説明

画像形成装置及びトナーカートリッジ

【課題】 不特定多数のユーザが容易にトナーカートリッジを着脱できないようにして、トナーの飛散事故あるいは海賊版トナーカートリッジの使用を防止する。
【解決手段】 トナーカートリッジ3を現像装置に装着した際にトナーカートリッジ3に取付けられた操作レバー22の装着案内溝23に嵌入する案内ピン19と案内ピン20との間にトナーカートリッジ着脱防止部材29を設ける。トナーカートリッジ着脱防止部材29は、案内ピン20に嵌り込むリングピース30と、六面体ピース31とその間に配設されたスプリングピース32とで構成され、装着案内溝23内に嵌入する。操作レバー22を回転すると六面体ピース31が案内ピン19から外れ、この六面体ピース31が操作レバー22を戻す際に操作レバー22の回転を阻止する。トナーカートリッジ3を取り外す場合は、工具ピンをピン溝25から挿入して六面体ピース31を押し込んで操作レバー22を回転させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像剤としてのトナーを収容するトナーカートリッジが装着され、トナーカートリッジからトナーの供給を受けて画像形成を行う画像形成装置及び該画像形成装置に装着されるトナーカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置は、トナーを収容したトナーカートリッジからトナーの供給を受けて画像形成を行うものがある。トナーカートリッジは画像形成装置に対して着脱可能であり、トナーカートリッジ内のトナーが無くなると交換できるようになっている。トナーカートリッジの一方の端部にはシャッターを開閉するための操作レバーが回転可能に設けられている。
【0003】
トナーカートリッジを画像形成装置に装着した後、操作レバーを回転させることにより、シャッターが開き、トナーカートリッジ内のトナーが画像形成装置に供給される。シャッターを開く方向に操作レバーを回転させると、ロック機構が働き、トナーカートリッジは画像形成装置から取り外すことができなくなる。またトナーカートリッジを取り外す場合は、操作レバーを逆方向に回転すると、シャッターが閉じられるとともにロック機構のロックが解除され、トナーカートリッジを画像形成装置から取り外すことができる。このような画像形成装置を示すものとして、例えば特開2002−72657号公報が挙げられる。
【特許文献1】特開2002−72657号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上記従来の画像形成装置においては、トナーカートリッジに設けられている操作レバーを回転させるだけで誰でもトナーカートリッジを装置に対して着脱することができる。即ち、ユーザに対してトナーカートリッジの交換の管理について制限することができない。不特定多数のユーザが容易にトナーカートリッジを着脱できることで、トナーの飛散事故が発生するという問題、あるいは海賊版トナーカートリッジが使用される可能性があるという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために本発明は、トナーを収容したトナーカートリッジが装着され、トナーカートリッジからトナーが供給される画像形成装置において、 トナーカートリッジに設けられたトナー供給機構と係合し、トナーカートリッジの着脱を阻止する阻止部材を備え、前記阻止部材は前記トナー供給機構の動作前にはトナーカートリッジを抜脱可能とし、該トナー供給機構の動作後にはトナーカートリッジの抜脱を阻止することを特徴とする。
【0006】
また本発明のトナーカートリッジは、収容されたトナーを画像形成装置へ供給するトナー供給機構と、前記トナー供給機構に設けられ、前記画像形成装置に形成された係合部に係合し、トナーカートリッジの前記画像形成装置からの抜脱を阻止する阻止部材とを備え、前記阻止部材は前記トナー供給機構の動作前にはトナーカートリッジを抜脱可能とし、該トナー供給機構の動作後にはトナーカートリッジの抜脱を阻止することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
上記構成の本発明によれば、トナーカートリッジを装着すると、トナーカートリッジのトナー供給機構に阻止部材が係合し、トナー供給機構を動作させると、阻止部材がトナーカートリッジの抜脱を阻止する。したがってユーザはトナーカートリッジを画像形成装置から取り外すことはできず、これによりトナーカートリッジの着脱によるトナーの飛散事故や海賊版カートリッジの使用を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を実施するための形態を図面に従って説明する。なお各図面に共通する要素には同一の符号を付す。図1は本発明の第1の実施の形態の要部を示す斜視図、図2は第1の実施の形態の画像形成装置が具備される電子写真印刷装置を示す構成図、図3は第1の実施の形態のトナーカートリッジ及び現像装置を示す分解斜視図である。まず図2に従って本発明の画像形成装置が具備される電子写真印刷装置の構成について説明する。
【0009】
図2に示す電子写真印刷装置1は所謂タンデム式のカラー印刷装置で、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの4つの画像形成装置2K、2Y、2M、2Cを具備している。各画像形成装置は同一の構成となっており、それぞれトナーカートリッジ3が着脱可能となっている。ブラックの画像形成装置2Kを例にとってその構成を説明する。
【0010】
画像形成装置2Kは、規定電位に帯電された表面に画像を形成する感光ドラム4、感光ドラム4の表面を帯電させる帯電ローラ5、感光ドラム4に光を照射して静電潜像を形成する露光手段としてのLEDヘッド6、感光ドラム4の表面に形成された静電潜像にトナーを供給して現像を行う現像装置7および感光ドラム4上に残ったトナーを除去するクリーニングブレード8等から構成されている。LEDヘッド6は装置1の図示しないカバーに設けられており、カバーを閉じたときに感光ドラム4の直上に位置する。
【0011】
現像装置7は、トナーカートリッジ3が着脱可能であり、トナーカートリッジ3からトナーの供給を受ける。現像装置7の内部には、感光ドラム4にトナーを供給する現像ローラ9、現像ローラ9にトナーを供給する供給ローラ10、トナーを攪拌する攪拌部材11、現像ローラ9上のトナーを薄層化する現像ブレード12等が設けられている。
【0012】
各画像形成装置2K、2Y、2M、2Cの下部には転写ベルト13が回転可能に設けられている。転写ベルト13は図示しない印刷用紙を搬送するベルトで、矢印方向に回転する。転写ベルト13を挟んで感光ドラム4の反対側には図示しない転写ローラが設けられており、この転写ローラにより、転写ベルト13で搬送される印刷用紙上に感光ドラム4からトナー像が転写される。
【0013】
装置1の左側(用紙搬送方向下流側)には定着装置14が設けられている。定着装置14は加熱ローラ14aと圧接ローラ14bとから構成される。加熱ローラ14aと圧接ローラ14bはそれぞれ矢印方向に回転し、搬送されてくる印刷用紙上に転写されたトナー像を熱と圧力により印刷用紙に定着させる。定着が行われた印刷用紙は装置1上部の排出部に排出される。
【0014】
次に図3に従って現像装置とトナーカートリッジについて説明する。図3において、現像装置7の一方のサイドフレーム16には内側に向いた突起部17が形成され、他方のサイドフレーム18には内側に向いた2つの案内ピン19、20が設けられている。トナーカートリッジ3の一方の側部3aには、係合孔21が設けられ、トナーカートリッジ3の他方の側部3bには操作レバー22が回転可能に設けられている。
【0015】
トナーカートリッジ3を現像装置7に装着する場合は、まず現像装置7の突起部17をトナーカートリッジ3の係合孔21に挿入し、次にトナーカートリッジ3の他方の側部3bを下方へ下ろすようにして操作レバー22の後述する案内溝に案内ピン19、20を通すようにしてトナーカートリッジ3を現像装置7に装着する。
【0016】
図1はトナーカートリッジ3に取付けられる操作レバー22と現像装置7に設けられる案内ピン19、20を示し、トナーカートリッジ3が現像装置7に装着された状態を示す。図1において、操作レバー22にはほぼ直線状の装着案内溝23が形成され、トナーカートリッジ3の装着時に案内ピン19、20がこの装着案内溝23に入り込むようになっている。装着案内溝23に湾曲状の回転案内溝24が連続して形成されている。回転案内溝24は、操作レバー22が回転する際に案内ピン19が入り込み、案内ピン19が回転案内溝24の端部24aに突き当たることにより操作レバー22の回転を停止させる。
【0017】
操作レバー22の、トナーカートリッジ3装着時の案内ピン19の上部に、ピン溝25が形成されている。また案内ピン19には、図4に示すように、切込み溝26が形成されている。ピン溝25および切込み溝26は図1に示すように、装着時に一直線に連続する位置になるように形成される。なお図4は第1の実施の形態の案内ピンを示す斜視図である。
【0018】
図5は操作レバー22と案内ピン19、20を示す斜視図であり、工具ピン27が取付けられた状態を示す。図5に示すように、トナーカートリッジ3が現像装置7に装着された状態において、工具ピン27を図における上方からピン溝25および切込み溝26に差し込むことができる。工具ピン27は切込み溝26を突き抜けて、さらに下方まで挿通可能となっている。
【0019】
図6、図7は第1の実施の形態のトナーカートリッジ着脱防止部材を示す側面図である。両図において、現像装置7のサイドフレーム18に設けられている案内ピン19と案内ピン20との間には、トナーカートリッジ着脱防止部材29が取付けられる。着脱防止部材29は、案内ピン20に挿通可能で、かつ案内ピン20を軸にして回転可能なリング形状のリングピース30と、案内ピン19、20の径とほぼ同じ幅を有する六面体ピース31と、リングピース30と六面体ピース31の間に設けられる圧縮スプリングからなるスプリングピース32とから構成される。
【0020】
トナーカートリッジ着脱防止部材29は、図7に示すように、案内ピン19と案内ピン20の間に配設される。リングピース30は案内ピン20に嵌め込まれ、六面体ピース31は案内ピン19の下側(案内ピン20側)に配置される。このときスプリングピース32は六面体ピース31を案内ピン19に押し付けている。
【0021】
このように配置された状態において、六面体ピース31の幅およびスプリングピース32の幅は案内ピン19、20の径と同じかそれより小さくなっており、トナーカートリッジ3が装着された際に六面体ピース31およびスプリングピース32も図1に示す操作レバー22の装着案内溝23に入り込むことができるようになっている。なおトナーカートリッジ3が装着された状態で、リングピース30は、図7に示すように、操作レバー22から外れた位置にある。
【0022】
次に第1の実施の形態の動作を説明する。図8乃至図11は第1の実施の形態の動作を示す動作説明図である。ここではトナーカートリッジ3を現像装置7に対して着脱する動作を説明する。図3において、トナーカートリッジ3を現像装置7に装着する場合、まずトナーカートリッジ3の一方の側部3aを下げて現像装置7の突起部17をトナーカートリッジ3の係合孔21に挿入し、次にトナーカートリッジ3の他方の側部3bを下方へ下ろすようにして操作レバー22の後述する案内溝23に案内ピン19、20を通すようにしてトナーカートリッジ3を現像装置7に装着する。この状態を図8に示す。
【0023】
図8において、トナーカートリッジ3が装着された状態では、案内ピン19は装着案内溝23の上端部で、回転案内部24との接続部に位置しており、また案内ピン20は操作レバー22の回転中心に位置している。この状態から、トナーカートリッジ3内のトナーを現像装置7に供給するために操作レバー22を矢印A方向に回転させる。
【0024】
操作レバー22は案内ピン20を中心に、案内ピン19が回転案内溝24の端部24aに当接する位置まで回転する。これによりトナーカートリッジ3の図示しないシャッターが開き、トナーが現像装置7へ落下する。操作レバー22の回転により、トナーカートリッジ着脱防止部材29は装着案内溝23の側壁に押されて操作レバー22とともに回転し、図9に示すように、六面体ピース31が案内ピン19から外れ、スプリングピース32の押付力により回転案内溝24の外周壁に突き当たる。トナーカートリッジ3からトナーを供給している間、着脱防止部材29はこの状態に保持される。
【0025】
次にトナーカートリッジ3を抜脱しようとする場合は、まず操作レバー22を図9に示す状態から矢印B方向に回転させる。操作レバー22は図10に示す位置まで戻るが、もとの装着時の位置までは戻らない。即ち、操作レバー22を矢印B方向に回転させると、着脱防止部材29の六面体ピース31が案内ピン19に突き当たり、それ以上の回転を阻止する。そしてこの状態ではトナーカートリッジ3を現像装置7から取り外すことはできない。
【0026】
トナーカートリッジ3を取り外す場合は、図10に示す状態で、工具ピン27を上方からピン溝25に差し込む。工具ピン27の先端部は六面体ピース31に突き当たり、さらに深く工具ピン27を差し込むと、工具ピン27がスプリングピース32の付勢力に抗して六面体ピース31を押し下げる。六面体ピース31が案内ピン19より下方に押し下げられると、操作レバー22を矢印B方向に回転可能になる。
【0027】
六面体ピース31を押し下げた状態で操作レバー22を回転させると、工具ピン27がともに回転し、工具ピン27が案内ピン19の切込み溝26に嵌り込み、これにより六面体ピース31が案内ピン19の下側に入り込む。この状態を図11に示す。図11に示す状態では、着脱防止部材29は、装着時と同様に案内ピン19と案内ピン20の間に支持され、着脱防止部材29の六面体ピース31およびスプリングピース32が案内ピン19、20とともに装着案内溝23内に位置しているので、トナーカートリッジ3を現像装置7から抜脱可能となる。案内ピン19に、工具ピン27が嵌り込む切込み溝26を設けたので、工具ピン27を操作レバー22に挿入したままで操作レバー22の回転域が従来と同様になる。
【0028】
以上のように第1の実施の形態によれば、専用の工具ピン27を使用しない限り、トナーカートリッジ3を現像装置7から抜脱可能な位置まで操作レバー22を回転することができない。そして操作レバー22の装着案内溝23側は、トナーカートリッジ3が装着されている状態では見ることができないので、着脱の仕組みを知らないユーザはトナーカートリッジ3を現像装置7から取り外すことはできない。これによりトナーカートリッジ3の着脱によるトナーの飛散事故や、海賊版トナーカートリッジの使用を防止することが可能となる。
【0029】
またメーカーにとっては、従来の現像装置とトナーカートリッジが着脱可能な形態と、本実施の形態の現像装置7とトナーカートリッジ3が一体型になった形態とを、トナーカートリッジ着脱防止部材29の有無だけでその販売形態を変更することができるので、販売形態の幅が広がる効果がある。なお上記実施の形態ではスプリングピース32として圧縮スプリングで説明したが、板バネのような弾性部材を使用しても同様の効果を奏する。
【0030】
次に第2の実施の形態を説明する。図12は第2の実施の形態のトナーカートリッジ着脱防止部材を示す斜視図、図13は第2の実施の形態のトナーカートリッジ着脱防止部材を操作レバーに装着した状態を示す斜視図、図14は第2の実施の形態の操作レバーを示す側面図、図15は第2の実施の形態のトナーカートリッジ着脱防止部材を操作レバーに装着した状態を示す側面図である。
【0031】
これらの図において、図示しないトナーカートリッジに設けられる操作レバー22には、トナーカートリッジ着脱防止部材40が装着される案内溝41が形成されている。案内溝41は、回転案内溝24と同心状に形成され、回転案内溝24よりは幅が狭い。案内溝41の両端部の外周側には溝部42、43が形成されている。溝部42と連続してピン溝25が形成されている。
【0032】
トナーカートリッジ着脱防止部材40は、図12に示すように、操作レバー22の案内溝41および回転案内溝24に装着できるように同じ曲率半径を持った円弧状をしており、その曲率半径方向の幅は操作レバー22の案内溝41および回転案内溝24に対応する幅に設定されている。トナーカートリッジ着脱防止部材40には、現像装置7の案内ピン19が嵌入する溝部44、曲率中心方向に押し下げ可能な板バネ部45、板バネ部45の端部に形成された突起部46および突起部46の曲率中心方向への押し下げ過ぎを規制するストッパ部47が形成されている。
【0033】
トナーカートリッジ装着防止部材40が操作レバー22の案内溝41に装着された状態では、図13および図15に示すように、溝部44は装着案内溝23内に位置しており、現像装置7の案内ピン19が装着案内溝23から溝部44へ進入可能となっている。また突起部46は溝部43に嵌入している。
【0034】
次に第2の実施の形態の動作を説明する。図16乃至図19は第2の実施の形態の動作を示す動作説明図である。ここではトナーカートリッジ3を現像装置7に対して着脱する動作を説明し、特にトナーカートリッジ3に設けられた操作レバー22の動作を中心に説明する。
【0035】
図16はトナーカートリッジ3が現像装置7に装着された直後の状態を示す。図16において、トナーカートリッジ3が装着された状態では、現像装置7の案内ピン19は装着案内溝23の上端部で、トナーカートリッジ着脱防止部材40の溝部44内に位置している。また現像装置7の案内ピン20は操作レバー22の回転中心に位置している。この状態から、トナーカートリッジ3内のトナーを現像装置7に供給するために操作レバー22を矢印A方向に回転させる。
【0036】
操作レバー22を案内ピン20を中心に回転させると、トナーカートリッジ着脱防止部材40は案内ピン19により回転を阻止され、着脱防止部材40の板バネ部45が内側へ撓むことにより、突起部46が溝部43から抜け出る。着脱防止部材40の端部が回転案内溝24の端部24aに当接する位置まで操作レバー22が回転すると(図17に示す状態)、トナーカートリッジ3の図示しないシャッターが開き、トナーが現像装置7へ落下する。
【0037】
またこの状態で、図17に示すように、突起部46は板バネ部45の復帰力により溝部42内に嵌入する。突起部46が溝部42に嵌入することにより、操作レバー22を矢印B方向に回転させようとしても、突起部46が溝部42の側壁に突き当たって操作レバー22は回転を阻止される。トナーカートリッジ3からトナーを供給している間、着脱防止部材40はこの状態に保持される。この状態のままではトナーカートリッジ3を現像装置7から取り外すことはできない。
【0038】
トナーカートリッジ3を取り外す場合は、図17に示す状態で、図18に示すように、工具ピン27をピン溝25に差し込む。工具ピン27の先端部は着脱防止部材40の突起部46に突き当たり、さらに深く工具ピン27を差し込むと、工具ピン27が板バネ部46の付勢力に抗して突起部46を押し下げる。突起部46が溝部42から出るまで押し下げられると、操作レバー22を矢印B方向に回転可能になる。このとき、工具ピン27を深く差し込み過ぎた場合、突起部46はストッパ部47に突き当たる。突起部46がストッパ部47に突き当たることにより、板バネ部45の折損あるいは操作レバー22の不回転等の障害を防止できる。
【0039】
操作レバー22が回転し始めると、図19に示すように、板バネ部45が撓んだ状態で突起部46が案内溝41の外周壁を摺動し、操作レバー22が図16に示す位置まで回転すると、突起部46は板バネ部45の復帰力により再び溝部43に入り込む。図16に示す状態では、装着時と同様に、案内ピン19の下方に装着案内溝23が垂直方向に位置しているので、トナーカートリッジ3を現像装置7から抜脱可能となる。なお工具ピン27は、操作レバー22が回転し始めたら抜き取るようにしてもよい。
【0040】
以上のように第2の実施の形態によれば、専用の工具ピン27を使用しない限り、トナーカートリッジ3を現像装置7から抜脱可能な位置まで操作レバー22を回転することができない。そして操作レバー22の装着案内溝23側は、トナーカートリッジ3が装着されている状態では見ることができないので、着脱の仕組みを知らないユーザはトナーカートリッジ3を現像装置7から取り外すことはできない。これによりトナーカートリッジ3の着脱によるトナーの飛散事故や、海賊版トナーカートリッジの使用を防止することが可能となる。
【0041】
また第2の実施の形態によれば、単一部材で形成されたトナーカートリッジ着脱防止部材40をトナーカートリッジ3の操作レバー22に装着するだけで上記の効果が得られるので、コストの削減が期待できる。さらに、操作レバー22はトナー供給用のシャッターを全開にした位置で遊びの回転をすることなくロックされるので、ロックされていることが明瞭になる効果がある。
【0042】
なお第2の実施の形態において、溝部43の側壁にテーパーを設けて、操作レバー22を矢印A方向に回転させる際に、着脱防止部材40の突起部46が溝部43から抜け出易いようにすると、操作レバー22の回転をスムーズにすることができる。
【0043】
上記各実施の形態では電子写真印刷装置に設けられる画像形成装置におけるトナーカートリッジの着脱について説明したが、上記と同様の構成を有する操作レバーまたは装置側のピンを有する他の装置、例えば、多機能プリンタやファクシミリ装置または複写装置にも本発明は適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の第1の実施の形態の要部を示す斜視図である。
【図2】第1の実施の形態の画像形成装置が具備される電子写真印刷装置を示す構成図である。
【図3】第1の実施の形態のトナーカートリッジ及び現像装置を示す分解斜視図である。
【図4】第1の実施の形態の案内ピンを示す斜視図である。
【図5】第1の実施の形態の操作レバーと案内ピンを示す斜視図である。
【図6】第1の実施の形態のトナーカートリッジ着脱防止部材を示す側面図である。
【図7】第1の実施の形態のトナーカートリッジ着脱防止部材を示す側面図である。
【図8】第1の実施の形態の動作を示す動作説明図である。
【図9】第1の実施の形態の動作を示す動作説明図である。
【図10】第1の実施の形態の動作を示す動作説明図である。
【図11】第1の実施の形態の動作を示す動作説明図である。
【図12】第2の実施の形態のトナーカートリッジ着脱防止部材を示す斜視図である。
【図13】第2の実施の形態のトナーカートリッジ着脱防止部材を操作レバーに装着した状態を示す斜視図である。
【図14】第2の実施の形態の操作レバーを示す側面図である。
【図15】第2の実施の形態のトナーカートリッジ着脱防止部材を操作レバーに装着した状態を示す側面図である。
【図16】第2の実施の形態の動作を示す動作説明図である。
【図17】第2の実施の形態の動作を示す動作説明図である。
【図18】第2の実施の形態の動作を示す動作説明図である。
【図19】第2の実施の形態の動作を示す動作説明図である。
【符号の説明】
【0045】
2K、2Y、2M、2C 画像形成装置
3 トナーカートリッジ
7 現像装置
19、20 案内ピン
22 操作レバー
23 装着案内溝
25 ピン溝
27 工具ピン
29、40 トナーカートリッジ着脱防止部材
30 リングピース
31 六面体ピース
32 スプリングピース
42、43 溝部
45 板バネ部
46 突起部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナーを収容したトナーカートリッジが装着され、トナーカートリッジからトナーが供給される画像形成装置において、
トナーカートリッジに設けられたトナー供給機構と係合し、トナーカートリッジの着脱を阻止する阻止部材を備え、
前記阻止部材は前記トナー供給機構の動作前にはトナーカートリッジを抜脱可能とし、該トナー供給機構の動作後にはトナーカートリッジの抜脱を阻止することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記トナー供給機構はトナーカートリッジに回転可能に設けられた操作レバーを含み、
前記阻止部材は、前記操作レバーが係合する案内ピンに圧接し、前記操作レバーの回転により前記案内ピンとの係合が外れ、該案内ピンの移動範囲に進入することにより前記操作レバーの回転を阻止する着脱防止部材から構成される請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記着脱防止部材を前記案内ピンの移動範囲から退避させる部材が装着される装着部を設けた請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記装着部として、前記案内ピンに形成され、前記退避させる部材が嵌入する溝部が設けられる請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記トナー供給機構はトナーカートリッジに回転可能に設けられた操作レバーを含み、
前記阻止部材は、前記操作レバーに摺動可能に配設され、前記操作レバーが係合する案内ピンが嵌入する嵌入部と、前記案内ピンが前記嵌入部に嵌入した状態で前記操作レバーに係合することにより、前記操作レバーの回転を阻止する阻止部とを有する着脱防止部材から構成される請求項1記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記阻止部の係合を解除させるための部材が装着される装着部とを設けた請求項5記載の画像形成装置。
【請求項7】
トナーを収容し、画像形成装置に着脱可能なトナーカートリッジにおいて、
収容されたトナーを画像形成装置へ供給するトナー供給機構と、
前記トナー供給機構に設けられ、前記画像形成装置に形成された係合部に係合し、トナーカートリッジの前記画像形成装置からの抜脱を阻止する阻止部材とを備え、
前記阻止部材は前記トナー供給機構の動作前にはトナーカートリッジを抜脱可能とし、該トナー供給機構の動作後にはトナーカートリッジの抜脱を阻止することを特徴とするトナーカートリッジ。
【請求項8】
前記トナー供給機構はトナーカートリッジに回転可能に設けられた操作レバーを含み、
前記阻止部材は、前記操作レバーに摺動可能に配設され、前記画像形成装置に形成された案内ピンが嵌入する嵌入部と、前記案内ピンが前記嵌入部に嵌入した状態で前記操作レバーに係合することにより、前記操作レバーの回転を阻止する阻止部とを有する着脱防止部材から構成される請求項7記載のトナーカートリッジ。
【請求項9】
前記阻止部の係合を解除させるための部材が装着される装着部を設けた請求項8記載のトナーカートリッジ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2006−276233(P2006−276233A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−92387(P2005−92387)
【出願日】平成17年3月28日(2005.3.28)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】