説明

画像形成装置、画像形成方法及びそのプログラム

【課題】互いに枚数の異なる独立したジョブのページイメージを用紙上に並べて印刷する際に、空白部分を最小にして印刷すること。
【解決手段】並列印刷モード設定部170の設定によって第1のジョブと第2のジョブを並列印刷する際に、それぞれの原稿ページ数を取得し、印刷枚数算出部171によって印刷に必要な最小用紙枚数を算出し、印刷画像データ生成部14において、1枚目の用紙の第1列(左側)から第1のジョブのページイメージを原稿ページ順に配置し、全ての用紙の第1列にページイメージを配置した後は、1枚目の用紙の第2列目(右側)に配置すると共に、第1のジョブの後に引き続いて第2のジョブのページイメージを原稿ページ順に配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに独立した少なくとも第1のジョブと第2のジョブごとにページイメージを取得して用紙上に並べて印刷するための画像形成装置、画像形成方法及びそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置として、従来、複数の原稿画像を一枚の印刷用紙の同一面に印刷する集約機能を有する画像形成装置がある。例えば、下記の特許文献1で示すように、複数のページの原稿について用紙サイズを数分の1たとえば半分のサイズにして複数部を印刷することができる従来技術が提案されている。これは、原稿枚数=D、部数=Nとすれば、トータルT枚の用紙に対し、
T=Round Up(D×N/2)
Round Up:切り上げ
の関係で集約画像印刷するものである。例えば、原稿D=4枚、部数N=3の場合は、用紙の枚数Tは6枚となる。そして、印刷後は中央で2分割に裁断して重ねあわせると、各部がページ順に並び、それが3部重なったものとなる。このようにすると、裁断後に上下に重ねあわせることだけで複写用紙サイズの半分のサイズの仕分けコピーを手にすることができる。また、コピーカウントの節約にもなる。
【0003】
また、互いに独立して処理された複数のジョブのページイメージを用紙上にページ単位で並べて印刷することも考えられている。その従来技術としては、下記の特許文献2で示すものがある。互いに独立したJOB1とJOB2としては、JOB1が外国語の文書であるのに対して、JOB2が外国語を日本語に翻訳した文書である場合、一方が試験の問題であるのに対して、他方がそれに対する解答の文書である場合などがある。
このように2つのジョブが互いに関連したものである場合は、関連識別子を付加して印刷の制御を行う。一方、2つのジョブが互いに関連しないものである場合は、関連識別子を用いずに印刷を行い、JOB1とJOB2の画像データを並べて印字を行う。
【0004】
一般的には、相互に全く関連性のないジョブを互いに独立して処理することが多い。例えば、図11で示すように、JOB1が6ページの原稿からなるジョブAであり、JOB2が9ページの原稿からなるジョブBである場合は、用紙20の左側にジョブAを印刷し、右側にジョブBを印刷する。即ち、ジョブAのページA1〜A6を用紙201〜206の左側に印刷し、ジョブBのページB1〜B9を用紙201〜209の右側に印刷する。その後、これを中央部分30で裁断することにより、夫々のジョブA、Bが印刷された書面を取得できる。
【0005】
【特許文献1】特開2002−281278号公報(段落[0058]〜[0059]、[0068]、図9)
【特許文献2】特開平10−97396号公報(段落[0027]、[0083]〜[0085]、図8)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、図1で示す従来技術においては、ジョブAとジョブBとでは、全く関連性がないので原稿枚数に差があることが多い。そのため、その差分だけ印刷用紙に空白面が生じる。特に、原稿枚数の差が大きいと、空白部分を有する印刷用紙の枚数が多くなる。従って、従来は用紙を無駄に消費してしまうという問題点があった。
【0007】
そこで、本発明は、上記の問題点に鑑みなされたものであり、互いに独立したジョブを集約して印刷する場合に用紙に生じる白紙部分を少なくし用紙の無駄をなくし、印刷カウント数を最小限に抑えた画像形成装置、画像データ処理装置、画像形成方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本願の請求項1に係る発明の画像形成装置は、
互いに独立した少なくとも2つのジョブごとのページイメージを取得して記憶する記憶手段と、前記複数のジョブのページイメージを用紙上にページ単位で並べて印刷する並列印刷モードを設定する並列印刷モード設定手段(例えば、並列印刷モード設定部170、両面並列印刷モード設定部174)と、前記並列印刷設定手段によって並列印刷をする場合に、前記複数のジョブの原稿ページ数を取得し、並列印刷モードでの印刷に要する用紙枚数を算出する印刷枚数算出手段(例えば、印刷枚数算出部171、両面印刷枚数算出部175)と、前記記憶手段に記憶された前記複数のジョブのページイメージを前記印刷枚数算出手段によって算出された枚数の用紙にページ単位で順に並べて配置して印刷画像データを生成する印刷画像データ生成手段(例えば、印刷画像データ生成部14、両面印刷データ生成部50)と、前記印刷画像データ生成手段において生成された印刷画像データを前記用紙に印刷する印刷手段と、を備えてなる画像形成装置において、
前記印刷枚数算出手段は、前記複数のジョブを並列印刷する際に、印刷に要する最小用紙枚数を算出し、
前記印刷画像データ生成手段は、前記複数のジョブのうちの1つのジョブの最終ページが配置された用紙の下に他のジョブの第1ページ目のページイメージを配置することを特徴とする。
【0009】
また、本願の請求項2に係る発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
前記複数のジョブが、原稿ページ数MAからなる第1のジョブと原稿ページ数MBからなる第2のジョブの2つである場合に、
前記印刷枚数算出手段は、印刷に必要な用紙枚数Qを、Q=〔(MA+MB)+1〕/2により算出し、
前記印刷画像データ生成手段は、前記用紙の1枚目の第1列(左側)に出力される原稿ページPLが、第1のジョブの原稿ページをPA=1、2、3…とすると、PA=1のページとなるようにページイメージを配置し、前記用紙の1枚目の第2列(右側)に出力される原稿ページPRが、第2の原稿ページをPB=1、2、3…とすると、MA<MBの場合に、PB=Q−MA+1のページとなるように、また、MA>MBの場合に、PB=Q+1のページとなるようにページイメージを配置することを特徴とする。
【0010】
また、本願の請求項3に係る発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
前記複数のジョブが、第1のジョブと第2のジョブの2つである場合に、
前記並列印刷モード設定手段は、前記複数のジョブのページイメージを用紙にページ単位で並べるとともに用紙の裏表両面に印刷する両面並列印刷モードの設定を有し、
前記並列印刷モード設定手段によって両面並列印刷モードに設定された場合に、
前記印刷枚数算出手段は、両面並列印刷モードでの印刷に要する最小用紙枚数を算出し、
前記印刷画像データ生成手段は、前記用紙の第1列(左側)の表裏に第1のジョブのページイメージを順に配置し、第1列の全てに配置し終えると引き続いて第2列(右側)の表裏に配置するとともに、第1のジョブに続いて第2のジョブのページイメージを原稿ページ順に前記用紙の表裏に配置することを特徴とする。
【0011】
また、本願の請求項4に係る発明は、請求項3に記載の画像形成装置において、
前記第1のジョブの原稿ページ数がMAであり、前記第2のジョブの原稿ページ数がMBであるとすると、
前記印刷枚数算出手段は、前記第1のジョブの原稿ページ数MAが奇数の場合にMA'=MA+1、偶数の場合にMA'=MAとし、前記第2のジョブの原稿ページ数MBが奇数の場合にMB'=MB+1、偶数の場合にMB'=MBとし、両面並列印刷に必要な用紙枚数Qを、Q=〔(MA'+MB')+2〕/4により算出し、
前記印刷画像データ生成手段は、前記用紙の1枚目の第1列(左側)に出力される原稿ページPLが、第1のジョブの原稿ページをPA=1、2、3…とすると、PA=1のページとなるようにページイメージを配置し、前記用紙の1枚目の第2列(右側)に出力される原稿ページPRが、第2の原稿ページをPB=1、2、3…とすると、MA<MBの場合に、PB=2Q−MA'+1のページとなるように、また、MA>MBの場合に、PB=2Q+1のページとなるようにページイメージを配置することを特徴とする。
【0012】
また、本願の請求項5に係る発明の画像形成方法は、
互いに独立した少なくとも2つのジョブごとのページイメージを取得して記憶するステップと、前記複数のジョブのページイメージを用紙上にページ単位で並べて印刷する並列印刷モードを設定するステップと、前記並列印刷設定手段によって並列印刷をする場合に、前記複数のジョブの原稿ページ数を取得し、並列印刷モードでの印刷に要する用紙枚数を算出するステップと、前記記憶手段に記憶された前記複数のジョブのページイメージを前記印刷枚数算出手段によって算出された枚数の用紙にページ単位で順に並べて配置して印刷画像データを生成するステップと、前記印刷画像データ生成手段において生成された印刷画像データを前記用紙に印刷するステップと、を備えてなる画像形成方法において、
前記印刷枚数を算出するステップは、前記複数のジョブを並列印刷する際に、印刷に要する最小用紙枚数を算出し、
前記印刷画像データを生成するステップは、前記複数のジョブのうちの1つのジョブの最終ページが配置された用紙の下に他のジョブの第1ページ目のページイメージを配置することを特徴とする。
【0013】
また、本願の請求項6に係る発明の画像形成プログラムは、
コンピュータに、互いに独立した少なくとも2つのジョブごとのページイメージを取得して記憶するステップと、前記複数のジョブのページイメージを用紙上にページ単位で並べて印刷する並列印刷モードを設定するステップと、前記並列印刷設定手段によって並列印刷をする場合に、前記複数のジョブの原稿ページ数を取得し、並列印刷モードでの印刷に要する用紙枚数を算出するステップと、前記記憶手段に記憶された前記複数のジョブのページイメージを前記印刷枚数算出手段によって算出された枚数の用紙にページ単位で順に並べて配置して印刷画像データを生成するステップと、前記印刷画像データ生成手段において生成された印刷画像データを前記用紙に印刷するステップと、を実行させる画像形成プログラムであって、
前記印刷枚数を算出するステップは、前記複数のジョブを並列印刷する際に、印刷に要する最小用紙枚数を算出し、
前記印刷画像データを生成するステップは、前記複数のジョブのうちの1つのジョブの最終ページが配置された用紙の下に他のジョブの第1ページ目のページイメージを配置することを特徴とする。
【0014】
また、本願の請求項7に係る発明は、請求項6に記載の画像形成プログラムにおいて、
前記印刷枚数を算出するステップは、前記複数のジョブが、原稿ページ数MAからなる第1のジョブと原稿ページ数MBからなる第2のジョブの2つである場合に、印刷に必要な用紙枚数Qを、Q=〔(MA+MB)+1〕/2により算出し、
前記印刷画像データを生成するステップは、前記用紙の1枚目の第1列(左側)に出力される原稿ページPLが、第1のジョブの原稿ページをPA=1、2、3…とすると、PA=1のページとなるようにページイメージを配置し、前記用紙の1枚目の第2列(右側)に出力される原稿ページPRが、第2の原稿ページをPB=1、2、3…とすると、MA<MBの場合に、PB=Q−MA+1のページとなるように、また、MA>MBの場合に、PB=Q+1のページとなるようにページイメージを配置することを特徴とする。
【0015】
また、本願の請求項8に係る発明は、請求項6に記載の画像形成プログラムにおいて、
前記並列印刷モードを設定するステップは、前記複数のジョブが、第1のジョブと第2のジョブの2つである場合に、前記複数のジョブのページイメージを用紙にページ単位で並べるとともに用紙の裏表両面に印刷する両面並列印刷モードに設定するステップを有し、
前記並列印刷モードを設定するステップによって両面並列印刷モードに設定された場合に、
前記印刷枚数を算出するステップは、両面並列印刷モードでの印刷に要する最小用紙枚数を算出し、
前記印刷画像データを生成するステップは、前記用紙の第1列(左側)の表裏に第1のジョブのページイメージを順に配置し、第1列の全てに配置し終えると引き続いて第2列(右側)の表裏に配置するとともに、第1のジョブに続いて第2のジョブのページイメージを原稿ページ順に前記用紙の表裏に配置することを特徴とする。
【0016】
また、本願の請求項9に係る発明は、請求項8に記載の画像形成プログラムにおいて、
前記印刷枚数を算出するステップは、前記第1のジョブの原稿ページ数がMAであり、前記第2のジョブの原稿ページ数がMBであるとすると、前記第1のジョブの原稿ページ数MAが奇数の場合にMA'=MA+1、偶数の場合にMA'=MAとし、前記第2のジョブの原稿ページ数MBが奇数の場合にMB'=MB+1、偶数の場合にMB'=MBとし、両面並列印刷に必要な用紙枚数Qを、Q=〔(MA'+MB')+2〕/4により算出し、
前記印刷画像データ生成手段は、前記用紙の1枚目の第1列(左側)に出力される原稿ページPLが、第1のジョブの原稿ページをPA=1、2、3…とすると、PA=1のページとなるようにページイメージを配置し、前記用紙の1枚目の第2列(右側)に出力される原稿ページPRが、第2の原稿ページをPB=1、2、3…とすると、MA<MBの場合に、PB=2Q−MA'+1のページとなるように、また、MA>MBの場合に、PB=2Q+1のページとなるようにページイメージを配置することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、上述した解決手段によって、以下に述べるとおりの優れた効果を奏する。
即ち、本願の請求項1に係る発明の画像形成装置によれば、互いに独立したジョブを並列印刷するに際して、算出した最小用紙枚数の印刷用紙に、1つのジョブの最終ページが配置された用紙に引き続いて他のジョブの第1ページ目のページイメージを配置することにより、以下の効果を奏する。
第一に、ジョブの原稿ページ数に差があっても、第1のジョブから第2のジョブへの印刷が連続して行われることになり、空白部分を最小とすることができる。従って、用紙の節約、印刷カウント数の低減を図ることができる。
第二に、印刷後に用紙の第1列(左側)と第2列(右側)との間で裁断し、重ねることにより、第1のジョブと第2のジョブを印刷したものを別々の書類として得ることが容易にできるようになる。
【0018】
本願の請求項2に係る発明の画像形成装置によれば、第1のジョブの原稿ページ数MAと、第2のジョブの原稿ページ数MBとから印刷用紙枚数を算出し、この印刷用紙枚数に収まるように印刷画像データを生成するようにしたので、これらの処理を演算処理によって簡単に行うことができ、画像形成装置を簡単な構成とすることができる。
【0019】
また、本願の請求項3に係る発明の画像形成装置によれば、並列印刷モード設定手段が、両面並列印刷モードの設定を有するため、第1のジョブおよび第2のジョブを用紙の両面に印刷することができるようになる。さらに、ジョブの原稿ページ数に差があっても、第1のジョブから第2のジョブへの印刷が連続して行われるため、空白部分を最小にすることができる。従って、用紙の節約、印刷カウント数の低減を図ることができる。
更に、印刷後に用紙の第1列(左側)と第2列(右側)との間で裁断し、重ねることにより、第1のジョブと第2のジョブを印刷したものを別々の書類として得ることが容易にできるようになる。
【0020】
本願の請求項4に係る発明の画像形成装置によれば、第1のジョブの原稿ページ数MAと、第2のジョブの原稿ページ数MBとから印刷用紙枚数を算出し、この印刷用紙枚数に収まるように印刷画像データを生成するようにしたので、これらの処理を演算処理によって簡単に行うことができ、画像形成装置を簡単な構成とすることができる。
【0021】
本願の請求項5に係る発明の画像形成方法によれば、請求項1に係る発明の効果と同様の効果を奏する方法で画像を形成することができるようになる。また、請求項6〜9に係る発明の画像形成プログラムによれば、請求項1〜4に係る発明の効果と同様の効果を奏するプログラムによって画像形成装置等を機能させることができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。
【実施例1】
【0023】
本発明の実施例1について図1〜図3を参照して説明する。図1は実施例1における画像形成装置を示すブロック図、図2は実施例1における画像形成装置によって形成された並列印刷の画像データの生成状態を示す説明図、図3は実施例1における画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【0024】
図1に示すのは、画像形成装置1を用いたネットワーク画像形成装置であり、画像形成装置1はネットワーク2を介して外部入力装置3に接続されている。外部入力装置3は、印刷ジョブを発生するパーソナルコンピュータ、原稿から画像データを読み取って印刷ジョブを生成するスキャナー装置等が適用される。
【0025】
画像形成装置1は、印刷ジョブを受信するジョブ受信部10と、原稿から画像データを読み取るスキャナー11と、ジョブ単位で印刷ジョブをページイメージとして処理するジョブ処理部12と、ページイメージを記憶する記憶部13と、印刷画像データを生成する印刷画像データ生成部14と、印刷処理部15と、所定の用紙印刷画像データを印刷する印刷部16と、制御部17と、使用者により操作入力がなされる入力部18と、表示部19とを有している。
【0026】
ジョブ処理部12と記憶部13は、ジョブ受信部10またはスキャナー11から供給された互いに独立した第1のジョブと第2のジョブをページイメージとして取得し、互いに独立して記憶する記憶手段を形成している。
【0027】
制御部17は、印刷のスタート、ストップ、印刷枚数の設定、倍率の設定等の制御を行うものであるが、更に、第1のジョブと第2のジョブのページイメージを順に用紙上にページ単位に左右に並べて印刷する並列印刷モード設定部170を有する。また、制御部17は、記憶部13に記憶されている第1のジョブの原稿ページ数と第2のジョブの原稿ページ数とを取得し、この原稿ページ数から、印刷に要する用紙枚数を算出する印刷枚数算出部171を有する。この印刷枚数算出部171は、下記に示す計算方法によって、2つのジョブの印刷に必要な最小用紙枚数を算出する。
【0028】
この印刷枚数算出部171は、第1のジョブの原稿ページ数をMAとし、第2のジョブ(ジョブB)の原稿ページ数をMBとすると、印刷に要する用紙枚数Qは、Q=〔(MA+MB)+1〕/2となる演算処理を実行する演算処理回路から構成されている。
【0029】
印刷画像データ生成部14は、図2で示すように、用紙の1枚目の第1列(左側)から2枚目の第1列(左側)、3枚目の第1列(左側)…というように第1のジョブ(ジョブA)のページイメージを順に配置し、すべての用紙において第1列(左側)にページイメージが配置されると、今度は1枚目の用紙の第2列(右側)にページイメージを配置し、2枚目、3枚目の用紙の第2列(右側)に順に配置してゆく。それとともに、第1のジョブ(ジョブA)の後に引き続いて第2のジョブ(ジョブB)のページイメージが順に配置されるように印刷画像データを生成する。
【0030】
第1のジョブ(ジョブA)のページをPA=1、2、3…、第2のジョブ(ジョブB)のページをPB=1、2、3…とすると、用紙の1枚目の第1列(左側)に配置される印刷画像データのページPLは、PA=1であり、第1のジョブ(ジョブA)の1ページ目のページイメージがそこに配置されることになる。そして、用紙の1枚目の第2列(右側)に配置される印刷画像データのページPRは、以下の通りになる。第1のジョブ(ジョブA)の原稿ページ数MAの方が第2のジョブ(ジョブB)の原稿ページ数MBより少ない場合、すなわち、MA<MBの場合は、用紙の第2列(右側)に配置される印刷画像データのページPRは、PB=Q−MA+1となる。一方、第1のジョブ(ジョブA)の原稿ページ数MAが第2のジョブ(ジョブB)の原稿ページ数MBより多い場合、すなわち、MA>MBの場合は、用紙の第2列(右側)に配置される印刷画像データのページPRは、PA=Q+1となる。
【0031】
入力部18は、電源スイッチ、印刷のスタートとストップ、プリンター機能の選択、並列印刷モードの選択、印刷枚数の指定、部数の指定などを行うための操作キー、スイッチなどを有するものである。
【0032】
表示部19は、入力部18の操作入力により各種の画面、各種の指示などの内容が表示されるものである。
【0033】
印刷処理部15は、制御部17の制御に基づいて印刷画像データを所定の倍率に調整して印刷部16に供給するものである。
【0034】
上述した本発明の実施例1による画像形成装置1の動作について、図2の説明図、図3のフローチャートを参照して説明する。
【0035】
まず、使用者は、入力部18を操作してスキャナー11により原稿から画像を読み取りページデータを得るか否か、並列印刷モードとするか否かなどの初期設定を行う(ステップS1)。この設定の後に、第1のジョブ(ジョブA)と第2のジョブ(ジョブB)のデータがジョブ受信部10またはスキャナー11から得られ、そのページイメージがそれぞれ記憶部13に記憶される(ステップS2)。
【0036】
次に、制御部17において、並列印刷モード設定部170が入力部18の操作により並列印刷モードの設定状態になっているか否かが判別される(ステップS3)。
【0037】
並列印刷モードに設定されている場合は、印刷枚数算出部171が第1のジョブ(ジョブA)の原稿ページ数MAと第2のジョブ(ジョブB)の原稿ページ数MBから用紙枚数Qが算出される。例えば、ジョブAの原稿ページ数MAが6、ジョブBの原稿ページ数MBが9の場合は、用紙枚数Qは、Q=[(6+9)+1]/2から、8枚となる。
【0038】
そして、画像印刷データ生成部14は、図2で示すように、印刷用紙20について、第1列(左側)と第2列(右側)に並べられた印刷画像データを生成する(ステップS5)。1枚目の印刷用紙201の第1列(左側)には、PA=1の画像データA1が生成される。1枚目の印刷用紙201の第2列(右側)には、MA<MBであるため、PB=8−6+1から、画像データB3が生成される。2枚目以降の印刷用紙202、203…についても同様の処理を行い、2枚目の印刷用紙202の第1列(左側)には、PA=2の画像データA2、第2列(右側)には、PB=4の画像データB4が生成される。
【0039】
次に、並列印刷スタートの指示があれば、制御部17は印刷部16による印刷をスタートさせる(ステップS6)。この印刷スタートの指示によって印刷処理部15は、図2で示す順序で画像データを画像印刷データ生成部14から読み出して所定の倍率で印刷部16に供給する。印刷部16においては供給された印刷画像データによる並列印刷が実行される。
【0040】
制御部17は、印刷部16において1枚目の印刷用紙201から8枚目の印刷用紙208までの印刷が実行されるように制御する(ステップS7)。この印刷の結果、1枚目の印刷用紙201の第1列(左側)に画像データA1が印刷され、第2列(右側)に画像データB3が印刷される。2枚目の印刷用紙202には、第1列(左側)に画像データA2が印刷され、第2列(右側)に画像データB4が印刷される。以下、順に3枚目の印刷用紙203、4枚目の印刷用紙204、5枚目の印刷用紙205、6枚目の印刷用紙206にそれぞれ同様の方法で印刷が行われる。そして、7枚目の印刷用紙207には、第1列(左側)に画像データB1が印刷され、第2列(右側)に画像データB9が印刷される。最後の8枚目の印刷用紙208には、第1列(左側)に画像データB2が印刷されるが、第2列(右側)には印刷される画像データがないので空白が生じる。
【0041】
制御部17は、以上の並列印刷を完了すると印刷をストップさせる(ステップS8)。
【0042】
一方、ステップS3において、並列印刷モードでないと判定された場合は、通常の印刷モードとみなされる(ステップS9)。通常の印刷スタートの指示があれば(ステップS10)、制御部17は印刷部16において通常の印刷を実行させる(ステップS11)。制御部17は、通常の印刷が完了すると印刷をストップさせる(ステップS12)。
【0043】
ここで、通常の印刷モードとは、代表的には第1のジョブ(ジョブA)、第2のジョブ(ジョブB)の画像データを順に印刷用紙に印刷することである。この印刷の際に、倍率を変更したり、複数部を印刷したりすることもある。
【0044】
また、このような機能は、プログラムとして外部入力装置3であるパーソナルコンピュータから画像形成装置1に所謂プリンタードライバーの形式でインストールすることによって達成できる。
【0045】
上述した本発明の実施例1の画像形成装置1によれば、互いに独立した第1のジョブ(ジョブA)、第2のジョブ(ジョブB)について、並列印刷を行う際に必要な最小枚数の用紙20にジョブAとジョブBのページイメージを順に並べて印刷する。このために、印刷画像データ生成部14は、ジョブA、Bのページイメージを第1列から第2列へと順に並べて配置する際に、ジョブAの最終ページが配置された用紙の下にジョブBの第1ページ目を配置する。この配置の方法によれば、第1のジョブ(ジョブA)と第2のジョブ(ジョブB)との原稿ページ数MA、MBに差があっても、最後の原稿ページの第1列(右側)に空白を生じさせず、しかも最後の原稿ページの第2列(右側)には多くても最大1ページ分の空白だけを生じるようにしたものである。
【0046】
従って、実施例1においては、第1のジョブ(ジョブA)、第2のBの原稿ページ数MA、MBに差があっても、空白部分が最小になり、印刷に用いられる用紙20の枚数を最小限に抑えることができる。例えば、図11で示す従来例と比較すると、明らかなように、印刷用紙20が1枚少なくなっている。この少なくなる枚数は、原稿ページ数MAと原稿ページ数MBに大きな差があればあるほど多くなる。
【0047】
また、印刷された後は、用紙20の中央部分30で裁断し、第1のジョブ(ジョブA)と第2のジョブ(ジョブB)を境界部分で分離して重ねれば、第1のジョブ(ジョブA)と第2のジョブ(ジョブB)とを印刷した書類を別々に得られる。
【実施例2】
【0048】
次に、本発明の実施例2について、図4〜図6を参照して説明する。図4は実施例2における画像形成装置を示すブロック図、図5は実施例2における画像形成装置によって形成された第1のジョブと第2のジョブの原稿ページが共に奇数である場合の並列印刷の画像データ生成状態を示す説明図、図6は実施例2における画像形成装置の動作を示すフローチャートであり、実施例1と同一部分は同一符号を付してその説明を省略する。
【0049】
画像形成装置1の制御部17は、第1のジョブ(ジョブA)の原稿ページ数MAと第2のジョブ(ジョブB)の原稿ページ数MB共に奇数であるか否かを判別する奇数判別部172を備えている。また、画像形成装置1は二種印刷画像データ生成部40を備えている。
【0050】
二種印刷画像データ生成部40は、奇数判別部172が原稿ページ数MA、MBが共に奇数の場合に第1の形態の印刷画像データを生成し、原稿ページ数MA、MB共に奇数でない場合に第2の形態の印刷画像データを生成するものである。
【0051】
第1の形態の印刷画像データの印刷例を図5に示す。この例においては、第1のジョブ(ジョブA)の原稿ページ数MAが7枚、第2のジョブ(ジョブB)の原稿ページ数MBが9枚の場合とする。まず、1枚目の用紙201の第1列(左側)に画像データA1を配置し、第2列(右側)に画像データA2を配置する。次いで、2枚目の用紙202の第1列(左側)に画像データA3を配置し、第2列(右側)に画像データA4を配置する。3枚目の用紙203にも同様にして、画像データA5、A6が配置される。4枚目の用紙204において、画像データA7は用紙204の第1列(左側)に配置される。そして、第2列(右側)には第2のジョブ(ジョブB)の画像データB1が配置される。そして、5枚目の用紙205の第1列(左側)に画像データB2を配置し、第2列(右側)に画像データB3を配置する。6枚目から8枚目の用紙206〜208も同様に、画像データB4〜B9が第1列(左側)、第二列(右側)の順に配置される。
【0052】
第2の形態においては、二種印刷画像データ生成部40は、画像データの割振りを前述した実施例1の図2で示す形態になるように制御する。
【0053】
上述した本発明の実施例2による画像形成装置1の動作について図5の説明図、図6のフローチャートを参照して説明する。
【0054】
まず、初期設定を行い、並列印刷モードに設定するか否かの設定をする(ステップS1、S2)。並列印刷モードであれば(ステップ3)奇数判別部172は第1のジョブ(ジョブA)の原稿ページ数MAと第2のジョブ(ジョブB)の原稿ページ数MB共に奇数であるか否かを判別する(ステップS20)。両者共に奇数であると判別されると、制御部17は、記憶部13に記憶された第1のジョブ(ジョブA)、第2のジョブ(ジョブB)の画像データを、二種印刷画像データ生成部40において図5で示す第1の形態に配置する(ステップS21)。
【0055】
次に、並列印刷スタートの指示があれば、制御部17は印刷部16で印刷を行うことをスタートさせる(ステップS22)。この印刷スタートによって印刷処理部15は、図5で示す順序で画像データを画像印刷データ生成部14から読み出して所定の倍率で印刷部16に供給する。
【0056】
制御部17は、印刷部16が、1枚目の印刷用紙201から8枚目の印刷用紙208まで、第1の形態での印刷を実行するように制御する(ステップS23)。そして、制御部17は、以上の並列印刷が完了すると印刷をストップさせる(ステップS24)。
【0057】
一方、ステップS20において、奇数判別部172が第1のジョブ(ジョブA)の原稿ページ数MAと第2のジョブ(ジョブB)の原稿ページ数MBが奇数でないと判別された場合は、前述した実施例1におけるステップS4〜S8と同様にして第2の形態の並列印刷を実行する。
【0058】
また、ステップS3において、並列印刷モードでないと判別された場合は、前述した実施例1におけるステップS9〜S12と同様にして通常の印刷モードによる印刷を実行する。
【0059】
このような機能は、プログラムとして外部入力装置3であるパーソナルコンピュータから画像形成装置1に所謂プリンタードライバーの形式でインストールすることによって達成できる。
【0060】
上述した本発明の実施例2に係る画像形成装置1によれば、第1のジョブ(ジョブA)の原稿ページ数MAと第2のジョブ(ジョブB)の原稿ページ数MBのどちらも奇数の場合は、奇数判別部174がこれを検出し、二種印刷画像データ生成部40において、第1のジョブ(ジョブA)の画像データA1から順に、1枚目の用紙201の第1列(左側)に画像データA1、第2列(右側)に画像データA2、2枚目の用紙202の第1列(左側)に画像データA3、第2列(右側)に画像データA4…というように配置してゆき、第1のジョブ(ジョブA)の最後の画像データA7に続いて第2のジョブ(ジョブB)の画像データB1〜B9をそれぞれの用紙において、第1列(左側)、第2列(右側)の順に配置する。
しかし、第1のジョブ(ジョブA)の原稿ページ数MAと第2のジョブ(ジョブB)の原稿ページ数MBのどちらも奇数でない場合は、奇数判別部172がこれを判別して二種データ印刷画像データ生成部40において前述した実施例1と同様に画像データを生成する。
【0061】
このようにして、ジョブAとジョブBの原稿枚数の差によって生じる空白部分が最小になり、印刷に用いられる用紙20の枚数を最小限に抑えることができる。例えば、図11で示す従来例と比較すると明らかなように、本実施例の方法で印刷した場合に印刷用紙20が1枚少なくなっている。この少なくなる枚数は、原稿ページ数MAと原稿ページ数MBに大きな差があればあるほど多くなる。
【0062】
しかも、原稿ページ数MA、MBのどちらも奇数の場合は、印刷枚数の算出を行う必要がないので、処理が簡単で迅速に行える。
【実施例3】
【0063】
次に、両面並列印刷に係る本発明の実施例3について、図7〜図10を参照して説明する。図7は実施例3における画像形成装置を示すブロック図、図8は実施例3における画像形成装置によって形成された両面並列印刷の画像形成状態の一例を示す説明図、図9は実施例3における画像形成装置によって形成された両面並列印刷の画像形成状態の他の例を示す説明図、図10は実施例3における画像形成装置の動作を示すフローチャートである。なお、実施例1と同一部分は同一符号を付してその説明を省略する。
【0064】
制御部17は両面並列印刷モード設定部174を有し、これは、第1のジョブ(ジョブA)と第2のジョブ(ジョブB)のページイメージを順に用紙20の両面にページ単位で左右に並べて印刷する。また、制御部17は両面印刷枚数算出部175を有し、これは、記憶部13に記憶されている第1のジョブの原稿ページ数と第2のジョブの原稿ページ数とを取得し、この原稿ページ数から両面並列印刷に必要な最小用紙枚数Qを算出する。
【0065】
画像形成装置1は両面印刷画像データ生成部50と両面印刷処理部60と両面印刷部70とを有し、画像データを用紙20の両面に印刷する。
【0066】
両面印刷枚数算出部175は、第1のジョブ(ジョブA)の原稿ページ数をMAとし、第2のジョブ(ジョブB)の原稿ページ数をMBとすると、印刷に要する用紙枚数Qを下記のようにして算出する。
【0067】
ページ数MAが奇数の場合は、MA'=MA+1とし、原稿ページ数MAが偶数の場合は、MA'=MAとする。一方、原稿ページ数MBが奇数の場合は、MB'=MB+1とし、原稿ページ数MBが偶数の場合は、MB'=MBとする。用紙枚数Qは、Q=〔(MA'+MB')+2〕/4によって決定される。
【0068】
両面印刷画像データ生成部50は、図8に一例を示し、図9に他の例を示す印刷画像データのページ配置を決定する。本実施例においては、1枚目の用紙201の第一列(左側)の表面に第1のジョブ(ジョブA)の第1のページイメージA1を配置し、裏面に第2のページイメージA2を配置し、2枚目の用紙202の第一列(左側)の表面に第3のページイメージA3を配置し、裏面に第4のページイメージA4を配置する…というように順に用紙の第1列(左側)の表裏にページイメージを配置して行く。そして、全ての用紙の第1列(左側)の表裏にページイメージが配置されると、今度は1枚目の用紙201の第2列(右側)の表、裏、2枚目の用紙202の第2列(右側)の表、裏という順にページイメージを配置してゆく。このとき、第1のジョブAのページイメージが全て配置し終わった場合には、それに続いて第2のジョブBのページイメージを上記の順に配置してゆく。
【0069】
用紙の第1列(左側)に配置される印刷画像データのページPLは、ジョブAのページをPA=1、2、3…、ジョブBのページをPB=1、2、3…とすると、1枚目の用紙のページイメージPLは、PA=1となり、画像データA1が配置される。1枚目の用紙の裏面のページイメージPLはPA=2となり、画像データA2が配置される。
【0070】
ここで、ジョブAの原稿ページMAが偶数の場合は、図8で示すように、用紙203の裏側に画像データA6が出力され、次の画像データB1が次の用紙204の表に配置される。
【0071】
一方、ジョブAの原稿ページMAが奇数の場合は、用紙203の裏側は白紙となり、ジョブBの第1のページイメージPB=B1は最後の用紙204の表に配置される。
【0072】
また、用紙の一枚目の第二列(右側)に配置される印刷画像データのページPRは、以下の通りになる。第1のジョブ(ジョブA)の原稿ページ数MAの方が第2のジョブ(ジョブB)の原稿ページ数MBより少ない場合、すなわち、MA<MBの場合は、PRは、PB=2Q−MA'+1となる。一方、第1のジョブ(ジョブA)の原稿ページ数MAが第2のジョブ(ジョブB)の原稿ページ数MBより多い場合、すなわち、MA>MBの場合は、PRは、PA=2Q+1となる。
【0073】
上述した本発明の実施例3における画像形成装置1の動作について、図8、図9の説明図、図10のフローチャートを参照して説明する。
【0074】
まず、初期設定を行い、並列印刷モードに設定するか否かの設定を行う(ステップS1、S2)。
【0075】
次に、制御部17において、両面並列印刷モード設定部174が入力部18の操作によって両面並列印刷に設定されているか否かを判別する(ステップS30)。両面並列印刷モードに設定されている場合は、両面印刷枚数算出部175が第1のジョブ(ジョブA)の原稿ページ数MAと第2のジョブ(ジョブB)の原稿ページ数MBから用紙枚数Qを算出する(ステップS31)。
【0076】
例えば、ジョブAの原稿ページ数MAが6、ジョブBの原稿ページ数MBが9の場合は、用紙枚数Qは、Q=〔(6+9)+2〕/4から、4枚となる。従って、図8で示すように、1枚目の印刷用紙201の第1列(左側)には、表に画像データA1、裏に画像データA2が配置される。また、1枚目の印刷用紙201の第2列(右側)には、MA<MBであるからPR=2Q−MA'+1から、表に画像データB3が配置される。そして、その裏側には画像データB4が配置される。(ステップS32)。
【0077】
以下順に印刷用紙204まで両面に画像データが配置される。スタートの指示があれば、制御部17は印刷部16における印刷処理をスタートさせる(ステップS33)。この印刷をスタートすると両面印刷処理部60は、図8で示す順序で画像データを画像印刷データ生成部14から読み出して所定の倍率で両面印刷部70に供給する。両面印刷部70においては供給された印刷画像データによる両面並列印刷が実行される(ステップS34)。
【0078】
一方、ステップS32における両面印刷データ作成の段階において、例えば、原稿ページ数MAが7、原稿ページ数MBが9の両者共に奇数である場合は、印刷用紙Qは、Q=〔(7+9)+2〕/4から、5枚となる。従って、図9で示すように、1枚目の印刷用紙201の第1列(左側)には、表に画像データA1、裏に画像データA2が配置される。1枚目の印刷用紙201の第2列(右側)には、MA<MBであるから、PR=2Q−MA'+1より、表に画像データB3が配置される。そして、その裏面には画像データB4が配置される。4枚目の印刷用紙204の裏面は第1列(左側)、第2列(右側)ともに白紙となる。また、5枚目の第一列の表裏には、画像データB1、B2が配置されるが、第2列(右側)は表裏共に白紙となる。
【0079】
制御部17は、以上の両面並列印刷が完了すると印刷をストップさせる(ステップS35)。
【0080】
このような機能は、プログラムとして外部入力装置3であるパーソナルコンピュータから画像形成装置1に所謂プリンタードライバーの形式でインストールすることによって達成できる。
【0081】
上述した本発明の実施例3の画像形成装置1によれば、印刷画像データ生成部14は互いに独立したジョブA、Bのページイメージを用紙20の第1列(左側)から両面に配置し、次いで第2列(右側)の両面に順に並べて配置する。
【0082】
例えば、ジョブAの原稿ページ数MAが6枚、ジョブBの原稿ページ数MBが9枚の場合、従来の方法では、図12で示すように印刷用紙20が5枚必要であった。しかし、実施例3における画像形成装置では、図8で示すように印刷用紙20が4枚となる。
【0083】
また、ジョブAの原稿ページ数MAが7枚、ジョブBの原稿ページ数MBが9枚の場合、図9で示すように、印刷用紙20は5枚となる。
【0084】
従って、実施例3においては、ジョブA、Bの原稿ページ数MA、MBに差があっても、空白部分が最小になり、印刷に必要な用紙20の枚数が最小限で済む。そのため、用紙の節約、印刷カウント数の低減を図ることができる。
【0085】
また、印刷された後は、用紙20の中央部分30で裁断し、第1のジョブ(ジョブA)と第2のジョブ(ジョブB)との境界部分で分離して重ねれば、第1のジョブ(ジョブA)と第2のジョブ(ジョブB)の印刷書類を別々に得ることができる。
【0086】
尚、本発明の実施例1〜3においては、ジョブAとジョブBの2つについて説明したが、本発明はこれに限定されることなく、3つ以上のジョブであってもよい。また、1枚の用紙に第1列(左側)、第2列(右側)と画像を配置する2アップで画像形成を行ったが、本発明はこれに限定されることなく、4アップ、6アップ…で画像形成を行ってもよい。
【0087】
また、本発明の実施例1〜3においては、ジョブ処理部12、印刷画像データ生成部14、二種印刷画像データ生成部40、両面印刷画像データ生成部50、制御部17などは夫々独立に形成したが、本発明はこれに限定されることなく、これらを適宜組み合わせた集積回路による一体化の構成であってもよい。
【0088】
更に、本発明の実施例3においては、画像形成装置1は両面印刷だけでなく、選択的に片面の印刷もできるように構成してもよいことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の実施例1における画像形成装置を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例1における画像形成装置によって並列印刷された画像データの配置状態を示す説明図である。
【図3】本発明の実施例1における画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施例2における画像形成装置を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施例2における画像形成装置によって並列印刷された画像データの配置状態を示す説明図である。
【図6】本発明の実施例2における画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施例3における画像形成装置を示すブロック図である。
【図8】本発明の実施例3における画像形成装置によって印刷された状態の一例を示す説明図である。
【図9】本発明の実施例3における画像形成装置によって印刷された状態の他の例を示す説明図である。
【図10】本発明の実施例3における画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【図11】従来の画像形成装置によって印刷された状態を示す説明図である。
【図12】本発明の実施例3と対比した場合における従来の画像形成によって印刷された画像データの配置状態示す説明図である。
【符号の説明】
【0090】
1 画像形成装置
3 外部入力装置
10 ジョブ受信部
11 スキャナー
12 ジョブ処理部
13 記憶部
14 印刷画像データ生成部
15 印刷処理部
16 印刷部
17 制御部
18 入力部
19 表示部
170 並列印刷モード設定部
171 印刷枚数算出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに独立した少なくとも2つのジョブごとのページイメージを取得して記憶する記憶手段と、前記複数のジョブのページイメージを用紙上にページ単位で並べて印刷する並列印刷モードを設定する並列印刷モード設定手段と、前記並列印刷設定手段によって並列印刷をする場合に、前記複数のジョブの原稿ページ数を取得し、並列印刷モードでの印刷に要する用紙枚数を算出する印刷枚数算出手段と、前記記憶手段に記憶された前記複数のジョブのページイメージを前記印刷枚数算出手段によって算出された枚数の用紙にページ単位で順に並べて配置して印刷画像データを生成する印刷画像データ生成手段と、前記印刷画像データ生成手段において生成された印刷画像データを前記用紙に印刷する印刷手段と、を備えてなる画像形成装置において、
前記印刷枚数算出手段は、前記複数のジョブを並列印刷する際に、印刷に要する最小用紙枚数を算出し、
前記印刷画像データ生成手段は、前記複数のジョブのうちの1つのジョブの最終ページが配置された用紙の下に他のジョブの第1ページ目のページイメージを配置することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記複数のジョブが、原稿ページ数MAからなる第1のジョブと原稿ページ数MBからなる第2のジョブの2つである場合に、
前記印刷枚数算出手段は、印刷に必要な用紙枚数Qを、Q=〔(MA+MB)+1〕/2により算出し、
前記印刷画像データ生成手段は、前記用紙の1枚目の第1列(左側)に出力される原稿ページPLが、第1のジョブの原稿ページをPA=1、2、3…とすると、PA=1のページとなるようにページイメージを配置し、前記用紙の1枚目の第2列(右側)に出力される原稿ページPRが、第2の原稿ページをPB=1、2、3…とすると、MA<MBの場合に、PB=Q−MA+1のページとなるように、また、MA>MBの場合に、PB=Q+1のページとなるようにページイメージを配置することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記複数のジョブが、第1のジョブと第2のジョブの2つである場合に、
前記並列印刷モード設定手段は、前記複数のジョブのページイメージを用紙にページ単位で並べるとともに用紙の裏表両面に印刷する両面並列印刷モードの設定を有し、
前記並列印刷モード設定手段によって両面並列印刷モードに設定された場合に、
前記印刷枚数算出手段は、両面並列印刷モードでの印刷に要する最小用紙枚数を算出し、
前記印刷画像データ生成手段は、前記用紙の第1列(左側)の表裏に第1のジョブのページイメージを順に配置し、第1列の全てに配置し終えると引き続いて第2列(右側)の表裏に配置するとともに、第1のジョブに続いて第2のジョブのページイメージを原稿ページ順に前記用紙の表裏に配置することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1のジョブの原稿ページ数がMAであり、前記第2のジョブの原稿ページ数がMBであるとすると、
前記印刷枚数算出手段は、前記第1のジョブの原稿ページ数MAが奇数の場合にMA'=MA+1、偶数の場合にMA'=MAとし、前記第2のジョブの原稿ページ数MBが奇数の場合にMB'=MB+1、偶数の場合にMB'=MBとし、両面並列印刷に必要な用紙枚数Qを、Q=〔(MA'+MB')+2〕/4により算出し、
前記印刷画像データ生成手段は、前記用紙の1枚目の第1列(左側)に出力される原稿ページPLが、第1のジョブの原稿ページをPA=1、2、3…とすると、PA=1のページとなるようにページイメージを配置し、前記用紙の1枚目の第2列(右側)に出力される原稿ページPRが、第2の原稿ページをPB=1、2、3…とすると、MA<MBの場合に、PB=2Q−MA'+1のページとなるように、また、MA>MBの場合に、PB=2Q+1のページとなるようにページイメージを配置することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
互いに独立した少なくとも2つのジョブごとのページイメージを取得して記憶するステップと、前記複数のジョブのページイメージを用紙上にページ単位で並べて印刷する並列印刷モードを設定するステップと、前記並列印刷設定手段によって並列印刷をする場合に、前記複数のジョブの原稿ページ数を取得し、並列印刷モードでの印刷に要する用紙枚数を算出するステップと、前記記憶手段に記憶された前記複数のジョブのページイメージを前記印刷枚数算出手段によって算出された枚数の用紙にページ単位で順に並べて配置して印刷画像データを生成するステップと、前記印刷画像データ生成手段において生成された印刷画像データを前記用紙に印刷するステップと、を備えてなる画像形成方法において、
前記印刷枚数を算出するステップは、前記複数のジョブを並列印刷する際に、印刷に要する最小用紙枚数を算出し、
前記印刷画像データを生成するステップは、前記複数のジョブのうちの1つのジョブの最終ページが配置された用紙の下に他のジョブの第1ページ目のページイメージを配置することを特徴とする画像形成方法。
【請求項6】
コンピュータに、互いに独立した少なくとも2つのジョブごとのページイメージを取得して記憶するステップと、前記複数のジョブのページイメージを用紙上にページ単位で並べて印刷する並列印刷モードを設定するステップと、前記並列印刷設定手段によって並列印刷をする場合に、前記複数のジョブの原稿ページ数を取得し、並列印刷モードでの印刷に要する用紙枚数を算出するステップと、前記記憶手段に記憶された前記複数のジョブのページイメージを前記印刷枚数算出手段によって算出された枚数の用紙にページ単位で順に並べて配置して印刷画像データを生成するステップと、前記印刷画像データ生成手段において生成された印刷画像データを前記用紙に印刷するステップと、を実行させる画像形成プログラムであって、
前記印刷枚数を算出するステップは、前記複数のジョブを並列印刷する際に、印刷に要する最小用紙枚数を算出し、
前記印刷画像データを生成するステップは、前記複数のジョブのうちの1つのジョブの最終ページが配置された用紙の下に他のジョブの第1ページ目のページイメージを配置することを特徴とする画像形成プログラム。
【請求項7】
前記印刷枚数を算出するステップは、前記複数のジョブが、原稿ページ数MAからなる第1のジョブと原稿ページ数MBからなる第2のジョブの2つである場合に、印刷に必要な用紙枚数Qを、Q=〔(MA+MB)+1〕/2により算出し、
前記印刷画像データを生成するステップは、前記用紙の1枚目の第1列(左側)に出力される原稿ページPLが、第1のジョブの原稿ページをPA=1、2、3…とすると、PA=1のページとなるようにページイメージを配置し、前記用紙の1枚目の第2列(右側)に出力される原稿ページPRが、第2の原稿ページをPB=1、2、3…とすると、MA<MBの場合に、PB=Q−MA+1のページとなるように、また、MA>MBの場合に、PB=Q+1のページとなるようにページイメージを配置することを特徴とする請求項6に記載の画像形成プログラム。
【請求項8】
前記並列印刷モードを設定するステップは、前記複数のジョブが、第1のジョブと第2のジョブの2つである場合に、前記複数のジョブのページイメージを用紙にページ単位で並べるとともに用紙の裏表両面に印刷する両面並列印刷モードに設定するステップを有し、
前記並列印刷モードを設定するステップによって両面並列印刷モードに設定された場合に、
前記印刷枚数を算出するステップは、両面並列印刷モードでの印刷に要する最小用紙枚数を算出し、
前記印刷画像データを生成するステップは、前記用紙の第1列(左側)の表裏に第1のジョブのページイメージを順に配置し、第1列の全てに配置し終えると引き続いて第2列(右側)の表裏に配置するとともに、第1のジョブに続いて第2のジョブのページイメージを原稿ページ順に前記用紙の表裏に配置することを特徴とする請求項6に記載の画像形成プログラム。
【請求項9】
前記印刷枚数を算出するステップは、前記第1のジョブの原稿ページ数がMAであり、前記第2のジョブの原稿ページ数がMBであるとすると、前記第1のジョブの原稿ページ数MAが奇数の場合にMA'=MA+1、偶数の場合にMA'=MAとし、前記第2のジョブの原稿ページ数MBが奇数の場合にMB'=MB+1、偶数の場合にMB'=MBとし、両面並列印刷に必要な用紙枚数Qを、Q=〔(MA'+MB')+2〕/4により算出し、
前記印刷画像データ生成手段は、前記用紙の1枚目の第1列(左側)に出力される原稿ページPLが、第1のジョブの原稿ページをPA=1、2、3…とすると、PA=1のページとなるようにページイメージを配置し、前記用紙の1枚目の第2列(右側)に出力される原稿ページPRが、第2の原稿ページをPB=1、2、3…とすると、MA<MBの場合に、PB=2Q−MA'+1のページとなるように、また、MA>MBの場合に、PB=2Q+1のページとなるようにページイメージを配置することを特徴とする請求項8に記載の画像形成プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−229962(P2007−229962A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−51216(P2006−51216)
【出願日】平成18年2月27日(2006.2.27)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】