説明

画像形成装置、表示制御方法および表示制御プログラム

【課題】 携帯情報装置を用いて遠隔操作するユーザに多くの情報を視覚的に通知する。
【解決手段】 MFPは、携帯情報装置と通信する通信I/F部と、ユーザによる操作が入力される操作部と、画像を表示する表示部と、携帯情報装置から要求が受信されることに応じて(S02でYES)、操作を受け付けるための複数の操作画面のうち受信された要求に対応する操作画面を通信I/F部を介して携帯情報装置に送信する操作画面送信部(S03)と、操作画面の送信に応じて、操作受付手段に操作の入力をユーザに要求しない操作不要画像を表示部に表示する表示制御部(S10、S12,S14)と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は画像形成装置、表示制御方法および表示制御プログラムに関し、特に、外部から遠隔操作される画像形成装置、その画像形成装置で実行される表示方法および表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複合機(MFP)の機能が複雑化しており、操作を設定するための操作画面の内容や設定する項目が多岐に亘るようになってきている。さらに、MFPは複数のユーザに使用されるため、MFPを操作する機会の少ないユーザが複雑な操作手順を習得するのが困難となる場合がある。
【0003】
一方、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)等の携帯情報装置が、個人のニーズに合うよう高機能化・多様化しており、個人に携帯されるために使用頻度がMFPに比較して多く、ユーザは、その操作に慣れている。また、各種データの送受信やブラウザ操作など、MFPが備える機能と類似の機能も多い。また、携帯情報装置は、携帯するユーザが使い易いように表示画面の色情報や言語情報、音声機能などをカスタマイズしている場合が多い。
【0004】
この携帯情報装置を、MFPに接続して、携帯情報装置から印刷装置を遠隔操作する技術が、例えば、特開2004−66502号公報に記載されている。しかしながら、特開2004−66502号公報に記載の技術では、ユーザが携帯情報装置で遠隔操作するために、印刷装置が備えるディスプレイに情報を表示しないので、ディスプレイが有効に使用されないといった問題があった。
【特許文献1】特開2004−66502号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は上述した問題点を解決するためになされたもので、この発明の目的の1つは、携帯情報装置を用いて遠隔操作するユーザに多くの情報を視覚的に通知することが可能な画像形成装置を提供することである。
【0006】
この発明の他の目的は、携帯情報装置を用いて遠隔操作するユーザに多くの情報を視覚的に通知することが可能な表示制御方法を提供することである。
【0007】
この発明の他の目的は、携帯情報装置を用いて遠隔操作するユーザに多くの情報を視覚的に通知することが可能な表示制御プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した目的を達成するためにこの発明のある局面によれば、画像形成装置は、携帯情報装置と通信する通信手段と、ユーザによる操作が入力される操作受付手段と、画像を表示する表示手段と、携帯情報装置から要求が受信されることに応じて、操作を受け付けるための複数の操作画面のうち受信された要求に対応する操作画面を通信手段を介して携帯情報装置に送信する操作画面送信手段と、操作画面の送信に応じて、操作受付手段に操作の入力をユーザに要求しない操作不要画像を表示手段に表示する表示制御手段と、を備える。
【0009】
この局面によれば、携帯情報装置から要求が受信されることに応じて、操作を受け付けるための複数の操作画面のうち要求に対応する操作画面が携帯情報装置に送信され、操作画面の送信に応じて、操作の入力をユーザに要求しない操作不要画像が表示される。このため、ユーザは携帯情報装置で画像形成装置を操作しつつ、操作不要画像を閲覧することができる。その結果、携帯情報装置を用いて遠隔操作するユーザに多くの情報を視覚的に通知することが可能な画像形成装置を提供することができる。
【0010】
好ましくは、複数種類の画像のうちから選択された1つを表示用の画像に設定する設定手段を、さらに備え、表示制御手段は、複数種類の画像のうち設定手段により表示用の画像に設定された種類の画像を表示する。
【0011】
好ましくは、複数種類の画像のうちから1つを選択する指示を携帯情報装置から受け付ける指示受付手段を、さらに備え、表示制御手段は、指示受付手段により指示が受け付けられる場合には、複数種類の画像のうちから、指示受付手段により受け付けられた指示により選択される種類の画像を表示し、指示受付手段により指示が受け付けられない場合には、複数種類の画像のうち設定手段により設定された種類の画像を表示する。
【0012】
好ましくは、携帯情報装置から画像に割り当てられたネットワークアドレスを受信する場合、受け付けられたネットワークアドレスで特定される画像を取得する画像取得手段をさらに備え、表示制御手段は、携帯情報装置から画像を特定するためのネットワークアドレスを受信する場合、取得された画像を表示する。
【0013】
好ましくは、装置で発生したエラーを検出するエラー検出手段と、装置で発生する複数のエラーにそれぞれ対応し、エラーに対応するユーザによる操作を示す複数のトラブルシュート用画面を記憶するトラブル画面記憶手段と、をさらに備え、表示制御手段は、エラー検出手段によりエラーが検出される場合、該検出されたエラーに対応するトラブルシュート用画面を表示する。
【0014】
好ましくは、原稿を読み取り、原稿画像を取得する原稿読取手段を、さらに備え、表示制御手段は、原稿読取手段により原稿画像が取得される場合、取得された原稿画像を表示する。
【0015】
この発明の他の局面によれば、表示制御方法は、携帯情報装置と通信する通信手段と、ユーザによる操作が入力される操作受付手段と、画像を表示する表示手段と、を備えた画像形成装置で実行される表示制御方法であって、携帯情報装置から要求を受信するステップと、受信するステップにおいて要求が受信されることに応じて、操作を受け付けるための複数の操作画面のうち受信された要求に対応する操作画面を通信手段を介して携帯情報装置に送信するステップと、操作画面の送信に応じて、操作受付手段に操作の入力をユーザに要求しない操作不要画像を表示手段に表示するステップと、を含む。
【0016】
この局面に従えば、携帯情報装置を用いて遠隔操作するユーザに多くの情報を視覚的に通知することが可能な表示制御方法を提供することができる。
【0017】
好ましくは、複数種類の画像のうちから選択された1つを表示用の画像に設定するステップを、さらに含み、表示手段に表示するステップは、設定するステップにおいて複数種類の画像のうち表示用の画像に設定された種類の画像を表示するステップを含む。
【0018】
好ましくは、複数種類の画像のうちから1つを選択する指示を携帯情報装置から受け付ける指示受付ステップをさらに含み、表示手段に表示するステップは、指示受付ステップにおいて指示が受け付けられる場合には、複数種類の画像のうちから、指示受付ステップにおいて受け付けられた指示により選択される種類の画像を表示し、指示受付ステップにおいて指示が受け付けられない場合には、複数種類の画像のうち設定するステップにおいて設定された種類の画像を表示するステップを含む。
【0019】
この発明のさらに他の局面によれば、表示制御プログラムは、携帯情報装置と通信する通信手段と、ユーザによる操作が入力される操作受付手段と、画像を表示する表示手段と、を備えた画像形成装置を制御するコンピュータで実行される表示制御プログラムであって、携帯情報装置から要求を受信するステップと、受信するステップにおいて要求が受信されることに応じて、操作を受け付けるための複数の操作画面のうち受信された要求に対応する操作画面を通信手段を介して携帯情報装置に送信するステップと、操作画面の送信に応じて、操作受付手段に操作の入力をユーザに要求しない操作不要画像を表示手段に表示するステップと、をコンピュータに実行させる。
【0020】
この局面に従えば、携帯情報装置を用いて遠隔操作するユーザに多くの情報を視覚的に通知することが可能な表示制御プログラムを提供することができる。
【0021】
好ましくは、複数種類の画像のうちから選択された1つを表示用の画像に設定するステップをさらにコンピュータに実行させ、表示手段に表示するステップは、設定するステップにおいて複数種類の画像のうち表示用の画像に設定された種類の画像を表示するステップを含む。
【0022】
好ましくは、複数種類の画像のうちから1つを選択する指示を携帯情報装置から受け付ける指示受付ステップをさらにコンピュータに実行させ、表示手段に表示するステップは、指示受付ステップにおいて指示が受け付けられる場合には、複数種類の画像のうちから、指示受付ステップにおいて受け付けられた指示により選択される種類の画像を表示し、指示受付ステップにおいて指示が受け付けられない場合には、複数種類の画像のうち設定するステップにおいて設定された種類の画像を表示するステップを含む。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施の形態の1つにおける画像形成システムの全体概要を示す図である。
【図2】MFPの外観を示す斜視図である。
【図3】MFPのハードウェア構成の概要を示すブロック図である。
【図4】携帯情報装置のハードウェア構成の概要を示す機能ブロック図である。
【図5】画像形成システムにおけるサーバクライアントシステムの概念を説明するための図である。
【図6】MFPが備えるCPU111の機能の概要を示す機能ブロック図である。
【図7】表示制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0025】
図1は、本発明の実施の形態の1つにおける画像形成システムの全体概要を示す図である。図1を参照して、画像形成システム1は、それぞれがネットワーク2に接続された画像形成装置としてのMFP(Multi Function Peripheral)100,101,102とパーソナルコンピュータ(以下「PC」という)105と、携帯情報装置200と、無線局300とを含む。
【0026】
PC105は、一般的なコンピュータであり、MFP100,101,102を制御するためのプリンタドライバプログラムがインストールされている。なお、MFP100,101,102の種類が異なる場合、PC105には、MFP100,101,102を制御するための3種類のプリンタドライバプログラムがそれぞれインストールされる。
【0027】
MFP100,101,102各々は、原稿を読み取るためのスキャナ装置、画像データに基づいて紙などの記録媒体に画像を形成するための画像形成装置およびファクシミリ装置を含み、画像読取機能、複写機能、ファクシミリ送受信機能を備えている。なお、本実施の形態においてはMFP100,101,102を例に説明するが、MFP100,101,102に代えて、画像を形成する機能を備えた装置であれば、例えば、プリンタ、ファクシミリ装置等であってもよい。また、MFP100,101,102は、機能が同じなので以下の説明では特に言及しない限りMFP100を例に説明する。
【0028】
携帯情報装置200は、一般的な携帯電話機であり、携帯電話網に接続された基地局と無線で通信することにより携帯電話網に接続し、通話およびデータ通信が可能である。また、携帯情報装置200は、無線LAN機能を備えており、無線局300を介してネットワーク2に接続可能である。携帯情報装置200は、携帯電話機に限らず、PDA(Personal Digital Assistant)等の小型の携帯可能なコンピュータであってもよい。
【0029】
ネットワーク2は、ローカルエリアネットワーク(LAN)であり、接続形態は有線または無線を問わない。またネットワーク2は、LANに限らず、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Networks)を用いたネットワーク等であってもよい。さらに、ネットワーク2は、インターネットなどのワイドエリアネットワーク(WAN)に接続されている。
【0030】
無線局300は、ネットワーク2の中継装置であり、無線LAN通信機能を備えた携帯情報装置200と通信して、携帯情報装置200をネットワーク2に接続する。MFP100,101,102各々は、ネットワーク2を介してPC105とデータの送受信が可能である。また、MFP100,101,102各々は、ネットワーク2および無線局300を介して携帯情報装置200とデータの送受信が可能である。
【0031】
また、MFP100,101,102各々は、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信規格を用いた通信により、携帯情報装置200と直接無線接続し、データを送受信するようにしてもよい。
【0032】
図2は、MFPの外観を示す斜視図である。図3は、MFPのハードウェア構成の概要を示すブロック図である。図2および図3を参照して、MFP100は、メイン回路110と、原稿を読み取るための原稿読取部130と、原稿を原稿読取部130に搬送するための自動原稿搬送装置120と、原稿読取部130が原稿を読み取って出力する画像データに基づいて用紙等に画像を形成するための画像形成部140と、画像形成部140に用紙を供給するための給紙部150と、ユーザインターフェースとしての操作パネル160とを含む。
【0033】
メイン回路110は、CPU111と、通信インターフェース(I/F)部112と、ROM113と、RAM114と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)115と、ファクシミリ部116と、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)118が装着される外部記憶装置117と、を含む。CPU111は、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150および操作パネル160と接続され、MFP100の全体を制御する。
【0034】
ROM113は、CPU111が実行するプログラム、またはそのプログラムを実行するために必要なデータを記憶する。RAM114は、CPU111がプログラムを実行する際の作業領域として用いられる。また、RAM114は、原稿読取部130から連続的に送られてくる読取画像を一時的に記憶する。
【0035】
操作パネル160は、MFP100の上面に設けられ、表示部161と操作部163とを含む。表示部161は、液晶表示装置(LCD)、有機ELD(Electro−Luminescence Display)等の表示装置であり、ユーザに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。操作部163は、複数のキーを備え、キーに対応するユーザの操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受け付ける。操作部163は、表示部161上に設けられたタッチパネルをさらに含む。
【0036】
通信I/F部112は、MFP100をネットワーク2に接続するためのインターフェースである。CPU111は、通信I/F部112を介してMFP101,102、PC105または携帯情報装置200との間で通信し、データを送受信する。また、通信I/F部112は、ネットワーク2を介してインターネットに接続されたコンピュータと通信が可能である。
【0037】
ファクシミリ部116は、公衆交換電話網(PSTN)に接続され、PSTNにファクシミリデータを送信する、またはPSTNからファクシミリデータを受信する。ファクシミリ部116は、受信したファクシミリデータを、HDD115に記憶する、または画像形成部140に出力する。画像形成部140は、ファクシミリ部116により受信されたファクシミリデータを用紙にプリントする。また、ファクシミリ部116は、HDD115に記憶されたデータをファクシミリデータに変換して、PSTNに接続されたファクシミリ装置に送信する。
【0038】
外部記憶装置117は、CD−ROM118が装着される。CPU111は、外部記憶装置117を介してCD−ROM118にアクセス可能である。CPU111は、外部記憶装置117に装着されたCD−ROM118に記録されたプログラムをRAM114にロードして実行する。なお、CPU111が実行するプログラムは、CD−ROM118に記録されたプログラムに限られず、HDD115に記憶されたプログラムをRAM114にロードして実行するようにしてもよい。この場合、ネットワーク2に接続された他のコンピュータが、MFP100のHDD115に記憶されたプログラムを書換える、または、新たなプログラムを追加して書き込むようにしてもよい。さらに、MFP100が、ネットワーク2に接続された他のコンピュータからプログラムをダウンロードして、そのプログラムをHDD115に記憶するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU111が直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0039】
本実施の形態における画像形成システム1において、MFP100,101,102および携帯情報装置200間で、データが送受信される。データを送受信するプロトコルは、受信側の装置において送信元を特定することができれば、任意のプロトコルを用いることが可能である。データを送受信するプロトコルは、例えばHTTP(HyperText Transfer Protocol)、FTP(File Transfer Protocol)およびSMPT(Simple Mail Transfer Protocol)、POP(Post Office Protocol)等が用いられる。
【0040】
図4は、携帯情報装置のハードウェア構成の概要を示す機能ブロック図である。図4を参照して、携帯情報装置200は、携帯情報装置200の全体を制御するためのCPU201と、データを不揮発的に記憶するフラッシュメモリ203と、情報を表示する表示部205と、ユーザの操作の入力を受け付ける操作部207と、通話部211と接続された無線通信部209と、無線LANI/F213とを含む。
【0041】
無線通信部209は、携帯電話網に接続された携帯電話用基地局と無線通信する。無線通信部209は、携帯情報装置200を携帯電話網に接続し、データ通信および通話部211を用いた通話を可能とする。無線通信部209は、データ通信する場合、携帯電話用基地局から受信した無線信号を復号したデータをCPU201に出力する。また、無線通信部209は、CPU201から入力されるデータを符号化し、携帯電話用基地局に送信する。
【0042】
無線通信部209は、通話する場合、携帯電話用基地局から受信した無線信号を復調した音声信号を復号して通話部211に出力する。また、無線通信部209は、通話部211から入力される音声を符号化し、携帯電話用基地局に送信する。通話部211は、マイクおよびスピーカを備え、無線通信部209から入力される音声をスピーカから出力し、マイクから入力される音声を無線通信部209に出力する。
【0043】
表示部205は、液晶表示装置(LCD)、有機ELD等の表示装置であり、ユーザに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。操作部207は、複数のキーを備え、キーに対応するユーザの操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受け付ける。
【0044】
無線LANI/F213は、無線局300と通信し、携帯情報装置200をネットワーク2に接続するためのインターフェースである。携帯情報装置200に予めMFP100,101,102それぞれがWebサーバとして機能する場合に、MFP100,101,102それぞれが記憶するWebページのURL(Uniform Resource Locator)を予め登録しておくことにより、携帯情報装置200は、MFP100,101,102からWebページを受信することができ、データの送受信が可能となる。また、MFP100,101,102それぞれのIP(Internet Protocol)アドレスまたはMAC(Media Access Control)アドレスを予め登録しておき、IPアドレスまたはMACアドレスを用いてMFP100,101,102と通信するようにしてもよい。
【0045】
本実施の形態における画像形成システムにおいて、MFP100,101,102を、携帯情報装置200で遠隔操作が可能となっている。このため、MFP100,101,102は、携帯情報装置200により遠隔操作されるためのプログラムがインストールされ、携帯情報装置200に遠隔操作するためのプログラムがインストールされる。例えば、本実施の形態における画像形成システムにおいては、サーバクライアントシステムを用いて携帯電話機200によるMFP100,101,102の遠隔操作を実現している。
【0046】
図5は、画像形成システムにおけるサーバクライアントシステムの概念を説明するための図である。図5を参照して、MFP100,101,102は、パネル制御部11と、操作画面管理部13と、システム制御部15と、を備える。システム制御部15は、MFP100,101,102それぞれが備える自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150を制御する。携帯情報装置200は、表示制御部21と、画面情報管理部23と、を備える。操作画面管理部13はWebサーバとして機能し、パネル制御部11および表示制御部21が操作画面管理部13に対するWebクライアントとして機能する。また、操作画面管理部13は、Webクライアントとしても機能し、画面情報管理部23が、Webクライアントとして機能する操作画面管理部13に対するWebサーバとして機能する。
【0047】
より詳細に説明すると、パネル制御部11は、例えば、ブラウジングプログラムをCPU111が実行することにより実現され、Webサーバである操作画面管理部13に操作画面を要求し、操作画面管理部13が出力する操作画面を、表示部161に表示する。また、パネル制御部11は、表示部161に表示された操作画面に従ってユーザが操作部163に入力する操作を受け付け、Webサーバである操作画面管理部13に出力する。操作画面管理部13は、パネル制御部11から操作が入力されると、例えば、CGI(Common Gateway Interface)を実行して、システム制御部15に指令を出力する。
【0048】
携帯情報装置200が備える表示制御部21は、例えば、ブラウジングプログラムをCPU201が実行することにより実現され、Webサーバである操作画面管理部13に操作画面を要求し、操作画面管理部13が出力する操作画面を、表示部205に表示する。また、表示制御部21は、表示部205に表示された操作画面に従ってユーザが操作部207に入力する操作を受け付け、Webサーバである操作画面管理部13に出力する。操作画面管理部13は、表示制御部21から操作が入力されると、例えば、CGIを実行して、システム制御部15に指令を出力する。これにより、携帯情報装置200によるMFP100,101,102の遠隔操作が実現される。
【0049】
携帯情報装置200が備える画面情報管理部23は、携帯情報装置200が予め記憶する画面を管理し、要求に応じて画面自体またはURL等の画面のネットワークアドレスを、出力する。MFP100,101,102が備える操作画面管理部13は、表示制御部21のWebサーバとして機能している間は、画面情報管理部23に対するWebクライアントしても機能する。MFP100,101,102が備えるパネル制御部11がWebサーバである操作画面管理部13に操作画面を要求すると、操作画面管理部13は、Webクライアントとして機能し、表示指示要求を、Webサーバである画面情報管理部23に出力する。画面情報管理部23は、表示指示要求に応じて表示指示を出力するので、Webクライアントとして機能する操作画面管理部13は、画面情報管理部23から表示指示が入力される。表示指示についての詳細は後述するが、画面を特定するための情報である。操作画面管理部13は、画面情報管理部23から表示指示が入力されると、Webサーバとして機能し、画面情報管理部23から入力される表示指示により特定される画面をパネル制御部11に出力する。パネル制御部11は、画面情報管理部23から入力される画面を、表示部161に表示する。このため、MFP100,101,102が携帯情報装置200により遠隔操作されている間は、表示部161に携帯情報装置200により指示された画面が表示される。
【0050】
なお、本実施の形態では、画像形成システム1におけるサーバクライアントシステムを、WebサーバおよびWebクライアントで実現する例を説明するが、MFP100,101,102および携帯情報装置200それぞれに、専用のプログラムをインストールすることによってもサーバクライアントシステムを実現することができる。
【0051】
図6は、MFPが備えるCPU111の機能の概要をHDDに記憶されるデータとともに示すブロック図である。図6に示すMFP100が備えるCPU111の機能は、CPU111が、ROM113、HDD115またはCD−ROM118に記憶されたプログラムを実行することにより、CPU111に形成される。
【0052】
図6を参照して、CPU111は、ユーザを認証するユーザ認証部51と、表示する画像のデフォルト値を設定する設定部53と、遠隔操作の要求を受信する要求受信部55と、遠隔操作のための操作画面を送信する操作画面送信部57と、指示受信部59と、アドレス受信部61と、画像を取得する画像取得部63と、エラーを検出するエラー検出部65と、原稿読取部130を制御する原稿読取制御部67と、表示部161を制御する表示制御部69と、を含む。
【0053】
ユーザ認証部51は、MFP100を操作するユーザを認証する。例えば、HDD115に予めMFP100の使用が認められたユーザのユーザIDとパスワードとの組を記憶しておき、ユーザがMFP100に入力するユーザIDとパスワードとの組が、HDD115に記憶されていれば、ユーザを認証する。ユーザ認証部51は、ユーザを認証する場合、ログインを認める。ユーザ認証部51は、ユーザが携帯情報装置200を操作して、MFP100を遠隔操作する場合、認証画面を通信I/F112を介して携帯情報装置200に送信し、携帯情報装置200から受信されるユーザIDとパスワードとの組が、HDD115に記憶されていることを条件に、携帯情報装置200のユーザを認証し、ログインを認める。
【0054】
設定部53は、複数種類の画像のうちから1つを表示用の画像に設定する。例えば、MFP100の管理者が、画像の種類を操作部163に入力すると、入力された画像の種類の画像を、表示用の画像に設定する。HDD115に複数の画像が複数種類に分類されて予め記憶されており、管理者は、複数の画像が分類される複数種類のうちから1つを選択することができる。ここでは、HDD115は、第1の種類の画像としてヘルプ画面93を記憶し、第2の種類の画像として予め定められたフォルダ97にデータを記憶し、第3の種類の画像として広告画像95を記憶する。
【0055】
ヘルプ画面93は、ユーザが操作を入力するための操作画面に対応し、操作画面で受け付けるための操作を補助するための画面である。例えば、ヘルプ画面は、操作画面名で特定される操作画面にしたがった入力を補助するための図形または/およびメッセージを含む画面である。操作画面は、後述するように遠隔操作用の操作画面を含み、複数ある。このため、ヘルプ画面93は、複数の操作画面にそれぞれ対応して複数が記憶される。フォルダ97に記憶されるデータは、MFP100のユーザに通知するための情報を含むデータである。例えば、ログインユーザ宛の電子メール、社内報等である。広告画像95は、広告画像は、広告用の画像であり、例えば、スポンサーによって提供される。
【0056】
設定部53は、管理者が操作部163に入力する指示に基づいて、第1〜第3の種類の画像のうちから選択された1つの種類の画像を表示用の画像に設定するために、選択された種類を識別するための種類識別情報を含む設定情報をHDD115に記憶する。これにより、HDD115に設定情報91が記憶される。
【0057】
要求受信部55は、通信I/F112を制御し、ユーザ認証部51によって認証されたユーザが操作する携帯情報装置200から要求を受信する。携帯情報装置200から受信される要求は、例えば、コピー処理のための操作画面の送信要求、ファクシミリ送信処理のための操作画面の送信要求、プリント処理のための操作画面の送信要求、データ送信処理のための操作画面の送信要求、管理情報をメンテナンスする処理のための操作画面の送信要求等である。要求受信部55は、受信された要求と、要求を送信してきた携帯情報装置200を識別するための装置識別情報との組を、操作画面送信部57に出力する。装置識別情報は、例えば、IP(Internet Protocol)アドレスまたはMAC(Media Access Control)アドレスである。
【0058】
操作画面送信部57は、要求受信部55から要求と装置識別情報との組が入力されると、受信された要求に対応する操作画面を、通信I/F112を介して携帯情報装置200に送信する。携帯情報装置200に送信するための遠隔操作用の複数の操作画面が予めROM113に記憶されており、遠隔操作用の複数の操作画面のうちから要求に対応する操作画面を選択して、通信I/F112を介して携帯情報装置200に送信する。また、操作画面送信部57は、送信された操作画面を識別するための操作画面名を表示制御部67に出力する。
【0059】
操作画面を受信する携帯情報装置200においては、表示部205に受信された操作画面を表示し、ユーザが操作部207に入力する操作を、MFP100に返信する。操作画面送信部57は、携帯情報装置200が返信する操作を、通信I/F112が受信すると、受信された操作を取得し、操作に従った処理を実行する。これにより、携帯情報装置200によるMFP100の遠隔操作が実現される。
【0060】
例えば、コピー処理のための操作画面を送信した場合には、コピー処理を実行するための操作が受信されるので、コピー処理を実行する。また、ファクシミリ送信処理のための操作画面を送信した場合には、ファクシミリ送受信処理を実行するための操作が受信されるので、ファクシミリ送受信処理を実行する。プリント処理のための操作画面を送信した場合には、プリント処理を実行するための操作が受信されるので、プリント処理を実行する。データ送信処理のための操作画面を送信した場合には、データ送信処理を実行するための操作が受信されるので、データ送信処理を実行する。管理情報をメンテナンスする処理のための操作画面を送信した場合には、メンテナンスする処理を実行するための操作が受信されるので、管理情報をメンテナンスする処理を実行する。
【0061】
指示受信部59は、通信I/F112を制御し、ユーザ認証部51によって認証されたユーザが操作する携帯情報装置200から選択指示を受信する。具体的には、指示受信部59は、ユーザ認証部51によって認証されたユーザが操作する携帯情報装置200に、選択画面を、送信する。選択画面は、第1〜第3の種類の画像のうちから1つの種類の画像を選択する操作を受け付けるための画面である。携帯情報装置200のユーザが、第1〜第3の種類の画像のうちから1つの種類の画像を選択する操作を携帯情報装置200に入力すれば、携帯情報装置200は、選択された種類を特定するための種類識別情報をMFP100に送信する。指示受信部59は、通信I/F112を制御して、携帯情報装置200から種類識別情報を受信する。受信される種類識別情報は、第1〜第3の種類の画像のうちから1つの種類の画像を選択する選択指示である。指示受信部59は、携帯情報装置200から種類識別情報を受信すると、受信された種類識別情報を表示制御部69に出力する。
【0062】
表示制御部69は、設定画像表示部71と、取得画像表示部73と、エラー画像表示部75と、原稿画像表示部77と、を含む。設定画像表示部71は、操作画面送信部57から操作画面名が入力されると、指示受信部59から種類識別情報が入力されていないことを条件に、設定情報91を読出し、設定情報91に含まれる種類識別情報で特定される種類の画像を、表示部161に表示する。設定画像表示部71は、操作画面送信部57から操作画面名が入力されると、指示受信部59から種類識別情報が入力されている場合は、設定情報91を読み出すことなく、指示受信部59から入力される種類識別情報で特定される種類の画像を、表示部161に表示する。
【0063】
設定画像表示部71は、種類識別情報が第1の種類の画像を特定する場合、HDD115に記憶されている複数のヘルプ画面93のうちから操作画面送信部57から入力される操作画面名で特定される操作画面に対応するヘルプ画面を読出し、読み出されたヘルプ画面を表示部161に表示する。設定画像表示部71は、操作画面送信部57から操作画面名が入力されるごとに、操作画面に対応するヘルプ画面を読出し、表示部161に表示する。したがって、携帯情報装置200を操作するユーザは、携帯情報装置200の表示部205に表示された操作画面と、MFP100の表示部161に表示されたヘルプ画面とを、同時に閲覧することができる。このため、ヘルプ画面を見ながら操作画面に従って、操作部207に操作を入力することができる。このため、操作画面とヘルプ画面とを切り換える必要がない。
【0064】
設定画像表示部71は、種類識別情報が第2の種類の画像を特定する場合、HDD115のフォルダ97に記憶されているデータを読出し、読み出されたデータの画像を表示部161に表示する。したがって、携帯情報装置200を操作するユーザは、携帯情報装置200の表示部205に表示された操作画面と、MFP100の表示部161に表示されたデータの画像とを、同時に閲覧することができる。フォルダ97に記憶されるデータは、電子メール、社内報なので、ユーザ認証部51により認証されたユーザ宛の電子メール、そのユーザに関連する社内報をユーザに通知することができる。
【0065】
設定画像表示部71は、種類識別情報が第3の種類の画像を特定する場合、HDD115に記憶されている広告画像95を読出し、読み出された広告画像を表示部161に表示する。したがって、携帯情報装置200を操作するユーザは、携帯情報装置200の表示部205に表示された操作画面と、MFP100の表示部161に表示された広告画像とを、同時に閲覧することができる。
【0066】
アドレス受信部61は、通信I/F112を制御し、ユーザ認証部51によって認証されたユーザが操作する携帯情報装置200から画像に割り当てられたネットワークアドレスを受信する。ここでは、ネットワークアドレスをURL(Uniform Resource Locator)としている。具体的には、指示受信部59は、ユーザ認証部51によって認証されたユーザが操作する携帯情報装置200に、アドレス指定画面を送信する。アドレス指定画面は、画像に割り当てられたURLを入力する領域を含む。携帯情報装置200のユーザが、URLを携帯情報装置200に入力すれば、携帯情報装置200は、入力されたURLをMFP100に送信する。通信I/F112が携帯情報装置200からURLを受信すると、アドレス受信部61は、URLを受信する。アドレス受信部61は、携帯情報装置200からURLを受信すると、受信されたURLを画像取得部63に出力する。
【0067】
画像取得部63は、アドレス受信部61から入力されるURLで特定される画像を通信I/F部112を介して取得し、取得された画像を取得画像表示部73に出力する。
【0068】
取得画像表示部73は、画像取得部63から画像が入力されると、入力される画像を表示部161に表示する。取得画像表示部73は、表示部161に設定画像表示部71により画像が表示されている場合は、その画像よりも優先して、画像取得部63から入力される画像を表示部161に表示する。
【0069】
エラー検出部65は、MFP100に発生するエラーを検出する。例えば、紙詰まり、トナー切れ等のエラーをセンサーにより検出する。エラー検出部65は、エラーを検出すると、検出されたエラーに対して予め定められたエラーコードをエラー画像表示部75に出力する。
【0070】
エラー画像表示部75は、エラー検出部65からエラーコードが入力されると、HDD115に記憶されているトラブルシュート用画像99のうちからエラーコードに対応するトラブルシュート用画像を読出し、読み出されたトラブルシュート用画像を表示部161に表示する。エラー画像表示部75は、エラー検出部65からエラーコードが入力されるごとに、入力されるエラーコードに対応するトラブルシュート用画像を読出し、表示部161に表示する。エラー画像表示部75は、表示部161に設定画像表示部71により画像が表示されている場合、または、取得画像表示部73により画像が表示されている場合は、それらの画像よりも優先して、トラブルシュート用画像を表示部161に表示する。
【0071】
したがって、携帯情報装置200を操作するユーザは、携帯情報装置200の表示部205に表示された操作画面と、MFP100の表示部161に表示されたトラブルシュート用画像とを、同時に閲覧することができる。このため、トラブルシュート用画像を見ながらエラーを改善する作業を実行することができ、その後、操作画面に従って、操作部207に操作を入力することができる。
【0072】
原稿読取制御部67は、原稿読取部140を制御し、原稿読取部140が原稿を読み取って出力する原稿画像を取得する。原稿読取制御部67は、取得された原稿画像を原稿画像表示部77に出力する。
【0073】
原稿画像表示部77は、原稿読取制御部67から原稿画像が入力されることに応じて、原稿画像を表示部161に表示する。換言すれば、MFP100によりスキャン処理が実行された場合に、原稿画像をプレビュー表示する。原稿画像表示部77は、原稿読取制御部67から原稿画像が入力される場合は、表示部161に設定画像表示部71により画像が表示されている場合、または、取得画像表示部73により画像が表示されている場合であっても、それらの画像よりも優先して、原稿画像を表示部161に表示する。
【0074】
図7は、表示制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。表示制御処理は、MFP100が備えるCPU111が、ROM113、HDD115またはCD−ROM118に記憶されたプログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。図7を参照して、CPU111は、携帯情報装置200からのログインが成功したか否かを判断する(ステップS01)。通信I/F部112が携帯情報装置200からユーザIDとパスワードとを受信し、受信されたユーザIDとパスワードとに基づく認証が成功したならばログインに成功したと判断する。携帯情報装置200からのログインが成功するまで待機状態となり(ステップS01でNO)、ログインが成功したならば(ステップS01でYES)、処理をステップS02に進める。
【0075】
ステップS02においては、要求を受信したか否かを判断する。要求を受信したならば処理をステップS03に進めるが、そうでなければ処理をステップS15に進める。通信I/F部112が、ステップS01においてログインに成功した携帯情報装置200から要求を受信したか否かを判断する。要求は、操作画面の送信の要求である。ステップS03においては、受信された要求に対応する操作画面をステップS01においてログインに成功した携帯情報装置200に通信I/F部112を介して送信する。
【0076】
次のステップS04においては、選択指示を受信したか否かを判断する。選択画面を通信I/F部112を介してステップS01においてログインに成功した携帯情報装置200に送信し、携帯情報装置200から選択指示を受信したか否かを判断する。選択指示を受信したならば処理をステップS05に進めるが、そうでなければ処理をステップS06に進める。ステップS05においては、受信された選択指示に含まれる種類識別情報で特定される画像の種類を表示用の画像の種類に決定し、処理をステップS08に進める。
【0077】
一方、ステップS06においては、HDD116に記憶されている設定情報91を読み出す。次のステップS07においては、読み出された設定情報に含まれる種類識別情報で特定される画像の種類を表示用の画像の種類に決定し、処理をステップS08に進める。
【0078】
ステップS08においては、ステップS05またはステップS07において決定された種類によって処理を分岐させる。種類が第1の種類ならば処理をステップS09に進め、第2の種類ならば処理をステップS11に進め、第3の種類ならば処理をステップS13に進める。
【0079】
ステップS09においては、ステップS03において送信された操作画面に対応するヘルプ画面をHDD115に記憶された複数のヘルプ画面93のうちから読み出す。次のステップS10においては、ステップS09において読み出されたヘルプ画面を表示部161に表示し、処理をステップS15に進める。
【0080】
ステップS11においては、HDD115のフォルダ97に記憶されたデータを読み出す。次のステップS12においては、読み出されたデータの画像を表示部161に表示し、処理をステップS15に進める。
【0081】
ステップS13においては、HDD115に記憶されている広告画像95を読み出す。次のステップS14においては、読み出された広告画像95を表示部161に表示し、処理をステップS15に進める。
【0082】
ステップS15においては、エラーが発生したか否かを判断する。エラーが発生したならば処理をステップS16に進めるが、そうでなければ処理をステップS18に進める。ステップS16においては、発生したエラーに対応し予めHDD115に記憶されたトラブルシュート用画像99を読み出す。次のステップS17においては、読み出されたトラブルシュート用画像99を表示部161に表示し、処理をステップS18に進める。
【0083】
ステップS18においては、スキャンが実行されたか否かを判断する。ユーザが、遠隔操作によりスキャンする指示を入力することにより、原稿を読み取るスキャンが実行される。スキャンが実行されたならば処理をステップS19に進めるが、そうでなければ処理をステップS20に進める。ステップS19においては、原稿読取部130が原稿を読み取って出力する原稿画像を表示部161にプレ表示し、処理をステップS20に進める。
【0084】
ステップS20においては、ログアウト指示を受け付けたか否かを判断する。ステップS01においてログインに成功した携帯情報装置200からログアウト指示が受信されたならば、ログアウト指示を受け付ける。ログアウト指示を受け付けたならば処理を終了するが、そうでなければ処理をステップS02に戻す。
【0085】
以上説明したように、本実施の形態におけるMFP100,101,102は、携帯情報装置200と通信する通信I/F部112と、ユーザによる操作が入力される操作部163と、画像を表示する表示部161と、携帯情報装置200から要求が受信されることに応じて、操作を受け付けるための複数の操作画面のうち受信された要求に対応する操作画面を通信I/F部112を介して携帯情報装置200に送信する操作画面送信部57と、操作画面の送信に応じて、操作部163に操作の入力をユーザに要求しない操作不要画像を表示部161に表示する表示制御部69と、を備える。このため、ユーザは携帯情報装置200でMFP100,101,102を操作しつつ、操作不要画像を閲覧することができる。
【0086】
また、複数種類の画像のうちから選択された1つを表示用の画像に設定する設定部53を、さらに備え、表示制御部69は、複数種類の画像のうち設定部53により表示用の画像に設定された種類の画像を表示する。このため、予めユーザが表示用の画像に設定した種類の画像を表示部161に表示させることができる。設定情報91を、ユーザごとに記憶するようにすれば、ログインユーザごとに異なる種類の画像を表示部161に表示することができる。
【0087】
また、複数種類の画像のうちから1つを選択する指示を携帯情報装置200から受け付ける指示受付部59を、さらに備え、表示制御部69は、指示受付部59により指示が受け付けられる場合には、複数種類の画像のうちから、受け付けられた指示により選択される種類の画像を表示部161に表示し、指示が受け付けられない場合には、複数種類の画像のうち設定部53により設定された種類の画像を表示する。このため、携帯情報装置200を操作するユーザが、MFP100を操作中に、表示部161に表示させる画像の種類を、携帯情報装置200から指定することができる。
【0088】
また、携帯情報装置200から画像に割り当てられたURLを受信する場合、受け付けられたURLで特定される画像を取得する画像取得部63をさらに備え、表示制御部69は、携帯情報装置200から画像を特定するためのURLを受信する場合、取得された画像を表示部161に表示する。このため、携帯情報装置200を操作するユーザは、携帯情報装置200に入力したURLの画像を、表示部161に表示させることができる。例えば、画像形成装置100,101,102を遠隔操作する前の段階で、携帯情報装置200でブラウジングしていたWebページのURLを指定すれば、遠隔操作前に携帯情報装置200に表示されていたWebページを、遠隔操作中にMFP100,101,102の表示部161に表示させることができる。
【0089】
また、MFP100,101,102で発生したエラーを検出するエラー検出部65と、装置で発生する複数のエラーにそれぞれ対応し、エラーに対応するユーザによる操作を示す複数のトラブルシュート用画面を記憶するHDD115と、をさらに備え、表示制御部69は、エラー検出部65によりエラーが検出される場合、該検出されたエラーに対応するトラブルシュート用画面を表示するエラー画像表示部75を含む。このため、遠隔操作中に、操作画面と、トラブルシュート画面とを同時に閲覧することができ、トラブルシューロ画面を見ながらエラーを改善する作業をすることができ、エラーの改善後に、操作画面に基づいて遠隔操作することができる。
【0090】
また、原稿を読み取り、原稿画像を取得する原稿読取部130を、さらに備え、表示制御部69は、原稿読取部130により原稿画像が取得される場合、取得された原稿画像を表示部161に表示する原稿画像表示部77を含む。MFP100によりスキャン処理が実行された場合に、原稿画像が表示部161にプレビュー表示される。このため、携帯情報装置200で操作画面を閲覧しつつ、表示部161に表示された原稿画像で、スキャンされた原稿画像を確認することができる。携帯情報装置200に操作画面に代えて原稿画像を表示する場合は、原稿を再読取する場合には操作画面を再表示させなければならないが、原稿画像が表示部161に表示されるため、操作画面を再表示させる必要がなく、直ちに操作を入力することができる。
【0091】
なお、上述した実施の形態においては、画像形成システム1について説明したが、図7に示した表示制御処理をMFP100,101,102に実行させる表示制御方法、またはその表示制御方法をMFP100,101,102を制御するCPU111に実行させるための表示制御プログラムとして発明を特定することができるのは言うまでもない。
【0092】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0093】
<付記>
(1) 前記複数種類の画像は、前記複数の操作画面それぞれに対応する複数のヘルプ画面からなる第1の種類の画像を含み、
前記複数のヘルプ画面それぞれは、対応する操作画面で受け付けるための操作を補助するための画面であり、
前記表示制御手段は、前記第1の種類の画像が選択される場合、前記複数の操作画面のうち前記操作画面送信手段により送信された操作画面に対応するヘルプ画面を表示する、請求項2または3に記載の画像形成装置。
(2) データを記憶する記憶手段を、さらに備え、
前記複数種類の画像は、前記記憶手段の予め定められた記憶領域に記憶されたデータ(電子メール、社内報)の画像からなる第2の種類の画像を含み、
前記表示制御手段は、前記第2の種類の画像が選択される場合、前記記憶手段の予め定められた記憶領域に記憶されたデータの画像を表示する、請求項2または3または(1)のいずれかに記載の画像形成装置。
(3) 広告画像を予め記憶する広告画像記憶手段をさらに備え、
前記複数種類の画像は、前記広告画像記憶手段に記憶された広告画像からなる第3の種類の画像を含み、
前記表示制御手段は、前記第3の種類の画像が選択される場合、前記広告画像記憶手段に記憶された広告画像を表示する、請求項2または3または(1)または(2)のいずれかに記載の画像形成装置。
【符号の説明】
【0094】
1 画像形成システム、2 ネットワーク、11 パネル制御部、13 操作画面管理部、15 システム制御部、21 表示制御部、23 画面情報管理部、51 ユーザ認証部、53 設定部、55 要求受信部、57 操作画面送信部、59 指示受信部、61 アドレス受信部、63 画像取得部、65 エラー検出部、67 原稿読取制御部、69 表示制御部、71 設定画像表示部、73 取得画像表示部、75 エラー画像表示部、77 原稿画像表示部、91 設定情報、93 ヘルプ画面、95 広告画像、97 フォルダ、99 トラブルシュート用画像、110 メイン回路、111 CPU、112 通信I/F部、113 ROM、114 RAM、115 HDD、116 ファクシミリ部、117 外部記憶装置、120 自動原稿搬送装置、130 原稿読取部、140 画像形成部、140 原稿読取部、150 給紙部、160 操作パネル、161 表示部、163 操作部、200 携帯情報装置、201 CPU、203 フラッシュメモリ、205 表示部、207 操作部、209 無線通信部、211 通話部、300 無線局。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯情報装置と通信する通信手段と、
ユーザによる操作が入力される操作受付手段と、
画像を表示する表示手段と、
前記携帯情報装置から要求が受信されることに応じて、操作を受け付けるための複数の操作画面のうち前記受信された要求に対応する操作画面を前記通信手段を介して前記携帯情報装置に送信する操作画面送信手段と、
前記操作画面の送信に応じて、前記操作受付手段に操作の入力をユーザに要求しない操作不要画像を前記表示手段に表示する表示制御手段と、を備えた画像形成装置。
【請求項2】
複数種類の画像のうちから選択された1つを表示用の画像に設定する設定手段を、さらに備え、
前記表示制御手段は、前記複数種類の画像のうち前記設定手段により表示用の画像に設定された種類の画像を表示する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記複数種類の画像のうちから1つを選択する指示を前記携帯情報装置から受け付ける指示受付手段を、さらに備え、
前記表示制御手段は、前記指示受付手段により指示が受け付けられる場合には、前記複数種類の画像のうちから、前記指示受付手段により受け付けられた指示により選択される種類の画像を表示し、前記指示受付手段により指示が受け付けられない場合には、前記複数種類の画像のうち前記設定手段により設定された種類の画像を表示する、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記携帯情報装置から画像に割り当てられたネットワークアドレスを受信する場合、前記受け付けられたネットワークアドレスで特定される画像を取得する画像取得手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記携帯情報装置から画像を特定するためのネットワークアドレスを受信する場合、前記取得された画像を表示する、請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
装置で発生したエラーを検出するエラー検出手段と、
装置で発生する複数のエラーにそれぞれ対応し、エラーに対応するユーザによる操作を示す複数のトラブルシュート用画面を記憶するトラブル画面記憶手段と、をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記エラー検出手段によりエラーが検出される場合、該検出されたエラーに対応するトラブルシュート用画面を表示する、請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
原稿を読み取り、原稿画像を取得する原稿読取手段を、さらに備え、
前記表示制御手段は、前記原稿読取手段により原稿画像が取得される場合、前記取得された原稿画像を表示する、請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
携帯情報装置と通信する通信手段と、
ユーザによる操作が入力される操作受付手段と、
画像を表示する表示手段と、を備えた画像形成装置で実行される表示制御方法であって、
前記携帯情報装置から要求を受信するステップと、
前記受信するステップにおいて前記要求が受信されることに応じて、操作を受け付けるための複数の操作画面のうち前記受信された要求に対応する操作画面を前記通信手段を介して前記携帯情報装置に送信するステップと、
前記操作画面の送信に応じて、前記操作受付手段に操作の入力をユーザに要求しない操作不要画像を前記表示手段に表示するステップと、を含む表示制御方法。
【請求項8】
複数種類の画像のうちから選択された1つを表示用の画像に設定するステップを、さらに含み、
前記表示手段に表示するステップは、前記設定するステップにおいて前記複数種類の画像のうち表示用の画像に設定された種類の画像を表示するステップを含む、請求項7に記載の表示制御方法。
【請求項9】
前記複数種類の画像のうちから1つを選択する指示を前記携帯情報装置から受け付ける指示受付ステップをさらに含み、
前記表示手段に表示するステップは、前記指示受付ステップにおいて指示が受け付けられる場合には、前記複数種類の画像のうちから、前記指示受付ステップにおいて受け付けられた指示により選択される種類の画像を表示し、前記指示受付ステップにおいて指示が受け付けられない場合には、前記複数種類の画像のうち前記設定するステップにおいて設定された種類の画像を表示するステップを含む、請求項8に記載の表示制御方法。
【請求項10】
携帯情報装置と通信する通信手段と、
ユーザによる操作が入力される操作受付手段と、
画像を表示する表示手段と、を備えた画像形成装置を制御するコンピュータで実行される表示制御プログラムであって、
前記携帯情報装置から要求を受信するステップと、
前記受信するステップにおいて前記要求が受信されることに応じて、操作を受け付けるための複数の操作画面のうち前記受信された要求に対応する操作画面を前記通信手段を介して前記携帯情報装置に送信するステップと、
前記操作画面の送信に応じて、前記操作受付手段に操作の入力をユーザに要求しない操作不要画像を前記表示手段に表示するステップと、を前記コンピュータに実行させる表示制御プログラム。
【請求項11】
複数種類の画像のうちから選択された1つを表示用の画像に設定するステップをさらに前記コンピュータに実行させ、
前記表示手段に表示するステップは、前記設定するステップにおいて前記複数種類の画像のうち表示用の画像に設定された種類の画像を表示するステップを含む、請求項10に記載の表示制御プログラム。
【請求項12】
前記複数種類の画像のうちから1つを選択する指示を前記携帯情報装置から受け付ける指示受付ステップをさらに前記コンピュータに実行させ、
前記表示手段に表示するステップは、前記指示受付ステップにおいて指示が受け付けられる場合には、前記複数種類の画像のうちから、前記指示受付ステップにおいて受け付けられた指示により選択される種類の画像を表示し、前記指示受付ステップにおいて指示が受け付けられない場合には、前記複数種類の画像のうち前記設定するステップにおいて設定された種類の画像を表示するステップを含む、請求項11に記載の表示制御プログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−70068(P2012−70068A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−210973(P2010−210973)
【出願日】平成22年9月21日(2010.9.21)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】