画像形成装置
【課題】 プロセスカートリッジがトレイに支持され移動する画像形成装置において、プロセスカートリッジを装置本体内に収納した時のプロセスカートリッジの位置決め精度を向上する。
【解決手段】 プロセスカートリッジを装置本体内に収納した時、プロセスカートリッジを側板間を連結する連結部材に保持された位置決め部材で位置決めする。
【解決手段】 プロセスカートリッジを装置本体内に収納した時、プロセスカートリッジを側板間を連結する連結部材に保持された位置決め部材で位置決めする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真複写機、電子写真プリンタ(例えばレーザービームプリンタ、LEDプリンタ等)、ファクシミリ装置及びワードプロセッサ等の電子写真方式を用いた画像形成装置に関するものである。また特に装置本体に対してプロセスカートリッジが着脱可能な画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置には、装置本体に対してプロセスカートリッジを引き出し可能に構成したものがある(特許文献1参照)。この従来例は、カートリッジを、側面カバーに連動して前進、後退しつつ上下される昇降板に対し、2段階に伸縮可能なガイド部材を介して支持するものである。そして、側面カバーを開放することによってカートリッジを画像形成位置より引き出し位置に上昇しつつ移動したあと、カートリッジを直接引き出すことが可能となる。この引き出しによって、停止位置を含む特定した位置に任意に移動して、各機材の着脱ならびにジャム紙の処理を可能にしたものである。
【特許文献1】特開平8−220824号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら上記従来例では、カートリッジは画像形成位置にあるときも移動板に支持されている為、高精度に位置決めされるものではなく、高剛性の装置本体において画像形成時にカートリッジを高精度に位置決めすることが望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するため本発明は、互いに対向し本体の骨格を成す2つの側板と、像担持体を備えたプロセスカートリッジと、前記プロセスカートリッジを支持し移動する移動部材と、を有し、前記移動部材は前記2つの側板の間で移動可能で装置本体の外側に引き出された時、前記プロセスカートリッジの着脱が可能である画像形成装置において、前記2つの側板を連結する連結部材と、前記連結部材に保持された位置決め部材と、を有し、前記移動部材を移動し前記プロセスカートリッジが装置本体内に収納された時、前記プロセスカートリッジは前記位置決め部材に位置決めされることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0005】
以上説明した様に本発明によれば、プロセスカートリッジ交換におけるユーザビリティを向上させ、且つ画像形成時にプロセスカートリッジを高精度に位置決めすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。
【0007】
(実施形態1)
(画像形成装置の全体的な概略構成)
画像形成装置の全体的な概略構成について図1、2、7、8を用いて説明する。
【0008】
図1は本発明の実施形態である画像形成装置100の外観斜視図、図2は断面図である。この画像形成装置は、電子写真プロセスを用いた4色フルカラーのレーザープリンタであり、パソコン、イメージリーダ、相手方ファクシミリ装置等の外部ホスト装置から出力される電気的画像信号に基いて記録材(用紙)に画像形成を実行する。
【0009】
以下の説明において、画像形成装置に関して、前側(正面側)とは装置開閉ドア31を配設した側である。後側とはそれとは反対側である。前後方向とは、装置本体後側から前側に向かう方向(前方向)と、その逆の方向(後方向)である。左右とは装置本体を前側から見て左または右である。左右方向とは、右から左に向かう方向(左方向)と、その逆の方向(右方向)である。
【0010】
装置本体内には、後側から前側にかけて、第1から第4の4つのプロセスカートリッジPY、PM、PC、PKを水平方向に並べて配設(インライン構成、タンデム型)してある。各カートリッジは、収容されたトナーの色が異なるだけで、互いに同様の構成のものである。本実施形態の各カートリッジは、それぞれ、第1の像担持体としての電子写真感光ドラム1と、このドラムに作用するプロセス手段としての帯電器2、現像器3、クリーニング器4をカートリッジ枠体5(図7、図8参照)内に一体的に組み込んだものである。つまりプロセスカートリッジは像担持体を備える。
【0011】
帯電器2は接触帯電ローラである。現像器3は現像ローラ3aを有し、現像剤容器内には現像剤(トナー)が収容されている。クリーニング器4はブレード式のものである。
【0012】
第1のカートリッジPYは、現像器3にイエロー(Y)のトナーが収容されており、ドラム1面にY色トナー像を形成する。第2のカートリッジPMは、現像器3にマゼンタ(M)のトナーが収容されており、ドラム1面にM色トナー像を形成する。第3のカートリッジPCは、現像器3にシアン(C)のトナーが収容されており、ドラム1面にC色トナー像を形成する。第4のカートリッジPKは、現像器3にブラック(K)のトナーが収容されており、ドラム1面にK色トナー像を形成する。
【0013】
カートリッジPY、PM、PC、PKの上方部には、レーザースキャナユニット11が配設されている。このスキャナユニット11は、外部ホスト装置から出力された各色の画像情報に対応して変調されたレーザー光Lを出力し、カートリッジ枠体5の上面に設けた露光窓6(図7、図8参照)を通して、各カートリッジのドラム面を走査露光する。
【0014】
カートリッジPY、PM、PC、PKの下方部には、中間転写ベルトユニット12が配設されている。このベルトユニット12は、中間転写体(第2の像担持体)としての、誘電体性で、可撓性を有するエンドレスベルト13と、このベルト13を懸回張設して循環移動させる駆動ローラ14、ターンローラ15、テンションローラ16とを有する。駆動ローラ14とテンションローラ16は装置本体内の後側に配設してある。ターンローラ15は装置本体内の前側に配設してある。各カートリッジのドラム1は、その下面が、ベルト13の上方側ベルト部分の上面に接している。ベルト13の内側には、上方側ベルト部分を介して各カートリッジのドラム1に対向させて4個の一次転写ローラ17が配設されている。駆動ローラ14には、ベルト13を介して二次転写ローラ22が当接している。
【0015】
ベルトユニット12の下方部には、給紙ユニット18が配設されている。この給紙ユニット18は、給紙トレイ19、給紙ローラ20、分離パッド21等を有する。給紙トレイ19は装置本体前側から出し入れ自由である(フロントローデング)。
【0016】
装置本体内の後側の上部には、定着装置23と、排紙ローラ対24が配設されている。装置本体の上面は排紙トレイ25として形成されている。定着装置23は定着フィルムアセンブリ23aと加圧ローラ23bを有するものを用いている。排紙ローラ対24は排紙ローラ24aと排紙コロ24bである。
【0017】
装置本体内の装着位置に装着されている状態にある各カートリッジは、後述する押圧部材により押圧されて所定の位置決め部に固定された状態に保持される。またそのカートリッジの駆動入力部に対して装置本体側の駆動出力部が結合する。またそのカートリッジの電気接点に対して装置本体側の給電系統が導通化する。
【0018】
フルカラー画像を形成するための動作は次のとおりである。第1〜第4の各カートリッジPY、PM、PC、PKのドラム1が矢印の反時計方向に所定の制御速度で回転駆動される。ベルト13も矢印の時計方向(ドラム回転に順方向)にドラム1の速度に対応した速度で回転駆動される。スキャナユニット11も駆動される。この駆動に同期して、各カートリッジにおいてそれぞれ所定の制御タイミングで帯電ローラ2がドラム1の表面を所定の極性、電位に一様に帯電する。スキャナユニット11は各ドラム1の表面を各色の画像信号に応じて変調されたレーザー光Lで走査露光する。これにより、各ドラム1の表面に対応色の画像信号に応じた静電潜像が形成される。形成された静電潜像は現像器3によりトナー像として現像される。
【0019】
上記のような電子写真画像形成プロセス動作により、第1のカートリッジPYのドラム1にはフルカラー画像のイエロー成分に対応するY色トナー像が形成され、そのトナー像がベルト13上に一次転写される。
【0020】
第2のカートリッジPMのドラム1にはフルカラー画像のマゼンタ成分に対応するM色トナー像が形成され、そのトナー像がベルト13上にすでに転写されているY色トナー像に重畳されて一次転写される。
【0021】
第3のカートリッジPCのドラム1にはフルカラー画像のシアン成分に対応するC色トナー像が形成され、そのトナー像がベルト13上にすでに転写されているY色トナー像及びM色トナー像に重畳されて一次転写される。
【0022】
第4のカートリッジPCのドラム1にはフルカラー画像のブラック成分に対応するK色トナー像が形成され、そのトナー像がベルト13上にすでに転写されているY色トナー像、M色トナー像及びC色トナー像に重畳されて一次転写される。
【0023】
かくして、ベルト13上にY色、M色、C色、K色の4色の未定着トナー像が合成形成される。
【0024】
各カートリッジにおいて、ベルト13に対するトナー像の一次転写後のドラム1面に残留した転写残トナーはクリーニング器4により除去される。
【0025】
一方、所定の制御タイミングで給紙ローラ20が駆動される。これにより、給紙ローラ20と分離パッド21との協働で、給紙トレイ19上に積載されている記録材である用紙Pが1枚分離給送されて、二次転写ローラ22とベルト13とのニップ部(二次転写ニップ部)に導入される。これにより、用紙Pがニップ部を挟持搬送されていく過程でベルト13上の4色重畳のトナー像が用紙Pの面に順次に一括転写される。
【0026】
用紙Pはベルト13の面から分離されて定着装置23へ導入され、定着ニップ部で加熱、加圧される。これにより、各色トナー像の混色及び用紙への定着がなされる。そして用紙Pは、定着装置23を出て、フルカラー画像形成物として排紙ローラ対24で排紙トレイ25上に排出される。
【0027】
用紙分離後のベルト13の表面に残留した二次転写残トナーは、第1のプロセスカートリッジPYの一次転写部においてドラム1の表面に静電的に戻され、クリーニング器4にて除去される。
【0028】
(カートリッジ交換方式)
カートリッジ交換方式について図1〜10、17、19、22、23を用いて説明する。
【0029】
第1〜第4の各カートリッジPY、PM、PC、PKは、画像形成に使用されるにつれて、それぞれ、現像器3に収容されている現像剤が消費される。そして、カートリッジを購入した使用者にとって満足できる品質の画像を形成することが出来なくなる程度まで現像剤が消費された際に、カートリッジとしての商品価値が喪失する。
【0030】
そこで、例えば、個々のカートリッジの現像剤残量を検知する手段(不図示)を具備させて、制御部において、検知残量値を、予め設定したカートリッジ寿命予告や寿命警告のための閾値と比較させる。そして、検知残量値が閾値よりも少ない残量値となったカートリッジについては、表示部に、そのカートリッジについての寿命予告あるいは寿命警告を表示させる。これにより使用者に、交換用のカートリッジの準備を促す、あるいはカートリッジの交換を促して、出力画像の品質を維持するようにしている。
【0031】
本実施形態の画像形成装置において、カートリッジの交換は、ユーザビリティ向上のために、カートリッジを引き出しトレイに乗せ、フロントアクセスにより交換する方式である。
【0032】
すなわち、画像形成装置の前面側には、装置本体内へカートリッジを挿入させる、及び装置本体からカートリッジを取り出すために、カートリッジを通過させる開口部30(図2参照)を設けてある。
【0033】
そして、この開口30を閉じる閉鎖位置と、開口30を開放する開放位置との間を移動可能なドア(開閉部材)31を設けてある。
【0034】
本実施形態においては、このドア31は、ドア下辺側の横軸(ヒンジ軸)32を中心に装置本体に対して開閉回動可能である。すなわち、ドア31は、ヒンジ軸32を中心に立て起こし方向に回動して、図1、図2のように、装置本体に対して閉じ込んだ状態にすることができる。このドア31を閉じることにより開口30が閉鎖される。またヒンジ軸32を中心に、ドア31を装置本体の手前側に倒し回動して、図3、図4のように装置本体から開いた状態にすることができる。これにより、装置本体前面の開口30が大きく開放される。31aはドア31に設けた開閉用指掛け部である。
【0035】
装置本体の骨格となるメインフレームの側板である左フレーム80L(図17参照)の内側と、側板である右フレーム80R(図23参照)の内側には、対向させて、前後方向を長手とする左右一対のトレイ保持部材(移動手段)34L、34Rが配設されている。そして、このトレイ保持部材34L、34Rの間には、枠型部材であるカートリッジトレイ(移動部材)35が、前後方向に水平にスライド移動可能に保持されている。カートリッジPY、PM、PC、PKはこのトレイ35に支持されている。つまり移動部材35はプロセスカートリッジを支持し移動するものであり、互いに対向し本体の骨格を成す2つの側板80L、80Rの間で移動部材35は移動可能である。
【0036】
そして、ドア31の開き回動に連動して、トレイ保持部材34L、34Rが、後述するように、前方向と上方に所定量移動する。これにより、トレイ保持部材34L、34Rはその前側部が、図3、図4のように、開口30から装置本体外方に所定量突出した位置に引き出される。ドア31とトレイ保持部材34L、34Rの連動機構は後述する。
【0037】
また、このトレイ保持部材34L、34Rの移動に連動して、各カートリッジPY、PM、PC、PKの駆動入力部に対する装置本体側の駆動出力部の結合が解除された状態になる(駆動解除)。また各カートリッジを位置決め固定している押圧部材の押圧が解除される(押圧解除)。更に各カートリッジの電気接点に対する装置本体側の給電系統の導通が解除される(給電解除)。更にまたトレイ35の位置決め固定が解除される。
【0038】
そこで開口30から露呈している、トレイ前枠片部分に設けた取手部(移動規制解除手段)35aを掴んで、トレイ35の飛び出し防止爪(移動規制手段)101を本体側爪掛け部(本体側係合部)102から外す(図19参照)。そうするとトレイ35は引き出せる様になり、トレイ35はトレイ保持部材34L、34Rに対して滑走して前方向に水平にスライド移動可能となる。依って、トレイ35を、図5、図6のように、開口30から装置本体外側の所定の引き出し位置まで十分に引き出すことができる。
【0039】
これにより、トレイ35に保持されている第1〜第4の4つカートリッジPY、PM、PC、PKの全体が開口30を通過して装置本体外側に露出し、全カートリッジの上面が開放される。トレイ35は、十分な所定量、引き出されると、不図示のストッパ部分によりそれ以上の引き出し移動が阻止される。またトレイ35は、所定の引出し位置まで水平に引き出されている状態がトレイ保持部材34L、34Rにより保たれる。
【0040】
トレイ35は、個々のカートリッジを真上に取り出し可能に支持している。またトレイ35は、真下に向かって移動させられた個々のカートリッジを支持する。そこで、交換すべき使用済みのカートリッジを、図6の2点鎖線で示した様に、トレイ35から上方に持ち上げて抜き外す。そして、新しいカートリッジをトレイ35に対して上から嵌め入れて載せる。つまりトレイ35が装置本体の外側に引き出された時、カートリッジは装置本体に対して着脱が可能である。
【0041】
この場合、ドラム1の下面を保護する開閉式のドラムカバー(不図示)を有するカートリッジの場合は、トレイ35から外したらカバーを手動で閉じ状態にする。また、新しいカートリッジはトレイ35に乗せる前にカバーを手動で開き状態にする。あるいは、カートリッジをトレイ35から上方に持ち上げて抜き外す過程で、カバーが自動的に閉じ動作を行うようにする。逆に、トレイ35に上から嵌め入れて載せる過程で、カバーが自動的に開き動作を行うようにする。
【0042】
上記においてトレイ35は、カートリッジが有するドラム1の軸線方向とは交差する方向に移動可能に設けられた移動部材である。またトレイ35は、開口30を通過して、カートリッジを装置本体の外側において着脱できる引き出し位置と、カートリッジを装置本体の内側に装着するための装着位置と、ドラム1に画像を形成できる画像形成位置と、を取り得る。
【0043】
また、左右のトレイ保持部材34L、34Rは、トレイ35を、カートリッジを着脱できる引き出し位置に移動する前に、トレイ35を装着位置から上方向に移動させる、あるいは、装着位置へ向かって下方向に移動させる移動手段である。別の言い方をすれば、保持部材34L、34Rは、トレイ35を支持する支持部材であって、トレイ35を引き出し位置と装着位置との間で移動させるための第一の位置と、トレイ35を画像形成位置に位置させるための第二の位置とを取り得る。そして、ドア31が閉じるのに連動して、保持部材34L、34Rは、第一の位置から第二の位置に移動する。
【0044】
図7と図8は、カートリッジの外観斜視図である。図7は駆動側から見た斜視図、図8は非駆動側から見た斜視図である。
【0045】
カートリッジは、ドラム1の軸線方向を左右方向とし、この左右方向を長手とする横長箱型のアセンブリである。ドラム1はカートリッジ枠体5の右側面部と左側面部に配設した軸受部51、52間に回転可能に支持させて配設してある。右軸受部51にはドラム駆動入力部としてのカップリング嵌合部53を具備させてある。また、右側面部には、現像ローラ3aを駆動するための現像駆動入力部としてのカップリング嵌合部54を具備させてある。左側面部には、カートリッジ電気接点55を配設してある。左側面部と右側面部にはカートリッジ枠体5の天井板部分それぞれを左右方向に延長して張り出させて、庇部56を具備させてある。上記のカートリッジにおいて、カップリング嵌合部53、54を具備させた右側面部が駆動側であり、その反対側の左側面部が非駆動側である。
【0046】
図9はトレイ35の外観斜視図である。このトレイ35は、矩形の大枠部を有し、その大枠部内を3枚の仕切り板35fで前後方向に略等分に4つに仕切って、後枠35c側から前枠35b側へ順に、第1〜第4の横長小枠部35(1)〜35(4)を形成させてある。その各小枠部35(1)〜35(4)がそれぞれ第1〜第4の4つカートリッジPY、PM、PC、PKを保持させる部分である。また、各小枠部35(1)〜35(4)の右枠35eには、それぞれ、現像駆動カップリングが出入りする孔部35gを配設してある。
【0047】
また、トレイ35は、カートリッジが有する電気接点55(図8参照)に電気的に接続する中間電気接点72a〜72d(図22参照)を有している。この中間電気接点は装置本体に設けられた本体側電気接点75a〜75d(図22、図23参照)と電気的に接続することが可能である。これについては後述する。
【0048】
各カートリッジは、トレイ35の対応する小枠部内に上から挿入され、左右側の庇部56の下面がトレイ35の左右枠35d、35eの上面に受け止められることで、トレイ35に載って支持される。即ち、トレイ35は各カートリッジを真上に取り出し可能に支持しており、各カートリッジを真下に向かって移動させることによってカートリッジはトレイ35に支持される。トレイ35は各カートリッジをそれぞれラフに保持している。この構成により、プロセスカートリッジの交換を容易にすることができる。
【0049】
トレイ35の左右枠35d、35eがそれぞれ左右のトレイ保持部材34L、34Rの内側に設けた前後方向のガイド溝部34a(図6、図10、図22参照)に嵌入して係合している。これにより、トレイ35は、左右のトレイ保持部材34L、34R間に支持されるとともに、ガイド溝部34aを滑走してトレイ保持部材に対して前後方向に水平にスライド移動可能である。
【0050】
図5、図6の様に、トレイ35を引き出し位置に引き出して、トレイ35に保持されているカートリッジのうち交換すべきカートリッジについて交換したら、トレイ35を逆に十分に押し込み移動させて装置本体内部に収納し、図3、図4の引き出し前の状態に戻す。このとき、トレイ35をバネ(押圧手段)103(図19参照)によって後方側から前方側に付勢することで、ユーザーがトレイ35を所定の位置まで十分に押し戻す操作を確実に誘導することが可能である。これについては後述する。そして、開かれているドア31を図1、図2の様に閉じることで、装置は画像形成可能な状態となる。
【0051】
このドア31の閉じ回動に連動して、トレイ保持部材34L、34Rが後方向と下方に所定量移動することで、各カートリッジは画像形成位置に位置する。そして、このトレイ保持部材34L、34Rの移動に連動して、各カートリッジは押圧部材により押圧されて所定の位置決め部に固定された状態に保持され、各カートリッジのドラム1の下面がベルト13の所定の位置に接触する。そのカートリッジの駆動入力部に対しては装置本体側の駆動出力部が結合する。そのカートリッジの電気接点に対しては装置本体側の給電系統が接触し導通化する。
【0052】
(ドアとトレイ保持部材の連動機構、及び第一のトレイ移動規制手段)
ドア31とトレイ保持部材34L、34Rの連動機構、及び第一のトレイ移動規制手段について、図10〜15、17、18、21、23を用いて説明する。
【0053】
図10は、ドア31とトレイ保持部材34L、34Rの連動機構部分の斜視図である。ドア31のヒンジ部32L、32Rは、装置本体に対して左右方向に水平に配列されていて、その左右両端部は装置本体左右に設けられた不図示の軸受け部材間に回転可能に軸受され保持されている。軸受け部材は左右フレーム80L、80R(図23参照)であってもよい。また、ドア31の左右両端部寄りには、それぞれ、連結アーム37L、37Rを配設してある。連結アーム37L、37Rのヒンジ部120L、120Rは、装置本体に対して左右方向に水平に配列され、それぞれ、本体左右に設けられた不図示の軸受け部材に対して回動可能に保持されている。軸受け部材は左右フレーム80L、80Rであってもよい。連結アーム37L、37Rにはそれぞれ横向き軸37a、37bを具備させてある。そして、左側の連結アーム37Lの横向き軸37aは左側のトレイ保持部材34Lの前側下部に具備させた縦長孔34Aに嵌入して係合させてあり、横向き軸37bはドア31の左側面部に設けられた溝31Bに嵌入して係合させてある。また、右側の連結アーム37Rの横向き軸37aは右側のトレイ保持部材34Rの前側下部に具備された縦長孔34Aに嵌入して係合させてあり、横向き軸37bはドア31の右側面部に設けられた溝31Bに嵌入して係合させてある。
【0054】
この様に、ドア31とトレイ保持部材34L、34Rは、連結アーム37L、37R、横向き軸37a、37b、縦長孔34A、溝31Bを介して連結してある。これにより、ドア31が開閉されると、左右のトレイ保持部材34L、34Rには前後方向への移動力が作用することになる。このとき連結アーム37L、37Rのヒンジ部120L、120Rはドア31のヒンジ部32L、32Rと同軸上にあってもよい。さらに、連結アーム37L、37Rを設けず、ドア31と移動手段34L、34Rを直接連結してもよい。
【0055】
左右のトレイ保持部材34L、34Rは、それぞれ、前後に間隔を開けて植設した2本のピン軸34cを、装置本体のメインフレームの左右フレーム80L、80Rのそれぞれに設けたカイド穴36に係合させてある。このピン軸34cとカイド穴36の係合により、トレイ保持部材34L、34Rはそれぞれ左右フレーム80L、80Rに支持される。
【0056】
図11は、左側のトレイ保持部材34Lについての2本のピン軸34cとカイド穴36を示している。右側のトレイ保持部材34Rについては不図示であるけれども、左側のトレイ保持部材34Lと同様であり、そのピン軸34cとカイド穴36は左側のトレイ保持部材34Lと対称に構成されている。
【0057】
従って、左右のトレイ保持部材34L、34Rは、それぞれ、カイド穴36のガイド範囲において左フレーム80Lと右フレーム80Rに対して移動する自由度がある。
【0058】
図12はカイド穴36部分の拡大図である。いずれのガイド穴36も、前後方向で水平な第1ガイド領域36aと、この第1ガイド領域36aのピン軸前進方向に連設した、昇り傾斜の第2ガイド領域36bを有している。また、第2ガイド領域36bの頂上部に連設した、ピン軸34cを受け止めて安定に保持する第3ガイド領域36cを有している。
【0059】
ピン軸34c、即ち左右のトレイ保持部材34L、34Rは、ドア31の開き回動に連動して、第1ガイド領域36aにより水平方向に距離a1移動した後、第2ガイド領域36bにより斜め上方(水平方向に距離a2、垂直方向に距離b)移動する。そして、最後に第3ガイド領域36cにより水平方向に距離a3移動する。
【0060】
図11(a)は、ドア31が装置本体に対して完全に閉められている状態時を示している。この状態においては、左右のトレイ保持部材34L、34Rは、ヒンジ軸32、連結アーム37L、37R、横向き軸37a、縦長孔34Aを介して装置本体内の後方向へ移動されている。ピン軸34cはカイド穴36の第1ガイド領域36aの後端部に位置している。そのために、左右のトレイ保持部材34L、34Rは、それぞれ、左フレーム80Lと右フレーム80Rとに対して所定の下げ位置(第二の位置)に保持されている。従って、トレイ保持部材34L、34Rに保持させてあるトレイ35も所定の下げ位置(画像形成位置)に保持されている。
【0061】
トレイ35に保持されている各カートリッジPY、PM、PC、PKは、それぞれ左右側の上面部分が押圧部材により押圧されている。これにより、駆動側の軸受部51と非駆動側の軸受部52との下面部分(被位置決め部)が、装置本体の位置決め部材(内側板)に設けられた位置決め部に固定されて、各カートリッジが装置本体に対して所定に位置決め状態に保持される。この状態において、各カートリッジのドラム下面がベルトユニット12の上方側ベルト部分の上面に対して安定に接している。このとき各カートリッジのカップリング嵌合部53、54には、それぞれ、装置本体側のドラム駆動カップリングと現像駆動カップリングが嵌入している状態にある。また各カートリッジの電気接点55に対しては、それぞれ、中間電気接点を介して装置本体側から給電を行うことが可能な状態にある。
【0062】
トレイ35の右側は、このトレイ35に設けた下向きU溝110の下端部が装置本体の右フレーム80R(図23参照)に設けられた不動部材であるピン111に入っていて位置決めされている。トレイ35の左側は、トレイ35に設けた下向きの突起部67(図17、18、21参照)の下端部が、装置本体側の不動部材68に設けた穴69に入っていて位置決めされている。トレイ35の位置決め手段は前述の手段のうち、左右どちらかのみでもよい。
【0063】
図11(b)は、ドア31を途中まで開いた状態を示している。図11(a)のドア閉じ状態からドア31が開かれていくと、これに連動して、左右のトレイ保持部材34L、34Rは装置本体内を前方向に引かれる。これにより、トレイ保持部材34L、34Rは、ピン軸34cが、ガイド穴36の第1ガイド領域36aでガイドされて、先ず水平方向に距離a1前方向に移動する。図11(b)はこの状態を示している。このトレイ保持部材34L、34Rの距離a1の移動過程において、各カートリッジに対するドラム駆動カップリングと、現像駆動カップリングが解除される。また各カートリッジの押圧部材による押圧位置決めも解除される。このとき、トレイ35がトレイ保持部材34L、34Rの動きに追従しないように、右フレーム80Rに設けたピン111がトレイ35に設けたU溝110に入っていて位置決めされている。また、トレイに設けた下向きの突起部67の下端部が装置本体側の不動部材68に設けた穴69に入っていて位置決めされている。
【0064】
ドア31の引き続く開き回動に連動して、トレイ保持部材34L、34Rは更に装置本体内を前方向に引かれる。これにより、トレイ保持部材34L、34Rは、ピン軸34cがガイド穴36の第2ガイド領域36bでガイドされて、斜め上方に移動していく。このトレイ保持部材34L、34Rの斜め上方への移動過程において、各カートリッジの電気接点55と装置本体側との電気的接続が解除される。
【0065】
ここで、図13の様に、ピン111のU溝110に対する進入量をcとする。また、トレイ35を保持しているトレイ保持部材34L、34Rの上記の斜め上方移動にともなうU溝110の上昇量をbとする。トレイ保持部材34L、34Rが斜め上方に移動する際、トレイ35のU溝110がピン111に係合している間(c>b)は、U溝110はトレイ保持部材34L、34Rの垂直方向の移動にのみ追従する。そして、トレイ保持部材34L、34Rがある程度持ち上がった状態(c≦b)で、ピン111がU溝110から抜ける。このような構成にすることで、トレイ35に保持されている各カートリッジPY、PM、PC、PKのドラム下面がベルト13に接している状態ではトレイ35が水平方向に移動することはない。従って、ドラム1とベルト13のこすれによって生じる傷、メモリを防止することができる。トレイ35の左側に設けられた突起部67と不動部材68に設けられた穴69の進入量に関しても同様の構成をとることが可能である。
【0066】
図11(c)は、ドア31が完全に開かれた状態を示している。この状態においては、トレイ保持部材34L、34Rは第2ガイド領域36bによる斜め上方移動を終えて、ピン軸34cが水平の第3ガイド領域36cに位置している。即ち、トレイ保持部材34L、34Rは斜め上方に移動した後に水平方向に移動する。これは、その後、トレイ保持部材34L、34Rからトレイ35を引き出してカートリッジを交換する際に、カートリッジやトレイ保持部材の高さ方向の位置を安定させるためと、トレイ保持部材が元に戻ろうとする動きを防止するためである。
【0067】
図11(c)の状態においては、ピン111がU溝110から抜けており、また、突起部67が穴69から抜けていて、トレイ35の位置決め状態が解除されている。従って、トレイ35はトレイ保持部材34L、34Rに対して前後方向に水平にスライド移動操作自由である。
【0068】
上記において、溝110とピン111及び突起部67と穴69は、移動部材であるトレイ35が装置本体内の装着位置において、カートリッジが有するドラム1とベルト13が接触する方向と交差する方向に移動しないように規制する第一の移動規制手段である。そして、この移動規制手段110、111、67、69によるトレイ35の移動規制は、移動手段である左右のトレイ保持部材34L、34Rのドラム1とベルト13が接触する方向成分の移動にならって、トレイ35が追従した後、解除される。
【0069】
移動手段である左右のトレイ保持部材34L、34Rは、第1ガイド領域36aに案内されて、カートリッジが有するドラム1とベルト13が接触する方向と交差する方向に移動する(第1移動)。そして、トレイ保持部材34L、34Rは、その後、第1ガイド領域36aに案内されて、ドラム1とベルト13が接触する方向と、その接触する方向と交差する方向、の2つの方向成分を有する斜め方向に移動する(第2移動)。そして、トレイ保持部材34L、34Rは、その後、ドラム1とベルト13が接触する方向と交差する方向に移動する(第3移動)。そして、トレイ保持部材34L、34Rは、上記の第1移動において、カートリッジの駆動の切断を行い、ドラム1とベルト13が接触する方向成分の移動にならって、トレイ35が追従した後、第一の移動規制手段110、111、67、69が解除される。
【0070】
この状態において、トレイ35はトレイ保持部材34L、34Rに対して前後方向に水平にスライド移動し、プロセスカートリッジを交換可能な引き出し位置と、プロセスカートリッジを装置本体の内側に装着するための装着位置をとる。トレイ35を装着位置に位置決めするための第二の移動規制手段に関しては後述する。
【0071】
図15はカートリッジの交換が可能な位置にトレイ35を引き出した状態を示す斜視図である。このとき、画像形成装置本体100から大きく飛び出した位置にあるトレイ35を連結アーム37L、37Rの支持部121L、121Rによって支えることができる。これにより、トレイ35の本体手前側がトレイ35及びプロセスカートリッジの自重によって下方に大きく撓んでドラム1表面が傷付くことや、トレイ35の引き出しによって装置本体の重量バランスが崩れて前方へ転倒することを防ぐことができる。
【0072】
連結アーム37L、37Rはドア31と連動して回動するため、連結アーム37L、37Rの支持部121L、121Rを、ドア31閉鎖時には装置本体内部に位置し、ドア31の開放時には装置本体外部に位置するように設けることが可能である。これにより本体サイズをアップすることなく、トレイ35を引き出し位置において安定に保持し、カートリッジ交換時のユーザビリティを向上することができる。
【0073】
このとき、トレイ35を引き出し位置において支持する支持部121L、121Rの形状および支点の数は、図15に示した通りでなくてもよい。また、ドア31にトレイ35支持部が一体に設けられていてもよい。
【0074】
このように、ユーザビリティ向上のためカートリッジを移動部材(トレイ)に載せ、カートリッジを交換し、且つ移動部材を移動手段(トレイ保持部材)の垂直方向成分の移動に伴い上下動させる。移動手段はドアの開閉回動に連動して移動し、その連結部(連結アーム)によって、移動部材を本体手前の引出し位置において支持する。これにより、コストと本体サイズをアップすることなく、ベルトとカートリッジこすれによる傷、メモリの発生を防止した、引き出し方式によるプロセスカートリッジ交換構成を設けた画像形成装置を提供することができる。
【0075】
(インターフェイス部)
インターフェイス部について、図1、2、5〜7、14〜16、25を用いて説明する。
【0076】
図14〜図16は、トレイ保持部材34L、34Rに連動して解除するカートリッジ周囲のインターフェイス部を説明する図である。
【0077】
図14は、カートリッジがない状態で、図1、図2のドア31が閉まっている状態を示す図である。図15は、図5、図6のドア31を開き、トレイ35を引出した状態を示す図である。
【0078】
装置本体内の右側には、各カートリッジのドラム1や現像ローラ3aを回転駆動するために、カートリッジ側の駆動入力部53、54(図7参照)と連結する駆動出力部としての、ドラム駆動カップリング39と現像駆動カップリング40が設けられている。
【0079】
また、装置本体内の右側と左側の両側には、それぞれ、各カートリッジの駆動側の軸受部51と非駆動側の軸受部52の下面部分を受け止める位置決め部41が装置本体の左右の位置決め部材81L、81R(図25参照)に設けられている。そして、装置本体内の右側と左側の両側には、駆動側の軸受部51と非駆動側の軸受部52を上記の位置決め部41に嵌合させて固定するために、カートリッジの左右側上面をそれぞれ押圧する押圧部材42が設けられている。押圧部材42には、押圧バネ43が押圧力発生のため設けられている。
【0080】
図16(a)は、図14の押圧部材42と、ドラム駆動カップリング39と、現像駆動カップリング40部分の拡大図であり、(b)は、図15の押圧部材42と、ドラム駆動カップリング39と、現像駆動カップリング40部分の拡大図である。
【0081】
押圧部材42は、支点44を中心に回動可能に装置本体に設けられており、押圧バネ43のバネ力によりカートリッジの左右側端部上面を押圧部材レバー部45で押圧している。図16(b)の押圧解除状態では、トレイ保持部材34Rに設けられた押圧部材押し上げ部46により、押圧部材レバー部45が押し上げられ、カートリッジへの押圧が、トレイ保持部材34Rの動きに連動して解除される。
【0082】
また、解除レバーピン47が、ドラム駆動カップリング39を後退移動させるためにカップリング中心に設けられた解除レバー48(カートリッジの駆動を切断する駆動切断手段)に設けられている。そして、トレイ保持部材34Rの動きに連動して、解除レバーピン47が、図16(a)の位置から(b)の位置に動く。これによる解除レバー48の動作で(b)の位置に、ドラム駆動カップリング39と、現像駆動カップリング40が後退移動する。即ち、各カートリッジに対するドラム駆動カップリングと、現像駆動カップリングが解除される。
【0083】
図15の状態、即ち、ドラム駆動カップリング39と、現像駆動カップリング40と、押圧部材42がトレイ保持部材34R、34Lの動きに連動して解除された状態においては、トレイ35は、自由にスライド移動可能になる。従って、トレイ35はカートリッジを載せて装置本体から引き出し、装置本体への収納が行える状態になる。
【0084】
このように、左右のトレイ保持部材34R、34Lはドア31の開閉動作に連動して動作する。この場合、ドア31の開閉力を緩和するために、上記の押圧と駆動のそれぞれの解除タイミングを少しずつ異なるタイミングにすると良い。
【0085】
即ち、ドラム駆動カップリング39と、現像駆動カップリング40と、押圧部材42の解除タイミングを少しずつ異なるタイミングにする。具体的には、解除レバーピン47、押圧部材押し上げ部46の位置を移動して駆動、押圧の解除タイミングと、更に各プロセスカートリッジ間でのそれぞれの駆動、押圧の解除タイミングを少しずつ違えることにより、ドア31にかかる負荷を分散する。これにより、ピークでかかる力を減らし、ユーザーがドア31を操作する際の操作力を軽減することが可能となる。
【0086】
このように、トレイ保持部材34R、34Lの移動によって、駆動手段(カップリング39、40)の退避、トレイの上下動を行うことで、機構の集約ができ、本体サイズをコンパクトにすることができる。
【0087】
(第二のトレイ位置規制手段)
第二のトレイ位置規制手段について、図11、13、17〜21を用いて説明する。
【0088】
図17は、トレイ35を装置本体内の装着位置まで完全に収納した状態を示す図である。図18は、ドア31を開けてトレイ保持部材34R、34L及びトレイ35が押し上げられた状態で、トレイ35が装置本体に完全に収納されていない状態を示す図である。図19はトレイ35を装着位置まで完全に収納させることを誘導する第二の移動規制手段の動作説明図である。
【0089】
トレイ35が十分には押し込まれていない図18の状態においては、ドア31の閉じ回動に連動して連結アーム37L、37Rが回動する際、図20(a)に示したように連結アーム37L、37Rの突起部122L、122Rがトレイ35下面に突き当たる。そのため、ドア31を閉めてトレイ保持部材34L、34Rを装置本体後方下側へ押し下げることができない。
【0090】
これに対し、トレイ35を十分に押し込んだ図17の状態においては、ドア31の閉じ回動に連動して連結アーム37L、37Rが回動する時、図20(b)に示したように連結アーム37L、37Rの突起部122L、122Rはトレイ35に干渉しない。そのため、ドア31を閉めてトレイ保持部材34R、34L及びトレイ35を押し下げることができる。
【0091】
トレイ35は図19に示した様に、後方から押圧部材104、105を介してばね103によって付勢されている為、ユーザがトレイ35を十分に押し込まなかった場合には、ばね103のストローク量に応じて図19(b)の様に一定量以上飛び出した状態となる。このときトレイ35の位置は、図18及び図20(a)の状態となる。
【0092】
従って、ユーザーがトレイ35を装着位置まで完全に収納せずに、誤ってドア31を閉じようとした場合には、確実に連結アーム37L、37Rの突起部122L、122Rがトレイ35に干渉して、間違いの修正を促すことが可能である。これに対し、トレイ35を十分に押し込んだ図17及び図20(b)の状態では、飛び出し防止爪101が本体側係合手段102に係合するため、図19(a)のように装置本体に対して位置を決めることが可能である。
【0093】
従ってユーザが飛び出し防止爪101を本体側係合手段102に係合するまでトレイ35を収納した場合には、ドア31を閉めた際に、トレイ35のU溝110をピン111に嵌合させ、また、突起部67を確実に位置決め穴69に嵌合させることが可能である。
【0094】
トレイ35の飛び出し防止爪101及び本体側係合手段102の個数及び形状は図19に示した通りでなくてもよい。また、トレイ35の押圧手段103〜105の個数及び形状も図19に示した通りでなくてもよい。
【0095】
本実施形態においては、フロントアクセスでカートリッジを容易に交換することが可能になる。カートリッジを引き出しトレイに載せ交換する方式をもち、本体装着時に本体部品で、カートリッジの位置決めをし、引き出しはカートリッジをラフに保持し、引き出し位置と、本体内の装着位置へ移動するのみにした。これにより、ユーザーは、トレイ引き出し位置で、位置決めを気にすることなく、カートリッジを重力方向真下に向けて引き出しにセットする。その後、トレイを装着位置に押し込み、本体前面のドアを閉めることで、確実にカートリッジを位置決め位置に保持することができる。これにより、ユーザー操作が簡単で、カートリッジの位置精度を確保することが可能な画像形成装置を提供することが可能になる。
【0096】
また、ドアが半開きの状態等の、トレイが完全に持ち上がっていない状態で、トレイを操作してしまうと、カートリッジのドラムがベルトにこすれて画像上に問題を生じてしまうことがある。しかし、トレイに連動し、前面のドアの動きを規制する部材や、ドアの開閉でトレイの動きを規制する部材を設けることで、完全にドアを開かないとトレイが動作しない様にすることができる。
【0097】
また、トレイを完全に収納しないと、トレイが一定量以上飛び出してくる構成によって、トレイを完全に収納しないとドアが閉まらないことをユーザーに明らかに認識させることができ、ユーザーの誤操作による破損を防止することが可能になる。
【0098】
ここで、前述した突起67と穴69(図11、図13参照)は、図19に示したトレイ35の位置規制手段を用いない際の代わりとして用いることができる。図17、図18、図21を用いてこれを詳しく説明する。
【0099】
トレイ35が十分には押し込まれていない図18の状態においては、トレイ35に設けられた突起部67が、不動部材である中間転写ベルト保持部材68に開けられた穴69の位置と合っていない。この状態で、ドア31を閉めようとすると、連結アーム37R、37Rを介してトレイ保持部材34R、34Lが押し下げられ、トレイ35も押し下げられた際に、突起部67が中間転写ベルト保持部材68に突き当たる。このため、ドア31を閉めることができない。
【0100】
これに対し、トレイ35を十分に押し込んだ図17の状態では、トレイ35が押し下げられた際に、図21の(b)と(c)のように、突起部67が穴69に入るため、ドア31を閉めてトレイ保持部材34R、34Lおよびトレイ35を押し下げることができる。
【0101】
これにより、装置本体の水平方向においてトレイ35が装置本体内の装着位置に位置する場合にのみトレイ35が押し下げられ、各カートリッジは確実に位置決め部41に位置決めされる。
【0102】
図17、図18では、トレイ35の突起部67および中間転写ベルト保持部材68の穴69を同形状で2箇所設けている。しかし、突起部67、穴68の個数及び形状は図17、図18、図21に示した通りでなくてもよい。複数の突起部及び穴を設けた際に、各々の形状が一致していなくてもよい。また、突起部67と穴69のはめあい関係も図17、図18、図21に示した通りでなくてもよい。また、穴69は中間転写ベルト保持部材上になくてもよい。
【0103】
図11に示したような、右フレーム80Rに設けられたピン111とトレイ35に設けられたU溝110においても、同様の効果が得られる。この場合にも、嵌合箇所の個数、及び形状は図11に示した通りでなくてもよい。
【0104】
(給電構成)
図22から図24は、装置本体から各カートリッジに給電を行う方法を説明する図である。
【0105】
図22、図23は、ドア31を開け、トレイ31を引き出した状態を表した図である。トレイ35には、中間電気接点ばね72a〜72dが装置本体水平方向に沿って、また垂直方向に同じ位置に複数個並んで設けられ、その一端がカートリッジの電気接点55(図8参照)に電気的に接続される。即ち、移動部材であるトレイ35には中間電気接点72a〜72dが設けられている。この中間電気接点72a〜72dと、カートリッジが有するカートリッジ電気接点55とが電気的に接続する。
【0106】
装置本体のメインフレームには、左フレーム80Lの外側に設けられた本体側給電部74と電気的に接続された本体電気接点ばね75a〜75dが装置本体水平方向に沿って、また垂直方向に同じ位置に複数個並んで設けられている。本体電気接点ばね75a〜75dは、左フレーム80L及び左トレイ保持部材34Lに開けられた穴を通ってトレイ35側に飛び出している。
【0107】
図24(a)、(b)は、トレイ35に設けられた中間電気接点ばね72と本体電気接点ばね75の電気的接続と切断の様子を示したものである。即ち、それぞれ、トレイ35、中間電気接点ばね72、左トレイ保持部材34L、左フレーム80L、本体電気接点ばね75、本体電気接点ばねホルダ76、本体側給電部74を、装置本体正面から見た断面図の一部である。
【0108】
図24(a)は、ドア31が閉められた状態で、左トレイ保持部材34Lおよびトレイ35が下降した画像形成位置にいる状態を示している。このとき、本体電気接点ばね75と中間電気接点ばね72は電気的に接続されている。
【0109】
図24(b)は、ドア31が開けられた状態で、左トレイ保持部材34Lおよびトレイ35が画像形成位置から上昇した位置にいる状態を示している。このとき、本体電気接点ばね75と中間電気接点ばね72は電気的に切断された状態になる。また、このとき、トレイ35は、本体電気接点ばね75の左トレイ保持部材34Lからトレイ35側に飛び出した部分と接触しないように装置本体前後方向にわたる溝77を有している。これにより、本体電気接点ばね75と接触することなく、トレイ35を引き出すことが可能である。
【0110】
即ち装置本体は、トレイ35の中間電気接点72a〜72dの移動経路とは離れて配置されている本体電気接点75a〜75dを有している。
【0111】
中間電気接点と本体電気接点は、トレイ保持部材34L、34Rによりトレイ35を画像形成位置から上方向に移動(上昇)させることによって接続が離れ、画像形成位置へ向かって下方向に移動(下降)させることによって電気的に接続する様に構成されている。
【0112】
上述した図22〜図24では、各カートリッジの1箇所の被給電部に対して1つの本体電気接点ばねと1つの中間電気接点ばねを用いて給電を行う方法を示している。しかし、各カートリッジに複数の被給電部がある場合も同様に構成可能である。また、複数の被給電部の装置本体鉛直方向の高さが異なる場合にも、本体電気接点ばねを高さ違いで複数配置し、トレイの本体電気接点ばねの高さに応じた位置に複数の溝を開けることで、同様に構成可能である。
【0113】
更に、複数のカートリッジに同一のバイアスをかける場合には、1つの本体電気接点ばねと電気的に接続、切断可能な、1つの中間電気接点となる導体をトレイ内に設ける。そして、トレイ内に複数の中間接点ばねを、その一端が導体と電気的に接続し、他端が複数のカートリッジの被給電部と電気的に接続、切断可能に設ける。このように構成することで、中間接点ばねと本体電気接点ばねの接続箇所を減らすことが可能である。また本体電気接点ばねおよび中間接点ばねの形状、及び各電気的接続部における接触圧の方向は図22〜図24に示した通りでなくてもよい。
【0114】
尚、トレイ35内に電気的接続を分配する導体を有し、中間電気接点とカートリッジ電気接点の電気的接続箇所が、中間電気接点と本体電気接点の電気接続箇所よりも多く構成されている構成とする。これにより、各色で同一の電位を用いる場合において、部品数を減らすことができ、コストダウンすることができる。
【0115】
以上説明したように、カートリッジを移動部材(トレイ)に載せ、フロントアクセスにより、プロセスカートリッジを交換し、且つ移動部材に中間電気接点を設ける。そして、移動部材の上下移動に伴い本体と電気接続を離接することで、コストアップと本体サイズアップをすることなく、容易な引出し方式によるプロセスカートリッジ交換構成を設けた画像形成装置を提供することができる。
【0116】
また、開口を開閉する部材に連動して移動部材が上下することで、ユーザーが容易に想定できる操作でカートリッジの交換ができる。
【0117】
また、電気接点を水平方向に沿って、また垂直方向に同じ位置に複数個並んで配置することで、垂直方向のスペースを抑えることができ、本体サイズをコンパクトにできる。
【0118】
(ステー部材、位置決め部材)
図25、図26、図27は、画像形成装置本体の骨格を成す、本体フレーム構成を示した斜視図である。装置本体の第1と第2のメインフレームである左フレーム80L(図17参照)と右フレーム80Rは、連結部材であるステー部材130F、130R、131、132によって締結されるよう構成される。つまり連結部材130F、130R、131、132は2つの側板80L、80Rを連結する。
【0119】
ステー部材131、132上には、プロセスカートリッジ及びベルトユニットを保持する位置決め部材81L、81Rが配置される。つまり位置決め部材81L、81Rは連結部材131、132に保持されている。
【0120】
位置決め部材81L、81Rは、プロセスカートリッジPY、PM、PC、PK及びベルトユニット12を位置決めする。位置決め部材81L、81Rには各々、4つの位置決め部41Y、41M、41C、41Kが設けられており、プロセスカートリッジPY、PM、PC、PKの軸受け部51、52と嵌合することで、位置決めされる。つまり移動部材35を移動しプロセスカートリッジが装置本体内に収納された時、言い換えるとプロセスカートリッジが画像形成位置に来た時、プロセスカートリッジは位置決め部材81L、81Rに位置決めされる。
【0121】
位置決め部41Y、41M、41C、41Kは、上向きの浅いV字形状であり、前述のように、押圧部材42が下方に押圧することによって、プロセスカートリッジPY、PM、PC、PKは位置決めされる。つまり位置決め部材81L、81Rは移動部材35の移動方向に沿って設けられ、プロセスカートリッジは移動部材35の移動方向と直交する方向から押圧され位置決めされる。位置決め部は浅いのでプロセスカートリッジPY、PM、PC、PKをわずかに持ち上げることで、位置決め部材81L、81Rに干渉することなく、カートリッジを水平方向に引き出すことが可能となる。
【0122】
一方、ベルトユニット12は、2つの位置決め部材81L、81Rの間に配置され、位置決めボス143、144を位置決め部材81L、81Rの位置決め部83D、83Tと嵌合することで、位置決めされる。
【0123】
位置決め部材81L、81Rは、設計上同形状であり、共通の金型で加工が可能である。よって、位置決め部材81L、81Rの相対的な寸法差は小さく、プロセスカートリッジPY、PM、PC、PK、ベルトユニット12の高精度な位置決めに有利な構成となる。位置決め部材81L、81Rは、L字形に曲げ加工されており、ステー部材131、132にビス締結される。つまり位置決め部材81L、81Rは2つの部材から構成され、2つの位置決め部材81L、81Rは形状が同じである。
【0124】
ステー部材130F、130Rはスキャナユニット11を位置決めする。スキャナユニット11の脚11a、11b、11cが各々、ステー部材130F、130Rに接地し、スキャナユニット11の高さ方向の位置が決まる。また、スキャナユニット11の位置決めボス11d、11eが、ステー部材130Fの位置決め穴82c、82dと嵌合することによって、スキャナユニット11の水平位置が決まる。上述のように、カートリッジの交換に際し、プロセスカートリッジをわずかに持ち上げることで、引出し可能である。よって、スキャナユニット下方に、カートリッジ交換のための大きな空間を設ける必要はない。
【0125】
図30は、画像形成装置本体の骨格を成す、本体フレームの組み立てを示した略図である。
【0126】
位置決め部材及びステー部材は、プロセスカートリッジ位置決め部41Y、41K、スキャナユニット位置決め部82を組立工具400に突き当てた状態で、ビス締結することで、本体フレームの位置精度を保障することができる。
【0127】
位置決め部材81L、81Rは、ステー部材131とステー部材132に保持される。ステー部材131の突き当て部147、148、149は、上方向に半抜き加工が施されており、他の部分は、位置決め部材81L、81Rとの間に隙間が設けられている。ステー部材131は、突き当て部147、148、149の3点を組立工具400及び位置決め部材81L、81Rに押圧した状態で、ビス締結される。また、ステー部材132は位置決め部材81L、81Rに押圧した状態で、ビス締結される。
【0128】
本体骨格構成に一般的に用いられる冷間圧延鋼板等の板金部品は、その大きさによって、平面の反りや捩れ等の部品精度が低下する。また、高剛性を有する板金部品は、その部品精度の矯正が困難である。位置決め部材81L、81Rは、ステー部材131のみに締結することも可能だが、ステー部材131の部品精度の影響により、位置決め部材81L、81Rの所望の位置精度が得られないことがある。
【0129】
本実施形態においては、位置決め部材81L、81Rは、2つのステー部材131、132とで保持され、且つその接触面積を減らすことで、ステー部材131、132の部品精度の影響を排除できる。よって、本体フレームを高精度に組み立てることができる。
【0130】
ステー部材131、132は、その両端を左フレーム80Lと右フレーム80Rとに締結された、両持ち梁の構造であり、プロセスカートリッジの自重や押圧力等の静荷重、物流等による衝撃荷重に対し、強度を確保できる。
【0131】
図28〜図29に示す様に、位置決め部材81L、81Rは、トレイ35の移動範囲の下方に配設される。位置決め部材81L、81Rを側板に直接締結した場合、側板内側に配設されたトレイ35及びトレイ保持部材34L、34Rの移動の妨げとなり、装置本体サイズが大きくなることが懸念されるが、本実施形態においては側板間のスペースを有効に活用できる。ステー部材130Fは、トレイ35の移動範囲上方に配設されており、本体前方に大きな開口を設けることができる。よって、本体をサイズアップすることなく、トレイ35の移動を可能としている。
【0132】
以上説明したように、本実施形態の画像形成装置は、トレイの移動動作によって、プロセスカートリッジの交換を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0133】
【図1】本発明の実施形態である画像形成装置の外観斜視図。
【図2】画像形成装置の断面図。
【図3】ドアを開いた状態の画像形成装置を示す図。
【図4】図3の画像形成装置の断面図。
【図5】トレイを引き出した状態の画像形成装置を示す図。
【図6】図5の画像形成装置の断面図。
【図7】カートリッジを駆動側から見た斜視図。
【図8】カートリッジを非駆動側から見た斜視図。
【図9】トレイの斜視図。
【図10】ドアとトレイ保持部材の連動機構部分の斜視図。
【図11】ドアの開き回動に連動するトレイ保持部材の移動を説明する図。
【図12】ガイド穴部分の拡大図。
【図13】ピンとU溝部分の拡大図。
【図14】トレイ保持部材に連動して解除するカートリッジ周囲のインターフェイス部を説明する図。
【図15】トレイ保持部材に連動して解除するカートリッジ周囲のインターフェイス部を説明する図。
【図16】トレイ保持部材に連動して解除するカートリッジ周囲のインターフェイス部を説明する図。
【図17】トレイ位置規制手段を説明する図。
【図18】トレイ位置規制手段を説明する図。
【図19】トレイ位置規制手段を説明する図。
【図20】トレイ位置規制手段を説明する図。
【図21】トレイ位置規制手段を説明する図。
【図22】カートリッジに給電を行う手段を説明する図。
【図23】カートリッジに給電を行う手段を説明する図。
【図24】カートリッジに給電を行う手段を説明する図。
【図25】ステー部材及び位置決め部材の構成を説明する図。
【図26】ステー部材の構成を説明する図。
【図27】ステー部材の構成を説明する図。
【図28】ステー部材及び位置決め部材の構成を説明する図。
【図29】ステー部材及び位置決め部材の構成を説明する図。
【図30】本体組立工具を説明する略図。
【符号の説明】
【0134】
30 開口
31 ドア(開閉部材)
34L、34R トレイ保持部材(移動手段)
35 トレイ(移動部材)
80L、80R 左右のメインフレーム(側板)
81L、81R 左右の位置決め部材(内側板)
41 カートリッジ位置決め部
100 画像形成装置本体
131 ステ−部材(連結部材)
PY、PM、PC、PK プロセスカートリッジ
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真複写機、電子写真プリンタ(例えばレーザービームプリンタ、LEDプリンタ等)、ファクシミリ装置及びワードプロセッサ等の電子写真方式を用いた画像形成装置に関するものである。また特に装置本体に対してプロセスカートリッジが着脱可能な画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置には、装置本体に対してプロセスカートリッジを引き出し可能に構成したものがある(特許文献1参照)。この従来例は、カートリッジを、側面カバーに連動して前進、後退しつつ上下される昇降板に対し、2段階に伸縮可能なガイド部材を介して支持するものである。そして、側面カバーを開放することによってカートリッジを画像形成位置より引き出し位置に上昇しつつ移動したあと、カートリッジを直接引き出すことが可能となる。この引き出しによって、停止位置を含む特定した位置に任意に移動して、各機材の着脱ならびにジャム紙の処理を可能にしたものである。
【特許文献1】特開平8−220824号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら上記従来例では、カートリッジは画像形成位置にあるときも移動板に支持されている為、高精度に位置決めされるものではなく、高剛性の装置本体において画像形成時にカートリッジを高精度に位置決めすることが望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するため本発明は、互いに対向し本体の骨格を成す2つの側板と、像担持体を備えたプロセスカートリッジと、前記プロセスカートリッジを支持し移動する移動部材と、を有し、前記移動部材は前記2つの側板の間で移動可能で装置本体の外側に引き出された時、前記プロセスカートリッジの着脱が可能である画像形成装置において、前記2つの側板を連結する連結部材と、前記連結部材に保持された位置決め部材と、を有し、前記移動部材を移動し前記プロセスカートリッジが装置本体内に収納された時、前記プロセスカートリッジは前記位置決め部材に位置決めされることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0005】
以上説明した様に本発明によれば、プロセスカートリッジ交換におけるユーザビリティを向上させ、且つ画像形成時にプロセスカートリッジを高精度に位置決めすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。
【0007】
(実施形態1)
(画像形成装置の全体的な概略構成)
画像形成装置の全体的な概略構成について図1、2、7、8を用いて説明する。
【0008】
図1は本発明の実施形態である画像形成装置100の外観斜視図、図2は断面図である。この画像形成装置は、電子写真プロセスを用いた4色フルカラーのレーザープリンタであり、パソコン、イメージリーダ、相手方ファクシミリ装置等の外部ホスト装置から出力される電気的画像信号に基いて記録材(用紙)に画像形成を実行する。
【0009】
以下の説明において、画像形成装置に関して、前側(正面側)とは装置開閉ドア31を配設した側である。後側とはそれとは反対側である。前後方向とは、装置本体後側から前側に向かう方向(前方向)と、その逆の方向(後方向)である。左右とは装置本体を前側から見て左または右である。左右方向とは、右から左に向かう方向(左方向)と、その逆の方向(右方向)である。
【0010】
装置本体内には、後側から前側にかけて、第1から第4の4つのプロセスカートリッジPY、PM、PC、PKを水平方向に並べて配設(インライン構成、タンデム型)してある。各カートリッジは、収容されたトナーの色が異なるだけで、互いに同様の構成のものである。本実施形態の各カートリッジは、それぞれ、第1の像担持体としての電子写真感光ドラム1と、このドラムに作用するプロセス手段としての帯電器2、現像器3、クリーニング器4をカートリッジ枠体5(図7、図8参照)内に一体的に組み込んだものである。つまりプロセスカートリッジは像担持体を備える。
【0011】
帯電器2は接触帯電ローラである。現像器3は現像ローラ3aを有し、現像剤容器内には現像剤(トナー)が収容されている。クリーニング器4はブレード式のものである。
【0012】
第1のカートリッジPYは、現像器3にイエロー(Y)のトナーが収容されており、ドラム1面にY色トナー像を形成する。第2のカートリッジPMは、現像器3にマゼンタ(M)のトナーが収容されており、ドラム1面にM色トナー像を形成する。第3のカートリッジPCは、現像器3にシアン(C)のトナーが収容されており、ドラム1面にC色トナー像を形成する。第4のカートリッジPKは、現像器3にブラック(K)のトナーが収容されており、ドラム1面にK色トナー像を形成する。
【0013】
カートリッジPY、PM、PC、PKの上方部には、レーザースキャナユニット11が配設されている。このスキャナユニット11は、外部ホスト装置から出力された各色の画像情報に対応して変調されたレーザー光Lを出力し、カートリッジ枠体5の上面に設けた露光窓6(図7、図8参照)を通して、各カートリッジのドラム面を走査露光する。
【0014】
カートリッジPY、PM、PC、PKの下方部には、中間転写ベルトユニット12が配設されている。このベルトユニット12は、中間転写体(第2の像担持体)としての、誘電体性で、可撓性を有するエンドレスベルト13と、このベルト13を懸回張設して循環移動させる駆動ローラ14、ターンローラ15、テンションローラ16とを有する。駆動ローラ14とテンションローラ16は装置本体内の後側に配設してある。ターンローラ15は装置本体内の前側に配設してある。各カートリッジのドラム1は、その下面が、ベルト13の上方側ベルト部分の上面に接している。ベルト13の内側には、上方側ベルト部分を介して各カートリッジのドラム1に対向させて4個の一次転写ローラ17が配設されている。駆動ローラ14には、ベルト13を介して二次転写ローラ22が当接している。
【0015】
ベルトユニット12の下方部には、給紙ユニット18が配設されている。この給紙ユニット18は、給紙トレイ19、給紙ローラ20、分離パッド21等を有する。給紙トレイ19は装置本体前側から出し入れ自由である(フロントローデング)。
【0016】
装置本体内の後側の上部には、定着装置23と、排紙ローラ対24が配設されている。装置本体の上面は排紙トレイ25として形成されている。定着装置23は定着フィルムアセンブリ23aと加圧ローラ23bを有するものを用いている。排紙ローラ対24は排紙ローラ24aと排紙コロ24bである。
【0017】
装置本体内の装着位置に装着されている状態にある各カートリッジは、後述する押圧部材により押圧されて所定の位置決め部に固定された状態に保持される。またそのカートリッジの駆動入力部に対して装置本体側の駆動出力部が結合する。またそのカートリッジの電気接点に対して装置本体側の給電系統が導通化する。
【0018】
フルカラー画像を形成するための動作は次のとおりである。第1〜第4の各カートリッジPY、PM、PC、PKのドラム1が矢印の反時計方向に所定の制御速度で回転駆動される。ベルト13も矢印の時計方向(ドラム回転に順方向)にドラム1の速度に対応した速度で回転駆動される。スキャナユニット11も駆動される。この駆動に同期して、各カートリッジにおいてそれぞれ所定の制御タイミングで帯電ローラ2がドラム1の表面を所定の極性、電位に一様に帯電する。スキャナユニット11は各ドラム1の表面を各色の画像信号に応じて変調されたレーザー光Lで走査露光する。これにより、各ドラム1の表面に対応色の画像信号に応じた静電潜像が形成される。形成された静電潜像は現像器3によりトナー像として現像される。
【0019】
上記のような電子写真画像形成プロセス動作により、第1のカートリッジPYのドラム1にはフルカラー画像のイエロー成分に対応するY色トナー像が形成され、そのトナー像がベルト13上に一次転写される。
【0020】
第2のカートリッジPMのドラム1にはフルカラー画像のマゼンタ成分に対応するM色トナー像が形成され、そのトナー像がベルト13上にすでに転写されているY色トナー像に重畳されて一次転写される。
【0021】
第3のカートリッジPCのドラム1にはフルカラー画像のシアン成分に対応するC色トナー像が形成され、そのトナー像がベルト13上にすでに転写されているY色トナー像及びM色トナー像に重畳されて一次転写される。
【0022】
第4のカートリッジPCのドラム1にはフルカラー画像のブラック成分に対応するK色トナー像が形成され、そのトナー像がベルト13上にすでに転写されているY色トナー像、M色トナー像及びC色トナー像に重畳されて一次転写される。
【0023】
かくして、ベルト13上にY色、M色、C色、K色の4色の未定着トナー像が合成形成される。
【0024】
各カートリッジにおいて、ベルト13に対するトナー像の一次転写後のドラム1面に残留した転写残トナーはクリーニング器4により除去される。
【0025】
一方、所定の制御タイミングで給紙ローラ20が駆動される。これにより、給紙ローラ20と分離パッド21との協働で、給紙トレイ19上に積載されている記録材である用紙Pが1枚分離給送されて、二次転写ローラ22とベルト13とのニップ部(二次転写ニップ部)に導入される。これにより、用紙Pがニップ部を挟持搬送されていく過程でベルト13上の4色重畳のトナー像が用紙Pの面に順次に一括転写される。
【0026】
用紙Pはベルト13の面から分離されて定着装置23へ導入され、定着ニップ部で加熱、加圧される。これにより、各色トナー像の混色及び用紙への定着がなされる。そして用紙Pは、定着装置23を出て、フルカラー画像形成物として排紙ローラ対24で排紙トレイ25上に排出される。
【0027】
用紙分離後のベルト13の表面に残留した二次転写残トナーは、第1のプロセスカートリッジPYの一次転写部においてドラム1の表面に静電的に戻され、クリーニング器4にて除去される。
【0028】
(カートリッジ交換方式)
カートリッジ交換方式について図1〜10、17、19、22、23を用いて説明する。
【0029】
第1〜第4の各カートリッジPY、PM、PC、PKは、画像形成に使用されるにつれて、それぞれ、現像器3に収容されている現像剤が消費される。そして、カートリッジを購入した使用者にとって満足できる品質の画像を形成することが出来なくなる程度まで現像剤が消費された際に、カートリッジとしての商品価値が喪失する。
【0030】
そこで、例えば、個々のカートリッジの現像剤残量を検知する手段(不図示)を具備させて、制御部において、検知残量値を、予め設定したカートリッジ寿命予告や寿命警告のための閾値と比較させる。そして、検知残量値が閾値よりも少ない残量値となったカートリッジについては、表示部に、そのカートリッジについての寿命予告あるいは寿命警告を表示させる。これにより使用者に、交換用のカートリッジの準備を促す、あるいはカートリッジの交換を促して、出力画像の品質を維持するようにしている。
【0031】
本実施形態の画像形成装置において、カートリッジの交換は、ユーザビリティ向上のために、カートリッジを引き出しトレイに乗せ、フロントアクセスにより交換する方式である。
【0032】
すなわち、画像形成装置の前面側には、装置本体内へカートリッジを挿入させる、及び装置本体からカートリッジを取り出すために、カートリッジを通過させる開口部30(図2参照)を設けてある。
【0033】
そして、この開口30を閉じる閉鎖位置と、開口30を開放する開放位置との間を移動可能なドア(開閉部材)31を設けてある。
【0034】
本実施形態においては、このドア31は、ドア下辺側の横軸(ヒンジ軸)32を中心に装置本体に対して開閉回動可能である。すなわち、ドア31は、ヒンジ軸32を中心に立て起こし方向に回動して、図1、図2のように、装置本体に対して閉じ込んだ状態にすることができる。このドア31を閉じることにより開口30が閉鎖される。またヒンジ軸32を中心に、ドア31を装置本体の手前側に倒し回動して、図3、図4のように装置本体から開いた状態にすることができる。これにより、装置本体前面の開口30が大きく開放される。31aはドア31に設けた開閉用指掛け部である。
【0035】
装置本体の骨格となるメインフレームの側板である左フレーム80L(図17参照)の内側と、側板である右フレーム80R(図23参照)の内側には、対向させて、前後方向を長手とする左右一対のトレイ保持部材(移動手段)34L、34Rが配設されている。そして、このトレイ保持部材34L、34Rの間には、枠型部材であるカートリッジトレイ(移動部材)35が、前後方向に水平にスライド移動可能に保持されている。カートリッジPY、PM、PC、PKはこのトレイ35に支持されている。つまり移動部材35はプロセスカートリッジを支持し移動するものであり、互いに対向し本体の骨格を成す2つの側板80L、80Rの間で移動部材35は移動可能である。
【0036】
そして、ドア31の開き回動に連動して、トレイ保持部材34L、34Rが、後述するように、前方向と上方に所定量移動する。これにより、トレイ保持部材34L、34Rはその前側部が、図3、図4のように、開口30から装置本体外方に所定量突出した位置に引き出される。ドア31とトレイ保持部材34L、34Rの連動機構は後述する。
【0037】
また、このトレイ保持部材34L、34Rの移動に連動して、各カートリッジPY、PM、PC、PKの駆動入力部に対する装置本体側の駆動出力部の結合が解除された状態になる(駆動解除)。また各カートリッジを位置決め固定している押圧部材の押圧が解除される(押圧解除)。更に各カートリッジの電気接点に対する装置本体側の給電系統の導通が解除される(給電解除)。更にまたトレイ35の位置決め固定が解除される。
【0038】
そこで開口30から露呈している、トレイ前枠片部分に設けた取手部(移動規制解除手段)35aを掴んで、トレイ35の飛び出し防止爪(移動規制手段)101を本体側爪掛け部(本体側係合部)102から外す(図19参照)。そうするとトレイ35は引き出せる様になり、トレイ35はトレイ保持部材34L、34Rに対して滑走して前方向に水平にスライド移動可能となる。依って、トレイ35を、図5、図6のように、開口30から装置本体外側の所定の引き出し位置まで十分に引き出すことができる。
【0039】
これにより、トレイ35に保持されている第1〜第4の4つカートリッジPY、PM、PC、PKの全体が開口30を通過して装置本体外側に露出し、全カートリッジの上面が開放される。トレイ35は、十分な所定量、引き出されると、不図示のストッパ部分によりそれ以上の引き出し移動が阻止される。またトレイ35は、所定の引出し位置まで水平に引き出されている状態がトレイ保持部材34L、34Rにより保たれる。
【0040】
トレイ35は、個々のカートリッジを真上に取り出し可能に支持している。またトレイ35は、真下に向かって移動させられた個々のカートリッジを支持する。そこで、交換すべき使用済みのカートリッジを、図6の2点鎖線で示した様に、トレイ35から上方に持ち上げて抜き外す。そして、新しいカートリッジをトレイ35に対して上から嵌め入れて載せる。つまりトレイ35が装置本体の外側に引き出された時、カートリッジは装置本体に対して着脱が可能である。
【0041】
この場合、ドラム1の下面を保護する開閉式のドラムカバー(不図示)を有するカートリッジの場合は、トレイ35から外したらカバーを手動で閉じ状態にする。また、新しいカートリッジはトレイ35に乗せる前にカバーを手動で開き状態にする。あるいは、カートリッジをトレイ35から上方に持ち上げて抜き外す過程で、カバーが自動的に閉じ動作を行うようにする。逆に、トレイ35に上から嵌め入れて載せる過程で、カバーが自動的に開き動作を行うようにする。
【0042】
上記においてトレイ35は、カートリッジが有するドラム1の軸線方向とは交差する方向に移動可能に設けられた移動部材である。またトレイ35は、開口30を通過して、カートリッジを装置本体の外側において着脱できる引き出し位置と、カートリッジを装置本体の内側に装着するための装着位置と、ドラム1に画像を形成できる画像形成位置と、を取り得る。
【0043】
また、左右のトレイ保持部材34L、34Rは、トレイ35を、カートリッジを着脱できる引き出し位置に移動する前に、トレイ35を装着位置から上方向に移動させる、あるいは、装着位置へ向かって下方向に移動させる移動手段である。別の言い方をすれば、保持部材34L、34Rは、トレイ35を支持する支持部材であって、トレイ35を引き出し位置と装着位置との間で移動させるための第一の位置と、トレイ35を画像形成位置に位置させるための第二の位置とを取り得る。そして、ドア31が閉じるのに連動して、保持部材34L、34Rは、第一の位置から第二の位置に移動する。
【0044】
図7と図8は、カートリッジの外観斜視図である。図7は駆動側から見た斜視図、図8は非駆動側から見た斜視図である。
【0045】
カートリッジは、ドラム1の軸線方向を左右方向とし、この左右方向を長手とする横長箱型のアセンブリである。ドラム1はカートリッジ枠体5の右側面部と左側面部に配設した軸受部51、52間に回転可能に支持させて配設してある。右軸受部51にはドラム駆動入力部としてのカップリング嵌合部53を具備させてある。また、右側面部には、現像ローラ3aを駆動するための現像駆動入力部としてのカップリング嵌合部54を具備させてある。左側面部には、カートリッジ電気接点55を配設してある。左側面部と右側面部にはカートリッジ枠体5の天井板部分それぞれを左右方向に延長して張り出させて、庇部56を具備させてある。上記のカートリッジにおいて、カップリング嵌合部53、54を具備させた右側面部が駆動側であり、その反対側の左側面部が非駆動側である。
【0046】
図9はトレイ35の外観斜視図である。このトレイ35は、矩形の大枠部を有し、その大枠部内を3枚の仕切り板35fで前後方向に略等分に4つに仕切って、後枠35c側から前枠35b側へ順に、第1〜第4の横長小枠部35(1)〜35(4)を形成させてある。その各小枠部35(1)〜35(4)がそれぞれ第1〜第4の4つカートリッジPY、PM、PC、PKを保持させる部分である。また、各小枠部35(1)〜35(4)の右枠35eには、それぞれ、現像駆動カップリングが出入りする孔部35gを配設してある。
【0047】
また、トレイ35は、カートリッジが有する電気接点55(図8参照)に電気的に接続する中間電気接点72a〜72d(図22参照)を有している。この中間電気接点は装置本体に設けられた本体側電気接点75a〜75d(図22、図23参照)と電気的に接続することが可能である。これについては後述する。
【0048】
各カートリッジは、トレイ35の対応する小枠部内に上から挿入され、左右側の庇部56の下面がトレイ35の左右枠35d、35eの上面に受け止められることで、トレイ35に載って支持される。即ち、トレイ35は各カートリッジを真上に取り出し可能に支持しており、各カートリッジを真下に向かって移動させることによってカートリッジはトレイ35に支持される。トレイ35は各カートリッジをそれぞれラフに保持している。この構成により、プロセスカートリッジの交換を容易にすることができる。
【0049】
トレイ35の左右枠35d、35eがそれぞれ左右のトレイ保持部材34L、34Rの内側に設けた前後方向のガイド溝部34a(図6、図10、図22参照)に嵌入して係合している。これにより、トレイ35は、左右のトレイ保持部材34L、34R間に支持されるとともに、ガイド溝部34aを滑走してトレイ保持部材に対して前後方向に水平にスライド移動可能である。
【0050】
図5、図6の様に、トレイ35を引き出し位置に引き出して、トレイ35に保持されているカートリッジのうち交換すべきカートリッジについて交換したら、トレイ35を逆に十分に押し込み移動させて装置本体内部に収納し、図3、図4の引き出し前の状態に戻す。このとき、トレイ35をバネ(押圧手段)103(図19参照)によって後方側から前方側に付勢することで、ユーザーがトレイ35を所定の位置まで十分に押し戻す操作を確実に誘導することが可能である。これについては後述する。そして、開かれているドア31を図1、図2の様に閉じることで、装置は画像形成可能な状態となる。
【0051】
このドア31の閉じ回動に連動して、トレイ保持部材34L、34Rが後方向と下方に所定量移動することで、各カートリッジは画像形成位置に位置する。そして、このトレイ保持部材34L、34Rの移動に連動して、各カートリッジは押圧部材により押圧されて所定の位置決め部に固定された状態に保持され、各カートリッジのドラム1の下面がベルト13の所定の位置に接触する。そのカートリッジの駆動入力部に対しては装置本体側の駆動出力部が結合する。そのカートリッジの電気接点に対しては装置本体側の給電系統が接触し導通化する。
【0052】
(ドアとトレイ保持部材の連動機構、及び第一のトレイ移動規制手段)
ドア31とトレイ保持部材34L、34Rの連動機構、及び第一のトレイ移動規制手段について、図10〜15、17、18、21、23を用いて説明する。
【0053】
図10は、ドア31とトレイ保持部材34L、34Rの連動機構部分の斜視図である。ドア31のヒンジ部32L、32Rは、装置本体に対して左右方向に水平に配列されていて、その左右両端部は装置本体左右に設けられた不図示の軸受け部材間に回転可能に軸受され保持されている。軸受け部材は左右フレーム80L、80R(図23参照)であってもよい。また、ドア31の左右両端部寄りには、それぞれ、連結アーム37L、37Rを配設してある。連結アーム37L、37Rのヒンジ部120L、120Rは、装置本体に対して左右方向に水平に配列され、それぞれ、本体左右に設けられた不図示の軸受け部材に対して回動可能に保持されている。軸受け部材は左右フレーム80L、80Rであってもよい。連結アーム37L、37Rにはそれぞれ横向き軸37a、37bを具備させてある。そして、左側の連結アーム37Lの横向き軸37aは左側のトレイ保持部材34Lの前側下部に具備させた縦長孔34Aに嵌入して係合させてあり、横向き軸37bはドア31の左側面部に設けられた溝31Bに嵌入して係合させてある。また、右側の連結アーム37Rの横向き軸37aは右側のトレイ保持部材34Rの前側下部に具備された縦長孔34Aに嵌入して係合させてあり、横向き軸37bはドア31の右側面部に設けられた溝31Bに嵌入して係合させてある。
【0054】
この様に、ドア31とトレイ保持部材34L、34Rは、連結アーム37L、37R、横向き軸37a、37b、縦長孔34A、溝31Bを介して連結してある。これにより、ドア31が開閉されると、左右のトレイ保持部材34L、34Rには前後方向への移動力が作用することになる。このとき連結アーム37L、37Rのヒンジ部120L、120Rはドア31のヒンジ部32L、32Rと同軸上にあってもよい。さらに、連結アーム37L、37Rを設けず、ドア31と移動手段34L、34Rを直接連結してもよい。
【0055】
左右のトレイ保持部材34L、34Rは、それぞれ、前後に間隔を開けて植設した2本のピン軸34cを、装置本体のメインフレームの左右フレーム80L、80Rのそれぞれに設けたカイド穴36に係合させてある。このピン軸34cとカイド穴36の係合により、トレイ保持部材34L、34Rはそれぞれ左右フレーム80L、80Rに支持される。
【0056】
図11は、左側のトレイ保持部材34Lについての2本のピン軸34cとカイド穴36を示している。右側のトレイ保持部材34Rについては不図示であるけれども、左側のトレイ保持部材34Lと同様であり、そのピン軸34cとカイド穴36は左側のトレイ保持部材34Lと対称に構成されている。
【0057】
従って、左右のトレイ保持部材34L、34Rは、それぞれ、カイド穴36のガイド範囲において左フレーム80Lと右フレーム80Rに対して移動する自由度がある。
【0058】
図12はカイド穴36部分の拡大図である。いずれのガイド穴36も、前後方向で水平な第1ガイド領域36aと、この第1ガイド領域36aのピン軸前進方向に連設した、昇り傾斜の第2ガイド領域36bを有している。また、第2ガイド領域36bの頂上部に連設した、ピン軸34cを受け止めて安定に保持する第3ガイド領域36cを有している。
【0059】
ピン軸34c、即ち左右のトレイ保持部材34L、34Rは、ドア31の開き回動に連動して、第1ガイド領域36aにより水平方向に距離a1移動した後、第2ガイド領域36bにより斜め上方(水平方向に距離a2、垂直方向に距離b)移動する。そして、最後に第3ガイド領域36cにより水平方向に距離a3移動する。
【0060】
図11(a)は、ドア31が装置本体に対して完全に閉められている状態時を示している。この状態においては、左右のトレイ保持部材34L、34Rは、ヒンジ軸32、連結アーム37L、37R、横向き軸37a、縦長孔34Aを介して装置本体内の後方向へ移動されている。ピン軸34cはカイド穴36の第1ガイド領域36aの後端部に位置している。そのために、左右のトレイ保持部材34L、34Rは、それぞれ、左フレーム80Lと右フレーム80Rとに対して所定の下げ位置(第二の位置)に保持されている。従って、トレイ保持部材34L、34Rに保持させてあるトレイ35も所定の下げ位置(画像形成位置)に保持されている。
【0061】
トレイ35に保持されている各カートリッジPY、PM、PC、PKは、それぞれ左右側の上面部分が押圧部材により押圧されている。これにより、駆動側の軸受部51と非駆動側の軸受部52との下面部分(被位置決め部)が、装置本体の位置決め部材(内側板)に設けられた位置決め部に固定されて、各カートリッジが装置本体に対して所定に位置決め状態に保持される。この状態において、各カートリッジのドラム下面がベルトユニット12の上方側ベルト部分の上面に対して安定に接している。このとき各カートリッジのカップリング嵌合部53、54には、それぞれ、装置本体側のドラム駆動カップリングと現像駆動カップリングが嵌入している状態にある。また各カートリッジの電気接点55に対しては、それぞれ、中間電気接点を介して装置本体側から給電を行うことが可能な状態にある。
【0062】
トレイ35の右側は、このトレイ35に設けた下向きU溝110の下端部が装置本体の右フレーム80R(図23参照)に設けられた不動部材であるピン111に入っていて位置決めされている。トレイ35の左側は、トレイ35に設けた下向きの突起部67(図17、18、21参照)の下端部が、装置本体側の不動部材68に設けた穴69に入っていて位置決めされている。トレイ35の位置決め手段は前述の手段のうち、左右どちらかのみでもよい。
【0063】
図11(b)は、ドア31を途中まで開いた状態を示している。図11(a)のドア閉じ状態からドア31が開かれていくと、これに連動して、左右のトレイ保持部材34L、34Rは装置本体内を前方向に引かれる。これにより、トレイ保持部材34L、34Rは、ピン軸34cが、ガイド穴36の第1ガイド領域36aでガイドされて、先ず水平方向に距離a1前方向に移動する。図11(b)はこの状態を示している。このトレイ保持部材34L、34Rの距離a1の移動過程において、各カートリッジに対するドラム駆動カップリングと、現像駆動カップリングが解除される。また各カートリッジの押圧部材による押圧位置決めも解除される。このとき、トレイ35がトレイ保持部材34L、34Rの動きに追従しないように、右フレーム80Rに設けたピン111がトレイ35に設けたU溝110に入っていて位置決めされている。また、トレイに設けた下向きの突起部67の下端部が装置本体側の不動部材68に設けた穴69に入っていて位置決めされている。
【0064】
ドア31の引き続く開き回動に連動して、トレイ保持部材34L、34Rは更に装置本体内を前方向に引かれる。これにより、トレイ保持部材34L、34Rは、ピン軸34cがガイド穴36の第2ガイド領域36bでガイドされて、斜め上方に移動していく。このトレイ保持部材34L、34Rの斜め上方への移動過程において、各カートリッジの電気接点55と装置本体側との電気的接続が解除される。
【0065】
ここで、図13の様に、ピン111のU溝110に対する進入量をcとする。また、トレイ35を保持しているトレイ保持部材34L、34Rの上記の斜め上方移動にともなうU溝110の上昇量をbとする。トレイ保持部材34L、34Rが斜め上方に移動する際、トレイ35のU溝110がピン111に係合している間(c>b)は、U溝110はトレイ保持部材34L、34Rの垂直方向の移動にのみ追従する。そして、トレイ保持部材34L、34Rがある程度持ち上がった状態(c≦b)で、ピン111がU溝110から抜ける。このような構成にすることで、トレイ35に保持されている各カートリッジPY、PM、PC、PKのドラム下面がベルト13に接している状態ではトレイ35が水平方向に移動することはない。従って、ドラム1とベルト13のこすれによって生じる傷、メモリを防止することができる。トレイ35の左側に設けられた突起部67と不動部材68に設けられた穴69の進入量に関しても同様の構成をとることが可能である。
【0066】
図11(c)は、ドア31が完全に開かれた状態を示している。この状態においては、トレイ保持部材34L、34Rは第2ガイド領域36bによる斜め上方移動を終えて、ピン軸34cが水平の第3ガイド領域36cに位置している。即ち、トレイ保持部材34L、34Rは斜め上方に移動した後に水平方向に移動する。これは、その後、トレイ保持部材34L、34Rからトレイ35を引き出してカートリッジを交換する際に、カートリッジやトレイ保持部材の高さ方向の位置を安定させるためと、トレイ保持部材が元に戻ろうとする動きを防止するためである。
【0067】
図11(c)の状態においては、ピン111がU溝110から抜けており、また、突起部67が穴69から抜けていて、トレイ35の位置決め状態が解除されている。従って、トレイ35はトレイ保持部材34L、34Rに対して前後方向に水平にスライド移動操作自由である。
【0068】
上記において、溝110とピン111及び突起部67と穴69は、移動部材であるトレイ35が装置本体内の装着位置において、カートリッジが有するドラム1とベルト13が接触する方向と交差する方向に移動しないように規制する第一の移動規制手段である。そして、この移動規制手段110、111、67、69によるトレイ35の移動規制は、移動手段である左右のトレイ保持部材34L、34Rのドラム1とベルト13が接触する方向成分の移動にならって、トレイ35が追従した後、解除される。
【0069】
移動手段である左右のトレイ保持部材34L、34Rは、第1ガイド領域36aに案内されて、カートリッジが有するドラム1とベルト13が接触する方向と交差する方向に移動する(第1移動)。そして、トレイ保持部材34L、34Rは、その後、第1ガイド領域36aに案内されて、ドラム1とベルト13が接触する方向と、その接触する方向と交差する方向、の2つの方向成分を有する斜め方向に移動する(第2移動)。そして、トレイ保持部材34L、34Rは、その後、ドラム1とベルト13が接触する方向と交差する方向に移動する(第3移動)。そして、トレイ保持部材34L、34Rは、上記の第1移動において、カートリッジの駆動の切断を行い、ドラム1とベルト13が接触する方向成分の移動にならって、トレイ35が追従した後、第一の移動規制手段110、111、67、69が解除される。
【0070】
この状態において、トレイ35はトレイ保持部材34L、34Rに対して前後方向に水平にスライド移動し、プロセスカートリッジを交換可能な引き出し位置と、プロセスカートリッジを装置本体の内側に装着するための装着位置をとる。トレイ35を装着位置に位置決めするための第二の移動規制手段に関しては後述する。
【0071】
図15はカートリッジの交換が可能な位置にトレイ35を引き出した状態を示す斜視図である。このとき、画像形成装置本体100から大きく飛び出した位置にあるトレイ35を連結アーム37L、37Rの支持部121L、121Rによって支えることができる。これにより、トレイ35の本体手前側がトレイ35及びプロセスカートリッジの自重によって下方に大きく撓んでドラム1表面が傷付くことや、トレイ35の引き出しによって装置本体の重量バランスが崩れて前方へ転倒することを防ぐことができる。
【0072】
連結アーム37L、37Rはドア31と連動して回動するため、連結アーム37L、37Rの支持部121L、121Rを、ドア31閉鎖時には装置本体内部に位置し、ドア31の開放時には装置本体外部に位置するように設けることが可能である。これにより本体サイズをアップすることなく、トレイ35を引き出し位置において安定に保持し、カートリッジ交換時のユーザビリティを向上することができる。
【0073】
このとき、トレイ35を引き出し位置において支持する支持部121L、121Rの形状および支点の数は、図15に示した通りでなくてもよい。また、ドア31にトレイ35支持部が一体に設けられていてもよい。
【0074】
このように、ユーザビリティ向上のためカートリッジを移動部材(トレイ)に載せ、カートリッジを交換し、且つ移動部材を移動手段(トレイ保持部材)の垂直方向成分の移動に伴い上下動させる。移動手段はドアの開閉回動に連動して移動し、その連結部(連結アーム)によって、移動部材を本体手前の引出し位置において支持する。これにより、コストと本体サイズをアップすることなく、ベルトとカートリッジこすれによる傷、メモリの発生を防止した、引き出し方式によるプロセスカートリッジ交換構成を設けた画像形成装置を提供することができる。
【0075】
(インターフェイス部)
インターフェイス部について、図1、2、5〜7、14〜16、25を用いて説明する。
【0076】
図14〜図16は、トレイ保持部材34L、34Rに連動して解除するカートリッジ周囲のインターフェイス部を説明する図である。
【0077】
図14は、カートリッジがない状態で、図1、図2のドア31が閉まっている状態を示す図である。図15は、図5、図6のドア31を開き、トレイ35を引出した状態を示す図である。
【0078】
装置本体内の右側には、各カートリッジのドラム1や現像ローラ3aを回転駆動するために、カートリッジ側の駆動入力部53、54(図7参照)と連結する駆動出力部としての、ドラム駆動カップリング39と現像駆動カップリング40が設けられている。
【0079】
また、装置本体内の右側と左側の両側には、それぞれ、各カートリッジの駆動側の軸受部51と非駆動側の軸受部52の下面部分を受け止める位置決め部41が装置本体の左右の位置決め部材81L、81R(図25参照)に設けられている。そして、装置本体内の右側と左側の両側には、駆動側の軸受部51と非駆動側の軸受部52を上記の位置決め部41に嵌合させて固定するために、カートリッジの左右側上面をそれぞれ押圧する押圧部材42が設けられている。押圧部材42には、押圧バネ43が押圧力発生のため設けられている。
【0080】
図16(a)は、図14の押圧部材42と、ドラム駆動カップリング39と、現像駆動カップリング40部分の拡大図であり、(b)は、図15の押圧部材42と、ドラム駆動カップリング39と、現像駆動カップリング40部分の拡大図である。
【0081】
押圧部材42は、支点44を中心に回動可能に装置本体に設けられており、押圧バネ43のバネ力によりカートリッジの左右側端部上面を押圧部材レバー部45で押圧している。図16(b)の押圧解除状態では、トレイ保持部材34Rに設けられた押圧部材押し上げ部46により、押圧部材レバー部45が押し上げられ、カートリッジへの押圧が、トレイ保持部材34Rの動きに連動して解除される。
【0082】
また、解除レバーピン47が、ドラム駆動カップリング39を後退移動させるためにカップリング中心に設けられた解除レバー48(カートリッジの駆動を切断する駆動切断手段)に設けられている。そして、トレイ保持部材34Rの動きに連動して、解除レバーピン47が、図16(a)の位置から(b)の位置に動く。これによる解除レバー48の動作で(b)の位置に、ドラム駆動カップリング39と、現像駆動カップリング40が後退移動する。即ち、各カートリッジに対するドラム駆動カップリングと、現像駆動カップリングが解除される。
【0083】
図15の状態、即ち、ドラム駆動カップリング39と、現像駆動カップリング40と、押圧部材42がトレイ保持部材34R、34Lの動きに連動して解除された状態においては、トレイ35は、自由にスライド移動可能になる。従って、トレイ35はカートリッジを載せて装置本体から引き出し、装置本体への収納が行える状態になる。
【0084】
このように、左右のトレイ保持部材34R、34Lはドア31の開閉動作に連動して動作する。この場合、ドア31の開閉力を緩和するために、上記の押圧と駆動のそれぞれの解除タイミングを少しずつ異なるタイミングにすると良い。
【0085】
即ち、ドラム駆動カップリング39と、現像駆動カップリング40と、押圧部材42の解除タイミングを少しずつ異なるタイミングにする。具体的には、解除レバーピン47、押圧部材押し上げ部46の位置を移動して駆動、押圧の解除タイミングと、更に各プロセスカートリッジ間でのそれぞれの駆動、押圧の解除タイミングを少しずつ違えることにより、ドア31にかかる負荷を分散する。これにより、ピークでかかる力を減らし、ユーザーがドア31を操作する際の操作力を軽減することが可能となる。
【0086】
このように、トレイ保持部材34R、34Lの移動によって、駆動手段(カップリング39、40)の退避、トレイの上下動を行うことで、機構の集約ができ、本体サイズをコンパクトにすることができる。
【0087】
(第二のトレイ位置規制手段)
第二のトレイ位置規制手段について、図11、13、17〜21を用いて説明する。
【0088】
図17は、トレイ35を装置本体内の装着位置まで完全に収納した状態を示す図である。図18は、ドア31を開けてトレイ保持部材34R、34L及びトレイ35が押し上げられた状態で、トレイ35が装置本体に完全に収納されていない状態を示す図である。図19はトレイ35を装着位置まで完全に収納させることを誘導する第二の移動規制手段の動作説明図である。
【0089】
トレイ35が十分には押し込まれていない図18の状態においては、ドア31の閉じ回動に連動して連結アーム37L、37Rが回動する際、図20(a)に示したように連結アーム37L、37Rの突起部122L、122Rがトレイ35下面に突き当たる。そのため、ドア31を閉めてトレイ保持部材34L、34Rを装置本体後方下側へ押し下げることができない。
【0090】
これに対し、トレイ35を十分に押し込んだ図17の状態においては、ドア31の閉じ回動に連動して連結アーム37L、37Rが回動する時、図20(b)に示したように連結アーム37L、37Rの突起部122L、122Rはトレイ35に干渉しない。そのため、ドア31を閉めてトレイ保持部材34R、34L及びトレイ35を押し下げることができる。
【0091】
トレイ35は図19に示した様に、後方から押圧部材104、105を介してばね103によって付勢されている為、ユーザがトレイ35を十分に押し込まなかった場合には、ばね103のストローク量に応じて図19(b)の様に一定量以上飛び出した状態となる。このときトレイ35の位置は、図18及び図20(a)の状態となる。
【0092】
従って、ユーザーがトレイ35を装着位置まで完全に収納せずに、誤ってドア31を閉じようとした場合には、確実に連結アーム37L、37Rの突起部122L、122Rがトレイ35に干渉して、間違いの修正を促すことが可能である。これに対し、トレイ35を十分に押し込んだ図17及び図20(b)の状態では、飛び出し防止爪101が本体側係合手段102に係合するため、図19(a)のように装置本体に対して位置を決めることが可能である。
【0093】
従ってユーザが飛び出し防止爪101を本体側係合手段102に係合するまでトレイ35を収納した場合には、ドア31を閉めた際に、トレイ35のU溝110をピン111に嵌合させ、また、突起部67を確実に位置決め穴69に嵌合させることが可能である。
【0094】
トレイ35の飛び出し防止爪101及び本体側係合手段102の個数及び形状は図19に示した通りでなくてもよい。また、トレイ35の押圧手段103〜105の個数及び形状も図19に示した通りでなくてもよい。
【0095】
本実施形態においては、フロントアクセスでカートリッジを容易に交換することが可能になる。カートリッジを引き出しトレイに載せ交換する方式をもち、本体装着時に本体部品で、カートリッジの位置決めをし、引き出しはカートリッジをラフに保持し、引き出し位置と、本体内の装着位置へ移動するのみにした。これにより、ユーザーは、トレイ引き出し位置で、位置決めを気にすることなく、カートリッジを重力方向真下に向けて引き出しにセットする。その後、トレイを装着位置に押し込み、本体前面のドアを閉めることで、確実にカートリッジを位置決め位置に保持することができる。これにより、ユーザー操作が簡単で、カートリッジの位置精度を確保することが可能な画像形成装置を提供することが可能になる。
【0096】
また、ドアが半開きの状態等の、トレイが完全に持ち上がっていない状態で、トレイを操作してしまうと、カートリッジのドラムがベルトにこすれて画像上に問題を生じてしまうことがある。しかし、トレイに連動し、前面のドアの動きを規制する部材や、ドアの開閉でトレイの動きを規制する部材を設けることで、完全にドアを開かないとトレイが動作しない様にすることができる。
【0097】
また、トレイを完全に収納しないと、トレイが一定量以上飛び出してくる構成によって、トレイを完全に収納しないとドアが閉まらないことをユーザーに明らかに認識させることができ、ユーザーの誤操作による破損を防止することが可能になる。
【0098】
ここで、前述した突起67と穴69(図11、図13参照)は、図19に示したトレイ35の位置規制手段を用いない際の代わりとして用いることができる。図17、図18、図21を用いてこれを詳しく説明する。
【0099】
トレイ35が十分には押し込まれていない図18の状態においては、トレイ35に設けられた突起部67が、不動部材である中間転写ベルト保持部材68に開けられた穴69の位置と合っていない。この状態で、ドア31を閉めようとすると、連結アーム37R、37Rを介してトレイ保持部材34R、34Lが押し下げられ、トレイ35も押し下げられた際に、突起部67が中間転写ベルト保持部材68に突き当たる。このため、ドア31を閉めることができない。
【0100】
これに対し、トレイ35を十分に押し込んだ図17の状態では、トレイ35が押し下げられた際に、図21の(b)と(c)のように、突起部67が穴69に入るため、ドア31を閉めてトレイ保持部材34R、34Lおよびトレイ35を押し下げることができる。
【0101】
これにより、装置本体の水平方向においてトレイ35が装置本体内の装着位置に位置する場合にのみトレイ35が押し下げられ、各カートリッジは確実に位置決め部41に位置決めされる。
【0102】
図17、図18では、トレイ35の突起部67および中間転写ベルト保持部材68の穴69を同形状で2箇所設けている。しかし、突起部67、穴68の個数及び形状は図17、図18、図21に示した通りでなくてもよい。複数の突起部及び穴を設けた際に、各々の形状が一致していなくてもよい。また、突起部67と穴69のはめあい関係も図17、図18、図21に示した通りでなくてもよい。また、穴69は中間転写ベルト保持部材上になくてもよい。
【0103】
図11に示したような、右フレーム80Rに設けられたピン111とトレイ35に設けられたU溝110においても、同様の効果が得られる。この場合にも、嵌合箇所の個数、及び形状は図11に示した通りでなくてもよい。
【0104】
(給電構成)
図22から図24は、装置本体から各カートリッジに給電を行う方法を説明する図である。
【0105】
図22、図23は、ドア31を開け、トレイ31を引き出した状態を表した図である。トレイ35には、中間電気接点ばね72a〜72dが装置本体水平方向に沿って、また垂直方向に同じ位置に複数個並んで設けられ、その一端がカートリッジの電気接点55(図8参照)に電気的に接続される。即ち、移動部材であるトレイ35には中間電気接点72a〜72dが設けられている。この中間電気接点72a〜72dと、カートリッジが有するカートリッジ電気接点55とが電気的に接続する。
【0106】
装置本体のメインフレームには、左フレーム80Lの外側に設けられた本体側給電部74と電気的に接続された本体電気接点ばね75a〜75dが装置本体水平方向に沿って、また垂直方向に同じ位置に複数個並んで設けられている。本体電気接点ばね75a〜75dは、左フレーム80L及び左トレイ保持部材34Lに開けられた穴を通ってトレイ35側に飛び出している。
【0107】
図24(a)、(b)は、トレイ35に設けられた中間電気接点ばね72と本体電気接点ばね75の電気的接続と切断の様子を示したものである。即ち、それぞれ、トレイ35、中間電気接点ばね72、左トレイ保持部材34L、左フレーム80L、本体電気接点ばね75、本体電気接点ばねホルダ76、本体側給電部74を、装置本体正面から見た断面図の一部である。
【0108】
図24(a)は、ドア31が閉められた状態で、左トレイ保持部材34Lおよびトレイ35が下降した画像形成位置にいる状態を示している。このとき、本体電気接点ばね75と中間電気接点ばね72は電気的に接続されている。
【0109】
図24(b)は、ドア31が開けられた状態で、左トレイ保持部材34Lおよびトレイ35が画像形成位置から上昇した位置にいる状態を示している。このとき、本体電気接点ばね75と中間電気接点ばね72は電気的に切断された状態になる。また、このとき、トレイ35は、本体電気接点ばね75の左トレイ保持部材34Lからトレイ35側に飛び出した部分と接触しないように装置本体前後方向にわたる溝77を有している。これにより、本体電気接点ばね75と接触することなく、トレイ35を引き出すことが可能である。
【0110】
即ち装置本体は、トレイ35の中間電気接点72a〜72dの移動経路とは離れて配置されている本体電気接点75a〜75dを有している。
【0111】
中間電気接点と本体電気接点は、トレイ保持部材34L、34Rによりトレイ35を画像形成位置から上方向に移動(上昇)させることによって接続が離れ、画像形成位置へ向かって下方向に移動(下降)させることによって電気的に接続する様に構成されている。
【0112】
上述した図22〜図24では、各カートリッジの1箇所の被給電部に対して1つの本体電気接点ばねと1つの中間電気接点ばねを用いて給電を行う方法を示している。しかし、各カートリッジに複数の被給電部がある場合も同様に構成可能である。また、複数の被給電部の装置本体鉛直方向の高さが異なる場合にも、本体電気接点ばねを高さ違いで複数配置し、トレイの本体電気接点ばねの高さに応じた位置に複数の溝を開けることで、同様に構成可能である。
【0113】
更に、複数のカートリッジに同一のバイアスをかける場合には、1つの本体電気接点ばねと電気的に接続、切断可能な、1つの中間電気接点となる導体をトレイ内に設ける。そして、トレイ内に複数の中間接点ばねを、その一端が導体と電気的に接続し、他端が複数のカートリッジの被給電部と電気的に接続、切断可能に設ける。このように構成することで、中間接点ばねと本体電気接点ばねの接続箇所を減らすことが可能である。また本体電気接点ばねおよび中間接点ばねの形状、及び各電気的接続部における接触圧の方向は図22〜図24に示した通りでなくてもよい。
【0114】
尚、トレイ35内に電気的接続を分配する導体を有し、中間電気接点とカートリッジ電気接点の電気的接続箇所が、中間電気接点と本体電気接点の電気接続箇所よりも多く構成されている構成とする。これにより、各色で同一の電位を用いる場合において、部品数を減らすことができ、コストダウンすることができる。
【0115】
以上説明したように、カートリッジを移動部材(トレイ)に載せ、フロントアクセスにより、プロセスカートリッジを交換し、且つ移動部材に中間電気接点を設ける。そして、移動部材の上下移動に伴い本体と電気接続を離接することで、コストアップと本体サイズアップをすることなく、容易な引出し方式によるプロセスカートリッジ交換構成を設けた画像形成装置を提供することができる。
【0116】
また、開口を開閉する部材に連動して移動部材が上下することで、ユーザーが容易に想定できる操作でカートリッジの交換ができる。
【0117】
また、電気接点を水平方向に沿って、また垂直方向に同じ位置に複数個並んで配置することで、垂直方向のスペースを抑えることができ、本体サイズをコンパクトにできる。
【0118】
(ステー部材、位置決め部材)
図25、図26、図27は、画像形成装置本体の骨格を成す、本体フレーム構成を示した斜視図である。装置本体の第1と第2のメインフレームである左フレーム80L(図17参照)と右フレーム80Rは、連結部材であるステー部材130F、130R、131、132によって締結されるよう構成される。つまり連結部材130F、130R、131、132は2つの側板80L、80Rを連結する。
【0119】
ステー部材131、132上には、プロセスカートリッジ及びベルトユニットを保持する位置決め部材81L、81Rが配置される。つまり位置決め部材81L、81Rは連結部材131、132に保持されている。
【0120】
位置決め部材81L、81Rは、プロセスカートリッジPY、PM、PC、PK及びベルトユニット12を位置決めする。位置決め部材81L、81Rには各々、4つの位置決め部41Y、41M、41C、41Kが設けられており、プロセスカートリッジPY、PM、PC、PKの軸受け部51、52と嵌合することで、位置決めされる。つまり移動部材35を移動しプロセスカートリッジが装置本体内に収納された時、言い換えるとプロセスカートリッジが画像形成位置に来た時、プロセスカートリッジは位置決め部材81L、81Rに位置決めされる。
【0121】
位置決め部41Y、41M、41C、41Kは、上向きの浅いV字形状であり、前述のように、押圧部材42が下方に押圧することによって、プロセスカートリッジPY、PM、PC、PKは位置決めされる。つまり位置決め部材81L、81Rは移動部材35の移動方向に沿って設けられ、プロセスカートリッジは移動部材35の移動方向と直交する方向から押圧され位置決めされる。位置決め部は浅いのでプロセスカートリッジPY、PM、PC、PKをわずかに持ち上げることで、位置決め部材81L、81Rに干渉することなく、カートリッジを水平方向に引き出すことが可能となる。
【0122】
一方、ベルトユニット12は、2つの位置決め部材81L、81Rの間に配置され、位置決めボス143、144を位置決め部材81L、81Rの位置決め部83D、83Tと嵌合することで、位置決めされる。
【0123】
位置決め部材81L、81Rは、設計上同形状であり、共通の金型で加工が可能である。よって、位置決め部材81L、81Rの相対的な寸法差は小さく、プロセスカートリッジPY、PM、PC、PK、ベルトユニット12の高精度な位置決めに有利な構成となる。位置決め部材81L、81Rは、L字形に曲げ加工されており、ステー部材131、132にビス締結される。つまり位置決め部材81L、81Rは2つの部材から構成され、2つの位置決め部材81L、81Rは形状が同じである。
【0124】
ステー部材130F、130Rはスキャナユニット11を位置決めする。スキャナユニット11の脚11a、11b、11cが各々、ステー部材130F、130Rに接地し、スキャナユニット11の高さ方向の位置が決まる。また、スキャナユニット11の位置決めボス11d、11eが、ステー部材130Fの位置決め穴82c、82dと嵌合することによって、スキャナユニット11の水平位置が決まる。上述のように、カートリッジの交換に際し、プロセスカートリッジをわずかに持ち上げることで、引出し可能である。よって、スキャナユニット下方に、カートリッジ交換のための大きな空間を設ける必要はない。
【0125】
図30は、画像形成装置本体の骨格を成す、本体フレームの組み立てを示した略図である。
【0126】
位置決め部材及びステー部材は、プロセスカートリッジ位置決め部41Y、41K、スキャナユニット位置決め部82を組立工具400に突き当てた状態で、ビス締結することで、本体フレームの位置精度を保障することができる。
【0127】
位置決め部材81L、81Rは、ステー部材131とステー部材132に保持される。ステー部材131の突き当て部147、148、149は、上方向に半抜き加工が施されており、他の部分は、位置決め部材81L、81Rとの間に隙間が設けられている。ステー部材131は、突き当て部147、148、149の3点を組立工具400及び位置決め部材81L、81Rに押圧した状態で、ビス締結される。また、ステー部材132は位置決め部材81L、81Rに押圧した状態で、ビス締結される。
【0128】
本体骨格構成に一般的に用いられる冷間圧延鋼板等の板金部品は、その大きさによって、平面の反りや捩れ等の部品精度が低下する。また、高剛性を有する板金部品は、その部品精度の矯正が困難である。位置決め部材81L、81Rは、ステー部材131のみに締結することも可能だが、ステー部材131の部品精度の影響により、位置決め部材81L、81Rの所望の位置精度が得られないことがある。
【0129】
本実施形態においては、位置決め部材81L、81Rは、2つのステー部材131、132とで保持され、且つその接触面積を減らすことで、ステー部材131、132の部品精度の影響を排除できる。よって、本体フレームを高精度に組み立てることができる。
【0130】
ステー部材131、132は、その両端を左フレーム80Lと右フレーム80Rとに締結された、両持ち梁の構造であり、プロセスカートリッジの自重や押圧力等の静荷重、物流等による衝撃荷重に対し、強度を確保できる。
【0131】
図28〜図29に示す様に、位置決め部材81L、81Rは、トレイ35の移動範囲の下方に配設される。位置決め部材81L、81Rを側板に直接締結した場合、側板内側に配設されたトレイ35及びトレイ保持部材34L、34Rの移動の妨げとなり、装置本体サイズが大きくなることが懸念されるが、本実施形態においては側板間のスペースを有効に活用できる。ステー部材130Fは、トレイ35の移動範囲上方に配設されており、本体前方に大きな開口を設けることができる。よって、本体をサイズアップすることなく、トレイ35の移動を可能としている。
【0132】
以上説明したように、本実施形態の画像形成装置は、トレイの移動動作によって、プロセスカートリッジの交換を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0133】
【図1】本発明の実施形態である画像形成装置の外観斜視図。
【図2】画像形成装置の断面図。
【図3】ドアを開いた状態の画像形成装置を示す図。
【図4】図3の画像形成装置の断面図。
【図5】トレイを引き出した状態の画像形成装置を示す図。
【図6】図5の画像形成装置の断面図。
【図7】カートリッジを駆動側から見た斜視図。
【図8】カートリッジを非駆動側から見た斜視図。
【図9】トレイの斜視図。
【図10】ドアとトレイ保持部材の連動機構部分の斜視図。
【図11】ドアの開き回動に連動するトレイ保持部材の移動を説明する図。
【図12】ガイド穴部分の拡大図。
【図13】ピンとU溝部分の拡大図。
【図14】トレイ保持部材に連動して解除するカートリッジ周囲のインターフェイス部を説明する図。
【図15】トレイ保持部材に連動して解除するカートリッジ周囲のインターフェイス部を説明する図。
【図16】トレイ保持部材に連動して解除するカートリッジ周囲のインターフェイス部を説明する図。
【図17】トレイ位置規制手段を説明する図。
【図18】トレイ位置規制手段を説明する図。
【図19】トレイ位置規制手段を説明する図。
【図20】トレイ位置規制手段を説明する図。
【図21】トレイ位置規制手段を説明する図。
【図22】カートリッジに給電を行う手段を説明する図。
【図23】カートリッジに給電を行う手段を説明する図。
【図24】カートリッジに給電を行う手段を説明する図。
【図25】ステー部材及び位置決め部材の構成を説明する図。
【図26】ステー部材の構成を説明する図。
【図27】ステー部材の構成を説明する図。
【図28】ステー部材及び位置決め部材の構成を説明する図。
【図29】ステー部材及び位置決め部材の構成を説明する図。
【図30】本体組立工具を説明する略図。
【符号の説明】
【0134】
30 開口
31 ドア(開閉部材)
34L、34R トレイ保持部材(移動手段)
35 トレイ(移動部材)
80L、80R 左右のメインフレーム(側板)
81L、81R 左右の位置決め部材(内側板)
41 カートリッジ位置決め部
100 画像形成装置本体
131 ステ−部材(連結部材)
PY、PM、PC、PK プロセスカートリッジ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向し本体の骨格を成す2つの側板と、像担持体を備えたプロセスカートリッジと、前記プロセスカートリッジを支持し移動する移動部材と、を有し、前記移動部材は前記2つの側板の間で移動可能で装置本体の外側に引き出された時、前記プロセスカートリッジの着脱が可能である画像形成装置において、
前記2つの側板を連結する連結部材と、前記連結部材に保持された位置決め部材と、を有し、前記移動部材を移動し前記プロセスカートリッジが装置本体内に収納された時、前記プロセスカートリッジは前記位置決め部材に位置決めされることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記位置決め部材は前記移動部材の移動方向に沿って設けられ、前記プロセスカートリッジは前記移動部材の移動方向と直交する方向から押圧され位置決めされることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記位置決め部材は2つの部材から構成され、前記2つの位置決め部材は形状が同じであることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項1】
互いに対向し本体の骨格を成す2つの側板と、像担持体を備えたプロセスカートリッジと、前記プロセスカートリッジを支持し移動する移動部材と、を有し、前記移動部材は前記2つの側板の間で移動可能で装置本体の外側に引き出された時、前記プロセスカートリッジの着脱が可能である画像形成装置において、
前記2つの側板を連結する連結部材と、前記連結部材に保持された位置決め部材と、を有し、前記移動部材を移動し前記プロセスカートリッジが装置本体内に収納された時、前記プロセスカートリッジは前記位置決め部材に位置決めされることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記位置決め部材は前記移動部材の移動方向に沿って設けられ、前記プロセスカートリッジは前記移動部材の移動方向と直交する方向から押圧され位置決めされることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記位置決め部材は2つの部材から構成され、前記2つの位置決め部材は形状が同じであることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【公開番号】特開2009−128506(P2009−128506A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−301816(P2007−301816)
【出願日】平成19年11月21日(2007.11.21)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年11月21日(2007.11.21)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]