説明

画像形成装置及びその制御方法、並びにプログラム

【課題】画像を記録媒体に形成した場合と同じ大きさで表示する実サイズプレビューを表示可能な画像形成装置において、当該画像を記録媒体に形成するまでに要するユーザの手間を軽減する。
【解決手段】画像形成装置1は、記録媒体に画像を形成する形成手段と、ユーザに情報を表示する表示手段とを備えた画像形成装置であって、画像を記録媒体に形成した場合と同じ大きさで表示手段に画像を表示する実サイズプレビュー手段と、実サイズプレビュー手段により表示手段に表示された画像の表示倍率をユーザによって変更させるための表示倍率変更手段と、表示倍率変更手段によりユーザによって変更された表示倍率で表示された画像の大きさとなるように画像を記録媒体に形成する際の形成倍率を変更する形成倍率変更手段とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及びその制御方法、並びにプログラムに関し、特に、画像を記録媒体に形成した場合と同じ大きさで表示する実サイズプレビューを表示可能な画像形成装置及びその制御方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
環境保護の観点より、オフィス等におけるペーパーレス化が推進されている。複合機等の画像形成装置においては、印刷ミスを低減すべくプレビュー機能が提供されている。こうしたプレビュー機能のひとつとして、印刷する画像に含まれる文字や図画を、用紙上に印刷した場合と同じ大きさで表示して確認する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。以降このようなプレビュー機能を「実サイズプレビュー」という。
【0003】
この技術によれば、印刷する前に文字や図画の大きさを確認することができるため、「意図していた文字や図画の大きさではなかった」といった理由による印刷ミスを防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−166763号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、実サイズプレビューで文字や図画の大きさを確認した結果、所望の大きさではなかった場合、所望の大きさにするために、ユーザは以下の操作を行う必要があり煩雑であった。まず、ユーザは、プレビューの画面を閉じる。次に印刷倍率設定の画面を開き印刷倍率を設定する。そして、再度プレビューの画面を開き、実サイズプレビューにより文字や図画の大きさを確認する、という操作である。
【0006】
また、上述の操作の後、プレビュー機能により印刷内容を確認した結果、用紙のサイズやページ集約(面付け)が適切でないことを気付く場合がある。適切ではない例として、印刷倍率に対して用紙サイズが小さく印刷内容が切れてしまっていたり、あるいは余白領域が不要に大きい、などが挙げられる。
【0007】
この場合、加えて以下の操作を行う必要があり、煩雑であった。まず、ユーザは、プレビューの画面を閉じる。次に、用紙選択設定やページ集約設定の画面を開きこれらを設定する。そして、再度プレビューの画面を開き印刷内容を確認する、という操作である。
【0008】
本発明の目的は、画像を記録媒体に形成した場合と同じ大きさで表示する実サイズプレビューを表示可能な画像形成装置において、画像を記録媒体に形成するまでに要するユーザの手間を軽減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1の画像形成装置は、記録媒体に画像を形成する形成手段と、ユーザに情報を表示する表示手段とを備えた画像形成装置であって、画像を記録媒体に形成した場合と同じ大きさで前記表示手段に前記画像を表示する実サイズプレビュー手段と、前記実サイズプレビュー手段により前記表示手段に表示された前記画像の表示倍率をユーザによって変更させるための表示倍率変更手段と、前記表示倍率変更手段によりユーザによって変更された表示倍率で表示された前記画像の大きさとなるように前記画像を記録媒体に形成する際の形成倍率を変更する形成倍率変更手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、画像を記録媒体に形成した場合と同じ大きさで表示する実サイズプレビューを表示可能な画像形成装置において、当該画像を記録媒体に形成するまでに要するユーザの手間を軽減する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。
【図2】図1における間接記憶部に記憶された判定条件テーブル200のデータ構成を示す図である。
【図3】図1におけるユーザインターフェースでのプレビュー表示例を示す図である。
【図4】図1におけるユーザインターフェースでの実サイズプレビュー表示例を示す図である。
【図5】図1におけるCPUにより実行される実サイズプレビュー表示処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
【0013】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置1の概略構成を示す図である。
【0014】
図1において、画像形成装置1は、画像処理装置11及び印刷装置12で構成される。
【0015】
画像処理装置11は、CPU111と直接記憶部112と、間接記憶部113と、ユーザインターフェース114と、外部インターフェース115とで構成される。上記直接記憶部112は、例えばRAMであり、間接記憶部113は、例えばHDDである。そして、直接記憶部112は、CPU111と直接データをやり取りする記憶部であり、間接記憶部113は直接記憶部112を介してCPU111とデータをやり取りする記憶部である。
【0016】
間接記憶部113には、画像形成装置1を制御するためのコントローラプログラムが記憶されている。また、後述する判定条件テーブルが記憶された記憶手段でもある。さらに、直接記憶部112には、CPU111がコントローラプログラムを実行した際などに得られる情報が一時的に記憶される。
【0017】
ユーザインターフェース114は、タッチパネルやキーボード、マウス、ディスプレイ等で構成され、ユーザからの指示の受付け、表示データの表示をすることが可能となっている。なお、以降の説明では、ユーザインターフェース114が、ディスプレイに表示データを出力することを、ユーザインターフェース114が「表示する」という。ユーザインターフェース114は、ユーザに情報を表示する表示手段に対応する。
【0018】
外部インターフェース115は、外部装置からのデータの受信や外部装置へのデータの送信を行う。例えば、外部装置としては、外付けHDDや外付けUSBメモリ等の外付け記憶装置や、ネットワークを介して接続された別体のホストコンピュータや画像形成装置等の別体装置が含まれる。
【0019】
印刷装置12は、画像処理装置11が生成した画像を用紙などの記録媒体にする。以下の説明では、画像を形成することを、「印刷する」と表現することがある。また、記録媒体を用紙と表現することがある。さらに、本実施の形態では、画像処理装置11や印刷装置12が実行する画像形成処理や印刷処理を「ジョブ」という。そしてジョブに関する設定を「ジョブ設定」という。
【0020】
CPU111は、間接記憶部113に記憶されたコントローラプログラムを直接記憶部112に移動する(記憶させる)ことができる。移動が完了すると、CPU111がコントローラプログラムを実行することができる状態になる。
【0021】
なお、本実施の形態では、CPU111、直接記憶部112及び間接記憶部113の一部をコントローラ部10と称している。直接記憶部112及び間接記憶部113の一部とは、直接記憶部112のうちのコントローラプログラムを記憶している領域、及びCPU111が上記コントローラプログラムを処理した際に得られる情報を記憶する領域である。
【0022】
ユーザインターフェース114は、ユーザからの実サイズプレビューの表示指示を受け付ける。そしてこれをコントローラ部10へ通知する。
【0023】
コントローラ部10は、この表示指示を受け付けると、画像処理装置11が読み取った画像や外部インターフェース115が外部装置より受信した画像より、実サイズプレビュー画像を生成する。
【0024】
実サイズプレビュー画像とは、印刷する画像に含まれる文字や図画を、用紙上に印刷した場合と同じ大きさとなるよう生成された画像である。
【0025】
コントローラ部10は、生成された実サイズプレビュー画像から表示データを生成してユーザインターフェース114に渡す。ユーザインターフェース114がこの表示データを表示することで、実サイズプレビューの表示が成される。
【0026】
ユーザインターフェース114は、ユーザから、表示している実サイズプレビューに対する表示倍率を受け付ける。そしてこれをコントローラ部10へ通知する。
【0027】
コントローラ部10は、当該表示倍率を受け付けると、この表示倍率に応じて実サイズプレビュー画像を生成しなおす。そして、生成しなおした実サイズプレビュー画像より表示データを生成してユーザインターフェース114に渡し、表示させる。
【0028】
本実施の形態では、ユーザインターフェース114が受け付けることができる表示倍率は25[%]から400[%]の範囲内における整数値である。そして、本実施の形態によれば、この表示倍率が印刷倍率に反映される。
【0029】
本実施の形態では、実サイズプレビューの表示に関する倍率を「表示倍率」という。そして、ジョブ設定に含まれる印刷の倍率を「印刷倍率」という。
【0030】
図2は、図1における間接記憶部113に記憶された判定条件テーブル200のデータ構成を示す図である。
【0031】
この判定条件テーブル200は、印刷倍率に対する最適な用紙サイズおよびページ集約を判定するための判定条件を定義するものである。
【0032】
本実施の形態では、実サイズプレビューの表示倍率を印刷倍率に反映するが、この印刷倍率(表示倍率)における最適な用紙サイズやページ集約が判定される。判定条件テーブル200は、この判定のための条件を定義したデータテーブルである。判定条件テーブル200では、1つのレコード(行)が1つの条件を表す。
【0033】
図2において、データ項目201は、印刷する画像のサイズである原稿サイズを表すデータ項目である。
【0034】
データ項目202は、データ項目201の原稿サイズに対する印刷倍率であり、最適な用紙サイズやページ集約の設定が可能な印刷倍率を表すデータ項目である。
【0035】
データ項目203は、データ項目201が示す原稿サイズとデータ項目202が示す印刷倍率の場合に、最適となる用紙サイズを表すデータ項目である。ブランクの場合は、最適な用紙サイズがないことを示している。
【0036】
データ項目204は、データ項目201が示す原稿サイズとデータ項目202が示す印刷倍率の場合に、最適となるページ集約を表すデータ項目である。ブランクの場合は、最適なページ集約はないことを示している。
【0037】
上記判定条件テーブル200は、画像に対して予め定められた用紙のサイズである原稿サイズ、及び変更された表示倍率と、当該表示倍率において画像を形成可能な用紙のサイズとが対応付けられた変更可能サイズ情報に対応する。
【0038】
また、判定条件テーブル200は、画像が複数の場合に、画像に対して予め定められた用紙のサイズである原稿サイズ、及び変更された表示倍率と、当該表示倍率において2つ以上の画像を集約して1つの用紙に形成可能な用紙のサイズとが対応付けられている。従って、判定条件テーブル200は、集約可能サイズ情報にも対応する。
【0039】
図3は、図1におけるユーザインターフェース114でのプレビュー表示例を示す図である。
【0040】
画面300Aは、プレビューを表示する画面である。このプレビューとは、実サイズプレビューではなく、ページ全体の様相を俯瞰して参照するためのプレビューである。画面300Aは、ユーザからの指示により、ユーザインターフェース114により表示される。
【0041】
プレビュー表示領域301は、プレビューの画像から生成した表示データが表示される領域である。
【0042】
実サイズボタン302は、実サイズプレビューの表示を指示するためのものである。ユーザが、実サイズボタン302を押下すると、次の図4に示される実サイズプレビューを表示する画面が表示される。
【0043】
「閉じる」ボタン303を押下すると、画面300Aを表示する以前に表示していた画面へ遷移する。
【0044】
図4は、図1におけるユーザインターフェース114での実サイズプレビュー表示例を示す図である。
【0045】
図4において、画面300Bは、実サイズプレビューを表示する画面である。
【0046】
実サイズプレビュー表示領域304は、実サイズプレビューの画像から生成した表示データを表示する。
【0047】
表示倍率スライダ305は、表示倍率を設定するものである。つまみ306をディスプレイに向かって左方向に操作すると、実サイズプレビューの表示を縮小する表示倍率を設定する。逆に、右方向に操作すると、実サイズプレビューの表示を拡大する表示倍率を設定する。表示倍率スライダ305への操作に応じ、実サイズプレビュー画像の生成をしなおして、実サイズプレビュー表示領域304の表示を更新する。この表示倍率スライダ305は、ユーザインターフェース114に表示された画像の表示倍率をユーザによって変更させるためのものである。尚、表示された画像の表示倍率をユーザによって変更させるためのものであれば、305に示すスライダに限らず、拡大/縮小ボタンや、ユーザが画面304を指でタッチして所定のジェスチャーを行う等の別の方法によって実現してもよい。
【0048】
最適用紙サイズ設定表示領域307は、現在の表示倍率に対して、最適な用紙サイズがあると判定する場合に、当該用紙サイズへの設定を行うためのボタンを表示する領域である。上述した現在の表示倍率は、後に印刷倍率に反映される。
【0049】
現在の表示倍率に対して最適な用紙サイズが無いと判定されたときは、最適用紙サイズ設定表示領域307には何も表示されない。最適な用紙サイズがあると判定されたときは、最適用紙サイズ設定表示領域307に、同図に示されるようにその用紙サイズが表示される。同図はB4が最適な用紙サイズと判定された場合の例を示している。用紙サイズ設定ボタン308をユーザが押下することにより、判定された最適な用紙サイズがジョブに対して仮設定される。
【0050】
最適ページ集約設定表示領域309は、現在の表示倍率に対して、最適なページ集約があると判定されたとき、このページ集約への設定を行うためのボタンを表示する領域である。
【0051】
現在の表示倍率に対して最適なページ集約が無いと判定されたとき、最適ページ集約設定表示領域309には何も表示されない。最適なページ集約があると判定されたとき、最適ページ集約設定表示領域309は、同図に示されるようにそのページ集約が表示される。同図は1枚の紙に2ページ分印刷する2in1が最適なページ集約と判定された場合の例を示している。
【0052】
ページ集約設定ボタン310をユーザが押下することにより、判定された最適なページ集約がジョブに対して仮設定される。なお、ページ数表示ラベル311は、ページ集約設定ボタン310でページ集約を変更する前後の出力用紙枚数を表示するものである。これにより、ユーザは、何枚の用紙が節約されるかを把握することができる。尚、最適な用紙サイズがあると判定され、且つ、最適なページ集約があると判定されたときは、最適用紙サイズ設定表示領域307と最適ページ集約設定表示領域309の両方にボタンが表示されることになる。例えば、図2の例で、原稿サイズがA3で、倍率が70パーセントに指定された場合、最適用紙サイズ設定表示領域307には「A4」が表示され、且つ、最適ページ集約設定表示領域309には「2in1」が表示される。その場合、ユーザはそのどちらか一方を選択することができるようになる。
【0053】
OKボタン312は、実サイズプレビューの表示を終了するものである。OKボタン312をユーザが押下することにより、図3の画面300Aが表示される。更にこのとき、次の設定が行われる。まず、現在の表示倍率が印刷倍率としてジョブに設定される。次に、仮設定された用紙サイズがジョブに設定される。さらに仮設定したページ集約がジョブに設定される、という設定である。
【0054】
キャンセルボタン313も、OKボタン312同様、実サイズプレビューの表示を終了するものである。しかし、キャンセルボタン313をユーザが押下したときは、現在の表示倍率を印刷倍率に設定せずに画面300Aが表示される。また、仮設定した用紙サイズやページ集約も、ジョブに対して設定されない。
【0055】
図5は、図1におけるCPU111により実行される実サイズプレビュー表示処理の手順を示すフローチャートである。図5のフローチャートの各ステップは、間接記憶部113に記憶されたプログラムが直接記憶部112に展開され、CPU111によって実行される。
【0056】
まず、CPU111は、ユーザインターフェース114に実サイズプレビューを表示する(ステップS501)。詳細には、CPU111は、実サイズプレビューの画像を生成し、さらに表示データを生成してユーザインターフェース114に通知する。ユーザインターフェース114はこれを表示する。このステップS401は、画像を記録媒体に形成した場合と同じ大きさでユーザインターフェース114に画像を表示する実サイズプレビュー手段の一例である。
【0057】
次いで、CPU111は、実サイズプレビューを終了するか否か判別する(ステップS502)。これは、ユーザにより、OKボタン312またはキャンセルボタン313が押下されたか否かの判別である。
【0058】
ステップS502の判別の結果、実サイズプレビューを終了しないとき(ステップS502でNO)、最適な用紙サイズが設定されたか否か判別する(ステップS503)。これは、ユーザにより、用紙サイズ設定ボタン308が押下されたか否かの判別である。なお、最適な用紙サイズが存在しなかったときには、ユーザにより、用紙サイズ設定ボタン308が押下されることはないので、ステップS503では否定判別される。
【0059】
ステップS503の判別の結果、最適な用紙サイズが設定されたとき(ステップS503でYES)、CPU111は、その用紙サイズを直接記憶部に一時的に記憶し(ステップS504)、ステップS502の処理に戻る。
【0060】
一方、最適な用紙サイズが設定されていないとき(ステップS504でNO)、CPU111は、最適なページ集約が設定されたか否か判別する(ステップS505)。これは、ユーザにより、ページ集約設定ボタン310が押下されたか否かの判別である。なお、最適なページ集約が存在しなかったときには、ユーザにより、ページ集約設定ボタン310が押下されることはないので、ステップS505では否定判別される。
【0061】
ステップS505の判別の結果、最適なページ集約が設定されたとき(ステップS505でYES)、CPU111は、そのページ集約を直接記憶部に一時的に記憶し(ステップS506)、ステップS502の処理に戻る。
【0062】
一方、最適なページ集約が設定されていないとき(ステップS505でNO)、CPU111は、表示倍率が変更されたか否か判別する(ステップS507)。これは、ユーザにより、表示倍率スライダ305が操作されたか否かの判別である。このステップS507は、ユーザインターフェース114に表示された画像の表示倍率をユーザによって変更させるための表示倍率変更手段の一例である。
【0063】
ステップS507の判別の結果、表示倍率が変更されなかったとき(ステップS507でNO)、ステップS502に戻る。
【0064】
一方、表示倍率が変更されたとき(ステップS507でYES)、CPU111は、現在の表示倍率に従って実サイズプレビューの表示を更新する(ステップS508)。ここでは、実サイズプレビューの画像を生成する際に、表示倍率の分変倍する点を除いて、ステップS501と同様の処理が行われる。
【0065】
次いで、CPU111は、現在の表示倍率に対して、最適な用紙サイズやページ集約が存在するか否かを判別する(ステップS509)。これは判定条件テーブル200を用いて行われる。すなわち、実サイズプレビューの表示対象である原稿のサイズ(画像のサイズ)が、データ項目201の値に合致し、かつデータ項目202の印刷倍率の値に対して、±5の値の範囲内に現在の表示倍率が存在するレコードを検索する。レコードが検索されたときは、肯定判別となる。尚、この±5の値は一例であり、別の値であってもよいし、ユーザが任意に変更できるようにしてもよい。
【0066】
ステップS509の判別の結果、最適な用紙サイズやページ集約が存在しないとき(ステップS509でNO)、ステップS502に戻る。一方、最適な用紙サイズやページ集約が存在したとき(ステップS509でYES)、CPU111は、検索されたレコードのデータ項目203、データ項目204の値に応じて、最適用紙サイズ設定表示領域307や最適ページ集約設定表示領域309を表示させる(ステップS510)。そして、ステップS502の処理に戻る。
【0067】
すなわち、データ項目203がブランクでなく、さらにデータ項目203が示すサイズの用紙が給紙されているならば、最適用紙サイズ設定表示領域307が表示される。また、データ項目204がブランクでなければ最適ページ集約設定表示領域309が表示される。
【0068】
上述したステップS502の判別の結果、実サイズプレビューを終了するとき(ステップS502でYES)、CPU111は、設定を反映するか否か判別する(ステップS11)。ここでは、ユーザにより押下されたボタンがOKボタン312であれば、設定を反映すると判別される。ユーザにより押下されたボタンがキャンセルボタン313であれば、設定を反映しないと判別される。
【0069】
ステップS511の判別の結果、設定を反映すると判別されたとき(ステップS511でYES)、CPU111は、ジョブ設定を反映し(ステップS512)、本処理を終了する。このステップS512では、OKボタンが指示された際の表示倍率を、印刷倍率としてジョブに対して設定される。また、ステップS504で、最適な用紙サイズを一時的に記憶している場合には、これがジョブに対して設定される。さらに、ステップS506で、最適なページ集約を一時的に記憶している場合には、これがジョブに対して設定される。
【0070】
従って、ステップS512は、ユーザによって変更された表示倍率で表示された画像の大きさとなるように画像を記録媒体に形成する際の形成倍率を変更する形成倍率変更手段の一例である。
【0071】
また、図5の処理によれば、変更可能サイズ情報において、原稿サイズ、及び変更された表示倍率に対応する記録媒体のサイズが存在する場合に、変更された表示倍率で当該記録媒体に画像を形成することが可能となっている。
【0072】
さらに、図5の処理によれば、集約可能サイズ情報において、原稿サイズ、及び変更された表示倍率に対応する記録媒体のサイズが存在する場合に、変更された表示倍率で当該記録媒体に画像を集約して形成することが可能となっている。
【0073】
一方、設定を反映しないと判別されたとき(ステップS511でNO)、本処理を終了する。本処理が終了すると、画面300Aが表示される。
【0074】
このように、本実施例によれば、実サイズプレビューの表示倍率を印刷倍率に反映する。更に、表示倍率(印刷倍率)の変化に応じて最適な用紙サイズやページ集約を判定し、設定可能に制御する。これにより、実サイズプレビュー・プレビューを表示する画面と、倍率や用紙サイズ、ページ集約の設定のための画面との間を、何度も行き来せずに操作することができるため、利便性が向上する。
【0075】
また、ユーザによって変更された表示倍率で表示された画像の大きさとなるように画像を記録媒体に形成する際の形成倍率を変更するので、従来技術と比較して、画像を記録媒体に形成するまでに要するユーザの手間を軽減することができる。
【0076】
(他の実施の形態)
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)をネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムコードを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【符号の説明】
【0077】
1 画像形成装置
10 コントローラ部
12 印刷装置
112 直接記憶部
113 間接記憶部
114 ユーザインターフェース
200 判定条件テーブル
305 表示倍率スライダ
307 最適用紙サイズ設定表示領域
309 最適ページ集約設定表示領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に画像を形成する形成手段と、ユーザに情報を表示する表示手段とを備えた画像形成装置であって、
画像を記録媒体に形成した場合と同じ大きさで前記表示手段に前記画像を表示する実サイズプレビュー手段と、
前記実サイズプレビュー手段により前記表示手段に表示された前記画像の表示倍率をユーザによって変更させるための表示倍率変更手段と、
前記表示倍率変更手段によりユーザによって変更された表示倍率で表示された前記画像の大きさとなるように前記画像を記録媒体に形成する際の形成倍率を変更する形成倍率変更手段と
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
画像に対して予め定められた記録媒体のサイズである原稿サイズ、及び前記表示倍率変更手段により変更された表示倍率と、当該表示倍率において前記画像を形成可能な記録媒体のサイズとが対応付けられた変更可能サイズ情報が記憶された記憶手段を備え、
前記記憶手段に記憶された変更可能サイズ情報において、前記原稿サイズ、及び変更された表示倍率に対応する記録媒体のサイズが存在する場合に、前記変更された表示倍率で当該記録媒体に前記画像を形成することが可能であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像が複数の場合に、前記画像に対して予め定められた記録媒体のサイズである原稿サイズ、及び前記表示倍率変更手段により変更された表示倍率と、当該表示倍率において2つ以上の画像を集約して1つの記録媒体に形成可能な記録媒体のサイズとが対応付けられた集約可能サイズ情報が記憶された記憶手段を備え、
前記記憶手段に記憶された集約可能サイズ情報において、前記原稿サイズ、及び変更された表示倍率に対応する記録媒体のサイズが存在する場合に、前記変更された表示倍率で当該記録媒体に前記画像を集約して形成することが可能であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
記録媒体に画像を形成する形成手段と、ユーザに情報を表示する表示手段とを備えた画像形成装置の制御方法であって、
画像を記録媒体に形成した場合と同じ大きさで前記表示手段に前記画像を表示する実サイズプレビューステップと、
前記実サイズプレビューステップにより前記表示手段に表示された前記画像の表示倍率をユーザによって変更させるための表示倍率変更ステップと、
前記表示倍率変更ステップによりユーザによって変更された表示倍率で表示された前記画像の大きさとなるように前記画像を記録媒体に形成する際の形成倍率を変更する形成倍率変更ステップと
を備えたことを特徴とする制御方法。
【請求項5】
記録媒体に画像を形成する形成手段と、ユーザに情報を表示する表示手段とを備えた画像形成装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記制御方法は、
画像を記録媒体に形成した場合と同じ大きさで前記表示手段に前記画像を表示する実サイズプレビューステップと、
前記実サイズプレビューステップにより前記表示手段に表示された前記画像の表示倍率をユーザによって変更させるための表示倍率変更ステップと、
前記表示倍率変更ステップによりユーザによって変更された表示倍率で表示された前記画像の大きさとなるように前記画像を記録媒体に形成する際の形成倍率を変更する形成倍率変更ステップと
を備えたことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−49214(P2013−49214A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−188978(P2011−188978)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】