画像形成装置
【課題】開示の画像形成装置では、蓄積文書の再利用性を大幅に向上させることを目的とする。
【解決手段】開示の画像形成装置では、入力された画像データ群を動作設定に従い出力し、かつ、該画像データ群を記憶装置に蓄積する場合、該画像データ群を動作設定内の画像編集設定に従い画像編集処理を行う前に該記憶装置に蓄積すると共に、該記憶装置に蓄積した画像データ群の付加情報として該動作設定を蓄積する蓄積文書生成手段と、前記蓄積文書生成手段により蓄積された前記画像データ群を出力させる場合、出力させる該画像データ群に対して施す画像編集設定を受け付ける再出力時動作設定手段と、前記蓄積された画像データ群に対し、前記付加情報及び前記再出力時動作設定手段により受け付けた前記画像編集設定に応じて画像編集処理を行い、該画像編集処理を行った画像データ群を出力する再出力手段と、を有する。
【解決手段】開示の画像形成装置では、入力された画像データ群を動作設定に従い出力し、かつ、該画像データ群を記憶装置に蓄積する場合、該画像データ群を動作設定内の画像編集設定に従い画像編集処理を行う前に該記憶装置に蓄積すると共に、該記憶装置に蓄積した画像データ群の付加情報として該動作設定を蓄積する蓄積文書生成手段と、前記蓄積文書生成手段により蓄積された前記画像データ群を出力させる場合、出力させる該画像データ群に対して施す画像編集設定を受け付ける再出力時動作設定手段と、前記蓄積された画像データ群に対し、前記付加情報及び前記再出力時動作設定手段により受け付けた前記画像編集設定に応じて画像編集処理を行い、該画像編集処理を行った画像データ群を出力する再出力手段と、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び記録媒体に関するものであり、再利用可能な蓄積画像に対する出力条件設定に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ、コピー、ファクシミリ、スキャナなどの各装置の機能を1つの筐体内に収納した画像形成装置(以下、「複合機」という。)が知られている。このように複合機の高機能化に伴い、入力処理された画像データを一度蓄積しておき、利用者の要望に応じて蓄積された画像データを利用し再出力するための技術がいくつか提案されている。例えば、コピー蓄積の機能では印刷画像を蓄積することで、蓄積文書を再印刷する際に、同じ仕上がりで印刷することが可能となる。しかし、出力画像を蓄積する手法では蓄積文書を特定の出力に限定してのみ再利用可能であり他の出力に利用できない課題が存在する。
【0003】
この課題を解消するために、例えば、特許文献1では、画像データを出力先が定められていない再利用のデータ形式又は、出力先が定められている再出力のデータ形式として入力を受け付ける入力受付手段と、前記入力受付手段によりいずれかのデータ形式で入力を受け付けたかにより、蓄積する画像データ形式を決定する方法をとることで蓄積された画像データを出力する際の処理の効率化させると共に出力先毎に異なる出力形態に対する適応度が向上する方法について提案されている。
【0004】
また、特許文献2では、出力別の動作条件設定を保存しておき、再出力時に動作条件を展開する手法について提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、いずれも得られた再出力画像を利用し再出力を行う場合の設定方法、特にページ単位の動作条件設定方法については課題が残る。
【0006】
そこで、本発明では、コピー蓄積時においては画像処理を一切施さない画像を蓄積し、蓄積文書を出力する際には蓄積時に設定した画像処理設定を外したり、新たに画像編集設定を追加することもできるようにすることで、蓄積文書の再利用性を大幅に向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するには、基本的には、「原稿画像群」と各画像を出力する際の出力ページごとの画像編集設定を蓄積文書情報として蓄積文書に保持しておき、それらを蓄積文書選択後、設定操作させる機能を提供すれば良い。ただし、このやり方だと、操作部表示エリアに限りがあることから、再出力を複数回繰り返すような場合、原稿画像をベースにした限られた範囲内での画像編集機能を適用することしかできない。
【0008】
通常、蓄積文書を出力する場合、前回の出力の仕上がりを再現することが期待され、そこからさらに、若干の画像編集機能の設定変更をするという利用シーンが想定されるが、これには、「前回出力したもの」からさらに設定変更するケースと、直前の設定が誤っていたため、再修正するといったケースの2通りがある。
【0009】
前者においてユーザは、最新の出力物をベースに新たに設定を追加するという操作をするが、後者の場合は、前回出力した時の設定を変えることになるため、ベースになるものは、前々回の出力物又は原稿となる。
【0010】
特に、画像編集系の機能のうち、指定色消去や範囲指定消去など、画像の内容そのものを欠落させてしまうような機能においては、上記のように画像編集の対象となる画像がどの時点のものであるかという情報が重要である。
【0011】
蓄積文書を前回出力時同様に再出力することが前提であるならば、基本的には、前回の出力物をベースに設定変更をするのが一般的だが、消去系機能を用いて画像を欠落させてしまったような場合は、欠落のない状態、即ち、前々回の出力物もしくは原稿画像からの再編集をしなおすことも考えられる。
【0012】
蓄積文書の再利用性において、上述の機能を達成するには、単純に原稿画像を基準に動作設定しなおすだけでなく、選択した蓄積文書を前回出力したとおりに出力するという前提も踏まえた(出力物を基準にした)、動作設定を可能にすることで解決できる。
【発明の効果】
【0013】
開示の画像形成装置は、蓄積文書の再利用性を大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】画像形成装置のソフトウェア構成の一例を示す図である。
【図2】画像形成装置による条件生成処理のシーケンス図である。
【図3】アプリケーションの一覧画面例である。
【図4】画像形成装置の操作画面の一例である。
【図5】画像形成装置による条件設定処理のシーケンス図である。
【図6】画像形成装置の操作画面の一例である。
【図7】画像形成装置による接続処理のシーケンス図である。
【図8】画像形成装置による各フィルタに実行が行われたときの処理のシーケンス図である。
【図9】画像形成装置による再出力条件保管処理のシーケンス図である。
【図10】永続化データの一例を示す図である。
【図11】各フィルタが永続化するデータの流れを示す図である。
【図12】原稿、出力物、及び蓄積画像を説明するための図である。
【図13】画像形成装置による保管文書の一覧表示処理のシーケンス図である。
【図14】保管文書の一覧表示例である。
【図15】画像形成装置による出力条件展開処理のシーケンス図である。
【図16】第1の実施例におけるデータの流れを示す図である。
【図17】動作条件が展開された部分の画面例である。
【図18】第1の実施例において出力条件が展開された文書に再編集を加え、再印刷した場合のシーケンス図である。
【図19】第1の実施例における出力条件の保存処理のシーケンス図である。
【図20】第2の実施例の概念図である。
【図21】第2の実施例における保存時の編集データの一例を示す図である。
【図22】第2の実施例における再出力時に動作条件が展開された部分の画面例である。
【図23】第3の実施例の概念図である。
【図24】第3の実施例における保存時の編集データの一例を示す図である。
【図25】第3の実施例における再出力時に動作条件が展開された部分の画面例である。
【図26】第3の実施例における出力条件展開時のシーケンス図である
【図27】追加、修正の何れかの操作を選択する際の画面フローを示す図である。
【図28】追加、修正の何れかの操作を選択する初期設定画面の一例を示す図である。
【図29】第4の実施例における画像と永続化データの流れを示す図である。
【図30】第4の実施例における処理のシーケンス図である。
【図31】第5の実施例における画像と永続化データの流れを示す図である。
【図32】第5の実施例における処理のシーケンス図である。
【図33】第6の実施例における画像と永続化データの流れを示す図である。
【図34】第6の実施例における処理のシーケンス図である。
【図35】第7の実施例における画像と永続化データの流れを示す図である。
【図36】第7の実施例における処理のシーケンス図である。
【図37】複製された出力条件を選択する画面フローを示す図である。
【図38】画像形成装置の動作を切り替える初期設定例を示す図である。
【図39】蓄積文書選択時の画面フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
<全体構成>
図1を用いて、本実施の形態で用いる画像形成装置の制御コンポーネントの構成を説明する。図1中で示すコンポーネントの主な責務は以下の通りである。
【0016】
マルチ文書アクティビティ10は、複数コンポーネント(特にフィルタ)を組み合わせて、主に文書操作系のサービスを実現するアプリケーションである。読取フィルタ20は、画像形成装置のスキャナデバイスを制御することで原稿読取を読み取り、機器内で取り扱い可能な形で画像データを生成する画像入力機能を提供する。
【0017】
編集フィルタ30、50は、画像形成装置内の図示しない画像処理ユニット(IPU)を制御することで画像編集処理機能を提供する。印刷フィルタ40は、画像形成装置のプロッタデバイスを制御することで、機器内で加工された画像データを紙などの媒体に転写することによって機器外に出力する画像出力機能を提供する。
【0018】
インフォメーション(書誌情報)100は、リポジトリサービス80が持つ書誌情報に対するCRUD(Create、Read、Update、Delete)機能をユーザにサービスとしてユーザに提供するアプリケーションである。保管文書読出フィルタ60は、画像形成装置の記憶デバイスを制御することで永続化されている画像データ(保管文書)を取り出す機能を提供するコンポーネントである。
【0019】
保管文書登録フィルタ70は、画像形成装置の記憶デバイスを制御することで画像データを永続化する(保管文書化)機能を提供するコンポーネントである。リポジトリサービス80は、画像形成装置の記憶デバイスに永続化された画像データを保管文書としてユーザに認識させるための情報(書誌情報)を管理する機能(CRUD)を提供するコンポーネントである。データ管理90は、装置内のHDD、NV−RAMなどに装置を制御するために永続的に記憶する情報を管理するコンポーネントである。
【0020】
次に、アプリ画面表示から文書保管を伴う多出力ジョブを実行する、一連の動作について説明する。ここでは、コピー処理を行うと共に、蓄積処理を行う処理例について説明する。
【0021】
はじめに、条件生成について説明する。図2に条件設定処理のシーケンスを示す。ユーザは条件設定を行うために、設定画面を表示する。設定画面は、アクティビティが生成する条件に基づいて作成される。電源を入れて機器が起動すると、図3のアプリケーション一覧画面が表示される。
【0022】
ここで、ユーザがアプリキーを押下して利用すると、図2に記載される処理が実施される。シーケンスでは、利用アプリをマルチ文書操作アクティビティ10として記載している。アプリキーが押下されると、操作部デバイスよりマルチ文書操作アクティビティ10に対して、「条件生成」が行われる。
【0023】
マルチ文書アクティビティ10は、これを受けて各フィルタに「条件生成」を行っていく。ここで説明する処理例はコピー蓄積を行う場合であるので、利用するフィルタは、読取フィルタ20、編集フィルタ30、50、印刷フィルタ40、及び保管文書登録フィルタ70である。マルチ文書アクティビティ10による条件生成が終ると、操作部デバイスより各UI(User Interface)に対して、「画面描画」が行われる。ここでのUIは、マルチ文書アクティビティUI、読み取りUI、編集UI、印刷UI、保管文書登録UIである。UIは、画面描画を受けると、生成された条件を元に画面を作成し、最終的に図4に示す画面を表示する。これで、ユーザは条件設定が可能になる。
【0024】
<基本動作説明>
次に、条件設定の説明を行う。図5に条件設定処理のシーケンスを示す。ここでは、「内消去:5箇所、両面」を設定する場合の処理例を説明する。ここで、「内消去」とは、画像データ内で指定する領域のデータを消去する処理であり、「内消去:5箇所」とは、1つの画像データ内で5つの領域を指定し、指定した5つの領域に対応する(存在する)データを消去する処理である。
【0025】
はじめに、操作画面にて「内消去」を設定すると、操作部デバイスから編集UI(1)に「条件設定」が行われる。「内消去」の設定は、編集UI(1)上にボタンが表示されているため、キー押下すると、編集UI(1)に対して「条件設定」を行うことになる。これは、設定項目(ここでは、「内消去」)に関係する機能を保持しているフィルタのUIに対して指示(ここでは、「条件設定」)が行われるようになっているためである。
【0026】
編集UI(1)は、編集フィルタ(1)30に対して「条件設定」を行う。編集フィルタ(1)30は、編集条件内の「内消去」を5箇所に設定し、「設定変更通知」にて設定が変更されたことをマルチ文書アクティビティ10に通知する。
【0027】
マルチ文書アクティビティ10はこれを受けて、編集フィルタ(2)50に対して同様の設定を実施する。これは、文書保管の為の画像処理と印刷の為の画像処理を同じものにするためであるが、多出力の場合、各出力に対する画像処理をどのような設定で実施するかについては、各アクティビティコンポーネントで規定されるため、実施されなくとも構わない。このように、マルチ文書アクティビティ10は、各フィルタの設定変化に応じて他のフィルタの設定内容を調整している。
【0028】
両面印刷の場合も同様である。操作画面にて、両面印刷が設定されると、操作部デバイスから印刷UIに対して「条件設定」が行われる。印刷UIは、印刷フィルタ40に対して「条件設定」を行う。
【0029】
印刷フィルタ40は、印刷条件内の印刷面設定を両面に設定し、「設定変更通知」にて設定が変更されたことをマルチ文書アクティビティ10に通知する。両面印刷の場合は、この設定を受けて他のフィルタの設定を変更する必要がないので、集約を設定したときのような設定調整動作はない。
【0030】
続いて、文書保管の為の設定について説明する。ここでは、保管文書の文書名の設定を行っている。他の設定の場合と同じように、操作部デバイスから保管文書登録UIに「条件設定」を実施する。
【0031】
保管文書登録UIは、保管文書登録フィルタ70に対して「条件設定」を行う。保管文書フィルタ70は、文書名の設定を、指定された値(sample.doc)に設定し、「設定変更通知」にて設定が変更されたことをマルチ文書アクティビティ10に通知する。条件設定後の画面は図6となる。ユーザは条件設定を終えたら、スタートキーを押下して実行する。以下では、スタートキー押下後、コピー蓄積が実行される処理を説明していく。
【0032】
ジョブ生成と生成されたジョブの接続処理について説明を行う。図7に接続処理のシーケンスを示す。操作部デバイスからマルチ文書アクティビティ10に「実行」を実施する。実行を受けて、マルチ文書アクティビティ10は、実行時の条件により生成すべきジョブを判断し、必要なジョブの生成を行う。
【0033】
ここでの処理はコピー蓄積であるので、利用するフィルタは、読取フィルタ20、編集フィルタ30、50、印刷フィルタ40、及び保管文書登録フィルタ70に対してそれぞれ「ジョブ生成」を行う。必要なフィルタのジョブが生成されたら入力フィルタから出力フィルタに接続されるように画像の要求元と要求先の関連付けを行う。フィルタは、ここで関連付けられた画像要求先(フィルタ)から画像を受け取って、自コンポーネントでの処理を実施することになる。フィルタ間の接続処理が終ると、マルチ文書アクティビティ10は各フィルタに対して「実行」を実施する。再出力条件の保管については別途後述する。
【0034】
次に、各フィルタに実行が行われたときの処理を説明する。図8に当該処理のシーケンスを示す。実行指示を受けたフィルタはパイプを仲介して関連付けされた要求先フィルタに対して画像取得要求を行い、取得できた画像に対し、順次処理を施していく。処理済みの画像は、パイプを経由して順次要求元フィルタに流していく。
【0035】
要求先フィルタから得られる画像をすべて取得し、要求元フィルタへ流し終えるとジョブ終了となる。フィルタは、処理の進捗状態に合わせて逐次、「進捗状態通知」によってその情報をマルチ文書アクティビティに知らせる。
【0036】
進捗状態通知には、入力では原稿枚数表示、出力では印刷枚数表示、その他エラー状態、ジョブの開始、終了状態の通知などがある。
【0037】
次に、再出力条件保管の処理を説明する。図9に当該処理のシーケンスを示す。再出力時のための条件の保管は、スタートキーが押下された後、文書操作(保管文書作成多出力)を実現するためのパイプとフィルタの接続が終了した後に実施される。図9は、紙原稿を読み取って印刷する出力と読み取った画像データを機内に保管する出力の例である。
【0038】
はじめに、マルチ文書アクティビティ10は、保管文書と出力条件の関連づけを行うために、保管文書登録に対し「再出力条件を追加する」を行う。再出力条件であるので、ユーザが設定した内容をすべて保管するわけではなく、文書保管以外の出力に関する条件群を再出力条件として保管文書と関連付けて永続化する。また、入力に関する設定内容は保管対象とならない。
【0039】
ここで取り上げているコピー蓄積の場合は、印刷条件と印刷に紐付く編集の条件(編集(1))が再出力条件として永続化されることになる。図9の再出力条件枠の部分である。再出力条件は出力経路ごとに管理される。これは、出力条件展開時に出力ごとに(部分的に)展開できるようにするためである。
【0040】
「再出力条件を追加する」を行うと、条件セットのIDが返ってくる。マルチ文書アクティビティ10は、このIDを指定して各フィルタの条件を保管する。ここでは、編集(1)と印刷に関する条件を同じ条件セットIDで保管することになる。これを行うために、マルチ文書アクティビティ10は「条件を保管する」を実施して、編集(1)、印刷の条件を永続化する。
【0041】
編集(1)は、「条件を保管する」を受けると、条件内に保持している各設定パラメータから永続化するためのデータに変換する。永続化するためのデータに変換できたらデータ管理に対して「保管データを作成する」を実施する。データ管理によってデータの永続化が完了すると永続化データに対する、保管IDが取得できる。
【0042】
編集(1)の条件を永続化し終えたら、永続化したときに取得した保管IDと条件セットIDを関連付けて保管するために、少なくとも条件セットIDと保管ID、そして保管対象のコンポーネント名を指定して「再出力条件を設定する」を実施する。
【0043】
印刷の場合も同様である。印刷についても実施し終えたら再出力条件の保管は終了となる。以上の処理が実施されると図10のような永続化データ出来上がる。永続化データは書誌情報、画像、再出力条件から構成されており、再出力条件は各アクティビティ、フィルタにより記憶すべきデータが異なる。アクティビティは各フィルタの保管ID、フィルタは自身の動作条件となる。
【0044】
各フィルタが永続化するデータの流れは図11の概念図のようなものとなる。原稿と出力物、蓄積画像の一例を図12に示す。ここでは、保文書登録以外の出力は印刷しかないが、他にもある場合は以上の処理を繰り返すことになる。
【0045】
次に、あらかじめ機器に保管された文書を出力する際の処理を説明する。基本的には、再出力条件保管時と逆の処理を行う。まずは、文書一覧について説明する。図13に当該処理のシーケンスを示す。コピー蓄積で保管文書を作成したので、再出力は印刷で説明を進める。
【0046】
コピー蓄積時と同様に条件設定のための画面表示を行うために条件生成を実施する。基本的に、前述の条件生成と処理は同じなので詳細説明は割愛する。ただ、保管文書の再出力(印刷)であるので、条件は入力が保管文書読み出し、編集、出力が印刷の形なっている。条件生成できると、その条件に基づいて画面描画を行う。この部分も先に説明した内容と同じ処理になる。
【0047】
次に、出力する対象の保管文書を選択するために、保管文書一覧の表示処理を実施する。まず、操作部デバイスからマルチ文書アクティビティ10に対して「文書一覧」が実施される。これを受け、マルチ文書アクティビティUIは保管文書読み出しUIに対して、保管文書読み出しUIは保管文書読出フィルタ60に対し「文書一覧」を実施する。
【0048】
「文書一覧」を受けると、保管文書読出フィルタ60は、文書検索のために書誌情報リポジトリサービス80に対し「条件生成(検索)」を実施する。条件が生成できると、その条件に検索設定を行っていく。ここでは、全検索するよう、書誌情報リポジトリサービス80に対し「検索条件設定」を実施する。検索条件が設定できたら、検索を実施する。
【0049】
保管文書読出フィルタ60は、書誌情報リポジトリサービス80に対し「検索実行」を実施する。書誌情報リポジトリサービス80は、設定された検索条件に基づいてデータ管理90に対して「検索」を実施する。検索の結果、条件に合う保管データが取得できる。書誌情報リポジトリサービス80は、これを書誌情報に変換し、保管文書読出フィルタ60に返す。
【0050】
書誌情報群が得られたら、保管文書読出フィルタ60は保管文書読み出しUIへ、保管文書読み出しUIはマルチ文書アクティビティUIへ、マルチ文書アクティビティUIは操作部デバイスへと順次「一覧取得完了」したことを通知していく。操作部デバイスは、これを受けて、マルチ文書アクティビティUIと保管文書読み出しUIに対し「画面描画」を実施する。これで、図14に示すような保管文書一覧が表示される。
【0051】
続いて、出力条件展開処理について説明する。図15に出力条件展開処理のシーケンスを示す。保管文書一覧にて、出力したい文書を選択すると、操作部デバイスは「文書選択」を実施して保管文書読み出しUIに文書が選択されたことを知らせる。保管文書読み出しUIは同様に、「文書選択」を実施して保管文書読出フィルタ60に文書が選択されたことを知らせる。
【0052】
保管文書読出フィルタ60は、書誌情報リポジトリサービス80に対して「文書参照」を実施して選択された文書の詳細情報を読み出す。書誌情報リポジトリサービス80は、データ管理に対して「参照」を実施する。保管文書読出フィルタ60は、書誌情報リポジトリサービス80から得られた保管IDをもとに(シーケンスには図示していないが)書誌情報の取得を実施する。
【0053】
このとき受け取った保管IDは、この後行われる再出力条件を展開するときのために、一時的に保持しておく。そして、その際、保管文書に紐付く再出力条件があるかどうかを確認する。再出力条件が保管されていた場合、保管文書読み出しUIは、「画面更新」を行い、ユーザに対して展開する再出力条件の選択を促すような画面を表示する。
【0054】
ユーザが展開する再出力条件を選択すると、操作部デバイスから保管文書読み出しUIに対し、「再出力条件展開」が実施される。これを受けると、同様に保管文書読み出しUIは、保管文書読出フィルタ60に対して「再出力条件展開」を実施する。保管文書読出フィルタ60は、保持しておいた保管ID(1)で管理されている書誌情報から展開対象の条件の保管IDを取り出す。(→保管ID(編集:65)、保管ID(印刷:52))
保管文書読出フィルタ60は、これを「再出力条件展開」通知によって、再出力条件を展開する必要性が発生したことを通知する。通知を受けると、マルチ文書アクティビティ10は、保管文書読出フィルタ60から渡された保管ID(→保管ID(編集:65)、保管ID(印刷:52))を使ってそれぞれの条件を展開する。
【0055】
マルチ文書アクティビティ10は、編集フィルタ30、50に対して保管ID(65)を指定して「条件復元」を実施する。編集フィルタ30、50は、データ管理に対し、「参照」を実施して保管ID(65)で永続化されている条件を読み出す。
【0056】
<第1の実施例>
従来読み出した保管データに基づいて編集条件の各設定を変更する際に変更する動作条件設定がページ単位の条件であった場合、内部に隠蔽したデータエリア(動作条件設定2)に条件を展開し、UIへは動作条件の「設定変化」を「初期値」として通知する。
【0057】
これにより編集設定は、動作を復元させ尚且つユーザに初期値を通知することにより、ユーザが追加設定を行った場合においても、前回出力したものと同等の出力を得ることを前提に、新規の編集設定をすることができる。
【0058】
図16に第1の実施例におけるデータの流れを示す概念図を示し、図17に動作条件が展開された部分の画面を示す。
【0059】
印刷条件についても同じ処理を行う。第1の実施例では印刷はジョブ単位の設定(両面)となっているためUIと連動するデータエリア(動作条件設定1)に条件が展開される。展開する対象の条件について条件復元処理が完了したら、再出力条件展開処理は終了である。
【0060】
次に、図18に出力条件が展開された文書に再編集(内消去:1箇所)を加え再印刷した場合のシーケンスを示す。図18では画像処理が2回行われているが編集にて画像処理のパラメータをマージして画像処理を1回で行っても良い。図19に出力条件の保存シーケンスを示し、データ構造は図10で示したコピー蓄積時と同様となる。
【0061】
指定した蓄積画像を蓄積時の画像編集設定(付加情報)で出力するだけでなく、新規の画像編集設定操作を受け付け、それらを加味して出力する再出力手段を有することにより、利用者は前回出力したものと同等の出力を得ることを前提に、新規の画像編集設定をすることができるので、例えば、出力手段が印刷である場合、前回印刷出力した用紙を見ながら、画像編集設定操作をすることができ、蓄積画像を再出力する際の操作が容易になる。
【0062】
<第2の実施例>
ここでは、付加情報が展開された動作条件設定2と新規にユーザが設定を行い設定反映がされた動作条件設定1をマージして付加情報へ上書き保存することにより、次に出力条件の展開を行った場合も前回出力したものを参照しながら編集設定をすることができる。
【0063】
図20に第2の実施例における処理の概念図を示す。図21に保存時の編集データを示す。保存時のシーケンスは図19と同様である。図22に再出力時に展開された画面を示し、展開時のシーケンスは図15と同様である。
【0064】
付加情報及び再出力時動作設定手段の画像編集設定を合わせた画像編集設定を蓄積画像の付加情報とすることにより、常に前回出力したものを参照しながら画像編集設定をすることができるため、画像編集設定操作が容易になる。
【0065】
<第3の実施例>
更に、付加情報が展開された動作条件設定2を付加情報に上書き保存し、新規にユーザが設定を行い設定反映がされた動作条件設定1を別の付加情報として保存することにより、次に出力条件の展開を行った場合に前回出力したものを参照しながら編集設定を繰り返し修正作業することができる。
【0066】
第3の実施例における処理の概念図を図23に示す。保存時の編集データを図24に示す。保存時のシーケンスは図19と同様である。図25に再出力時に展開された画面を示し、図26に展開時のシーケンスを示す。動作時のシーケンスは図18と同様である。
【0067】
図27に、追加、修正のいずれかの操作を選ぶ時の画面フローを示す。当該フローに寄らず図28に示すような初期設定で操作の切り替えが出来ても良い。
【0068】
これにより、一定の出力物を参照しながら画像編集設定を繰り返し修正作業することができ、蓄積画像の再出力設定としてユーザの意図するものを作ることが容易になる。
【0069】
また、操作の何れか一方を指定する手段を有することにより、利用シーンに応じた出力物を得るための動作設定をユーザが選択できる。さらに、操作の何れか一方を予め初期設定にて指定することにより、蓄積文書出力のたびにユーザが振る舞いを選択する煩わしさをなくすことができる。
【0070】
<第4の実施例>
出力条件が展開された文書に再編集(内消去:1箇所)を加え再印刷した場合の出力条件の保存において出力前の文書全体を複製し、出力後は条件のみを上書き保存する。図29に画像と永続化データの流れを示し、図30にシーケンスを示す。
【0071】
蓄積画像の付加情報を更新し再出力する際に、蓄積画像及び更新前の付加情報と同等の画像情報を有する蓄積文書を生成することにより、前回以前の出力を基準とした蓄積文書への画像編集設定の追加や修正の操作を容易にできる。
【0072】
<第5の実施例>
出力条件が展開された文書に再編集(内消去:1箇所)を加え再印刷した場合の出力条件の保存において出力前の条件のみを複製し、出力後は条件のみを上書き保存する。図31に画像と永続化データの流れを示し、図32にシーケンスを示す。
【0073】
蓄積画像の付加情報を更新し再出力する際に、更新前の付加情報を蓄積画像の付加情報履歴として複製し、蓄積画像と関連付けることにより、前回以前の出力を基準とした物への画像編集設定の追加や修正の操作を容易にでき、また画像編集設定を保存するので、内部記憶装置の消費容量の節約になる。
<第6の実施例>
出力条件が展開された文書に再編集(内消去:1箇所)を加え再印刷した場合の出力条件の保存において出力前の条件は記憶せず、出力後の条件を画像として上書き保存する。図33に画像と永続化データの流れを示し、図34にシーケンスを示す。
【0074】
これにより蓄積文書の再出力を繰り返すことによる画像編集設定の累積を回避でき、蓄積画像から出力物を得るまでの画像処理回数が多くなるのを防ぐ。
【0075】
<第7の実施例>
出力条件が展開された文書に再編集(内消去:1箇所)を加え再印刷した場合の出力条件の保存において出力前の文書全体を複製し、出力後の条件を画像として上書き保存する。図35に画像と永続化データの流れを示し、図36にシーケンスを示す。また、図37に上記説明において複製された出力条件を選択する画面フローを示す。また、図38に上記説明における動作を替える初期設定例を示す。
【0076】
再出力時に入力情報として使用した蓄積画像を複製し、保存することで、前回以前の出力を基準とした蓄積文書への画像編集設定の追加や修正の操作を容易にできる。
【0077】
<第8の実施例>
蓄積文書選択時に図39の画面フローを用意することにより原稿から動作設定を行うことを可能とする。この場合、図15の再出力条件のシーケンスは行われない。
【0078】
これにより、欠落のない原稿画像から画像編集設定をやり直したいという利用シーンがあっても、ユーザの意図にあった出力物を得るための動作設定をユーザが選択できる。
【0079】
(総括)
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0080】
10 マルチ文書アクティビティ
20 読取フィルタ
30、50 編集フィルタ
40 印刷フィルタ
60 保管読出フィルタ
70 保管登録フィルタ
80 書誌情報リポジトリサービス
90 データ管理
100 書誌情報
【先行技術文献】
【特許文献】
【0081】
【特許文献1】特開2007−235384号公報
【特許文献2】特開2007−104639号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び記録媒体に関するものであり、再利用可能な蓄積画像に対する出力条件設定に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ、コピー、ファクシミリ、スキャナなどの各装置の機能を1つの筐体内に収納した画像形成装置(以下、「複合機」という。)が知られている。このように複合機の高機能化に伴い、入力処理された画像データを一度蓄積しておき、利用者の要望に応じて蓄積された画像データを利用し再出力するための技術がいくつか提案されている。例えば、コピー蓄積の機能では印刷画像を蓄積することで、蓄積文書を再印刷する際に、同じ仕上がりで印刷することが可能となる。しかし、出力画像を蓄積する手法では蓄積文書を特定の出力に限定してのみ再利用可能であり他の出力に利用できない課題が存在する。
【0003】
この課題を解消するために、例えば、特許文献1では、画像データを出力先が定められていない再利用のデータ形式又は、出力先が定められている再出力のデータ形式として入力を受け付ける入力受付手段と、前記入力受付手段によりいずれかのデータ形式で入力を受け付けたかにより、蓄積する画像データ形式を決定する方法をとることで蓄積された画像データを出力する際の処理の効率化させると共に出力先毎に異なる出力形態に対する適応度が向上する方法について提案されている。
【0004】
また、特許文献2では、出力別の動作条件設定を保存しておき、再出力時に動作条件を展開する手法について提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、いずれも得られた再出力画像を利用し再出力を行う場合の設定方法、特にページ単位の動作条件設定方法については課題が残る。
【0006】
そこで、本発明では、コピー蓄積時においては画像処理を一切施さない画像を蓄積し、蓄積文書を出力する際には蓄積時に設定した画像処理設定を外したり、新たに画像編集設定を追加することもできるようにすることで、蓄積文書の再利用性を大幅に向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するには、基本的には、「原稿画像群」と各画像を出力する際の出力ページごとの画像編集設定を蓄積文書情報として蓄積文書に保持しておき、それらを蓄積文書選択後、設定操作させる機能を提供すれば良い。ただし、このやり方だと、操作部表示エリアに限りがあることから、再出力を複数回繰り返すような場合、原稿画像をベースにした限られた範囲内での画像編集機能を適用することしかできない。
【0008】
通常、蓄積文書を出力する場合、前回の出力の仕上がりを再現することが期待され、そこからさらに、若干の画像編集機能の設定変更をするという利用シーンが想定されるが、これには、「前回出力したもの」からさらに設定変更するケースと、直前の設定が誤っていたため、再修正するといったケースの2通りがある。
【0009】
前者においてユーザは、最新の出力物をベースに新たに設定を追加するという操作をするが、後者の場合は、前回出力した時の設定を変えることになるため、ベースになるものは、前々回の出力物又は原稿となる。
【0010】
特に、画像編集系の機能のうち、指定色消去や範囲指定消去など、画像の内容そのものを欠落させてしまうような機能においては、上記のように画像編集の対象となる画像がどの時点のものであるかという情報が重要である。
【0011】
蓄積文書を前回出力時同様に再出力することが前提であるならば、基本的には、前回の出力物をベースに設定変更をするのが一般的だが、消去系機能を用いて画像を欠落させてしまったような場合は、欠落のない状態、即ち、前々回の出力物もしくは原稿画像からの再編集をしなおすことも考えられる。
【0012】
蓄積文書の再利用性において、上述の機能を達成するには、単純に原稿画像を基準に動作設定しなおすだけでなく、選択した蓄積文書を前回出力したとおりに出力するという前提も踏まえた(出力物を基準にした)、動作設定を可能にすることで解決できる。
【発明の効果】
【0013】
開示の画像形成装置は、蓄積文書の再利用性を大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】画像形成装置のソフトウェア構成の一例を示す図である。
【図2】画像形成装置による条件生成処理のシーケンス図である。
【図3】アプリケーションの一覧画面例である。
【図4】画像形成装置の操作画面の一例である。
【図5】画像形成装置による条件設定処理のシーケンス図である。
【図6】画像形成装置の操作画面の一例である。
【図7】画像形成装置による接続処理のシーケンス図である。
【図8】画像形成装置による各フィルタに実行が行われたときの処理のシーケンス図である。
【図9】画像形成装置による再出力条件保管処理のシーケンス図である。
【図10】永続化データの一例を示す図である。
【図11】各フィルタが永続化するデータの流れを示す図である。
【図12】原稿、出力物、及び蓄積画像を説明するための図である。
【図13】画像形成装置による保管文書の一覧表示処理のシーケンス図である。
【図14】保管文書の一覧表示例である。
【図15】画像形成装置による出力条件展開処理のシーケンス図である。
【図16】第1の実施例におけるデータの流れを示す図である。
【図17】動作条件が展開された部分の画面例である。
【図18】第1の実施例において出力条件が展開された文書に再編集を加え、再印刷した場合のシーケンス図である。
【図19】第1の実施例における出力条件の保存処理のシーケンス図である。
【図20】第2の実施例の概念図である。
【図21】第2の実施例における保存時の編集データの一例を示す図である。
【図22】第2の実施例における再出力時に動作条件が展開された部分の画面例である。
【図23】第3の実施例の概念図である。
【図24】第3の実施例における保存時の編集データの一例を示す図である。
【図25】第3の実施例における再出力時に動作条件が展開された部分の画面例である。
【図26】第3の実施例における出力条件展開時のシーケンス図である
【図27】追加、修正の何れかの操作を選択する際の画面フローを示す図である。
【図28】追加、修正の何れかの操作を選択する初期設定画面の一例を示す図である。
【図29】第4の実施例における画像と永続化データの流れを示す図である。
【図30】第4の実施例における処理のシーケンス図である。
【図31】第5の実施例における画像と永続化データの流れを示す図である。
【図32】第5の実施例における処理のシーケンス図である。
【図33】第6の実施例における画像と永続化データの流れを示す図である。
【図34】第6の実施例における処理のシーケンス図である。
【図35】第7の実施例における画像と永続化データの流れを示す図である。
【図36】第7の実施例における処理のシーケンス図である。
【図37】複製された出力条件を選択する画面フローを示す図である。
【図38】画像形成装置の動作を切り替える初期設定例を示す図である。
【図39】蓄積文書選択時の画面フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
<全体構成>
図1を用いて、本実施の形態で用いる画像形成装置の制御コンポーネントの構成を説明する。図1中で示すコンポーネントの主な責務は以下の通りである。
【0016】
マルチ文書アクティビティ10は、複数コンポーネント(特にフィルタ)を組み合わせて、主に文書操作系のサービスを実現するアプリケーションである。読取フィルタ20は、画像形成装置のスキャナデバイスを制御することで原稿読取を読み取り、機器内で取り扱い可能な形で画像データを生成する画像入力機能を提供する。
【0017】
編集フィルタ30、50は、画像形成装置内の図示しない画像処理ユニット(IPU)を制御することで画像編集処理機能を提供する。印刷フィルタ40は、画像形成装置のプロッタデバイスを制御することで、機器内で加工された画像データを紙などの媒体に転写することによって機器外に出力する画像出力機能を提供する。
【0018】
インフォメーション(書誌情報)100は、リポジトリサービス80が持つ書誌情報に対するCRUD(Create、Read、Update、Delete)機能をユーザにサービスとしてユーザに提供するアプリケーションである。保管文書読出フィルタ60は、画像形成装置の記憶デバイスを制御することで永続化されている画像データ(保管文書)を取り出す機能を提供するコンポーネントである。
【0019】
保管文書登録フィルタ70は、画像形成装置の記憶デバイスを制御することで画像データを永続化する(保管文書化)機能を提供するコンポーネントである。リポジトリサービス80は、画像形成装置の記憶デバイスに永続化された画像データを保管文書としてユーザに認識させるための情報(書誌情報)を管理する機能(CRUD)を提供するコンポーネントである。データ管理90は、装置内のHDD、NV−RAMなどに装置を制御するために永続的に記憶する情報を管理するコンポーネントである。
【0020】
次に、アプリ画面表示から文書保管を伴う多出力ジョブを実行する、一連の動作について説明する。ここでは、コピー処理を行うと共に、蓄積処理を行う処理例について説明する。
【0021】
はじめに、条件生成について説明する。図2に条件設定処理のシーケンスを示す。ユーザは条件設定を行うために、設定画面を表示する。設定画面は、アクティビティが生成する条件に基づいて作成される。電源を入れて機器が起動すると、図3のアプリケーション一覧画面が表示される。
【0022】
ここで、ユーザがアプリキーを押下して利用すると、図2に記載される処理が実施される。シーケンスでは、利用アプリをマルチ文書操作アクティビティ10として記載している。アプリキーが押下されると、操作部デバイスよりマルチ文書操作アクティビティ10に対して、「条件生成」が行われる。
【0023】
マルチ文書アクティビティ10は、これを受けて各フィルタに「条件生成」を行っていく。ここで説明する処理例はコピー蓄積を行う場合であるので、利用するフィルタは、読取フィルタ20、編集フィルタ30、50、印刷フィルタ40、及び保管文書登録フィルタ70である。マルチ文書アクティビティ10による条件生成が終ると、操作部デバイスより各UI(User Interface)に対して、「画面描画」が行われる。ここでのUIは、マルチ文書アクティビティUI、読み取りUI、編集UI、印刷UI、保管文書登録UIである。UIは、画面描画を受けると、生成された条件を元に画面を作成し、最終的に図4に示す画面を表示する。これで、ユーザは条件設定が可能になる。
【0024】
<基本動作説明>
次に、条件設定の説明を行う。図5に条件設定処理のシーケンスを示す。ここでは、「内消去:5箇所、両面」を設定する場合の処理例を説明する。ここで、「内消去」とは、画像データ内で指定する領域のデータを消去する処理であり、「内消去:5箇所」とは、1つの画像データ内で5つの領域を指定し、指定した5つの領域に対応する(存在する)データを消去する処理である。
【0025】
はじめに、操作画面にて「内消去」を設定すると、操作部デバイスから編集UI(1)に「条件設定」が行われる。「内消去」の設定は、編集UI(1)上にボタンが表示されているため、キー押下すると、編集UI(1)に対して「条件設定」を行うことになる。これは、設定項目(ここでは、「内消去」)に関係する機能を保持しているフィルタのUIに対して指示(ここでは、「条件設定」)が行われるようになっているためである。
【0026】
編集UI(1)は、編集フィルタ(1)30に対して「条件設定」を行う。編集フィルタ(1)30は、編集条件内の「内消去」を5箇所に設定し、「設定変更通知」にて設定が変更されたことをマルチ文書アクティビティ10に通知する。
【0027】
マルチ文書アクティビティ10はこれを受けて、編集フィルタ(2)50に対して同様の設定を実施する。これは、文書保管の為の画像処理と印刷の為の画像処理を同じものにするためであるが、多出力の場合、各出力に対する画像処理をどのような設定で実施するかについては、各アクティビティコンポーネントで規定されるため、実施されなくとも構わない。このように、マルチ文書アクティビティ10は、各フィルタの設定変化に応じて他のフィルタの設定内容を調整している。
【0028】
両面印刷の場合も同様である。操作画面にて、両面印刷が設定されると、操作部デバイスから印刷UIに対して「条件設定」が行われる。印刷UIは、印刷フィルタ40に対して「条件設定」を行う。
【0029】
印刷フィルタ40は、印刷条件内の印刷面設定を両面に設定し、「設定変更通知」にて設定が変更されたことをマルチ文書アクティビティ10に通知する。両面印刷の場合は、この設定を受けて他のフィルタの設定を変更する必要がないので、集約を設定したときのような設定調整動作はない。
【0030】
続いて、文書保管の為の設定について説明する。ここでは、保管文書の文書名の設定を行っている。他の設定の場合と同じように、操作部デバイスから保管文書登録UIに「条件設定」を実施する。
【0031】
保管文書登録UIは、保管文書登録フィルタ70に対して「条件設定」を行う。保管文書フィルタ70は、文書名の設定を、指定された値(sample.doc)に設定し、「設定変更通知」にて設定が変更されたことをマルチ文書アクティビティ10に通知する。条件設定後の画面は図6となる。ユーザは条件設定を終えたら、スタートキーを押下して実行する。以下では、スタートキー押下後、コピー蓄積が実行される処理を説明していく。
【0032】
ジョブ生成と生成されたジョブの接続処理について説明を行う。図7に接続処理のシーケンスを示す。操作部デバイスからマルチ文書アクティビティ10に「実行」を実施する。実行を受けて、マルチ文書アクティビティ10は、実行時の条件により生成すべきジョブを判断し、必要なジョブの生成を行う。
【0033】
ここでの処理はコピー蓄積であるので、利用するフィルタは、読取フィルタ20、編集フィルタ30、50、印刷フィルタ40、及び保管文書登録フィルタ70に対してそれぞれ「ジョブ生成」を行う。必要なフィルタのジョブが生成されたら入力フィルタから出力フィルタに接続されるように画像の要求元と要求先の関連付けを行う。フィルタは、ここで関連付けられた画像要求先(フィルタ)から画像を受け取って、自コンポーネントでの処理を実施することになる。フィルタ間の接続処理が終ると、マルチ文書アクティビティ10は各フィルタに対して「実行」を実施する。再出力条件の保管については別途後述する。
【0034】
次に、各フィルタに実行が行われたときの処理を説明する。図8に当該処理のシーケンスを示す。実行指示を受けたフィルタはパイプを仲介して関連付けされた要求先フィルタに対して画像取得要求を行い、取得できた画像に対し、順次処理を施していく。処理済みの画像は、パイプを経由して順次要求元フィルタに流していく。
【0035】
要求先フィルタから得られる画像をすべて取得し、要求元フィルタへ流し終えるとジョブ終了となる。フィルタは、処理の進捗状態に合わせて逐次、「進捗状態通知」によってその情報をマルチ文書アクティビティに知らせる。
【0036】
進捗状態通知には、入力では原稿枚数表示、出力では印刷枚数表示、その他エラー状態、ジョブの開始、終了状態の通知などがある。
【0037】
次に、再出力条件保管の処理を説明する。図9に当該処理のシーケンスを示す。再出力時のための条件の保管は、スタートキーが押下された後、文書操作(保管文書作成多出力)を実現するためのパイプとフィルタの接続が終了した後に実施される。図9は、紙原稿を読み取って印刷する出力と読み取った画像データを機内に保管する出力の例である。
【0038】
はじめに、マルチ文書アクティビティ10は、保管文書と出力条件の関連づけを行うために、保管文書登録に対し「再出力条件を追加する」を行う。再出力条件であるので、ユーザが設定した内容をすべて保管するわけではなく、文書保管以外の出力に関する条件群を再出力条件として保管文書と関連付けて永続化する。また、入力に関する設定内容は保管対象とならない。
【0039】
ここで取り上げているコピー蓄積の場合は、印刷条件と印刷に紐付く編集の条件(編集(1))が再出力条件として永続化されることになる。図9の再出力条件枠の部分である。再出力条件は出力経路ごとに管理される。これは、出力条件展開時に出力ごとに(部分的に)展開できるようにするためである。
【0040】
「再出力条件を追加する」を行うと、条件セットのIDが返ってくる。マルチ文書アクティビティ10は、このIDを指定して各フィルタの条件を保管する。ここでは、編集(1)と印刷に関する条件を同じ条件セットIDで保管することになる。これを行うために、マルチ文書アクティビティ10は「条件を保管する」を実施して、編集(1)、印刷の条件を永続化する。
【0041】
編集(1)は、「条件を保管する」を受けると、条件内に保持している各設定パラメータから永続化するためのデータに変換する。永続化するためのデータに変換できたらデータ管理に対して「保管データを作成する」を実施する。データ管理によってデータの永続化が完了すると永続化データに対する、保管IDが取得できる。
【0042】
編集(1)の条件を永続化し終えたら、永続化したときに取得した保管IDと条件セットIDを関連付けて保管するために、少なくとも条件セットIDと保管ID、そして保管対象のコンポーネント名を指定して「再出力条件を設定する」を実施する。
【0043】
印刷の場合も同様である。印刷についても実施し終えたら再出力条件の保管は終了となる。以上の処理が実施されると図10のような永続化データ出来上がる。永続化データは書誌情報、画像、再出力条件から構成されており、再出力条件は各アクティビティ、フィルタにより記憶すべきデータが異なる。アクティビティは各フィルタの保管ID、フィルタは自身の動作条件となる。
【0044】
各フィルタが永続化するデータの流れは図11の概念図のようなものとなる。原稿と出力物、蓄積画像の一例を図12に示す。ここでは、保文書登録以外の出力は印刷しかないが、他にもある場合は以上の処理を繰り返すことになる。
【0045】
次に、あらかじめ機器に保管された文書を出力する際の処理を説明する。基本的には、再出力条件保管時と逆の処理を行う。まずは、文書一覧について説明する。図13に当該処理のシーケンスを示す。コピー蓄積で保管文書を作成したので、再出力は印刷で説明を進める。
【0046】
コピー蓄積時と同様に条件設定のための画面表示を行うために条件生成を実施する。基本的に、前述の条件生成と処理は同じなので詳細説明は割愛する。ただ、保管文書の再出力(印刷)であるので、条件は入力が保管文書読み出し、編集、出力が印刷の形なっている。条件生成できると、その条件に基づいて画面描画を行う。この部分も先に説明した内容と同じ処理になる。
【0047】
次に、出力する対象の保管文書を選択するために、保管文書一覧の表示処理を実施する。まず、操作部デバイスからマルチ文書アクティビティ10に対して「文書一覧」が実施される。これを受け、マルチ文書アクティビティUIは保管文書読み出しUIに対して、保管文書読み出しUIは保管文書読出フィルタ60に対し「文書一覧」を実施する。
【0048】
「文書一覧」を受けると、保管文書読出フィルタ60は、文書検索のために書誌情報リポジトリサービス80に対し「条件生成(検索)」を実施する。条件が生成できると、その条件に検索設定を行っていく。ここでは、全検索するよう、書誌情報リポジトリサービス80に対し「検索条件設定」を実施する。検索条件が設定できたら、検索を実施する。
【0049】
保管文書読出フィルタ60は、書誌情報リポジトリサービス80に対し「検索実行」を実施する。書誌情報リポジトリサービス80は、設定された検索条件に基づいてデータ管理90に対して「検索」を実施する。検索の結果、条件に合う保管データが取得できる。書誌情報リポジトリサービス80は、これを書誌情報に変換し、保管文書読出フィルタ60に返す。
【0050】
書誌情報群が得られたら、保管文書読出フィルタ60は保管文書読み出しUIへ、保管文書読み出しUIはマルチ文書アクティビティUIへ、マルチ文書アクティビティUIは操作部デバイスへと順次「一覧取得完了」したことを通知していく。操作部デバイスは、これを受けて、マルチ文書アクティビティUIと保管文書読み出しUIに対し「画面描画」を実施する。これで、図14に示すような保管文書一覧が表示される。
【0051】
続いて、出力条件展開処理について説明する。図15に出力条件展開処理のシーケンスを示す。保管文書一覧にて、出力したい文書を選択すると、操作部デバイスは「文書選択」を実施して保管文書読み出しUIに文書が選択されたことを知らせる。保管文書読み出しUIは同様に、「文書選択」を実施して保管文書読出フィルタ60に文書が選択されたことを知らせる。
【0052】
保管文書読出フィルタ60は、書誌情報リポジトリサービス80に対して「文書参照」を実施して選択された文書の詳細情報を読み出す。書誌情報リポジトリサービス80は、データ管理に対して「参照」を実施する。保管文書読出フィルタ60は、書誌情報リポジトリサービス80から得られた保管IDをもとに(シーケンスには図示していないが)書誌情報の取得を実施する。
【0053】
このとき受け取った保管IDは、この後行われる再出力条件を展開するときのために、一時的に保持しておく。そして、その際、保管文書に紐付く再出力条件があるかどうかを確認する。再出力条件が保管されていた場合、保管文書読み出しUIは、「画面更新」を行い、ユーザに対して展開する再出力条件の選択を促すような画面を表示する。
【0054】
ユーザが展開する再出力条件を選択すると、操作部デバイスから保管文書読み出しUIに対し、「再出力条件展開」が実施される。これを受けると、同様に保管文書読み出しUIは、保管文書読出フィルタ60に対して「再出力条件展開」を実施する。保管文書読出フィルタ60は、保持しておいた保管ID(1)で管理されている書誌情報から展開対象の条件の保管IDを取り出す。(→保管ID(編集:65)、保管ID(印刷:52))
保管文書読出フィルタ60は、これを「再出力条件展開」通知によって、再出力条件を展開する必要性が発生したことを通知する。通知を受けると、マルチ文書アクティビティ10は、保管文書読出フィルタ60から渡された保管ID(→保管ID(編集:65)、保管ID(印刷:52))を使ってそれぞれの条件を展開する。
【0055】
マルチ文書アクティビティ10は、編集フィルタ30、50に対して保管ID(65)を指定して「条件復元」を実施する。編集フィルタ30、50は、データ管理に対し、「参照」を実施して保管ID(65)で永続化されている条件を読み出す。
【0056】
<第1の実施例>
従来読み出した保管データに基づいて編集条件の各設定を変更する際に変更する動作条件設定がページ単位の条件であった場合、内部に隠蔽したデータエリア(動作条件設定2)に条件を展開し、UIへは動作条件の「設定変化」を「初期値」として通知する。
【0057】
これにより編集設定は、動作を復元させ尚且つユーザに初期値を通知することにより、ユーザが追加設定を行った場合においても、前回出力したものと同等の出力を得ることを前提に、新規の編集設定をすることができる。
【0058】
図16に第1の実施例におけるデータの流れを示す概念図を示し、図17に動作条件が展開された部分の画面を示す。
【0059】
印刷条件についても同じ処理を行う。第1の実施例では印刷はジョブ単位の設定(両面)となっているためUIと連動するデータエリア(動作条件設定1)に条件が展開される。展開する対象の条件について条件復元処理が完了したら、再出力条件展開処理は終了である。
【0060】
次に、図18に出力条件が展開された文書に再編集(内消去:1箇所)を加え再印刷した場合のシーケンスを示す。図18では画像処理が2回行われているが編集にて画像処理のパラメータをマージして画像処理を1回で行っても良い。図19に出力条件の保存シーケンスを示し、データ構造は図10で示したコピー蓄積時と同様となる。
【0061】
指定した蓄積画像を蓄積時の画像編集設定(付加情報)で出力するだけでなく、新規の画像編集設定操作を受け付け、それらを加味して出力する再出力手段を有することにより、利用者は前回出力したものと同等の出力を得ることを前提に、新規の画像編集設定をすることができるので、例えば、出力手段が印刷である場合、前回印刷出力した用紙を見ながら、画像編集設定操作をすることができ、蓄積画像を再出力する際の操作が容易になる。
【0062】
<第2の実施例>
ここでは、付加情報が展開された動作条件設定2と新規にユーザが設定を行い設定反映がされた動作条件設定1をマージして付加情報へ上書き保存することにより、次に出力条件の展開を行った場合も前回出力したものを参照しながら編集設定をすることができる。
【0063】
図20に第2の実施例における処理の概念図を示す。図21に保存時の編集データを示す。保存時のシーケンスは図19と同様である。図22に再出力時に展開された画面を示し、展開時のシーケンスは図15と同様である。
【0064】
付加情報及び再出力時動作設定手段の画像編集設定を合わせた画像編集設定を蓄積画像の付加情報とすることにより、常に前回出力したものを参照しながら画像編集設定をすることができるため、画像編集設定操作が容易になる。
【0065】
<第3の実施例>
更に、付加情報が展開された動作条件設定2を付加情報に上書き保存し、新規にユーザが設定を行い設定反映がされた動作条件設定1を別の付加情報として保存することにより、次に出力条件の展開を行った場合に前回出力したものを参照しながら編集設定を繰り返し修正作業することができる。
【0066】
第3の実施例における処理の概念図を図23に示す。保存時の編集データを図24に示す。保存時のシーケンスは図19と同様である。図25に再出力時に展開された画面を示し、図26に展開時のシーケンスを示す。動作時のシーケンスは図18と同様である。
【0067】
図27に、追加、修正のいずれかの操作を選ぶ時の画面フローを示す。当該フローに寄らず図28に示すような初期設定で操作の切り替えが出来ても良い。
【0068】
これにより、一定の出力物を参照しながら画像編集設定を繰り返し修正作業することができ、蓄積画像の再出力設定としてユーザの意図するものを作ることが容易になる。
【0069】
また、操作の何れか一方を指定する手段を有することにより、利用シーンに応じた出力物を得るための動作設定をユーザが選択できる。さらに、操作の何れか一方を予め初期設定にて指定することにより、蓄積文書出力のたびにユーザが振る舞いを選択する煩わしさをなくすことができる。
【0070】
<第4の実施例>
出力条件が展開された文書に再編集(内消去:1箇所)を加え再印刷した場合の出力条件の保存において出力前の文書全体を複製し、出力後は条件のみを上書き保存する。図29に画像と永続化データの流れを示し、図30にシーケンスを示す。
【0071】
蓄積画像の付加情報を更新し再出力する際に、蓄積画像及び更新前の付加情報と同等の画像情報を有する蓄積文書を生成することにより、前回以前の出力を基準とした蓄積文書への画像編集設定の追加や修正の操作を容易にできる。
【0072】
<第5の実施例>
出力条件が展開された文書に再編集(内消去:1箇所)を加え再印刷した場合の出力条件の保存において出力前の条件のみを複製し、出力後は条件のみを上書き保存する。図31に画像と永続化データの流れを示し、図32にシーケンスを示す。
【0073】
蓄積画像の付加情報を更新し再出力する際に、更新前の付加情報を蓄積画像の付加情報履歴として複製し、蓄積画像と関連付けることにより、前回以前の出力を基準とした物への画像編集設定の追加や修正の操作を容易にでき、また画像編集設定を保存するので、内部記憶装置の消費容量の節約になる。
<第6の実施例>
出力条件が展開された文書に再編集(内消去:1箇所)を加え再印刷した場合の出力条件の保存において出力前の条件は記憶せず、出力後の条件を画像として上書き保存する。図33に画像と永続化データの流れを示し、図34にシーケンスを示す。
【0074】
これにより蓄積文書の再出力を繰り返すことによる画像編集設定の累積を回避でき、蓄積画像から出力物を得るまでの画像処理回数が多くなるのを防ぐ。
【0075】
<第7の実施例>
出力条件が展開された文書に再編集(内消去:1箇所)を加え再印刷した場合の出力条件の保存において出力前の文書全体を複製し、出力後の条件を画像として上書き保存する。図35に画像と永続化データの流れを示し、図36にシーケンスを示す。また、図37に上記説明において複製された出力条件を選択する画面フローを示す。また、図38に上記説明における動作を替える初期設定例を示す。
【0076】
再出力時に入力情報として使用した蓄積画像を複製し、保存することで、前回以前の出力を基準とした蓄積文書への画像編集設定の追加や修正の操作を容易にできる。
【0077】
<第8の実施例>
蓄積文書選択時に図39の画面フローを用意することにより原稿から動作設定を行うことを可能とする。この場合、図15の再出力条件のシーケンスは行われない。
【0078】
これにより、欠落のない原稿画像から画像編集設定をやり直したいという利用シーンがあっても、ユーザの意図にあった出力物を得るための動作設定をユーザが選択できる。
【0079】
(総括)
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0080】
10 マルチ文書アクティビティ
20 読取フィルタ
30、50 編集フィルタ
40 印刷フィルタ
60 保管読出フィルタ
70 保管登録フィルタ
80 書誌情報リポジトリサービス
90 データ管理
100 書誌情報
【先行技術文献】
【特許文献】
【0081】
【特許文献1】特開2007−235384号公報
【特許文献2】特開2007−104639号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された画像データ群を動作設定に従い出力し、かつ、該画像データ群を記憶装置に蓄積する場合、該画像データ群を動作設定内の画像編集設定に従い画像編集処理を行う前に該記憶装置に蓄積すると共に、該記憶装置に蓄積した画像データ群の付加情報として該動作設定を蓄積する蓄積文書生成手段と、
前記蓄積文書生成手段により蓄積された前記画像データ群を出力させる場合、出力させる該画像データ群に対して施す画像編集設定を受け付ける再出力時動作設定手段と、
前記蓄積された画像データ群に対し、前記付加情報及び前記再出力時動作設定手段により受け付けた前記画像編集設定に応じて画像編集処理を行い、該画像編集処理を行った画像データ群を出力する再出力手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記再出力手段は、前記付加情報及び前記再出力時動作設定手段により受け付けた前記画像編集設定を合わせた画像編集設定に基づき、前記蓄積された画像データ群に対し前記画像編集処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記再出力手段は、前記再出力時動作設定手段により受け付けた前記画像編集設定に基づき、前記蓄積された画像データ群に対し前記画像編集処理を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記再出力手段は、前記付加情報及び前記再出力時動作設定手段により受け付けた前記画像編集設定を合わせた画像編集設定に基づき前記画像編集処理を行うか、又は前記再出力時動作設定手段により受け付けた前記画像編集設定に基づき前記画像編集処理を行うかについて、何れか一方を指定する手段を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記再出力手段は、前記画像編集処理を行う際、前記蓄積された画像データ群及び該画像データ群の前記付加情報を複製保存することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記再出力手段は、前記画像編集処理を行う際、前記蓄積された画像データ群と該画像データ群の前記付加情報に関する履歴情報とを関連付けて保存することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記再出力手段は、前記画像データ群に対し前記画像編集処理を行った後、該画像データ群に関する前記付加情報及び前記再出力時動作設定手段により受け付けた前記画像編集設定を消去することを特徴とする請求項1乃至6の何れか一に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記再出力手段は、出力した前記画像データ群に対応する前記入力された画像データ群を複製保存することを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記指定する手段において、何れか一方が初期設定として指定されることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記再出力手段による各処理を実行するか否かは、初期設定として指定されることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項1】
入力された画像データ群を動作設定に従い出力し、かつ、該画像データ群を記憶装置に蓄積する場合、該画像データ群を動作設定内の画像編集設定に従い画像編集処理を行う前に該記憶装置に蓄積すると共に、該記憶装置に蓄積した画像データ群の付加情報として該動作設定を蓄積する蓄積文書生成手段と、
前記蓄積文書生成手段により蓄積された前記画像データ群を出力させる場合、出力させる該画像データ群に対して施す画像編集設定を受け付ける再出力時動作設定手段と、
前記蓄積された画像データ群に対し、前記付加情報及び前記再出力時動作設定手段により受け付けた前記画像編集設定に応じて画像編集処理を行い、該画像編集処理を行った画像データ群を出力する再出力手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記再出力手段は、前記付加情報及び前記再出力時動作設定手段により受け付けた前記画像編集設定を合わせた画像編集設定に基づき、前記蓄積された画像データ群に対し前記画像編集処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記再出力手段は、前記再出力時動作設定手段により受け付けた前記画像編集設定に基づき、前記蓄積された画像データ群に対し前記画像編集処理を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記再出力手段は、前記付加情報及び前記再出力時動作設定手段により受け付けた前記画像編集設定を合わせた画像編集設定に基づき前記画像編集処理を行うか、又は前記再出力時動作設定手段により受け付けた前記画像編集設定に基づき前記画像編集処理を行うかについて、何れか一方を指定する手段を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記再出力手段は、前記画像編集処理を行う際、前記蓄積された画像データ群及び該画像データ群の前記付加情報を複製保存することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記再出力手段は、前記画像編集処理を行う際、前記蓄積された画像データ群と該画像データ群の前記付加情報に関する履歴情報とを関連付けて保存することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記再出力手段は、前記画像データ群に対し前記画像編集処理を行った後、該画像データ群に関する前記付加情報及び前記再出力時動作設定手段により受け付けた前記画像編集設定を消去することを特徴とする請求項1乃至6の何れか一に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記再出力手段は、出力した前記画像データ群に対応する前記入力された画像データ群を複製保存することを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記指定する手段において、何れか一方が初期設定として指定されることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記再出力手段による各処理を実行するか否かは、初期設定として指定されることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【公開番号】特開2010−212912(P2010−212912A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−55696(P2009−55696)
【出願日】平成21年3月9日(2009.3.9)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月9日(2009.3.9)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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