説明

画像形成装置

【課題】 処理機能毎に優先モードの変更を可能にし且つ変更が安易に行われないようにする。
【解決手段】 FAX送信時の原稿読取りにおいて、大量原稿処理モードは先優先、SADF処理モードは後優先の優先権を有している。SADF処理モードを先優先に変更するとき、制御部は変更手続を表す画面1乃至18を表示しユーザーに所定の操作を求める。画面9の表示時点でメッセージにより1回目の戻るキーの操作を求め、操作されると画面10乃至13が表示される。画面13を表示したとき、2回目の戻るキー操作を求め、操作されると画面14乃至18が表示される。画面13の表示時点でSADF処理モードの後優先コードは先優先コードに書替えられ、画面17で設定できない旨の表示画面とし、画面18でSADF処理モードは先優先に変更された画面となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、最後に入力された処理機能を無効にし、最初に入力された処理機能を有効にする先優先モードと、最後に入力された処理機能を有効にし、最初に入力された処理機能を無効にする後優先モードを切替える手段を有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、OA機器の設置空間を有効に活用できるようにするためにデジタル複写機において、複写機周囲の2方向から入力、原稿設定等の操作を行うようにしたものがある。このように2方向からそれぞれ入力、原稿読取り設定等の処理機能の設定操作が行われる場合、該操作により設定される処理機能を順情報とともに記憶し、当該操作の設定に基いた動作が終了後、先に設定された設定情報により画像処理を行う、いわゆる先優先モードにより画像処理を行うデジタル複写機が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
一方、刊行物に記載された発明ではないが、当該機器のあらゆる処理機能を、最後に入力された処理機能を有効にし、初期入力された処理機能を無効にする、いわゆる後優先モードとし画像処理を行うデジタル複写機も知られている。
【0004】
処理機能が先優先モード又は後優先モードのいずれのモードで設定されるかは、異なる製造会社の製品間でばらつきがあり、また同一製造会社の製品間でもばらついているのが実状である。このためユーザーはメーカー或いは機種に応じて処理機能の優先モード状況を認識、使い分ける必要があり、操作性の観点から不便があった。
【特許文献1】特開平5−216314号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような実状に鑑みなされたもので、処理機能ごとにユーザーが使用し易いように処理機能の優先モードを変更可能できるようにするとともに、その変更が安易に行われると却って処理機能がどの優先モードに設定されているか分からなくなり、使い勝手が悪くことから優先モードの変更が安易に行われないようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、同一の処理における複数の処理態様のうち一つの処理態様が実行可能な画像形成装置であって、予め設定された処理態様を他の処理態様に優先して実行する画像形成装置において、前記優先して実行すべき処理態様を同一の処理における他の処理態様に変更する手段を備え、該変更手段は、所定の変更操作が行われたとき、前記優先して実行すべき処理態様を他の処理態様に変更することを特徴とする画像形成装置である。
請求項2の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、前記優先して実行すべき処理態様を同一の処理における他の処理態様に変更する手段は、最初に設定された処理態様を優先する前優先を最後に設定された処理態様を優先する後優先又は、最後に設定された処理態様を優先する後優先を最初に設定された処理態様を優先する先優先に変更することを特徴とする画像形成装置である。
請求項3の発明は、請求項1又は2記載の画像形成装置において、前記優先して実行すべき処理態様を同一の処理における他の処理態様に変更する手段は、同一の変更操作を繰返し行われたとき、前記優先して実行すべき処理態様を他の処理態様に変更することを特徴とする画像形成装置である。
請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置において、前記同一の処理は原稿読取り処理であることを特徴とする画像形成装置である。
請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置において、前記複数の処理態様は、自動原稿送り装置にセット可能な原稿枚数を超えて追加原稿がセットされたとき、該追加原稿を自動的に読取り開始する処理態様、及び前記追加原稿を手動操作により読取り開始する処理態様であることを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、処理機能ごとに優先モードが変更できるとともに、そのとき変更操作を煩雑化しているので、優先モードが安易に変更されることがなくなり処理機能の使い勝手が悪くなるのを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
はじめに、本発明が実施される複合機として機能するデジタル複写機について説明する。
図1は、本発明が適用されるデジタル複写機の中央部断面構成図である。図1において、自動原稿送り装置(以後ADF)1にある、原稿台2に原稿の画像面を上にして置かれた原稿束は、操作部30上のプリントキー34が押下されると、一番下の原稿から給送ローラ3、給送ベルト4によってコンタクトガラス6上の所定の位置に給送される。一枚の原稿の給送完了により原稿枚数をカウントアップするカウント機能を有している。給送された原稿は読取りユニット50によってコンタクトガラス6上の原稿の画像データを読取り後、読取りが終了した原稿は、給送ベルト4及び排送ローラ5によって排出される。さらに、原稿セット検知器7にて原稿台2に次の原稿が有ることを検知した場合、前原稿と同様にコンタクトガラス6上に給送される。給送ローラ3、給送ベルト4、排送ローラ5は搬送モータ26によって駆動される。第1トレイ8、第2トレイ9、第3トレイ10に積載された転写紙は、各々第1給紙装置11、第2給紙装置12、第3給紙装置13によって給紙され、縦搬送ユニット14によって感光体15に当接する位置まで搬送される。読取りユニット50にて読込まれた画像データは、書込みユニット57からのレーザによって感光体15に書込まれ、現像ユニット27を通過することによってトナー像が形成される。そして、転写紙は感光体15の回転と等速で搬送ベルト16によって搬送されながら、感光体15上のトナー像が転写される。その後、定着ユニット17にて画像を定着させ、排紙ユニット18によって後処理装置のフィニシャ100に排出される。
【0009】
後処理装置のフィニシャ100は、本体の排紙ローラによって搬送された転写紙を、通常排紙ローラ102方向と、ステープル処理部方向へ導くことができる。切替板101を上に切替えることにより、搬送ローラ103を経由して通常排紙トレイ104側に排紙することができる。また、切替板101を下方向に切替えることで、搬送ローラ105、107を経由して、ステープル台108に搬送することができる。ステープル台108に積載された転写紙は、一枚排紙されるごとに紙揃え用のジョガー109によって、紙端面が揃えられ、一部のコピー完了と共にステープラ106によって綴じられる。ステープラ106で綴じられた転写紙群は自重によって、ステープル完了排紙トレイ110に収納される。
【0010】
一方、通常の排紙トレイ104は前後に移動可能な排紙トレイである。前後に移動可能な排紙トレイ部104は、原稿毎、あるいは、画像メモリによってソーティングされたコピー部毎に、前後に移動し、簡易的に排出されてくるコピー紙を仕分ける。転写紙の両面に画像を作像する場合は、各給紙トレイ8〜10から給紙され作像された転写紙を排紙トレイ104側に導かないで、経路切替えのための分岐爪112を上側にセットすることで、一旦両面給紙ユニット111にストックする。
【0011】
その後、両面給紙ユニット111にストックされた転写紙は再び感光体15に作像されたトナー画像を転写するために、両面給紙ユニット111から再給紙され、経路切替えのための分岐爪112を下側にセットし、排紙トレイ104に導く。この様に転写紙の両面に画像を作成する場合に両面給紙ユニット111は使用される。感光体15、搬送ベルト16、定着ユニット17、排紙ユニット18、現像ユニット27はメインモータ25によって駆動され、各給紙装置11〜13はメインモータ25の駆動を各々給紙クラッチ22〜24によって伝達駆動される。縦搬送ユニット14はメインモータ25の駆動を中間クラッチ21によって伝達駆動される。また、装置内で異常をユーザーに知らせなければならない部分には、異常を検知するセンサーが設置されている。
【0012】
図2は、操作部を示す図であり、図中、操作部30には、液晶タッチパネル31、テンキー32、クリア/ストップキー33、スタートキー34、予熱キー35、リセットキー36、初期設定キー37、印刷キー38、送信キー39、保存キー40、ファクシミリキー41があり、液晶タッチパネル31には、入出力形式の選択キー、機能設定キー、戻るキー、矢印キー、OKキー、処理機能の状態、メッセージなどが表示される。
【0013】
初期設定キー37を押すことにより複写機の初期状態を任意にカスタマイズすることが可能である。複写機が収納している用紙サイズを設定したり、コピー機能のモードクリアキーを押したときに設定される状態を任意に設定可能である。また、一定時間操作が無いときに優先して選択されるアプリケーション等も選択すること、国際エネルギースター計画に従った低電力への移行時間の設定や、オートオフ/スリープモードへの移行する時間を設定することが可能である。予熱キー35を押すと、複写機は待機状態から、電力低減状態に移行し、定着温度を低下させたり、操作部の表示を消灯する。予熱状態は、国際エネルギースター計画で言う、低電力状態を意味している。また、予熱状態、オフ状態/スリープ状態を解除し、待機状態に移行させるには、この予熱キーを再度押下する。ファクシミリキー41を押すことで通信画面が表示され、所定の事項について入力することにより後述する先後優先モードの変更画面を呼出し表示する。この他にも図示されていないが各種機能を設定するキーが用意されている。
【0014】
図3は、操作部の液晶タッチパネルの表示例を示す図である。図3において、オペレータが液晶タッチパネル31に表示されたキーにタッチすると、優先モードの変更画面が次々と表示され、所定のキー操作により優先モードの変更が可能になる。
【0015】
再度図1を参照し、デジタル複写機の原稿読取りから画像の書込みまでを説明する。読取りユニット50は、原稿を載置するコンタクトガラス6と光学走査系で構成されており、光学走査系には、露光ランプ51、第1ミラー52、レンズ53、CCDイメージセンサ54等々で構成されている。露光ランプ51及び第1ミラー52は図示しない第1キャリッジ上に固定され、第2ミラー55及び第3ミラー56は図示しない第1キャリッジ上に固定されている。原稿像を読取るときには、光路長が変わらないように、第1キャリッジと第2キャリッジとが2対1の相対速度で機械的に操作される。この光学走査系は、図示しないスキャナ駆動モータにて駆動される。原稿画像は、CCDイメージセンサ54によって読取られ、電気信号に変換されて処理される。
【0016】
書込みユニット57はレーザ出力ユニット58、結像レンズ59、ミラー60で構成され、レーザ出力ユニット58の内部には、レーザ光源であるレーザダイオード及びモータによって高速で定速回転する多角形ミラー(ポリゴンミラー)が備わっている。
【0017】
書込みユニット57から出力されるレーザ光が、画像作像系の感光体15に照射される。図示しないが感光体15の一端近傍のレーザビームを照射される位置に、主走査同期信号を発生するビームセンサが配置されている。
【0018】
図4は、図1のデジタル複写機の制御部のブロック構成図であり、図中、システムコントローラ201は、操作部コントローラ、周辺機コントローラ等の各種コントローラを介し、融合アプリケーションにより各種データのやり取りを制御している。また後述する優先モードの変更処理、この変更処理に伴う画面表示の変化を制御する。
【0019】
次に、本発明の実施形態に係るデジタル複写機の機能設定の先優先モード及び後優先モードを変更する手法について図5乃至図15を参照して詳細に説明する。
本実施形態では多機能型のデジタル複写機におけるファクシミリ送信時の大量原稿モード即ち、自動原稿送り装置(ADF)にセット可能な枚数を超える原稿の場合に、一旦読取りを中断して原稿の継ぎ足しを可能とする機能であって、継ぎ足したい原稿をADFにセットした後、スタートキーを押下するとき、読取りを再開するモード及び、SADFモード即ち、自動原稿送り装置(ADF)にセット可能な枚数を超える原稿の場合に、一旦読取りを中断して原稿の継ぎ足しを可能とする機能であって継ぎ足したい原稿をADFにセットすると、自動的に読取りを再開するモードの優先モードの変更について述べる。なお、優先モードを変更する例として、この他に、例えば後処理機能における各種機能の優先モードを変更する例などがある。
【0020】
はじめに本発明の前提となる最も単純な先優先モードと後優先モードの変更について説明する。
【0021】
図5は、後から設定されたSADFモードを有効にし、先に設定された大量原稿モードを無効にする優先モード変更時の表示画面の変化を示す図である。
【0022】
ここで、設定操作に伴う表示画面の変化は、各画面には、画面を一意に識別できるユニークな識別番号が付与されて、また各キーにも操作されたキーが一意に識別できるユニークな識別番号が付与されて記憶装置に記憶されているので、システムコントローラ201が予め搭載されたプログラムに基いてこれらの識別番号を管理することにより、一連の画面の呼出しと表示が実行される。なお、図5、図6、図14の各画面番号は識別番号を示す。更に先優先モードと後優先モードを識別可能にする識別コードが用意され先優先モード及び後優先モードが一意に識別できるようになっている。
【0023】
いまユーザーが図2の操作部でファクシミリキー41を押下すると、液晶タッチパネル31に図3の画面が表示される。この画面は優先モードの変更操作に基き図5に示す一連に画面に変化する。
図5において、まず通信操作画面1が表示され、ファクスできます、原稿をセット、宛先を指定の表示がなされるので、ユーザーはこの表示に従って操作を行い、拡張送信キーを押下すると、拡張送信操作画面2に変化する。画面2では、拡張送信設定メニューとして一旦大量原稿モードを設定するので、例えば反転表示されている大量原稿モードを確認してOKキーを押下する。この押下により、大量原稿モード設定画面3に変化する。画面3では大量原稿モードの、設定するが反転表示されているので、OKキーを押下すると、大量原稿モード設定画面4に変化する。画面4では、大量原稿モードが設定されましたというメッセージを表示し、その2秒後に自動的に画面2と同じ拡張送信操作画面5が表示され、先に設定された大量原稿モードを有効にする。
【0024】
次にユーザーは、SADFモードを先優先モードに設定するために画面5において、下矢印キーによりSADFモードを選択すると、拡張送信画面6に変化する。画面6では、SADFモードが反転表示されているので、OKキーを押下すると、SADFモード設定画面7に変化する。画面7では、SADFモードを設定しないが反転表示されているので、上矢印キーで設定する、を選択すると、SADFモード設定画面8に変化する。画面8では、SADFモードを設定する、が反転表示されているので、OKキーを押下するとSADFモード設定画面9に変化する。画面9では、同時に大量原稿OFFします、というメッセージを表示し、先に設定された大量原稿モードを無効にする。
【0025】
その2秒後、SADFモード設定画面10に変化し、ここで後から設定されたSADFモードを有効にし、SADFモードが設定されましたというメッセージを表示する。更にその2秒後に自動的に拡張送信操作画面11に変化し、画面11ではSADFモードが反転表示され、このように後から設定されたSADFモードが優先する後優先モードとして設定される。
【0026】
次に、本発明の実施形態に係るデジタル複写機の機能設定情報の先後優先モードを変更する手法を詳細に説明する。
図6は、後優先モードのSADFモードを先優先モードに変更するときの画面変化を示す図である。
図6において、画面1から画面9までの変化は、図5の画面1から画面9にそれぞれ対応して同じであるので表示内容の説明は省略する。画面9が表示されるとき、液晶タッチパネルには、「SADFモードを先優先に設定するときは、戻るキーを押してください」というメッセージが表示されるので、ユーザーはこのメッセージに従って戻るキーを押下すると、システムコントローラ201は、画面9を最新の否定操作が行われたものとしてその画面番号を最新の否定操作テーブルに書込む。図7は、この最新の否定操作テーブルを示す図である。また最新の否定操作履歴テーブルが用意されており、この履歴テーブルにも最新の否定操作が行われたものとしての画面番号が書込まれる。
図8は、最新の否定操作履歴テーブルを示す図である。この否定操作履歴テーブルは先後優先モードのコード記憶欄を有しており、コード記憶欄に先優先モードのコードがePRIORITY−FIRST、後優先モードのコードがePRIORITY−LASTのように書込まれる。
図9は、先後優先モードのコードの記憶欄を有する否定操作履歴テーブルを示す図であり、本実施形態の場合、画面番号9についてePRIORITY−LASTが書込まれる。
【0027】
続いてシステムコントローラ201により画面10が表示され、更に画面11から画面13までの画面が表示される。画面の内容は、画面6から画面9にそれぞれ対応し同じである。
ここで、再度「SADFモードを先優先に設定するときは、1度戻るきーを押してください」というメッセージが表示されるので、ユーザーはこのメッセージに従って戻るキーを押下すると、否定操作履歴テーブルに画面番号13を書込む。そして最新の否定操作に係る画面番号が存在しているか否により、この場合既に画面番号9が存在しているので、画面番号13の後優先コードePRIORITY−LASTを先優先コードePRIORITY−FIRSTに書替え、また否定操作履歴テーブルの画面番号9を削除する。
【0028】
そして拡張送信画面14が表示され、画面14では、SADFモードが反転表示されているので、OKキーを押下すると、SADFモード設定画面15に変化する。画面15では、SADFモードを設定しない、が反転表示されているので、上矢印キーで、設定する、を選択すると、SADFモード設定画面16に変化する。画面16では、SADFモードを設定するが反転表示されているので、OKキーを押下するとSADFモード設定画面17に変化する。画面17では、否定操作履歴テーブルの当該画面番号13の先後優先コードが先優先ePRIORITY−FIRSTに書替えられているので、設定できませんというメッセージを表示し、2秒後にSADFモードを先優先モードにした拡張送信操作画面18が表示される。
【0029】
このSADFモードの後優先モードを先優先モードに変更するシステムコントローラ側の処理は次のようになる。
図10は、否定操作履歴の記憶処理のフローを示す図である。
図10において、この処理がスタートすると、システムコントローラ201は、前記画面変化の中でキー操作毎に、戻るキーが押下されたか否かをチェックし(S1)、押下されたとき、当該画面番号を最新の否定操作テーブルに書込む(S2)。そして否定操作履歴テーブルにアクセスし最新の否定操作による画面番号が存在しているか否かをチェックし(S3,S4)、存在しているときは、最新の否定操作テーブルに記憶している当該画面番号の先後優先コードを逆のコードに書替え(S5)、否定操作履歴テーブルの該当する画面番号を削除し(S6)、この処理を終了する。ステップS4において最新の否定操作による当該画面番号が存在していないときは、否定操作履歴テーブルに最新の否定操作による画面番号を書込み(S7)、この処理を終了する。戻るキーが押下されないときは(S1)、何もしない。
【0030】
以上は、否定操作を2回行ってSADFモードの優先モードを変更する実施形態について説明したが、否定操作回数をしきい値として保持し、このしきい値に達したとき、先優先モード及び後優先モードを変更することができる。
次に、否定操作回数がしきい値に到達したとき優先モードを変更する実施形態について説明する。本実施形態においても画面表示の変化は図6と同じであり、戻るキー操作がしきい値で設定された回数操作されたとき、はじめて図6の画面14以下の画面が表示されることになる。この変更におけるシステムコントローラにおける処理フローを説明する。
【0031】
再度図6を参照し、SADFモード設定画面9において、戻るキーが押下され、システムコントローラ201がこれを検知すると、画面番号9を否定操作履歴テーブルに書込み、その否定回数を1とする。SADFモード設定画面13で、再度戻るキーが操作されたことが検知されると、画面番号13が否定操作履歴テーブルに書込まれ、否定操作回数を2とする。しきい値が2に設定されているので、これと一致するため、先後優先記憶欄の当該画面番号の後優先コード(ePRIORITY−LAST)を先優先コード(ePRIORITY−FIRST)に書替える。また否定操作履歴テーブルの画面番号9、及び否定操作回数を削除する。SADFモード設定画面17で当該画面番号の優先コードが先優先コードに書替えられているので、設定できません、の表示を行う。
【0032】
図11は、否定操作回数しきい値テーブルを示す図で、テーブルに予め決められたN回、例えば2回、4回などの回数が記憶されている。
図12は、否定操作が行われた回数を記憶する否定操作回数履歴テーブルを示す図であり、図中、実行された否定操作の画面番号、回数が記憶される。従ってシステムコントローラ201は、このしきい値テーブルと否定操作回数履歴テーブルにアクセスしながら画面表示の流れとそれに伴う先後優先コードの書替えを制御する。
【0033】
図13は、しきい値に基く優先モードを変更するときの否定操作履歴の記憶処理のフロー図である。図13によりこの処理を説明すると、この処理がスタートすると、システムコントローラ201は、キー操作毎に前記画面変化の中で戻るキーが押下されたか否かをチェックし(S11)、押下されたとき、当該画面番号を最新の否定操作テーブルに書込む(S12)。そして否定操作履歴テーブルにアクセスし最新の否定操作による画面番号が存在しているか否かをチェックし(S13,S14)、存在しているときは、否定操作回数履歴テーブル(図12)の当該画面番号の否定操作回数を1加算する(S15)。そして否定操作回数しきい値テーブル(図11)にアクセスし、否定操作回数がしきい値に達したか否かを判断する(S16)。しきい値に達した場合においては、最新の否定操作テーブルに記憶している当該画面番号の先後優先コードを逆のコードに書替え(S17)、否定操作履歴テーブルの該当する画面番号を削除し、また否定操作回数履歴テーブルの当該画面番号の否定操作回数を削除し(S18)、この処理を終了する。ステップS14において最新の否定操作による当該画面番号が存在していないときは、否定操作履歴テーブルに最新の否定操作による画面番号を書込み、また否定操作回数履歴テーブル(図12)の当該画面番号の否定操作回数を1加算し(S19)、この処理を終了する。戻るキーが押下されないとき(S11)、及び否定操作回数がしきい値に達しないときは、何の記憶処理も行わない。
【0034】
更に本実施形態は、優先モードの変更を最終的に実行するときユーザーに確認を求める。
図14及び図15を参照してこの実施形態について説明する。
図14は、優先モードの変更の確認を求めるときの画面変化を示す図である。図14において、画面1から画面13までの表示画面の変化は、図6の画面1乃至画面13と同じである。即ち、SADFモード設定画面9で戻るキーが押下されたことを検知し、画面番号を否定操作履歴テーブルに書込む。SADFモード設定画面13で、再度戻るキー操作が行われたことを検知すると、画面番号9が既に否定操作テーブルに書込まれていることを検知し「設定を先優先にしますか」のガイダンスを表示する。OKキーが押下されたら、先後優先記憶欄の当該画面番号の後優先コード(ePRIORITY−LAST)を先優先コード(ePRIORITY−FIRST)に書替える。また否定操作履歴テーブルの画面番号9及び否定操作回数を削除する。
【0035】
画面13が表示され、戻るキーを押下したとき、戻るキーの操作回数がしきい値に達していたとすると、「設定を先優先にしますか」のメッセージ及び「設定する」が反転表示されたSADFモード設定画面13aが表示されるので、ユーザーはこれを確認してOKキーを押下すると、画面14が表示され、以下所定のキー操作を行うことにより画面15乃至画面18が表示され、優先モードの変更が実行される。SADF画面17では、当該画面番号の優先コードが先優先に書替えられているので、設定できません、の表示を行う。
【0036】
図15は、優先モードの変更の確認が行われるときの否定操作履歴の記憶処理のフロー図である。図15に従って説明すると、システムコントローラ201は、図14の画面を表示しキー操作毎に、戻るキーが押下されたか否かをチェックし(S21)、押下されたとき、当該画面番号を最新の否定操作テーブルに書込む(S22)。そして否定操作履歴テーブルにアクセスし最新の否定操作による画面番号が存在しているか否かをチェックし(S23,S24)、存在しているときは、否定操作回数履歴テーブルの当該画面番号の否定操作回数を1加算する処理、否定操作回数しきい値テーブルにアクセスし、否定操作回数がしきい値に達したか否かを判断する処理を行った上で、しきい値に達した場合においては、「設定を先優先にしますか」という確認のガイダンスを画面表示する(S25)。
【0037】
設定を先優先モードにすることを確認するOKキーが押下されると(S26)、最新の否定操作テーブルに記憶している当該画面番号の先後優先コードを逆のコードに書替え(S27)、否定操作履歴テーブルの該当する画面番号を削除し、また否定操作回数履歴テーブルの当該画面番号の否定操作回数を削除し(S28)、この処理を終了する。ステップS24において最新の否定操作による当該画面番号が存在していないときは、否定操作履歴テーブルに最新の否定操作による画面番号を書込み、また否定操作回数履歴テーブルの当該画面番号の否定操作回数を1加算し(S29)、この処理を終了する。戻るキーが押下されないとき(S21)、及びガイダンスを表示することの確認がなされないときは(S26)、何も行わない。
【0038】
前記したように本実施形態においては、同一の優先モード変更手続を複数回繰返すことにより変更が安易に行われないようにしているが、変更操作を煩雑化する手法は同一手続を繰返す手法のみに限定されるものではない。
【0039】
以上述べた先優先モード及び後優先モードの変更の処理を実行させるために、前記処理手順を汎用のプログラム言語によりコンピュータプログラムとして記述し、かつ、このプログラムをフレキシブルディスク、CD−ROM、DVD―ROM、MO等の任意の記録媒体に記録し、これをデジタル複写機のコンピュータに読取らせることで本発明に係る先優先モード及び後優先モードの変更処理を容易に実施することができる。本プログラムは、記録媒体に記録する以外に、インターネット、イントラネット等の任意のネットワークを介して、デジタル複写機のコンピュータに直接読取らせることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明が適用されるデジタル複写機の中央部断面構成図である。
【図2】操作部を示す図である。
【図3】操作部の液晶タッチパネルの表示例を示す図である。
【図4】デジタル複写機の制御部のブロック構成図である。
【図5】後から設定されたSADFモードを有効にし先に設定された大量原稿モードを無効にする優先モード設定時の表示画面の変化を示す図である。
【図6】後優先のSADFモードを先優先に変更するときの画面変化を示す図である。
【図7】最新の否定操作のテーブルを示す図である。
【図8】最新の否定操作の履歴テーブルを示す図である。
【図9】優先モードのコードの記憶欄を有する否定操作履歴テーブルを示す図である。
【図10】否定操作履歴の記憶処理のフロー図である。
【図11】否定操作回数しきい値テーブルを示す図である。
【図12】否定操作が行われた回数を記憶する否定操作回数履歴テーブルを示す図である。
【図13】しきい値に基く優先モードを変更する処理のフロー図である。
【図14】優先モード変更の確認を求めるときの画面変化を示す図である。
【図15】優先モード変更の確認が行われるときの否定操作履歴の記憶処理のフロー図である。
【符号の説明】
【0041】
1・自動原稿送り装置、2・原稿台、3・給走ローラ、4・給走ベルト、5・排走ローラ、6・コンタクトガラス、7・原稿セット検知器、8・第1トレイ、
11・第1給紙ユニット、15・感光体、17・定着ユニット、18・排紙ユニット、27・現像ユニット、50・読取りユニット、57・書込みユニット、100・フィニシャ、111・両面搬送ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一の処理における複数の処理態様のうち一つの処理態様が実行可能な画像形成装置であって、予め設定された処理態様を他の処理態様に優先して実行する画像形成装置において、
前記優先して実行すべき処理態様を同一の処理における他の処理態様に変更する手段を備え、該変更手段は、所定の変更操作が行われたとき、前記優先して実行すべき処理態様を他の処理態様に変更することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成装置において、前記優先して実行すべき処理態様を同一の処理における他の処理態様に変更する手段は、
最初に設定された処理態様を優先する前優先を最後に設定された処理態様を優先する後優先又は、最後に設定された処理態様を優先する後優先を最初に設定された処理態様を優先する先優先に変更することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の画像形成装置において、前記優先して実行すべき処理態様を同一の処理における他の処理態様に変更する手段は、同一の変更操作を繰返し行われたとき、前記優先して実行すべき処理態様を他の処理態様に変更することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置において、前記同一の処理は原稿読取り処理であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置において、前記複数の処理態様は、自動原稿送り装置にセット可能な原稿枚数を超えて追加原稿がセットされたとき、該追加原稿を自動的に読取り開始する処理態様、及び前記追加原稿を手動操作により読取り開始する処理態様であることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2006−87047(P2006−87047A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−272457(P2004−272457)
【出願日】平成16年9月17日(2004.9.17)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】