説明

画像形成装置

【課題】 画像形成出力中に補正処理時刻が到来した場合や、前回の補正処理から所定時間を経過していない場合には、補正処理を行うことなく画像形成処理を継続できるようにすると共に、当該装置の生産性を維持できるようにする。
【解決手段】 計時手段51と、補正時刻を設定操作する設定手段14bと、計時される時間を監視し、補正時刻に基づいて補正処理を実行するCPU55と、タイマ・CPU用の電源以外の画像形成系用の電源が投入されたか否か及び通電状態を判断する判断手段53とを備え、CPU55は、補正時刻を検出した場合であって、電源が投入された通電状態ではないと判断された場合には補正処理を実行し、補正時刻を検出した場合であっても、電源が既に投入された通電状態であると判断された場合には補正処理の実行を中止する。当該装置を使用していない、深夜や休日等の時間帯を指定して、画像形成条件の補正処理を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像調整モード機能を有して所定の用紙にカラー画像を形成するカラー用のプリンタや、同ファクシミリ装置、同デジタル複写機、これらの複合機等に適用して好適な画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、タンデム型の電子写真方式のカラープリンタやカラー複写機、これらの複合機等が使用される場合が多くなってきた。これらのカラー画像形成装置には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(BK)色用の各々のレーザ書込みユニット、現像ユニット、感光体ドラムと、中間転写ベルト及び定着装置とが備えられる。
【0003】
例えば、Y色用のレーザ書込みユニットではY色用の画像データに基づいて感光体ドラムに静電潜像を描くようになされる。現像ユニットでは感光体ドラムに描かれた静電潜像にY色用のトナーを付着してカラートナー像を形成する。感光体ドラムはトナー像を中間転写ベルトに転写する。他のM,C,BK色についても同様の処理がなされる。中間転写ベルトに転写されたカラートナー像は用紙に転写された後に定着装置によって定着される。
【0004】
この種の電子写真方式のカラー画像形成装置における画像形成プロセスにおいては、機器稼働時間や周囲温度などにより画像形成条件が変動する。その変動を抑制するために、さまざまな補正処理が行われている。その一例として、中間転写ベルトに対向した位置に濃度検出センサが設けられ、中間転写ベルト上のカラーパッチ像を検出してトナー濃度を調整するようになされる。トナー濃度(画像濃度)は、現像ユニット内に備えられた現像ローラに印加する現像バイアス値、現像ローラの回転速度、2成分現像剤中のトナー混合比率を制御したり、又は、レーザ光の発光量などを制御することにより補正される。
【0005】
このように、実際に、濃度検出用のパターンを有するトナー像を形成して画像形成条件を補正する方法は、従来から多くの電子写真プロセスを用いた複写機や複合機などの画像形成装置で実施されている。例えば、特許文献1には、画像調整モードを有した画像形成装置が開示されている。この画像形成装置によれば、画像出力枚数や、稼働時間等がカウントされ、この画像出力枚数と目標枚数とが電源投入時に比較され、この画像出力枚数の累積値が目標枚数に到達したとき、又は、稼働時間の累積値と目標稼働時間とが電源投入時に比較され、この稼働時間が目標稼働時間に到達したとき、補正処理動作を実行する。
【0006】
【特許文献1】特開2003−280333号公報(第6,7頁、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、従来例に係る画像調整モードを有した画像形成装置によれば、次のような問題がある。
【0008】
i.特許文献1に見られるような画像形成装置では、電源投入後、画像出力枚数が目標枚数に到達したとき、又は、稼働時間が目標稼働時間に到達したとき、割り込み処理が起動され、画像調整モードが実行される。この画像調整モードに係る割り込み処理が発生すると、画像形成出力処理の中断をやむなくされる場合が想定される。従って、当該画像形成装置の出力枚数の生産性が低下してしまうおそれがある。
【0009】
ii.また、補正時刻を設定して画像調整モードを予約する方法も考えられるが、画像形成出力中に補正時刻が到来した場合に、画像調整モードに係る割り込み処理が発生すると、iの問題と同様にして、画像形成出力処理の中断をやむなくされる場合が想定される。従って、当該画像形成装置の生産性が低下してしまうおそれがある。
【0010】
iii.なお、電源投入と共に、画像調整モードを実行する画像形成装置が見られるが、この種の画像形成装置では、前回の補正処理から所定時間を経過していない場合にも、補正処理が行われてしまうおそれがある。従って、無駄な画像濃度補正動作によって、トナー剤が無駄に消費されてしまうおそれがある。
【0011】
そこで、この発明は上述した課題を解決したものであって、画像形成出力中に補正処理時刻が到来した場合や、前回の補正処理から所定時間を経過していない場合には、補正処理を行うことなく、その画像形成処理を継続できるようにすると共に、当該装置の生産性を維持できるようにした画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、第1の画像形成装置は、像担持体上に担持された濃度検出用の所定のパターンを有するトナー像を、濃度検出手段により検出し、検出された濃度値と予め設定された基準濃度値とを比較することにより、画像形成条件の補正処理を行う画像調整モードを有する画像形成装置において、画像調整モードを実行する補正時刻が設定操作される設定手段と、時間を計時する計時手段と、設定手段により設定された補正時刻に画像調整モードを実行する制御手段と、電源が投入されたか否か及び通電状態を判断する判断手段とを備え、制御手段は、設定手段により設定された補正時刻になった時に、電源が投入された通電状態でないと判断された場合には画像調整モードを実行し、設定手段により設定された補正時刻になった時に、電源が既に投入された状態であると判断された場合には画像調整モードの実行を中止することを特徴とするものである。
【0013】
本発明に係る第1の画像形成装置によれば、像担持体上に担持された濃度検出用の所定のパターンを有するトナー像を、濃度検出手段により検出し、ここに検出された濃度値と予め設定された基準濃度値とを比較することにより、画像形成条件の補正処理を行う動作を画像調整モードとしたとき、この画像形成装置は、次のように、画像調整モードを実行する。設定手段は、画像調整モードを実行する時刻を設定操作される。計時手段は、時間を計時する。制御手段は、設定手段により設定された補正時刻に基づいて画像調整モードを実行する。判断手段は、電源が投入されたか否か及び通電状態を判断する。
【0014】
これらを前提にして、制御手段は、設定手段により設定された補正時刻になったとき、電源が投入された通電状態でないと判断された場合には画像調整モードを実行する。また、設定手段により設定された補正時刻にたったとき、電源が既に投入された通電状態であると判断された場合には画像調整モードの実行を中止する。
【0015】
従って、当該画像形成装置が使用されていない、深夜や休日等の時間帯を指定して、画像形成条件の補正処理を行うことができる。しかも、設定時刻に既に電源が投入されている場合には画像調整モードが省略されるので、現在実行中の画像形成出力の継続処理を担保することができ、当該装置の生産性を維持することができる。
【0016】
本発明に係る第2の画像形成装置は、像担持体上に担持された濃度検出用の所定のパターンを有するトナー像を、濃度検出手段により検出し、検出された濃度値と予め設定された基準濃度値とを比較することにより、画像形成条件の補正処理を行う画像調整モードを有する画像形成装置において、時間を計時する計時手段と、電源投入及び計時手段により計時される経過時間を監視し、当該電源投入時及び補正処理後の経過時間の検出に基づいて画像調整モードを実行する制御手段と、電源の投入時を判断する判断手段とを備え、制御手段は、電源が投入された時、前回の補正処理時刻からの経過時間と予め設定された所定時間とを比較し、補正処理時刻からの経過時間が所定時間を越える場合は、画像調整モードを実行し、補正処理時刻からの経過時間が所定時間以下である場合には、画像調整モードの実行を中止することを特徴とするものである。
【0017】
本発明に係る第2の画像形成装置によれば、像担持体上に担持された濃度検出用の所定のパターンのトナー像を、濃度検出手段により検出し、検出された濃度値と予め設定された基準濃度値とを比較することにより、画像形成条件の補正処理を行う動作を画像調整モードとしたとき、この画像形成装置は、次のように、画像調整モードを実行する。計時手段は、時間を計時する。制御手段は、電源投入及び計時手段により計時される経過時間を監視し、電源投入時及び前回補正処理後の経過時間の検出に基づいて画像調整モードを実行する。判断手段は、電源の投入時を判断する。
【0018】
これらを前提にして、制御手段は、電源が投入された時、前回の補正処理時刻からの経過時間と予め設定された所定時間とを比較し、補正処理時刻からの経過時間が所定時間を越える場合は、画像調整モードを実行する。補正処理時刻からの経過時間が所定時間以下である場合には、画像調整モードの実行を中止する。
【0019】
従って、所定時間内での無駄な画像濃度補正動作を回避できるので、トナー消費を低減することができる。また、所定時間内において、当該画像形成装置の立ち上げ時間を短縮できるので、電源投入から1枚目の画像形成物の出力に至るまでの所要時間を短縮することができる。当該装置の生産性を維持することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る第1の画像形成装置によれば、設定時刻に基づいて画像調整モードを実行する制御手段を備え、この制御手段は、予め設定手段により設定された補正時刻になった時、電源が投入された通電状態ではないと判断された場合には画像調整モードを実行し、予め設定された補正時刻になった時、電源が既に投入されている通電状態であると判断された場合には画像調整モードの実行を中止するものである。
【0021】
この構成によって、当該画像形成装置を使用していない、深夜や休日等の時間帯を指定して、画像形成条件の補正処理を行うことができる。しかも、設定時刻に既に電源が投入された通電状態である場合には画像調整モードの実行を中止するので、現在実行中の画像形成出力の継続処理を担保することができ、当該装置の生産性を維持することができる。
【0022】
本発明に係る第2の画像形成装置によれば、電源投入及び前回の補正処理時刻からの経過時間を監視し、当該電源投入時及び補正処理後の経過時間の検出に基づいて画像調整モードを実行する制御手段を備え、この制御手段は、電源が投入された時、前回の補正処理時刻からの経過時間と予め設定された所定時間とを比較し、その経過時間が所定時間を越える場合は、画像調整モードを実行し、その経過時間が所定時間以下である場合には、画像調整モードの実行を中止するものである。
【0023】
この構成によって、所定時間内での無駄な画像濃度補正動作を回避できるので、トナー消費を低減することができる。また、所定時間内において、当該画像形成装置の立ち上げ時間を短縮できるので、電源投入から1枚目の画像形成物の出力に至るまでの所要時間を短縮することができる。当該装置の生産性を維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態としての画像形成装置について説明する。
【実施例1】
【0025】
図1は、本発明の各実施例としての画像形成装置100の構成例を示す図である。図1に示す画像形成装置100は、画像調整モード機能を有して所定の用紙にカラー画像を形成するカラー用のプリンタや、同ファクシミリ装置、同デジタル複写機、これらの複合機等に適用して好適である。ここに画像調整モードとは、像担持体上に担持された濃度検出用の所定のパターンのトナー像を、濃度検出手段により検出し、検出された濃度値と予め設定された基準濃度とを比較することにより、画像形成条件の補正処理を行う動作をいう。
【0026】
この例で画像形成装置100は、制御ユニット15、操作パネル48及び画像形成手段60を備えている。制御ユニット15は、計時手段51、メモリ部52、判断手段53、アナログ/デジタル(A/D)変換器54及びCPU(Central Processing Unit;中央処理ユニット)55を有している。メモリ部52は、図示せずにもROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、EEPROM(不揮発メモリ)及びハードディスク(HDD)等を有している。
【0027】
メモリ部52のROMには当該画像形成装置全体を制御するためのシステムプログラムデータや、画像調整モードを実行するためのデータが格納される。RAMは、ワークエリアとして使用され、各種モード実行時の制御コマンド等を一時記憶するようになされる。CPU55は電源がオンされると、ROMからシステムプログラムデータをRAMに読み出してシステムを起動し、操作パネル48からの操作指示に基づいて当該画像形成装置全体を制御するようになされる。
【0028】
操作パネル48はCPU55に接続され、タッチパネルから構成される操作手段14a及び設定手段14bと、液晶表示パネル(Liquid Crystal Display;LCD)から構成される表示手段18とを有している。表示手段18には、LCDの他にPDP(プラズマ表示素子)等の平面表示素子が使用される。
【0029】
操作パネル48にはGUI(Graphic User Interface)方式の入力手段が使用される。GUI方式の入力手段は、ユーザとの対話を行うインターフェースとして機能する。表示手段18は、操作データD2に基づいて操作手段14aや設定手段14b等のアイコン選択画面と連動して表示動作する。
【0030】
操作手段14aには電源スイッチが含まれる。電源スイッチは、例えば、操作パネル48に設けられる。操作手段14aは、画像形成条件や給紙カセット等を選択する際に操作される。設定手段14bは、補正時刻を設定するように操作される。ここに補正時刻とは、上述した画像調整モード(補正処理)を実行する時刻をいう。補正時刻は、予めユーザによって操作パネル48を使用して設定される。
【0031】
上述の表示手段18には、例えば、「補正時刻の設定画面P1」が表示される。この設定画面P1には、「補正動作オン/オフ」、「補正回数」、「補正時刻1」、「補正時刻2」や、各種キーK1〜K3が表示される(図2参照)。表示手段18には設定画面P1の他に、画像調整モードを実行する際の設定内容及び補正処理実行結果等を表示するようにしてもよい。
【0032】
この例では、画像形成装置100が、オフィスやプリントショップ等に設置される場合、始業前、開店前の画像形出力処理が行われていない時間帯の特定時刻を指定して、補正時刻を設定できるようになされている。なお、操作パネル48上で設定された補正時刻や、画像形成条件、給紙カセット選択情報等は、操作データD3となってCPU55に出力される。
【0033】
また、制御ユニット15において、CPU55には計時手段51が接続され、補正時刻に至る経過時間を計時(計測)するように動作する。計時手段51には、電池Eで駆動可能なタイマが使用され、例えば、画像調整モード予約スイッチをオンすると共にタイマが起動され、補正時刻に向けて時を刻むように動作する。
【0034】
この例で画像形成装置100の電源50には、計時手段51及びCPU55を動作させる電源(以下タイマ・CPU用の電源という)と、帯電器や転写器用の高圧電源、定着電源、現像器駆動電源、搬送駆動電源等の画像形成系用の電源とが設けられ、これらの電源50が使用される。電源50には電源スイッチSWが接続される。電源スイッチSWは操作パネル48に設けられ、画像形成系用の電源をオン/オフする場合に使用される。
【0035】
CPU55には計時手段51やメモリ部52の他に、判断手段53が接続され、例えば、タイマ・CPU用の電源以外の画像形成用の電源が投入されたか否か及び通電状態を判断する。判断手段53は、ソフトウエア上の判断機能であって、例えば、CPU55の演算機能及びRAM等のメモリ機能を利用して構成してもよい。
【0036】
この例では、「電源をオフする」とは、画像形成系用の電源の電源スイッチSWを使用してオフすることをいう。タイマ・CPU用の電源は、電源スイッチSWをオフしても、電池Eにより駆動可能となされている。これは、タイマ監視機能や電源オン情報検出機能等を維持するためである。画像形成系用の電源がオフされている状態を「スリーピング状態」ということもある。
【0037】
上述の制御ユニット15には画像形成手段60が接続される。画像形成手段60は、タンデム型のカラープリンタを構成し、4つの画像形成ユニット(画像形成系)10Y,10M,10C,10Kと、無終端状の中間転写ベルト6と、画像形成系へ転写材(以下用紙という)を給紙する給紙手段と、トナー像を定着するための定着装置17と、ベルト上をクリーニングするクリーニング手段16とを備えている。給紙手段は画像形成系の下方に設けられるが、その説明を省略する。
【0038】
この例で、画像形成ユニット10Yは、感光体ドラム1Y、帯電器2Y、レーザ書込みユニット3Y、現像ユニット4Y及び像形成体用のクリーニング手段8Yを有して、イエロー(Y)色の画像を形成するようになされる。例えば、中間転写ベルト6の右側上部に近接して感光体ドラム1Yが回転自在に設けられ、Y色のトナー像を形成するようになされる。この例で、感光体ドラム1Yは、図示しない駆動機構によって、反時計方向に回転される。感光体ドラム1Yの斜め右側下方には、帯電器2Yが設けられ、感光体ドラム1Yの表面を所定の電位に帯電するようになされる。
【0039】
感光体ドラム1Yのほぼ真横に対峙してレーザ書込みユニット3Yが設けられ、事前に帯電された感光体ドラム1Yに対して、画像データDyに基づく所定の強度を有したY色用のレーザビーム光を走査するようになされる。このレーザビーム光は、例えば、Y色用のポリゴンミラーを回転して偏向走査される。いわゆる画像データDyの主走査方向への書込みである。主走査方向は、感光体ドラム1Yの回転軸に平行する方向である。感光体ドラム1Yは、副走査方向に回転する。副走査方向は、感光体ドラム1Yの回転軸に対して直交する方向である。この感光体ドラム1Yが副走査方向に回転し、かつ、レーザビーム光の主走査方向への偏向走査によって、感光体ドラム1YにはY色用の静電潜像が形成される。
【0040】
レーザ書込みユニット3Yの上方には現像ユニット4Yが設けられ、感光体ドラム1Yに形成されたY色用の静電潜像を現像するように動作する。現像ユニット4Yは現像ローラ5Yを有している。現像ユニット4Yには、Y色用のトナー剤及びキャリアが収納されている。現像ローラ5Yは、内部に磁石が配置され、現像ユニット4Y内でキャリアとY色トナー剤を攪拌して得られる2成分現像剤を感光体ドラム1Yの対向部位に回転搬送し、Y色のトナー剤により静電潜像を現像するようになされる。この感光体ドラム1Yに形成されたY色のトナー像は、1次転写ローラ7Yを動作させて中間転写ベルト6に転写される(一次転写)。感光体ドラム1Yの左側下方には、クリーニング手段8Yが設けられ、前回の書込みで感光体ドラム1Yに残留したトナー剤をクリーニングするようになされる。
【0041】
この例で、画像形成ユニット10Yの下方には画像形成ユニット10Mが設けられる。画像形成ユニット10Mは、感光体ドラム1M、帯電器2M、レーザ書込みユニット3M、現像ユニット4M及び像形成体用のクリーニング手段8Mを有して、マゼンタ(M)色の画像を形成するようになされる。
【0042】
例えば、上述の感光体ドラム1Yの下方であって、中間転写ベルト6の右側に近接して感光体ドラム1Mが回転自在に設けられ、M色のトナー像を形成するようになされる。この例で、感光体ドラム1Mは、図示しない駆動機構によって、反時計方向に回転される。感光体ドラム1Mの斜め右側下方には、帯電器2Mが設けられ、感光体ドラム1Mの表面を所定の電位に帯電するようになされる。
【0043】
感光体ドラム1Mのほぼ真横に対峙してレーザ書込みユニット3Mが設けられ、事前に帯電された感光体ドラム1Mに対して、画像データDmに基づく所定の強度を有したM色用のレーザビーム光を走査するようになされる。このレーザビーム光は、例えば、M色用のポリゴンミラーを回転して偏向走査され、画像データDmの書込みが実行される。この感光体ドラム1Mが副走査方向に回転し、かつ、レーザビーム光が主走査方向へ偏向走査されることによって、感光体ドラム1MにはM色用の静電潜像が形成される。
【0044】
レーザ書込みユニット3Mの上方には現像ユニット4Mが設けられ、感光体ドラム1Mに形成されたM色用の静電潜像を現像するように動作する。現像ユニット4Mは現像ローラ5Mを有している。現像ユニット4Mには、M色用のトナー剤及びキャリアが収納されている。現像ローラ5Mは、内部に磁石が配置され、現像ユニット4M内でキャリアとM色トナー剤を攪拌して得られる2成分現像剤を感光体ドラム1Mの対向部位に回転搬送し、M色のトナー剤により静電潜像を現像するようになされる。この感光体ドラム1Mに形成されたM色のトナー像は、1次転写ローラ7Mを動作させて中間転写ベルト6に転写される(一次転写)。感光体ドラム1Mの左側下方には、クリーニング手段8Mが設けられ、前回の書込みで感光体ドラム1Mに残留したトナー剤をクリーニングするようになされる。
【0045】
この例で、画像形成ユニット10Mの下方には画像形成ユニット10Cが設けられる。画像形成ユニット10Cは、感光体ドラム1C、帯電器2C、レーザ書込みユニット3C、現像ユニット4C及び像形成体用のクリーニング手段8Cを有して、シアン(C)色の画像を形成するようになされる。
【0046】
例えば、上述の感光体ドラム1Mの下方であって、中間転写ベルト6の右側に近接して感光体ドラム1Cが回転自在に設けられ、C色のトナー像を形成するようになされる。この例で、感光体ドラム1Cは、図示しない駆動機構によって、反時計方向に回転される。感光体ドラム1Cの斜め右側下方には、帯電器2Cが設けられ、感光体ドラム1Cの表面を所定の電位に帯電するようになされる。
【0047】
感光体ドラム1Cのほぼ真横に対峙してレーザ書込みユニット3Cが設けられ、事前に帯電された感光体ドラム1Cに対して、画像データDcに基づく所定の強度を有したC色用のレーザビーム光を走査するようになされる。このレーザビーム光は、例えば、C色用のポリゴンミラーを回転して偏向走査され、画像データDcの書込みが実行される。この感光体ドラム1Cが副走査方向に回転し、かつ、レーザビーム光が主走査方向へ偏向走査されることによって、感光体ドラム1CにはC色用の静電潜像が形成される。
【0048】
レーザ書込みユニット3Cの上方には現像ユニット4Cが設けられ、感光体ドラム1Cに形成されたC色用の静電潜像を現像するように動作する。現像ユニット4Cは現像ローラ5Cを有している。現像ユニット4Cには、C色用のトナー剤及びキャリアが収納されている。現像ローラ5Cは、内部に磁石が配置され、現像ユニット4C内でキャリアとC色トナー剤を攪拌して得られる2成分現像剤を感光体ドラム1Cの対向部位に回転搬送し、C色のトナー剤により静電潜像を現像するようになされる。この感光体ドラム1Cに形成されたC色のトナー像は、1次転写ローラ7Cを動作させて中間転写ベルト6に転写される(一次転写)。感光体ドラム1Cの左側下方には、クリーニング手段8Cが設けられ、前回の書込みで感光体ドラム1Cに残留したトナー剤をクリーニングするようになされる。
【0049】
この例で、画像形成ユニット10Cの下方には画像形成ユニット10Kが設けられる。画像形成ユニット10Kは、感光体ドラム1K、帯電器2K、レーザ書込みユニット3K、現像ユニット4K及び像形成体用のクリーニング手段8Kを有して、ブラック(BK)色の画像を形成するようになされる。
【0050】
例えば、上述の感光体ドラム1Cの下方であって、中間転写ベルト6の右側に近接して感光体ドラム1Kが回転自在に設けられ、BK色のトナー像を形成するようになされる。この例で、感光体ドラム1Kは、図示しない駆動機構によって、反時計方向に回転される。感光体ドラム1Kの斜め右側下方には、帯電器2Kが設けられ、感光体ドラム1Kの表面を所定の電位に帯電するようになされる。
【0051】
感光体ドラム1Kのほぼ真横に対峙してレーザ書込みユニット3Kが設けられ、事前に帯電された感光体ドラム1Kに対して、画像データDkに基づく所定の強度を有したBK色用のレーザビーム光を走査するようになされる。このレーザビーム光は、例えば、BK色用のポリゴンミラーを回転して偏向走査され、画像データDkの書込みが実行される。この感光体ドラム1Kが副走査方向に回転し、かつ、レーザビーム光が主走査方向へ偏向走査されることによって、感光体ドラム1KにはBK色用の静電潜像が形成される。
【0052】
レーザ書込みユニット3Kの上方には現像ユニット4Kが設けられ、感光体ドラム1Kに形成されたBK色用の静電潜像を現像するように動作する。現像ユニット4Kは現像ローラ5Kを有している。現像ユニット4Kには、BK色用のトナー剤及びキャリアが収納されている。現像ローラ5Kは、内部に磁石が配置され、現像ユニット4K内でキャリアとBK色トナー剤を攪拌して得られる2成分現像剤を感光体ドラム1Kの対向部位に回転搬送し、BK色のトナー剤により静電潜像を現像するようになされる。この感光体ドラム1Kに形成されたBK色のトナー像は、1次転写ローラ7Kを動作させて中間転写ベルト6に転写される(一次転写)。感光体ドラム1Kの左側下方には、クリーニング手段8Kが設けられ、前回の書込みで感光体ドラム1Kに残留したトナー剤をクリーニングするようになされる。
【0053】
上述の感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kには有機感光体(Organic Photo Conductor;OPC)ドラムが使用される。帯電器2Y,2M,2C,2Kにはスコロトロン帯電極が使用され、数百[V]単位の直流電圧が印加される。一次転写ローラ7Y,7M,7C及び7Kには、使用するトナー剤と反対極性(本実施例においては正極性)の一次転写バイアス電圧が印加される。
【0054】
中間転写ベルト6は像担持体の一例であり、1次転写ローラ7Y,7M,7C及び7Kによって転写されたトナー像を重合してカラートナー像(カラー画像)を形成する。ベルト上に形成されたカラー画像は、中間転写ベルト6が時計方向に回転することで、2次転写ローラ13に向けて搬送される。2次転写ローラ13は中間転写ベルト6の下方に位置しており、中間転写ベルト6に形成されたカラートナー画像を、図示しない給紙手段から搬送されてきた用紙に転写するようになされる(2次転写)。
【0055】
2次転写ローラ13の左側には定着装置17が設けられ、カラー画像を転写された用紙を定着処理するようになされる。定着装置17は、定着ローラ、加圧ローラ及び加熱ヒータを有している。定着処理は、加熱ヒータによって加熱される定着ローラ及び加圧ローラの間に用紙を通過させることで、当該用紙が加熱・加圧される。定着後の用紙は、図示しない排紙ローラに挟持されて機外の排紙トレイ上に載置される。
【0056】
この例で、中間転写ベルト6の左側上方にはクリーニングユニット16が設けられ、転写後の中間転写ベルト6上に残存するトナー剤をクリーニングするように動作する。クリーニングユニット16は、中間転写ベルト6の電荷を除電する除電部や中間転写ベルト6に残留するトナー等を除去するパッドを有している。このクリーニング手段16によってベルト面がクリーニングされ、除電部で除電された後の中間転写ベルト6は、次の画像形成サイクルに入る。
【0057】
この例で、クリーニングユニット16の上流側には、濃度検出手段の一例となる濃度検出センサ12が設けられる。濃度検出センサ12は、中間転写ベルト6に対向して設置され、画像調整モード時、中間転写ベルト6上に担持(形成)された濃度検出用パターン(トナーパッチ像)の濃度を検出するようになされる。濃度検出センサ12には、反射型の光学センサやイメージセンサ等が使用される。これらのセンサには、発光素子及び受光素子が備えられ、発光素子からトナーパッチ像に光が照射され、その反射光を受光素子で検知するようになされる。
【0058】
濃度検出センサ12は、中間転写ベルト6上のトナーパッチ像を検出して、アナログの濃度検出信号S1を制御ユニット15に出力する。制御ユニット15には、A/D変換器54が設けられる。A/D変換器54はCPU55に接続され、濃度検出信号S1をA/D変換してデジタルの濃度検出データD1をCPU55に出力する。この制御ユニット15で、CPU55は、補正時刻になったとき、画像調整モードを実行するように画像形成手段60の入出力を制御する。
【0059】
この例で、CPU55は、計時手段51によって計時される経過時間を監視し、設定手段14bにより設定された補正時刻に基づいて画像調整モードを実行する。例えば、CPU55が補正時刻を検出した場合であって、タイマ・CPU用の電源以外の画像形成系用の電源等が投入された通電状態ではないと判断された場合には画像調整モード(補正処理)を実行する。
【0060】
この例では、CPU55が設定手段14bにより設定された補正時刻を検出した場合であっても、ユーザが、例えば、緊急に画像形成出力を要求していて、電源がオンされ、プリントジョブ等が投入された場合は、判断手段53によってタイマ・CPU用の電源以外の画像形成系用の電源が既に投入された通電状態であると判断されるので、この場合には上述した画像調整モードがキャンセルされ、補正処理の実行が中止される。
【0061】
図2は、補正時刻の設定画面P1の表示例を示す図である。図2に示す設定画面P1は、表示データD3に基づいて操作パネル48の表示手段18に表示される。
【0062】
この設定画面P1には、「補正動作 オン/オフ」が表示される。ユーザは「補正動作」を選択して、この補正動作のオン又はオフを設定できるようになされる。「補正動作 オン/オフ」の表示領域の下方には、「補正処理 回数」が表示される。ユーザは「補正処理」を選択して、この補正処理の回数を設定できるようになされる。
【0063】
「補正処理 回数」の表示領域の下方には、「補正時刻1 時 分」が表示される。ユーザは「補正時刻1」を選択して、この補正処理の実行時刻として何時何分を設定できるようになされる。「補正時刻1 時 分」の表示領域の下方には、「補正時刻2 時 分」が表示される。ユーザは「補正時刻2」を選択して、この補正処理の実行時刻として何時何分を設定できるようになされる。この例では、補正処理の実行時刻のスケジューリング機能を実現している。
【0064】
また、設定画面P1には、補正時刻を設定するための設定アイコンボタンとして、アップキーK1や、ダウンキーK2及びOKキーK3等が設けられている。アップキーK1は、設定時刻表示をカウントアップするように押下操作される。ダウンキーK2は、設定時刻表示をカウントダウンするように押下操作される。OKキーK3は、設定時刻がユーザの意図する補正時刻を表示したときに、例えば、押下操作される。OKキーK3の押下をトリガにして、例えば、計時手段51が起動され、時刻を計時するようになされる。
【0065】
続いて、第1の画像形成装置100の動作例を説明する。図3は、第1の実施例としての画像形成装置100における補正処理例を示すフローチャートである。
【0066】
この実施例では、画像調整モードを有した第1の画像形成装置100において、CPU55が補正時刻を検出した場合であって、タイマ・CPU用の電源以外の画像形成系の電源が投入された通電状態ではないと判断された場合には補正処理を実行する。また、補正時刻を検出した場合であっても、タイマ・CPU用の電源以外の画像形成系の電源が既に投入された通電状態であると判断された場合には補正処理の実行を中止するようになされる。
【0067】
これらを補正処理条件にして、まず、図3に示すフローチャートのステップS11で、CPU55は、設定手段14bの操作入力に基づいて補正時刻を設定する。ここで、ユーザは、図2に示した補正時刻の設定画面P1を表示手段18に表示する。この設定画面P1上において、ユーザは当該画像形成装置100をスリーピング状態となされる時間帯の特定時刻を補正時刻に設定して画像調整モードを予約する。
【0068】
例えば、ユーザは設定画面P1上で「補正時刻1」を選択して、その補正時刻として午前6時30分を設定する。ここで、補正時刻として設定した午前6時30分は、例えば、オフィスやプリントショップなどの場合、始業前、開店前で画像形成出力要求がなされない時刻である。このような時刻に補正時刻を設定すればよい。ユーザは、設定画面P1上でOKキーK3を押下することで、これをトリガにして、計時手段51が起動され、時刻を計時するようになされる。
【0069】
次に、ステップS12で、CPU55は、計時手段51によって計時される経過時間を監視し、補正時刻に至ったか否かを判別する。この際に、設定手段14bにより設定された補正時刻(上記の例で午前6:30)と、計時手段51から得られる経過時間に基づく現在時刻(例えば、午前6:30)とを比較することで判別基準となされる。CPU55は、両者の時刻が一致した場合に、補正時刻に至ったことを認識する。補正時刻に至っていない場合は、ステップS12でCPU55は経過時間の監視を継続する。
【0070】
上述のステップS12で補正時刻に至った場合には、ステップS13に移行する。ステップS13で判断手段53は、タイマ・CPU用の電源を除く画像形成系の電源がオンされたか否か及び通電状態を判別する。この例で、補正時刻に画像形成系用の電源が未だオンされず、判断手段53によって電源がオンされた通電状態ではないと判断された場合には、ステップS14に移行して画像調整モード(補正処理)を実行する。
【0071】
この画像調整モードでは、まず、CPU55により起動された画像形成装置本体は、CPU55の指令により、中間転写ベルト6、画像形成ユニット10Y〜10K及び濃度センサ12の駆動を開始する。次に、帯電器2Y〜2Kは、感光体ドラム1Y〜1Kを均一に帯電する。次に、均一に帯電された感光体ドラム1Y〜1Kに対し、レーザ書き込みユニット3Y〜3Kは、最高濃度検出用パターンを感光体ドラム1Y〜1Kに書き込んで、カラーパッチ用の静電潜像を形成する。
【0072】
その後、現像ローラ5Y〜5Kを回転することにより、感光体ドラム1Y〜1Kの対向部位に2成分現像剤が搬送される。Y,M,C,K色用の感光体ドラム1Y〜1Kに書き込まれた静電潜像は、各色のトナー剤により現像される。このとき、現像ローラ5Yに印加された現像バイアス電圧により、Y色トナー剤は、現像ローラ5Yから感光体ドラム1Yへ静電吸着される。この静電吸着により、感光体ドラム1Yには、カラーパッチ用のY色トナー像が形成される。
【0073】
同様にして、現像ローラ5Mに印加された現像バイアス電圧により、M色トナー剤は、現像ローラ5Mから感光体ドラム1Mへ静電吸着される。この静電吸着により、感光体ドラム1Mには、カラーパッチ用のM色トナー像が形成される。現像ローラ5Cに印加された現像バイアス電圧により、C色トナー剤は、現像ローラ5Cから感光体ドラム1Cへ静電吸着される。この静電吸着により、感光体ドラム1Cには、カラーパッチ用のC色トナー像が形成される。現像ローラ5Kに印加された現像バイアス電圧により、BK色トナー剤は、現像ローラ5Kから感光体ドラム1Kへ静電吸着される。この静電吸着により、感光体ドラム1Kには、カラーパッチ用のBK色トナー像が各々形成される。
【0074】
これらのY,M,C,K色のトナー像は、1次転写ローラ7Y,7M,7C,7Kによって、中間転写ベルト6上に転写され、ベルト上で重合される。この転写によって、カラーパッチ像となる。ベルト上に形成されたカラーパッチ像は、中間転写ベルト6が時計方向に回転することで、2次転写ローラ13を経由して、濃度検出センサ12に向けて搬送される。画像調整モードでは、用紙への転写(2次転写)が実行されない。
【0075】
中間転写ベルト6上のカラーパッチ像は、濃度検出センサ12により検出される。濃度検出センサ12は、トナー濃度を計測して、アナログの濃度検出信号S1を制御ユニット内のA/D変換器54に出力する。A/D変換器54は濃度検出信号S1をA/D変換してデジタルの濃度検出データD1をCPU55に出力する。CPU55は、濃度検出センサ12から得られた濃度検出データD1と予め設定された基準濃度データ(基準濃度値)Drとを比較することにより、画像形成条件の補正処理を実行する。基準濃度データDrは、例えば、メモリ部52内のEEPROM等から読み出される。
【0076】
CPU55では、濃度検出センサ12により計測されたトナー濃度が所定の目標範囲に有る場合は、補正処理を終了する。このトナー濃度が所定の目標範囲に無い場合は、現像ローラ5Y〜5Kに印加された現像バイアス電圧値を変更し、再度濃度検出用パターンを感光体ドラム1Y〜1Kに書き込み、この感光体ドラム1Y〜1Kを介して中間転写ベル6にカラーパッチ像を形成し、濃度検出センサ12で再度、カラーパッチ像のトナー濃度を計測し、所定の目標範囲に含まれるように現像ローラ5Y〜5Kに印加される現像バイアス電圧値をフィードバック制御して、トナー剤の濃度を調整するようになされる。このように、CPU55は通常の画像形成出力動作とは別の補正処理によって、画像調整モードを実行する(画像調整モード)。
【0077】
この画像調整モードを終了すると、ステップS12に戻って、CPU55は次の補正時刻の監視に移行する。この例では、CPU55が設定手段14bにより設定された補正時刻を検出した場合であっても、ユーザが、例えば、緊急に画像形成出力を要求していて、電源スイッチSWがオンされ、プリントジョブ等が投入された場合は、上述のステップS13で判断手段53によってタイマ・CPU用の電源以外の画像形成系用の電源が既に投入された通電状態であると判断されるので、この場合には上述した画像調整モードがキャンセルされ、補正処理の実行が中止される。このキャンセルは、既に画像形成出力処理が開始され、あるいは、画像形成出力処理が実行されており、補正処理の割り込みによる画像形成処理の中断を回避するためである。その後、ステップS12に戻って、CPU55は次の補正時刻の監視に移行する。
【0078】
このように第1の実施例に係る画像形成装置100によれば、画像調整モードを実行する場合に、CPU55は、設定手段14bにより設定された補正時刻を検出した場合であって、タイマ・CPU用の電源以外の画像形成系用の電源が投入された通電状態ではないと判断された場合には補正処理を実行する。また、上述の補正時刻を検出した場合であっても、タイマ・CPU用の電源以外の画像形成系用の電源が既に投入された通電状態であると判断された場合には補正処理の実行を中止する。
【0079】
従って、当該画像形成装置100が使用されていない、深夜や、早朝、休日等の時間帯を指定して、画像形成条件の補正処理を行うことができる。しかも、補正時刻に既に電源が投入されている場合には補正処理の実行が中止されるので、現在実行中の画像形成出力の継続処理を担保することができる。当該装置の生産性を維持すること、かつ、常に安定した画像品質を維持することができる。なお、上述した実施例においては、画像調整モードに関して、トナー濃度を補正する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、他の補正動作、例えば、色ずれなど補正動作にもこの発明を適用できる。
【実施例2】
【0080】
図4は、第2の実施例としての画像形成装置200における補正処理例を示すフローチャートである。
【0081】
この実施例では、画像調整モードを有して、電源投入時に補正動作を実行する第2の画像形成装置200において、補正処理を実行した後の所定時間(目標時間)内に電源が投入された場合は、電源オン後の補正動作の実行を中止するようになされる。第2の画像形成装置200には、第1の画像形成装置が応用される。
【0082】
この例では、図1に示した操作パネル48には、前回の補正処理時刻からの経過時間と比較するための所定時間を設定する設定手段14bが備えられる。計時手段51は、前回の補正処理時刻からの経過時間を計時する。CPU55は、電源投入及び計時手段51により計時される経過時間を監視し、当該電源投入及び経過時間の検出に基づいて補正処理を実行する。判断手段53は、タイマ・CPU用の電源以外の画像形成系用の電源が投入されたことを判断する。
【0083】
これらを補正処理条件にして、図4に示すフローチャートのステップS21で、判断手段53は当該画像形成装置100の電源が投入されたことを判別する。ここで、画像形成装置100の電源が投入されたことが判断手段53により判別された場合は、ステップS22に移行する。
【0084】
ステップS22でCPU55は、現在の時刻が前回の補正処理から所定時間内であるか否かを判別する。ここに所定時間とは、前回の補正処理をした補正開始時刻または補正完了時刻から、次に指定された補正時刻に至るまでの時間をいう。この際に、前回の補正処理時刻からの経過時間と予め設定された所定時間とを比較することにより、現在時刻が前回の補正処理から所定時間内であるか否かの判別基準となされる。経過時間は、前回の補正開始時刻または補正完了時刻から現在の時刻に至る時間である。
【0085】
上述のステップS22で、先のステップS21で電源が投入された現在時刻が前回の補正処理から所定時間内ではない、即ち、CPU55が予め設定された所定時間を越えたと判断した場合には、ステップS23に移行して画像調整モード(補正処理)を実行する。画像調整モードについては、第1の実施例で説明したステップS14の内容と同様であるので、その説明を省略する。これにより、補正処理時刻からの経過時間が所定時間を越える場合は、電源が投入されると共に補正処理を実行できるようになる。
【0086】
また、ステップS22で、CPU55は、先のステップS21で電源が投入された現在時刻が前回の補正処理から所定時間内である、すなわち、補正処理時刻からの経過時間が所定時間以下であると判断した場合には、ステップS24に移行してCPU55は、画像調整モードの予約をキャンセルする。ここに言う画像調整モードの予約のキャンセルとは、所定時間内に電源が投入された場合であって、電源投入後の補正処理の実行を中止するという意味である。これにより、補正処理時刻からの経過時間が所定時間以下である場合には、電源が投入された通電状態であってもその補正処理の実行を中止することができる。
【0087】
このように、第2の実施例に係る画像形成装置によれば、画像調整モードを実行する場合に、CPU55は、電源が投入された時、前回の補正処理時刻からの経過時間と予め設定された所定時間とを比較し、補正処理時刻からの経過時間が所定時間を越える場合は、補正処理を実行する。補正処理時刻からの経過時間が所定時間以下である場合には、電源が投入された時の補正処理の実行を中止する。
【0088】
従って、所定時間内での無駄な画像濃度補正動作を回避できるので、トナー消費を低減することができる。また、所定時間内において、当該画像形成装置100の立ち上げ時間を短縮できるので、電源投入から1枚目の画像形成物の出力に至るまでの所要時間を短縮することができる。
【産業上の利用可能性】
【0089】
この発明は、画像調整モード機能を有して所定の用紙にカラー画像を形成するカラー用のプリンタや、同ファクシミリ装置、同デジタル複写機、これらの複合機等に適用して極めて好適である。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の各実施例としての画像形成装置100の構成例を示す図である。
【図2】補正時刻の設定画面P1の表示例を示す図である。
【図3】第1の実施例としての画像形成装置100における補正処理例を示すフローチャートである。
【図4】第2の実施例に係る画像形成装置200における補正処理例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0091】
1Y〜1K 感光体ドラム
2Y〜2K 帯電器
3Y〜3K レーザ書き込みユニット
4Y〜4K 現像ユニット
5Y〜5K 現像ローラ
6 中間転写ベルト
7Y〜7K 1次転写ローラ
12 濃度検出センサ
13 2次転写ローラ
14a 操作手段
14b 設定手段
15 制御システム
16 クリーニングユニット
17 定着装置
51 計時手段
53 判断手段
55 CPU(制御手段)
100 画像形成装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体上に担持された濃度検出用の所定のパターンを有するトナー像を、濃度検出手段により検出し、検出された濃度値と予め設定された基準濃度とを比較することにより、画像形成条件の補正処理を行う画像調整モードを有する画像形成装置において、
前記画像調整モードを実行する補正時刻が設定操作される設定手段と、
時間を計時する計時手段と、
前記設定手段により設定された補正時刻に前記画像調整モードを実行する制御手段と、
電源が投入されたか否か及び通電状態を判断する判断手段とを備え、
前記制御手段は、
前記設定手段により設定された補正時刻になった時に、電源が投入された通電状態でないと判断された場合には前記画像調整モードを実行し、
前記設定手段により設定された補正時刻になった時に、電源が既に投入された状態であると判断された場合には前記画像調整モードの実行を中止することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
像担持体上に担持された濃度検出用の所定のパターンを有するトナー像を、濃度検出手段により検出し、検出された濃度値と予め設定された基準濃度値とを比較することにより、画像形成条件の補正処理を行う画像調整モードを有する画像形成装置において、
時間を計時する計時手段と、
電源投入及び前記計時手段により計時される経過時間を監視し、当該電源投入時及び補正処理後の経過時間の検出に基づいて前記画像調整モードを実行する制御手段と、
電源の投入時を判断する判断手段とを備え、
前記制御手段は、電源が投入された時、
前回の補正処理時刻からの経過時間と予め設定された所定時間とを比較し、
前記補正処理時刻からの経過時間が所定時間を越える場合は、前記画像調整モードを実行し、
前記補正処理時刻からの経過時間が所定時間以下である場合には、前記画像調整モードの実行を中止することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記所定時間を設定する設定手段が備えられることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−163153(P2006−163153A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−356866(P2004−356866)
【出願日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】