップ用メモリ32の上書きや空読みの発生を防止する制御を行う。
【0039】
スキップ用メモリ32は、システムコントローラ5のコントローラメモリ53から送られてきた画像データをメモリ制御部31の制御下で蓄積し、また、メモリ制御部31によって読み出されてスキップ制御部33に転送する。
【0040】
スキップ制御部33は、上述のように、入力制御部41、データ格納バッファ42及び出力制御部43等を備えており、スキップ用メモリ32から読み取った画像データ(以下、必要に応じて、検知対象画像データという。)に対するスキップ処理を行う。すなわち、スキップ制御部33は、スキップ用メモリ32から画像データを読み取ると同時に該画像データが白画素であるか否かの白検知を画素毎に順次行って、白画素であると該白画素を破棄して連続白画素数を連続白画素数カウンタでカウントするとともに該連続白画素数が所定のスキップバンド数分になるとスキップ通知を出力し、該白検知を継続して行って連続する白画素の後に白以外の有効画素を検知すると、スキップ用メモリ32からの画像データの読み取りを一時停止する。スキップ制御部33は、有効画素を検知してスキップ用メモリ32からの画像データの読み取りを一時停止すると、該スキップ通知を出力するラインの次ラインの先頭画素から該有効画素までの破棄した白画素の画像データを連続白画素数に基づいて生成して、ヘッド側画像処理部16を介してインクジェットヘッド部4に出力する。
【0041】
入力制御部41は、メモリ制御部31への画像データの転送要求及び該転送要求に応じてメモリ制御部31によってスキップ用メモリ32から転送されてきた検知対象画像データに対して画素単位で白画素であるか否かを検知する白検知を実行し、白画素(白データ)が何画素連続しているかの連続白画素数情報を内部カウンタである連続白画素数カウンタに記録する。また、入力制御部41は、エンジンCPU12に対して空白バンド通知割り込みを発生する割り込み発生機能を備えており、予め設定されているスキップバンド数(割り込み空白バンド)分のデータが全て白データであると、エンジンCPU12に空白バンド通知割り込みを発生して空白バンドの通知(スキップ通知)を行う。
【0042】
また、入力制御部41は、ページのバンド毎に対する空白バンドの判定結果を空白バンド情報としてレジスタに格納し、または、DMAC21に通知してDMAC21がコントローラメモリ53のディスクリプタの空白バンド情報に書き戻すことで、各ページの空白バンド情報を保持する。
【0043】
データ格納バッファ42は、入力制御部41が白データを連続して検知して、有効データ(白以外のデータ)を検知すると、所定画素分(スキップ用メモリ32からの画像データの読み取り速度と有効画素を検知してから該スキップ用メモリ32からの画像データの読み取りを停止するまでのディレイ時間等で決定される画素分)の有効画素データを一時格納する。すなわち、入力制御部41は、スキップ用メモリ32から連続して画像データを受信して白検知を行って、白画素であると判断した画素データはそのまま破棄して何画素白データが連続しているかの連続白画素数情報のみを連続白画素数カウンタでカウントし、次の画素データの白検知を行うという処理を繰り返し行う。したがって、入力制御部41は、白画素の後に白画素以外の有効画素があると、該有効画素を破棄することができないため、データ格納バッファ42に一時格納する。
【0044】
出力制御部43は、ヘッド制御部13からのバンド転送開始信号に応じて、入力制御部41内の内部カウンタのカウンタ情報である連続白画素数情報に基づいて白データの生成を行い、生成した白データをヘッド側画像処理部I/F34を介してヘッド側画像処理部16に転送する。すなわち、上述のように、入力制御部41は、検知対象画像データが白データであるか否かを画素毎に検知して、白画素であると、連続白画素数情報のみを連続白画素数カウンタでカウントし、該白の画像データを破棄しているため、インクジェットヘッド部4を正常に動作させるためには、該破棄された連続する白の画像データを出力制御部43が、該連続白画素数情報に基づいて生成して、ヘッド側画像処理部I/F34に出力する。出力制御部43は、該連続白画素数情報に基づいて破棄された全ての白データを生成すると、続いて、データ格納バッファ42に格納されている有効データをヘッド側画像処理部I/F34に出力する。
【0045】
ヘッド側画像処理部I/F34は、ヘッド側画像処理部16とスキップ制御部33との間のデータ転送を行う。
【0046】
ヘッド側画像処理部16は、エンジンCPU12の制御下で、スキップ制御部33の出力制御部43から入力される画像データに対して固定長符号化の伸張、階調処理等を行うとともにレンダリングを行って、インクジェットヘッド部4に出力する。
【0047】
システムコントローラ部5は、コントローラCPU51がコントローラメモリ53内のプログラムに基づいてコントローラメモリ53の一部をワークメモリとして利用しつつ複合装置1の各部を制御して複合装置1としての処理を実行する。なお、複合装置1は、上述のように、ページ画像形成装置のシステムコントローラ部を流用されていてもよく、この場合、そのソフトウェアも可能な限りページ画像形成装置のシステムコントローラのソフトウェアが流用することができる。また、上述のように、スキャナ部2、スキャナ側画像処理部11及びコントローラI/F制御部14も、適宜、ページ画像形成装置、例えば、ページ複合装置、ページファクシミリ装置等のスキャナ部、スキャナ側画像処理部及びコントローラI/F制御部を流用することができる。
【0048】
複合装置1は、スキャナ部2で読み取った原稿の画像データ(スキャナ画像データ)やホスト装置HSから受信した画像データ(受信画像データ)に基づいて、インクジェットヘッド部4で画像形成するが、システムコントローラ部5は、内蔵する画像処理部で、該スキャナ画像データ及び受信画像データをCMYKの画像データに変換する。
【0049】
コントローラメモリ53は、通常、ページ画像形成装置の画像形成可能な用紙サイズ幅の数ライン分の画像データを記憶する容量を有しているとともに、複合装置1の基本プログラムや本発明の画像形成制御プログラム及び必要な各種システムデータを格納し、さらに、コントローラCPU51のワークメモリとしても利用される。
【0050】
システムコントローラ部5は、図示しないが、画像処理部を備えており、スキャナ部2で読み取られてエンジン部3から送られてくる画像データを、一旦コントローラメモリ53に保管して、必要な画像処理(回転、集約など)を施した後、画像メモリアクセス制御部52がハードディスク6に保存する。また、システムコントローラ部5は、ホスト装置HSから送られてきた画像データを、一旦コントローラメモリ53に保管して、必要な画像処理を施した後、画像メモリアクセス制御部52によってハードディスク6に保存する。すなわち、複合装置1は、広幅であって、かつ、長尺の画像データを取り込んで、バンド毎にインクジェットヘッド部4で画像形成するため、コントローラメモリ53に画像データを取り込んで必要な画像処理を行った後、エンジン部3に転送すると、ページ画像形成装置のシステムコントローラ部を流用したシステムコントローラ部5が備えているコントローラメモリ53ではメモリ容量が不足するため、システムコントローラ部5は、一旦ハードディスク6にスキャナ部2から受け取った画像データ(スキャナ画像データ)やホスト装置HSから受け取った画像データ(受信画像データ)を保管し、該ハードディスク6からコントローラメモリ53に読み出して、コントローラメモリ53上の画像データをコントローラI/F制御部14のDMAC21がコントローラメモリ53のディスクリプタに基づいてDMA(Direct Memory Access)転送する。
【0051】
そして、複合装置1は、ROM、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory )、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory )、CD−RW(Compact Disc Rewritable )、DVD(Digital Video Disk)、SD(Secure Digital)カード、MO(Magneto-Optical Disc)等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されている本発明の画像形成制御方法を実行する画像形成制御プログラムを読み込んでシステムコントローラ部5のコントローラメモリ53やエンジン部3の図示しないROMまたはハードディスク6に導入することで、後述する複数部画像形成する場合のスキップ処理を効率的に行う画像形成制御方法を実行する画像形成装置として構築されている。この画像形成制御プログラムは、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)等のレガシープログラミング言語やオブジェクト指向ブログラミング言語等で記述されたコンピュータ実行可能なプログラムであり、上記記録媒体に格納して頒布することができる。
【0052】
次に、本実施例の作用を説明する。本実施例の複合装置1は、スキップ処理を行うための白検知を1部目でのみ行って該白検知結果を保管して、2部目以降については、保管されている1部目で行った白検知結果に基づいて画像データ転送制御処理及びスキップ処理を行う。
【0053】
すなわち、複合装置1は、コピー機能の場合には、図1にデータ転送ラインL1で示すように、スキャナ部2で原稿のカラー画像を読み取ったデジタルのRGB画像データを、エンジン部3のスキャナ側画像処理部11で必要な画像処理を行った後、該読み取った原稿の画像データをコントローラI/F制御部14を介してシステムコントローラ5に転送する。システムコントローラ部5は、コントローラCPU5CPUの制御下で、コントローラI/F制御部14を介して送られてきた画像データを、内部の画像処理部によって必要な画像処理を施し、特に、CMYKの画像データを生成してハードディスク6に保管する。
【0054】
また、複合装置1は、プリンタ機能の場合には、図1にデータ転送ラインL2で示すように、通信回線を介してホスト装置HSから画像データが送信されてくると、該画像データを通信部で受信してシステムコントローラ部5に転送し、システムコントローラ部5は、コントローラCPU51の制御下で、通信部から送られてきた画像データを、画像処理部によって必要な画像処理を施して、特に、CMYKの画像データを生成してハードディスク6に保管する。
【0055】
複合装置1は、ハードディスク6に画像データを保管すると、図3に示す1部目の画像データ転送制御処理を行い、2部以上の画像形成を行う場合には、図6に示す2部目以降の画像データ転送制御処理を行う。
【0056】
すなわち、コントローラCPU51は、画像データをハードディスク6に保管すると、1部目の画像形成については、プログラムに基づいて、図3に示すように、画像メモリアクセス制御部52に、ハードディスク6に保管した画像データを読み出させてコントローラメモリ53上に展開させ、この画像データを転送するためのディスクリプタ(図2参照)をコントローラメモリ53上に書き込んで(ステップS101)、先頭ディスクリプタの用意されているコントローラメモリ53上のアドレスを、コントローラCPU51−エンジンCPU12間で通信して、エンジンCPU12に通知する。エンジンCPU12は、コントローラCPU51から通知された先頭ディスクリプタのアドレスを、コントローラI/F制御部14のDMAC21に設定して(ステップS102)、DMAC21に転送命令をかける(ステップS103)。
【0057】
DMAC21は、転送命令を受け取ると、コントローラメモリ53のディスクリプタをリードして、図1にデータ転送ラインL3で示すように、ディスクリプタの画像データ格納先アドレスから画像データを読み出してメモリ制御部31を介してスキップ制御部33に転送し、スキップ制御部33が、DMAC21から送られてきた画像データに対して白検知して、空白バンド判定を行う(ステップS104)。すなわち、DMAC21は、コントローラメモリ53のディスクリプタの画像データ格納先アドレスからライン数情報分の画像データを読み出して、メモリ制御部31に転送し、メモリ制御部31が画像データをスキップ用メモリ32に保管した後に読み出してスキップ制御部33の入力制御部41に転送する。そして、入力制御部41が、図5に示すスキップ制御処理に示す白検知及び空白バンド判定を行って、1バンド分の空白バンド判定結果をメモリ制御部31を介してDMAC21に通知する。
【0058】
DMAC21は、スキップ制御部33から1バンド分に対する空白バンドの判定結果の通知があると、白検知判定結果を図2に示したディスクリプタの空白バンド情報項目に書き戻す。この空白バンド情報は、上述のように、有効画素の含まれている有効バンドで有れば、「1」、1バンド全ての画素が空白画素である空白バンドであれば、「0」である(ステップS105)。
【0059】
DMAC21は、空白バンド情報の書き戻しを行うと、ディスクリプタのチェーン先アドレスが「0」であるか、すなわち、1部目の全画像データの読み出しを完了したかチェックする(ステップS106)。
【0060】
ステップS106で、ディスクリプタのチェーン先アドレスが「0」でないときには、DMAC21は、該チェーン先アドレスに用意されているネクストディスクリプタをリードし(ステップS107)、エンジン部3は、ステップS104に戻って、該ネクストディスクリプタに基づいて次バンドの画像データの転送を行って、空白バンド判定から上記同様に処理を行う(ステップS104〜S107)。複合装置1は、上記処理を繰り返し行い、コントローラメモリ53上のディスクリプタに空白バンド情報が記録されて、DMAC21が、チェーン先アドレスが「0」のディスクリプタの画像データ転送を行った時点で、画像形成制御処理の1部目の画像データ転送を完了する。
【0061】
そして、複合装置1は、図4及び図5に示すように、エンジン部3においてスキップ制御処理を行う。すなわち、スキップ制御部33は、バンド情報(バンド番号)を示すバンド数変数Nを「0」にリセットし(ステップS201)、Nが1ページ分のバンド数であるか否かチェックして(ステップS202)、バンド数変数Nが1ページ分のバンド数でないときには、Nバンド目の先頭を設定して、入力制御部41がメモリ制御部31に対してデータ転送要求を行う(ステップS204)。
【0062】
メモリ制御部31は、スキップ用メモリ32に書き込んだ画像データをスキップ制御部33の入力制御部41に転送し、入力制御部41が転送されてきた画像データを順次白検知して(ステップS205)、白データ(白画素)であるか、白データ以外の有効データ(有効画素)であるかチェックする(ステップS206)。
【0063】
ステップS206で、白データであると、入力制御部41は、白データの情報をカウントし、データ自体については破棄する処理を行う(ステップS207)。すなわち、入力制御部41は、主走査サイズの白画素数をカウントするカウンタのカウンタ値H_CNTを「1」だけインクリメント(H_CNT=H_CNT+1)して(ステップS207a)、カウンタ値H_CNTが主走査サイズの画素数になったかチェックし(ステップS207b)、主走査サイズになっていないときには、ステップS204に戻って、メモリ制御部31に対してデータ転送要求を行う処理から上記同様に処理する(ステップS204〜ステップS207)。ステップS207bで、主走査白画素カウンタのカウンタ値H_CNTが主走査サイズの画素数になると、入力制御部41は、白画素のみのライン(白ライン)のライン数(白ライン数)をカウントする白ラインカウンタのカウンタ値L_CNTを「1」だけインクリメント(L_CNT=L_CNT+1)して(ステップS207c)、該白ラインカウンタのカウンタ値L_CNTがバンドサイズのライン数になったかチェックする(ステップS207d)。入力制御部41は、ステップS207で、白ラインカウンタのカウンタ値L_CNTがバンドサイズのライン数になっていないときには、ステップS204に戻って、メモリ制御部31に対してデータ転送要求を行う処理から上記同様に処理する(ステップS204〜ステップS207)。ステップS207dで、白ラインカウンタのカウンタ値L_CNTがバンドサイズのライン数になっていると、入力制御部41は、白ラインのみのバンド(白バンド)のバンド数(白バンド数)をカウントする白バンドカウンタのカウンタ値B_CNTを「1」だけインクリメント(B_CNT=B_CNT+1)する(ステップS207e)。
【0064】
次に、入力制御部41は、1バンド分の白ラインを検出すると、白バンド(空白バンド)の判定結果を保持(Nバンド目が空白バンドであること:Nバンド目=空白バンド)して(ステップS208)、白データが予め設定されたスキップ設定バンド数分になったかチェックし(ステップS209)、白データがスキップ設定バンド数分になっていないときには、ステップS204に戻って、メモリ制御部31に対してデータ転送要求を行う処理から上記同様に処理する(ステップS204〜S209)。
【0065】
ステップS209で、白データがスキップ設定バンド数分になると、入力制御部41は、エンジンCPU12に対して空白バンド通知割り込みを発生させて、エンジンCPU12の制御下で、該スキップ設定バンド数分だけ用紙のみを空搬送するスキップ処理を行わせ(ステップS210)、バンド数変数Nを「1」だけインクリメント(N=N+1)して、ステップS202に戻ってバンド数変数Nが1ページ分のバンド数になったかのチェックから上記同様に処理する(ステップS202〜S211)。
【0066】
上記ステップS206で、スキップ制御部33は、入力制御部41で白判定を行った画素が白画素ではなく、有効画素であると、図5に示すように、今までの処理における空白バンドの判定結果を保持(Nバンド目=有効バンド)して(ステップS212)、データ格納バッファ43に有効なデータを保持し(ステップS213)、メモリ制御部31にデータ転送命令を出して(ステップS214)、白検知を行わずに、データ転送ラインL4で示すように、データ格納バッファ42を介して出力制御部43から該バンドの最後までデータ転送を行う(ステップS218)。入力制御部41は、バンドの最後までデータ転送を行うと、バンド数変数Nを「1」だけインクリメント(N=N+1)して、ステップS202に戻ってバンド数変数Nが1ページ分のバンド数になったか否かのチェックから上記同様に処理する(ステップS202〜S211)。
【0067】
そして、ステップS202で、バンド数変数Nが1ページ分のバンド数になると、スキップ制御処理を終了して、空白バンドの判定結果をDMAC21に通知し、DMAC21は、空白バンドの判定結果が通知されると、図3のステップS105に示したように、判定結果を、図2に示したディスクリプタの空白バンド情報に書き戻す(有効バンドであれば、「1」、空白バンドであれば、「0」)。DMAC21は、空白バンド情報の書き戻しを行うと、上述のように、ディスクリプタのチェーン先アドレスに用意されているネクストディスクリプタをリードし、次バンドの画像データの転送を行う動作処理を繰り返し行って、コントローラメモリ53上のディスクリプタに空白バンド情報を記録していく。DMAC21は、ステップS106で、チェーン先アドレスが「0」のディスクリプタのデータ転送を行った時点でコンプリートしデータ転送を完了する。
【0068】
複合装置1は、複数部を画像形成する場合、1部目の画像形成が完了すると、図6に示す画像データ転送制御処理を行う。すなわち、図6に示すように、エンジンCPU12は、1部目で空白バンド情報を書き戻したディスクリプタの先頭アドレスをDMAC12にセットして(ステップS301)、DMAC21に転送命令をかけて起動する(ステップS302)。
【0069】
DMAC21は、転送命令を受け取ると、コントローラメモリ53のディスクリプタをリードして、ディスクリプタの空白バンド情報が有効「1」であるか、すなわち、有効バンドであるか否かチェックする(ステップS303)。ステップS303で、DMAC21は、ディスクリプタの空白バンド情報が有効「1」のときには、図1にデータ転送ラインL3で示したように、ディスクリプタの画像データ格納先アドレスから画像データを読み出してメモリ制御部31に転送し、メモリ制御部31がスキップメモリ32に一旦保管した後にスキップ制御部33の入力制御部41に転送して(ステップS304)、ディスクリプタのチェーン先アドレスが「0」であるかチェックする(ステップS306)。ステップS303で、DMAC21は、ディスクリプタの空白バンド情報が無効「0」のときには、画像データの読み出しは行わずに、スキップ制御部33の代わりにエンジンCPU12に対して空白バンド通知割り込みを発生し(ステップS305)、ディスクリプタのチェーン先アドレスが「0」であるかチェックする(ステップS306)。
【0070】
DMAC21は、ステップS306で、ディスクリプタのチェーン先アドレスが「0」でないときには、該チェーン先アドレスに用意されているネクストディスクリプタをリードし(ステップS307)、ステップS303に戻って、該ネクストディスクリプタについて、空白バンド情報が有効「1」であるか否かのチェックから上記同様に行う(ステップS303〜S307)。複合装置1は、上記処理を繰り返し行い、DMAC21が、チェーン先アドレスが「0」のディスクリプタのデータ転送を行った時点で、画像形成制御処理の2部目のデータ転送を完了する。
【0071】
なお、上記説明において、処理対象の部数が1部目であるか、2部目であるか否か等の部数情報については、通常、ハードウェアでは部数情報を管理していないことが多いため、本実施例では、部数情報をプログラムから通知され、レジスタに設定することで、部数管理を行っている。
【0072】
このように、本実施例の複合装置1は、DMAC21が、画像データを保管するコントローラメモリ53の該画像データを読み取ると、スキップ制御部33の入力制御部41が、該画像データが白画素であるか否かの白検知を画素毎に順次行って白画素が連続すると該白画素を破棄して連続白画素数をカウントするとともに該連続白画素数が所定のスキップバンド数分になると無効スキップバンドであるとして、インクジェットヘッドの主走査移動を停止させて画像形成媒体のみを該スキップバンド分副走査方向に搬送するスキップ制御動作を行い、該コントローラメモリ53から読み取った画像データから連続する白画素の後に白以外の有効画素を検知すると、コントローラメモリ53からの画像データの読み取りを一時停止し、該有効画素の属するバンドを有効バンドとして該有効バンドにおける先頭ラインの先頭画素から該有効画素までの破棄した白画素の画像データを前記連続白画素数に基づいて生成して複数部を画像形成する場合に、1部目の画像データに対する白検知結果をコントローラメモリ53上のディスクリプタに保持して、2部目以降の画像データの転送において、コントローラメモリ53上のディスクリプタに保持されている1部目の該白検知結果に基づいて、該白検知結果が無効スキップバンドである画像データについては、スキップ通知を出すとともに、該白検知結果が有効バンドである画像データについてのみコントローラメモリ53から読み出している。
【0073】
したがって、2部目以降の画像形成における白データの先読みを省いて、速やかに後段のヘッド側画像処理部16及びヘッド制御部13にスキップさせる無効バンドを通知することができ、処理速度を向上させることができるとともに、2部目以降は1部目の白検知結果に基づいて、有効バンドのみデータの画像データを転送するので、メモリアクセス及びエンジン部3−システムコントローラ部5間の画像データ転送を削減して、消費電力を削減することができる。
【0074】
また、本実施例の複合装置1は、DMAC21が、コントローラメモリ53に登録されているディスクリプタに基づいて画像データをDMA転送し、DMAC21が、スキップ制御部33の入力制御部41の白検知結果をディスクリプタに書き戻して、2部目以降の画像データの転送において、該ディスクリプタの白検知結果に基づいてコントローラメモリ53の画像データの転送制御を行っている。
【0075】
したがって、DMAC21が白検知結果である空白バンド情報を参照して、画像データの転送制御を行うことができ、複雑なソフト制御を省くことができる。
【0076】
さらに、本実施例の複合装置1は、ページ画像形成装置のハードウェア、特に、システムコントローラを、ライン画像形成装置である複合装置1に適用した場合にも、適切に、2部目以降の画像形成における白データの先読みを省いて、速やかに後段のヘッド側画像処理部16及びヘッド制御部13にスキップさせる無効バンドを通知することができ、より一層安価に、処理速度を向上させることができるとともに、2部目以降は1部目の白検知結果に基づいて、有効バンドのみデータの画像データを転送するので、メモリアクセス及びエンジン部3−システムコントローラ部5間の画像データ転送を削減して、より一層安価に、消費電力を削減することができる。
【0077】
そして、上記説明においては、複合装置1は、部数情報をレジスタに設定して部数管理を行っているが、部数情報の管理方法は、レジスタに設定して管理する方法に限るものではなく、例えば、図7に示すように、ディスクリプタに部数情報の項目を設けて、処理対象の部数を該部数情報項目に登録することで、ディスクリプタによって部数管理を行ってもよい。
【0078】
この場合、複合装置1は、図8及び図9に示すように、データ転送制御処理を行う。すなわち、コントローラCPU51は、画像データをハードディスク6に保管すると、1部目の画像形成については、プログラムに基づいて、図8に示すように、画像メモリアクセス制御部52に、ハードディスク6に保管した画像データを読み出させてコントローラメモリ53上に展開させ、この画像データを転送するためのディスクリプタ(図7参照)をコントローラメモリ53上に書き込んで(ステップS401)、先頭ディスクリプタの用意されているコントローラメモリ53上のアドレスを、コントローラCPU51−エンジンCPU12間で通信して、エンジンCPU12に通知する。エンジンCPU12は、コントローラCPU51から通知された先頭ディスクリプタのアドレスを、コントローラI/F制御部14のDMAC21に設定して(ステップS402)、DMAC21に転送命令をかける(ステップS403)。
【0079】
DMAC21は、転送命令を受け取ると、コントローラメモリ53のディスクリプタをリードして、ディスクリプタの部数情報を参照して処理対象の部が2部目以降かチェックする(ステップS404)。
【0080】
ステップS404で、2部目以降ではなく、1部目であると、図9に示すように、DMAC21は、図1にデータ転送ラインL3で示したように、ディスクリプタの画像データ格納先アドレスから画像データを読み出してメモリ制御部31を介してスキップ制御部33に転送し、スキップ制御部33が、DMAC21から送られてきた画像データに対して白検知して、空白バンド判定を行う(ステップS405)。
【0081】
DMAC21は、スキップ制御部33から1バンド分の空白バンド判定結果の通知があると、判定結果を図7に示したディスクリプタの空白バンド情報欄に書き戻すとともに、ディスクリプタの部数情報を「1」だけインクリメントして書き戻す。この空白バンド情報は、上述のように、有効画素の含まれている有効バンドで有れば、「1」、1バンド全ての画素が空白画素である空白バンドであれば、「0」である(ステップS406)。
【0082】
DMAC21は、空白バンド情報の書き戻しを行うと、ディスクリプタのチェーン先アドレスが「0」であるか、すなわち、1部目の全画像データの読み出しを完了したかチェックする(ステップS407)。
【0083】
ステップS407で、ディスクリプタのチェーン先アドレスが「0」でないときには、DMAC21は、該チェーン先アドレスに用意されているネクストディスクリプタをリードし(ステップS408)、エンジン部3は、ステップS405に戻って、該ネクストディスクリプタに基づいて次バンドの画像データの転送を行って、空白バンド判定から上記同様に処理を行う(ステップS405〜S408)。複合装置1は、上記処理を繰り返し行い、コントローラメモリ53上のディスクリプタに空白バンド情報が記録されて、DMAC21が、チェーン先アドレスが「0」のディスクリプタの画像データ転送を行った時点で、画像形成制御処理の1部目のデータ転送を完了する。
【0084】
そして、図8のステップS404で、2部目以降であると、DMAC21は、ディスクリプタの空白バンド情報が有効「1」であるか、すなわち、有効バンドであるか否かチェックする(ステップS409)。
【0085】
ステップS409で、ディスクリプタの空白バンド情報が有効「1」のときには、DMAC21は、図1にデータ転送ラインL3で示したように、ディスクリプタの画像データ格納先アドレスから画像データを読み出して、メモリ制御部31を通してスキップメモリ32に転送し(ステップS410)、ディスクリプタの部数情報を「1」だけインクリメントして書き戻す(ステップS411)。
【0086】
ステップS409で、ディスクリプタの空白バンド情報が無効「0」のときには、スキップ制御部33の代わりにエンジンCPU12に対して空白バンド通知割り込みを発生して、画像データの読み出しは行わず(ステップS412)、ディスクリプタの部数情報を「1」だけインクリメントして書き戻す(ステップS411)。
【0087】
次に、DMAC21は、ディスクリプタのチェーン先アドレスが「0」であるかチェックし(ステップS413)、ディスクリプタのチェーン先アドレスが「0」でないときには、該チェーン先アドレスに用意されているネクストディスクリプタをリードして(ステップS414)、ステップS409に戻って、該ネクストディスクリプタについて、空白バンド情報が有効「1」であるかのチェックから上記同様に行う(ステップS409〜S414)。複合装置1は、上記処理を繰り返し行い、DMAC21が、チェーン先アドレスが「0」のディスクリプタのデータ転送を行った時点で、画像形成制御処理の2部目のデータ転送を完了する。
【0088】
このように、ディスクリプタに部数情報の項を設けて1部目のデータ転送処理を完了すると、部数情報をインクリメントして部数管理すると、エンジン部3側に部数を管理するレジスタを備える必要がなく、また、システムコントローラ部5側で白バンド情報を知ることができ、安価に処理を効率的に行うことができる。
【0089】
また、DMAC21が、ディスクリプタに空白バンド情報を書き戻すので、ソフトウェアからページ情報を受け取ることなく、ハードウェアによって、ページ管理を行うことができ、処理を効率的に行うことができる。
【0090】
さらに、ディスクリプタが、部数情報を有し、DMAC21がディスクリプタの書き戻しを行う際に、カウントアップして書き戻しているので、ソフトウェアによって部数情報を設定することなく、1部目であるのか、2部目以降であるのかを判断して、ハードウェアによって自動的に処理を行うことができ、安価に処理効率及び処理速度を向上させることができる。
【0091】
また、上記実施例の複合装置1においては、空白バンド情報をディスクリプタに空白バンド情報の項を設けてディスクリプタを利用して管理しているが、レジスタに空白バンド情報を記録して管理してもよい。
【0092】
部数管理をレジスタを利用して行う場合には、複合装置1は、1部目の画像データ転送制御処理を図10に示すように行い、2部目以降の画像データ転送制御処理を図11に示すように行う。なお、図10においては、図3と同様の処理ステップには、図3のステップナンバと同一のステップナンバを付与してその説明を簡略化し、図11においては、図6と同様の処理ステップには、図6のステップナンバと同一のステップナンバを付与してその説明を簡略化する。
【0093】
まず、1部目の画像データ転送制御処理について、図10に基づいて説明する。コントローラCPU51は、ハードディスク6に保管した画像データの1部目の画像形成については、プログラムに基づいて、図10に示すように、画像メモリアクセス制御部52に、ハードディスク6に保管した画像データを読み出させてコントローラメモリ53上に展開させ、この画像データを転送するためのディスクリプタをコントローラメモリ53上に書き込んで(ステップS101)、先頭ディスクリプタの用意されているコントローラメモリ53上のアドレスをエンジンCPU12に通知する。エンジンCPU12は、コントローラCPU51から通知された先頭ディスクリプタのアドレスを、コントローラI/F制御部14のDMAC21に設定して(ステップS102)、DMAC21に転送命令をかける(ステップS103)。
【0094】
DMAC21は、転送命令を受け取ると、コントローラメモリ53のディスクリプタをリードして、ディスクリプタの画像データ格納先アドレスから画像データを読み出してメモリ制御部31を介してスキップ制御部33に転送し、スキップ制御部33が、DMAC21から送られてきた画像データに対して白検知して、空白バンド判定を行う(ステップS104)。
【0095】
DMAC21は、スキップ制御部33から1バンド分の空白バンド判定結果の通知があると、判定結果、ページ情報及びバンド情報をレジスタに保管し(ステップS501)、ディスクリプタのチェーン先アドレスが「0」であるか否かチェックする(ステップS106)。
【0096】
ステップS106で、ディスクリプタのチェーン先アドレスが「0」でないときには、DMAC21は、該チェーン先アドレスに用意されているネクストディスクリプタをリードし(ステップS107)、ステップS104に戻って、該ネクストディスクリプタに基づいて次のバンドの画像データの転送を行って、空白バンド判定から上記同様に処理を行う(ステップS104、S501、S106、S107)。複合装置1は、上記処理を繰り返し行い、コントローラメモリ53上のディスクリプタに空白バンド情報が記録されて、DMAC21が、チェーン先アドレスが「0」のディスクリプタのデータ転送を行った時点(ステップS106で、ディスクリプタチェーン先アドレスが「0」)で、画像形成制御処理の1部目のデータ転送を完了する。
【0097】
次に、2部目以降の画像データ転送制御処理について、図11に基づいて説明する。エンジンCPU12は、コントローラCPU51から通知された先頭ディスクリプタのアドレスを、コントローラI/F制御部14のDMAC21に設定して(ステップS301)、DMAC21に転送命令をかけて起動する(ステップS302)。
【0098】
DMAC21は、転送命令を受け取ると、1部目の処理で空白バンド情報を記録したレジスタの情報を参照して、処理対象のバンドが有効バンドであるか無効バンドであるか判断して、該処理対象のバンドが有効バンドであるか否かチェックする(ステップS601)。ステップS601で、DMAC21は、レジスタの空白バンド情報から処理対象のバンドが有効バンドのときには、ディスクリプタの画像データ格納先アドレスから画像データを読み出してメモリ制御部31を介してスキップ制御部33を通してインクジェットヘッド部4に転送し(ステップS304)、ディスクリプタのチェーン先アドレスが「0」であるかチェックする(ステップS306)。
【0099】
ステップS601で、DMAC21は、レジスタの空白バンド情報から処理対象のバンドが無効バンドのときには、画像データの読み出しは行わずに、スキップ制御部33の代わりにエンジンCPU12に対して空白バンド通知割り込みを発生し(ステップS305)、ディスクリプタのチェーン先アドレスが「0」であるか否かチェックする(ステップS306)。
【0100】
DMAC21は、ステップS306で、ディスクリプタのチェーン先アドレスが「0」でないときには、該チェーン先アドレスに用意されているネクストディスクリプタをリードし(ステップS307)、ステップS601に戻って、該ネクストディスクリプタのバンドについて、レジスタの空白バンド情報に基づく有効バンドであるか否かのチェックから上記同様に行う(ステップS601、S304〜S307)。複合装置1は、上記処理を繰り返し行い、DMAC21が、チェーン先アドレスが「0」のディスクリプタのデータ転送を行った時点で、画像形成制御処理の2部目のデータ転送を完了する。
【0101】
このように、空白バンド情報の管理をレジスタを用いて行うと、エンジン部3側のみで空白バンドの管理を行うことができ、エンジン部3とシステムコントローラ部5との間の通信を削減して、消費電力をより一層削減することができるとともに、処理効率を向上させて、処理速度を向上させることができる。
【0102】
また、画像データの転送経路については、上記各場合において、図12にその複合装置100の要部ブロック構成図を示すように、スキップ制御部33をバイパスして、メモリ制御部31とヘッド側画像処理部I/F34を直接接続する画像データパス(迂回転送経路)101を設け、エンジン部3にスキップ制御部33の動作を停止させて消費電力を削減する省エネ制御部102を設けてもよい。なお、図12においては、図1と同様の構成部分には、同一の符号を付与して、その詳細な説明を省略する。
【0103】
複合装置100は、1部目の画像データの転送制御処理においては、白判定を行ってスキップ処理を行うため、上記と同様に、データ転送ラインL4を通して転送する。
【0104】
一方、複合装置100は、2部目以降の画像データについては、上述のように、既に白判定を行っているため、省エネ制御部102が、メモリ制御部31に画像データの転送ラインをスキップ制御部33側から画像データパス101に切り替えさせ、メモリ制御部31から画像データパス101を通してヘッド側処理部I/F34に転送して、インクジェットヘッド部4に転送するデータ転送ラインL5によってデータ転送する。さらに、省エネ制御部102は、2部目以降については、画像データパス101を使用したデータ転送ラインL4でデータ転送してスキップ制御部33を使用しないため、スキップ制御部33への供給電源を停止または供給クロックを停止するクロックゲーティングによってスキップ制御部33の動作を停止させ、消費電力をより一層削減させる。
【0105】
すなわち、省エネ制御部102は、エンジンCPU12またはコントローラI/F制御部14(DMAC21がリードしたディスクリプタの部数情報)からの部数情報により、2部目以降の画像データの処理においては、メモリ制御部31の出力データの転送先の切り替えを行い、電源遮断やクロックゲーティング等の制御を行ってスキップ制御部33の動作を停止させる省エネ制御(省エネルギー制御)を行う。
【0106】
このようにすると、2部目以降の処理において不要なスキップ制御部33での消費電力を削減して、より一層消費電力を削減することができるとともに、処理速度をより一層安価に高速化することができる。
【0107】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例で説明したものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0108】
本発明は、画像データ、特に、広幅の画像データをスキップ処理を行いつつ高速にかつ消費電力を削減しつつ画像形成するインク噴射式等でライン画像形成を行う画像形成装置、画像形成制御方法、画像形成制御プログラム及び記録媒体に利用することができる。
【符号の説明】
【0109】
1 複合装置
2 スキャナ部
3 エンジン部
4 インクジェットヘッド部
5 システムコントローラ部
6 ハードディスク(HDD)
11 スキャナ側画像処理部
12 エンジンCPU
13 ヘッド制御部
14 コントローラI/F制御部
15 画像データ制御部
16 ヘッド側画像処理部
21 DMAC
31 メモリ制御部
32 スキップ用メモリ
33 スキップ制御部
34 ヘッド側画像処理部I/F
41 入力制御部
42 データ格納バッファ
43 出力制御部
51 コントローラCPU
52 画像メモリアクセス制御部
53 コントローラメモリ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0110】
【特許文献1】特開2006−103047号公報
【特許文献2】特公平6−36546号公報
【特許文献3】2000−127510号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録ヘッドを主走査方向に移動させて入力される画像データの所定ライン数を1バンドとして該バンド毎に該画像データに基づいて画像形成媒体にドット画像を形成し該バンドの画像形成が完了すると該画像形成媒体を該バンド分だけ副走査方向に搬送する画像形成手段と、
画像データを保管する画像データ記憶手段と、
前記画像データ記憶手段の画像データを読み出して出力する画像データ転送制御手段と、
前記画像データ転送制御手段の読み出した画像データに対して白画素であるか否かの白検知を画素毎に順次行って白画素であると該白画素を破棄して連続白画素数をカウントするとともに該連続白画素数が所定のスキップバンド数分になると無効スキップバンドであるとしてスキップ通知を出力し、該白検知を行って連続する白画素の後に白以外の有効画素を検知すると、前記画像データ転送制御手段に前記画像データ記憶手段からの画像データの読み出しを一時停止させて、該スキップ通知を出力するラインの次ラインの先頭画素から該有効画素までの破棄した白画素の画像データを前記連続白画素数に基づいて生成して前記画像形成手段に出力するスキップ制御手段と、
前記画像形成手段の動作を制御して画像形成を行わせるとともに、前記スキップ制御手段がスキップ通知を出すと、該画像形成手段に前記記録ヘッドの主走査移動を停止させて前記画像形成媒体のみを前記スキップバンド分搬送させる画像形成制御手段と、
前記スキップ制御手段の白検知結果を保持する白検知結果保持手段と、
を備え、
前記画像データ転送制御手段は、前記画像データを複数部画像形成する場合における2部目以降の画像データの転送において、前記白検知結果保持手段に保持されている1部目の前記白検知結果に基づいて、該白検知結果が無効スキップバンドである画像データについては、前記スキップ通知を出すとともに、該白検知結果が有効バンドである画像データについてのみ前記画像データ記憶手段から読み出すことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記画像データ転送制御手段は、前記画像データ記憶手段に登録されているディスクリプタに基づいて前記画像データをDMA転送するDMAコントローラであり、
前記白検知結果保持手段は、前記画像データ記憶手段のディスクリプタであって、前記DMAコントローラが前記スキップ制御手段の前記白検知結果を該ディスクリプタに書き戻すことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記ディスクリプタは、処理部数を示す部数情報も登録されていることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記白検知結果保持手段は、レジスタであることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像形成装置は、
2部目以降の画像形成において前記スキップ制御手段の動作を停止させる省電力手段と、
前記スキップ制御手段を迂回して画像データを転送する迂回転送経路と、
を備え、
2部目以降の画像形成において、前記省電力手段によって前記スキップ制御手段の駆動を停止させ、前記画像データ転送制御手段が、前記迂回転送経路を通して有効バンドの画像データを前記画像形成手段に転送することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
記録ヘッドを主走査方向に移動させて入力される画像データの所定ライン数を1バンドとして該バンド毎に該画像データに基づいて画像形成媒体にドット画像を形成し該バンドの画像形成が完了すると該画像形成媒体を該バンド分だけ副走査方向に搬送する画像形成処理ステップと、
画像データを保管する画像データ記憶手段の該画像データを読み出して出力する画像データ転送制御処理ステップと、
前記画像データ転送制御処理ステップで読み出された画像データに対して白画素であるか否かの白検知を画素毎に順次行って白画素であると該白画素を破棄して連続白画素数をカウントするとともに該連続白画素数が所定のスキップバンド数分になると無効スキップバンドであるとしてスキップ通知を出力し、該白検知を行って連続する白画素の後に白以外の有効画素を検知すると、前記画像データ転送制御処理ステップに前記画像データ記憶手段からの画像データの読み出しを一時停止させて、該スキップ通知を出力するラインの次ラインの先頭画素から該有効画素までの破棄した白画素の画像データを前記連続白画素数に基づいて生成して前記画像形成処理ステップに出力するスキップ制御処理ステップと、
前記画像形成処理ステップの動作を制御して画像形成を行わせるとともに、前記スキップ制御処理ステップがスキップ通知を出すと、該画像形成処理ステップに前記記録ヘッドの主走査移動を停止させて前記画像形成媒体のみを前記スキップバンド分搬送させる画像形成制御処理ステップと、
前記スキップ制御処理ステップでの白検知結果を白検知結果保持手段に保持させる白検知結果保持制御処理ステップと、
を有し、
前記画像データ転送制御処理ステップは、前記画像データを複数部画像形成する場合における2部目以降の画像データの転送において、前記白検知結果保持手段に保持されている1部目の前記白検知結果に基づいて、該白検知結果が無効スキップバンドである画像データについては、前記スキップ通知を出すとともに、該白検知結果が有効バンドである画像データについてのみ前記画像データ記憶手段から読み出すことを特徴とする画像形成制御方法。
【請求項7】
コンピュータに、
記録ヘッドを主走査方向に移動させて入力される画像データの所定ライン数を1バンドとして該バンド毎に該画像データに基づいて画像形成媒体にドット画像を形成し該バンドの画像形成が完了すると該画像形成媒体を該バンド分だけ副走査方向に搬送する画像形成処理と、
画像データを保管する画像データ記憶手段の該画像データを読み出して出力する画像データ転送制御処理と、
前記画像データ転送制御処理で読み出された画像データに対して白画素であるか否かの白検知を画素毎に順次行って白画素であると該白画素を破棄して連続白画素数をカウントするとともに該連続白画素数が所定のスキップバンド数分になると無効スキップバンドであるとしてスキップ通知を出力し、該白検知を行って連続する白画素の後に白以外の有効画素を検知すると、前記画像データ転送制御処理に前記画像データ記憶手段からの画像データの読み出しを一時停止させて、該スキップ通知を出力するラインの次ラインの先頭画素から該有効画素までの破棄した白画素の画像データを前記連続白画素数に基づいて生成して前記画像形成処理に出力するスキップ制御処理と、
前記画像形成処理の動作を制御して画像形成を行わせるとともに、前記スキップ制御処理がスキップ通知を出すと、該画像形成処理に前記記録ヘッドの主走査移動を停止させて前記画像形成媒体のみを前記スキップバンド分搬送させる画像形成制御処理と、
前記スキップ制御処理での白検知結果を白検知結果保持手段に保持させる白検知結果保持制御処理と、
を実行させ、
前記画像データ転送制御処理で、前記画像データを複数部画像形成する場合における2部目以降の画像データの転送において、前記白検知結果保持手段に保持されている1部目の前記白検知結果に基づいて、該白検知結果が無効スキップバンドである画像データについては、前記スキップ通知を出すとともに、該白検知結果が有効バンドである画像データについてのみ前記画像データ記憶手段から読み出すことを特徴とする画像形成制御プログラム。
【請求項8】
請求項7記載の画像形成制御プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータが読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−42056(P2011−42056A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−190299(P2009−190299)
【出願日】平成21年8月19日(2009.8.19)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】