説明

画像形成装置

【課題】特定の画像を適切なタイミングで画像形成すること。
【解決手段】複数の画像を用紙に画像形成する画像形成部43と、複数の画像の種類を識別する識別情報及び前記複数の画像を用紙に画像形成するタイミングを判別する判別情報を含んだジョブ情報を外部機器から受信するLANIF14と、LANIF14により受信された識別情報に基づいて前記複数の画像の種類を識別し、受信された判別情報に基づいて複数の画像を用紙に画像形成するタイミングを判別し、当該識別された画像の種類と判別されたタイミングとに基づいて、複数の画像を画像形成部43に画像形成させる制御部110と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する
【背景技術】
【0002】
近年、POD(Print On Demand)市場では、原稿の画像データはデジタル化され、工程(例えば、校正工程、画像形成工程等)別に専任オペレータ(ユーザ)が作業を行う形態が一般的である。例えば、ユーザは、用紙に画像形成するためのジョブの設定情報等が記載された作業手順書を基に、画像データを用紙に画像形成する処理を行う。
このようなPODの作業形態において、原稿画像(以下、画像形成用の画像)の画像データはデジタルデータ化され、ジョブ情報として各工程間で受け渡しされている。しかし、作業手順書は、工程間で紙媒体の受け渡しとなっている。このため、作業手順書の画像データをデジタルデータ化し、作業手順書の画像データと画像形成用の画像の画像データとを含んだジョブ情報を各工程間で受け渡しする形態の実現が望まれている。
【0003】
上述のジョブ情報を工程間で受け渡しする場合、作業手順書の画像と画像形成用の画像とは使用する用途が異なる。このため、用紙に画像形成するタイミングも異なる。例えば、ユーザは、作業手順書の画像を用紙に画像形成させ、作業手順書の内容を確認した後に、画像形成用の画像を用紙に画像形成する処理を実行させる。
【0004】
また、複数の原稿の中から特定の原稿の画像のみを飛ばし、当該飛ばされた原稿以外の原稿の画像を用紙に画像形成させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−147943号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献の場合、飛ばされた特定の原稿の画像(特定の画像)は常に用紙上に画像形成されないこととなる。
例えば、ジョブ情報に作業手順書の画像データと画像形成用の画像データとが含まれている場合において、ユーザにより特定の画像を作業手順書の画像に指定する指示が行われたとする。この場合、作業手順書の画像は飛ばされ、画像形成用の画像のみが用紙に画像形成される。そうすると、ユーザは、作業手順書の内容を確認する際、作業手順書の画像を用紙に画像形成させたくても、画像形成させることができないという不都合を生じる。このため、特定の画像を適切なタイミングで画像形成する技術を実現する要請があった。
【0006】
本発明の課題は、特定の画像を適切なタイミングで画像形成することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明の画像形成装置は、
複数の画像を用紙に画像形成する画像形成部と、
前記複数の画像の種類を識別する識別情報及び前記複数の画像を用紙に画像形成するタイミングを判別する判別情報を含んだジョブ情報を外部機器から受信する受信部と、
前記受信部により受信された識別情報に基づいて前記複数の画像の種類を識別し、前記受信された判別情報に基づいて前記複数の画像を用紙に画像形成するタイミングを判別し、当該識別された画像の種類と判別されたタイミングとに基づいて、前記複数の画像を前記画像形成部に画像形成させる制御部と、
を備える。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
前記制御部は、
前記識別情報に基づいて前記複数の画像から特定の画像とその他の画像とを識別し、前記判別情報に基づいて前記特定の画像を用紙に画像形成するタイミングと判別された場合に、前記特定の画像を前記画像形成部に画像形成させて前記その他の画像を前記画像形成部に画像形成させず、前記判別情報に基づいて前記他の画像を用紙に画像形成するタイミングと判別された場合に、前記その他の画像を前記画像形成部に画像形成させて前記特定の画像を前記画像形成部に画像形成させない。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、
前記識別情報は、
前記複数の画像の属性を示す属性情報であり、
前記制御部は、
前記属性情報に基づいて、前記特定の画像と前記その他の画像とを識別する。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、
前記識別情報は、
前記複数の画像のページ数を示すページ情報であり、
前記制御部は、
前記ページ情報に基づいて、前記特定の画像と前記その他の画像とを識別する。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、識別情報に基づいて識別された画像の種類と判別情報に基づいて判別されたタイミングとに基づいて、画像を画像形成部に画像形成させる。これにより、識別情報に基づいて、複数の画像の中から特定の画像を識別し、判別情報に基づいて、特定の画像を用紙に画像形成するタイミングを判別することができるので、特定の画像を適切なタイミングで用紙に画像形成することができる。したがって、ユーザは、画像の種類と用紙に画像形成するタイミングとをジョブ情報に設定しておけば、ユーザの所望する特定の画像をユーザの所望する適切なタイミングで用紙に画像形成させることができる。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、特定の画像を用紙に画像形成するタイミングの時に、特定の画像のみを画像形成させ、その他の画像を用紙に画像形成するタイミングの時に、その他の画像をのみを画像形成させる。これにより、ユーザは、特定の画像のみを画像形成させたい時に特定の画像のみを画像形成させることができ、その他の画像のみを画像形成させたい時にその他の画像のみを画像形成させることができる。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、属性情報に基づいて、特定の画像とその他の画像とを識別する。これにより、ユーザが属性情報に特定情報とその他の情報とを設定しておけば、属性情報に基づいて、特定の画像とその他の画像とを識別することができる。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、ページ情報に基づいて、特定の画像とその他の画像とを識別する。これにより、ユーザがページ情報に特定の画像とその他の画像とを設定しておけば、ページ情報に基づいて、特定の画像とその他の画像とを識別することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施の形態を説明する。先ず、図1を参照して画像形成装置1の概略断面構成図を説明する。
【0016】
図1に示すように、画像形成装置1は、原稿から画像を読み取り、読み取った画像を用紙Pに画像形成したり、外部装置等から画像データを含むページデータや各画像データの画像形成条件等の設定情報を含むジョブのジョブ情報を受信し、受信したジョブ情報に基づいて画像を用紙P上に形成したりする本体部1aと、画像が形成された用紙に後処理を施す後処理部50等を備えたデジタル複合機である。本体部1aは、画像読取部20と、操作表示部30と、プリント部40と等を備えて構成される。
【0017】
画像読取部20は、ADF(Auto Document Feeder)と称される自動原稿送り部21と読取部22とを備え、操作表示部30により受け付けられた設定情報に基づいて複数の原稿の画像を読み取る機能を実現する。自動原稿送り部21の原稿トレイT1に載置された原稿dは、読取個所であるコンタクトガラスに搬送され、光学系により原稿dの片面又は両面の画像が読み取られ、CCD(Charge Coupled Device)22aにより原稿dの画像
が読み取られる。ここで、画像とは、図形や写真等のイメージデータに限らず、文字や記号等のテキストデータ等も含む意である。
【0018】
画像読取部20により読み取られた画像の画像データ(アナログ画像信号)は、後述する画像制御基板の読取処理部140に出力され、読取処理部140においてA/D変換され各種画像処理が施された後、プリント部40に出力される。
【0019】
操作表示部30は、LCD(Liquid Crystal Display)31、LCD31を覆うように設けられたタッチパネル32、その他図示しない操作キー群から構成され、ユーザからの指示を受け付けその操作信号を制御部110に出力し、また、制御部110から入力される表示信号に従って、各種操作指示や設定情報を入力するための各種設定画面や各種処理結果等を表示する。
【0020】
LCD31は、各種操作指示を示すボタンを複数有する操作画面を表示する表示部として機能し、当該各画面により受け付けられた指示を示す操作信号を後述する制御部110に出力する。
【0021】
また、タッチパネル32は、操作画面上の押下信号に基づいて操作画面上のボタンの選択指示を受け付ける。
【0022】
プリント部40は、入力されたプリントデータに基づいて、電子写真方式の画像形成処
理を行うものであり、積載部41、用紙搬送部42、画像形成部43、搬出部44を備えて構成される。
【0023】
積載部41は、複数の給紙トレイ41a、給紙手段41b、手差しトレイT2等を備える。給紙トレイ41aは、給紙トレイ41a毎に用紙の種類毎に予め識別された用紙Pが収納されており、給紙手段41bによって用紙Pを最上部から一枚ずつ用紙搬送部42に向けて搬送する。手差しトレイT2は、ユーザのニーズに合わせて様々な種類の用紙Pを積載可能となっており、給紙ローラによって積載された用紙Pを最上部から一枚ずつ用紙搬送部42に向けて搬送する。
【0024】
用紙搬送部42は、給紙トレイ41a又は手差しトレイT2から搬送された用紙Pを、複数の中間ローラ、レジストローラ42a等を経て転写装置43aへと搬送する。また、用紙搬送部42は、搬送路切換板により、片面画像形成処理済みの用紙Pを両面搬送路に搬送し、再び中間ローラ、レジストローラ42aを経て転写装置43aへと搬送する。
【0025】
画像形成部43は、感光体ドラム、帯電装置、画像データに基づくレーザ光を出力するレーザ出力部とレーザ光を主走査方向に走査させるポリゴンミラーとを有する露光装置、現像装置、転写装置43a、クリーニング部、定着装置43bを備え、ジョブ情報に基づいて、用紙に画像を形成する機能を有する。具体的には、帯電装置により帯電された感光体ドラムに露光装置でレーザ光を照射して静電潜像を形成する。そして、現像装置は、静電潜像が形成された感光体ドラムの表面に帯電したトナーを付着させて静電潜像を現像する。現像装置により感光体ドラム上に形成されたトナー像は、転写装置43aにおいて用紙Pに転写される。また、用紙Pにトナー像が転写された後、感光体ドラムの表面の残留トナー等は、クリーニング部により除去される。
【0026】
定着装置43bは、用紙搬送部42によって搬送された用紙Pに転写されたトナー像を熱定着する。定着処理された用紙Pは、搬出部44の排紙ローラに挟持されて搬出口から後処理部50へ搬送される。
【0027】
後処理部50は、画像形成された用紙Pのソート処理を行うソートユニット、折処理を行う折ユニット、パンチ処理を行うパンチユニット、設定された綴じ位置に用紙Pの束を綴じるステイプル処理を行うステイプルユニット等の各種後処理ユニット、本体部1aにより画像形成された用紙Pや各種後処理が施された用紙Pが排紙され積載される排紙トレイT3等を備える。
【0028】
図2に、画像形成装置1の制御ブロック図を示す。
図2に示すように、画像形成装置1は、本体部1aとプリンタコントローラ1bと、本体部1aに接続された後処理部50から構成されている。画像形成装置1は、プリンタコントローラ1bの受信部としてのLANIF(Local Area Network InterFace)14を介してネットワーク3上の外部装置としてのPC2と相互に情報の送受信が可能に接続されている。
【0029】
本体部1aは、画像読取部20、操作表示部30、プリント部40、画像制御基板100を備えて構成される。なお、図1で説明した各部と同一の構成には、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0030】
画像制御基板100は、制御部110、不揮発メモリ120、RAM(Random Access Memory)130、読取処理部140、圧縮IC150、DRAM(Dynamic Random Access Memory)制御IC160、画像メモリ170、伸長IC180、書込処理部190、から構成される。
【0031】
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)等から構成され、不揮発メモリ
120に格納されているシステムプログラム及び各種アプリケーションプログラムの中から指定されたプログラムを読み出してRAM130に展開し、RAM130に展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行し、画像形成装置1の各部を集中制御する。
【0032】
制御部110は、複数の画像の種類を識別する識別情報及び複数の画像を用紙Pに画像形成するタイミングを判別する判別情報を含んだジョブ情報をPC2からLANIF14を介して受信した場合、識別情報に基づいて、複数の画像の種類を識別し、判別情報に基づいて、各画像を用紙Pに画像形成するタイミングを判別し、当該識別された画像の種類と判別されたタイミングとに基づいて、複数の画像を画像形成部43に画像形成させる。
識別情報とは、画像の種類を識別する情報であり、後述する属性情報に該当する。判別情報とは、画像を用紙Pに画像形成するタイミングを判別する情報であり、後述するプリントモード情報に該当する。
【0033】
制御部110は、具体的には、属性情報に基づいて、特定の画像とその他の画像とを識別し、プリントモード情報に基づいて特定の画像を用紙Pに画像形成するタイミングと判別された場合に、特定の画像を画像形成部43に画像形成させてその他の画像を画像形成部43に画像形成させない。また、プリントモード情報に基づいてその他の画像を用紙Pに画像形成するタイミングと判別された場合に、その他の画像を画像形成部43に画像形成させて特定の画像を画像形成部43に画像形成させない。
特定の画像とは、作業手順書の画像又は画像形成用の画像のことをいう。作業手順書の画像とは、ジョブの設定情報等が記載された作業手順書の画像のことをいう。画像形成用の画像とは、例えば、PODの画像形成工程において、画像形成を行う画像のことをいう。
例えば、特定の画像が作業手順書の場合、その他の画像は画像形成用の画像となる。この場合、制御部110は、作業手順書の画像を画像形成部43に画像形成させて画像形成用の画像を画像形成部43に画像形成させない処理を実行する。具体的には、後述する手順書のみプリント処理を実行する。
また、特定の画像が画像形成用の画像の場合、その他の画像は作業手順書の画像となる。この場合、制御部110は、画像形成用の画像を画像形成部43に画像形成させて作業手順書の画像を画像形成部に画像形成させない処理を実行する。具体的には、後述する本番プリント処理を実行する。
【0034】
不揮発メモリ120は、本実施の形態に係る画像形成プログラムを記憶する。
【0035】
RAM130は、制御部110により実行される各種プログラム及びこれらプログラムに係る各種データ等を一時的に記憶するワークエリアを形成する。また、RAM130は、後述するジョブ情報を記憶する。
【0036】
読取処理部140は、画像読取部20の画像読取制御部200から入力されるアナログ画像信号に、アナログ処理、A/D変換処理、シェーディング処理等の各種処理を施した後、デジタル画像データを生成する。生成された画像データは、圧縮IC150に出力される。
【0037】
圧縮IC150は、入力されたデジタル画像データに圧縮処理を施してDRAM制御IC160に出力する。
【0038】
DRAM制御IC160は、制御部110からの指示に従って、圧縮IC150による画像データの圧縮処理及び伸長IC180による圧縮画像データの伸長処理を制御するとともに、画像メモリ170への画像データの入出力制御を行う。
例えば、画像読取部20により読み取られた画像信号の保存が指示されると、読取処理部140から入力された画像データの圧縮処理を圧縮IC150により実行させて、圧縮画像データを画像メモリ170の圧縮メモリ171に格納させる。また、圧縮メモリ171に格納された圧縮画像データのプリント出力が指示されると、圧縮メモリ171から圧縮画像データを読み出し、伸長IC180により伸長処理を施してページメモリ172に格納させる。さらに、ページメモリ172に格納された画像データのプリント出力が指示されると、ページメモリ172から画像データを読み出して書込処理部190に出力する。
【0039】
画像メモリ170は、DRAM(Dynamic RAM)から構成される圧縮メモリ171とペ
ージメモリ172とを備える。圧縮メモリ171は、圧縮画像データを格納するためのメモリであり、ページメモリ172は、プリント出力用の画像データ(プリントデータ)を一時的に格納するためのメモリである。
【0040】
伸長IC180は、圧縮画像データに伸長処理を施す。
【0041】
書込処理部190は、DRAM制御IC160から入力された画像データに基づいて、画像形成のためのプリントデータを生成し、プリント部40に出力する。
【0042】
画像読取部20は、CCD22a、画像読取制御部200、その他ここでは図示しないが図1に示した自動原稿送り部21、読取部22等から構成される。画像読取制御部20
0は、自動原稿送り部21、読取部22等を制御して、原稿面の露光走査を実行させ、光の反射光をCCD22aにより光電変換を行わせて画像を読み取る。読み取られたアナログ画像信号は読取処理部140に出力される。
【0043】
操作表示部30は、LCD31、タッチパネル32、操作表示制御部300、その他テンキー等の操作キー群から構成される。操作表示制御部300は、制御部110から入力される表示信号に従って、各種設定条件を入力するための各種画面や各種処理結果等をLCD31に表示させる。また、操作表示制御部300は、各種スイッチやボタン、テンキー、操作キー群又はタッチパネル32等から入力される操作信号を制御部110に出力する。
【0044】
プリント部40は、図1に示した画像形成部43等のプリント出力に係る各部やプリント制御部400を備えて構成される。プリント制御部400は、制御部110からの指示に従って画像形成部43等のプリント部40の各部の動作を制御し、書込処理部190から入力されたプリントデータに基づいて用紙Pに画像形成を行わせると共に、制御部110からの指示に従って後処理部50の各部を動作させる指示信号を後処理制御部500に出力する。
【0045】
後処理部50は、各種後処理ユニット、各種後処理ユニットへ用紙Pを搬送する搬送ローラ等の搬送手段、各種後処理ユニットから搬送された用紙Pが排紙される排紙トレイT3等が設けられており、各種後処理ユニットは後処理制御部500により統括的に制御されている。後処理制御部500は、制御部110からプリント制御部400を介して入力される後処理の指示信号に応じて、用紙Pを搬送経路に沿って所定の後処理ユニットに搬送し、各部を駆動制御して用紙Pに所定の後処理を行わせ、排紙トレイT3に排紙させる制御を行う。
【0046】
次に、プリンタコントローラ1bの各部について説明する。プリンタコントローラ1bは、画像形成装置1をネットワークプリンタとして使用する場合に、ネットワーク3に接続されるPC2から画像形成装置1に入力される画像データやジョブの管理及び制御を行うものであり、PC2からデータを受信し、当該データを操作マニュアルに関連付けられる画像データやジョブとして本体部1aへ送信する。
【0047】
プリンタコントローラ1bは、コントローラ制御部11、DRAM制御IC12、画像メモリ13、LANIF14から構成される。
【0048】
コントローラ制御部11は、プリンタコントローラ1b各部の動作を統括的に制御し、LANIF14を介して、PC2から入力されるデータをジョブとして本体部1aへ送信する。
【0049】
DRAM制御IC12は、LANIF14により受信されたデータの画像メモリ13への格納や、画像メモリ13からのデータの読み出しを制御する。また、DRAM制御IC12は、画像制御基板100のDRAM制御IC160とPCI(Peripheral Components Interconnect)バスで接続されており、コントローラ制御部11からの指示に従って、プリント対象のデータを画像メモリ13から読み出してDRAM制御IC160に出力する。
【0050】
画像メモリ13は、DRAMから構成され、入力された出力データを一時的に格納する。
【0051】
LANIF14は、NIC(Network Interface Card)やモデム等のLAN等のネット
ワーク3に接続するための通信インターフェイスであり、PC2からデータを受信する。受信されたデータは、DRAM制御IC12に出力される。
【0052】
次いで、図3を参照してジョブ情報の一例を説明する。
ジョブ情報は、ジョブ毎にRAM130のワークエリアに格納される。RAMアドレスは、RAM130のワークエリアのアドレスを示す。例えば、RAMアドレス「xxxx」にジョブ情報「ジョブ1」が格納される。具体的には、ジョブ情報は、設定情報と画像情報と、から構成される。設定情報とは、用紙Pに画像形成を行うための各種設定情報であり、予めユーザにより設定された情報である。画像情報とは、用紙Pに画像形成する画像に関する情報である。
【0053】
設定情報は、プリント情報と、プリントモード情報と、排出先情報と、給紙トレイ情報と、から構成される。プリント情報は、用紙Pの両面又は片面に画像形成するか否かを判別する情報である。プリントモード情報とは、画像を用紙Pに画像形成するタイミングを判別するための情報である。プリントモード情報は、本番プリントモード情報と、確認プリントモード情報と、手順書プリントモード情報と、から構成される。
本番プリントモード情報とは、画像形成用の画像を画像形成するタイミングを示す情報である。以下、画像形成用の画像を用紙Pに画像形成することを本番プリントという。
確認プリントモード情報とは、確認用の画像を画像形成するタイミングを示した情報である。確認用の画像とは、本番プリントを実行する前に、画像形成用の画像を確認するために実行される処理(確認プリント処理)に用いられる画像のことをいう。
手順書プリントモード情報とは、作業手順書の画像を用紙Pに画像形成するタイミングを示した情報である。
排紙先情報とは、排紙トレイが設定された情報である。給紙トレイ情報とは、給紙トレイが設定された情報である。
【0054】
次いで、図4を参照して画像情報の一例を説明する。
画像情報は、ページ情報と、ページヘッダ情報と、画像データと、から構成される。ページヘッダ情報及び画像データは、ページ毎に構成される。ページ情報は、画像のページ数を示す情報である。ページヘッダ情報は、画像のサイズ情報、属性情報等により構成される。画像のサイズ情報は、画像のサイズを示す情報である。属性情報は、画像の属性を示す情報である。例えば、画像が作業手順書の画像である場合、属性情報は、「手順書」となる。また、画像が画像形成用の画像である場合、属性情報は「画像形成用」となる。画像データは、原稿読み取り部20により読み取られた画像のデータである。
【0055】
次いで、画像形成装置1の動作を説明する。図5に画像形成装置1で実行される画像形成処理の流れを示す。
【0056】
画像形成装置1において、例えば、ユーザにより操作表示部30を介して画像形成処理の実行指示が押下されたこと等をトリガとして、不揮発メモリ120から読み出されて適宜RAM130に展開された画像形成プログラムと、CPUとの協働により画像形成処理が実行される。
【0057】
予め、設定情報及び画像情報を含んだジョブ情報がPC2からLANIF14を介して受信されているものとする。
【0058】
先ず、受信されたジョブ情報の設定情報に含まれるプリントモード情報が参照され、プリントモード情報の判別が行われる(ステップS11)。プリントモード情報が確認プリント情報であると判別された場合、確認プリント処理が実行される(ステップS12)。確認プリント処理とは、本番プリントの前に実行される試験用のプリント処理のことをいう。確認プリント処理では、確認用の画像の画像データが用紙Pに画像形成される。
【0059】
ステップS12の実行後、設定確認画面G1が表示される(ステップS13)。例えば、図6に示す設定確認画面G1がLCD31に表示される。設定確認画面G1は、手順書出力ボタンB1を有する。手順書出力ボタンB1は、作業手順書の画像を用紙Pに画像形成するか否かを設定するためのボタンである。手順書設定ボタンB1が押下されると、後述する手順書のみプリント処理が実行される。
【0060】
ステップS13の実行後、手順書の画像を画像形成するか否かが判別される(ステップS14)。具体的には、ステップS13でLCD31に表示された設定確認画面G1において、手順書設定ボタンB1が押下されたか否かに基づいて、本ステップの判別が行われる。
【0061】
ステップS13において、手順書の画像を画像形成すると判別された場合(ステップS14;YES)、手順書のみプリント処理が実行される(ステップS15)。手順書のみプリント処理とは、作業手順書の画像のみを用紙Pに画像形成する処理のことをいう。そして、ステップS15の実行後、ステップS13に移行される。
【0062】
ステップS14において、手順書の画像を画像形成しないと判別された場合(ステップS14;NO)、ステップS11に移行される。
【0063】
ステップS11において、プリントモード情報が本番プリントであると判別された場合(ステップS11;本番プリント情報)、本番プリント処理が実行される(ステップS16)。本番プリント処理とは、画像形成用の画像を用紙Pに画像形成する処理である。ステップS16の実行後、画像形成処理は終了する。
【0064】
次いで、図7を参照して、画像形成処理のステップS16で実行される本番プリント処理について説明する。
【0065】
先ず、手順書の画像のページが画像形成スキップページ(P=xx)にセットされる(ステップS21)。画像形成スキップページとは、用紙Pに画像形成を行わないページのことをいう。本ステップは、例えば、ジョブ情報の画像情報の属性情報が参照され、属性情報が「手順書」であるか否かが識別される。そして、属性情報が「手順書」と識別されたページが画像形成スキップページ(P=xx)に設定される。
【0066】
ステップS21の実行後、先頭ページが画像形成ページ(P=1)にセットされる(ステップS22)。先頭ページとは、ページ情報が1ページ目のページのことをいう。画像形成ページとは、用紙Pに画像形成を行うページのことをいう。そして、ページ情報は画像形成スキップページに該当するか否かが判別される(ステップS23)。具体的には、S21において設定された画像スキップページのページ情報と、ステップS22において設定された画像形成ページのページ情報とが一致するかが判別される。例えば、ステップS21において、1ページ目の属性情報が「手順書」である場合、1ページ目が画像形成スキップページに設定される。この場合、ステップS21において設定された画像スキップページとステップS22において設定された画像形成ページとは一致することとなる。
【0067】
ステップS23において、ページPが画像形成スキップページでないと判別された場合(ステップS23;NO)、ページPに画像形成が実行される(ステップS24)。ステップS23において、ページPが画像形成スキップページであると判別された場合(ステップS23;YES)、ステップS25に移行される。
【0068】
ステップS24の実行後、画像形成ページが次のページ(P=P+1)にセットされる(ステップS25)。そして、受信されたジョブ情報が参照され、ページが最終ページであるか否かが判別される(ステップS26)。ページが最終ページでないと判別された場合(ステップS26;NO)、ステップS22に移行される。ページが最終ページであると判別された場合(ステップS26;YES)、ジョブ情報に含まれる用紙Pの部数がカウントアップされる(ステップS27)。ステップS27の実行後、ジョブ情報が参照され、部数は最終部数か否かが判別される(ステップS28)。具体的には、ステップS27でカウントアップされた部数の値と、ジョブ情報に含まれている設定部数の値とが参照され本ステップの判別が実行される。ステップS28において、部数は最終部数でないと判別された場合(ステップS28;NO)、ステップS22に移行される。部数は最終部数であると判別された場合(ステップS28;YES)、本番プリント処理は終了される。
【0069】
次いで、図8を参照して、画像形成処理のステップS12において実行される確認プリント処理について説明する。
【0070】
先ず、画像情報が参照され、確認用の画像のページに画像形成スキップページなしがセットされる(ステップS31)。例えば、確認用の画像のページを識別するための情報が画像情報のページヘッダ情報に含まれており、ページヘッダ情報を参照することにより本ステップが実行される。
ステップS32〜ステップS36は、本番プリント処理のステップS22〜S26と同様である。ステップS36の実行後、確認プリント処理は終了され、画像形成処理のステップS13に移行される。
【0071】
次いで、図9を参照して、画像形成処理のステップS15で実行される手順書のみ画像形成処理を説明する。
【0072】
先ず、ジョブ情報が参照され、画像形成用の画像のページが画像形成スキップページにセットされる(ステップS41)。例えば、1ページ目の属性情報が「手順書」である場合、2ページ目以降のページが画像形成用の画像のページとなる。したがって、2ページ目以降が画像形成スキップページに設定される。
【0073】
ステップS42〜S46は、本番プリント処理のステップS22〜S26と同様である。ステップS46の実行後、手順書のみプリント処理は終了され、画像形成処理のステップS13に移行される。
【0074】
以上、本実施の形態によれば、属性情報に基づいて識別された画像の種類とプリントモード情報に基づいて判別されたタイミングとに基づいて、画像を画像形成部43に画像形成させる。これにより、属性情報に基づいて、複数の画像の中から特定の画像(作業手順書の画像又は画像形成用の画像)を識別し、プリントモード情報に基づいて、特定の画像(作業手順書の画像又は画像形成用の画像)を用紙Pに画像形成するタイミングを判別できるので、特定の画像を適切なタイミングで用紙Pに画像形成することができる。したがって、ユーザは、画像の種類と用紙Pに画像形成するタイミングとをジョブ情報に設定しておけば、ユーザの所望する特定の画像をユーザの所望する適切なタイミングで用紙Pに画像形成させることができる。
【0075】
また、作業手順書の画像を用紙Pに画像形成するタイミングの時に、作業手順書の画像のみを画像形成させ、画像形成用の画像を用紙Pに画像形成するタイミングの時に、画像形成用の画像のみを画像形成させる。これにより、ユーザは、作業手順書のみを画像形成させたい時に作業手順書の画像のみを画像形成させることができ、画像形成用の画像のみを画像形成させたい時に画像形成用の画像のみを画像形成させることができる。
【0076】
また、確認用の画像を用紙Pに画像形成するタイミングの時に、確認用の画像を画像形成させる。これにより、ユーザは、確認用の画像を画像形成させたい時に確認用の画像を画像形成させることができる。
【0077】
また、ユーザが属性情報に「手順書」と「画像形成用」とを設定しておけば、属性情報に基づいて、作業手順書の画像と画像形成用の画像とを識別することができる。
【0078】
なお、上記実施の形態における記述は、本発明に係る画像形成装置1の一例であり、これに限定されるものではない。
【0079】
例えば、上記実施の形態では、ジョブ情報に含まれる属性情報を参照し、属性情報が「手順書」のページを作業手順書の画像として説明したがこれに限定されるものではない。例えば、ユーザがページ情報の1ページ目を作業手順書の画像として設定し、設定されたページ情報の1ページ目を作業手順書の画像として画像形成処理を実行することとしてもよい。これにより、ページ情報に基づいて、作業手順書の画像と画像形成用の画像とを識別することができる。
【0080】
また、上記実施の形態では、プリントモード情報が確認プリント情報であり、設定確認画面G1において作業手順書の画像を画像形成する指示が入力された時に手順書のみプリント処理を実行することとしたがこれに限定されるものではない。例えば、プリントモード情報が手順書プリントモード情報の場合に、手順書のみプリント処理を実行することとしてもよい。
【0081】
以下の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体として不揮発メモリ120を使用した例を開示したが、この例に限定されない。
その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、CD−ROM等の過般型記録媒体を適用することが可能である。
また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も本発明に適用される。
【0082】
その他、上記実施の形態における画像形成装置1の細部構成及び詳細動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明に係る画像形成装置の概略断面構成図である。
【図2】画像形成装置の制御ブロック図である。
【図3】ジョブ情報の一例を示す図である。
【図4】画像情報の一例を示す図である。
【図5】画像形成処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】設定確認画面を示す図である。
【図7】本番プリント処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】確認プリント処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】手順書のみプリント処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0084】
1 画像形成装置
1a 本体部
1b プリンタコントローラ
2 PC
3 ネットワーク
11 コントローラ制御部
13 画像メモリ
20 画像読取部
21 自動原稿送り部
22 読取部
22a CCD
30 操作表示部
31 LCD
32 タッチパネル
40 プリント部
41 積載部
41a 給紙トレイ
41b 給紙手段
42 用紙搬送部
42a レジストローラ
43 画像形成部
43a 転写装置
43b 定着装置
44 搬出部
50 後処理部
100 画像制御基板
110 制御部
120 不揮発メモリ
130 RAM
140 読取処理部
150 圧縮IC
160 DRAM制御IC
170 画像メモリ
171 圧縮メモリ
172 ページメモリ
180 伸長IC
190 書込処理部
200 画像読取制御部
300 操作表示制御部
400 プリント制御部
500 後処理制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像を用紙に画像形成する画像形成部と、
前記複数の画像の種類を識別する識別情報及び前記複数の画像を用紙に画像形成するタイミングを判別する判別情報を含んだジョブ情報を外部機器から受信する受信部と、
前記受信部により受信された識別情報に基づいて前記複数の画像の種類を識別し、前記受信された判別情報に基づいて前記複数の画像を用紙に画像形成するタイミングを判別し、当該識別された画像の種類と判別されたタイミングとに基づいて、前記複数の画像を前記画像形成部に画像形成させる制御部と、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記識別情報に基づいて前記複数の画像から特定の画像とその他の画像とを識別し、前記判別情報に基づいて前記特定の画像を用紙に画像形成するタイミングと判別された場合に、前記特定の画像を前記画像形成部に画像形成させて前記その他の画像を前記画像形成部に画像形成させず、前記判別情報に基づいて前記他の画像を用紙に画像形成するタイミングと判別された場合に、前記その他の画像を前記画像形成部に画像形成させて前記特定の画像を前記画像形成部に画像形成させない請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記識別情報は、
前記複数の画像の属性を示す属性情報であり、
前記制御部は、
前記属性情報に基づいて、前記特定の画像と前記その他の画像とを識別する請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記識別情報は、
前記複数の画像のページ数を示すページ情報であり、
前記制御部は、
前記ページ情報に基づいて、前記特定の画像と前記その他の画像とを識別する請求項2に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−290646(P2009−290646A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−142156(P2008−142156)
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】