説明

画像形成装置、画像形成装置のファームウェア更新方法、およびその方法をコンピュータに実行させるプログラム

【課題】ユーザ側で画像形成装置のファームウェアを更新できるようにして、サービスの作業負荷を低減しつつ、ユーザへのサービス性を向上させるようにする。
【解決手段】画像形成装置のファームウェアのバージョンを更新する際に、メーカーのサービスが画像形成装置の操作部30を使ってファームウェアのバージョンの更新処理手続きを行うと、CPU72が現行のファームウェア(Ver1)を不揮発性メモリ73へコピーし、現行のファームウェア(Ver1)をメモリカードスロット29に挿入されたSDカード内のファームウェア(Ver2)を用いて更新する。ユーザが更新後のファームウェア(Ver2)の更新処理を開始すると、CPU72がそのファームウェア(Ver2)を不揮発性メモリ73へコピーし、ファームウェア(Ver2)を不揮発性メモリ73内のファームウェア(Ver1)を用いて更新処理することで、画像形成装置を動作させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファームウェアを搭載した画像形成装置、画像形成装置のファームウェア更新方法、およびその方法をコンピュータに実行させるプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来は、管理装置等の外部装置から更新用OSを含むファームウェアをダウンロードしてOSの更新を行う場合に、電源遮断等によってその更新が失敗したとしても、その後の電源投入による再起動時にその失敗を簡単且つ確実に判断できるようにした通信装置とその遠隔管理システムなどが開示されている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2004−318871号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1にあっては、現在起動している装置のファームウェアとは違うバージョンのファームウェアを起動させる場合に、更新用のファームウェアが入った記録媒体を装着して装置内のファームウェアを更新するか、ネットワーク経由で装置内のファームウェアを更新するという作業をサービスが実施する必要があった。このため、ユーザが別バージョンのファームウェアを容易に起動させることができないという課題があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、現在起動しているファームウェアをサービスが更新した後、ユーザが更新前のバージョンのファームウェアで再度更新したり、複数のバージョンのファームウェアの中から選択的に更新したり、予め保存しておいた別バージョンのファームウェアを用いて現行のファームウェアを更新したりして起動することにより、サービスの作業負荷を低減しつつ、ユーザへのサービス性を向上させることのできる画像形成装置、画像形成装置のファームウェア更新方法、およびその方法をコンピュータに実行させるプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1にかかる発明は、ファームウェアを搭載した画像形成装置であって、ファームウェアの更新処理の開始を検知する更新開始検知手段と、前記更新開始検知手段により更新処理の開始を検知すると、現行のファームウェアのコピーを保存する不揮発性記録媒体と、現行のファームウェアの更新処理を行うファームウェア更新手段とを備え、現行のファームウェアの更新後、前記不揮発性記録媒体に保存されているファームウェアを使って新たに現行のファームウェアを更新することを特徴とする。
【0007】
また、請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、現行のファームウェアのコピーを前記不揮発性記録媒体にコピーする際に、既に保存されているファームウェアをそのまま残してコピーするようにし、前記不揮発性記録媒体に保存されているファームウェアを使って現行のファームウェアを新たに更新する場合は、複数のファームウェアの中から所望のファームウェアを選択して更新することを特徴とする。
【0008】
また、請求項3にかかる発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記不揮発性記録媒体は、現行のファームウェアと異なるバージョンのファームウェアを保存し、その不揮発性記録媒体に保存されているファームウェアを使って現行のファームウェアを更新処理することを特徴とする。
【0009】
また、請求項4にかかる発明は、ファームウェアを搭載した画像形成装置のファームウェア更新方法であって、ファームウェアの更新処理の開始を検知する更新開始検知ステップと、ファームウェアの更新処理の開始を検知すると、現行のファームウェアのコピーを不揮発性記録媒体に保存するファームウェア保存ステップと、現行のファームウェアの更新処理を行うファームウェア更新ステップとを含み、現行のファームウェアの更新後、前記不揮発性記録媒体に保存されているファームウェアを使って新たに現行のファームウェアを更新することを特徴とする。
【0010】
また、請求項5にかかるプログラムは、請求項4に記載の画像形成装置のファームウェア更新方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1にかかる画像形成装置によれば、更新開始検知手段によりファームウェアの更新処理の開始を検知すると、不揮発性記録媒体に現行のファームウェアのコピーを保存し、ファームウェア更新手段によって現行のファームウェアの更新後、不揮発性記録媒体に保存されているファームウェアを使って新たに現行のファームウェアを更新する。このように、サービスによるファームウェア更新後、ユーザによって更新前のバージョンのファームウェアで再度更新して起動することにより、サービスの作業負荷を低減し、ユーザへのサービス性を向上させることができるという効果を奏する。
【0012】
また、請求項2にかかる画像形成装置によれば、現行のファームウェアを不揮発性記録媒体にコピーする際に、既に保存されているファームウェアはそのまま残してコピーし、不揮発性記録媒体に保存されている複数のファームウェアの中から所望のファームウェアを選択して、現行のファームウェアを更新する。このように、複数のバージョンのファームウェアの中からユーザが選択し、それを用いて現行のファームウェアを更新して起動することにより、サービスの作業負荷を低減し、ユーザへのサービス性を向上させることができるという効果を奏する。
【0013】
また、請求項3にかかる画像形成装置によれば、現行のファームウェアと異なるバージョンのファームウェアを不揮発性記録媒体に予め保存しておき、そのファームウェアを使って現行のファームウェアを更新処理する。このように、ユーザ自身が任意のタイミングで新しいバージョンのファームウェアを使って現行のファームウェアを更新して起動することにより、ユーザへのサービス性を向上させることができるという効果を奏する。
【0014】
また、請求項4にかかる画像形成装置のファームウェア更新方法によれば、更新開始検知ステップによりファームウェアの更新処理の開始を検知すると、ファームウェア保存ステップにより現行のファームウェアのコピーを不揮発性記録媒体に保存し、ファームウェア更新ステップにより現行のファームウェアの更新後、不揮発性記録媒体に保存されているファームウェアを使って新たに現行のファームウェアを更新する。このように、サービスによるファームウェア更新後、ユーザによって更新前のバージョンのファームウェアで再度更新して起動することにより、サービスの作業負荷を低減し、ユーザへのサービス性を向上させることができるという効果を奏する。
【0015】
また、請求項5にかかるプログラムによれば、請求項4に記載された画像形成装置のファームウェア更新方法をコンピュータで実行させることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、本発明にかかる画像形成装置、画像形成装置のファームウェア更新方法、およびその方法をコンピュータに実行させるプログラムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0017】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の画像形成装置がネットワークに接続されて構成されているネットワークシステムの概略説明図であり、図2は、図1の画像形成装置の機械的な概略構成を示す断面図であり、図3は、画像形成装置の操作部の一例を示した図であり、図4は、図3の操作部の液晶ディスプレイの表示例を示した図である。図1に示した画像形成装置200は、ここでは複写機、プリンタ、ファックス、あるいはそれらを組み合わせた複合機であって、複写機、プリンタ、ファックス等のファームウェアが搭載されている。
【0018】
また、ネットワーク280上には、クライアントPC210、メールの配送に使用されるSMTPサーバ220、ファイル転送機能を持つFTPサーバ230、クライアントPC240、配信サーバとしてのサーバPC250などが接続されていて、相互に画像データ、保守管理データ、更新プログラムデータなどをネットワーク280を介してやり取りしている。また、サーバPC250は、モデム260を介しファックス270へ画像データを送信することが可能である。
【0019】
図2に示す画像形成装置は、自動原稿送り装置(以下、ADFともいう)1を備えている。ADF1の原稿台2に原稿の画像面を上にして置かれた原稿束は、図3の操作部30上のプリントキー34を押下することにより、一番下の原稿から給送ローラ3および給送ベルト4によってコンタクトガラス6上の所定位置まで給送される。一枚の原稿の給送が完了すると、不図示のカウンタによって原稿枚数をカウントアップする。
【0020】
読み取りユニット50は、コンタクトガラス6上の原稿の画像データを読み取って、画像データを生成する。読み取りが終了した原稿は、給送ベルト4と排送ローラ5によって排出される。さらに、原稿セット検知センサ7により、原稿台2に次の原稿があることを検知すると、次の原稿が、先に読み取られた原稿と同様にコンタクトガラス6上に給送される。上記給送ローラ3、給送ベルト4、排送ローラ5は、後述する搬送モータ26によって駆動される。
【0021】
図2に示す画像形成装置は、第1トレイ8、第2トレイ9、第3トレイ10を備えていて、各トレイには、転写紙が積載されている。第1トレイ8、第2トレイ9、第3トレイ10に積載されている転写紙は、各々第1給紙装置11、第2給紙装置12、第3給紙装置13によって給紙され、縦搬送ユニット14によって感光体15に当接する位置まで搬送される。読み取りユニット50にて読み込まれた画像データは、書き込みユニット57からのレーザによって感光体15に書き込まれ、感光体15の表面に潜像を形成する。この感光体15の表面の潜像は、現像ユニット27を通過することによってトナー像となる。
【0022】
転写紙は、搬送ベルト16によって感光体15の回転に合わせて搬送され、表面に感光体15上のトナー像が転写される。そのトナー像は、定着ユニット17によって転写紙上に定着され、転写紙は排紙ユニット18によって後処理装置のフィニシャ100に排出される。
【0023】
後処理装置のフィニシャ100は、搬送された転写紙を、通常排紙ローラ102に向かう方向と、ステープル処理部の方向に導くことができる。すなわち、切り替え板101の方向を上に切り替えた場合、転写紙は、搬送ローラ103を経由して通常排紙トレイ104側に排紙される。また、切り替え板101を下方向に切り替えた場合、転写紙は、搬送ローラ105、107を経由して、ステープル台108に搬送される。
【0024】
ステープル台108に搬送された転写紙の転写紙束は、転写が新たに排紙されるごとに紙揃え用のジョガー109によって紙端面が揃えられ、一部のコピー完了と共にステープラ106によって綴じられる。ステープラ106で綴じられた転写紙束は、自重によってステープル完了排紙トレイ110に収納される。
【0025】
また、通常の排紙トレイ104は、原稿ごと、あるいは、画像メモリによってソーティングされたコピー部ごとに前後に移動し、簡易的に排出されてくるコピー紙を仕分ける。
【0026】
転写紙の両面に画像を形成する場合、画像形成装置は、片面に画像が形成された転写紙を排紙トレイ104側に導かず、両面入紙経路113を経て反転ユニット112に導かれ、両面搬送ユニット111を経由して、再び感光体15表面に形成されたトナー画像を転写するため、搬送される。そして、トナー画像が転写され、定着ユニット17で定着された後、排紙ユニット18によって排紙トレイ104に導かれる。また、反転ユニット112に導かれた転写紙の両面に画像を形成しない場合は、反転排紙搬送路114を経て、排紙ユニット18により排紙トレイ104に導かれる。
【0027】
上記した感光体15、搬送ベルト16、定着ユニット17、排紙ユニット18、現像ユニット27は、後述するメインモータ25によって駆動され、各給紙装置11〜13はそのメインモータ25の駆動を各々の給紙クラッチ22〜24によって伝達駆動される。縦搬送ユニット14は、メインモータ25の駆動を中間クラッチ21によって伝達駆動される。
【0028】
図3に示す操作部30には、タッチパネルの付いた液晶ディスプレイ31、テンキー32、クリア/ストップキー33、プリントキー34、予熱キー35、リセットキー36、初期設定キー37、コピーキー38、コピーサーバーキー39などがある。また、液晶ディスプレイ31には、図4に示すような機能キー、部数、および画像形成装置の状態を示すメッセージなどが表示される。
【0029】
図3の操作部30の初期設定キー37を押すと、機械の初期状態を任意にカスタマイズすることが可能である。例えば、機械が収納している用紙サイズを設定したり、コピー機能のモードクリアキーを押したときに設定される状態を任意に設定したりすることが可能である。
【0030】
また、操作部30の初期設定キー37を押すことで、一定時間操作が無いときに優先して選択されるアプリケーション等を設定したり、国際エネルギースター計画に従った低電力への移行時間を設定したり、オートオフ/スリープモードへの移行する時間を設定したりすることが可能である。
【0031】
図3の予熱キー35を押すと、画像形成装置は待機状態から、電力低減状態に移行し、定着温度を低下させたり、操作部30の表示を消灯したりする。予熱状態は、国際エネルギースター計画で言う、低電力状態を意味している。
【0032】
また、予熱状態、オフ状態/スリープ状態を解除し、待機状態に移行させるには、この予熱キー35を再度押下する。
【0033】
コピーキー38を押下することにより、コピー機能の使用が可能となる。また、コピーサーバーキー39は、既存の蓄積画像データの編集(コピーモード設定、印刷、削除)を行なうときに使用する。なお、このコピーサーバーの詳細については、後述する。
【0034】
スキャナアプリキー41は、原稿データを機器内部の記憶装置に蓄積するとき、あるいはスキャナによって読み取った入力画像や蓄積されている画像データなどを外部に送信するときなどに使用される。
【0035】
図3の操作部30の液晶ディスプレイ31の一表示例を示した図4は、オペレータがタッチパネル付きの液晶ディスプレイ31に表示されたキーにタッチするとキーが黒く反転し、選択された機能を明示する。さらに、その機能の詳細を指定する場合は、キーにタッチすることでより詳細な機能の設定画面が表示される(例えば、図4中の変倍キーであれば変倍値等)。このように、液晶ディスプレイ31は、ドット表示器を使用しているため、その時々に応じた最適な表示をグラフィカルに行なうことが可能である。
【0036】
図4に示した液晶ディスプレイ31の表示は、中央上部に「コピーできます」、あるいは「お待ちください」等のメッセージを表示するメッセージエリア、その直下には転写紙を自動的に選択する自動用紙選択キーと給紙トレイ数に対応した給紙トレイ状態を示し、手動で給紙段を設定するためのキーが給紙段分表示されている。さらにその下には、倍率を等倍にセットする等倍キー、用紙を指定して変倍率をセットする用紙指定変倍キー、拡大/縮小倍率をセットする変倍キー、両面モードを設定する両面キー、表紙/合紙モードを設定する表紙/合紙キー、とじ代モード等を設定する編集キー、デジタル複写機のネットワークを介して多量のプリント動作を複数に分けてプリントアウトする連結モードキーなどが設けられている。
【0037】
さらに、液晶ディスプレイ31の右側上部のエリアには、セットした枚数を表示するコピー枚数表示部、その直下にはコピーを一部ずつページ順にそろえる処理を指定するソートキー、コピーをページ毎に仕分けする処理を指定するスタックキー、ソート処理されたものを一部ずつ綴じる処理を指定するステープルキーなどが設けられている。
【0038】
(制御部)
図5は、本発明にかかる画像形成装置のメインコントローラを中心とした制御部の構成を示すブロック図である。図5のメインコントローラ20は、画像形成装置全体を制御するものである。このメインコントローラ20には、オペレータに対する表示、オペレータからの機能設定入力制御を行なう操作部30、スキャナの制御、原稿画像を画像メモリに書き込む制御、画像メモリからの作像を行なう制御等を行なう画像処理ユニット(IPU)49、原稿自動送り装置(ADF)1等の分散制御装置が接続されている。そして、各分散制御装置とメインコントローラ20とは、必要に応じて機械の状態や動作司令等のやりとりを行っている。
【0039】
また、メインコントローラ20には、紙搬送等に必要なメインモータ25、各種クラッチ21〜24などが接続されている。さらに、メインコントローラ20には、画像形成装置がネットワーク280を介して、データのやり取りを行うネットワークI/F28、外部からSDカードなどを挿入してデータ交換を行うためのメモリカードスロット29なども接続されている。
【0040】
再び、図2に戻り、画像形成装置における原稿画像の読み取り処理、および画像の書き込み処理について説明する。図2に示す読み取りユニット50は、原稿を載置するコンタクトガラス6と光学走査系とで構成されている。さらに、光学走査系は、露光ランプ51、第1ミラー52、レンズ53、CCDイメージセンサ54などで構成されている。上記露光ランプ51および第1ミラー52は図示しない第1キャリッジ上に固定され、第2ミラー55および第3ミラー56は図示しない第2キャリッジ上に固定されている。そして、原稿画像の読み取り時には、光路長が変わらないように第1キャリッジと第2キャリッジとを2対1の相対速度で機械的に操作されている。このようにして、原稿画像は、読み取りユニット50のCCDイメージセンサ54により最終的に読み取られ、電気信号に変換されて処理される。上記した光学走査系は、図示しないスキャナ駆動モータによって駆動されている。
【0041】
図2に示す書き込みユニット57は、レーザ出力ユニット58、結像レンズ59、ミラー60などで構成され、そのレーザ出力ユニット58の内部には、レーザ光源であるレーザダイオードと、モータによって高速で定速回転する多角形ミラー(ポリゴンミラー)とが備わっている。そして、書き込みユニット57から出力されるレーザ光は、画像作像系である感光体15に直接照射される。なお、図示していないが、感光体15の一端近傍のレーザビームを照射される位置に、主走査同期信号を発生するためのビームセンサが配置されている。
【0042】
(画像処理ユニット)
図6は、図5の制御部における画像処理ユニット(IPU)の内部構成例を示すブロック図である。図2に示す露光ランプ51から照射された光の反射は、CCDイメージセンサ54で光電変換される。これを図6で見ると、CCDイメージセンサ54で光電変換された電気信号は、A/Dコンバータ61でデジタル信号に変換され、その画像信号がシェーディング補正部62でシェーディング補正がなされた後、MTF・γ補正部63にてMTF補正とγ補正等がなされる。
【0043】
その後、セレクタ64によって、印字合成部71を介して入力された画像データを変倍回路77へ供給するか、あるいは画像メモリコントローラ65へ供給するかを切り替える。変倍回路77を経由した画像信号は、変倍率に応じた拡大縮小が行われ、書き込みユニット57へ送られる。一方、画像メモリコントローラ65とセレクタ64との間は、双方向に画像信号が入出力可能な構成となっている。
【0044】
また、図6には特に明示されていないが、このIPU49に読み取りユニット50から入力される画像データ以外にも、I/Oポート67を介して外部から供給される画像データとして、例えばパーソナルコンピュータ等のデータ処理装置から入力されたデータも処理できるよう、複数データの入出力の選択を行なう機能も有しているものとする。本実施の形態の画像形成装置は、I/Oポート67を介してネットワーク接続されている。その通信手段としては、インターネットの標準プロトコルとして普及しているTCP/IP通信プロトコルを用いることが考えられる。
【0045】
さらに、本実施の形態にかかる画像形成装置は、図1に示すようなネットワーク構成を持っていて、ネットワーク接続された各画像形成装置の機械構成情報や動作状況、またはリモート出力コマンド等の制御コマンド、設定コマンド、あるいは外部サーバと画像データや送信先アドレス帳データの送受信を行っている。
【0046】
また、画像メモリコントローラ65に対する設定、あるいは読み取りユニット50や書き込みユニット57に対して制御を行なうCPU68、それらのプログラムやデータを格納するROM69、RAM70、NV−RAM74等を備えている。さらに、上記CPU68は、画像メモリコントローラ65を介して、画像メモリ66に対するデータの書き込みや読み出しを行なうことができる。
【0047】
原稿画像で画像メモリコントローラ65へ送られた画像は、画像メモリコントローラ65内にある不図示の画像圧縮装置によって画像データを圧縮した後、画像メモリ66に送られる。ここで画像圧縮する理由は、最大画像サイズ分の256階調のデータをそのまま画像メモリ66に書き込むことも可能であるが、1枚の原稿画像に対して画像メモリ使用量が大変大きくなるため、画像圧縮することで限られた画像メモリを有効活用することが可能になるからである。
【0048】
また、画像圧縮することによって、一度に多くの原稿画像データを記憶することが可能となり、ソート機能として、貯えられた原稿画像イメージデータをページ順に出力することができる。この場合、画像を出力する際に画像メモリ66のデータをメモリコントローラ65内の伸長装置を使って順次伸長しながら出力することも可能であって、このような機能は一般に「電子ソート」と呼ばれている。
【0049】
さらに、画像メモリ66の機能を利用して、複数枚の原稿画像を、画像メモリ66の転写紙一枚分のエリアを分割したエリアに順次読み込むことも可能となる。例えば、4枚の原稿画像を、画像メモリ66の転写紙一枚分の4等分されたエリアに順次書き込むことにより、4枚の原稿が一枚の転写紙イメージに合成され、集約されたコピー出力を得ることが可能となる。このような機能は、一般に「集約コピー」と呼ばれている。そして、画像メモリ66の画像は、CPU68からアクセス可能な構成となっている。このため、画像メモリ66の内容を加工することが可能であって、例えば画像の間引き処理や画像の切り出し処理等を行うことができる。
【0050】
画像メモリ66の内容を加工する場合は、メモリコントローラ65のレジスタにデータを書き込むことによって、画像メモリ66の内容の処理を行なうことができる。加工された画像は、再度画像メモリ66に保持される。画像メモリ66は、処理を行なう画像データの大きさによって複数のエリアに分割し、画像データの入出力が同時に実行可能な構成が採用されている。各分割したエリアに画像データの入力と出力とをそれぞれ並列に実行可能とするため、メモリコントローラ65とのインターフェースには、リード用とライト用の二組のアドレス・データ線が接続されている。これにより、エリア1に画像を入力(ライト)する間にエリア2より画像を出力(リード)するといった並列動作が可能となる。画像メモリ66は、多くの画像データを収納するためにハードディスク(HD)75を別に設けるようにしても勿論良い。また、HD75を用いることにより、データを保持するための外部電源が不用となって、永久的に画像データを保持することができる。複数の定型の原稿(フォーマット原稿)をスキャナで読み込んで保持するためには、このようなHD75を用いるのが一般的である。
【0051】
さらに、スキャナによって読み取った画像データを電子メールによって外部配信する際に、データのエンコード処理、配信の宛先データを持つアドレス帳などの保管、編集、削除といった一連の動作を行なう際にもHD75が利用されている。
【0052】
さらに、画像データの書き込みと読み出しには、本体の作像やスキャナからの画像の書き込みに対して処理速度の差を吸収するため、画像メモリ66に一旦記憶して処理される。また、HD75から画像データを書き込みユニット57に送る場合は、画像メモリ66に一旦記憶させてから書き込みユニット57に送ることになる。画像データを記憶する画像メモリ66、HD75からのスキャナ画像を書き込みユニット57に送る場合の画像データの入出力は、全てメモリコントローラ65によって画像パスが決められる。このように、CPU68が画像データの入出力を決めることによって、CPU68に接続されたメモリコントローラ65が画像データの流れを切り替えることが可能となる。
【0053】
(メインコントローラ)
図7は、図5のメインコントローラの一構成例を示すブロック図である。図7に示すように、メインコントローラ20は、画像形成装置全体を制御するものであって、接続された制御部30ではオペレータからの機能設定入力を行ったり、オペレータに対して設定情報等を液晶ディスプレイに表示したりする。また、画像形成装置はネットワークインタフェース(I/F)28を介してネットワーク280と接続され、データのやり取りが行われる。これらの制御動作は、メインコントローラ20におけるCPU72と不揮発性メモリ73などを使って行われる。例えば、複写機、プリンタ、ファックス、あるいはそれらを組み合わせた複合機などの画像形成装置では、ハードウェアの基本的な処理を行うソフトウェアとしてのファームウェアが搭載されており、そのファームウェアのバージョンの更新処理はサービスが実施していた。不揮発性メモリ73としては、データを保持するための電源が不要で、書き換え可能なメモリであれば良く、例えばフラッシュROMなどを用いることができる。また、不揮発性記憶手段としては、上記した図7の不揮発性メモリ73に代えて、メモリカードスロット29に差し込んだSDカードなどを使って実施することも可能である。
【0054】
本実施の形態にかかる画像形成装置の特徴は、このファームウェアのバージョンの更新処理をメインコントローラ20を使ってユーザ側からも容易に行えるようにした点にある。ファームウェアの更新処理は、メーカーのサービスによって行われるのが一般的である。このため、ユーザが所望のバージョンのファームウェアを選択的に起動させたり、サービスを使わずにユーザ自らがファームウェアの更新処理を行ったりすることができなかった。そこで、本実施の形態では、ファームウェアの更新処理の開始を検知する更新開始検知手段、および現行のファームウェアの更新処理を行うファームウェア更新手段としてのCPU72と、現行のファームウェアのコピーを保存したり、現行のファームウェアと異なるバージョンのファームウェアを保存したりする不揮発性記録媒体としての不揮発性メモリ73とを備えている。
【0055】
(液晶ディスプレイ)
図8は、図3のコピーサーバーキーを押下したときの液晶ディスプレイの表示画像例を示す図であり、図9は、図3のスキャナアプリキーを押下したときの液晶ディスプレイの表示画像例を示す図であり、図10は、図9の読み取り条件キーを押下したときの液晶ディスプレイの表示画像例を示す図であり、図11は、図9の蓄積文書キーを押下したときの液晶ディスプレイの表示画像例を示す図である。コピーサーバーにおいて蓄積画像の編集を行なう場合は、図3に示したコピーサーバーキー39を押下する。このとき、液晶ディスプレイ31の表示画面は、図8のようになり、その表示領域150にはHD75に蓄積されている画像データの各画像情報が表示されている。画像データを特定するための画像情報としては、ユーザID、文書名、ページ数、蓄積時刻などが表示されている。
【0056】
ユーザIDは、本実施の形態にかかる画像形成装置に接続されたパーソナルコンピュータのプリンタドライバによって付加されるため、プリンタ機能による蓄積画像にのみ存在する。文書名は、画像データを蓄積する毎に付加される。また、ページ数は、蓄積した原稿画像の枚数を示している。さらに、蓄積時刻は、画像データが蓄積された時刻を表している。
【0057】
なお、この時の画像データは、不揮発メモリであるNV−RAM74(図6参照)に保持されるため、電源断時であってもその画像データは保持され続ける。図8に示した表示領域150には、3個の画像情報のみ表示されているが、同図の前へキー151と後へキー152を押下することにより、表示されていない画像データも表示することが可能である。表示領域150に表示されている各画像データを押下すると、画像データ表示部分が黒色に反転して、選択状態となる。複数の画像データを選択状態として指定することも可能である。
【0058】
蓄積画像に対する編集機能としては、「リストから削除」「印刷条件変更」、「文書印刷」などの機能がある。例えば、文書を選択し、図8のリストから削除キー153を押下することにより、選択された文書を削除することができる。また、文書を選択し、図8の印刷条件キー154を押下して、表示された画面にて印刷条件を設定し、図3のプリントキー34を押下することにより、指定された印刷条件に従って選択文書の蓄積画像を印刷出力することができる。
【0059】
スキャナで読み取った画像データ、あるいは蓄積されている画像データを外部に送信する場合は、図3におけるスキャナアプリキー41を押下すると、液晶ディスプレイ31の画面上に図9のように表示される。図9に示した読み取り条件キー86を押下すると、図10に示す表示に切り替わり、スキャナからの原稿の読み取り画像データに対して、原稿種類、解像度、原稿サイズ、濃度などを設定することができる。ここで設定した読み取り条件は、図9に示す読み取り条件表示欄80に表示される。
【0060】
送信相手先は、登録ユーザ表示欄81に表示されているユーザを指定するか、あるいは、直接入力キーを押下して、ソフトウェアキーボードを利用することにより、宛先を直接入力することも可能である。ここで、原稿をスキャナにセットしてプリントキー34を押下すると、原稿を読み取って電子画像として希望の宛先に向けて送信することができる。図9の蓄積文書キー82を押下すると、図11に示すような表示に切り替わる。ここでは、蓄積されている文書の一覧が表示されている。この図11に表示された文書のうち1〜複数個を選択し、図9のスキャナ配信基本画面に戻って宛先を設定し、図11の配信キー87を押下することにより、選択された蓄積文書を外部に送信することができる。また、ここでは蓄積文書の外部送信の他、図11の文書を選択し、削除キー88を押下することにより、蓄積文書の削除を実行することができる。
【0061】
(動作)
図12は、第1の実施の形態にかかる画像形成装置のファームウェアの更新処理動作を説明するフローチャートである。以下、図12を用いて第1の実施の形態にかかる画像形成装置の動作について説明する。
【0062】
図12に示すように、サービスによる画像形成装置のファームウェアの更新処理が開始される。まず、図7に示すように、サービスが画像形成装置の操作部30を使ってファームウェアのバージョン更新処理手続きを行うと、CPU72がこれを検知して、ファームウェアの更新処理が開始されたと判断する(ステップS100)。また、サービスは、ファームウェアの更新処理手続きを開始すると同時に、ここでは更新用のファームウェア(Ver2)が記録された不図示のSDカードをメモリカードスロット29に挿入する。
【0063】
CPU72は、現行のファームウェア(Ver1)を不揮発性記録媒体である不揮発性メモリ73へコピーして保存する(ステップS101)。これは、ファームウェアのバージョン更新後に、更新前のバージョンのファームウェアを使って画像形成装置を動作できるようにするためである。
【0064】
そして、CPU72は、現行のファームウェア(Ver1)をSDカードに記録されているファームウェア(Ver2)を使って更新処理する(ステップS102)。更新処理後は、画像形成装置をファームウェア(Ver2)で動作させる(ステップS103)。これで、サービスによる更新処理が終了する。
【0065】
続いて、ユーザによるファームウェア(Ver2)の更新処理が行われる。この時、図7のCPU72は、ユーザが画像形成装置の操作部30を使ってファームウェアのバージョン更新処理手続きを行うと、これを検知し、ファームウェアの更新処理が開始されたと判断する(ステップS104)。
【0066】
CPU72は、現行のファームウェア(Ver2)を不揮発性記録媒体である不揮発性メモリ73へコピーして保存する(ステップS105)。これは、ファームウェアのバージョン更新後に、更新前のバージョンのファームウェアに戻すことができるようにするためである。
【0067】
CPU72は、現行のファームウェア(Ver2)を不揮発性メモリ73に保存してあるファームウェア(Ver1)を使って、更新処理する(ステップS106)。更新処理後は、画像形成装置を以前のバージョンのファームウェア(Ver1)で動作させることが可能となり(ステップS107)、ユーザによる更新処理が終了する。
【0068】
このように、第1の実施の形態によれば、サービスによりファームウェアのバージョン更新後(Ver1→Ver2)、ユーザが元のバージョンのファームウェア(Ver1)を使って画像形成装置を動作させたい場合、サービスを呼ぶことなくユーザ自身でファームウェアを元のバージョンに更新して(Ver2→Ver1)、動作させることができる。このため、サービスの作業負荷を低減すると共に、ユーザへのサービス性を向上させることができる。
【0069】
(第2の実施の形態)
図13は、第2の実施の形態にかかる画像形成装置のファームウェアの更新処理動作を説明するフローチャートである。以下、図13を用いて第2の実施の形態にかかる画像形成装置の動作について説明する。
【0070】
図13に示すように、サービスによる画像形成装置のファームウェアの更新処理が開始される。まず、図7に示すように、サービスが画像形成装置の操作部30を使ってファームウェアのバージョン更新処理手続きを行うと、CPU72がこれを検知して、ファームウェアの更新処理が開始されたと判断する(ステップS200)。ここで、サービスはファームウェアの更新処理手続きを開始すると同時に、更新用のファームウェア(Ver3)が記録された不図示のSDカードをメモリカードスロット29に挿入する。
【0071】
CPU72は、現行のファームウェア(Ver2)を不揮発性記録媒体である不揮発性メモリ73へコピーする際、不揮発性メモリ73にファームウェア(Ver1)が既に保存されている場合、そのファームウェア(Ver1)を残したまま、現行のファームウェア(Ver2)をコピーして不揮発性メモリ73へ保存する(ステップS201)。これは、現行のファームウェアのバージョンを更新した後、不揮発性メモリ73に保存されている複数のバージョンのファームウェアの中から再度更新するバージョンが選択できるようにするためである。
【0072】
そして、CPU72は、現行のファームウェア(Ver2)をSDカードに記録されているファームウェア(Ver3)を使って更新処理する(ステップS202)。更新処理後は、画像形成装置をファームウェア(Ver3)で動作させる(ステップS203)。これで、サービスによる更新処理が終了する。
【0073】
続いて、ユーザによるファームウェア(Ver3)の更新処理が行われる。この時、図7のCPU72は、ユーザが画像形成装置の操作部30を使ってファームウェアのバージョン更新処理手続きを行うと、これを検知し、ファームウェアの更新処理が開始されたと判断する(ステップS204)。
【0074】
CPU72は、現行のファームウェア(Ver3)を不揮発性記録媒体である不揮発性メモリ73へコピーして保存する。その際、不揮発性メモリ73には、ファームウェア(Ver1,Ver2)が既に保存されているが、それに上書きすることなくそのまま残し、現行のファームウェア(Ver3)を不揮発性メモリ73にコピーして保存する(ステップS205)。これは、ファームウェアのバージョンを更新した後、複数のバージョンのファームウェアの中から選択的に更新処理が行えるようにするためである。
【0075】
CPU72は、現行のファームウェア(Ver3)を不揮発性メモリ73に保存してあるファームウェア(Ver1)を使って、更新処理する(ステップS206)。更新後は、画像形成装置をファームウェア(Ver1)で動作させることが可能となり(ステップS207)、ユーザによる更新処理が終了する。
【0076】
このように、第2の実施の形態によれば、サービスによりファームウェアのバージョン更新後(Ver2→Ver3)、ユーザが元のバージョンとは異なる不揮発性メモリ73に保存してあったファームウェア(Ver1)を使って画像形成装置を動作させたい場合、サービスを呼ばずにユーザ自身で複数のファームウェアのバージョンの中から更新するバージョンを選択し(Ver1)、現行のファームウェア(Ver3)を更新した後、動作させることができる。このため、サービスの作業負荷を低減すると共に、ユーザへのサービス性を向上させることができる。
【0077】
(第3の実施の形態)
図14は、第3の実施の形態にかかる画像形成装置のファームウェアの更新処理動作を説明するフローチャートである。以下、図14を用いて第3の実施の形態にかかる画像形成装置の動作について説明する。
【0078】
まず、図14では、サービスにより画像形成装置に新たなファームウェアを保存するファームウェア保存処理が開始される。これを図7で見ると、サービスが画像形成装置の操作部30を使って、現行のファームウェア(Ver1)と異なるバージョンのファームウェア(Ver2)を不揮発性記録媒体である不揮発性メモリ73へ保存する(ステップS300)。この時、サービスは、事前に現行と異なるバージョンのファームウェア(Ver2)が記録されている不図示のSDカードを図7のメモリカードスロット29に挿入しておく。そして、CPU72は、サービスが操作部30を使って新たなファームウェアの保存処理を開始すると、メモリカードスロット29を介してSDカードに記録されているファームウェア(Ver2)を不揮発性メモリ73へ保存する。
【0079】
保存処理後は、画像形成装置を現行のファームウェア(Ver1)で動作させる(ステップS301)。これで、サービスによる保存処理が終了する。このように、現行のファームウェアのバージョンと異なるファームウェアを予め保存可能とするのは、ユーザ側で画像形成装置のファームウェアを自由に更新できるようにするためである。
【0080】
その後、ユーザによってファームウェア(Ver3)の更新処理が行われる。図7のCPU72は、ユーザが画像形成装置の操作部30を使ってファームウェアのバージョンの更新処理手続きを開始すると、これを検知し、ファームウェアの更新処理が開始されたと判断する(ステップS302)。
【0081】
ここで、CPU72は、現行のファームウェア(Ver1)を不揮発性記録媒体である不揮発性メモリ73へコピーして保存する(ステップS303)。これにより、不揮発性メモリ73内には、2種類のバージョンのファームウェア(Ver1、Ver2)が保存されている。
【0082】
そして、CPU72は、現行のファームウェア(Ver1)を不揮発性メモリ73内のファームウェア(Ver2)を用いて更新処理する(ステップS304)。更新後は、画像形成装置を新たなバージョンのファームウェア(Ver2)を使って動作させることが可能となり(ステップS305)、ユーザによる更新処理が終了する。
【0083】
このように、第3の実施の形態によれば、サービスが現在動作しているファームウェアのバージョンを更新することなく、画像形成装置内の不揮発性メモリ73へ新たなバージョンのファームウェアを保存する。そして、ユーザが現行のファームウェア(Ver1)と異なるバージョンのファームウェア(Ver2)を使って画像形成装置を動作させたい場合、サービスを呼ばずに予め保存しておいたファームウェア(Ver2)を用いて現行のファームウェア(Ver1)を更新し、動作させることができる。このため、サービスの作業負荷を低減すると共に、ユーザがファームウェアを自由に更新可能として、ユーザへのサービス性を向上させることができる。
【0084】
なお、上記実施の形態では、現行のファームウェアと異なるバージョンのファームウェアをSDカードなどから取り込んで更新処理を行っているが、これに限定されず、ネットワークI/F28を介してネットワーク280から新たなファームウェアをダウンロードして実施することも可能である。
【0085】
また、上述したような画像形成装置のファームウェアの更新方法をコンピュータに実行可能なプログラムとして作成し、画像形成装置のメモリにインストールすることで実施したり、そのプログラムをコンパクトディスク(CD)などの記録媒体に記録して配布したり、あるいは、ネットワークを介してダウンロードすることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0086】
以上のように、本発明にかかる画像形成装置、画像形成装置のファームウェア更新方法、およびその方法をコンピュータに実行させるプログラムは、例えばファームウェアを搭載した画像形成装置として複写機、プリンタ、ファックスあるいは複合機などのファームウェアの更新処理をユーザ側でも容易に行うことのできる画像形成装置、画像形成装置のファームウェア更新方法、およびその方法をコンピュータに実行させるプログラムに適している。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の画像形成装置がネットワークに接続されて構成されているネットワークシステムの概略説明図である。
【図2】図1の画像形成装置の機械的な概略構成を示す断面図である。
【図3】画像形成装置の操作部の一例を示した図である。
【図4】図3の操作部の液晶ディスプレイの表示例を示した図である。
【図5】本発明にかかる画像形成装置のメインコントローラを中心とした制御部の構成を示すブロック図である。
【図6】図5の制御部における画像処理ユニットの内部構成例を示すブロック図である。
【図7】図5のメインコントローラの一構成例を示すブロック図である。
【図8】図3のコピーサーバーキーを押下したときの液晶ディスプレイの表示画像例を示す図である。
【図9】図3のスキャナアプリキーを押下したときの液晶ディスプレイの表示画像例を示す図である。
【図10】図9の読み取り条件キーを押下したときの液晶ディスプレイの表示画像例を示す図である。
【図11】図9の蓄積文書キーを押下したときの液晶ディスプレイの表示画像例を示す図である。
【図12】第1の実施の形態にかかる画像形成装置のファームウェアの更新処理動作を説明するフローチャートである。
【図13】第2の実施の形態にかかる画像形成装置のファームウェアの更新処理動作を説明するフローチャートである。
【図14】第3の実施の形態にかかる画像形成装置のファームウェアの更新処理動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0088】
1 自動原稿送り装置(ADF)
2 原稿台
3 給送ローラ
4 給送ベルト
5 排送ローラ
6 コンタクトガラス
8 第1トレイ
9 第2トレイ
10 第3トレイ
11 第1給紙装置
12 第2給紙装置
13 第3給紙装置
14 縦搬送ユニット
15 感光体
16 搬送ベルト
17 定着ユニット
18 排紙ユニット
20 メインコントローラ
21 中間クラッチ
22 第1給紙クラッチ
23 第2給紙クラッチ
24 第3給紙クラッチ
25 メインモータ
26 搬送モータ
27 現像ユニット
28 ネットワークI/F
29 メモリカードスロット
30 操作部
31 液晶ディスプレイ
32 テンキー
33 クリア/ストップキー
34 プリントキー
35 予熱キー
36 リセットキー
37 初期設定キー
38 コピーキー
39 コピーサーバーキー
41 スキャナアプリキー
49 画像処理ユニット(IPU)
50 読み取りユニット
51 露光ランプ
52 第1ミラー
53 レンズ
54 CCDイメージセンサ
55 第2ミラー
56 第3ミラー
57 書き込みユニット
58 レーザ出力ユニット
59 結像レンズ
60 ミラー
61 A/Dコンバータ
62 シェーディング補正部
63 MTF・γ補正部
64 セレクタ
65 画像メモリコントローラ
66 画像メモリ
67 I/Oポート
68 CPU
69 ROM
70 RAM
71 印字合成部
72 CPU
73 不揮発性メモリ
74 NV−RAM
75 ハードディスク(HD)
76 印字イメージデータ発生装置(印字ユニット)
77 変倍回路
80 読み取り条件表示欄
81 登録ユーザ表示欄
82 蓄積文書キー
86 読み取り条件キー
87 配信キー
88 削除キー
100 フィニシャ
101 切り替え板
102 通常排紙ローラ
103 搬送ローラ
104 排紙トレイ
105,107 搬送ローラ
106 ステープラ
108 ステープル台
109 ジョガー
110 ステープル完了排紙トレイ
111 両面搬送ユニット
112 反転ユニット
113 両面入紙経路
114 反転排紙搬送路
150 表示領域
151 前へキー
152 後へキー
153 リストから削除キー
154 印刷条件キー
200 画像形成装置
210 クライアントPC
220 SMTPサーバ
230 FTPサーバ
240 クライアントPC
250 サーバPC
260 モデム
270 ファックス
280 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファームウェアを搭載した画像形成装置であって、
ファームウェアの更新処理の開始を検知する更新開始検知手段と、
前記更新開始検知手段により更新処理の開始を検知すると、現行のファームウェアのコピーを保存する不揮発性記録媒体と、
現行のファームウェアの更新処理を行うファームウェア更新手段と
を備え、現行のファームウェアの更新後、前記不揮発性記録媒体に保存されているファームウェアを使って新たに現行のファームウェアを更新することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
現行のファームウェアのコピーを前記不揮発性記録媒体にコピーする際に、既に保存されているファームウェアをそのまま残してコピーするようにし、
前記不揮発性記録媒体に保存されているファームウェアを使って現行のファームウェアを新たに更新する場合は、複数のファームウェアの中から所望のファームウェアを選択して更新することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記不揮発性記録媒体は、現行のファームウェアと異なるバージョンのファームウェアを保存し、その不揮発性記録媒体に保存されているファームウェアを使って現行のファームウェアを更新処理することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
ファームウェアを搭載した画像形成装置のファームウェア更新方法であって、
ファームウェアの更新処理の開始を検知する更新開始検知ステップと、
ファームウェアの更新処理の開始を検知すると、現行のファームウェアのコピーを不揮発性記録媒体に保存するファームウェア保存ステップと、
現行のファームウェアの更新処理を行うファームウェア更新ステップと
を含み、現行のファームウェアの更新後、前記不揮発性記録媒体に保存されているファームウェアを使って新たに現行のファームウェアを更新することを特徴とする画像形成装置のファームウェア更新方法。
【請求項5】
請求項4に記載された画像形成装置のファームウェア更新方法をコンピュータで実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−71077(P2008−71077A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−248563(P2006−248563)
【出願日】平成18年9月13日(2006.9.13)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】