画像形成装置及び印刷設定用プログラム
【課題】 画像形成装置が印刷枚数に応じて自動的に「試しプリントモード」に移行させることができなかった点を解決すること。
【解決手段】 印刷部数が所定の閾値を超える場合には、試しプリントを実行するための試しプリント実行コマンドが付加される印刷データを受信する入力部と、前記印刷データに前記試しプリント実行コマンドが付加されているかどうかを判断する試しプリント実行コマンド判断部と、前記試しプリント実行コマンド判断部により前記試しプリント実行コマンドが付加されていると判断された印刷データについて前記試しプリントを実行する出力部とを有することにより解決した。
【解決手段】 印刷部数が所定の閾値を超える場合には、試しプリントを実行するための試しプリント実行コマンドが付加される印刷データを受信する入力部と、前記印刷データに前記試しプリント実行コマンドが付加されているかどうかを判断する試しプリント実行コマンド判断部と、前記試しプリント実行コマンド判断部により前記試しプリント実行コマンドが付加されていると判断された印刷データについて前記試しプリントを実行する出力部とを有することにより解決した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
画像形成装置及び印刷設定用プログラムにおける「試しプリントモード」の技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置には、「試しプリントモード」という印刷機能がある。これは、複数部数の印刷時等に最初の一部数だけを印刷して印刷を停止し、ユーザが印刷出力の確認後、残りの印刷を継続するかキャンセルするかを選択可能な印刷方法である。
【0003】
この「試しプリントモード」を用いた従来技術として以下の例がある。まず、試しプリントの後に印刷条件の変更を行う際に変更ページをページ単位あるいはグループ単位に選択する。この選択された印刷条件を変更の後に、指定されたページ、グループあるいはジョブごとにページ単位の個別印刷条件を形成し、試しプリントで確認された設定ミスのあるページ部分のみの設定変更を効率的に行う。さらに個別印刷条件を保持する際の適用範囲もページ単位、グループ単位あるいはジョブ単位ごとに最適な範囲で行う。これにより設定の労力および時間を軽減し設定ミスも減らすことを実現させる(特許文献1参照)。
【0004】
しかし、「試しプリントモード」を行うには、ユーザが当該モードを印刷開始時に選択しなければならず、これまで画像形成装置側が印刷枚数に応じて自動的に「試しプリントモード」の設定の可否を行うことはできなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−42303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
解決しようとする課題は、画像形成装置が印刷枚数に応じて自動的に「試しプリントモード」に移行させることができなかった点である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の画像形成装置は、複数部数の印刷要求時に一部数のみの印刷に基づくユーザからの印刷継続可否指示入力を受け付けて残りの部数の印刷の可否を行う試しプリントを実行可能な画像形成装置であって、印刷部数が所定の閾値を超える場合には、前記試しプリントを実行するための試しプリント実行コマンドが付加される印刷データを受信する入力部と、前記印刷データに前記試しプリント実行コマンドが付加されているかどうかを判断する試しプリント実行コマンド判断部と、前記試しプリント実行コマンド判断部により前記試しプリント実行コマンドが付加されていると判断された印刷データについて前記試しプリントを実行する出力部とを有することを特徴とする。
【0008】
本発明の画像形成装置は、複数部数の印刷要求時に一部数のみの印刷に基づくユーザからの印刷継続可否指示入力を受け付けて残りの部数の印刷の可否を行う試しプリントを実行可能な画像形成装置であって、印刷データを受け付けるデータ入力部と、印刷部数と、前記試しプリントを実行するための前記印刷部数の閾値を受け付けるユーザ入力部と、前記印刷データに前記試しプリント実行コマンドが付加されているかどうかを判断する試しプリント実行コマンド判断部と、前記試しプリント実行コマンド判断部により前記試しプリント実行コマンドが付加されていると判断された印刷データについて前記試しプリントを実行する出力部とを有することを特徴とする。
【0009】
本発明の画像形成装置の前記データ入力部は、スキャナにより画像データを読み込んで印刷データとして受け付けることを特徴としてもよい。
【0010】
本発明の画像形成装置は、前記試しプリントの際に、トナーの濃度を自由に設定可能として受け付けるインタフェース部を有し、前記出力部は、前記インタフェース部のトナー濃度入力に従いトナーの濃度を変更することを特徴としてもよい。
【0011】
本発明の画像形成装置の前記インタフェース部は、前記試しプリントの際に、カラー原稿を白黒印刷に変換して印刷する指示の入力を受けつけ、前記出力部は、前記白黒印刷に変換して印刷する指示の入力に従い、白黒印刷にて出力を行うことを特徴としてもよい。
【0012】
本発明の印刷設定用プログラムは、コンピュータに、複数部数の印刷要求時に一部数のみの印刷に基づくユーザからの印刷継続可否指示入力を受け付けて残りの部数の印刷の可否を行う試しプリントの設定機能を実行させるための印刷設定用プログラムであって、印刷部数が所定の閾値を超える場合には、前記試しプリントを実行するための試しプリント実行コマンドを印刷データに付加する入力機能を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の画像形成装置は、複数部数の印刷要求時に一部数のみの印刷に基づくユーザからの印刷継続可否指示入力を受け付けて残りの部数の印刷の可否を行う試しプリントを実行可能な画像形成装置であって、印刷部数が所定の閾値を超える場合には、前記試しプリントを実行するための試しプリント実行コマンドが付加される印刷データを受信する入力部と、前記印刷データに前記試しプリント実行コマンドが付加されているかどうかを判断する試しプリント実行コマンド判断部と、前記試しプリント実行コマンド判断部により前記試しプリント実行コマンドが付加されていると判断された印刷データについて前記試しプリントを実行する出力部とを有することを特徴とする。
【0014】
このため、閾値を超える印刷部数の印刷の際には、自動的に試しプリントモードが実行されて、印刷原稿の間違い等による多数の用紙の無駄を無くすことが可能となる。
【0015】
本発明の画像形成装置は、複数部数の印刷要求時に一部数のみの印刷に基づくユーザからの印刷継続可否指示入力を受け付けて残りの部数の印刷の可否を行う試しプリントを実行可能な画像形成装置であって、印刷データを受け付けるデータ入力部と、印刷部数と、前記試しプリントを実行するための前記印刷部数の閾値を受け付けるユーザ入力部と、前記印刷データに前記試しプリント実行コマンドが付加されているかどうかを判断する試しプリント実行コマンド判断部と、前記試しプリント実行コマンド判断部により前記試しプリント実行コマンドが付加されていると判断された印刷データについて前記試しプリントを実行する出力部とを有することを特徴とする。
【0016】
このため、閾値を超える印刷部数の印刷の際には、自動的に試しプリントモードが実行されて、印刷原稿の間違い等による多数の用紙の無駄を無くすことが可能となる。
【0017】
本発明の画像形成装置の前記データ入力部は、スキャナにより画像データを読み込んで印刷データとして受け付けることを特徴としてもよい。
【0018】
このため、端末装置からの印刷データに限らず、スキャナにより生成された画像データについても同様に試しプリントモードを自動で実行させることが可能となる。
【0019】
本発明の画像形成装置は、前記試しプリントの際に、トナーの濃度を自由に設定可能として受け付けるインタフェース部を有し、前記出力部は、前記インタフェース部のトナー濃度入力に従いトナーの濃度を変更することを特徴としてもよい。
【0020】
このため、試しプリント実行の際には、低濃度の印刷を行ってトナーの消費を抑制することが可能となる。
【0021】
本発明の画像形成装置の前記インタフェース部は、前記試しプリントの際に、カラー原稿を白黒印刷に変換して印刷する指示の入力を受けつけ、前記出力部は、前記白黒印刷に変換して印刷する指示の入力に従い、白黒印刷にて出力を行うことを特徴としてもよい。
【0022】
このため、試しプリント実行の際には、カラー印刷を白黒印刷に変換してコストを下げることが可能となる。
【0023】
本発明の印刷設定用プログラムは、コンピュータに、複数部数の印刷要求時に一部数のみの印刷に基づくユーザからの印刷継続可否指示入力を受け付けて残りの部数の印刷の可否を行う試しプリントの設定機能を実行させるための印刷設定用プログラムであって、印刷部数が所定の閾値を超える場合には、前記試しプリントを実行するための試しプリント実行コマンドを印刷データに付加する入力機能を有することを特徴とする。
【0024】
このため、閾値を超える印刷部数の印刷の際には、自動的に試しプリントが実行されて、印刷原稿の間違い等による多数の用紙の無駄を無くすことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明実施例の画像形成装置及びPC(Personal Computer)の機能ブロック図である。
【図2】(A)プリンタドライバの動作のフローチャートである。(B)画像形成装置の動作のフローチャートである。
【図3】本発明実施例のスキャナ装置を備えた画像形成装置の機能ブロック図である。
【図4】本発明実施例2のスキャナ装置を備えた画像形成装置の動作のフローチャートである。
【図5】本発明実施例のプリンタドライバのGUI画面の例である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
解決しようとする課題は、画像形成装置が印刷枚数に応じて自動的に「試しプリントモード」に移行させることができなかった点を印刷部数が所定の閾値を超える場合には、試しプリントを実行するための試しプリント実行コマンドが付加される印刷データを受信する入力部と、前記印刷データに前記試しプリント実行コマンドが付加されているかどうかを判断する試しプリント実行コマンド判断部と、前記試しプリント実行コマンド判断部により前記試しプリント実行コマンドが付加されていると判断された印刷データについて前記試しプリントを実行する出力部とを有することにより解決した。
【実施例】
【0027】
本発明実施例の画像形成装置であるMFP(Multi Functional Peripheral)201及びプリンタドライバ111について以下に説明する。
【0028】
[端末装置から画像形成装置への印刷実行;構成]
まず、端末装置であるPC(Personal Computer)から画像形成装置であるMFP201に「試しプリントモード」による印刷指示を行う場合について示す。
【0029】
図1は、PC(Personal Computer)101と画像形成装置201との機能ブロック図である。
【0030】
PC101は、プリンタドライバ111を有し、プリンタドライバ111は、データ処理部113、GUI(Graphic User Interface)、出力部117とを有する。
【0031】
ここで、PC101は、プリンタドライバプログラム(印刷設定用プログラム)を実行することにより、プリンタドライバ111の各部の機能を実現する。
【0032】
PC101は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を有する。CPU,ROM及びRAMは、バス、コントローラなどにより相互にデータ通信可能に接続される。
【0033】
CPUは、プログラムに記述された処理を実行する演算処理装置である。また、ROMは、プログラム及びデータを予め記憶した不揮発性のメモリである。また、RAMは、プログラムを実行する際にそのプログラム及びデータを一時的に記憶するメモリである。
【0034】
MFP201は、入力部211、データ処理部213、出力部215の各機能ブロックを有する。
【0035】
以下に各機能ブロックについて説明する。
【0036】
データ処理部113は、アプリケーション等で作成された印刷データ151をMFP201が印刷可能とするデータ、例えばページ記述言語によるデータに変換する。
【0037】
GUI115は、印刷の設定項目を定めるためのユーザインタフェース画面を表示して、ユーザからの入力を受付けてデータ処理部113に対して前記設定項目を伝達する。設定項目を伝達されたデータ処理部113は、前記設定項目に沿ったデータを生成する。
【0038】
出力部117は、データ処理部113によって生成されたデータをMFP201に送信する。
【0039】
入力部211は、PC101からの印刷データを受信する。
【0040】
データ処理部(試しプリント実行コマンド判断部)213は、印刷データに試しプリントを実行するための試しプリント実行コマンドが付加されているかどうか判断する。
【0041】
出力部215は、印刷エンジンを有して印刷出力を行う。この際に、前記データ処理部213で試しプリント実行コマンドが付加されていると判断したときには、印刷時に一部数のみの印刷を行って停止してユーザからの印刷継続指示可否入力により残りの部数の印刷の可否を行う試しプリントを実行する。そうでない場合には、通常の印刷モードである全ての印刷部数についての印刷を連続して行う。一部数のみの印刷後のユーザからの印刷継続を行うかどうかの指示については、端末装置であるPC101のプリンタドライバ111のGUI115により、ユーザに継続可否を行うかどうかの指示を示して、その入力を受付つける。受け付けた可否の入力結果は、MFP201の入力部211を経由してデータ処理部213に送られて、データ処理部213が可否の値にそれぞれ対応した指示を出力部215に対して行い、出力部が印刷の継続ないしは中止を行う。
【0042】
なお、印刷継続指示の可否は端末装置からの入力だけでなく、後述のMFP201本体の操作パネル225により行ってもよい。
【0043】
[端末装置から画像形成装置への印刷実行動作の流れ;フローチャート]
次に動作の流れについて説明する。
【0044】
あらかじめ、プリンタドライバ111は、PC101上でユーザにGUI115を表示して、当該GUI115がユーザからの以下の3点についての入力を受け付ける。
【0045】
(1)試しプリントモードのON/OFF
(2)試しプリントを行う際の部数の閾値の設定、すなわち閾値を超える部数を印刷する際には、試しプリントモードに移行する(以降試しプリント実行部数と呼ぶ)。
【0046】
(3)何部数印刷するか
これらの入力に対し、プリンタドライバ111のデータ処理部113が試しプリントを行うかどうかを判定して、試しプリントを行うときはMFPに試しプリントコマンドを送る。MFP側では、このコマンドが送られてきたら、MFPのデータ処理部213がそれを判定し試しプリントモードにより印刷を行う。この具体的なフローについて図2(A)のプリンタドライバ111の動作のフローチャートと図2(B)のMFP201の動作のフローチャートを用いて説明する。
【0047】
S11:プリンタドライバ111のGUI115は、試しプリントモードがONであるかどうかを判断する。ONであれば、動作をS13に移行する。OFFであれば、動作をS17に移行する。
【0048】
S13:印刷部数が試しプリント実行部数より大きいかどうかを判断する。試しプリント実行部数より大きい(閾値を超える)場合は、動作をS15に移行する。試しプリント実行部数と同じか又は小さい(閾値以下)場合は動作をS17に移行する。
【0049】
S15:データ処理部113は、MFP201に渡す印刷データに試しプリントの実行コマンドを追加する。
【0050】
S17:出力部117は、データ処理部113が変換した印刷データをMFP201に出力する。
【0051】
以上の一連の動作により、印刷部数によっては試しプリント実行コマンドが追加された印刷データがMFP201に送信される。
【0052】
次に、MFP201側の動作について、図2(B)のフローチャートを用いて説明する。
【0053】
S21:MFP201の入力部211は、PC101の出力部117から送信された印刷データを受信する。
【0054】
S23:MFP201のデータ処理部213は、S21で受信した印刷データに試しプリント実行コマンドが存在するかどうかを判断する。存在した場合には動作をS25に移行する。存在しない場合には動作をS27に移行する。
【0055】
S25:MFP201は試しプリントモードを実行する。試しプリントでは、最初の一部数のみ出力部215にて印刷を行い、MFP201は待機状態に入る。ユーザからの印刷続行指示の入力を受けると残りの印刷部数について、動作をS27に移行して印刷を継続する。ユーザから印刷のキャンセルの入力を受けると、印刷の待機状態を解除して、残りの印刷をキャンセルして動作を終了する。
【0056】
S27:試しプリントモードによる場合(S25を経由した場合)は残り部数の印刷をそうでない場合は全部数を出力部215に出力し、印刷を完了する。
【0057】
以上の一連の動作により、試しプリント実行コマンドが追加された印刷データについては、試しプリントモードでの印刷をそうでないものについては、通常の印刷を行う。
【0058】
[画像形成装置単体での動作;構成]
次に、MFP(画像形成装置)201単体での動作の例について次に示す。
【0059】
図3にMFP201に付加されている他の機能ブロックを含む図を示す。
【0060】
MFP(画像形成装置)201は、前項で説明した入力部211を有し、さらに入力部211中に画像を読み取って電子データとして入力するスキャナ223とキーやタッチパネルからのユーザの入力を受け付ける操作パネル部225とを有する。
【0061】
MFP201単体での動作の場合には、印刷データは端末装置から送られるのではなく、MFP201内のスキャナ部223で読み取られた画像データが印刷データとしてデータ処理部213に送信される。
【0062】
[画像形成装置単体での印刷実行動作の流れ;フローチャート]
画像形成装置単体での動作について図4のフローチャートを用いて説明する。
【0063】
まず、前提としてMFP201の操作パネル225は、ユーザからの以下の項目についての入力を受け付ける。
【0064】
(1)試しプリントモードのON/OFF
(2)試しプリントを行う際の部数の閾値の設定、すなわち閾値を超える部数を印刷する際には、試しプリントモードに移行する(以降試しプリント実行部数と呼ぶ)。
【0065】
(3)さらに印刷実行時に印刷部数の入力を受け付ける。
【0066】
次に図4のフローチャートに沿って動作を説明する。
【0067】
S31:データ処理部213は、印刷データを解析して試しプリントモードがONであるかどうかを判断する。具体的には、試しプリント実行コマンドが追加されているかどうかを解析して判断する。ONであれば、動作をS33に移行する。OFFであれば、動作をS37に移行する。
【0068】
S33:印刷部数が試しプリント実行部数より大きいかどうかを判断する。試しプリント実行部数より大きい(閾値を超える)場合は、動作をS35に移行する。試しプリント実行部数と同じか又は小さい(閾値以下)場合は動作をS37に移行する。
【0069】
S35:MFP201は試しプリントモードを実行する。試しプリントでは、最初の一部数のみ出力部215にて印刷を行い、MFP201は待機状態に入る。ユーザからの印刷続行指示の入力を受けると残りの印刷部数について、動作をS37に移行して印刷を継続する。ユーザから印刷のキャンセルの入力を受けると、印刷の待機状態を解除して、残りの印刷をキャンセルして動作を終了する。
【0070】
S37:試しプリントモードによる場合(S35を経由した場合)は残り部数の印刷をそうでない場合は全部数を出力部215に出力し、印刷を完了する。
【0071】
以上の一連の動作により、試しプリント実行コマンドが追加された印刷データについては、試しプリントモードでの印刷を、そうでないものについては、通常の印刷を行う。
【0072】
[試しプリントモード時の濃度及び色の変更]
さらにMFP201は、試しプリント実行時にトナー(インク)の濃度を変更して、トナーをセーブすることが可能である。
【0073】
また、試しプリント実行時にカラー印刷であっても白黒印刷に変換して印刷することが可能である。
【0074】
図5のPC101のGUI115か又はMFP201の操作パネル225が表示するユーザインタフェース画面301を示す。
【0075】
ユーザインタフェース画面301は、試しプリントモードをONとするかOFFとするかのラジオボタン311を有する。さらに、試しプリントの際のトナーの濃度の数値を入力するテキストボックス313、また、カラー印刷原稿であっても白黒画像に変換して印刷を行うためのチェックボックス315を有する。
【0076】
UI115又は操作パネル225が上記のインタフェース入力を受け付けて、MFP201のデータ処理部213が指示に従い、トナーの濃度変更や、白黒印刷への変換指示を出力部215に行って当該指示に沿った印刷が行われる。
【0077】
[実施例の効果]
試しプリントモードをプリンタドライバ、及びMFP本体に用意することにより、PCからのデータ印刷にも試しプリントを対応できるようにする。それにより、紙資源・トナー・インク等の節約がより行えるようになる。
【0078】
試しプリント実行部数を設定することにより、各ユーザのプリンタの用途に合わせて試しプリントができ、閾値以下の部数の印刷をするときは試しプリントしないので印刷時間の短縮になる。
【0079】
試しプリントモードと閾値を一旦定めておけば、閾値を超える大部数印刷の場合には、常に試しプリントモードが実行されるために、印刷原稿の間違い等により、多数の印刷用紙が無駄になることを防ぐことが可能となる。
【0080】
特に試しプリント実行部数を2以上に設定すれば、一般的に試しプリントの効果がある2部以上の印刷部数において、印刷部数に応じて試しプリントの有無を分けることができる。すなわち、トナー濃度等の印刷設定が不適切であっても、再プリントの印刷用紙が少なくて済む試しプリント実行部数以下の印刷部数の場合は、印刷時間の短縮を優先することができる。一方、再プリントの印刷用紙が多くなる試しプリント実行部数より大きい印刷部数の場合は、印刷用紙の無駄防止を優先することができる。
【0081】
試しプリントモードの際にトナーの濃度を自由に選択可能であるため、試しプリントのチェックの際には省トナーを実現可能となる。同様にカラー原稿であっても白黒印刷に変換可能であるので、試しプリントにかかるコストを低下させることが可能となる。
【符号の説明】
【0082】
101 PC(Personal Computer)(端末装置)
111 プリンタドライバ
113 データ処理部
115 GUI(Graphic User Interface)
117 出力部
201 MFP(画像形成装置)
211 入力部
213 データ処理部(実行コマンド判断部)
215 出力部
223 スキャナ
225 操作パネル
【技術分野】
【0001】
画像形成装置及び印刷設定用プログラムにおける「試しプリントモード」の技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置には、「試しプリントモード」という印刷機能がある。これは、複数部数の印刷時等に最初の一部数だけを印刷して印刷を停止し、ユーザが印刷出力の確認後、残りの印刷を継続するかキャンセルするかを選択可能な印刷方法である。
【0003】
この「試しプリントモード」を用いた従来技術として以下の例がある。まず、試しプリントの後に印刷条件の変更を行う際に変更ページをページ単位あるいはグループ単位に選択する。この選択された印刷条件を変更の後に、指定されたページ、グループあるいはジョブごとにページ単位の個別印刷条件を形成し、試しプリントで確認された設定ミスのあるページ部分のみの設定変更を効率的に行う。さらに個別印刷条件を保持する際の適用範囲もページ単位、グループ単位あるいはジョブ単位ごとに最適な範囲で行う。これにより設定の労力および時間を軽減し設定ミスも減らすことを実現させる(特許文献1参照)。
【0004】
しかし、「試しプリントモード」を行うには、ユーザが当該モードを印刷開始時に選択しなければならず、これまで画像形成装置側が印刷枚数に応じて自動的に「試しプリントモード」の設定の可否を行うことはできなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−42303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
解決しようとする課題は、画像形成装置が印刷枚数に応じて自動的に「試しプリントモード」に移行させることができなかった点である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の画像形成装置は、複数部数の印刷要求時に一部数のみの印刷に基づくユーザからの印刷継続可否指示入力を受け付けて残りの部数の印刷の可否を行う試しプリントを実行可能な画像形成装置であって、印刷部数が所定の閾値を超える場合には、前記試しプリントを実行するための試しプリント実行コマンドが付加される印刷データを受信する入力部と、前記印刷データに前記試しプリント実行コマンドが付加されているかどうかを判断する試しプリント実行コマンド判断部と、前記試しプリント実行コマンド判断部により前記試しプリント実行コマンドが付加されていると判断された印刷データについて前記試しプリントを実行する出力部とを有することを特徴とする。
【0008】
本発明の画像形成装置は、複数部数の印刷要求時に一部数のみの印刷に基づくユーザからの印刷継続可否指示入力を受け付けて残りの部数の印刷の可否を行う試しプリントを実行可能な画像形成装置であって、印刷データを受け付けるデータ入力部と、印刷部数と、前記試しプリントを実行するための前記印刷部数の閾値を受け付けるユーザ入力部と、前記印刷データに前記試しプリント実行コマンドが付加されているかどうかを判断する試しプリント実行コマンド判断部と、前記試しプリント実行コマンド判断部により前記試しプリント実行コマンドが付加されていると判断された印刷データについて前記試しプリントを実行する出力部とを有することを特徴とする。
【0009】
本発明の画像形成装置の前記データ入力部は、スキャナにより画像データを読み込んで印刷データとして受け付けることを特徴としてもよい。
【0010】
本発明の画像形成装置は、前記試しプリントの際に、トナーの濃度を自由に設定可能として受け付けるインタフェース部を有し、前記出力部は、前記インタフェース部のトナー濃度入力に従いトナーの濃度を変更することを特徴としてもよい。
【0011】
本発明の画像形成装置の前記インタフェース部は、前記試しプリントの際に、カラー原稿を白黒印刷に変換して印刷する指示の入力を受けつけ、前記出力部は、前記白黒印刷に変換して印刷する指示の入力に従い、白黒印刷にて出力を行うことを特徴としてもよい。
【0012】
本発明の印刷設定用プログラムは、コンピュータに、複数部数の印刷要求時に一部数のみの印刷に基づくユーザからの印刷継続可否指示入力を受け付けて残りの部数の印刷の可否を行う試しプリントの設定機能を実行させるための印刷設定用プログラムであって、印刷部数が所定の閾値を超える場合には、前記試しプリントを実行するための試しプリント実行コマンドを印刷データに付加する入力機能を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の画像形成装置は、複数部数の印刷要求時に一部数のみの印刷に基づくユーザからの印刷継続可否指示入力を受け付けて残りの部数の印刷の可否を行う試しプリントを実行可能な画像形成装置であって、印刷部数が所定の閾値を超える場合には、前記試しプリントを実行するための試しプリント実行コマンドが付加される印刷データを受信する入力部と、前記印刷データに前記試しプリント実行コマンドが付加されているかどうかを判断する試しプリント実行コマンド判断部と、前記試しプリント実行コマンド判断部により前記試しプリント実行コマンドが付加されていると判断された印刷データについて前記試しプリントを実行する出力部とを有することを特徴とする。
【0014】
このため、閾値を超える印刷部数の印刷の際には、自動的に試しプリントモードが実行されて、印刷原稿の間違い等による多数の用紙の無駄を無くすことが可能となる。
【0015】
本発明の画像形成装置は、複数部数の印刷要求時に一部数のみの印刷に基づくユーザからの印刷継続可否指示入力を受け付けて残りの部数の印刷の可否を行う試しプリントを実行可能な画像形成装置であって、印刷データを受け付けるデータ入力部と、印刷部数と、前記試しプリントを実行するための前記印刷部数の閾値を受け付けるユーザ入力部と、前記印刷データに前記試しプリント実行コマンドが付加されているかどうかを判断する試しプリント実行コマンド判断部と、前記試しプリント実行コマンド判断部により前記試しプリント実行コマンドが付加されていると判断された印刷データについて前記試しプリントを実行する出力部とを有することを特徴とする。
【0016】
このため、閾値を超える印刷部数の印刷の際には、自動的に試しプリントモードが実行されて、印刷原稿の間違い等による多数の用紙の無駄を無くすことが可能となる。
【0017】
本発明の画像形成装置の前記データ入力部は、スキャナにより画像データを読み込んで印刷データとして受け付けることを特徴としてもよい。
【0018】
このため、端末装置からの印刷データに限らず、スキャナにより生成された画像データについても同様に試しプリントモードを自動で実行させることが可能となる。
【0019】
本発明の画像形成装置は、前記試しプリントの際に、トナーの濃度を自由に設定可能として受け付けるインタフェース部を有し、前記出力部は、前記インタフェース部のトナー濃度入力に従いトナーの濃度を変更することを特徴としてもよい。
【0020】
このため、試しプリント実行の際には、低濃度の印刷を行ってトナーの消費を抑制することが可能となる。
【0021】
本発明の画像形成装置の前記インタフェース部は、前記試しプリントの際に、カラー原稿を白黒印刷に変換して印刷する指示の入力を受けつけ、前記出力部は、前記白黒印刷に変換して印刷する指示の入力に従い、白黒印刷にて出力を行うことを特徴としてもよい。
【0022】
このため、試しプリント実行の際には、カラー印刷を白黒印刷に変換してコストを下げることが可能となる。
【0023】
本発明の印刷設定用プログラムは、コンピュータに、複数部数の印刷要求時に一部数のみの印刷に基づくユーザからの印刷継続可否指示入力を受け付けて残りの部数の印刷の可否を行う試しプリントの設定機能を実行させるための印刷設定用プログラムであって、印刷部数が所定の閾値を超える場合には、前記試しプリントを実行するための試しプリント実行コマンドを印刷データに付加する入力機能を有することを特徴とする。
【0024】
このため、閾値を超える印刷部数の印刷の際には、自動的に試しプリントが実行されて、印刷原稿の間違い等による多数の用紙の無駄を無くすことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明実施例の画像形成装置及びPC(Personal Computer)の機能ブロック図である。
【図2】(A)プリンタドライバの動作のフローチャートである。(B)画像形成装置の動作のフローチャートである。
【図3】本発明実施例のスキャナ装置を備えた画像形成装置の機能ブロック図である。
【図4】本発明実施例2のスキャナ装置を備えた画像形成装置の動作のフローチャートである。
【図5】本発明実施例のプリンタドライバのGUI画面の例である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
解決しようとする課題は、画像形成装置が印刷枚数に応じて自動的に「試しプリントモード」に移行させることができなかった点を印刷部数が所定の閾値を超える場合には、試しプリントを実行するための試しプリント実行コマンドが付加される印刷データを受信する入力部と、前記印刷データに前記試しプリント実行コマンドが付加されているかどうかを判断する試しプリント実行コマンド判断部と、前記試しプリント実行コマンド判断部により前記試しプリント実行コマンドが付加されていると判断された印刷データについて前記試しプリントを実行する出力部とを有することにより解決した。
【実施例】
【0027】
本発明実施例の画像形成装置であるMFP(Multi Functional Peripheral)201及びプリンタドライバ111について以下に説明する。
【0028】
[端末装置から画像形成装置への印刷実行;構成]
まず、端末装置であるPC(Personal Computer)から画像形成装置であるMFP201に「試しプリントモード」による印刷指示を行う場合について示す。
【0029】
図1は、PC(Personal Computer)101と画像形成装置201との機能ブロック図である。
【0030】
PC101は、プリンタドライバ111を有し、プリンタドライバ111は、データ処理部113、GUI(Graphic User Interface)、出力部117とを有する。
【0031】
ここで、PC101は、プリンタドライバプログラム(印刷設定用プログラム)を実行することにより、プリンタドライバ111の各部の機能を実現する。
【0032】
PC101は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を有する。CPU,ROM及びRAMは、バス、コントローラなどにより相互にデータ通信可能に接続される。
【0033】
CPUは、プログラムに記述された処理を実行する演算処理装置である。また、ROMは、プログラム及びデータを予め記憶した不揮発性のメモリである。また、RAMは、プログラムを実行する際にそのプログラム及びデータを一時的に記憶するメモリである。
【0034】
MFP201は、入力部211、データ処理部213、出力部215の各機能ブロックを有する。
【0035】
以下に各機能ブロックについて説明する。
【0036】
データ処理部113は、アプリケーション等で作成された印刷データ151をMFP201が印刷可能とするデータ、例えばページ記述言語によるデータに変換する。
【0037】
GUI115は、印刷の設定項目を定めるためのユーザインタフェース画面を表示して、ユーザからの入力を受付けてデータ処理部113に対して前記設定項目を伝達する。設定項目を伝達されたデータ処理部113は、前記設定項目に沿ったデータを生成する。
【0038】
出力部117は、データ処理部113によって生成されたデータをMFP201に送信する。
【0039】
入力部211は、PC101からの印刷データを受信する。
【0040】
データ処理部(試しプリント実行コマンド判断部)213は、印刷データに試しプリントを実行するための試しプリント実行コマンドが付加されているかどうか判断する。
【0041】
出力部215は、印刷エンジンを有して印刷出力を行う。この際に、前記データ処理部213で試しプリント実行コマンドが付加されていると判断したときには、印刷時に一部数のみの印刷を行って停止してユーザからの印刷継続指示可否入力により残りの部数の印刷の可否を行う試しプリントを実行する。そうでない場合には、通常の印刷モードである全ての印刷部数についての印刷を連続して行う。一部数のみの印刷後のユーザからの印刷継続を行うかどうかの指示については、端末装置であるPC101のプリンタドライバ111のGUI115により、ユーザに継続可否を行うかどうかの指示を示して、その入力を受付つける。受け付けた可否の入力結果は、MFP201の入力部211を経由してデータ処理部213に送られて、データ処理部213が可否の値にそれぞれ対応した指示を出力部215に対して行い、出力部が印刷の継続ないしは中止を行う。
【0042】
なお、印刷継続指示の可否は端末装置からの入力だけでなく、後述のMFP201本体の操作パネル225により行ってもよい。
【0043】
[端末装置から画像形成装置への印刷実行動作の流れ;フローチャート]
次に動作の流れについて説明する。
【0044】
あらかじめ、プリンタドライバ111は、PC101上でユーザにGUI115を表示して、当該GUI115がユーザからの以下の3点についての入力を受け付ける。
【0045】
(1)試しプリントモードのON/OFF
(2)試しプリントを行う際の部数の閾値の設定、すなわち閾値を超える部数を印刷する際には、試しプリントモードに移行する(以降試しプリント実行部数と呼ぶ)。
【0046】
(3)何部数印刷するか
これらの入力に対し、プリンタドライバ111のデータ処理部113が試しプリントを行うかどうかを判定して、試しプリントを行うときはMFPに試しプリントコマンドを送る。MFP側では、このコマンドが送られてきたら、MFPのデータ処理部213がそれを判定し試しプリントモードにより印刷を行う。この具体的なフローについて図2(A)のプリンタドライバ111の動作のフローチャートと図2(B)のMFP201の動作のフローチャートを用いて説明する。
【0047】
S11:プリンタドライバ111のGUI115は、試しプリントモードがONであるかどうかを判断する。ONであれば、動作をS13に移行する。OFFであれば、動作をS17に移行する。
【0048】
S13:印刷部数が試しプリント実行部数より大きいかどうかを判断する。試しプリント実行部数より大きい(閾値を超える)場合は、動作をS15に移行する。試しプリント実行部数と同じか又は小さい(閾値以下)場合は動作をS17に移行する。
【0049】
S15:データ処理部113は、MFP201に渡す印刷データに試しプリントの実行コマンドを追加する。
【0050】
S17:出力部117は、データ処理部113が変換した印刷データをMFP201に出力する。
【0051】
以上の一連の動作により、印刷部数によっては試しプリント実行コマンドが追加された印刷データがMFP201に送信される。
【0052】
次に、MFP201側の動作について、図2(B)のフローチャートを用いて説明する。
【0053】
S21:MFP201の入力部211は、PC101の出力部117から送信された印刷データを受信する。
【0054】
S23:MFP201のデータ処理部213は、S21で受信した印刷データに試しプリント実行コマンドが存在するかどうかを判断する。存在した場合には動作をS25に移行する。存在しない場合には動作をS27に移行する。
【0055】
S25:MFP201は試しプリントモードを実行する。試しプリントでは、最初の一部数のみ出力部215にて印刷を行い、MFP201は待機状態に入る。ユーザからの印刷続行指示の入力を受けると残りの印刷部数について、動作をS27に移行して印刷を継続する。ユーザから印刷のキャンセルの入力を受けると、印刷の待機状態を解除して、残りの印刷をキャンセルして動作を終了する。
【0056】
S27:試しプリントモードによる場合(S25を経由した場合)は残り部数の印刷をそうでない場合は全部数を出力部215に出力し、印刷を完了する。
【0057】
以上の一連の動作により、試しプリント実行コマンドが追加された印刷データについては、試しプリントモードでの印刷をそうでないものについては、通常の印刷を行う。
【0058】
[画像形成装置単体での動作;構成]
次に、MFP(画像形成装置)201単体での動作の例について次に示す。
【0059】
図3にMFP201に付加されている他の機能ブロックを含む図を示す。
【0060】
MFP(画像形成装置)201は、前項で説明した入力部211を有し、さらに入力部211中に画像を読み取って電子データとして入力するスキャナ223とキーやタッチパネルからのユーザの入力を受け付ける操作パネル部225とを有する。
【0061】
MFP201単体での動作の場合には、印刷データは端末装置から送られるのではなく、MFP201内のスキャナ部223で読み取られた画像データが印刷データとしてデータ処理部213に送信される。
【0062】
[画像形成装置単体での印刷実行動作の流れ;フローチャート]
画像形成装置単体での動作について図4のフローチャートを用いて説明する。
【0063】
まず、前提としてMFP201の操作パネル225は、ユーザからの以下の項目についての入力を受け付ける。
【0064】
(1)試しプリントモードのON/OFF
(2)試しプリントを行う際の部数の閾値の設定、すなわち閾値を超える部数を印刷する際には、試しプリントモードに移行する(以降試しプリント実行部数と呼ぶ)。
【0065】
(3)さらに印刷実行時に印刷部数の入力を受け付ける。
【0066】
次に図4のフローチャートに沿って動作を説明する。
【0067】
S31:データ処理部213は、印刷データを解析して試しプリントモードがONであるかどうかを判断する。具体的には、試しプリント実行コマンドが追加されているかどうかを解析して判断する。ONであれば、動作をS33に移行する。OFFであれば、動作をS37に移行する。
【0068】
S33:印刷部数が試しプリント実行部数より大きいかどうかを判断する。試しプリント実行部数より大きい(閾値を超える)場合は、動作をS35に移行する。試しプリント実行部数と同じか又は小さい(閾値以下)場合は動作をS37に移行する。
【0069】
S35:MFP201は試しプリントモードを実行する。試しプリントでは、最初の一部数のみ出力部215にて印刷を行い、MFP201は待機状態に入る。ユーザからの印刷続行指示の入力を受けると残りの印刷部数について、動作をS37に移行して印刷を継続する。ユーザから印刷のキャンセルの入力を受けると、印刷の待機状態を解除して、残りの印刷をキャンセルして動作を終了する。
【0070】
S37:試しプリントモードによる場合(S35を経由した場合)は残り部数の印刷をそうでない場合は全部数を出力部215に出力し、印刷を完了する。
【0071】
以上の一連の動作により、試しプリント実行コマンドが追加された印刷データについては、試しプリントモードでの印刷を、そうでないものについては、通常の印刷を行う。
【0072】
[試しプリントモード時の濃度及び色の変更]
さらにMFP201は、試しプリント実行時にトナー(インク)の濃度を変更して、トナーをセーブすることが可能である。
【0073】
また、試しプリント実行時にカラー印刷であっても白黒印刷に変換して印刷することが可能である。
【0074】
図5のPC101のGUI115か又はMFP201の操作パネル225が表示するユーザインタフェース画面301を示す。
【0075】
ユーザインタフェース画面301は、試しプリントモードをONとするかOFFとするかのラジオボタン311を有する。さらに、試しプリントの際のトナーの濃度の数値を入力するテキストボックス313、また、カラー印刷原稿であっても白黒画像に変換して印刷を行うためのチェックボックス315を有する。
【0076】
UI115又は操作パネル225が上記のインタフェース入力を受け付けて、MFP201のデータ処理部213が指示に従い、トナーの濃度変更や、白黒印刷への変換指示を出力部215に行って当該指示に沿った印刷が行われる。
【0077】
[実施例の効果]
試しプリントモードをプリンタドライバ、及びMFP本体に用意することにより、PCからのデータ印刷にも試しプリントを対応できるようにする。それにより、紙資源・トナー・インク等の節約がより行えるようになる。
【0078】
試しプリント実行部数を設定することにより、各ユーザのプリンタの用途に合わせて試しプリントができ、閾値以下の部数の印刷をするときは試しプリントしないので印刷時間の短縮になる。
【0079】
試しプリントモードと閾値を一旦定めておけば、閾値を超える大部数印刷の場合には、常に試しプリントモードが実行されるために、印刷原稿の間違い等により、多数の印刷用紙が無駄になることを防ぐことが可能となる。
【0080】
特に試しプリント実行部数を2以上に設定すれば、一般的に試しプリントの効果がある2部以上の印刷部数において、印刷部数に応じて試しプリントの有無を分けることができる。すなわち、トナー濃度等の印刷設定が不適切であっても、再プリントの印刷用紙が少なくて済む試しプリント実行部数以下の印刷部数の場合は、印刷時間の短縮を優先することができる。一方、再プリントの印刷用紙が多くなる試しプリント実行部数より大きい印刷部数の場合は、印刷用紙の無駄防止を優先することができる。
【0081】
試しプリントモードの際にトナーの濃度を自由に選択可能であるため、試しプリントのチェックの際には省トナーを実現可能となる。同様にカラー原稿であっても白黒印刷に変換可能であるので、試しプリントにかかるコストを低下させることが可能となる。
【符号の説明】
【0082】
101 PC(Personal Computer)(端末装置)
111 プリンタドライバ
113 データ処理部
115 GUI(Graphic User Interface)
117 出力部
201 MFP(画像形成装置)
211 入力部
213 データ処理部(実行コマンド判断部)
215 出力部
223 スキャナ
225 操作パネル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数部数の印刷要求時に一部数のみの印刷に基づくユーザからの印刷継続可否指示入力を受け付けて残りの部数の印刷の可否を行う試しプリントを実行可能な画像形成装置であって、
印刷部数が所定の閾値を超える場合には、前記試しプリントを実行するための試しプリント実行コマンドが付加される印刷データを受信する入力部と、
前記印刷データに前記試しプリント実行コマンドが付加されているかどうかを判断する試しプリント実行コマンド判断部と、
前記試しプリント実行コマンド判断部により前記試しプリント実行コマンドが付加されていると判断された印刷データについて前記試しプリントを実行する出力部とを有する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
複数部数の印刷要求時に一部数のみの印刷に基づくユーザからの印刷継続可否指示入力を受け付けて残りの部数の印刷の可否を行う試しプリントを実行可能な画像形成装置であって、
印刷データを受け付けるデータ入力部と、
印刷部数と、前記試しプリントを実行するための前記印刷部数の閾値を受け付けるユーザ入力部と、
前記印刷データに前記試しプリント実行コマンドが付加されているかどうかを判断する試しプリント実行コマンド判断部と、
前記試しプリント実行コマンド判断部により前記試しプリント実行コマンドが付加されていると判断された印刷データについて前記試しプリントを実行する出力部とを有する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2の画像形成装置であって、
前記データ入力部は、スキャナにより画像データを読み込んで印刷データとして受け付ける
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1から3の画像形成装置であって、
前記試しプリントの際に、トナーの濃度を自由に設定可能として受け付けるインタフェース部を有し、
前記出力部は、前記インタフェース部のトナー濃度入力に従い、トナーの濃度を変更する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4の画像形成装置であって、
前記インタフェース部は、前記試しプリントの際に、カラー原稿を白黒印刷に変換して印刷する指示の入力を受けつけ、
前記出力部は、前記白黒印刷に変換して印刷する指示の入力に従い、白黒印刷にて出力を行う
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
コンピュータに、
複数部数の印刷要求時に一部数のみの印刷に基づくユーザからの印刷継続可否指示入力を受け付けて残りの部数の印刷の可否を行う試しプリントの設定機能を実現させるための印刷設定用プログラムであって、
印刷部数が所定の閾値を超える場合には、前記試しプリントを実行するための試しプリント実行コマンドを印刷データに付加する入力機能を実現させる
ことを特徴とする印刷設定用プログラム。
【請求項1】
複数部数の印刷要求時に一部数のみの印刷に基づくユーザからの印刷継続可否指示入力を受け付けて残りの部数の印刷の可否を行う試しプリントを実行可能な画像形成装置であって、
印刷部数が所定の閾値を超える場合には、前記試しプリントを実行するための試しプリント実行コマンドが付加される印刷データを受信する入力部と、
前記印刷データに前記試しプリント実行コマンドが付加されているかどうかを判断する試しプリント実行コマンド判断部と、
前記試しプリント実行コマンド判断部により前記試しプリント実行コマンドが付加されていると判断された印刷データについて前記試しプリントを実行する出力部とを有する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
複数部数の印刷要求時に一部数のみの印刷に基づくユーザからの印刷継続可否指示入力を受け付けて残りの部数の印刷の可否を行う試しプリントを実行可能な画像形成装置であって、
印刷データを受け付けるデータ入力部と、
印刷部数と、前記試しプリントを実行するための前記印刷部数の閾値を受け付けるユーザ入力部と、
前記印刷データに前記試しプリント実行コマンドが付加されているかどうかを判断する試しプリント実行コマンド判断部と、
前記試しプリント実行コマンド判断部により前記試しプリント実行コマンドが付加されていると判断された印刷データについて前記試しプリントを実行する出力部とを有する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2の画像形成装置であって、
前記データ入力部は、スキャナにより画像データを読み込んで印刷データとして受け付ける
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1から3の画像形成装置であって、
前記試しプリントの際に、トナーの濃度を自由に設定可能として受け付けるインタフェース部を有し、
前記出力部は、前記インタフェース部のトナー濃度入力に従い、トナーの濃度を変更する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4の画像形成装置であって、
前記インタフェース部は、前記試しプリントの際に、カラー原稿を白黒印刷に変換して印刷する指示の入力を受けつけ、
前記出力部は、前記白黒印刷に変換して印刷する指示の入力に従い、白黒印刷にて出力を行う
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
コンピュータに、
複数部数の印刷要求時に一部数のみの印刷に基づくユーザからの印刷継続可否指示入力を受け付けて残りの部数の印刷の可否を行う試しプリントの設定機能を実現させるための印刷設定用プログラムであって、
印刷部数が所定の閾値を超える場合には、前記試しプリントを実行するための試しプリント実行コマンドを印刷データに付加する入力機能を実現させる
ことを特徴とする印刷設定用プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【公開番号】特開2010−194972(P2010−194972A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−44838(P2009−44838)
【出願日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]