説明

画像形成装置

【課題】ケーブル類を電磁界遮蔽して配線できると共に、作業性が良く容易に組み立てることのできる画像形成装置を提供する。
【解決手段】鋼板製の筐体に制御基板が収容されて制御装置を構成する制御基板アッセンブリ12の下側に、鋼板によって断面U字状に形成されたシールドアングル50が上側に開放して設けられて、シールドアングル50と制御基板アッセンブリ12とで閉断面のシールド空間50Sが形成され、このシールド空間50Sに制御基板アッセンブリ12に接続するメイン信号ハーネス31が配線されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタや複写機等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式を用いた複写機、プリンタ等の画像形成装置では、たとえばドラム状に構成された感光体を一様に帯電し、この感光体を画像情報に基づいて制御された露光手段によって露光して感光体上に静電潜像を形成する。そしてこの静電潜像を現像器でトナーを用いて現像してトナー像化し、そのトナー像を記録用紙に転写した後、定着することによって画像を得る。
近時、このような画像形成装置において、カラー画像を形成する装置が広く普及している。この種の一般的な画像形成装置として、例えば黒(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の色ごとに設けられた画像形成部が、転写媒体(中間転写ベルトや記録用紙等)に対向して並べて配置されたいわゆるタンデム方式の画像形成装置が知られている。タンデム方式の画像形成装置では、各々の画像形成部で形成される色の異なる画像が、走行する転写媒体に順次転写されて多重化され、カラー画像が形成される。
【0003】
ところで、画像形成装置のようなデジタル制御される機器やシステムでは、電源ケーブルから放出される伝導性ノイズや機構部機器から放出される放射性ノイズ等の電磁干渉によって誤動作等の機能障害を生ずる虞がある。このため、特に、制御装置と各機構部の間に配線される信号ケーブル等のケーブル類をまとめて合理的に配設しようとする場合には、電磁干渉対策を講ずる必要がある。
【0004】
従来、電磁干渉の対策としては、ケーブルにシールドを施したシールドケーブルを用いることで対応していた。しかし、シールドケーブルは、接続部のシールド処理に手間が掛かり、配線作業が面倒であるという問題があった。
このような不具合を解消しようとするものとして、特許文献1に開示のごとき構成が提案されている。すなわち、特許文献1に開示の構成は、回路ブロックを収納するための筐体のフレームを導電性強磁性体のダクトとし、該ダクト内に、システムを構成する各々の回路ブロック間を接続し信号を伝送するファーネス(ケーブル)を収納するものである。
【0005】
また、ケーブル類をまとめて合理的に配設しようとするものとしては、特許文献2乃至3に開示のごときものがある。
特許文献2に開示の構成は、電源部や基板等のユニットをリード線をまとめた束線で接続すると共に、機外に連通する通風ダクトが配置された画像形成装置において、束線を収納するガイドとダクトとを一体化し、基板の下部に配置したものである。
特許文献3に開示の構成は、構造体の一部にワイヤーハーネスを収納可能な空間部を設け、該空間に沿って配線されるワイヤーハーネスあるいはその付け根が柱部の外表面から露出しない状態を維持できるようにしたものである。
【0006】
【特許文献1】特開平6−3877号公報
【特許文献2】特開2000−75580号公報
【特許文献3】特開2005−119080号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1に開示のごとく筐体のフレームのダクト内にファーネス(ケーブル)を収納する構成では、中空状のダクト内にケーブルを配線しなければならない。つまり、閉断面のダクトの一方の開口部から他方の開口部に向けてケーブルを挿通させなければならず、その結果、組み立ての作業性が極めて悪く、組み立てに時間を要して製造コストの増加を招くという問題がある。
また、特許文献2乃至3に開示の構成では、電磁干渉に関しては何ら配慮されていない。
さらに、特許文献3に開示の構成では、ワイヤーハーネスを開放する空間内に収容するため、別途備えるクランプ部材を用いてワイヤーハーネスを支持しなければならず、配線作業は面倒なものとなる。
【0008】
本発明は、かかる技術的課題を解決するためになされたものであって、ケーブル類を電磁界遮蔽して配線できると共に、作業性が良く容易に組み立てることのできる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる目的を達成するために、本発明の画像形成装置は、記録媒体に画像を形成する画像形成部と、電磁界遮蔽性を有する素材によって形成された筐体内に画像形成部を制御する電気基板類を収納し画像形成部と信号ケーブルによって接続される制御ユニットと、制御ユニットが装着された際に制御ユニットとの間に電磁界遮蔽空間を形成する配線収容部材と、を備え、信号ケーブルは電磁界遮蔽空間に配線されていることを特徴とする。
ここで、配線収容部材は、装置の外面側に開放する開放部を有し、制御ユニットは、配線収容部材の開放部側に開放部を閉塞して設けられていることを特徴とすることができる。
また、配線収容部材は、制御ユニットを支持する支持部材を構成していることを特徴とすることができる。
【0010】
本発明の他の画像形成装置は、記録媒体に画像を形成する画像形成部と、電磁界遮蔽性を有する素材で形成された筐体内に画像形成部を制御する電気基板類を収納し画像形成部と信号ケーブルによって接続される制御ユニットと、電磁界遮蔽性を有する素材で内部への配線を可能とする開放部を有して形成され、制御ユニットに隣接して設けられた配線収容部材と、を備え、配線収容部材は開放部が制御ユニットで覆われて制御ユニットとの間に電磁界遮蔽空間を形成し、電磁界遮蔽空間内に信号ケーブルが配線されていることを特徴とする。
【0011】
ここで、配線収容部材は、一方側に開放部を有する断面形状U字状であって、開放部を装置の外面側に向けて配置され、制御ユニットは、配線収容部材の開放部側に配置されていることを特徴とすることができる。
また、配線収容部材は、制御ユニットを支持する支持部材を構成していることを特徴とすることができる。
さらに、制御ユニットは、画像形成部の上側に位置し、配線収容部材は、制御ユニットの下側に開放部を上側に向けて設けられていることを特徴とすることができる。
【発明の効果】
【0012】
以上のように構成された本発明の画像形成装置によれば、ケーブル類を電磁界遮蔽して配線できると共に、作業性が良く容易に組み立てることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態)について詳細に説明する。
図1は本実施の形態が適用された画像形成装置1の全体外観斜視図、図2はその画像形成装置本体10の概念的な構成図である。
図1に示す画像形成装置1は、電子写真方式による複数の画像形成部15A(15AY,15AM,15AC,15AK)によってカラー画像を形成する、いわゆるタンデム型のカラー画像形成装置である。中央の画像形成装置本体10を挟んで、図中左側に給紙装置10A、右側に排紙装置10Bを備えている。図1は、画像形成装置本体10の操作面(図中手前側の面:前面)側の前面パネル10FPが左右に開放されると共に、後述する画像形成ユニット15と転写ベルトユニット16とが操作面側に引き出された状態である。
なお、以下の説明において、画像形成装置1の操作面側を前面、この前面と対向する奥側の面を背面と称する。また、前面から背面に至る奥行き方向を前後、これと直交する水平方向を左右、これら前後および左右と直交する方向を上下と呼称する。
【0014】
画像形成装置本体10は、図2に示すように、略直方体状に組まれたフレーム11の内部に、下記のごとき各機構を備えて構成されている。
すなわち、図2中左側に、上部から、画像形成装置1の制御装置を構成する電気回路基板類が集合された制御ユニットとしての制御基板アッセンブリ12、トナー収容部13、走査露光装置14、画像形成ユニット15、転写ベルトユニット16、用紙搬送機構17が配設されている。これら、走査露光装置14、画像形成ユニット15、転写ベルトユニット16、用紙搬送機構17等が、本実施の形態における機構部である。また、図中右側上部に電源分配基板アッセンブリ18、電源ユニット19が配設されている。さらに、電源ユニット19の下側には、定着装置20が配置されている。
【0015】
走査露光装置14は、レーザダイオードが出射した複数のレーザビームを一括して走査動作させるいわゆるマルチビーム走査光学系である。画像形成ユニット15の上側に配置され、複数のレーザビームで各画像形成部15Aの感光体ドラムをそれぞれ上側から走査露光して静電潜像を形成する。
画像形成ユニット15は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像を形成する4組の画像形成部15A(15AY,15AM,15AC,15AK)を備えている。
【0016】
各画像形成部15Aは、詳細は図示しないが、像担持体としての感光体ドラムの周囲に、その回転方向に沿って、感光体ドラムを帯電させる帯電装置と、走査露光装置14の露光によって感光体ドラムに形成された潜像をトナー像化する現像装置とを備えている。また、後述する転写ベルトユニット16の転写ベルト16Aへのトナー像の転写後に感光体ドラム上に残存する残留トナーを除去するクリーナを備えている。そして、感光体ドラムの表面の感光体に形成された静電潜像を、現像装置によって現像してトナー像を形成する。
トナー収容部13は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色と対応する容器を備えており、それぞれが収容するトナーを必要に応じて画像形成ユニット15の画像形成部15Aの現像装置に補給する。
【0017】
転写ベルトユニット16は、周回可能に張架された像担持体である中間転写ベルト部材としての中間転写ベルト16Aと、画像形成ユニット15の各画像形成部15Aと対応する一次転写ロール16Bと、中間転写ベルト16Aが担持したトナー像を記録用紙に転写する二次転写部16Cとを備えている。
中間転写ベルト16Aは、駆動ロール16Aaとバックアップロール16Ab等とによって張架されており、駆動ロール16Aaの駆動によって図中反時計回りに周回するようになっている。その上側の周回経路は左右方向に略直線状となっており、その直線状の周回経路に臨んで、前述の画像形成ユニット15の4組の画像形成部15Aが並設されている。これら各画像形成部15Aの感光体ドラムと、中間転写ベルト16Aを挟んで対向する位置には、それぞれ一次転写ロール16Bが配設されている。
【0018】
各一次転写ロール16Bは、トナーの帯電極性と逆極性の一次転写バイアスが印加され、各画像形成部15Aの感光体ドラム上のトナー像を中間転写ベルト16Aに静電吸引して転写させる。
二次転写部16Cは、中間転写ベルト16Aの下側の周回経路の外側に位置する二次転写ロール16Caと、周回経路の内側に設けられたバックアップロール16Cbとから成る。そして、二次転写ロール16Caとバックアップロール16Cbとの間に二次転写バイアスが印可され、中間転写ベルト16Aが担持したトナー像を、用紙搬送機構17によって搬送・供給される記録用紙上に転写(二次転写)させる。
【0019】
前述の画像形成ユニット15と、転写ベルトユニット16とは、それぞれ独立したユニットとして構成されると共に、図1に示すようにフレーム11にガイドレール15G,16Gを介して設けられており、それぞれ前面側に引き出すことでメンテナンスを行うことができるようになっている。
【0020】
用紙搬送機構17は、給紙装置10Aと二次転写部16Cとの間、二次転写部16Cと定着装置20の間に、複数の搬送ロールおよび搬送コンベア等によって構成されている。そして、給紙装置10Aが格納した記録用紙を、二次転写部16Cへ画像形成ユニット15の各画像形成部15Aによるトナー像の形成と同期させて搬送すると共に、二次転写部16Cにおいてトナー像が転写された記録用紙を定着装置20に搬送する。
定着装置20は、加熱される定着ロール20Aを備えており、この定着ロール20Aに記録用紙を圧接させて加熱・加圧し、トナー像を記録用紙上に固定する。
電源分配基板アッセンブリ18は、電源ユニット19が形成した電流を各機構に分配供給するものである。
電源ユニット19は、電源電流を整流変圧して、制御電流や上記各機構を駆動するモーター等を駆動する低圧の直流電流を形成して電源分配基板アッセンブリ18に出力する。なお、帯電装置等に高圧電流を供給する高圧電源は、図示しない別の場所に設けられているものである。
【0021】
そして、上記のごとく構成された画像形成装置1は、制御基板アッセンブリ12が構成する制御装置による各機構の制御によって、下記のごとく画像形成を行う。
すなわち、走査露光装置14による露光によって画像形成ユニット15の各画像形成部15Aが形成した各色の画像を、転写ベルトユニット16の周回駆動される中間転写ベルト16A上にその動きにしたがって順に重ね合わせ、これによってカラートナー画像を形成する。そして、給紙装置10Aから供給される記録用紙を中間転写ベルト16Aの移動とタイミングを合わせて搬送し、この記録用紙に転写ベルトユニット16上のカラートナー画像を二次転写部16Cで転写する。その後、カラートナー画像が転写された記録用紙を定着装置20に搬送し、定着装置20でカラートナー画像を定着し、排紙装置10Bによってカール矯正等の処理を行って外部に設けられた排紙トレイ21に排出するものである。
【0022】
つぎに、画像形成装置本体10における、制御基板アッセンブリ12と各機構部とをつなぐ信号ケーブル(信号ハーネス30)の配線構造等について説明する。
図3は画像形成装置本体10の外装側板類を除いて斜め後側から見た斜視図、図4はその概念的な平面図である。
まず、これら図3と図4および前述の図2とに基づいて、信号ケーブル(信号ハーネス30)と電源ケーブル(電源ハーネス40)の概略の配線経路を説明する。
信号ハーネス30は、制御基板アッセンブリ12に接続されるメイン信号ハーネス31から、各機構部に至るサブ信号ハーネス32がコネクタを介して順次枝分かれするように形成されている。
メイン信号ハーネス31は、基端部で制御基板アッセンブリ12の前面側から見て左側の側面に接続されている。そして、制御基板アッセンブリ12の背面側の縁の下側を、その縁に沿って水平に配線され、制御基板アッセンブリ12の他端近傍で、フレーム11を構成する垂直梁11A(図3および図6には表れていない)に沿って垂下配線されている。そして、この垂下された部位から、順次側方に位置する各機構部に繋がるサブ信号ハーネス32が分岐している。
【0023】
また、電源ユニット19によって整流変圧された電流は、垂直梁11Aに沿って配線された電源供給ハーネス41によって電源分配基板アッセンブリ18に入り、この電源分配基板アッセンブリ18で各機構に向けに分配される。そして、メイン電源ハーネス42によって各機構部に供給されるようになっている。
メイン電源ハーネス42は、電源分配基板アッセンブリ18に接続されて垂直梁11Aに沿って垂下配線されており、図示しないが下流側で分岐したサブ電源ハーネスで各機構部に接続されて、電力を供給するようになっている。
【0024】
ここで、メイン信号ハーネス31は、前述のごとく制御基板アッセンブリ12の背面側の縁の下側をその縁に沿って水平に配線されており、ここに本願発明の実施の形態であるシールド構造が適用されている。
図5は制御基板アッセンブリ12とメイン信号ハーネス31を抽出して斜め背面側から見た斜視図、図6は基板アッセンブリ12Rを装着する前のメイン信号ハーネス31の配線部位の拡大斜視図である。また、図7はメイン信号ハーネス31および基板アッセンブリ12Rの組み立て過程を示す斜視図である。以下、前述の図2乃至図4も参照にして説明する。
【0025】
制御基板アッセンブリ12は、本実施の形態では、図4に示すように前後二つの基板アッセンブリ12F,12Rによって構成されており、それぞれ電磁界遮蔽性を有する鋼板によって形成された筐体に収められている。基板アッセンブリ12F,12Rは、コネクタ12Cおよびハーネス12Hによって接続されて、同一平面に配設されている。
制御基板アッセンブリ12(基板アッセンブリ12R)の配設位置の下側には、フレーム11を構成する角パイプ製の水平梁11Hが、左右方向に延設されている。
水平梁11Hの背面側には、配線収容部材としてのシールドアングル50が装着されており、これら水平梁11Hとシールドアングル50とで、基板アッセンブリ12Rを支持している。つまり、水平梁11Hとシールドアングル50とが、基板アッセンブリ12Rの支持部材を構成しているものである。
【0026】
そのシールドアングル50の内部に、メイン信号ハーネス31が配線されている。
シールドアングル50は、図5に示すように、電磁界遮蔽性を有する鋼板によって所定深さの角張った断面U字状に形成されている。その水平梁11H側の上縁には、所定幅の装着縁51が水平に延設されている。そして、その装着縁51を水平梁11Hの上面に載せて側板が水平梁11Hにネジで締着固定されると共に、長手方向(左右方向)両端がフレーム11にネジで締着されて、上側に開放する姿勢で設けられている。その左右方向の長さは、制御基板アッセンブリ12の配設域全域に亘っている。
【0027】
制御基板アッセンブリ12(基板アッセンブリ12R)の背面はシールドアングル50の背面と一致するように設定されており、その背面の下縁に沿って固定板12Aが設けられている。そして、固定板12Aがシールドアングル50の背面側の側板にネジ止めされて、両者は隙間無く結合されている。
このような構成により、シールドアングル50の上側の開放部が制御基板アッセンブリ12(基板アッセンブリ12R)によって塞がれ、シールドアングル50と基板アッセンブリ12Rの筐体とで、電磁界遮蔽空間としての閉断面のシールド空間50Sを形成している。このシールド空間50Sは、制御基板アッセンブリ12の配設域の左右方向全域に亘って延設され、その内部にメイン信号ハーネス31が配線される。
このように、鋼板によって囲まれたシールド空間50S内にメイン信号ハーネス31が配線されることで、メイン信号ハーネス31は制御基板アッセンブリ12に隣接して配線されるにもかかわらず制御基板アッセンブリ12の内部機器の電磁ノイズから遮蔽され、また、その他の機器の電磁ノイズからも遮蔽される。
【0028】
ここで、メイン信号ハーネス31の配線および制御基板アッセンブリ12の組み立てに際しては、図6に示すように、基板アッセンブリ12Rを装着する前工程で、シールドアングル50内にメイン信号ハーネス31を配線する。
基板アッセンブリ12Rを装着する前にはシールドアングル50は上側に開放しており、良好な作業性で容易にその内部にメイン信号ハーネス31を配線することができる。そして、メイン信号ハーネス31の配線が完了した後、基板アッセンブリ12Rを上側からシールドアングル50上に被せるようにして装着する。これによって、上記のごとくシールド空間50S内にメイン信号ハーネス31が配線された状態となる。なお、組み立て工程はこれに限るものではなく、フレーム11に装着された基板アッセンブリ12Rに対して、シールドアングル50を装着するように構成しても良い。
【0029】
以上説明したように、上記のごときメイン信号ハーネス31のシールド構造によれば、メイン信号ハーネス31をシールドアングル50内に配線した後、基板アッセンブリ12Rを装着することで、メイン信号ハーネス31をシールドアングル50によって電磁界を遮蔽して配線できる。その作業は極めて容易に行うことができ、組み立てに要する時間も短く、製造コストを抑制することができるものである。
なお、上記実施の形態は、本発明をタンデム方式のカラー画像形成装置に適用したものであるが、本発明はこの構成に限定されるものではない。たとえば、ロータリー式の現像装置を備えるカラー画像形成装置や、中間転写ベルトを用いることなく感光体ドラムから直接記録用紙に画像を転写する画像形成装置に適用しても良く、さらには、インクジェット式等の他の画像形成装置にも適用可能なものである。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本実施の形態が適用された画像形成装置の全体外観斜視図である。
【図2】画像形成装置本体の概略構成図である。
【図3】画像形成装置本体の外装側板類を除いて斜め後側から見た斜視図である。
【図4】画像形成装置本体の概念的な平面図である。
【図5】制御基板アッセンブリとメイン信号ハーネスを抽出して斜め背面側から見た斜視図である。
【図6】制御基板アッセンブリを装着する前のメイン信号ハーネスの配線部位の拡大斜視図である。
【図7】メイン信号ハーネスおよび制御基板アッセンブリの組み立て過程を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0031】
1…画像形成装置、10…画像形成装置本体、11…フレーム、12…制御基板アッセンブリ(制御ユニット)、14…走査露光装置(機構部)、15…画像形成ユニット(機構部)、16…転写ベルトユニット(機構部)、17…用紙搬送機構(機構部)、30…信号ハーネス(信号ケーブル)、50…シールドアングル(配線収容部材)、50S…シールド空間(電磁界遮蔽空間)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
電磁界遮蔽性を有する素材によって形成された筐体内に前記画像形成部を制御する電気基板類を収納し、当該画像形成部と信号ケーブルによって接続される制御ユニットと、
前記制御ユニットが装着された際に当該制御ユニットとの間に電磁界遮蔽空間を形成する配線収容部材と、を備え、
前記信号ケーブルは前記電磁界遮蔽空間に配線されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記配線収容部材は、装置の外面側に開放する開放部を有し、
前記制御ユニットは、前記配線収容部材の開放部側に当該開放部を閉塞して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記配線収容部材は、前記制御ユニットを支持する支持部材を構成していることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
電磁界遮蔽性を有する素材で形成された筐体内に前記画像形成部を制御する電気基板類を収納し、当該画像形成部と信号ケーブルによって接続される制御ユニットと、
電磁界遮蔽性を有する素材で内部への配線を可能とする開放部を有して形成され、前記制御ユニットに隣接して設けられた配線収容部材と、を備え、
前記配線収容部材は前記開放部が前記制御ユニットで覆われて当該制御ユニットとの間に電磁界遮蔽空間を形成し、
前記電磁界遮蔽空間内に前記信号ケーブルが配線されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
前記配線収容部材は、一方側に開放部を有する断面形状U字状であって、前記開放部を装置の外面側に向けて配置され、
前記制御ユニットは、前記配線収容部材の開放部側に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記配線収容部材は、前記制御ユニットを支持する支持部材を構成していることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御ユニットは、前記画像形成部の上側に位置し、
前記配線収容部材は、前記制御ユニットの下側に前記開放部を上側に向けて設けられていることを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−230150(P2007−230150A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−56946(P2006−56946)
【出願日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】