説明

画像形成装置

【課題】画像形成装置本体から引出部材が取り外されて床面等に置かれたときに、その引出部材の下面から下方へ突出している1つの部品に荷重が集中しないようにする。
【解決手段】装置本体11に位置決めされた状態で固定されるとともに、その固定を解除することで装置本体11から引出可能に設けられた引出部材140と、引出部材140の引出方向側の壁部144に、引出部材140の下面から下方へ突出するように取り付けられ、その引出部材140を装置本体11に対して位置決めするための位置決め部材190と、物流時には引出部材140の引出方向側の壁部144と装置本体11の壁部146Aとに取り付けられ、設置時には引出部材140の引出方向側の壁部144に、引出部材140の下面から下方へ突出するとともに装置本体11の壁部146Aに対して引出方向側に位置するように取り付けられる固定部材200と、を有する画像形成装置10とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
転写ユニット、搬送ユニット、定着ユニット等が装置本体から引出可能に設けられた画像形成装置は、従来から知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−251118号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、装置本体から引出可能に設けられた引出部材が、その装置本体から取り外されて床面等に置かれたときに、その引出部材の下面から下方へ突出している1つの部品に荷重が集中しないようにできる画像形成装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載の画像形成装置は、記録媒体を搬送する搬送手段を備え、装置本体に位置決めされた状態で固定されるとともに、該固定を解除することで前記装置本体から引出可能に設けられた引出部材と、前記引出部材の引出方向側の壁部に、該引出部材の下面から下方へ突出するように取り付けられ、該引出部材を前記装置本体に対して位置決めするための位置決め部材と、物流時には前記引出部材の引出方向側の壁部と前記装置本体の壁部とに取り付けられ、設置時には前記引出部材の引出方向側の壁部に、該引出部材の下面から下方へ突出するとともに前記装置本体の壁部に対して前記引出方向側に位置するように取り付けられる固定部材と、を有することを特徴としている。
【0006】
また、請求項2に記載の画像形成装置は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記固定部材が、前記引出部材の引出方向と交差する方向における中央を境に、前記位置決め部材とは反対側に取り付けられることを特徴としている。
【0007】
また、請求項3に記載の画像形成装置は、請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置において、前記固定部材が、設置時において、前記装置本体における前記壁部との間に間隙が形成されるように取り付けられることを特徴としている。
【0008】
また、請求項4に記載の画像形成装置は、請求項3に記載の画像形成装置において、前記固定部材が、平面視「コ」字状に形成された本体部と、前記本体部の側壁上部に形成され、該本体部の開放方向へ延在する突出部と、前記突出部に形成され、前記本体部の外側方向へ延在する鍔部と、を有し、物流時には、前記本体部が前記引出部材における前記壁部と前記装置本体における前記壁部とに取り付けられ、設置時には、前記本体部が反転されて前記鍔部が前記引出部材における前記壁部に取り付けられ、前記突出部により、前記本体部の側壁下部と前記装置本体における前記壁部との間に間隙が形成されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、装置本体から引出可能に設けられた引出部材が、その装置本体から取り外されて床面等に置かれたときに、その引出部材の下面から下方へ突出している位置決め部材と固定部材とに荷重を分散させることができる。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、固定部材が、引出部材の引出方向と交差する方向における中央を境に、位置決め部材と同じ側に取り付けられる構成に比べて、位置決め部材と固定部材とに荷重を良好に分散させることができる。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、固定部材が引出部材の装置本体に対する位置決めを妨げないようにできる。
【0012】
請求項4に記載の発明によれば、簡易な構成で固定部材が引出部材の装置本体に対する位置決めを妨げないようにできる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態に係る画像形成装置の全体を示す概略構成図
【図2】本実施形態に係る画像形成装置の画像形成部を示す概略側面図
【図3】本実施形態に係る設置時における引出部材及び搬送部を示す概略斜視図
【図4】本実施形態に係る物流時における引出部材及び搬送部を示す概略斜視図
【図5】本実施形態に係る引出部材を位置決めするリンク機構を示す概略斜視図
【図6】(A)本実施形態に係る物流時における引出部材の取付構造を示す概略側断面図、(B)本実施形態に係る設置時における引出部材の取付構造を示す概略側断面図
【図7】本実施形態に係る引出部材を床面等に置いたときの状態を示す概略斜視図
【図8】本実施形態に係る引出部材を示す概略斜視図
【図9】本実施形態に係る搬送部の位置決め前の構成を示す概略斜視図
【図10】本実施形態に係る搬送部の位置決め後の構成を示す概略斜視図
【図11】本実施形態に係る搬送部の位置決め時におけるアシスト手段の構成を示す概略分解斜視図
【図12】本実施形態に係る搬送部の位置決め時におけるアシスト手段を示す概略斜視図
【図13】本実施形態に係る引出部材のハンドルを分解して示す概略斜視図
【図14】本実施形態に係る引出部材のハンドルを示す概略斜視図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る実施の形態について、図面に示す実施例を基に詳細に説明する。なお、説明の便宜上、矢印UPを上方向、矢印RIを右方向、矢印FRを前方向とし、各図において、上記各矢印が示されている場合には、その矢印で示す方向に従って上下・左右・前後の表現をする。また、以下において、シート状部材である記録媒体の搬送方向上流側及び搬送方向下流側を、単に「上流側」、「下流側」という場合がある。
【0015】
図1で示すように、本実施形態に係る画像形成装置10は、記録媒体の一例としての記録用紙Pにトナー画像を二次転写して搬送する工程までとされる第1処理部12と、第1処理部12から搬送されて来た記録用紙Pにトナー画像を定着する工程以降の処理を行う第2処理部14と、が一体的に(記録用紙Pを受け渡し可能に)左右横方向(水平方向)に連結されて構成されている。
【0016】
第1処理部12は、装置本体の一例としての第1筐体11内に組み込まれ、第2処理部14は、第1筐体11と着脱可能とされた第2筐体13内に組み込まれている。そして、第1筐体11に隣接する第2筐体13上には、制御部16が組み込まれた第3筐体15が配設されており、その第3筐体15の横(下流側)の第2筐体13上には、表示装置18が配設されている。
【0017】
第1処理部12には、記録用紙Pを収容する給紙部20と、記録用紙Pを搬送する搬送手段の一例としてのユニット化された搬送部(搬送ユニット)120と、記録用紙Pにトナー画像を転写する転写部100と、転写部100に一次転写させるトナー画像を形成する画像形成部30と、が備えられている。具体的に説明すると、まず、第1筐体11内の下部には、記録用紙Pがそれぞれ収容される2個の給紙カセット22が左右横方向に並んで設けられている。
【0018】
この給紙カセット22は、第1筐体11内から前方側へ引出可能とされており、給紙カセット22を第1筐体11内から引き出すと、給紙カセット22内に設けられたボトムプレート24が下降し、その上に記録用紙Pを載せることで、記録用紙Pの補充ができるようになっている。なお、給紙カセット22を第1筐体11内に取り付けると、ボトムプレート24は上昇する構成になっている。
【0019】
各給紙カセット22の上方には、第1筐体11内から前方側へ引出可能とされた引出部材140(図3、図4、図7、図8参照)に収容された搬送部120が配設されている。そして、その搬送部120(引出部材140)の上方には転写部100が配設され、その転写部100の上方には画像形成部30が配設されている。なお、画像形成部30、転写部100、搬送部120、引出部材140については後で詳述する。また、第1筐体11の第2筐体13と対向する右壁面11Aには、記録用紙Pを上部から搬出し、下部から搬入させる開口部26が形成されている。
【0020】
第2処理部14には、転写部100によって記録用紙Pに二次転写されたトナー画像を、その記録用紙Pに定着するための定着部50と、定着部50によってトナー画像が定着された記録用紙Pを冷却するための冷却部60と、両面印刷時に、記録用紙Pを反転させて、再度第1処理部12へ搬送するための反転部80と、が備えられている。
【0021】
すなわち、第1筐体11の右壁面11Aと対向する第2筐体13の左壁面13Bには、記録用紙Pを上部から搬入し、下部から搬出させる開口部28が、開口部26と対向して形成されており、その上側の開口部28を通って搬送されて来た記録用紙Pに対してトナー画像を定着可能なように定着部50が配設されている。
【0022】
この定着部50は、回転駆動する加熱ロール52と従動回転する張架ロール54とに巻き掛けられた定着ベルト56と、その定着ベルト56に圧接配置された加圧ロール58とで構成されている。そして、この定着部50は、定着ベルト56を外側から押圧して、その周回経路を規定する張架ロール55と、加熱ロール52と張架ロール54との間の定着ベルト56を内側から押圧して、その定着ベルト56の姿勢を矯正する姿勢矯正ロール53と、を備えている。なお、加熱ロール52及び張架ロール54、55の内部には、加熱手段としてハロゲンヒーター(図示省略)が設けられており、定着ベルト56を、その内面側から加熱するようになっている。
【0023】
また、定着部50の横(下流側)には冷却部60が配設されている。この冷却部60は、記録用紙Pの搬送経路122(後述)を挟んで上側に、記録用紙Pと接触して、その熱を吸収する吸収装置70が設けられ、下側に、搬送される記録用紙Pを吸収装置70に押し付ける押付装置62が設けられて構成されている。
【0024】
吸収装置70は、駆動力を伝達する駆動ロール72と複数個の張架ロール73に巻き掛けられた無端状の吸収ベルト74を有しており、その吸収ベルト74の内側には、吸収ベルト74と面状に接触して、吸収ベルト74が吸収した熱を放熱させるヒートシンク76を有している。そして、ヒートシンク76から熱を奪い、その熱気を外部へ排出させる吸込ファン78が、第2筐体13の後壁部側(図示の奥側)に2個並んで設けられている。
【0025】
また、押付装置62は、搬送される記録用紙Pと接触して、吸収装置70へ押し付ける無端状の押付ベルト64を有しており、その押付ベルト64は複数個の張架ロール65に張架されて回転可能に支持されている。このような構成の冷却部60により、定着部50から搬送されて来た記録用紙Pが冷却されるようになっている。
【0026】
また、冷却部60の横(下流側)には、記録用紙Pのカールを矯正する(記録用紙Pを平坦にする)デカール処理部66が配設されている。そして、そのデカール処理部66の横(下流側)には、記録用紙Pに定着されたトナー画像の濃度欠陥、画像欠陥、画像位置欠陥等を光学的に検出するインラインセンサー部68が配設されている。
【0027】
なお、インラインセンサー部68の横(下流側)には、片面に画像が形成された記録用紙Pを第2筐体13の右壁面13Aに取り付けられた排出部(排出トレイ)90に排出する排出ロール92が設けられており、片面印刷時には、その排出ロール92によって記録用紙Pが排出部90上へ排出されるようになっている。
【0028】
また、定着部50、冷却部60、デカール処理部66、インラインセンサー部68の下方には、反転部80が配設されている。すなわち、記録用紙Pの両面に画像を形成する際には、インラインセンサー部68から送出された記録用紙Pを反転部80へ搬送する。詳細には、その記録用紙Pを、図示しない切替部材によって、反転部80に設けられた反転経路82へ導く。
【0029】
反転経路82は、第2処理部14における搬送経路122(後述)から分岐する分岐パス84と、分岐パス84に沿って搬送される記録用紙Pを第1処理部12側へ向けて搬送する用紙搬送パス86と、用紙搬送パス86に沿って搬送される記録用紙Pを逆方向へ向けて折り返し、スイッチバック搬送して表裏を反転させる反転パス88と、を備えている。
【0030】
この構成により、反転パス88によってスイッチバック搬送された記録用紙Pは、下側の開口部28及び開口部26を通って第1処理部12内へ向けて搬送され、更に搬送部120における搬送経路122へ送出されて、後述する二次転写ロール110とバックアップロール112との狭持部である転写ポイントTへ再度送り込まれるようになっている。
【0031】
なお、第1筐体11の左壁面11Bには、その左壁面11Bに隣接して外付けされる大容量の給紙カセット(図示省略)から記録用紙Pを供給できるようにするための供給部94が設けられている。また、制御部16には、図示しないコンピューター等から送られてくる画像データに処理を施す画像信号処理部96と、各部へ電力を供給する電源部98と、が備えられている。
【0032】
次に、画像形成部30について説明する。本実施形態に係る画像形成装置10には、第1特別色(V)、第2特別色(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各トナーを収容するトナーカートリッジ32V、32W、32Y、32M、32C、32Kが左右横方向(水平方向)に並んで交換可能に設けられており、フルカラー画像又は白黒画像を形成可能に構成されている。
【0033】
なお、第1特別色及び第2特別色には、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック以外の特別色(透明を含む)から適宜選択される。また、以後の説明では、V、W、Y、M、C、Kを区別する場合は、数字の後にV、W、Y、M、C、Kの何れかの英字を付して説明し、V、W、Y、M、C、Kを区別しない場合は、V、W、Y、M、C、Kを省略する。
【0034】
トナーカートリッジ32の下側には、各色のトナーに対応する6つの画像形成ユニット34が、各トナーカートリッジ32と対応するように左右横方向(水平方向)に並んで設けられている。そして、各トナーカートリッジ32と画像形成ユニット34との間には、露光ユニット40が設けられている。
【0035】
画像形成ユニット34毎に設けられた露光ユニット40は、上記した画像信号処理部96によって処理を施された画像データを受け取り、色材階調データに応じて各半導体レーザー(図示省略)を変調し、各半導体レーザーから露光光Lを色材階調データに応じて出射するように構成されている。詳細には、後述する感光体36(図2参照)の表面に各色に対応した露光光Lを照射して、その感光体36上に静電潜像を形成するようになっている。
【0036】
図2で示すように、画像形成ユニット34は、矢印A(図示の時計回り)方向に回転駆動される感光体36を備えている。感光体36の周囲には、感光体36を一様に帯電する帯電装置の一例としてのコロナ放電方式(非接触帯電方式)のスコロトロン帯電器38と、露光ユニット40によって出射された露光光Lにより感光体36上に形成された静電潜像を各色の現像剤(トナー)で現像する現像装置42と、転写後の感光体36の表面をクリーニングするクリーニング装置の一例としてのクリーニングブレード44と、転写後の感光体36の表面に光を照射して除電を行う除電装置の一例としてのイレーズランプ46が設けられている。
【0037】
なお、スコロトロン帯電器38、現像装置42、クリーニングブレード44、イレーズランプ46は、感光体36の表面と対向して、感光体36の回転方向上流側から下流側へ向けて、この順番で配置されている。
【0038】
また、現像装置42は、画像形成ユニット34の横(図示の右側)に配置され、トナーを含んだ現像剤Gが充填された現像剤収容部材48と、現像剤収容部材48に充填されたトナーを感光体36の表面に移動させる現像ロール49と、を含んで構成されている。そして、現像剤収容部材48は、トナーカートリッジ32(図1参照)とトナー供給路(図示省略)を通して接続されており、トナーカートリッジ32からトナーが供給されるようになっている。
【0039】
次に、転写部100について説明する。図1で示すように、各画像形成ユニット34の下側には、転写部100が設けられている。この転写部100は、各感光体36と接触する無端状の中間転写ベルト102と、中間転写ベルト102の内側に配置され、各感光体36上に形成されたトナー画像を中間転写ベルト102に多重転写させる6つの一次転写部材としての一次転写ロール104と、を含んで構成されている。
【0040】
更に、この中間転写ベルト102は、図示しないモーターで駆動される駆動ロール106と、中間転写ベルト102の張力を調整する張力付与ロール108と、後述する二次転写ロール110と対向配置されたバックアップロール112と、複数個の張架ロール114との間に、一定の張力で巻き掛けられており、駆動ロール106により、図1の矢印B(図示の反時計回り)方向に循環移動されるようになっている。
【0041】
詳細には、各一次転写ロール104は、中間転写ベルト102を挟んでそれぞれの各画像形成ユニット34の感光体36と対向配置されている。また、一次転写ロール104は、給電ユニット(図示省略)によって、トナー極性とは逆極性の転写バイアス電圧が印加されるようになっている。この構成により、感光体36上に形成されたトナー画像が中間転写ベルト102に転写されるようになっている。
【0042】
一方、駆動ロール106の中間転写ベルト102を挟んだ反対側には、先端部が中間転写ベルト102と接触するクリーニングブレード116が設けられおり、このクリーニングブレード116は、循環移動する中間転写ベルト102上の残留トナーや紙粉等を除去するようになっている。
【0043】
次に、第1処理部12における搬送部120について説明する。給紙カセット22の一端側(図示の右側)の上方には、給紙カセット22から記録用紙Pを搬送経路122へ送出する送出ロール118が設けられており、上昇するボトムプレート24に載せられた最上位の記録用紙Pに送出ロール118が接触するようになっている。
【0044】
送出ロール118の下流側には、記録用紙Pの重送を防止する一対の分離ロール124が設けられており、分離ロール124の下流側には、記録用紙Pを下流側に搬送する一対の搬送ロール126が複数設けられている。
【0045】
給紙部20(給紙カセット22)と転写部100(中間転写ベルト102)との間に設けられる搬送部120の搬送経路122は、給紙カセット22から送出された記録用紙Pを第1折返部122Aで図示の左方向へ折り返し、更に第2折返部122Bで図示の右方向へ折り返して二次転写ロール110とバックアップロール112との挟持部である転写ポイントTへ向けて送出するようになっている。
【0046】
第2折返部122Bと転写ポイントTとの間には、搬送される記録用紙Pの傾き等を矯正するアライナー(図示省略)が設けられており、このアライナーと転写ポイントTとの間には、中間転写ベルト102上のトナー画像の移動タイミングと記録用紙Pの搬送タイミングを合わせるための位置合わせロール128が設けられている。
【0047】
また、位置合わせロール128の下流側に設けられている二次転写部材としての二次転写ロール110は、給電ユニット(図示省略)によって、トナー極性とは逆極性の転写バイアス電圧が印加されるようになっている。この構成により、中間転写ベルト102上に多重転写された各色のトナー画像が、二次転写ロール110によって、搬送経路122に沿って搬送されて来た記録用紙Pに二次転写される構成となっている。なお、上記した供給部94は、搬送経路122の第2折返部122Bへ合流するようになっている。
【0048】
また、転写ポイントTの下流側には、トナー画像が転写された記録用紙Pを第2処理部14内へ向けて搬送する複数個のバキューム搬送装置130が設けられている。各バキューム搬送装置130は、回転駆動する駆動ロール132と、回転可能に支持された従動ロール134と、駆動ロール132と従動ロール134に巻き掛けられる複数本のベルト部材136と、を備えている。
【0049】
ベルト部材136の表面には、複数個の貫通孔(図示省略)が全面に渡って設けられており、その貫通孔から空気をベルト部材136の内側へ吸い込む吸込ファン138が、第1筐体11の後壁部側(図示の奥側)に配置されている。
【0050】
この構成により、トナー画像が形成されていない記録用紙Pの裏面(非画像面)をベルト部材136に吸い付け、駆動ロール132を回転駆動させてベルト部材136を回転させることで、その記録用紙Pを更に下流側、即ち第2処理部14のバキューム搬送装置130へ搬送するようになっている。
【0051】
なお、第2処理部14のバキューム搬送装置130も、第1処理部12のバキューム搬送装置130と同様の構成であり、第2処理部14における搬送経路122は、第1処理部12の搬送部120における搬送経路122と連続している。
【0052】
次に、画像形成工程(作用)について説明する。画像信号処理部96で画像処理が施された画像データは、各色の色材階調データに変換され、各露光ユニット40に順次出力される。各露光ユニット40では、各色の色材階調データに応じて各露光光Lを出射し、スコロトロン帯電器38によって帯電された各感光体36上に走査露光を行い、静電潜像を形成する。
【0053】
感光体36上に形成された静電潜像は、現像装置42によって、それぞれ第1特別色(V)、第2特別色(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー画像(現像剤像)として顕在化される(現像される)。
【0054】
各画像形成ユニット34V、34W、34Y、34M、34C、34Kの各感光体36上に形成された各色のトナー画像は、6つの一次転写ロール104V、104W、104Y、104M、104C、104Kによって中間転写ベルト102上に順次多重転写される。
【0055】
中間転写ベルト102上に多重転写された各色のトナー画像は、二次転写ロール110によって、給紙部20(給紙カセット22)から搬送されて来た記録用紙P上に二次転写される。トナー画像が転写された記録用紙Pは、バキューム搬送装置130によって定着部50へ搬送される。
【0056】
定着部50に搬送された記録用紙Pは、その定着部50において加熱・加圧されることにより、その記録用紙P上に転写された各色のトナー画像が定着される。そして、各色のトナー画像が定着された記録用紙Pは、冷却部60を通過して冷却された後、デカール処理部66に送り込まれ、記録用紙Pに生じたカールが矯正される。カールが矯正された記録用紙Pは、インラインセンサー部68によって画像欠陥等が検出された後、排出ロール92によって排出部90に排出される。
【0057】
なお、記録用紙Pの画像が形成されていない裏面に画像を形成する場合(両面印刷の場合)には、その記録用紙Pは、インラインセンサー部68を通過後に、反転部80へ送出される。反転部80へ送出された記録用紙Pは、反転経路82を通過して反転され、再度第1処理部12へ送り込まれて、上記した手順で、その裏面にトナー画像が形成される。
【0058】
以上のような構成の画像形成装置10において、次に搬送部120が収容されている引出部材140について説明する。図3、図4、図8で示すように、本実施形態に係る引出部材140は、第1筐体11に対して引出可能に構成されている。すなわち、引出部材140の長手方向(後述する引出方向と交差する方向)である左右幅方向の両端部142は、第1筐体11に設けられた一対のレール148に前後方向にスライド可能に支持されている。
【0059】
したがって、引出部材140の前壁部144側で左右幅方向略中央部に設けられているハンドル150を把持して引き出すことにより、搬送部120を収容したまま、その引出部材140を第1筐体11内から引き出すことが可能となっている。なお、引出部材140を引き出すときには、図4で示すように、ハンドル150を横方向へ寝かせるよう(以下「ロック解除方向」という)に回転させることで、二次転写ロール110をバックアップロール112側から離隔させ、引出部材140の位置決め固定(ロック)状態を解除する。
【0060】
すなわち、この引出部材140は、第1筐体11の後壁部側(後方側)へ押し込んで設置した後、図3で示すように、ハンドル150を縦方向へ起立させるよう(以下「ロック方向」という)に回転させることで、二次転写ロール110を、中間転写ベルト102を介してバックアップロール112に圧接させ、第1筐体11に対して位置決めされた状態で固定(ロック)されるようになっている。
【0061】
具体的に説明すると、図8〜図10で示すように、ハンドル150の基部である取付部152A(後述)は、引出部材140に前後方向を軸方向として支持された回転軸180の前端部に固定されており、その回転軸180の前端部側と後端部側には、カム機構210を構成する正面視略二等辺三角形状の一対の支持板212、214の底部が、それぞれ固定されている。
【0062】
各支持板212、214は、ハンドル150の把持部150A(後述)と略同じ方向に延在されるように、回転軸180に固定されており、各支持板212、214の頂点部には、その回転軸180と同じ軸方向となるように、カム機構210を構成する支持ロール216が、それぞれ回転自在に支持されている。
【0063】
一方、二次転写ロール110を支持する支持筐体220の前後方向両端部には、支持ロール216によって支持される被支持部としてのプレート218が、左右幅方向に延在するように取り付けられており、ハンドル150のロック方向への回転により、支持ロール216によって上方へ向かって押し上げられるようになっている。
【0064】
つまり、ハンドル150がロック解除方向に回転させられているときには、支持ロール216がプレート218を押し上げることがないので、二次転写ロール110及びバキューム搬送装置130は、自重により、二次転写ロール110がバックアップロール112側から離隔する下方位置に配置される(図9参照)。なお、この位置のとき、支持ロール216がプレート218に対して非接触状態になっていてもよい。
【0065】
そして、ハンドル150がロック方向に回転させられたときには、その回転に伴って支持ロール216がプレート218を押し上げ、二次転写ロール110及びバキューム搬送装置130をバックアップロール112側に向かって上昇させ(図10参照)、最終的には、その二次転写ロール110を、中間転写ベルト102を介してバックアップロール112に圧接させるようになっている。
【0066】
なお、このとき、二次転写ロール110等が収容されている支持筐体220及びバキューム搬送装置130は比較的重たい物であるため、図8で示すように、ハンドル150のロック方向への回転操作をアシストするアシスト手段の一例としての圧縮コイルバネ222が、バキューム搬送装置130側における引出部材140の底部143の上面で、かつ回転軸180(カム機構210)に隣接した位置に設けられている。
【0067】
この圧縮コイルバネ222は、二次転写ロール110等が収容されている支持筐体220及びバキューム搬送装置130を常時上方に向かって付勢するようになっており、ハンドル150のロック方向への回転により作動するカム機構210(支持板212、214)の回転、即ち支持筐体220及びバキューム搬送装置130の上昇をアシストするようになっている。
【0068】
つまり、ハンドル150のロック方向への回転操作力だけで、カム機構210を介して、支持筐体220及びバキューム搬送装置130が上昇するように、その回転操作力をアシストするようになっており、これによって、そのハンドル150の操作が、圧縮コイルバネ222を有していない構成に比べて容易となるようにしている。
【0069】
なお、この圧縮コイルバネ222は、図11、図12で示すように、最下端部のリング部222Aと、それより1つ上のリング部222Bとの間に、引出部材140の底部143の上面に取り付けられた薄い平板状である取付板224を挿入させることで、その引出部材140に取り付けられるようになっている。
【0070】
つまり、この取付板224の略中央部には、上方へ向かって略円板状又は略半球状に盛り上がる盛上部226が一体に形成されており、この盛上部226の外径は、リング部222Bの内径と同じか、それより若干小さくされている。そして、この取付板224には、リング部222Aとリング部222Bの境界部分が挿入される切欠部225が形成されている。
【0071】
したがって、リング部222Aとリング部222Bの境界部分を切欠部225に挿入させつつ、取付板224をリング部222Aとリング部222Bとの間に相対的に挿入させると、その盛上部226が、リング部222Bに嵌合し、これによって、圧縮コイルバネ222が、引出部材140の底部143の上面に簡単に固定されるようになっている。なお、盛上部226を取付板224の辺縁部寄りに形成して、取付板224に切欠部225を形成しない構成にしてもよい。
【0072】
また、この引出部材140は、ハンドル150のロック方向への回転に伴って、第1筐体11に対して位置決めされるようになっている。すなわち、図5で示すように、引出部材140の後壁部145側には、ハンドル150の回転に連動して作動するリンク機構160が設けられている。このリンク機構160は、第1ロッド部162と、第1ロッド部162よりも長い第2ロッド部164と、を有している。
【0073】
第1ロッド部162及び第2ロッド部164は、共に細長い平板状に形成されており、引出部材140の左右幅方向中央部側の一端部162A、164Aが、上方に向かって略90度屈曲形成されるとともに、ハンドル150の回転軸180の後端部に中心部が固定された略楕円形状のカム板170の周縁部に、互いに180度反対側に位置するように回転可能に取り付けられている。
【0074】
そして、第1ロッド部162及び第2ロッド部164の左右幅方向両端部側の他端部162B、164Bは、それぞれ引出部材140の両端部142側に設けられた略楕円形状のカム板172、174の周縁部に回転可能に取り付けられている。なお、各カム板172、174は、その中心部に回転軸166、168が固定されており、各回転軸166、168は、それぞれ上側が開放された側断面視略「U」字状の支持部材176、178によって回転可能に支持されている。
【0075】
また、各カム板172、174において、第1ロッド部162及び第2ロッド部164の各他端部162B、164Bが固定された部位とは180度反対側の位置には、それぞれ取付部材182、184の一端部が固定されており、各取付部材182、184は、各支持部材176、178に左右幅方向に形成された長孔部176A、178Aを貫通するように配置されている。そして、各取付部材182、184の他端部は、略矩形平板状のストッパー部材186、188の長手方向一端部に固定されている。
【0076】
各ストッパー部材186、188は、それぞれの長手方向を横方向(左右方向)として配置されたときには、各支持部材176、178から上方へ向かって突出せず、それぞれの長手方向を縦方向(上下方向)として配置されたときには、各支持部材176、178から上方へ向かって突出するような形状に形成されており、ハンドル150がロック解除方向へ回転している状態のときには、図5(A)で示すように、それぞれの長手方向が横方向となるように、各取付部材182、184に固定されている。
【0077】
したがって、ハンドル150をロック方向へ回転させると、図5(B)で示すように、カム板170が図示の反時計方向へ回転し、第1ロッド部162及び第2ロッド部164が、それぞれ引出部材140の左右幅方向中央部側(回転軸180側)へ引っ張られる。すると、引出部材140の両端部142側の各カム板172、174が図示の反時計方向へ回転し、各ストッパー部材186、188が支持部材176、178から上方へ向かって突出する。
【0078】
ここで、引出部材140は、図示しない圧縮コイルバネ等の付勢手段によって、前方側へ向かう方向である引出方向へ常時付勢されている。したがって、各ストッパー部材186、188は、ハンドル150がロック方向へ回転されると、第1筐体11の後壁部側に設けられた係止部材196、198(図8参照)に、その後壁部側から係止され、引出部材140の第1筐体11に対する前後方向(奥行き方向)の位置が位置決めされる。
【0079】
なお、引出部材140の第1筐体11に対する左右方向(幅方向)の位置は、図3で示すように、引出部材140の前壁部144の一方の端部142A側に、引出部材140の底部143(図8参照)の下面から下方へ突出するように取り付けられた位置決め部材190によって位置決めされるようになっている。
【0080】
すなわち、この位置決め部材190の下端部には、前後方向を軸方向とするシャフト192が取り付けられており、そのシャフト192が、第1筐体11の角パイプ状フレーム146の前壁部146Aに設けられた凹部(図示省略)に前後方向から挿入されて嵌合することで、その引出部材140の左右方向(幅方向)の位置が位置決めされるようになっている。
【0081】
以上により、引出部材140が、第1筐体11に対して位置決め固定される。そして、引出部材140を第1筐体11内から引き出すときには、ハンドル150をロック解除方向へ回転させ、各ストッパー部材186、188を支持部材176、178内に収容し、係止部材196、198との係止を解除する。これにより、引出部材140が第1筐体11内から前方側へ引出可能となる。
【0082】
また、この引出部材140は、第1筐体11内から完全に取り外せるようになっている。すなわち、ハンドル150をロック解除方向へ回転させ、そのまま把持して引出部材140を引き出すと、レール148に設けられたストッパー(図示省略)に、引出部材140の両端部142に形成された係合部(図示省略)が係合して、一旦はそれ以上の引出動作が不能となる。しかし、そのストッパーを解除する(退避させる)ことで、引出部材140を第1筐体11内から完全に取り外すことが可能になっている。
【0083】
また、この引出部材140は、画像形成装置10の物流時(輸送時等)には、第1筐体11のフレーム146に固定されるようになっている。すなわち、画像形成装置10の物流時には、図4で示すように、引出部材140の前壁部144の一方の端部142A側と第1筐体11のフレーム146との間に跨るように固定部材194が取り付けられ、引出部材140の前壁部144の他方の端部142B側(引出部材140の引出方向と交差する方向である左右幅方向中央部を境に位置決め部材190とは反対側)と第1筐体11のフレーム146との間に跨るように固定部材200が取り付けられている。
【0084】
引出部材140の前壁部144の一方の端部142A側に取り付けられる固定部材194は、平面視「コ」字状に形成され、その上端部が前壁部144に取付ネジ199によって取り付けられ、その下端部がフレーム146の前壁部146Aに取付ネジ199によって取り付けられている。なお、この固定部材194は、画像形成装置10の設置時には取り外されて、別の画像形成装置10の物流時に再利用される。
【0085】
引出部材140の前壁部144の他方の端部142B側に取り付けられる固定部材200は、図3、図4、図6で示すように、平面視「コ」字状に形成された本体部202と、その本体部202の側壁204の上部側に一体に形成され、本体部202の開放方向へ延在する突出部206と、その突出部206に一体に形成され、本体部202の外側方向へ延在する鍔部208と、を有している。そして、本体部202の上部側及び下部側に、取付ネジ199を挿通させるネジ孔202Aが形成されるとともに、鍔部208の略中央にも、取付ネジ199を挿通させるネジ孔208Aが形成されている。
【0086】
したがって、画像形成装置10の物流時には、図4、図6(A)で示すように、固定部材200の本体部202が、引出部材140の前壁部144と、その前壁部144の直下に配置された第1筐体11のフレーム146の前壁部146Aとに跨るように配置され、ネジ孔202Aを介して、各前壁部144、146Aに取付ネジ199によって取り付けられる。
【0087】
一方、画像形成装置10の設置時には、図3、図6(B)で示すように、固定部材200は、本体部202が表裏反転され、その鍔部208が引出部材140の前壁部144に取付ネジ199によって取り付けられ、その本体部202の下部が、引出部材140の底部143の下面から下方へ突出するようになっている。なお、このとき、本体部202の側壁204の下部と第1筐体11のフレーム146の前壁部146Aとの間には、突出部206により、間隙Sが形成される。
【0088】
以上のような構成の引出部材140において、次にその固定部材200の作用について説明する。画像形成装置10の物流時には、上記したように、固定部材194、200によって、引出部材140が第1筐体11のフレーム146に固定される。このとき、ハンドル150はロック解除方向に回転されているので、引出部材140は、図示しない付勢手段によって前方側(引出方向側)へ移動した状態になっている。
【0089】
つまり、引出部材140の前壁部144と第1筐体11のフレーム146の前壁部146Aとが、図6(A)で示すように、側面視で同位置(面一)に配置されるようになるため、直線状の固定部材194と、固定部材200の直線状とされた本体部202とによる固定が可能となる。
【0090】
一方、画像形成装置10の設置時には、上記したように、固定部材194が取り外されるとともに、固定部材200の本体部202が表裏反転されて、その鍔部208が引出部材140の前壁部144に取付ネジ199によって取り付けられる。ここで、画像形成装置10の設置時には、ハンドル150がロック方向へ回転され、引出部材140が第1筐体11に対して位置決めされる。
【0091】
つまり、リンク機構160によって、各ストッパー部材186、188が上方に向けて突出し、引出部材140を前方側へ向けて付勢している図示しない付勢手段の付勢力に抗して、第1筐体11に設けられている係止部材196、198に、そのストッパー部材186、188が第1筐体11の後壁部側から係止される。
【0092】
したがって、引出部材140の前壁部144は、第1筐体11のフレーム146の前壁部146Aに対して、物流時に比べて若干後方側へ移動するが、このとき、固定部材200の本体部202(側壁204)が、第1筐体11のフレーム146の前壁部146Aと干渉することはない。
【0093】
すなわち、図6(B)で示すように、本体部202が表裏反転されて、鍔部208が引出部材140の前壁部144に取り付けられた固定部材200は、突出部206により、その側壁204の下部が、それと対向するフレーム146の前壁部146Aから離隔している。つまり、本体部202における側壁204の下部とフレーム146の前壁部146Aとの間には、間隙Sが形成されている。したがって、固定部材200が、引出部材140の位置決め時の移動を妨げることがない。
【0094】
また、上記したように、この引出部材140は、第1筐体11から完全に取り外すことが可能となっている。したがって、図7で示すように、メンテナンス時等においては、第1筐体11から取り外された引出部材140を床面230等に置くことがあるが、このとき、引出部材140の前壁部144の一方の端部142A側に取り付けられた位置決め部材190と、他方の端部142B側に取り付けられた固定部材200とで、その引出部材140を支持することが可能となっている。
【0095】
すなわち、位置決め部材190と固定部材200は、引出部材140の左右幅方向中央部を境に互いに反対側に設けられ、共に引出部材140の底部143の下面から下方へ突出するようになっている。そのため、引出部材140を床面230等に置いたときには、その位置決め部材190と固定部材200とに、搬送部120を収容した引出部材140の荷重Fを良好に分散させられる。
【0096】
つまり、このような固定部材200を、引出部材140が第1筐体11から取り外されたときの脚部として利用(兼用)することにより、位置決め部材190に対する荷重Fの集中が防止され、位置決め部材190の損傷が防止される。なお、引出部材140の底部143の下面を基準として、下方へ突出する位置決め部材190の突出長さ(高さ)と固定部材200の突出長さ(高さ)とは略同一とすることが、上記荷重Fを更に良好に分散させる上で望ましい。
【0097】
その他、この引出部材140の前部側には、ハンドル150の回転方向が示されたカバー部材228(図8参照)が設けられるようになっている。また、そのハンドル150は、次のように構成されている。すなわち、このハンドル150は、図13、図14で示すように、回転軸180に固定される金属製の本体部152と、その本体部152の後壁面側を被覆する樹脂製のリアカバー体154と、その本体部152の前壁面側を被覆する樹脂製のフロントカバー体156と、で構成されている。
【0098】
本体部152は、側面視略「L」字状に形成されており、リアカバー体154も側面視略「L」字状に形成されている。詳細には、本体部152の後方へ向けて延在している取付部152Aは四角筒状に形成されており、リアカバー体154の後方へ向けて延在している被覆部154Aも四角筒状に形成されている。この被覆部154Aは、取付部152Aよりもその長さが短く形成されており、その内形寸法は、取付部152Aの外形寸法と同じか、それよりも若干大きくされている。
【0099】
また、フロントカバー体156と、リアカバー体154の上方(回転軸180と略直交する方向)へ向けて延在する被覆部154Bは、側面視で前壁面側が若干膨らむような湾曲形状に形成されており、本体部152の上方(回転軸180と略直交する方向)へ向けて延在する把持部本体152Bを、それぞれ前後方向から被覆するようになっている。このフロントカバー体156と被覆部154Bにより、意匠性を有するハンドル150の把持部150A(図14参照)が構成されるようになっている。
【0100】
ハンドル150を組み立てるときには、まず、フロントカバー体156を本体部152の把持部本体152Bの前壁面に、取付ネジ159によって取り付ける。すなわち、フロントカバー体156の裏面(内面)には、各取付ネジ159が螺合可能なボス部(図示省略)が後方へ向かって複数(図示のものは5個)突設されており、フロントカバー体156は、把持部本体152Bの裏面側(後壁面側)から、その取付ネジ159がボス部に螺合されることで、本体部152の把持部本体152Bに固定される。
【0101】
フロントカバー体156が、本体部152の把持部本体152Bに固定されたら、本体部152の取付部152Aが、リアカバー体154の被覆部154Aに形成されている貫通孔154Cに挿通される。そして、そのリアカバー体154の被覆部154Bが、本体部152の把持部本体152Bの後壁面に、取付ネジ159及びボス部によって取り付けられる。これにより、リアカバー体154が本体部152に固定される。
【0102】
こうして、フロントカバー体156及びリアカバー体154が本体部152に取り付けられてハンドル150が構成されたら、図14で示すように、そのリアカバー体154の被覆部154Aから後方へ向かって突出している本体部152の取付部152Aを、固定ネジ158によって回転軸180の前端部に固定する。これにより、ハンドル150が回転軸180を介して引出部材140に取り付けられる。
【0103】
以上、本実施形態に係る画像形成装置10について説明したが、本実施形態に係る画像形成装置10は、図示の実施例に限定されるものではない。しかし、リンク機構160は、上記実施例で示したように、ハンドル150のロック方向への回転に伴って、第1ロッド部162及び第2ロッド部164が共に左右幅方向中央部側に引っ張られる構成とすることが望ましい。
【0104】
これによれば、第1ロッド部162や第2ロッド部164が、ハンドル150のロック方向への回転に伴って、左右幅方向端部側へ押圧されるリンク機構(図示省略)とされている場合に比べて、第1ロッド部162及び第2ロッド部164の座屈(変形)を防止することができる。
【符号の説明】
【0105】
10 画像形成装置
11 第1筐体(装置本体の一例)
12 第1処理部
13 第2筐体
14 第2処理部
15 第3筐体
16 制御部
20 給紙部
30 画像形成部
50 定着部
60 冷却部
80 反転部
100 転写部
120 搬送部(搬送手段の一例)
140 引出部材
144 前壁部(壁部の一例)
146 フレーム
146A 前壁部(壁部の一例)
150 ハンドル
160 リンク機構
190 位置決め部材
200 固定部材
202 本体部
204 側壁
206 突出部
208 鍔部
210 カム機構
P 記録用紙(記録媒体の一例)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体を搬送する搬送手段を備え、装置本体に位置決めされた状態で固定されるとともに、該固定を解除することで前記装置本体から引出可能に設けられた引出部材と、
前記引出部材の引出方向側の壁部に、該引出部材の下面から下方へ突出するように取り付けられ、該引出部材を前記装置本体に対して位置決めするための位置決め部材と、
物流時には前記引出部材の引出方向側の壁部と前記装置本体の壁部とに取り付けられ、設置時には前記引出部材の引出方向側の壁部に、該引出部材の下面から下方へ突出するとともに前記装置本体の壁部に対して前記引出方向側に位置するように取り付けられる固定部材と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記固定部材は、前記引出部材の引出方向と交差する方向における中央を境に、前記位置決め部材とは反対側に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記固定部材は、設置時において、前記装置本体における前記壁部との間に間隙が形成されるように取り付けられることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記固定部材は、
平面視「コ」字状に形成された本体部と、
前記本体部の側壁上部に形成され、該本体部の開放方向へ延在する突出部と、
前記突出部に形成され、前記本体部の外側方向へ延在する鍔部と、
を有し、
物流時には、前記本体部が前記引出部材における前記壁部と前記装置本体における前記壁部とに取り付けられ、
設置時には、前記本体部が反転されて前記鍔部が前記引出部材における前記壁部に取り付けられ、前記突出部により、前記本体部の側壁下部と前記装置本体における前記壁部との間に間隙が形成されることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−100069(P2011−100069A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−256288(P2009−256288)
【出願日】平成21年11月9日(2009.11.9)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】