説明

画像形成装置

【課題】 液状現像剤の漏出を防止し、画像形成装置内部の汚染を防止することのできる画像形成装置を提供することである。
【解決手段】 画像形成装置30は、現像剤供給手段20を含んで構成される。現像剤供給手段20は、液状現像剤22を保持し、液状現像剤22を供給する。現像剤供給手段20は、貯留部23と、攪拌部24と、支持部25と、駆動部26とを有する。貯留部23は、内部空間が形成され、固体成分が分散した液状の液状現像剤22を内部空間に貯留する。液状現像剤22は、液体のキャリア液と、キャリア液に分散した固体成分を含んでいる。攪拌部24は、内部空間に設けられ、貯留部23に貯留された液状現像剤22を攪拌可能である。支持部25は、貯留部23に内部空間を臨んで設けられ、攪拌部24を支持する。駆動部26は、攪拌部24を駆動することによって、攪拌部24に液状現像剤22を攪拌させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を含む液状現像剤を用い、記録シートに画像を形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図9は、第1の従来技術に係る画像形成装置における現像剤供給部1の断面図である。第1の従来技術に係る画像形成装置において、液体現像剤2を貯留するハウジング3内には、スクリュー4が配置される。スクリュー4の両端の軸部5は、ハウジング3の両端壁6から突出し、両端壁6に対してオイルシール7および軸受8によって回転自在に支持される(たとえば特許文献1参照)。
【0003】
第2の従来技術に係る画像形成装置において、現像剤貯留容器の上面には、ブラケットが取付けられ、ブラケットには、攪拌スクリューを回転駆動するための入力軸が回転可能に支持されている。攪拌スクリューは、入力軸によって回転され、現像剤貯留容器内の液体現像剤が攪拌される(たとえば特許文献2参照)。
【0004】
第3の従来技術に係る画像形成装置において、現像容器のU溝には現像ローラの軸部が差し込まれ、U溝と軸部との間には隙間が生じている。現像液は隙間を満たし、表面張力が作用して現像液の漏出が防止される。
【0005】
【特許文献1】特開2005−338734号公報
【特許文献2】特開2005−189610号公報
【特許文献3】特開平10−20676号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
第1の従来技術に係る画像形成装置では、オイルシール機構が必要になる。このため、その製造・組み立てが複雑になるとともに、部材コストも高価となり、製品コストが上昇するという課題がある。さらにオイルシール7と回転部材の間に隙間が生じて液状現像剤が漏出するという問題点がある。さらに、回転部材が軸方向に移動する場合にも、オイルシール7の変形により、オイルシール7と回転部材の間に隙間が生じて液状現像剤が漏出するという問題点がある。さらに、オイルシール7と摺動しながら回転する回転部材5の軸が摩耗してオイルシール7と回転部材5の間に隙間が生じて液状現像剤3が漏出するという問題点がある。特に、湿式画像形成装置内では、液状現像剤内での回転部材として樹脂で一体成型されたスクリュー部材やパドル部材、また小径の金属軸の周囲にゴム層を形成したローラが使用されることが多く、高剛性かつ高精度な部材を用いることは、コストが上昇する要因となる。
【0007】
第2の従来技術にかかる画像形成装置においては、現像剤貯留容器内の液体現像剤が、攪拌スクリューを回転駆動するための入力軸とブラケットとの間から入力軸に沿って漏出し、画像形成装置本体の機内を汚染するという問題点がある。
【0008】
第3の従来技術にかかる画像形成装置においては、現像ローラの回転部と液漏れを防止する差込部の間に隙間があるため、液状現像剤の漏出、流出を防止することができないという問題点がある。
【0009】
本発明の目的は、液状現像剤の漏出を防止し、画像形成装置内部の汚染を防止することのできる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に従えば、画像形成装置は、現像剤保持手段を含んで構成される。現像剤保持手段は、液体を含む液状現像剤を保持する。現像剤保持手段は、貯留部と、回転部と、支持部と、駆動部とを有する。貯留部は、内部空間が形成され、液状現像剤を内部空間に貯留する。回転部は、貯留部の内部空間に設けられ、予め定める回転軸線まわりに回転することによって、貯留部に貯留された液状現像剤の移動を補助する。支持部は、貯留部に内部空間を臨んで設けられ、回転部を支持する。駆動部は、回転部を回転軸線まわりに回転駆動する。
【0011】
また本発明に従えば、駆動部は、回転部を予め定める軸線まわりに回転させ、支持部は、回転部を、軸線まわりに回転可能に支持する軸受を有する。軸受は、貯留部に設けられる。
【0012】
また本発明に従えば、駆動部は、所定の直線まわりに回転する回転軸を含み、所定の直線は、貯留部に貯留される液状現像剤の液面に角度を成す直線である。
【0013】
また本発明に従えば、駆動部は、かさ歯車を有し、該かさ歯車を介して、回転部を予め定める軸線まわりに回転させ、回転部は、軸線まわりに回転することによって液状現像剤を攪拌する。支持部は、回転部を、軸線まわりに回転可能に支持する軸受を有する。
【0014】
また本発明に従えば、かさ歯車は、ねじれかさ歯車である。
また本発明に従えば、駆動部は、ハイポイドギア対を有し、該ハイポイドギア対を介して、回転部を予め定める軸線まわりに回転させる。支持部は、回転部を、軸線まわりに回転可能に支持する軸受を有する。
【0015】
また本発明に従えば、画像形成装置は、感光体と、帯電手段と、クリーナとをさらに含んで構成される。感光体は、光導電性を有する表面部を含み、回転可能に設けられる。帯電手段は、感光体の表面部に接触または近接して配置され、表面部を帯電させて静電潜像を形成する。クリーナは、感光体の表面部に付着した液状現像剤を表面部から除去する。現像剤保持手段は、感光体の回転に伴う表面部の移動経路に関して帯電手段よりも下流側かつクリーナよりも上流側に配置され、感光体の表面部に液状現像剤を供給する。
【0016】
また本発明に従えば、現像剤保持手段は、仕切板をさらに含んで構成される。仕切板は、貯留部の内部空間に配置され、感光体の表面部に供給されるための液状現像剤が貯留される貯留用空間と、駆動部の少なくとも一部が配置される駆動部用空間とを仕切る。
【0017】
また本発明に従えば、固体成分と、固体成分が分散した液体とを含み、現像剤保持手段は、液状現像剤の移動に関して最も上流側に配置される現像剤供給手段であり、回転部は、液状現像剤を攪拌可能である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、回転部は、貯留部の内部空間に設けられ、支持部は、貯留部に内部空間を臨んで設けられる。これによって、貯蔵部に貯留された液状現像剤の移動を補助することと、液状現像剤の貯留部からの漏れを防止することとを両立することができる。回転部は、貯留部の内部空間に設けられ、攪拌部を支持する支持部は、内部空間を臨んで貯留部に設けられるので、支持部は、貯留部の外部空間に突出することなく回転部を支持することができる。これによって、支持部に沿って液状現像剤が貯留部の内部空間から外部空間に漏れることを防止することができる。また、支持部に沿った液状現像剤の移動を阻止するための密閉を省くことができる。したがって、支持部に設けられる密閉のための部材を省くことができる。これによって、部品点数を低減し、製造にかかる工程数を低減し、製造費用を低減することができる。また液状現像剤の漏れを防止することができるので、貯蔵部の外部空間における液状現像剤による汚染を防止することができる。
【0019】
また本発明によれば、駆動部は、回転部を予め定める軸線まわりに回転させ、支持部は、回転部を、軸線まわりに回転可能に支持する軸受を有する。軸受は、貯留部に設けられる。これによって、貯留部から離れた位置に軸受を設ける構成に比べて、支持部の構造を簡単化することができる。
【0020】
また本発明によれば、駆動部は、所定の直線まわりに回転する回転軸を含み、所定の直線は、貯留部に貯留される液状現像剤の液面に角度を成す直線である。これによって、回転部に対する駆動部の相対位置を、回転軸線の延長線上とは異なる位置に配置することができる。したがって、駆動部を設ける設定位置を、異なる構成とすることができ、駆動部の設計にかかる自由度を高くすることができる。したがって駆動部を、液状現像剤の液面よりも上方に配置することも可能となる。
【0021】
また本発明によれば、駆動部は、かさ歯車を有し、該かさ歯車を介して、回転部を予め定める軸線まわりに回転させ、支持部は、回転部を、軸線まわりに回転可能に支持する軸受を有する。これによって、駆動部および駆動部による回転部の動作を簡単化することができる。回転部は予め定める軸線まわりに回転することによって液状現像剤を攪拌するので、単一の繰返し動作を行うことによって攪拌することができる。また回転部を回転させる駆動部は、かさ歯車を介して駆動力を伝達するので、他の駆動機構によって駆動力を伝達する場合に比べて、簡単な構成によって駆動部を実現することができる。
【0022】
また本発明によれば、かさ歯車は、ねじれかさ歯車である。これによって、互いに噛合う2つのねじれかさ歯車が、両方のねじれかさ歯車の回転軸線を含む平面に平行な方向に振動することを防止することができる。したがって、すぐばかさ歯車を使用する場合に比べて、かさ歯車の駆動に伴う振動および騒音を低減することができる。
【0023】
また本発明によれば、駆動部は、ハイポイドギア対を有し、該ハイポイドギア対を介して、回転部を予め定める軸線まわりに回転させ、支持部は、回転部を、軸線まわりに回転可能に支持する軸受を有する。これによって、ハイポイドギア対を成す2つの歯車のうち、一方の歯車の軸線と他方の歯車の軸線とを、ねじれの位置に配置することができる。したがって、すぐばかさ車を使用する場合に比べて、駆動部の設計にかかる自由度を高くすることができる。
【0024】
また本発明によれば、画像形成装置は、感光体と、帯電手段と、クリーナとをさらに含んで構成される。感光体は、回転可能に設けられる。帯電手段は、感光体の表面部に接触または近接して配置され、表面部を帯電させて静電潜像を形成する。現像剤保持手段は、感光体の回転に伴う表面部の移動経路に関して帯電手段よりも下流側かつクリーナよりも上流側に配置され、感光体の表面部に液状現像剤を供給する。これによって、貯留部に貯留された液状現像剤が感光体の表面部に供給されても、帯電手段が液状現像剤によって汚染されることを防止することができる。
【0025】
また本発明によれば、現像剤保持手段は、仕切板をさらに含んで構成される。仕切板は、貯留部の内部空間に配置され、感光体の表面部に供給されるための液状現像剤が貯留される貯留用空間と、駆動部の少なくとも一部が配置される駆動部用空間とを仕切る。これによって、駆動部において発生する可能性のある磨耗粉が、液状現像剤に混入することを防止することができる。したがって、画像の均一性を保持することができ、画像品質の低下を防止することができる。
【0026】
また本発明によれば、液状現像剤は、固体成分と、固体成分が分散した液体とを含み、現像剤保持手段は、液状現像剤の移動に関して最も上流側に配置される現像剤供給手段であり、回転部は、液状現像剤を攪拌可能である。これによって、固体成分を含む液状現像剤を、その移動に関して最も上流側で、攪拌しておくことができる。したがって、固体成分と液体とが分離することを防止することができる。また液状現像剤が貯留部の内部空間から外部空間に漏れることが防止されるので、液状現像剤を均一化することと、貯蔵部の外部空間における液状現像剤による汚染を防止するとを、両立することができる。
【0027】
また回転部は、貯蔵部を貫通することなく、貯蔵部の内部空間に設けられるので、回転部の軸受には、気密性を有するシール材を省略することが可能となる。したがって、回転部が軸受に対して気密を維持しながら摺動する場合に比べて、回転部を硬度の低い材料で実現することが可能となる。これによって、回転部を樹脂で作製することができ、作成費用を低減することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための形態を、複数の形態について説明する。以下の説明においては、各形態に先行する形態ですでに説明している事項に対応している部分には同一の参照符を付し、重複する説明を略する場合がある。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、先行して説明している形態と同様とする。実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組合せることも可能である。またそれぞれの実施形態は、本発明に係る技術を具体化するために例示するものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明に係る技術内容は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることが可能である。
【0029】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態における現像剤保持手段を、回転部24の回転軸線に平行な平面で切断して見た断面図である。図1には、現像剤保持手段が、画像形成装置内で液状現像剤の移動に関して最も上流側に配置される現像剤供給手段20である場合を図示する。図2は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置30の側面図である。図2において画像形成装置30は、筐体を除いて示されている。第1実施形態に係る画像形成装置30は、記録シート21に画像を形成する装置である。記録シート21は、たとえば普通紙、トレーシングペーパ、樹脂から成るシートなどである。画像形成装置30は、たとえば複写機、プリンタ、ファクシミリなどに用いられ、電子写真方式で画像を形成する装置である。具体的には、固体成分と、該固体成分が分散した液体とを含む液状現像剤22を用いる湿式の現像剤供給手段20を備える。
【0030】
画像形成装置30は、現像剤保持手段を含んで構成される。現像剤保持手段は、液体を含む液状現像剤22を保持する。現像剤保持手段は、貯留部23と、回転部24と、支持部25と、駆動部26とを有する。貯留部23は、内部空間が形成され、液状現像剤22を内部空間に貯留する。回転部24は、内部空間に設けられ、予め定める回転軸線まわりに回転することによって、貯留部23に貯留された液状現像剤22の移動を補助する。支持部25は、貯留部23に内部空間を臨んで設けられ、回転部24を支持する。駆動部26は、回転部24を回転軸線まわりに回転駆動する。
【0031】
本実施形態において液状現像剤22は、液体のキャリア液と、キャリア液に分散した固体成分を含んでいる。また回転部24は、貯留部23内の液状現像剤22の一部を移動させることによって液状現像剤22を攪拌可能な攪拌部である。
【0032】
第1実施形態において、画像形成装置30は、静電潜像担持体となる感光体41を複数含む。本実施形態において画像形成装置30は、黄色画像用、マゼンタ画像用、シアン画像用、および黒色画像用の4つを備えるカラー画像を形成可能とするタンデム方式のカラー画像形成装置である。画像形成装置30は、ネットワーク(図示せず)を介して接続されたパーソナルコンピュータ(personal computer, 略称「PC」)等の各種端末装置から送信される画像データ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ等(図示せず)から送信される画像データ、スキャナ等の原稿読み取り装置(図示せず)によって読み取られた画像データ、およびPCなどの外部装置で創出されて伝達される画像情報に基づいて、記録シート21となる用紙に対して、カラー画像またはモノクロ画像を形成するプリンタ機能を有するものである。
【0033】
画像データは、無線や有線を使用して送信できる。無線では、例えば、無線LAN(
local area network, 略称「LAN」)、WirelessUSB(略称「UWB」)、Bluetooth、IEEE 802.16−2004、IEEE 802.16e、IEEE 802.16a、およびIEEE 802.16h等の規格を満たす移動体通信網を利用してもよく、衛星通信網、LED照明無線を含む光無線、IrDAおよびリモコンを含む赤外線等を利用してもよい。また、有線では、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN(integrated services digital
network)、付加価値通信網(Value Added Network, 略称「VAN」)、ケーブルテレビ(cable television, 略称「CATV」)通信網等が利用可能である。IEEEは、電気電子学会(The Institute of Electrical and Electronics Engineers」の規格であることを表す。
【0034】
画像形成装置30は、感光体41と、帯電手段42と、クリーナ44とを含んで構成される。感光体41は、光導電性を有する表面部を含み、回転可能に設けられる。帯電手段42は、感光体41の表面部に接触または近接して配置され、表面部を帯電させて静電潜像を形成する。クリーナ44は、感光体41の表面部に付着した液状現像剤22を感光体41の表面部から除去する感光体クリーナである。現像剤供給手段20は、感光体41の回転に伴う表面部の移動経路に関して帯電手段42よりも下流側かつクリー44ナよりも上流側に配置され、感光体41の表面部に液状現像剤22を供給する。
【0035】
この画像形成装置30は、フルカラープリンタであり、画像情報が、ブラック(b)、シアン(c)、マゼンタ(m)、イエロー(y)の各色を用いるカラー画像に応じたものである。したがって、現像剤供給手段20に含まれる作像ユニット40、および作像ユニット40を構成する各部材は、各色に対応してそれぞれ4つ設けられる。ここでは、各色に応じて4つずつ設けられる各部は、各色を表すアルファベットを参照符号の末尾に付して区別し、総称する場合は参照符号のみで表す。画像形成装置30は、現像剤供給手段20と、転写手段32と、記録媒体供給手段33と、定着手段34と、排出手段35とを含む。
【0036】
画像形成装置30は、具体的には図2に示すように、中間転写ベルト46に画像を形成する機能を有する作像ユニット40(Y,M,C,Bk)、この作像ユニット40で中間転写ベルト46に形成されたトナー画像を記録シート21に転写させる機能を有する2次転写ステーション部、記録シート21に転写された記録画像を定着させる機能を有する定着装置、記録シート21を載置する供給トレイ53から2次転写ステーション部および定着装置へと記録シート21を搬送する機能を有する紙搬送部49を備えている。
【0037】
作像ユニット40は、黄色画像用、マゼンタ画像用、シアン画像用および黒色画像用のそれぞれ4つの作像ユニット40Y,M,C,Bkから構成されている。中間転写ベルト46の回転方向に、黄色作像ユニット40Y、マゼンタ作像ユニット40M、シアン作像ユニット40C、および黒色作像ユニット40Bがこの順に並設されている。
【0038】
貯留部23Y,M,C,Bkは液状現像剤22としての液状トナーを収容し、不図示の供給手段、制御手段により作像ユニット40へ貯留部23内部の液状トナーが供給される。これら各色の作像ユニット40Y,M,C,Bkは、それぞれ、実質的に同一の構成を有しており、各色に対応する画像データに基づいて、黄色、マゼンタ、シアン、および黒色の画像が形成される。これによって、中間転写ベルト46上で重ね合わせて4色のトナーからなる画像が形成され、2次転写ステーション部で記録シート21上への転写が行われる。そして、記録シート21上のトナー画像を定着装置で加熱加圧することにより、記録シート21上にフルカラー画像が形成される。
【0039】
図2における各作像ユニット40の構成部品は、黄色画像用の作像ユニット40Y,M,C,Bkにおいてそれぞれ同一であるので、各色に関する構成について同一の符号で表すものとし、省略してある符号については、対応する他の色の構成に同じであるものとする。
【0040】
各作像ユニット40Y,M,C,Bkは、それぞれ静電潜像が形成される潜像担持体となる感光体41を備え、これらの感光体41の周囲には、周方向に帯電手段42である帯電器、信号光路L1、作像ユニット40、転写手段32、およびクリーナ44がそれぞれ配置されている。
【0041】
感光体41は、有機光導電体(organic photoconductor, 略称「OPC」)等の感光性材料を表面に有する略円筒のドラム形状を呈し、露光ユニット43の上方に配設され、駆動手段と制御手段によって、所定方向(図中矢印方向)に回転駆動するように制御されている。帯電手段42は、感光体41の表面を所定の電位に均一に帯電するためのスコロトロン方式の帯電器であって、感光体41の外周面に近接して配置されている。
【0042】
露光器は、画像処理部(図示省略)から出力された画像データに基づいて、帯電手段42によって帯電される感光体41の表面にレーザ光を照射して露光することにより、露光部の電位を低下させ当該表面に画像データに応じた静電潜像を書込み形成する機能を有する。露光器は、各作像ユニット40Y,M,C,Bk応じて、黄色、マゼンタ、シアン、または黒色に対応する画像データが入力されることにより、対応する色に応じた静電潜像を形成する。露光器としては、複数の発光素子をアレイ状に並べた書込み装置、たとえば、書込みヘッドを使用することができ、書き込み装置は、たとえば、レーザ照射部および反射ミラーを備えたレーザスキャニングユニット(laser scanning unit, 略称「LSU」)の他、EL(Electro Luminescence)やLED等を使用することができる。
【0043】
現像剤供給手段20には、各作像ユニット40Y,M,C,Bk画像形成に応じて、黄色、マゼンタ、シアン、または黒色の貯留部23から供給された液状現像剤22が収容されている。この液状現像剤22は、不揮発性のキャリア液に、各色の顔料を含有し感光体41に帯電される表面電位と同極性に帯電した粒子状の固形成分を分散させたものである。この液状現像剤22はキャリア液中に固形成分を所定濃度となるように混合・分散されている。この液状現像剤22は粘度が100〜10000mPa・sで固形分濃度は5〜40%の範囲が望ましく、さらに具体的には粘度が300mPa・s、固形分濃度が15%である。
【0044】
作像ユニット40は、液状現像剤22を担持する現像剤担持体となる現像ローラ48を有している。現像ローラ48は、固形分トナーが感光体41へ移動し得る現像領域へ液状現像剤22を搬送するように構成されている。現像ローラ48上の液状現像剤22が感光体41上の静電潜像に接触し、現像ローラ48に印加された現像バイアスによる現像電界により、静電潜像を当該色トナーにて現像して視認可能なトナー画像を形成する。
【0045】
本実施形態において、感光体41に帯電される表面電位の極性および使用する固形分トナーの帯電極性は、ここでは、何れも正極性(プラス)とされている。1次転写器51は、感光体41上のトナー画像を中間転写ベルト46上に転写するものであり、トナーの帯電極性とは、逆極性( ここでは、負極性 )のバイアス電圧が印加される1次転写ローラ51aを有している。
【0046】
クリーナ44は、中間転写ベルト46への画像転写後に、感光体41の外周面上に残存しているトナーを除去・回収するものであり、ウレタンゴムからなるクリーニングブレード50を感光体41の表面に当接させている。
【0047】
中間転写ベルト46は半導電性のポリイミドからなり、各色の作像ユニット40の感光体41上に形成されたトナー画像を位置を合わせて重ね合わせることにより、表面に4色のトナーからなるトナー画像を担持する。そして、中間転写ベルト46が回転することにより4色のトナー画像は2次転写ステーション部へ搬送される。2次転写ステーション部では、トナー画像の搬送とタイミングを合わせて搬送される記録シート21を介して、2次転写ローラ52が中間転写ベルト46に圧接する。このとき、2次転写ローラ52にはトナーを引きつける負電位が印加され、中間転写ベルト46上のトナー画像を記録シート21へ転写させる。
【0048】
中間転写クリーナ47は被転写材となる記録シート21への画像転写後に、中間転写ベルト46の外周面上に残存しているトナーを除去・回収するものであり、クリーナ44と同様にウレタンゴムからなるクリーニングブレード50を中間転写ベルト46に当接している。
【0049】
紙搬送部49は、記録シート21の搬送タイミングを制御するレジストローラ対49a、用紙の搬送経路を規定する用紙ガイド49bを備え、2次転写ステーション部において中間転写ベルト46上の4色トナー画像が転写される記録シート21を搬送するものである。
【0050】
定着装置は、加熱ローラ54および加圧ローラ55を備え、これら圧力が付与されるニップ部に記録シート21が搬送されることで、記録シート21上に転写されたトナー画像を熱圧着して記録シート21上に定着させる。
【0051】
このように構成された画像形成装置30では、紙搬送部49にて搬送される記録シート21は、中間転写ベルト46と2次転写ローラ52との対向位置を通過する際に、2次転写ローラ52による転写電界の作用にて、中間転写ベルト46上の4色トナー画像が一括して記録シート21上に転写される。これによって、記録シート21上に4色のトナー画像が形成される。こうしてトナー画像が転写された被転写材となる記録シート21は、定着装置によってトナー画像の定着処理が行われた後に、不図示の排紙トレイに送出される。
【0052】
画像形成装置30には、図示しない制御手段が設けられる。制御手段は、たとえば、画像形成装置30の内部空間における上部に設けられ、図示しない、制御部、演算部、記憶部などからなる中央処理装置(CPU)を備えるマイクロコンピュータなどによって実現される処理回路を含む。CPUの記憶部には、画像形成装置30の上面に配置される図示しない操作パネルを介する画像形成命令、画像形成装置30内部の各所に配置される図示しないセンサなどからの検知結果、外部機器からの画像情報などが入力され、入力される各種データ(画像形成命令、検知結果、画像情報など)に基づいて演算部による判定が行われ、演算部の判定結果に応じて制御部から制御信号が送付され、画像形成装置30の全動作が制御される。記憶部には、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、リードオンリィメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ハードディスクドライブ(HDD)などが挙げられる。
【0053】
外部機器には、画像情報の形成または取得が可能であり、かつ画像形成装置30に電気的に接続可能な電気・電子機器を使用でき、たとえば、コンピュータ、デジタルカメラ、テレビ、ビデオレコーダ、DVDレコーダ、ファクシミリ装置などが挙げられる。制御手段は、前述の処理回路とともに電源を含み、電源は制御手段だけでなく、画像形成装置30内部における各装置にも電力を供給する。
【0054】
画像形成装置30は、現像剤供給手段20において、感光体41上に形成されるトナー画像を、記録シート21に転写してトナー画像を担持させる。記録シート21は、記録媒体供給手段33から転写手段32の中間転写ベルト46外周面に送給され、中間転写ベルト46によって搬送される。トナー画像を担持する記録シート21は定着手段34に搬送されて加熱加圧を受け、記録シート21にトナー画像を定着させた後、排出手段35によって画像形成装置30の内部から画像形成装置30の外部に排出される。この外出が終了して、一連の画像形成動作を完了する。
【0055】
本発明の画像形成装置30において、中間転写ベルト46、各ローラなどに用いられる材料、層構造、寸法などは、電子写真方式の画像形成分野で常用されるものをそのまままたは適宜変更して使用できる。また、ローラに代えて、ベルトなどの無端状部材を用いることもできる。さらに中間転写ベルト46、搬送ベルトなどは無端状部材とされるけれども、ローラ形態にすることもできる。本発明の画像形成装置30は、各実施の形態において、タンデム方式のカラー画像形成装置30として示すけれども、それに限定されず、たとえば、中間転写ベルト46が1回回転する毎に1色の画像を重ね合わせる、いわゆる4回転方式のカラー画像形成装置30とすることもできる。また、カラー画像形成装置30に限定されず、単色画像形成装置とすることもできる。このような本発明の画像形成装置30は、たとえば、複写機、プリンタ、ファクシミリ、またはこれらの2種以上の複合機として使用される。
【0056】
図2において液状現像剤22は、Y,M,C,Bkのトナー4色で構成しているが、特にこれら4色に限定せず、例えばシアンおよびマゼンタと同一の色相で濃度がより薄い特性をもつライトシアン(LC)およびライトマゼンタ(Lm)を加えた6色であっても良い。
【0057】
図3は、本発明の第1実施形態における現像剤供給手段20を、攪拌部24の回転軸線に垂直な平面で切断して見た断面図である。図1および図3に示すように、現像剤供給手段20に含まれる駆動部26は、攪拌部24を予め定める軸線まわりに回転させる。攪拌部24は、前記軸線まわりに回転することによって、液状現像剤22を攪拌する。支持部25は、攪拌部24を、軸線まわりに回転可能に支持する軸受27を有する。軸受27は、貯留部23に設けられる。駆動部26は、かさ歯車を有し、該かさ歯車を介して、攪拌部24を予め定める軸線まわりに回転させ、攪拌部24は、軸線まわりに回転することによって液状現像剤22を攪拌する。支持部25は、攪拌部24を、軸線まわりに回転可能に支持する軸受27を有する。以下、攪拌部24の回転に関する予め定める軸線を「回転軸線」と称する。
【0058】
攪拌部24は、2つの攪拌スクリュー66を含み、回転軸線を略水平に配置する姿勢で設置される。「略水平」は「水平」を含む。2つの攪拌スクリュー66は、貯留槽の内部空間において、最も下方の近くに配置される。これによって、貯留槽に貯留される液状現像剤22が残りわずかとなった状態においても、攪拌スクリュー66は、液状現像剤22を攪拌することができる。攪拌スクリュー66には、軸線まわりに回転可能な攪拌ギア68が設けられる。攪拌ギア68は、かさ歯車を含んで実現される。駆動部26は、攪拌部24よりも上方に配置される。駆動部26に設けられるかさ歯車は、攪拌ギア68に対し上方から接触し、噛合う。
【0059】
本実施形態の現像剤供給手段20は、図3に示すように、液状現像剤22を貯留するトナータンクとしての現像剤槽62を備える。貯留部23には、現像剤槽62から液状現像剤22が供給され、貯留部23内の液状現像剤22は、所定の液面高さに保たれる。現像剤供給手段20は貯留部23内に、液面に平行な軸線まわりに回転する、現像ローラ48、塗布ローラ57、供給ローラ56、および攪拌スクリュー66を備えている。
【0060】
攪拌スクリュー66は、液状現像剤22に浸された状態で回転可能に、平行に設けられ、駆動部26によって回転軸線まわりに回転駆動されることによって、液状現像剤22を攪拌する。これによって固形分の沈殿を防止し、液状現像剤22内の固体成分の分布を、均一に保つ。各攪拌スクリュー66の攪拌による液状現像剤22の流れる向きは、各攪拌スクリュー66において互いに逆向きとして設定される。塗布ローラ57は、表面に所定の形状、大きさ、分布密度で形成される、溝状の凹みを有する。塗布ローラ57は、ステンレスからなるグラビアローラである。塗布ローラ57には、表面に付着する液状現像剤22量を規制する規制ブレード59が接触する。規制ブレード59は、ステンレスの薄板を含んで形成される。塗布ローラ57は、現像ローラ48に軽く押圧されて回転駆動され、現像ローラ48に対向する面が一定の向きに等速で変位する。
【0061】
供給ローラ56は、その回転軸を貯留部23の液状現像剤22の液面よりも上方に位置させて設置される。供給ローラ56は、その回転軸に平行な表面部の一部が液状現像剤22に浸った状態で回転し、液状現像剤22を表面に担持して塗布ローラ57へ供給する。供給ローラ56と塗布ローラ57とは、液状現像剤22のない状態では間隔を保って設けられ、この間隔は供給ローラ56表面に担持される液状現像剤22層の厚さよりも小さく、0.3mm程度に設定されている。供給ローラ56の周速度と塗布ローラ57の周速度とは互いに同一であり、互いの表面は、同じ向きに変位する。供給ローラ56と塗布ローラ57とは逆方向に回転する。
【0062】
貯留部23には、感光体41の近傍で、感光体41に臨む位置に、現像用開口部が設けられている。現像用開口部は、貯留部23の内部空間と外部空間とを連通する貯留部23の開口部である。現像ローラ48は、貯留部23の現像用開口部から一部を露出させた状態で感光体41近傍の貯留部23に設置される。貯留部23全体は、感光体41に押圧付勢されており、これによって現像ローラ48は、感光体41に軽接触している。図示はしていないけれども、現像ローラ48に交流電圧を重畳した直流電圧である交番電圧のパルスを印加しても良く、現像ローラ48と感光体41を非接触としても良い。
【0063】
現像ローラ48は、ステンレス製の芯金に導電性のウレタンゴムを積層して形成され、不図示の制御手段・駆動手段によって、所定方向(図中矢印)に感光体41の表面に対して等速同方向に回転駆動するように構成されている。
【0064】
液状現像剤22は、不揮発性の液体キャリアに、各色の顔料を含有する固形分粒子を含む液状トナーである。この液状現像剤22は、供給ローラ56表面に表面張力で吸着され、供給ローラ56の回転により塗布ローラ57との対向部へ搬送される。塗布ローラ57とのギャップは供給ローラ56上の液状現像剤22層の厚みよりも小さいため、液状現像剤22層は塗布ローラ57との対向部前にトナー溜まりを形成する。そして、塗布ローラ57の回転により液状現像剤22層が塗布ローラ57表面に担持される。塗布ローラ57上の液状現像剤22は、規制ブレード59により塗布ローラ57表面の溝深さ、溝密度により決まる所定量に規制される。塗布ローラ57上で規制された液状現像剤22層は現像ローラ48との接触部へ搬送され、現像ローラ48上に均一な所望の液状現像剤22層を形成する。
【0065】
本実施形態の現像剤供給手段20を前述のような構成とすることによって、現像剤供給手段20は、感光体41との対向する現像ローラ48に一定量の液状現像剤22を供給する。該現像ローラ48へ供給された液状現像剤22における固形分粒子は、感光体41の表面に形成された静電潜像の静電気力によって吸引され、静電潜像を現像してトナー画像を形成する。また、現像剤供給手段20は、前記の対向位置へ供給された液状現像剤22のうち、キャリア液および現像に供されなかった固形分粒子は、現像ローラ48の回転によって、再び貯留部232内に戻され、ウレタンゴム製の掻き取りブレード60によって掻き取られる。
【0066】
図1に示すように、本実施形態において駆動部26は、所定の直線まわりに回転する回転軸を含む。所定の直線は、貯留部23に貯留される液状現像剤22の液面に角度を成す直線である。具体的には、所定の直線は、回転軸線に角度を成す直線であり、回転軸は、回転軸線に角度を成す直線まわりに回転する。この回転軸は、以下に説明する受動回転軸72である。駆動部26は、DCモータ側のかさ歯車である駆動ギア69と、かさ歯車で実現され、貯留部23の外部空間において駆動ギア69によって回転される受動ギア71と、受動ギア71と一体で回転する受動回転軸72と、貯留部23の内部空間に位置し、受動回転軸72の端部に設けられたかさ歯車である伝達ギア74と、回転部材としての攪拌スクリュー66を回転させるかさ歯車である攪拌ギア68とを含んで構成される。支持部25の軸受27は、回転軸線の両端に位置する貯留部23の壁面の一部に、凹部として形成され、攪拌スクリュー66を回転可能に支持する。回転軸線の両端部近傍において、貯留部23の壁面には貫通孔を設けない。これらのかさ歯車は円錐角45度のすぐ歯かさ歯車であり、噛み合うかさ歯車の回転軸の成す角である軸角は90度である。
【0067】
貯留部23の外部から供給される駆動力によって駆動ギア69が回転すると、これに噛み合う受動ギア71が回転する。受動ギア71の回転によって、受動回転軸72と伝達ギア74とが回転して攪拌ギア68を回転させる。これによって、攪拌スクリュー66が回転する。このとき、受動回転軸72は、図示のように、予め定められる液状現像剤22の液面に対して鉛直上方に位置する。このため、駆動部26の稼動によって液状現像剤22が液面から組み上げられることがない。これによって、受動ギア71、駆動ギア69および貯留部23の外部の駆動部26に液状現像剤22が付着することがない。したがって、装置内の液状現像剤22の汚染、付着を防止することができ、装置内を長期間にわたって清潔に保つことができる。
【0068】
本実施形態では、回転部材が貯留部23の外側に突出していないので、回転部材の貫通孔を貯留部23の壁面に形成する必要がない。これによって、回転軸線上の貫通孔からの液状現像剤22の漏れ、流出を防止することができる。また、回転軸線方向に攪拌スクリュー66が移動する場合にも、軸受27で攪拌スクリュー66軸が摩耗した場合にも、液状現像剤22が漏出することがない。このため、回転部材である攪拌スクリュー66軸に撓みやすい小径の軸や樹脂部材を用いても、液状現像剤22が機内を汚染することを防止できる。これによって、トナーの漏出を防止しながら、安価で簡素な構成を実現することができる。
【0069】
本実施形態では不揮発性のキャリア液を用いているため漏出した液状現像剤22が気化しにくく、微量の漏出量でも滲出、蓄積して画像形成装置30の機内を汚染してしまう。揮発性のキャリア液を用いる場合には、例えば、貯留部23から揮発するキャリアを適宜吸引してフィルタ等を介して揮発成分を除去して画像形成装置30の外へ排出する構成としても良い。また、貯留部23から揮発成分が漏洩するのを密閉によって阻止しても良い。更に、貯留部23の温度を制御して、揮発性のキャリア液の気化、揮発を抑制しても良い。
【0070】
本実施形態では、駆動部26がかさ歯車を有することにより、回転部材の端部を保持する構成であり、かつ回転軸の回転速度を等速で回転部材へ伝達しながら、駆動部26を小型で簡素な構成とすることができる。
【0071】
本実施形態で用いたかさ歯車に替わって、ユニバーサルジョイントや等速ジョイントを用いても、駆動部26に液状現像剤22面と交差する回転軸を設けることは可能である。この構成によっても、前記のような効果を得ることはできる。しかし、これらのジョイントを用いる場合には、回転部材の端部にカップリングを設置することが必要で、しかも、この回転軸と回転部材のなす角を直角に設定することができない。このため、駆動部26が大型となり、構成も複雑になる。
【0072】
本実施形態では、回転部材の軸受27が貯留部23の壁面に設けられることにより、回転部材を両端で回転自在に保持することとなる。これによって、トナー溜の壁面以外に回転部材を支持する強度を有する壁面を設ける必要がなく、貯留部23および駆動部26を小型で簡素な構成とすることができる。
【0073】
本実施形態では、作像ユニット40に貯留部23を設けることにより、静電潜像に液状現像剤22を接触させる現像ローラ48、現像部材へ液状現像剤22を供給する供給ローラ56、供給ローラ56へ供給されるトナーを攪拌、搬送するトナースクリュー等の作像プロセスに必要な回転部材を設けても貯留部23からの液状現像剤22の漏出を防止して、機内を汚染することを防止できる。
【0074】
本実施形態では、前記の貯留部23内の回転部材が、液状現像剤22を攪拌するために液状現像剤22に浸った状態で回転する攪拌部24となるが、回転部材の端部が貯留部23の壁面を貫通しないので、攪拌部24の軸受27にシール部材が不要である。これによって、攪拌部24を樹脂で一体成型されたスクリュー部材の様な曲げ剛性の低い部材で構成しても、液状現像剤22の漏出を防止することができる。
【0075】
第1実施形態によれば、回転部24は、貯留部23の内部空間に設けられ、支持部25は、貯留部23に内部空間を臨んで設けられる。これによって、貯蔵部23に貯留された液状現像剤22の移動を補助することと、液状現像剤22の貯留部23からの漏れを防止することとを両立することができる。回転部24は、貯留部23の内部空間に設けられ、回転部24を支持する支持部25は、内部空間を臨んで貯留部に設けられるので、支持部25は、貯留部23の外部空間に突出することなく回転部23を支持することができる。これによって、支持部25に沿って液状現像剤22が貯留部23の内部空間から外部空間に漏れることを防止することができる。また、支持部25に沿った液状現像剤22の移動を阻止するための密閉を省くことができる。したがって、支持部25に設けられる密閉のための部材を省くことができる。これによって、部品点数を低減し、製造にかかる工程数を低減し、製造費用を低減することができる。また液状現像剤22の漏れを防止することができるので、貯蔵部23の外部空間における液状現像剤22による汚染を防止することができる。
【0076】
また第1実施形態によれば、駆動部26は、回転部24を予め定める軸線まわりに回転させ、支持部25は、回転部24を、軸線まわりに回転可能に支持する軸受27を有する。軸受27は、貯留部23に設けられる。これによって、貯留部23から離れた位置に軸受を設ける構成に比べて、支持部25の構造を簡単化することができる。
【0077】
また第1実施形態によれば、駆動部26は、所定の直線まわりに回転する回転軸を含み、所定の直線は、貯留部23に貯留される液状現像剤22の液面に角度を成す直線である。これによって、回転部24に対する駆動部26の相対位置を、回転軸線の延長線上とは異なる位置に配置することができる。したがって、駆動部26を設ける設定位置を、異なる構成とすることができ、駆動部26の設計にかかる自由度を高くすることができる。したがって駆動部を、液状現像剤22の液面よりも上方に配置することも可能となる。
【0078】
また第1実施形態によれば、駆動部26は、かさ歯車を有し、該かさ歯車を介して、回転部を予め定める軸線まわりに回転させ、支持部25は、回転部24を、回転軸線まわりに回転可能に支持する軸受を有する。これによって、駆動部26および駆動部26による回転部24の動作を簡単化することができる。回転部24は予め定める回転軸線まわりに回転することによって液状現像剤22を攪拌するので、単一の繰返し動作を行うことによって攪拌することができる。また回転部22を回転させる駆動部26は、かさ歯車を介して駆動力を伝達するので、他の駆動機構によって駆動力を伝達する場合に比べて、簡単な構成によって駆動部を実現することができる。
【0079】
また第1実施形態によれば、画像形成装置30は、感光体41と、帯電手段42と、クリーナ44とをさらに含んで構成される。感光体41は、回転可能に設けられる。帯電手段42は、感光体41の表面部に接触または近接して配置され、表面部を帯電させて静電潜像を形成する。現像剤保持手段20は、感光体41の回転に伴う表面部の移動経路に関して帯電手段42よりも下流側かつクリーナ44よりも上流側に配置され、感光体41の表面部に液状現像剤22を供給する。これによって、貯留部23に貯留された液状現像剤22が感光体の表面部に供給されても、帯電手段42が液状現像剤22によって汚染されることを防止することができる。
【0080】
また第1実施形態によれば、現像剤保持手段22は、仕切板76をさらに含んで構成される。仕切板76は、貯留部23の内部空間に配置され、感光体41の表面部に供給されるための液状現像剤22が貯留される貯留用空間と、駆動部26の少なくとも一部が配置される駆動部用空間とを仕切る。これによって、駆動部26において発生する可能性のある磨耗粉が、液状現像剤22に混入することを防止することができる。したがって、画像の均一性を保持することができ、画像品質の低下を防止することができる。
【0081】
また第1実施形態によれば、液状現像剤22は、固体成分と、固体成分が分散した液体とを含み、現像剤保持手段は、液状現像剤22の移動に関して最も上流側に配置される現像剤供給手段20であり、回転部24は、液状現像剤22を攪拌可能である。これによって、固体成分を含む液状現像剤22を、その移動に関して最も上流側で、攪拌しておくことができる。したがって、固体成分と液体とが分離することを防止することができる。また液状現像剤22が貯留部23の内部空間から外部空間に漏れることが防止されるので、液状現像剤22を均一化することと、貯蔵部23の外部空間における液状現像剤22による汚染を防止するとを、両立することができる。
【0082】
また回転部24は、貯蔵部23を貫通することなく、貯蔵部23の内部空間に設けられるので、回転部の軸受には、気密性を有するシール材を省略することが可能となる。したがって、回転部が軸受に対して気密を維持しながら摺動する場合に比べて、回転部を硬度の低い材料で実現することが可能となる。これによって、回転部を樹脂で作製することができ、作成費用を低減することもできる。
【0083】
(第2実施形態)
図4は、本発明の第2実施形態における駆動部26の断面図である。第2実施形態に係る画像形成装置30は、第1実施形態に係る画像形成装置30に類似しており、以下、第1実施形態に対する第2実施形態の相違点を中心に説明する。本実施形態においては、図4に示すように、かさ歯車である伝達ギア74A、および攪拌ギア68Aが、まがり歯かさ歯車によって実現される。伝達ギア74Aの歯すじは、伝達ギア74Aの回転軸に対して20度のねじれ角を有する。同様に、攪拌ギア68Aの歯すじは、攪拌ギア68Aの回転軸に対して20度のねじれ角を有する。
【0084】
本実施形態では、回転部材に設けられたかさ歯車がねじれ角を有するため、かさ歯車の回転により、回転軸の軸方向に液状現像剤22を流動させて攪拌することができる。これによって、回転部材端部、貯留部23の隅部に液状現像剤22が滞留して固形分が沈殿、ゲル化することを防止できる。このため、トナー固形分を有効利用できると共に、局所的に液状現像剤22の固形分濃度が上昇して画像濃度が不均一となって画像品位を低下させることを防止できる。
【0085】
また第2実施形態によれば、かさ歯車は、ねじれかさ歯車である。これによって、互いに噛合う2つのねじれかさ歯車が、両方のねじれかさ歯車の回転軸線を含む平面に平行な方向に振動することを防止することができる。したがって、すぐばかさ歯車を使用する場合に比べて、かさ歯車の駆動に伴う振動および騒音を低減することができる。
【0086】
(第3実施形態)
図5は、本発明の第3実施形態における現像剤保持手段20の断面図である。図6は、本発明の第3実施形態における伝達ギア74Bおよび攪拌ギア68Bの側面図である。第3実施形態に係る画像形成装置30は、第1実施形態に係る画像形成装置30に類似しており、以下、第1実施形態に対する第3実施形態の相違点を中心に説明する。
【0087】
本実施形態においては、図5に示すように、駆動部26の駆動ギア69B、受動ギア71Bの回転軸が食い違い軸であり、伝達ギア74B、攪拌ギア68Bの回転軸も食い違い軸である。そして、駆動ギア69B、受動ギア71B、伝達ギア74B、攪拌ギア68Bがねじ歯車であり、ねじれ角は45度、ねじれ方向は右方向で同方向、食い違い軸であるねじ歯車の回転軸の軸角は90度である。攪拌スクリュー66、伝達回転軸はその両端を回転可能に支持されている。
【0088】
さらに、貯留部23内において、攪拌スクリュー66の攪拌ギア68Bおよび伝達ギア74Bを内包する駆動部26用空間と、貯留部23内の液状現像剤22が貯留され、作像のために移動する著流用空間とが、仕切板76によって仕切られる。仕切板76は攪拌スクリュー66の回転軸に対して隙間を有して設置され、液状現像剤22を仕切板76の内部に完全に密閉するものではない。
【0089】
本実施形態では、駆動部26が、ねじ歯車を有することにより、回転部材の端部を保持する構成であり、かつ回転軸の回転速度を等速で回転部材へ伝達しながら、駆動部26を小型で簡素な構成とすることができる。さらに、ねじれギアおよびハイポイドギアは入力軸と出力軸が食い違い軸でもかみ合わせ可能なため、回転部材、回転軸の両端を支持して安定して回転・かみ合わせさせることができる。ハイポイドギア対を成す2つの歯車のうち、一方の歯車の軸線と他方の歯車の軸線とを、ねじれの位置に配置することができる。したがって、すぐばかさ歯車を使用する場合に比べて、駆動部26の設計にかかる自由度を高くすることができる。
【0090】
ユニバーサルジョイントや等速ジョイントを用いても、駆動部26に液状現像剤22面と交差する回転軸を設けることは可能である。しかしながら、これらのジョイントを用いる場合には、回転部材の端部にカップリングを設置することが必要で、しかも、この回転軸と回転部材のなす角を直角に設定することができない。このため、駆動伝達部が大型となり、構成も複雑になる。
【0091】
また、駆動部26にウォーム歯車を用いても、駆動部26に液状現像剤22面と垂直な回転軸を設けることは可能である。しかしながら、ウォーム歯車は減速比が大きく、ウォームホイールの回転によってウォームギアを回転させることができず、さらに、駆動伝達効率が低いという短所がある。
【0092】
さらに、駆動部26にフェースギアを用いても、駆動部26に液状現像剤22面と垂直な回転軸を設けることは可能である。しかしながら、フェースギアは大形の歯車を用いるため、駆動手段が大型化してしまう。
【0093】
また、本実施形態では、貯留部23内の内部空間において、回転部材に駆動力を伝達する駆動部26の一部が位置する駆動部26用空間と、貯留部23内において液状現像剤22が作像に使用される貯留用空間とを仕切板76によって仕切るので、駆動部26の稼動によって発生する可能性のある摩耗粉等が、貯留部23用空間に移動することを防止することができる。これによって、摩耗粉が画像に付着して画像の均一性を損なって、画像品位を低下させることを防止できる。
【0094】
また本発明によれば、駆動部26は、回転軸線に角度を成す直線まわりに回転する受動回転軸72を含む。これによって、回転部24に対する駆動部26の相対位置を、回転軸線の延長線上とは異なる位置に配置することができる。したがって、駆動部26を設ける設定位置を、異なる構成とすることができ、駆動部26の設計にかかる自由度を高くすることができる。また本実施形態でねじ歯車の一種であるハイポイドギアの回転中心を成す軸線は、回転軸線に角度を成す直線であり、ねじ歯車の軸線の両端のうち、一方は貯留部23内に設置される。貯留部23内においてねじ歯車の軸を受ける部分には、貯留部23の内部空間に臨む軸受が設けられ、ねじ歯車の軸は、貯留部23を貫通することなく配置される。
【0095】
仕切板76は攪拌スクリュー66と隙間を有して設けているので、攪拌スクリュー66との間に軸受27およびシール部材は必要ない。したがって、現像剤供給手段20を、簡易にかつ安価に製造することができる。
【0096】
食い違い軸の駆動力を伝達する歯車としてねじ歯車について説明したが、この構成に限るものでなく、ハイポイドギアと同等の食い違い軸に適応できる歯車であれば同様に構成することができる。
【0097】
また、前記の実施形態では、回転部材を攪拌スクリュー66について説明したが、回転部材については攪拌スクリュー66に限るものではなく、現像ローラ48、塗布ローラ57、供給ローラ56についても同様に構成することができる。
【0098】
仕切壁は液状現像剤22を完全にシールする必要はなく、変形可能で貼付容易なスポンジやシート状のフィルター等でも同様に構成することができる。
【0099】
(第4実施形態)
図7は、本発明の第4実施形態における現像剤供給手段20の断面図である。第4実施形態に係る画像形成装置30は、第1実施形態に係る画像形成装置30に類似しており、以下、第1実施形態に対する第4実施形態の相違点を中心に説明する。
【0100】
本実施形態においては、図7に示すように、攪拌部24としての攪拌パドル77を、貯留部23内に設けている。この攪拌パドル77は、樹脂製の回転軸に楕円形の攪拌板を一体に成型した部品で、貯留部23内の液状現像剤22の液面下で回転し、液状現像剤22を攪拌する攪拌部24である。貯留部23内の液状現像剤22が現像用開口部から感光体41に供給されて、画像形成を行う。
【0101】
攪拌パドル77は回転軸線まわりに回転可能に設置され、貯留部23の壁面に凹部として設けられた軸受27によって支持される。攪拌パドル77には第1実施形態と同様に、すぐ歯かさ歯車が攪拌ギア68として設けられる。攪拌パドル77と受動ギア71とは互いの回転軸線が直交し、液状現像剤22の液面よりも鉛直上方で噛合う。
【0102】
本実施形態では、駆動部26にすぐ歯かさ歯車を用いているので、軸方向に受動ギア71が移動することにより容易に駆動ギア69との噛み合いを契合、離脱することができる。また本実施形態では、前記の貯留部23に液状現像剤22を貯留することによって、液状現像剤22中の固形分の沈殿、ゲル化を防止しながら、貯留部23からの液状現像剤22の漏出を防止することができる。また、機内の汚染を防ぐことができる。
【0103】
本実施形態においても、第1実施形態と同様に、前記の貯留部23内の攪拌部24が、液状現像剤22を攪拌するために液状現像剤22に浸った状態で回転する攪拌部24となる。攪拌部24材の端部が貯留部23の壁面を貫通しないので、攪拌部24材の軸受27にシール部材が不要となり、これによって、攪拌部24材を、樹脂で一体成型されたスクリュー部材のような、曲げ剛性の低い部材で構成しても、液状現像剤22の漏出を防止することができる。
【0104】
第4実施形態において、回転可能に設けられる現像ローラ48、塗布ローラ57および供給ローらは、感光体41にトナーを供給する貯留部23に設ける構成について説明したが、この構成に限るものではない。たとえば感光体41から回収した液状現像剤22を貯留する回収タンクを設け、感光体41から回収タンク内に液状現像剤22を移動させる構成とすることも可能である。
【0105】
また、前記の実施の形態においては、受動回転軸72を液状現像剤22の液面よりも鉛直上方に配置し、液面に平行な面に対して直交する構成について説明したが、本実施形態に限るものではなく、受動ギア71と攪拌ギア68とが液面よりも上方に設置されていれば、前記の効果を得ることができる。
【0106】
また、前記実施の形態においては、駆動部26としてすぐ歯かさ歯車について説明したが、本技術は駆動部26の回転軸が液状現像剤22の液面と交差するものであり、すぐ歯かさ歯車に限定されるものではなく、曲がり歯かさ歯車等のかさ歯車は言うまでもなく、ハイポイドギア、ねじ歯車、フェースギア等の駆動の入力軸と出力軸が所定の角度を有した状態で回転駆動力を伝達できる歯車要素を用いても同様に構成することができる。さらにハイポイドギア、ねじ歯車、フェースギアを用いる場合には駆動の入力軸と出力軸が交差しない食い違い軸でも構成可能なため、回転部材と駆動手段を配置する設計の自由度を広げることができる。
【0107】
また、前記実施の形態においては、駆動部26の一部としてかさ歯車について説明したが、本技術は駆動部26の回転軸が液状現像剤22の液面と交差するものであり、かさ歯車に限定されるものではなく、ウォーム歯車、ユニバーサルジョイント、等速ジョイント等を用いることができる。すなわち、駆動部26に使用される駆動要素としては、回転駆動の入力軸と出力軸が所定の角度を成した状態で回転駆動力を伝達できる駆動要素であればよい。
【0108】
(比較例)
図8は、本発明の比較例における現像剤供給手段20Cの断面図である。比較例において、貯留部23Cの壁面には貫通孔が形成され、貫通孔を規定する部分には軸受27Cが形成される。図8において、スクリュー軸は貯留部23Cの壁面に設けた貫通孔を貫通して貯留部23Cの外部に平歯車からなる攪拌ギア68Cを有し、伝達ギア74Cからの駆動力を受けて回転する。この貫通孔にはスクリュー軸を回転可能に保持する軸受27Cとスクリュー軸に密接して液状現像剤22の漏出を防止するオイルシール、オイルシールと貫通孔内面との隙間からの液状現像剤22の漏出を防止する外周シールが設けられている。この構成では、液漏れを防止するためのシール機構が必要となるので、その構成と製造工程が複雑になり製品コストの上昇を招くこととなる。さらには、回転部材の剛性が不十分な場合には、回転トルクにより回転部材が変形しながら回転するため、シール機構と回転部材の間に隙間が生じやすく、完全に液状現像剤22の漏出を防ぐことは困難である。
【0109】
第1〜第4実施形態では、駆動部26が、それ自体またはその延長線が貯留部23内の液状現像剤22の液面と交差する回転軸を有することにより、回転軸の一方が液面よりも重力方向に上方となる。これによって、回転部材へ回転駆動力を伝達しながら、駆動部26の回転軸を伝わって、液状現像剤22が貯留部23から外部へ漏出することを防止できる。
【0110】
図8に示す比較例のように、駆動部26Cがトナー液面に平行な場合には、回転部材を伝わって現像溜め外へ漏出した液状現像剤22が垂れ、飛散により機内を汚染するおそれがある。一旦平歯車の攪拌ギア68Cに付着すると、不揮発性のキャリア液からなる液状現像剤22は、攪拌ギア68Cの回転により伝達ギア74Cに付着する。伝達ギア74Cに付着した液状現像剤22は長時間の使用により、回転に伴い回転軸、受動軸へと移動し、さらに受動ギア71C、駆動ギア69Cを経て装置本体内へと液状現像剤22が移動して、装置本体内を汚染してしまう。
【0111】
これに対し本発明の第1〜第4実施形態に係る画像形成装置30では、長時間使用されても、液状現像剤22が貯留槽の外部に漏れることはなく、また小形かつ簡単な構造として実現することができる。
【0112】
第1〜第4実施形態において、現像剤保持手段は、画像形成装置内で液状現像剤の移動に関して最も上流側に配置される現像剤供給手段20であるものとし、回転部24は、貯留部23内の液状現像剤22の一部を移動させることによって液状現像剤22を攪拌可能な攪拌部であるものとしたけれども、本発明において現像保持手段は、液体を含む液状現像剤を保持するものであれば、足りる。また回転部は、貯留部の内部空間に設けられ、予め定める回転軸線まわりに回転することによって、貯留部に貯留された液状現像剤の移動を補助するものであれば、足りる。
【0113】
他の実施形態において回転部は、たとえば液状現像剤を搬送する搬送スクリューでもよく、また回転によって液状現像剤を感光体41に移動させる搬送ローラであってもよい。また現像剤保持手段は、感光体41に供給された液状現像剤のうち、余剰な液状現像剤を一時的に貯留する廃トナー貯留部を含む貯留手段であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】本発明の第1実施形態における現像剤供給手段20を、攪拌部24の回転軸線に平行な平面で切断して見た断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置30の側面図である。
【図3】本発明の第1実施形態における現像剤供給手段20を、攪拌部24の回転軸線に垂直な平面で切断して見た断面図である。
【図4】本発明の第2実施形態における駆動部26の断面図である。
【図5】本発明の第3実施形態における現像剤供給手段20の断面図である。
【図6】本発明の第3実施形態における伝達ギア74および攪拌ギア68の側面図である。
【図7】本発明の第4実施形態における現像剤供給手段20の断面図である。
【図8】本発明の比較例における現像剤供給手段20Cの断面図である。
【図9】第1の従来技術に係る画像形成装置における現像剤供給部の断面図である。
【符号の説明】
【0115】
20 現像剤供給手段
21 記録シート
22 液状現像剤
23 貯留部
24 攪拌部
25 支持部
26 駆動部
27 軸受
30 画像形成装置
32 転写手段
33 記録媒体供給手段
34 定着手段
35 排出手段
40 作像ユニット
41 感光体
42 帯電手段
43 露光ユニット
44 クリーナ
46 中間転写ベルト
47 中間転写クリーナ
48 現像ローラ
49 紙搬送部
49a レジストローラ
49b 用紙ガイド
50 クリーニングブレード
51 1次転写器
51a 1次転写ローラ
52 2次転写ローラ
53 給紙トレイ
54 加熱ローラ
55 加圧ローラ
56 供給ローラ
57 塗布ローラ
59 規制ブレード
60 掻き取りブレード
62 現像剤槽
66 攪拌スクリュー
68 攪拌ギア
69 駆動ギア
71 受動ギア
72 受動回転軸
74 伝達ギア
76 仕切板
77 攪拌パドル
L1 信号光路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を含む液状現像剤を保持する現像剤保持手段であって、
内部空間が形成され、液状現像剤を前記内部空間に貯留する貯留部と、
前記内部空間に設けられ、予め定める回転軸線まわりに回転することによって前記貯留部に貯留された前記液状現像剤の移動を補助する回転部と、
前記貯留部に前記内部空間を臨んで設けられ、前記回転部を支持する支持部と、
前記回転部を前記回転軸線まわりに回転駆動する駆動部とを有する現像剤保持手段を含むことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記駆動部は、前記回転部を予め定める軸線まわりに回転させ、
前記支持部は、前記回転部を前記軸線まわりに回転可能に支持する軸受を有し、
該軸受は、前記貯留部に設けられることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記駆動部は、所定の直線まわりに回転する回転軸を含み、
前記所定の直線は、前記貯留部に貯留される液状現像剤の液面に角度を成す直線であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記駆動部は、かさ歯車を有し、該かさ歯車を介して、前記回転部を予め定める軸線まわりに回転させ、
前記回転部は、前記軸線まわりに回転することによって前記液状現像剤を攪拌し、
前記支持部は、前記回転部を、前記軸線まわりに回転可能に支持する軸受を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記かさ歯車は、ねじれかさ歯車であることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記駆動部は、ハイポイドギア対を有し、該ハイポイドギア対を介して、前記回転部を予め定める軸線まわりに回転させ、
前記支持部は、前記回転部を、前記軸線まわりに回転可能に支持する軸受を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項7】
光導電性を有する表面部を含み回転可能に設けられる感光体と、
前記感光体の表面部に接触または近接して配置され、前記表面部を帯電させて静電潜像を形成する帯電手段と、
前記感光体の前記表面部に付着した前記液状現像剤を前記表面部から除去するクリーナとをさらに含み、
前記現像剤保持手段は、前記感光体の回転に伴う前記表面部の移動経路に関して前記帯電手段よりも下流側、かつ前記クリーナよりも上流側に配置され、前記表面部に前記液状現像剤を供給することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記現像剤保持手段は、前記貯留部の内部空間に配置される仕切板であって、
前記感光体の前記表面部に供給されるための液状現像剤が貯留される貯留用空間と、前記駆動部の少なくとも一部が配置される駆動部用空間とを仕切る仕切板をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記液状現像剤は、固体成分と、固体成分が分散した液体とを含み、
前記現像剤保持手段は、液状現像剤の移動に関して最も上流側に配置される現像剤供給手段であり、
前記回転部は、前記液状現像剤を攪拌可能であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−32565(P2010−32565A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−191523(P2008−191523)
【出願日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】