説明

画像形成装置およびその制御方法

【課題】 画像形成動作中に画像調整が必要と判断された場合においてユーザのプリント待ち時間をできるだけ短縮することができる画像形成装置及びその制御方法を提供する。
【解決手段】 ジョブに基づいて複数の現像剤を用いてトナー像を形成する複数の画像形成ステーションを有するカラー画像形成装置で、ジョブに基づいて連続した画像形成動作の途中で調整処理が必要か否かを判別し、調整処理が必要と判別された場合に、前記複数の画像形成ステーションの各々に対して、前記判別された調整処理が、前記画像形成動作の途中で実行できる空き時間を有するか否かを判定し、実行する空き時間を有すると判定された画像形成ステーションで、前記空き時間に前記判別された調整処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式や静電記録方式などを採用した画像形成装置およびその制御方法に関し、特に、カラー画像形成装置の画像調整制御に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、カラー画像形成装置、特に、タンデム系(4D機など)の画像形成装置では、出力枚数の増加や環境の変化などにより出力画像の濃度や濃度バランスが徐々に変化することが避けられない。
【0003】
そのため、種々な調整処理が提案されており、例えば、画像形成動作中に自動で実行される自動メンテナンス処理または調整処理を実施することに関連する様々な提案がなされている(例えば、特許文献1)。例えば、画像形成動作中に画像形成条件を調整する必要性を判断する手段と画像形成条件を調整する手段とを有し、調整の必要性があると判断された場合に、実行中の画像形成が終了するまで画像形成条件の調整を抑制する画像形成装置が提案されている。
【特許文献1】特開平10-243235号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記説明した技術では、画像調整処理が必要と判断された場合には、画像形成実行中のジョブが終了するまで調整が抑制され、ジョブの終了後に画像調整処理を行う必要があった。このため、ジョブ終了後に必ず画像調整処理のダウンタイムが発生するため、連続してジョブを行う場合には、ユーザがプリント待ち状態で拘束される時間が長くなってしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、上記説明した従来技術の問題点を解決することを出発点としてなされたものである。その目的は、画像形成動作中に画像調整が必要と判断された場合においてユーザのプリント待ち時間をできるだけ短縮することができる画像形成装置及びその制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための本発明に係る画像形成装置は、以下の構成を有する。すなわち、画像形成を行わせるためのジョブに基づいて複数の現像剤を用いてトナー像を形成する複数の画像形成ステーションを有する画像形成装置であって、前記ジョブに基づいて連続する画像形成動作の途中に調整処理が必要か否かを判別する判別手段と、前記判別手段によって前記調整処理が必要と判別された場合に、前記判別された調整処理に対して、前記複数の画像形成ステーションの各々が、前記画像形成動作の途中で実行できる空き時間を有するか否かを判定する判定手段と、前記判定手段が実行する空き時間を有すると判定された画像形成ステーションに対して、前記空き時間に前記判別された調整処理を実行する調整処理実行手段と、を有することを特徴とする。
【0007】
ここで、前記判定手段は、前記複数の画像形成ステーションの各々に対して、前記連続する画像形成動作の途中における画像形成動作を行わない空き時間を算出する算出手段を有する。また、前記算出手段は、前記複数の画像形成ステーションの各々に対して、先行する画像の形成終了から1頁の画像の形成に必要な画像形成時間以上を空けた次の画像の形成開始までの空き時間を算出する。また、前記算出手段は、前記各現像剤が前記ジョブの各頁の画像の形成に必要か否かの情報と、1頁の画像の形成に必要な画像形成時間と、画像を形成してから次の画像を形成するまでの移動時間とから、前記連続する画像形成動作の途中における画像形成動作を行わない空き時間を算出する。また、前記判定手段は、前記判別手段によって前記画像形成動作の途中で複数の調整処理を行う必要があると判別された場合に、前記複数の調整処理に必要な合計時間以上の前記空き時間を有する前記画像形成ステーションが有ることを判定すると、前記調整処理実行手段は、前記複数の調整処理に必要な合計時間以上の前記空き時間を有する前記画像形成ステーションに前記複数の調整処理を実行し、前記判定手段は、前記判別手段によって前記画像形成動作の途中で複数の調整処理を行う必要があると判別された場合に、前記複数の調整処理に必要な合計時間未満の前記空き時間を有する前記画像形成ステーションが有ることを判定すると、前記調整処理実行手段は、前記複数の調整処理に必要な合計時間未満の前記空き時間を有する前記画像形成ステーションに前記複数の調整処理のそれぞれを分けて実行する。また、前記判別手段は、前回の調整処理からの経過時間、または、前回の調整処理後に形成した画像形成枚数によって前記調整処理が必要か否かを判別する。また、前記調整処理は、トナー補給量の調整処理、劣化した現像剤の吐き出し処理を含む。
【0008】
また、本発明の画像形成装置の制御方法は、画像形成を行わせるためのジョブに基づいて複数の現像剤を用いてトナー像を形成する複数の画像形成ステーションを有するカラー画像形成装置の制御方法であって、前記ジョブに基づいて連続する画像形成動作の途中で調整処理が必要か否かを判別する判別工程と、前記判別工程で前記調整処理が必要と判別された場合に、前記判別された調整処理に対して、前記複数の画像形成ステーションの各々が、前記画像形成動作の途中で実行する空き時間を有するか否かを判定する判定工程と、前記判定工程で実行する空き時間を有すると判定された画像形成ステーションで、前記空き時間に前記判別された調整処理を実行する調整処理実行工程と、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、画像形成動作中に画像調整が必要と判断された場合においてユーザのプリント待ち時間をできるだけ短縮することができる画像形成装置及びその制御方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
[特徴]
本実施形態のカラー画像形成装置は、画像形成を行わせるためのジョブに基づいて連続して画像を形成する画像形成動作中において、調整処理が必要と判断された場合、ユーザのプリント待ち時間をできるだけ短縮する処理を行うことができる。ここで、調整処理とは、出力枚数の増加や環境の変化などによりカラー画像形成装置の出力画像の濃度や濃度バランスが徐々に変化するので、画像形成のパラメータを調整するための処理である。この調整処理は、前回の調整処理から予め決められた時間を経過したとき、または、前回の調整処理後に形成した画像形成枚数が予め決められた枚数を超えたときなどに行われる。画像形成のパラメータとは、例えば、画像形成で用いるトナー補給量、劣化した現像剤の吐き出し処理などである。また、画像形成のパラメータは、安定なトナー濃度を実現するためのパッチ検知処理、劣化した現像剤の吐き出し処理などによって算出され、補正される。
【0011】
本画像形成装置の動作を説明すると、ジョブに基づいて複数の現像剤を用いてトナー像を形成する複数の画像形成ステーションを有しており、ジョブに基づいて連続して画像形成動作中に、調整処理を行うか否かを判別する。そして、調整処理が必要であると判別された場合に、判別された調整処理に対して、複数の画像形成ステーションの中から、画像形成の途中で実行できる空き時間を有する画像形成ステーションを選択する。また、選択された画像形成ステーションに対して、画像形成動作の途中に行う画像調整処理の順番を個別にスケジューリングすることもできる。そのため、画像形成装置では、画像形成動作中に画像形成に使用していない画像形成ステーションを選択し個別に空き時間を利用して、選択した画像形成ステーションの調整処理を他の画像形成ステーションによる画像形成と並行して行うことができる。その結果、画像形成装置では、調整処理のダウンタイムをできるだけ短縮することができるのでユーザビリティーを向上させることができる。なお調整処理の必要な画像形成ステーションに空き時間が無い場合には画像形成ジョブの終了後に行えばよい。本発明の特徴は図2B〜6に示される。
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の画像形成装置について詳しく説明する。
【0013】
[画像形成装置:図1]
図1は、本実施形態に係る電子写真カラー画像形成装置1の全体構成を示す概略断面図である。
【0014】
本実施形態のカラー画像形成装置1は、複数の画像形成ステーションを並列に配し、且つ中間転写方式を採用したカラー画像出力装置である。カラー画像形成装置1は、画像読取部1Rと、画像出力部1Pとを有する。画像読取部1Rは、原稿画像を光学的に読み取り、電気信号に変換して画像出力部1Pに送信する。画像出力部1Pは、複数の、本実施形態では4つ並設された画像形成ステーション10(10a、10b、10c、10d)と、給紙ユニット20と、中間転写ユニット30と、定着ユニット40と、クリーニングユニット50と、制御ユニット80とを有する。
【0015】
更に、個々のユニットについて詳しく説明する。
【0016】
各画像形成ステーション10(10a、10b、10c、10d)は同じ構成を有する。そして、各画像形成ステーション10(10a、10b、10c、10d)では、第一の像担持体として感光体ドラム11(11a、11b、11c、11d)が回転自在に軸支され、矢印方向に回転駆動される。感光体ドラム11a〜11dの外周面に対向してその回転方向に一次帯電部12(12a、12b、12c、12d)、光学系13(13a、13b、13c、13d)、折り返しミラー16(16a、16b、16c、16d)が配置される。また、現像部14(14a、14b、14c、14d)、及びクリーニング部15(15a、15b、15c、15d)も配置される。感光体ドラム11(11a、11b、11c、11d)はそれぞれ回転軸を基準にここでは図示しない離間モータによって、それぞれ独立に中間転写ユニット30との離間および接合が自在となっている。
【0017】
一次帯電部12a〜12dは感光体ドラム11a〜11dの表面に均一な帯電量の電荷を与える。次いで、光学系13a〜13dは、記録画像信号出力部である画像読取部1Rからの記録画像信号に応じて変調した、レーザービームなどの光線を折り返しミラー16a〜16dを介して感光体ドラム11a〜11d上に露光して、静電潜像を形成する。現像部14a〜14dは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)といった4色の現像剤(以下、「トナー」という。)を収納し静電潜像を顕像化する。
【0018】
顕像化された可視画像は画像転写領域Ta、Tb、Tc、Tdにて中間転写ユニット30を構成する第二の像担持体として中間転写ベルト31に転写する。中間転写ユニット30については、後で詳述する。
【0019】
画像転写領域Ta、Tb、Tc、Tdの下流側に設けられたクリーニング部15a、15b、15c、15dは、中間転写体に転写されずに感光体ドラム11a〜11d上に残されたトナーを掻き落としてドラム表面の清掃を行う。以上に示したプロセスにより、各トナーによる画像形成が順次行われる。
【0020】
給紙ユニット20は、転写材Pを収納するためのカセット21a、21b及び手差しトレイ27と、カセット21a、21b若しくは手差しトレイ27より転写材Pを一枚ずつ送り出すためのピックアップローラ22a、22b、26を有する。また、給紙ユニット20は、各ピックアップローラから送り出された転写材Pを更に搬送するための給紙ローラ対23と、給紙ガイド24と、各画像形成部の画像形成タイミングに合わせて転写材Pを二次転写領域Teへ送り出すためのレジストローラ25a、25bとを有する。
【0021】
中間転写ユニット30について詳細に説明する。
【0022】
中間転写ベルト31は、中間転写ベルト31に駆動を伝達する駆動ローラ32を有する。中間転写ベルト31は、ばね(図示せず)の付勢によって中間転写ベルト31に適度なテンションを与えるテンションローラとしての、中間転写ベルト31の回動に従動する従動ローラ33と、二次転写対向ローラ34との間に張設巻回されている。又、駆動ローラ32と従動ローラ33の間に一次転写平面Aが形成される。中間転写ベルト31としては、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)、PVdF(ポリフッ化ビニリデン)などが用いられる。駆動ローラ32は、金属ローラの表面に数mm厚のゴム(ウレタン又はクロロプレン)をコーティングしてベルトとのスリップを防いでいる。駆動ローラ32は、パルスモータ(不図示)によって回転駆動される。
【0023】
各感光体ドラム11a〜11dと中間転写ベルト31が対向する一次転写領域Ta〜Tdには、中間転写ベルト31の裏に一次転写部35(35a〜35d)が配置される。二次転写ローラ36は、二次転写対向ローラ34の対向側に配置され、中間転写ベルト31とのニップによって二次転写領域Teを形成する。二次転写ローラ36は、中間転写ベルト31に対して適度な圧力で加圧される。
【0024】
また、中間転写ベルト31の二次転写領域Teの下流には中間転写ベルト31の画像形成面をクリーニングするためのクリーニングユニット50が配置される。クリーニングユニット50は、中間転写ベルト31上のトナーを除去するためのクリーニングブレード51と、廃トナーを収納する廃トナーボックス52とを備えている。
【0025】
定着ユニット40は、内部にハロゲンヒーターなどの熱源を備えた定着ローラ41aと、加圧ローラ41b(このローラにも熱源を備える場合もある)とを有する。更に、ローラ対41a、41bのニップ部へ転写材Pを導くためのガイド43、定着ユニットの熱を内部に閉じ込めるための定着断熱カバー46、47を有する。また、ローラ対41a、41bの下流側には、排出されてきた転写材Pを装置外部に導き出すための内排紙ローラ44、外排紙ローラ45、及び、転写材P積載する排紙トレー48などを備えている。
【0026】
[制御部の構成:図2A]
図2Aは制御部80のブロック図である。
【0027】
スキャナ部201は画像読み取りを行い、RGB−IP部202はその画像データを画像処理し、FAX部203はファクシミリなどに代表される電話回線を利用した画像の送受信を行う。また、NIC(Network Interface Card)部204はネットワークを利用して画像データや装置情報をやりとりし、PDL部205はコンピュータ側から送られてきたページ記述言語(PDL)を画像信号に展開する。アドオン部212は、通常スルーであるが、アドオン情報の付加と解除を行う際には有効になる。そして、コア部206は、画像形成装置の使い方に応じて画像信号を一時保存したり、経路を決定する。コア部206のメイン制御部700は全てのモジュールを統括するコントロール部であり、そのCPUはROMに格納された制御プログラムに基づいてRAMを作業領域に使用しながら、例えば後述する図4に示す画像形成処理などを実行することができる。コア部206から出力された画像データは、CMYK−IP部207を経由して、PWM部208に送られた後、画像形成を行うプリンタ部209に送られプリントアウトされる。
【0028】
[ROM/RAMの構成:図2B]
次に、上記説明したROM,RAMの構成の一例について図2Bを用いて説明する。なお、図2Bには本発明に関連する構成について記載し、本発明と関係しないものまたは関係の薄いものは記載を省略した。
【0029】
ROMには、領域301にシステムプログラム、領域302に画像形成制御プログラム、領域303に各種調整処理プログラム(例えば、パッチ検知処理、1次転写ATVC処理、現像剤吐き出し処理、ATR処理など)などが格納される。また、領域304には濃度調整時間(パッチ検知処理)や転写電圧調整時間(1次転写ATVC処理時間)や現像剤吐き出し調整時間、領域305には各種画像サイズ(A4,B4など)に対応した1頁の画像形成時間や画像と画像間の移動時間が記憶される。
【0030】
RAMには、領域306に画像形成を行なわせるためのジョブの出力中に検出された調整処理が必要な調整項目や、ジョブの出力中に検出された調整処理において必要な調整項目の合計調整時間が記憶される。また、領域307には、入力画像データとそのジョブ情報(画像の種類(RGB、YMC、ページ記述言語など)、画像枚数、サイズ)が記憶される。領域308には、領域307の入力画像データに基づいて作成されたYMCKの現像剤を用いる出力画像データが各ページに記憶される。領域309には領域308の出力画像データに基づいて作成された各画像形成に使用する色情報(図3C参照)が記憶される。また、領域310には、各画像の形成に使用しない現像剤の抽出結果(図3D参照)が記憶される。また、領域311には、各画像形成ステーションの画像形成停止時間(空き時間)(図3E参照)が記憶される。また、領域312には、各画像形成ステーションの画像形成停止時間(空き時間)に調整項目をスケジューリングした結果(図5B、6B参照)が記憶される。また、領域310は、プログラムロード領域として使用される領域である。
【0031】
[RGB−IP部の構成:図9]
次に、図9〜図13を用いて、図2Aで説明したRGB−IP部202、FAX部203,NIC部204,PDL部205、コア部206、CMYK−IP部207、PWM部208の詳細および給紙動作について説明する。
【0032】
まず、図9を用いてスキャナ部201及びRGB−IP部202について説明する。
【0033】
入力された光学的信号は、CCDセンサにより電気信号に変換される。CCDセンサはRGB3ラインのカラーセンサであり、RGBそれぞれの画像信号としてA/D変換部401に入力される。ここでゲイン調整、オフセット調整をされた後、A/Dコンバータで、各色信号に8bitのデジタル画像信号R0,G0,B0に変換される。その後、シェーディング402では、色ごとに、基準白色板の読み取り信号を用いた、公知のシェーディング補正を行う。ラインディレイ調整回路403では、CCDセンサの各色ラインセンサが相互に所定の距離を隔てて配置されているため、副走査方向の空間的ずれを補正する。
【0034】
次に、入力マスキング部404は、CCDセンサのR,G,Bフィルタの分光特性で決まる読取色空間を、NTSCの標準色空間に変換する。即ち、CCDセンサの感度特性/照明ランプのスペクトル特性等の諸特性を考慮した装置固有の定数を用いた3×3のマトリックス演算を行い、入力された(R0,G0,B0)信号を標準的な(R,G,B)信号に変換する。輝度/濃度変換部(LOG変換部)405はルックアップテーブル(LUT)RAMにより、構成され、RGBの輝度信号がC1,M1,Y1の濃度信号になるように変換する。モノクロの画像処理を行う場合には、単色の1ラインセンサを用いて、単色でA/D変換、シェーディングを行ったのち、入出力マスキング、ガンマ変換、空間フィルタの順で処理しても構わない。
【0035】
[FAX部の構成:図10]
次に、図10を用いてFAX部203について説明する。
【0036】
まず、受信時には、電話回線から来たデータをNCU部501で受け取り電圧の変換を行い、モデム部502の中の復調部504でA/D変換及び復調操作を行った後、伸張部506でラスタデータに展開する。一般にFAXでの圧縮伸張にはランレングス法などが用いられ、公知であるためここではその説明を割愛する。ラスタデータに変換された画像は、メモリ部507に一時保管され、画像データに転送エラーがないことを確認後、コア部206へ送られる。次に、送信時は、コア部より送信されたラスタイメージの画像信号に対して、圧縮部505でランレングス法などの圧縮を施し、モデム部502内の変調部503にてD/A変換及び変調操作を行った後、NCU部501を介して電話回線へと送られる。
【0037】
[NIC部の構成:図11]
次に、図11を用いてNIC部204について説明する。
【0038】
ネットワークに対してのインターフェイスの機能を持つのが、このNIC部204であり、例えば10Base-T/100Base-TXなどのEthernet(登録商標)ケーブルなどを利用して外部からの情報を入手したり、外部へ情報を流す役割を果たす。外部より情報を入手する場合は、まず、トランス部601で電圧変換され、LANコントローラ部602に送られる。LANコントローラ部602は、その内部にバッファメモリ1(不図示)を持っており、その情報が必要な情報か否かを判断した上で、バッファメモリ2(不図示)に送った後、PDL部205に信号を流す。次に、外部に情報を提供する場合には、PDL部205より送られてきたデータは、LANコントローラ部602で必要な情報を付加して、トランス部601を経由してネットワークに接続される。
【0039】
[PDL部の構成:図11]
次に、図11を用いてPDL部205の説明をする。
コンピュータ上で動作するアプリケーションソフトウェアによって作成された画像データは、文書、図形、写真などから構成され、それぞれは、文字コード、図形コード及び、ラスタ画像データなどによる画像記述の要素の組み合わせから成っている。これが、いわゆるPDL(Page Description Language:ページ記述言語)であり、Adobe社のPostScript(登録商標)言語に代表されるものである。
【0040】
図11は、PDLデータからラスタ画像データへの変換処理を表わす部分である。NIC部204から送られてきたPDLデータは、CPU部603を経由して一度ハードディスク(HDD)のような大容量メモリ604に格納され、ここで各ジョブ毎に管理、保存される。次に、必要に応じて、CPU部603は、RIP(Raster Image Processing)と呼ばれるラスタ化画像処理を行って、PDLデータをラスタイメージに展開する。展開されたラスタイメージデータは、CMYKの色成分毎にDRAMなどの高速アクセス可能なメモリ605にジョブ毎にページ単位で格納され、プリンタ部209の状況に合わせて、再びCPU部603を介して、コア部206へ送られる。
【0041】
[コア部の構成:図12]
次に、図12を用いてコア部206について説明する。
【0042】
コア部206のメイン制御部700は全てのモジュールを統括するコントロール部である。バスセレクタ部701は、いわば交通整理の役割を担っている。すなわち、スタンドアローンとしての複写機能、ネットワークスキャン、ネットワークプリント、ファクシミリ送信/受信、各種機能に応じてバスの切り替えを行う。
【0043】
細かく説明すると、そのフローは、以下のような機能がある。
・スタンドアローン複写機:スキャナ201→コア206→プリンタ209
・ネットワークスキャン:スキャナ201→コア206→NIC部204
・ネットワークプリント:NIC部204→コア206→プリンタ209
・ファクシミリ送信機能:スキャナ201→コア206→FAX部203
・ファクシミリ受信機能:FAX部203→コア206→プリンタ209
次に、バスセレクタ部701を出た画像データは、圧縮部702、ハードディスク(HDD)などの大容量メモリからなるメモリ部703及び、伸張部704を通ってプリンタ部209へ送られる。
【0044】
また、CMYK−IP部710は後述するCMYK−IP部207と同等の機能を有している。CMYK−IP部710はバスセレクタ部701を出た画像データから、ページ毎にページ単位またはライン単位でYMCKで使用する各画像形成ステーション10(10a、10b、10c、10d)を判断する。また、各画像形成ステーション10(10a、10b、10c、10d)ごとに画像形成に使用されない時間を計測する機能も持つ。また、YMCK単位で使用するトナーの消費量を計測する機能をもっており、入力されたJOB単位で画像比率データを画像形成前に格納することができる。ここで用いられる圧縮方式は、JPEG,JBIG,ZIPなど一般的なものを用いればよい。
【0045】
次に、圧縮された画像データは、ジョブ毎に管理され、ファイル名、作成者、作成日時、ファイルサイズ、画像比率データ、画像形成動作モードの設定などの付加データと一緒に格納される。更に、ジョブの番号とパスワードを設けて、それらも一緒に格納すれば、パーソナルボックス機能をサポートすることができる。これは、データの一時保存や特定の人にしかプリントアウト(HDDからの読み出し)ができない親展機能である。格納されているそれぞれのジョブに対しては、ジョブを指定して呼び出しが行われた場合には、パスワードの認証を行った後、HDDより呼び出し、画像伸張を行ってラスタイメージに戻してプリンタ部209に送られる。操作部705は、ユーザが画像形成動作の入力および、動作状態を出力する。
【0046】
[CMYK−IP部207の構成:図12]
次に、図12によりCMYK−IP部207を説明する。
【0047】
コア部206より渡されたデータは、出力マスキング/UCR回路部706に入る。出力マスキング/UCR回路部706は、RGB−IP部202にて説明したLOG変換(405)後のC1,M1,Y1信号を画像形成装置のトナー色であるY,M,C,K信号にマトリクス演算を用いて変換する部分である。CCDセンサで読み込まれたRGB信号に基づいたC1,M1,Y1,K1信号をトナーの分光分布特性に基づいたC,M,Y,K信号に補正して出力する。
【0048】
次に、ガンマ補正部707にて、トナーの色味諸特性を考慮したルックアップテーブル(LUT)RAMを使って画像出力のためのC,M,Y,Kデータに変換される。空間フィルタ708では、シャープネスまたは、スムージングが施された後、画像信号はPWM部208へと送られる。画像カウンタ709は、画像信号からトナーの消費量をカウントする。カウントしたデータはコア部206へ送られる。
【0049】
[PWM部の構成:図13]
次に、図13(a)によりPWM部208を説明する。
【0050】
CMYK−IP部207を出たYMCKの4色に色分解された画像データはそれぞれのPWM部208を通ってそれぞれ画像形成される。三角波発生部801、入力されるディジタル画像信号をアナログ信号に変換するD/Aコンバータ802は、コンパレータ803に入力される。
【0051】
これらの2つの信号は、図13(b)の10−2aのようにコンパレータ803に送られ大小比較されて、10−2bのような信号となってレーザ駆動部804に送られ、光学系13a〜13dでレーザビームに変換される。そして、各レーザビームは、ポリゴンミラーで走査され、感光体ドラム11(11a、11b、11c、11d)に照射される。
【0052】
[給紙動作:図1]
次に、給紙動作について、図1を用いて説明する。
【0053】
コア部206により画像形成動作開始が発せられると、プリンタ部209においては選択された用紙サイズなどにより選択された給紙段から給紙動作を開始する。
【0054】
例えば、上段の給紙段から給紙された場合について説明すると、図1にて、先ず、転写材Pは、ピックアップローラ22aにより、カセット21aから一枚ずつ送り出される。そして、転写材Pは給紙ローラ対23によって給紙ガイド24の間を案内されてレジストローラ25a、25bまで搬送される。その時、レジストローラ25a、25bは停止されており、転写材Pの先端はニップ部に突き当たる。その後、レジストローラ25a、25bは画像形成ステーションが画像の形成を開始するタイミングに合わせて回転を始める。この回転時期は、転写材Pと、画像形成ステーションから中間転写ベルト31上に一次転写されたトナー画像とが二次転写領域Teにおいて一致するようにそのタイミングが設定される。
【0055】
また、光学系13は、画像データ信号に対応するレーザ光を出力し、ポリゴンミラーによって主走査方向に走査し、感光ドラム11に照射することによって、感光ドラム11に静電潜像を形成する。現像部14は、静電潜像された感光ドラム11の表面と現像バイアスが印加された現像部14内の現像スリーブ面との間に形成される電位量に応じたトナーを、感光ドラム11表面に飛ばし、感光ドラム11表面に静電潜像を現像する。感光ドラム11上に形成されたトナー像は、回転する中間転写ベルト31上に転写される。
【0056】
前述したプロセスを経て一番上流にある感光体ドラム11d上に形成されたトナー画像が、高電圧が印加された一次転写用帯電器35dによって一次転写領域Tdにおいて中間転写ベルト31に一次転写される。一次転写されたトナー像は次の一次転写領域Tcまで搬送される。そこでは各画像形成部間をトナー像が搬送される時間だけ遅延して画像形成が行われており、前画像の上にレジストを合わせて、その次のトナー像が転写される。以下も同様の工程が繰り返されることで、4色のトナー像が中間転写ベルト31上において一次転写される。
【0057】
その後、転写材Pは、二次転写領域Teに進入し、中間転写ベルト31に接触すると、転写材Pの通過タイミングに合わせて二次転写ローラ36に高電圧が印加される。これにより、前述したプロセスにより中間転写ベルト31上に形成された4色のトナー画像は転写材Pの表面に転写される。その後、転写材Pは搬送ガイド43によって定着ローラニップ部まで案内される。そして、ローラ対41a、41bの熱及びニップの圧力によってトナー画像が転写材P表面に定着される。その後、転写材Pは、内外排紙ローラ44、45により搬送され、機外に排出され、排紙トレー48に積載される。
【0058】
[画像形成中の調整処理]
次に、上記説明したカラー画像形成装置によるジョブの画像形成中に行う必要のある調整処理について説明する。
【0059】
カラー画像形成装置では、高画質を維持するため、または装置を形成しているさまざまなパーツの耐久性を保持するために、さまざまな調整処理が画像形成ジョブ中のタイミングで実施される。調整処理とは、出力枚数の増加や環境の変化などによりカラー画像形成装置の出力画像の濃度や濃度バランスが徐々に変化するので、画像形成のパラメータを調整するための処理である。この調整処理は、前回の調整処理から予め決められた時間を経過したとき、または、前回の調整処理後に形成した画像形成枚数が予め決められた枚数を超えたときなどに行われる。画像形成のパラメータとは、例えば、画像形成で用いるトナー補給量、転写電圧など各種電圧などである。
【0060】
調整処理の一例としては、高画質を維持するために必要不可欠な安定したトナー濃度を実現するためのパッチ検知処理、ATR(Auto Toner Regulation)処理、現像剤吐き出し処理等がある。また、最適な転写を実現するための転写電圧を求める1次転写ATVC(Auto Transfer Voltage Control)処理等がある。以下、上記説明した調整処理の一例としてパッチ検知処理、現像剤吐き出し処理、1次転写ATVC処理、について説明する。
【0061】
[パッチ検知処理]
図1の例では、感光体ドラム11表面上に、所定濃度のトナーパターン(パッチ)を形成し、トナーパターンの濃度をパッチ検知センサ62(62a,62b,62c,62d)で読み取り、読み取られた濃度とそのときの最適な目標濃度とを比較する。
【0062】
最適な目標濃度はトナーの補給状況やトナーとキャリアの比により決定される。この様に、パッチ検知が実施された際に、比較した濃度が目標濃度に対し高いと判断された場合には、トナー濃度を薄くするために該当する色のトナー補給量を減らす等のトナー補給量調整を実施する。また、目標濃度に対し低いと判断された場合には、トナー濃度を濃くするために該当するトナー補給量を増やす等のトナー補給量調整を実施する。トナー補給量調整では、検知されたパッチ濃度と目標濃度との差分からどのくらい目標濃度から離れているかを判断し、トナー補給量を調整する。パッチ検知処理を行う場合、感光体ドラム11a〜11d上に形成されたトナーパターンが中間転写ベルト31に転写されないようにトナーパターンを形成した感光体ドラム11a〜11dに対応する一次転写部35a〜35dを個別にオンオフ等の動作制御する。一次転写部35a〜35dは転写ローラタイプでもよく、この場合は中間転写ベルト31から離間接合できる制御にしても良い。又、パッチ検知処理で必要な感光体ドラム11a〜11d上に形成されたトナーパターンの除去の為に、一次帯電部12a〜12d、光学系13a〜13d、現像部(現像ローラを含む)14a〜14d、クリーニング部15a〜15dを個別にオンオフ制御する。一次帯電部12a〜12dは帯電ローラでも構わない。
【0063】
図7は、フォトセンサ60、61が感光体ドラム11上のパターン(濃度補正用、または画像ずれ検出用)70を検知する様子を示したものである。なお、感光体ドラム11は、フォトセンサ60、61内の発光素子(LED)が照射する光の反射率がパターン70に比べて大きい材質のものを使用し、この反射率の違いによりパターン検知を可能としている。
【0064】
図8には、LEDが照射する光をパターン70若しくは感光体ドラム11が反射する反射光を受光素子(フォトトランジスタ)PTが受光する様子を示す。図8の(A)は、感光体ドラム11→パターン70→感光体ドラム11の順番で受光回路が反射光を検知した様子を示し、(B)はそれを閾値で2値化したものである。
[現像剤吐き出し処理]
その他の調整処理として、現像剤吐き出し処理がある。これは、画像デューティーの低い画像(薄い画像、絵が少ししか載っていない画像)を多数印刷する場合、現像部内に、現像剤容器から現像位置に供給されたトナー(現像剤)が転写されずに取り残される。このために、トナーが帯電ローラ、現像ローラ部分に蓄積されたままとなり、画像形成が行われないと、トナーは次第に劣化してしまう。この劣化したトナーを用いて画像を形成すると、画像の再現性が十分に得られないために画像が品質低下するおそれがある。そこで、帯電ローラ、現像ローラに取り残されたトナーを除去するために、強制的にトナーを吐き出して除去する処理を行わせる。この処理も前述と同様に、現像剤吐き出し処理が必要な感光体ドラム11a〜11dに対応する一次帯電部12a〜12d、現像部14a〜14d、クリーニング部15a〜15dは、個別に駆動させる制御をする。
[1次転写ATVC処理]
本実施形態では、図1の中間転写ベルト31を使用して画像形成を実施するので、感光体ドラム11で現像されたトナー像が中間転写ベルト31に転写される(1次転写)。この転写の際に設定する転写電圧は、画像形成装置が使用されている環境や転写されるトナーの状態に影響される。
トナーの転写に最適な転写電圧を決定するためには、使用されている環境において、設定する転写電圧−流れる電流の関係を得て、環境やトナーの状態により目標電圧が決定される。そして、得られた電圧―電流の関係から求められた電圧が最適な転写電圧となる。なお目標電圧は実験データに基づき予め目標電圧テーブルで決定されている。設定する転写電圧−流れる電流の関係を得るためには、設定電圧を変化させながら数点分の電流値をサンプリングする処理を実施する。このように1次転写電流値のサンプリングを実行する処理は1次転写ATVC処理と呼ばれている。
1次転写ATVC処理を行う場合、感光体ドラム11a〜11d上にトナーを形成させない。そのために、1次転写ATVCを行う感光体ドラム11a〜11dに対応する一次帯電部12a〜12d、光学系13a〜13d、現像部14a〜14dは、個別に駆動させない様に制御する。一方、1次転写ATVCを行う感光体ドラム11a〜11dには一次転写部35a〜35dを個別に駆動制御する。
【0065】
<ジョブに基づいた画像形成中の調整処理>
次に、カラー画像形成装置でジョブに基づいて連続して画像を形成する画像形成動作中において、調整処理が必要と判断された場合、ユーザの待ち時間をできるだけ短縮して調整処理を実行する方法について、図3〜6を用いて説明する。
【0066】
[ジョブの一例:図3A]
以下の説明では、調整処理のスケジューリングを具体的に説明するため、ジョブの一例として図3に示すジョブによる画像形成中に調整処理が必要となった場合を例に用いて説明する。
【0067】
図3Aのジョブは、全5頁で、フルカラーと白黒の画像が混在した画像を形成するジョブである。すなわち、1頁目はY,M,C,K色の現像剤を用いるフルカラー画像データであり、2頁目はK色のみの現像剤を用いる白黒の画像データである。また、3頁目はK,Y,Mの3色の現像剤を用いる画像データであり、4頁目がK色のみの現像剤を用いる画像データであり、5頁目がY,M,C,K色の現像剤を用いるフルカラー画像データである。
【0068】
また図3Aには、このジョブをY,M,C,K色の画像形成ステーションで画像形成するときに画像形成動作を行っている時間と、画像形成停止時間(画像形成を行っていない空き時間)との関係も示している。例えば、図3AのY色の画像形成ステーションでは、1,3、5頁はY色を使用するが、2、4頁目はY色を形成しない。そのため、画像形成停止時間(画像形成を行っていない空き時間)は、図の1頁の画像形成終了から3頁の画像形成開始までの時間T1と、3頁の画像形成終了から5頁の画像形成開始までの時間T1となる。同様に、図3AのC色の画像形成ステーションでは、1、5頁にC色を使用するが、2〜4頁目にC色を形成しない。そのため、画像形成停止時間は、図の1頁の画像形成終了から5頁の画像形成開始までの時間T3となる。
【0069】
なお、カラー画像形成装置では、上記説明した各画像形成ステーションの空き時間の算出に必要な情報は、図2BのROMやRAMに記憶される。すなわち、ROMの領域305には1頁の画像形成時間や画像と画像間の移動時間(搬送される転写材と転写材との紙間の時間でも構わない)が各種画像サイズ(A4,B4など)に対応して記憶される。また、RAMの領域309には、各画像形成に使用する色情報(図3C参照)が、領域310には各画像の形成に使用しない現像剤の抽出結果(図3D参照)が、領域311には、各画像形成ステーションの画像形成停止時間(図3E参照)が記憶される。そのため、カラー画像形成装置では、上記情報に基づいて、図3の時間T1,T2,T3に一例を示す画像形成中の各画像形成ステーションの空き時間を計算することができる。
【0070】
[画像形成停止時間(空き時間)の算出方法:図3B〜3E]
次に、図3B〜3Eを用いて画像形成停止時間(空き時間)の算出方法について説明する。図3Bは、画像形成の画像形成停止時間(空き時間)の算出方法の概要を説明するフローチャートである。かかる図3Bは、後述の図4のS903を実行するサブルーチンである。図3Cは、画像形成に使用する色情報を説明する図である。図3Dは、各画像形成に使用しない現像剤の抽出結果を説明する図である。図3Eは、各画像形成ステーションの画像形成停止時間、停止回数、停止する基準頁、停止時間を説明する図である。
【0071】
上記説明した図3Aに一例を示すジョブを例に、図3Bを用いて、画像形成の画像形成停止時間の算出方法の概要について説明する。
【0072】
まず、ステップS301で、ジョブの入力画像データとジョブ情報(入力画像データの種類(RGB、YMC、ページ記述言語など)、全画像枚数、画像サイズ)を取得する。図3Aのジョブの例では、ジョブ情報の一例として、RGBの画像データの種類、全画像5枚、画像サイズ(A4)を取得する。
【0073】
次に、ステップS302で、取得した入力画像データとジョブ情報より、YMCKの現像剤を用いて画像を形成するための出力画像データを各ページ毎に作成し、記憶する。図3Aの例では、5ページのYMCK用の出力画像データが各ページ毎に作成され、RAMに記憶される。
【0074】
次に、ステップS303で作成した各ページの出力画像データから各ページの画像形成に使用する色情報を抽出して図3Cに示すような画像形成に使用する色情報を作成して、記憶する。すなわち、図3Aのジョブの場合には、画像形成に使用する色情報として、1ページ目がYMCK、2ページ目がK、3ページ目がYMK、4ページ目がK、5ページ目がYMCKを抽出し、RAMに記憶される。
【0075】
次に、ステップS304で、各画像形成に使用しない現像剤を抽出し、図3Dに示す抽出結果が作成され、RAMに記憶される。すなわち、図3Aのジョブでは、Y現像剤の場合、2ページ目と4ページ目に使用されないことが記憶される。同様に、M現像剤の場合も、2ページ目と4ページ目に使用されないことが記憶される。同様に、C現像剤の場合、2〜4ページで使用されないことが記憶される。同様に、K現像剤は、1〜5ページの全てに使用されることが記憶される。
【0076】
次に、ステップS305で、ROMに記憶されている1ページの画像形成時間および形成した画像の位置から次に形成する画像の位置まで移動する時間を取得する。
【0077】
次に、ステップS306では、図3Eに示す各画像形成ステーションの画像形成停止時間(空き時間)、停止回数、停止する基準頁、停止時間が算出され、記憶される。この各画像形成ステーションの画像形成停止時間の算出は、図3Dの各画像形成に使用しない現像剤の抽出結果と、ステップS305で取得した1ページの画像形成時間及び移動する時間より算出する。例えば、図3EのTystop(1)320のY現像剤の停止回数1回目の停止時間T1は、図3AのY現像剤の1ページ終了後から3ページ開始までの時間T1に相当する。この停止時間の算出は、図3DのY(イエロー)310よりY現像剤が2ページ目の画像形成に使用されないことから、1ページ分(2ページ目)の画像形成時間と、1ページ目から2ページ目および2ページ目から3ページ目の各画像と各画像との移動する時間の合計として算出される。同様にして、図3EのTystop(2)321、Tmstop(1)322,Tmstop(2)323,Tcstop(1)324に示す時間T1,T2,T2,T3の画像形成停止時間(空き時間)も算出される。尚、画像形成停止時間(空き時間)も算出は上記説明の算出方法に限らない。
【0078】
[画像形成中の調整処理のスケジューリング:図4]
次に、図4を用いて、カラー画像形成装置を用いてジョブによる画像形成中に調整処理が必要となった場合の各画像形成ステーションに対する調整処理のスケジューリングについて説明する。
【0079】
図4の処理は、各画像形成ステーションが、画像形成動作中の画像形成の空き時間を利用して、調整処理をそれぞれ独立に実行する処理である。この処理は、上記説明したCPUがROMに格納された制御プログラムに基づいてRAMを作業領域に用いながら各部を制御して行う処理である。なお、図4は、図3Aのジョブの例を参照しながら具体的に説明する。
【0080】
ステップS901で、ユーザによってジョブが入力されたのを検出すると、ジョブを開始する。
【0081】
次に、ステップS902に進み、現在処理中のジョブによる連続した画像の出力中に、上記説明したいずれかの調整処理が必要かどうかを判断する。必要であると判断した場合には、ステップS903を実行する。なお、調整処理は、上記説明した各種の画像形成に関する調整処理から、前回実施したタイミング等を考慮した上で必要な調整処理が個々の画像形成ステーションに対して判断される。本実施形態では、前回の調整から予め決められた時間が経過した場合または予め決められた画像形成枚数を超えた場合に次に調整を行うものとする。
【0082】
一方、ステップS902において、調整が必要ないと判断された場合にはステップS910に進み、調整の必要がないジョブとして画像形成ジョブ終了までそのまま画像形成動作を継続する。そして、ステップS910でジョブが終了すると、一連の作業を終了する。
【0083】
次に、ステップS903では、入力されたジョブの画像データより、CMYK−IP部710で、各色データ(Y,M,C,K)に対応する画像形成ステーション10の画像形成の空き時間を算出する(詳細は、前述の図3B参照)。ここで、以下の説明では、入力されたジョブの一例として図3Aを用いて説明する。すなわち、ジョブの1頁目がY,M,C,Kのフルカラー画像データで、2頁目がK色のみの画像データで、3頁目がK,Y,Mの3色の画像データで、4頁目がK色のみの画像データで、5頁目がY,M,C,Kのフルカラー画像データであるとする。
【0084】
図3Aの場合には、1頁目はY,M,C,Kのフルカラー画像データであるので、すべての画像形成ステーションを用いて1頁目の画像形成を行うと判断される。また、2頁目はK色のみの画像データであるので、K色のみの画像形成ステーションを用いて画像形成を行うと判断される。同様に、3頁目はK,Y,Mのみの3色の画像形成ステーションを用いて、4頁目はK色のみの画像形成ステーションを用いて、5頁目は全ての画像形成ステーションを用いて、画像形成を行うと判断される。また、図3Aに示すようにY色の画像形成ステーション10dは、1頁目の画像形成終了から3頁の画像形成までの時間T1の間は画像形成を行わないと判断される。
【0085】
そこで、Y色の画像形成ステーション10dの画像形成の空き時間Tystopは、図3Eに示す様に、Tystop(1)=(1、T1)として記憶手段RAMに格納される。すなわち、画像形成の空き時間Tystopは、ジョブ処理中に発生する停止回数の配列として記憶手段RAMに格納され、格納されるデータ(1,T1)は、(停止する基準となる頁数、画像形成の空き時間)を意味する。
【0086】
同様に2回目の停止に関しては、3頁目の画像形成終了から、時間T1の画像形成を行わないと判断でき、Tystop(2)=(3、T1)となる。また、Y色の画像形成ステーション10dの画像形成停止回数は2として格納される。
【0087】
M色の画像形成ステーション10cも同様に、1頁目の画像形成終了から、時間T2の画像形成を行わないと判断でき、M色の画像形成ステーション10cの画像形成の空き時間Tmstop(1)=(1、T2)となる。同様に3頁目の画像形成終了から、時間T2の画像形成を行わないと判断でき、Tmstop(2)=(3、T2)となる。また、M色の画像形成ステーション10cの画像形成停止回数は2として格納される。
【0088】
C色の画像形成ステーション10bは1頁目の画像形成終了から、時間T3の画像形成を行わないと判断できC色の画像形成ステーション10bの画像形成の空き時間Tcstop(1)=(1、T3)となる。また、C色の画像形成ステーション10bの画像形成停止回数は1として格納される。
【0089】
K色の画像形成ステーション10aは、ジョブの間、停止することなく連続して画像形成動作を行うため画像形成ステーション10aの画像形成停止回数は0として格納される。
【0090】
次にステップS904に進み、実施するジョブ中の調整処理をスケジューリングする。スケジューリングされるジョブ中の調整処理は、上記説明した画像形成の調整処理から、前回実施したタイミング等を考慮した上で必要な調整処理が個々の画像形成部に対して1種類、もしくは複数種類選択される。そして、このとき選択された各種調整処理の合計の調整処理時間を個々の画像形成ステーションに対して算出する。
【0091】
たとえば、Y色の画像形成ステーション10dに対して算出された合計調整処理時間はTyadj、M色の画像形成ステーション10cに対して算出された合計調整処理時間はTmadjとする。同様に、C色の画像形成ステーション10bに対して算出された合計調整処理時間はTcadj、K色の画像形成ステーション10aに対して算出された合計調整処理時間はTkadjとする。
【0092】
そして、各画像形成ステーションごとに、合計調整処理時間と画像形成の空き時間Tstop(回数、時間)とを比較し、各画像形成ステーションのジョブ中の画像形成の空き時間内に収まるように、前記選択された各種調整処理のスケジューリングを行う。この場合には、画像形成の空き時間内に複数の調整処理を連続して行うことができる。また、合計調整処理時間が画像形成の空き時間Tstopより長い場合には、個別の調整処理時間と画像形成の空き時間Tstop(回数、時間)とを比較する。そして、各画像形成ステーションのジョブ中の画像形成の空き時間内に収まるように、前記選択された各種調整処理のスケジューリングを行う。この場合には、画像形成の空き時間内に各調整処理を行うことができる。
【0093】
次に、ステップS905において、スケジューリングされた各種調整処理を実施する。そして、ステップS909に進み、必要なタイミングで各種調整処理を実施して、画像形成ジョブ終了までそのまま画像形成動作を継続してから、ステップS911に進む。
【0094】
次に、ステップS911では、画像形成動作時に実施できなかった調整処理があるか否かを判別する。そして、画像形成動作時に実施できなかった調整処理がある場合にはステップS912に進み、その調整処理を実施してから一連の作業を終了する。また、ステップS911で、画像形成動作時に実施できなかった調整処理がなかった場合には、そのまま一連の作業を終了する。
【0095】
以上が画像形成装置における画像形成中に調整処理が必要となった場合の処理であり、画像形成動作中に、画像形成を行わない空き時間が十分あると判断された画像形成手段に対して、この空き時間を利用して独立して、調整処理を実行することができる。
【0096】
[M色とC色に濃度調整(パッチ検知処理)が必要の場合:図5A、5B]
以下、上記説明したステップS903〜905の処理、すなわち、各調整処理のスケジューリングおよびその実行処理について、具体例を用いて説明する。
【0097】
まず、M色とC色に調整処理時間ADJ1の濃度調整(パッチ検知処理)が必要である場合について説明する。ここで、M色とC色に調整処理とは、濃度調整(パッチ検知処理)であり、この時のM色とC色の調整処理時間ADJ1は、T2<ADJ1≦T3とする。
【0098】
図5Aは、画像形成動作中の画像形成の空き時間に実施可能な調整処理(1つの場合)のスケジューリング結果の一例を示す図である。また、図5Bは、図5Aの調整処理のスケジューリング結果をRAMに記憶した一例を示す図である。
【0099】
以下、入力されたジョブが図5Aに示す画像データの場合を一例として説明する。
【0100】
すなわち、1頁目がY,M,C,Kのフルカラー画像データで、2頁目がK色のみの画像データであり、3頁目がK,Y,Mの3色の画像データであり、4頁目が再びK色のみの画像データで、5頁目がY,M,C,Kがフルカラー画像データであったとする。
【0101】
この場合、図4のステップS903において、図3Eに示す様に、M色の画像形成停止回数は2回で、画像形成の空き時間データは、Tmstop(1)=(1、T2)、Tmstop(2)=(3、T2)となる。
【0102】
そこで、ステップS904において、処理中のジョブに必要なM色の濃度調整処理時間ADJ1と、1回目の画像形成の空き時間T2と比較し、M色の濃度調整処理が実行可能かどうか判断する。ここでは、M色の濃度調整処理時間ADJ1>1回目の画像形成の空き時間T2であることから、M色の1回目の画像形成停止時には、濃度調整処理が行えないと判断される。次に、M色の2回目の画像形成停止があるかどうかが判断される。この場合、M色の画像形成停止回数が2なので、M色の2回目の画像形成停止があると判断される。
【0103】
処理中のジョブに必要なM色の濃度調整処理時間ADJ1と、2回目の画像形成の空き時間T2と比較し、M色の濃度調整処理が実行可能かどうか判断する。ここで、M色の濃度調整処理時間ADJ1>2回目の画像形成の空き時間T2であることから、M色の2回目の画像形成停止時には、濃度調整処理が行えないと判断される。
【0104】
同様にステップS903において、C色の画像形成停止回数は1回で、画像形成の空き時間データは、Tcstop(1)=(1、T3)となる。
【0105】
次にステップS904において、処理中のジョブに必要なC色の濃度調整処理時間ADJ1と、1回目の画像形成の空き時間T3と比較し、C色の濃度調整処理が実行可能かどうか判断する。ここでは、C色の濃度調整処理時間ADJ1<1回目の画像形成の空き時間T3であることから、C色の1回目の画像形成停止時に、濃度調整処理が行えると判断される。この判断結果を示したのが図5Bであり、RAMに記憶される。
【0106】
そして、ステップS905において、C色の1頁目の画像形成動作が終了した時点で、C色の画像形成ステーション10bが中間転写ベルト31から離間された後、C色の濃度調整処理が実施されることになる。そして、1頁目の画像形成動作が終了した時点から画像形成の空き時間T3が経過したのち、C色の画像形成ステーション10bが中間転写ベルト31に接合され次の画像形成動作に備える。尚、濃度調整処理が行えないと判断されたM色は、ジョブ終了後のステップS911に示す後回転中か、ジョブとジョブの間に行う。
【0107】
[M色とC色に濃度調整と現像剤吐き出し調整が必要の場合:図6]
次に、M色とC色に調整処理時間ADJ2の濃度調整と、調整処理時間ADJ3の現像剤吐き出し調整が必要である場合について説明する。ここでM色とC色の濃度調整処理時間ADJ2はADJ2≦T2であり、M色とC色の現像剤吐き出し調整処理時間ADJ3はADJ3≦T2とする。
【0108】
図6Aは、画像形成動作中の画像形成の空き時間に実施可能な調整処理(1つまたは2つの場合)のスケジューリング結果の一例を示す図である。また、図6Bは、図6Aの調整処理のスケジューリング結果をRAMに記憶した一例を示す図である。
【0109】
以下、入力されたジョブが図6Aに示す画像データの場合を一例として説明する。
【0110】
すなわち、1頁目がY,M,C,Kのフルカラー画像データで、2頁目がK色のみの画像データであり、3頁目がK,Y,Mの3色の画像データであり、4頁目が再びK色のみの画像データで、5頁目がY,M,C,Kがフルカラー画像データであったとする。
【0111】
この場合、ステップS903において、図3Eに示す様に、M色の画像形成停止回数は2回で、画像形成の空き時間データは、Tmstop(1)=(1、T2)、Tmstop(2)=(3、T2)となる。
【0112】
次にステップS904において、処理中のジョブに必要なM色の濃度調整処理時間ADJ2と現像剤吐き出し調整時間ADJ3の合計時間と、1回目の画像形成の空き時間T2と比較し、M色の濃度調整処理が実行可能かどうか判断する。ここでは、M色の濃度調整処理時間ADJ2+ADJ3>1回目の画像形成の空き時間T2であることから、M色の1回目の画像形成停止時には、濃度調整処理と現像剤吐き出し調整を一度に行えないと判断される。
【0113】
次に、処理中のジョブに必要なM色の濃度調整処理時間ADJ2と、1回目の画像形成の空き時間T2と比較し、M色の濃度調整処理が実行可能かどうか判断する。ここでは、M色の濃度調整処理時間ADJ2<1回目の画像形成の空き時間T2であることから、M色の1回目の画像形成停止時には、濃度調整処理が行えると判断される。次に、M色の2回目の画像形成停止があるかどうかが判断される。この場合、M色の画像形成停止回数が2なので、M色の2回目の画像形成停止があると判断される。
【0114】
処理中のジョブ中に必要なM色の現像剤吐き出し調整時間ADJ3と、2回目の画像形成空き時間T2と比較し、M色の現像剤吐き出し調整処理が実行可能かどうか判断する。ここで、M色の現像剤吐き出し調整時間ADJ3<2回目の画像形成の空き時間T2であることから、M色の2回目の画像形成停止時には、現像剤吐き出し調整が行えると判断される。この判断結果を示したのが図6Bであり、RAMに記憶される。
【0115】
そして、ステップS905において、M色の1頁目の画像形成動作が終了した時点で、M色の画像形成ステーション10cが中間転写ベルト31から離間された後、M色の濃度調整処理が実施される。そして、1頁目の画像形成動作が終了した時点から画像形成の空き時間T2が経過したのち、M色の画像形成ステーション10cが中間転写ベルト31に接合され次の画像形成動作に備える。また、次に、M色の3頁目の画像形成動作が終了した時点で、M色の画像形成ステーション10cが中間転写ベルト31から離間された後、現像剤吐き出し調整が実施されることになる。そして、3頁目の画像形成動作が終了した時点から画像形成の空き時間T2が経過したのち、M色の画像形成ステーション10cが中間転写ベルト31に接合され次の画像形成動作に備える。
【0116】
同様にステップS903において、図3Eに示す様に、C色の画像形成停止回数は1回で、画像形成の空き時間データは、Tcstop(1)=(1、T3)となる。
【0117】
次に、ステップS904において、処理中のジョブ中に必要なC色の濃度調整処理時間ADJ2と現像剤吐き出し調整時間ADJ3の合計時間と、1回目の画像形成の空き時間T3と比較し、C色の濃度調整処理が実行可能かどうか判断する。ここでは、C色の濃度調整処理時間ADJ2+ADJ3<1回目の画像形成の空き時間T3であることから、C色の1回目の画像形成停止時に、濃度調整処理と現像剤吐き出し調整を一度に行えると判断される。
【0118】
そして、ステップS905において、C色の1頁目の画像形成動作が終了した時点で、C色の画像形成ステーション10bが中間転写ベルト31から離間された後、C色の濃度調整処理と現像剤吐き出し調整を一度に実施されることになる。そして、1頁目の画像形成動作が終了した時点から画像形成の空き時間T3が経過したのち、C色の画像形成ステーション10bが中間転写ベルト31に接合され次の画像形成動作に備える。
【0119】
上記の例では、画像形成動作中に画像形成に使用していない画像形成ステーションの空き時間を利用して、その画像形成ステーションの画像調整処理を並行して行うことができる。その結果、画像形成装置は、画像調整処理のダウンタイムをできるだけ短縮する処理を行うことによりユーザビリティーを向上させることができる。
【0120】
[他の実施形態]
又、前述の実施形態では、感光ドラム上の画像を中間転写ベルトを介して転写材に形成する系で説明したが、感光ドラム上の画像を直接、転写材に形成する系でも適用できる。
【0121】
更に、本発明の目的は、実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給してもよい。その場合、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される。
【0122】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0123】
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RWを用いることができる。また、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。または、プログラムコードをネットワークを介してダウンロードしてもよい。
【0124】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上記実施の形態の機能が実現される。しかし、それ以外にも、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0125】
更に、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0126】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した各実施の形態の機能が実現される。これ以外にも、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOSなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した各実施の形態の機能が実現される場合も、本発明に含まれることは言うまでもない。
【0127】
この場合、上記プログラムは、該プログラムを記憶した記憶媒体から直接、又はインターネット、商用ネットワーク、若しくはローカルエリアネットワーク等に接続された不図示の他のコンピュータやデータベース等からダウンロードすることにより供給される。
【0128】
上記実施の形態では、電子写真方式の画像形成装置を例に挙げたが、本発明は、電子写真方式に限定されるものではなく、インクジェット方式、熱転写方式、感熱方式、静電方式、放電破壊方式など各種画像形成方式に適用することができる。
【0129】
上記プログラムの形態は、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラムコード、OS(オペレーティングシステム)に供給されるスクリプトデータ等の形態から成ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0130】
【図1】本実施形態のカラー画像形成装置の全体構成を示す概略断面図である。
【図2A】本実施形態のカラー画像形成装置の制御構成を示すブロック図である。
【図2B】本実施形態のカラー画像形成装置のROM/RAM構成の一例を示す図である。
【図3A】画像形成動作中の各画像形成ステーションの画像形成動作時間と画像形成の空き時間とを説明する図である。
【図3B】画像形成の画像形成停止時間(空き時間)の算出方法の概要を説明する図である。
【図3C】画像形成に使用する色情報を説明する図である。
【図3D】各画像形成に使用しない現像剤の抽出結果を説明する図である。
【図3E】各画像形成ステーションの画像形成停止時間(空き時間)、停止回数、停止する基準頁、停止時間を説明する図である。
【図4】画像形成動作中に実施する、各画像形成ステーションに対する調整処理のスケジューリング処理を説明するフローチャートである。
【図5A】画像形成動作中の画像形成の空き時間に実施可能な調整処理(1つの場合)のスケジューリングの一例を示す図である。
【図5B】図5Aの調整処理(1つの場合)のスケジューリングをRAMに記憶した一例を示す図である。
【図6A】画像形成動作中の画像形成の空き時間に実施可能な調整処理(1つまたは2つ)のスケジューリングの別の例を示す図である。
【図6B】図6Aの調整処理(1つまたは2つの場合)のスケジューリングをRAMに記憶した一例を示す図である。
【図7】濃度補正検知手段としての光学センサの構造図である。
【図8】フォトセンサの濃度補正検知用トナーパターンを読み取った時の出力を表わす図である。
【図9】図2のスキャナ部とRGB−IP部の詳細を説明するブロック図である。
【図10】図2のFAX部の詳細を説明するブロック図である。
【図11】図2のNIC部、PDL部の詳細を説明するブロック図である。
【図12】図2のコア部の詳細を説明するブロック図である。
【図13】図2のCMYK−IP部、PWM部の詳細を説明するブロック図である。
【符号の説明】
【0131】
1 画像形成装置
10a、10b、10c、10d 画像形成ステーション
11a、11b、11c、11d 感光体ドラム
12a、12b、12c、12d 一次帯電部
13a、13b、13c、13d 光学系
14a、14b、14c、14d 現像部
15a、15b、15c、15d クリーニング部
16a、16b、16c、16d 折り返しミラー
20 給紙ユニット
30 中間転写ユニット
31 中間転写ベルト、転写材搬送体
62a、62b、62c、62d 濃度補正パターン検知手段(濃度検知センサ)
71 濃度補正用パターン画像(パッチ)
80 制御部
206 コア部
400 操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成を行わせるためのジョブに基づいて複数の現像剤を用いてトナー像を形成する複数の画像形成ステーションを有する画像形成装置であって、
前記ジョブに基づいて連続する画像形成動作の途中に調整処理が必要か否かを判別する判別手段と、
前記判別手段によって前記調整処理が必要と判別された場合に、前記判別された調整処理に対して、前記複数の画像形成ステーションの各々が、前記画像形成動作の途中で実行できる空き時間を有するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段が実行する空き時間を有すると判定された画像形成ステーションに対して、前記空き時間に前記判別された調整処理を実行する調整処理実行手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記判定手段は、前記複数の画像形成ステーションの各々に対して、前記連続する画像形成動作の途中における画像形成動作を行わない空き時間を算出する算出手段を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記算出手段は、前記複数の画像形成ステーションの各々に対して、先行する画像の形成終了から1頁の画像の形成に必要な画像形成時間以上を空けた次の画像の形成開始までの空き時間を算出することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記算出手段は、前記各現像剤が前記ジョブの各頁の画像の形成に必要か否かの情報と、1頁の画像の形成に必要な画像形成時間と、画像を形成してから次の画像を形成するまでの移動時間とから、前記連続する画像形成動作の途中における画像形成動作を行わない空き時間を算出することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記判定手段は、前記判別手段によって前記画像形成動作の途中で複数の調整処理を行う必要があると判別された場合に、前記複数の調整処理に必要な合計時間以上の前記空き時間を有する前記画像形成ステーションが有ることを判定すると、前記調整処理実行手段は、前記複数の調整処理に必要な合計時間以上の前記空き時間を有する前記画像形成ステーションに前記複数の調整処理を実行し、前記判定手段は、前記判別手段によって前記画像形成動作の途中で複数の調整処理を行う必要があると判別された場合に、前記複数の調整処理に必要な合計時間未満の前記空き時間を有する前記画像形成ステーションが有ることを判定すると、前記調整処理実行手段は、前記複数の調整処理に必要な合計時間未満の前記空き時間を有する前記画像形成ステーションに前記複数の調整処理のそれぞれを分けて実行することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記判別手段は、前回の調整処理からの経過時間、または、前回の調整処理後に形成した画像形成枚数によって前記調整処理が必要か否かを判別することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記調整処理は、トナー補給量の調整処理、劣化した現像剤の吐き出し処理を含むことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
画像形成を行わせるためのジョブに基づいて複数の現像剤を用いてトナー像を形成する複数の画像形成ステーションを有するカラー画像形成装置の制御方法であって、
前記ジョブに基づいて連続する画像形成動作の途中で調整処理が必要か否かを判別する判別工程と、
前記判別工程で前記調整処理が必要と判別された場合に、前記判別された調整処理に対して、前記複数の画像形成ステーションの各々が、前記画像形成動作の途中で実行する空き時間を有するか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程で実行する空き時間を有すると判定された画像形成ステーションで、前記空き時間に前記判別された調整処理を実行する調整処理実行工程と、
を有することを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項9】
前記判定工程は、前記複数の画像形成ステーションの各々に対して、前記連続する画像形成動作の途中における画像形成動作を行わない空き時間を算出する算出工程を有することを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置の制御方法。
【請求項10】
前記算出工程は、前記複数の画像形成ステーションの各々に対して、先行する画像の形成終了から1頁の画像の形成に必要な画像形成時間異常を空けた次の画像の形成開始までの空き時間を算出することを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置の制御方法。
【請求項11】
前記算出工程では、前記各現像剤が前記ジョブの各頁の画像の形成に必要か否かの情報と、1頁の画像の形成に必要な画像形成時間と、画像を形成してから次の画像を形成するまでの移動時間とから、前記連続する画像形成動作の途中における画像形成動作を行わない空き時間を算出することを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置の制御方法。
【請求項12】
前記判定工程は、前記判別工程によって前記画像形成動作の途中で複数の調整処理を行う必要があると判別された場合に、前記複数の調整処理に必要な合計時間以上の前記空き時間を有する前記画像形成ステーションが有ることを判定すると、前記調整処理実行工程は、前記複数の調整処理に必要な合計時間以上の前記空き時間を有する前記画像形成ステーションに前記複数の調整処理を実行し、前記判定工程は、前記判別工程によって前記画像形成動作の途中で複数の調整処理を行う必要があると判別された場合に、前記複数の調整処理に必要な合計時間未満の前記空き時間を有する前記画像形成ステーションが有ることを判定すると、前記調整処理実行工程は、前記複数の調整処理に必要な合計時間未満の前記空き時間を有する前記画像形成ステーションに前記複数の調整処理のそれぞれを分けて実行することを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置の制御方法。
【請求項13】
前記判別工程では、前回の調整処理からの経過時間、または、前回の調整処理後に形成した画像形成枚数によって前記調整処理が必要か否かを判別することを特徴とする請求項8乃至請求項12のいずれか1項に記載の画像形成装置の制御方法。
【請求項14】
前記調整処理は、トナー補給量の調整処理、劣化した現像剤の吐き出し処理を含むことを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置の制御方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−83253(P2008−83253A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−261416(P2006−261416)
【出願日】平成18年9月26日(2006.9.26)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】