説明

画像形成装置、磁性体情報読み取り装置及びセキュリティ情報管理システム

【課題】 複製が困難な特定画像を容易に作成すること、特定画像の真贋を容易に判定すること、前記画像形成手段と前記画像読込真贋判定手段を利用した画像形成装置、磁性体情報読み取り装置及びセキュリティ情報管理システムを提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明の画像形成装置は、非磁性体トナーと磁性体トナーを重畳して画像形成し、画像読込・真贋判定手段は、磁性体画像情報のみ、又は非磁性体情報のみ、又は磁性体画像情報と可視画像情報、又は非磁性体画像情報と可視画像情報を読込可能とし、所望の磁性体画像情報又は非磁性体画像情報又は可視画像情報の組み合わせにより、読込画像の真贋を判定することを特徴とする。また、非磁性体トナーと磁性体トナーを重畳して画像形成を行うことで複製が困難な特定画像を容易に形成し、より安全なセキュリティ情報システムを構築する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本来複製されるべきではない特定画像情報(例えば証券やチケット)の画像パターン製造手段、前記画像情報の読み取り手段、本物の特定画像か複製画像かを判別し、前記特定の画像情報をセキュリティ情報とする画像形成装置、磁性体情報読み取り装置及びセキュリティ情報管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、複写機、プリンタ等の画像を形成することができる画像形成装置は、カラー、モノクロともに高画質な画像を形成することができるようになっている。このため、この画像形成装置を利用して、本来複写されるべきではない特定画像(例えば証券やチケット)を不正に作成されるおそれが増大しつつある。
【0003】
このような状況に対し、従来、本来複写されるべきでない特定画像は、特殊な被記録材(例えばすかし入り、特殊紙)を使用することにより偽造防止を行う、
又は、紙幣等の公共有価証券に関しては、複写機やイメージスキャナ等が予め前記有価証券の画像情報を持ち、画像読込が行われた時点で本来複製されるべきではない公共有価証券が読み込まれた場合は画像データ出力、画像形成を行わない、
といった方法によって偽造物の判別、又は偽造物作成防止が行われている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また従来、電子写真プリンタは、磁性体トナーカートリッジ専用、又は非磁性体トナーカートリッジ専用であった。
【特許文献1】特許第2951964号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の技術例では、特殊被記録材使用には高額なコストを要し、複写機やイメージスキャナ等によって読み込まれた画像情報が本来複製されるべきではない画像情報か否かを判別するためには、非常に複雑な画像処理と膨大な画像情報の記憶手段を必要とするといった課題があった。
【0006】
本発明はこのような従来技術の問題を解決する為に成されたものであり、
複製が困難な特定画像を容易に作成すること、
特定画像の真贋を容易に判定すること、
前記画像形成手段と前記画像読込真贋判定手段を利用したセキュリティ情報管理システム構築を目的とし、画像形成装置、磁性体情報読み取り装置及びセキュリティ情報管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述の課題を解決するために本発明の
画像形成装置は、非磁性体トナーと磁性体トナーを重畳して画像形成し、
画像読込・真贋判定手段は、磁性体画像情報のみ、又は非磁性体情報のみ、又は磁性体画像情報と可視画像情報、又は非磁性体画像情報と可視画像情報を読込可能とし、
所望の磁性体画像情報又は非磁性体画像情報又は可視画像情報の組み合わせにより、読込画像の真贋を判定する、
ことを特徴とする。
【0008】
また、非磁性体トナーと磁性体トナーを重畳して画像形成を行うことで複製が困難な特定画像を容易に形成し、より安全なセキュリティ情報システムを構築する。
【0009】
なお、さらに詳細に説明すれば、本発明は下記の構成によって前記課題を解決できた。
【0010】
(1)磁性体トナーを収容するカートリッジと非磁性体トナー収容するカートリッジの両方を備え、磁性体トナーのみ印刷、非磁性体トナーのみ印刷、磁性体トナーと非磁性体トナー混合印刷を選択的に行うことができるレーザプリンタ等の電子写真技術によることを特徴とする画像形成装置。
【0011】
(2)前記(1)に記載の画像形成装置で磁性体トナーと非磁性体トナーによる混合印刷を行った画像から磁性体情報又は非磁性体情報を読み取ることができることを特徴とする磁気リーダ等の磁性体情報読み取り装置。
【0012】
(3)本来複製されるべきではない特定の画像情報を前記(1)に記載の画像形成装置で作成し、前記リーダのみ又は前記リーダと通常の可視情報を読み込むイメージスキャナ等の画像読込装置の両方で画像情報を読み込むことで前記特定の画像情報か複製物かを判別することで前記特定の画像情報を複製が困難な画像情報として使用することを特徴とするセキュリティ情報管理システム。
【発明の効果】
【0013】
本発明の請求項1に記載した発明によれば磁性体トナーと非磁性体トナーとを選択的に重畳した複製が困難な画像形成を行うことができる。
【0014】
本発明の請求項2に記載した発明によれば原稿の磁性体情報または非磁性体情報と、可視画像情報を読み取ることができる。
【0015】
本発明の請求項3に記載した発明によれば請求項1の画像形成装置で作成した画像を、請求項2のリーダによって読み込むことで複製(偽造)物か本物かを容易に判別することができるため、本来複製されるべきではない特定の画像(例えば証券やチケット等の有価証券)に利用することで、作成と偽造物か否かの判断は容易であるが、偽造は困難である、非常に安全なセキュリティシステムを構築することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下本発明を実施するための最良の形態を、実施例により詳しく説明する。
【実施例1】
【0017】
図1は本発明の画像形成装置の構成を表す図面であり、同図において1はOPC感光ドラム、2は帯電ローラ、3はクリーニング器、4は現像器、5は光学式露光装置、7は記録紙を保持するトレイ、8は定着器、9は画像形成を終了した記録紙を保持するトレイ、11は記録紙、12は転写器、13は記録紙の給送装置である。なお数字に付加されたBNはブラック非磁性体トナーカートリッジ専用、BMはブラック磁性体カートリッジ専用であることを示す。
【0018】
この装置において感光ドラム1BNは図示しない駆動源により矢印方向に駆動され、帯電ローラ2BNにより均一に帯電される。次に半導体レーザ又はLEDアレイ等の像露光装置からの光5BNにより、ブラック非磁性体トナー画像に対応する静電潜像を感光ドラム1BN上に形成する。次にブラック非磁性体トナー現像器4BNの現像スリーブを駆動し、感光ドラム1の静電潜像部位に非磁性体トナーを付着、すなわち現像を行う。
【0019】
一方、トレイ7上の記録紙11は、給紙ローラ13により給送され、感光体ドラム1BNの下部に搬送される。
【0020】
そして感光ドラム1BNと転写ローラ12BNに記録紙が挟まれたとき、感光ドラム1BNの帯電極性と逆極性の電圧を転写ローラ12BNに印加することで、感光ドラム1BN上のブラック非磁性体トナー像を記録紙に転写する。また、感光ドラム1BN上に転写されずに残ったブラック非磁性体トナーは、ブレード等のクリーニング器3BNにより清掃、除去される。
【0021】
ブラック非磁性体トナーが形成された記録紙は、感光ドラム1BMの下部に搬送される。ここで感光ドラム1BMの周囲には感光ドラム1BNの周りに配置されている帯電器、像露光装置、現像転写ローラ、クリーニング器と同様の配置で、帯電ローラ、像露光装置5BM、ブラック磁性体トナー現像器4BM、転写ローラ12BM、クリーニング器3BMが配置されており、同様にしてブラック磁性体トナー画像が記録紙上に転写され、記録紙上にはブラック非磁性体トナー、ブラック磁性体トナーが重畳転写された状態となる。
【0022】
その後、記録紙上のトナーは、加熱、加圧等を行う定着器8によって固着され排紙トレイ9上に見かけ上通常のモノクロプリンタによる画像とかわらないが、非磁性体部、磁性体部を併せ持つ複製が困難な画像が形成された記録紙が搬送される。複製が困難である理由等に関しては後述する。
【0023】
図2、図3、図4は本発明の画像読み取り装置の構成を表す図面であり、図2、図3、図4に共通して具備される23はコンタクトイメージセンサ(CIS)等の可視画像読み取り手段20(図11参照)又は磁気センサ等の磁性体情報読み取り手段21の着脱用のホルダである。本装置は、ホルダ23に図示しない可視画像読み取り手段20が装着されているときは可視画像読込を行い、磁性体情報読み取り手段21が装着された場合は磁性体情報の読み取りを行う。
【0024】
図2はフラットベットスキャナタイプリーダの構成を表す図面であり、14は原稿、15は原稿台に原稿を密着させ、外光を遮断するための蓋、16は原稿台である。
【0025】
この装置において磁性体情報読み取り手段(磁気センサ)21が装着されているとき磁気センサ21は、原稿台16に置かれた原稿14の磁性体情報を図示しない駆動源により矢印方向(図面上左から右)へ移動しながら読み取る。
【0026】
読み取った磁性体情報は、図示しない本装置内の画像真贋判断部又は真贋判断を行うPC等の外部装置に送る。
【0027】
本装置内の画像真贋判断部へ画像情報を送った場合、真贋判断部による判断結果は図示しない判断結果放置手段、例えばスピーカ、ブザー等の音発生手段、又は液晶画面、LED等による表示手段等により報知する。
【0028】
外部装置へ画像情報を送った場合、真贋判断結果は外部装置のディスプレイ等の表示装置により報知するか又は本装置内の前記音発生手段又は表示手段により報知するように信号を送り、判断結果を報知する。
【0029】
真贋判断の詳細に関しては後述する。
【0030】
可視画像読み取り手段が装着されているときには、PC等のホストを接続することで可視画像情報を読み取る通常のイメージスキャナとして動作する。
【0031】
図3はシートフィードスキャナタイプリーダであり、17は原稿を保持する給紙トレイ、18は原稿の搬送手段、24は搬送、読み取り後の原稿を保持する排紙トレイである。
【0032】
この装置において給紙トレイ17上の原稿は図示しない給紙手段によって給紙され、搬送ローラ18と磁性体情報読み取り手段に挟まったとき磁性体情報を読み取りながら搬送を行う。読み取った磁性体情報は図1の装置の場合と同様に真贋判断が行われ、判断結果を報知する。本装置も可視画像読み取り手段が装着されているときには、PC等のホストを接続することで可視画像情報を読み取る通常のイメージスキャナとして動作する。
【0033】
図4はハンドスキャナタイプリーダであり、14は原稿、19は操作者の保持部、25は後述する実施例におけるバーコード型セキュリティ画像情報部である。
【0034】
磁気情報の読み取りは、操作者がこの装置の磁性体情報読み取り手段21をバーコード部25に密着させることで読み取りを行う。読み取った磁性体情報は図1の装置の場合と同様に真贋判断が行われ、判断結果を報知する。本装置も可視画像読み取り手段が装着されているときには、PC等のホストを接続することで可視画像情報を読み取る通常のハンドスキャナとして動作する。
【0035】
図5は本来複製されるべきではない画像(証券、チケットなどの有価証券等)を本実施例の画像形成装置によって作成した場合の説明図である。
【0036】
ここでは、わかりやすいようにバーコードを例に説明を行う。実際には画像部は可視画像として黒色であるが、ここでは黒色部を磁性体トナー部、灰色部を非磁性体トナー部とする。また実使用時にはバーコードのような単純な画像ではなくより複雑で意味のある文字情報や画像情報であっても良い。
【0037】
画像データは、PC等のホスト又は本実施例の画像形成装置が具備する液晶画面等の表示手段によって、磁性体トナー画像部と非磁性体トナー画像部に分けて編集、作成する。
【0038】
この画像データは、後に真贋判断を行うためにホスト又は本実施例の画像形成装置が記憶する。
【0039】
画像データがホストで作成された場合は本実施例の画像形成装置に磁性体トナー画像データと非磁性体トナー画像データを各々送信し、本実施例の画像形成装置は非磁性体トナーと磁性体トナーを重畳させたセキュリティ画像を形成する。
【0040】
画像データが本実施例の画像形成装置の表示手段により編集、作成された場合はプリント開始命令(スイッチボタン等)により、画像形成を行う。
【0041】
図6は、本実施例の画像形成装置と磁性体情報読み取りリーダを使用したセキュリティシステムの流れを説明する図面である。
【0042】
有価証券等のセキュリティ画像作成者は、図5の様にセキュリティ画像を作成、画像データの保存を行う。
【0043】
次に前記セキュリティ画像の権利者は、所望の第3者へ販売(例えば、映画やスポーツ観戦チケット、証券等)または譲渡(例えば商品の引き替え券、割引券等)を行う。
【0044】
その後、第3者はセキュリティ画像の権利者に対してセキュリティ画像の対価要求を行う。
【0045】
例えばチケットならば、入場口で提示し、証券ならば窓口で提示し、商品の引換券、割引券ならば、精算所で提示する。
【0046】
セキュリティ画像の権利者は、図2、図3、図4で前述したように磁性体情報の読込を行い、画像作成時に記憶されていた磁性体情報との照合を行う。
【0047】
この時、複製物ではない本物であれば磁性体情報は一致し、権利者はセキュリティ画像を持つ第3者に対価交換を行う。
【0048】
例えばチケットならば入場を許可し、証券ならば貨幣と交換し、商品の引換券、割引券ならば商品と交換又は割引販売を行う。
【0049】
しかし、磁性体トナー専用の複写機やプリンタによって偽造されたものだった場合、磁性体情報は〔3〕の様になり、非磁性体トナー専用の複写機やプリンタによって偽造されたものだった場合磁性体は存在しないため、画像作成時に記憶されていた磁性体情報と図2、図3、図4のリーダによって実際に読み込んだ磁性体情報は一致しないため、偽造物を容易に発見することができ、権利者は偽造物を提示した第3者に対価交換を行わないようにすることで、過って損害を被る事態を回避できる。
【実施例2】
【0050】
図7、図8は本発明の第2の実施例である画像形成装置の構成を表す図面であり、本実施例の画像形成装置は、非磁性体トナーカートリッジと磁性体トナーカートリッジのいずれか一方を装着することができ、図7は非磁性体トナーカートリッジを装着したときの図であり、図8は、磁性体トナーカートリッジを装着したときの図である。
【0051】
両図において1はOPC感光ドラム、2は帯電ローラ、3はクリーニング器、4は現像器、5は光学式露光装置、7は記録紙を保持するトレイ、8は定着器、9は画像形成を終了した記録紙を保持するトレイ、10は装着されたカートリッジの種類を検知する検知手段、11は記録紙、12は転写器、13は記録紙の給送装置、22は非磁性体トナーカートリッジであることを示すフラグ等の標示手段である。
【0052】
なお数字に付加されたBNはブラック非磁性体トナーカートリッジ専用、BMはブラック磁性体カートリッジ専用であることを示す。
【0053】
この装置において図7では非磁性体トナーカートリッジが装着されているため、画像形成装置内のカートリッジ種類検知手段10は、トナーカートリッジの標示手段(フラグ)22によって非磁性体トナーカートリッジが装着されていることを検出し、実施例1と同様のプロセスで非磁性体トナーによる画像データのみの像形成を行う。
【0054】
図8では磁性体トナーカートリッジが装着されているため、画像形成装置内のカートリッジ種類検知手段10は、トナーカートリッジの標示手段(フラグ)22によって磁性体トナーカートリッジが装着されていることを検出し、実施例1と同様のプロセスで非磁性体トナーによる画像データのみの像形成を行う。
【0055】
図7の状態で1度画像形成を行い、その後図8の状態で画像形成を行うことで、非磁性トナーカートリッジ又は磁性体カートリッジ1個のトナーカートリッジだけ装着可能であることで装置サイズを従来よりも大きくすることなく、実施例1と同様の非磁性体トナーと磁性体トナーが重畳した画像を作成することができ、実施例1のリーダを用いることで、実施例1と同様のセキュリティシステムを構築することができる。
【実施例3】
【0056】
図9、図10は本発明の第3の実施例である多色画像形成装置の構成を表す図面であり、両図において1はOPC感光ドラム、2は帯電ローラ、3はクリーニング器、4は現像器、5は光学式露光装置、6は中間転写体、7は記録紙を保持するトレイ、8は定着器、9は画像形成を終了した記録紙を保持するトレイ、11は記録紙、12は転写器、13は記録紙の給送装置である。なお数字に付加されたBはブラック、Mはマゼンダ、Cはシアン、Yはイエローを示す。
【0057】
図9の装置においては、実施例1と同様のプロセスでイエロー、シアン、マゼンダ、ブラックトナーが各々記録紙に重畳転写された状態となり、その後記録紙上のトナーは、加熱、加圧等を行う定着器8によって固着され排紙トレイ9上に排出される。
【0058】
このとき、複数色のトナーカートリッジのうち少なくとも一色は、磁性体トナーであり、少なくとも一色は非磁性体トナーとすることで実施例1と同様に磁性体トナー画像と非磁性体トナー画像が重畳されたセキュリティ画像を得ることができる。
【0059】
又は、実施例2の様に複数色のトナーカートリッジのうち少なくとも一色は、非磁性体トナーカートリッジと磁性体トナーカートリッジのどちらも装着可能とすることでも、磁性体トナー画像と非磁性体トナー画像が重畳されたセキュリティ画像を得ることができる。
【0060】
よって、図9の装置によっても、見かけ上通常のカラープリンタによる画像とかわらないが、非磁性体部、磁性体部を併せ持つ複製が困難な画像形成が可能である。
【0061】
図10において感光ドラム1は図示しない駆動源により矢印方向に駆動され、帯電ローラ2により均一に帯電される。次に半導体レーザ又はLEDアレイ等の像露光装置からの光5により、ブラック画像に対応する静電潜像を感光ドラム1上に形成する。
【0062】
次にブラックトナー現像器4BKの現像スリーブを駆動し、感光ドラム1の静電潜像部位にブラックトナーを付着、すなわち現像を行う。
【0063】
そして感光ドラム1と中間転写体6が接触したとき、感光ドラム1の帯電極性と逆極性の電圧を中間転写体6に印加することで、感光ドラム1上のブラックトナー像を中間転写体6に転写する。これを1ページ分行う。
【0064】
また、感光ドラム1上に転写されずに残ったブラックトナーは、ブレード等のクリーニング器3により清掃、除去される。
【0065】
次に現像器4を回転させ感光ドラム1の位置にイエロートナーカートリッジ4Yを配置し、ブラックトナー像と同様、1ページ分中間転写体に転写する。シアン4C、マゼンダ4Mについても同様に中間転写体6に1ページ分の像形成を行う。
【0066】
これにより、中間転写体6上には4色のトナーが重畳転写された状態となる。
【0067】
一方、トレイ7上の記録紙11は、給紙ローラ13により給送され、中間転写体6の下部に搬送される。
【0068】
そして中間転写体6と転写ローラ12に記録紙が挟まれたとき、中間転写体6の帯電極性と逆極性の電圧を転写ローラ12に印加することで、中間転写体6上の4色が重畳されたトナー像を記録紙に転写する。
【0069】
その後、記録紙上のトナーは、加熱、加圧等を行う定着器8によって固着され排紙トレイ9上に見かけ上通常のカラープリンタによる画像とかわらないが、非磁性体部、磁性体部を併せ持つ複製が困難な画像が形成された記録紙が搬送される。複製が困難である理由等に関しては後述する。
【0070】
図11、図12、図13は本発明の画像読み取り装置の構成を表す図面であり、図11、図12、図13に共通して具備される20はコンタクトイメージセンサ(CIS)等の可視画像読み取り手段であり、21は磁気センサ等の磁性体情報読み取り手段である。
【0071】
図11はフラットベットスキャナタイプリーダの構成を表す図面であり、14は原稿、15は原稿台に原稿を密着させ、外光を遮断するための蓋、16は原稿台である。
【0072】
この装置においてCIS20と磁気センサ21は、原稿台16に置かれた原稿14の可視画像情報と磁性体情報を図示しない駆動源により矢印方向(図面上左から右)へ移動しながら読み取る。
【0073】
読み取った可視画像情報と磁性体情報は、図示しない本装置内の画像真贋判断部又は真贋判断を行うPC等の外部装置に送る。
【0074】
本装置内の画像真贋判断部へ可視画像情報と磁性体情報を送った場合、真贋判断部による判断結果は図示しない判断結果放置手段、例えばスピーカ、ブザー等の音発生手段、又は液晶画面、LED等による表示手段等により報知する。
【0075】
外部装置へ可視画像情報と磁性体情報を送った場合、真贋判断結果は外部装置のディスプレイ等の表示装置により報知するか又は本装置内の前記音発生手段又は表示手段により報知するように信号を送り、判断結果を報知する。
【0076】
真贋判断の詳細に関しては後述する。
【0077】
図12はシートフィードスキャナタイプリーダであり、17は原稿を保持する給紙トレイ、18は原稿の搬送手段、24は搬送、読み取り後の原稿を保持する排紙トレイである。
【0078】
この装置において給紙トレイ17上の原稿は図示しない給紙手段によって給紙され、搬送ローラ18と磁性体情報読み取り手段に挟まったとき磁性体情報を読み取り、搬送ローラ18と可視画像情報読み取り手段が挟まったとき可視画像情報を読み取りながら搬送を行う。読み取った可視画像情報と磁性体情報は図11の装置の場合と同様に真贋判断が行われ、判断結果を報知する。
【0079】
図13はハンドスキャナタイプリーダであり、14は原稿、19は操作者の保持部、25は後述するバーコード型セキュリティ画像情報部である。
【0080】
可視画像情報と磁性体情報の読み取りは、操作者がこの装置の磁性体情報読み取り手段21と可視画像情報読み取り手段20をバーコード部25に密着させることで読み取りを行う。読み取った可視画像情報と磁性体情報は図11の装置の場合と同様に真贋判断が行われ、判断結果を報知する。
【0081】
図14は本来複製されるべきではない画像(証券、チケットなどの有価証券等)を本実施例のフルカラー画像形成装置によって作成した場合の説明図である。
【0082】
ここでは、わかりやすいようにバーコードを例に説明を行う。実際には画像部は可視画像としてはフルカラーであるが本図面上では黒線をブラック磁性体トナー部、灰色部をイエローまたはマゼンダまたはシアン非磁性体トナー部とする。また実使用時にはバーコードのような単純な画像ではなくより複雑で意味のある文字情報や画像情報であっても良い。また、磁性体トナーはブラックではなく他の色にしても良い。
【0083】
画像データは、PC等のホスト又は本実施例の画像形成装置が具備する液晶画面等の表示手段によって、磁性体トナー画像部と非磁性体トナー画像部に分けて編集、作成する。
【0084】
この画像データは、後に真贋判断を行うためにホスト又は本実施例の画像形成装置が記憶する。
【0085】
画像データがホストで作成された場合は本実施例の画像形成装置に磁性体トナー画像データと非磁性体トナー画像データを各色ごとに送信し、本実施例の画像形成装置は非磁性体トナーと磁性体トナーを重畳させたフルカラーセキュリティ画像を形成する。
【0086】
画像データが本実施例の画像形成装置の表示手段により編集、作成された場合はプリント開始命令(スイッチボタン等)により、画像形成を行う。
【0087】
図15は、本実施例の画像形成装置と可視画像情報・磁性体情報読み取りリーダを使用したセキュリティシステムの流れを説明する図面である。
【0088】
有価証券等のセキュリティ画像作成者は、図14の様にセキュリティ画像を作成、画像データの保存を行う。ここから、第3者がセキュリティ画像の権利者に対してセキュリティ画像の対価要求を行うところまでは第1の実施例と同様である。
【0089】
セキュリティ画像の権利者は、図11、図12、図13で前述したように磁性体情報と可視画像情報両方の読込を行い、画像作成時に記憶されていた磁性体情報と可視画像情報の照合を行う。
【0090】
この時、複製物ではない本物であれば磁性体情報と可視画像情報は共に一致し、権利者はセキュリティ画像を持つ第3者に対価交換を行う。
【0091】
例えばチケットならば入場を許可し、証券ならば貨幣と交換し、商品の引換券、割引券ならば商品と交換又は割引販売を行う。
【0092】
しかし、磁性体トナー専用の複写機やプリンタによって偽造されたものだった場合、磁性体情報は〔3〕の様になり、非磁性体トナー専用の複写機やプリンタによって偽造されたものだった場合磁性体は存在せず、磁気情報のみ複製可能な器械による複製物であれば可視情報は〔4〕の様になるため、画像作成時に記憶されていた磁性体情報又は可視画像情報は図11、図12、図13のリーダによって実際に読み込んだ磁性体情報・可視画像情報は一致しないため、偽造物を容易に発見することができ、権利者は偽造物を提示した第3者に対価交換を行わないようにすることで、過って損害を被る事態を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るセキュリティ情報プリンタの構成を説明する図である。
【図2】本発明の第1、第2の実施の形態に係るセキュリティ情報読み取り用フラットベットスキャナタイプリーダの構成を説明する図である。
【図3】本発明の第1、第2の実施の形態に係るセキュリティ情報読み取り用シートフィードタイプリーダの構成を説明する図である。
【図4】本発明の第1、第2の実施の形態に係るセキュリティ情報読み取り用ハンドスキャナタイプリーダの構成を説明する図である。
【図5】本発明の第1、第2の実施の形態に係るセキュリティ画像作成手順を説明する図である。
【図6】本発明の第1、第2の実施の形態に係るセキュリティチケット真贋判定フローを詳細説明する図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係るセキュリティ情報プリンタの構成を説明する図である(非磁性体トナーカートリッジ装着時)。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係るセキュリティ情報プリンタの構成を説明する図である(磁性体トナーカートリッジ装着時)。
【図9】本発明の第3の実施の形態に係るセキュリティ情報プリンタの構成を説明する図である(タンデム方式フルカラープリンタ)。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係るセキュリティ情報プリンタの構成を説明する図である(中間転写体利用フルカラープリンタ)。
【図11】本発明の第3の実施の形態に係るセキュリティ情報読み取り用フラットベットスキャナタイプリーダの構成を説明する図である。
【図12】本発明の第3の実施の形態に係るセキュリティ情報読み取り用シートフィードタイプリーダの構成を説明する図である。
【図13】本発明の第3の実施の形態に係るセキュリティ情報読み取り用ハンドスキャナタイプリーダの構成を説明する図である。
【図14】本発明の第3の実施の形態に係るセキュリティ画像作成手順を説明する図である。
【図15】本発明の第3の実施の形態に係るセキュリティチケット真贋判定フローを説明する図である。
【符号の説明】
【0094】
1 OPC感光ドラム
2 帯電ローラ
3 クリーニング器
4 現像器又は現像器を支持して回転する支持体
5 レーザ等の光学系
6 トナー像を形成する中間転写体
7 記録紙を保持する給紙トレイ
8 定着器
9 画像形成後の記録紙を保持するトレイ
10 磁性体トナーカートリッジ、非磁性トナーカートリッジの検知手段
11 記録紙
12 転写ローラ
13 給紙ローラ
14 読み取り原稿
15 原稿を原稿台へ密着させるため、外光を遮断するための蓋
16 原稿台
17 給紙トレイ
18 搬送ローラ
19 ハンドスキャナのユーザ保持部
20 コンタクトイメージセンサ
21 磁気センサ
22 非磁性体トナーカートリッジであることを示すフラグ
23 コンタクトイメージセンサまたは磁気センサ着脱用ホルダ
24 排紙トレイ
25 バーコード型セキュリティ画像部
BN ブラック非磁性体
BM ブラック磁性体
BK ブラック
C シアン
M マゼンダ
Y イエロー
〔1〕 本発明で作成された画像
〔2〕 本物の画像を読み込んだ時の磁気データ
〔3〕 磁性体トナー使用の複写機、プリンタによる複製画像を読み込んだ時の磁気データ
〔4〕 磁性体情報書込器による複製物を読み込んだ時の磁気データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁性体トナーを収容するカートリッジと非磁性体トナー収容するカートリッジの両方を備え、磁性体トナーのみ印刷、非磁性体トナーのみ印刷、磁性体トナーと非磁性体トナー混合印刷を選択的に行うことができるレーザプリンタ等の電子写真技術によることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置で磁性体トナーと非磁性体トナーによる混合印刷を行った画像から磁性体情報又は非磁性体情報を読み取ることができることを特徴とする磁気リーダ等の磁性体情報読み取り装置。
【請求項3】
本来複製されるべきではない特定の画像情報を請求項1に記載の画像形成装置で作成し、前記リーダのみ又は前記リーダと通常の可視情報を読み込むイメージスキャナ等の画像読込装置の両方で画像情報を読み込むことで前記特定の画像情報か複製物かを判別することで前記特定の画像情報を複製が困難な画像情報として使用することを特徴とするセキュリティ情報管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図6】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2006−178182(P2006−178182A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−371202(P2004−371202)
【出願日】平成16年12月22日(2004.12.22)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】