説明

画像形成装置

【課題】画像形成装置の稼動直後であっても、定着ユニットを速やかに取り出せるようにする。
【解決手段】トナー像Tを担持する記録材Pにトナー像を加熱定着する加熱定着部材30と前記加熱定着部材を支持するフレーム33とを有する定着ユニット19と、前記定着ユニットに冷却用エアーAを送風するファン60と、を有し、前記定着ユニットを取り外し可能に装着している画像形成装置において、前記定着ユニットは、前記フレームに把手34を有するとともに、前記把手と前記加熱定着部材との間に前記冷却用エアーが通る風路35を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真複写機、電子写真プリンタなどの画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真式の複写機やプリンタなどの画像形成装置には定着装置(定着器)が搭載されている。定着装置として、例えば熱ローラ方式の定着装置が知られている。このタイプの定着装置は、ハロゲンランプと、ハロゲンランプにより加熱される定着ローラ(加熱ローラ)と、定着ローラとともにニップ部を形成する加圧ローラと、を有している。未定着のトナー像を担持した記録材はニップ部で挟持搬送されつつ加熱され、これによりトナー像は記録材上に加熱定着される。
【0003】
ところで、画像形成装置において、定着装置の定着ローラは、加圧ローラに圧接され、更にハロゲンランプにより熱を与えられて高温になっている。このため、定着ローラは、劣化が激しく、比較的短周期でのメンテナンスが余儀なくされている。
【0004】
そこで、画像形成装置では、画像形成装置本体から定着装置のみを取り出してその定着装置をメンテナンスできるようにする等の工夫がなされている。
【0005】
画像形成装置の稼動直後に画像形成装置本体から定着装置を取り出す場合、定着装置は定着ローラのみならずその定着ローラ周辺部分も高温になっているため、熱に対して十分に注意を払う必要があった。又、熱のみに注意が払われると、高温の定着ローラ及びその定着ローラ周辺部分が常温に温度低下するまで待つ必要があり、作業効率が悪化することがあった。
【0006】
そこで、特許文献1〜3には、メンテナンス時に定着装置をファンによって冷却する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実開平2−134564号公報
【特許文献2】特開平5−197235号公報
【特許文献3】特開平11−219096号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
定着装置のメンテナンスを考慮して定着装置を画像形成装置本体に取り外し可能に装着している画像形成装置では、画像形成装置の稼動直後に定着装置を機外へ取り出せることが望まれている。
【0009】
本発明の目的は、画像形成装置の稼動直後であっても、定着ユニットを速やかに取り出せるようにした画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための構成は、トナー像を担持する記録材にトナー像を加熱定着する加熱定着部材と前記加熱定着部材を支持するフレームとを有する定着ユニットと、前記定着ユニットに冷却用エアーを送風するファンと、を有し、前記定着ユニットを取り外し可能に装着している画像形成装置において、前記定着ユニットは、前記フレームに把手を有するとともに、前記把手と前記加熱定着部材との間に前記冷却用エアーが通る風路を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、画像形成装置の稼動直後であっても、定着ユニットを速やかに取り出せるようにした画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施例1に係る画像形成装置の横断面模式図である。
【図2】定着装置とファンの説明図である。
【図3】定着装置の出口ガイドの説明図である。
【図4】定着装置のダクトを通る冷却用エアーの流れを表す説明図である。
【図5】定着装置を装置本体から取り出すときの説明図である。
【図6】実施例2に係る画像形成装置の横断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明を図面に基づいて説明する。
【0014】
[実施例1]
(1)画像形成装置の全体構成
図1は本実施例1に係る画像形成装置100の横断面模式図である。この画像形成装置100は電子写真式のフルカラーレーザープリンタである。
【0015】
本実施例1に示す画像形成装置100は、画像形成装置100の筐体を構成する画像形成装置本体(以下、装置本体と記す)101の内部に、第1〜第4の4つの画像形成部1Y・1M・1C・1Bkと、中間転写ベルト8などを有している。無端状でフレキシブルな中間転写ベルト(以下、ベルトと記す)8は、二次転写対向ローラ9とターンローラ10とテンションロ−ラ11との間に張架されていて、二次転写対向ローラ9が駆動されることにより矢印方向に所定の速度で回転する。17は二次転写ローラであり、二次転写対向ローラ9に対してベルト8を介して圧接している。ベルト8と二次転写ローラ17との当接部が二次転写部である。
【0016】
第1〜第4の4つの画像形成部1Y・1M・1C・1Bkは、ベルト8の下側においてベルト移動方向に沿って所定の間隔をおいて配列されている。各画像形成部1Y・1M・1C・1Bkはレーザ露光方式の電子写真プロセス機構であり、それぞれ、矢印方向に所定の速度で回転駆動されるドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラムと記す)2を有している。各感光ドラム2の周囲には、一次帯電器3、現像装置4、一次転写ローラ5、ドラムクリーニング装置6が配置されている。各一次転写ローラ5はベルト8の内側に配置してあり、ベルト8の下行き側部分を介して対応する感光ドラム2に対して圧接している。各感光ドラム2とベルト8との当接部が一次転写部である。7は各画像形成部1Y・1M・1C・1Bkの感光ドラム2に対するレーザ露光装置であり、入力する画像情報の電気的信号に対応した発光を行うレーザ発光手段、ポリゴンミラー、反射ミラー等で構成されている。
【0017】
本実施例1の画像形成装置100は、装置本体101に設けられている制御回路部(不図示)がホストコンピュータなどの外部装置(不図示)から入力されたプリント信号に基づいて各画像形成部を作像動作させる。
【0018】
まず、1色目のイエローの画像形成部1Yにおいて感光ドラム2を矢印方向へ回転する。またベルト8を感光ドラム2の外周速度と同期して矢印方向へ回転する。そしてこの感光ドラム2の外周面(表面)を一次帯電器3により所定の極性・電位に均一に帯電する。次に、レーザ露光装置7において画像情報に応じたレーザー光をポリゴンミラーの回転によって感光ドラム2表面に走査露光する。これにより均一に帯電された感光ドラム2表面に画像情報に応じた静電潜像が形成される。そしてその潜像が現像装置4によりイエローのトナー(現像剤)によって現像され、感光ドラム2表面にトナー像が形成される。感光ドラム2表面に形成されたトナー像は一次転写ローラ5によってベルト8の外周面(表面)に転写される。
【0019】
同様の画像形成工程がマゼンタ・シアン・ブラックの各画像形成部1M・1C・1Bkにおいても行われる。そして各画像形成部1M・1C・1Bkの感光ドラム2表面に各色のトナー像が形成され、先に形成されたトナー像の後に形成されたトナー像が一次転写ローラ5によってベルト8表面に順番に重ねて転写される。これにより、ベルト8表面に上記4つの色トナー像の重ね合わせによる未定着のフルカラートナー像が合成形成される。
【0020】
上記において、第1〜第4の4つの画像形成部1Y・1M・1C・1Bk及びベルト8がトナー像(現像像)を形成する画像形成手段である。
【0021】
各画像形成部1Y・1M・1C・1Bkにおいて、ベルト8に対するトナー像の一次転写後の感光ドラム2表面に残留する一次転写残トナーは廃トナーとしてドラムクリーニング装置6で除去される。
【0022】
一方、所定の給紙タイミングにて、ピックアップローラ14が駆動されて、給紙カセット13に積載収納されている記録材Pが1枚分離給紙され、縦搬送パス15を通ってレジストローラ対16に搬送される。
【0023】
レジストローラ対16は、回転するベルト8表面の未定着フルカラートナー像の先端が二次転写部に到達するタイミングに合わせて記録材Pの先端部が二次転写部に到達するように記録材Pをタイミング搬送する。これにより、二次転写部において、ベルト8表面の未定着のフルカラートナー像が一括して記録材Pの面上に順次に二次転写されていく。二次転写部を出た記録材Pはベルト8表面から分離され、縦ガイド18に案内されて、定着装置(定着ユニット)19に導入される。この定着装置19によって未定着のフルカラートナー像に熱と圧力が付与されることによりフルカラートナー像は溶融混色されて記録材Pの面上に加熱定着される。定着装置19を出た記録材Pはフルカラー画像形成物として、内排紙搬送ローラ対20、搬送パス21、排紙搬送ローラ対22、排紙口23の経路を搬送されて、排紙トレイ24上に送り出される。
【0024】
また、記録材分離後のベルト表面上の二次転写残トナーは廃トナーとしてベルトクリーニング装置12により除去される。
【0025】
(2)定着装置の構成
以下の説明において、定着装置およびこの定着装置を構成する部材に関し、長手方向とは記録材の面において記録材搬送方向と直交する方向をいう。短手方向とは記録材の面において記録材搬送方向と平行な方向をいう。幅とは短手方向の寸法をいう。
【0026】
図2は定着装置19と冷却ファン60の説明図である。図3は定着装置19の出口ガイド36bの説明図である。
【0027】
本実施例1に示す定着装置19は、定着ローラ(加熱定着部材)30と、ハロゲンヒータ(加熱部材)31と、加圧ローラ(バックアップ部材)32などを有している。また定着装置19は、フレーム33と、把手34と、ダクト(風路)35と、記録材ガイド(ガイド部材)36などを有している。
【0028】
フレーム33は、定着ローラ30、ハロゲンヒータ31、加圧ローラ32などの部材を支持できるように長手方向に長い箱型に形成されている。
【0029】
把手34は、フレーム33の長手方向及び短手方向と直交する水平方向から見た外観形態が略逆凹字形状となるように形成されている。そしてその把手34の長手方向両端部の脚部34aの先端部34a1をフレーム33の天板33a上面の長手方向両端部内側に回転自在に取り付けている。したがって把手34は脚部34aの先端部34a1を支点としてフレーム33の天板33aに対し倒伏・起立自在である。
【0030】
定着ローラ30は、金属製の細長い円筒状の芯金30aと、この芯金30aの外周面上に長手方向両端部を残してローラ状に設けられた弾性層30bと、この弾性層30bの外周面上に設けられた離型層30cと、を有している。芯金30aとしては、アルミニウム、アルミニウム合金、SUS、真鍮等の金属材料などを使用することができる。弾性層30bは、例えばシリコーンゴム、フッ素ゴム等の耐熱性を有するゴム材料である。トナー画像との剥離性を良好にするための離型層30cは、弾性層30bの上に均一な厚みで形成されている。
【0031】
加圧ローラ32は、金属製の細長い円筒状の芯金32aと、この芯金32aの外周面上に長手方向両端部を残してローラ状に設けられた弾性層32bと、を有している。芯金32aとしては、アルミニウム、アルミニウム合金、SUS、真鍮等の金属材料などを使用することができる。弾性層32bは、例えばシリコーンゴム、フッ素ゴム等の耐熱性を有するゴム材料である。
【0032】
上記の定着ローラ30は、定着ローラ30の芯金30aの長手方向両端部がフレーム33の長手方向両側板33bに軸受(不図示)を介して回転自在に支持されている。そして定着ローラ30の芯金30aの内部に配置されたハロゲンヒータ(以下、ヒータと記す)31は、ヒータ31の長手方向両端部の口金(不図示)がフレーム33の長手方向両側板33bに支持されている。上記の加圧ローラ32は、水平方向において定着ローラ30と並列に配置されている。そしてその加圧ローラ32の芯金32aの長手方向両端部がフレーム33の長手方向両側板33bに軸受(不図示)を介して回転自在に、かつ定着ローラ30側に移動自在に支持されている。そしてその加圧ローラ32は、加圧バネ(不図示)により軸受が定着ローラ30の軸線に向けて加圧されることによって加圧ローラ32の外周面(表面)が定着ローラ30の外周面(表面)に加圧状態に接触されている。これにより定着ローラ30の弾性層30bと加圧ローラ32の弾性層32bを弾性変形させて加圧ローラ32表面と定着ローラ30表面との間に所定幅の定着ニップ部(ニップ部)Nを形成している。
【0033】
ダクト35は、フレーム33の短手方向において把手34と定着ローラ30及び加圧ローラ32との間に設けられている。このダクト35は、フレーム33の長手方向において水平方向に開口する中空枠状に形成されている吸気ダクト35aと排気ダクト35bとを有している。
【0034】
記録材ガイド36は、フレーム33の短手方向において定着ニップ部Nの上方と下方にそれぞれ設けられている。定着ニップ部Nの下方に設けられている入口ガイド36aは、縦ガイド18(図1参照)から出た記録材Pを定着ニップ部Nに導くためのものである。この入口ガイド36aは、水平方向において相対向するようにフレーム33の底板33cに支持されている2つのガイド板からなっている。定着ニップ部Nの上方に設けられている出口ガイド36bは、定着ニップ部Nから出た記録材Pを排紙搬送ローラ対20(図1参照)に導くためのものである。この出口ガイド36bは、吸気ダクト35aと排気ダクト35bとの間に配置されている。そしてこの出口ガイド36bは、水平方向において相対向するようにフレーム33の長手方向両側板33bに支持されている2つのガイド板からなっている。そしてその2つのガイド板は、それぞれフレーム33の短手方向に沿って孔36b1(図3参照)を多数有している。
【0035】
本実施例1の定着装置19は、装置本体101の内部に設けられている伸縮可能な一対のスライドレール(定着ユニット支持部材)50(図1)を連結している連結部材51にフレーム33の底板33cが取り外し可能に装着されている。一対のスライドレール50は水平方向において装置本体101の内部から外部に伸長するように装置本体101に設けられている。そしてスライドレール50を収縮させ装置本体101の内部に連結部材51とともに定着装置19を収納してその連結部材51を所定のロック機構(不図示)により所定の位置に動かないようにロックするようにしている。連結部材51を所定の位置に固定することにより、定着装置19の入口ガイド36aへの記録材Pの導入が可能となり、定着装置19の出口ガイド36bから内排紙搬送ローラ対20への記録材Pの排出が可能となる。
【0036】
上記定着装置19を連結部材51に取り外し可能に装着できるようにするため、装置本体101には図1に示されるように軸102aを支点として開閉する本体カバー102が設けられている。
【0037】
(3)定着装置の加熱定着動作
プリント信号に応じて制御回路部は定着モータ(不図示)を駆動する。その定着モータMの駆動によって加圧ローラ32の芯金32aの長手方向端部に設けられた駆動ギア(不図示)が回転されることにより、加圧ローラ32は矢印方向に所定の周速度(プロセススピード)で回転する。その加圧ローラ32の回転は定着ニップ部Nを介して定着ローラ30表面に伝達され、これにより定着ローラ30は加圧ローラ32の回転に追従して矢印方向に回転する。
【0038】
またプリント信号に応じて制御回路部は、ヒータ31に電力を供給するように電力供給回路(不図示)を制御する。これにより電力供給回路からヒータ31に電力が供給され、ヒータ31は発熱する。ヒータ31の発熱により定着ローラ30の芯金30a、弾性層30b、離型層30cが加熱され、これによって定着ローラ30表面が昇温する。また加圧ローラ32の回転に追従して定着ローラ30が回転することにより、定着ローラ30の表面温度と加圧ローラ32の表面温度が略等しくなる。定着ローラ30の表面温度は、定着ローラ30の表面近傍に配設されたサーミスタ(温度検知部材)THによって検知される。制御回路部は、サーミスタTHの出力信号(検知信号)に基づいて定着ローラ30の表面温度を所定の定着温度(目標温度)に維持するように、電力供給回路からヒータ31に供給する電力を制御する。定着温度は約180[℃]である。
【0039】
加圧ローラ32及び定着ローラ30の回転が安定し、かつ定着ローラ30の表面温度が所定の定着温度に維持された状態で、未定着のフルカラートナー像Tを担持した記録材Pが定着ニップ部Nに導入される。その記録材Pは定着ニップ部Nで定着ローラ30表面と加圧ローラ32表面により挟持されその状態に搬送される。そしてその搬送過程においてトナー像T及び記録材Pに定着ローラ30表面の熱と定着ニップ部Nのニップ圧を付与することによりトナー像Tは記録材Pの面上に加熱定着される。
【0040】
(4)定着装置のダクトを通る冷却用エアーの説明
図4は定着装置19のダクト35を通る冷却用エアーAの流れを表す説明図である。図5は定着装置19を装置本体101から取り出すときの説明図である。
【0041】
装置本体101の内部には、水平方向において定着装置19の吸気ダクト35aと対向する位置に冷却ファン(ファン)60を設けている。本体カバー102には、水平方向において定着装置19の排気ダクト35bと対向する位置に排気ファン61を設けている。冷却ファン60と排気ファン61は、それぞれ、画像形成装置100をメンテナンスモードに設定した場合に制御回路部から出力される駆動指令信号に応じて回転駆動されるようになっている。
【0042】
冷却ファン60と排気ファン61が回転駆動すると、図4に示すように、冷却ファン60から定着装置19のダクト35に冷却用エアー(以下、エアーと記す)Aが送風され、そのエアーAは排気ファン61によって装置本体101の外部に排出される。すなわち、エアーAはダクト35の吸気ダクト35aを通って出口ガイド36bの孔36b1を通過した後に排気ダクト35bを通る。そして排気ダクト35bを通ったエアーAは排気ファン61によって装置本体101の外部に排出される。
【0043】
本実施例1の画像形成装置100において、定着装置19の吸気ダクト35aの短手方向下面がフレーム33の天板33aに向けて傾斜する傾斜面35a1に形成してある。これにより、吸気ダクト35aを通るエアーAの定着ローラ30や加圧ローラ32への回り込みを低減でき、定着ローラ30や加圧ローラ32を冷却させてしまうことによる定着効率の低下を防止できる。
【0044】
またエアーAが通るダクト35中(風路中)に即ち吸気ダクト35aと排気ダクト35bとの間に多数の孔36b1を有する出口ガイド36bを設けている。これにより、加熱定着時に記録材Pから発散する水蒸気を含んだ空気をエアーAによって定着装置19の外部に排出でき、出口ガイド36bでの結露の発生を防止できる。
【0045】
また冷却ファン60から定着装置19のダクト35に送風されたエアーAは定着ローラ30及び加圧ローラ32の上方でダクト35に沿って流れる。これにより、定着ローラ30や加圧ローラ32より発生した熱気をエアーAによって装置本体101の外部に排出することができる。これにより、定着ローラ30や加圧ローラ32より発生した熱気が上昇してフレーム33の天板33aが熱くなることを防止できるので、把手34が天板33aの熱で熱くなることを防止できる。したがって、画像形成装置100の主電源(不図示)をオフした後に定着装置19を装置本体101から時間をおかずに速やかに取り出すことができる。つまり、画像形成装置の稼動直後であっても、定着装置19を速やかに取り出すことができる。本実施例1によれば、把手34の温度は最大でも約40[℃]であった。これは、従来に比べて約40[℃]低い結果であった。
【0046】
装置本体101から定着装置19を取り出す場合には、図1に示されるように、オペレータ(サービスマン)は軸102aを支点に本体カバー102を装置本体101の外側に回動して開く。そしてロック機構と連結部材51とのロック解除を行った後、定着装置19を装置本体101の外側に引いてスライドレール50を伸長させる。そしてその定着装置19の把手34を持って定着装置19を引き上げる。
【0047】
定着装置19の所定のメンテナンスが終了すると、オペレータは定着装置19の把手34を持って定着装置19を連結部材51に装着する。そしてその定着装置19を装置本体101の外側に押してスライドレール50を収縮させ装置本体101の内部に連結部材51とともに定着装置19を収納してその連結部材51をロック機構により所定の位置にロックする。そして軸102aを支点に本体カバー102を装置本体101側に回動して閉じる。
【0048】
[実施例2]
他の画像形成装置を説明する。
【0049】
図6は本実施例2に係る画像形成装置200の横断面模式図である。この画像形成装置200は電子写真式のモノクロレーザープリンタである。
【0050】
本実施例2に示す画像形成装置200は、画像形成装置200の筐体を構成する画像形成装置本体(以下、装置本体と記す)201の内部にドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラムと記す)301を有している。感光ドラム301の周囲には、帯電器302、現像装置303、転写ローラ304、ドラムクリーニング装置305が配置されている。306は感光ドラム301に対するレーザ露光装置であり、入力する画像情報の電気的信号に対応した発光を行うレーザ発光手段、ポリゴンミラー、反射ミラー等で構成されている。
【0051】
本実施例1の画像形成装置200は、装置本体201に設けられている制御回路部(不図示)がホストコンピュータなどの外部装置(不図示)から入力されたプリント信号に基づいて画像形成部を作像動作させる。
【0052】
まず、感光ドラム301を矢印方向へ回転する。そしてこの感光ドラム301の外周面(表面)を帯電器302により所定の極性・電位に均一に帯電する。次に、レーザ露光装置306において画像情報に応じたレーザー光をポリゴンミラーの回転によって感光ドラム301表面に走査露光する。これにより、均一に帯電された感光ドラム301表面に画像情報に応じた静電潜像が形成される。そしてその潜像が現像装置303によりトナーによって現像され、感光ドラム301表面にトナー像が形成される。
【0053】
一方、所定の給紙タイミングにて、ピックアップローラ307が駆動されて、給紙カセット308に積載収納されている記録材Pが1枚分離給紙され、レジストローラ対309に搬送される。
【0054】
レジストローラ対309は、回転する感光ドラム301表面のトナー像の先端が感光ドラム301と転写ローラ304間の転写部に到達するタイミングに合わせて記録材Pの先端部が転写部に到達するように記録材Pをタイミング搬送する。これにより、転写部において、感光ドラム301表面のトナー像が記録材Pの面上に転写されていく。転写部を出た記録材Pは感光ドラム301表面から分離され、定着装置(定着ユニット)310に導入される。この定着装置310によって未定着のトナー像に熱と圧力が付与されることによりトナー像は記録材Pの面上に加熱定着される。定着装置310を出た記録材Pは画像形成物として、内排紙搬送ローラ対311により排紙トレイ312上に送り出される。
【0055】
トナー像転写後の感光ドラム301表面に残留する転写残トナーは廃トナーとしてドラムクリーニング装置305で除去される。
【0056】
上記において、感光ドラム301と帯電器302と現像装置303と転写ローラ304とドラムクリーニング装置305とレーザ露光装置306とによってトナー像(現像像)を形成する画像形成手段が構成されている。
【0057】
本実施例2の示す定着装置310は、横断面略コ字形状のダクトを用いる点と、記録材ガイドを有していない点を除いて、実施例1の定着装置19と同じ構成としてある。したがって、本実施例2では、定着装置310について、実施例1の定着装置19と同じ部材・部分に同一符号を付して再度の説明を省略する。
【0058】
図6に示すように、定着装置310のフレーム33に設けられているダクト35は、定着装置310と内排紙搬送ローラ対311との間の記録材搬送路313側に張り出している。
【0059】
上記定着装置310を連結部材51に取り外し可能に装着できるようにするため、装置本体201には軸202aを支点として開閉する本体カバー202が設けられている。そして本体カバー202は、水平方向において定着装置310のダクト35と対向する位置に冷却ファン(ファン)70を設けている。
【0060】
冷却ファン70は、画像形成装置200をメンテナンスモードに設定した場合に制御回路部から出力される駆動指令信号に応じて回転駆動されるようになっている。
【0061】
冷却ファン70が回転駆動すると、冷却ファン70から定着装置310のダクト35にエアーAが送風され、そのエアーAはダクト35の冷却ファン70側の吸気口から定着装置310の外部に排出される。
【0062】
本実施例2の画像形成装置200においても、ダクト35の短手方向下面をフレーム33の天板33aに向けて傾斜する傾斜面35a1に形成しているので、ダクト35を通るエアーAの定着ローラ30や加圧ローラ32への回り込みを低減できる。これにより、定着ローラ30や加圧ローラ32を冷却させてしまうことによる定着効率の低下を防止できる。
【0063】
また冷却ファン60から定着装置310のダクト35に送風されたエアーAは定着ローラ30及び加圧ローラ32の上方でダクト35に沿って流れるので、定着ローラ30や加圧ローラ32より発生した熱気が上昇して天板33aが熱くなることを防止できる。これにより、把手34が天板33aの熱で熱くなることを防止できる。したがって、画像形成装置200の主電源(不図示)をオフした後に定着装置310を装置本体201から時間をおかずに速やかに取り出すことができる。つまり、画像形成装置の稼動直後であっても、定着装置310を速やかに取り出すことができる。
【0064】
装置本体101から定着装置310を取り出す場合には、オペレータは軸202aを支点に本体カバー202を装置本体201の外側に回動して開く。そしてロック機構と連結部材51とのロック解除を行った後、スライドレール50上の定着装置301を装置本体201の外側に引いてスライドレール50を伸長させる。そしてその定着装置310の把手34を持って定着装置310を引き上げる。
【0065】
定着装置310の所定のメンテナンスが終了すると、オペレータは定着装置310の把手34を持って定着装置310を連結部材51に装着する。そしてその定着装置310を装置本体201の外側に押してスライドレール50を収縮させ装置本体201の内部に連結部材51とともに定着装置310を収納してその連結部材51をロック機構により所定の位置にロックする。そして軸202aを支点に本体カバー202を装置本体201側に回動して閉じる。
【0066】
[他の実施例]
定着装置19・310において、定着ローラに代えて可撓性を有する筒状の定着フィルムを用いてもよい。その場合、セラミック製の細長い基板上に長手方向に沿って通電発熱抵抗体を設けたセラミックヒータ(加熱部材)を用いて定着フィルの加熱を行う。
【符号の説明】
【0067】
19・310 定着装置
30 定着ローラ
33 フレーム
34 把手
35 ダクト
36 記録材ガイド
36b1 孔
60・70 冷却ファン
A 冷却用エアー
T トナー像
P 記録材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー像を担持する記録材にトナー像を加熱定着する加熱定着部材と前記加熱定着部材を支持するフレームとを有する定着ユニットと、前記定着ユニットに冷却用エアーを送風するファンと、を有し、前記定着ユニットを取り外し可能に装着している画像形成装置において、
前記定着ユニットは、前記フレームに把手を有するとともに、前記把手と前記加熱定着部材との間に前記冷却用エアーが通る風路を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記冷却用エアーが通る風路中に記録材が通過するガイド部材を有し、前記ガイド部材は前記冷却用エアーが通過する孔を多数有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記把手は前記フレームに倒伏・起立自在に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記風路はダクトであり、前記ダクトは前記フレームに設けられていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2010−181667(P2010−181667A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−25604(P2009−25604)
【出願日】平成21年2月6日(2009.2.6)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】