説明

画像形成装置の梱包装置

【課題】梱包状態にある画像形成装置の定着部材と加圧部材との圧接状態を解除でき、これらの部材の永久変形を防止することが可能な画像形成装置の梱包装置を提供する。
【解決手段】プリンタ100の定着装置140は、加圧ローラ142を定着ローラ141に押し付けて圧接させる付勢機構160を備える。プリンタ100に対する背部梱包体4には、定着部圧接解除装置10を備える。定着部圧接解除装置10は、プリンタ100の梱包の過程で、解除レバー11がプリンタ100に接触してスライド部材12が付勢機構160の第2付勢用レバー162との係合方向に移動し、第2付勢用レバー162を介して第1付勢用レバー161を引き下げることとなり、定着ローラ141と加圧ローラ142との圧接を解除させる。一方、開梱の過程で、第2付勢用レバー162との係合が解除され、定着ローラ141と加圧ローラ142とを圧接させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機やプリンタに代表される画像形成装置を梱包する梱包装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置においては、互いが圧接して定着ニップを形成する定着部材と加圧部材のうち、少なくとも一方の部材に加熱手段を内蔵させ、この加熱手段によって加熱された部材間の定着ニップに未定着トナー像を担持した用紙を挿通することにより、未定着トナーを加熱、加圧して用紙表面に定着する熱定着方式が広く採用されている。このような熱定着方式が採用された定着装置は、定着部材である定着ローラと加圧部材である加圧ローラとを備え、定着ローラの内部には加熱手段を配置し、加圧ローラの内部には加熱手段を配置しない構成となっているものが多い。また、定着ローラはそれを回転させる駆動手段を有するが、加圧ローラは駆動手段を有さず、定着ローラに圧接することにより定着ローラの回転に従って回転するものが多い。
【0003】
ところで、上記のような定着装置においては、用紙に未定着トナーを十分に定着させるために加圧しながら加熱する必要があるので、加圧ローラが定着ローラに対して比較的大きな力で圧接して定着ニップを形成している。これにより、例えば定着ニップに用紙が挟まった状態でジャムが発生した場合、不用意にジャムを起こした用紙を引き出そうとすると、用紙が破損する恐れがある。したがって、定着装置におけるジャム処理のために、定着ローラと加圧ローラとの圧接状態を解除する装置が提案され、その定着装置の一例を特許文献1に見ることができる。
【0004】
特許文献1に記載の加熱装置(定着装置)では、定着ローラまたは加圧ローラを、これらのローラの軸線と平行な支軸を中心として回動可能な枠体に取り付け、この枠体に別途設けた把手部を操作して前記枠体を回動させることにより、定着ローラと加圧ローラとの圧接を解除するものである。
【特許文献1】特開平6−236122号公報(第3−5頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述のように、画像形成装置の定着装置においては、通常、定着ローラと加圧ローラとが常時比較的大きな力で圧接している。これにより、製品出荷前等のように、画像形成装置が長時間使用されない状態が続く場合、定着ローラと加圧ローラとに永久変形が発生してしまう可能性がある。したがって、その後の画像形成装置の使用時にそれらのローラの変形に起因する定着不良が発生したり、ローラが劣化してしまったりする恐れがある。特許文献1に記載の定着装置は、枠体に設けた把手部を手で操作することにより定着ローラと加圧ローラとの圧接を解除するので、梱包状態にある画像形成装置の定着部の圧接状態を解除することは困難である。
【0006】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、画像形成装置を梱包体に収納する動作によって自動的に実現できる等といった、手間の掛からない簡単な操作で、梱包状態にある画像形成装置の定着部材と加圧部材との圧接状態を解除でき、定着部材と加圧部材との永久変形を防止することが可能な画像形成装置の梱包装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明は、定着部材と、この定着部材に圧接して用紙を挿通させる定着ニップを形成する加圧部材とが設けられ、用紙に担持された未定着トナー像を前記定着ニップで定着する定着装置を本体内に備えた画像形成装置を梱包体に収納する画像形成装置の梱包装置において、前記画像形成装置が、前記加圧部材を、前記定着部材に押し付けて圧接させる付勢機構を備えるとともに、画像形成装置の梱包/開梱の過程で、前記付勢機構との係合/係合解除がなされ、定着部材に対して加圧部材を圧接/圧接解除させる定着部圧接解除装置を備えることとした。
【0008】
また、上記構成の画像形成装置の梱包装置において、前記付勢機構は、用紙搬送方向と平行な垂直面内で回動可能であって、前記加圧部材を支持する第1付勢用レバーと、この第1付勢用レバーに一端が連結され、第1付勢用レバーを介して加圧部材を前記定着部材に対して圧接するための第1付勢部材と、この第1付勢部材の他端が連結され、第1付勢部材による圧接/圧接解除方向に回動可能な第2付勢用レバーとを備えるとともに、前記第1、または第2付勢用レバーが前記定着部圧接解除装置に対して係合/係合解除となることとした。
【0009】
また、上記構成の画像形成装置の梱包装置において、前記定着部圧接解除装置は、前記梱包体に、前記画像形成装置と接触して変位する解除用レバーと、スライド移動が可能であって、解除用レバーと係合することにより前記付勢機構との係合方向に移動するスライド部材と、このスライド部材を付勢機構に対する係合解除方向に付勢する第2付勢部材とを備えることとした。
【0010】
また、上記構成の画像形成装置の梱包装置において、前記定着部圧接解除装置は、前記梱包体に設けられ、前記画像形成装置に向かって突出する突起と、画像形成装置に設けられ、前記突起と係合することにより前記付勢機構との係合方向に変位する解除用レバーとを備えることとした。
【0011】
また、上記構成の画像形成装置の梱包装置において、前記定着部圧接解除装置は、前記画像形成装置の梱包の最終段階において、前記梱包体の外部から前記付勢機構に向かって挿入され、係合する解除ピンであることとした。
【発明の効果】
【0012】
本発明の構成によれば、用紙に担持された未定着トナー像を定着ニップで定着する定着装置を本体内に備えた画像形成装置の梱包装置において、画像形成装置が、加圧部材を、定着部材に押し付けて圧接させる付勢機構を備えるとともに、画像形成装置の梱包/開梱の過程で、付勢機構との係合/係合解除がなされ、定着部材に対して加圧部材を圧接/圧接解除させる定着部圧接解除装置を備えることとしたので、画像形成装置を製品出荷等のために梱包装置に梱包するだけで、自動的に定着部材と加圧部材との圧接状態を解除することが可能である。したがって、手間の掛からない簡単な操作で、梱包状態にある画像形成装置の定着部材と加圧部材との永久変形を防止することが可能な画像形成装置を得ることができる。また、梱包装置を開梱するだけで、自動的に定着部材と加圧部材とを圧接させることが可能である。そして、本発明は、圧接解除のために移動させる部材として、一般的に加熱手段や駆動手段を有していない加圧部材を移動させるので、構造が簡便であり一層好都合である。
【0013】
また、付勢機構は、用紙搬送方向と平行な垂直面内で回動可能であって、加圧部材を支持する第1付勢用レバーと、この第1付勢用レバーに一端が連結され、第1付勢用レバーを介して加圧部材を定着部材に対して圧接するための第1付勢部材と、この第1付勢部材の他端が連結され、第1付勢部材による圧接/圧接解除方向に回動可能な第2付勢用レバーとを備えるとともに、第1、または第2付勢用レバーが定着部圧接解除装置に対して係合/係合解除となることとしたので、定着部圧接解除装置との係合/係合解除により定着部材に対して加圧部材を圧接/圧接解除させる機構を、簡便な構造で得ることが可能となる。したがって、装置の大型化を抑制しながら、手間の掛からない簡単な操作で、定着部材と加圧部材との永久変形を防止することができる。
【0014】
また、定着部圧接解除装置は、梱包体に、画像形成装置と接触して変位する解除用レバーと、スライド移動が可能であって、解除用レバーと係合することにより付勢機構との係合方向に移動するスライド部材と、このスライド部材を付勢機構に対する係合解除方向に付勢する第2付勢部材とを備えることとしたので、画像形成装置を梱包体に収納する動作により、収納する過程において、定着部圧接解除装置を付勢機構との係合方向に駆動することができる。したがって、手間の掛からない簡単な操作で自動的に、定着部材と加圧部材との圧接状態の解除を実現することが可能である。そして、この定着部圧接解除装置は梱包体に備えられるので、画像形成装置の大型化や、装置内構造の複雑化を抑制することができる。
【0015】
また、定着部圧接解除装置は、梱包体に設けられ、画像形成装置に向かって突出する突起と、画像形成装置に設けられ、突起と係合することにより付勢機構との係合方向に変位する解除用レバーとを備えることとしたので、上記と同様に、画像形成装置を梱包体に収納する動作により、収納する過程において、定着部圧接解除装置を付勢機構との係合方向に駆動することができる。したがって、手間の掛からない簡単な操作で自動的に、定着部材と加圧部材との圧接状態の解除を実現することが可能である。そして、この定着部圧接解除装置の解除用レバーは画像形成装置に備えられるので、梱包装置の梱包体が複雑になるのを防止することができる。
【0016】
また、定着部圧接解除装置は、画像形成装置の梱包の最終段階において、梱包体の外部から付勢機構に向かって挿入され、係合する解除ピンであることとしたので、画像形成装置の梱包の最終段階において、簡単な操作で、定着部材と加圧部材との圧接状態の解除を実現することが可能である。そして、この定着部圧接解除装置は変位する可動部品を備えていないので、画像形成装置、梱包装置ともに構造の複雑化を防止することができ、汎用性が高い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図1〜図10に基づき説明する。
【0018】
最初に、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の梱包装置について、図1、及び図2を用いてその構造の概略を説明する。図1は画像形成装置の一例であるプリンタを収納した梱包装置の垂直断面左側面図、図2は図1と同様のプリンタの梱包装置の垂直断面左側面図にして、収納途中の段階を示すものである。図1、及び図2において右方がプリンタの前面側、左方が背面側である。
【0019】
図1、及び図2に示すように、梱包装置1は、その内部にプリンタ100を収納して、梱包するものである。梱包装置は、その外箱2の内部であって、プリンタ100の周囲に複数の梱包体を備えている。梱包体は、前部梱包体3、背部梱包体4、底部梱包体5、上部梱包体6、及びプリンタ100の左右の側面部分に備えた側部梱包体(図示せず)で構成されている。なお、図2は、プリンタ100の収納途中の段階を示すものであるので、図1に対して外箱2の上部を開放し、上部梱包体6を取り去った形を描画している。
【0020】
背部梱包体4の下部には、定着部圧接解除装置10が備えられている。定着部圧接解除装置10は、背部梱包体4に、後方に向かって窪んだ形で形設された凹部4aの内側に設けられている。この定着部圧接解除装置10の詳細については後述する。
【0021】
ここで、定着部圧接解除装置10の説明に先立って、画像形成装置であるプリンタ100について、図3を用いてその構造の概略を説明しつつ、画像出力動作を説明する。図3は、プリンタの概略構造を示す模型的垂直断面左側面図である。
【0022】
図3に示すように、プリンタ100の本体102の内部下方には、用紙収容部である用紙カセット103が配置されている。用紙カセット103の内部には、用紙Pが積まれて収容されている。用紙カセット103の用紙搬送方向下流部上方には、給紙装置104が配置されている。この給紙装置104により、用紙Pは図3において用紙カセット103の右上方に向けて送り出される。
【0023】
給紙カセット103の用紙搬送方向下流には、用紙搬送路105、レジストローラ106、画像形成部120、及び転写部130が配置されている。用紙カセット103から送り出された用紙Pは、用紙搬送路105を通ってレジストローラ106に到達する。レジストローラ106は、用紙Pの斜め送りを矯正しつつ、画像形成部120で形成されるトナー画像とのタイミングを計り、用紙Pを転写部130へと送り出す。
【0024】
外部コンピュータ(図示せず)からの文字や図形、模様等の画像データ信号がプリンタ100に送信され、この画像データに基づき、画像形成部120上方に備えられた光学部107にて制御されるレーザ光L(図中一点鎖線)が照射される。これにより、画像形成部120においては、像担持体である感光体ドラム121上に原稿画像の静電潜像が形成され、この静電潜像からトナー像が現像される。トナー像は、前記レジストローラ106によって同期をとって送られてきた用紙Pに、感光体ドラム121と転写部130の転写ローラ131とが圧接して形成される転写ニップにて転写される。
【0025】
画像形成部120、及び転写部130の用紙搬送方向下流には、定着装置140、用紙搬送路108、及び用紙排出部109が配置されている。転写部130にて未定着トナー像を担持した用紙Pは、定着装置140へと送られ、熱ローラによりトナー像が定着される。定着装置140から排出された用紙Pは、用紙搬送路108を通って上方へ送られ、用紙排出口110から、本体102最上部に備えられた用紙排出部109に排出される。
【0026】
なお、このように構成されたプリンタ100において、用紙カセット103の上方であって、給紙装置104から、レジストローラ106、画像形成部120、転写部130、及び定着装置140にかけての箇所まで続く用紙搬送路105の下側搬送ガイドが設けられた部分は、給紙ユニット150なる一つのユニットとして構成されている(図3の二点鎖線の部分)。給紙ユニット150は、本体102との間に設けられたスライド機構(図示せず)により、定着装置140の用紙搬送方向上流側に向かって、本体102より正面側に水平方向に着脱可能である。
【0027】
続いて、上記プリンタ1に備えられた定着装置140、及びその周辺の詳細な構成について、図3に加えて、図4、及び図5を用いて説明する。図4はプリンタのフレームを背面側から見た斜視図、図5は定着装置及びその周辺の拡大左側面図である。
【0028】
プリンタ100は、図3に示す本体102の内部に、図4に示すようなフレーム111を備えている。定着装置140は、このフレーム111に固定されている。そして、定着装置140は、図5に示すように、定着部材である定着ローラ141、加圧部材である加圧ローラ142、及び付勢機構160を備えている。
【0029】
定着ローラ141は、用紙搬送方向と直角をなす用紙幅方向、すなわち図5の紙面奥行き方向に延び、その軸線方向を水平にして配置されている。定着ローラ141は、鉄またはアルミニウム等の金属からなる芯金の外側に、シリコンゴムまたはスポンジからなる弾性部材層が設けられている。弾性部材層の外側であって、定着ローラ141の表面には、離型層を設けてトナーの離型性を高めている。離型層は、PFA(テトラフルオロエチレン−パー−フルオロアルキルビニルエーテル共重合体)等のフッ素系樹脂が用いられ、吹き付けによるコーティングやチューブを被せることによって設けられる。定着ローラ141は、図示しない駆動装置によって、その周速度が用紙Pの搬送速度と同じになるように回転せしめられている。
【0030】
また、定着ローラ141の内部には、その加熱手段であるハロゲンランプ(図示せず)が備えられている。ハロゲンランプは、定着ローラ141の軸線方向、すなわち用紙幅方向に延び、内側から定着ローラ141を加熱する。
【0031】
加圧ローラ142は、定着ローラ141と同様に、用紙幅方向、すなわち図5の紙面奥行き方向に延び、その軸線方向を水平にして配置されている。加圧ローラ142は、ステンレス鋼等の金属からなる芯金の外側に、シリコンゴムまたはスポンジからなる弾性部材層が設けられている。この加圧ローラ142が、定着ローラ141に圧接することにより、用紙Pを挿通させる定着ニップを形成する。加圧ローラ142は、駆動装置を持たず、定着ローラ141に圧接することにより、定着ローラ141の回転に従って回転せしめられる。なお、用紙Pは、定着ニップ、すなわち定着ローラ141、及び加圧ローラ142の用紙幅方向中央部に通紙される。
【0032】
付勢機構160は、加圧ローラ142の軸部の両端に1箇所ずつ設けられ、第1付勢用レバー161、第2付勢用レバー162、及び第1付勢部材である引張ばね163を備えている。付勢機構160は、前述のように、加圧ローラ142を、定着ローラ141に向かって押し付けて圧接させる機構である。
【0033】
第1付勢用レバー161は、用紙搬送方向と平行な垂直面内で、用紙搬送方向に延びるプレートで構成されている。第1付勢用レバー161は、その用紙搬送方向上流側の一端に軸部161aを備え、この軸部161aを中心として垂直面内で回動可能である。第1付勢用レバー161は、軸部161aの箇所で、定着装置140のハウジング143に回動可能に取り付けられている。第1付勢用レバー161の他端には、引張ばね163が連結されている。第1付勢用レバー161は、その両端の中間箇所で、加圧ローラ142を回転自在に支持している。
【0034】
第2付勢用レバー162は、用紙搬送方向と平行な垂直面内で、上下方向に延びるプレートで構成されている。第2付勢用レバー162は、本体102側面方向から見た形状がベルクランク状をなし、このベルクランクの角の部分に軸部162aを備えている。第2付勢用レバー162は、軸部162aの箇所で、定着装置140のハウジング143に回動可能に取り付けられ、この軸部162aを中心として垂直面内で回動可能である。
【0035】
第2付勢用レバー162の上側の端部には、引張ばね163が連結されている。第2付勢用レバー162は、この上側の端部近傍に、ハウジング143との係合部162bを備えている。第2付勢用レバー162が図5において時計方向に回転する時、その係合部162bがハウジング143に設けられたストッパである係止部143aに引っ掛かって変位が阻止され、第2付勢用レバー162は図5に示す角度を超えて時計方向に回転することはない。また、第2付勢用レバー162の下側の端部は、ハウジング143の底面よりさらに下方にまで延び、その先端に給紙ユニット当接部162cを備えている。
【0036】
引張ばね163は、前述のように、第1付勢用レバー161の下流側端部と、第2付勢用レバー162の上側端部との間に連結されている。引張ばね163は、コイルばねで構成され、第1付勢用レバー161を、軸部161aを中心として加圧ローラ142を定着ローラ141に近づける方向に、すなわち図5において時計方向に回転させようとするものである。したがって、引張ばね163は、加圧ローラ142を、定着ローラ141に押し付けて圧接させる付勢手段として機能する。
【0037】
一方、定着装置140の直下には、図5に示すように、給紙ユニット150が、その下流端の箇所が位置するように配置されている。給紙ユニット150の下流端の箇所には、用紙幅方向の両端に、定着装置係合片151を備えている。定着装置係合片151は、直方体の形状をなし、用紙搬送方向に水平に延びる移動溝152に挿入されている。定着装置係合片151は、この移動溝152に沿ってスライド移動が可能である。移動溝152に挿入された定着装置係合片151は、その上面及び下流側の面が、給紙ユニット150の表面の一部として外側に露出している。
【0038】
移動溝152の内側であって、定着装置係合片151と給紙ユニット150本体との間には、圧縮ばね153が備えられている。圧縮ばね153は、コイルばねで構成され、定着装置係合片151を、移動溝152に沿って下流側に付勢している。なお、定着装置係合片151は、図示しないストッパの作用により、図8に示す位置を超えて下流側に飛び出してしまうことはない。
【0039】
上記のような構成の定着装置140に対して、給紙ユニット150を本体102に装着する時、その過程において、給紙ユニット150の定着装置係合片151は、図5に示すように、定着装置140の付勢機構160に備えられた第2付勢用レバー162の給紙ユニット当接部162cに当接して係合する。この時、圧縮ばね153は、引張ばね163より弾発力が大きいので、第2付勢用レバー162は、引張ばね163に弾発力に抗して図5において時計方向に回転するように押し上げられる。そして、この引張ばね163に生じる弾発力により、第1付勢用レバー161が図5において時計方向に回転せしめられ、定着ローラ141に加圧ローラ142が圧接する。なお、このような過程で、第2付勢用レバー162は、その係合部162bがハウジング143の係止部143aに引っ掛かって所定角度で変位が阻止される。このようにして、引張ばね163に生じる弾発力を一定に保持することができ、定着ニップにおけるニップ長さを一定に保持することが可能である。
【0040】
続いて、定着部圧接解除装置10の詳細について、図1、及び図2に加えて、図6、及び図7を用いて説明する。図6は定着部圧接解除装置及び定着装置を背面側から見た拡大斜視図、図7は図5と同様の定着装置及びその周辺の拡大左側面図にして、定着部の圧接解除状態を示すものである。
【0041】
定着部圧接解除装置10は、前述のように、図1、及び図2に示す背部梱包体4に形設された凹部4aの内側に設けられている。そして、定着部圧接解除装置10は、図6に示すように、解除用レバー11、スライド部材12、及び第2付勢部材である引張ばね13を備えている。
【0042】
解除用レバー11は、プリンタ100側面方向から見た形状が略L字形をなして上下方向に延び、下部がプリンタ100の方向に、すなわち前方に向かって折れ曲がっている。解除用レバー11の上下方向の中央部には、軸部11aを備えている。解除用レバー11は、軸部11aの箇所で、背部梱包体4の凹部4aの内側に回動可能に取り付けられ、この軸部11aを中心として垂直面内で回転する。
【0043】
スライド部材12は、プリンタ100の前後方向に水平に延びるスティック状をなし、解除用レバー11の上部前側の箇所に設けられている。スライド部材12の配置箇所は、図6、及び図7に示すように、定着装置140の、付勢機構160の第2付勢用レバー162の下部に対応する位置である。スライド部材12は、凹部4aに設けられた図示しないスライドガイドに支持され、前後方向に水平にスライド移動が可能である。また、スライド部材12は、その背面側端部が解除用レバー11の上部に常時係合し、背面側端部近傍の箇所に第2付勢部材である引張ばね13の一端が連結されている。
【0044】
引張ばね13は、上記のように、その一端がスライド部材12の背面側端部近傍の箇所に連結されている。一方、引張ばね13の他端は、定着部圧接解除装置10の後方の凹部4a内壁に連結されている。引張ばね13は、コイルばねで構成され、スライド部材12を、定着装置140の付勢機構160から離れる方向に、すなわち図1、及び図2において左方に移動させようとするものである。したがって、引張ばね13は、スライド部材12を、付勢機構160に対する係合解除方向に付勢する付勢手段として機能する。
【0045】
このような定着部圧接解除装置10に対して、図2に示すように、梱包装置1の梱包体へのプリンタ100の収納が完了していない段階では、プリンタ100とはいずれの部材も干渉、係合していない。これにより、スライド部材12が引張ばね13の弾発力により後方に移動せしめられ、スライド部材12の背面側端部が係合する解除用レバー11も、その軸部11aを中心として、図2において反時計方向に回転せしめられている。
【0046】
ここで、図1に示すように、梱包装置1の梱包体にプリンタ100を収納すると、その収納の過程において、プリンタ100の底面が解除用レバー11の下部の折れ曲がった箇所に係合する。これにより、解除用レバー11は、図1において時計方向に回転せしめられ、解除用レバー11の上部に係合するスライド部材12を、引張ばね13の弾発力に抗して前方に移動させる。スライド部材12が前方に移動すると、図6、及び図7に示すように、スライド部材12の前面側端部が、定着装置140の、付勢機構160の第2付勢用レバー162の下部に係合する。
【0047】
スライド部材12が係合することにより、第2付勢用レバー162は図7において反時計方向に回転せしめられる。そして、引張ばね163を介して連結された第1付勢用レバー161も、反時計方向に回転する。その結果、第1付勢用レバー161に支持された加圧ローラ142が下方に移動して、定着ローラ141に対する加圧ローラ142の圧接が解除される。
【0048】
一方、梱包装置1を開梱してプリンタ100を取り出す場合、その開梱の過程において、図2に示すように、プリンタ100と解除用レバー11との係合が解かれ、スライド部材12が引張ばね13の弾発力により後方に移動せしめられる。これにより、スライド部材12と第2付勢用レバー162との係合が解除され、図5に示すように定着ローラ141に対して加圧ローラ142を圧接させることができる。したがって、プリンタ1の使用時には、定着ローラ141と加圧ローラ142とが、好適な定着ニップを形成することとなる。
【0049】
このようにして、用紙Pに担持された未定着トナー像を定着ニップで定着する定着装置140を本体102内に備えた画像形成装置であるプリンタ100の梱包装置1において、プリンタ100が、加圧部材である加圧ローラ142を、定着部材である定着ローラ141に押し付けて圧接させる付勢機構160を備えるとともに、プリンタ100の梱包/開梱の過程で、付勢機構160との係合/係合解除がなされ、定着ローラ141に対して加圧ローラ142を圧接/圧接解除させる定着部圧接解除装置10を備えたので、プリンタ100を製品出荷等のために梱包装置1に梱包するだけで、自動的に定着ローラ141と加圧ローラ142との圧接状態を解除することが可能である。したがって、手間の掛からない簡単な操作で、梱包状態にあるプリンタ100の定着ローラ141と加圧ローラ142との永久変形を防止することが可能なプリンタ100を得ることができる。また、梱包装置1を開梱するだけで、自動的に定着ローラ141と加圧ローラ142とを圧接させることが可能である。そして、本発明は、圧接解除のために移動させる部材として、一般的に加熱手段や駆動手段を有していない加圧ローラ142を移動させるので、構造が簡便であり一層好都合である。
【0050】
また、付勢機構160は、用紙搬送方向と平行な垂直面内で回動可能であって、加圧ローラ142を支持する第1付勢用レバー161と、この第1付勢用レバー161に一端が連結され、第1付勢用レバー161を介して加圧ローラ142を定着ローラ141に対して圧接するための第1付勢部材である引張ばね163と、この引張ばね163の他端が連結され、引張ばね163による圧接/圧接解除方向に回動可能な第2付勢用レバー162とを備えるとともに、第2付勢用レバー162が定着部圧接解除装置10に対して係合/係合解除となるので、定着部圧接解除装置10との係合/係合解除により定着ローラ141に対して加圧ローラ142を圧接/圧接解除させる機構を、簡便な構造で得ることが可能となる。したがって、プリンタ100の大型化を抑制しながら、手間の掛からない簡単な操作で、定着ローラ141と加圧ローラ142との永久変形を防止することができる。
【0051】
そして、定着部圧接解除装置10は、梱包体に、プリンタ100と接触して変位する解除用レバー11と、スライド移動が可能であって、解除用レバー11と係合することにより付勢機構160との係合方向に移動するスライド部材12と、このスライド部材12を付勢機構160に対する係合解除方向に付勢する第2付勢部材である引張ばね13とを備えるので、プリンタ100を梱包体に収納する動作により、収納する過程において、定着部圧接解除装置10を付勢機構160との係合方向に駆動することができる。したがって、手間の掛からない簡単な操作で自動的に、定着ローラ141と加圧ローラ142との圧接状態の解除を実現することが可能である。そして、この定着部圧接解除装置10は梱包体に備えられるので、プリンタ100の大型化や、装置内構造の複雑化を抑制することができる。
【0052】
次に、本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置の梱包装置について、図8、及び図9を用いて説明する。図8は定着装置及びその周辺の拡大左側面図、図9は図8と同様の定着装置及びその周辺の拡大左側面図にして、定着部の圧接解除状態を示すものである。なお、この実施形態の基本的な構成は、図1〜図7を用いて説明した前記第1の実施形態と同じであるので、第1の実施形態と共通する構成については図面の記載、及びその説明を省略するものとする。
【0053】
図8に示す第2の実施形態に係る画像形成装置であるプリンタ100の梱包装置1において、定着部圧接解除装置10は、プリンタ100の定着装置140の下方に設けられている。そして、定着部圧接解除装置10は、突起14、及び解除用レバー15を備えている。
【0054】
突起14は、梱包装置1の内部においてプリンタ100の下方に位置する底部梱包体5(図1参照)の上面に載置された、梱包体の一種である緩衝部材7に備えられている。突起14は、緩衝部材7の上面に設けられ、プリンタ100に向かって上方に突出している。突起14は緩衝部材7と一体として形設され、突起14及び緩衝部材7はウレタンやスポンジ等のように、弾発力があって衝撃等に対する緩衝効果が高い材料で構成されている。
【0055】
解除用レバー15は、プリンタ100側面方向から見た形状が略L字形をなして上下方向に延び、下部がプリンタ100の背面方向に向かって折れ曲がっている。解除用レバー15は、その上端が、付勢機構160の第2付勢用レバー162の下端に対応する箇所に配置されている(図8参照)。なお、上記突起14は、解除用レバー15のすぐ下方に位置するように設けられている。そして、解除用レバー15の上下方向の中央部には、軸部15aを備えている。解除用レバー15は、軸部15aの箇所で、プリンタ100内の定着装置140下方の箇所に回動可能に取り付けられ、この軸部15aを中心として垂直面内で回転する。
【0056】
上記のような定着部圧接解除装置10に対して、図8に示すように、梱包装置1の梱包体へのプリンタ100の収納が完了していない段階で、解除用レバー15は、自身に働く重力の作用により、その軸部15aを中心として、図8において反時計方向に回転せしめられている。なおこの時、図示しないストッパの作用により、解除用レバー15は、図8に示す位置を超えて反時計方向に回転することはない。そして、解除用レバー15は、その下端が、プリンタ100の底面から下方に僅かに突出するが、プリンタ100の脚部(図示せず)の底面より下方に位置することはない。
【0057】
ここで、図9に示すように、梱包装置1の梱包体にプリンタ100を収納すると、その収納の過程において、突起14が解除用レバー15の下部の折れ曲がった箇所に係合する。これにより、解除用レバー15は図9において時計方向に回転せしめられ、解除用レバー15の上端の箇所が、定着装置140の、付勢機構160の第2付勢用レバー162の下端に係合する。そして、第2付勢用レバー162は図9において反時計方向に回転せしめられ、引張ばね163を介して連結された第1付勢用レバー161も、反時計方向に回転する。これにより、第1付勢用レバー161に支持された加圧ローラ142が下方に移動して、定着ローラ141に対する加圧ローラ142の圧接が解除される。
【0058】
一方、梱包装置1を開梱してプリンタ100を取り出す場合、その開梱の過程においてプリンタ100を持ち上げると、図8に示すように、突起14と解除用レバー15との係合が解かれる。これにより、解除用レバー15は、重力の作用で図8において反時計方向に回転して第2付勢用レバー162との係合が解除され、定着ローラ141に対して加圧ローラ142を圧接させることができる。したがって、プリンタ1の使用時には、定着ローラ141と加圧ローラ142とが、好適な定着ニップを形成することとなる。
【0059】
このようにして、定着部圧接解除装置10は、梱包体の一種である緩衝部材7に設けられ、画像形成装置であるプリンタ100に向かって突出する突起14と、プリンタ100に設けられ、突起14と係合することにより付勢機構160との係合方向に変位する解除用レバー15とを備えるので、第1の実施形態と同様に、プリンタ100を梱包体に収納する動作により、収納する過程において、定着部圧接解除装置10を付勢機構160との係合方向に駆動することができる。したがって、手間の掛からない簡単な操作で自動的に、定着ローラ141と加圧ローラ142との圧接状態の解除を実現することが可能である。そして、この定着部圧接解除装置10の解除用レバー15はプリンタ100に備えられるので、梱包装置1の梱包体が複雑になるのを防止することができる。
【0060】
次に、本発明の第3の実施形態に係る画像形成装置の梱包装置について、図10を用いて説明する。図10は、定着装置及びその周辺の拡大左側面図である。なお、図10では、プリンタ100のフレーム、外装カバー、及び梱包装置1の梱包体の描画を省略している。また、この実施形態の基本的な構成は、図1〜図7を用いて説明した前記第1の実施形態と同じであるので、第1の実施形態と共通する構成については図面の記載、及びその説明を省略するものとする。
【0061】
図10に示す第3の実施形態に係る画像形成装置であるプリンタ100の梱包装置1において、定着部圧接解除装置10は、プリンタ100の定着装置140の後方に設けられた解除ピン16で構成されている。
【0062】
解除ピン16は、定着装置140の付勢機構160の後方であって、第2付勢用レバー162の下端に対応する箇所に配置されている。解除ピン16は、梱包装置1の外箱2及び梱包体の外部から、プリンタ100の背面を通して付勢機構160に向かって略水平に挿入されている。外箱2の解除ピン16取付箇所には、挿入口2aが設けられている。解除ピン16は、ピン部16aとツマミ16bとで構成されている。ピン部16aは、解除ピン16を外箱2に取り付けた時に第2付勢用レバー162に到達する長さを有しており、その根元部にネジ部16cが形設されている。外箱2の挿入口2aには、解除ピン16のネジ部16cに対応するネジ部2bが形設されている。ツマミ16bは、解除ピン16を手で取り扱う際に保持するためのものである。
【0063】
上記のような定着部圧接解除装置10に対して、図10に示すように、梱包装置1の梱包体にプリンタ100を収納し、その収納の最終段階で、外箱2の挿入口2aに解除ピン16を挿入して取り付ける。これにより、解除ピン16の先端が、定着装置140の、付勢機構160の第2付勢用レバー162の下端に係合する。そして、第2付勢用レバー162は図10において反時計方向に回転せしめられ、引張ばね163を介して連結された第1付勢用レバー161も、反時計方向に回転する。これにより、第1付勢用レバー161に支持された加圧ローラ142が下方に移動して、定着ローラ141に対する加圧ローラ142の圧接が解除される。
【0064】
一方、梱包装置1を開梱してプリンタ100を取り出す場合、その開梱の過程において解除ピン16を外箱2から取り外すと、解除ピン16と第2付勢用レバー162との係合が解除され、定着ローラ141に対して加圧ローラ142を圧接させることができる。したがって、プリンタ1の使用時には、定着ローラ141と加圧ローラ142とが、好適な定着ニップを形成することとなる。
【0065】
このようにして、定着部圧接解除装置10は、画像形成装置であるプリンタ100の梱包の最終段階において、梱包体の外部から付勢機構160に向かって挿入され、係合する解除ピン16であるので、プリンタ100の梱包の最終段階において、簡単な操作で、定着ローラ141と加圧ローラ142との圧接状態の解除を実現することが可能である。そして、この定着部圧接解除装置10は変位する可動部品を備えていないので、プリンタ100、梱包装置1ともに構造の複雑化を防止することができ、汎用性が高い。
【0066】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【0067】
例えば、本発明の実施形態において、定着部圧接解除装置10は、回動する解除用レバー11、15や、梱包体の外部から挿入される解除ピン16を用いた構成としているが、これらに限定されるものではなく、付勢機構160との係合/係合解除がなされ、定着ローラ141に対して加圧ローラ142を圧接/圧接解除させるものであれば他の構成であっても構わない。
【0068】
また、付勢機構160は、第1付勢用レバー161、及び第2付勢用レバー162を用いて、定着ローラ141に対して加圧ローラ142を圧接/圧接解除させているが、このような構成に限定されるわけではなく、1本のレバーの構成、或いは他の構成であっても構わない。そして、定着部圧接解除装置10の解除用レバー11、15や、解除ピン16は、第2付勢用レバー162に係合して変位させ、定着ローラ141に対する加圧ローラ142の圧接を解除しているが、第1付勢用レバー161に係合して圧接解除する構成であっても良い。
【0069】
また、第1付勢部材である引張ばね163、及び第2付勢部材である引張ばね13は、各々コイルばねに限定されるわけではなく、板ばねやゴム、スポンジ等の他の弾性部材に代えても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明は、用紙に担持された未定着トナー像を定着ニップで定着する定着装置を本体内に備えた画像形成装置の梱包装置において利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置であるプリンタを収納した梱包装置の垂直断面左側面図である。
【図2】図1と同様のプリンタの梱包装置の垂直断面左側面図にして、収納途中の段階を示すものである。
【図3】図1のプリンタの模型的垂直断面左側面図である。
【図4】図3のプリンタのフレームを背面側から見た斜視図である。
【図5】図3の定着装置及びその周辺の拡大左側面図である。
【図6】定着部圧接解除装置及び定着装置を背面側から見た拡大斜視図である。
【図7】図5と同様の定着装置及びその周辺の拡大左側面図にして、定着部の圧接解除状態を示すものである。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置の梱包装置の定着装置及びその周辺の拡大左側面図である。
【図9】図8と同様の定着装置及びその周辺の拡大左側面図にして、定着部の圧接解除状態を示すものである。
【図10】本発明の第3の実施形態に係る画像形成装置の梱包装置の定着装置及びその周辺の拡大左側面図である。
【符号の説明】
【0072】
1 梱包装置
2 外箱
4 背部梱包体
4a 凹部
10 定着部圧接解除装置
11、15 解除用レバー
12 スライド部材
13 引張ばね(第2付勢部材)
14 突起
16 解除ピン
100 プリンタ(画像形成装置)
102 本体
140 定着装置
141 定着ローラ(定着部材)
142 加圧ローラ(加圧部材)
143 ハウジング
143a 係止部
150 給紙ユニット
151 定着装置係合片
152 移動溝
153 圧縮ばね
160 付勢機構
161 第1付勢用レバー
162 第2付勢用レバー
163 引張ばね(第1付勢部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
定着部材と、この定着部材に圧接して用紙を挿通させる定着ニップを形成する加圧部材とが設けられ、用紙に担持された未定着トナー像を前記定着ニップで定着する定着装置を本体内に備えた画像形成装置を梱包体に収納する画像形成装置の梱包装置において、
前記画像形成装置が、前記加圧部材を、前記定着部材に押し付けて圧接させる付勢機構を備えるとともに、画像形成装置の梱包/開梱の過程で、前記付勢機構との係合/係合解除がなされ、定着部材に対して加圧部材を圧接/圧接解除させる定着部圧接解除装置を備えることを特徴とする画像形成装置の梱包装置。
【請求項2】
前記付勢機構は、用紙搬送方向と平行な垂直面内で回動可能であって、前記加圧部材を支持する第1付勢用レバーと、この第1付勢用レバーに一端が連結され、第1付勢用レバーを介して加圧部材を前記定着部材に対して圧接するための第1付勢部材と、この第1付勢部材の他端が連結され、第1付勢部材による圧接/圧接解除方向に回動可能な第2付勢用レバーとを備えるとともに、前記第1、または第2付勢用レバーが前記定着部圧接解除装置に対して係合/係合解除となることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置の梱包装置。
【請求項3】
前記定着部圧接解除装置は、前記梱包体に、前記画像形成装置と接触して変位する解除用レバーと、スライド移動が可能であって、解除用レバーと係合することにより前記付勢機構との係合方向に移動するスライド部材と、このスライド部材を付勢機構に対する係合解除方向に付勢する第2付勢部材とを備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置の梱包装置。
【請求項4】
前記定着部圧接解除装置は、前記梱包体に設けられ、前記画像形成装置に向かって突出する突起と、画像形成装置に設けられ、前記突起と係合することにより前記付勢機構との係合方向に変位する解除用レバーとを備えること特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置の梱包装置。
【請求項5】
前記定着部圧接解除装置は、前記画像形成装置の梱包の最終段階において、前記梱包体の外部から前記付勢機構に向かって挿入され、係合する解除ピンであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置の梱包装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2007−163914(P2007−163914A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−361339(P2005−361339)
【出願日】平成17年12月15日(2005.12.15)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】