説明

画像形成装置及びプログラム

【課題】無彩色の画像を記録媒体に形成可能とする動作状態とカラー画像を記録媒体に形成可能とする動作状態との切り替えの頻度を減少させる画像形成装置及びプログラムを得る。
【解決手段】端末装置81によって白黒画像形成モード及びカラー画像形成モードの何れかの動作状態が設定され、白黒画像形成モード及びカラー画像形成モードの何れか一方を優先モードとして選択され、CPU70によって、画像形成部12による記録用紙への画像の形成が正常に終了した場合、及び画像形成部12による画像の形成が途中で中断した場合で、かつ設定された動作状態が優先モードと異なる場合には、設定された動作状態を優先モードに切り替える一方、ユーザの操作による復帰が可能な状態で中断した場合、及び自動的に復帰が可能な状態で中断した場合で、かつ設定された動作状態が優先モードと異なる場合には、設定された動作状態の優先モードへの切り替えを中止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、白黒原稿を印刷する時は、カラーの画像形成ユニットに隣接した紙搬送ベルトを当該カラー画像形成ユニットから切離させて黒画像形成ユニットのみによって画像を形成させ、カラーモード時は、前記紙搬送ベルトをカラーの画像形成ユニットに常に接触させた状態でカラーの印刷を行い、自動切り替えモードでは原稿に応じて前記切離/接触を切り替えて印刷を行う画像形成装置が開示されている。この画像形成装置においては、自動切り替えモード時に、ホストコンピュータ上のプリンタドライバは、印刷すべき文書についてNページ単位で白黒印刷かカラー印刷かを判断し、その判断結果をプリンタコントローラを介してプリンタエンジンに通知し、プリンタエンジンはその結果に応じて前記切離/接触の切り替えを行っている。
【0003】
また、特許文献2には、複数の画像形成部の全てにおいて形成されたトナー像を中間転写体に転写すると共に、中間転写体から記録材に転写して、記録材に画像を形成する第1モード、及び画像形成部の一部において形成されたトナー像を中間転写体に転写すると共に、中間転写体から記録材に転写する第2モードを有する画像形成装置において、第1モードと第2モードとの切り替えが連続動作中に行われ、且つ、第1モードから第2モードに移行する際に、画像形成部のそれぞれに設けられた1次転写圧着手段による圧着を、一旦全部解除した後に、画像形成が行われる画像形成部の1次転写圧着手段を作動させて第2モードに移行する画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−270193号公報
【特許文献2】特開2004−341399号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、無彩色の画像を記録媒体に形成可能とする動作状態とカラー画像を記録媒体に形成可能とする動作状態との切り替えの頻度を減少させることができる画像形成装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、記録媒体を搬送する搬送手段と、無彩色の画像を形成可能とする第1動作状態、及びカラー画像を形成可能とする第2動作状態の何れかの動作状態を設定する設定手段と、前記第1動作状態及び前記第2動作状態の何れか一方を優先動作状態として選択する選択手段と、前記設定手段によって設定された動作状態に応じて動作し、画像情報に基づいて前記設定された動作状態に応じた画像を前記搬送手段によって搬送されている記録媒体に形成する画像形成手段と、前記画像形成手段による前記記録媒体への画像の形成が正常に終了した場合で、かつ前記設定された動作状態が前記優先動作状態と異なる場合、及び前記画像形成手段による画像の形成が途中で中断した場合で、かつ前記設定された動作状態が前記優先動作状態と異なる場合には、前記設定された動作状態を前記優先動作状態に切り替える切替手段と、前記画像形成手段による画像の形成が、ユーザの操作による復帰が可能な状態で中断した場合で、かつ前記設定された動作状態が前記優先動作状態と異なる場合、及び自動的に復帰が可能な状態で中断した場合で、かつ前記設定された動作状態が前記優先動作状態と異なる場合には、前記設定された動作状態の前記優先動作状態への切り替えを中止する切替中止手段と、を備えている。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記ユーザの操作による復帰が可能な状態を、消耗品の補充により画像の形成の再開が可能な状態、及び前記搬送手段に停留した前記記録媒体を除去することにより画像の形成の再開が可能な状態としたものである。
【0008】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記切替手段が、前記画像形成手段による画像の形成が途中でユーザにより終了された場合で、かつ前記設定された動作状態が前記優先動作状態と異なる場合には、前記設定された動作状態を前記優先動作状態に切り替えるようにしたものである。
【0009】
一方、上記目的を達成するために、請求項4に記載の発明は、記録媒体を搬送する搬送手段と、無彩色の画像を形成可能とする第1動作状態、及びカラー画像を形成可能とする第2動作状態の何れかの動作状態を設定する設定手段と、前記第1動作状態及び前記第2動作状態の何れか一方を優先動作状態として選択する選択手段と、前記設定手段によって設定された動作状態に応じて動作し、画像情報に基づいて前記設定された動作状態に応じた画像を前記搬送手段によって搬送されている記録媒体に形成する画像形成手段と、を備えた画像形成装置におけるプログラムであって、コンピュータを、前記画像形成手段による前記記録媒体への画像の形成が正常に終了した場合で、かつ前記設定された動作状態が前記優先動作状態と異なる場合、及び前記画像形成手段による画像の形成が途中で中断した場合で、かつ前記設定された動作状態が前記優先動作状態と異なる場合には、前記設定された動作状態を前記優先動作状態に切り替える切替手段と、前記画像形成手段による画像の形成が、ユーザの操作による復帰が可能な状態で中断した場合で、かつ前記設定された動作状態が前記優先動作状態と異なる場合、及び自動的に復帰が可能な状態で中断した場合で、かつ前記設定された動作状態が前記優先動作状態と異なる場合には、前記設定された動作状態の前記優先動作状態への切り替えを中止する切替中止手段として機能させるプログラムである。
【0010】
また、請求項5に記載の発明は、コンピュータを、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の画像形成装置における前記切替手段、及び前記切替中止手段として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1,4,5に記載の発明によれば、無彩色の画像を記録媒体に形成可能とする動作状態とカラー画像を記録媒体に形成可能とする動作状態との切り替えの頻度を減少させることができる、という優れた効果を有する。
【0012】
また、請求項2に記載の発明によれば、本構成を有さない場合に比べ、ユーザの操作により、中断された画像の形成を容易に復帰させることができる、という優れた効果を有する。
【0013】
また、請求項3に記載の発明によれば、本構成を有さない場合に比べ、ユーザの操作によって画像の形成が終了した場合に、より確実に優先動作状態へ切り替えることができる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施の形態に係る画像形成装置の破断側面図である。
【図2】実施の形態に係る画像形成装置の電気系の要部構成を示すブロック図である。
【図3】実施の形態に係る画像形成プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0016】
図1には、本実施の形態に係る画像形成装置10の全体構成が示されている。
【0017】
同図に示すように、画像形成装置10は、イエロー(Y)のトナーを用いて記録用紙Pに画像を形成する画像形成部12Y、マゼンタ(M)のトナーを用いて記録用紙Pに画像を形成する画像形成部12M、シアン(C)のトナーを用いて記録用紙Pに画像を形成する画像形成部12C、及びブラック(K)のトナーを用いて記録用紙Pに画像を形成する画像形成部12Kを備えている。なお、以下の説明において、対応する色を区別する場合は、符号の末尾に対応するY,M,C,Kの何れかを付して説明し、対応する色を区別しない場合は、Y,M,C,Kを省略する。
【0018】
画像形成部12には、感光体ドラム18が設けられており、感光体ドラム18は、回転軸を有し、当該回転軸を中心として矢印R方向に回転した状態で、受光面18Aに静電潜像が形成された後、静電潜像が現像されてトナー像が形成される。
【0019】
感光体ドラム18の下方には、帯電器20が設けられている。帯電器20は、感光体ドラム18の受光面18Aに接触することによって、直流電圧に交流電圧が重畳された重畳電圧により受光面18Aを帯電させる。
【0020】
感光体ドラム18の帯電器20との接触位置より回転方向下流側には、LPH(LED Print Head)22が設けられている。LPH22は、感光体ドラム18の回転軸方向(主走査方向)に複数の発光素子としてのLEDが配列されており、画像情報に基づいて各LEDから光ビームを感光体ドラム18の帯電された受光面18Aに照射することにより、受光面18A上に静電潜像を形成する。
【0021】
さらに、LPH22より感光体ドラム18の回転方向下流側には、現像器24が設けられている。現像器24は、感光体ドラム18の受光面18Aとの間隔が所定間隔となるように配設されている現像ローラ24Aを備えている。現像器24は、内部に各画像形成部12で現像される色に対応したトナーを貯留しており、現像ローラ24Aが回転することにより内部に貯留されたトナーを感光体ドラム18の受光面18Aと対向する位置に搬送し、受光面18Aに形成された静電潜像にトナーを電気的に付着させることにより、受光面18Aに形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する。
【0022】
一方、帯電器20より感光体ドラム18の回転方向上流側にはクリーナ26が設けられている。クリーナ26は、トナー像が感光体ドラム18の受光面18Aから後述する中間転写ベルト30に転写された後に、受光面18Aを摺擦して当該受光面18Aに残留する残留トナーを回収する。
【0023】
各画像形成部12が備える感光体ドラム18の最上部には、記録用紙Pに記録すべき画像が転写される中間転写ベルト30が、受光面18Aに接触するように設けられている。中間転写ベルト30は、複数のローラ30Aに巻掛けられており、複数のローラ30Aによって感光体ドラム18の回転方向とは逆方向の図1の矢印A方向に回転される。これにより、中間転写ベルト30には、回転した状態で、感光体ドラム18の受光面18Aに形成されているY,M,C,K各々のトナー像が重ね合うように転写され、カラー画像が形成される。
【0024】
さらに、画像形成部12の図1の下方には、給紙部32が設けられている。
【0025】
給紙部32には、送り出しローラ31が設けられており、送り出しローラ31は、回転することにより給紙部32から記録用紙Pを一枚ずつ取り出して給紙部32外に送り出す。送り出しローラ31から送り出された記録用紙Pは、搬送部34によって、中間転写ベルト30からトナー像が転写される転写位置へ搬送される。
【0026】
上記転写位置には、転写部36が設けられている。転写部36は、搬送部34によって搬送されている記録用紙Pを、回転している中間転写ベルト30との間で狭持することにより中間転写ベルト30に形成されたトナー像を記録用紙Pに転写する。
【0027】
転写部36の配設位置より搬送部34による記録用紙Pの搬送方向下流側には、定着部38が設けられている。
【0028】
定着部38は、加熱ロール38A及び加圧ロール38Bが設けられており、加熱ロール38Aは、中空とされている内部に配設された加熱源によって予め定められた温度範囲内の温度に加熱されている。定着部38は、加熱ロール38A及び加圧ロール38Bによって、搬送されてくる記録用紙Pを加熱及び加圧することで、中間転写ベルト30によって転写されたトナー像を記録用紙Pに定着させる。
【0029】
定着部38によってトナー像が定着された記録用紙Pは、搬送部34によって搬送され、排紙部40に排紙される。
【0030】
図2に、本実施の形態に係る画像形成装置10の電気系の要部構成を示す。
【0031】
画像形成装置10は、画像形成装置10全体の動作を司るCPU(Central Processing Unit)70、各種プログラムや各種パラメータ、各種テーブル情報等が予め記憶された記憶媒体としてのROM(Read Only Memory)72、CPU70による各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられる記憶媒体としてのRAM(Random Access Memory)74、後述する外部インタフェース82で受信された画像情報や、各種情報を記憶する記憶媒体としてのHDD(Hard Disk Drive)76、各種の操作指示が入力される操作ボタンやテンキー、各種のメッセージ等を表示するための表示部が設けられた操作パネル78を備えている。
【0032】
さらに、画像形成装置10は、画像形成部12、搬送部34、定着部38等の記録用紙Pに対して画像を形成する処理(以下、「画像形成処理」という。)に用いられる制御対象と接続され、各制御対象の駆動を制御する画像形成制御部80、及び外部の端末装置81と接続され、当該端末装置81との間で記録用紙Pに形成する画像を示す画像情報を含む情報や、当該画像情報に基づいて画像形成処理を実行させるための画像形成実行信号を送受信する外部インタフェース82を備えている。
【0033】
これらCPU70、ROM72、RAM74、HDD76、操作パネル78、画像形成制御部80、外部インタフェース82は、システムバス84を介して相互に電気的に接続されている。従って、CPU70は、ROM72、RAM74及びHDD76へのアクセス、操作パネル78に対する操作状態の把握や各種のメッセージ等の表示、画像形成制御部80の動作の制御、及び外部インタフェース82を介した端末装置81との各種情報の送受信を各々行なうことができる。
【0034】
また、本実施の形態に係る画像形成装置10は、画像形成部12を、記録用紙Pに無彩色の画像〈以下、「白黒画像」という。)を形成可能とする白黒画像形成モード、及び記録用紙Pにカラー画像を形成可能とするカラー画像形成モードの何れかの動作状態で動作させる。
【0035】
なお、本実施の形態に係る画像形成装置10では、白黒画像形成モードの場合は画像形成部12Kの感光体ドラム18を帯電させ、当該感光体ドラム18を中間転写ベルト30に接触させる一方、画像形成部12Y,12M,12Cの感光体ドラム18の帯電を停止させ、かつ当該感光体ドラム18を中間転写ベルト30に接触させない等することにより、画像形成部12Kによって画像の形成を可能な状態とする一方、カラー画像形成モードの場合は、画像形成部12Y,12M,12C,12Kの各感光体ドラム18を帯電させ、当該感光体ドラム18を中間転写ベルト30に接触させ、画像形成部12Y,12M,12C,12Kによって画像の形成を可能な状態とする。
【0036】
なお、本実施の形態に係る画像形成装置10は、画像形成処理が行われる毎に、ユーザによって操作パネル78又は端末装置81を介して、白黒画像形成モード及びカラー画像形成モードの何れかの動作状態が設定され、当該設定された動作状態によって画像形成処理を行う。
【0037】
さらに、本実施の形態に係る画像形成装置10は、ユーザによって操作パネル78又は端末装置81を介して、白黒画像形成モード及びカラー画像形成モードの何れか一方が優先モードとして選択される。優先モードは、画像形成処理が行われていない場合の画像形成装置10の状態であり、例えば、ユーザは、画像形成装置10で形成する画像に白黒画像が多い場合は優先モードとして白黒画像形成モードを選択し、画像形成装置10で形成する画像にカラー画像が多い場合は優先モードとしてカラー画像形成モードを選択することで、白黒画像形成モードとカラー画像形成モードとの切り替え回数を減少させ、画像形成処理に要する時間を抑制する。
【0038】
なお、本実施の形態に係る画像形成装置10では、画像の形成が、ユーザの操作による復帰が可能な状態で中断した場合で、かつ設定された動作状態が優先モードと異なる場合、及び自動的に復帰が可能な状態で中断した場合で、かつ設定された動作状態が優先モードと異なる場合には、設定された動作状態の優先モードへの切り替えを中止する。
【0039】
次に、図3を参照して、本実施の形態に係る画像形成装置10の作用を説明する。なお、図3は、ユーザによって端末装置81を介して、画像情報により示される画像を白黒画像及びカラー画像の何れかの画像として形成する画像形成処理の実行指示が入力された場合にCPU70によって実行される画像形成プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムはROM72の所定領域に予め記憶されている。
【0040】
まず、ステップ100では、優先モードの選択を行う。本実施の形態に係る画像形成装置10では、画像形成処理の実行指示と共に端末装置81を介してユーザによって選択された動作状態を優先モードとして選択する。なお、優先モードは、画像形成処理の実行指示の入力と共にではなく、予め選択して設定されていてもよい。
【0041】
次のステップ102では、画像形成部12の動作状態の設定を行う。本実施の形態に係る画像形成装置10では、画像形成処理の実行指示と共に端末装置81を介してユーザによって、白黒画像の形成指示が入力された場合は白黒画像形成モードに設定し、カラー画像の形成指示が入力された場合はカラー画像形成モードに設定する。
【0042】
次のステップ104では、ステップ102で設定された動作状態での記録用紙Pへの画像の形成を開始する。
【0043】
次のステップ106では、画像形成部12による画像の形成が途中で中断されたか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ108へ移行する一方、否定判定となった場合はステップ124へ移行する。
【0044】
ステップ108では、画像形成部12の動作状態を切り替えることを示す切替フラグをセットすることで、切替設定を行う。
【0045】
次のステップ110では、中断された画像の形成が復帰可能な状態であるか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ112へ移行する一方、否定判定となった場合はステップ128へ移行する。
【0046】
なお、本実施の形態に係る上記復帰可能な状態は、ユーザの操作による復帰が可能な状態、及び自動的に復帰が可能な状態である。
【0047】
上記ユーザの操作による復帰が可能な状態としては、トナーや記録用紙P等の消耗品が消耗し、当該消耗品の補充により画像の形成の再開が可能な状態、及び搬送部34で搬送している記録用紙Pが停留(所謂、紙詰まり)し、当該停留した記録用紙Pを除去することにより画像の形成の再開が可能な状態があるが、これに限らないことはいうまでもない。
【0048】
また、上記自動的に復帰が可能な状態としては、定着部38の加熱ロール38Aの温度が予め定められた範囲内となっていないことから画像の形成が中断され、加熱ロール38Aが有する加熱源の温度を上昇または低下させることで加熱ロール38Aの温度を上記予め定められた範囲内とすることで、自動的に画像の形成が復帰される状態であるが、これに限らないことはいうまでもない。
【0049】
次のステップ112では、中断した画像の形成が復帰可能であることから切替フラグをリセットすることで、切替設定の解除、すなわち切り替えの中止を行う。
【0050】
次のステップ114では、操作パネル78又は端末装置81を介して、ユーザにより画像の形成の終了指示が入力されたか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ116へ移行して切替フラグをセットする一方、否定判定となった場合はステップ118へ移行する。
【0051】
ステップ118では、画像の形成が中断された時刻から予め定められた時間(本実施の形態では、一例として10分)が経過したか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ116へ移行して切替フラグをセットする一方、否定判定となった場合はステップ120へ移行する。
【0052】
ステップ120では、画像の形成の中断の原因が解消したか否かを判定し、肯定判定となった場合は、一旦復帰可能と判断した画像の形成を復帰不能であると判断してステップ122へ移行する一方、否定判定となった場合はステップ114へ戻る。
【0053】
ステップ122では、中断していた画像の形成を再開する。
【0054】
次のステップ124では、画像情報により示される画像の形成が全て正常に終了したか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ126へ移行する一方、否定判定となった場合はステップ106へ戻る。
【0055】
次のステップ126では、切替フラグをセットすることで、切替設定を行う。
【0056】
次のステップ128では、設定されている動作状態と選択された優先モードとが一致するか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ130へ移行する一方、否定判定となった場合は判定ステップ132へ移行する。
【0057】
ステップ130では、切替フラグをリセットすることで、切替設定の解除を行い、本プログラムを終了する。
【0058】
ステップ132では、切替フラグがセットされているので、画像形成部12の動作状態を優先モードに切り替えた後、ステップ134へ移行して切替フラグをリセットすることで、切替設定の解除を行い、本プログラムを終了する。
【0059】
以上、本発明を上記実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施の形態に多様な変更または改良を加えることができ、当該変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0060】
また、上記実施の形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また実施の形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における組み合わせにより種々の発明を抽出できる。上記実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0061】
例えば、上記実施の形態では、中断された画像の形成が復帰可能な状態を、ユーザの操作による復帰が可能な状態、及び自動的に復帰が可能な状態とする場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、停電又はユーザによる電源スイッチの操作によって、画像形成装置10への電力供給が停止することによって画像の形成が中断し、その後予め定められた時間(例えば、1分)内に電力の供給が開始可能な状態とする形態としてもよい。
【0062】
より具体的には、画像形成装置10への電力供給が停止することによって画像の形成が中断された場合には、画像形成装置10は画像の形成を行っている動作状態のまま停止し、上記予め定められた時間内に電力の供給が再開された場合は、設定された動作状態が優先モードと異なる場合でも、優先モードに切り替わることなく画像の形成を再開する。一方、上記予め定められた時間を超えた後に電力の供給が再開された場合は、画像の形成を再開せず、かつ画像の形成の停止時の動作状態が優先モードと異なる場合には優先モードに切り替える。
【0063】
その他、上記実施の形態で説明した画像形成装置10の構成(図1及び図2参照。)は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要な部分を削除したり、新たな部分を追加したりすることができることは言うまでもない。
【0064】
また、上記実施の形態で説明した画像形成プログラムの処理の流れ(図3参照。)も一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりすることができることは言うまでもない。
【0065】
また、上記実施の形態に係る画像系プログラムは、また、上記実施の形態に係るカラー画像読取部用転送プログラムは、ROM72に予め記憶しておく形態の他、HDD76に予め記憶しておく形態、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に格納された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等に適用することができる。
【符号の説明】
【0066】
10 画像形成装置
12 画像形成部(画像形成手段)
34 搬送部(搬送手段)
70 CPU(切替手段,切替中止手段)
78 操作パネル(設定手段、選択手段)
P 記録用紙(記録媒体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体を搬送する搬送手段と、
無彩色の画像を形成可能とする第1動作状態、及びカラー画像を形成可能とする第2動作状態の何れかの動作状態を設定する設定手段と、
前記第1動作状態及び前記第2動作状態の何れか一方を優先動作状態として選択する選択手段と、
前記設定手段によって設定された動作状態に応じて動作し、画像情報に基づいて前記設定された動作状態に応じた画像を前記搬送手段によって搬送されている記録媒体に形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段による前記記録媒体への画像の形成が正常に終了した場合で、かつ前記設定された動作状態が前記優先動作状態と異なる場合、及び前記画像形成手段による画像の形成が途中で中断した場合で、かつ前記設定された動作状態が前記優先動作状態と異なる場合には、前記設定された動作状態を前記優先動作状態に切り替える切替手段と、
前記画像形成手段による画像の形成が、ユーザの操作による復帰が可能な状態で中断した場合で、かつ前記設定された動作状態が前記優先動作状態と異なる場合、及び自動的に復帰が可能な状態で中断した場合で、かつ前記設定された動作状態が前記優先動作状態と異なる場合には、前記設定された動作状態の前記優先動作状態への切り替えを中止する切替中止手段と、
を備えた画像形成装置。
【請求項2】
前記ユーザの操作による復帰が可能な状態は、消耗品の補充により画像の形成の再開が可能な状態、及び前記搬送手段に停留した前記記録媒体を除去することにより画像の形成の再開が可能な状態である請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記切替手段は、前記画像形成手段による画像の形成が途中でユーザにより終了された場合で、かつ前記設定された動作状態が前記優先動作状態と異なる場合には、前記設定された動作状態を前記優先動作状態に切り替える請求項1又は請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
記録媒体を搬送する搬送手段と、無彩色の画像を形成可能とする第1動作状態、及びカラー画像を形成可能とする第2動作状態の何れかの動作状態を設定する設定手段と、前記第1動作状態及び前記第2動作状態の何れか一方を優先動作状態として選択する選択手段と、前記設定手段によって設定された動作状態に応じて動作し、画像情報に基づいて前記設定された動作状態に応じた画像を前記搬送手段によって搬送されている記録媒体に形成する画像形成手段と、を備えた画像形成装置におけるプログラムであって、
コンピュータを、
前記画像形成手段による前記記録媒体への画像の形成が正常に終了した場合で、かつ前記設定された動作状態が前記優先動作状態と異なる場合、及び前記画像形成手段による画像の形成が途中で中断した場合で、かつ前記設定された動作状態が前記優先動作状態と異なる場合には、前記設定された動作状態を前記優先動作状態に切り替える切替手段と、
前記画像形成手段による画像の形成が、ユーザの操作による復帰が可能な状態で中断した場合で、かつ前記設定された動作状態が前記優先動作状態と異なる場合、及び自動的に復帰が可能な状態で中断した場合で、かつ前記設定された動作状態が前記優先動作状態と異なる場合には、前記設定された動作状態の前記優先動作状態への切り替えを中止する切替中止手段と、
して機能させるためのプログラム。
【請求項5】
コンピュータを、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の画像形成装置における前記切替手段、及び前記切替中止手段として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−181650(P2010−181650A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−25252(P2009−25252)
【出願日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】