画像形成装置
【課題】
隠し文字等が印刷された印刷文書の複製により当該隠し文字等の情報を明確に印刷文書上に示すことができるようにした画像形成装置を提供する。
【解決手段】
地紋を印刷出力することが指示された地紋印刷制御部101では、地紋印刷設定情報記憶部102に記憶する地紋印刷に用いる設定情報を取得して地紋印刷における制御処理を行う。この地紋印刷制御部101における地紋印刷の制御処理は、隠し文字部分および背景部分の印刷に用いるスクリーン数を変化させるほか、各スクリーンのドットサイズを変更することにより地紋印刷を行う。
隠し文字等が印刷された印刷文書の複製により当該隠し文字等の情報を明確に印刷文書上に示すことができるようにした画像形成装置を提供する。
【解決手段】
地紋を印刷出力することが指示された地紋印刷制御部101では、地紋印刷設定情報記憶部102に記憶する地紋印刷に用いる設定情報を取得して地紋印刷における制御処理を行う。この地紋印刷制御部101における地紋印刷の制御処理は、隠し文字部分および背景部分の印刷に用いるスクリーン数を変化させるほか、各スクリーンのドットサイズを変更することにより地紋印刷を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
重要な印刷文書などの複製を抑制するとともに、不正に複製が行われた場合でも複製された印刷文書であることを明示する印刷技術として地紋印刷がある。この地紋印刷は、印刷文書の背景に特定の文字を複製前の印刷文書状態では認識できない程度若しくはその文字を意識せず内容を理解できる程度の細かな模様を入れるて印刷出力を行うという技術である。
【0003】
この地紋印刷では、不正に複製が行われた場合にはこの文字を視認できる程度に浮き出させ、複製が行われた印刷文書であることを示すことができる。
【0004】
この特定の文字として、例えば「コピー禁止」、「禁複写」、「禁複製」などの不正な複製を警告する文字等がある。
【0005】
特許文献1に開示された従来技術では、2つの異なる形状からなるディザパターンを形成し、これらを重ね合わせて印刷出力した原本を生成することにより、当該原本が複製された場合、その原本とコピーとの判別を容易に行うことができるとともに不正なコピーを防止することができる印刷物を、普通紙を用いて出力することができるようにしている。
【特許文献1】特開2001−268337号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、地紋印刷で隠し文字等の文字情報部分が印刷された印刷文書が複製されることにより当該隠し文字等の情報を明確に印刷文書上に示すことができるようにした画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、網点線数を少なくして寸法を大きくし複写により顕在化する第1の点画像および網点線数を多くして寸法を小さくし複写により非顕在化する第2の点画像を含み、隠し文字部分若しくは背景部分の少なくとも一方に、第1の色が指定された前記第1の点画像に第2の色が指定された前記第2の点画像を重ね合わせた画像データを生成する画像データ生成手段と、前記画像データ生成手段で生成された画像データを用いて画像形成を行う画像形成手段とを具備する。
【0008】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記画像データ生成手段は、前記隠し文字部分に、マゼンタ色が指定された前記第1の点画像を配設するとともに、該第1の点画像に重ねて、シアン色、イエロー色が指定された前記第2の点画像を所定間隔で配設し、前記背景部分に、シアン色、マゼンタ色、イエロー色が指定された前記第2の点画像を所定の間隔で配設した画像データを生成する。
【0009】
また、請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記画像データ生成手段は、前記隠し文字部分に、該第1の点画像に重ねて、シアン色、、イエロー色が指定され前記第2の点画像を隣接配設し、前記背景部分に、シアン色、マゼンタ色、イエロー色が指定された前記第2の点画像を所定の間隔で配設した画像データを生成する。
【0010】
また、請求項4の発明は、請求項1の発明において、前記画像データ生成手段は、前記隠し文字部分に、黒色が指定された前記第1の点画像を配設し、前記背景部分に、マゼンタ色が指定された前記第1の点画像を配設するとともに、該第1の点画像に重ねて、シアン色、イエロー色が指定された前記第2の点画像を所定間隔で配設した画像データを生成する。
【0011】
また、請求項5の発明は、請求項1の発明において、前記画像データ生成手段は、前記隠し文字部分に、第1の色および第2の色が指定された前記第1の点画像を配設し、前記背景部分に、前記第2の色が指定された前記第1の点画像を配設するとともに、該第1の点画像に重ねて、前記第1の色が指定された前記第2の点画像を所定間隔で配設した画像データを生成する。
【0012】
また、請求項6の発明は、請求項1の発明において、前記画像データ生成手段は、前記隠し文字部分に、第1の色が指定された前記第1の点画像を配設するとともに、該第1の点画像に重ねて、前記第2の色が指定された前記第1の点画像を配設し、前記背景部分に、前記第2の色が指定された前記第1の点画像を配設するとともに、該第1の点画像に重ねて、前記第1の色が指定された前記第2の点画像を所定間隔で配設した画像データを生成する。
【0013】
また、請求項7の発明は、請求項1の発明において、前記画像データ生成手段は、前記隠し文字部分に、第1の色が指定された前記第1の点画像を配設するとともに、該第1の点画像に重ねて、前記第2の色が指定された前記第2の点画像を所定間隔で配設し、前記背景部分に、前記第1の色が指定された前記第2の点画像および前記第2の色が指定された前記第2の点画像を所定間隔で配設した画像データを生成する。
【0014】
また、請求項8の発明は、請求項1の発明において、前記画像データ生成手段は、前記隠し文字部分に、第1の色が指定された前記第1の点画像を配設するとともに、該第1の点画像に重ねて、前記第2の色が指定された前記第2の点画像を所定間隔で配設し、前記背景部分に、第2の色が指定された前記第1の点画像を配設するとともに、該第1の点画像に重ねて、前記第1の色が指定された前記第2の点画像を所定間隔で配設した画像データを生成する。
【0015】
また、請求項9の発明は、請求項1の発明において、前記画像データ生成手段は、前記隠し文字部分に、マゼンタ色、シアン色、イエロー色が指定された前記第1の点画像を重ねて配設し、前記背景部分に、シアン色、マゼンタ色、イエロー色が指定された前記第2の点画像を所定の間隔で配設した画像データを生成する。
【0016】
また、請求項10の発明は、請求項1の発明において、前記画像データ生成手段は、前記隠し文字部分に、第1の色、第2の色が指定された前記第1の点画像を重ねて配設し、前記背景部分に、第1の色、第2の色が指定された前記第2の点画像を所定の間隔で配設した画像データを生成する。
【0017】
また、請求項11の発明は、請求項1の発明において、前記画像データ生成手段は、前記隠し文字部分に、シアン色、マゼンタ色、イエロー色が指定された前記第1の点画像を重ねて配設し、前記背景部分に、黒色が指定された前記第2の点画像を所定の間隔で配設した画像データを生成する。
【発明の効果】
【0018】
本発明の請求項1によれば、隠し文字等の文字情報部分が印刷された印刷文書が複製されることにより当該隠し文字等の情報を明確に印刷文書上に示すことができるようになるという効果を奏する。
【0019】
また、請求項2によれば、隠し文字等の文字情報部分が印刷された印刷文書が複製されることにより当該隠し文字等の情報を明確に印刷文書上に示すことができるようになるという効果を奏する。
【0020】
また、請求項3によれば、隠し文字等の文字情報部分が印刷された印刷文書が複製されることにより当該隠し文字等の情報を明確に印刷文書上に示すことができるようになるという効果を奏する。
【0021】
また、請求項4によれば、隠し文字等の文字情報部分が印刷された印刷文書が複製されることにより当該隠し文字等の情報を明確に印刷文書上に示すことができるようになるという効果を奏する。
【0022】
また、請求項5によれば、隠し文字等の文字情報部分が印刷された印刷文書が複製されることにより当該隠し文字等の情報を明確に印刷文書上に示すことができるようになるという効果を奏する。
【0023】
また、請求項6によれば、隠し文字等の文字情報部分が印刷された印刷文書が複製されることにより当該隠し文字等の情報を明確に印刷文書上に示すことができるようになるという効果を奏する。
【0024】
また、請求項7によれば、隠し文字等の文字情報部分が印刷された印刷文書が複製されることにより当該隠し文字等の情報を明確に印刷文書上に示すことができるようになるという効果を奏する。
【0025】
また、請求項8によれば、隠し文字等の文字情報部分が印刷された印刷文書が複製されることにより当該隠し文字等の情報を明確に印刷文書上に示すことができるようになるという効果を奏する。
【0026】
また、請求項9によれば、隠し文字等の文字情報部分が印刷された印刷文書が複製されることにより当該隠し文字等の情報を明確に印刷文書上に示すことができるようになるという効果を奏する。
【0027】
また、請求項10によれば、隠し文字等の文字情報部分が印刷された印刷文書が複製されることにより当該隠し文字等の情報を明確に印刷文書上に示すことができるようになるという効果を奏する。
【0028】
また、請求項11によれば、隠し文字等の文字情報部分が印刷された印刷文書が複製されることにより当該隠し文字等の情報を明確に印刷文書上に示すことができるようになるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明に係わる画像形成装置の一実施例を添付図面を参照して詳細に説明する。
【実施例】
【0030】
図1は、本発明の実施の形態における画像形成装置を適用して構成した印刷装置の構成を示す図の一例である。
【0031】
図1において、画像形成装置は、画像制御部100、印刷出力部110、ユーザインターフェース部120、通信インターフェース部121を具備して構成され、ユーザインターフェース部120若しくは通信インターフェース部121から地紋印刷の指示を画像制御部100へ行うことで画像制御部100が地紋印刷にかかる制御処理を行う。
【0032】
地紋印刷は、印刷用紙等の印刷媒体(以下、「印刷用紙」という)に隠し文字を埋め込む(非潜在化させる)印刷方法であって、隠し文字部分と背景部分とが色の相互関係を有することにより地紋を形成する。この地紋印刷により、地紋が印刷された印刷用紙が原本であるか若しくは複写された複写物であるかを識別する。
【0033】
地紋印刷による地紋の一例を図2に示す。図2には、印刷用紙に印刷された地紋の一部を表しており、地紋は「隠し文字部分」と「背景部分」とから構成される。この図2に示すような地紋が印刷された原本の印刷用紙を複写処理すると、隠し文字部分と背景部分との間に色相若しくはコントラストの差が生じることとなり、隠し文字部分が浮き上がって(潜在化して)視認できるようになる。この状態における印刷用紙は複写された複写印刷用紙であることを示す。
【0034】
図2は、原本の印刷用紙に印刷された地紋の一部を抜き出した図およびその地紋の特定箇所を拡大した図である。この図2では、「禁複写」という文字を隠し文字としている。
【0035】
図2(a)は、地紋の背景部分をグレー色で印刷出力するとともに隠し文字部分についてもグレー色で印刷出力した例を示している。すなわち、隠し文字部分と背景部分とが一体化し、隠し文字の存在を意識することを必要としない。
【0036】
この隠し文字部分の一部を拡大した図が図2(b)であって、この図2(b)により隠し文字部分がドット部分(点画像)とその他の部分とから構成されていることが示され、ドット部分が一体的・連続的に配置させることで隠し文字を形成している。
【0037】
図1に示す画像制御部100は、地紋印刷制御部101、地紋印刷設定情報記憶部102、画像生成部103、色材情報取得部104を具備し、図2に示すような地紋を印刷出力することが指示されると、地紋印刷制御部101が地紋印刷設定情報記憶部102に記憶する地紋印刷に用いる設定情報を取得して地紋印刷における制御処理を行う。
【0038】
このとき、地紋印刷制御部101では、色材情報取得部104が印刷出力部120の出力制御部111から取得した地紋印刷に用いる色材の種類、各色材の残量、各色材の使用可否などその他の色材情報を用いて処理を行うことも可能である。この色材の種類として、例えばシアン色、マゼンタ色、イエロー色、ブラック色などがあり、また各色材の残量として、例えば総量に対する残量の割合などがある。さらに、各色材の使用可否として、例えば残量が一定割合以下の場合や色材を搭載していない場合に使用できない状態にあることを示す。
【0039】
この地紋印刷制御部101における地紋印刷の制御処理は、隠し文字部分および背景部分の印刷に用いるスクリーン数を変化させるほか、各スクリーンのドットサイズを変更することにより地紋印刷を行う処理である。
【0040】
スクリーン数およびドットサイズを変更させて行う地紋印刷の例を図3〜図21を用いて以下で説明する。
【0041】
図3〜図21に示すようなスクリーン数およびドットサイズとする地紋印刷の制御処理が行われた地紋印刷制御部101では、その地紋印刷の制御処理により作成された地紋印刷データを画像生成部103へ送出する。この画像生成部103では、地紋印刷制御部101から送出された地紋印刷データに基づいて印刷出力する画像データを生成する。
【0042】
画像生成部103で画像データが生成されると、出力処理部112へと画像データを送出し、また出力制御部111へと画像データの生成完了を示す信号を送出する。出力制御部111では、出力処理部112で出力処理を行うためのヒーターの暖めなどの準備処理を制御する。
【0043】
また、出力制御部111では、出力処理部112で出力処理に用いる色材に関する色材情報を管理する。
【0044】
そして、出力処理部112は、画像生成部103から送出された画像データの出力処理を行うことによって印刷用紙に地紋を印刷出力する。
【0045】
以下では、地紋印刷制御部101による地紋印刷の制御処理の具体例を図3〜図21を用いて説明する。
【0046】
図3は、隠し文字部分および背景部分における配色状態を示す図である。
【0047】
図3(a)は、隠し文字部分の配色状態を示しており、異なる色材二色を重ね合わせることにより配色された部分と、重ね合わせに用いた色材一色のみで配色された部分とからなる。
【0048】
図3(a)に示す二色の重ねあわせ部分は、マゼンタ色の色材の上にシアン色とイエロー色の色材を重ね合わせた配色構造であり、一色のみの部分は、シアン色とイエロー色を隣り合わせた配色構造である。これは、下段のマゼンタ色の色材をシアン色の色材およびイエロー色の色材よりも少ないスクリーン数で印刷するとともに、そのマゼンタ色のスクリーンをシアン色の色材およびイエロー色の色材のドットサイズよりも大きなドットサイズで印刷出力した例を示している。また、マゼンタ色の色材の上に重ね合わせたシアン色とイエロー色の色材は隣り合わせて配色している。
【0049】
この図3(a)では、それぞれスクリーン数「9個」のシアン色およびイエロー色を示しているのに対して、スクリーン数「2個」のマゼンタ色を示しているとともに、この2個のマゼンタ色のスクリーンは他の色材(シアン色、イエロー色)よりも大きなドットサイズであることを示す。
【0050】
図3(b)は、背景部分における配色の状態を示しており、シアン色、マゼンタ色、イエロー色を一定の間隔を空けて同一のスクリーン数および同一のドットサイズで配色した配色構造である。
【0051】
この図3に示すような配色からなる地紋をスキャナなどの読取装置で読み取ることによって示されるコントラストの状態を図4に示す。
【0052】
図4において、図4(a)は、図3(a)の配色構造からなる隠し文字部分の色材のコントラストを示し、マゼンタ色のコントラストがシアン色、イエロー色のコントラストよりも強いコントラストであることを示している
すなわち、スキャナなどの読取装置では、隠し文字部分を読み取ることによりマゼンタ色を強く認識していることを示す。
【0053】
また、図4(b)は、図3(b)の配色構造からなる背景部分を上記の読取装置により読み取ることによって示されるコントラストを示し、シアン色、マゼンタ色、イエロー色のコントラストが同レベルの値であることを示している。
【0054】
すなわち、スキャナなどの読取装置では、これらの色材を配合したグレー色として認識することを示す。
【0055】
図3に示す配色構造によって印刷された図2に示すような地紋を有する印刷用紙を、複写処理した場合の複写印刷用紙における地紋を図6(a)に示す。なお、複写処理は、原本の印刷用紙を読取装置で読み取る「文書読取処理」とその文書読取処理により読み取った画像データを出力装置から出力する「文書出力処理」とを行うことにより実現される処理である。
【0056】
図6(a)では、隠し文字部分がマゼンタ色で印刷出力されており、背景部分がグレー色によって印刷出力された状態を示す。
【0057】
これは、地紋部分が図4に示すようにマゼンタ色のコントラストが強く認識したことによるものであり、また背景部分が図4に示すようにシアン色、マゼンタ色、イエロー色を同レベルで認識したことによるものである。
【0058】
これによって、シアン色、マゼンタ色、イエロー色を同レベルで認識することにより表されるグレー色の背景部分とマゼンタ色により表される隠し文字部分とが大きな差の色相で表される。
【0059】
なお、図6(b)には、図3(a)のマゼンタ色とシアン色とを入れ替えて印刷出力した原本の印刷用紙を複写処理した状態を示している。すなわち、図3(a)において、シアン色の色材の上にマゼンタ色とイエロー色の色材を重ね合わせた構造により配色された隠し文字部分からなる原本の印刷用紙を複写処理した状態を示す。
【0060】
ちなみに、シアン色とイエロー色を隣り合わせて配色していることから、シアン色とイエロー色とを一定の間隔を空けて配色したときよりも強いコントラストとなる。
【0061】
図5は、図3に示す配色状態と類似し、マゼンタ色の色材の上にシアン色とイエロー色の色材を重ね合わせた構造からなり、シアン色とイエロー色の同一スクリーン数をマゼンタ色の1つのスクリーン上に重ね合わせた構造からなる。すなわち、マゼンタ色の1スクリーンあたりのドットサイズがシアン色とイエロー色のドットサイズの整数倍となる。
【0062】
図5(a)に示す例では、マゼンタ色のドットサイズはシアン色若しくはイエロー色のドットサイズの「6倍」であって、スクリーン数「1」のマゼンタ色にスクリーン数「3」のシアン色、イエロー色を重ね合わせた構造となることを示す。
【0063】
この図5(a)に示す配色からなる隠し文字部分を複写処理すると、図3(a)に示す配色からなる隠し文字部分よりも強いコントラストとなる。
【0064】
図7は、図2に示す原本の印刷用紙に印刷された地紋の配色状態を示す他の図である。
【0065】
図7(a)は、地紋の隠し文字部分の配色状態を示しており、単色のブラック色のみを配色している図である。また、図7(b)は、地紋の背景部分の配色状態を示しており、二色の重ね合わせにより配色される部分と、一色のみで配色される部分とから構成される。
【0066】
二色の重ねあわせ部分は、マゼンタ色の色材の上にシアン色とイエロー色の色材を重ね合わせた構造であり、一色のみの部分は、シアン色とイエロー色を隣り合わせた構造である。これは、下段のマゼンタ色の色材を上段のシアン色の色材およびイエロー色の色材よりも少ないスクリーン数で印刷するとともに、そのマゼンタ色のスクリーンをシアン色の色材およびイエロー色の色材のドットサイズよりも大きなドットサイズで印刷出力した例を示している。
【0067】
すなわち、図7(b)では、それぞれスクリーン数「9個」のシアン色およびイエロー色を示しているのに対して、スクリーン数「2個」のマゼンタ色を示しており、また、この2個のマゼンタ色のスクリーンは他の色材(シアン色、イエロー色)よりも大きなドットサイズであることを示す。
【0068】
それに対して、図7(a)に示す隠し文字部分は、図7(b)のマゼンタ色とほぼ等しいドットサイズで印刷出力し、またそのマゼンタ色のスクリーン数と同じスクリーン数で印刷出力している。
【0069】
この図7に示すような配色によって印刷された図2に示すような地紋を有する原本の印刷用紙を、複写処理した場合の複写印刷用紙における地紋の配色状態を図8(a)に示す。
【0070】
図8(a)に示す地紋の文字部分は、単色のブラック色で印刷出力された状態を示し、地紋の背景部分はマゼンタ色によって印刷出力された状態を示す。
【0071】
これは、隠し文字部分が図7(a)に示すように黒色で印刷出力され、背景部分が図7(b)に示すようにマゼンタ色の上にシアン色、イエロー色を重ね合わせた配色で印刷出力された状態を示し、背景部分についてはドットサイズの大きいマゼンタ色を強く認識していることを示している。
【0072】
これにより、地紋の隠し文字部分の黒色と背景部分のマゼンタ色との色相の差が大きくなり、複写印刷用紙で隠し文字部分が認識される。
【0073】
なお、図8(b)には、図7(b)のマゼンタ色とシアン色を入れ替えた配色により印刷出力した原本の印刷用紙を複写処理した場合の複写印刷用紙における地紋を示している。すなわち、図7(b)において、シアン色の色材の上にマゼンタ色とイエロー色の色材を重ね合わせた構造により配色された背景部分からなる原本の印刷用紙を複写処理した状態を示している。
【0074】
図8(b)は、隠し文字部分が単色のブラック色で印刷出力されており、背景部分がシアン色で印刷出力された状態を示している。
【0075】
図9および図10は、シアン色、マゼンタ色、イエロー色のうちのいずれか2色を用いて印刷出力することによる色材の状態を示している。
【0076】
図9および図10では、シアン色とマゼンタ色を用いて印刷出力する場合について説明する。もちろん、この色の組合せのみに限定されることはない。
【0077】
まず、図9において、図9(a)は、隠し文字部分の配色構造を示しており、シアン色とマゼンタ色を交互に配色した状態である。
【0078】
また、図9(b)は、背景部分の配色状態を示しており、シアン色とマゼンタ色の二色を重ね合わせされた部分と、一色のみで配色される部分とから構成される。
【0079】
二色の重ね合わせ部分は、マゼンタ色の色材の上にシアン色の色材を重ね合わせた構造であり、一色のみの部分は、シアン色の色材を印刷出力した構造である。これは、下段のマゼンタ色の色材を上段のシアン色の色材よりも少ないスクリーン数で印刷するとともに、そのマゼンタ色のスクリーンをシアン色の色材のドットサイズよりも大きなドットサイズで印刷出力した例を示している。
【0080】
図9(b)に示す例では、マゼンタ色のスクリーン数が「2」であるのに対してシアン色のスクリーン数が「8」で構成されており、また、マゼンタ色の色材はシアン色の色材に比べて大きなドットサイズによって構成されている。
【0081】
なお、図9(a)に示す隠し文字部分も図9(b)の下段のマゼンタ色とほぼ等しい大きなドットサイズであることを示す。
【0082】
この図9(a)および図9(b)に示す配色によって印刷出力された地紋を図11(a)に示す。
【0083】
この図11(a)に示す地紋は、隠し文字部分および背景部分ともにマゼンタ色とシアン色との配色により形成されるブルー色系の色相で印刷出力されているため、隠し文字部分と背景部分とが一体化し、隠し文字の存在を意識することを必要としない。
【0084】
それに対して、この地紋が印刷された原本の印刷用紙を複写処理すると、複写後の複写印刷用紙には図11(b)に示すように、隠し文字部分がマゼンタ色とシアン色によるブルー色で印刷出力され、背景部分がマゼンタ色で印刷出力されることとなる。この背景部分については、図9(b)に示す配色により大きなドットサイズのマゼンタ色が強く認識されることによる。
【0085】
すなわち、複写後の複写印刷用紙の隠し文字部分と背景部分とが異なる色相となり、隠し文字部分が認識されることとなる。
【0086】
次に、図10において、図10(a)は、隠し文字部分の配色状態を示しており、シアン色とマゼンタ色を重ね合わせた配色構造からなる。
【0087】
図10(b)は、背景部分の配色状態を示しており、図9(b)に示す配色状態と同一である。
【0088】
この図10(a)および図10(b)に示す配色構造の地紋は、図9に示す配色と同様に、隠し文字部分および背景部分ともにブルー色の色相で印刷出力される。このため、隠し文字部分と背景部分とが一体化し、隠し文字の存在を意識することを必要としない。
【0089】
それに対して、この地紋が印刷された原本の印刷用紙を複写処理すると、複写後の複写印刷用紙には図11(b)に示すように、隠し文字部分がマゼンタ色とシアン色によるブルー色で印刷出力され、背景部分がマゼンタ色で印刷出力されることとなる。この背景部分については、図10(b)に示す配色により大きなドットサイズのマゼンタ色が強く認識されることによる。
【0090】
すなわち、複写後の複写印刷用紙の隠し文字部分と背景部分とが異なる色相となり、隠し文字部分が認識されることとなる。
【0091】
なお、図11(c)は、図9(b)および図10(b)に示す背景部分のシアン色とマゼンタ色の色材を入れ替えた配色状態からなる地紋を有する原本の印刷用紙を複写処理した複写印刷用紙の地紋を示している。すなわち、背景部分としてドットサイズの大きなシアン色を強く認識するとともに、隠し文字部分がブルー色となる。
【0092】
図12は、シアン色、マゼンタ色、イエロー色のうちのいずれか2色を用いて印刷出力することによる色材の状態を示している。図12では、シアン色とマゼンタ色のみを用いて印刷出力する場合について説明する。
【0093】
図12において、図12(a)は、隠し文字部分の配色状態を示しており、その隠し文字部分は、二色の重ね合わせにより配色される部分と一色のみで配色される部分とにより構成される。
【0094】
二色の重ねあわせ部分は、シアン色の色材の上にマゼンタ色の色材を重ね合わせた構造であり、一色のみの部分は、シアン色の色材を一定の間隔を空けて配色した構造である。これは、下段のシアン色の色材をマゼンタ色の色材よりも少ないスクリーン数で印刷するとともに、そのシアン色のスクリーンをマゼンタ色の色材のドットサイズよりも大きなドットサイズで印刷出力した例を示している。
【0095】
すなわち、図12(a)では、それぞれスクリーン数「8個」のマゼンタ色とスクリーン数「2個」のシアン色を示しており、また、シアン色のドットサイズはマゼンタ色よりも大きなドットサイズであることを示す。
【0096】
図12(b)では、シアン色の色材とマゼンタ色の色材を同一スクリーン数で印刷出力し、シアン色とマゼンタ色を一定間隔をとって構成した組合せを一組として複数組、配色した構造である。
【0097】
この図12に示す配色構造により印刷出力した状態を図13に示す。
【0098】
図13(a)は、図12(a)に示す配色状態によって隠し文字部分を印刷出力し、また図12(b)に示す配色状態により背景部分を印刷出力した地紋を示している。隠し文字部分はシアン色にマゼンタ色を重ね合わせることによるブルー色で構成され、背景部分はシアン色とマゼンタ色を組み合わせたブルー色で構成されるため、この地紋を有する原本の印刷用紙では、隠し文字部分と背景部分とが一体化し、隠し文字部分の存在を意識することを必要としない。
【0099】
それに対して、この地紋を有する原本の印刷用紙を複写処理したことによる地紋を図13(b)に示す。
【0100】
図13(b)に示す地紋の背景部分は、図12(a)に示すようにシアン色の上にマゼンタ色を重ね合わせた色であって、マゼンタ色が一定の間隔を空けて配色されていることからシアン色が強く認識されてシアン色系の色となる。また、隠し文字部分は、シアン色とマゼンタ色の組合せが一定の間隔を空けて配色していることから図13(a)に示す地紋の背景部分よりも薄いブルー色となる。
【0101】
すなわち、複写後の地紋において、背景部分と隠し文字部分とのコントラストが異なることとなり、隠し文字部分を認識することができるようになる。
【0102】
なお、図13(c)は、図12(a)に示す隠し文字部分の色材を入れ替えた配色状態によって印刷出力した地紋である。すなわち、二色の重ね合わせ部分は、マゼンタ色の色材の上にシアン色の色材を配色した構造からなり、また、一色のみの部分は、シアン色の色材を印刷出力する構造からなる。
【0103】
このような配色状態の地紋を複写処理することにより、隠し文字部分としてマゼンタ色が強く認識されることとなる。
【0104】
図14は、シアン色、マゼンタ色、イエロー色のうちのいずれか2色を用いて印刷出力することによる各色材の状態を示している。図14では、シアン色とマゼンタ色のみを用いて印刷出力する場合について説明する。
【0105】
図14において、図14(a)は、隠し文字部分の配色状態を示しており、図12(a)と同一の配色状態を示す。すなわち、二色の重ね合わせにより配色される部分を、シアン色の色材の上にマゼンタ色の色材を重ねる構造とし、また、一色のみで配色される部分を、マゼンタ色の色材による構造とする。
【0106】
図14(b)は、背景部分の配色状態を示しており、図14(a)に示す配色を相互に入れ替えた配色状態からなる。二色の重ね合わせにより配色される部分を、マゼンタ色の色材の上にシアン色の色材を重ねる配色構造とし、また、一色のみで配色される部分を、シアン色の色材による配色構造とする。
【0107】
図14(a)および図14(b)は、下段の色材を上段の色材よりも少ないスクリーン数で印刷するとともに、その上段の色材のスクリーンを下段の色材のドットサイズよりも大きなドットサイズで印刷出力した例を示している。図14(a)に示す例では、下段のシアン色のスクリーン数が「2」であるのに対してマゼンタ色のスクリーン数が「8」で構成されており、また、シアン色の色材はマゼンタ色の色材に比べて大きなドットサイズによって構成されている。また、図14(b)に示す例では、下段のマゼンタ色のスクリーン数が「2」であるのに対してシアン色のスクリーン数が「8」で構成されており、また、マゼンタ色の色材はシアン色の色材に比べて大きなドットサイズによって構成されている。
【0108】
この図14の配色により印刷出力した状態を図15に示す。
【0109】
図15(a)は、図14(a)に示す配色状態によって隠し文字部分がブルー色で印刷出力され、また図14(b)に示す配色状態により背景部分も同様にブルー色で印刷出力される。このため、隠し文字部分と背景部分とが一体化し、隠し文字部分の存在を意識することを必要としない。
【0110】
それに対して、この地紋を有する原本の印刷用紙を複写処理した複写後の複写印刷用紙の地紋を図15(b)に示す。
【0111】
図15(b)では、図14(a)に示す地紋部分のマゼンタ色のコントラストがシアン色のコントラストに比べて強く認識され、隠し文字部分がシアン色で印刷出力されることとなる。また、図14(b)に示す背景部分のマゼンタ色のコントラストがシアン色のコントラストに比べて強く認識されることから複写後の複写印刷用紙では、背景部分がマゼンタ色で印刷出力されることとなる。
【0112】
すなわち、複写後の地紋の背景部分が原本の印刷用紙の地紋の背景部分と異なる色相となり、複写印刷用紙では地紋部分の配色が変化するとともに背景部分の配色についても変化することとなり、隠し文字部分が認識されることとなる。
【0113】
なお、図15(c)は、図14(a)を背景部分の配色構造とし、また図14(b)を地紋部分の配色構造とした際の複写印刷文書の配色状態を示す図である。
【0114】
図16は、シアン色、マゼンタ色、イエロー色の3色を用いて印刷出力する場合の各色材の状態を示す図である。
【0115】
図16(a)は、隠し文字部分の配色状態を示しており、シアン色、マゼンタ色、イエロー色の3色を重ね合わせた配色構造である。図16(a)では、下段にシアン色、中段にマゼンタ色、上段にイエロー色を配色した構造であって、単色黒色と類似する色である「プロセスブラック」を構成する。
【0116】
図16(b)は、背景部分の配色状態を示しており、シアン色、マゼンタ色、イエロー色全ての色材を一定の間隔を空けて同一のスクリーン数により配色した構造である。この図16(b)に示す背景部分は、図16(a)の隠し文字部分よりも多いスクリーン数であって隠し文字のドットサイズよりも小さいドットサイズで構成される。
【0117】
図17は、図16の配色状態で印刷出力した地紋を読取装置によって読み取った色材のコントラストを示す図である。
【0118】
図17(a)は、図16(a)に示す配色で印刷出力した地紋の隠し文字部分を読み取ることにより出力されるコントラストを示し、図17(b)は、図16(b)に示す配色で印刷出力した地紋の背景部分を読み取ることにより出力されるコントラストを示す。
【0119】
すなわち、図17(b)に示す背景部分のコントラストよりも図17(a)に示す隠し文字部分のコントラストの方が強いことを示いることから、読取装置では背景部分よりも隠し文字部分を強く認識していることを示す。
【0120】
図18(a)は、図16(a)に示す配色構造により印刷出力した地紋を示し、地紋の隠し文字部分がプロセスブラックによって印刷出力した状態を示している。また、地紋の背景部分をグレー色によって印刷出力した状態を示している。このため、この地紋を有する原本の印刷用紙では地紋部分と背景部分とが一体化し、地紋部分の存在を意識することを必要としない。
【0121】
これに対して、この地紋を有する原本の印刷用紙を複写処理すると、図18(b)に示すように地紋部分がプロセスブラックで印刷出力され、背景部分が薄いグレー色で印刷されることとなる。背景部分は、図16(b)に示す構造のように各色材が一定の間隔を空けて配色されているため薄いグレー色となる。
【0122】
すなわち、複写後の複写印刷用紙の地紋における背景部分のコントラストが小さくなることにより隠し文字のコントラストとの差が大きくなり、複写後において地紋部分が認識されることとなる。
【0123】
図19は、シアン色、マゼンタ色、イエロー色のうちのいずれか2色を用いた印刷出力における色材の状態を示す図であって、図19では、シアン色とマゼンタ色とを用いて印刷出力した場合の例を示している。
【0124】
図19(a)は、隠し文字部分の配色状態を示しており、シアン色とマゼンタ色を重ね合わせた例を示している。
【0125】
図19(a)では、二色の重ね合わせにより構成され、シアン色の色材の上にマゼンタ色の色材を配色している。図19(b)は、背景部分の配色状態を示しており、シアン色とマゼンタ色を一定の間隔を空けた色の組合せを複数、配色した構成である。
【0126】
このときの原本印刷文書を構成する地紋周辺部分の一例を図20(a)に示す。
【0127】
図20(a)は、図19(a)および図19(b)に示す配色状態による地紋を印刷出力した原本の印刷用紙を示している。隠し文字部分がブルー色系の色で印刷出力され、また背景部分も同様に薄いブルー系色の色で印刷出力されている。このため、この地紋では、地紋部分と背景部分とが一体化し、地紋部分の存在を意識することを必要としない。
【0128】
それに対して、この地紋を有する原本の印刷用紙を複写処理すると、図20(b)に示すように地紋部分はそのままに印刷出力され、背景部分は、薄いブルーとなる。
【0129】
なお、図20(c)は、図19(b)に示すシアン色とマゼンタ色の間隔を更に広くした場合における複写印刷文書を示す。すなわち、図20(b)の背景部分に比べて薄い配色となる。
【0130】
図21は、シアン色、マゼンタ色、イエロー色、ブラック色を用いて印刷出力する場合の色材の状態を示す図である。
【0131】
図21(a)は、地紋部分の印刷出力状態を示し、図16(a)に示す配色状態と同様であり、シアン色、マゼンタ色、イエロー色の3色を重ねた配色である。すなわち、プロセスブラックを構成する。
【0132】
図21(b)は、単色黒色を用いた配色状態であり、単色ブラック色を一定の間隔を空けて配色している。
【0133】
背景部分のスクリーン数を隠し文字部分のスクリーン数よりも多く印刷出力し、隠し文字部分を背景部分よりも大きなドットサイズで印刷出力する。
【0134】
以上に示すような画像制御処理を行って印刷出力することで原本の印刷用紙が作成され、この印刷用紙が複写された場合に隠し文字を認識するようになる。
【0135】
なお、本発明は、通信機能を備えた地紋印刷システムで上述の動作を実行させ、あるいは上述の手段を構成させるためのプログラムを格納した記録媒体(CD−ROM、DVD−ROM等)から該プログラムをコンピュータにインストールし、これを実行させることにより、上述の処理を実行する地紋印刷ステムを構成することも可能である。地紋印刷システムを構成するコンピュータは、システムバスを介してCPU(Central Processor Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクが接続されている。CPUは、ROMまたはハードディスクに記憶されているプログラムに従い、RAMを作業領域にして処理を行う。
【0136】
また、プログラムを供給するための媒体は、通信媒体(通信回線、通信システムのように一時的または流動的にプログラムを保持する媒体)でもよい。例えば、通信ネットワークの電子掲示板(BBS:Bulletin Board Service)に該プログラムを掲示し、これを通信回線を介して配信するようにしてもよい。
【0137】
本発明は、上記し、且つ図面に示す実施例に限定することなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0138】
【図1】本発明の実施の形態における画像形成装置を適用して構成した画像形成装置の構成を示す図の一例。
【図2】地紋の一例を示す図。
【図3】隠し文字部分および背景部分における配色状態を示す図。
【図4】読取装置で読み取ることによって示されるコントラストの状態を示す図。
【図5】マゼンタ色の色材の上にシアン色とイエロー色の色材を重ね合わせた構造からなり、シアン色とイエロー色の同一スクリーン数をマゼンタ色の1つのスクリーン上に重ね合わせた構造を示す図。
【図6】地紋印刷の状態を示す図。
【図7】図2に示す原本の印刷用紙に印刷された地紋の配色状態を示す他の図。
【図8】地紋印刷の状態を示す図。
【図9】シアン色、マゼンタ色、イエロー色のうちのいずれか2色を用いて印刷出力することによる色材の状態を示す図。
【図10】シアン色、マゼンタ色、イエロー色のうちのいずれか2色を用いて印刷出力することによる色材の状態を示す図。
【図11】地紋印刷の状態を示す図。
【図12】シアン色、マゼンタ色、イエロー色のうちのいずれか2色を用いて印刷出力することによる色材の状態を示す図。
【図13】図12に示す配色構造により印刷出力した状態を示す図。
【図14】シアン色、マゼンタ色、イエロー色のうちのいずれか2色を用いて印刷出力することによる各色材の状態を示す図。
【図15】図14の配色により印刷出力した状態を示す図。
【図16】シアン色、マゼンタ色、イエロー色の3色を用いて印刷出力する場合の各色材の状態を示す図。
【図17】図16の配色状態で印刷出力した地紋を読取装置によって読み取った色材のコントラストを示す図。
【図18】地紋印刷の状態を示す図。
【図19】シアン色、マゼンタ色、イエロー色のうちのいずれか2色を用いた印刷出力における色材の状態を示す図。
【図20】地紋印刷の状態を示す図。
【図21】シアン色、マゼンタ色、イエロー色、ブラック色を用いて印刷出力する場合の色材の状態を示す図。
【符号の説明】
【0139】
100 画像制御部
101 地紋印刷制御部
102 地紋印刷設定情報記憶部
103 画像生成部
104 色材情報取得部
110 印刷出力部
111 出力制御部
112 出力処理部
120 ユーザインターフェース
121 通信インターフェース
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
重要な印刷文書などの複製を抑制するとともに、不正に複製が行われた場合でも複製された印刷文書であることを明示する印刷技術として地紋印刷がある。この地紋印刷は、印刷文書の背景に特定の文字を複製前の印刷文書状態では認識できない程度若しくはその文字を意識せず内容を理解できる程度の細かな模様を入れるて印刷出力を行うという技術である。
【0003】
この地紋印刷では、不正に複製が行われた場合にはこの文字を視認できる程度に浮き出させ、複製が行われた印刷文書であることを示すことができる。
【0004】
この特定の文字として、例えば「コピー禁止」、「禁複写」、「禁複製」などの不正な複製を警告する文字等がある。
【0005】
特許文献1に開示された従来技術では、2つの異なる形状からなるディザパターンを形成し、これらを重ね合わせて印刷出力した原本を生成することにより、当該原本が複製された場合、その原本とコピーとの判別を容易に行うことができるとともに不正なコピーを防止することができる印刷物を、普通紙を用いて出力することができるようにしている。
【特許文献1】特開2001−268337号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、地紋印刷で隠し文字等の文字情報部分が印刷された印刷文書が複製されることにより当該隠し文字等の情報を明確に印刷文書上に示すことができるようにした画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、網点線数を少なくして寸法を大きくし複写により顕在化する第1の点画像および網点線数を多くして寸法を小さくし複写により非顕在化する第2の点画像を含み、隠し文字部分若しくは背景部分の少なくとも一方に、第1の色が指定された前記第1の点画像に第2の色が指定された前記第2の点画像を重ね合わせた画像データを生成する画像データ生成手段と、前記画像データ生成手段で生成された画像データを用いて画像形成を行う画像形成手段とを具備する。
【0008】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記画像データ生成手段は、前記隠し文字部分に、マゼンタ色が指定された前記第1の点画像を配設するとともに、該第1の点画像に重ねて、シアン色、イエロー色が指定された前記第2の点画像を所定間隔で配設し、前記背景部分に、シアン色、マゼンタ色、イエロー色が指定された前記第2の点画像を所定の間隔で配設した画像データを生成する。
【0009】
また、請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記画像データ生成手段は、前記隠し文字部分に、該第1の点画像に重ねて、シアン色、、イエロー色が指定され前記第2の点画像を隣接配設し、前記背景部分に、シアン色、マゼンタ色、イエロー色が指定された前記第2の点画像を所定の間隔で配設した画像データを生成する。
【0010】
また、請求項4の発明は、請求項1の発明において、前記画像データ生成手段は、前記隠し文字部分に、黒色が指定された前記第1の点画像を配設し、前記背景部分に、マゼンタ色が指定された前記第1の点画像を配設するとともに、該第1の点画像に重ねて、シアン色、イエロー色が指定された前記第2の点画像を所定間隔で配設した画像データを生成する。
【0011】
また、請求項5の発明は、請求項1の発明において、前記画像データ生成手段は、前記隠し文字部分に、第1の色および第2の色が指定された前記第1の点画像を配設し、前記背景部分に、前記第2の色が指定された前記第1の点画像を配設するとともに、該第1の点画像に重ねて、前記第1の色が指定された前記第2の点画像を所定間隔で配設した画像データを生成する。
【0012】
また、請求項6の発明は、請求項1の発明において、前記画像データ生成手段は、前記隠し文字部分に、第1の色が指定された前記第1の点画像を配設するとともに、該第1の点画像に重ねて、前記第2の色が指定された前記第1の点画像を配設し、前記背景部分に、前記第2の色が指定された前記第1の点画像を配設するとともに、該第1の点画像に重ねて、前記第1の色が指定された前記第2の点画像を所定間隔で配設した画像データを生成する。
【0013】
また、請求項7の発明は、請求項1の発明において、前記画像データ生成手段は、前記隠し文字部分に、第1の色が指定された前記第1の点画像を配設するとともに、該第1の点画像に重ねて、前記第2の色が指定された前記第2の点画像を所定間隔で配設し、前記背景部分に、前記第1の色が指定された前記第2の点画像および前記第2の色が指定された前記第2の点画像を所定間隔で配設した画像データを生成する。
【0014】
また、請求項8の発明は、請求項1の発明において、前記画像データ生成手段は、前記隠し文字部分に、第1の色が指定された前記第1の点画像を配設するとともに、該第1の点画像に重ねて、前記第2の色が指定された前記第2の点画像を所定間隔で配設し、前記背景部分に、第2の色が指定された前記第1の点画像を配設するとともに、該第1の点画像に重ねて、前記第1の色が指定された前記第2の点画像を所定間隔で配設した画像データを生成する。
【0015】
また、請求項9の発明は、請求項1の発明において、前記画像データ生成手段は、前記隠し文字部分に、マゼンタ色、シアン色、イエロー色が指定された前記第1の点画像を重ねて配設し、前記背景部分に、シアン色、マゼンタ色、イエロー色が指定された前記第2の点画像を所定の間隔で配設した画像データを生成する。
【0016】
また、請求項10の発明は、請求項1の発明において、前記画像データ生成手段は、前記隠し文字部分に、第1の色、第2の色が指定された前記第1の点画像を重ねて配設し、前記背景部分に、第1の色、第2の色が指定された前記第2の点画像を所定の間隔で配設した画像データを生成する。
【0017】
また、請求項11の発明は、請求項1の発明において、前記画像データ生成手段は、前記隠し文字部分に、シアン色、マゼンタ色、イエロー色が指定された前記第1の点画像を重ねて配設し、前記背景部分に、黒色が指定された前記第2の点画像を所定の間隔で配設した画像データを生成する。
【発明の効果】
【0018】
本発明の請求項1によれば、隠し文字等の文字情報部分が印刷された印刷文書が複製されることにより当該隠し文字等の情報を明確に印刷文書上に示すことができるようになるという効果を奏する。
【0019】
また、請求項2によれば、隠し文字等の文字情報部分が印刷された印刷文書が複製されることにより当該隠し文字等の情報を明確に印刷文書上に示すことができるようになるという効果を奏する。
【0020】
また、請求項3によれば、隠し文字等の文字情報部分が印刷された印刷文書が複製されることにより当該隠し文字等の情報を明確に印刷文書上に示すことができるようになるという効果を奏する。
【0021】
また、請求項4によれば、隠し文字等の文字情報部分が印刷された印刷文書が複製されることにより当該隠し文字等の情報を明確に印刷文書上に示すことができるようになるという効果を奏する。
【0022】
また、請求項5によれば、隠し文字等の文字情報部分が印刷された印刷文書が複製されることにより当該隠し文字等の情報を明確に印刷文書上に示すことができるようになるという効果を奏する。
【0023】
また、請求項6によれば、隠し文字等の文字情報部分が印刷された印刷文書が複製されることにより当該隠し文字等の情報を明確に印刷文書上に示すことができるようになるという効果を奏する。
【0024】
また、請求項7によれば、隠し文字等の文字情報部分が印刷された印刷文書が複製されることにより当該隠し文字等の情報を明確に印刷文書上に示すことができるようになるという効果を奏する。
【0025】
また、請求項8によれば、隠し文字等の文字情報部分が印刷された印刷文書が複製されることにより当該隠し文字等の情報を明確に印刷文書上に示すことができるようになるという効果を奏する。
【0026】
また、請求項9によれば、隠し文字等の文字情報部分が印刷された印刷文書が複製されることにより当該隠し文字等の情報を明確に印刷文書上に示すことができるようになるという効果を奏する。
【0027】
また、請求項10によれば、隠し文字等の文字情報部分が印刷された印刷文書が複製されることにより当該隠し文字等の情報を明確に印刷文書上に示すことができるようになるという効果を奏する。
【0028】
また、請求項11によれば、隠し文字等の文字情報部分が印刷された印刷文書が複製されることにより当該隠し文字等の情報を明確に印刷文書上に示すことができるようになるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明に係わる画像形成装置の一実施例を添付図面を参照して詳細に説明する。
【実施例】
【0030】
図1は、本発明の実施の形態における画像形成装置を適用して構成した印刷装置の構成を示す図の一例である。
【0031】
図1において、画像形成装置は、画像制御部100、印刷出力部110、ユーザインターフェース部120、通信インターフェース部121を具備して構成され、ユーザインターフェース部120若しくは通信インターフェース部121から地紋印刷の指示を画像制御部100へ行うことで画像制御部100が地紋印刷にかかる制御処理を行う。
【0032】
地紋印刷は、印刷用紙等の印刷媒体(以下、「印刷用紙」という)に隠し文字を埋め込む(非潜在化させる)印刷方法であって、隠し文字部分と背景部分とが色の相互関係を有することにより地紋を形成する。この地紋印刷により、地紋が印刷された印刷用紙が原本であるか若しくは複写された複写物であるかを識別する。
【0033】
地紋印刷による地紋の一例を図2に示す。図2には、印刷用紙に印刷された地紋の一部を表しており、地紋は「隠し文字部分」と「背景部分」とから構成される。この図2に示すような地紋が印刷された原本の印刷用紙を複写処理すると、隠し文字部分と背景部分との間に色相若しくはコントラストの差が生じることとなり、隠し文字部分が浮き上がって(潜在化して)視認できるようになる。この状態における印刷用紙は複写された複写印刷用紙であることを示す。
【0034】
図2は、原本の印刷用紙に印刷された地紋の一部を抜き出した図およびその地紋の特定箇所を拡大した図である。この図2では、「禁複写」という文字を隠し文字としている。
【0035】
図2(a)は、地紋の背景部分をグレー色で印刷出力するとともに隠し文字部分についてもグレー色で印刷出力した例を示している。すなわち、隠し文字部分と背景部分とが一体化し、隠し文字の存在を意識することを必要としない。
【0036】
この隠し文字部分の一部を拡大した図が図2(b)であって、この図2(b)により隠し文字部分がドット部分(点画像)とその他の部分とから構成されていることが示され、ドット部分が一体的・連続的に配置させることで隠し文字を形成している。
【0037】
図1に示す画像制御部100は、地紋印刷制御部101、地紋印刷設定情報記憶部102、画像生成部103、色材情報取得部104を具備し、図2に示すような地紋を印刷出力することが指示されると、地紋印刷制御部101が地紋印刷設定情報記憶部102に記憶する地紋印刷に用いる設定情報を取得して地紋印刷における制御処理を行う。
【0038】
このとき、地紋印刷制御部101では、色材情報取得部104が印刷出力部120の出力制御部111から取得した地紋印刷に用いる色材の種類、各色材の残量、各色材の使用可否などその他の色材情報を用いて処理を行うことも可能である。この色材の種類として、例えばシアン色、マゼンタ色、イエロー色、ブラック色などがあり、また各色材の残量として、例えば総量に対する残量の割合などがある。さらに、各色材の使用可否として、例えば残量が一定割合以下の場合や色材を搭載していない場合に使用できない状態にあることを示す。
【0039】
この地紋印刷制御部101における地紋印刷の制御処理は、隠し文字部分および背景部分の印刷に用いるスクリーン数を変化させるほか、各スクリーンのドットサイズを変更することにより地紋印刷を行う処理である。
【0040】
スクリーン数およびドットサイズを変更させて行う地紋印刷の例を図3〜図21を用いて以下で説明する。
【0041】
図3〜図21に示すようなスクリーン数およびドットサイズとする地紋印刷の制御処理が行われた地紋印刷制御部101では、その地紋印刷の制御処理により作成された地紋印刷データを画像生成部103へ送出する。この画像生成部103では、地紋印刷制御部101から送出された地紋印刷データに基づいて印刷出力する画像データを生成する。
【0042】
画像生成部103で画像データが生成されると、出力処理部112へと画像データを送出し、また出力制御部111へと画像データの生成完了を示す信号を送出する。出力制御部111では、出力処理部112で出力処理を行うためのヒーターの暖めなどの準備処理を制御する。
【0043】
また、出力制御部111では、出力処理部112で出力処理に用いる色材に関する色材情報を管理する。
【0044】
そして、出力処理部112は、画像生成部103から送出された画像データの出力処理を行うことによって印刷用紙に地紋を印刷出力する。
【0045】
以下では、地紋印刷制御部101による地紋印刷の制御処理の具体例を図3〜図21を用いて説明する。
【0046】
図3は、隠し文字部分および背景部分における配色状態を示す図である。
【0047】
図3(a)は、隠し文字部分の配色状態を示しており、異なる色材二色を重ね合わせることにより配色された部分と、重ね合わせに用いた色材一色のみで配色された部分とからなる。
【0048】
図3(a)に示す二色の重ねあわせ部分は、マゼンタ色の色材の上にシアン色とイエロー色の色材を重ね合わせた配色構造であり、一色のみの部分は、シアン色とイエロー色を隣り合わせた配色構造である。これは、下段のマゼンタ色の色材をシアン色の色材およびイエロー色の色材よりも少ないスクリーン数で印刷するとともに、そのマゼンタ色のスクリーンをシアン色の色材およびイエロー色の色材のドットサイズよりも大きなドットサイズで印刷出力した例を示している。また、マゼンタ色の色材の上に重ね合わせたシアン色とイエロー色の色材は隣り合わせて配色している。
【0049】
この図3(a)では、それぞれスクリーン数「9個」のシアン色およびイエロー色を示しているのに対して、スクリーン数「2個」のマゼンタ色を示しているとともに、この2個のマゼンタ色のスクリーンは他の色材(シアン色、イエロー色)よりも大きなドットサイズであることを示す。
【0050】
図3(b)は、背景部分における配色の状態を示しており、シアン色、マゼンタ色、イエロー色を一定の間隔を空けて同一のスクリーン数および同一のドットサイズで配色した配色構造である。
【0051】
この図3に示すような配色からなる地紋をスキャナなどの読取装置で読み取ることによって示されるコントラストの状態を図4に示す。
【0052】
図4において、図4(a)は、図3(a)の配色構造からなる隠し文字部分の色材のコントラストを示し、マゼンタ色のコントラストがシアン色、イエロー色のコントラストよりも強いコントラストであることを示している
すなわち、スキャナなどの読取装置では、隠し文字部分を読み取ることによりマゼンタ色を強く認識していることを示す。
【0053】
また、図4(b)は、図3(b)の配色構造からなる背景部分を上記の読取装置により読み取ることによって示されるコントラストを示し、シアン色、マゼンタ色、イエロー色のコントラストが同レベルの値であることを示している。
【0054】
すなわち、スキャナなどの読取装置では、これらの色材を配合したグレー色として認識することを示す。
【0055】
図3に示す配色構造によって印刷された図2に示すような地紋を有する印刷用紙を、複写処理した場合の複写印刷用紙における地紋を図6(a)に示す。なお、複写処理は、原本の印刷用紙を読取装置で読み取る「文書読取処理」とその文書読取処理により読み取った画像データを出力装置から出力する「文書出力処理」とを行うことにより実現される処理である。
【0056】
図6(a)では、隠し文字部分がマゼンタ色で印刷出力されており、背景部分がグレー色によって印刷出力された状態を示す。
【0057】
これは、地紋部分が図4に示すようにマゼンタ色のコントラストが強く認識したことによるものであり、また背景部分が図4に示すようにシアン色、マゼンタ色、イエロー色を同レベルで認識したことによるものである。
【0058】
これによって、シアン色、マゼンタ色、イエロー色を同レベルで認識することにより表されるグレー色の背景部分とマゼンタ色により表される隠し文字部分とが大きな差の色相で表される。
【0059】
なお、図6(b)には、図3(a)のマゼンタ色とシアン色とを入れ替えて印刷出力した原本の印刷用紙を複写処理した状態を示している。すなわち、図3(a)において、シアン色の色材の上にマゼンタ色とイエロー色の色材を重ね合わせた構造により配色された隠し文字部分からなる原本の印刷用紙を複写処理した状態を示す。
【0060】
ちなみに、シアン色とイエロー色を隣り合わせて配色していることから、シアン色とイエロー色とを一定の間隔を空けて配色したときよりも強いコントラストとなる。
【0061】
図5は、図3に示す配色状態と類似し、マゼンタ色の色材の上にシアン色とイエロー色の色材を重ね合わせた構造からなり、シアン色とイエロー色の同一スクリーン数をマゼンタ色の1つのスクリーン上に重ね合わせた構造からなる。すなわち、マゼンタ色の1スクリーンあたりのドットサイズがシアン色とイエロー色のドットサイズの整数倍となる。
【0062】
図5(a)に示す例では、マゼンタ色のドットサイズはシアン色若しくはイエロー色のドットサイズの「6倍」であって、スクリーン数「1」のマゼンタ色にスクリーン数「3」のシアン色、イエロー色を重ね合わせた構造となることを示す。
【0063】
この図5(a)に示す配色からなる隠し文字部分を複写処理すると、図3(a)に示す配色からなる隠し文字部分よりも強いコントラストとなる。
【0064】
図7は、図2に示す原本の印刷用紙に印刷された地紋の配色状態を示す他の図である。
【0065】
図7(a)は、地紋の隠し文字部分の配色状態を示しており、単色のブラック色のみを配色している図である。また、図7(b)は、地紋の背景部分の配色状態を示しており、二色の重ね合わせにより配色される部分と、一色のみで配色される部分とから構成される。
【0066】
二色の重ねあわせ部分は、マゼンタ色の色材の上にシアン色とイエロー色の色材を重ね合わせた構造であり、一色のみの部分は、シアン色とイエロー色を隣り合わせた構造である。これは、下段のマゼンタ色の色材を上段のシアン色の色材およびイエロー色の色材よりも少ないスクリーン数で印刷するとともに、そのマゼンタ色のスクリーンをシアン色の色材およびイエロー色の色材のドットサイズよりも大きなドットサイズで印刷出力した例を示している。
【0067】
すなわち、図7(b)では、それぞれスクリーン数「9個」のシアン色およびイエロー色を示しているのに対して、スクリーン数「2個」のマゼンタ色を示しており、また、この2個のマゼンタ色のスクリーンは他の色材(シアン色、イエロー色)よりも大きなドットサイズであることを示す。
【0068】
それに対して、図7(a)に示す隠し文字部分は、図7(b)のマゼンタ色とほぼ等しいドットサイズで印刷出力し、またそのマゼンタ色のスクリーン数と同じスクリーン数で印刷出力している。
【0069】
この図7に示すような配色によって印刷された図2に示すような地紋を有する原本の印刷用紙を、複写処理した場合の複写印刷用紙における地紋の配色状態を図8(a)に示す。
【0070】
図8(a)に示す地紋の文字部分は、単色のブラック色で印刷出力された状態を示し、地紋の背景部分はマゼンタ色によって印刷出力された状態を示す。
【0071】
これは、隠し文字部分が図7(a)に示すように黒色で印刷出力され、背景部分が図7(b)に示すようにマゼンタ色の上にシアン色、イエロー色を重ね合わせた配色で印刷出力された状態を示し、背景部分についてはドットサイズの大きいマゼンタ色を強く認識していることを示している。
【0072】
これにより、地紋の隠し文字部分の黒色と背景部分のマゼンタ色との色相の差が大きくなり、複写印刷用紙で隠し文字部分が認識される。
【0073】
なお、図8(b)には、図7(b)のマゼンタ色とシアン色を入れ替えた配色により印刷出力した原本の印刷用紙を複写処理した場合の複写印刷用紙における地紋を示している。すなわち、図7(b)において、シアン色の色材の上にマゼンタ色とイエロー色の色材を重ね合わせた構造により配色された背景部分からなる原本の印刷用紙を複写処理した状態を示している。
【0074】
図8(b)は、隠し文字部分が単色のブラック色で印刷出力されており、背景部分がシアン色で印刷出力された状態を示している。
【0075】
図9および図10は、シアン色、マゼンタ色、イエロー色のうちのいずれか2色を用いて印刷出力することによる色材の状態を示している。
【0076】
図9および図10では、シアン色とマゼンタ色を用いて印刷出力する場合について説明する。もちろん、この色の組合せのみに限定されることはない。
【0077】
まず、図9において、図9(a)は、隠し文字部分の配色構造を示しており、シアン色とマゼンタ色を交互に配色した状態である。
【0078】
また、図9(b)は、背景部分の配色状態を示しており、シアン色とマゼンタ色の二色を重ね合わせされた部分と、一色のみで配色される部分とから構成される。
【0079】
二色の重ね合わせ部分は、マゼンタ色の色材の上にシアン色の色材を重ね合わせた構造であり、一色のみの部分は、シアン色の色材を印刷出力した構造である。これは、下段のマゼンタ色の色材を上段のシアン色の色材よりも少ないスクリーン数で印刷するとともに、そのマゼンタ色のスクリーンをシアン色の色材のドットサイズよりも大きなドットサイズで印刷出力した例を示している。
【0080】
図9(b)に示す例では、マゼンタ色のスクリーン数が「2」であるのに対してシアン色のスクリーン数が「8」で構成されており、また、マゼンタ色の色材はシアン色の色材に比べて大きなドットサイズによって構成されている。
【0081】
なお、図9(a)に示す隠し文字部分も図9(b)の下段のマゼンタ色とほぼ等しい大きなドットサイズであることを示す。
【0082】
この図9(a)および図9(b)に示す配色によって印刷出力された地紋を図11(a)に示す。
【0083】
この図11(a)に示す地紋は、隠し文字部分および背景部分ともにマゼンタ色とシアン色との配色により形成されるブルー色系の色相で印刷出力されているため、隠し文字部分と背景部分とが一体化し、隠し文字の存在を意識することを必要としない。
【0084】
それに対して、この地紋が印刷された原本の印刷用紙を複写処理すると、複写後の複写印刷用紙には図11(b)に示すように、隠し文字部分がマゼンタ色とシアン色によるブルー色で印刷出力され、背景部分がマゼンタ色で印刷出力されることとなる。この背景部分については、図9(b)に示す配色により大きなドットサイズのマゼンタ色が強く認識されることによる。
【0085】
すなわち、複写後の複写印刷用紙の隠し文字部分と背景部分とが異なる色相となり、隠し文字部分が認識されることとなる。
【0086】
次に、図10において、図10(a)は、隠し文字部分の配色状態を示しており、シアン色とマゼンタ色を重ね合わせた配色構造からなる。
【0087】
図10(b)は、背景部分の配色状態を示しており、図9(b)に示す配色状態と同一である。
【0088】
この図10(a)および図10(b)に示す配色構造の地紋は、図9に示す配色と同様に、隠し文字部分および背景部分ともにブルー色の色相で印刷出力される。このため、隠し文字部分と背景部分とが一体化し、隠し文字の存在を意識することを必要としない。
【0089】
それに対して、この地紋が印刷された原本の印刷用紙を複写処理すると、複写後の複写印刷用紙には図11(b)に示すように、隠し文字部分がマゼンタ色とシアン色によるブルー色で印刷出力され、背景部分がマゼンタ色で印刷出力されることとなる。この背景部分については、図10(b)に示す配色により大きなドットサイズのマゼンタ色が強く認識されることによる。
【0090】
すなわち、複写後の複写印刷用紙の隠し文字部分と背景部分とが異なる色相となり、隠し文字部分が認識されることとなる。
【0091】
なお、図11(c)は、図9(b)および図10(b)に示す背景部分のシアン色とマゼンタ色の色材を入れ替えた配色状態からなる地紋を有する原本の印刷用紙を複写処理した複写印刷用紙の地紋を示している。すなわち、背景部分としてドットサイズの大きなシアン色を強く認識するとともに、隠し文字部分がブルー色となる。
【0092】
図12は、シアン色、マゼンタ色、イエロー色のうちのいずれか2色を用いて印刷出力することによる色材の状態を示している。図12では、シアン色とマゼンタ色のみを用いて印刷出力する場合について説明する。
【0093】
図12において、図12(a)は、隠し文字部分の配色状態を示しており、その隠し文字部分は、二色の重ね合わせにより配色される部分と一色のみで配色される部分とにより構成される。
【0094】
二色の重ねあわせ部分は、シアン色の色材の上にマゼンタ色の色材を重ね合わせた構造であり、一色のみの部分は、シアン色の色材を一定の間隔を空けて配色した構造である。これは、下段のシアン色の色材をマゼンタ色の色材よりも少ないスクリーン数で印刷するとともに、そのシアン色のスクリーンをマゼンタ色の色材のドットサイズよりも大きなドットサイズで印刷出力した例を示している。
【0095】
すなわち、図12(a)では、それぞれスクリーン数「8個」のマゼンタ色とスクリーン数「2個」のシアン色を示しており、また、シアン色のドットサイズはマゼンタ色よりも大きなドットサイズであることを示す。
【0096】
図12(b)では、シアン色の色材とマゼンタ色の色材を同一スクリーン数で印刷出力し、シアン色とマゼンタ色を一定間隔をとって構成した組合せを一組として複数組、配色した構造である。
【0097】
この図12に示す配色構造により印刷出力した状態を図13に示す。
【0098】
図13(a)は、図12(a)に示す配色状態によって隠し文字部分を印刷出力し、また図12(b)に示す配色状態により背景部分を印刷出力した地紋を示している。隠し文字部分はシアン色にマゼンタ色を重ね合わせることによるブルー色で構成され、背景部分はシアン色とマゼンタ色を組み合わせたブルー色で構成されるため、この地紋を有する原本の印刷用紙では、隠し文字部分と背景部分とが一体化し、隠し文字部分の存在を意識することを必要としない。
【0099】
それに対して、この地紋を有する原本の印刷用紙を複写処理したことによる地紋を図13(b)に示す。
【0100】
図13(b)に示す地紋の背景部分は、図12(a)に示すようにシアン色の上にマゼンタ色を重ね合わせた色であって、マゼンタ色が一定の間隔を空けて配色されていることからシアン色が強く認識されてシアン色系の色となる。また、隠し文字部分は、シアン色とマゼンタ色の組合せが一定の間隔を空けて配色していることから図13(a)に示す地紋の背景部分よりも薄いブルー色となる。
【0101】
すなわち、複写後の地紋において、背景部分と隠し文字部分とのコントラストが異なることとなり、隠し文字部分を認識することができるようになる。
【0102】
なお、図13(c)は、図12(a)に示す隠し文字部分の色材を入れ替えた配色状態によって印刷出力した地紋である。すなわち、二色の重ね合わせ部分は、マゼンタ色の色材の上にシアン色の色材を配色した構造からなり、また、一色のみの部分は、シアン色の色材を印刷出力する構造からなる。
【0103】
このような配色状態の地紋を複写処理することにより、隠し文字部分としてマゼンタ色が強く認識されることとなる。
【0104】
図14は、シアン色、マゼンタ色、イエロー色のうちのいずれか2色を用いて印刷出力することによる各色材の状態を示している。図14では、シアン色とマゼンタ色のみを用いて印刷出力する場合について説明する。
【0105】
図14において、図14(a)は、隠し文字部分の配色状態を示しており、図12(a)と同一の配色状態を示す。すなわち、二色の重ね合わせにより配色される部分を、シアン色の色材の上にマゼンタ色の色材を重ねる構造とし、また、一色のみで配色される部分を、マゼンタ色の色材による構造とする。
【0106】
図14(b)は、背景部分の配色状態を示しており、図14(a)に示す配色を相互に入れ替えた配色状態からなる。二色の重ね合わせにより配色される部分を、マゼンタ色の色材の上にシアン色の色材を重ねる配色構造とし、また、一色のみで配色される部分を、シアン色の色材による配色構造とする。
【0107】
図14(a)および図14(b)は、下段の色材を上段の色材よりも少ないスクリーン数で印刷するとともに、その上段の色材のスクリーンを下段の色材のドットサイズよりも大きなドットサイズで印刷出力した例を示している。図14(a)に示す例では、下段のシアン色のスクリーン数が「2」であるのに対してマゼンタ色のスクリーン数が「8」で構成されており、また、シアン色の色材はマゼンタ色の色材に比べて大きなドットサイズによって構成されている。また、図14(b)に示す例では、下段のマゼンタ色のスクリーン数が「2」であるのに対してシアン色のスクリーン数が「8」で構成されており、また、マゼンタ色の色材はシアン色の色材に比べて大きなドットサイズによって構成されている。
【0108】
この図14の配色により印刷出力した状態を図15に示す。
【0109】
図15(a)は、図14(a)に示す配色状態によって隠し文字部分がブルー色で印刷出力され、また図14(b)に示す配色状態により背景部分も同様にブルー色で印刷出力される。このため、隠し文字部分と背景部分とが一体化し、隠し文字部分の存在を意識することを必要としない。
【0110】
それに対して、この地紋を有する原本の印刷用紙を複写処理した複写後の複写印刷用紙の地紋を図15(b)に示す。
【0111】
図15(b)では、図14(a)に示す地紋部分のマゼンタ色のコントラストがシアン色のコントラストに比べて強く認識され、隠し文字部分がシアン色で印刷出力されることとなる。また、図14(b)に示す背景部分のマゼンタ色のコントラストがシアン色のコントラストに比べて強く認識されることから複写後の複写印刷用紙では、背景部分がマゼンタ色で印刷出力されることとなる。
【0112】
すなわち、複写後の地紋の背景部分が原本の印刷用紙の地紋の背景部分と異なる色相となり、複写印刷用紙では地紋部分の配色が変化するとともに背景部分の配色についても変化することとなり、隠し文字部分が認識されることとなる。
【0113】
なお、図15(c)は、図14(a)を背景部分の配色構造とし、また図14(b)を地紋部分の配色構造とした際の複写印刷文書の配色状態を示す図である。
【0114】
図16は、シアン色、マゼンタ色、イエロー色の3色を用いて印刷出力する場合の各色材の状態を示す図である。
【0115】
図16(a)は、隠し文字部分の配色状態を示しており、シアン色、マゼンタ色、イエロー色の3色を重ね合わせた配色構造である。図16(a)では、下段にシアン色、中段にマゼンタ色、上段にイエロー色を配色した構造であって、単色黒色と類似する色である「プロセスブラック」を構成する。
【0116】
図16(b)は、背景部分の配色状態を示しており、シアン色、マゼンタ色、イエロー色全ての色材を一定の間隔を空けて同一のスクリーン数により配色した構造である。この図16(b)に示す背景部分は、図16(a)の隠し文字部分よりも多いスクリーン数であって隠し文字のドットサイズよりも小さいドットサイズで構成される。
【0117】
図17は、図16の配色状態で印刷出力した地紋を読取装置によって読み取った色材のコントラストを示す図である。
【0118】
図17(a)は、図16(a)に示す配色で印刷出力した地紋の隠し文字部分を読み取ることにより出力されるコントラストを示し、図17(b)は、図16(b)に示す配色で印刷出力した地紋の背景部分を読み取ることにより出力されるコントラストを示す。
【0119】
すなわち、図17(b)に示す背景部分のコントラストよりも図17(a)に示す隠し文字部分のコントラストの方が強いことを示いることから、読取装置では背景部分よりも隠し文字部分を強く認識していることを示す。
【0120】
図18(a)は、図16(a)に示す配色構造により印刷出力した地紋を示し、地紋の隠し文字部分がプロセスブラックによって印刷出力した状態を示している。また、地紋の背景部分をグレー色によって印刷出力した状態を示している。このため、この地紋を有する原本の印刷用紙では地紋部分と背景部分とが一体化し、地紋部分の存在を意識することを必要としない。
【0121】
これに対して、この地紋を有する原本の印刷用紙を複写処理すると、図18(b)に示すように地紋部分がプロセスブラックで印刷出力され、背景部分が薄いグレー色で印刷されることとなる。背景部分は、図16(b)に示す構造のように各色材が一定の間隔を空けて配色されているため薄いグレー色となる。
【0122】
すなわち、複写後の複写印刷用紙の地紋における背景部分のコントラストが小さくなることにより隠し文字のコントラストとの差が大きくなり、複写後において地紋部分が認識されることとなる。
【0123】
図19は、シアン色、マゼンタ色、イエロー色のうちのいずれか2色を用いた印刷出力における色材の状態を示す図であって、図19では、シアン色とマゼンタ色とを用いて印刷出力した場合の例を示している。
【0124】
図19(a)は、隠し文字部分の配色状態を示しており、シアン色とマゼンタ色を重ね合わせた例を示している。
【0125】
図19(a)では、二色の重ね合わせにより構成され、シアン色の色材の上にマゼンタ色の色材を配色している。図19(b)は、背景部分の配色状態を示しており、シアン色とマゼンタ色を一定の間隔を空けた色の組合せを複数、配色した構成である。
【0126】
このときの原本印刷文書を構成する地紋周辺部分の一例を図20(a)に示す。
【0127】
図20(a)は、図19(a)および図19(b)に示す配色状態による地紋を印刷出力した原本の印刷用紙を示している。隠し文字部分がブルー色系の色で印刷出力され、また背景部分も同様に薄いブルー系色の色で印刷出力されている。このため、この地紋では、地紋部分と背景部分とが一体化し、地紋部分の存在を意識することを必要としない。
【0128】
それに対して、この地紋を有する原本の印刷用紙を複写処理すると、図20(b)に示すように地紋部分はそのままに印刷出力され、背景部分は、薄いブルーとなる。
【0129】
なお、図20(c)は、図19(b)に示すシアン色とマゼンタ色の間隔を更に広くした場合における複写印刷文書を示す。すなわち、図20(b)の背景部分に比べて薄い配色となる。
【0130】
図21は、シアン色、マゼンタ色、イエロー色、ブラック色を用いて印刷出力する場合の色材の状態を示す図である。
【0131】
図21(a)は、地紋部分の印刷出力状態を示し、図16(a)に示す配色状態と同様であり、シアン色、マゼンタ色、イエロー色の3色を重ねた配色である。すなわち、プロセスブラックを構成する。
【0132】
図21(b)は、単色黒色を用いた配色状態であり、単色ブラック色を一定の間隔を空けて配色している。
【0133】
背景部分のスクリーン数を隠し文字部分のスクリーン数よりも多く印刷出力し、隠し文字部分を背景部分よりも大きなドットサイズで印刷出力する。
【0134】
以上に示すような画像制御処理を行って印刷出力することで原本の印刷用紙が作成され、この印刷用紙が複写された場合に隠し文字を認識するようになる。
【0135】
なお、本発明は、通信機能を備えた地紋印刷システムで上述の動作を実行させ、あるいは上述の手段を構成させるためのプログラムを格納した記録媒体(CD−ROM、DVD−ROM等)から該プログラムをコンピュータにインストールし、これを実行させることにより、上述の処理を実行する地紋印刷ステムを構成することも可能である。地紋印刷システムを構成するコンピュータは、システムバスを介してCPU(Central Processor Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクが接続されている。CPUは、ROMまたはハードディスクに記憶されているプログラムに従い、RAMを作業領域にして処理を行う。
【0136】
また、プログラムを供給するための媒体は、通信媒体(通信回線、通信システムのように一時的または流動的にプログラムを保持する媒体)でもよい。例えば、通信ネットワークの電子掲示板(BBS:Bulletin Board Service)に該プログラムを掲示し、これを通信回線を介して配信するようにしてもよい。
【0137】
本発明は、上記し、且つ図面に示す実施例に限定することなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0138】
【図1】本発明の実施の形態における画像形成装置を適用して構成した画像形成装置の構成を示す図の一例。
【図2】地紋の一例を示す図。
【図3】隠し文字部分および背景部分における配色状態を示す図。
【図4】読取装置で読み取ることによって示されるコントラストの状態を示す図。
【図5】マゼンタ色の色材の上にシアン色とイエロー色の色材を重ね合わせた構造からなり、シアン色とイエロー色の同一スクリーン数をマゼンタ色の1つのスクリーン上に重ね合わせた構造を示す図。
【図6】地紋印刷の状態を示す図。
【図7】図2に示す原本の印刷用紙に印刷された地紋の配色状態を示す他の図。
【図8】地紋印刷の状態を示す図。
【図9】シアン色、マゼンタ色、イエロー色のうちのいずれか2色を用いて印刷出力することによる色材の状態を示す図。
【図10】シアン色、マゼンタ色、イエロー色のうちのいずれか2色を用いて印刷出力することによる色材の状態を示す図。
【図11】地紋印刷の状態を示す図。
【図12】シアン色、マゼンタ色、イエロー色のうちのいずれか2色を用いて印刷出力することによる色材の状態を示す図。
【図13】図12に示す配色構造により印刷出力した状態を示す図。
【図14】シアン色、マゼンタ色、イエロー色のうちのいずれか2色を用いて印刷出力することによる各色材の状態を示す図。
【図15】図14の配色により印刷出力した状態を示す図。
【図16】シアン色、マゼンタ色、イエロー色の3色を用いて印刷出力する場合の各色材の状態を示す図。
【図17】図16の配色状態で印刷出力した地紋を読取装置によって読み取った色材のコントラストを示す図。
【図18】地紋印刷の状態を示す図。
【図19】シアン色、マゼンタ色、イエロー色のうちのいずれか2色を用いた印刷出力における色材の状態を示す図。
【図20】地紋印刷の状態を示す図。
【図21】シアン色、マゼンタ色、イエロー色、ブラック色を用いて印刷出力する場合の色材の状態を示す図。
【符号の説明】
【0139】
100 画像制御部
101 地紋印刷制御部
102 地紋印刷設定情報記憶部
103 画像生成部
104 色材情報取得部
110 印刷出力部
111 出力制御部
112 出力処理部
120 ユーザインターフェース
121 通信インターフェース
【特許請求の範囲】
【請求項1】
網点線数を少なくして寸法を大きくし複写により顕在化する第1の点画像および網点線数を多くして寸法を小さくし複写により非顕在化する第2の点画像を含み、隠し文字部分若しくは背景部分の少なくとも一方に、第1の色が指定された前記第1の点画像に第2の色が指定された前記第2の点画像を重ね合わせた画像データを生成する画像データ生成手段と、
前記画像データ生成手段で生成された画像データを用いて画像形成を行う画像形成手段と
を具備する画像形成装置。
【請求項2】
前記画像データ生成手段は、
前記隠し文字部分に、マゼンタ色が指定された前記第1の点画像を配設するとともに、該第1の点画像に重ねて、シアン色、イエロー色が指定された前記第2の点画像を所定間隔で配設し、前記背景部分に、シアン色、マゼンタ色、イエロー色が指定された前記第2の点画像を所定の間隔で配設した画像データを生成する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像データ生成手段は、
前記隠し文字部分に、該第1の点画像に重ねて、シアン色、イエロー色が指定され前記第2の点画像を隣接配設し、前記背景部分に、シアン色、マゼンタ色、イエロー色が指定された前記第2の点画像を所定の間隔で配設した画像データを生成する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記画像データ生成手段は、
前記隠し文字部分に、黒色が指定された前記第1の点画像を配設し、前記背景部分に、マゼンタ色が指定された前記第1の点画像を配設するとともに、該第1の点画像に重ねて、シアン色、イエロー色が指定された前記第2の点画像を所定間隔で配設した画像データを生成する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像データ生成手段は、
前記隠し文字部分に、第1の色および第2の色が指定された前記第1の点画像を配設し、前記背景部分に、前記第2の色が指定された前記第1の点画像を配設するとともに、該第1の点画像に重ねて、前記第1の色が指定された前記第2の点画像を所定間隔で配設した画像データを生成する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記画像データ生成手段は、
前記隠し文字部分に、第1の色が指定された前記第1の点画像を配設するとともに、該第1の点画像に重ねて、前記第2の色が指定された前記第1の点画像を配設し、前記背景部分に、前記第2の色が指定された前記第1の点画像を配設するとともに、該第1の点画像に重ねて、前記第1の色が指定された前記第2の点画像を所定間隔で配設した画像データを生成する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記画像データ生成手段は、
前記隠し文字部分に、第1の色が指定された前記第1の点画像を配設するとともに、該第1の点画像に重ねて、前記第2の色が指定された前記第2の点画像を所定間隔で配設し、前記背景部分に、前記第1の色が指定された前記第2の点画像および前記第2の色が指定された前記第2の点画像を所定間隔で配設した画像データを生成する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記画像データ生成手段は、
前記隠し文字部分に、第1の色が指定された前記第1の点画像を配設するとともに、該第1の点画像に重ねて、前記第2の色が指定された前記第2の点画像を所定間隔で配設し、前記背景部分に、第2の色が指定された前記第1の点画像を配設するとともに、該第1の点画像に重ねて、前記第1の色が指定された前記第2の点画像を所定間隔で配設した画像データを生成する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記画像データ生成手段は、
前記隠し文字部分に、マゼンタ色、シアン色、イエロー色が指定された前記第1の点画像を重ねて配設し、前記背景部分に、シアン色、マゼンタ色、イエロー色が指定された前記第2の点画像を所定の間隔で配設した画像データを生成する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記画像データ生成手段は、
前記隠し文字部分に、第1の色、第2の色が指定された前記第1の点画像を重ねて配設し、前記背景部分に、第1の色、第2の色が指定された前記第2の点画像を所定の間隔で配設した画像データを生成する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記画像データ生成手段は、
前記隠し文字部分に、シアン色、マゼンタ色、イエロー色が指定された前記第1の点画像を重ねて配設し、前記背景部分に、黒色が指定された前記第2の点画像を所定の間隔で配設した画像データを生成する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項1】
網点線数を少なくして寸法を大きくし複写により顕在化する第1の点画像および網点線数を多くして寸法を小さくし複写により非顕在化する第2の点画像を含み、隠し文字部分若しくは背景部分の少なくとも一方に、第1の色が指定された前記第1の点画像に第2の色が指定された前記第2の点画像を重ね合わせた画像データを生成する画像データ生成手段と、
前記画像データ生成手段で生成された画像データを用いて画像形成を行う画像形成手段と
を具備する画像形成装置。
【請求項2】
前記画像データ生成手段は、
前記隠し文字部分に、マゼンタ色が指定された前記第1の点画像を配設するとともに、該第1の点画像に重ねて、シアン色、イエロー色が指定された前記第2の点画像を所定間隔で配設し、前記背景部分に、シアン色、マゼンタ色、イエロー色が指定された前記第2の点画像を所定の間隔で配設した画像データを生成する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像データ生成手段は、
前記隠し文字部分に、該第1の点画像に重ねて、シアン色、イエロー色が指定され前記第2の点画像を隣接配設し、前記背景部分に、シアン色、マゼンタ色、イエロー色が指定された前記第2の点画像を所定の間隔で配設した画像データを生成する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記画像データ生成手段は、
前記隠し文字部分に、黒色が指定された前記第1の点画像を配設し、前記背景部分に、マゼンタ色が指定された前記第1の点画像を配設するとともに、該第1の点画像に重ねて、シアン色、イエロー色が指定された前記第2の点画像を所定間隔で配設した画像データを生成する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像データ生成手段は、
前記隠し文字部分に、第1の色および第2の色が指定された前記第1の点画像を配設し、前記背景部分に、前記第2の色が指定された前記第1の点画像を配設するとともに、該第1の点画像に重ねて、前記第1の色が指定された前記第2の点画像を所定間隔で配設した画像データを生成する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記画像データ生成手段は、
前記隠し文字部分に、第1の色が指定された前記第1の点画像を配設するとともに、該第1の点画像に重ねて、前記第2の色が指定された前記第1の点画像を配設し、前記背景部分に、前記第2の色が指定された前記第1の点画像を配設するとともに、該第1の点画像に重ねて、前記第1の色が指定された前記第2の点画像を所定間隔で配設した画像データを生成する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記画像データ生成手段は、
前記隠し文字部分に、第1の色が指定された前記第1の点画像を配設するとともに、該第1の点画像に重ねて、前記第2の色が指定された前記第2の点画像を所定間隔で配設し、前記背景部分に、前記第1の色が指定された前記第2の点画像および前記第2の色が指定された前記第2の点画像を所定間隔で配設した画像データを生成する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記画像データ生成手段は、
前記隠し文字部分に、第1の色が指定された前記第1の点画像を配設するとともに、該第1の点画像に重ねて、前記第2の色が指定された前記第2の点画像を所定間隔で配設し、前記背景部分に、第2の色が指定された前記第1の点画像を配設するとともに、該第1の点画像に重ねて、前記第1の色が指定された前記第2の点画像を所定間隔で配設した画像データを生成する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記画像データ生成手段は、
前記隠し文字部分に、マゼンタ色、シアン色、イエロー色が指定された前記第1の点画像を重ねて配設し、前記背景部分に、シアン色、マゼンタ色、イエロー色が指定された前記第2の点画像を所定の間隔で配設した画像データを生成する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記画像データ生成手段は、
前記隠し文字部分に、第1の色、第2の色が指定された前記第1の点画像を重ねて配設し、前記背景部分に、第1の色、第2の色が指定された前記第2の点画像を所定の間隔で配設した画像データを生成する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記画像データ生成手段は、
前記隠し文字部分に、シアン色、マゼンタ色、イエロー色が指定された前記第1の点画像を重ねて配設し、前記背景部分に、黒色が指定された前記第2の点画像を所定の間隔で配設した画像データを生成する請求項1記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2010−87780(P2010−87780A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−253749(P2008−253749)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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