説明

画像形成装置及び画像形成装置の制御用プログラム

【課題】不定形サイズ記録紙を使用する画像形成でサイズの取得を容易に実行する。
【解決手段】不定形サイズの記録紙が載置可能であって、定形サイズの記録紙のサイズを識別可能な情報を出力するトレイ132と、トレイに不定形サイズの記録紙が載置された場合、トレイからの情報を参照して定形サイズの記録紙サイズ検知の制御を行うことにより前記不定形サイズの記録紙の概略サイズを取得し、予め登録されている不定形サイズに対応する情報を概略サイズに応じて表示する制御を行うCPU101と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不定形サイズの記録紙を取り扱うことが可能な画像形成装置と、画像形成装置の制御用プログラムとに関する。
【背景技術】
【0002】
記録紙にトナー像などの画像を形成する画像形成装置では、記録紙の縦・横の大きさに関するサイズ情報は、定形サイズ記録紙の場合には、記録紙が載置される給紙トレイ(以下、単にトレイと呼ぶ)などで自動的に検知したサイズ情報を使用することが一般的に行われている。
【0003】
なお、この種のトレイでは、定形サイズの記録紙のサイズを識別可能な位置に配置されたセンサを有しており、このセンサの情報を画像形成装置本体側に出力している。したがって、記録紙サイズを正確に検知しているわけではなく、大まかな検知結果に基づいて、異なるサイズの定形サイズを識別するものである。
【0004】
また、定形サイズ以外の不定形サイズの記録紙を用いることもある。
このため、不定形サイズの記録紙が載置可能なトレイを有する画像形成装置であって、不定形サイズの記録紙が載置される場合には、そのトレイは不定形トレイであるとの設定が可能な画像形成装置も存在している。
【0005】
なお、このような不定形サイズの記録紙を用いる場合に記録紙サイズの入力や設定に誤りがあると、給紙や搬送の際にジャムなどの不具合を発生する要因になる。
そこで、このような不定形サイズの記録紙がトレイにセットされた場合には、以下の特許文献1〜特許文献3に記載されたような工夫が提案されている。
【特許文献1】特開2000−125083号公報(第1頁、図1)
【特許文献2】特開平6−23942号公報(第1頁、図1)
【特許文献3】特開平11−79472号公報(第1頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上の特許文献1では、予めユーザが記録紙サイズを測定し、装置本体側に、トレイ毎の記録紙サイズデータを設定(数値入力)しておく。そして、不定形トレイであるとの選択がなされたトレイに記録紙がセットされた場合には、装置本体側にトレイ毎に設定されたサイズデータを給紙時に参照するようにしている。
【0007】
また、以上の特許文献2では、プラテン上に転写紙を一旦載置してスキャンし、記録紙サイズを測定するようにしている。この場合、スキャナを備えた複写機である必要があり、また、記録紙をプラテン上に載置する手間と、スキャンする手間とが必要になる。
【0008】
また、以上の特許文献3では、画像形成せずに転写紙を画像形成装置内を通過させて、記録紙サイズを測定するようにしている。この場合、主走査方向には正確に測定するための新たなセンサが必要になり、白紙の記録紙1枚を出力させる必要がある。
【0009】
このように、特許文献1乃至3のような工夫により不定形記録紙のサイズの取得を行うことができる。しかしながら、画像形成装置における不定形記録紙のサイズの設定は、通常、トレイ毎に行われる。そのため、例えば、画像形成装置が具備される複数のトレイで同じ大きさの不定形記録紙を使用したい場合には、上記のような種々の問題があるにも関わらず、複数回、不適系記録紙のサイズの取得を行う必要がある。また、例えば、あるトレイに対し不定形記録紙のサイズを設定した後に、設定したサイズとは異なるサイズの記録紙をそのトレイで使用し、再度、先に設定した不定形サイズと同じサイズの不定形記録紙を使用する場合にも、上記のような種々の問題があるにも関わらず、再度、不定形サイズの取得を行う必要がある。
【0010】
なお、トレイに不定形サイズの記録紙でも正確に測定できるセンサを配置することでも対処することが可能であるが、トレイにセンサを追加または正確に測定できるセンサを採用するためのコスト上昇、画像形成装置本体側ではトレイからのデータ受け入れ対応のためのコスト上昇などが発生する問題がある。
【0011】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであって、不定形サイズの記録紙を使用可能な画像形成において、サイズの取得を容易に実行することが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
以上の課題を解決する本発明は、以下に記載するようなものである。
(1)請求項1記載の発明は、画像データに応じた画像を記録紙上に形成して出力する画像形成装置であって、不定形サイズの記録紙が載置可能であって、定形サイズの記録紙のサイズを識別可能な情報を出力するトレイと、前記トレイに不定形サイズの記録紙が載置された場合、前記トレイからの情報を参照して定形サイズの記録紙サイズ検知の制御を行うことにより前記不定形サイズの記録紙の概略サイズを取得し、予め登録されている不定形サイズに対応する情報を前記概略サイズに応じて表示する制御を行う制御手段と、を有することを特徴とする画像形成装置である。
【0013】
(2)請求項2記載の発明は、前記制御手段は、予め登録されている不定形サイズに対応する情報として、予め登録されている不定形サイズを表示する制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置である。
【0014】
(3)請求項3記載の発明は、前記制御手段は、予め登録されている不定形サイズに対応する情報を前記概略サイズに近い大きさの順番で表示する制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置である。
【0015】
(4)請求項4記載の発明は、前記トレイは不定形サイズの記録紙が載置される不定形トレイであるとの設定が可能であり、前記制御手段は、前記トレイが不定形トレイであると設定された場合に、予め登録されている不定形サイズに対応する情報を前記概略サイズの大きさに応じて表示する制御を行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置である。
【0016】
(5)請求項5記載の発明は、前記制御手段は、前記トレイに不定形サイズの記録紙が載置されたことを示す通知を受けた場合に、予め登録されている不定形サイズに対応する情報を前記概略サイズに応じて表示する制御を行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置である。
【0017】
(6)請求項6記載の発明は、前記制御手段は、前記トレイに載置された記録紙が不定形サイズであると認識された場合に、予め登録されている不定形サイズに対応する情報を前記概略サイズの大きさに応じて表示する制御を行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置である。
【0018】
(7)請求項7記載の発明は、前記制御手段は、前記トレイに不定形サイズの記録紙がセットされた場合に、前記トレイからの情報を参照して定形サイズの記録紙サイズ検知の制御を行い、前記記録紙サイズ検知によって検知された概略サイズが現在前記トレイに設定されている不定形サイズに対応する概略サイズと異なる場合に、予め登録されている不定形サイズに対応する情報を検知された概略サイズに応じて表示する制御を行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置である。
【0019】
(8)請求項8記載の発明は、前記制御手段は、予め登録されている不定形サイズに対応する情報を前記概略サイズに応じて選択肢として表示し、該選択肢の選択を受け付ける制御を行うことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置である。
【0020】
(9)請求項9記載の発明は、前記制御手段は、前記選択肢の選択に基づき、前記不定形サイズの記録紙のサイズを設定することを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置である。
【0021】
(10)請求項10記載の発明は、前記トレイが不定形トレイであるとの選択と、前記選択肢についての選択の入力を受け付ける操作入力部と、前記選択肢を表示する表示部と、をさらに備えることを特徴とする請求項8又は9に記載の画像形成装置である。
【0022】
(11)請求項11記載の発明は、ネットワークを介して他の機器と情報の授受を行うインタフェースを備え、前記トレイが不定形トレイであるとの選択と前記選択肢についての選択の入力をネットワークを介して他の機器から受け付け、前記選択肢をネットワークを介して他の機器に表示する、ことを特徴とする請求項8乃至請求項10のいずれかに記載の画像形成装置である。
【0023】
(12)請求項12記載の発明は、画像データに応じた画像を記録紙上に形成して出力する画像形成装置の制御用プログラムであって、不定形サイズの記録紙が載置可能であって、定形サイズの記録紙のサイズを識別可能な情報を出力するトレイに不定形サイズの記録紙がセットされた場合、前記トレイからの情報を参照して定形サイズの記録紙サイズ検知の制御を行うことにより前記不定形サイズの記録紙の概略サイズを取得し、予め登録されている不定形サイズに対応する情報を前記概略サイズに応じて表示する制御を行うステップを前記画像形成装置に実行させることを特徴とする画像形成装置の制御用プログラムである。
【発明の効果】
【0024】
本発明によると以下のような効果が得られる。
(1)請求項1及び12記載の発明では、トレイに不定形サイズの記録紙が載置された場合、前記トレイからの情報を参照して定形サイズの記録紙サイズ検知の制御を行うことにより前記不定形サイズの記録紙の概略サイズを取得し、予め登録されている不定形サイズに対応する情報を前記概略サイズに応じて表示する制御を行うので、不定形サイズの取得を容易に実行することが可能になる。
【0025】
(2)請求項2記載の発明では、予め登録されている不定形サイズに対応する情報として、予め登録されている不定形サイズを表示する制御を行うので、不定形サイズの取得を容易に実行することが可能になると共に、ユーザが容易にトレイに載置された不定形サイズの記録紙に近い不定形サイズを認識することができる。
【0026】
(3)請求項3記載の発明では、予め登録されている不定形サイズに対応する情報を概略サイズに近い大きさの順番で表示する制御を行うので、不定形サイズの取得を容易に実行することが可能になると共に、ユーザが更に容易にトレイに載置された不定形サイズの記録紙に近い不定形サイズを認識することができる。
【0027】
(4)請求項4記載の発明では、トレイが不定形トレイであると設定された場合に、予め登録されている不定形サイズに対応する情報を概略サイズの大きさに応じて表示する制御を行うので、不定形サイズの取得を容易に実行することが可能になると共に、使い勝手を向上させることができる。
【0028】
(5)請求項5記載の発明では、トレイに不定形サイズの記録紙が載置されたことを示す通知を受けた場合に、予め登録されている不定形サイズに対応する情報を概略サイズに応じて表示する制御を行うので、不定形サイズの取得を容易に実行することが可能になると共に、使い勝手を向上させることができる。
【0029】
(6)請求項6記載の発明では、トレイに載置された記録紙が不定形サイズであると認識された場合に、予め登録されている不定形サイズに対応する情報を概略サイズの大きさに応じて表示する制御を行うので、予め登録されている不定形サイズに対応する情報を概略サイズに応じて表示する制御を行うので、不定形サイズの取得を容易に実行することが可能になると共に、使い勝手を向上させることができる。
【0030】
(7)請求項7記載の画像形成装置の発明では、トレイに不定形サイズの記録紙がセットされた場合に、トレイからの情報を参照して定形サイズの記録紙サイズ検知の制御を行い、記録紙サイズ検知によって検知された概略サイズが現在トレイに設定されている不定形サイズに対応する概略サイズと異なる場合に、予め登録されている不定形サイズに対応する情報を検知された概略サイズに応じて表示する制御を行うので、不定形サイズの取得を容易に実行することが可能になると共に、使い勝手を向上させることができる。
【0031】
(8)請求項8記載の画像形成装置の発明では、予め登録されている不定形サイズに対応する情報を概略サイズに応じて選択肢として表示し、該選択肢の選択を受け付ける制御を行うので、不定形サイズの設定を容易に実行することができる。
【0032】
(9)請求項9記載の画像形成装置の発明では、選択肢の選択に基づき、不定形サイズの記録紙のサイズを設定しているので、不定形サイズの設定を容易に実行することができる。
【0033】
(10)請求項10記載の画像形成装置の発明では、トレイが不定形トレイであるとの選択と、選択肢についての選択の入力を受け付ける操作入力部と、選択肢を表示する表示部と、をさらに備えるので、不定形サイズの設定を容易に実行することができる。
【0034】
(11)請求項11記載の画像形成装置の発明では、トレイが不定形トレイであるとの選択と選択肢についての選択の入力をネットワークを介して他の機器から受け付けることができ、選択肢をネットワークを介して他の機器に表示するすることができるので、使い勝手を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態)を詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態の画像形成装置として、複写機の電気的構成を示す回路構成図である。また、図3は本発明の実施形態の画像形成装置を適用可能な複写機の外観構成を示す斜視図である。
【0036】
図1において、101は装置全体を制御する制御手段としてのCPU、102は画像形成装置の設定の操作をユーザあるいはオペレータが入力する操作入力部、103は装置の状態をユーザやオペレータに対して表示する表示部である。なお、ここでは、操作の入力と表示とを個別に行う操作入力部と表示部とを示したが、両方を行う操作表示部の構成であってもよい。104は画像形成に関する各種情報を保持する情報保持部である。
【0037】
105は外部の機器との各種データの授受を行うためのインタフェース(I/F)である。なお、このインタフェース105は、外部機器とケーブルなどで直結される場合や、ネットワークを介する場合のいずれであってもよい。
【0038】
110は原稿の画像情報を光学的にスキャンして読み取って画像データを生成するスキャナであり、原稿の画像をスキャンして画像データを生成する画像読み取り部と、この画像読み取り部に対して原稿を自動的に給送する自動原稿給送手段(ADF)とを備えて構成されている。なお、このスキャナ110では、原稿載置部111(図3参照)に載置された原稿を自動的に給送しつつスキャンして画像データを生成する場合と、プラテンガラス上に1枚ずつ原稿をユーザが載置してスキャンして画像データを生成する場合との、二通りのスキャンが可能である。ここで、原稿がプラテンガラス上に読み取り面を下に向けた状態に載置された場合には、読み取り光学系はプラテンガラスに沿って走査して読み取りを行う。また、原稿が自動給送される場合には、読み取り光学系が固定された状態で読み取りを行う。
【0039】
120はスキャナ110で読み取って得られた画像データに所定の画像処理を施す画像処理部であり、必要に応じて画像データを保持するための所定の容量の画像メモリを有していてもよい。なお、ここで、画像メモリは、半導体メモリだけではなく、ハードディスク装置などでもよい。
【0040】
130は画像データに応じた画像(トナー像)を記録紙上に形成して出力するプリントエンジンであり、所望の記録紙を画像形成部に対して給紙する給紙部としての給紙トレイ132(給紙トレイ132a〜132d)と、給紙された記録紙を所定の速度で搬送する搬送部134と、画像データに応じたレーザビームを発生する画像書き込み部136と、レーザビームに応じた潜像からトナー像を生成して記録紙に転写する画像形成部138と、を備えて構成されている。
【0041】
ここで、給紙トレイ132a〜132d(図3参照)には、それぞれ所定のサイズの記録紙が載置されており、A4,B4,A4Rなどの定形サイズのほかに、定形サイズに分類されない不定形サイズの記録紙が載置されていることもありうる。
【0042】
なお、この実施形態では、各給紙トレイは、不定形サイズの記録紙も載置可能であって、不定形サイズの記録紙が載置される場合には不定形トレイであるとの設定が画像形成装置本体側から可能であるとする。なお、本実施形態における不定形トレイであるとの設定とは、そのトレイに不定形サイズの記録紙を載置することを設定することをいう。また、各給紙トレイは、定形サイズの記録紙のサイズを識別可能な情報を出力するよう構成されている。
【0043】
ここで、図4に示すように、給紙トレイ132は、給紙方向と直交する記録紙幅方向(図4a)を規制する側面ガイド板1321aと1321bとを備えている。この側面ガイド板1321aと1321bとは記録紙の幅方向にあわせて自在に動かすことが可能であり、可変抵抗器などを用いて、記録紙幅方向のデータは抵抗値の連続的な変化として画像形成装置本体に通知される。
【0044】
また、給紙方向(記録紙長さ方向)の後端側には、記録紙長さ方向に合致する位置の候補として、後端ガイド1323を設置するための後端ガイド穴1322a〜1322gが設けられている。なお、いずれかの後端ガイド穴に設置された後端ガイド1323の位置情報は、定形サイズを識別するための大まかな位置情報として、画像形成装置本体に通知される。
【0045】
例えば、A4Rサイズの記録紙とA5サイズの記録紙とは、記録紙幅は同一であるが、記録紙長さが大きく異なっている。このため、記録紙長さ方向のデータは大まかな分解能であっても問題なく識別が可能になっている。同様に、B4RとB5、A3とA4なども、記録紙幅は同一であるが、記録紙長さが大きく異なっているため、記録紙長さ方向のデータは大まかな分解能であっても問題なく識別が可能になっている。
【0046】
したがって、この給紙トレイ132からの記録紙幅方向の連続的なデータと、記録紙長さ方向の大まかな分解能のデータとにより、画像形成装置本体側では、定形サイズの記録紙のサイズを識別することは可能に構成されている。
【0047】
なお、この場合に不定形サイズの記録紙に対応するため後端ガイド穴がさらに細かく設けられている場合であっても、記録紙長さ方向としては、上述した定形サイズ検知に最低限必要な大まかな位置情報を出力できればよい。
【0048】
なお、後端ガイドに関しても、記録紙の長さ方向にあわせて自在に動かすことが可能であり、可変抵抗器などを用いて、記録紙長さ方向のデータを抵抗値の連続的な変化として画像形成装置本体に通知する方式の機構を設けることも可能である。
【0049】
〈第一の動作例〉
以下、本実施形態の画像形成装置の動作について、図2のフローチャートを参照して第一の動作例として説明を行う。ここでは、不定形サイズの記録紙が載置されるトレイに新たに記録紙を載置した場合の動作について説明する。
【0050】
まず、画像形成装置において、いずれかのトレイが不定形サイズの記録紙が載置可能であって、不定形サイズの記録紙が載置されるものとして「不定形トレイ」であるとの設定がなされているとする。この不定形トレイとしての設定は、どのトレイが不定形トレイであるかというトレイ属性データとして、CPU101によって情報保持部104に保持されている。
【0051】
ここで、ユーザが画像形成装置の不定形トレイに記録紙をセットしたとする(図2S1)。なお、ここでの「ユーザ」とは、画像形成装置の実際の使用者に限られず、当該画像形成装置が設置されている場所において、記録紙を補給する作業を行う者すべてを指している。
【0052】
不定形トレイの画像形成装置本体からの引き出しと挿入とを検知したCPU101は、当該トレイ上に記録紙が存在していれば、その記録紙について定形サイズ検知を実行する。すなわち、不定形トレイからの記録紙幅方向の連続的なデータと、記録紙長さ方向の大まかな分解能のデータとにより、CPU101は、定形サイズの記録紙のサイズを識別するためのサイズ検知を実行する(図2S2)。なお、ここでは、不定形トレイに不定形サイズの記録紙が載置されているので、この段階での定形サイズ検知は実際には不定形記録紙の「概略サイズ検知」となる。
【0053】
ここで、CPU101は、既に不定形サイズの記録紙の登録がなされているかを調べる(図2S3)。実際には、CPU101は、情報保持部104に、不定形サイズの登録済みデータが存在するかを調べる。
【0054】
また、ここで、既に不定形サイズの記録紙の登録がなされている場合には(図2S3でY)、CPU101は、さきほどの「概略サイズ検知」の実行により得られた不定形サイズ記録紙の概略サイズを参照し、検知された概略サイズに近い順に、予め登録されている不定形サイズを選択肢として表示する(図2S4)。なお、この場合、検知された概略サイズに近い順であって、かつ、検知された概略サイズと合致している可能性のある不定形サイズを選択肢として表示する。
【0055】
この場合、CPU101は、まず、不定形トレイからの記録紙幅方向の連続的なデータと、記録紙長さ方向の大まかな分解能のデータとにより、検知された概略サイズと合致している可能性のある不定形サイズを選択肢として選びだす。そして、CPU101は、まず、不定形トレイからの記録紙幅方向の連続的なデータを参照して、不定形サイズの選択肢の中で、概略サイズに近い順になるような選択肢の並べ替えを行う。
【0056】
たとえば、CPU101は表示部103に、図5に示すように登録済み一覧画面として、既に登録されている不定形サイズを表示すると共に、その不定形サイズの中で、検知された概略サイズに近い順に、検知された概略サイズと合致している可能性のある不定形サイズを選択肢として表示する。
【0057】
この図5の例では、5つの不定形サイズに、“A4min(1)290x200”,“A4min(2)285x199”,“A4over300x215”,“A3over430x300”,“A3over440x310”,というように名称が付されて登録された様子を示している。
【0058】
そして、この図5の例では、後端ガイド1323がA4に対応する位置に設けられた場合の例であり、3つの不定形サイズ、“A4min(1)290x200”,“A4min(2)285x199”,“A4over300x215”が検知された概略サイズと合致している可能性のある不定形サイズであり選択肢としてアクティブ状態に表示され、さらに、検知された概略サイズに近い順に選択肢として表示された様子を示している。
【0059】
なお、この図5の例では、2つの不定形サイズ、“A3over430x300”,“A3over440x310”が検知された概略サイズと合致していない不定形サイズであり、選択肢としては非アクティブ状態に表示されているが、この選択肢表示画面で表示しないようにすることも可能である。
【0060】
そして、CPU101は、このように表示部103に表示した選択肢について、操作入力部102あるいは表示部103と一体のタッチパネルなどからの入力を受け付けており、いずれかの選択肢がユーザによって選択され(図2S5でY)、「OK」のアイコンがクリックされると、トレイに載置された記録紙のサイズとして選択された選択肢により設定を行う(図2S6)。
【0061】
この結果、不定形サイズの記録紙を使用する画像形成において、予め登録されている不定形サイズが、記録紙サイズ検知によって検知された概略サイズに近い大きさの順番で選択肢として表示されていて選択することが可能な状態になるため、不定形サイズの取得を容易に実行することが可能になる。
【0062】
なお、このように表示部103に表示された選択肢の中からの選択がなされない場合(図2S5でN)には、ユーザは図5の下部中央付近の「数値入力」のアイコンをクリックする。
【0063】
この場合、CPU101は、表示部103に、図6に示すように数値入力の画面を表示し、操作入力部102あるいは表示部103と一体のタッチパネルなどから、不定形サイズについての数値入力を受け付ける(図2S7)。
【0064】
なお、ユーザの希望に応じて(図2S8)、この数値入力された不定形サイズについてサイズ登録(図2S9)することが可能である。すなわち、今回数値入力された不定形サイズについて登録するとのユーザの希望があれば、CPU101は、情報保持部104に、不定形サイズの登録済みデータとして保持する。
【0065】
以上のようにして、選択肢表示画面で表示された選択肢についての選択、あるいは、数値入力による設定のいずれかによって、不定形トレイに載置された記録紙のサイズについての不定形サイズの設定をCPU101が完了する(図2S10)。
【0066】
次に、不定形サイズとして上記動作例で説明したサイズとは異なるサイズが登録されている場合を例にとり、上述したフローチャートにおける選択肢の表示(図2S4)を更に詳細に説明する。
【0067】
なお、この例においては、図4に示される給紙トレイ132と同様な構成において、後端ガイド穴として、1322a〜1322cの3つの穴が設けられており、それぞれの穴が、記録紙長さ方向のサイズとして、各々200mm、300mm、400mmに対応するものを想定する。そして、ここでは、後端ガイド1323が後端ガイド穴1322aに設けられ、側面ガイド板1321a及び1321bにより得られる記録紙幅方向のデータが172mmを示している場合を想定する。
【0068】
図7は、図2のステップS4のルーチンの詳細を示したフローチャートである。また、図8は、図2のステップS4を実行する際に、CPU101が参照するテーブルを示す状態図である。
【0069】
この図8に示されるテーブルは、CPU101内に設けられている図示しない不揮発メモリやレジスタに記憶されているものとする。また、不定形サイズとして不定形(1)から不定形(11)までの11種類のサイズ(80×180等)が、名前(不定形(1)〜不定形(11))と対応づけて記憶されている。なお、各不定形サイズは、不定形記録紙の記録紙幅方向の長さにより横区分A〜Cの3つの区分に、記録紙長さ方向の長さにより縦区分I,II,IIIの3つの区分に分類分けされて記憶されているものとする。なお、記録紙幅方向のデータには誤差が含まれている可能性があるため、以上のように複数の区分のいずれかに含まれるように判断を行う。同様に、記録紙長さ方向のデータも大まかなステップでしか得られないため、以上のような複数の区分で判断を行う。
【0070】
図7に示すように、CPU101は、側面ガイド板1321aと1321bにより得られる記録紙幅方向のデータに基づき記録紙幅方向の長さを検知し、記録紙幅方向の長さが横区分のうちのどの区分に該当するかを判断し、横区分を決定する(図7S41)。具体的には、図8に示すテーブルを参照し、記録紙幅方向の長さが100mm以下である横区分Aに該当するのか、100mmより大きく200mm以下である横区分Bに該当するのか、200mmより大きい横区分Cに該当するのかを決定する。
【0071】
ここで、記録紙幅方向のデータは172mmを示しているので、CPU101は、横区分はBであると決定する。この横区分の決定に基づき、CPU101は、予め登録されている不定形サイズのうち、表示する不定形サイズとしては、横区分Bに属する不定形(2)、不定形(3)、不定形(4)、不定形(7)及び不定形(10)の5種類であると決定する。
【0072】
次に、CPU101は、記録紙長さ方向の大まかな分解能のデータに基づき、不定形サイズ記録紙の記録紙長さ方向の概略長さが縦区分のうちのどの区分に該当するかを判断し、縦区分を決定する(図7S42)。具体的には、図8に示すテーブルを参照し、記録紙長さ方向のデータに基づき、記録紙長さ方向の概略長さが、200mmである縦区分Iに該当するのか、300mmである縦区分IIに該当するのか、400mmである縦区分IIIに該当するのかを決定する。ここで、記録紙長さ方向のデータは200mmを示しているので、CPU101は、縦区分はIと決定する。
【0073】
次に、CPU101は、縦区分Iかつ横区分Bに属する不定形サイズの種類(名前とサイズ)を記録紙幅方向の長さに近い順に表示する(図7S43)。つまり、本動作例では、不定形(3)、不定形(4)、不定形(2)の順に表示する。
【0074】
次に、CPU101は、上述したステップS41で決定された横区分Bに属する全ての不定形サイズの表示が完了したかを判断し(図7S44)、完了したと判断した場合(図7S44でY)には、このルーチンを終了する。
【0075】
一方、不定形サイズの表示が完了していないと判断される場合(図7S44でN)には、CPU101は、縦区分を記録紙長さ方向の長さに近い順に一つずらし、横区分Bに属する不定形サイズの種類(名前とサイズ)を記録紙幅方向の長さに近い順に表示する(図7S43)。
【0076】
結果として、以上の図7と図8とで説明した選択肢表示ルーチンにおける本動作例では、不定形(3)、不定形(4)、不定形(2)、不定形(7)、不定形(10)の順に選択肢が表示部103に表示される。
【0077】
なお、この例においては、横区分Bに属する不定形サイズの種類のみを表示する例を説明したが、図5で説明したように、横区分Bに属する不定形サイズをアクティブ状態で表示すると共に他の横区分に属する不定形サイズの種類を非アクティブ状態で表示してもよい。なお、この例のように、横区分Bに属する不定形サイズの種類のみを表示することにより、ユーザがサイズを選択する際の選択肢を減らすことができ、より不定形サイズの設定の効率化を図ることができる。
【0078】
以上のように、不定形サイズの記録紙を使用する画像形成において、予め登録されている不定形サイズが、記録紙サイズ検知によって検知された定形サイズに近い大きさの順番で選択肢として表示部103に表示されていて、操作入力部102にて選択することが可能な状態になるため、複写機などの画像形成装置で不定形サイズの取得を容易に実行することが可能になる。
【0079】
そして、以上のような動作により、過去に使用した不定形サイズの記録紙と同じサイズの記録紙を用いる場合には、プラテン上で転写紙をスキャンする手間や、画像形成せずに転写紙を画像形成装置内を通過させて記録紙サイズを測定する手間や、トレイに不定形サイズの記録紙でも正確に測定できるセンサ、などは必要なく、不定形サイズの取得を容易に実行することが可能になる。
【0080】
〈第二の動作例〉
以下、本実施形態の画像形成装置の動作について、図9のフローチャートを参照して第二の動作例として説明を行う。
【0081】
ここでは、不定形サイズの記録紙が載置可能であるものの、不定形トレイの設定はなされていない状態のトレイに、ユーザによって新たに記録紙が載置された場合の動作について説明する。なお、この状態のトレイを便宜上、不定形可能トレイと呼ぶことにする。
【0082】
この場合、不定形可能トレイのトレイ属性データとして、不定形サイズの記録紙の取り扱いが可能であるが、不定形トレイとしての設定がなされていない状態にあることが、CPU101によって情報保持部104に保持されている。
【0083】
ここで、ユーザが画像形成装置の不定形可能トレイに記録紙をセットしたとする(図9S1)。なお、ここでの「ユーザ」とは、画像形成装置の実際の使用者に限られず、当該画像形成装置が設置されている場所において、記録紙を補給する作業を行う者すべてを指している。
【0084】
ここで、不定形可能トレイの画像形成装置本体からの引き出しと挿入とを検知したCPU101は、不定形サイズの記録紙を載置したとのユーザからの意思表示が操作入力部102になされない場合(図9S2でN)、当該トレイ上に記録紙が存在していれば、その記録紙について定形サイズ検知を実行する。
【0085】
すなわち、不定形可能トレイからの記録紙幅方向の連続的なデータと、記録紙長さ方向の大まかな分解能のデータとにより、CPU101は、定形サイズの記録紙のサイズを識別するためのサイズ検知を実行する(図9S3)。以上のようにして、不定形可能トレイに載置された定形サイズの記録紙についての定形サイズの設定をCPU101が完了する(図9S4)。
【0086】
一方、不定形可能トレイの画像形成装置本体からの引き出しと挿入とを検知したCPU101は、不定形サイズの記録紙を載置したとのユーザからの意思表示が操作入力部102になされなた場合(図9S2でY)、当該トレイ上に記録紙が存在していれば、その記録紙について定形サイズ検知を実行する(図9S5)。なお、ここでは、不定形可能トレイに不定形サイズの記録紙が載置されているので、この段階での定形サイズ検知は実際には「概略サイズ検知」となる。
【0087】
ここで、CPU101は、既に不定形サイズの記録紙の登録がなされているかを調べる(図9S6)。実際には、CPU101は、情報保持部104に、不定形サイズの登録済みデータが存在するかを調べる。
【0088】
ここで、既に不定形サイズの記録紙の登録がなされている場合には(図9S6でY)、CPU101は、さきほどの「概略サイズ検知」の実行により得られた不定形サイズ記録紙の概略サイズを参照し、検知された概略サイズに近い順に、予め登録されている不定形サイズを選択肢として表示する(図9S7)。なお、この場合、検知された概略サイズに近い順であって、かつ、検知された概略サイズと合致している可能性のある不定形サイズを選択肢として表示する。
【0089】
この場合、CPU101は、まず、不定形可能トレイからの記録紙幅方向の連続的なデータと、記録紙長さ方向の大まかな分解能のデータとにより、検知された概略サイズと合致している可能性のある不定形サイズを選択肢として選びだす。そして、CPU101は、まず、不定形可能トレイからの記録紙幅方向の連続的なデータを参照して、不定形サイズの選択肢の中で、概略サイズに近い順になるような選択肢の並べ替えを行う。
【0090】
たとえば、CPU101は表示部103に、図5に示すように登録済み一覧画面として、既に登録されている不定形サイズを表示すると共に、その不定形サイズの中で、検知された概略サイズに近い順に、検知された概略サイズと合致している可能性のある不定形サイズを選択肢として表示する。
【0091】
この図5の例では、5つの不定形サイズに、“A4min(1)290x200”,“A4min(2)285x199”,“A4over300x215”,“A3over430x300”,“A3over440x310”,というように名称が付されて登録された様子を示している。
【0092】
そして、この図5の例では、3つの不定形サイズ、“A4min(1)290x200”,“A4min(2)285x199”,“A4over300x215”が検知された概略サイズと合致している可能性のある不定形サイズであり選択肢としてアクティブ状態に表示され、さらに、検知された概略サイズに近い順に選択肢として表示された様子を示している。
【0093】
なお、この図5の例では、2つの不定形サイズ、“A3over430x300”,“A3over440x310”が検知された概略サイズと合致していない不定形サイズであり、選択肢としては非アクティブ状態に表示されているが、この選択肢表示画面で表示しないようにすることも可能である。
【0094】
そして、CPU101は、このように表示部103に表示した選択肢について、操作入力部102あるいは表示部103と一体のタッチパネルなどからの入力を受け付けており、いずれかの選択肢がユーザによって選択され(図9S8でY)、「OK」のアイコンがクリックされると、トレイに載置された記録紙のサイズとして選択された選択肢により設定を行う(図9S9)。
【0095】
この結果、不定形サイズの記録紙を使用する画像形成において、予め登録されている不定形サイズが、記録紙サイズ検知によって検知された概略サイズに近い大きさの順番で選択肢として表示されていて選択することが可能な状態になるため、不定形サイズの取得を容易に実行することが可能になる。
【0096】
なお、このように表示部103に表示された選択肢の中からの選択がなされない場合(図9S8でN)には、ユーザは図5の下部中央付近の「数値入力」のアイコンをクリックする。
【0097】
この場合、CPU101は、表示部103に、図6に示すように数値入力の画面を表示し、操作入力部102あるいは表示部103と一体のタッチパネルなどから、不定形サイズについての数値入力を受け付ける(図9S10)。
【0098】
なお、ユーザの希望に応じて(図9S11)、この数値入力された不定形サイズについてサイズ登録(図9S12)することが可能である。すなわち、今回数値入力された不定形サイズについて登録するとのユーザの希望があれば、CPU101は、情報保持部104に、不定形サイズの登録済みデータとして保持する。
【0099】
以上のようにして、選択肢表示画面で表示された選択肢についての選択、あるいは、数値入力による設定のいずれかによって、不定形可能トレイに載置された記録紙のサイズについての不定形サイズの設定をCPU101が完了する(図9S13)。
【0100】
以上のように、不定形サイズの記録紙を使用するとユーザから通知された画像形成において、予め登録されている不定形サイズが、記録紙サイズ検知によって検知された定形サイズに近い大きさの順番で選択肢として表示部103に表示されていて、操作入力部102にて選択することが可能な状態になるため、複写機などの画像形成装置で不定形サイズの取得を容易に実行することが可能になる。
【0101】
そして、以上のような動作により、プラテン上で転写紙をスキャンする手間や、画像形成せずに転写紙を画像形成装置内を通過させて記録紙サイズを測定する手間や、トレイに不定形サイズの記録紙でも正確に測定できるセンサ、などは必要なく、不定形サイズの取得を容易に実行することが可能になる。
【0102】
なお、本動作例においては、用紙を載置したことを検知する方法として、トレイの画像形成装置本体からの引き出しと挿入との検知に基づいて行う例を説明したが、これに限定されず、トレイ上の用紙の有無を検知するセンサを設け、そのセンサの出力信号が紙無しから紙有りに変化したことを検知することに基づいて行っても良い。
【0103】
また、本動作例においては、不定形サイズの用紙が載置されたことの検知は、ユーザからの操作入力部102からの入力に基づいて行う例を説明したが、載置された用紙が不定形サイズであることを画像形成装置が自動的に検知してもよい。
【0104】
例えば、載置された用紙が不定形サイズであることは、後端ガイド1323に基づく記録紙長さ方向データと側面ガイド板1321aと1321bに基づく記録紙幅方向データとに基づいて検知することができる。具体的には、記録紙幅方向データが210mmであって、記録紙長さ方向データが記録紙幅方向長さ210mmに対応する定形サイズにおける記録紙長さ方向長さを示していない場合には、不定形サイズであると判断する。
【0105】
また、記録紙長さ方向についても記録紙幅方向と同様にリニアに検知できる場合には、記録紙幅方向のデータ又は記録紙長さ方向のデータが定形サイズに対応する長さを示していない場合に不定形サイズであると判断することもできる。
【0106】
〈その他の実施形態〉
以上の実施形態では、操作入力部102と表示部103とを備えた複写機などのスタンドアロンの画像形成装置の動作例を示してきたが、これに限定されるものではない。たとえば、コンピュータ機器から操作されるプリンタ、ネットワーク経由で操作されるネットワークプリンタなどの場合にも本発明の実施形態を適用することが可能である。
【0107】
すなわち、ネットワークを介して他の機器と情報の授受を行うインタフェース105を備え、トレイが不定形トレイであるとの選択と選択肢についての選択の入力をネットワークを介して他の機器から受け付け、選択肢をネットワークを介して他の機器に表示する。すなわち、インタフェース105を介して接続される他の機器の操作入力部(キーボードやポインティングデバイス)と表示部(ディスプレイ)とが用いられる。
【0108】
この場合にも、不定形トレイであると設定されたトレイに記録紙がセットされた場合、該トレイからの情報を参照して定形サイズの記録紙サイズ検知の制御を行い、予め登録されている不定形サイズを記録紙サイズ検知によって検知された定形サイズに近い大きさの順番で選択肢として他の機器の表示部に表示すると共に、該選択肢の選択を他の機器から受け付ける制御を行う。
【0109】
この結果、不定形サイズの記録紙を使用する画像形成において、予め登録されている不定形サイズが、記録紙サイズ検知によって検知された定形サイズに近い大きさの順番で選択肢として他の機器の表示部に表示されていて、他の機器の操作入力部にて選択することが可能な状態になるため、ネットワークを介した不定形サイズの記録紙での画像形成の場合に不定形サイズの取得を容易に実行することが可能になる。
【0110】
なお、以上の実施形態では、CPU101の制御によって、検知された概略サイズと合致している可能性のある不定形サイズを選択肢として表示するようにしたが、検知された記録紙幅と一致する不定形サイズの選択肢については、色や点滅状態を変えて一致度が高いことを示す表示にしてもよい。このようにすることで、より一層容易に選択することが可能になる。
【0111】
また、以上の実施形態のように、概略サイズに近い順として、記録紙幅方向の長さを記録紙長さ方向に優先して順位を決定する例を説明したが、これに限定されない。概略サイズに近い順位の決定の手法としては、記録紙幅方向の長さの検知精度及び記録紙長さ方向の長さの検知精度を考慮して適宜選択することができ、記録紙幅方向の記録紙幅方向及び記録紙長さ方向の長さに基づく面積で決定してもよいし、記録紙幅方向の長さより記録紙長さ方向の長さを優先して順位を決定してもよい。本実施形態のように、記録紙幅方向の長さをリニアに検知でき、記録紙長さ方向の長さをリニアに検知できない構成の場合には、本実施形態のように、記録紙幅方向の長さを記録紙長さ方向に優先して順位を決定することにより、順位の精度を向上することができる。
【0112】
また、以上の実施形態では、概略サイズに近い順に選択肢を表示する例を説明したが、概略サイズに近い不定形サイズを表示しさえすればユーザによる選択を容易にすることができる。例えば、概略サイズに近い複数の選択肢を概略サイズとの大きさの近さには関係のない順序で表示する構成や、概略サイズに最も近い不定形サイズを一つだけ表示する構成としても良い。なお、本実施形態のように、概略サイズに近い順に選択肢を表示することにより、ユーザの選択の容易性をより高めることができる。
【0113】
また、以上の実施形態では、不定形サイズに対応する情報として、不定形記録紙のサイズおよびサイズに対応づけられた名前を表示する例をとり説明したが、表示する情報としては、サイズのみまたは名前のみでも良い。例えば、ユーザが不定形記録紙の名前からサイズを判断できるような場合には、名前のみを表示することによっても、不定形記録紙のサイズを選択可能である。なお、サイズを表示することにより、より精度の高い選択を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】本発明の実施形態の画像形成装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態の画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施形態の画像形成装置の機械的構成を示す外観構成図である。
【図4】本発明の実施形態の画像形成装置のトレイの様子を示す説明図である。
【図5】本発明の実施形態の画像形成装置の動作時の様子を示す説明図である。
【図6】本発明の実施形態の画像形成装置の動作時の様子を示す説明図である。
【図7】本発明の実施形態の画像形成装置の動作時の様子を示す説明図である。
【図8】本発明の実施形態の画像形成装置で使用されるテーブルの状態図である。
【図9】本発明の実施形態の画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0115】
100 画像形成装置
101 CPU
102 操作入力部
103 表示部
104 情報保持部
105 I/F
110 スキャナ
120 画像処理部
130 プリントエンジン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データに応じた画像を記録紙上に形成して出力する画像形成装置であって、
不定形サイズの記録紙が載置可能であって、定形サイズの記録紙のサイズを識別可能な情報を出力するトレイと、
前記トレイに不定形サイズの記録紙が載置された場合、前記トレイからの情報を参照して定形サイズの記録紙サイズ検知の制御を行うことにより前記不定形サイズの記録紙の概略サイズを取得し、予め登録されている不定形サイズに対応する情報を前記概略サイズに応じて表示する制御を行う制御手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御手段は、予め登録されている不定形サイズに対応する情報として、予め登録されている不定形サイズを表示する制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御手段は、予め登録されている不定形サイズに対応する情報を前記概略サイズに近い大きさの順番で表示する制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記トレイは不定形サイズの記録紙が載置される不定形トレイであるとの設定が可能であり、前記制御手段は、前記トレイが不定形トレイであると設定された場合に、予め登録されている不定形サイズに対応する情報を前記概略サイズの大きさに応じて表示する制御を行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記トレイに不定形サイズの記録紙が載置されたことを示す通知を受けた場合に、予め登録されている不定形サイズに対応する情報を前記概略サイズに応じて表示する制御を行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記トレイに載置された記録紙が不定形サイズであると認識された場合に、予め登録されている不定形サイズに対応する情報を前記概略サイズの大きさに応じて表示する制御を行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記トレイに不定形サイズの記録紙がセットされた場合に、前記トレイからの情報を参照して定形サイズの記録紙サイズ検知の制御を行い、前記記録紙サイズ検知によって検知された概略サイズが現在前記トレイに設定されている不定形サイズに対応する概略サイズと異なる場合に、予め登録されている不定形サイズに対応する情報を検知された概略サイズに応じて表示する制御を行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記制御手段は、予め登録されている不定形サイズに対応する情報を前記概略サイズに応じて選択肢として表示し、該選択肢の選択を受け付ける制御を行うことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記制御手段は、前記選択肢の選択に基づき、前記不定形サイズの記録紙のサイズを設定することを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記トレイが不定形トレイであるとの選択と、前記選択肢についての選択の入力を受け付ける操作入力部と、
前記選択肢を表示する表示部と、をさらに備えることを特徴とする請求項8又は9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
ネットワークを介して他の機器と情報の授受を行うインタフェースを備え、
前記トレイが不定形トレイであるとの選択と前記選択肢についての選択の入力をネットワークを介して他の機器から受け付け、前記選択肢をネットワークを介して他の機器に表示する、ことを特徴とする請求項8乃至請求項10のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項12】
画像データに応じた画像を記録紙上に形成して出力する画像形成装置の制御用プログラムであって、
不定形サイズの記録紙が載置可能であって、定形サイズの記録紙のサイズを識別可能な情報を出力するトレイに不定形サイズの記録紙がセットされた場合、前記トレイからの情報を参照して定形サイズの記録紙サイズ検知の制御を行うことにより前記不定形サイズの記録紙の概略サイズを取得し、予め登録されている不定形サイズに対応する情報を前記概略サイズに応じて表示する制御を行うステップを前記画像形成装置に実行させることを特徴とする画像形成装置の制御用プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図4】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図3】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2006−323352(P2006−323352A)
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−12521(P2006−12521)
【出願日】平成18年1月20日(2006.1.20)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】