説明

画像形成装置の表示制御装置、画像形成装置および画像形成システム

【課題】 画像形成毎に使用量の多いユーザに警鐘となる使用順位情報を提供し、ユーザに対して使用量削減を意識させることを可能にする。
【解決手段】 入力部3、9、13は、画像形成装置Aに対する画像データおよび当該画像データの取り込みに際して求められるユーザの識別符号の入力を受ける。記憶部5は、当該装置に係る累積使用回数を含むユーザ毎のユーザ履歴を記憶する。ユーザ履歴作成部7は、識別符号が入力されたとき、記憶されたユーザ履歴に対し当該ユーザの累積使用回数を更新してそのユーザ履歴を作成する。表示部9はユーザ履歴を表示する。表示制御部27は、ユーザの累積使用回数が基準回数を超えて多いとき、所定期間における使用回数の多い順に、所定数のユーザ履歴を表示部9に表示制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成装置の表示制御装置、画像形成装置および画像形成システムに係り、プリンタ、複写機、ファクシミリ、これらの機能を有する複合機(MFP:Multi Function Peripheral)等の画像形成装置に搭載して好適する表示制御装置、当該画像形成装置および画像形成システムの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置は、例えば外部から入力された画像データに基づき回転する感光体の表面に潜像を形成し、トナーによってその潜像からトナー像を形成し、給紙段から給紙搬送した用紙にトナー像を回転する感光体から転写し、その用紙を加熱定着部を通して転写トナーを加熱定着させて排紙する構成が良く知られている。
【0003】
そして、この種の画像形成装置では、用紙やトナー等の消耗品の消費量を減少させて経費削減や省資源化を図る観点から、その使用実績を管理可能に構成し、使用実績に基づき、使用量の多いユーザに注意を促すことが良く行われている。
【0004】
この種の従来公報として例えば特開2006−209402号公報(特許文献1)の画像形成装置用管理装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−209402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来構成では、使用実績の報告が月末や毎月の特定日で集計されることが多く、これらの集計結果が使用後の実績であるため、各ユーザにとっては画像形成装置の使用時に当該時点の使用実績を考慮して使用することが困難で、画像形成装置の使用頻度を低下させるためには特別の工夫が必要である。
【0007】
そこで、本発明者は、画像形成装置の構成およびこの使用形態を注意深く観察検討した結果、使用量が多いユーザに対して使用毎に使用順位を知らせることにより、他者と競争することにより印刷(印字)を自重させ、利用回数を減少させることが容易である点に着目し、本発明を完成させた。
【0008】
本発明はそのような課題を解決するためになされたもので、画像形成毎に使用量の多いユーザに警鐘となる使用順位情報を提供し、ユーザに対して使用量削減を意識させることが可能な画像形成装置の表示制御装置、画像形成装置および画像形成システムを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そのような課題を解決するために本発明の請求項1に係る表示制御装置は、画像形成装置に対する画像データと当該画像データの取り込みに際して求められるユーザに係る識別符号との入力を受ける入力部と、当該装置に係る累積使用回数を含むユーザ毎のユーザ履歴を記憶する記憶部と、その識別符号が入力されたとき、記憶されたユーザ履歴に対し当該ユーザの累積使用回数を更新してそのユーザ履歴を作成するユーザ履歴作成部と、そのユーザ履歴を表示する表示部と、入力された識別符号に係る当該ユーザの累積使用回数が基準回数を超えて多いとき、所定期間における使用回数の多い順に、当該ユーザを含めて所定数のユーザ履歴をその表示部に表示制御する表示制御部と、を具備している。
【0010】
本発明の請求項2に係る表示制御装置は、上記表示制御部が、表示されるユーザ履歴としてユーザ名に加えて、使用順位および又は使用回数を表示制御する構成を有している。
【0011】
本発明の請求項3に係る表示制御装置は、上記表示制御部が、使用回数の多い最上位順からユーザ履歴を表示制御する構成を有している。
【0012】
本発明の請求項4に係る表示制御装置は、上記表示制御部が、入力された識別符号に係る当該ユーザの順位前後の所定数のユーザ履歴を表示制御する構成を有している。
【0013】
本発明の請求項5に係る表示制御装置は、上記表示部に表示された個々のユーザ履歴の選択を受ける選択部を有し、上記表示制御部が、選択された個々のユーザ履歴の詳細履歴を表示部に表示制御する構成を有している。
【0014】
本発明の請求項6に係る表示制御装置は、上記表示制御部が、そのユーザ履歴を当該装置の外部へ出力制御する構成を有している。
【0015】
本発明の請求項7に係る表示制御装置は、点灯部および又は警報発音部を有し、上記表示制御部が、入力された識別符号に係る使用回数が基準回数を超えるとき、それら点灯部および又は警報発音部を駆動制御する構成を有している。
【0016】
本発明の請求項8に係る画像形成装置は、それら請求項1〜7いずれか1記載の表示制御装置と、その画像データを画像形成する画像形成部とを具備している。
【0017】
本発明の請求項9に係る画像形成システムは、画像データを入力して画像形成する画像形成装置と、情報処理して画像データを作成し当該画像データおよびユーザに係る識別符号をその画像形成装置にネットワークを介して出力する情報処理装置と、を具備している。
【0018】
しかも、上記画像形成装置は、その画像データおよび識別符号の入力を受ける入力部と、当該装置に係る累積使用回数を含む前記ユーザ毎のユーザ履歴を記憶する記憶部と、その識別符号が入力されたとき、記憶された前記ユーザ履歴に対し当該ユーザの累積使用回数を更新してユーザ履歴を作成するユーザ履歴作成部と、入力された識別符号に係る当該ユーザの累積使用回数が基準回数を超えて多いとき、所定期間における使用回数の多い順に、当該ユーザを含めて所定数のユーザ履歴を表示用にネットワークを介して情報処理装置に出力制御する出力制御部と、を具備している。
【0019】
さらに、上記情報処理装置は、そのユーザ履歴を表示する表示部と、そのネットワークを介して入力されたユーザ履歴を表示部に表示制御する表示制御部と、を具備している。
【0020】
本発明の請求項10に係る画像形成システムは、上記出力制御部が、表示されるユーザ履歴としてユーザ名に加えて、使用順位および又は使用回数を出力制御する構成を有している。
【0021】
本発明の請求項11に係る画像形成システムは、上記出力制御部が、使用回数の多い最上位順からユーザ履歴を出力制御する構成を有している。
【0022】
本発明の請求項12に係る画像形成システムは、上記出力制御部が、入力された識別符号に係る当該ユーザの順位前後の所定数のユーザ履歴を表示制御する構成を有している。
【0023】
本発明の請求項13に係る画像形成システムは、上記表示部に表示された個々のユーザ履歴の選択を受ける選択部を有し、上記表示制御部は、選択された個々のユーザ履歴の詳細履歴をその表示部に表示制御する構成を有している。
【発明の効果】
【0024】
このような本発明の請求項1、9に係る表示制御装置および画像形成システムでは、入力された識別符号に係る当該ユーザの累積使用回数が基準回数を超えて多いとき、所定期間における使用回数の多い順に、当該ユーザを含めて所定数のユーザ履歴をその表示部に表示するから、画像形成毎に使用量の多いユーザに警鐘となる使用順位情報を提供し、ユーザに対して使用量削減を意識させることが可能である。
【0025】
本発明の請求項2、10に係る表示制御装置および画像形成システムでは、表示されるユーザ履歴としてユーザ名に加えて、使用順位および又は使用回数を表示するから、使用量の多いユーザに警鐘となる具体的な使用順位情報を提供可能である。
【0026】
本発明の請求項3、11に係る表示制御装置および画像形成システムでは、使用回数の多い最上位順からユーザ履歴を表示するから、使用量の多いユーザに警鐘となるより端的な使用順位情報を提供可能である。
【0027】
本発明の請求項4、12に係る表示制御装置および画像形成システムでは、入力された識別符号に係る当該ユーザの順位前後の所定数のユーザ履歴を表示するから、使用回数の多いユーザが多数いても、入力された識別符号に係る当該ユーザの順位履歴を表示することが容易である。
【0028】
本発明の請求項5、13に係る表示制御装置および画像形成システムでは、選択された個々のユーザ履歴の詳細履歴をその表示部に表示するから、使用量の多い特定ユーザの詳細使用情報を提供可能である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に係る画像形成装置を含む画像形成システムの実施の形態を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る画像形成装置を示す概略内部構成図である。
【図3】本発明に関するユーザ履歴一覧を説明する図である。
【図4】図1に示す操作パネル部を説明する図である。
【図5】図1の操作パネル部におけるユーザ履歴の表示状態を説明する図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明に係る表示制御装置、画像形成装置および画像形成システムの実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、本発明に係る表示制御装置および画像形成装置は、本発明に係る画像形成システムを説明する過程で説明する。
【0031】
図1は、本発明に係る画像形成システムの実施の形態を示すブロック図であり、画像形成装置Aと、ネットワークNTを介して接続された情報処理装置Bとを有して構成されている。
【0032】
まず、画像形成装置Aから説明する。
【0033】
図1において、画像形成装置Aは、主制御部1を中心にして画像取込部3、記憶部5、ユーザ履歴作成部7、操作パネル部9、印刷部11および通信部13を有し、例えばプリンタを構成している。なお、画像形成装置Aは、これ以外にも構成を有するが、本発明の要旨ではないので説明および図示を省略する。
【0034】
画像取込部3は、例えば図2に示すように、画像形成装置Aの本体ケース15の上部に配置され、主制御部1の制御の下、例えば印刷された原稿から画像を光学的に読み込み、フィルタ処理等をして電子的印刷ジョブを生成する公知のスキャナ等の画像データの入力部であり、生成した印刷ジョブが記憶部5に順次記憶されるようになっている。画像形成装置Aの内部構成については後述する。
【0035】
記憶部5は、主制御部1の制御の下、画像取込部3からの読取画像データ又は通信部13からの受信画像データ、後述するユーザ履歴および基準回数等を記憶する他、主制御部1の動作プログラムを記憶した読み書き可能な例えばハードディスクである。
【0036】
ユーザ履歴は、例えば図3に示すように、当該画像形成装置Aを使用するユーザ毎に、ユーザに係る識別符号に対応するユーザ名、当月の累積使用回数に加えて、先月の累積使用回数(先月回数)、当月のカラー累積使用回数(カラー枚数)、当月のモノクロ累積使用回数(モノクロ枚数)等をテーブル状に一覧にした履歴情報である。
【0037】
図3ではユーザ「FFF」についてのみ、便宜上、先月の累積使用回数(先月回数)、当月のカラー累積使用回数(カラー枚数)および当月のモノクロ累積使用回数(モノクロ枚数)等の詳細情報を図示している。
【0038】
なお、識別符号に対応するユーザ名は予め入力設定されており、図示はしないが、ユーザ毎に直近の前後の上位者および下位者との枚数差も含まれる。
【0039】
ユーザ履歴作成部7は、ユーザが当該画像形成装置Aを使用する都度、すなわちユーザを特定する識別符号を入力する都度、記憶部5に記憶されたユーザ履歴を読み出し、入力された識別符号と、当該ユーザの使用に係る当月の累積使用回数、当月のカラー累積使用回数、当月のモノクロ累積使用回数を加算累積して更新するとともに、直近の上位者および下位者との枚数差を演算更新し、上述した更新ユーザ履歴を作成して主制御部1に出力する機能を有している。
【0040】
当月の累積使用回数およびカラー/モノクロ累積使用回数を演算するための使用回数およびカラー/モノクロ印刷枚数は、入力された画像データに添付された印刷制御情報や操作パネル部9からの入力指示、又は印刷部11の印刷動作によって得られた情報を加算して得られる。
【0041】
操作パネル部9は、図2に示すように、本体ケース15の上部に配置され、主制御部1の制御の下、例えば、種々の動作状態の表示が可能な表示部としての公知の例えば液晶表示パネルと、装置の動作に係る画像が表示されたキーを押下することにより、画像読取、印刷指示その他の指示を受付ける入力部としての機能を有している。
【0042】
すなわち、操作パネル部9は、例えば図4に示すように、印刷(印字、コピー)処理、プリンタ処理、スキャナ処理、ファックス処理等の種々の操作指示や選択をする選択キー9a、それらの操作に係る動作機能の設定、変更等を入力する入力部としてのテンキー9b、スタートキー9c、表示パネル部9d等を有している。
【0043】
表示パネル部9dは、後述するように、ユーザ履歴を表示する表示部として機能するとともに、表示された個々のユーザ履歴上をタッチすることにより、当該履歴の選択を受け付ける選択部として機能する。
【0044】
印刷部11は、画像データから印刷画像イメージデータを展開作成し、これに基づきトナー像を画像形成し、このトナー像を用紙に転写定着して排紙するものである。
【0045】
通信部13は、主制御部1の制御の下、所定のプロトコルに従い、ネットワークNTを介して情報処理装置(コンピュータ)Bとの間で画像データの送受信や、後述するようにユーザ履歴を情報処理装置に送信するインターフェース部である。
【0046】
図2は画像形成装置Aの内部構成を概略的に示す概略内部構成図である。
【0047】
画像形成装置Aは、本体ケース15内に、大きさの異なる用紙のセットされる複数の給紙段17a、17bと、印刷画像イメージデータに基づきトナーで感光体ドラムにトナー現像してこれを用紙に転写する転写部19と、トナー像の転写された用紙を定着する定着部21と、定着された用紙を両面印刷用に転写部19に戻す反転搬送部23等とを有し、これらが印刷部11を形成している。符号25は排紙トレイである。
【0048】
印刷部11における感光体ドラムは、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロ(Y)およびブラック(K)の色別に配置されており、画像形成部として機能している。
【0049】
図1に戻って、主制御部1は、CPU、このCPUの動作プログラムを格納したROMおよび作業用RAM(何れも図示せず。)を有して形成されており、上述し画像取込部3、記憶部5、ユーザ履歴作成部7、操作パネル部9、印刷部11および通信部13等を制御するとともに、以下の表示制御部27としての機能を有している。
【0050】
すなわち、表示制御部27は、ユーザ履歴が作成され、ユーザの識別符号が入力されたとき、入力された識別符号に係る当該ユーザの累積使用回数を基準回数(例えば200回)と比較し、当該ユーザの累積使用回数が基準回数を超えて多いとき、所定期間(例えば毎月初からの1ケ月間)における使用回数の多い順に、当該ユーザを含めて所定数(例えば10個)のユーザ履歴を操作パネル部11に表示制御する機能を有している。
【0051】
具体的には、表示制御部27は、図5に示すように、使用回数の多い最上位順からユーザ履歴を表示するとともに、個々のユーザ毎のユーザ履歴としてユーザ名、使用順位および使用回数を表示ボタン又は表示アイコンとして僅かの間隔を置いて整列表示する機能を有している。
【0052】
なお、入力された当該ユーザの順位が最上位順から数えて11位以降であれば、当該ユーザの順位前後の10個のユーザ履歴を表示するよう表示制御部27を形成することが可能である。
【0053】
表示制御部27は、表示された操作パネル部9の表示パネル部9dにおいて、個々のユーザ履歴上にタッチよって選択受付られたユーザ履歴の更に詳細情報を表示制御する機能を有している。
【0054】
図4は、操作パネル部9の表示パネル部9dにおいて、使用回数の最上位のユーザ「1.AAA667」、「2.BBB592」〜「6.FFF396」〜「10.JJJ201」を一覧表示で示すものであり、例えば6位の「6.FFF396」が選択されて、ユーザ名「FFF」に関し、先月の印刷枚数「398」、カラー印刷枚数「201」、モノクロ印刷枚数「195」、上位者との差枚数「2」、下位者との差枚数「93」を表示している。
【0055】
表示制御部27は、作成したユーザ履歴を通信部13からネットワークNTを介して情報処理装置Bに出力する出力制御部としての機能も有する。なお、通信部13から出力するユーザ履歴は、上述した図3に示す個々のユーザ履歴の一覧全体である。
【0056】
次に、情報処理装置Bの構成を簡単に説明する。
【0057】
図1において、情報処理装置Bは、通信部29、画像データ作成部31、入力選択部33、表示制御部35および表示部37その他を有するコンピュータである。なお、情報処理装置Bは、これ以外にも構成を有するが、本発明の要旨ではないので説明および図示を省略する。
【0058】
通信部29は、所定のプロトコルに従い、ネットワークNTを介して画像形成装置Aとの間で画像データの送受信やユーザ履歴の受信をするインターフェース部である。
【0059】
画像データ作成部31は、公知の文書作成プログラム等によって文書を作成するとともに、これに基づき画像データを作成するものであり、通信部29を介して画像データを識別符号とともに画像形成装置Aに送信する機能を有する。
【0060】
入力選択部33は、文字入力や機能選択指示を行って情報処理装置Bを操作する例えばキーボードやマウス等であり、入力部や選択部として機能する。
【0061】
表示部37は、情報処理装置Bにおける種々の動作を表示するとともに、上述したユーザ履歴を表示するディスプレイであり、機能的には操作パネル部9の表示パネル部9dと同様である。
【0062】
表示制御部35は、画像形成装置Aの表示制御部27と同様に、通信部29を介して画像形成装置Aから取得したユーザ履歴を表示部37に表示制御する機能を有している。
【0063】
表示制御部35は、表示部37に表示された個々のユーザ履歴について入力選択部33からの選択に基づき、選択受付られたユーザ履歴の更に詳細情報を表示制御する機能を有している。
【0064】
次に、本発明に係る画像形成装置を含む画像形成システムの動作を簡単に説明する。
【0065】
画像取込部3に原稿をセットし、操作パネル部9からユーザの識別符号を入力して読取開始を指示入力すると、画像取込部3が原稿から画像データを読み取って記憶部5に記憶する。
【0066】
ユーザ履歴作成部7は、記憶部5に記憶されたユーザ履歴を読み出し、入力された識別符号と、当該ユーザの使用に係る当月の累積使用回数、当月のカラー累積使用回数、当月のモノクロ累積使用回数を加算累積して更新するとともに、直近の上位者および下位者との枚数差を演算更新し、上述した更新ユーザ履歴の一覧を作成して主制御部1に出力し、記憶部5に記憶させる。
【0067】
表示制御部27は、ユーザ履歴の一覧が作成されたとき、入力された識別符号に係る当該ユーザの累積使用回数を基準回数(200回)と比較し、当該ユーザの累積使用回数が基準回数を超えて多いとき、所定期間(例えば毎月初からの1ケ月間)における使用回数の多い順に、図5に示すように、当該ユーザを含めて例えば10個のユーザ履歴を操作パネル部11に表示させる。
【0068】
操作パネル部9の表示パネル部9dにおいて、個々のユーザ履歴上にタッチすることによってそれが選択されると、表示制御部27は選択されたユーザ履歴の詳細情報を表示させる。
【0069】
画像取込部3からの画像データ入力に限らず、通信部13を介して情報処理装置Bからの画像データの入力においても、同様に動作する。
【0070】
情報処理装置Bから画像データが入力された場合には、表示制御部27がユーザ履歴(ユーザ履歴の一覧)を通信部13からネットワークNTを介して情報処理装置Bに出力する。
【0071】
情報処理装置Bにおいては、通信部29を介して画像形成装置Aから取得したユーザ履歴を、表示制御部35が表示部37に表示させるし、表示部37に表示された個々のユーザ履歴について入力選択部33からの選択に基づき、表示制御部35がユーザ履歴の詳細情報を表示部37に表示させる。
【0072】
このように本発明の表示制御装置Aは、画像形成装置Aに対する画像データと当該画像データの取り込みに際して求められるユーザに係る識別符号との入力を受ける画像取込部3、操作パネル部9又は通信部13等入力部と、当該装置に係る累積使用回数を含むユーザ毎のユーザ履歴を記憶する記憶部5と、その識別符号が入力されたとき、記憶されたユーザ履歴に対し当該ユーザの累積使用回数を更新してそのユーザ履歴を作成するユーザ履歴作成部7と、そのユーザ履歴を表示する表示部と、入力された識別符号に係る当該ユーザの累積使用回数が基準回数を超えて多いとき、所定期間における使用回数の多い順に、当該ユーザを含めて所定数のユーザ履歴をその表示部に表示制御する表示制御部27と、を具備している。
【0073】
そのため、画像形成毎に使用量の多いユーザに警鐘となる使用順位情報を提供し、ユーザに対して使用量削減を意識させることが可能である。
【0074】
特に、表示されるユーザ履歴としてユーザ名に加えて、使用順位および又は使用回数を表示するから、使用量の多いユーザに警鐘となる具体的な使用順位情報を提供可能である。
【0075】
しかも、使用回数の多い最上位順からユーザ履歴を表示することが可能であるから、使用量の多いユーザに警鐘となるより端的な使用順位情報を提供可能であるし、入力された識別符号に係る当該ユーザの順位前後の所定数のユーザ履歴を表示すれば、使用回数の多いユーザが多数いても、領域の限られた表示部において、入力された識別符号に係る当該ユーザの順位履歴を表示することが容易である。
【0076】
さらに、選択された個々のユーザ履歴の詳細履歴をその表示部に表示するから、使用量の多い特定ユーザの詳細使用情報を提供可能である。
【0077】
さらにまた、ユーザ履歴を当該装置の外部へ出力制御するよう表示制御部27を形成すれば、外部の機器においてユーザ履歴やこの詳細履歴を表示可能になる。
【0078】
ところで、本発明の表示制御装置では、上述したようにユーザの履歴を表示するのみならず、例えば操作パネル部9に警報部としてのLEDからなる点灯部dおよび又はスピーカからなる警報発音部sを配置し、入力された識別符号に係る使用回数が上述した基準回数を超えるとき、表示制御部27が点灯部dおよび又は警報発音部sを駆動制御する構成にすることが可能である。
【0079】
このような構成では、一定期間中に使用量が多いユーザ(又はその期間より前期間に使用量が多かったユーザ)について、使用毎に点灯部dを点滅させたり、警報発音部sでビープ音を鳴らせることにより、当該ユーザに注意を促すことが可能である。
【0080】
また、本発明における上述したユーザの識別符号としては、社員番号、部署コード等の種々の番号などで実施可能であるし、上述した基準回数および所定期間についても任意に設定可能である。
【0081】
そして、本発明の画像形成装置Aと情報処理装Bで形成される本発明の画像形成システムにおいては、上述した表示制御装置と同様の効果が得られることに加え、画像データを送信した外部の情報処理装置Bの表示部35上に上位者のユーザ履歴を表示させることが可能で、使い勝手が向上する。
【符号の説明】
【0082】
1 主制御部
3 画像取込部(入力部)
5 記憶部
7 ユーザ履歴作成部
9 操作パネル部(表示部、入力部、選択部、警報部)
9a 選択キー
9b テンキー
9c スタートキー
9d 表示パネル部
11 印刷部
13、29 通信部
15 本体ケース
17a、17b 給紙段
19 転写部
21 定着部
23 反転搬送部
25 排紙トレイ
27 表示制御部
31 画像データ作成部
33 入力選択部(選択部)
35 表示制御部
37 表示部
A 画像形成装置
B 情報処理装置
d 点灯部
NT ネットワーク
s 警報発音部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置に対する画像データと当該画像データの取り込みに際して求められるユーザに係る識別符号との入力を受ける入力部と、
当該装置に係る累積使用回数を含む前記ユーザ毎のユーザ履歴を記憶する記憶部と、
前記識別符号が入力されたとき、記憶された前記ユーザ履歴に対し当該ユーザの前記累積使用回数を更新して前記ユーザ履歴を作成するユーザ履歴作成部と、
前記ユーザ履歴を表示する表示部と、
入力された前記識別符号に係る当該ユーザの前記累積使用回数が基準回数を超えて多いとき、所定期間における使用回数の多い順に、当該ユーザを含めて所定数の前記ユーザ履歴を前記表示部に表示制御する表示制御部と、
を具備することを特徴とする画像形成装置の表示制御装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、表示される前記ユーザ履歴としてユーザ名に加えて、使用順位および又は使用回数を表示制御する請求項1記載の画像形成装置の表示制御装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、使用回数の多い最上位順から前記ユーザ履歴を表示制御する請求項1又は2記載の画像形成装置の表示制御装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、入力された前記識別符号に係る当該ユーザの順位前後の所定数の前記ユーザ履歴を表示制御する請求項1又は2記載の画像形成装置の表示制御装置。
【請求項5】
前記表示部に表示された個々の前記ユーザ履歴の選択を受ける選択部を有し、前記表示制御部は、選択された個々の前記ユーザ履歴の詳細履歴を前記表示部に表示制御する請求項1〜4いずれか1記載の画像形成装置の表示制御装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、前記ユーザ履歴を当該装置の外部へ出力制御する請求項1〜5いずれか1記載の画像形成装置の表示制御装置。
【請求項7】
点灯部および又は警報発音部を有し、前記表示制御部は、入力された前記識別符号に係る使用回数が前記基準回数を超えるとき、前記点灯部および又は警報発音部を駆動制御する請求項1〜6いずれか1記載の画像形成装置の表示制御装置。
【請求項8】
前記請求項1〜7いずれか1記載の表示制御装置と、前記画像データを画像形成する画像形成部とを具備することを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
画像データを入力して画像形成する画像形成装置と、情報処理して前記画像データを作成し当該画像データおよびユーザに係る識別符号を前記画像形成装置にネットワークを介して出力する情報処理装置と、を具備する画像形成システムであり、
前記画像形成装置は、
前記画像データおよび識別符号の入力を受ける入力部と、
当該装置に係る累積使用回数を含む前記ユーザ毎のユーザ履歴を記憶する記憶部と、
前記識別符号が入力されたとき、記憶された前記ユーザ履歴に対し当該ユーザの前記累積使用回数を更新して前記ユーザ履歴を作成するユーザ履歴作成部と、
入力された前記識別符号に係る当該ユーザの前記累積使用回数が基準回数を超えて多いとき、所定期間における使用回数の多い順に、当該ユーザを含めて所定数の前記ユーザ履歴を表示用に前記ネットワークを介して前記情報処理装置に出力制御する出力制御部と、を具備し、
前記情報処理装置は、
前記ユーザ履歴を表示する表示部と、
前記ネットワークを介して入力された前記ユーザ履歴を前記表示部に表示制御する表示制御部と、を具備することを特徴とする画像形成システム。
【請求項10】
前記出力制御部は、表示される前記ユーザ履歴としてユーザ名に加えて、使用順位および又は使用回数を出力制御する請求項9記載の画像形成システム。
【請求項11】
前記出力制御部は、使用回数の多い最上位順から前記ユーザ履歴を出力制御する請求項9又は10記載の画像形成システム。
【請求項12】
前記出力制御部は、入力された前記識別符号に係る当該ユーザの順位前後の所定数の前記ユーザ履歴を表示制御する請求項9又は10記載の画像形成システム。
【請求項13】
前記表示部に表示された個々の前記ユーザ履歴の選択を受ける選択部を有し、前記表示制御部は、選択された個々の前記ユーザ履歴の詳細履歴を前記表示部に表示制御する請求項9〜12いずれか1記載の画像形成システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2011−113023(P2011−113023A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−271551(P2009−271551)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】