説明

画像形成装置、画像形成装置の制御方法、及びコンピュータプログラム

【課題】 1枚のICカードに複数のユーザが対応付けられている場合に、ログアウト操作を行うことなく、ユーザの切り替えを行う。
【解決手段】 ユーザログイン中にICカードがカードリーダにかざされた場合、現在ログイン中のログインユーザのログイン処理で用いたICカードであるかを判定する。異なるICカードであった場合は、現在ログイン中のユーザのログアウト処理を行い、新たにかざされたICカードを用いたユーザログイン処理を行う。一方、同一のICカードがかざされた場合には、当該ICカードの複数のユーザが対応付けられているかを判定し、複数のユーザが対応付けられている場合には、新たにログインするユーザの選択を受け付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置等の機器を利用するユーザを認証するための技術に関し、特にICカードを用いたユーザの認証を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
複合機等の画像形成装置の利用に関し、ユーザ認証を行い、機器を利用するユーザを特定して機器を利用させることが広く行われている。
【0003】
例えば、印刷データのセキュリティを確保するために、コンピュータ上で印刷指示が行われた結果プリンタドライバにより作成された印刷データを、一旦サーバ装置や画像形成装置の記憶装置に保存させておき、その後保存されている印刷データに対する印刷指示がなされた場合に印刷処理を開始する印刷方法がある。印刷データをサーバ装置や画像形成装置に保存する際には、当該印刷データとともにユーザ情報を保存させておき、画像形成装置で行われるユーザ認証の結果特定されたユーザに対応付けられている印刷データの印刷が開始される。このようにすることにより、印刷指示後直ちに画像形成装置により印刷を行ってしまうことにより発生してしまう、他人に印刷物の内容を見られてしまうという危険性を低減することが可能となるわけである。
【0004】
また、画像形成装置の利用の際にユーザ認証を行い利用するユーザを特定することで、ユーザそれぞれがどのような設定を行っているかという履歴情報を残したり、その履歴情報に従って、夫々の部署ごとに画像形成装置の利用に対する課金を行ったりすることが可能となっている。
【0005】
このように、画像形成装置の利用に関し、ユーザ認証処理し、その後に画像形成装置の利用を許可する技術が例えば特許文献1に開示されている。特許文献1に開示されている発明は、このようにICカードを用いてユーザ認証を行う場合において、あるユーザがログイン中に、他のユーザのICカードがカードリーダ装置にかざされた場合に、ログイン中のユーザのログアウト処理を行い、新たにかざされたICカードを用いた認証処理を行うものである。このようにすることで、例えば、あるユーザが画像形成装置の利用後にログアウト処理を行わなかった場合でも、他のユーザがログイン中のユーザのログアウト処理を行わなくても済み、操作性の向上が図られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−134857号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし最近、1枚のICカードに複数のユーザ情報を対応付けることが行われている。この理由としては、例えば画像形成装置の利用に要した金額の算出を、ユーザが所属する部署ごとではなく、例えば、ユーザが従事しているプロジェクトなどの業務ごとに算出するためである。
【0008】
このため、ユーザが所有する1枚のICカードに、ユーザが従事している夫々に業務に対応するユーザ情報を登録しておき、画像形成装置を利用する際に、ユーザがICカードを用いた認証を行い、ICカードに対応付けられている複数のユーザ情報から業務に対応するユーザ情報を選択し、画像形成装置を利用することになる。このようにすることで、プロジェクト毎に画像形成装置の利用に要した金額の算出を行うことが可能になるわけである。
【0009】
この時、同一のICカードに登録されているユーザの切り替えを行うためには、一度ログイン中のユーザのログアウト処理を行い、その後再度ユーザ認証処理を行う必要があった。同一のICカードに登録されているユーザの切り替えを行えるようにすることで、上記の処理を行うことを回避できるが、この場合、画像形成装置を利用するユーザがログアウト処理を忘れて画像形成装置から離れたしまった場合に、ログイン中のユーザだけでなく、ログイン時(ユーザ認証時)に用いたICカードに対応付けられている複数のユーザに対応付けられている印刷データの印刷を他人が実行指示することが可能となってしまい、セキュリティの観点から好ましくない。
【0010】
また、特許文献1に開示されている発明を適用しても、異なるICカードを用いた場合にはログアウト処理を必要としないが、同一のICカードがカードリーダにかざされた場合には、ユーザの切り替え処理が開始されないので、結局ログアウト処理を行った後に再度ログイン処理を行わなくてはならない。
【0011】
本発明は、上記した課題に鑑み、同一のカードに複数のユーザが対応付けられている場合であっても、手動でのログアウト操作を必要とせず、ユーザの切り替え処理を実行できる画像形成装置、画像形成装置の制御方法、及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記した目的を達成するために、本発明の画像形成装置は、識別情報が記憶されている記憶媒体を用いて、ユーザのログイン処理を行う画像形成装置であって、前記記憶媒体を検出する検出手段と、前記検出手段で記憶媒体を検出した後に、検出した記憶媒体から前記識別情報を取得する第1の取得手段と、前記第1の取得手段で取得した識別情報を用いて特定されるユーザ情報を取得する第2の取得手段と、前記第1の取得手段で取得した識別情報を記憶する記憶手段と、前記第2の取得手段で取得したユーザ情報が複数ある場合に、複数のユーザ情報のうち、ログイン処理を行うユーザに対応するユーザ情報の選択を受け付ける選択受付画面を表示する表示制御手段と、前記選択受付画面を介してユーザ情報の選択を受け付ける受付手段と、前記受付手段で受け付けたユーザ情報に対応するユーザのログイン処理を行うログイン手段と、を備え、前記ログイン手段でログイン処理をしたユーザがログイン中に前記検出手段が新たに記憶媒体を検出した後に、前記第1の取得手段は、該検出した記憶媒体から識別情報を新たに取得し、前記第1の取得手段が新たに取得した識別情報と、前記記憶手段に記憶されている識別情報とが一致するかを判定する第1の判定手段をさらに備え、前記第1の判定手段で、前記第1の取得手段が新たに取得した識別情報と、前記記憶手段に記憶されている識別情報とが一致すると判定し、前記識別情報に対応するユーザ情報が複数ある場合には、前記表示制御手段は、再度、ログイン中のユーザに対応するユーザ情報の特定に用いられた識別情報から特定される複数のユーザ情報のうち、ログイン処理を行うユーザに対応するユーザ情報の選択を受け付ける選択受付画面を表示することを特徴とする。
【0013】
上記した目的を達成するために、本発明の画像形成装置の制御方法は、識別情報が記憶されている記憶媒体を用いて、ユーザのログイン処理を行う画像形成装置の制御方法であって、前記記憶媒体を検出する検出工程と、前記検出工程で記憶媒体を検出した後に、検出した記憶媒体から前記識別情報を取得する第1の取得工程と、前記第1の取得工程で取得した識別情報を用いて特定されるユーザ情報を取得する第2の取得工程と、前記第1の取得工程で取得した識別情報を記憶装置に記憶する記憶工程と、前記第2の取得工程で取得したユーザ情報が複数ある場合に、複数のユーザ情報のうち、ログイン処理を行うユーザに対応するユーザ情報の選択を受け付ける選択受付画面を表示部に表示する表示制御工程と、前記選択受付画面を介してユーザ情報の選択を受け付ける受付工程と、前記受付工程で受け付けたユーザ情報に対応するユーザのログイン処理を行うログイン工程と、を備え、前記ログイン工程でログイン処理をしたユーザがログイン中に、前記検出工程で新たに記憶媒体を検出した後に、前記第1の取得工程で、該検出した記憶媒体から識別情報を新たに取得し、前記第1の取得工程で新たに取得した識別情報と、前記記憶装置に記憶されている識別情報とが一致するかを判定する第1の判定工程をさらに備え、前記第1の判定工程で、前記第1の取得工程で新たに取得した識別情報と、前記記憶装置に記憶されている識別情報とが一致すると判定し、前記識別情報に対応するユーザ情報が複数ある場合には、前記表示制御工程で、再度、ログイン中のユーザに対応するユーザ情報の特定に用いられた識別情報から特定される複数のユーザ情報のうち、ログイン処理を行うユーザに対応するユーザ情報の選択を受け付ける選択受付画面を表示部に表示することを特徴とする。
【0014】
上記した目的を達成するために、本発明のコンピュータプログラムは、 識別情報が記憶されている記憶媒体を用いて、ユーザのログイン処理を行う画像形成装置を、前記記憶媒体を検出する検出手段と、前記検出手段で記憶媒体を検出した後に、検出した記憶媒体から前記識別情報を取得する第1の取得手段と、前記第1の取得手段で取得した識別情報を用いて特定されるユーザ情報を取得する第2の取得手段と、前記第1の取得手段で取得した識別情報を記憶する記憶手段と、前記第2の取得手段で取得したユーザ情報が複数ある場合に、複数のユーザ情報のうち、ログイン処理を行うユーザに対応するユーザ情報の選択を受け付ける選択受付画面を表示する表示制御手段と、前記選択受付画面を介してユーザ情報の選択を受け付ける受付手段と、前記受付手段で受け付けたユーザ情報に対応するユーザのログイン処理を行うログイン手段として機能させ、前記ログイン手段でログイン処理をしたユーザがログイン中に前記検出手段が新たに記憶媒体を検出した後に、前記第1の取得手段は、該検出した記憶媒体から識別情報を新たに取得し、前記画像処理装置をさらに、前記第1の取得手段が新たに取得した識別情報と、前記記憶手段に記憶されている識別情報とが一致するかを判定する第1の判定手段として機能させ、前記第1の判定手段で、前記第1の取得手段が新たに取得した識別情報と、前記記憶手段に記憶されている識別情報とが一致すると判定し、前記識別情報に対応するユーザ情報が複数ある場合には、前記表示制御手段は、再度、ログイン中のユーザに対応するユーザ情報の特定に用いられた識別情報から特定される複数のユーザ情報のうち、ログイン処理を行うユーザに対応するユーザ情報の選択を受け付ける選択受付画面を表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、同一のICカードに複数のユーザ情報が登録されている場合であっても、手動でのログアウト処理を行うことなくそれら複数のユーザの切り替えを行うことが可能となる。
【0016】
さらには、同一のICカードに登録されている他のユーザにログインユーザを切り替える際にもICカードを必要とするので、ICカードを保持しない他のユーザがログインユーザの切り替えを行うことを防止することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態における画像処理システム構成の一例を示す図である。
【図2】クライアント装置101、認証サーバ102、プリントサーバ104、及び印刷管理サーバ105に適用可能なコンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
【図3】複合機103のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図4】複合機103と認証サーバ102によって行われるユーザ認証処理を示すフローチャートである。
【図5】複合機103によって行われるログインユーザ選択処理を示すフローチャートである。
【図6】図5のステップS510の各種処理実行の詳細を示すフローチャートである。
【図7】図6のステップS603の保存データ印刷処理の詳細を示すフローチャートである。
【図8】認証サーバ102の外部メモリ211に保存されているユーザ認証テーブルのデータ構成の一例を示す図である。
【図9】印刷管理サーバ105の外部メモリ211に保存されている書誌情報データテーブルのデータ構成の一例を示す図である。
【図10】複合機103の操作部308のLCD表示部に表示される認証画面の一例を示す図である。
【図11】複合機103の操作部308のLCD表示部に表示されるログインユーザ選択画面の一例を示す図である。
【図12】複合機103の操作部308のLCD表示部に表示されるメニュー画面の一例を示す図である。
【図13】複合機103の操作部308のLCD表示部に表示される印刷データ選択画面の一例を示す図である。
【図14】複合機103と印刷管理サーバ105によって行われるログインユーザ選択処理を示すフローチャートである(第2の実施の形態)。
【図15】認証サーバ102の外部メモリ211に保存されているユーザ認証テーブルのデータ構成の一例を示す図である(第2の実施の形態)。
【図16】複合機103の操作部308のLCD表示部に表示されるログインユーザ選択画面の一例を示す図である(第2の実施の形態)。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<第1の実施の形態>
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態の一例について説明する。
【0019】
図1は、本実施形態の画像処理システムの一例を示すシステム構成図である。図1に示すように、画面処理システムは、例えば、1又は複数のクライアントPC101、1台の認証サーバ102、1又は複数の複合機103(画像形成装置)、1又は複数のプリントサーバ104、印刷管理サーバ105がローカルエリアネットワーク(LAN)106(通信媒体)を介して接続された構成をとる。
【0020】
クライアントPC101には、プリンタドライバがインストールされており、このプリンタドライバを用いて、アプリケーションプログラムから受け取ったデータに基づいて印刷データを生成し、該印刷データをプリントサーバ104等へ送信し、プリントサーバ104の所定の格納場所(スプール領域)に格納させることができる。
【0021】
認証サーバ102は、後述するユーザ認証テーブル(図8)を格納しており、複合機103からのカード情報による認証依頼に応じてユーザ認証テーブルの情報を用いて認証処理を行う。
【0022】
複合機103は、カードリーダが読み取ったカード情報を認証依頼として認証サーバ102に送信する。また、複合機103は、認証サーバ102でのカード情報に基づくユーザ認証の結果特定されるユーザ情報に基づき画面表示を制御する。また、ユーザの操作指示に従い、プリントサーバ104に蓄積されている印刷データをLPR出力すべくプリントサーバ104に対して要求コマンドを送信し、それに応じてプリントサーバ104より受信した印刷データの印刷出力を行う。
【0023】
プリントサーバ104は、クライアントPC101から受信した印刷データに対応する書誌情報データを生成し、印刷管理サーバ105に送信して、該印刷管理サーバ105の所定の格納場所に格納させることができる。
【0024】
また、プリントサーバ104は、外部機器(例えば複合機103)から受信したLPRを実行するためのコマンドに基づいて上記所定の格納場所に格納している印刷データを指定された複合機103へ送信制御する。
【0025】
印刷管理サーバ105は、書誌情報データテーブル(後述する図9に示す)を備え、プリントサーバ104から送信される書誌情報(プリンタサーバ104内に蓄積された印刷データの書誌情報)を受信し、書誌情報データテーブルにより記憶管理する。
【0026】
LAN106は、上述した各装置を相互に通信可能に接続するためのネットワークであり、その接続形態は有線/無線を問わない。以上が本発明の画像処理システムの構成の一例の説明である。
【0027】
次に、図2を参照して、図1のクライアント装置101、認証サーバ102、プリントサーバ104、及び印刷管理サーバ105として適用可能な情報処理装置のハードウェア構成の一例について説明する。
【0028】
図2において、201はCPUで、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。また、ROM203あるいは外部メモリ211には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / Output System)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、クライアント装置や各サーバ装置が実行する機能を実現するために必要な後述する各種プログラム等が記憶されている。
【0029】
202はRAMで、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をROM203あるいは外部メモリ211からRAM202にロードして、該ロードしたプログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
【0030】
また、205は入力コントローラで、キーボードやポインティングデバイス等の入力装置209からの入力を制御する。206はビデオコントローラで、ディスプレイ装置210等の表示器への表示を制御する。これらは必要に応じて操作者が使用するものである。
【0031】
207はメモリコントローラで、ブートプログラム,各種のアプリケーション,フォントデータ,ユーザファイル,編集ファイル,各種データ等を記憶するハードディスク(HD)や、フレキシブルディスク(FD)、或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等の外部メモリ211へのアクセスを制御する。
【0032】
208は通信I/F(インタフェース)コントローラで、ネットワーク(例えば、図1に示したLAN106)を介して外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いた通信等が可能である。
【0033】
なお、CPU201は、例えばRAM202内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、ディスプレイ装置210上での表示を可能としている。また、CPU201は、ディスプレイ装置210上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
【0034】
本発明を実現するための後述するフローチャートに示す各ステップの処理は、コンピュータで読み取り実行可能なプログラムにより実行され、そのプログラムは外部メモリ211に記録されている。そして、必要に応じてRAM202にロードされることによりCPU201によって実行されるものである。さらに、上記プログラムの実行時に用いられる定義ファイル及び各種情報テーブル等も、外部メモリ211に格納されており、これらについての詳細な説明も後述する。
【0035】
次に、図3を参照して、図1の複合機103のハードウェア構成について説明する。図3は、図1の複合機103のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0036】
図3において、316はコントローラユニットで、画像入力デバイスとして機能するスキャナ314や、画像出力デバイスとして機能するプリンタ部312と接続する一方、LAN(例えば、図1に示したLAN106)や公衆回線(WAN)(例えば、PSTNまたはISDN等)と接続することで、画像データやデバイス情報の入出力を行う。
【0037】
コントローラユニット316において、301はCPUで、システム全体を制御するプロセッサである。302はRAMで、CPU301が動作するためのシステムワークメモリであり、プログラムを記録するためのプログラムメモリや、画像データを一時記録するための画像メモリでもある。
【0038】
303はROMで、システムのブートプログラムや各種制御プログラムが格納されている。304はハードディスクドライブ(HDD)で、システムを制御するための各種プログラム,画像データ等を格納する。
【0039】
307は操作部インタフェース(操作部I/F)で、操作部308とのインタフェース部である。また、操作部I/F307は、操作部308から入力したキー情報(例えば、スタートボタンの押下)をCPU301に伝える役割をする。
【0040】
305はネットワークインタフェース(ネットワークI/F)で、LAN106等のネットワークに接続し、データの入出力を行う。306はモデムで、公衆回線に接続し、FAXの送受信等のデータの入出力を行う。
【0041】
318は外部インタフェース(外部I/F)で、USB、IEEE1394,プリンタポート,RS−232C等の外部入力を受け付けるI/F部であり、本実施形態においてはユーザの認証を行う際に必要となる非接触ICカード(記憶媒体)の読み取り用のカードリーダ319が外部I/F部318に接続されている。そして、CPU301は、この外部I/F318を介してカードリーダ319によるICカードからの情報読み取りを制御し、該ICカードから読み取られた情報を取得可能である。以上のデバイスがシステムバス309上に配置される。
【0042】
320はイメージバスインタフェース(イメージバスI/F)であり、システムバス309と画像データを高速で転送する画像バス315とを接続し、データ構造を変換するバスブリッジである。画像バス315は、PCIバスまたはIEEE1394で構成される。画像バス315上には以下のデバイスが配置される。
【0043】
310はラスタイメージプロセッサ(RIP)で、例えば、PDLコード等のベクトルデータをビットマップイメージに展開する。311はプリンタインタフェース(プリンタI/F)で、プリンタ部312とコントローラユニット316を接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。また、313はスキャナインタフェース(スキャナI/F)で、スキャナ314とコントローラユニット316を接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。
【0044】
317は画像処理部で、入力画像データに対し補正、加工、編集を行ったり、プリント出力画像データに対して、プリンタの補正、解像度変換等を行ったりする。また、これに加えて、画像処理部317は、画像データの回転や、多値画像データに対してはJPEG、2値画像データはJBIG、MMR、MH等の圧縮伸張処理を行う。そして、この画像処理部317は、スキャナ部314を駆動して画像読み取りされた画像データを画像処理して、ファイル出力可能な形式(例えば、PDF形式ファイル)に変換し、CPU301と連携して、ネットワークI/F305を介して、外部装置に画像データのファイルを送信することができる。
【0045】
スキャナ部314は、原稿となる紙上の画像を照明し、CCDラインセンサで走査することで、ラスタイメージデータとして電気信号に変換する。原稿用紙は原稿フィーダのトレイにセットし、装置使用者が操作部308から読み取り起動指示することにより、CPU301がスキャナ部314に指示を与え、フィーダは原稿用紙を1枚ずつフィードし原稿画像の読み取り動作を行う。
【0046】
プリンタ部312は、ラスタイメージデータを用紙上の画像に変換する部分であり、その方式は感光体ドラムや感光体ベルトを用いた電子写真方式、微少ノズルアレイからインクを吐出して用紙上に直接画像を印字するインクジェット方式等があるが、どの方式でも構わない。プリント動作の起動は、CPU301からの指示によって開始する。なお、プリンタ部312には、異なる用紙サイズまたは異なる用紙向きを選択できるように複数の給紙段を持ち、それに対応した用紙カセットがある。
【0047】
操作部308は、LCD表示部を有し、LCD上にタッチパネルシートが貼られており、システムの操作画面を表示するとともに、表示してあるキーが押されるとその位置情報を操作部I/F307を介してCPU301に伝える。また、操作部308は、各種操作キーとして、例えば、スタートキー、ストップキー、IDキー、リセットキー等を備える。
【0048】
ここで、操作部308のスタートキーは、原稿画像の読み取り動作を開始する時などに用いる。スタートキーの中央部には、緑と赤の2色LEDがあり、その色によってスタートキーが使える状態にあるかどうかを示す。また、操作部308のストップキーは、稼働中の動作を止める働きをする。また、操作部308のIDキーは、使用者のユーザIDを入力する時、また手動でユーザのログアウト処理を行う時に用いる。リセットキーは、操作部からの設定を初期化する時に用いる。
【0049】
カードリーダ319は、CPU301からの制御により、非接触ICカードに記憶されている情報を読み取り、該読み取った情報を外部I/F318を介してCPU301へ通知する。
【0050】
以上のような構成によって、複合機103は、スキャナ部314から読み込んだ画像データをLAN106上に送信したり、LAN106から受信した印刷データをプリンタ部312により印刷出力したりすることができる。
【0051】
また、スキャナ部314から読み込んだ画像データをモデム306により、公衆回線上にFAX送信したり、公衆回線からFAX受信した画像データをプリンタ部312により出力したりすることができる。
【0052】
次に図4を参照して、複合機103の利用に際し行われるユーザ認証処理について説明する。この処理は複合機103のCPU301及び認証サーバ102のCPU201によって行われる処理である。
【0053】
まず、複合機103のCPU301は、複合機103を利用するユーザに対してICカードによるユーザ認証を行わせるべく、図10に示す認証画面1000を操作部308のLCD表示部に表示する(ステップS401)。そしてその後、カードリーダ319に対してポーリング開始要求を送信することで、カードリーダ318はポーリングを開始する(ステップS402)。そして、カードリーダ319にICカードがかざされたことを検知すると(ステップS403)、カードリーダ319はかざされたICカードのカード情報を取得し、複合機103に取得したカード情報を送信する(カード情報取得:ステップS404)。そして、複合機103のCPU301は、ステップS404で取得したカード情報を含む認証要求データを作成し、認証要求データを認証サーバ102に送信することで、取得したICカード情報を用いたユーザ認証を認証サーバ102に対して要求する(ステップS405)。
【0054】
認証サーバ102のCPU201は、複合機103からの認証要求データを受信すると(ステップS421)、外部メモリ211に記憶されているユーザ認証テーブルを用いて、ユーザ認証を行う(ステップS422)。
【0055】
ここで、図8を参照して、認証サーバ102の外部メモリ211に記憶されているユーザ認証テーブル800のデータ構成について説明する。図8は、ユーザ認証データテーブル800の構成の一例を示す図である。
【0056】
図8に示す通り、ユーザ認証テーブル800はデータ項目として、カード情報801、ユーザ情報802を備えており、ユーザ情報802として、ユーザ名802−1、パスワード802−2、メールアドレス802−3、等を備えている。
【0057】
カード情報801は、ユーザが所有するICカードのカード情報が登録されるデータ項目である。ユーザ情報802は、当該ICカードを所有するユーザに関する情報が登録される。
【0058】
ユーザ名802−1は、当該ICカードを所有するユーザのユーザ名が登録されるデータ項目である。パスワード802−2は、ICカードを紛失した際に認証処理で用いるパスワードが登録されるデータ項目である。ユーザは、ICカードを紛失した場合には、認証情報としてユーザ名、パスワードを複合機103に対して入力することで、複合機103のCPU301は、ユーザ名、パスワードを用いたユーザ認証要求を認証サーバ102に行うことになる。メールアドレス802−3は、当該ユーザのメールアドレスが登録されるデータ項目である。
【0059】
1枚のICカードに複数のユーザが紐付けられている場合には、このユーザ認証テーブル800にカード情報801に同一の情報を持つ複数のレコードが登録されることになる。
【0060】
認証サーバ102は、カード認証に際し、複合機103から受信した認証要求データに含まれるICカード情報が、ユーザ認証テーブル800に登録されている何れかのレコードのカード情報801に登録されているかにより、認証処理を行うことになる。つまりは、認証要求データに含まれているカード情報がカード情報801に登録されているレコードのユーザが複合機103にログインを行うユーザであると特定する。以上が図8のユーザ情報テーブル800のデータ構成の説明である。
【0061】
図4の説明に戻る。ステップS422のユーザ認証処理の結果、認証に成功した場合には(ステップS423でYES)、認証サーバ102のCPU201は、認証結果が成功である認証結果データを作成する(ステップS424)。この認証結果データには、ユーザ認証に用いたICカードに対応付けられているユーザ情報が含まれている。また、複数のユーザ情報が対応付けられている場合(例えば、図8のカード情報が「4fkgods9fmkd」、「skfor3945860」)には、認証結果データには当該ICカードに対応付けられている全てのユーザのユーザ情報802が含まれることになる。
【0062】
一方、ステップS422のユーザ認証処理の結果、認証に失敗した場合には(ステップS423でNO)、認証サーバ102のCPU201は、認証結果が失敗である認証結果データを作成する(ステップS425)。
【0063】
そして、ステップS424またはS425で作成した認証結果データを、ユーザ認証要求を行ってきた複合機103に送信する(ステップS426)。
【0064】
複合機103のCPU301は、認証サーバ102から送信された認証結果データを受信すると(ステップS406)、認証結果データに基づいてユーザ認証が成功したかそれとも失敗したかを判定する(ステップS407)。ユーザ認証に成功したと判定した場合には(ステップS407でYES)、後述するログインユーザ選択処理を行うことになる。このログインユーザ選択処理の詳細については図5を参照して説明する。
【0065】
一方、ユーザ認証に失敗したと判定した場合には(ステップS407でNO)、処理をステップS408に進め、不図示のエラー画面を表示するための表示情報を作成し(ステップS408)、作成した表示情報に従って、不図示の認証エラー画面を表示する(ステップS409)。
【0066】
その後、ユーザの操作指示に従い、再度ユーザ認証処理を行うかを判定し(リトライ?:ステップS410)、再度ユーザ認証を行うと判定した場合には(ステップS410でYES)、処理をステップS401に移行し、上記した処理を繰り返すことになる。
【0067】
一方、再度ユーザ認証処理を行わないと判定した場合には(ステップS410でNO)、本図に示す処理を終了する。以上がユーザ認証処理の説明である。
【0068】
次に、図5を参照して、複合機103によって行われるログインユーザ選択処理について説明する。
【0069】
まず、複合機103のCPU301は、図4のステップS404で取得したカード情報をRAM302に記憶する(ステップS501)。そして、その後、図4のステップS406で認証サーバ102より受信した認証結果データに含まれるユーザ情報を取得する(ステップS502)。この時、認証結果データに複数のユーザ情報が含まれていた場合には、全てのユーザ情報を取得することになる。そしてそのユーザ情報をRAM302に記憶する。
【0070】
そして、ステップS502で取得したユーザ情報に従って、ユーザ認証の際に使用したICカードに複数のユーザが対応付けられているかを判定する(ステップS503)。
【0071】
複数のユーザが対応付けられていると判定した場合には(ステップS503でYES)、処理をステップS504に、1つのユーザ情報にしか対応付けられていないと判定した場合には(ステップS503でNO)、当該ユーザ情報が示すユーザをログインユーザとして確定し、処理をステップS508に進める。
【0072】
ステップS504において、複合機103のCPU301は、ステップS502で取得したユーザ情報を用いてログインユーザの選択に用いるログインユーザ選択画面の画面情報を作成し、作成した画面情報に従って、図11に示すログインユーザ選択画面1100を表示する(ステップS505)。
【0073】
ここで、図11を参照して、図5のステップS505において複合機103の操作部308のLCD表示部に表示されるログインユーザ選択画面の構成について説明する。図11はログインユーザ選択画面1100の構成の一例を示す図である。
【0074】
図11に示す通り、ログインユーザ選択画面1100には、ログインユーザ選択部1101、ログインボタン1102が設定されている。
【0075】
ログインユーザ選択部1101は、ICカードに対応付けられている複数のユーザの中から、いずれのユーザでログインをするかの指定を受け付けるために用いられる。ログインボタン1102は、ログインユーザ選択部1101で選択されたユーザでのログインを複合機103に対して指示するために用いられる。以上が図11のログインユーザ選択画面1100の説明である。
【0076】
図5の説明に戻る。ステップS505で表示したログインユーザ選択画面1100のログインユーザ選択部1101でログインユーザの指定を受け付けた後にログインボタン1102の押下指示を受け付けることで、ログインユーザの選択を受け付けると(ステップS506)、ログインユーザ選択部1101で選択されたログインユーザ名を取得する(ステップS507)。ログインユーザ名を取得したユーザでログインユーザを確定する。
【0077】
そして、ステップS507の処理終了後、又はステップS503でNOと判定した場合には、ログインユーザとして確定されたユーザでのログイン処理を行い、図12に示すメニュー画面1200を作成し(ステップS508)、メニュー画面1200を表示する(ステップS509)。その後、各種処理を実行する(ステップS510)。ステップS510の処理の詳細については図6を参照して説明することにする。
【0078】
以上が、複合機103のCPU301によって行われるログインユーザ選択処理の説明である。
【0079】
ここで、図12を参照して、図5のステップS509で複合機103のLCD表示部に表示されるメニュー画面1200の構成の一例について説明する。図12に示すように、メニュー画面1200には、各種の指示をCPU301に入力するためのボタンが設定されている。
【0080】
例えば「コピー」ボタンの押下指示を行うと、複合機103のCPU301はコピーを行うための不図示の設定画面を表示し、コピー部数、両面/片面設定、拡大率などの指定を受け付け、コピー指示を受け付けた後にコピー処理を行うことになる。
【0081】
同様に各種のボタンには、夫々対応する複合機103に行わせる処理が設定されており、ボタンの押下指示を受け付けると、複合機103が行う処理に対応した不図示の各種処理の設定画面を表示させ、その設定画面を介して入力された指定に従ってCPU301は指定された処理を実行することになる。以上が図12のメニュー画面1200の説明である。
【0082】
次に、図6を参照して図5のステップS510の各種処理実行の詳細処理について説明する。この処理は複合機103のCPU301によって行われる処理である。
【0083】
図5に示すログインユーザ選択処理で、複合機103の利用者がログインユーザを選択して、複合機にログインが終了し、図12に示すメニュー画面1200が表示されると、その後、カードリーダ319に対してポーリング開始要求を送信することで、カードリーダ319はポーリングを開始する(ステップS601)。
【0084】
その後、メニュー画面1200の「保存ファイル印刷」ボタンに対する押下指示を受け付けることで入力される保存ファイル印刷指示を受け付けると(ステップS602でYES)、処理をステップS603に進め保存ファイル印刷処理を行う。保存ファイル印刷処理終了後、処理をステップS602に戻す。保存ファイル印刷処理の詳細は、図7を参照して説明する。
【0085】
ここで、図7を参照して、図6のステップS603の保存ファイル印刷処理の詳細について説明する。この処理は、複合機103のCPU301、プリントサーバ104のCPU201、印刷管理サーバ105のCPU201によって行われる処理である。
【0086】
複合機103のCPU301は、メニュー画面1200の「保存ファイル印刷」ボタンの押下指示を受け付けると、印刷管理サーバ105に対して、複合機103にログイン中のログインユーザを特定するためのユーザ情報を含む書誌情報要求データを送信することで、ログイン中のユーザに対応する印刷データの書誌情報を要求する(ステップS701)。
【0087】
印刷管理サーバ105のCPU201は、複合機103からの書誌情報要求を受信すると(ステップS721)、書誌情報データテーブル900に登録されている書誌情報から複合機103にログイン中のユーザに対応する印刷データの書誌情報を取得する(ステップS722)。この時、1枚のカードに複数のユーザが対応付けられている場合であっても、ログイン時に指定したユーザ以外のユーザに対応する書誌情報は取得することはない。その後、ステップ722で取得した書誌情報を、要求を行ってきた複合機103に送信する(ステップS723)。
【0088】
ここで、図9を参照して、印刷管理サーバ105の外部メモリ211に記憶されている書誌情報データテーブル900のデータ構成について説明する。図9は書誌情報データテーブル900のデータ構成の一例を示す図である。
【0089】
図9に示すように、書誌情報データテーブル900は、データ項目としてユーザ名901、ジョブ名902、印刷部数903、保存日時904、印刷データ905等を備えて構成されている。
【0090】
ユーザ名901は、当該書誌情報データに対応する印刷データの保存要求を行ったユーザを特定するための情報が登録されるデータ項目である。ジョブ名902は印刷データの名称を登録するデータ項目である。印刷部数903は、印刷データを印刷する部数が登録される。
【0091】
保存日時904は当該書誌情報データに対応する印刷データが何れかのプリントサーバ104の外部メモリ211に保存された日時情報が登録される。印刷管理サーバ105は、この情報をもとにして、プリントサーバ104に印刷データが保存された後に一定時間印刷が行われていない印刷データの削除要求をプリントサーバに行うことになる。
【0092】
印刷データ905は、当該書誌情報データに対応する印刷データのパス情報を登録するデータ項目であり、この情報をもとにして、印刷データの保存場所を特定することが可能となる。以上が、書誌情報データテーブル900の構成の説明である。
【0093】
図7の説明に戻る。複合機103は、印刷管理サーバ105からログインユーザに対応する書誌情報を受信すると(ステップS702)、受信した書誌情報をもとに印刷指示画面1300を作成し(ステップS703)、作成した印刷指示画面1300を操作部308のLCD表示部に表示する(ステップS704)。
【0094】
ここで、図13を参照して、図7のステップS704で複合機103のLCD表示部に表示される印刷指示画面の構成について説明する。図13は、印刷指示画面1300の構成の一例を示す図である。
【0095】
図13に示す通り、印刷指示画面1300には、印刷データ表示欄1301、印刷ボタン1302が設定されている。
【0096】
印刷データ表示欄1301は、プリントサーバ104に保存されているログインユーザに対応する印刷データの書誌情報の表示を行い、印刷実行する印刷データの指定を受け付けるコントロールである。
【0097】
この印刷データ表示1301には、データ選択/非選択表示部1301−1、文書名表示部1301−2、保存日時表示部1301−3、部数表示部1301−4が設定されている。
【0098】
データ選択/非選択表示部1301−1には、印刷データが印刷対象として選択されているか(チェックあり)否か(チェックなし)を示す情報が表示される。選択状態の印刷データに対する押下指示を受け付けると選択が解除され非選択状態に、非選択状態の印刷データに対する押下指示を受け付けた場合には、選択状態になる。
【0099】
文書名表示部1301−2、保存日時表示部1301−3、部数表示部1301−4には、それぞれ書誌情報中の文書名902、保存日時904、部数903に登録されている情報を表示する。
【0100】
そして、何れかの印刷データが選択状態の時に印刷ボタン1302の押下指示を受け付けると、選択された印刷データの印刷を実行することになる。以上が図13の印刷データ選択画面1300の説明である。
【0101】
図7の説明に戻る。ステップS704で印刷データ選択画面1300を表示後、印刷データ選択画面1300に対する操作指示により、印刷を実行する印刷データの選択を受け付ける(ステップS705)。そして、印刷ボタン1302の押下を受け付けることにより発行される印刷実行指示を受け付けると(ステップS706でYES)、書誌情報の印刷データ905に登録されている印刷データのパス情報により特定される当該印刷データを保持するプリントサーバ104に対して、印刷データの印刷実行要求を行う(ステップS707)。
【0102】
プリントサーバ104はその印刷実行要求を受信すると(ステップS724)、その要求に応じて、印刷データを複合機103に対して送信する(ステップS725)。尚、印刷実行要求は印刷管理サーバ105経由で行うように構成しても構わない。
【0103】
そして複合機103はプリントサーバ104より印刷データを受信すると(ステップS708)、受信した印刷データに従った印刷処理を実行する(ステップS709)。そして、印刷処理に係る操作ログデータを不図示の操作ログ管理テーブルにログインユーザと対応付けて登録する(ステップS710)。そして、この操作ログ管理テーブルに登録された操作ログデータを用いて、夫々のユーザが複合機103を用いた印刷処理をどの程度行ったかを確認することができ、その結果として、各部門やプロジェクト等への複合機103の使用に関する課金処理を行うことができる。以上が、図6のステップS603の保存データ印刷処理の詳細な説明である。
【0104】
図6の説明に戻る。ステップS602で保存ファイル印刷処理を受け付けていないと判定した場合には、メニュー画面1200を介してその他の処理(例えば、コピー処理、ファックス処理、スキャンして送信処理等)の実行要求を受け付けたかを判定する(ステップS604)。この判定処理でその他の処理の実行要求を受け付けたと判定した場合には(ステップS604でYES)、指定された処理を実行し(ステップS605)、実行した処理に関する操作ログデータをログインユーザと対応付けて不図示の操作ログ管理テーブルに登録する(ステップS606)。その後、ステップS602に処理を移行する。
【0105】
ステップS607では、複合機103のCPU301は、ICカードがカードリーダ319にかざされたことを検知したかを判定する。この判定処理でICカードを検知したと判定した場合には、処理をステップS608に移行させ、カードリーダ319が読み取ったカード情報を取得する。そして、ステップS608で取得したカード情報が、図5のステップS501でRAM302に記憶したカード情報と一致するかを判定する(ステップS609)。
【0106】
ステップS609の判定処理で、ステップS501でRAM302に記憶したカード情報と、ステップS608で取得したカード情報とが一致しない、即ち、現在のログインユーザのログイン処理に使用されたICカードとは異なるICカードがカードリーダ319にかざされたと判定した場合には(ステップS609でNO)、処理をステップS610に進め、ログイン中のユーザのログアウト処理を行い、その後、図4のステップS405に処理を進め、図6のステップS609で取得したカード情報を含む認証要求データを作成し、認証要求データを認証サーバに送信することで、取得したICカード情報を用いたユーザ認証を認証サーバ102に対して要求する。その後の処理は既に説明したとおりである。
【0107】
一方、ステップS609の判定処理で、ステップS501でRAM302に記憶したカード情報と、ステップS608で取得したカード情報とが一致する、即ち、現在のログインユーザのログイン処理に使用されたICカードと同一のICカードがカードリーダ319にかざされたと判定した場合、前回当該ICカードの検知後、一定の時間が経過したかを判定する(ステップS611)。尚、カードリーダ319にカードをかざしたままにしている場合にはログインユーザの再選択処理を行われないようにするためにこのような判定処理を設けている。
【0108】
ステップS611の判定処理で、前回ICカード検知後、一定時間が経過していると判定した場合には(ステップS611でYES)、処理をステップS612に進め、図5のステップS502でRAM302に記憶したユーザ情報の数をもとに、当該ICカードが複数のユーザに対応付けられているICカードであるかを判定する。その判定の結果、複数ユーザに対応付けられているカードであると判定した場合には(ステップS612でYES)、処理を図5のステップS504に進め、ログインユーザ選択画面1100をLCD表示部に表示し、ログインユーザの選択を受け付けることになる。この際、ログインユーザ選択画面1100の現在ログイン中のユーザについては文字色を変える、背景色を変える等、他のユーザの表示と異ならせるようにしても良い。ここで、その後のステップS506の処理で、ログイン中のユーザとは異なるユーザが選択された場合には、ログイン中のユーザのログアウト処理を行った後に、新たに選択されたユーザのログイン処理を行うことになる。
【0109】
ステップS611の判定処理でNO、ステップS612の判定処理でNOとCPU301が判定した場合には、処理をステップS602に進め、それ以降の処理を行うことになる。
【0110】
また、ステップS613では、メニュー画面1200のログアウトボタンに対する押下指示を受け付けることにより入力されるログアウト指示を受け付けたかを判定し、ログアウト指示を受け付けたと判定した場合には(ステップS613でYES)処理をステップS615に進め、ログアウト処理を行う。また、ユーザログイン中に一定時間操作指示を受け付けていない(ステップS614でYES)と判定した場合にも、ログアウト処理を行うことになる。
【0111】
本発明では、ICカードに複数のユーザに対応付けられている場合に、複数のユーザから何れかのユーザを選択してログインした後に、ログインユーザを同一のICカードに対応付けられた他のユーザに切り替える際にも、ICカードを必要とする構成を採用している。
【0112】
また、図7で説明したような保存データの印刷処理を行う1つの目的として、印刷データのセキュリティ確保があげられる。本発明では、ログインユーザの切り替えを行うためには、ICカードが必要となるため、ユーザがログアウト処理を忘れて複合機から離れてしまった場合であっても、他のユーザはログインユーザ以外の印刷データを印刷することができないので、印刷データに対する一定のセキュリティを確保することができる。
【0113】
また、本発明では、ログインユーザの変更を行う際に、ログインユーザのログアウト操作を必ずしも行う必要はない。これにより、ユーザの操作の手間を省くことが可能となる。
【0114】
<第2の実施の形態>
以下、本発明の第2の実施の形態について説明する。以降の説明では、第1の実施の形態と第2の実施の形態とで異なる点について説明することにする。
【0115】
第1の実施の形態と、第2の実施の形態とで、処理が異なるのは、主にログインユーザ選択処理である。第2の実施の形態におけるログインユーザ選択処理について、図14を参照して説明することにする。尚、ログインユーザ選択処理以外の処理(図4、図6〜図7に示す処理)については、第2の実施の形態でも第1の実施の形態と略同様の処理を行うため、それらの詳細な説明は割愛することにする。
【0116】
図14は、複合機103及び印刷管理サーバ105によって行われるログインユーザ選択処理を示すフローチャートである。尚、この処理の前段の処理であるユーザ認証処理については、すでに図4を参照して説明したとおりである。
【0117】
複合機103のCPU301は、図4のステップS407の処理で認証が成功したと判定すると、処理を図14のステップS1401に進め、図4のステップS404で取得したカード情報をRAM302に記憶する。そしてその後、図4のステップS406で認証サーバ102より受信した認証結果データに含まれるユーザ情報を取得する(ステップS1402)。この時、認証結果データに複数のユーザ情報が含まれていた場合には、全てのユーザを取得することになる。そしてこのユーザ情報をRAM302に記憶する。
【0118】
そして、ステップS1402で取得したユーザ情報に従って、ユーザ認証の際に使用したICカードに複数のユーザが対応付けられているかを判定する(ステップS1403)。
【0119】
複合機103のCPU301が、ICカードに1つのユーザ情報しか対応づけられていないと判定した場合には(ステップS1403でNO)、当該ユーザ情報が示すユーザをログインユーザとして確定し、処理をステップS1416に進める。
【0120】
一方、ステップS1403において、複合機103のCPU301がICカードに複数のユーザが対応付けられている(YES)と判定した場合には、ステップS1402でRAM302に記憶したすべてのユーザ情報について、ステップS1404〜S1407の処理を行う。尚、同一ICカードに対応付けられているユーザの切り替え処理(図6のステップS612でYESと判定した場合に行う)についても同様である。
【0121】
複合機103のCPU301は、ステップS1404において、処理対象のユーザ情報がログイン中のユーザのユーザ情報であるかを判定する。ステップS1404でYESと判定した場合には、次のユーザ情報についての処理に移る。
【0122】
一方、ステップS1404の判定処理でNOと判定した場合には、処理をステップS1405に進め、選択可能ユーザリストに追加する。
【0123】
ステップS1405の処理終了後、当該ユーザ情報が示すユーザに対応付けられている印刷データの書誌情報要求を印刷管理サーバ105に対して送信する(ステップS1406)。その際に、ユーザを特定するための情報(例えば、ユーザ認証テーブル1500(図15)のユーザ名1502−1)を印刷管理サーバ105に対して送信する。
【0124】
ここで、図15を参照して、認証サーバ102の外部メモリ211に記憶されているユーザ認証テーブル1500のデータ構成について説明する。第2の実施の形態におけるユーザ認証テーブルには、図8を参照して既に説明した第1の実施形態におけるユーザ認証テーブル800が有するデータ項目に加えて、表示情報1502−4を備えている。これは、ログインユーザを選択する際に、ユーザ名の表示を任意に変更することを可能にするためである。
【0125】
図15に示す通り、ユーザ認証テーブル1500はデータ項目として、カード情報1501、ユーザ情報1502を備えており、ユーザ情報1502として、ユーザ名1502−1、パスワード1502−2、メールアドレス1502−3、表示情報1502−4等を備えて構成されている。
【0126】
カード情報1501は、ユーザが所有するICカードを一意に識別するカード情報が登録されるデータ項目である。ユーザ情報1502は、当該ICカードを所有するユーザに関する情報が登録される。
【0127】
ユーザ名1502−1は、当該ICカードを所有するユーザのユーザ名が登録されるデータ項目である。パスワード1502−2は、ICカードを紛失した際に認証処理で用いるパスワードが登録されるデータ項目である。ユーザは、ICカードを紛失した場合には、認証情報としてユーザ名1502−1、パスワード1502−2を複合機103に対して入力することで、複合機103のCPU301は、ユーザ名、パスワードを用いたユーザ認証要求を認証サーバ102に行うことになる。メールアドレス1502−3は、当該ユーザのメールアドレスが登録されるデータ項目である。
【0128】
表示情報1502−4は、後述するログインユーザ選択画面1600のログインユーザ選択部1602に当該レコードのユーザを選択可能に表示する際に表示される表示文字列が登録されるデータ項目である。表示情報1502−4が登録されている場合にはその文字列情報が、登録されていない場合にはユーザ名1502−1がログインユーザ選択部1602には表示されることになる。以上が、認証サーバ102の外部メモリ211に記憶されているユーザ認証テーブル1500のデータ構成の一例である。
【0129】
図14の説明に戻る。印刷管理サーバ105のCPU201は、複合機103からの印刷データの書誌情報要求を受信すると(ステップS1421)、書誌情報データテーブル900から書誌情報要求を受け付けたユーザの印刷データに対応する書誌情報を取得し(ステップS1422)、その取得した書誌情報を、要求を行ってきた複合機103に対して送信する(ステップS1423)。尚、このステップS1423で、書誌情報を複合機103に送信する構成ではなく、ユーザの印刷データに対応する書誌情報の有無を示す情報を複合機103に対して送信する構成をとるようにしても構わない。また、書誌情報の数を示す情報を複合機103に対して送信する構成をとるようにしてももちろん構わない。また、それぞれのユーザに対応付けられている印刷データの保存日時情報(ユーザに対応する複数の印刷データがある場合には、最も古い保存日時を持つ印刷データの保存日時情報や、最も新しい日時を持つ印刷データの保存日時情報)を複合機103に対して構成するようにしても良い。これらは、複合機103でどのような順番でユーザを表示させるかに依存することになる。
【0130】
その後、複合機103のCPU301は、印刷管理サーバ105から送信された書誌情報を取得し、RAM302に一時保存する(ステップS1407)。そして、上記ステップS1404〜S1407の処理をRAM302に記憶されている全てのユーザ情報について行う。このステップS1404〜S1407の処理を行うのは、一つは、後述するユーザ選択ダイアログでログイン中のユーザを表示させないようにするため、もう一つはユーザのプリントサーバ104に保存されている同一のICカードに対応付けられているそれぞれのユーザに対応する印刷データに基づいて(例えば、印刷データの有無、印刷データの数、印刷データの保存日時等に基づいて)、ユーザの表示順を決定するためである。
【0131】
ステップS1404〜S1407の処理を全てのユーザ情報に対して実行後、選択可能ユーザリストに登録されている選択ユーザの表示順を決定する(ステップS1408)。表示順は、予め決められた順(例えば、それぞれのユーザに対応する印刷データの数、それぞれのユーザに対応する印刷データの有無、それぞれのユーザに対応する印刷データの保存日時の古い順・新しい順)に従って決定されることになる。
【0132】
そして、その後、それぞれの選択可能ユーザの表示情報を決定する(ステップS1409)。ここでは、RAM302に記憶されているそれぞれの選択可能ユーザに対応するユーザ情報に、表示情報1502−4が設定されていれば表示情報1502−4に登録された情報が表示情報として決定される。設定されていなければユーザ名が表示情報とされることになる。
【0133】
そして、選択可能ユーザをステップS1408で決定した順に、ステップS1409で決定した表示内容で選択可能ユーザが表示されるよう図16に示すログインユーザ選択画面1600を作成し、作成したログインユーザ選択画面1600を操作部308のLCD表示部に表示する(ステップS1410)。
【0134】
ここで、図16を参照して、図14のステップS1410で複合機103の操作部308のLCD表示部に表示されるログインユーザ選択画面の一例について説明する。尚、図16に示すログインユーザ選択画面は、図15のカード情報「4fkgods9fmkd」のカードIDを有するICカードの保有者が、USER1でログインしている状態で、ユーザ切り替えを行うために当該ICカードをかざした時に表示される例を示している。
【0135】
図16に示すように、ログインユーザ選択画面1600には、ログイン中ユーザ表示部1601、ログインユーザ選択部1602、表示情報変更ボタン1603、ログインボタン1604、キャンセルボタン1605が設定されている。
【0136】
ログイン中ユーザ表示部1601は、ログイン中のユーザがいる場合にそのユーザ情報を表示する表示部である。尚、表示情報1502−4が登録されているユーザ情報に対応するユーザがログインしている場合には、表示情報1502−4が、登録されていないユーザ情報に対応するユーザがログインしている場合にはユーザ名1502−1がこのログイン中ユーザ表示部1601に表示される。
【0137】
ログインユーザ選択部1602は、1枚のICカードに対応付けられている複数のユーザから、いずれのユーザでログインをするかの指定を受け付けるために用いられる。尚、星印1606がついているユーザは、当該ユーザに対応する印刷データがプリントサーバ104に保存されていることを意味している。尚、印刷データの有無ではなく、印刷データの保存数を表示させるようにしても勿論良い。尚、このログインユーザ選択部1602には、ログイン中のユーザは表示されない。
【0138】
表示情報変更ボタン1603は、ログインユーザ選択部1602で選択状態になっているユーザの表示情報1502−4を設定するために用いられるボタンである。この表示情報変更ボタン1603に対する押下指示を受け付けると、複合機103のCPU301は、操作部308のLCD表示部に不図示の表示情報入力画面を表示する。そして、その表示情報入力画面に設定されている入力部に対して受け付けた文字列情報をユーザ名とともに認証サーバ102に対して送信する。認証サーバ102のCPU201は、ユーザ名をもとに表示情報1502−4を変更すべきレコードを特定し、特定したレコードの表示情報1502−4を複合機103より取得した文字列情報で置き換える。
【0139】
ログインボタン1604は、ログインユーザ選択部1602で選択されたユーザでのログインを複合機103に対して指示するために用いられるボタンである。
【0140】
キャンセルボタン1605は、ログインユーザの選択処理の終了を複合機103に対して指示するために用いられるボタンである。いずれかのユーザがログイン状態でこのキャンセルボタン1605に対する押下指示を受け付けた場合には、複合機103のCPU301は、ログイン中のユーザでの処理を継続することになる。一方、ユーザがログイン中ではない場合には、複合機103のCPU301は、図10の認証画面1000を操作部308のLCD表示部に表示する。
【0141】
以上が、図16のログインユーザ選択画面1600の一例の説明である。
【0142】
図14の説明に戻る。複合機103のCPU301は、ステップS1410で操作部308のLCD表示部にログインユーザ選択画面1600を表示後、該ログインユーザ選択画面1600を介してログインユーザの選択を受け付けることになる(ステップS1411)。
【0143】
そしてその後、ログインユーザが選択された状態でログインボタン1604に対して押下指示を受け付けると(ステップS1412でYES)、処理をステップS1413に進め、選択されたログインユーザ名を取得し、取得したユーザでのログイン処理を行う(ステップS1414)。尚、ICカードに対応付けられている他のユーザでのログイン状態である場合には、ステップS1413で取得したユーザのログイン処理を行う前に、ログイン中の他のユーザのログアウト処理を行うことになる。
【0144】
複合機103のCPU301は、ステップS1413の判定処理で、ログインボタン1604に対する押下指示を受け付けていない(NO)と判定した場合には、処理をステップS1415に進め、キャンセルボタン1605に対する押下指示を受け付けたかを判定する。
【0145】
そして、ステップS1415の判定処理でキャンセルボタン1605に対する押下指示を受け付けていない(NO)と判定した場合には、処理をステップS1410に戻す。
【0146】
一方、ステップS1415の判定処理でキャンセルボタン1605に対する押下指示を受け付けた(YES)と判定した場合には、その後、いずれかのユーザでログイン中であるか(ログイン中ユーザあり?)を判定する(ステップS1416)。このステップS1416の判定処理でログイン中のユーザあり(YES)と判定した場合には、処理をステップS1417に進め、ログイン中のユーザでの処理を継続する。一方、ステップS1416の判定処理でNOと判定した場合には、図4のステップS401に処理を進め、図10に示す認証画面1000を操作部308のLCD表示部に表示し、それ以降の処理を行う。
【0147】
ステップS1414で、ステップS1412で選択を受け付けた新たなユーザでログインした後、または、ステップS1416でNOと判定し、ログイン中のユーザでの処理を引き続き行うことが決定された場合には、図12に示すメニュー画面1200を作成し(ステップS1415)、操作部308のLCD表示部に表示する(ステップS1416)。その後、各種の処理を実行する(ステップS1417)。このステップS1417の処理は、第1の実施の形態と同様、図6に示す処理である。
【0148】
以上が、第2の実施の形態におけるログインユーザ選択の説明である。
【0149】
第2の実施の形態における発明によれば、ログインユーザの切り替えを行う際にログイン中のユーザが表示されないので、ユーザはログインユーザの選択をより容易に行うことができる。
【0150】
また、ユーザ名ではなく、任意の文字列をログインユーザ選択画面に表示させることが可能である。これにより、例えば、1枚のICカードに対応付けられている複数のユーザそれぞれを異なる顧客のための業務を行うユーザとして設定している場合に、表示情報をそれぞれの顧客名にすることにより、業務内容に応じたユーザの選択を容易に行うことも可能にする。
【0151】
尚、ICカードに対応付けられているユーザが2ユーザである場合には、図15に示すログインユーザ選択画面1500を表示させず、ユーザの切り替えを行うか否かの情報を入力するためのダイアログを表示させ、切り替えを行う指示を当該ダイアログを介して受け付けた場合に、ICカードに対応付けられているユーザのうち、ログイン中ではないユーザにログインユーザを切り替えるようにしても勿論良い。
【0152】
また、ログインユーザ選択画面1600でのユーザの表示順であるが、印刷データの有無や数以外にも、例えば、直近にログインしたユーザの表示順を下げるなどしても構わない。
【0153】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0154】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0155】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,DVD−ROM,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROM,EEPROM,シリコンディスク等を用いることができる。
【0156】
また、クライアント装置101、認証サーバ102、複合機103、プリントサーバ104及び印刷管理サーバ105が読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0157】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0158】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0159】
さらに、本発明を達成するためのプログラムをネットワーク上のサーバ,データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【0160】
また上記のソフトウェアで実現する各処理を、ファームウェアやハードウェア構成にして、各処理を各手段として実現することも可能であり、本発明の技術的範囲はこのようなファームウェアやハードウェア構成による実現も含むものである。
【符号の説明】
【0161】
101 クライアント装置
102 認証サーバ
103 複合機
104 プリントサーバ
105 印刷管理サーバ
106 LAN

【特許請求の範囲】
【請求項1】
識別情報が記憶されている記憶媒体を用いて、ユーザのログイン処理を行う画像形成装置であって、
前記記憶媒体を検出する検出手段と、
前記検出手段で記憶媒体を検出した後に、検出した記憶媒体から前記識別情報を取得する第1の取得手段と、
前記第1の取得手段で取得した識別情報を用いて特定されるユーザ情報を取得する第2の取得手段と、
前記第1の取得手段で取得した識別情報を記憶する記憶手段と、
前記第2の取得手段で取得したユーザ情報が複数ある場合に、複数のユーザ情報のうち、ログイン処理を行うユーザに対応するユーザ情報の選択を受け付ける選択受付画面を表示する表示制御手段と、
前記選択受付画面を介してユーザ情報の選択を受け付ける受付手段と、
前記受付手段で受け付けたユーザ情報に対応するユーザのログイン処理を行うログイン手段と、
を備え、
前記ログイン手段でログイン処理をしたユーザがログイン中に前記検出手段が新たに記憶媒体を検出した後に、前記第1の取得手段は、該検出した記憶媒体から識別情報を新たに取得し、
前記第1の取得手段が新たに取得した識別情報と、前記記憶手段に記憶されている識別情報とが一致するかを判定する第1の判定手段
をさらに備え、
前記第1の判定手段で、前記第1の取得手段が新たに取得した識別情報と、前記記憶手段に記憶されている識別情報とが一致すると判定し、前記識別情報に対応するユーザ情報が複数ある場合には、前記表示制御手段は、再度、ログイン中のユーザに対応するユーザ情報の特定に用いられた識別情報から特定される複数のユーザ情報のうち、ログイン処理を行うユーザに対応するユーザ情報の選択を受け付ける選択受付画面を表示すること
を特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
ログイン中のユーザのログアウト処理を行うログアウト手段
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記受付手段が、前記表示制御手段により再度表示された選択受付画面を介して、ログインユーザと異なるユーザに対応するユーザ情報の選択を受け付けた場合に、前記ログアウト手段は、ログイン中のユーザのログアウト処理を行い、
前記ログイン手段は、前記新たに選択を受け付けたユーザ情報に対応するユーザのログイン処理を行うこと
を特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1の判定手段で、前記第1の取得手段が新たに取得した識別情報と、前記記憶手段に記憶されている識別情報とが一致しないと判定した場合、前記ログイン手段は、ログイン中のユーザのログアウト処理を行い、
前記第2の取得手段は、前記第1の取得手段が新たに取得した識別情報を用いて特定されるユーザ情報を取得すること、
を特徴とする請求項2または3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記ログイン手段でログイン処理をしたユーザがログイン中に前記検出手段が新たに記憶媒体を検出した場合に、前回記憶媒体の検出から一定の時間が経過したかを判定する第2の判定手段をさらに備え、
前記第2の判定手段で一定の時間が経過したと判定し、前記第1の判定手段で、前記第1の取得手段が新たに取得する識別情報と、前記記憶手段に記憶されている識別情報とが一致すると判定する場合に、前記表示制御手段による前記選択受付画面の表示を行わないこと
を特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記選択受付画面を介して選択を受け付け可能なユーザ情報にログイン中のユーザに対応するユーザ情報を含めない前記選択受付画面を表示すること
を特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記ICカードに記憶されている識別情報から特定される複数のユーザ情報それぞれに対応付けられている印刷データに関する情報を取得する第3の取得手段と、
前記第3の取得手段で取得した印刷データに関する情報に従って、前記複数のユーザ情報の前記選択受付画面における表示順を決定する決定手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記決定手段で決定された表示順に前記複数のユーザ情報を前記選択受付画面に表示すること
を特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記印刷データに関する情報は、印刷データの有無、印刷データの数、及び印刷データの保存日時のうち、少なくともいずれか1つであること
を特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記ユーザ情報には、前記選択受付画面にユーザ情報を表示する際に用いる任意の文字列を設定可能であり、
前記任意の文字列が設定されている場合には、前記表示制御手段は、前記ユーザ情報を前記選択受付画面に選択可能に表示する際に、前記ユーザ情報として前記任意の文字列を表示すること
を特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記第2の取得手段で取得したユーザ情報が1つである場合には、前記表示制御手段により前記選択受付画面を表示させることなく、前記ログイン手段は、当該ユーザ情報に対応するユーザのログイン処理を行うこと
を特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項11】
識別情報が記憶されている記憶媒体を用いて、ユーザのログイン処理を行う画像形成装置の制御方法であって、
前記記憶媒体を検出する検出工程と、
前記検出工程で記憶媒体を検出した後に、検出した記憶媒体から前記識別情報を取得する第1の取得工程と、
前記第1の取得工程で取得した識別情報を用いて特定されるユーザ情報を取得する第2の取得工程と、
前記第1の取得工程で取得した識別情報を記憶装置に記憶する記憶工程と、
前記第2の取得工程で取得したユーザ情報が複数ある場合に、複数のユーザ情報のうち、ログイン処理を行うユーザに対応するユーザ情報の選択を受け付ける選択受付画面を表示部に表示する表示制御工程と、
前記選択受付画面を介してユーザ情報の選択を受け付ける受付工程と、
前記受付工程で受け付けたユーザ情報に対応するユーザのログイン処理を行うログイン工程と、
を備え、
前記ログイン工程でログイン処理をしたユーザがログイン中に、前記検出工程で新たに記憶媒体を検出した後に、前記第1の取得工程で、該検出した記憶媒体から識別情報を新たに取得し、
前記第1の取得工程で新たに取得した識別情報と、前記記憶装置に記憶されている識別情報とが一致するかを判定する第1の判定工程
をさらに備え、
前記第1の判定工程で、前記第1の取得工程で新たに取得した識別情報と、前記記憶装置に記憶されている識別情報とが一致すると判定し、前記識別情報に対応するユーザ情報が複数ある場合には、前記表示制御工程で、再度、ログイン中のユーザに対応するユーザ情報の特定に用いられた識別情報から特定される複数のユーザ情報のうち、ログイン処理を行うユーザに対応するユーザ情報の選択を受け付ける選択受付画面を表示部に表示すること
を特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項12】
識別情報が記憶されている記憶媒体を用いて、ユーザのログイン処理を行う画像形成装置を、
前記記憶媒体を検出する検出手段と、
前記検出手段で記憶媒体を検出した後に、検出した記憶媒体から前記識別情報を取得する第1の取得手段と、
前記第1の取得手段で取得した識別情報を用いて特定されるユーザ情報を取得する第2の取得手段と、
前記第1の取得手段で取得した識別情報を記憶する記憶手段と、
前記第2の取得手段で取得したユーザ情報が複数ある場合に、複数のユーザ情報のうち、ログイン処理を行うユーザに対応するユーザ情報の選択を受け付ける選択受付画面を表示する表示制御手段と、
前記選択受付画面を介してユーザ情報の選択を受け付ける受付手段と、
前記受付手段で受け付けたユーザ情報に対応するユーザのログイン処理を行うログイン手段として機能させ、
前記ログイン手段でログイン処理をしたユーザがログイン中に前記検出手段が新たに記憶媒体を検出した後に、前記第1の取得手段は、該検出した記憶媒体から識別情報を新たに取得し、
前記画像処理装置をさらに、
前記第1の取得手段が新たに取得した識別情報と、前記記憶手段に記憶されている識別情報とが一致するかを判定する第1の判定手段として機能させ、
前記第1の判定手段で、前記第1の取得手段が新たに取得した識別情報と、前記記憶手段に記憶されている識別情報とが一致すると判定し、前記識別情報に対応するユーザ情報が複数ある場合には、前記表示制御手段は、再度、ログイン中のユーザに対応するユーザ情報の特定に用いられた識別情報から特定される複数のユーザ情報のうち、ログイン処理を行うユーザに対応するユーザ情報の選択を受け付ける選択受付画面を表示すること
を特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−89117(P2012−89117A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−204531(P2011−204531)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(390002761)キヤノンマーケティングジャパン株式会社 (656)
【出願人】(301015956)キヤノンソフトウェア株式会社 (364)
【Fターム(参考)】