画像形成装置
【課題】画像形成装置の設置に必要な空間を低減すること。
【解決手段】外面(U2a)に開口(U2a1)が形成された画像形成装置本体(U2)と、開口(U2a1)を開閉する開閉部材(Ub)であって、開口(U2)を閉塞する通常位置と、開口(U2)を開放して、画像形成装置本体(U2)内部を露出させる開放位置と、の間を、外面(U2a)に沿って移動可能に支持された開閉部材(Ub)と、を備えたことを特徴とする画像形成装置(U)。
【解決手段】外面(U2a)に開口(U2a1)が形成された画像形成装置本体(U2)と、開口(U2a1)を開閉する開閉部材(Ub)であって、開口(U2)を閉塞する通常位置と、開口(U2)を開放して、画像形成装置本体(U2)内部を露出させる開放位置と、の間を、外面(U2a)に沿って移動可能に支持された開閉部材(Ub)と、を備えたことを特徴とする画像形成装置(U)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの画像形成装置では、搬送路に詰まった媒体を除去したり、ユニットなどの部品を交換したりする際に、内部が開放される。画像形成装置の内部を開放する技術として、以下の特許文献1に記載の技術が知られている。
特許文献1としての特開2004−29271号公報には、画像形成装置の装置本体(1)が記載されており、前記装置本体(1)は、前記装置本体(1)の左側に上下方向に沿って形成された搬送路(R1)と、開閉可能に設けられた前記搬送路(R1)の用紙除去用の開閉カバー(13)と、前記開閉カバー(13)の外側に装着された反転ユニット(15)と、前記反転ユニット(15)の下方に設けられた手差しユニット(17)とを、有している。
特許文献1には、前記装置本体(1)において、前記手差しユニット(17)に設けられた支軸(14)に、開閉カバー(13)と、用紙反転ユニット(15)とを、それぞれの下端に設けられた各支持ブラケット(20,21)で、開閉可能に支持する技術が記載されている。
特許文献1に記載の技術では、搬送路(R1)に用紙詰まりが発生した場合、用紙反転ユニット(15)と、開閉カバー(13)とを、順に、支軸(14)を中心に回転させ、装置本体(1)から離間するように斜めに傾斜させて、搬送路(R1)を開放している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−29271号公報(「0017」〜「0020」、「0027」〜「0028」、図3、図4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、画像形成装置の設置に必要な空間を低減することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記技術的課題を解決するために、請求項1に記載の発明の画像形成装置は、
外面に開口が形成された画像形成装置本体と、
前記開口を開閉する開閉部材であって、前記開口を閉塞する通常位置と、前記開口を開放して、前記画像形成装置本体内部を露出させる開放位置と、の間を、前記外面に沿って移動可能に支持された前記開閉部材と、
を備えたことを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
対向して配置された第一の搬送案内部材及び第二の搬送案内部材の間の空間により構成され、媒体が搬送される搬送路と、
前記画像形成装置本体に支持された前記第一の搬送案内部材と、
前記開閉部材に支持され、且つ前記開閉部材の開閉に伴って、前記第一の搬送案内部材から離間して、前記搬送路を開放する前記第二の搬送案内部材と、
を備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、
対向して配置された第一の搬送部材及び第二の搬送部材により構成される搬送部材対であって、前記第一の搬送部材及び前記第二の搬送部材が互いに接触し、前記媒体を搬送する前記搬送部材対と、
前記画像形成装置本体に支持された前記第一の搬送部材と、
前記開閉部材に支持され、且つ前記開閉部材の開閉に伴って、前記第一の搬送部材から離間する前記第二の搬送部材と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べて、画像形成装置の設置に必要な空間を低減することができる。
請求項2に記載の発明によれば、媒体が搬送される搬送路を開放して外部に露出させることができる。
請求項3に記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べて、開閉動作時の搬送部材対の磨耗を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は本発明の実施例1の画像形成装置の斜視図である。
【図2】図2は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
【図3】図3は実施例1の画像形成装置の要部拡大説明図である。
【図4】図4は実施例1の画像形成装置のサイドカバーが開放位置に移動した状態の説明図である。
【図5】図5は実施例1のサイドカバーの説明図であって、図5Aはサイドカバーが支持される前の画像形成装置の斜視図、図5Bは下側のカバーガイドの説明図、図5Cはサイドカバーの取っ手の説明図である。
【図6】図6は本発明の実施例2の画像形成装置の斜視図であって、図6Aはサイドカバーが開口を閉塞する通常位置にある場合の説明図、図6Bはサイドカバーが開口を開放する開放位置にある場合の説明図、図6Cはサイドカバーが開口を開放して画像形成装置本体に近接した回避位置にある場合の説明図である。
【図7】図7は実施例2のカバーガイドとガイド支持部材の説明図で、図7Aはカバーガイドの説明図、図7Bはカバーガイドがガイド支持部材に短縮位置で支持された状態の説明図、図7Cはカバーガイドがガイド支持部材に延長位置で支持された状態の説明図、図7Dは図7BにおけるVIID−VIID線断面図である。
【図8】図8は本発明の実施例3の画像形成装置の斜視図であり、図8Aはサイドカバーが通常位置にある場合の説明図、図8Bはサイドカバーが開放位置にある場合の説明図、図8Cはカバーガイドの説明図である。
【図9】図9は本発明の実施例4の画像形成装置の斜視図であり、図9Aはサイドカバーが通常位置にある場合の説明図、図9Bはサイドカバーが開放位置にある場合の説明図、図9Cはサイドカバーが開放保持位置にある場合の説明図である。
【図10】図10は実施例4のサイドカバーとカバーガイドの説明図であって、図10Aはサイドカバーの斜視図、図10Bはサイドカバーの要部拡大図であって支持アームの説明図、図10Cはカバーガイドの説明図である。
【図11】図11は本発明の実施例5の画像形成装置の斜視図であり、図11Aはサイドカバーが通常位置にある場合の説明図、図11Bは上側のサイドカバーが開放位置にある場合の説明図、図11Cは下側のサイドカバーが開放位置にある場合の説明図である。
【図12】図12は実施例5のサイドカバーとカバーガイドの説明図であり、図12Aはサイドカバーの斜視図、図12Bはカバーガイドの説明図、図12Cは取っ手部材の説明図である。
【図13】図13は本発明の実施例6の画像形成装置の斜視図であって、サイドカバー本体部が開放位置と回避位置との間を移動する際の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(以下、実施例と記載する)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例1】
【0011】
図1は本発明の実施例1の画像形成装置の斜視図である。
図1において、本発明の実施例1の画像形成装置Uの一例としての複写機は、上端部に配置された自動原稿搬送装置U1と、前記自動原稿搬送装置U1を支持する画像形成装置本体U2と、を有する。前記画像形成装置本体U2の上部には、媒体排出部の一例としての排紙トレイTRhが設けられている。また、前記画像形成装置本体U2の下部には、媒体収容容器の一例として、媒体の一例としてのシートSを収容する複数の給紙トレイTR1〜TR4が着脱可能に装着されている。さらに、前記画像形成装置本体U2の上部前面には、部材の交換などの保守作業の際に開放される前面開閉部材の一例としてのフロントカバーUaが支持されている。また、前記画像形成装置本体U2の左側の外面U2aには、開口U2a1が形成されており、前記開口U2a1を開閉する開閉部材の一例としてのサイドカバーUbが支持されている。
【0012】
図2は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
図2において、前記自動原稿搬送装置U1は、複写しようとする複数の原稿Giが重ねて収容される原稿給紙部TG1と、原稿給紙部TG1から給紙されて画像形成装置本体U2上端の透明な原稿読取り面PG上の原稿読取位置を通過して搬送される原稿Giが排出される原稿排紙部TG2とを有している。
前記画像形成装置本体U2は、利用者が画像形成動作開始等の作動指令信号を入力操作する操作部UIと、露光光学系A等を有している。
【0013】
前記自動原稿搬送装置U1で原稿読取り面PG上を搬送される原稿Giまたは手動で原稿読取り面PG上に置かれた原稿Giからの反射光は、前記露光光学系Aを介して、固体撮像素子CCDで赤:R、緑:G、青:Bの電気信号に変換される。
画像情報変換部IPSは、固体撮像素子CCDから入力される前記RGBの電気信号を黒:K、イエロー:Y、マゼンタ:M、シアン:Cの画像情報に変換して一時的に記憶し、前記画像情報を所定の時期に潜像形成用の画像情報として潜像形成装置駆動回路DLに出力する。
なお、原稿画像が単色画像、いわゆる、モノクロの場合は、黒のみの画像情報が潜像形成装置駆動回路DLに入力される。
前記潜像形成装置駆動回路DLは、図示しない各色Y,M,C,Kの各駆動回路を有し、入力された画像情報に応じた信号を所定の時期に、各色毎に配置された潜像形成装置LHy,LHm,LHc,LHkに出力する。
【0014】
図3は実施例1の画像形成装置の要部拡大説明図である。
前記画像形成装置Uの重力方向中央部に配置された可視像形成装置Uy,Um,Uc,Ukはそれぞれ、Y,M,C、およびKの各色の可視像を形成する装置である。
潜像形成装置LHy〜LHkの各潜像書込光源から出射したY,M,C,Kの潜像書込光は、それぞれ、回転する像保持体PRy,PRm,PRc,PRkに入射する。なお、実施例1では、前記潜像形成装置LHy〜LHkは、いわゆる、LEDアレイにより構成されている。
前記Y色の可視像形成装置Uyは、回転する像保持体PRy、帯電器CRy,潜像形成装置LHy、現像装置Gy、転写器T1y、像保持体清掃器CLyを有している。なお、実施例1では、前記像保持体PRy、帯電器CRy、像保持体清掃器CLyが、画像形成装置本体U2に対して一体的に着脱可能な像保持体ユニットとして構成されている。
前記可視像形成装置Um,Uc,Ukはいずれも前記Y色の可視像形成装置Uyと同様に構成されている。
【0015】
図2、図3において、前記各像保持体PRy,PRm,PRc,PRkはそれぞれの帯電器CRy,CRm,CRc,CRkにより帯電された後、画像書込位置Q1y,Q1m,Q1c,Q1kにおいて、前記潜像形成装置LHy〜LHkにより、その表面に静電潜像が形成される。前記像保持体PRy,PRm,PRc,PRk表面の静電潜像は、現像領域Q2y,Q2m,Q2c,Q2kにおいて、現像装置Gy,Gm,Gc,Gkの現像剤保持体の一例としての現像ロールR0y,R0m,R0c,R0kに保持された現像剤により可視像の一例としてのトナー像に現像される。
その現像されたトナー像は、中間転写体の一例としての中間転写ベルトBに接触する1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kに搬送される。前記1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kにおいて中間転写ベルトBの裏面側に配置された1次転写器T1y,T1m,T1c,T1kには、制御部Cにより制御される電源回路Eから所定の時期にトナーの帯電極性と逆極性の1次転写電圧が印加される。
【0016】
前記各像保持体PRy〜PRk上のトナー像は前記1次転写器T1y,T1m,T1c,T1kにより中間転写ベルトBに1次転写される。1次転写後の像保持体PRy,PRm,PRc,PRk表面の残留物、付着物は、像保持体清掃器CLy,CLm,CLc,CLkにより清掃される。清掃された前記像保持体PRy,PRm,PRc,PRk表面は、帯電器CRy,CRm,CRc,CRkにより再帯電される。
【0017】
前記像保持体PRy〜PRkの上方には、上下移動可能且つ前方に引き出し可能な中間転写装置の一例としてのベルトモジュールBMが配置されている。前記ベルトモジュールBMは、前記中間転写ベルトBと、中間転写体駆動部材の一例としてのベルト駆動ロールRd、中間転写体張架部材の一例としてのテンションロールRt、蛇行防止部材の一例としてのウォーキングロールRw、従動部材の一例としてのアイドラロールRfおよび2次転写領域対向部材の一例としてのバックアップロールT2aと、前記1次転写器T1y,T1m,T1c,T1kとを有している。そして、前記中間転写ベルトBは、前記各ロールRd,Rt,Rw,Rf,T2aにより構成される中間転写体支持部材の一例としてのベルト支持ロールRd+Rt+Rw+Rf+T2aにより回転移動可能に支持されている。
【0018】
前記バックアップロールT2aに接する中間転写ベルトBの表面に対向して2次転写部材の一例としての2次転写ロールT2bが配置されており、前記各ロールT2a,T2bにより2次転写器T2が構成されている。また、2次転写ロールT2bおよび中間転写ベルトBの対向する領域には2次転写領域Q4が形成される。
前記1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kで1次転写器T1y,T1m,T1c,T1kにより中間転写ベルトB上に順次重ねて転写された単色または多色のトナー像は、前記2次転写領域Q4に搬送される。
【0019】
図2において、前記可視像形成装置Uy〜Ukの下方には、案内部材の一例としての左右一対のガイドレールGRが4段設けられており、前記ガイドレールGRには、給紙トレイTR1〜TR4が前後方向に出入可能に支持されている。前記給紙トレイTR1〜TR4に収容されたシートSは、媒体取出し部材の一例としてのピックアップロールRpにより取り出され、媒体捌き部材の一例としてのさばきロールRsにより1枚ずつ分離される。そして、シートSは、搬送路の一例であるシート搬送路SHに沿って搬送部材対の一例としての複数の搬送ロールRaにより搬送され、2次転写領域Q4のシート搬送方向上流側に配置された搬送部材対の一例且つ媒体搬送時期調節部材の一例としてのレジロールRrに送られる。
【0020】
前記レジロールRrは、前記中間転写ベルトBに形成されたトナー像が2次転写領域Q4に搬送されるのに時期を合わせて、前記シートSを2次転写領域Q4に搬送する。シートSが前記2次転写領域Q4を通過する際、前記バックアップロールT2aは接地され、2次転写ロールT2bには前記制御部Cにより制御される電源回路Eからトナーの帯電極性と逆極性の2次転写電圧が印加される。このとき、前記中間転写ベルトB上のトナー像は、前記2次転写器T2によりシートSに転写される。
2次転写後の前記中間転写ベルトBは、中間転写体清掃器の一例としてのベルトクリーナCLbにより清掃される。
実施例1の画像形成装置Uでは、前記1次転写器T1y〜T1k、中間転写ベルトB、2次転写器T2等により、像保持体PRy〜PRk表面のトナー像をシートSに転写する転写装置T1+B+T2が構成されている。
【0021】
前記トナー像が2次転写されたシートSは、定着装置Fの加熱用定着部材の一例としての加熱ロールFhおよび加圧用定着部材の一例としての加圧ロールFpの圧接領域である定着領域Q5に搬送され、前記定着領域を通過する際に加熱定着される。加熱定着されたシートSは、媒体排出部材の一例としての排出ローラRhから媒体排出部の一例としての排紙トレイTRhに排出される。
なお、前記加熱ロールFh表面には、シートSの前記加熱ロールFhからの離型性を良くするための離型剤が離型剤塗布装置Faにより塗布されている。
【0022】
前記ベルトモジュールBMの上方にはイエローY、マゼンタM、シアンC、黒Kの各現像剤を収容する現像剤収容容器の一例であって、内部の現像剤を画像形成装置Uに搬送して補給する現像剤収容容器の一例としてのトナーカートリッジKy,Km,Kc,Kkが配置されている。各トナーカートリッジKy,Km,Kc,Kkに収容された現像剤は、前記現像装置Gy,Gm,Gc,Gkの現像剤の消費に応じて、図示しない現像剤補給路から前記各現像装置Gy,Gm,Gc,Gkに補給される。なお、実施例1では、前記現像剤として、磁性のキャリアと、外添剤が付与されたトナーと、を含む二成分現像剤により構成されている。
【0023】
図4は実施例1の画像形成装置のサイドカバーが開放位置に移動した状態の説明図である。
図5は実施例1のサイドカバーの説明図であって、図5Aはサイドカバーが支持される前の画像形成装置の斜視図、図5Bは下側のカバーガイドの説明図、図5Cはサイドカバーの取っ手部材の説明図である。
図5A、図5Bにおいて、前記画像形成装置本体U2には、前記開口U2a1の上端と下端に対応する位置に、開閉部材案内部の一例としてのカバーガイド1,2が上下に一対形成されている。
なお、上側のカバーガイド2は、下側のカバーガイド1と上下対称に配置されている点以外は同様に構成されるので、その説明図は省略している。
【0024】
前記カバーガイド1,2には、前後方向に並行して延びる一対の第一案内溝3及び第二案内溝4が形成されている。
前記各案内溝3,4は、前記カバーガイド1,2の前端側から後方に延びる開閉溝部3a,4aと、前記開閉溝部3a,4aの後端部から画像形成装置本体U2の内側に向って斜め後方に延びる接離溝部3b,4bと、を有している。
前記第一案内溝3の前方には、開閉補助部材の一例としてのコロ6が回転可能に支持されている。
前記第一案内溝3,4、コロ6により、実施例1のカバーガイド1,2が構成されている。
【0025】
図5Aにおいて、前記サイドカバーUbの上端部及び下端部には、第一案内溝3に対応して形成された第一被案内突出部11と、前記第二案内溝4に対応して形成された第二被案内突出部12が設けられている。
また、前記サイドカバーUbの上端部及び下端部には、前記第二被案内突出部12の後方に、開閉補助部材の一例としてのコロ13が回転可能に支持されている。
前記サイドカバーUbは、前記各被案内突出部11,12が各案内溝3,4に嵌められた状態で、前記カバーガイド1,2の各案内溝3,4に沿って移動可能に支持されている。すなわち、前記サイドカバーUbは、前記画像形成装置本体U2の外面U2aに沿って移動可能に支持されている。
【0026】
図5A,図5Cにおいて、前記サイドカバーUbの左面前方には、図5Aに示す画像形成装置本体U2の左端前方に設けられた孔状の係合部U2bと対応する位置に、取っ手支持部16が形成されている。前記取っ手支持部16には、取っ手支持軸16aが支持されている。前記取っ手支持軸16aには、図5Cに示すようにコの字型に形成された操作部の一例としての取っ手部材17が回転可能に支持されている。
前記取っ手部材17には、前記取っ手支持軸16aに回転可能に支持される本体部17aと、前記本体部17aの前端部から左方に延びる連結支持部17bと、前記連結支持部17bの左端部から後方に延びる把持部17cと、が形成されている。
【0027】
また、前記取っ手部材17には、前記本体部17aから前記画像形成装置本体U2側に突出する開放防止部の一例としてのラッチ部17dが形成されている。前記ラッチ部17dには、左右に延びる平面状に構成され且つ前記係合部U2bに引っ掛かりサイドカバーU2の移動が規制される移動規制面17eが前側に形成されている。また、前記ラッチ部17dには、前記移動規制面17eの右端から前記本体部17aの後端に向けて斜めに延びる接触部17fが形成されている。
前記取っ手部材17は、前記連結支持部17bの左端側で、付勢部材の一例としてのコイルバネ18により付勢されており、前記コイルバネ18は取っ手支持部16に支持されている。すなわち、前記取っ手部材17は、前記コイルバネ18により、図5Cに示す規制位置に保持される。
【0028】
図2において、前記シート搬送路SHは、対向して配置された一対の第一の搬送案内部材の一例としての本体側搬送ガイドSHaと、第二の搬送案内部材の一例としてのカバー
側搬送ガイドSHbと、の間の空間により構成されており、前記本体側搬送ガイドSHaは画像形成装置本体U2に支持され、前記カバー側搬送ガイドSHbはサイドカバーUbに支持されている。
また、前記搬送ロールRaは、対向して配置された一対の第一の搬送部材の一例としての駆動ロールRa1と、第二の搬送部材の一例としての従動ロールRa2と、により構成されており、前記駆動ロールRa1は画像形成装置本体U2に支持され、前記従動ロールRa2はサイドカバーUbに支持されている。
【0029】
さらに、前記レジロールRrは、対向して配置された一対の第一の搬送部材の一例としての駆動レジロールRr1と、第二の搬送部材の一例としての従動レジロールRr2と、により構成されており、前記駆動レジロールRr1は画像形成装置本体U2に支持され、前記従動レジロールRr2はサイドカバーUbに支持されている。
なお、実施例1では、前記バックアップロールT2aは画像形成装置本体U2に支持されており、2次転写ロールT2bはサイドカバーUbに支持されている。
【0030】
画像形成装置本体Ubに装着された前記サイドカバーUbが、図1に示す通常位置にある場合、前記取っ手部材17は、前記コイルバネ18により画像形成装置本体U2の係合部U2bに、留め金された状態、すなわち、ラッチされた状態に保持される。これにより、前記サイドカバーUbの移動が規制される。
このとき、本体側搬送ガイドSHaとカバー側搬送ガイドSHbとは予め設定された幅の空間を空けて対向した状態で配置され、搬送ガイドSHa,SHbの間の空間により、前記シート搬送路SHが構成される。また、このとき、前記駆動ロールRa1と前記従動ロールRa2とが互いに接触し、シート搬送路SHのシートSを搬送可能となる。同様に、このとき、前記駆動レジロールRr1と前記従動レジロールRr2は互いに接触し、シート搬送路SHのシートSを搬送可能となる。
【0031】
次に、前記サイドカバーUbが図1に示す通常位置にある状態において、図5Cに示す規制位置に保持されていた取っ手部材17の把持部17cが把持されると、前記コイルバネ18の付勢力に抗して、前記取っ手部材17は前記支持軸16aを中心に回転し、前記ラッチ部17dは係合部U2bから離れ、ラッチされた状態が解除される。これにより、前記サイドカバーUbは図4で示す開放位置に移動可能となる。
前記サイドカバーUbが開放位置に移動を開始すると、案内溝3,4に嵌められている前記被案内突出部11,12は、前記接離溝部3b,4bに案内され、画像形成装置本体U2に対して斜め外側に離間して移動した後、前記開閉溝部3a,4aに沿って前方に移動する。
【0032】
前記サイドカバーUbが図4に示す開放位置にある場合、画像形成装置本体U2の前記開口U2a1は開放され、前記画像形成装置本体U2の内部が、前記開口U2a1から外部に露出する。
このとき、サイドカバーUbに支持された各部材SHb,Ra2,Rr2は、サイドカバーUbと共に移動しており、前記シート搬送路SH、搬送ロールRa、レジロールRrは開放され、画像形成装置本体U2に支持された各部材SHa,Ra1,Rr1が前記開口U2a1から外部に露出する。
【0033】
次に、サイドカバーUbが開放位置から通常位置に移動する際に、前記ラッチ部17dの接触部17fは前記係合部U2bに接触する。すなわち、前記ラッチ部17dは、係合部U2bに押され、前記取っ手部材17が支持軸16aを中心に回転して、ラッチ部17dが左方に移動する。そして、サイドカバーUbが通常位置に移動すると、前記ラッチ部17dは、前記コイルバネ18により、規制位置に移動し、前記係合部U2bにラッチされる。
【0034】
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1の画像形成装置Uでは、画像形成動作が実行される通常時は、前記サイドカバーUbが通常位置に保持されており、ピックアップロールRp、さばきロールRsにより、給紙トレイTR1〜TR4から給紙されたシートSは、搬送ロールRa、レジロールRrなどによりシート搬送路SHを搬送される。そして、画像が記録されたシートSは排紙トレイTRhに排出される。
【0035】
ここで、シート搬送路SHにシートSが詰まった場合や、画像形成装置本体U2の保守点検や部品の交換をする場合、サイドカバーUbを通常位置から開放位置に移動させて、画像形成装置本体U2の内部を開放する。
すなわち、実施例1では、前記サイドカバーUbの取っ手部材17を操作して、ラッチされた状態を解除し、サイドカバーUbを案内溝3,4に沿わせて通常位置から開放位置まで移動させて、開口U2a1を開放すると共に、サイドカバーUbに支持されたカバー側搬送ガイドSHb、従動ロールRa2、従動レジロールRr2などを移動させて、画像形成装置本体U2に支持された本体側搬送ガイドSHa、駆動ロールRa1、駆動従動ロールRr1などを、開口U2a1から外部に露出させる。
【0036】
画像形成装置本体U2の内部が開放される場合に、従来のように、軸を中心に回転するカバー、いわゆる、ヒンジタイプのカバーが回転して画像形成装置本体U2の内部が開放される場合、開放前の画像形成装置U自体の大きさに加えて、開放される際にヒンジを中心としてカバーの回転移動する空間が、画像形成装置Uに実質的に占有される。すなわち、画像形成装置Uを設置する際に、普段は使用しないが、部材の交換作業や詰まったシートSの除去作業をする際に必要な空間を予めあけて設置する必要がある。
また、仮にヒンジタイプではなく、カバーが、画像形成装置本体U2に対して引き出されたり収納されたりする給紙トレイTR1〜TR4のように移動して、画像形成装置本体U2の内部が開放される構成の場合、開放前の画像形成装置U自体の大きさに加えて、開放時にカバーが引き出される空間が画像形成装置Uに実質的に占有され、カバーを引き出す空間を確保しつつ、画像形成装置Uを設置する必要がある。
【0037】
これらに対し、実施例1のサイドカバーUbは、直立した状態が保持されたまま、案内溝3,4に案内されながら、画像形成装置本体U2の外面U2aに沿って前方に移動、すなわち、スライドし、画像形成装置Uを利用する利用者が作業を行う空間がある画像形成装置前方に移動しており、従来の構成に比べて、設置に必要な空間が低減されている。
【0038】
また、ヒンジタイプのカバーでは、ヒンジ部分、すなわち回転中心に近づくほどカバーと画像形成装置本体U2との間隔は狭くなり、ヒンジ付近の搬送路に詰まったシートSの除去や、ヒンジ付近の部材の交換などの作業性は悪化する。
これに対して、実施例1では、サイドカバーUbが開放位置に移動すると、開口U2a1が全体的に開放され、画像形成装置本体U2の内部が開口U2a1から露出されて、ヒンジタイプのカバーによる構成に比べて、作業性の悪化が低減されている。特に、シートSの除去については、シートSがその間を通過するシート搬送路SHや、搬送ロールRa、レジロールRrなどのうち、本体側に支持された本体側搬送ガイドSHa、駆動ロールRa1、駆動レジロールRr1などが、ヒンジ部分に遮られることなく全体的に外部に露出しており、ヒンジ部分に遮られる場合に比べて、作業性が向上している。
【0039】
なお、実施例1のサイドカバーUbが図1に示す通常位置に保持されている場合、互いに対向して配置された駆動ロールRa1と従動ロールRa2、そして、駆動レジロールRr1と従動レジロールRr2は、互いに接触した状態が保持されている。
したがって、仮に、案内溝3,4が、前端側から後方に延びる開閉溝部3a,4aのみによって構成され、サイドカバーUbが前後方向にのみスライドする構成の場合、サイドカバーUbがスライドする際に、駆動ロールRa1と従動ロールRa2、そして、駆動レジロールRr1と従動レジロールRr2は、互いに接触した状態のまま横滑りして、磨耗したり、詰まっていたシートSが、引きちぎられて、除去しにくくなったりする恐れがある。
【0040】
これに対し、実施例1のサイドカバーUbは、前記開閉溝部3a,4aによって案内される前に、接離溝部3b,4bにより案内されており、画像形成装置本体U2の内側から外側に向って斜め前方にスライドした後に、前後方向にスライドしている。
すなわち、実施例1では、互いに対向して配置され接触している各部材Ra1,Ra2,Rr1,Rr2の接触状態等が解除された後に、前記サイドカバーUbが前後方向にスライドして図4に示す開放位置に移動しており、接触状態が解除されない場合に比べて、磨耗等が低減されている。
【実施例2】
【0041】
次に本発明の実施例2の説明をするが、この実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この実施例は下記の点で、前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
【0042】
図6は本発明の実施例2の画像形成装置の斜視図であって、図6Aはサイドカバーが開口を閉塞する通常位置にある場合の説明図、図6Bはサイドカバーが開口を開放する開放位置にある場合の説明図、図6Cはサイドカバーが開口を開放して画像形成装置本体に近接した回避位置にある場合の説明図である。
図6において、実施例2の画像形成装置本体U2には、実施例1のカバーガイド1,2に替えて、カバーガイド1′,2′が伸縮支持部材の一例としてのガイド支持部材21,22を介して支持されている。
なお、上側のカバーガイド2′及びガイド支持部材22は、下側のカバーガイド1′及びガイド支持部材21と上下対称に配置されている点以外は、同様に構成されているため、その詳細な説明は省略する。
【0043】
図7は実施例2のカバーガイドとガイド支持部材の説明図で、図7Aはカバーガイドの説明図、図7Bはカバーガイドがガイド支持部材に短縮位置で支持された状態の説明図、図7Cはカバーガイドがガイド支持部材に延長位置で支持された状態の説明図、図7Dは図7BにおけるVIID−VIID線断面図である。
図7B〜図7Dにおいて、前記ガイド支持部材21は、画像形成装置本体U2に支持される前後方向に長い本体部21aと、前記本体部21aの左右両端から上方に延びる側壁部21b,21cと、前記側壁部21b,21cの上端から対向する側壁部21c,21b側に向って延びる支持壁部21d,21eと、を有している。
【0044】
前記本体部21a、側壁部21b,21c、支持壁部21d,21eにより囲まれた空間により、ガイド収容支持空間21fが構成されている。
前記ガイド収容支持空間21fには、ガイド収容支持空間21fに収容された状態の短縮位置と、ガイド収容支持空間21fから前記カバーガイド1′の前端側が突き出た状態の延長位置と、の間で、前記カバーガイド1′が移動可能に支持される。
【0045】
図7Aにおいて、前記カバーガイド1′には、複数の移動補助部材の一例としてのコロ23が左右に設けられている。
また、前記カバーガイド1′には、第二案内溝4の開閉溝部4aの前端を回転中心とする円弧状の回転溝部3cが、第一案内溝3′の開閉溝部3aの前端から延びるように形成されている。
前記開閉溝部3a、接離溝部3b、回転溝部3cにより、実施例2の第一案内溝3′が構成されており、サイドカバーUbに設けられた各突出部11,12は前記案内溝3′,4に沿って案内される。
【0046】
ここで、前記第一被案内突出部11が回転溝部3cに沿って移動する際は、前記開閉溝部4aの前端に到達した第二被案内突出部12が回転中心となって、前記第一被案内突出部11が移動する。
すなわち、第一被案内突出部11が回転溝部3cに位置し、第二被案内突出部12が開閉溝部4aの前端に位置する場合、サイドカバーUbは、カバーガイド1′に対して回転可能に支持される。
【0047】
(実施例2の作用)
前記構成を備えた実施例2の画像形成装置U′では、開口U2a1が開放される際に、実施例1と同様に、サイドカバーUbが、前方にスライドして、通常位置から開放位置に移動する。そして、開放位置に移動したサイドカバーUbの突出部11,12が開閉溝部3a,4aの前端部に接触することにより、カバーガイド1′,2′は短縮位置から延長位置に完全に移動する。
延長位置に移動したカバーガイド1′,2′に支持されたサイドカバーUbは、サイドカバーUbの取っ手部材17側が画像形成装置本体U2側に押されると、図6Cに示すように回転して回避位置に移動する。すなわち、実施例2のサイドカバーUbは、画像形成動作時などに利用者の作業する空間が、通常確保されている画像形成装置U′の前側において回転している。
【0048】
したがって、実施例2の画像形成装置U′では、サイドカバーUbがスライドして、開口U2a1が開放されており、実施例1と同様に設置に必要な空間が低減され、さらに、サイドカバーUbが回避位置に移動した場合には、実施例1のように、単に開放位置にスライドするのみの構成に比べて、開口U2a1に対して作業を行う際にサイドカバーUbが邪魔になりにくい。すなわち、開口U2a1の開放時の画像形成装置U′の占有空間が、実施例1に比べて低減される。
なお、実施例2のカバーガイド1′,2′は、開放位置から通常位置に戻る際に、サイドカバーUbの突出部11,12が開閉溝部3a,4aと接離溝部3b,4bの接続部
に接触することにより、延長位置から短縮位置に完全に移動する。
【実施例3】
【0049】
次に本発明の実施例3の説明をするが、この実施例3の説明において、前記実施例1〜2の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この実施例は下記の点で、前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
【0050】
図8は本発明の実施例3の画像形成装置の斜視図であり、図8Aはサイドカバーが通常位置にある場合の説明図、図8Bはサイドカバーが開放位置にある場合の説明図、図8Cはカバーガイドの説明図である。
図8において、実施例3の画像形成装置本体U2には、実施例1のカバーガイド1,2に替えて、カバーガイド1″,2″が支持されている。
なお、図8Cにおいて、上側のカバーガイド2″は、下側のカバーガイド1″と上下対称に配置されている点以外は、同様に構成されているため、その説明図は省略する。
【0051】
図8Cにおいて、実施例3のカバーガイド1″,2″には、実施例1に比べて短い開閉溝部3a″,4a″と、実施例1と同様に構成された接離溝部3b,4bと、が前後対称に一対形成されている。
また、前記カバーガイド1″,2″には、実施例1のサイドカバーUbに比べて前後方向の長さが半分ほどのサイドカバーUb″,Ub″が前後対称に一対支持されている。
なお、実施例3において、サイドカバーUbに支持される従動ロールRa2、従動レジロールRr2などは、前後方向であるシート幅方向に空間を空けて複数個配置されており、それぞれ配置された位置に対応する前記サイドカバーUb″,Ub″に支持されている。また、実施例1においてサイドカバーUbに支持されていた二次転写ロールT2bは、実施例3では、画像形成装置本体U2側に支持されている。
【0052】
(実施例3の作用)
前記構成を備えた実施例3の画像形成装置U″では、前後それぞれのサイドカバーUb″,Ub″がそれぞれ通常位置と開放位置との間を移動する。
すなわち、実施例3でも、サイドカバーUb″,Ub″は、それぞれ接離溝部3b,4bと、開閉溝部3a″,4a″と、に沿って図8Aに示す通常位置から図8Bに示す開放位置にスライドしており、実施例1と同様に、設置に必要な空間が低減されている。
また、実施例3のサイドカバーUb″,Ub″の移動方向の大きさは、実施例1のサイドカバーUbに比べて小さく、サイドカバーUb″,Ub″が開放位置に位置しても、画像形成装置本体U2から突出する前記サイドカバーUb″,Ub″の一つ一つの大きさは小さく、実施例1に比べて、利用者の作業や移動が邪魔され難くなっている。
【実施例4】
【0053】
次に本発明の実施例4の説明をするが、この実施例4の説明において、前記実施例1〜3の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この実施例は下記の点で、前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
【0054】
図9は本発明の実施例4の画像形成装置の斜視図であり、図9Aはサイドカバーが通常位置にある場合の説明図、図9Bはサイドカバーが開放位置にある場合の説明図、図9Cはサイドカバーが開放保持位置にある場合の説明図である。
図10は実施例4のサイドカバーとカバーガイドの説明図であって、図10Aはサイドカバーの斜視図、図10Bはサイドカバーの要部拡大図であって支持アームの説明図、図10Cはカバーガイドの説明図である。
図9、図10において、実施例4の画像形成装置本体U2には、実施例1のカバーガイド1,2に替えて、開口U2a1に沿って上下方向に延びるカバーガイド41,42が、前後に一対支持されている。
【0055】
実施例4のカバーガイド41,42には、開口U2a1の高さに対応する上下方向の長さの開閉溝部43a,44aが形成されており、前記開閉溝部43a,44aの上端には、逆U字状に開口U2a1側に延びる保持溝部43c,44cが形成されている。
前記カバーガイド41,42については、その他の点は、前後に支持される構成であるという点以外は、実施例1のカバーガイド1,2と同様に構成されるため、その詳細な説明は省略する。
【0056】
図10A,図10Bにおいて、実施例4のサイドカバーUb1には、画像形成装置本体U2側に向って斜め下側に延びる支持腕の一例としての支持アームUb1aが前後一対支持されている。
前記支持アームUb1aの先端には、上下方向に延びる前記カバーガイド41,42に対応して、前後方向に突出する第一被案内突出部51と、第二被案内突出部52と、が形成されている。また、前記支持アームUb1aの先端には、移動補助部材の一例としてのボールキャスター53が設けられている。
【0057】
前記各被案内突出部51,52は、各案内溝43、44に嵌められた状態で、各案内溝53,54に沿って移動する。
すなわち、各被案内突出部51,52が、接離溝部43b,44bと開閉溝部43a,44aとに沿って移動して、サイドカバーUb1が、図9Aに示す開口U2a1が閉塞された通常位置から、図9Bに示す開口U2a1が開放された開放位置に移動する。また、各被案内突出部51,52が、保持溝部43c,44cに沿って先端部に移動して、サイドカバーUb1は図9Cに示す開放保持位置に移動し、開口U2a1の開放された状態が保持される。
【0058】
(実施例4の作用)
前記構成を備えた実施例4の画像形成装置U01では、サイドカバーUb1が、図9Aに示す通常位置と図9Bに示す開放位置との間を上下方向に移動しており、実施例1のサイドカバーUbとは移動方向が異なるものの、直立した状態で画像形成装置本体U2の外面U2aに沿ってスライドしている。すなわち、実施例4でも、実施例1と同様に、設置に必要な空間が低減されている。
なお、実施例4のサイドカバーUb1は、開放位置から図9Cに示す開放保持位置に移動すると、サイドカバーUb1の各突出部51,52は保持溝部43c,44cで支持され、サイドカバーUb1が自重により下方に移動せず、開口U2a1の開放された状態が保持される。
このとき、実施例4では、利用者等が立つ画像形成装置U01の前方又は側方にサイドカバーUb1は飛び出さず、サイドカバーUb1が作業の妨げになり難くなっている。
【実施例5】
【0059】
次に本発明の実施例5の説明をするが、この実施例5の説明において、前記実施例1〜4の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この実施例は下記の点で、前記実施例4と相違しているが、他の点では前記実施例4と同様に構成されている。
【0060】
図11は本発明の実施例5の画像形成装置の斜視図であり、図11Aはサイドカバーが通常位置にある場合の説明図、図11Bは上側のサイドカバーが開放位置にある場合の説明図、図11Cは下側のサイドカバーが開放位置にある場合の説明図である。
図12は実施例5のサイドカバーとカバーガイドの説明図であり、図12Aはサイドカバーの斜視図、図12Bはカバーガイドの説明図、図12Cは取っ手部材の説明図である。
図11、図12において、実施例5の画像形成装置本体U2には、実施例4のカバーガイド41,42に替えて、カバーガイド41′,42′が前後に一対支持されている。
なお、以降の説明において、後側のカバーガイド42′は、前側のカバーガイド41′と同様に構成されるため、その詳細な説明は省略する。
【0061】
図12Bにおいて、実施例5のカバーガイド41′の中央部から下側には、上下方向に並行して延びる一対の下側第一案内溝43′及び下側第二案内溝44′が形成されている。
前記案内溝43′,44′は、前記カバーガイド41′の下端側から中央部まで延びる下側開閉溝部43a′,44a′と、前記下側開閉溝部43a′,44a′の下端部から画像形成装置本体U2の内側に向って水平方向に延びる下側接離溝部43b′,44b′と、前記下側開閉溝部43a′,44a′の上端部から延びる実施例4と同様の保持溝部43c,44cと、を有している。
【0062】
また、実施例5のカバーガイド41′の中央部から上側には、上下方向に並行して延びる一対の上側第一案内溝43″及び上側第二案内溝44″が形成されている。
前記案内溝43″,44″は、前記カバーガイド41′の上端側から中央部まで延びる上側開閉溝部43a″,44a″と、前記上側開閉溝部43a″,44a″の上端部から画像形成装置本体U2の内側に向って水平方向に延びる上側接離溝部43b″,44b″と、を有している。
【0063】
図11、図12Aにおいて、前記カバーガイド41′,42′には、実施例4のサイドカバーUb1に比べて上下方向の長さが半分ほどであるという点以外は、実施例4のサイドカバーUb1と同様に構成されたサイドカバーUb1′,Ub1′が上下対称に一対支持される。
実施例5では、前記各突出部51,52が接離溝部43b″,44b″に沿って移動して、上側のサイドカバーUb1′が、開口U2aが閉塞された図11Aに示す通常位置から、画像形成装置本体U2側から離間する方向にスライド移動する。また、前記各突出部51,52が開閉溝部43a″,44a″に沿って移動して、前記上側のサイドカバーUb1′が、開口U2a1が開放された図11Bに示す開放位置に移動する。
なお、下側のサイドカバーUb1′は、上側のサイドカバーUb1′と上下対称に構成されて、下側の案内溝43′,44′に案内される点以外は同様に構成されるため、その詳細な説明は省略する。
【0064】
前記上側のカバーガイドUb1′の左面上方には、取っ手支持部16が形成されており、取っ手部材17″が前記取っ手支持軸16aに揺動可能に支持されている。
実施例5の取っ手部材17″は、上下方向に延びる把持部17a″と、前記把持部17a″の上端から画像形成装置本体U2側に水平方向に延び、前記支持軸16aに回転可能に支持される本体部17b″と、前記本体部17″の右端部に形成された上方に突出する開放防止部の一例としてのラッチ部17c″と、を有する。
【0065】
前記ラッチ部17c″の左側には、開口U2a1の上方に設けられた係合部U2b′に引っ掛かりサイドカバーUb1′の移動が規制される移動規制面17e″が形成されている。また、前記ラッチ部17c″には、前記移動規制面17e″の上端から前記本体部17b″の右端に向けて斜めに延びる接触部17f″が形成されている。
前記取っ手部材17″は、前記本体部17b″の左端側で、取っ手支持部16に支持されたコイルバネ18により下側に付勢されており、図12Cに示す規制位置に保持される。
したがって、規制位置に保持された取っ手部材17″により、サイドカバーUb1′は画像形成装置本体U2から離間する方向、すなわち、通常位置からの移動が規制される。また、取っ手部材17″の把持部17a″が把持されると、取っ手部材17″が回転し、ラッチ部17c″が係合部U2b′から離れ、サイドカバーUb1′は通常位置からの移動が可能となる。
【0066】
(実施例5の作用)
前記構成を備えた実施例5の画像形成装置U01′では、上側のサイドカバーUb1′が、図11Aに示す通常位置と図11Bに示す開放位置との間を上下に移動し、下側のサイドカバーUb1′が、図11Aに示す通常位置と図11Cに示す開放位置との間を上下に移動する。
すなわち、実施例5でも、サイドカバーUb1′,Ub1′は、接離溝部43b′,44b′,43b″,44b″、開閉溝部43a′,44a′,43a″,44a″に沿ってスライド移動しており、実施例4と同様に上下方向に移動する構成で設置に必要な空間が低減されている。
また、実施例5のサイドカバーUb1′,Ub1′は、実施例4のサイドカバーUb1に比べて大きさが小さく、サイドカバーUb1′の移動時の操作性が向上している。
【実施例6】
【0067】
次に本発明の実施例6の説明をするが、この実施例6の説明において、前記実施例1〜5の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この実施例は下記の点で、前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成される。
図13は本発明の実施例6の画像形成装置の斜視図であって、サイドカバー本体部が開放位置と回避位置との間を移動する際の説明図である。
図13において、実施例6の画像形成装置本体U01″には、実施例1のサイドカバーUbに替えて、上下に延びる四角柱状の後端支持部の一例としてのスライダ部51と、前記スライダ部51の前端に支持される開閉部材本体の一例としてのサイドカバー本体部52と、を有するサイドカバーUb1″が支持される。
前記スライダ部51の上端面及び下端面には、実施例1のサイドカバーUbと同様に、第一被案内突出部11、第二被案内突出部12が形成され、コロ13が回転可能に支持されている。
【0068】
前記サイドカバー本体部52は、スライダ部51に対して、上部、中央部、下部に配置された蝶番部材の一例としてのヒンジ53により、上下方向の軸を中心として、図13の実線で示す回避位置と、図13の破線で示す開放位置との間で、回転可能に支持されている。
図13の実線で示されたサイドカバー本体部52において、サイドカバー本体部52の右側には、実施例1と同様に、取っ手部材17が支持されている。
前記スライダ部51、サイドカバー本体部52、ヒンジ53等により、実施例6のサイドカバーUb1″が構成されている。
前記サイドカバーUb1″の画像形成装置本体U2側の面には、画像形成装置本体U2側の各部材SHa,Ra1,Rr1に対応するカバー側搬送ガイドSHb、従動ロールRa2、従動レジロールRr2が支持されている。
なお、実施例6では、従動ロールRa2、従動レジロールRr2は、前後方向であるシート幅方向に空間を空けて複数個配置されており、配置された位置に応じて、スライダ部51と、サイドカバー本体部52と、に支持される。また、二次転写ロールT2bは画像形成装置本体U2側に支持されている。
【0069】
(実施例6の作用)
前記構成を備えた実施例6の画像形成装置U01″では、実施例1と同様に、サイドカバーUb1″が、通常位置から開放位置にスライドして、開口U2a1が開放される。そして、図13の破線で示された開放位置に移動したサイドカバーUb1″において、サイドカバー本体部52の取っ手部材17側が、画像形成装置本体U2側に押されると、図13の実線で示すように、サイドカバー本体部52は、ヒンジ53を中心に回転して、画像形成装置本体U2前面に沿う回避位置に移動する。
すなわち、実施例2に示した構成では、第二被案内突出部12を中心に第一被案内突出部11が回転溝部3cに案内されてサイドカバーUbが回転していたが、実施例6では、ヒンジ53によりサイドカバー本体部52が回転している。
したがって、実施例6の画像形成装置U01″では、実施例1等と同様に、開口U2a1を開放させる際の設置に必要な空間が低減されると共に、実施例2と同様に、開口U2a1の開放時の画像形成装置U01″の占有空間が低減される。
【0070】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H010)を下記に例示する。
(H01)前記各実施例において、画像形成装置U〜Ub1″の一例として複写機による構成を例示したが、これに限定されず、プリンタ、FAX、あるいはこれら複数の機能を備えた複合機等に適用可能である。また、電子写真方式の画像形成装置に限定されず、インクジェット記録方式やサーマルヘッド方式などをはじめリソグラフ等の印刷機等任意の画像形成方式の画像形成装置に適用可能である。また、多色現像の画像形成装置に限定されず、単色、いわゆるモノクロの画像形成装置により構成することも可能である。
【0071】
(H02)前記各実施例において、サイドカバーUb〜Ub1″の移動により、開口U2a1が開放されてシート搬送路SHが露出する構成を例示したが、これに限定されない。例えば、画像形成装置本体U2のフロントカバーUaに適用して、画像形成装置本体U2の内部を露出させることも可能である。
(H03)前記各実施例における一対の搬送部材Ra,Rrにおいて、カバー側の搬送部材Ra2,Rr2は、サイドカバーUb〜Ub1″と共に移動する構成が望ましいが、対向する搬送部材Ra1,Rr1と共に画像形成装置本体U2に支持されて、サイドカバーUb〜Ub1″と共に移動しない構成も可能である。
【0072】
(H04)前記各実施例において、サイドカバーUb〜Ub1″は、開閉溝部,接離溝部により、画像形成装置本体U2から離間する方向に移動して、通常位置から開放位置に移動する構成が望ましいが、接離溝部を省略して、開閉溝部により通常位置から開放位置に移動する構成も可能である。
(H05)前記各実施例1〜4,6において、移動補助部材の一例として、コロによる構成を例示したが、これに限定されず、例えば、球体が回転するボールキャスターによる構成も可能である。
(H06)前記各実施例において、移動補助部材の一例としてのコロやボールキャスターが設けられた構成が望ましいが、これを省略することも可能である。
【0073】
(H07)前記各実施例において、サイドカバーUb〜Ub1″は、カバーガイドの案内溝により、サイドカバーUb〜Ub1″の端部に設けられた突出部材が案内されて、通常位置から開放位置にスライド移動する構成を例示したが、これに限定されない。例えば、自動車のスライドドア、昇降棚、引き戸等、従来公知の任意のスライド移動機構を適用して、サイドカバーUb〜Ub1″を画像形成装置U2の外面U2aに沿って移動させることも可能である。
(H08)前記実施例1,2,6において、ただ一つのサイドカバーUb,Ub1″が移動することにより、開口U2a1が開放される構成を例示したが、これに限定されない。例えば、上下に複数分割された各サイドカバーが、それぞれ、通常位置と開放位置の間をスライド移動して、開口U2a1が開放される構成も可能である。
【0074】
(H09)前記実施例5において、上側のサイドカバーUb1′は下にスライド移動して開放位置に到達し、下側のサイドカバーUb1′は上にスライド移動して開放位置に到達する構成を例示したが、上側のサイドカバーUb1′は、さらに上にスライド移動して、実施例4のように画像形成装置本体U2の上側の開放位置に移動する構成も可能である。
(H010)前記実施例6において、サイドカバーUb1″に支持された従動ロールRa2や従動レジロールRr2は、前後方向に複数個配置され、スライダ部51と、サイドカバー本体部52と、に支持される構成を例示したが、これに限定されない。
例えば、スライダ部51の前後方向の幅を小さくして、全ての従動ロールRa2、従動レジロールRr2を、サイドカバー本体部52に支持させて、前記サイドカバー本体部52を、スライダ部51によりスライド移動させ、ヒンジ53によりスライダ部51に対して回転移動させる構成も可能である。
【符号の説明】
【0075】
Ra,Rr…搬送部材対、Ra1,Rr1…第一の搬送部材、Ra2,Rr2…第二の搬送部材、S…媒体、SH…搬送路、SHa…第一の搬送案内部材、SHb…第二の搬送案内部材、U,U′,U″,U01,U01′,U01″…画像形成装置、U2…画像形成装置本体、U2a…外面、U2a1…開口、Ub,Ub″,Ub1,Ub1′,Ub1″…開閉部材。
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの画像形成装置では、搬送路に詰まった媒体を除去したり、ユニットなどの部品を交換したりする際に、内部が開放される。画像形成装置の内部を開放する技術として、以下の特許文献1に記載の技術が知られている。
特許文献1としての特開2004−29271号公報には、画像形成装置の装置本体(1)が記載されており、前記装置本体(1)は、前記装置本体(1)の左側に上下方向に沿って形成された搬送路(R1)と、開閉可能に設けられた前記搬送路(R1)の用紙除去用の開閉カバー(13)と、前記開閉カバー(13)の外側に装着された反転ユニット(15)と、前記反転ユニット(15)の下方に設けられた手差しユニット(17)とを、有している。
特許文献1には、前記装置本体(1)において、前記手差しユニット(17)に設けられた支軸(14)に、開閉カバー(13)と、用紙反転ユニット(15)とを、それぞれの下端に設けられた各支持ブラケット(20,21)で、開閉可能に支持する技術が記載されている。
特許文献1に記載の技術では、搬送路(R1)に用紙詰まりが発生した場合、用紙反転ユニット(15)と、開閉カバー(13)とを、順に、支軸(14)を中心に回転させ、装置本体(1)から離間するように斜めに傾斜させて、搬送路(R1)を開放している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−29271号公報(「0017」〜「0020」、「0027」〜「0028」、図3、図4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、画像形成装置の設置に必要な空間を低減することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記技術的課題を解決するために、請求項1に記載の発明の画像形成装置は、
外面に開口が形成された画像形成装置本体と、
前記開口を開閉する開閉部材であって、前記開口を閉塞する通常位置と、前記開口を開放して、前記画像形成装置本体内部を露出させる開放位置と、の間を、前記外面に沿って移動可能に支持された前記開閉部材と、
を備えたことを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
対向して配置された第一の搬送案内部材及び第二の搬送案内部材の間の空間により構成され、媒体が搬送される搬送路と、
前記画像形成装置本体に支持された前記第一の搬送案内部材と、
前記開閉部材に支持され、且つ前記開閉部材の開閉に伴って、前記第一の搬送案内部材から離間して、前記搬送路を開放する前記第二の搬送案内部材と、
を備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、
対向して配置された第一の搬送部材及び第二の搬送部材により構成される搬送部材対であって、前記第一の搬送部材及び前記第二の搬送部材が互いに接触し、前記媒体を搬送する前記搬送部材対と、
前記画像形成装置本体に支持された前記第一の搬送部材と、
前記開閉部材に支持され、且つ前記開閉部材の開閉に伴って、前記第一の搬送部材から離間する前記第二の搬送部材と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べて、画像形成装置の設置に必要な空間を低減することができる。
請求項2に記載の発明によれば、媒体が搬送される搬送路を開放して外部に露出させることができる。
請求項3に記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べて、開閉動作時の搬送部材対の磨耗を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は本発明の実施例1の画像形成装置の斜視図である。
【図2】図2は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
【図3】図3は実施例1の画像形成装置の要部拡大説明図である。
【図4】図4は実施例1の画像形成装置のサイドカバーが開放位置に移動した状態の説明図である。
【図5】図5は実施例1のサイドカバーの説明図であって、図5Aはサイドカバーが支持される前の画像形成装置の斜視図、図5Bは下側のカバーガイドの説明図、図5Cはサイドカバーの取っ手の説明図である。
【図6】図6は本発明の実施例2の画像形成装置の斜視図であって、図6Aはサイドカバーが開口を閉塞する通常位置にある場合の説明図、図6Bはサイドカバーが開口を開放する開放位置にある場合の説明図、図6Cはサイドカバーが開口を開放して画像形成装置本体に近接した回避位置にある場合の説明図である。
【図7】図7は実施例2のカバーガイドとガイド支持部材の説明図で、図7Aはカバーガイドの説明図、図7Bはカバーガイドがガイド支持部材に短縮位置で支持された状態の説明図、図7Cはカバーガイドがガイド支持部材に延長位置で支持された状態の説明図、図7Dは図7BにおけるVIID−VIID線断面図である。
【図8】図8は本発明の実施例3の画像形成装置の斜視図であり、図8Aはサイドカバーが通常位置にある場合の説明図、図8Bはサイドカバーが開放位置にある場合の説明図、図8Cはカバーガイドの説明図である。
【図9】図9は本発明の実施例4の画像形成装置の斜視図であり、図9Aはサイドカバーが通常位置にある場合の説明図、図9Bはサイドカバーが開放位置にある場合の説明図、図9Cはサイドカバーが開放保持位置にある場合の説明図である。
【図10】図10は実施例4のサイドカバーとカバーガイドの説明図であって、図10Aはサイドカバーの斜視図、図10Bはサイドカバーの要部拡大図であって支持アームの説明図、図10Cはカバーガイドの説明図である。
【図11】図11は本発明の実施例5の画像形成装置の斜視図であり、図11Aはサイドカバーが通常位置にある場合の説明図、図11Bは上側のサイドカバーが開放位置にある場合の説明図、図11Cは下側のサイドカバーが開放位置にある場合の説明図である。
【図12】図12は実施例5のサイドカバーとカバーガイドの説明図であり、図12Aはサイドカバーの斜視図、図12Bはカバーガイドの説明図、図12Cは取っ手部材の説明図である。
【図13】図13は本発明の実施例6の画像形成装置の斜視図であって、サイドカバー本体部が開放位置と回避位置との間を移動する際の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(以下、実施例と記載する)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例1】
【0011】
図1は本発明の実施例1の画像形成装置の斜視図である。
図1において、本発明の実施例1の画像形成装置Uの一例としての複写機は、上端部に配置された自動原稿搬送装置U1と、前記自動原稿搬送装置U1を支持する画像形成装置本体U2と、を有する。前記画像形成装置本体U2の上部には、媒体排出部の一例としての排紙トレイTRhが設けられている。また、前記画像形成装置本体U2の下部には、媒体収容容器の一例として、媒体の一例としてのシートSを収容する複数の給紙トレイTR1〜TR4が着脱可能に装着されている。さらに、前記画像形成装置本体U2の上部前面には、部材の交換などの保守作業の際に開放される前面開閉部材の一例としてのフロントカバーUaが支持されている。また、前記画像形成装置本体U2の左側の外面U2aには、開口U2a1が形成されており、前記開口U2a1を開閉する開閉部材の一例としてのサイドカバーUbが支持されている。
【0012】
図2は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
図2において、前記自動原稿搬送装置U1は、複写しようとする複数の原稿Giが重ねて収容される原稿給紙部TG1と、原稿給紙部TG1から給紙されて画像形成装置本体U2上端の透明な原稿読取り面PG上の原稿読取位置を通過して搬送される原稿Giが排出される原稿排紙部TG2とを有している。
前記画像形成装置本体U2は、利用者が画像形成動作開始等の作動指令信号を入力操作する操作部UIと、露光光学系A等を有している。
【0013】
前記自動原稿搬送装置U1で原稿読取り面PG上を搬送される原稿Giまたは手動で原稿読取り面PG上に置かれた原稿Giからの反射光は、前記露光光学系Aを介して、固体撮像素子CCDで赤:R、緑:G、青:Bの電気信号に変換される。
画像情報変換部IPSは、固体撮像素子CCDから入力される前記RGBの電気信号を黒:K、イエロー:Y、マゼンタ:M、シアン:Cの画像情報に変換して一時的に記憶し、前記画像情報を所定の時期に潜像形成用の画像情報として潜像形成装置駆動回路DLに出力する。
なお、原稿画像が単色画像、いわゆる、モノクロの場合は、黒のみの画像情報が潜像形成装置駆動回路DLに入力される。
前記潜像形成装置駆動回路DLは、図示しない各色Y,M,C,Kの各駆動回路を有し、入力された画像情報に応じた信号を所定の時期に、各色毎に配置された潜像形成装置LHy,LHm,LHc,LHkに出力する。
【0014】
図3は実施例1の画像形成装置の要部拡大説明図である。
前記画像形成装置Uの重力方向中央部に配置された可視像形成装置Uy,Um,Uc,Ukはそれぞれ、Y,M,C、およびKの各色の可視像を形成する装置である。
潜像形成装置LHy〜LHkの各潜像書込光源から出射したY,M,C,Kの潜像書込光は、それぞれ、回転する像保持体PRy,PRm,PRc,PRkに入射する。なお、実施例1では、前記潜像形成装置LHy〜LHkは、いわゆる、LEDアレイにより構成されている。
前記Y色の可視像形成装置Uyは、回転する像保持体PRy、帯電器CRy,潜像形成装置LHy、現像装置Gy、転写器T1y、像保持体清掃器CLyを有している。なお、実施例1では、前記像保持体PRy、帯電器CRy、像保持体清掃器CLyが、画像形成装置本体U2に対して一体的に着脱可能な像保持体ユニットとして構成されている。
前記可視像形成装置Um,Uc,Ukはいずれも前記Y色の可視像形成装置Uyと同様に構成されている。
【0015】
図2、図3において、前記各像保持体PRy,PRm,PRc,PRkはそれぞれの帯電器CRy,CRm,CRc,CRkにより帯電された後、画像書込位置Q1y,Q1m,Q1c,Q1kにおいて、前記潜像形成装置LHy〜LHkにより、その表面に静電潜像が形成される。前記像保持体PRy,PRm,PRc,PRk表面の静電潜像は、現像領域Q2y,Q2m,Q2c,Q2kにおいて、現像装置Gy,Gm,Gc,Gkの現像剤保持体の一例としての現像ロールR0y,R0m,R0c,R0kに保持された現像剤により可視像の一例としてのトナー像に現像される。
その現像されたトナー像は、中間転写体の一例としての中間転写ベルトBに接触する1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kに搬送される。前記1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kにおいて中間転写ベルトBの裏面側に配置された1次転写器T1y,T1m,T1c,T1kには、制御部Cにより制御される電源回路Eから所定の時期にトナーの帯電極性と逆極性の1次転写電圧が印加される。
【0016】
前記各像保持体PRy〜PRk上のトナー像は前記1次転写器T1y,T1m,T1c,T1kにより中間転写ベルトBに1次転写される。1次転写後の像保持体PRy,PRm,PRc,PRk表面の残留物、付着物は、像保持体清掃器CLy,CLm,CLc,CLkにより清掃される。清掃された前記像保持体PRy,PRm,PRc,PRk表面は、帯電器CRy,CRm,CRc,CRkにより再帯電される。
【0017】
前記像保持体PRy〜PRkの上方には、上下移動可能且つ前方に引き出し可能な中間転写装置の一例としてのベルトモジュールBMが配置されている。前記ベルトモジュールBMは、前記中間転写ベルトBと、中間転写体駆動部材の一例としてのベルト駆動ロールRd、中間転写体張架部材の一例としてのテンションロールRt、蛇行防止部材の一例としてのウォーキングロールRw、従動部材の一例としてのアイドラロールRfおよび2次転写領域対向部材の一例としてのバックアップロールT2aと、前記1次転写器T1y,T1m,T1c,T1kとを有している。そして、前記中間転写ベルトBは、前記各ロールRd,Rt,Rw,Rf,T2aにより構成される中間転写体支持部材の一例としてのベルト支持ロールRd+Rt+Rw+Rf+T2aにより回転移動可能に支持されている。
【0018】
前記バックアップロールT2aに接する中間転写ベルトBの表面に対向して2次転写部材の一例としての2次転写ロールT2bが配置されており、前記各ロールT2a,T2bにより2次転写器T2が構成されている。また、2次転写ロールT2bおよび中間転写ベルトBの対向する領域には2次転写領域Q4が形成される。
前記1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kで1次転写器T1y,T1m,T1c,T1kにより中間転写ベルトB上に順次重ねて転写された単色または多色のトナー像は、前記2次転写領域Q4に搬送される。
【0019】
図2において、前記可視像形成装置Uy〜Ukの下方には、案内部材の一例としての左右一対のガイドレールGRが4段設けられており、前記ガイドレールGRには、給紙トレイTR1〜TR4が前後方向に出入可能に支持されている。前記給紙トレイTR1〜TR4に収容されたシートSは、媒体取出し部材の一例としてのピックアップロールRpにより取り出され、媒体捌き部材の一例としてのさばきロールRsにより1枚ずつ分離される。そして、シートSは、搬送路の一例であるシート搬送路SHに沿って搬送部材対の一例としての複数の搬送ロールRaにより搬送され、2次転写領域Q4のシート搬送方向上流側に配置された搬送部材対の一例且つ媒体搬送時期調節部材の一例としてのレジロールRrに送られる。
【0020】
前記レジロールRrは、前記中間転写ベルトBに形成されたトナー像が2次転写領域Q4に搬送されるのに時期を合わせて、前記シートSを2次転写領域Q4に搬送する。シートSが前記2次転写領域Q4を通過する際、前記バックアップロールT2aは接地され、2次転写ロールT2bには前記制御部Cにより制御される電源回路Eからトナーの帯電極性と逆極性の2次転写電圧が印加される。このとき、前記中間転写ベルトB上のトナー像は、前記2次転写器T2によりシートSに転写される。
2次転写後の前記中間転写ベルトBは、中間転写体清掃器の一例としてのベルトクリーナCLbにより清掃される。
実施例1の画像形成装置Uでは、前記1次転写器T1y〜T1k、中間転写ベルトB、2次転写器T2等により、像保持体PRy〜PRk表面のトナー像をシートSに転写する転写装置T1+B+T2が構成されている。
【0021】
前記トナー像が2次転写されたシートSは、定着装置Fの加熱用定着部材の一例としての加熱ロールFhおよび加圧用定着部材の一例としての加圧ロールFpの圧接領域である定着領域Q5に搬送され、前記定着領域を通過する際に加熱定着される。加熱定着されたシートSは、媒体排出部材の一例としての排出ローラRhから媒体排出部の一例としての排紙トレイTRhに排出される。
なお、前記加熱ロールFh表面には、シートSの前記加熱ロールFhからの離型性を良くするための離型剤が離型剤塗布装置Faにより塗布されている。
【0022】
前記ベルトモジュールBMの上方にはイエローY、マゼンタM、シアンC、黒Kの各現像剤を収容する現像剤収容容器の一例であって、内部の現像剤を画像形成装置Uに搬送して補給する現像剤収容容器の一例としてのトナーカートリッジKy,Km,Kc,Kkが配置されている。各トナーカートリッジKy,Km,Kc,Kkに収容された現像剤は、前記現像装置Gy,Gm,Gc,Gkの現像剤の消費に応じて、図示しない現像剤補給路から前記各現像装置Gy,Gm,Gc,Gkに補給される。なお、実施例1では、前記現像剤として、磁性のキャリアと、外添剤が付与されたトナーと、を含む二成分現像剤により構成されている。
【0023】
図4は実施例1の画像形成装置のサイドカバーが開放位置に移動した状態の説明図である。
図5は実施例1のサイドカバーの説明図であって、図5Aはサイドカバーが支持される前の画像形成装置の斜視図、図5Bは下側のカバーガイドの説明図、図5Cはサイドカバーの取っ手部材の説明図である。
図5A、図5Bにおいて、前記画像形成装置本体U2には、前記開口U2a1の上端と下端に対応する位置に、開閉部材案内部の一例としてのカバーガイド1,2が上下に一対形成されている。
なお、上側のカバーガイド2は、下側のカバーガイド1と上下対称に配置されている点以外は同様に構成されるので、その説明図は省略している。
【0024】
前記カバーガイド1,2には、前後方向に並行して延びる一対の第一案内溝3及び第二案内溝4が形成されている。
前記各案内溝3,4は、前記カバーガイド1,2の前端側から後方に延びる開閉溝部3a,4aと、前記開閉溝部3a,4aの後端部から画像形成装置本体U2の内側に向って斜め後方に延びる接離溝部3b,4bと、を有している。
前記第一案内溝3の前方には、開閉補助部材の一例としてのコロ6が回転可能に支持されている。
前記第一案内溝3,4、コロ6により、実施例1のカバーガイド1,2が構成されている。
【0025】
図5Aにおいて、前記サイドカバーUbの上端部及び下端部には、第一案内溝3に対応して形成された第一被案内突出部11と、前記第二案内溝4に対応して形成された第二被案内突出部12が設けられている。
また、前記サイドカバーUbの上端部及び下端部には、前記第二被案内突出部12の後方に、開閉補助部材の一例としてのコロ13が回転可能に支持されている。
前記サイドカバーUbは、前記各被案内突出部11,12が各案内溝3,4に嵌められた状態で、前記カバーガイド1,2の各案内溝3,4に沿って移動可能に支持されている。すなわち、前記サイドカバーUbは、前記画像形成装置本体U2の外面U2aに沿って移動可能に支持されている。
【0026】
図5A,図5Cにおいて、前記サイドカバーUbの左面前方には、図5Aに示す画像形成装置本体U2の左端前方に設けられた孔状の係合部U2bと対応する位置に、取っ手支持部16が形成されている。前記取っ手支持部16には、取っ手支持軸16aが支持されている。前記取っ手支持軸16aには、図5Cに示すようにコの字型に形成された操作部の一例としての取っ手部材17が回転可能に支持されている。
前記取っ手部材17には、前記取っ手支持軸16aに回転可能に支持される本体部17aと、前記本体部17aの前端部から左方に延びる連結支持部17bと、前記連結支持部17bの左端部から後方に延びる把持部17cと、が形成されている。
【0027】
また、前記取っ手部材17には、前記本体部17aから前記画像形成装置本体U2側に突出する開放防止部の一例としてのラッチ部17dが形成されている。前記ラッチ部17dには、左右に延びる平面状に構成され且つ前記係合部U2bに引っ掛かりサイドカバーU2の移動が規制される移動規制面17eが前側に形成されている。また、前記ラッチ部17dには、前記移動規制面17eの右端から前記本体部17aの後端に向けて斜めに延びる接触部17fが形成されている。
前記取っ手部材17は、前記連結支持部17bの左端側で、付勢部材の一例としてのコイルバネ18により付勢されており、前記コイルバネ18は取っ手支持部16に支持されている。すなわち、前記取っ手部材17は、前記コイルバネ18により、図5Cに示す規制位置に保持される。
【0028】
図2において、前記シート搬送路SHは、対向して配置された一対の第一の搬送案内部材の一例としての本体側搬送ガイドSHaと、第二の搬送案内部材の一例としてのカバー
側搬送ガイドSHbと、の間の空間により構成されており、前記本体側搬送ガイドSHaは画像形成装置本体U2に支持され、前記カバー側搬送ガイドSHbはサイドカバーUbに支持されている。
また、前記搬送ロールRaは、対向して配置された一対の第一の搬送部材の一例としての駆動ロールRa1と、第二の搬送部材の一例としての従動ロールRa2と、により構成されており、前記駆動ロールRa1は画像形成装置本体U2に支持され、前記従動ロールRa2はサイドカバーUbに支持されている。
【0029】
さらに、前記レジロールRrは、対向して配置された一対の第一の搬送部材の一例としての駆動レジロールRr1と、第二の搬送部材の一例としての従動レジロールRr2と、により構成されており、前記駆動レジロールRr1は画像形成装置本体U2に支持され、前記従動レジロールRr2はサイドカバーUbに支持されている。
なお、実施例1では、前記バックアップロールT2aは画像形成装置本体U2に支持されており、2次転写ロールT2bはサイドカバーUbに支持されている。
【0030】
画像形成装置本体Ubに装着された前記サイドカバーUbが、図1に示す通常位置にある場合、前記取っ手部材17は、前記コイルバネ18により画像形成装置本体U2の係合部U2bに、留め金された状態、すなわち、ラッチされた状態に保持される。これにより、前記サイドカバーUbの移動が規制される。
このとき、本体側搬送ガイドSHaとカバー側搬送ガイドSHbとは予め設定された幅の空間を空けて対向した状態で配置され、搬送ガイドSHa,SHbの間の空間により、前記シート搬送路SHが構成される。また、このとき、前記駆動ロールRa1と前記従動ロールRa2とが互いに接触し、シート搬送路SHのシートSを搬送可能となる。同様に、このとき、前記駆動レジロールRr1と前記従動レジロールRr2は互いに接触し、シート搬送路SHのシートSを搬送可能となる。
【0031】
次に、前記サイドカバーUbが図1に示す通常位置にある状態において、図5Cに示す規制位置に保持されていた取っ手部材17の把持部17cが把持されると、前記コイルバネ18の付勢力に抗して、前記取っ手部材17は前記支持軸16aを中心に回転し、前記ラッチ部17dは係合部U2bから離れ、ラッチされた状態が解除される。これにより、前記サイドカバーUbは図4で示す開放位置に移動可能となる。
前記サイドカバーUbが開放位置に移動を開始すると、案内溝3,4に嵌められている前記被案内突出部11,12は、前記接離溝部3b,4bに案内され、画像形成装置本体U2に対して斜め外側に離間して移動した後、前記開閉溝部3a,4aに沿って前方に移動する。
【0032】
前記サイドカバーUbが図4に示す開放位置にある場合、画像形成装置本体U2の前記開口U2a1は開放され、前記画像形成装置本体U2の内部が、前記開口U2a1から外部に露出する。
このとき、サイドカバーUbに支持された各部材SHb,Ra2,Rr2は、サイドカバーUbと共に移動しており、前記シート搬送路SH、搬送ロールRa、レジロールRrは開放され、画像形成装置本体U2に支持された各部材SHa,Ra1,Rr1が前記開口U2a1から外部に露出する。
【0033】
次に、サイドカバーUbが開放位置から通常位置に移動する際に、前記ラッチ部17dの接触部17fは前記係合部U2bに接触する。すなわち、前記ラッチ部17dは、係合部U2bに押され、前記取っ手部材17が支持軸16aを中心に回転して、ラッチ部17dが左方に移動する。そして、サイドカバーUbが通常位置に移動すると、前記ラッチ部17dは、前記コイルバネ18により、規制位置に移動し、前記係合部U2bにラッチされる。
【0034】
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1の画像形成装置Uでは、画像形成動作が実行される通常時は、前記サイドカバーUbが通常位置に保持されており、ピックアップロールRp、さばきロールRsにより、給紙トレイTR1〜TR4から給紙されたシートSは、搬送ロールRa、レジロールRrなどによりシート搬送路SHを搬送される。そして、画像が記録されたシートSは排紙トレイTRhに排出される。
【0035】
ここで、シート搬送路SHにシートSが詰まった場合や、画像形成装置本体U2の保守点検や部品の交換をする場合、サイドカバーUbを通常位置から開放位置に移動させて、画像形成装置本体U2の内部を開放する。
すなわち、実施例1では、前記サイドカバーUbの取っ手部材17を操作して、ラッチされた状態を解除し、サイドカバーUbを案内溝3,4に沿わせて通常位置から開放位置まで移動させて、開口U2a1を開放すると共に、サイドカバーUbに支持されたカバー側搬送ガイドSHb、従動ロールRa2、従動レジロールRr2などを移動させて、画像形成装置本体U2に支持された本体側搬送ガイドSHa、駆動ロールRa1、駆動従動ロールRr1などを、開口U2a1から外部に露出させる。
【0036】
画像形成装置本体U2の内部が開放される場合に、従来のように、軸を中心に回転するカバー、いわゆる、ヒンジタイプのカバーが回転して画像形成装置本体U2の内部が開放される場合、開放前の画像形成装置U自体の大きさに加えて、開放される際にヒンジを中心としてカバーの回転移動する空間が、画像形成装置Uに実質的に占有される。すなわち、画像形成装置Uを設置する際に、普段は使用しないが、部材の交換作業や詰まったシートSの除去作業をする際に必要な空間を予めあけて設置する必要がある。
また、仮にヒンジタイプではなく、カバーが、画像形成装置本体U2に対して引き出されたり収納されたりする給紙トレイTR1〜TR4のように移動して、画像形成装置本体U2の内部が開放される構成の場合、開放前の画像形成装置U自体の大きさに加えて、開放時にカバーが引き出される空間が画像形成装置Uに実質的に占有され、カバーを引き出す空間を確保しつつ、画像形成装置Uを設置する必要がある。
【0037】
これらに対し、実施例1のサイドカバーUbは、直立した状態が保持されたまま、案内溝3,4に案内されながら、画像形成装置本体U2の外面U2aに沿って前方に移動、すなわち、スライドし、画像形成装置Uを利用する利用者が作業を行う空間がある画像形成装置前方に移動しており、従来の構成に比べて、設置に必要な空間が低減されている。
【0038】
また、ヒンジタイプのカバーでは、ヒンジ部分、すなわち回転中心に近づくほどカバーと画像形成装置本体U2との間隔は狭くなり、ヒンジ付近の搬送路に詰まったシートSの除去や、ヒンジ付近の部材の交換などの作業性は悪化する。
これに対して、実施例1では、サイドカバーUbが開放位置に移動すると、開口U2a1が全体的に開放され、画像形成装置本体U2の内部が開口U2a1から露出されて、ヒンジタイプのカバーによる構成に比べて、作業性の悪化が低減されている。特に、シートSの除去については、シートSがその間を通過するシート搬送路SHや、搬送ロールRa、レジロールRrなどのうち、本体側に支持された本体側搬送ガイドSHa、駆動ロールRa1、駆動レジロールRr1などが、ヒンジ部分に遮られることなく全体的に外部に露出しており、ヒンジ部分に遮られる場合に比べて、作業性が向上している。
【0039】
なお、実施例1のサイドカバーUbが図1に示す通常位置に保持されている場合、互いに対向して配置された駆動ロールRa1と従動ロールRa2、そして、駆動レジロールRr1と従動レジロールRr2は、互いに接触した状態が保持されている。
したがって、仮に、案内溝3,4が、前端側から後方に延びる開閉溝部3a,4aのみによって構成され、サイドカバーUbが前後方向にのみスライドする構成の場合、サイドカバーUbがスライドする際に、駆動ロールRa1と従動ロールRa2、そして、駆動レジロールRr1と従動レジロールRr2は、互いに接触した状態のまま横滑りして、磨耗したり、詰まっていたシートSが、引きちぎられて、除去しにくくなったりする恐れがある。
【0040】
これに対し、実施例1のサイドカバーUbは、前記開閉溝部3a,4aによって案内される前に、接離溝部3b,4bにより案内されており、画像形成装置本体U2の内側から外側に向って斜め前方にスライドした後に、前後方向にスライドしている。
すなわち、実施例1では、互いに対向して配置され接触している各部材Ra1,Ra2,Rr1,Rr2の接触状態等が解除された後に、前記サイドカバーUbが前後方向にスライドして図4に示す開放位置に移動しており、接触状態が解除されない場合に比べて、磨耗等が低減されている。
【実施例2】
【0041】
次に本発明の実施例2の説明をするが、この実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この実施例は下記の点で、前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
【0042】
図6は本発明の実施例2の画像形成装置の斜視図であって、図6Aはサイドカバーが開口を閉塞する通常位置にある場合の説明図、図6Bはサイドカバーが開口を開放する開放位置にある場合の説明図、図6Cはサイドカバーが開口を開放して画像形成装置本体に近接した回避位置にある場合の説明図である。
図6において、実施例2の画像形成装置本体U2には、実施例1のカバーガイド1,2に替えて、カバーガイド1′,2′が伸縮支持部材の一例としてのガイド支持部材21,22を介して支持されている。
なお、上側のカバーガイド2′及びガイド支持部材22は、下側のカバーガイド1′及びガイド支持部材21と上下対称に配置されている点以外は、同様に構成されているため、その詳細な説明は省略する。
【0043】
図7は実施例2のカバーガイドとガイド支持部材の説明図で、図7Aはカバーガイドの説明図、図7Bはカバーガイドがガイド支持部材に短縮位置で支持された状態の説明図、図7Cはカバーガイドがガイド支持部材に延長位置で支持された状態の説明図、図7Dは図7BにおけるVIID−VIID線断面図である。
図7B〜図7Dにおいて、前記ガイド支持部材21は、画像形成装置本体U2に支持される前後方向に長い本体部21aと、前記本体部21aの左右両端から上方に延びる側壁部21b,21cと、前記側壁部21b,21cの上端から対向する側壁部21c,21b側に向って延びる支持壁部21d,21eと、を有している。
【0044】
前記本体部21a、側壁部21b,21c、支持壁部21d,21eにより囲まれた空間により、ガイド収容支持空間21fが構成されている。
前記ガイド収容支持空間21fには、ガイド収容支持空間21fに収容された状態の短縮位置と、ガイド収容支持空間21fから前記カバーガイド1′の前端側が突き出た状態の延長位置と、の間で、前記カバーガイド1′が移動可能に支持される。
【0045】
図7Aにおいて、前記カバーガイド1′には、複数の移動補助部材の一例としてのコロ23が左右に設けられている。
また、前記カバーガイド1′には、第二案内溝4の開閉溝部4aの前端を回転中心とする円弧状の回転溝部3cが、第一案内溝3′の開閉溝部3aの前端から延びるように形成されている。
前記開閉溝部3a、接離溝部3b、回転溝部3cにより、実施例2の第一案内溝3′が構成されており、サイドカバーUbに設けられた各突出部11,12は前記案内溝3′,4に沿って案内される。
【0046】
ここで、前記第一被案内突出部11が回転溝部3cに沿って移動する際は、前記開閉溝部4aの前端に到達した第二被案内突出部12が回転中心となって、前記第一被案内突出部11が移動する。
すなわち、第一被案内突出部11が回転溝部3cに位置し、第二被案内突出部12が開閉溝部4aの前端に位置する場合、サイドカバーUbは、カバーガイド1′に対して回転可能に支持される。
【0047】
(実施例2の作用)
前記構成を備えた実施例2の画像形成装置U′では、開口U2a1が開放される際に、実施例1と同様に、サイドカバーUbが、前方にスライドして、通常位置から開放位置に移動する。そして、開放位置に移動したサイドカバーUbの突出部11,12が開閉溝部3a,4aの前端部に接触することにより、カバーガイド1′,2′は短縮位置から延長位置に完全に移動する。
延長位置に移動したカバーガイド1′,2′に支持されたサイドカバーUbは、サイドカバーUbの取っ手部材17側が画像形成装置本体U2側に押されると、図6Cに示すように回転して回避位置に移動する。すなわち、実施例2のサイドカバーUbは、画像形成動作時などに利用者の作業する空間が、通常確保されている画像形成装置U′の前側において回転している。
【0048】
したがって、実施例2の画像形成装置U′では、サイドカバーUbがスライドして、開口U2a1が開放されており、実施例1と同様に設置に必要な空間が低減され、さらに、サイドカバーUbが回避位置に移動した場合には、実施例1のように、単に開放位置にスライドするのみの構成に比べて、開口U2a1に対して作業を行う際にサイドカバーUbが邪魔になりにくい。すなわち、開口U2a1の開放時の画像形成装置U′の占有空間が、実施例1に比べて低減される。
なお、実施例2のカバーガイド1′,2′は、開放位置から通常位置に戻る際に、サイドカバーUbの突出部11,12が開閉溝部3a,4aと接離溝部3b,4bの接続部
に接触することにより、延長位置から短縮位置に完全に移動する。
【実施例3】
【0049】
次に本発明の実施例3の説明をするが、この実施例3の説明において、前記実施例1〜2の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この実施例は下記の点で、前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
【0050】
図8は本発明の実施例3の画像形成装置の斜視図であり、図8Aはサイドカバーが通常位置にある場合の説明図、図8Bはサイドカバーが開放位置にある場合の説明図、図8Cはカバーガイドの説明図である。
図8において、実施例3の画像形成装置本体U2には、実施例1のカバーガイド1,2に替えて、カバーガイド1″,2″が支持されている。
なお、図8Cにおいて、上側のカバーガイド2″は、下側のカバーガイド1″と上下対称に配置されている点以外は、同様に構成されているため、その説明図は省略する。
【0051】
図8Cにおいて、実施例3のカバーガイド1″,2″には、実施例1に比べて短い開閉溝部3a″,4a″と、実施例1と同様に構成された接離溝部3b,4bと、が前後対称に一対形成されている。
また、前記カバーガイド1″,2″には、実施例1のサイドカバーUbに比べて前後方向の長さが半分ほどのサイドカバーUb″,Ub″が前後対称に一対支持されている。
なお、実施例3において、サイドカバーUbに支持される従動ロールRa2、従動レジロールRr2などは、前後方向であるシート幅方向に空間を空けて複数個配置されており、それぞれ配置された位置に対応する前記サイドカバーUb″,Ub″に支持されている。また、実施例1においてサイドカバーUbに支持されていた二次転写ロールT2bは、実施例3では、画像形成装置本体U2側に支持されている。
【0052】
(実施例3の作用)
前記構成を備えた実施例3の画像形成装置U″では、前後それぞれのサイドカバーUb″,Ub″がそれぞれ通常位置と開放位置との間を移動する。
すなわち、実施例3でも、サイドカバーUb″,Ub″は、それぞれ接離溝部3b,4bと、開閉溝部3a″,4a″と、に沿って図8Aに示す通常位置から図8Bに示す開放位置にスライドしており、実施例1と同様に、設置に必要な空間が低減されている。
また、実施例3のサイドカバーUb″,Ub″の移動方向の大きさは、実施例1のサイドカバーUbに比べて小さく、サイドカバーUb″,Ub″が開放位置に位置しても、画像形成装置本体U2から突出する前記サイドカバーUb″,Ub″の一つ一つの大きさは小さく、実施例1に比べて、利用者の作業や移動が邪魔され難くなっている。
【実施例4】
【0053】
次に本発明の実施例4の説明をするが、この実施例4の説明において、前記実施例1〜3の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この実施例は下記の点で、前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
【0054】
図9は本発明の実施例4の画像形成装置の斜視図であり、図9Aはサイドカバーが通常位置にある場合の説明図、図9Bはサイドカバーが開放位置にある場合の説明図、図9Cはサイドカバーが開放保持位置にある場合の説明図である。
図10は実施例4のサイドカバーとカバーガイドの説明図であって、図10Aはサイドカバーの斜視図、図10Bはサイドカバーの要部拡大図であって支持アームの説明図、図10Cはカバーガイドの説明図である。
図9、図10において、実施例4の画像形成装置本体U2には、実施例1のカバーガイド1,2に替えて、開口U2a1に沿って上下方向に延びるカバーガイド41,42が、前後に一対支持されている。
【0055】
実施例4のカバーガイド41,42には、開口U2a1の高さに対応する上下方向の長さの開閉溝部43a,44aが形成されており、前記開閉溝部43a,44aの上端には、逆U字状に開口U2a1側に延びる保持溝部43c,44cが形成されている。
前記カバーガイド41,42については、その他の点は、前後に支持される構成であるという点以外は、実施例1のカバーガイド1,2と同様に構成されるため、その詳細な説明は省略する。
【0056】
図10A,図10Bにおいて、実施例4のサイドカバーUb1には、画像形成装置本体U2側に向って斜め下側に延びる支持腕の一例としての支持アームUb1aが前後一対支持されている。
前記支持アームUb1aの先端には、上下方向に延びる前記カバーガイド41,42に対応して、前後方向に突出する第一被案内突出部51と、第二被案内突出部52と、が形成されている。また、前記支持アームUb1aの先端には、移動補助部材の一例としてのボールキャスター53が設けられている。
【0057】
前記各被案内突出部51,52は、各案内溝43、44に嵌められた状態で、各案内溝53,54に沿って移動する。
すなわち、各被案内突出部51,52が、接離溝部43b,44bと開閉溝部43a,44aとに沿って移動して、サイドカバーUb1が、図9Aに示す開口U2a1が閉塞された通常位置から、図9Bに示す開口U2a1が開放された開放位置に移動する。また、各被案内突出部51,52が、保持溝部43c,44cに沿って先端部に移動して、サイドカバーUb1は図9Cに示す開放保持位置に移動し、開口U2a1の開放された状態が保持される。
【0058】
(実施例4の作用)
前記構成を備えた実施例4の画像形成装置U01では、サイドカバーUb1が、図9Aに示す通常位置と図9Bに示す開放位置との間を上下方向に移動しており、実施例1のサイドカバーUbとは移動方向が異なるものの、直立した状態で画像形成装置本体U2の外面U2aに沿ってスライドしている。すなわち、実施例4でも、実施例1と同様に、設置に必要な空間が低減されている。
なお、実施例4のサイドカバーUb1は、開放位置から図9Cに示す開放保持位置に移動すると、サイドカバーUb1の各突出部51,52は保持溝部43c,44cで支持され、サイドカバーUb1が自重により下方に移動せず、開口U2a1の開放された状態が保持される。
このとき、実施例4では、利用者等が立つ画像形成装置U01の前方又は側方にサイドカバーUb1は飛び出さず、サイドカバーUb1が作業の妨げになり難くなっている。
【実施例5】
【0059】
次に本発明の実施例5の説明をするが、この実施例5の説明において、前記実施例1〜4の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この実施例は下記の点で、前記実施例4と相違しているが、他の点では前記実施例4と同様に構成されている。
【0060】
図11は本発明の実施例5の画像形成装置の斜視図であり、図11Aはサイドカバーが通常位置にある場合の説明図、図11Bは上側のサイドカバーが開放位置にある場合の説明図、図11Cは下側のサイドカバーが開放位置にある場合の説明図である。
図12は実施例5のサイドカバーとカバーガイドの説明図であり、図12Aはサイドカバーの斜視図、図12Bはカバーガイドの説明図、図12Cは取っ手部材の説明図である。
図11、図12において、実施例5の画像形成装置本体U2には、実施例4のカバーガイド41,42に替えて、カバーガイド41′,42′が前後に一対支持されている。
なお、以降の説明において、後側のカバーガイド42′は、前側のカバーガイド41′と同様に構成されるため、その詳細な説明は省略する。
【0061】
図12Bにおいて、実施例5のカバーガイド41′の中央部から下側には、上下方向に並行して延びる一対の下側第一案内溝43′及び下側第二案内溝44′が形成されている。
前記案内溝43′,44′は、前記カバーガイド41′の下端側から中央部まで延びる下側開閉溝部43a′,44a′と、前記下側開閉溝部43a′,44a′の下端部から画像形成装置本体U2の内側に向って水平方向に延びる下側接離溝部43b′,44b′と、前記下側開閉溝部43a′,44a′の上端部から延びる実施例4と同様の保持溝部43c,44cと、を有している。
【0062】
また、実施例5のカバーガイド41′の中央部から上側には、上下方向に並行して延びる一対の上側第一案内溝43″及び上側第二案内溝44″が形成されている。
前記案内溝43″,44″は、前記カバーガイド41′の上端側から中央部まで延びる上側開閉溝部43a″,44a″と、前記上側開閉溝部43a″,44a″の上端部から画像形成装置本体U2の内側に向って水平方向に延びる上側接離溝部43b″,44b″と、を有している。
【0063】
図11、図12Aにおいて、前記カバーガイド41′,42′には、実施例4のサイドカバーUb1に比べて上下方向の長さが半分ほどであるという点以外は、実施例4のサイドカバーUb1と同様に構成されたサイドカバーUb1′,Ub1′が上下対称に一対支持される。
実施例5では、前記各突出部51,52が接離溝部43b″,44b″に沿って移動して、上側のサイドカバーUb1′が、開口U2aが閉塞された図11Aに示す通常位置から、画像形成装置本体U2側から離間する方向にスライド移動する。また、前記各突出部51,52が開閉溝部43a″,44a″に沿って移動して、前記上側のサイドカバーUb1′が、開口U2a1が開放された図11Bに示す開放位置に移動する。
なお、下側のサイドカバーUb1′は、上側のサイドカバーUb1′と上下対称に構成されて、下側の案内溝43′,44′に案内される点以外は同様に構成されるため、その詳細な説明は省略する。
【0064】
前記上側のカバーガイドUb1′の左面上方には、取っ手支持部16が形成されており、取っ手部材17″が前記取っ手支持軸16aに揺動可能に支持されている。
実施例5の取っ手部材17″は、上下方向に延びる把持部17a″と、前記把持部17a″の上端から画像形成装置本体U2側に水平方向に延び、前記支持軸16aに回転可能に支持される本体部17b″と、前記本体部17″の右端部に形成された上方に突出する開放防止部の一例としてのラッチ部17c″と、を有する。
【0065】
前記ラッチ部17c″の左側には、開口U2a1の上方に設けられた係合部U2b′に引っ掛かりサイドカバーUb1′の移動が規制される移動規制面17e″が形成されている。また、前記ラッチ部17c″には、前記移動規制面17e″の上端から前記本体部17b″の右端に向けて斜めに延びる接触部17f″が形成されている。
前記取っ手部材17″は、前記本体部17b″の左端側で、取っ手支持部16に支持されたコイルバネ18により下側に付勢されており、図12Cに示す規制位置に保持される。
したがって、規制位置に保持された取っ手部材17″により、サイドカバーUb1′は画像形成装置本体U2から離間する方向、すなわち、通常位置からの移動が規制される。また、取っ手部材17″の把持部17a″が把持されると、取っ手部材17″が回転し、ラッチ部17c″が係合部U2b′から離れ、サイドカバーUb1′は通常位置からの移動が可能となる。
【0066】
(実施例5の作用)
前記構成を備えた実施例5の画像形成装置U01′では、上側のサイドカバーUb1′が、図11Aに示す通常位置と図11Bに示す開放位置との間を上下に移動し、下側のサイドカバーUb1′が、図11Aに示す通常位置と図11Cに示す開放位置との間を上下に移動する。
すなわち、実施例5でも、サイドカバーUb1′,Ub1′は、接離溝部43b′,44b′,43b″,44b″、開閉溝部43a′,44a′,43a″,44a″に沿ってスライド移動しており、実施例4と同様に上下方向に移動する構成で設置に必要な空間が低減されている。
また、実施例5のサイドカバーUb1′,Ub1′は、実施例4のサイドカバーUb1に比べて大きさが小さく、サイドカバーUb1′の移動時の操作性が向上している。
【実施例6】
【0067】
次に本発明の実施例6の説明をするが、この実施例6の説明において、前記実施例1〜5の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この実施例は下記の点で、前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成される。
図13は本発明の実施例6の画像形成装置の斜視図であって、サイドカバー本体部が開放位置と回避位置との間を移動する際の説明図である。
図13において、実施例6の画像形成装置本体U01″には、実施例1のサイドカバーUbに替えて、上下に延びる四角柱状の後端支持部の一例としてのスライダ部51と、前記スライダ部51の前端に支持される開閉部材本体の一例としてのサイドカバー本体部52と、を有するサイドカバーUb1″が支持される。
前記スライダ部51の上端面及び下端面には、実施例1のサイドカバーUbと同様に、第一被案内突出部11、第二被案内突出部12が形成され、コロ13が回転可能に支持されている。
【0068】
前記サイドカバー本体部52は、スライダ部51に対して、上部、中央部、下部に配置された蝶番部材の一例としてのヒンジ53により、上下方向の軸を中心として、図13の実線で示す回避位置と、図13の破線で示す開放位置との間で、回転可能に支持されている。
図13の実線で示されたサイドカバー本体部52において、サイドカバー本体部52の右側には、実施例1と同様に、取っ手部材17が支持されている。
前記スライダ部51、サイドカバー本体部52、ヒンジ53等により、実施例6のサイドカバーUb1″が構成されている。
前記サイドカバーUb1″の画像形成装置本体U2側の面には、画像形成装置本体U2側の各部材SHa,Ra1,Rr1に対応するカバー側搬送ガイドSHb、従動ロールRa2、従動レジロールRr2が支持されている。
なお、実施例6では、従動ロールRa2、従動レジロールRr2は、前後方向であるシート幅方向に空間を空けて複数個配置されており、配置された位置に応じて、スライダ部51と、サイドカバー本体部52と、に支持される。また、二次転写ロールT2bは画像形成装置本体U2側に支持されている。
【0069】
(実施例6の作用)
前記構成を備えた実施例6の画像形成装置U01″では、実施例1と同様に、サイドカバーUb1″が、通常位置から開放位置にスライドして、開口U2a1が開放される。そして、図13の破線で示された開放位置に移動したサイドカバーUb1″において、サイドカバー本体部52の取っ手部材17側が、画像形成装置本体U2側に押されると、図13の実線で示すように、サイドカバー本体部52は、ヒンジ53を中心に回転して、画像形成装置本体U2前面に沿う回避位置に移動する。
すなわち、実施例2に示した構成では、第二被案内突出部12を中心に第一被案内突出部11が回転溝部3cに案内されてサイドカバーUbが回転していたが、実施例6では、ヒンジ53によりサイドカバー本体部52が回転している。
したがって、実施例6の画像形成装置U01″では、実施例1等と同様に、開口U2a1を開放させる際の設置に必要な空間が低減されると共に、実施例2と同様に、開口U2a1の開放時の画像形成装置U01″の占有空間が低減される。
【0070】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H010)を下記に例示する。
(H01)前記各実施例において、画像形成装置U〜Ub1″の一例として複写機による構成を例示したが、これに限定されず、プリンタ、FAX、あるいはこれら複数の機能を備えた複合機等に適用可能である。また、電子写真方式の画像形成装置に限定されず、インクジェット記録方式やサーマルヘッド方式などをはじめリソグラフ等の印刷機等任意の画像形成方式の画像形成装置に適用可能である。また、多色現像の画像形成装置に限定されず、単色、いわゆるモノクロの画像形成装置により構成することも可能である。
【0071】
(H02)前記各実施例において、サイドカバーUb〜Ub1″の移動により、開口U2a1が開放されてシート搬送路SHが露出する構成を例示したが、これに限定されない。例えば、画像形成装置本体U2のフロントカバーUaに適用して、画像形成装置本体U2の内部を露出させることも可能である。
(H03)前記各実施例における一対の搬送部材Ra,Rrにおいて、カバー側の搬送部材Ra2,Rr2は、サイドカバーUb〜Ub1″と共に移動する構成が望ましいが、対向する搬送部材Ra1,Rr1と共に画像形成装置本体U2に支持されて、サイドカバーUb〜Ub1″と共に移動しない構成も可能である。
【0072】
(H04)前記各実施例において、サイドカバーUb〜Ub1″は、開閉溝部,接離溝部により、画像形成装置本体U2から離間する方向に移動して、通常位置から開放位置に移動する構成が望ましいが、接離溝部を省略して、開閉溝部により通常位置から開放位置に移動する構成も可能である。
(H05)前記各実施例1〜4,6において、移動補助部材の一例として、コロによる構成を例示したが、これに限定されず、例えば、球体が回転するボールキャスターによる構成も可能である。
(H06)前記各実施例において、移動補助部材の一例としてのコロやボールキャスターが設けられた構成が望ましいが、これを省略することも可能である。
【0073】
(H07)前記各実施例において、サイドカバーUb〜Ub1″は、カバーガイドの案内溝により、サイドカバーUb〜Ub1″の端部に設けられた突出部材が案内されて、通常位置から開放位置にスライド移動する構成を例示したが、これに限定されない。例えば、自動車のスライドドア、昇降棚、引き戸等、従来公知の任意のスライド移動機構を適用して、サイドカバーUb〜Ub1″を画像形成装置U2の外面U2aに沿って移動させることも可能である。
(H08)前記実施例1,2,6において、ただ一つのサイドカバーUb,Ub1″が移動することにより、開口U2a1が開放される構成を例示したが、これに限定されない。例えば、上下に複数分割された各サイドカバーが、それぞれ、通常位置と開放位置の間をスライド移動して、開口U2a1が開放される構成も可能である。
【0074】
(H09)前記実施例5において、上側のサイドカバーUb1′は下にスライド移動して開放位置に到達し、下側のサイドカバーUb1′は上にスライド移動して開放位置に到達する構成を例示したが、上側のサイドカバーUb1′は、さらに上にスライド移動して、実施例4のように画像形成装置本体U2の上側の開放位置に移動する構成も可能である。
(H010)前記実施例6において、サイドカバーUb1″に支持された従動ロールRa2や従動レジロールRr2は、前後方向に複数個配置され、スライダ部51と、サイドカバー本体部52と、に支持される構成を例示したが、これに限定されない。
例えば、スライダ部51の前後方向の幅を小さくして、全ての従動ロールRa2、従動レジロールRr2を、サイドカバー本体部52に支持させて、前記サイドカバー本体部52を、スライダ部51によりスライド移動させ、ヒンジ53によりスライダ部51に対して回転移動させる構成も可能である。
【符号の説明】
【0075】
Ra,Rr…搬送部材対、Ra1,Rr1…第一の搬送部材、Ra2,Rr2…第二の搬送部材、S…媒体、SH…搬送路、SHa…第一の搬送案内部材、SHb…第二の搬送案内部材、U,U′,U″,U01,U01′,U01″…画像形成装置、U2…画像形成装置本体、U2a…外面、U2a1…開口、Ub,Ub″,Ub1,Ub1′,Ub1″…開閉部材。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外面に開口が形成された画像形成装置本体と、
前記開口を開閉する開閉部材であって、前記開口を閉塞する通常位置と、前記開口を開放して、前記画像形成装置本体内部を露出させる開放位置と、の間を、前記外面に沿って移動可能に支持された前記開閉部材と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
対向して配置された第一の搬送案内部材及び第二の搬送案内部材の間の空間により構成され、媒体が搬送される搬送路と、
前記画像形成装置本体に支持された前記第一の搬送案内部材と、
前記開閉部材に支持され、且つ前記開閉部材の開閉に伴って、前記第一の搬送案内部材から離間して、前記搬送路を開放する前記第二の搬送案内部材と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
対向して配置された第一の搬送部材及び第二の搬送部材により構成される搬送部材対であって、前記第一の搬送部材及び前記第二の搬送部材が互いに接触し、前記媒体を搬送する前記搬送部材対と、
前記画像形成装置本体に支持された前記第一の搬送部材と、
前記開閉部材に支持され、且つ前記開閉部材の開閉に伴って、前記第一の搬送部材から離間する前記第二の搬送部材と、
を備えたことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項1】
外面に開口が形成された画像形成装置本体と、
前記開口を開閉する開閉部材であって、前記開口を閉塞する通常位置と、前記開口を開放して、前記画像形成装置本体内部を露出させる開放位置と、の間を、前記外面に沿って移動可能に支持された前記開閉部材と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
対向して配置された第一の搬送案内部材及び第二の搬送案内部材の間の空間により構成され、媒体が搬送される搬送路と、
前記画像形成装置本体に支持された前記第一の搬送案内部材と、
前記開閉部材に支持され、且つ前記開閉部材の開閉に伴って、前記第一の搬送案内部材から離間して、前記搬送路を開放する前記第二の搬送案内部材と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
対向して配置された第一の搬送部材及び第二の搬送部材により構成される搬送部材対であって、前記第一の搬送部材及び前記第二の搬送部材が互いに接触し、前記媒体を搬送する前記搬送部材対と、
前記画像形成装置本体に支持された前記第一の搬送部材と、
前記開閉部材に支持され、且つ前記開閉部材の開閉に伴って、前記第一の搬送部材から離間する前記第二の搬送部材と、
を備えたことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−176104(P2010−176104A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−21992(P2009−21992)
【出願日】平成21年2月2日(2009.2.2)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月2日(2009.2.2)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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