画像形成装置およびその制御方法
【課題】記録紙の柔軟性に関する物理的なパラメータを考慮して搬送路を切り替えることで、搬送路の湾曲と記録紙の柔軟性の不整合に起因するジャムの発生を低減する。
【解決手段】画像形成装置は、記録紙を搬送するための複数の搬送路と、搬送路の終端にそれぞれ設けられた複数の排紙部とを有する。さらに、画像形成装置は、記録紙の柔軟性に関する物理的なパラメータを検出し、検出されたパラメータに応じて搬送路を切り替える。
【解決手段】画像形成装置は、記録紙を搬送するための複数の搬送路と、搬送路の終端にそれぞれ設けられた複数の排紙部とを有する。さらに、画像形成装置は、記録紙の柔軟性に関する物理的なパラメータを検出し、検出されたパラメータに応じて搬送路を切り替える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置における記録紙の搬送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の排紙トレイを備える画像形成装置や、複数の排紙ビンを備える排紙オプション装置を装着可能な画像形成装置が提案されている。このような複数の排紙トレイや排紙ビンは、例えば、画像の記録された記録紙を仕分ける際に便利である。
【0003】
しかしながら、複数の排紙ビンの中には、比較的に大きなサイズの記録紙を受け取れない排紙ビンが存在する場合がある。この場合、ユーザが不適切な排紙ビンを指定した場合、プリントジョブが止まってしまう欠点がある。ネットワークに接続されたプリンタであれば、これは、稼働率を極端に低下させる要因となってしまう。
【0004】
この対応策として、ユーザにより指定された排紙トレイへと排紙不可能なサイズの記録紙が検知されると、排紙可能な排紙トレイに排紙先を切り替える方法が提案されている(特許文献1)。
【特許文献1】特開平9−188455号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、複数の排紙トレイや排紙ビンへと記録紙を誘導するための搬送路には、一般に、比較的に直線的な部分と、ある曲率を持った湾曲した部分とが存在する。
【0006】
一方で、画像形成装置に使用される記録紙の種類は年々増加している。記録紙の中には、相対的に柔軟性の高い記録紙や相対的に柔軟性の低い記録紙が存在する。
【0007】
とりわけ、ユーザが不適切なほど厚い記録紙を使用した場合、搬送路の湾曲部で記録紙のジャムが発生してしまうことがあった。上述の従来技術では、記録紙のサイズに応じて排紙トレイを切り替えているが、サイズは必ずしも柔軟性とは関係ない。そのため、記録紙の柔軟性が不足していることが原因で発生するジャムを低減できなかった。
【0008】
そこで、本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、記録紙の柔軟性が不足していることが原因で発生するジャムを低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、記録紙を搬送するための複数の搬送路と、搬送路の終端にそれぞれ設けられた複数の排紙部とを有する画像形成装置に対して好適に適用できる。画像形成装置は、記録紙の柔軟性に関する物理的なパラメータを検出し、検出されたパラメータに応じて搬送路を切り替える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、記録紙の柔軟性に関するパラメータを考慮して搬送路を切り替えることで、記録紙の柔軟性に起因するジャムの発生を低減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に本発明の一実施形態を示す。もちろん以下で説明される個別の実施形態は、本発明の上位概念、中位概念および下位概念など種々の概念を理解するために役立つであろう。また、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲によって確定されるのであって、以下の個別の実施形態によって限定されるわけではない。
【0012】
[第1の実施形態]
図1は、実施形態に係る例示的な画像形成装置の概略構成を示す図である。この画像形成装置100は、電子写真方式のプリンタである。ただし、本発明は、画像形成方式に依存することはない。そのため、本発明は、インクジェット方式など他の方式を採用する画像形成装置にも好適に適用できる。
【0013】
画像形成部110は、いわゆる電子写真方式の画像形成エンジンである。記録紙カセット113に収納されている記録紙や手指しトレイ114から給紙された記録紙が画像形成部110へと搬送され、画像が形成される。
【0014】
本実施形態では、記録紙の柔軟性に関する物理的なパラメータを検出するための検出部として、紙厚センサ116が採用されている。紙厚センサ116は、記録紙の厚みを測定する先センサである。なお、紙厚センサ116に代えて、または、紙厚センサ166とともに、記録紙の重量、コシの強さまたは密度などを検出できるセンサが採用されてもよい。ここで、「コシ」とは、記録紙の曲げやすさを表す用語である。
【0015】
紙検知センサ121は、画像を形成されて搬送されてきた記録紙を検出するためのセンサである。排紙ローラ122は、画像の形成された記録紙をフラッパ123まで搬送するローラである。
【0016】
フラッパ123は、検出されたパラメータに応じて搬送路を切り替えるための機構である。例えば、排紙の種類には、フェースアップ排紙と、フェースダウン排紙とがある。フェースアップ排紙は、画像形成面を上側にして1枚ずつ記録紙を排紙することをいう。一方、フェースダウン排紙は、画像形成面を下側にし、かつ、ページの順番通りに1枚ずつ記録紙を排紙することをいう。
【0017】
フェースアップ排紙の場合、フラッパ123は、制御部150により制御され、記録紙を搬送路130へと誘導するように切り替わる。この場合、記録紙は、排紙ローラ124によってフェースアップ用の排紙トレイ125に排紙される。一方、フェースダウン排紙の場合、フラッパ123は、制御部150により制御され、記録紙を搬送路131へと誘導するように切り替わる。この場合、記録紙は、搬送ローラ126および127により搬送され、フェースダウン用の排紙トレイ128に排紙される。
【0018】
図2は、実施形態に係る制御部を示すブロック図である。画像形成コントローラ201は、ホストコンピュータ等から受信した画像データ(PDLデータなど)を、ビットマップデータに展開する。なお、画像形成コントローラ201は、エンジン制御部202と通信することで、画像形成装置内部の状況を認識したり、画像形成装置の動作モードを切り替えるためのコマンドを送出したりする。
【0019】
エンジン制御部202は、画像形成コントローラ201から送出されるコマンド等に基づき、画像形成装置内部の各ユニットを制御する。なお、エンジン制御部202は、紙厚センサ116からの検出信号や紙検知センサ121からの検出信号を受信する。エンジン制御部202は、検出した信号を搬送制御や搬送路の切り替え制御に利用する。
【0020】
搬送制御部203は、エンジン制御部202の指示に基づき、画像形成装置内部の用紙搬送系を駆動する。フラッパ駆動モータ204は、搬送制御部203の指示に基づき、フラッパ123を切り替えるためのモータである。
【0021】
図3は、紙厚センサの一例を示す図である。この紙厚センサは、光学式反射型変位センサであるが、本発明の紙厚センサは、光学式反射型変位センサのみに限定されるわけではない。
【0022】
紙厚センサ116は、発光素子(例:LED)301からの光を検出媒体(例:記録紙)に照射し、その検出媒体からの反射光をレンズ302および位置検出素子(PSD)303により検出している。検出媒体からの反射光はレンズ302によってPSD303上に集光される。
【0023】
例えば、検出媒体の厚みがxのとき、反射光は、PSD303上のB点に集光される(実線)。一方、検出媒体がない場合、反射光は、PSD303上のA点に集光される(点線)。このように、集光された反射光の重心位置は検出媒体の厚みxに応じて変化する。したがって、PSD303からの出力信号を処理することで、検出媒体の厚みxを測定できることになる。
【0024】
図4は、位置検出素子からの出力信号とその位置情報との関係を表す図である。PSD303からの出力電流をI1、I2とする。PSD303の全長をLとする。PSD303の中央から反射光の重心までの距離をyとすると、以下の式が成り立つ。
【0025】
(I1−I2)/(I1+I2)=2y/L
図5は、例示的な紙厚センサの一部を示す回路図である。すなわち、上述の式がこの回路図により表現されている。出力電流I1、I2、は、それぞれ電流電圧変換素子501、502を介して減算回路503と加算回路504に入力される。減算回路503の出力と加算回路504の出力とが除算回路505に入力される。そして、除算回路505から位置情報が出力される。出力された位置情報は電圧値であるため、エンジン制御部202内のA/Dコンバータによりデジタル値に変換される。なお、エンジン制御部202が、このデジタル値に所定の係数を乗じることで、最終的な位置情報が得られる。
【0026】
図6は、実施形態に係る用紙搬送制御を示すフローチャートである。ステップ601において、エンジン制御部202は、画像形成コントローラ201からプリント命令があるまで待機する。プリント命令を受信すると、処理はステップ602に遷移する。
【0027】
ステップ602において、エンジン制御部202は、フェースダウン用の排紙トレイ128が排紙先として指定されているか否かを判定する。図1に示したように、排紙トレイ128までの搬送路の一部には湾曲区間が存在する。よって、この判定処理は、紙ジャムが発生しうるような湾曲区間を有する搬送路の終端に設けられた排紙トレイ(または排紙ビン)が、排紙先として指定されているかを判定することと同義である。もちろん、このような湾曲区間を有する搬送路131は、記録紙に対して柔軟性を要求する搬送路である。すなわち、搬送路131は、所定以上の柔軟性を有する記録紙を搬送することができる搬送路である。もし、このような搬送路131に、所定以上の柔軟性を有さない(柔軟性の不足した)記録紙が通されると、ジャムが発生しやすくなる。所定以上の柔軟性がどのくらいの値となるかについては、搬送路の物理的な特性(摩擦係数や湾曲率など)によって決定される。
【0028】
排紙トレイ128が指定されていれば、ステップ603に遷移する。一方、排紙トレイ128が指定されていなければ、エンジン制御部202は、本フローチャートに係る処理を終了する。すなわち、排紙先として排紙トレイ125が指定されていれば、フラッパ123の切り替えは実行されない。これは、排紙トレイ125への搬送路130がほぼストレートであるため、記録紙に対して柔軟性が要求されないからである。すなわち、搬送路130は、所定以上の柔軟性を有さない(柔軟性の不足した)記録紙も搬送可能な搬送路である。それゆえ、搬送路130は、搬送路131に比べて相対的にジャムが発生しにくい搬送路といえる。
【0029】
ステップ603において、エンジン制御部202は、指定された給紙カセット113または手差しトレイ114から記録紙の給紙を開始する。ステップ604において、エンジン制御部202は、紙厚センサ116からの検出結果(記録紙の厚みの情報)を取り込む。
【0030】
ステップ605において、エンジン制御部202は、記録紙の厚みが所定の閾値を超えるか否かを判定する。なお、閾値には、排紙トレイ128への搬送が困難または実質的に不可能となるような記録紙の厚みの値が採用される。そのため、この閾値は、搬送路131の湾曲部の曲率や摩擦係数などに依存することになる。なお、閾値は、画像形成装置ごとに実験的に決定されることが望ましいだろう。検出された厚みが閾値を超えなければ、フラッパ123を切り替えることなく、本フローチャートに係る処理を終了する。一方、検出された厚みが閾値を超えれば、ステップ606に遷移する。
【0031】
ステップ606において、エンジン制御部202は、排紙先を排紙トレイ125に切り替えるべく、搬送制御部203にフラッパ123の切り替えコマンドを送出する。搬送制御部202は、このコマンドに応じて、フラッパ駆動モータ204を駆動する。これにより、記録紙の搬送路が、排紙トレイ125が終端に設けられている搬送路130へと切り替わる。
【0032】
以上説明したように、本実施形態によれば、記録紙の柔軟性に関する物理的なパラメータ(例:記録紙の厚み)に応じて搬送路を切り替えることで、記録紙の柔軟性が不足していることに伴うジャムの発生を低減または抑制できる。
【0033】
すなわち、記録紙に対して相対的に柔軟性を要求する搬送路131の終端に設けられた排紙トレイ128と、相対的に柔軟性を要求しない搬送路130の終端に設けられた排紙トレイ125とが存在する場合に、本発明は好適に適用されよう。すなわち、エンジン制御部202は、排紙対象の記録紙に関するパラメータ(例:厚み)が閾値を超える場合、排紙トレイ125に記録紙が排紙されるよう搬送路を切り替える。これにより、排紙トレイ128の搬送路131においてジャムとなりそうな記録紙を排紙トレイ125へと排紙できる。よって、ジャムの発生を好適に抑制できよう。
【0034】
また、エンジン制御部202は、パラメータが閾値を超える場合、排紙トレイ128へ記録紙を排紙することが予め指定されていても、排紙トレイ125へ記録紙を排紙するよう搬送路を切り替える。もちろん、元々、排紙トレイ128へ記録紙を排紙することが指定されていれば、搬送路の切り替えは不要となる。このように、ジャムが発生しそうな場合にだけ、搬送路を切り替えればよいという利点がある。
【0035】
なお、上述の実施形態では、パラメータの一例として記録紙の厚みを用いた。しかしながら、本発明はこれに限定されることはない。例えば、重量(坪量)、コシの強さまたは密度などが、柔軟性に関するパラメータとして採用されてもよい。なお、坪量とは一定面積あたりの重量のことを示すものである。この場合、重量、コシの強さまたは密度などを検出するためのセンサが別途必要となることはいうまでもない。
【0036】
[第2の実施形態]
第1の実施形態では画像形成装置本体における記録紙の搬送制御について説明した。そこで、第2の実施形態では、画像形成装置100にオプション装置が装着された状態での搬送制御について説明する。
【0037】
図7は、第2の実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。なお、既に説明した箇所には同一の参照符号を付すことで説明を簡潔にする。画像形成装置100には、排紙オプション装置700が装着されている。
【0038】
排紙オプション装置700に排紙する場合、フラッパ123は上側に切り替えられ(図7の破線の状態)る。これにより、記録紙は排紙ローラ124によって排紙オプション装置700内に誘導される。
【0039】
紙検知センサ121が記録紙の用紙先端を検知すると、エンジン制御部202は、反転フラッパ730の駆動を開始する。記録紙が排紙オプション装置700に搬入されると、エンジン制御部202は、反転ローラ731の回転を開始し、記録紙を排紙オプション装置700内にさらに引き込む。
【0040】
記録紙の用紙後端が反転センサ732を抜けると、エンジン制御部202は、反転ローラ731を逆回転させるとともに、反転フラッパ730を図の実線の位置に切り替え、さらに縦パス搬送ローラ733〜735を駆動する。
【0041】
反転された記録紙は装置の上方に搬送される。エンジン制御部202は、排紙トレイ736〜738にそれぞれ対応する各フラッパ739〜741を適宜切り替えることで、搬送されてきた記録紙を所望の排紙トレイに排紙する。なお、排紙トレイ742は、コシの強い記録紙用の排紙トレイである。
【0042】
図8は、第2の実施形態に係る制御部を示すブロック図である。なお、既に説明した箇所には同一の参照符号を付すことで説明を簡潔にする。制御部800は、排紙オプション装置700の制御ユニットである。
【0043】
オプション制御部810は、エンジン制御部202と通信し、排紙オプション装置700内部の各ユニットの制御を行なう。搬送制御部803は、排紙オプション装置内部の用紙搬送系を駆動する。搬送制御部803は、例えば、フラッパ730、739〜741をそれぞれ個別に駆動するフラッパ駆動モータ804を制御する。オプション制御部801は、反転センサ732など、排紙オプション装置内部における各種センサから検出結果を取得する。
【0044】
図9は、第2の実施形態に係る排紙オプション装置の用紙搬送制御を示すフローチャートである。
【0045】
ステップ901において、オプション制御部801は、エンジン制御部202から搬入予告コマンドを受信するまで待機する。搬入予告コマンドは、画像形成装置100から排紙オプション装置700へ記録紙が搬入されることを予告するためのコマンドである。搬入予告コマンドが受信されると、ステップ902へ遷移する。
【0046】
ステップ902において、オプション制御部801は、エンジン制御部202から受信した情報により、フェースダウン用の排紙トレイ736〜738が排紙先として指定されているか否かを判定する。なお、排紙トレイ736〜738への搬送路は、その一部に湾曲区間が存在しており、柔軟性を有する記録紙を搬送可能な搬送路である。排紙トレイ736〜738が指定されていれば、ステップ903に遷移する。一方、排紙トレイ736〜738が指定されていなければ、オプション制御部801は、本フローチャートに係る処理を終了する。すなわち、排紙先としてフェースアップ用の排紙トレイ742が指定されていれば、フラッパ730の切り替えは実行されない。これは、排紙トレイ742への搬送路はほぼストレートであり、記録紙の柔軟性が要求されないからである。つまり、排紙トレイ742への搬送路は、柔軟性を有しない記録紙を排出するための搬送路である。
【0047】
ステップ903において、オプション制御部801は、記録紙の厚みが所定の閾値を超えるか否かを判定する。なお、オプション制御部801は、記録紙の厚みの情報をエンジン制御部202から受信してもよい。あるいは、オプション制御部801は、記録紙の厚みが所定の閾値を超えるか否かの判定結果をエンジン制御部202から受信してもよい。
【0048】
なお、閾値は、排紙トレイ736〜738への搬送が困難または実質的に不可能となるような記録紙の厚みである。そのため、この閾値は、排紙トレイ736〜738への搬送路の湾曲部の曲率や摩擦係数などに依存することになる。また、閾値は、オプション装置ごとに実験的に決定されることが望ましいだろう。検出された厚みが閾値を超えなければ、フラッパ123を切り替えることなく、本フローチャートに係る処理を終了する。一方、検出された厚みが閾値を超えれば、ステップ904に遷移する。
【0049】
ステップ904において、オプション制御部801は、排紙先を排紙トレイ742へと切り替えるべく、搬送制御部803にフラッパ730の切り替えコマンドを送出する。搬送制御部803は、このコマンドに応じて、フラッパ駆動モータ804を駆動する。これにより、記録紙の搬送路が、排紙トレイ742が終端に設けられている搬送路へと切り替わる。
【0050】
以上説明したように、本実施形態によれば、排紙オプション装置における搬送路についても、記録紙の柔軟性に関するパラメータに基づいて好適に切り替えることができる。これにより、排紙オプション装置におけるジャムの発生を好適に低減できる。
【0051】
なお、排紙オプション装置700内に、記録紙の柔軟性に関するパラメータを検出するためのセンサが設けられていてもよい。この場合、画像形成装置100に当該センサが設けられていない場合であっても、排紙オプション装置700は、排紙オプション装置内におけるジャムの発生を低減できよう。
【0052】
また、第1の実施形態と第2の実施形態とを組み合わせてもよいことはいうまでもない。例えば、フェースダウン用の排紙トレイ128に排紙されるはずの記録紙を、フェースアップ用の排紙トレイ742に排紙してもよい。
【0053】
上述の各実施形態では、画像形成装置100としてプリンタを一例として採用した。しかしながら、本発明に係る画像形成装置は、複写機、複合機、ファクシミリ装置などであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。
【図2】実施形態に係る制御部を示すブロック図である。
【図3】紙厚センサの一例を示す図である。
【図4】位置検出素子からの出力信号とその位置情報との関係を表す図である。
【図5】例示的な紙厚センサの一部を示す回路図である。
【図6】実施形態に係る用紙搬送制御を示すフローチャートである。
【図7】第2の実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。
【図8】第2の実施形態に係る制御部を示すブロック図である。
【図9】第2の実施形態に係る排紙オプション装置の用紙搬送制御を示すフローチャートである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置における記録紙の搬送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の排紙トレイを備える画像形成装置や、複数の排紙ビンを備える排紙オプション装置を装着可能な画像形成装置が提案されている。このような複数の排紙トレイや排紙ビンは、例えば、画像の記録された記録紙を仕分ける際に便利である。
【0003】
しかしながら、複数の排紙ビンの中には、比較的に大きなサイズの記録紙を受け取れない排紙ビンが存在する場合がある。この場合、ユーザが不適切な排紙ビンを指定した場合、プリントジョブが止まってしまう欠点がある。ネットワークに接続されたプリンタであれば、これは、稼働率を極端に低下させる要因となってしまう。
【0004】
この対応策として、ユーザにより指定された排紙トレイへと排紙不可能なサイズの記録紙が検知されると、排紙可能な排紙トレイに排紙先を切り替える方法が提案されている(特許文献1)。
【特許文献1】特開平9−188455号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、複数の排紙トレイや排紙ビンへと記録紙を誘導するための搬送路には、一般に、比較的に直線的な部分と、ある曲率を持った湾曲した部分とが存在する。
【0006】
一方で、画像形成装置に使用される記録紙の種類は年々増加している。記録紙の中には、相対的に柔軟性の高い記録紙や相対的に柔軟性の低い記録紙が存在する。
【0007】
とりわけ、ユーザが不適切なほど厚い記録紙を使用した場合、搬送路の湾曲部で記録紙のジャムが発生してしまうことがあった。上述の従来技術では、記録紙のサイズに応じて排紙トレイを切り替えているが、サイズは必ずしも柔軟性とは関係ない。そのため、記録紙の柔軟性が不足していることが原因で発生するジャムを低減できなかった。
【0008】
そこで、本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、記録紙の柔軟性が不足していることが原因で発生するジャムを低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、記録紙を搬送するための複数の搬送路と、搬送路の終端にそれぞれ設けられた複数の排紙部とを有する画像形成装置に対して好適に適用できる。画像形成装置は、記録紙の柔軟性に関する物理的なパラメータを検出し、検出されたパラメータに応じて搬送路を切り替える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、記録紙の柔軟性に関するパラメータを考慮して搬送路を切り替えることで、記録紙の柔軟性に起因するジャムの発生を低減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に本発明の一実施形態を示す。もちろん以下で説明される個別の実施形態は、本発明の上位概念、中位概念および下位概念など種々の概念を理解するために役立つであろう。また、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲によって確定されるのであって、以下の個別の実施形態によって限定されるわけではない。
【0012】
[第1の実施形態]
図1は、実施形態に係る例示的な画像形成装置の概略構成を示す図である。この画像形成装置100は、電子写真方式のプリンタである。ただし、本発明は、画像形成方式に依存することはない。そのため、本発明は、インクジェット方式など他の方式を採用する画像形成装置にも好適に適用できる。
【0013】
画像形成部110は、いわゆる電子写真方式の画像形成エンジンである。記録紙カセット113に収納されている記録紙や手指しトレイ114から給紙された記録紙が画像形成部110へと搬送され、画像が形成される。
【0014】
本実施形態では、記録紙の柔軟性に関する物理的なパラメータを検出するための検出部として、紙厚センサ116が採用されている。紙厚センサ116は、記録紙の厚みを測定する先センサである。なお、紙厚センサ116に代えて、または、紙厚センサ166とともに、記録紙の重量、コシの強さまたは密度などを検出できるセンサが採用されてもよい。ここで、「コシ」とは、記録紙の曲げやすさを表す用語である。
【0015】
紙検知センサ121は、画像を形成されて搬送されてきた記録紙を検出するためのセンサである。排紙ローラ122は、画像の形成された記録紙をフラッパ123まで搬送するローラである。
【0016】
フラッパ123は、検出されたパラメータに応じて搬送路を切り替えるための機構である。例えば、排紙の種類には、フェースアップ排紙と、フェースダウン排紙とがある。フェースアップ排紙は、画像形成面を上側にして1枚ずつ記録紙を排紙することをいう。一方、フェースダウン排紙は、画像形成面を下側にし、かつ、ページの順番通りに1枚ずつ記録紙を排紙することをいう。
【0017】
フェースアップ排紙の場合、フラッパ123は、制御部150により制御され、記録紙を搬送路130へと誘導するように切り替わる。この場合、記録紙は、排紙ローラ124によってフェースアップ用の排紙トレイ125に排紙される。一方、フェースダウン排紙の場合、フラッパ123は、制御部150により制御され、記録紙を搬送路131へと誘導するように切り替わる。この場合、記録紙は、搬送ローラ126および127により搬送され、フェースダウン用の排紙トレイ128に排紙される。
【0018】
図2は、実施形態に係る制御部を示すブロック図である。画像形成コントローラ201は、ホストコンピュータ等から受信した画像データ(PDLデータなど)を、ビットマップデータに展開する。なお、画像形成コントローラ201は、エンジン制御部202と通信することで、画像形成装置内部の状況を認識したり、画像形成装置の動作モードを切り替えるためのコマンドを送出したりする。
【0019】
エンジン制御部202は、画像形成コントローラ201から送出されるコマンド等に基づき、画像形成装置内部の各ユニットを制御する。なお、エンジン制御部202は、紙厚センサ116からの検出信号や紙検知センサ121からの検出信号を受信する。エンジン制御部202は、検出した信号を搬送制御や搬送路の切り替え制御に利用する。
【0020】
搬送制御部203は、エンジン制御部202の指示に基づき、画像形成装置内部の用紙搬送系を駆動する。フラッパ駆動モータ204は、搬送制御部203の指示に基づき、フラッパ123を切り替えるためのモータである。
【0021】
図3は、紙厚センサの一例を示す図である。この紙厚センサは、光学式反射型変位センサであるが、本発明の紙厚センサは、光学式反射型変位センサのみに限定されるわけではない。
【0022】
紙厚センサ116は、発光素子(例:LED)301からの光を検出媒体(例:記録紙)に照射し、その検出媒体からの反射光をレンズ302および位置検出素子(PSD)303により検出している。検出媒体からの反射光はレンズ302によってPSD303上に集光される。
【0023】
例えば、検出媒体の厚みがxのとき、反射光は、PSD303上のB点に集光される(実線)。一方、検出媒体がない場合、反射光は、PSD303上のA点に集光される(点線)。このように、集光された反射光の重心位置は検出媒体の厚みxに応じて変化する。したがって、PSD303からの出力信号を処理することで、検出媒体の厚みxを測定できることになる。
【0024】
図4は、位置検出素子からの出力信号とその位置情報との関係を表す図である。PSD303からの出力電流をI1、I2とする。PSD303の全長をLとする。PSD303の中央から反射光の重心までの距離をyとすると、以下の式が成り立つ。
【0025】
(I1−I2)/(I1+I2)=2y/L
図5は、例示的な紙厚センサの一部を示す回路図である。すなわち、上述の式がこの回路図により表現されている。出力電流I1、I2、は、それぞれ電流電圧変換素子501、502を介して減算回路503と加算回路504に入力される。減算回路503の出力と加算回路504の出力とが除算回路505に入力される。そして、除算回路505から位置情報が出力される。出力された位置情報は電圧値であるため、エンジン制御部202内のA/Dコンバータによりデジタル値に変換される。なお、エンジン制御部202が、このデジタル値に所定の係数を乗じることで、最終的な位置情報が得られる。
【0026】
図6は、実施形態に係る用紙搬送制御を示すフローチャートである。ステップ601において、エンジン制御部202は、画像形成コントローラ201からプリント命令があるまで待機する。プリント命令を受信すると、処理はステップ602に遷移する。
【0027】
ステップ602において、エンジン制御部202は、フェースダウン用の排紙トレイ128が排紙先として指定されているか否かを判定する。図1に示したように、排紙トレイ128までの搬送路の一部には湾曲区間が存在する。よって、この判定処理は、紙ジャムが発生しうるような湾曲区間を有する搬送路の終端に設けられた排紙トレイ(または排紙ビン)が、排紙先として指定されているかを判定することと同義である。もちろん、このような湾曲区間を有する搬送路131は、記録紙に対して柔軟性を要求する搬送路である。すなわち、搬送路131は、所定以上の柔軟性を有する記録紙を搬送することができる搬送路である。もし、このような搬送路131に、所定以上の柔軟性を有さない(柔軟性の不足した)記録紙が通されると、ジャムが発生しやすくなる。所定以上の柔軟性がどのくらいの値となるかについては、搬送路の物理的な特性(摩擦係数や湾曲率など)によって決定される。
【0028】
排紙トレイ128が指定されていれば、ステップ603に遷移する。一方、排紙トレイ128が指定されていなければ、エンジン制御部202は、本フローチャートに係る処理を終了する。すなわち、排紙先として排紙トレイ125が指定されていれば、フラッパ123の切り替えは実行されない。これは、排紙トレイ125への搬送路130がほぼストレートであるため、記録紙に対して柔軟性が要求されないからである。すなわち、搬送路130は、所定以上の柔軟性を有さない(柔軟性の不足した)記録紙も搬送可能な搬送路である。それゆえ、搬送路130は、搬送路131に比べて相対的にジャムが発生しにくい搬送路といえる。
【0029】
ステップ603において、エンジン制御部202は、指定された給紙カセット113または手差しトレイ114から記録紙の給紙を開始する。ステップ604において、エンジン制御部202は、紙厚センサ116からの検出結果(記録紙の厚みの情報)を取り込む。
【0030】
ステップ605において、エンジン制御部202は、記録紙の厚みが所定の閾値を超えるか否かを判定する。なお、閾値には、排紙トレイ128への搬送が困難または実質的に不可能となるような記録紙の厚みの値が採用される。そのため、この閾値は、搬送路131の湾曲部の曲率や摩擦係数などに依存することになる。なお、閾値は、画像形成装置ごとに実験的に決定されることが望ましいだろう。検出された厚みが閾値を超えなければ、フラッパ123を切り替えることなく、本フローチャートに係る処理を終了する。一方、検出された厚みが閾値を超えれば、ステップ606に遷移する。
【0031】
ステップ606において、エンジン制御部202は、排紙先を排紙トレイ125に切り替えるべく、搬送制御部203にフラッパ123の切り替えコマンドを送出する。搬送制御部202は、このコマンドに応じて、フラッパ駆動モータ204を駆動する。これにより、記録紙の搬送路が、排紙トレイ125が終端に設けられている搬送路130へと切り替わる。
【0032】
以上説明したように、本実施形態によれば、記録紙の柔軟性に関する物理的なパラメータ(例:記録紙の厚み)に応じて搬送路を切り替えることで、記録紙の柔軟性が不足していることに伴うジャムの発生を低減または抑制できる。
【0033】
すなわち、記録紙に対して相対的に柔軟性を要求する搬送路131の終端に設けられた排紙トレイ128と、相対的に柔軟性を要求しない搬送路130の終端に設けられた排紙トレイ125とが存在する場合に、本発明は好適に適用されよう。すなわち、エンジン制御部202は、排紙対象の記録紙に関するパラメータ(例:厚み)が閾値を超える場合、排紙トレイ125に記録紙が排紙されるよう搬送路を切り替える。これにより、排紙トレイ128の搬送路131においてジャムとなりそうな記録紙を排紙トレイ125へと排紙できる。よって、ジャムの発生を好適に抑制できよう。
【0034】
また、エンジン制御部202は、パラメータが閾値を超える場合、排紙トレイ128へ記録紙を排紙することが予め指定されていても、排紙トレイ125へ記録紙を排紙するよう搬送路を切り替える。もちろん、元々、排紙トレイ128へ記録紙を排紙することが指定されていれば、搬送路の切り替えは不要となる。このように、ジャムが発生しそうな場合にだけ、搬送路を切り替えればよいという利点がある。
【0035】
なお、上述の実施形態では、パラメータの一例として記録紙の厚みを用いた。しかしながら、本発明はこれに限定されることはない。例えば、重量(坪量)、コシの強さまたは密度などが、柔軟性に関するパラメータとして採用されてもよい。なお、坪量とは一定面積あたりの重量のことを示すものである。この場合、重量、コシの強さまたは密度などを検出するためのセンサが別途必要となることはいうまでもない。
【0036】
[第2の実施形態]
第1の実施形態では画像形成装置本体における記録紙の搬送制御について説明した。そこで、第2の実施形態では、画像形成装置100にオプション装置が装着された状態での搬送制御について説明する。
【0037】
図7は、第2の実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。なお、既に説明した箇所には同一の参照符号を付すことで説明を簡潔にする。画像形成装置100には、排紙オプション装置700が装着されている。
【0038】
排紙オプション装置700に排紙する場合、フラッパ123は上側に切り替えられ(図7の破線の状態)る。これにより、記録紙は排紙ローラ124によって排紙オプション装置700内に誘導される。
【0039】
紙検知センサ121が記録紙の用紙先端を検知すると、エンジン制御部202は、反転フラッパ730の駆動を開始する。記録紙が排紙オプション装置700に搬入されると、エンジン制御部202は、反転ローラ731の回転を開始し、記録紙を排紙オプション装置700内にさらに引き込む。
【0040】
記録紙の用紙後端が反転センサ732を抜けると、エンジン制御部202は、反転ローラ731を逆回転させるとともに、反転フラッパ730を図の実線の位置に切り替え、さらに縦パス搬送ローラ733〜735を駆動する。
【0041】
反転された記録紙は装置の上方に搬送される。エンジン制御部202は、排紙トレイ736〜738にそれぞれ対応する各フラッパ739〜741を適宜切り替えることで、搬送されてきた記録紙を所望の排紙トレイに排紙する。なお、排紙トレイ742は、コシの強い記録紙用の排紙トレイである。
【0042】
図8は、第2の実施形態に係る制御部を示すブロック図である。なお、既に説明した箇所には同一の参照符号を付すことで説明を簡潔にする。制御部800は、排紙オプション装置700の制御ユニットである。
【0043】
オプション制御部810は、エンジン制御部202と通信し、排紙オプション装置700内部の各ユニットの制御を行なう。搬送制御部803は、排紙オプション装置内部の用紙搬送系を駆動する。搬送制御部803は、例えば、フラッパ730、739〜741をそれぞれ個別に駆動するフラッパ駆動モータ804を制御する。オプション制御部801は、反転センサ732など、排紙オプション装置内部における各種センサから検出結果を取得する。
【0044】
図9は、第2の実施形態に係る排紙オプション装置の用紙搬送制御を示すフローチャートである。
【0045】
ステップ901において、オプション制御部801は、エンジン制御部202から搬入予告コマンドを受信するまで待機する。搬入予告コマンドは、画像形成装置100から排紙オプション装置700へ記録紙が搬入されることを予告するためのコマンドである。搬入予告コマンドが受信されると、ステップ902へ遷移する。
【0046】
ステップ902において、オプション制御部801は、エンジン制御部202から受信した情報により、フェースダウン用の排紙トレイ736〜738が排紙先として指定されているか否かを判定する。なお、排紙トレイ736〜738への搬送路は、その一部に湾曲区間が存在しており、柔軟性を有する記録紙を搬送可能な搬送路である。排紙トレイ736〜738が指定されていれば、ステップ903に遷移する。一方、排紙トレイ736〜738が指定されていなければ、オプション制御部801は、本フローチャートに係る処理を終了する。すなわち、排紙先としてフェースアップ用の排紙トレイ742が指定されていれば、フラッパ730の切り替えは実行されない。これは、排紙トレイ742への搬送路はほぼストレートであり、記録紙の柔軟性が要求されないからである。つまり、排紙トレイ742への搬送路は、柔軟性を有しない記録紙を排出するための搬送路である。
【0047】
ステップ903において、オプション制御部801は、記録紙の厚みが所定の閾値を超えるか否かを判定する。なお、オプション制御部801は、記録紙の厚みの情報をエンジン制御部202から受信してもよい。あるいは、オプション制御部801は、記録紙の厚みが所定の閾値を超えるか否かの判定結果をエンジン制御部202から受信してもよい。
【0048】
なお、閾値は、排紙トレイ736〜738への搬送が困難または実質的に不可能となるような記録紙の厚みである。そのため、この閾値は、排紙トレイ736〜738への搬送路の湾曲部の曲率や摩擦係数などに依存することになる。また、閾値は、オプション装置ごとに実験的に決定されることが望ましいだろう。検出された厚みが閾値を超えなければ、フラッパ123を切り替えることなく、本フローチャートに係る処理を終了する。一方、検出された厚みが閾値を超えれば、ステップ904に遷移する。
【0049】
ステップ904において、オプション制御部801は、排紙先を排紙トレイ742へと切り替えるべく、搬送制御部803にフラッパ730の切り替えコマンドを送出する。搬送制御部803は、このコマンドに応じて、フラッパ駆動モータ804を駆動する。これにより、記録紙の搬送路が、排紙トレイ742が終端に設けられている搬送路へと切り替わる。
【0050】
以上説明したように、本実施形態によれば、排紙オプション装置における搬送路についても、記録紙の柔軟性に関するパラメータに基づいて好適に切り替えることができる。これにより、排紙オプション装置におけるジャムの発生を好適に低減できる。
【0051】
なお、排紙オプション装置700内に、記録紙の柔軟性に関するパラメータを検出するためのセンサが設けられていてもよい。この場合、画像形成装置100に当該センサが設けられていない場合であっても、排紙オプション装置700は、排紙オプション装置内におけるジャムの発生を低減できよう。
【0052】
また、第1の実施形態と第2の実施形態とを組み合わせてもよいことはいうまでもない。例えば、フェースダウン用の排紙トレイ128に排紙されるはずの記録紙を、フェースアップ用の排紙トレイ742に排紙してもよい。
【0053】
上述の各実施形態では、画像形成装置100としてプリンタを一例として採用した。しかしながら、本発明に係る画像形成装置は、複写機、複合機、ファクシミリ装置などであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。
【図2】実施形態に係る制御部を示すブロック図である。
【図3】紙厚センサの一例を示す図である。
【図4】位置検出素子からの出力信号とその位置情報との関係を表す図である。
【図5】例示的な紙厚センサの一部を示す回路図である。
【図6】実施形態に係る用紙搬送制御を示すフローチャートである。
【図7】第2の実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。
【図8】第2の実施形態に係る制御部を示すブロック図である。
【図9】第2の実施形態に係る排紙オプション装置の用紙搬送制御を示すフローチャートである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録紙を搬送するための複数の搬送路と、
前記複数の搬送路のそれぞれ対応して設けられた複数の排紙部と、
前記記録紙の柔軟性に関するパラメータを検出する検出部と、
前記検出部によって検出されたパラメータに応じて前記搬送路を切り替える切替部と
を含むことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記複数の排紙部は、
前記記録紙に対して相対的に柔軟性を要求する搬送路に対応する第1の排紙部と、
前記記録紙に対して相対的に柔軟性を要求しない搬送路に対応する第2の排紙部と
を含み、
前記切替部は、排紙対象の記録紙に関する前記パラメータが閾値を超える場合、前記第2の排紙部に該記録紙が排紙されるよう前記搬送路を切り替えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記切替部は、前記排紙対象の記録紙に関する前記パラメータが閾値を超える場合、前記第1の排紙部へ該記録紙を排紙することが予め指定されていても、前記第2の排紙部へ該記録紙を排紙するよう前記搬送路を切り替えることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記パラメータは、前記記録紙の厚み、重量、コシの強さまたは密度であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
排紙オプション装置と該排紙オプション装置を接続可能な画像形成装置とを含む画像形成システムであって、
前記排紙オプション装置に設けられた、記録紙を搬送するための複数の搬送路と、
前記排紙オプション装置における前記搬送路のそれぞれに対応して設けられた複数の排紙部と、
前記記録紙の柔軟性に関するパラメータを検出する検出部と、
前記検出部によって検出されたパラメータに応じて前記搬送路を切り替える切替部と
を含むことを特徴とする画像形成システム。
【請求項6】
画像形成装置に装着される排紙オプション装置であって、
記録紙を搬送するための複数の搬送路と、
前記搬送路のそれぞれに対応して設けられた複数の排紙部と、
前記画像形成装置または前記排紙オプション装置において検出された、前記記録紙の柔軟性に関するパラメータに応じて、前記搬送路を切り替える切替部と
を含むことを特徴とする排紙オプション装置。
【請求項7】
複数の搬送路及び該搬送路のそれぞれに対応した排紙部とを有する画像形成装置の制御方法であって、
記録紙の柔軟性に関するなパラメータを検出する検出工程と、
前記検出されたパラメータに応じて前記搬送路を切り替える切替工程と
を含むことを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項1】
記録紙を搬送するための複数の搬送路と、
前記複数の搬送路のそれぞれ対応して設けられた複数の排紙部と、
前記記録紙の柔軟性に関するパラメータを検出する検出部と、
前記検出部によって検出されたパラメータに応じて前記搬送路を切り替える切替部と
を含むことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記複数の排紙部は、
前記記録紙に対して相対的に柔軟性を要求する搬送路に対応する第1の排紙部と、
前記記録紙に対して相対的に柔軟性を要求しない搬送路に対応する第2の排紙部と
を含み、
前記切替部は、排紙対象の記録紙に関する前記パラメータが閾値を超える場合、前記第2の排紙部に該記録紙が排紙されるよう前記搬送路を切り替えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記切替部は、前記排紙対象の記録紙に関する前記パラメータが閾値を超える場合、前記第1の排紙部へ該記録紙を排紙することが予め指定されていても、前記第2の排紙部へ該記録紙を排紙するよう前記搬送路を切り替えることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記パラメータは、前記記録紙の厚み、重量、コシの強さまたは密度であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
排紙オプション装置と該排紙オプション装置を接続可能な画像形成装置とを含む画像形成システムであって、
前記排紙オプション装置に設けられた、記録紙を搬送するための複数の搬送路と、
前記排紙オプション装置における前記搬送路のそれぞれに対応して設けられた複数の排紙部と、
前記記録紙の柔軟性に関するパラメータを検出する検出部と、
前記検出部によって検出されたパラメータに応じて前記搬送路を切り替える切替部と
を含むことを特徴とする画像形成システム。
【請求項6】
画像形成装置に装着される排紙オプション装置であって、
記録紙を搬送するための複数の搬送路と、
前記搬送路のそれぞれに対応して設けられた複数の排紙部と、
前記画像形成装置または前記排紙オプション装置において検出された、前記記録紙の柔軟性に関するパラメータに応じて、前記搬送路を切り替える切替部と
を含むことを特徴とする排紙オプション装置。
【請求項7】
複数の搬送路及び該搬送路のそれぞれに対応した排紙部とを有する画像形成装置の制御方法であって、
記録紙の柔軟性に関するなパラメータを検出する検出工程と、
前記検出されたパラメータに応じて前記搬送路を切り替える切替工程と
を含むことを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2007−176695(P2007−176695A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−380177(P2005−380177)
【出願日】平成17年12月28日(2005.12.28)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月28日(2005.12.28)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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