説明

画像形成装置

【課題】 ステープル残数不足により印刷データのすべてを印刷することができなくなる事態を回避する画像形成装置を提供する。
【解決手段】 印刷時刻指定機能を有する画像形成装置において、受信した印刷データの印刷に必要なステープル数を計数するステープル計数手段102と、装置内のステープル残数を検知するステープル残数検知手段106と、印刷時刻が指定された印刷データを受信した際に、印刷データの印刷に必要なステープル数がステープル残数よりも大きい場合にステープル残数の不足を通知する表示手段108と、各手段を制御する制御手段105とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置などの画像形成装置に関し、特に、印刷時刻指定機能を有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷データの画像形成時刻を指定できる画像形成装置が知られている。一方、高速、大型画像形成装置では、画像形成装置本体にオプションの大容量給紙バンク、ADF、用紙後処理装置を併設し、画像形成システムを構築するのが一般的である。用紙後処理装置には、ソータ、ステープラ、パンチユニットなどが組み込まれる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
印刷時刻指定機能を有し、かつステープラを組み込んだ用紙後処理装置を有する画像形成装置において、印刷時刻を指定された印刷データの印刷に際し、ステープル残数が不足していて印刷データのすべてを印刷できないことがある。
本発明は、ステープル残数不足により印刷データのすべてを印刷することができなくなる事態を回避する画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、印刷時刻指定機能を有する画像形成装置において、受信した印刷データの印刷に必要なステープル数を計数するステープル計数手段と、装置内のステープル残数を検知するステープル残数検知手段と、印刷時刻が指定された印刷データを受信した際に、印刷データの印刷に必要なステープル数がステープル残数よりも大きい場合にステープル残数の不足を通知する表示手段と、各手段を制御する制御手段とを備えた画像形成装置を最も主要な特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、印刷時刻が指定された印刷データを記憶する印刷データ記憶手段を備え、ステープル計数手段は、記憶されている印刷データの印刷に必要なステープル数を計数する機能を有し、前記制御手段は、記憶されている印刷データの印刷に必要なステープル数がステープル残数よりも大きい場合にステープル残数の不足を通知するように前記表示手段を制御することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の画像形成装置において、前記制御手段は、印刷データを受信した際に、受信した印刷データの印刷に必要なステープル数と記憶されている印刷データの印刷に必要なステープル数の合計がステープル残数よりも大きい場合に、ステープル残数の不足を通知するように前記表示手段を制御することを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項2記載の画像形成装置において、前記制御手段は、印刷データを受信した際に、受信した印刷データの印刷に必要なステープル数と記憶されている印刷データの印刷に必要なステープル数の合計がステープル残数よりも大きい場合に、受信した印刷データの印刷を禁止することを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の画像形成装置において、前記制御手段は、ステープル残数の不足により受信した印刷データの印刷を行わない場合に、ステープル残数の不足を通知するように前記表示手段を制御することを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項4記載の画像形成装置において、制御手段は、記憶されている印刷データの印刷に必要なステープル数の合計がステープル残数よりも小さい場合に、受信した印刷データのうち、まだ印刷されていない残り印刷部数のうちの1部を印刷する制御を行う画像形成装置を主要な特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項4記載の画像形成装置において、前記制御手段は、ステープル残数の不足により印刷できない場合に、ステープル残数の不足を通知するように前記表示手段を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明は、印刷時刻指定機能を有する画像形成装置において、受信した印刷データの印刷に必要なステープル数を計数するステープル計数手段と、装置内のステープル残数を検知するステープル残数検知手段と、印刷時刻が指定された印刷データを受信した際に、印刷データの印刷に必要なステープル数がステープル残数よりも大きい場合にステープル残数の不足を通知する表示手段と、各手段を制御する制御手段とを備えたことにより、ステープル残数不足により印刷データのすべてを印刷できなくなる事態を回避することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
図1は本発明の実施の形態に係る画像形成装置の機能ブロック図である。本画像形成装置110は上位装置であるホスト装置200と接続されており、ホスト装置200で作成された印刷データを受信して解読し、用紙に出力するようになっている。
本画像形成装置110は、インタフェース部100、印刷データ記憶部101ステープル計数部102、メモリ103、ROM104、CPU105、ステープル残数検知センサ106、画像形成部107、表示部108を備える。
以下、CPU105の制御による本画像形成装置110の動作を説明する。
図2は第1の制御例を示すフローチャートである。インタフェース部100でホスト装置200より印刷データを受信すると(S1)、印刷データを解析し、印刷時刻指定されていた場合は(S2ではい)、当該印刷データの印刷に必要なステープル数Nをステープル計数部102で計算する(S3)。ステープル残数検知センサ106でステープル残数Mを取得し(S4)、N>Mならば(S5ではい)ステープル残数の不足を、表示部108を通じて通知する(S6)。
図3は第2の制御例を示すフローチャートである。時刻指定された印刷データが印刷データ記憶部101に記憶されているか調べ(S1)、記憶されていた場合はステープル計数部102で当該印刷データの印刷に必要なステープル数Nを計算する(S2)。ステープル残数検知センサ106でステープル残数Mを取得し(S3)、N>Mならば(S4ではい)ステープル残数の不足を、表示部108を通じて通知する(S5)。
図4は第3の制御例を示すフローチャートである。インタフェース部100でホスト装置200より印刷データを受信すると(S1)、印刷データを解析し、当該印刷データの印刷に必要なステープル数N1をステープル計数部102で計算する(S2)。また、ステープル計数部102で印刷データ記憶部101に記憶されている印刷データの印刷に必要なステープル数N2を計算する(S3)。ステープル残数検知センサ106でステープル残数Mを取得し(S4)、N1+N2>Mならば(S5ではい)ステープル残数の不足を、表示部108を通じて通知する(S6)。
【0007】
図5は第4の制御例を示すフローチャートである。インタフェース部100でホスト装置200より印刷データを受信すると(S1)、時刻指定された印刷データが印刷データ記憶部101に記憶されているか調べ(S2)、記憶されていなければ、受信した印刷データを印刷する(S3)。記憶されていた場合は、受信した印刷データを解析し、当該印刷データの印刷に必要なステープル数N1をステープル計数部102で計算する(S4)。また、ステープル計数部102で印刷データ記憶部101に記憶されている印刷データの印刷に必要なステープル数N2を計算する(S5)。ステープル残数検知センサ106でステープル残数Mを取得し(S6)、N1+N2>Mでなければ(S7でいいえ)受信した印刷データを印刷する(S3)。そうでなければ(S7ではい)、受信した印刷データを破棄する(S8)。
図6は第5の制御例を示すフローチャートである。インタフェース部100でホスト装置200より印刷データを受信すると(S1)、時刻指定された印刷データが印刷データ記憶部101に記憶されているか調べ(S2)、記憶されていなければ、受信した印刷データを印刷する(S3)。記憶されていた場合は、受信した印刷データを解析し、当該印刷データの印刷に必要なステープル数N1をステープル計数部102で計算する(S4)。また、ステープル計数部102で印刷データ記憶部101に記憶されている印刷データの印刷に必要なステープル数N2を計算する(S5)。ステープル残数検知センサ106でステープル残数Mを取得し、N1+N2>Mでなければ(S7でいいえ)受信した印刷データを印刷する(S3)。そうでなければ(S7ではい)、受信した印刷データを破棄し(S8)、ステープル残数の不足を表示部108を通して通知する(S9)。
【0008】
図7は第6の制御例を示すフローチャートである。インタフェース部100でホスト装置200より印刷データを受信すると(S1)、ステープル計数部102で印刷データ記憶部101に記憶されている印刷データの印刷に必要なステープル数Nを計算する(S2)。ステープル残数検知センサ106でステープル残数Mを取得し(S3)、N<Mならば(S4ではい)まだ印刷していない印刷部数のうちの1部を印刷し(S5)、まだ印刷していない印刷データがある場合は(S6ではい)解析処理に戻る。N<Mでなければ(S4でいいえ)まだ印刷していない残りの印刷データを破棄する(S7)。
図8は第7の制御例を示すフローチャートである。インタフェース部100でホスト装置200より印刷データを受信すると(S1)、ステープル計数部102で印刷データ記憶部101に記憶されている印刷データの印刷に必要なステープル数Nを計算する(S3)。ステープル残数検知センサ106でステープル残数Mを取得し(S3)、N<Mならば(S4ではい)まだ印刷していない印刷部数のうちの1部を印刷し(S5)、まだ印刷していない印刷データがある場合は(S6ではい)解析処理に戻る。N<Mでなければ(S4でいいえ)まだ印刷していない残りの印刷データを破棄し(S7)、ステープル残数の不足を通知する(S8)。
【0009】
本実施形態によれば、印刷時刻を指定された印刷データを受信した段階で、印刷データのすべてを印刷するのに必要なステープル残数が不足している場合に、ユーザーにステープルの補充やステープル指定の見直しを促すことで、実際に印刷データを印刷する際にステープル残数不足により印刷データのすべてを印刷できなくなる事態を回避することが可能となる。
また、記憶されている印刷データの印刷に必要なステープル数がステープル残数よりも大きい場合にステープル残数の不足を通知することで、時刻指定をしない印刷データの印刷の際にも、時刻指定された印刷データの印刷に必要なステープル残数が不足している場合に、ユーザーにステープルの補充やステープル指定の見直しを促し、時刻指定された印刷データを印刷する際にステープル残数不足により印刷データのすべてを印刷できなくなる事態を回避することが可能となる。
また、印刷データを受信した際に、受信した印刷データの印刷に必要なステープル数と記憶されている印刷データの印刷に必要なステープル数の合計がステープル残数よりも大きい場合に、ステープル残数の不足を通知することで、ユーザーにステープルの補充やステープル指定の見直しを促し、受信した印刷データのすべての印刷と記憶されている印刷データのすべての印刷においてステープル残数が不足する事態を回避することが可能となる。
また、印刷データを受信した際に、受信した印刷データの印刷に必要なステープル数と記憶されている印刷データの印刷に必要なステープル数の合計がステープル残数よりも大きい場合に、受信した印刷データの印刷を行わないことで、ステープル残数不足になることなく記憶されている印刷データをすべて印刷することが可能となる。
また、ステープル残数の不足により受信した印刷データの印刷を行わない場合に、ステープル残数の不足を通知することで、ユーザーにステープルの補充やステープル指定の見直しを促し、印刷データの印刷を行うことが可能となる。
また、記憶されている印刷データの印刷に必要なステープル数の合計がステープル残数よりも小さい場合に、受信した印刷データのうち、まだ印刷されていない残り印刷部数のうちの1部を印刷することで、ステープルを補充しなくても、記憶されている印刷データの印刷に必要なステープルがある限り印刷を行うことができる。
また、ステープル残数の不足により印刷できない場合に、ステープル残数の不足を通知することで、ユーザーにステープルの補充やステープル指定の見直しを促し、受信した印刷データのすべてを印刷することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の機能ブロック図。
【図2】第1の制御例を示すフローチャート。
【図3】第2の制御例を示すフローチャート。
【図4】第3の制御例を示すフローチャート。
【図5】第4の制御例を示すフローチャート。
【図6】第5の制御例を示すフローチャート。
【図7】第6の制御例を示すフローチャート。
【図8】第7の制御例を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0011】
101 画像データ記憶部(画像データ記憶手段)
102 ステープル計数部(ステープル計数手段)
105 CPU(制御手段)
106 ステープル残数検知センサ(ステープル残数検知手段)
108 表示部(表示手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷時刻指定機能を有する画像形成装置において、受信した印刷データの印刷に必要なステープル数を計数するステープル計数手段と、装置内のステープル残数を検知するステープル残数検知手段と、印刷時刻が指定された印刷データを受信した際に、印刷データの印刷に必要なステープル数がステープル残数よりも大きい場合にステープル残数の不足を通知する表示手段と、各手段を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成装置において、印刷時刻が指定された印刷データを記憶する印刷データ記憶手段を備え、ステープル計数手段は、記憶されている印刷データの印刷に必要なステープル数を計数する機能を有し、前記制御手段は、記憶されている印刷データの印刷に必要なステープル数がステープル残数よりも大きい場合にステープル残数の不足を通知するように前記表示手段を制御することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2記載の画像形成装置において、前記制御手段は、印刷データを受信した際に、受信した印刷データの印刷に必要なステープル数と記憶されている印刷データの印刷に必要なステープル数の合計がステープル残数よりも大きい場合に、ステープル残数の不足を通知するように前記表示手段を制御することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項2記載の画像形成装置において、前記制御手段は、印刷データを受信した際に、受信した印刷データの印刷に必要なステープル数と記憶されている印刷データの印刷に必要なステープル数の合計がステープル残数よりも大きい場合に、受信した印刷データの印刷を禁止することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4記載の画像形成装置において、前記制御手段は、ステープル残数の不足により受信した印刷データの印刷を行わない場合に、ステープル残数の不足を通知するように前記表示手段を制御することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項4記載の画像形成装置において、前記制御手段は、記憶されている印刷データの印刷に必要なステープル数の合計がステープル残数よりも小さい場合に、受信した印刷データのうち、まだ印刷されていない残り印刷部数のうちの1部を印刷することを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項4記載の画像形成装置において、前記制御手段は、ステープル残数の不足により印刷できない場合に、ステープル残数の不足を通知するように前記表示手段を制御することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−224352(P2006−224352A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−38433(P2005−38433)
【出願日】平成17年2月15日(2005.2.15)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】