説明

画像形成装置及びジョブ制御プログラム

【課題】データ保存量が上限値を超過する場合であっても、目的のデータを円滑に保存する。
【解決手段】 目的の文書データを文書ボックスbに保存することによってそのデータ保存量が上限値を超過する場合に、設定条件に応じた文書データを、この文書ボックスbに保存されている文書データから取り出して、その一覧を表示するデータ一覧表示手段162と、表示されている文書データの中からユーザーの操作によって選択された文書データを文書ボックスbから削除するとともに、この削除により保存可能領域が増加した文書ボックスbに目的の文書データを保存するデータ置換手段166と、を備えた構成としてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書データなどのデータの保存を円滑に行う画像形成装置及びジョブ制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複合機(MFP)においては、スキャンした原稿やホストコンピュータ等から受信した文書データや画像データ等(以下、文書データという。)をハードディスクドライブ(HDD)の記憶領域に保存することで、文書データの再出力を可能とした機能(以下、文書ボックスという。)を有するものがある。
文書ボックスは、HDDの容量に限りがあるため、保存できる文書データのサイズや数量に一定の上限値(例えば、200MB、1000ジョブなど)が設けられている。
このため、文書ボックスに文書データを保存する際に、データ保存量がこの上限値を超過する場合には、その旨のエラーメッセージを通知し、文書データの受付けや保存を拒否する処理が一般的に行われる。
【0003】
ところで、このように多くの文書データが既に文書ボックスに保存されている場合など、そのままでは目的の文書データの保存ができない場合、ユーザーは、保存操作を一旦キャンセルし、保存したい文書ボックスのリストにアクセスし、保存済みの大量の文書データの中から不要な文書データを選択し、削除した後でなければ新たな文書データを保存する事はできない。
このため、文書ボックスを利用するユーザーにとって煩わしく、利便性を低下させる原因となっていた。
そこで、保存されるジョブ数が上限値を超える場合には、古いジョブを優先的に自動削除し、または、使用頻度が少ないジョブを優先的に自動削除する技術が提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
したがって、このような技術を文書ボックスに用いた場合、不要とされる文書データを自動的に選択し、削除できるようになるため、ユーザーの利便性を向上することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−110354号公報
【特許文献2】特開2006−209708号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来技術のように、保存日時や使用頻度等にもとづいて不要とされる文書データを特定できたとしても、なおユーザーが実際に不要と考えるデータと相違することがある。
すなわち、文書データを自動的に削除する従来の方法では、ユーザーが意図しない文書データが削除されて不足の損害を被る可能性があった。
このため、このような問題に対し、ユーザー自らが不要な文書データを選択・削除する工程を重視しつつ、目的の文書データを円滑に保存する技術が求められていた。
【0006】
本発明は、以上のような従来の技術が有する問題を解決するために提案されたものであり、文書ボックスのデータ保存量が上限値を超過するために目的の文書データの保存ができない場合に、不要な文書データを特定するための条件を選択可能に表示し、ユーザーによって選択された条件にもとづいて削除候補の文書データの一覧を表示し、この一覧の中からユーザーが選択した文書データを削除することによって目的の文書データを文書ボックスに保存する処理を円滑に行う画像形成装置及びジョブ制御プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、目的のデータを記憶領域に保存することによって当該記憶領域におけるデータ保存量が上限値を超過する場合に、設定条件に応じたデータを、前記記憶領域に保存されているデータから取り出して、その一覧を表示するデータ一覧表示手段と、前記表示されているデータの中から操作を介して選択されたデータを前記記憶領域から削除するとともに、この削除により保存可能領域が増加した前記記憶領域に前記目的のデータを保存するデータ置換手段と、を備えた構成としてある。
【0008】
また、本発明のジョブ制御プログラムは、画像形成装置のコンピュータを、目的のデータを記憶領域に保存することによってその記憶領域におけるデータ保存量が上限値を超過する場合に、設定条件に応じたデータを、前記記憶領域に保存されているデータから取り出して、その一覧を表示するデータ一覧表示手段、及び、前記表示されているデータの中から操作を介して選択されたデータを前記記憶領域から削除するとともに、この削除により保存可能領域が増加した前記記憶領域に前記目的のデータを保存するデータ置換手段、として機能させるようにしてある。
【発明の効果】
【0009】
本発明の画像形成装置及びジョブ制御プログラムによれば、データ保存量が上限値を超過する場合であっても、目的のデータを円滑に保存することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図2】操作表示部を示す図である。
【図3】文書保存エラー画面の一例を示した図である。
【図4】文書削除条件選択画面の一例を示す図である。
【図5】削除候補の文書データの一覧を示した図である。
【図6】文書保存完了画面の一例を示した図である。
【図7】図5に示す表示画面が遷移した状態を示す図である。
【図8】文書データの保存方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(画像形成装置)
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置(MFP)の構成を示すブロック図である。
MFP1は、図1(a)に示すように、主制御部としてのCPU(Central Processing Unit)90を備えるほか、ROM(Read Only Memory)91およびRAM(Random Access Memory)92を備える。
ROM91には、CPU90に、コピー、プリンター、ファクシミリ(FAX)、メール、文書ボックスといった各機能のジョブ処理を実行させるためのプログラムが格納され、このプログラムを読み込ませることによって各々の機能を実施することができる。
RAM92は、CPU90がプログラムを実行する際にデータを一時的にスプールするための作業領域(ワークエリア)として用いられる。
また、ROM91やRAM92以外の他の記憶媒体としてHDD(ハードディスクドライブ)93を備える。
【0012】
HDD93は、文書データを長期的に保存するための記憶領域として一又は二以上の文書ボックスb(b1〜bn)を備える。文書ボックスbによれば、ユーザーやグループごとに文書データを保存することができ、文書データの再利用や保存管理を効率よく行うことができる。
なお、各文書ボックスb1〜bnには、保存可能なデータ量としてそれぞれ一定の記憶容量(上限値)が割り当てられている。
例えば、1文書ボックス当たりの文書データの許容保存量を最大200MBと設定し、1文書ボックス当たりの文書データの許容保存数を最大1000ジョブと設定することができる。
【0013】
また、MFP1は、図1(a)に示すように、原稿読取部10、通信インターフェース11、操作表示部12、ジョブ入力部13、画像処理部14、出力部15、及び、ジョブ制御部16を備える。
【0014】
原稿読取部10は、いわゆるスキャナーであり、操作表示部12による操作に応じて、原稿トレイ(不図示)にセットされた原稿を読み取ってその画像データを取得する。原稿読取部10は、取得した画像データを画像処理部14に出力する。
通信インターフェース11は、電話回線やLAN等が接続され、パーソナルコンピュータやFAX装置(不図示)などの外部装置との間で印刷データやFAXデータの送受信を行う。
【0015】
操作表示部12は、MFP1本体(不図示)の上部外周に配置され、MFP1の利用者による各種入力操作や、利用者に対して各種画面の表示を行う。
操作表示部12は、例えば、図2に示すように、利用者から操作指示を受け付ける操作部121と、利用者への情報を表示する表示部122とから構成される。
操作部121は、画像出力に関する各種設定や、画像処理スタートの入力操作を行うことができるようになっており、コピー,スキャナー,プリント,FAX、文書ボックス等に関するジョブの実行を選択する機能選択キーK1、印刷枚数や印刷部数等の数字の入力に使用されるテンキーK2、設定終了後、ジョブの実行を開始させるスタートキーK3、操作部121を介して行った直前の各種設定をキャンセルするクリアキーK4、開始されたジョブを途中で中止させるストップキーK5、各種設定を全てキャンセルし、初期の設定に戻すリセットキーK6等のキーを備える。
【0016】
表示部122は、周知の液晶表示パネルから構成され、MFP1の動作状況、実行結果、あるいは操作部121を介して入力された各種設定値、利用者へのメッセージ等を表示する。
また、表示部122は、操作を受け付けるタッチパネル機能を備えており、種々の操作画面に応じて各種操作を受け付けることもできる。
例えば、表示部122には、文書データのデータ保存量の超過を通知するための文書保存エラー(文書保存超過エラー)画面(図3)、削除候補の文書データを抽出するための条件を選択するために用いる文書削除条件選択画面(図4)、削除候補のデータの一覧を表示する画面(図5)、文書データの保存が完了した旨を表示する画面(図6)、文書ボックスに保存されている文書データの一覧を表示する画面(図7)を表示することができ、この画面に表示される各種キーをタッチする操作によって、種々の処理を命令することができる。
【0017】
ジョブ入力部13は、原稿読取部10によって読み取った画像データ又は通信インターフェース11を介して受信した印刷データあるいはFAXデータなどのジョブを入力して画像処理部14に出力する。
画像処理部14は、ジョブ入力部13から入力したジョブを解釈して必要な画像処理を行う。例えば、印刷対象のジョブに対しては、色変換処理、濃度補正処理、網点処理等を行う。
画像処理部14は、画像処理が施されたジョブを出力部15に出力する。
出力部15は、上記ジョブ処理を介して得た画像やデータを出力する。
例えば、コピー、プリント、FAX受信の対象画像を印刷するための印刷エンジンが相当する。また、FAX送信を行うためのダイヤル発信機能やメール送信を行う出力手段も相当する。
【0018】
ここで、ジョブ制御部16は、文書ボックスbにおける保存データの上限値を管理する。例えば、ジョブ制御部16は、ある文書ボックスb(本実施形態においては、ボックス名「box_AAAA」の文書ボックス)において、文書データを保存しようとしたときに、その文書データの保存によってその文書ボックスbの上限値を超過するような場合には、操作表示部12を介してそれ以上の文書データの保存ができない旨のエラー通知を行う。
この際、ジョブ制御部16は、選択した条件にもとづき削除候補の文書データを表示し、ユーザーが任意の文書データを削除する操作を介して目的の文書データを保存する処理を行う。
このため、ジョブ制御部16は、図1(b)に示すように、属性設定手段161、削除条件表示手段162、データ一覧表示手段163及びデータ置換手段164を備える。
【0019】
属性設定手段161は、文書ボックスbに保存する文書データごとに種々の属性を設定する。
例えば、文書データを保存する際に、保存日時、優先度(低(Low)、中(Middle)、高(High)など)、保存サイズ、文書名、ユーザー名等を属性として設定し、文書データへのアクセスもしくは再出力の度に使用回数や使用頻度を更新し、これらを属性として設定することができる。
【0020】
削除条件表示手段162は、文書ボックスbに目的の文書データを保存することによってその文書ボックスbにおけるデータ保存量が上限値を超過する場合に、削除候補の文書データを抽出するための条件を選択可能に表示する。(後述する「文書削除条件選択画面」(図4)参照。)。
例えば、ユーザーが、文書ボックスbに目的の文書データを保存しようとした際に、その文書データを保存することによって文書ボックスbのデータ保存量が上限値を超過する場合には、図3に示す文書保存エラー画面(文書保存超過エラー画面)が表示部122に表示され、ここで、ユーザーが、文書削除キーP11を選択すると、文書削除条件選択画面P2(図4参照)の表示に変わる。
なお、文書データの削除を行わない場合には、キャンセルキーP12を選択する。
【0021】
図4は、文書削除条件選択画面の一例を示す図である。
図4に示すように、文書削除条件選択画面P2には、「保存日時の古い順」、「優先度の低い順」、「使用頻度の低い順」、「保存サイズ順」、「文書名検索」及び「ユーザー名検索」といった削除候補の文書データを抽出するための検索条件が選択可能に表示される。
【0022】
データ一覧表示手段163は、文書ボックスbに目的の文書データを保存することによってこの文書ボックスbにおけるデータ保存量が上限値を超過する場合に、設定条件に応じた文書データを、文書ボックスbに保存されている文書データから取り出して、その一覧を表示する。
すなわち、データ一覧表示手段163は、文書削除条件選択画面P2に表示されている条件の中からユーザーが選択した条件に応じた文書データを、文書ボックスbに保存されている文書データの中から検索して、そのリストを表示する。
例えば、ユーザーが、「保存日時の古い順」キーP21を選択すると、文書ボックスbに保存されている文書データを古い順にソートしたものが表示部122に表示される。
【0023】
図5は、削除候補の文書データの一覧を示した図である。
なお、図5は、文書削除選択画面P2において、「優先度の低い順」を選択した場合において、その検索結果として5つの文書データが削除候補として表示画面P3上に表示された例を示した図である。
表示画面P3上においては、文書名、ユーザー名、データサイズ、保存日時、優先度、使用頻度(回数)が、それぞれ、「Name」表示エリアP31、「Ownername」表示エリアP32、「Size」表示エリアP33、「date」表示エリアP34、「Priority」表示エリアP35、「frequency(times)」表示エリアP36に表示される。
すなわち、ユーザーは、表示画面P3を閲覧することによって、ユーザー自らが選択した条件に沿った削除候補の文書データを効率よく認識することができるとともに、各削除候補の文書データの属性等を参照することができる。
【0024】
データ置換手段164は、表示画面P3上に表示されている文書データの中からユーザーの操作によって選択された文書データを文書ボックスbから削除するとともに、この削除により保存可能領域が増加した文書ボックスbに目的のデータを保存する。
例えば、図5に示す表示画面P3において、文書名「doc_aaa」の文書データを削除したい場合には、その文書データのチェックボックスP39を選択して、削除キーP37を選択する。
これにより、データ置換手段164が、文書名「doc_aaa」の文書データを、文書ボックスbから削除し、その削除によってできた空き領域に目的の文書データを保存する処理を行う。
【0025】
図6は、目的の文書データの保存が完了したことを知らせるための文書保存完了画面を示した図である。
図6に示す文書保存完了画面P4は、文書名「document001」、ユーザー名「tanaka」の文書データの保存が完了した例を示すものである。
ここで、文書保存画面P4の「閉じる」キーP41を選択すると、図7に示す表示画面が表示される。
図7は、図5の表示画面が遷移した状態を示す図である。
図7の表示画面P5を元の表示画面P3と比較すると、文書ボックス「box_AAAA」においては以前保存されていた文書データ(「doc_aaaa」)が、新たな文書データ(「document001」)に置き換わっていることを認識することができる。
すなわち、表示画面P5によれば、ユーザー自らが選択した文書データが削除されているか否か、及び、目的の文書データが保存されたか否かを確認することができる。
【0026】
このように、本実施形態のMFP1によれば、データ一覧表示手段163が、目的のデータ(文書データ)を記憶領域(文書ボックスb)に保存することによって当該記憶領域におけるデータ保存量が上限値を超過する場合に、設定条件に応じたデータを、前記記憶領域に保存されているデータから取り出して、その一覧を表示し、データ置換手段164が、表示されているデータの中から操作を介して選択されたデータを前記記憶領域から削除するとともに、この削除により保存可能領域が増加した前記記憶領域に前記目的のデータを保存するようにしている。
また、削除条件表示手段162が、前記設定条件を設定するに当たり、削除候補のデータを抽出するための条件を選択可能に表示するようにしている。
このため、データ保存量が上限値を超過する場合であっても、ユーザーは、削除候補のデータを効率よく選択することができ、また、選択したデータを削除することによって目的のデータを円滑に保存することができる。
【0027】
(文書データの保存方法)
次に、文書データの保存方法について説明する。
図8は、文書データの保存方法を示すフローチャートである。
図8に示すように、目的の文書データを対象の文書ボックスに保存する操作を行う(ステップ1)。
つぎに、上限値を超過するか否かを判断する(ステップ2)。具体的には、ジョブ制御部16が、目的の文書データを対象の文書ボックスに保存することによって、その文書ボックスにおけるデータ保存量の上限値を超過するかどうかを判断する。
【0028】
上限値を超過しない場合、対象の文書ボックスへの保存が実行される(ステップ3)。
他方、上限値を超過する場合、ジョブ制御部16は、ユーザーの操作を介して、削除候補の文書データを特定するための条件を選択する(ステップ4)。
次いで、条件が一致した文書データのリスト(一覧)を表示する(ステップ5)。
ユーザーは、表示されたリストの中から削除する文書データを選択する(ステップ6)。
そして、選択した文書データの削除処理を実行する(ステップ7)。
なお、ステップ7において文書データの削除が完了すると、ステップS2に戻り、再度、上限値を超過しているか否かを判断する。すなわち、文書データの削除によって、文書ボックスに十分な空き容量ができた場合には、目的の文書データを保存し、十分な空き容量ができなかった場合には、あらためて他の文書データを削除する工程に進む。
【0029】
(ジョブ制御プログラム)
次に、ジョブ制御プログラムについて説明する。
上記実施形態におけるコンピュータ(画像形成装置)の属性設定機能、データ一覧表示機能、条件一覧表示機能、データ置換機能は、記憶手段(例えば、ROMやハードディスクなど)に記憶されたジョブ制御プログラムにより実現される。
ジョブ制御プログラムは、コンピュータの制御手段(CPUなど)に読み込まれることにより、コンピュータの構成各部に指令を送り、前述した文書データの保存方法の実施を行う。
これによって、前記各機能は、ソフトウェアであるジョブ制御プログラムとハードウェア資源であるコンピュータ(画像形成装置)の各構成手段とが協働することにより実現される。
【0030】
なお、上記各機能を実現するためのジョブ制御プログラムは、コンピュータのROMやハードディスクなどに記憶される他、コンピュータが読み取り可能な記録媒体、例えば、外部記憶装置及び可搬記録媒体に格納することができる。
外部記憶装置とは、CD−ROM(Compact disc−Read Only Memory)等の記録媒体を内蔵し、画像形成装置に外部接続されるメモリ増設装置をいう。一方、可搬記録媒体とは、記録媒体駆動装置(ドライブ装置)に装着でき、かつ、持ち運び可能な記録媒体であって、例えば、フレキシブルディスク、メモリカード、光磁気ディスク等をいう。
【0031】
そして、記録媒体に記録されたプログラムは、コンピュータのRAM等にロードされて、CPUにより実行される。この実行により、上述した実施形態の各機能が実現される。
さらに、コンピュータでジョブ制御プログラムをロードする場合、他のコンピュータで保有されたこれらのプログラムを、通信回線を利用して自己の有するRAMや外部記憶装置にダウンロードすることもできる。このダウンロードされたプログラムも、CPUにより実行されることによって上述した実施形態の各機能を実現することができる。
【0032】
以上のように、本実施形態の画像形成装置(MFP1)及びジョブ制御プログラムによれば、文書ボックスのデータ保存量が上限値を超過するために従来目的の文書データを保存することができない場合において、ユーザーは、不要な文書データを効率よく選択することができ、また、選択した不要な文書データの削除によって目的の文書データを保存することができるようにしている。
このため、ユーザーは、文書ボックスにおける文書データのデータ保存量が上限値を超過する場合であっても、目的の文書データを円滑に保存することができる。
【0033】
以上、本発明の画像形成装置及びジョブ制御プログラムについて、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明は、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、上記実施形態においては、MFPを例に挙げて説明したが、データを保存する機能を有する他の装置においても本発明を適用することができる。
例えば、パーソナルコンピュータのハードディスクドライブにおいてフォルダごとにデータ保存量を管理する場合等に適用することができる。
また、ハードディスクドライブに限らず、USBメモリなど、他のあらゆる記憶媒体を対象とすることができる。
これにより、本発明を広範な分野において応用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、文書ボックス(データ保存機能)を備えたMFP等の画像形成装置に好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0035】
1 画像形成装置
16 ジョブ制御部
161 属性設定手段
162 削除条件表示手段
163 データ一覧表示手段
164 データ置換手段
90 CPU
91 ROM
92 RAM
93 HDD(ハードディスクドライブ)
b 文書ボックス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的のデータを記憶領域に保存することによって当該記憶領域におけるデータ保存量が上限値を超過する場合に、設定条件に応じたデータを、前記記憶領域に保存されているデータから取り出して、その一覧を表示するデータ一覧表示手段と、
前記表示されているデータの中から操作を介して選択されたデータを前記記憶領域から削除するとともに、この削除により保存可能領域が増加した前記記憶領域に前記目的のデータを保存するデータ置換手段と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記設定条件を設定するに当たり、削除候補のデータを抽出するための条件を選択可能に表示する削除条件表示手段を備え、
前記データ一覧表示手段は、
操作を介して選択された条件を前記設定条件とし、当該条件に応じたデータを、前記記憶領域に保存されているデータから取り出して、その一覧を表示する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記記憶領域に保存するデータごとに、優先度、保存日時、使用頻度、保存サイズ、文書名又はユーザー名のいずれか一以上の属性を設定する属性設定手段を備え、
前記削除条件表示手段は、
優先度の低い順、保存日時の古い順、使用頻度の低い順、保存サイズの大きい順、文書名又はユーザー名のいずれか一以上からなる条件の一覧を表示する請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
画像形成装置のコンピュータを、
目的のデータを記憶領域に保存することによってその記憶領域におけるデータ保存量が上限値を超過する場合に、設定条件に応じたデータを、前記記憶領域に保存されているデータから取り出して、その一覧を表示するデータ一覧表示手段、及び
前記表示されているデータの中から操作を介して選択されたデータを前記記憶領域から削除するとともに、この削除により保存可能領域が増加した前記記憶領域に前記目的のデータを保存するデータ置換手段、として機能させることを特徴とするジョブ制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−74576(P2013−74576A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−213992(P2011−213992)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】