説明

画像形成装置及び画像形成システム

【課題】
省電力モード中に外部機器から該画像形成装置のステータス情報の参照要求、又は更新要求があったとしても、消費電力の削減を図ることが可能な画像形成装置及び画像形成システムを提供する。
【解決手段】
外部機器との通信を行う通信部と、前記通信部で受信した画像データに対して画像形成に適した処理を施す画像処理部と、前記画像処理部において処理された画像データの画像形成を行う画像形成部と、前記通信部、前記画像処理部、又は前記画像形成部への電力供給を制御する電源制御部とを有し、前記通信部は、当該画像形成装置のステータス情報を記憶する記憶部と前記外部機器と通信を行うサーバ部とを備え、前記電源制御部は、待機時における省電力モードのときには、前記通信部のみに電力を供給し、前記サーバ部は、前記外部機器からの前記ステータス情報の参照要求・変更要求に応答する画像形成装置、及び画像形成システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置に接続された別の機器からステータス情報の参照・更新を行うことができる画像形成装置及び画像形成システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば、LAN(Local Area Network)等のネットワークに接続されたプリンタ等の画像形成装置を同じネットワーク上に接続された複数の外部機器間で共有する事例が多くなってきている。
【0003】
このような状況において、上記画像形成装置には、印刷実行命令に伴う起動要求が入力されるまでの待機時の消費電力を低減させることを目的として、起動制御部以外の電力供給を制限する省電力モードを有するものがあった(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−193560号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1記載の画像形成装置では、省電力モード中に外部機器から該画像形成装置のステータス情報の参照要求、又は更新要求があった場合に、電力消費の多いメインCPU(Central Processing Unit)がこれに対応していたため、消費電力を削減することができなかった。
【0006】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、省電力モード中に外部機器から該画像形成装置のステータス情報の参照要求、又は更新要求があったとしても、消費電力の削減を図ることが可能な画像形成装置及び画像形成システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る画像形成装置は、外部機器との通信を行う通信部と、前記通信部で受信した画像データに対して画像形成に適した処理を施す画像処理部と、前記画像処理部において処理された画像データの画像形成を行う画像形成部と、前記通信部、前記画像処理部、又は前記画像形成部への電力供給を制御する電源制御部とを有する画像形成装置であって、前記通信部は、当該画像形成装置のステータス情報を記憶する記憶部と前記外部機器と通信を行うサーバ部とを備え、前記電源制御部は、待機時における省電力モードのときには、前記通信部のみに電力を供給し、前記サーバ部は、前記外部機器からの前記ステータス情報の参照要求・変更要求に応答することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る画像形成システムは、上記記載の画像形成装置と、該画像形成装置と通信する外部機器とを有する画像形成システムであって、前記外部機器は、前記クライアントアプリケーションオブジェクトを受信する受信部と、受信した前記クライアントアプリケーションオブジェクトを解釈して、前記ステータス情報の少なくとも一部分を表示する表示部と、前記表示部を介して表示された前記ステータス情報の変更を受付ける入力部と、前記入力部を介して受付けた前記ステータス情報の変更要求を前記画像形成装置に送信する送信部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、省電力モード中に外部機器から該画像形成装置のステータス情報の参照要求、又は更新要求があったとしても、消費電力の削減を図ることが可能な画像形成装置及び画像形成システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】プリンタとネットワーク機器(PC)とのLANネットワーク11を介した接続形態の一例を説明する図である。
【図2】プリンタの構成を説明するための概略構成図である。
【図3】不揮発性メモリが格納するするステータス情報の一例を示す模式図である。
【図4】不揮発性メモリに格納されているステータス情報の並び順の一例を示す模式図である。
【図5】ネットワーク機器(PC)の構成を説明するための概略構成図である。
【図6】プリンタの電源投入後の動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】図6のS101におけるプリンタの起動処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】図7のS1012におけるステータス情報反映処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】図6のS102におけるプリンタの待機状態処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】ネットワーク機器(PC)上で駆動するWebアプリケーションオブジェクトの動作を説明するフローチャートである。
【図11】操作画面の一例を説明する模式図である。
【図12】プリンタとネットワーク機器(PC)とのLANネットワーク11を介した接続形態の一例を説明する図である。
【図13】プリンタの構成を説明するための概略構成図である。
【図14】プリンタの電源投入後の動作を説明するためのフローチャートである。
【図15】図14のS201におけるプリンタの起動処理を説明するためのフローチャートである。
【図16】図14のS202におけるプリンタの待機状態処理を説明するためのフローチャートである。
【図17】ネットワーク機器(PC)上で駆動するWebアプリケーションオブジェクトの動作を説明するフローチャートである。
【図18】操作画面の一例を説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、本発明は以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0012】
[第1の実施形態]
本実施形態の説明においては、例えば、電子写真方式の印刷エンジンを備えた画像形成装置としてのプリンタが、外部機器としてのネットワーク機器を複数台数有するLANネットワークに接続されることにより構築された画像形成システムを一例として説明する。
【0013】
図1は、本実施形態に係るプリンタ10とネットワーク機器(PC)12a,12b,12cとのLANネットワーク11を介した接続形態の一例を説明する図である。
【0014】
ここで、ネットワーク機器(PC)12a,12b,12cは、LANネットワーク11を介して接続された外部機器である。本実施形態においては、これらのネットワーク機器(PC)12a,12b,12cは少なくともWebブラウザを備えたPC(Personal Computer)を想定しているが、Webブラウザを備える構成であれば、別の形態の機器であっても構わない。
【0015】
次に、プリンタ10の構成について図2を用いて説明する。図2は、プリンタ10の構成を説明するための概略構成図である。
【0016】
プリンタ10は、通信部としてのネットワークコントローラ部101と、装置制御部(CPU/ASIC)102と、画像処理部(CPU/ASIC)103と、メモリ104と、画像形成部105と、装置情報管理部106と、電源制御部107とを備える。
【0017】
ネットワークコントローラ部101は、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011、Webサーバプログラム格納部1012、及び不揮発性メモリ1013を備え、LANネットワーク11に接続されている。ネットワークコントローラ部101は、LANネットワーク11上のネットワーク機器(PC)12a,12b,12cからの、例えば、LPR(Line Printer daemon protocol)プロトコルなどによる印刷ジョブの受信や、ネットワーク機器(PC)12a,12b,12cからの要求に対する応答を行う。また、記憶部としての不揮発性メモリ1013は、プリンタ10に関するステータス情報を記憶し、格納する。
【0018】
ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011は、CPUやメモリを有し、LANネットワーク11から流れてくるTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)パケットを解析し、適切な応答を行う。これにより、LANネットワーク11上のネットワーク機器(PC)12a,12b,12cからの印刷ジョブの受信と、ネットワーク機器(PC)12a,12b,12cからの要求によるアクセスに対する応答を行う。
【0019】
Webサーバプログラム格納部1012は、LANネットワーク11上のネットワーク機器(PC)12a,12b,12cからのWebアクセスに対する応答を行うためのWebサーバプログラムと、該Webサーバプログラムが利用するWebコンテンツを格納する。このWebサーバプログラムは、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011内のCPUにより実行される。具体的には、Webサーバプログラムは、以下の3つの機能を有するシンプルなプログラムである。まず、ネットワーク機器(PC)12a,12b,12cからのステータス情報の参照要求としてのWebアクセスに対し、所定のWebアドレスに対してWebアプリケーションオブジェクトを送信する機能である。そして、ネットワーク機器(PC)12a,12b,12cからステータス情報の取得要求に対し、不揮発性メモリ1013内に格納されているステータス情報をネットワーク機器(PC)12a,12b,12cに送信する機能の他に、ネットワーク機器(PC)12a,12b,12cからのステータス情報の更新要求に対し、不揮発性メモリ1013内に格納されているステータス情報に対し、受信した更新内容を書き込む機能である。
【0020】
Webコンテンツは、Java(登録商標)やAjaxなどの言語で記述されたWebアプリケーションオブジェクトであり、ネットワーク機器(PC)12a,12b,12cが備えるWebブラウザ上で実行され、ステータス情報の参照要求・更新要求を行うものである。ここで、Webアプリケーションオブジェクトは、ネットワーク制御部1011に負荷を与えないように以下の特徴を持つ。まず、本実施形態に係るWebアプリケーションオブジェクトには、予め全ページが埋め込まれている。従って、ネットワーク機器(PC)12a,12b,12c上のWebブラウザでステータス情報の参照要求・更新要求のためのページ切り替え操作を行ったとしてもWebアクセスが発生しない。また、ネットワーク機器(PC)12a,12b,12c上のWebブラウザでWebアプリケーションオブジェクトが実行されると、Webブラウザはプリンタ10に一度だけ問い合わせ、プリンタ10のステータス情報を取得する。また、Webアプリケーションオブジェクト上でステータス情報の更新を行った場合には、Webアプリケーションオブジェクト上の適用ボタンを押下したときのみに、プリンタ10へステータス情報の更新情報が送信される。このとき、送受信されるステータス情報は、不揮発性メモリ1013に格納された定型フォーマットのデータそのものであり、これらのデータへのエンコード・デコードはWebアプリケーションオブジェクト側で行われる。
【0021】
不揮発性メモリ1013は、省電力モード中にネットワーク機器(PC)12a,12b,12cとのステータス情報の送受信が可能となるように、画像形成装置に関するステータス情報を記憶、格納するための記憶領域である。なお、不揮発性メモリ1013は不揮発性であるため、画像形成装置への電力供給が断たれても記憶した内容は保持される。
【0022】
図3は、不揮発性メモリ1013が格納するするステータス情報の一例を示す模式図である。まず、機器固有情報1061aは、本実施形態に係るプリンタ10の動作状況に応じて更新されるものであり、ユーザによる変更が不可能な機器固有のステータス情報である。これらのステータス情報は、大分類1062a、中分類1062a、小分類1063aに分類されているが、不揮発性メモリ1013内においては、これらの分類に拠らず一元的に配置されている。なお、各分類に対応したパラメータ類をパラメータ例1065aとして示した。
【0023】
次に、変更可能情報1061bは、ユーザによる変更が可能なステータス情報である。これらのステータス情報も、機器固有情報1061aと同様に、大分類1062b、中分類1062b、小分類1063bに分類されているが、不揮発性メモリ1013内においては、これらの分類に拠らず一元的に配置されている。なお、各分類に対応したパラメータ類をパラメータ例1065bとして示した。
【0024】
図4は、不揮発性メモリ1013に格納されているステータス情報の並び順の一例を示す模式図である。図4に示すように、機器固有情報1061a、変更可能情報1061bの順に並べられ、その詳細はそれぞれについて大分類の順10131に並べられている。そして、それぞれの大分類の中は中分類の順10132に、それぞれの中分類の中は小分類の順10133に並べられている。なお、各小分類のパラメータは、必要なバイト数分確保されている。
【0025】
装置制御部(CPU/ASIC)102は、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011が備えるCPUよりも消費電力が多いCPUやASICを備え、装置全体を統括的に制御する。
【0026】
画像処理部(CPU/ASIC)103は、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011が備えるCPUよりも消費電力が多いCPUやASICを備え、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011が受信した印刷ジョブにカラーマッチングやディザリングといった印刷に適した画像処理を施す。
【0027】
メモリ104は、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011が受信した印刷ジョブの保存や、画像処理部(CPU/ASIC)103が画像処理を行うためのワーキング領域や、画像処理部(CPU/ASIC)103の画像処理後の処理画像の保存、装置制御部(CPU/ASIC)102で使用するワーキング領域を確保するためのメモリである。
【0028】
画像形成部105は図示せぬ印刷エンジンを備え、画像処理部(CPU/ASIC)103での画像処理後にメモリ104に保存された画像を、図示せぬ一つ、又は複数ある給紙部分のうちの一箇所から用紙を給紙して印刷を行う。
【0029】
装置情報管理部106は、画像印刷時等の通常モード時に不揮発性メモリ1013からステータス情報を取得して、装置制御部(CPU/ASIC)102の要求により読み出し、書き込みを行う。
【0030】
電源制御部107は、プリンタ10内の電力供給を統括的に制御する。具体的には、電源制御部107は、画像印刷時等において、各部に対して通常の電力供給を行う「通常モード」と、待機時等において、装置制御部(CPU/ASIC)102、画像処理部(CPU/ASIC)103、メモリ104、画像形成部105、及び装置情報管理部106への電力供給を断ち、ネットワークコントローラ部101のみに電力供給を行う「省電力モード」との2つの電力供給状態をプリンタ10の活動状況に応じて作り出す。
【0031】
次に、本実施形態に係るネットワーク機器(PC)12a,12b,12cの構成について図5を用いて説明する。図5は、ネットワーク機器(PC)12a,12b,12cの構成を説明するための概略構成図である。なお、ネットワーク機器(PC)12a,12b,12cのそれぞれの構成は、全て同一であるため、以下の説明においては、ネットワーク機器(PC)12として説明する。
【0032】
ネットワーク機器(PC)12は、入力部121と、表示部122と、受信部、送信部としてのネットワークインターフェース123と、記憶部124と、装置制御部(CPU)125と、Webブラウザアプリケーション126とを備える。
【0033】
入力部121は、ネットワーク機器(PC)12に備えられている入力装置としてのキーボード、マウス等を表す。入力部121は、ネットワーク機器(PC)12内でプリンタ10から取得したWebアプリケーションオブジェクトを実行しているときには、プリンタ10のステータス情報の参照要求・更新要求を受け付ける。
【0034】
表示部122は、ネットワーク機器(PC)12に備えられている表示装置としてのモニタ等を表す。表示部122は、ネットワーク機器(PC)12内でプリンタ10から取得したWebアプリケーションオブジェクトを実行しているときには、プリンタ10のステータス情報の表示を行う。
【0035】
ネットワークインターフェース123は、ネットワーク機器(PC)12をLANネットワーク11に接続するためのネットワークインターフェースである。ネットワークインターフェース123は、プリンタ10からのWebアプリケーションオブジェクトを取得するとともに、Webアプリケーションオブジェクトを実行しているときには、プリンタ10のステータス情報の取得とステータス情報の更新要求を行う。
【0036】
記憶部124は、ネットワーク機器(PC)12の動作に必要な記憶装置としてのメモリである。本実施形態においては、記憶部124は、プリンタ10から取得したWebアプリケーションオブジェクトの記憶や、Webアプリケーションオブジェクトの実行に伴うワーキング領域の確保を行う。このワーキング領域には、Webアプリケーションオブジェクトがプリンタ10から取得したステータス情報や、Webアプリケーション上で変更したステータス情報が含まれる。
【0037】
装置制御部(CPU)125は、ネットワーク機器(PC)12を統括的に制御するCPUである。装置制御部(CPU)125は、例えば、入力部121を介して受け付けたユーザの指示に従い、表示部122への画像の表示や、ネットワークインターフェース123を用いてプリンタ10の通信を実行させる。
【0038】
Webブラウザアプリケーション126は、プリンタ10から取得したWebアプリケーションオブジェクトを動作させるためにネットワーク機器(PC)12上で駆動するソフトウェアであり、Webアプリケーションオブジェクトを動作させるための、例えば、Java(登録商標)、Ajaxといったランタイムモジュルールを備える。
【0039】
次に、本実施形態に係るプリンタ10の動作について説明する。図6は、プリンタ10の電源投入後の動作を説明するためのフローチャートである。
【0040】
まず、S101において、プリンタ10の電源が投入されると、ネットワークコントローラ部101、装置制御部(CPU/ASIC)102、画像処理部(CPU/ASIC)103はそれぞれのファームウェアを読み込むことで起動し、メモリ104、画像形成部105、装置情報管理部106、電源制御部107に適切な制御を施し、初期化処理を行う。また、ネットワーク制御部1011は、Webサーバプログラム格納部1012からWebサーバプログラムを読み込み起動させる。なお、このとき、電源制御部107が制御する電力供給は、通常モードである。
【0041】
そして、S102において、ネットワークコントローラ部101は、ネットワーク機器(PC)12からのアクセスを検出する。ここで、ネットワークコントローラ部101は、印刷ジョブの受信、ネットワーク機器(PC)12からのWebアクセスを検出した場合は、それぞれ適切な処理を行う。
【0042】
次に、プリンタ10は、ユーザによりシャットダウンがなされたか否かを検出する。ここでいう、シャットダウンとは、プリンタ10に搭載された図示せぬ電源スイッチがユーザにより切られた場合を意味し、電源スイッチが切られた場合には(ステップS103 Y)、プリンタ10に対する電力供給が断たれ、全ての処理が終了する。一方、電源スイッチが切られていない場合(ステップS103 N)、プリンタ10による処理は、S104に移行する。
【0043】
装置制御部(CPU/ASIC)102は、電源制御部107が制御する電力供給が通常モードであり、かつ、装置情報管理部106内の「機器管理」内の「パワーセーブ」のパラメータが「ON」であり、予め設定されている「パワーセーブ時間」の間だけ待機時間が経過したか否かを判断する。ここで、待機時間が経過していた場合(S104 Y)、電源制御部107が制御する電力供給を省電力モードに移行させる(S105)。一方、待機時間が経過していなかった場合(S104 N)、S102からの処理が繰り返される。
【0044】
S105において、電力供給が省電力モードに移行されると、電源制御部107は、ネットワークコントローラ部101以外の装置制御部(CPU/ASIC)102、画像処理部(CPU/ASIC)103、メモリ104、画像形成部105、及び装置情報管理部106への電力供給を停止させる。
【0045】
次に、図6のS101におけるプリンタ10の起動処理について図7のフローチャートを用いて説明する。
【0046】
S1011において、ネットワークコントローラ部101、装置制御部(CPU/ASIC)102、画像処理部(CPU/ASIC)103はそれぞれのファームウェアを読み込むことで起動し、メモリ104、画像形成部105、装置情報管理部106、電源制御部107に適切な制御を施し、初期化処理を行う。また、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011は、Webサーバプログラム格納部1012からWebサーバプログラムを読み込み起動させる。なお、このとき、電源制御部107が制御する電力供給は、通常モードである。
【0047】
そして、装置制御部(CPU/ASIC)102は、不揮発性メモリ1013に格納されているステータス情報を装置情報管理部106へ書き込ませ、以後の装置動作に反映させる(S1012)。
【0048】
さらに、図8のフローチャートを用いて、図7のS1012におけるステータス情報反映処理について説明する。
【0049】
S10121において、装置制御部(CPU/ASIC)102は、不揮発性メモリ1013に格納されているステータス情報変更データを装置情報管理部106へ書き込ませ、格納させる。
【0050】
そして、装置制御部(CPU/ASIC)102は、装置情報管理部106内のステータス情報を以後の装置動作に反映させる(S10122)。
【0051】
次に、図6のS102におけるプリンタ10の待機状態処理について図9のフローチャートを用いて説明する。
【0052】
まず、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011は、ネットワーク機器(PC)12からのアクセスがあったか否かの判断を行う。ここで、ネットワーク機器(PC)12からのアクセスがあった場合(S10201 Y)、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011による処理は、S10202に移行する。一方、ネットワーク機器(PC)12からのアクセスがなかった場合(S10201 N)、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011による処理は終了する。
【0053】
S10202において、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011は、ネットワーク機器(PC)12からのアクセスがWebアクセスであるか否かを判断する。ここで、ネットワーク機器(PC)12からのアクセスがWebアクセスであった場合(S10202 Y)、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011による処理は、S10203へ移行する。一方、ネットワーク機器(PC)12からのアクセスがWebアクセスでなかった場合(S10202 N)、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011による処理は、S10206へ移行する。
【0054】
S10203において、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011は、ネットワーク制御部1011内で稼働中のWebサーバプログラムによって、ネットワーク機器(PC)12からのWebアクセスにおいてWebアドレスが所定の条件を満たしているか否かを判断する。例えば、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011は、プリンタ10に割り当てられているIPアドレスが192.168.1.12であれば、Webアドレスが“http://192.168.1.12/”にて所定の条件を満たしていると判断する。この条件が満たされていると判断し、ネットワーク機器(PC)12がWebアプリケーションオブジェクトの取得を要求していると見なした場合(S10203 Y)、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011の処理はS10210へ処理を移行する。一方、所定の条件が満たされていないと判断し、ネットワーク機器(PC)12がWebアプリケーションオブジェクトの取得を要求していないと見なした場合(S10203 N)、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011の処理はS10204へ移行する。
【0055】
ネットワーク機器(PC)12がWebアプリケーションオブジェクトの取得を要求していないと見なした場合(S10203 N)、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011は、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011内で稼働中のWebサーバプログラムによって、ネットワーク機器(PC)12からのアクセス内容が、ステータス情報の取得要求を行う旨であったか否かを判断する。ここで、ネットワーク機器(PC)12からのアクセス内容が、ステータス情報の取得要求であった場合(S10204 Y)、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011による処理は、S10211へ移行する。一方、ネットワーク機器(PC)12からのアクセス内容が、ステータス情報の取得要求でなかった場合(S10204 N)、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011による処理は、S10205へ移行する。
【0056】
S10205において、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011は、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011内で稼働中のWebサーバプログラムによって、ネットワーク機器(PC)12からのアクセス内容が、ステータス情報の更新要求を行う旨であったか否かを判断する。ここで、ネットワーク機器(PC)12からのアクセス内容が、ステータス情報の更新要求であった場合(S10205 Y)、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011による処理は、S10212へ移行する。一方、ネットワーク機器(PC)12からのアクセス内容が、ステータス情報の更新要求でなかった場合(S10205 N)、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011による処理は終了する。
【0057】
ところで、ネットワーク機器(PC)12からのアクセスがWebアクセスでなかった場合(S10202 N)、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1101は、ネットワーク機器(PC)12からのアクセス内容が、LPRプロトコルなどによる印刷ジョブであったか否かを判断する。ここで、ネットワーク機器(PC)12からのアクセス内容が、LPRプロトコルなどによる印刷ジョブであった場合(S10206 Y)、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011による処理は、S10207へ移行する。一方、ネットワーク機器(PC)12からのアクセス内容が、LPRプロトコルなどによる印刷ジョブでなかった場合(S10206 N)、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011による処理は終了する。
【0058】
ネットワーク機器(PC)12からのアクセス内容が、LPRプロトコルなどによる印刷ジョブであった場合(S10206 Y)、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011は、電源制御部107が制御する電力供給が省電力モードであるか否かを判断する。電源制御部107が制御する電力供給が省電力モードである場合(S10207 Y)、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011は、電源制御部107が制御する電力供給を省電力モードから通常モードへ移行させる(S10208)。すなわち、電源制御部107は、電力の供給を停止していた、装置制御部(CPU/ASIC)102、画像処理部(CPU/ASIC)103、メモリ104、画像形成部105、及び装置情報管理部106に対して電力供給を再開する。一方、電源制御部107が制御する電力供給が省電力モードでない場合(S10207 N)、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011による処理は、S10209へ移行する。
【0059】
S10208において、電源制御部107が制御する電力供給が通常モードへ移行されると、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011は、受信したステータス情報の変更データを不揮発性メモリ1013に格納させる(S1012)。
【0060】
S10209において、装置制御部(CPU/ASIC)102、画像処理部(CPU/ASIC)103、メモリ104、及び画像形成部105は、受信した印刷ジョブに対してカラーマッチングやディザリングといった印刷に適した画像処理を施し、図示せぬ一つ、又は複数ある給紙部分のうちの一箇所から用紙を給紙して印刷を行う。
【0061】
ところで、ネットワーク機器(PC)12がWebアプリケーションオブジェクトの取得を要求していると見なした場合(S10203 Y)、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011は、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011内で稼働中のWebサーバプログラムによって、Webサーバプログラム格納部1012内に格納されたWebアプリケーションオブジェクトをネットワーク機器(PC)12へ送信する(S10210)。
【0062】
また、ネットワーク機器(PC)12からのアクセス内容が、ステータス情報の取得要求であった場合(S10204 Y)、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011は、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011内で稼働中のWebサーバプログラムによって、不揮発性メモリ1013内のステータス情報と装置に反映されていないステータス情報変更データとをネットワーク機器(PC)12へ送信する(S10211)。
【0063】
また、ネットワーク機器(PC)12からのアクセス内容が、ステータス情報の更新要求であった場合(S10205 Y)、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011は、受信したステータス情報の変更データを不揮発性メモリ1013に格納させる(S10212)。
【0064】
次に、S10213において、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011は、電源制御部107が制御する電力供給が省電力モードであるか否かを判断する。ここで、電源制御部107が制御する電力供給が省電力モードである場合(S10213 Y)、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011による処理は終了する。一方、電源制御部107が制御する電力供給が省電力モードでない場合(S10213 N)、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011はS1012に係るステータス情報反映処理を実行する。
【0065】
次に、本実施形態に係るネットワーク機器(PC)12上で駆動するWebアプリケーションオブジェクトの動作について図10のフローチャートを用いて説明する。
【0066】
まず、S110において、Webアプリケーションオブジェクトは、ステータス情報を格納するための領域として2つの変数群ステータス情報A、ステータス情報Bを記憶部124に確保する。
【0067】
次に、Webアプリケーションオブジェクトは、ネットワークインターフェース123に指示を出し、プリンタ10に対しステータス情報と装置に反映していないステータス情報変更データの取得要求を送信させる(S111)。
【0068】
そして、Webアプリケーションオブジェクトは、S111において取得要求したステータス情報と装置に反映していないステータス情報変更データの取得要求結果を、Webアプリケーションオブジェクトが取り扱うことができる形式にデコードし、記憶部124に確保した変数群ステータス情報A、ステータス情報Bに格納させる。なお、ステータス情報Bはステータス情報Aのコピーである。
【0069】
次に、S113において、Webアプリケーションオブジェクトは、Webブラウザアプリケーション126を介して表示部122に操作画面を表示させ、ユーザによる入力部121の操作に従って、ステータス情報の参照・変更を行う。
【0070】
ここで、WebアプリケーションオブジェクトがWebブラウザアプリケーション126を介して表示部122に表示させる操作画面の一例について図11を用いて説明する。
【0071】
図11に示すように、画面10121aは、Webアプリケーションオブジェクトを実行し、ステータス情報の参照を行っているときの画面例である。画面10121aは、以下に説明する4つのペインから構成されている。
【0072】
ペイン10122aは、画面のタイトルであり、プリンタ10のステータス情報の参照・更新画面であることをユーザに対して示すペインである。
【0073】
ペイン10123aは、現在の画面モードが「ステータス参照」、「ステータス更新」のどちらに関するものである示すペインである。この「ステータス参照」、「ステータス更新」の何れかは、入力部121を介して選択可能であり、ここで選択された方はハイライト表示される。なお、図11に示す例においては、「ステータス参照」が選択された一例を示している。
【0074】
ペイン10124aは、機器固有情報1061aに基づくステータス情報の大分類1062aを示す。なお、大分類1062aのうち、一つの項目が入力部121を介して選択されると、選択された項目はハイライト表示される。なお、図11に示す例においては、「消耗品残量」が選択された一例を示している。
【0075】
ペイン10125aは、ペイン10124aにおいて、入力部121を介して選択された大分類1062aに該当する中分類1063a、小分類1064aを示しており、それらに対応するパラメータ1065aは記憶部124内の変数群ステータス情報Aから読み出され、表示される。なお、図11に示す例においては、これらのパラメータ1065aを、グラフやイラストを交えてグラフィカルに表した一例を示している。
【0076】
スクロールバー10126aは、ペイン10125aで表示される情報が多くなり、一度での表示が困難になった場合に表示されるスクロールバーである。
【0077】
画面10121bは、Webアプリケーションオブジェクトを実行し、ステータス情報の更新を行っているときの画面例である。画面10121bは、以下に説明する4つのペインから構成されている。
【0078】
ペイン10122bは、画面のタイトルであり、プリンタ10のステータス情報の参照・更新画面であることをユーザに対して示すペインである。
【0079】
ペイン10123bは、現在の画面モードが「ステータス参照」、「ステータス更新」のどちらに関するものである示すペインである。この「ステータス参照」、「ステータス更新」の何れかは、入力部121を介して選択可能であり、ここで選択された方はハイライト表示される。なお、図11に示す例においては、「ステータス更新」が選択された一例を示している。
【0080】
ペイン10124aは、変更可能情報1061bに基づくステータス情報の大分類1062bを示す。なお、大分類1062bのうち、一つの項目が入力部121を介して選択されると、選択された項目はハイライト表示される。なお、図11に示す例においては、「用紙トレイ設定」が選択された一例を示している。
【0081】
ペイン10125bは、ペイン10124bにおいて、入力部121を介して選択された大分類1062bに該当する中分類1063b、小分類1064bを示しており、それらに対応するパラメータ1065bは記憶部124内の変数群ステータス情報Aから読み出され、チェックボックス・プルダウンメニュー・ラジオボタン等を用いて表示される。これらのパラメータ1065bはユーザにより変更可能とされている。なお、ペイン10125bで変更されたステータスの変更情報は、即時にプリンタ10へ送信されず、記憶部124内の変数群ステータス情報Aが更新される。
【0082】
スクロールバー10126bは、ペイン10125bで表示される情報が多くなり、一度での表示が困難になった場合に表示されるスクロールバーである。
【0083】
さて、図10のS114において、Webアプリケーションオブジェクトは、表示部122を介して表示された操作画面上の適用ボタン10127bが押下されたか否かを判断する。ここで、適用ボタン10127bが押下された場合(S114 Y)、Webアプリケーションオブジェクトによる処理はS115へ移行する。一方、適用ボタン10127bが押下されない場合(S114 N)、Webアプリケーションオブジェクトによる処理は、S116へ移行する。
【0084】
適用ボタン10127bが押下された場合(S114 Y)、Webアプリケーションオブジェクトは、記憶部124内の変数群ステータス情報に格納されたステータス情報を、装置制御部(CPU)125がプリンタ10内の不揮発性メモリ1013に格納可能な定型フォーマットにエンコードし、ネットワークインターフェイス123を介してプリンタ10へ送信させる。
【0085】
ところで、適用ボタン10127bが押下されない場合(S114 N)、Webアプリケーションオブジェクトは、表示部122を介して表示された操作画面上の取消ボタン10128bが押下されたか否かを判断する。ここで、取消ボタン10128bが押下された場合(S116 Y)、Webアプリケーションオブジェクトによる処理はS117へ移行する。一方、取消ボタン10128bが押下されない場合(S116 N)、Webアプリケーションオブジェクトによる処理は、S118へ移行する。
【0086】
取消ボタン10128bが押下された場合(S116 Y)、Webアプリケーションオブジェクトは、ペイン10125bにおいて、入力部121を介して変更されたステータスの変更情報をリセットし、変更前の状態に戻す(S117)。すなわち、Webアプリケーションオブジェクトは、記憶部124内の変数群ステータス情報Bの内容を変数群ステータス情報Aにコピーする。記憶部124のステータス情報が変更前の状態にリセットされると、ペイン10125bの表示も変更前の表示に書き換わる。
【0087】
一方、取消ボタン10128bが押下されない場合(S116 N)、Webアプリケーションオブジェクトは、Webブラウザの終了・他のWebページへの移動などによる終了信号を検出する。ここで、Webブラウザの終了・他のWebページへの移動などによる終了信号を検出した場合(S118 Y)、Webアプリケーションオブジェクトは処理を終了し、検出しなかった場合(S118 N)、Webアプリケーションオブジェクトによる処理はS113へ移行する。
【0088】
以上のように、第1の実施形態によれば、省電力モード時においても動作するネットワークコントローラ部にプリンタのステータス情報を記録した不揮発性メモリを設け、ネットワーク機器からのステータス情報の参照・更新要求に対応させるとともに、省電力モード時にネットワークコントローラ部がステータス情報の更新要求を受信したときには、通常モードに移行したときに該ステータス情報を反映させる形態としたため、省電力モード時に、電力消費の多い装置制御部や画像処理部への電力供給を断つことが可能となり、消費電力を効果的に削減することができる。
【0089】
[第2の実施形態]
第2の実施形態においては、第1の実施形態と同様に、画像形成装置としてのプリンタが、外部機器としてのネットワーク機器を複数台数有するLANネットワークに接続されることにより構築された画像形成システムを一例として説明する。なお、本実施形態の説明において、第1の実施形態と同一な箇所については同じ符号を付してその説明を省略する。
【0090】
図12は、本実施形態に係るプリンタ20と、ネットワーク機器(PC)12a,12b,12cと、NTPサーバ23とのLANネットワーク11を介した接続形態の一例を説明する図である。
【0091】
ここで、ネットワーク機器(PC)12a,12b,12cは、LANネットワーク11を介して接続された外部機器である。本実施形態においては、これらのネットワーク機器(PC)12a,12b,12cは少なくともWebブラウザを備えたPC(Personal Computer)を想定しているが、Webブラウザを備える構成であれば、別の形態の機器であっても構わない。
【0092】
NTPサーバ23は、LANネットワーク11内のプリンタ20、ネットワーク機器(PC)12a,12b,12cの時刻情報の同期を行う。
【0093】
次に、プリンタ20の構成について図13を用いて説明する。図13は、プリンタ20の構成を説明するための概略構成図である。
【0094】
プリンタ20は、ネットワークコントローラ部201と、装置制御部(CPU/ASIC)102と、画像処理部(CPU/ASIC)103と、メモリ104と、画像形成部105と、装置情報管理部106と、電源制御部107とを備える。
【0095】
ネットワークコントローラ部201は、第1の実施形態に係るネットワークコントローラ部101の機能に加え、Webサーバプログラム格納部格納部2012、及び計時部2014を備え、プリンタ20内のステータス情報よりネットワーク機器(PC)12a,12b,12cが保持しているステータス情報が古くなっていないか否かの確認を行う。
【0096】
計時部2014は、時間経過を計測する機能を有し、ネットワーク制御部1011に時刻情報を供給する。計時部2014内の時刻情報は、定期的にNTPサーバ23にアクセスし、正確な現在時刻となるように同期が取られるのが理想的である。
【0097】
Webサーバプログラム格納部2012は、LANネットワーク11上のネットワーク機器(PC)12a,12b,12cからのWebアクセスに対する応答を行うためのWebサーバプログラムと、該Webサーバプログラムが利用するWebコンテンツを格納する。このWebサーバプログラムは、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011内のCPUにより実行される。具体的には、Webサーバプログラムは、以下の4つの機能を有するシンプルなプログラムである。まず、ネットワーク機器(PC)12a,12b,12cからのステータス情報の参照要求としてのWebアクセスに対し、所定のWebアドレスに対してWebアプリケーションオブジェクトを送信する機能である。そして、Webサーバプログラムは、ネットワーク機器(PC)12a,12b,12cからステータス情報の取得要求があると、不揮発性メモリ1013内に格納されているステータス情報の最後に、計時部2014から取得した時刻情報を4バイトのUNIX(登録商標)時間で表現し、ステータス取得時刻として付加し、ネットワーク機器(PC)12a,12b,12cへ送信する機能を有する。また、Webサーバプログラムは、ネットワーク機器(PC)12a,12b,12cからステータス情報の更新要求があると、不揮発性メモリ1013内へ受信したステータス情報を書き込み、計時部2014から取得した時刻情報をステータス更新時刻としてネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011内のメモリに記憶させ、格納させる機能を有する。さらに、Webサーバプログラムは、ネットワーク機器(PC)12a,12b,12cからステータスの確認要求があると、プリンタ20のステータス情報よりもネットワーク機器(PC)12a,12b,12cが保持しているステータス情報が古いか否かを判断し、もしそうであれば、プリンタ20内のステータス情報をネットワーク機器(PC)12a,12b,12cに送信する機能も有する。
【0098】
なお、プリンタ20のステータス情報よりもネットワーク機器(PC)12a,12b,12cが保持しているステータス情報が古いか否かは、以下に示す方法で判断する。
【0099】
つまり、ネットワーク機器(PC)12a,12b,12cからのステータス確認要求情報内には、前回のステータス取得情報が含まれており、これがネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011内のメモリに格納されたステータス更新時刻よりも古ければ、Webサーバプログラムは、ネットワーク機器(PC)12a,12b,12cが保持しているステータス情報は古いと判断する。
【0100】
なお、Webサーバプログラム格納部2012に格納されているWebアプリケーションオブジェクトは、第1の実施形態に係るWebアプリケーションオブジェクトとは以下の点で異なる。まず、Webアプリケーションオブジェクトは、プリンタ20のステータス情報を受信するときに、4バイトのUNIX(登録商標)時間で表現されたステータス取得時刻を受信し、保存しておく。また、Webアプリケーションオブジェクトは、ステータス情報を取得した後にステータス確認要求を定期的にプリンタ20に対して問い合わせる。このとき、Webアプリケーションオブジェクトは、該Webアプリケーションオブジェクト内の前回のステータス取得時刻を4バイトのUNIX(登録商標)時間で表現したものを付加して送信する。そして、プリンタ20からの返答にステータス情報が含まれ、Webアプリケーションオブジェクトが前回取得した時点でのステータス情報と相違があれば、Webアプリケーションオブジェクトは、該Webアプリケーションオブジェクト内のステータス情報とステータス取得時刻とを更新する。なお、本実施形態においては、この問い合わせは5分おきに実行されるものとする。
【0101】
次に、本実施形態に係るプリンタ20の動作について説明する。図14は、プリンタ20の電源投入後の動作を説明するためのフローチャートである。なお、以下の説明においては、ネットワーク機器(PC)12a,12b,12cをネットワーク機器(PC)12として説明する。
【0102】
まず、S201において、プリンタ20の電源が投入されると、ネットワークコントローラ部201、装置制御部(CPU/ASIC)102、画像処理部(CPU/ASIC)103はそれぞれのファームウェアを読み込むことで起動し、メモリ104、画像形成部105、装置情報管理部106、電源制御部107に適切な制御を施し、初期化処理を行う。また、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011は、Webサーバプログラム格納部2012からWebサーバプログラムを読み込み起動させる。なお、このとき、電源制御部107が制御する電力供給は、通常モードである。
【0103】
次に、S206において、ネットワークコントローラ部201は、計時部2014から時刻情報を取得し、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011内のメモリにあるステータス更新時刻に取得した現在時刻を書き込む。
【0104】
そして、S202において、ネットワークコントローラ部201は、ネットワーク機器(PC)12からのアクセスを検出する。ここで、ネットワークコントローラ部201は、印刷ジョブの受信、ネットワーク機器(PC)12からのWebアクセスを検出した場合は、それぞれ適切な処理を行う。
【0105】
次に、プリンタ20は、ユーザによりシャットダウンがなされたか否かを検出する。ここでいう、シャットダウンとは、プリンタ20に搭載された図示せぬ電源スイッチがユーザにより切られた場合を意味し、電源スイッチが切られた場合には(ステップS103 Y)、プリンタ20に対する電力供給が断たれ、全ての処理が終了する。一方、電源スイッチが切られていない場合(ステップS103 N)、プリンタ20による処理は、S104に移行する。
【0106】
装置制御部(CPU/ASIC)102は、電源制御部107が制御する電力供給が通常モードであり、かつ、装置情報管理部106内の「機器管理」内の「パワーセーブ」のパラメータが「ON」であり、予め設定されている「パワーセーブ時間」の間だけ待機時間が経過したか否かを判断する。ここで、待機時間が経過していた場合(S104 Y)、電源制御部107が制御する電力供給を省電力モードに移行させる(S105)。一方、待機時間が経過していなかった場合(S104 N)、S202からの処理が繰り返される。
【0107】
S105において、電力供給が省電力モードに移行されると、電源制御部107は、ネットワークコントローラ部201以外の装置制御部(CPU/ASIC)102、画像処理部(CPU/ASIC)103、メモリ104、画像形成部105、及び装置情報管理部106への電力供給を停止させる。
【0108】
次に、図14のS201におけるプリンタ20の起動処理について図15のフローチャートを用いて説明する。
【0109】
S2011において、ネットワークコントローラ部201、装置制御部(CPU/ASIC)102、画像処理部(CPU/ASIC)103はそれぞれのファームウェアを読み込むことで起動し、メモリ104、画像形成部105、装置情報管理部106、電源制御部107に適切な制御を施し、初期化処理を行う。また、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011は、Webサーバプログラム格納部2012からWebサーバプログラムを読み込み起動させる。なお、このとき、電源制御部107が制御する電力供給は、通常モードである。
【0110】
そして、装置制御部(CPU/ASIC)102は、不揮発性メモリ1013に格納されているステータス情報を装置情報管理部106へ書き込ませ、以後の装置動作に反映させる(S1012)。
【0111】
次に、図14のS202におけるプリンタ20の待機状態処理について図16のフローチャートを用いて説明する。
【0112】
まず、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011は、ネットワーク機器(PC)12からのアクセスがあったか否かの判断を行う。ここで、ネットワーク機器(PC)12からのアクセスがあった場合(S10201 Y)、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011による処理は、S10202に移行する。一方、ネットワーク機器(PC)12からのアクセスがなかった場合(S10201 N)、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011による処理は終了する。
【0113】
S10202において、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011は、ネットワーク機器(PC)12からのアクセスがWebアクセスであるか否かを判断する。ここで、ネットワーク機器(PC)12からのアクセスがWebアクセスであった場合(S10202 Y)、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011による処理は、S20203へ移行する。一方、ネットワーク機器(PC)12からのアクセスがWebアクセスでなかった場合(S10202 N)、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011による処理は、S10206へ移行する。
【0114】
S20203において、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011は、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011内で稼働中のWebサーバプログラムによって、ネットワーク機器(PC)12からのWebアクセスにおいてWebアドレスが所定の条件を満たしているか否かを判断する。例えば、ネットワーク制御部1011は、プリンタ10に割り当てられているIPアドレスが192.168.1.12であれば、Webアドレスが“http://192.168.1.12/”にて所定の条件を満たしていると判断する。この条件が満たされていると判断し、ネットワーク機器(PC)12がWebアプリケーションオブジェクトの取得を要求していると見なした場合(S20203 Y)、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011の処理はS20210へ処理を移行する。一方、所定の条件が満たされていないと判断し、ネットワーク機器(PC)12がWebアプリケーションオブジェクトの取得を要求していないと見なした場合(S20203 N)、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011の処理はS20204へ移行する。
【0115】
ネットワーク機器(PC)12がWebアプリケーションオブジェクトの取得を要求していないと見なした場合(S20203 N)、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011は、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011内で稼働中のWebサーバプログラムによって、ネットワーク機器(PC)12からのアクセス内容が、ステータス情報の取得要求を行う旨であったか否かを判断する。ここで、ネットワーク機器(PC)12からのアクセス内容が、ステータス情報の取得要求であった場合(S20204 Y)、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011による処理は、S20211へ移行する。一方、ネットワーク機器(PC)12からのアクセス内容が、ステータス情報の取得要求でなかった場合(S20204 N)、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011による処理は、S20214へ移行する。
【0116】
ネットワーク機器(PC)12からのアクセス内容が、ステータス情報の取得要求でなかった場合(S20204 N)、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011は、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011内で稼働中のWebサーバプログラムによって、ネットワーク機器(PC)12からのアクセス内容が、ステータス情報の確認要求を行う旨であったか否かを判断する。ここで、ネットワーク機器(PC)12からのアクセス内容が、ステータス情報の確認要求であった場合(S20214 Y)、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011による処理は、S20215へ移行する。一方、ネットワーク機器(PC)12からのアクセス内容が、ステータス情報の確認要求でなかった場合(S20214 N)、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011による処理は、S10205へ移行する。
【0117】
ネットワーク機器(PC)12からのアクセス内容が、ステータス情報の確認要求であった場合(S20214 Y)、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011は、S20214で受信したネットワーク機器(PC)12からのステータス情報の確認要求を行うデータに含まれる前回のステータス取得時刻を読み出し、この取得時刻がネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011内のメモリに格納されたステータス更新時刻よりも古いか否かを判断する。ここで、取得時刻がネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011内のメモリに格納されたステータス更新時刻よりも古い場合(S20215 Y)、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011による処理はS20211へ移行する。一方、取得時刻がネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011内のメモリに格納されたステータス更新時刻よりも古くない場合(S20215 N)、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011による処理はS20216へ移行する。
【0118】
S20216において、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011は、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011内で稼働中のWebサーバプログラムによって、ステータス情報が最新のものである旨をネットワーク機器(PC)12へ送信する。
【0119】
S10205において、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011は、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011内で稼働中のWebサーバプログラムによって、ネットワーク機器(PC)12からのアクセス内容が、ステータス情報の更新要求を行う旨であったか否かを判断する。ここで、ネットワーク機器(PC)12からのアクセス内容が、ステータス情報の更新要求であった場合(S10205 Y)、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011による処理は、S10212へ移行する。一方、ネットワーク機器(PC)12からのアクセス内容が、ステータス情報の更新要求でなかった場合(S10205 N)、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011による処理は終了する。
【0120】
ところで、ネットワーク機器(PC)12からのアクセスがWebアクセスでなかった場合(S10202 N)、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1101は、ネットワーク機器(PC)12からのアクセス内容が、LPRプロトコルなどによる印刷ジョブであったか否かを判断する。ここで、ネットワーク機器(PC)12からのアクセス内容が、LPRプロトコルなどによる印刷ジョブであった場合(S10206 Y)、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011による処理は、S10207へ移行する。一方、ネットワーク機器(PC)12からのアクセス内容が、LPRプロトコルなどによる印刷ジョブでなかった場合(S10206 N)、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011による処理は終了する。
【0121】
ネットワーク機器(PC)12からのアクセス内容が、LPRプロトコルなどによる印刷ジョブであった場合(S10206 Y)、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011は、電源制御部107が制御する電力供給が省電力モードであるか否かを判断する。電源制御部107が制御する電力供給が省電力モードである場合(S10207 Y)、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011は、電源制御部107が制御する電力供給を省電力モードから通常モードへ移行させる(S10208)。すなわち、電源制御部107は、電力の供給を停止していた、装置制御部(CPU/ASIC)102、画像処理部(CPU/ASIC)103、メモリ104、画像形成部105、及び装置情報管理部106に対して電力供給を再開する。一方、電源制御部107が制御する電力供給が省電力モードでない場合(S10207 N)、ネットワーク制御部1011による処理は、S10209へ移行する。
【0122】
S10208において、電源制御部107が制御する電力供給が通常モードへ移行されると、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011は、受信したステータス情報の変更データを不揮発性メモリ1013に格納させる(S1012)。
【0123】
S10209において、装置制御部(CPU/ASIC)102、画像処理部(CPU/ASIC)103、メモリ104、及び画像形成部105は、受信した印刷ジョブに対してカラーマッチングやディザリングといった印刷に適した画像処理を施し、図示せぬ一つ、又は複数ある給紙部分のうちの一箇所から用紙を給紙して印刷を行う。
【0124】
ところで、ネットワーク機器(PC)12がWebアプリケーションオブジェクトの取得を要求していると見なした場合(S20203 Y)、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011は、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011内で稼働中のWebサーバプログラムによって、Webサーバプログラム格納部2012内に格納されたWebアプリケーションオブジェクトをネットワーク機器(PC)12へ送信する(S20210)。
【0125】
また、ネットワーク機器(PC)12からのアクセス内容が、ステータス情報の取得要求であった場合(S20204 Y)、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011は、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011内で稼働中のWebサーバプログラムによって、不揮発性メモリ1013内のステータス情報の最後に、計時部2014の時刻情報を4バイトのUNIX(登録商標)時間で表現したものをステータス取得時刻として付加し、ネットワーク機器(PC)12へ送信する(S20211)。
【0126】
また、ネットワーク機器(PC)12からのアクセス内容が、ステータス情報の更新要求であった場合(S10205 Y)、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011は、受信したステータス情報の変更データを不揮発性メモリ1013に格納させる(S10212)。
【0127】
次に、S10213において、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011は、電源制御部107が制御する電力供給が省電力モードであるか否かを判断する。ここで、電源制御部107が制御する電力供給が省電力モードである場合(S10213 Y)、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011による処理は終了する。一方、電源制御部107が制御する電力供給が省電力モードでない場合(S10213 N)、ネットワーク制御部(CPU/メモリ)1011はS1012に係るステータス情報反映処理を実行する。
【0128】
次に、本実施形態に係るネットワーク機器(PC)12上で駆動するWebアプリケーションオブジェクトの動作について図17のフローチャートを用いて説明する。
【0129】
まず、S210において、Webアプリケーションオブジェクトは、ステータス情報を格納するための領域として2つの変数群ステータス情報A、ステータス情報B、及び前回のステータス取得時刻をUNIX(登録商標)時間で格納するための4バイト領域を記憶部124に確保する。
【0130】
次に、Webアプリケーションオブジェクトは、ネットワークインターフェース123に指示を出し、プリンタ20に対しステータス情報と装置に反映していないステータス情報変更データの取得要求を送信させる(S111)。
【0131】
そして、Webアプリケーションオブジェクトは、S111において取得要求したステータス情報と装置に反映していないステータス情報変更データの取得要求結果を、Webアプリケーションオブジェクトが取り扱うことができる形式にデコードし、記憶部124に確保した変数群ステータス情報A、ステータス情報B、前回のステータス取得時刻に格納させる。なお、ステータス情報Bはステータス情報Aのコピーである。また、ステータス取得時刻には、4バイトのUNIX(登録商標)時間の形式で時刻情報が格納されている。
【0132】
次に、S113において、Webアプリケーションオブジェクトは、Webブラウザアプリケーション126を介して表示部122に操作画面を表示させ、ユーザによる入力部121の操作に従って、ステータス情報の参照・変更を行う。
【0133】
次に、S219において、Webアプリケーションオブジェクトは、自身に組み込まれた5分おきに割り込みを掛けるタイマープログラムのトリガを確認する。ここで、トリガが上がっていた場合(S219 Y)、Webアプリケーションオブジェクトによる処理は、S220へ移行する。一方、トリガが上がっていない場合(S219 N)、Webアプリケーションオブジェクトによる処理は、S114へ移行する。
【0134】
タイマープログラムのトリガが上がっていた場合(S219 Y)、Webアプリケーションオブジェクトは、ネットワークインターフェース123に指示を出し、プリンタ20に対してステータス情報の確認要求を送信させる(S220)。
【0135】
そして、S221において、Webアプリケーションオブジェクトは、S220において送信したステータス情報の確認要求の返答を受け取り、該返答にステータス情報が含まれているか否かを確認する。ここで、返答にステータス情報が含まれている場合(S221 Y)、Webアプリケーションオブジェクトによる処理は、S222へ移行する。一方、返答にステータス情報が含まれていない場合(S221 N)、Webアプリケーションオブジェクトによる処理は、S113へ移行する。
【0136】
返答にステータス情報が含まれている場合(S221 Y)、Webアプリケーションオブジェクトは、S220において取得したステータス情報の取得結果をWebアプリケーションオブジェクトが取り扱うことができる形式にデコードし、記憶部124内の変数群ステータス情報Bと比較する。ここで、比較結果で双方に相違がある場合(S222 Y)、Webアプリケーションオブジェクトによる処理は、S223へ移行する。一方、比較結果で双方に相違が無い場合(S222 N)、Webアプリケーションオブジェクトによる処理は、S113へ移行する。
【0137】
そして、Webアプリケーションオブジェクトは、S220におけるステータス情報の取得結果をWebアプリケーションオブジェクトが取り扱うことができる形式にデコードし、記憶部124内の変数群ステータス情報A,ステータス情報B、前回のステータス取得時刻に格納させる。なお、ステータス情報Bはステータス情報Aのコピーであり、ステータス取得時刻には、4バイトのUNIX(登録商標)時間形式で時刻情報が格納される。
【0138】
なお、ここで、S223に係る動作の可否をユーザの判断を仰ぐ形態としてもよい。例えば、表示部122に図18に示すウインドウ20129のような画面を表示させ、変更可否の判断をユーザに仰ぐ形態としてもかまわない。なお、この例においては、Yesボタン20130がユーザにより押下された場合には、S223に係る処理を実行させ、Noボタン20131が押下された場合には、S113に係る処理を実行させるものである。
【0139】
ところで、S114において、Webアプリケーションオブジェクトは、表示部122を介して表示された操作画面上の適用ボタン10127bが押下されたか否かを判断する。ここで、適用ボタン10127bが押下された場合(S114 Y)、Webアプリケーションオブジェクトによる処理はS115へ移行する。一方、適用ボタン10127bが押下されない場合(S114 N)、Webアプリケーションオブジェクトによる処理は、S116へ移行する。
【0140】
適用ボタン10127bが押下された場合(S114 Y)、Webアプリケーションオブジェクトは、記憶部124内の変数群ステータス情報に格納されたステータス情報を、装置制御部(CPU)125がプリンタ20内の不揮発性メモリ1013に格納可能な定型フォーマットにエンコードし、ネットワークインターフェイス123を介してプリンタ20へ送信させる。
【0141】
ところで、適用ボタン10127bが押下されない場合(S114 N)、Webアプリケーションオブジェクトは、表示部122を介して表示された操作画面上の取消ボタン10128bが押下されたか否かを判断する。ここで、取消ボタン10128bが押下された場合(S116 Y)、Webアプリケーションオブジェクトによる処理はS117へ移行する。一方、取消ボタン10128bが押下されない場合(S116 N)、Webアプリケーションオブジェクトによる処理は、S118へ移行する。
【0142】
取消ボタン10128bが押下された場合(S116 Y)、Webアプリケーションオブジェクトは、ペイン10125bにおいて、入力部121を介して変更されたステータスの変更情報をリセットし、変更前の状態に戻す(S117)。すなわち、Webアプリケーションオブジェクトは、記憶部124内の変数群ステータス情報Bの内容を変数群ステータス情報Aにコピーする。記憶部124のステータス情報が変更前の状態にリセットされると、ペイン10125bの表示も変更前の表示に書き換わる。
【0143】
一方、取消ボタン10128bが押下されない場合(S116 N)、Webアプリケーションオブジェクトは、Webブラウザの終了・他のWebページへの移動などによる終了信号を検出する。ここで、Webブラウザの終了・他のWebページへの移動などによる終了信号を検出した場合(S118 Y)、Webアプリケーションオブジェクトは処理を終了し、検出しなかった場合(S118 N)、Webアプリケーションオブジェクトによる処理はS113へ移行する。
【0144】
以上のように、第2の実施形態によれば、ネットワークコントローラ部がステータス確認要求を受信したときは、ネットワークコントローラ部が保持しているステータス情報よりステータス確認要求を送信したネットワーク機器が保持するステータス情報が古いと判断したとき、ネットワークコントローラ部が保持しているステータス情報を返答することで、第1の実施形態に係る効果に加え、ネットワーク機器上に保持されたステータス情報が最新のものに更新される効果を得ることができる。
【0145】
本実施形態の説明においては、画像形成装置としてプリンタを一例として説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、スキャナ、FAX等を搭載したMFPなど、装置内のステータス情報をネットワークコントローラにより外部から少なくとも参照・更新のどちらかが行われるその他の装置に対しても適用可能である。
【0146】
また、本実施形態の説明において、画像形成装置のステータス情報を参照・変更するツールとして、Webブラウザ上のWebアプリケーションを取り扱ったが、本発明では、ユーザと対話しながらネットワーク機器と画像形成装置との間で通信を行うことができるものであればよく、ネットワーク機器に予め組み込まれたクライアントアプリケーションを用いる形態としても構わない。なお、本実施形態の説明で用いた図、文章中に含まれるURL・固有のステータス情報等は、本発明を限定するものではない。
【符号の説明】
【0147】
10,20 プリンタ
11 LANネットワーク
12a,12b,12c ネットワーク機器
101,201 ネットワークコントローラ部
1011 ネットワーク制御部(CPU/メモリ)
1012,2012 Webサーバプログラム格納部
1013 不揮発性メモリ
102 装置制御部(CPU/ASIC)
103 画像処理部(CPU/ASIC)
104 メモリ
105 画像形成部
106 装置情報管理部
107 電源制御部
121 入力部
122 表示部
123 ネットワークインターフェース
124 記憶部
125 装置制御部(CPU)
126 Webブラウザアプリケーション
2014 計時部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部機器との通信を行う通信部と、
前記通信部で受信した画像データに対して画像形成に適した処理を施す画像処理部と、
前記画像処理部において処理された画像データの画像形成を行う画像形成部と、
前記通信部、前記画像処理部、又は前記画像形成部への電力供給を制御する電源制御部とを有する画像形成装置であって、
前記通信部は、当該画像形成装置のステータス情報を記憶する記憶部と前記外部機器と通信を行うサーバ部とを備え、
前記電源制御部は、待機時における省電力モードのときには、前記通信部のみに電力を供給し、前記サーバ部は、前記外部機器からの前記ステータス情報の参照要求・変更要求に応答すること
を特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記記憶部は、前記外部機器に送信するクライアントアプリケーションオブジェクトを記憶し、
前記通信部は、前記クライアントアプリケーションオブジェクトの送信要求である第1参照要求と、前記ステータス情報の送信要求である第2参照要求とを受付けること
を特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記通信部は、前記第2参照要求を受付けて前記ステータス情報を送信するとともに、前記ステータス情報に反映されていないステータス情報変更要求を送信すること
を特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記画像処理部は、画像形成が可能な通常モードのときに、当該画像形成装置のステータス情報を表すステータス情報オブジェクトを作成するとともに、前記記憶部に記憶させ、
前記通信部は、省電力モードのときの前記画像処理部の動作が制限された状態で、前記外部機器から前記ステータス情報の参照要求を受けると、前記記憶部に記憶された前記ステータス情報オブジェクトと、前記ステータス情報に反映されていないステータス情報変更要求とを送信すること
を特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記クライアントアプリケーションオブジェクトは、前記通信部が送信した前記ステータス情報に対して前記変更要求を反映させるパッチ処理手段と、該パッチ処理手段がパッチ処理を施したステータス情報を出力する出力手段を有し、
前記通信部は、省電力モードのときの前記画像処理部の動作が制限された状態で、前記外部機器から前記ステータス情報の参照要求を受けると、前記記憶部に記憶された前記クライアントアプリケーションオブジェクトを送信した後で、前記ステータス情報を送信するとともに、前記ステータス情報に反映されていないステータス情報変更要求を送信すること
を特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5の何れか1項記載の画像形成装置と、該画像形成装置と通信する外部機器とを有する画像形成システムであって、
前記外部機器は、前記クライアントアプリケーションオブジェクトを受信する受信部と、
受信した前記クライアントアプリケーションオブジェクトを解釈して、前記ステータス情報の少なくとも一部分を表示する表示部と、
前記表示部を介して表示された前記ステータス情報の変更を受付ける入力部と、
前記入力部を介して受付けた前記ステータス情報の変更要求を前記画像形成装置に送信する送信部とを備えること
を特徴とする画像形成システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate


【公開番号】特開2012−196770(P2012−196770A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−60445(P2011−60445)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】