説明

画像形成装置

【課題】 複写機に搭載の送信機能において、複数の宛先に向けて原稿をフォーム合成して送信する場合に、送る宛先に最適な言語のフォーム画像を自動的に判別し合成して送信する。
【解決手段】 複写機などネットワークへの送信機能を有した装置を介してネットワークに送信する場合、1枚の原稿画像を複数箇所に同時に配信できる。複数の宛先に向けてフォーム合成により原稿を送信する際、宛先のアドレスを見ることにより、その宛先の言語を判別し適したフォーム画像を選択して合成する

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機などのネットワークへの送信機能を備えた装置において、ネットワークを介した同時送信を行う場合に、宛先毎に異なる内容のフォームと原稿を合成して送信できる画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複写機に搭載されている送信機能に送信原稿に画像を合成する方法が提案されている。その一例として、ある定型のフォーム画像を用意しそれを原稿と一緒に合成している。また、カバーシートを送信先ごとに記憶しておき、同報送信時に送信先をみてカバーシートを切り替えている方法が提案されている(特許文献1)。
【特許文献1】特開平9−69933号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
複写機などネットワークへの送信機能を有した装置を介してネットワークに送信する場合、1枚の原稿画像を複数箇所に同時に配信できるが、例えば海外の宛先と国内の宛先では合成するフォーム画像を変えないとフォームの内容が読めないケースがでてくることがある。例えば製図の図面の枠がフォームであって、その枠内の社名に「キヤノン株式会社」と書いてあっても外国人には読むことができない。従来だとフォームを変えて2回送るか、すべて英語表記にするかどちらかしかなかった。また、上記のような従来の方法を使用した場合でも、送信先によってフォームを対応付けるため、必ずしも言語によって正しいフォーム合成が行えるわけではなかった。そのため、言語毎に分けたフォームを自動的に合成できず、言語により送信先ときちんと対応付けて記憶しておかなくてはならならなかった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するための手段として、請求項1記載の画像形成装置によれば、原稿画像を読み取る読み取り手段と、読み取られた原稿画像を言語情報に対応させてフォーム画像として格納するフォーム格納手段と、別の原稿画像と格納手段に格納された画像を合成する合成手段と、合成後の画像を送信する送信手段と、送信先のアドレスから言語情報を解析する言語解析手段とを有し、言語解析手段の解析結果に応じてフォーム格納手段に格納されたフォーム画像を合成しながら送信することを特徴とする。
【0005】
請求項2記載の画像形成装置によれば、原稿画像を読み取る読み取り手段と、読み取られた原稿画像を言語情報に対応させてフォーム画像として格納するフォーム格納手段と、別の原稿画像と格納手段に格納された画像を合成する合成手段と、合成後の画像を送信する送信手段と、送信先のアドレスから言語情報を解析する言語解析手段とを有し、言語解析手段の解析結果ができなかった場合にフォーム格納手段に格納されたフォーム画像を直接選択して合成しながら送信することを特徴とする。
【0006】
請求項3記載の画像形成装置によれば、前記請求項に記載の送信先のアドレスとして電話番号、メールアドレス、フォルダ名、コンピュータのIP、コンピュータ名を用いることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
原稿を1回スキャンするだけで、複数の宛先に応じて海外向けや国内向けのフォームなどその宛先に応じたフォームを自動的に選択することができる。宛先に応じてフォームを選択する必要がなくなるため、ユーザの利便性が高まる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下本発明を実施するための最良の形態を、実施例により詳しく説明する。
【実施例】
【0009】
(実施例1)
以下、本発明にかかる一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0010】
図1は、本発明の実施例を示す画像形成装置システムの全体の構成を説明するブロック図である。Controller Unitは、画像入力デバイスであるカラースキャナ110や画像出力デバイスであるカラープリンタ111と接続し、一方ではLANや公衆回線(WAN)接続することで、画像情報やデバイス情報の入出力を行う為のコントローラである。 CPU101はシステム全体を制御するコントローラである。RAM102はCPU101が動作するためのシステムワークメモリであり、画像データを一時記憶するための画像メモリでもある。ROM103はブートROMであり、システムのブートプログラムが格納されている。HDD104はハードディスクドライブで、システムソフトウェア、画像データを格納する。操作部I/F105は操作部(UI)106とインターフェース部で、操作部106に表示する画像データを操作部106に対して出力する。また、操作部106から本システム使用者が入力した情報を、CPU101に伝える役割をする。NetWork107はLANに接続し、情報の入出力を行う。Modem109は公衆回線に接続し、画像情報の入出力を行う。画像処理部108は、画像に2値化や解像度変換など各種の画像処理を行うためのものである。
【0011】
次に、実施例1におけるフォーム合成送信時のソフト処理について図2のブロック図を用いて説明する。使用者の指示により、操作部201から、フォーム合成処理を選択および送信先を入力し、原稿入力部202にスキャン指示が伝わる。原稿入力部202により原稿をスキャンし、ガンマ補正や下地飛ばしなどのスキャン用の画像処理を行う。スキャンの終了後、原稿入力部202がスキャン画像をHDDに格納し終わった時点で、送信先解析部203に通知する。送信解析部203では、ファイルの送信のために操作部201より入力された送信先情報を受け取る。受け取った送信先情報を解析し、送信先の種別を特定する。フォーム選択部204では、送信先解析部203で特定した送信先情報を元に、電話番号の識別やメールアドレスの識別など国別の言語を識別するために用いられる言語情報データベース208を参照し、合成フォームフォルダ207から適切なフォーム画像を選択する。言語情報データベースと合成フォームフォルダ内のフォーム画像は国別にあらかじめ関連づけられている。合成処理部205では、フォーム選択部204により選択されたフォーム画像とHDDに格納された原稿画像を合成し、解像度変換や送信に必要な画像処理を施す。送信部206では、機器固有の通信プロトコルを使用して送信を行う。また、ファイル転送の場合、送信部206ではFTP、SMBのようなネットワークの標準的なファイル転送プロトコルを使用する。
【0012】
実施例1のフォーム合成時の送信先解析について図3のフローチャートを用いて説明する。
【0013】
送信先の設定、原稿画像と合成したフォームのフォルダの指定などを操作部で行う(S301、S302)。スキャンを開始し、原稿画像を読み取る(S303)。送信先のアドレスとからフォームフォルダ内のフォーム画像を自動的に選択する(S304)。フォーム画像の選択方法としては、次の方法を用いる。FAXの場合であれば、電話番号の国別の識別情報を言語情報データベース208に登録しておき、電話番号から国を自動判断し送信する。国際電話番号の国別識別子がアメリカ合衆国(1―XXX―XXX―XXXX)であれば、英語のフォームを選択し、中国(86―XXX―XXXX―XXXX)の電話番号であれば、中国語のフォーム画像を選択する。また、宛先がメールアドレスであった場合、.comや.jpなどアドレスの最後の部分をみて決定する。この場合、.comなら英語のフォームフォルダを、.jpなら日本語のフォームフォルダを選択するようにする。これらの方法を用いて言語の選択を行い、フォーム合成フォルダ207より合成するフォーム画像を選択する(S305、S306、S307)。適切な言語がない場合には警告を出すか、デフォルトの言語のフォームを選択する(S308)。フォーム選択の際に選択するフォームが無かった場合もどうように、警告を出すかデフォルト言語のフォーム画像を選択する(S308)。もしくは、下記に示すように個別にフォーム画像を選ぶ手段をとってもよい。
【0014】
選択された言語を用い、フォーム画像とスキャンした原稿画像を合成する(S309)。合成した原稿画像を送信する(S310)。宛先が複数あった場合には、S304〜S310の処理を繰り返す。
【0015】
アドレスで判断できない場合もあるため、手動で、個々のアドレスに対して合成するフォームを選択することも可能である。次に、その例を図4のフローチャートで説明する。
【0016】
送信先の設定、原稿画像と合成したフォームのフォルダの指定などを操作部で行う(S401、S402)。自動的ではなく手動でフォーム画像を選ぶ設定もここで行う。スキャンを開始し、原稿画像を読み取る(S403)。送信宛先毎にフォーム画像をフォーム合成フォルダ207より選択する(S404)。選ばれたフォーム画像とスキャンした原稿画像を合成する(S405)。合成した原稿画像を送信する(S406)。宛先が複数あった場合には、S404〜S310の処理を繰り返す。図3のような自動的にフォーム画像を選ぶ場合、適切なフォーム画像が無かった場合には、図4のフローチャートのようにフォーム合成フォルダから合成するフォーム画像を直接指定してもよい。
【0017】
実施例1におけてフォーム合成送信時の操作部の詳細を図5に示す。図5は、本実施例の画像形成装置におけるユーザーインターフェースである図1の2012の画面であり、各画像形成機能設定後に戻ってくる標準画面でもある。501はコピー設定を行うための画面切り替えを行う。502はスキャンした画像をファックスや電子メールで送信する設定を行うための画面切り替えを行う。503は内蔵HDDにスキャン画像あるいは格納されたスキャン画像を印字、あるいは送信する、あるいは編集する設定を行うための画面切り替えを行う。504は505によって設定された画像読み込み時の設定を表示するためのウィンドウである。505は画像読み込み時の解像度、濃度、フォーム合成などを設定する。フォーム合成する際この設定を行う。506はタイマー送信時のタイマー設定、HDDあるいはプリンタに印字する場合の設定などを行う。507は508によって指定された送信宛先の表示を行う。宛先は複数設定することが可能である。509は507に表示された1宛先の詳細な情報の表示を行う。510は507に表示された1宛先の消去を行う。
【0018】
次にフォーム画像をフォーム合成フォルダに登録するときの処理について示す。登録の際のユーザーインターフェースを図6、7に示す。
図6に図5よりボックスタブ603を押下したときの画面を示す。601はHDDを論理的に区分した各フォルダを示す。フォルダにはフォルダ番号があらかじめ割り振られており、601は0番のフォルダになる。フォルダ番号の横にはフォルダで使用しているディスク容量の割合が表示されている。また、フォルダには任意の名前をつけることができ、名前もここに表示される。602はHDD全体の使用量が表示される。
【0019】
図7に601を押下したときの画面を示す。701および702はフォルダに格納されている文書を示す。文書は複数のページで構成されている。703は選択された文書を送信するためのボタンである。704はスキャナから原稿を読み込み、文書を生成するためのボタンである。705はフォルダ内のすべての文書を選択するためのボタンである。706は選択された文書を削除するためのボタンである。707は選択された文書を印刷するためのボタンである。708は選択された文書を編集するためのボタンである。たとえば2つの文書を選択して、結合し、1つの文書にして保存したり、特定のページを削除する機能を持っている。709は最後に選択された文書の詳細情報を表示するためのボタンである。文書名以外にも解像度、原稿サイズ、カラーなどの情報を見ることができる。
実施例1のフォーム合成の際のフォーム画像の登録方法について図6、7、8を用いて説明する。
【0020】
図8はフォーム画像登録の際のフローを示したものである。図6の操作部で示したフォーム合成を登録するフォルダを選択し、そのフォルダ部を押下する。選択後、次に図7のようなファイル登録画面に遷移する。登録したい言語のファイル名を記入する。英語用のフォーム画像を登録したければ、英語用のフォーム合成ファイル名を付ける。図8では既に英語、日本語、中国語のフォーム合成ファイルが登録されている。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施例1の画像形成システムの全体構成を示す図
【図2】実施例1のフォーム合成時のソフト処理を示す図
【図3】実施例1のフォーム合成時の送信先解析処理を示す図
【図4】実施例1のフォーム合成時のを示す図
【図5】実施例1の送信の操作部を示す図
【図6】実施例1のファイル登録の操作部を示す図
【図7】実施例1のファイル登録の操作部の詳細を示す図
【図8】実施例1の合成フォルダへの登録のフロー図
【符号の説明】
【0022】
101 CPU
102 RAM
103 ROM
104 HDD
105 操作部I/F
106 操作部
107 NETWORK
108 画像処理部
109 MODEM
110 スキャナ
111 プリンタ
201 操作部
202 原稿入力部
203 送信先解析部
204 フォーム選択部
205 合成処理部
206 原稿送信部
207 合成フォームフォルダ
208 言語選択情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿画像を読み取る読み取り手段と、読み取られた原稿画像を言語情報に対応させてフォーム画像として格納するフォーム格納手段と、別の原稿画像と格納手段に格納された画像を合成する合成手段と、合成後の画像を送信する送信手段と、送信先のアドレスから言語情報を解析する言語解析手段とを有し、言語解析手段の解析結果に応じてフォーム格納手段に格納されたフォーム画像を合成しながら送信することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
原稿画像を読み取る読み取り手段と、読み取られた原稿画像を言語情報に対応させてフォーム画像として格納するフォーム格納手段と、別の原稿画像と格納手段に格納された画像を合成する合成手段と、合成後の画像を送信する送信手段と、送信先のアドレスから言語情報を解析する言語解析手段とを有し、言語解析手段の解析結果ができなかった場合にフォーム格納手段に格納されたフォーム画像を直接選択して合成しながら送信することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記請求項に記載の送信先のアドレスとして電話番号、メールアドレス、フォルダ名、コンピュータのIP、コンピュータ名を用いることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−165710(P2006−165710A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−350558(P2004−350558)
【出願日】平成16年12月3日(2004.12.3)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】