説明

画像形成装置及びレポート出力方法

【課題】レポートの出力を適切に実行することのできる画像形成装置及びレポート出力方法の提供を目的とする。
【解決手段】画像形成装置であって、当該画像形成装置において印刷に関する消耗品の残量を取得する消耗品残量取得手段と、前記消耗品の残量に応じてレポート情報の印刷条件を記憶した出力属性記憶手段と、前記消耗品の残量に基づいて前記出力属性記憶手段より前記レポート情報の印刷条件を取得する出力属性取得手段と、レポート情報に含めるデータを当該画像形成装置より取得するデータ取得手段と、取得されたデータを含む前記レポート情報の印刷を前記印刷条件にしたがって実行させる印刷制御手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及びレポート出力方法に関し、特にレポートを出力する画像形成装置及びレポート出力方法に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置では、当該画像形成装置の状態や使用状況等を示すレポートの出力が行われている。例えば、ファクシミリによる送信レポートもここでいうレポートの一形態である。斯かるレポートによって、管理者又はユーザは、画像形成装置の状態、使用状況、又はジョブの実行の成否等を確認することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、トナーや印刷枚数等の消耗品の残量によっては、レポートの印刷が適切に実行できない場合がある。
【0004】
また、レポートの出力は本来の機能ではないため、レポートの出力処理によるCPUの消費や記憶装置へのアクセスの発生等により、本来の機能に関するジョブの実行に遅延が生じるのは好ましくない。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであって、レポートの出力を適切に実行することのできる画像形成装置及びレポート出力方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで上記課題を解決するため、本発明は、画像形成装置であって、当該画像形成装置において印刷に関する消耗品の残量を取得する消耗品残量取得手段と、前記消耗品の残量に応じてレポート情報の印刷条件を記憶した出力属性記憶手段と、前記消耗品の残量に基づいて前記出力属性記憶手段より前記レポート情報の印刷条件を取得する出力属性取得手段と、レポート情報に含めるデータを当該画像形成装置より取得するデータ取得手段と、取得されたデータを含む前記レポート情報の印刷を前記印刷条件にしたがって実行させる印刷制御手段とを有する。
【0007】
このような画像形成装置では、レポートの出力を適切に実行することができる。
【発明の効果】
【0008】
レポートの出力を適切に実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態における複合機のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態における複合機の機能構成例を示す図である。
【図3】レポートの第一の例を示す図である。
【図4】レポートの第二の例を示す図である。
【図5】第一の実施の形態におけるレポート出力処理の処理手順を説明するためのシーケンス図である。
【図6】用紙残量が少ないときに選択される出力属性データの構成例を示す図である。
【図7】第二の実施の形態におけるレポート出力処理の処理手順を説明するためのシーケンス図である。
【図8】トナー残量が少ないときに選択される出力属性データの構成例を示す図である。
【図9】第三の実施の形態におけるレポート出力処理の処理手順を説明するためのシーケンス図である。
【図10】ジョブ数が多いときに選択される出力属性データの構成例を示す図である。
【図11】第四の実施の形態におけるレポート出力処理の処理手順を説明するためのシーケンス図である。
【図12】ユーザに応じて定義された出力属性データの構成例を示す図である。
【図13】第五の実施の形態におけるレポート出力処理の処理手順を説明するためのシーケンス図である。
【図14】第六の実施の形態におけるレポート出力処理の処理手順を説明するためのシーケンス図である。
【図15】出力属性データの登録処理の処理手順を説明するためのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。本実施の形態では、複合機を画像形成装置の一例として説明する。複合機1は、プリンタ、コピー、スキャナ、又は、ファクス等の複数の機能を一台の筐体において実現する画像形成装置である。但し、本実施の形態を実施するにあたり、必ずしも複合機を利用する必要はない。少なくとも印刷機能を備えていればよい。また、第五又は第六の実施の形態に関しては、表示機能又は外部記録媒体への記録機能を備えていればよい。
【0011】
図1は、本発明の実施の形態における複合機のハードウェア構成の一例を示す図である。複合機1のハードウェアとしては、コントローラ601と、オペレーションパネル602と、ファクシミリコントロールユニット(FCU)603と、撮像部604と、印刷部605が存在する。
【0012】
コントローラ601は、CPU611、ASIC612、NB621、SB622、MEM−P631、MEM−C632、HDD(ハードディスクドライブ)633、メモリカードスロット634、NIC(ネットワークインタフェースコントローラ)641、USBデバイス642、IEEE1394デバイス643、セントロニクスデバイス644により構成される。
【0013】
CPU611は、種々の情報処理用のICである。ASIC612は、種々の画像処理用のICである。NB621は、コントローラ601のノースブリッジである。SB622は、コントローラ601のサウスブリッジである。MEM−P631は、複合機1のシステムメモリである。MEM−C632は、複合機1のローカルメモリである。HDD633は、複合機1のストレージである。メモリカードスロット634は、メモリカード635をセットするためのスロットである。NIC641は、MACアドレスによるネットワーク通信用のコントローラである。USBデバイス642は、USB規格の接続端子を提供するためのデバイスである。IEEE1394デバイス643は、IEEE1394規格の接続端子を提供するためのデバイスである。セントロニクスデバイス644は、セントロニクス仕様の接続端子を提供するためのデバイスである。オペレーションパネル602は、オペレータが複合機1に入力を行うためのハードウェア(操作装置)であると共に、オペレータが複合機1から出力を得るためのハードウェア(表示装置)である。
【0014】
図2は、本発明の実施の形態における複合機の機能構成例を示す図である。同図において、複合機1は、UI制御部11、レポート出力部12、レポート管理部13、データ管理部14、ユーザ管理部15、機器状態監視部16、及び出力属性データ20等を有する。
【0015】
UI制御部11は、レポートの出力要求の受け付け及びレポートの出力処理の結果(成否)の表示等を、オペレーションパネル602又はネットワークを介して接続されるPC(Personal Computer)等のコンピュータが備えるWebブラウザ等を介して行う。なお、本実施の形態において、レポートとは、複合機1の使用状況、状態情報、設定情報等を示す文書(紙又は電子データ)をいう。
【0016】
例えば、図3は、レポートの第一の例を示す図である。同図では、複合機1の各種カウンタの値が出力されたレポートの例が示されている。
【0017】
また、図4は、レポートの第二の例を示す図である。同図では、或るユーザ(田中さん)による複合機1の使用状況が出力されたレポートの例が示されている。
【0018】
なお、図3及び図4は、あくまでも例示に過ぎず、レポートの形態は多種多様である。
【0019】
レポート出力部12は、レポートの出力要求に応じ、レポートに含めるデータ(以下、「レポートデータ」という。)や、レポートの出力形態等をレポート管理部13に問い合わせる。レポート出力部12は、レポート管理部13からの応答に応じ、レポートの印刷又は表示等を行う。なお、レポートの出力のきっかけは、ユーザによるレポートの出力要求の入力に限られない。例えば、ログ情報が所定量蓄積されたときや、所定のジョブが実行されたとき等において自動的に実行されうる。
【0020】
レポート管理部13は、レポートデータの収集やレポートの出力に利用する出力属性データ20の選択等を行う。出力属性データ20は、レポートの出力に関する属性情報(印刷条件や出力対象とするデータの種類(項目)等)を含むデータである。出力属性データ20は、レポートの種類ごとに、複合機1の状態又はレポートデータのデータ量等に応じて複数定義され、HDD633に保存されている。
【0021】
データ管理部14は、レポート管理部13からの要求に応じ、レポートデータの対象となりうる各種のデータを取得する。図2では、データ管理部14の管理対象としてログ情報及びカウンタ情報が例示されている。ログ情報は、各種ジョブ等の実行に応じて記録される履歴情報である。カウンタ情報は、複合機1の使用状況等を記録するための各種のカウンタである。例えば、カウンタの具体例としては、カラーコピー枚数、モノクロコピー枚数、ユーザごとのコピー枚数等が挙げられる。
【0022】
ユーザ管理部15は、ユーザの認証処理を実行し、認証されたユーザを複合機1に対するログインユーザとして認識する。
【0023】
機器状態監視部16は、レポート管理部13からの要求に応じ、機器の状態情報(例えば、滞留ジョブ数や消耗品の残量等)の取得を行う。
【0024】
以下、複合機1の処理手順について説明する。図5は、第一の実施の形態におけるレポート出力処理の処理手順を説明するためのシーケンス図である。第一の実施の形態では、印刷用紙の残量に応じてレポートの出力形態(印刷条件等)を変化させる例について説明する。
【0025】
ステップS101において、UI制御部11は、ユーザからの入力に応じ、レポートの印刷要求をレポート出力部12に入力する。当該印刷要求では、レポートの種別(レポート種別)が指定される。続いて、レポート出力部12は、レポート種別を指定して、レポートデータの取得要求をレポート管理部13に入力する(S102)。続いて、レポート管理部13は、印刷用紙の残量の取得要求を機器状態監視部16に入力する(S103)。機器状態監視部16は、例えば、出力トレイにおけるセンサ等に基づいて印刷用紙の残量(用紙残量)を判定し、当該用紙残量をレポート管理部13に応答する(S104)。用紙残量は、枚数であってもよいし厚みであってもよい。
【0026】
続いて、レポート管理部13は、用紙残量が、一つ以上の閾値によって区切られたいずれの分類に属するかを判定する(S105)。例えば、用紙残量の5枚区切りで分類1(0〜5枚)、分類2(6〜10枚)、分類3(10〜15)等の分類が定義されている。なお、分類を何枚区切りとし、最大何枚までの分類を定義するかについては、例えば、レポートとして出力されうる最大枚数又は平均枚数等に基づいて定めればよい。
【0027】
続いて、レポート管理部13は、指定されたレポート種別に対する出力属性データ20であって、かつ、ステップS105において判定された分類に対応する出力属性データ20を利用対象として選択し、メモリ(MEM−P631)に読み込む。(S106)。すなわち、当該分類は、出力属性データ20の種類に対応する。換言すれば、各出力属性データ20は、用紙残量に対応付けられて定義されている。
【0028】
図6は、用紙残量が少ないときに選択される出力属性データの構成例を示す図である。同図に示されように、出力属性データ20aには、印刷条件とレポートに含めるデータの構成とが定義されている。すなわち、出力属性データ20aにおいて、集約、印刷面、及び濃度は、印刷条件に相当する。同図の出力属性データ20aでは、集約については「2in1(2ページを1ページに集約)」が設定されている。また、印刷面には「両面」が設定されている。すなわち、少ない用紙残量において全ページのレポートが印刷される可能性を高めるため、集約及び両面印刷により印刷枚数が削減されるように定義されている。なお、更に用紙残量が少ない分類に対応する出力属性データ20では、例えば、集約が「4in1」に設定されていてもよい。
【0029】
また、出力属性データ20aにおいて、データ1、データ2、及びデータ3には、データの種類ごとにレポートの出力対象とするか否か(すなわち、レポートに含めるデータの構成)が定義される。データ1、データ2、及びデータ3は、便宜上、ログの種類、カウンタ、又は複合機1に設定されるパラメータの識別情報(識別名又は識別子)等を抽象的に表現したものである。例えば、データ1は、所定のジョブのログを示し、データ2は、所定のカウンタを示し、データ3は、所定のパラメータを示すといった具合である。なお、同図では、全てのデータが出力対象とされている。但し、出力対象とするデータ量が多いほど、印刷用紙の消費量は多くなる。したがって、更に用紙残量が少ない分類に対応する出力属性データ20では、レポート対象として必須のデータ(例えば、データ1及び2)のみを出力対象とするようにしてもよい。なお、レポートに含められるデータの種類(構成)は、レポート種別ごとに異なる。
【0030】
続いて、レポート管理部13は、選択された出力属性データ20より、レポートの印刷条件を取得する(S107)。続いて、レポート管理部13は、選択された出力属性データ20において出力対象とされているデータ(すなわち、レポートデータ)の識別情報を指定して、当該レポートデータの取得要求をデータ管理部14に入力する(S108)。続いてデータ管理部14は、要求された各レポートデータをHDD633より取得し、取得されたレポートデータをレポート管理部13に出力する(S109)。続いて、レポート管理部13は、取得されたレポートデータと印刷条件とをレポート出力部12に出力する(S110)。
【0031】
続いて、レポート出力部12は、レポートデータをレポート種別に応じた出力形式(フォーマット)に当てはめ、その結果生成されるデータ(例えば、画像データ)について、当該印刷条件に従った印刷を印刷部605に実行させる(S111)。続いて、レポート出力部12は、レポートの出力処理の成否をUI制御部11に通知する(S112)。UI制御部11は、当該通知に応じ、レポートの出力処理の完了又は失敗を対応するユーザインタフェース(オペレーションパネル602又はWebブラウザ等)に表示させる。
【0032】
続いて、レポート出力部12は、印刷されたレポートデータ(レポート済みデータ)の削除要求をレポート管理部13に入力する(S113)。レポート管理部13は、当該削除要求をデータ管理部14に入力する(S114)。データ管理部14は、各レポート済みデータをHDD633より削除する(S115)。本実施の形態では、レポート対象として印刷されたデータは、紙面上に永続化されたものと考える。したがって、同一のデータが紙面上とHDD633等とにおいて重複されて永続化されている必要はないと考える。したがって、レポート済みデータをHDD633より削除し、HDD633の有効活用を図るのである。
【0033】
上述したように、第一の実施の形態によれば、消耗品である印刷用紙の残量に応じて印刷条件やレポートデータの構成を変化させることができる。したがって、通常の設定であれば印刷用紙が足りない場合であっても、レポートの全ページが印刷される可能性を高めることができる。
【0034】
なお、レポートの目的は、主としてレポートに記載された情報を確認することにあるため、印刷品質に対する許容度は高いものと考えられる。したがって、レポートの出力者が予定していた態様と異なる態様によってレポートが印刷されたとしても、実務上問題が生じる可能性は非常に低いものと考える。
【0035】
ところで、レポート管理部13によるレポートデータの取得処理(S108、S109)をステップS105より前に実行するようにしてもよい。この場合、出力属性データ20に基づいて取得対象とするデータを判定することはできない。したがって、指定されているレポート種別において出力対象とされる全てのレポートデータが取得されればよい。その後、取得されたレポートデータのデータ量に基づいて必要であると予想(推定)される用紙枚数(予想枚数)を判定し、当該予想枚数と用紙残量との関係(例えば、予想枚数と用紙残量との差分)に対応する出力属性データ20を選択するようにすればよい。すなわち、各出力属性データ20は、予想枚数と用紙残量との関係が閾値によって区切られた分類ごとに定義され、ステップS105では、予想枚数と用紙残量との関係がいずれの分類に属するかが判定される。ステップS106では、判定された分類に対応する出力属性データ20が選択される。なお、この場合、全てのレポートデータが印刷されてもよいし、出力属性データ20において出力対象とされているレポートデータのみが印刷されてもよい。
【0036】
次に、第二の実施の形態について説明する。図7は、第二の実施の形態におけるレポート出力処理の処理手順を説明するためのシーケンス図である。第二の実施の形態では、注目する消耗品がトナーである点が第一の実施の形態と異なる。したがって、第一の実施の相違点についてのみ説明する。
【0037】
ステップS153において、レポート管理部13は、トナーの残量の取得要求を機器状態監視部16に入力する(S153)。機器状態監視部16は、トナーの残量(トナー残量)を検出し、当該トナー残量をレポート管理部13に応答する(S154)。
【0038】
続いて、レポート管理部13は、トナー残量が、一つ以上の閾値によって区切られたいずれの分類に属するかを判定する(S155)。なお、分類をとのように区切るかは、例えば、レポートとして出力されうる最大枚数又は平均枚数等に基づいて定めればよい。
【0039】
続いて、レポート管理部13は、指定されたレポート種別に対する出力属性データ20であって、かつ、ステップS155において判定された分類に対応する出力属性データ20を利用対象として選択し、メモリに読み込む。(S156)。
【0040】
図8は、トナー残量が少ないときに選択される出力属性データの構成例を示す図である。同図の出力属性データ20bでは、集約については「2in1(2ページを1ページに集約)」が設定されている。また、濃度については「うすい」が設定されている。すなわち、少ないトナー残量において全ページのレポートが印刷される可能性を高めるため、トナーの消費量が削減されるように定義されている。なお、印刷面については「片面」が設定されている。トナーの消費量に印刷面は関係ないからである。但し、印刷面が「両面」である設定を除外する趣旨ではない。
【0041】
ステップS157以降は、図5のステップS107以降と同様である。
【0042】
上述したように、第二の実施の形態によれば、消耗品である印刷トナーの残量に応じて印刷条件やレポートデータの構成を変化させることができる。したがって、通常の設定であればトナーが足りない場合であっても、レポートの全ページが印刷される可能性を高めることができる。
【0043】
また、第一の実施の形態と同様、レポート管理部13によるレポートデータの取得処理(S158、S159)をステップS155より前に実行するようにしてもよい。その後、取得されたレポートデータのデータ量に基づいて必要であると予想(推定)されるトナー量(トナー予想消費量)を判定し、当該トナー予想消費量と用紙残量との関係(例えば、トナー予想消費量を印刷枚数に換算した値と用紙残量との差分)に対応する出力属性データ20を選択するようにすればよい。すなわち、各出力属性データ20は、トナー予想消費量と用紙残量との関係が閾値によって区切られた分類ごとに定義され、ステップS155では、トナー予想消費量と用紙残量との関係がいずれの分類に属するかが判定される。ステップS156では、判定された分類に対応する出力属性データ20が選択される。なお、この場合、全てのレポートデータが印刷されてもよいし、出力属性データ20において出力対象とされているレポートデータのみが印刷されてもよい。
【0044】
また、第二の実施の形態を第一の実施の形態と組み合わせてもよい。具体的には、出力属性データ20を、用紙残量の分類とトナー残量の分類との組み合わせごとに定義するようにしてもよい。そうすることにより、用紙残量及びトナー残量の組み合わせに応じてレポートの出力形態を変化させることができる。
【0045】
次に、第三の実施の形態について説明する。図9は、第三の実施の形態におけるレポート出力処理の処理手順を説明するためのシーケンス図である。第三の実施の形態では、ジョブ数(ジョブの滞留数)に応じて、印刷条件やレポートデータの構成を変化させる例について説明する。第三の実施の形態においても、第一の実施の形態と異なる点について説明する。
【0046】
ステップS153において、レポート管理部13は、ジョブ数の取得要求を機器状態監視部16に入力する(S203)。機器状態監視部16は、例えば、例えばジョブキュー(メモリ上において、ジョブの実行順を管理している記憶領域)に基づいてジョブ数を判定し、当該ジョブ数をレポート管理部13に応答する(S204)。
【0047】
続いて、レポート管理部13は、ジョブ数が、一つ以上の閾値によって区切られたいずれの分類に属するかを判定する(S205)。なお、分類をとのように区切るかは、例えば、レポートにおいて出力対象とされるデータ量等に基づいて定めればよい。
【0048】
続いて、レポート管理部13は、指定されたレポート種別に対する出力属性データ20であって、かつ、ステップS205において判定された分類に対応する出力属性データ20を利用対象として選択し、メモリに読み込む。(S206)。
【0049】
図10は、ジョブ数が多いときに選択される出力属性データの構成例を示す図である。同図の出力属性データ20cでは、集約については「なし」が設定されている。また、データ1のみが出力対象とされ、データ2及び3は出力対象とされていない。集約は、画像処理を必要とし、その分CPU611の負荷を増大させる。また、レポートデータの取得は、HDD633へのアクセスを伴う。すなわち、出力属性データ20cでは、CPU611の負荷の増大やHDD633に対するアクセス等、ジョブの円滑な実行に対して妨げとなりうる要因が低減されるように定義されている。
【0050】
ステップS207以降は、図5のステップS107以降と同様である。
【0051】
上述したように、第三の実施の形態によれば、ジョブ数に応じて印刷条件やレポートデータの構成を変化させることができる。したがって、ジョブ数が多い場合はジョブに対する影響が小さくなるようにレポートの出力処理を実行させることができる。
【0052】
なお、第三の実施の形態と第一及び第二の実施の形態の少なくともいずれか一方とを組み合わせてもよい。具体的には、出力属性データ20を、ジョブ数の分類と、用紙残量の分類及びトナー残量の分類の少なくともいずれか一方との組み合わせごとに定義するようにしてもよい。そうすることにより、当該組み合わせに応じてレポートの出力形態を変化させることができる。
【0053】
次に、第四の実施の形態について説明する。図11は、第四の実施の形態におけるレポート出力処理の処理手順を説明するためのシーケンス図である。第四の実施の形態は、第一の実施の形態に対して、出力属性データ20が、レポート種別ごとであって、かつ、ユーザごとに定義されている構成が追加されたものである。したがって、第四の実施の形態では、第一の実施の形態と異なる点について説明する。
【0054】
ステップS241において、UI制御部11は、オペレーションパネル602又はWebブラウザに表示されたログイン画面を介してユーザによって入力されたユーザID(ユーザ名)及びパスワードを指定して、ログイン要求をユーザ管理部15に入力する。続いて、ユーザ管理部15は、ユーザID及びパスワードに基づいてユーザを認証し、認証結果(認証の成否)をUI制御部11に出力する(S242)。なお、認証に成功した場合、ユーザ管理部15は、当該ユーザのユーザIDをログインユーザとしてメモリ内に記録しておく。
【0055】
ステップS251以降は、認証に成功した場合に実行される。ステップS252においてレポートデータの取得要求を入力されたレポート管理部13は、ログインユーザをユーザ管理部15に問い合わせる(S253)。ユーザ管理部15は、メモリ内に記録されているログインユーザのユーザIDをレポート管理部13に出力する。
【0056】
ステップS255以降は、第一の実施の形態(図5のステップS101以降)とほぼ同様である。但し、ステップS258において、レポート管理部13は、指定されたレポート種別であって、かつ、ログインユーザのユーザIDに関連付けられている出力属性データ20の中から、ステップS257において判定された分類に対応する出力属性データ20を利用対象として選択する。
【0057】
図12は、ユーザに応じて定義された出力属性データの構成例を示す図である。同図の出力属性データ20cの構成は、他の出力属性データ20の構成と同様である。但し、第四の実施の形態では、ユーザごとに出力属性データ20が定義されるため、用紙残量に加え、レポート出力に関する(又は、そもそも印刷ジョブに関する)ユーザの権限を加味した形態でレポートを出力させることができる。例えば、ユーザに応じて参照可能なデータを変えることができる。また、ユーザに応じて利用可能な印刷条件を制限することができる。
【0058】
なお、ユーザごとに出力属性データ20を定義する構成は、第二の実施の形態及び第三の実施の形態にも適用可能である。この場合の処理手順は、図7又は図9と、図11とに基づいて自明である。したがって、ここでの説明は省略する。
【0059】
続いて、第五の実施の形態について説明する。図13は、第五の実施の形態におけるレポート出力処理の処理手順を説明するためのシーケンス図である。第五の実施の形態は、第三の実施の形態(図9)の変形例である。したがって、第三の実施の形態と異なる点について説明する。
【0060】
ステップS301において、UI制御部11は、ユーザからの入力に応じ、レポートの表示要求をレポート出力部12に入力する。すなわち、第五の実施の形態では、レポートの印刷ではなく、表示が要求される。
【0061】
ステップS302〜S310は、図9のS202〜S210と同様である。ステップS310に続いて、レポート出力部12は、レポートデータをレポート種別に応じた出力形式(フォーマット)に当てはめ、その結果生成される画面データ(例えば、画像データ)の表示をUI制御部11に要求する(S311)。UI制御部11は、当該画面データをオペレーションパネル602又はWebブラウザに表示させる。
【0062】
上述したように、第五の実施の形態によれば、ジョブ数に応じてレポートデータの構成を変化させることができる。したがって、ジョブ数が多い場合はジョブに対する影響が小さくなるようにレポートの表示処理を実行させることができる。
【0063】
なお、第五の実施の形態ではレポート済みデータの削除は実行されない。レポートの表示は、レポートデータの永続化と考えることはできないからである。
【0064】
また、第五の実施の形態においても、出力属性データ20は、ユーザごとに定義されていてもよい。
【0065】
続いて、第六の実施の形態について説明する。図14は、第六の実施の形態におけるレポート出力処理の処理手順を説明するためのシーケンス図である。第六の実施の形態は、第三の実施の形態(図9)の変形例である。したがって、第三の実施の形態と異なる点について説明する。
【0066】
ステップS351において、UI制御部11は、ユーザからの入力に応じ、レポートの外部記録媒体への記録をレポート出力部12に入力する。すなわち、第六の実施の形態では、レポートの印刷ではなく、外部記録媒体(例えば、メモリカード635)への記録が要求される。
【0067】
ステップS352〜S360は、図9のS202〜S210と同様である。ステップS360に続いて、レポート出力部12は、レポートデータをレポート種別に応じた記録形式に当てはめ、その結果生成されるデータ(例えば、例えばCSV(Comma Separated Values)データ又はXML(eXtensible Markup Language)データ等)を外部記録媒体に記録する(S361)。
【0068】
上述したように、第六の実施の形態によれば、ジョブ数に応じてレポートデータの構成を変化させることができる。したがって、ジョブ数が多い場合はジョブに対する影響が小さくなるようにレポートの外部媒体への記録処理を実行させることができる。
【0069】
なお、第六の実施の形態においても、出力属性データ20は、ユーザごとに定義されていてもよい。
【0070】
続いて、第一から第六の実施の形態に対する共通の処理として出力属性データ20の登録処理について説明する。図15は、出力属性データの登録処理の処理手順を説明するためのシーケンス図である。
【0071】
UI制御部11は、例えば、出力属性データ登録画面を介して出力属性データ20の入力を受け付ける(S401)。出力属性データ登録画面では、出力属性データ20を構成する各項目(印刷条件やデータ構成に関する項目)の値が設定されると共に、当該出力属性データ20が属する分類(用紙残量による分類、トナー残量による分類、又はジョブ数による分類)が設定される。更に、ユーザ別に出力属性データ20が管理される場合は、ユーザIDも入力される。
【0072】
続いて、UI制御部11は、入力情報を指定して出力属性データ20の登録要求をレポート出力部12に入力する(S402)。続いて、レポート出力部12は、当該登録要求をレポート管理部13に入力する(S403)。続いて、レポート管理部13は、指定された分類、ユーザID等との関係が維持されるように出力属性データ20をHDD633に保存する(S404)。分類やユーザIDとの関連付けは、例えば、出力属性データ20を格納するファイルの保存先のフォルダ名を利用してもよいし、当該ファイルのファイル名を利用してもよい。また、他の方法によって当該関連付けが行われてもよい。続いて、レポート管理部13は、出力属性データ20の登録結果(成否)をレポート出力部12に応答する(S405)。レポート出力部12は、当該応答をUI制御部11に通知する(S406)
なお、同様の手順によって、既存の出力属性データ20の更新や削除等の実行を可能としてもよい。既存の出力属性データ20を操作する場合、既存の出力属性データ20の一覧を表示させ、当該一覧において選択された出力属性データ20を操作(更新又は削除)対象とすればよい。
【0073】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は斯かる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0074】
1 複合機
11 UI制御部
12 レポート出力部
13 レポート管理部
14 データ管理部
15 ユーザ管理部
16 機器状態監視部
20 出力属性データ
601 コントローラ
602 オペレーションパネル
603 ファクシミリコントロールユニット
604 撮像部
605 印刷部
611 CPU
612 ASIC
621 NB
622 SB
631 MEM−P
632 MEM−C
633 HDD
634 メモリカードスロット
635 メモリカード
641 NIC
642 USBデバイス
643 IEEE1394デバイス
644 セントロニクスデバイス
【先行技術文献】
【特許文献】
【0075】
【特許文献1】特開2007−95058号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置であって、
当該画像形成装置において印刷に関する消耗品の残量を取得する消耗品残量取得手段と、
前記消耗品の残量に応じてレポート情報の印刷条件を記憶した出力属性記憶手段と、
前記消耗品の残量に基づいて前記出力属性記憶手段より前記レポート情報の印刷条件を取得する出力属性取得手段と、
レポート情報に含めるデータを当該画像形成装置より取得するデータ取得手段と、
取得されたデータを含む前記レポート情報の印刷を前記印刷条件にしたがって実行させる印刷制御手段とを有する画像形成装置。
【請求項2】
前記出力属性記憶手段は、前記レポート情報の情報量と前記消耗品の残量との関係に応じて前記レポート情報の印刷条件を記憶し、
前記出力属性取得手段は、前記レポート情報の情報量及び前記消耗品の残量に基づいて前記出力属性記憶手段より印刷条件を取得する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記出力属性記憶手段は、前記消耗品の残量に応じて前記レポート情報に含めるデータの構成をも記憶し、
前記データ情報取得手段は、前記消耗品の残量に基づいて前記出力属性記憶手段より取得される前記構成に含まれるデータを当該画像形成装置より取得する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記消耗品は、印刷用紙及びトナーの少なくともいずれか一方である請求項1乃至3いずれか一項記載の画像形成装置。
【請求項5】
画像形成装置であって、
当該画像形成装置におけるジョブの数を取得するジョブ数取得手段と、
前記ジョブの数に応じてレポート情報に含めるデータの構成を記憶した出力属性記憶手段と、
前記ジョブ数に基づいて前記出力属性記憶手段より前記レポート情報に含めるデータの構成を取得する出力属性取得手段と、
前記出力属性手段によって取得された前記構成に含まれるデータを当該画像形成装置より取得するデータ取得手段と、
取得されたデータを含むレポート情報の出力を実行させる出力制御手段とを有する画像形成装置。
【請求項6】
画像形成装置が実行するレポート出力方法であって、
当該画像形成装置において印刷に関する消耗品の残量を取得する消耗品残量取得手順と、
前記消耗品の残量に応じてレポート情報の印刷条件を記憶した出力属性記憶手段より、前記消耗品の残量に基づいて前記レポート情報の印刷条件を取得する出力属性取得手順と、
レポート情報に含めるデータを当該画像形成装置より取得するデータ取得手順と、
取得されたデータを含む前記レポート情報の印刷を前記印刷条件にしたがって実行させる印刷制御手順とを有するレポート出力方法。
【請求項7】
前記出力属性記憶手段は、前記レポート情報の情報量と前記消耗品の残量との関係に応じて前記レポート情報の印刷条件を記憶し、
前記出力属性取得手順は、前記レポート情報の情報量及び前記消耗品の残量に基づいて前記出力属性記憶手段より印刷条件を取得する請求項6記載のレポート出力方法。
【請求項8】
前記出力属性記憶手段は、前記消耗品の残量に応じて前記レポート情報に含めるデータの構成をも記憶し、
前記データ情報取得手順は、前記消耗品の残量に基づいて前記出力属性記憶手段より取得される前記構成に含まれるデータを当該画像形成装置より取得する請求項6記載のレポート出力方法。
【請求項9】
前記消耗品は、印刷用紙及びトナーの少なくともいずれか一方である請求項6乃至8いずれか一項記載のレポート出力方法。
【請求項10】
画像形成装置が実行するレポート出力方法であって、
当該画像形成装置におけるジョブの数を取得するジョブ数取得手順と、
前記ジョブの数に応じてレポート情報に含めるデータの構成を記憶した出力属性記憶手段より、前記ジョブ数に基づいて前記レポート情報に含めるデータの構成を取得する出力属性取得手順と、
前記出力属性手順において取得された前記構成に含まれるデータを当該画像形成装置より取得するデータ取得手順と、
取得されたデータを含むレポート情報の出力を実行させる出力制御手順とを有するレポート出力方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−210685(P2010−210685A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−53830(P2009−53830)
【出願日】平成21年3月6日(2009.3.6)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】