説明

画像形成装置及び保存画像の確認システム

【課題】画像データの自動更新だけでなく、最新以外の更新画像の画像データについても、必要に応じて取得して利用できる、使い勝ってのよい画像形成装置を実現する。
【解決手段】本発明の画像形成装置104では、読み取った画像データが保存済みの画像データが更新された物である場合、読み取った画像データを更新前の画像データに関連つけて管理し、更新毎に、更新された画像データの表示用データを生成すると共に、その保存場所を示す情報を含む更新情報を生成する。そして、更新情報のQRコード105を、更新日時リストと共にオペレーションパネル部103に表示する。更新画像を確認したいとき、表示されたQRコード105を、携帯電話109で撮影し、表示用データの保存場所にアクセスすることで、画像形成装置104より更新画像の表示用データをダウンロードし、表示画面110にて内容を確認する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿の画像を画像データとして読み取り、HDD等よりなる記録媒体に保存するドキュメントファイリング機能を有する画像形成装置、及び該機能にて画像形成装置に保存されている保存画像の確認システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、プリンタ、コピー、FAX及びスキャナなどの複数の機能を1つの装置内で実現することが可能な複合機(MFP:Multi Function Printer)と称される画像形成装置がある。
【0003】
このような画像形成装置においては、HDD等の大容量の記録媒体を備え、原稿の画像を画像データとして読み取り、ファイリングしていくドキュメントファイリング機能(以下、ファイリング機能と略記する)を有するものもがある。読み取られた画像データは、例えば、ファイル名、ユーザー名、読み取り日時当の情報を付けて管理される。ユーザーは、必要に応じて、保存された画像データを、ユーザー名やファイル名を入力することで呼び出し、印刷させることができる(例えば、特許文献1)。
【0004】
また、ドキュメント画像の印刷情報(更新日時)をバーコード化して当該ドキュメントに重ねて印刷しておき、バーコード付きの画像をスキャンした場合に、保存済みの画像データの更新日時と一致しないとき、古い日時のデータを削除して新しい日時の画像データへと置き換える(上書きする)技術も提案されている(例えば、特許文献2)。
【0005】
これによれば、1度、画像データとして保存した画像については、更新されたものが読み取られる度に、自動的に最新の画像データへと置き換えられるので、ユーザーは、意識することなく更新された画像の印刷物を取得できる。
【0006】
つまり、このようなファイリング機能を用いることで、画像形成装置をドキュメントサーバとして使用することができる。これにより、書類を印刷物にて保管した場合の課題である、保管スペースの問題や、紛失の問題、所望の印刷物を捜すのに手間がかかるといった問題を解消できる。
【0007】
また、画像形成装置を携帯電話等の外部機器とネットワークを介して接続して、外部機器を用いて操作する技術も既に提案されている。
【0008】
例えば、特許文献3には、画像形成装置が、近傍に人がいることを確認すると、当該画像形成装置自身を識別させるための識別情報を生成してこれをQRコードに変換して表示し、ユーザーの備える携帯電話がこれを読み取り、再度識別情報に変換し、携帯電話基地局を介して画像形成装置にアクセスし、画像形成装置より送信されてくる操作指定の画面等を用いてユーザーが指定した操作情報を、画像形成装置に送信することが記載されている。
【特許文献1】特開平9−270902(1997年10月14日公開)
【特許文献2】特開2005−198177(2005年7月21日公開)
【特許文献3】特開2007−164448号(2007年6月28日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、従来の構成では、ファイリング機能を有する画像形成装置をドキュメントサーバとして使用するにあたり、使い勝ってが、あまり良くないといった問題がある。
【0010】
つまり、従来の構成では、保存した画像データを更新するにあたり、更新毎に、各回の更新に対応付けて更新された画像データを管理するようになっておらず、更新前の画像データを消して、新しい画像データへと置き換えるようになっている。そのため、ユーザーが更新前の画像の印刷物を得たいと思っても、印刷させることができない。
【0011】
また、既に更新が行われている画像データに対し、最初に保存した画像データで示される画像には含まれておらず、更新にて追加された内容が、何回目の更新時に追加されたのかを知りたいこともあるが、知ることができない。
【0012】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ドキュメントファイリング機能にて画像データを保存可能な画像形成装置において、画像データの自動更新だけでなく、最新以外の更新画像の画像データについても、ユーザーが必要に応じて取得して利用できる、使い勝ってのよい画像形成装置、及びファイリング画像の確認システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の画像形成装置は、上記課題を解決するために、原稿の画像を画像データとして読み取り、記録媒体に保存していくドキュメントファイリング機能を有する画像形成装置において、読み取った画像データを前記記録媒体に保存する画像データ保存部と、読み取った画像データが、前記記録媒体に保存済みの画像データが更新された物であるか否かを判断する更新判断部と、前記更新判断部にて保存済みの画像データが更新された物であると判断された場合に、読み取った画像データを更新前の画像データに関連つけて管理する更新管理部と、画像データの更新毎に、更新された画像データの表示用データを生成して、前記記録媒体に保存する表示用データ生成部と、画像データの更新毎に、前記表示用データ生成部にて生成された表示用データの保存場所を示す情報を含む更新情報を生成する更新情報生成部と、前記更新情報生成部にて生成された更新情報を、通信ネットワークを介して接続される外部機器にて読み取り可能なコード情報に変換するコード情報変換部と、前記コード情報変換部にて変換されたコード情報を、更新日時に対応付けて更新日時リストと共に表示画面に表示させる表示制御部と、前記外部機器からの要求を受け付け、これに応じて、前記記録媒体に保存されている所定の表示用データを前記外部機器に送信する送受信部とを備えることを特徴としている。
【0014】
これによれば、画像データ保存部が、読み取った画像データを記録媒体に保存するが、ここで、更新判断部が、読み取った画像データが保存済みの画像データが更新された物であるか否かを判断し、更新された物であると判断すると、更新管理部が、読み取った画像データを更新前の画像データに関連つけて管理する。そして、画像データの更新毎に、表示用データ生成部が、更新された画像データの表示用データを生成して記録媒体に保存し、更新情報生成部が、生成された表示用データの保存場所を示す情報を含む更新情報を生成する。そして、このように生成された更新情報を、コード情報変換部が、通信ネットワークを介して接続される外部機器にて読み取り可能な、例えばQRコード等のコード情報に変換し、変換されたコード情報を、表示制御部が、更新日時に対応付けて更新日時リストと共に表示画面に表示する。また、送受信部は、外部機器からの要求を受け付け、受け付けた要求に応じて、記録媒体に保存されている所定の表示用データを送信する。
【0015】
これにより、ユーザーは、登録画像の更新が自動的に管理される環境下であっても、最新の更新画像(登録画像)だけでなく、所望する更新回の更新画像(登録画像)を取得して、印刷したりすることができ、使い勝ってが向上する。
【0016】
しかも、更新日時に応じた更新画像を、外部機器、例えば、携帯電話等を用い、その画面に表示させて確認することができるので、更新画像を一々印刷することなく、所望の更新画像を簡単に探すことができる。
【0017】
本発明の画像形成装置においては、さらに、前記更新判断部は、さらに、読み取られた画像データの更新箇所を特定するようになっており、前記表示用データ生成部は、読み取れた画像データの表示用データとして、前記更新判断部で特定された前記更新箇所にマークを付した表示用データを生成する構成とすることが好ましい。
【0018】
上記構成によれば、更新判断部が、読み取られた画像データの更新箇所を特定し、表示用データ生成部は、読み取れた画像データの表示用データとして、更新判断部で特定された前記更新箇所にマークを付した表示用データを生成するので、ユーザーが、所望の更新日時のコード情報を読み取って、外部機器である携帯電話等でアクセスして更新画面の表示を希望した場合、更新画像におけるその更新回に更新された箇所にマークが付された画像が表示される。
【0019】
これにより、その更新回の更新内容を容易に認識することができるので、例えば、更新にて追加された内容が、何回目の更新時に追加されたのかを簡単に知ることができ、使い勝ってが、さらに向上する。
【0020】
また、本発明の画像形成装置においては、さらに、更新日時リストにおける更新回数が任意に設定可能である構成とすることが好ましい。
【0021】
上記の構成によれば、更新状況に応じて、ユーザーが望む更新履歴の情報の取得が可能となる。例えば、更新履歴回数を少なく設定している状態で頻繁に更新がある場合、古い更新情報とその回の登録画像(更新画像)とが消えてしまうが、更新履歴回数を多くするように再設定することでより古い更新情報および登録画像(更新画像)も確認することができる。
【0022】
本発明の画像形成装置においては、さらに、前記更新情報には、更新された画像データの表示用画像の保存場所を示す情報以外に、ファイル名の情報、更新日時の情報、及び更新者の情報が含まれている構成とすることもできる。
【0023】
更新情報に、更新日時の情報、及び更新者の情報を含めることで、これがコード情報に変換されたものを読み取ったユーザーは、外部機器である携帯電話等の画面にて、ファイル名、更新日時の情報を、更新者を確認できる。画像形成装置の表示パネルの都合上、更新者の情報が表示されるようになっていなかった場合でも、更新者を確認できる。したがって、もしも探している更新画像のものと、更新者が異なる場合などは、表示用画像の保存場所にアクセスする前に、コード情報の読み直しを行うことができる。
【0024】
本発明の画像形成装置においては、さらに、更新判断部にて特定された更新箇所のみを印刷出力する更新箇所印刷モードを有する構成とすることが好ましい。
【0025】
これによれば、従来には想定されていなかった、更新画像における更新箇所のみを印刷させることができるので、更新画像(登録画像)全体の印刷は不要で、更新された箇所のみの印刷を所望するユーザーの使用に対応でき、使い勝ってがさらに向上する。
【0026】
本発明の保存画像の確認システムは、上記課題を解決するために、原稿の画像を画像データとして読み取り、画像形成装置の備える記録媒体に保存していくドキュメントファイリング機能を用いて保存された保存画像の確認システムであって、画像形成装置は、読み取った画像データを前記記録媒体に保存する画像データ保存部と、読み取った画像データが、前記記録媒体に保存済みの画像データが更新された物であるか否かを判断する更新判断部と、前記更新判断部にて保存済みの画像データが更新された物であると判断された場合に、読み取った画像データを更新前の画像データに関連つけて管理する更新管理部と、画像データの更新毎に、更新された画像データの表示用データを生成して、前記記録媒体に保存する表示用データ生成部と、画像データの更新毎に、前記表示用データ生成部にて生成された表示用データの保存場所を示す情報を含む更新情報を生成する更新情報生成部と、前記更新情報生成部にて生成された更新情報を、通信ネットワークを介して接続される外部機器にて読み取り可能なコード情報に変換するコード情報変換部と、前記コード情報変換部にて変換されたコード情報を、更新日時に対応付けて更新日時リストと共に表示画面に表示させる表示制御部と、前記外部機器からの要求を受け付け、これに応じて、前記記録媒体に保存されている所定の表示用データを前記外部機器に送信する送受信部とを備え、前記外部機器は、コード情報を読み取るコード情報読取部と、前記コード情報読取部にて読み取ったコード情報を解析するコード解析部と、更新情報に含まれる表示用データの保存場所にアクセスして、表示用データを取得する表示用データ取得部と、前記コード解析部にて戻された更新情報、及び前記表示用データ取得部にて取得された表示用データを表示する表示部とを備えることを特徴としている。
【0027】
なお、上記画像形成装置は、コンピュータによって実現しても良い。この場合、コンピュータを上記各部として動作させることにより上記画像形成装置をコンピュータにおいて実現するプログラムも本発明の範疇に入る。さらに、上記のようなプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0028】
以上のように、本発明によれば、ドキュメントファイリング機能にて画像データを保存可能な画像形成装置において、画像データの自動更新だけでなく、更新前の画像データについても、ユーザーが必要に応じて取得して利用できる、使い勝ってのよい画像形成装置、及びファイリング画像の確認システムを提供することである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明に係る一実施形態について、図1ないし図15に基づいて詳細に説明する。
【0030】
図1は、本実施形態に係るドキュメントファイリング機能にて画像形成装置のHDD等に保存されている保存画像の確認システムの構成の1例を模式的に示す説明図である。
【0031】
保存画像の確認システム1は、ドキュメントファイリング機能を有する画像形成装置であるたとえばMFP(Multi Function Peripheral)104、外部機器である例えば携帯電話109、携帯電話基地局装置101、および通信回線102を含む。
【0032】
MFP104は、液晶タッチパネルなどで構成されるオペレーションパネル部103を含む複合機であり、Webサーバー106を有する。MFP104は、LAN(Local Area Network)やインターネットなどの通信回線102を介して携帯電話基地局装置101に接続されている。
【0033】
携帯電話109は、たとえば携帯電話機であり、携帯電話基地局装置101を介して、MFP104と無線による通信を行うことができ、Webブラウザ108を有している。すなわちMFP104と携帯電話109とは、携帯電話基地局装置101を介して通信を確立することができる。
【0034】
MFP104は、後述するHDDに保存されている更新された画像データの表示用データが保存されている保存場所を示す情報を含む更新情報を生成して、携帯電話109が読み取ってデコードすることのできるコード情報に変換してオペレーションパネル部103に表示する。本実施の形態では、コード情報として、二次元コードの一種であるQR(Quick Response)コード105を用いている。
【0035】
携帯電話109は、画像を撮影するためのカメラ107を含み、カメラ107によって、オペレーションパネル部103に表示されたQRコード105を撮影する。また、携帯電話109は、表示画面110を備える。
【0036】
QRコード105は、MFP104のWebサーバー106のURL(Uniform Resource Locator)の情報を含んでいる。携帯電話109は、Webブラウザ108でQRコード105に含まれるURLを指定することによって、そのURLで特定されるサーバーである、MFP104のWebサーバー106にアクセスすることができる。
【0037】
MFP104は、オペレーションパネル部103に表示されたQRコード105に含まれるURLによって特定されるサーバーであり、携帯電話109は、このURLによってMFP104にアクセスすることができる。換言すれば、MFP104にアクセスした携帯電話109は、オペレーションパネル部103に表示されたQRコード105に含まれるURLを用いてアクセスした携帯電話である。
【0038】
図2は、MFP104の要部構成を示す図である。MFP104は、画像読取部201、画像形成部202、保存制御部223、更新管理部203、画像編集部204、画像比較部205、QRコード生成部206、オペレーションパネル制御部207、時刻管理部208、記憶部209、データ送受信部221などを含み、これらは専用のバス222によって接続される。
【0039】
画像読取部201は、原稿等の画像(ドキュメント画像)を画像データとして読み取るものである。画像読取部201にて読み取られた画像データは、CPU等で構成される保存制御部223の制御のもと、バス222を経由して記憶部(記録媒体)209へと送られる。
【0040】
記憶部209は、例えばHDD等の大容量メモリからなる。記憶部209は、画像データを記憶する画像記憶部210と、更新情報を記憶する更新情報記憶部214とを有する。
【0041】
ドキュメントファイリング機能を用いて、画像読取部201にて読み取られた画像データは、保存制御部223にて、画像記憶部210における登録画像記憶部211に保存される。
【0042】
画像形成部202は、画像読取部201にて読み取られた画像データや、外部より入力された画像データを基に、紙等の記録材上に画像を形成するものである。
【0043】
画像比較部(更新判断部)205は、登録画像記憶部211に以前より保存されている画像データ(以下、登録画像データ)と、今回読み取られて登録画像記憶部211に保存された画像データ(以下、読取画像データ)とを比較をして、これら両画像データが、登録画像とその更新画像との関係に相当する、つまり、同一ファイル(ファイルNo.)の画像データであるか否かを判断するものである。本実施形態の場合、画像比較部205は、読取画像データの第1ぺージ目の画像と、登録画像データとを比較して、同一ファイルであるか否かを判断する。
【0044】
さらに、本実施形態では、画像比較部205は、同一ファイルの画像データであると判断した場合に、読取画像データと更新画像データとを比較して、読取画像の更新エリア(更新箇所)を識別するものでもある。既に更新が成されており、同一ファイルの更新画像が複数存在する場合には、画像比較部205は、更新日時の最も新しいもの、換言すれば、更新回数の最も大きい更新画像データと読取画像データとを比較する。
【0045】
更新管理部203は、画像比較部205の識別により、登録画像データと同一ファイルのものであると確認された読取画像データを、更新画像データとして、1回目の更新画像データ、2回目の更新画像データ、3回目の更新画像データ‥というように、更新回数に対応つけて管理するものである。なお、更新画像データは登録画像データに他ならない。
【0046】
更新管理部203は、更新回数と、登録画像記憶部211上における更新画像データの書き込みアドレスとを関連をつけることで、同一ファイルの複数の更新画像データを、更新順に管理している。更新回数と更新画像データの書き込みアドレスとの関連付け例を以下に示す。
【0047】
1回目の更新画像データ:書き込みアドレス「A0000〜B9988」
2回目の更新画像データ:書き込みアドレス「D0976〜F1111」
3回目の更新画像データ:書き込みアドレス「J3456〜L5555」
さらに、更新管理部203は、画像比較部205にて識別された更新エリアを、例えば、更新画像(登録画像)における、更新エリアを含むページ番号と、そのページ内の行にて表される更新エリア情報にて管理する。1ページの行数指定は数値を大きくする程、更新毎のエリア境界線を詳細に設定できる。更新エリア情報は、更新情報記憶部214に保存される。本実施形態においては、更新管理部203は、画像データの新規登録も、0回目の更新として管理する。そのため、新規に登録された画像データの場合、その全体を、更新エリア情報として管理される。
【0048】
画像編集部(表示用データ生成部)204は、画像データの更新毎に、更新画像データの表示用データを生成して、前記画像記憶部210における表示用画像記憶部212に保存するものである。詳細には後述するが、ユーザーが、携帯電話109にてMFP104にアクセスして、更新画像の更新エリアを確認する確認処理を実施すると、携帯電話109の表示画面110には、この表示用画像が表示されることとなる。
【0049】
特に、本実施形態では、画像編集部204は、ユーザーが一目で、更新エリアを視認できるように、前記画像比較部205にて特定された更新エリアに対し、赤色の枠等の目立つマークを付加したマーク付画像の表示用データを生成するようになっている。これにより、確認処理を実施した際、携帯電話109の表示画面110には、このマーク付画像が表示されることとなる。上述したように、本実施形態では、画像データの新規登録も0回目の更新として管理しているので、画像編集部204は、新規に登録された画像データの場合、その全体を枠で囲んだマーク付き画像を生成する。
【0050】
また、画像編集部204は、ユーザーにて更新エリアのみを印刷する更新エリア印刷が指定されると、登録画像記憶部211より読み出した更新画像(登録画像)における更新エリアのみを抜き出した更新エリア抜粋画像を編集する機能も有している。更新エリア抜粋画像は、画像記憶部210における印刷画像記憶部213に一旦保存され、画像形成部202へと送られる。この更新エリア抜粋画像の編集に、更新エリア情報が使用される。
【0051】
QRコード生成部(更新情報生成部、コード情報変換部)206は、画像データの更新毎に、画像編集部204にて生成され、表示用画像記憶部212に保存された表示用データの保存場所を示す情報を含む更新情報を生成して、QRコード105に変換するものである。
【0052】
本実施形態においては、更新情報として、更新画像データの表示用データの保存場所を示す情報以外に、「ファイル名」、「更新日時」、「更新者」の各情報が含まれている。表示用データの保存場所の情報は、MFP104のWebサーバー106のURLを含むリンクURLとして含まれている。
【0053】
これらQRコードに含まれる更新情報は、前記した更新管理部223の管理のもと、記憶部209における更新情報記憶部214に保存される。更新管理部223は、画像データの更新の度に、更新画像データに対応付けて、ファイル名、更新者、更新日時、URL、更新エリア情報、及びQRコードを、更新情報記憶部214に保存する。
【0054】
ここで、「ファイル名」は、同一ファイルであれば更新前後でも同一名称となる。なお、読取画像データが初めての登録である新規登録の場合は、後述する新規登録処理に進むので、オペレーションパネル部103に表示される案内に従い、ユーザーが入力する。
【0055】
「更新者」の情報は、更新毎に、オペレーションパネル部103に表示される案内に従い、ユーザー等に入力させるようにしてもよいし、MFP104はユーザー承認機能を有する場合は、読み取ったユーザー情報を用いて自動保存する構成としてもよい。
【0056】
「更新日時」の情報は、画像読取部201にてドキュメントなどの原稿を読み取った日時であり、時刻管理部208にて自動保存される。
【0057】
URLは、上述したように、表示用画像記憶部212における各更新データの表示用データの保存場所を示しており、画像データが更新され、表示用データが生成される毎に対応するURLが保存される。これにより、ユーザーが携帯電話109でURLにアクセスすることにより、対応する表示用画像、本実施形態では、更新エリアに枠状のマークが付されたマーク付画像を、携帯電話109の表示画面に表示させることが可能となる。
【0058】
更新エリア情報は、上述したように、更新画像における更新エリアを含むページ番号と行の情報である。
【0059】
図9(a)に、更新情報記憶部214の管理内容を示す。同一「ファイル名」の画像データが、同一「ファイルNo.」で管理され、同一「ファイル名」の更新画像データごとに、「更新日時」、「更新者」、「更新エリア情報」、更新画像の表示用データの保存場所を示す「URL」、及び当該更新画像データのQRコードの保存先が管理される。本実施形態では、更新エリア情報を示す「行数」は、原稿1ページに対して100行と設定しており、更新情報記憶部214の管理内容の行数も100行にあわせて記載している。
【0060】
また、図9の例では、各ファイル、5回分の更新画像データを残せるようになっている。ここで、5つの更新履歴情報は、管理シートの最下位から順に入力され、更新回数が4回を超えた時点で、最下位にある新規登録された読取画像の更新履歴が削除され、更新5回目の新たな更新履歴が追加されることで、常に最新5回分の更新履歴を確認できる。このような更新履歴保管回数および更新履歴の表示順は、ユーザーが任意の回数を設定できる。
【0061】
また、図9(b)に、表示用データの保存場所を示すURLの一例を示す。この例は、図9(a)における、ファイルNo.2の「○○会議議事録」の、更新日時「2008/07/24/13:54:21」のものである。ここで、URLは、ヘッダは、「http://abc.com」であり、MFP固有情報であるMFP固有IDは、「mfp1」である。また、保存フォルダは、「docu」であり、その後に、ファイルNo.−更新日時で構成された「02-20080724135421」が続く。図9(a)に示される更新エアリ情報が、「1ページ0行目〜3ページ10行目」であり、履歴の空欄が2欄あることから、当該登録画像データは新規登録されたものである。
【0062】
図2に戻り、オペレーションパネル部103は、例えばタッチパネルなどで構成でき、MFP104の各種操作のキー入力操作、設定・動作状況などを表示させる役割があり、キー入力と表示の2種類の役割を果たしている。
【0063】
データ送受信部(送受信部)221は、データの送受信を行うものであり、データ送受信部221から、インターネットなどの通信回線を介して携帯電話基地局装置101に接続されている。携帯電話109からURLアクセスされた際は、データ送受信部221を通じて、マーク付きの表示用データを送信する。
【0064】
時刻管理部208は、画像読取部201にてドキュメントを読み取った日時である更新日時を取得し入力する。
【0065】
次に、MFP104における、フィリング機能にて読み取った画像データを記憶部209に画像を保存する処理について説明する。
【0066】
図3は、MFP104の原稿読み取り処理のフローチャートである。まず、原稿読み取りトレイに原稿をセットする(S301)。原稿がセットされた後、MFP104のオペレーションパネル部103にて、「ドキュメントファイリング機能」、及び「読み取った原稿の更新確認要」を設定する(S302)。
【0067】
設定完了後、オペレーションパネル部103に表示される読み取り実行キーを押下する(S303)と、原稿1ページ目が画像読取部201によって読み取られ、画像データとして画像記憶部210の登録画像記憶部211に保存される(S304)。この読取画像データと登録画像記憶部211に保存されている登録画像データとを、画像比較部205にて比較し(S305)、同一ファイルに相当する登録画像があるか否かを判断する(S306)。
【0068】
S306にて、同一ファイルが無いと判断した場合、読取画像を新規登録するか否かの選択がオペレーションパネル部103に表示される(S311)。ここで、ユーザー「登録する」を選択すると、後述する新規ドキュメント登録処理(図4のフロー)が実施される(S312)。なお、ユーザーが「登録する」を選択しなかった場合は、フローが終了する。
【0069】
一方、S306にて、同一ファイルが有ると判断された場合は、オペレーションパネル部103にファイル名確認を促す表示を行い(S307)、ドキュメント更新処理(図5のフロー)が実施される(S308)。
【0070】
S312の新規ドキュメント処理、或いはS308のドキュメント更新処理を実施後、S309に進み、画像編集部204が、更新エリアにマークを付した表示用データを生成し、それを表示用画像記憶部212に保存する。上述したように、S312の新規ドキュメント処理が実施された場合、ここでは、画像全体が枠等で囲まれた、マーク付き画像が生成される。
【0071】
その後、QRコード生成部206にて更新情報記憶部214にある更新情報(新規登録は更新0回目)をコード化させてQRコードを生成して、更新情報記憶部214に保存する(S310)。これにて、原稿読み取りのフローが終了する。
【0072】
次に、図4を用いて、図3のフローチャートのS312にて実施される新規ドキュメント処理について説明する。図4は、新規ドキュメント登録(S312)の流れを詳細にフローチャートである。
【0073】
まず、新規ドキュメント登録が選択されると、画像読取部201によって読み取られた原稿の新規登録ファイルが作成される(S401)。次に、セットされた原稿が全ページ読み取られたか否かを判断し(S402)、全ページの読み取りが完了していない場合は、次のページを読み取り(S404)、S401で作成した新規登録ファイルに、読み取り画像データを追加する(S405)。全ページの読み取りが完了するまで、原稿の読取完了の判断、原稿の読み取り、および新規登録ファイルへのページ追加を繰り返して行う(S402→S404→S405→S402)。
【0074】
そして、S402にて、原稿の全ページの読取が完了したと判断すると、更新情報記憶部214に保存すべき、新規登録ファイルの情報を作成し、更新情報記憶部214に保存する。これにて、新規キュメント登録処理が終了する。
【0075】
なお、新規ドキュメント登録の場合、ファイル名は、更新者の情報と共に、ユーザーがオペレーションパネル部103のキー入力にて行う。その他の更新情報(更新日時、URL、更新エリア、QRコード)は、MFP104にて自動的に入力される。例えば、更新日時は原稿を読み取りした時間を時刻管理部208より取得し入力される。
【0076】
更新エリアとしては、初回原稿の読み取りは新規登録であるので、上述したように、読み取られた全ページが対象となる。ただし、最終ページに関しては、文章が入力されている行までが対象となり、空白スペース部分は対象外となる。
【0077】
URLとしては、上記更新エリア、すなわち全ページが対象となる画像を赤枠などで囲ったマーク付き画像の表示用データの保存先が入力される。QRコードは、QRコード生成部206にて、入力されたファイル名、更新者、更新日時、URLをQRコード化したものが入力される。
【0078】
次に、図5を用いて、図3のフローチャートのS308にて実施される新規ドキュメント処理について説明する。図5は、ドキュメント更新(S308)の流れを詳細にフローチャートである。
【0079】
まず、画像比較部205が、画像読取部201にて読み取られた読取画像の画像データと、登録画像記憶部211に保存されている、当該読取画像と同一ファイルの画像データとの比較を行い、更新エリアの識別を行う(S501)。次に、セットされた原稿が全ページ読み取られたか否かを判断し(S502)、全ページの読み取りが完了していない場合は、次のページを読み取り(S504)、再度、S501に戻り、更新エリアの識別を行う。このように、原稿読み取りと更新エリアの識別とが全ページ完了したと判断されるまで、原稿の読取完了の判断、原稿の読み取り、および更新エリアの識別を繰り返して行う(S502→S504→S501→S502)。
【0080】
そして、S502にて、原稿の全ページの読み取りが完了したと判断すると、更新情報記憶部214に保存すべき情報が保存され(S503)、ドキュメント更新フローが完了する。
【0081】
なお、ドキュメント更新処理の場合、更新情報としては、更新者のみをオペレーションパネル部103からのキー入力で行い、その他の更新情報(ファイル名、更新日時、URL、更新エリア、QRコード)はMFP104にて自動的に入力される。更新日時、URL、QRコードに関しては、図4の新規ドキュメントデータ登録のフローチャートで説明した内容と同様である。それ以外では、ファイル名は登録ドキュメントが元々存在する為、同一ファイル名を入力、更新エリアは画像比較部205にて判断された更新エリアのページ番号と行数が更新エリア情報として入力される。
【0082】
次に、MFP104の登録画像記憶部211に保存されている画像データの更新状態を確認して、所望の更新回の画像データにおける更新エリアのみを印刷する処理について説明する。
【0083】
図6は、MFP104における、更新ドキュメントプリン処理のフローチャートである。まず、オペレーションパネル部103にて、更新ドキュメントプリントモードの設定を行う(S601)。更新ドキュメントプリントモードとは、所望の更新回の更新エリアの画像のみを印刷するモードである。
【0084】
更新ドキュメントプリントモード設定時のオペレーションパネル部103の表示例を図8に示す。同図に示すように、上部にある「コピー」、「スキャン」、「ドキュメントファイリング」、「更新ドキュメントプリント」が、使用するモードを選択するモードキー801である。
【0085】
図8に示された使用モード中、ユーザーが、「更新ドキュメントプリントモード」を選択する(S601)と、図8に示すように、登録画像記憶部211に保存されている登録画像(登録ドキュメント)の保存ファイル一覧802を表示する(S602)。ファイル一覧802から印刷したいファイル名をユーザーが選択して押下すると(S603)、選択されたファイル名の表示形態、例えば表示色が、他のファイル名と異なった色に変化させると共に、保存ファイル一覧802の右側に、選択されたファイルの更新履歴(更新日時リスト)803を表示する(S604)。
【0086】
更新履歴803には、更新日時がリスト表示されると共に、各更新日時に対応したQRコード105が表示される。
【0087】
更新履歴の表示回数に関しては、図8では5回分を表示しているが、MFP104の設定にて任意の回数でユーザーが決定できるものとする。また、更新時間と対応するQRコードの表示順を下から上に向かって新しい順に表示したが、これもユーザーにより決定できるものとする。
【0088】
次に、MFP104のオペレーションパネル部103に表示された図8の画面の中の、所望の更新日時のQRコードを自身が所有する携帯電話109の撮影機能を用いて読み取ることで更新情報を確認する、QRコード読み取りによる更新情報確認処理(図7のフロー)が、ユーザー主体で実施される(S605)。
【0089】
ユーザーによる確認完了後に、オペレーションパネル部103で表示する更新履歴キーが選択され(S606)、印刷キーが押下されると(S607)、画像編集部204が、選択された更新履歴に対応する更新画像における更新エリアのみを印刷する(S608)これにより、更新ドキュメントプリントのフローが完了する。
【0090】
このように、ユーザーは、QRコードの読み取り機能をもつ通信端末機器(ここでは携帯電話とする)を使用して、所望の更新履歴のQRコードを読み取る。すると、その更新履歴での更新画像のファイル名、更新日時、更新者、更新エリア付画像へアクセスするURLが携帯電話の表示画面に表示され、URLをアクセスすることで表示される更新エリアにマークが付されたマーク付画像を確認後、印刷を希望する内容であるなら、その更新画像の更新エリアのみを印刷することができる。
【0091】
図7を用いて、図6のフローチャートのS605にて実施されるQRコード読み取りによる更新情報確認処理について説明する。図7は、QRコード読み取りによる更新情報確認処理(S605)の流れを詳細にフローチャートである。
【0092】
まず、ユーザーは、QRコード読み取り機能をもつ、携帯電話109のQRコードリードモードを選択する(S701)。次に、図8に示す、MFP104のオペレーションパネル部103に表示された更新履歴803の中から、確認しようとする更新日時に対応したQRコードを携帯電話109のカメラ107によって読み取る(S702)。携帯電話109は、読み取ったQRコードをデコードして更新情報を復元し(S703)、携帯電話109の表示画面110に、復元した更新情報を表示する(S704)。
【0093】
QRコードを読み取った時点で、携帯電話109の表示画面110に表示される更新情報は、文字情報であり、更新画像のファイル名、更新日時、更新者の書く情報と共に、マーク付き画像の保存場所へアクセスするURLが表示される。
【0094】
そして、ユーザーが、表示されているURLにアクセスすることを指定すると(S705)、携帯電話109は、MFP104における表示用画像記憶部212のURLの示す場所に保存されている更新画像の表示用画像、ここでは、更新エリアにマークが付されたマーク付き画像の表示用画像をダウンロードして、表示画面110に表示する(S706)。これにより、ユーザーは、更新画像の内容を確認することができる。選択した更新日時の更新画像にて更新された更新エリアには、赤枠で囲うなどのマークが付されているので、この時点で更新された内容を、簡単かつ確実に視認することができる。また、ユーザーが、携帯電話109の表示画面110の画面をスクロールすると、携帯電話109は、表示画面110に、選択した更新履歴以前のドキュメント全てを表示する。これにより、ユーザーは、選択した更新履歴以前のドキュメントについては、QRコードを読み直すことなく、全て閲覧することができる。
【0095】
なお、URLのアクセスを行うか否かのステップで、ユーザーがアクセスする選択を行わなかった場合は、QRコード読み取りによる更新情報の確認フローを終了する。
【0096】
図10(a)、図10(b)に、図9に示した、更新情報記憶部214に管理されているファイル名「○△連絡書」における、新規登録された初回の登録画像と、最新の更新画像(更新4回)とを示す。
【0097】
この例において、初回の登録画像から更新4回後まで、それぞれの更新回における更新エリアを記載したものが図11となる。同図に示すように、初回から更新2回目までの更新エリアは1ページ目、更新3〜4回目の更新エリアは2ページ目に位置する。
【0098】
図12は、画像比較部205が、更新エリアを識別する手法を示す図面である。ここでは、初回の登録画像とこの登録画像から更新1回目の更新画像を例として説明する。更新エリアは、初回の登録画像と更新1回目の更新画像との画像の差異を抽出することで識別される。初回の登録画像を、図12(a)に示すように縦線かけして表示し、更新1回目の更新画像を、図12(b)に示すように横線かけして表示する。図12(c)は、両画像を比較し差異を抽出した図であって、更新1回目の更新エリアを示している。図12(c)において、上部分は、縦線かけ表示部分と横線かけ表示部分が重なっており、初回の登録画像と更新1回目の更新画像との共通部分であり、横線かけのみされている部分が、更新1回目で追加されたエリアであって、更新1回目の更新エリアとなる。
【0099】
図13は、携帯電話109の表示画面110に表示された内容を示す図であり、グレイの枠内の130が表示画面である。例として、図11に示した、更新3回目の更新画像の表示用画像(マーク付き画像)へのURLをアクセスした場合の表示結果を示す。図11に示すように、更新3回目の更新エリアは、2ページ目の上半分程度であり、この部分が表示画面110の先頭に表示される。また、選択した更新3回目の更新エリアのみが、赤枠で囲うことで強調表示されている。
【0100】
このとき、画面をスクロールすることで1ページ目(初回登録画像から更新2回目まで)のドキュメント画像を表示させることができる。画面130に表示可能なエリアとしては、選択した更新日時以前の更新ドキュメントがある。したがって、選択した更新日時以後の更新画像を表示させたい場合は、再度、より新しい更新日時のQRコードをMFP104のエペレーションパネル部103から読み直し、表示用画像のURLをアクセスすることにより、より新しい更新日時の表示用画像(マーク付き画像)を表示させることができる。
【0101】
図14は、更新ドキュメントプリン処理における更新エリアのみを印刷させた結果を示す図面である。例1として、図14(a)に、図11に示す4回の更新が行われた状態において、更新3回目の更新エリアを印刷した場合を示す。図13の携帯電話109の表示画面110において、赤枠で囲ったエリアが更新3回目の更新エリアであるので、赤枠内部のみが印刷される。
【0102】
例2として、図14(b)に、図11に示す4回の更新が行われた状態において、更新4回目の更新エリアを印刷した場合を示す。更新4回目の更新エリアは、2ページ目の下半分程度となる。印刷する際は、同じ2ページ目に存在する更新3回目の更新エリアにマスクをかけ空白とすることで更新4回目の更新エリアのみが印刷される。ただし、ページの先頭部分が空白から始まることを避ける為に、図15に示すように、空白部分をつめ、更新4回目の更新エリアの先頭をページの先頭に表示させて印刷させることも可能とする。その際、同じ更新回数での更新エリアが複数ページに渡って存在する場合、印刷開始ページのみ、空白部分をつめることを可能とし、次ページ以降については、更新画像通りの配置で印刷するものとする。
【0103】
また、上述した実施形態では、MFP104における、保存制御部223、画像編集部204、更新管理部203、画像比較部205、QRコード生成部206、オペレーションパネル部103の制御部等は、CPU,MPU等のプロセッサを用いてソフトウェアによって実現されるものであってもよい。すなわち、MFP104は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアであるMFP104の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、MFP104に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによって達成される。
【0104】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0105】
また、MFP104を通信ネットワークと接続可能に構成し、通信ネットワークを介して上記プログラムコードを供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0106】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】本発明の実施形態を示すもので、本実施形態に係るドキュメントファイリング機能にて画像形成装置のHDD等に保存されている保存画像の確認システムの構成の一例を模式的に示す説明図である。
【図2】上記画像形成装置の要部構成を示す説明図である。
【図3】上記画像形成装置における原稿読み取り処理のフローチャートである。
【図4】上記画像形成装置における新規ドキュメント登録処理のフローチャートである。
【図5】上記画像形成装置における登録ドキュメント更新処理のフローチャートである。
【図6】上記画像形成装置における更新ドキュメントプリン処理のフローチャートである。
【図7】上記画像形成装置におけるQRコード読み取りによる更新情報の確認処理のフローチャートである。
【図8】上記画像形成装置における更新ドキュメントプリン処理におけるオペレーションパネルの表示画面を示す説明図である。
【図9】図9(a)は、上記画像形成装置における更新情報記憶部の管理内容を示す説明図であり、図9(b)は一例のURLの内容を示す説明図である。
【図10】図10(a)は、図9(a)に示した、更新情報記憶部に管理されているファイル名「○△連絡書」の、新規登録された初回の登録画像であり、図10(b)は、最新の更新画像(更新4回)を示す説明図である。
【図11】図10(a)図10(b)の例において、初回の登録画像から更新4回後まで、それぞれの更新回における更新エリアを記載したものを示す説明図である。
【図12】上記画像形成装置における画像比較部が、更新エリアを識別する手法を示す説明である。
【図13】図1の確認システムにおける携帯電話の表示画面に表示される内容を示す説明図である。
【図14】上記画像形成装置における更新ドキュメントプリン処理にて実施される、更新エリアのみを印刷処理する印刷結果を示す説明図である。
【図15】上記画像形成装置における更新ドキュメントプリン処理にて実施される、更新エリアのみを印刷処理する印刷結果を示すものであり、用紙先頭が空白時の印刷結果を示す説明図である。
【符号の説明】
【0108】
101 携帯電話基地局装置
102 通信回線
103 オペレーションパネル部
104 MFP(画像形成装置)
105 QRコード
106 Webサーバー
107 カメラ
108 Webブラウザ
109 携帯電話(外部機器)
201 画像読取り部
202 画像形成部
203 更新管理部
204 画像編集部(表示画像データ生成部)
205 画像比較部(更新判断部)
206 QRコード生成部(更新情報生成部、コード情報変換部)
207 オペレーションパネル部
208 時刻管理部
209 記憶部(記録媒体)
210 画像記憶部
211 登録画像記憶部
212 表示用画像記憶部
213 印刷画像記憶部
214 更新情報記憶部
222 専用バス
223 保存制御部(画像データ保存制御部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿の画像を画像データとして読み取り、記録媒体に保存していくドキュメントファイリング機能を有する画像形成装置において、
読み取った画像データを前記記録媒体に保存する画像データ保存部と、
読み取った画像データが、前記記録媒体に保存済みの画像データが更新された物であるか否かを判断する更新判断部と、
前記更新判断部にて保存済みの画像データが更新された物であると判断された場合に、読み取った画像データを更新前の画像データに関連つけて管理する更新管理部と、
画像データの更新毎に、更新された画像データの表示用データを生成して、前記記録媒体に保存する表示用データ生成部と、
画像データの更新毎に、前記表示用データ生成部にて生成された表示用データの保存場所を示す情報を含む更新情報を生成する更新情報生成部と、
前記更新情報生成部にて生成された更新情報を、通信ネットワークを介して接続される外部機器にて読み取り可能なコード情報に変換するコード情報変換部と、
前記コード情報変換部にて変換されたコード情報と更新日時とを対応付けた更新日時リストを表示画面に表示させる表示制御部と、
前記外部機器からの要求を受け付け、これに応じて、前記記録媒体に保存されている表示用データを前記外部機器に送信する送受信部とを備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記更新判断部は、さらに、読み取られた画像データの更新箇所を特定するようになっており、
前記表示用データ生成部は、読み取られた画像データの表示用データとして、前記更新判断部で特定された前記更新箇所にマークを付した表示用データを生成することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記更新日時リストにおける更新回数が任意に設定可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記更新情報には、更新された画像データの表示用画像の保存場所を示す情報以外に、更新日時の情報、及び更新者の情報が含まれていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記更新判断部にて特定された更新箇所のみを印刷出力する更新箇所印刷モードを有することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記外部機器が携帯電話機であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記コード情報がQRコードであることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
原稿の画像を画像データとして読み取り、画像形成装置の備える記録媒体に保存していくドキュメントファイリング機能を用いて保存された保存画像の確認システムであって、
画像形成装置は、読み取った画像データを前記記録媒体に保存する画像データ保存部と、
読み取った画像データが、前記記録媒体に保存済みの画像データが更新された物であるか否かを判断する更新判断部と、
前記更新判断部にて保存済みの画像データが更新された物であると判断された場合に、読み取った画像データを更新前の画像データに関連つけて管理する更新管理部と、
画像データの更新毎に、更新された画像データの表示用データを生成して、前記記録媒体に保存する表示用データ生成部と、
画像データの更新毎に、前記表示用データ生成部にて生成された表示用データの保存場所を示す情報を含む更新情報を生成する更新情報生成部と、
前記更新情報生成部にて生成された更新情報を、通信ネットワークを介して接続される外部機器にて読み取り可能なコード情報に変換するコード情報変換部と、
前記コード情報変換部にて変換されたコード情報を、更新日時に対応付けて更新日時リストと共に表示画面に表示させる表示制御部と、
前記外部機器からの要求を受け付け、これに応じて、前記記録媒体に保存されている所定の表示用データを前記外部機器に送信する送受信部とを備え、
前記外部機器は、コード情報を読み取るコード情報読取部と、
前記コード情報読取部にて読み取ったコード情報を解析するコード解析部と、
更新情報に含まれる表示用データの保存場所にアクセスして、表示用データを取得する表示用データ取得部と、
前記コード解析部にて戻された更新情報、及び前記表示用データ取得部にて取得された表示用データを表示する表示部とを備えることを特徴とする保存画像の確認システム。
【請求項9】
請求項1〜7の何れか1項に記載の画像形成装置を動作させるプログラムであって、コンピュータを上記の各部として機能させるためのプログラム。
【請求項10】
請求項9に記載の画像形成装置を動作させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−114840(P2010−114840A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−287964(P2008−287964)
【出願日】平成20年11月10日(2008.11.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】