説明

画像形成装置

【課題】 画像形成装置の寿命を通じて、像担持体への、潤滑剤付着及び傷が入ることによる画像弊害の低減化。
【解決手段】 画像形成後の停止動作を逆回転の有無で二種類設け、像担持体とクリーニングブレードの使用時間、回転数によって、どちらかの動作を選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザプリンター、複写機、ファクシミリ等の電子写真記録方式を利用する画像形成装置に関するものである。特に、電子写真感光体等の潜像担持体にクリーニングブレード等の弾性を有するクリーニング部材を当接させることによって画像担持体上の現像剤を除去する方式の画像形成装置及び画像担持体の駆動制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真画像形成装置において、潜像担持体である感光体あるいは中間転写体等の像担持体表面に形成担持させた現像剤像(トナー像)を、記録媒体としての転写材に転写した後に残る像担持体上の転写残トナーを除去するクリーニング装置が知られている。
【0003】
一般的なクリーニング装置には、ブレードクリーニング方式が汎用されている。この方式は、クリーニング部材として可撓性(ゴム弾性)を有するクリーニングブレードを像担持体に所定の圧接状態で当接させて像担持体面を清掃することで像担持体上から転写残トナーを掻き取って除去するものである。また、クリーニングブレードはクリーニング効率向上のために一般に像担持体に対して像担持体の画像形成時の回転方向においてカウンターに当接されている。
【0004】
上記のようなブレードクリーニング方式を用いた画像形成装置においては、像担持体との摩擦よりブレードがめくれることがあった。このブレードめくれを防止するために、像担持体またはブレードの表面を低摩擦処理する技術が提案されている。例えば、特許文献1のように像担持体の表面に潤滑剤等を塗布し、摩擦係数を低減させることで、ブレードめくれを低減できる。
【0005】
一方で、上記のようなブレードクリーニング方式を用いた画像形成装置においては、紙粉量の多い用紙を用いて、印刷を続けると、クリーニングブレードと像担持体(例えば、感光ドラム、以下ドラム)とのドラム間に紙粉を噛み込むことがある。紙粉を噛み込んだまま印刷を続けると、ドラムが傷つき、この傷が原因となり、画像に縦スジ状の画像不良が発生することがある。この現象は先に述べた像担持体またはブレードの表面を低摩擦処理(摩擦力が低くなるような処理)をすることで紙粉の噛み込む量を減らすことができる。これは、像担持対等を低摩擦処理することにより、仮に像担持体とブレードとの間の摩擦力が小さいため、噛み込みは強固ではなくなるためと考えられる。噛み込みを減らす別の方法として、噛み込んだ紙粉を開放するべく、印刷終了時に像担持体を逆方向に回転させる技術がある。例えば特許文献2に記載の方法で紙粉の噛み込みを低減できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−305770号公報
【特許文献2】特開2002−258713号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記のブレードクリーニング方式を用いた画像形成装置において、像担持体またはブレードの表面を低摩擦処理させたものを用いる場合、像担持体またはブレードの使用状態に応じて、異なる二種類の画像不良が発生してしまうことが解った。以下にその詳細を説明する。
【0008】
ブレードまたは像担持体の表面に潤滑剤等を塗布したクリーニング装置では、ブレードまたは像担持体の使用初期では、多くの潤滑剤が像担持体の回転と共に剥がれていく。その潤滑剤が像担持体の回転と共にブレード先端に捕集されることが顕著であった。その捕集された潤滑剤のついたブレード先端を像担持体へ一定以上の圧力で押圧されることで、像担持体へ潤滑剤の跡が付き、横スジ状の画像不良画像が出現することがあった。
【0009】
また、ブレードまたは像担持体の使用初期以降では、それぞれの表面に潤滑剤等を塗布したクリーニング装置であっても、ブレードと像担持体間の紙粉の噛み込みが増え、紙粉によりドラムに傷をつけ、縦スジ状の画像不良を発生させることがあった。
【0010】
本提案は上記の課題を鑑みてなされたものである。その目的は、潤滑剤による低摩擦処理を施した像担持体またはクリーニングブレード用いた場合に、画像形成装置の使用を通じて、像担持体への潤滑剤付着及び傷が入ることによる画像弊害を低減化し高画質を維持することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成する為に、本出願に係る第1の発明は、
表面に潤滑剤を含む層を有し、静電潜像を担持する像担持体と、
前記像担持体の静電潜像を現像して現像剤像とする現像装置と、
クリーニングブレードを前記像担持体に潤滑剤を介して圧接し、前記像担持体が回転することで、前記像担持体の上の現像剤を、除去するクリーニング手段と、
前記像担持体の使用時間に関する情報を検知する検知手段を備え、
前記像担持体は画像形成のために第1の方向に回転させられ、
前記画像形成の終了後に、前記像担持体を第1の方向とは逆方向の第2の方向に回転をさせないで停止させる第1の停止動作制御と、前記第2の方向に回転をさせた後停止させる第2の停止動作制御とを制御する制御手段を備え、
前記検知手段によって検知される前記使用時間に関する情報から得られる前記像担持体の使用時間について、第1の使用時間と、前記第1の使用時間よりも前記像担持体の使用時間が多い第2の使用時間とした時、
前記制御手段は、前記第1の使用時間の場合は、前記第1の停止動作制御を行い、前記第2の使用時間の場合は、前記第2の停止動作制御を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、画像形成装置の使用を通じて、像担持体への、潤滑剤付着及び傷が入ることによる画像弊害を低減化し高画質を維持できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1の実施例の停止動作を選択する際のフローチャートである。
【図2】本発明に係る画像形成装置の概略構成断面図である。
【図3】感光ドラムの模式図である。
【図4】ドラムの回転時間に対するドラムとクリーニングブレード間の動摩擦係数の推移である。
【図5】クリーニングブレードニップの拡大図である。
【図6】第1の実施例の回転方向の切り替えのタイミングチャートである。
【図7】第1の実施例の制御手段等の関係を表すブロック図である。
【図8】温度毎の動摩擦係数の回転時間推移である。
【図9】温度に対する動摩擦係数の閾値となるまでの回転時間である。
【図10】第2の実施例の制御手段等の関係を表すブロック図である。
【図11】第2の実施例の停止動作を選択する際のフローチャートである。
【図12】第2の実施例の停止動作を選択する際のフローチャートの別の例である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(実施例1)
以下、図2を用いて本発名に最適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。
【0015】
但し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法・材質・形状それらの相対的配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。本実施例では最も簡略な画像形成装置の例として、モノクロレーザープリンタを挙げているが、当然タンデム型、ロータリー型のカラーレーザープリンタでも実施できる。
【0016】
図2は本実施例の画像形成装置の概略構成の模式図である。この画像形成装置Aは、電子写真プロセスを用いた画像形成装置である。この画像形成装置Aはイメージリーダ(原稿画像読装置)・パソコン・ファクシミリ等のホスト装置(不図示)からコントローラ部(制御手段:CPU)入力する電気的画像信号に基づいて記録媒体としてのシート状の記録材Pに画像形成を行う。コントローラ部はホスト装置や画像形成装置の操作部との間で各種の電気的な情報の授受をすると共に、画像形成装置Aの画像形成動作を所定の制御プログラムや参照テーブルに従って統括的に制御する。操作部には、メイン電源スイッチ(不図示)が設けられている。
【0017】
本実施例の画像形成装置Aは、表面に静電潜像を担持する像担持体としての、感光ドラム(以下、ドラムと記す)1を有する。さらには、このドラム1に作用するプロセス手段としての、帯電手段2、画像露光手段3、現像手段5、転写手段6、ドラムクリーニング手段7を有する。ドラム1はドラム軸線を中心に矢印R1の時計方向に所定の速度で回転駆動される。本実施例では、ドラム1と帯電手段2、現像手段5、ドラムクリーニング手段7を一体とし、画像形成装置本体から着脱可能に設けたカートリッジ9としている。カートリッジ9には、カートリッジ新品時からのドラム1の使用時間を記憶するための記憶手段である不揮発性のメモリ10を備えている。
【0018】
帯電手段2はドラム1の表面を所定の極性(本実施例では負極性)・電位に一様に帯電する手段であり、帯電ローラ2と支持部材(不図示)と、バネ部材(不図示)を主要部として備えている。支持部材は導電性で、帯電ローラ2を両端部にて回転自在に支持する。バネ部材は、これら支持部材を介して、帯電ローラをドラム1に対して押し付ける。画像形成装置本体に設けられた帯電バイアス電源(不図示)は、バネ部材及び支持部材を介して帯電ローラ2に電圧を印加する。
【0019】
画像露光手段3はドラム1の表面に静電潜像を形成する手段であり、本実施例ではレーザースキャナユニットを用いている。この画像露光手段3はホスト装置(不図示)からコントローラ部(不図示)に入力する画像情報に対応して変調したレーザー光Lを出力して反射ミラー4を介してドラム1の帯電処理面を露光部位Eにおいて走査露光する。これにより、ドラム1の面に静電潜像が形成される。本実施例においては、静電潜像形成方式は、帯電したドラム面を画像情報部に対応して露光するイメージ露光方式としている。
【0020】
現像手段5はドラム面に形成された静電潜像を現像剤像(トナー像)として可視化する手段である。現像器5は、現像剤担持体として現像ローラ53を有する。現像ローラ53はドラム1に接触可能に構成される。本実施例においては、現像器5は、現像剤Tとして負帯電性の非磁性トナーを用いた接触現像型の反転現像器である。そして、本実施例においては、ブラック色のトナーを収容した現像器である。現像器5は、トナーTを収容させた現像剤収容室として現像剤容器52と、ドラム1に形成された静電潜像を現像するための現像剤担持体としての現像ローラ53と、現像ローラ53に接触してトナーを供給する現像剤供給部材としての塗布ローラ54を有する。また、現像ローラ53上のトナー層を規制する現像剤層厚規制部材としての規制ブレード55と、現像ローラ53と現像剤容器52との隙間からのトナー漏れを防止する漏れ防止シール56を有する。
【0021】
転写手段6はドラム1の面に形成されたトナー像を記録媒体に転写する手段であり、本実施例では中間転写ベルトユニット6を用いている。このユニット6は、中間転写体(第1の記録媒体)としての、誘電体製で可撓性を有するエンドレスのポリエチレンナフタレートからなる中間転写ベルト(以下、ベルトと記す)61を有する。そして、このベルト61を懸回張設している、EPDMスポンジからなる1次転写ローラ62、ベルト駆動ローラ(不図示)、EMDMスポンジからなる2次転写対向ローラ64、テンションローラ65を有する。1次転写ローラ62はドラム1に対してベルト61を挟んで圧接している。ドラム1とベルト61の接触部が1次転写ニップ部である。2次転写対向ローラ64のベルト懸回部には2次転写ローラ66が対向配設されている。この2次転写ローラ66は、揺動機構(不図示)により、ベルト61を挟んで2次転写対向ローラ64に当接した作用位置と、ベルト61の表面から離隔した非作用位置とに位置移動される。ベルト上から紙等の記録材へトナー像を転写させるタイミングに限って、非作用位置から作用位置へ移動し、二次転写終了後に再び離隔する。2次転写ローラ66が作用位置に移動された状態において、2次転写ローラ66とベルト61の接触部が2次転写ニップ部である。テンションローラ65のベルト懸回部には、ベルト61の表面をクリーニングするベルトクリーニング手段67が配設されている。このベルトクリーニング手段67はベルト61の表面に常時当接し、転写しきれずに残ったトナー(転写残トナー)をベルト上から清掃、回収する。ドラムクリーニング手段7は、ベルト61に対するトナー像の1次転写後のドラム1面から1次転写残トナーを除去する手段であり、ポリウレタンゴムからなるクリーニングブレード71を用いている。ドラム面から除去されたトナーはクリーナー容器72に収容される。クリーニングブレード71は、その自由端が固定端よりも画像形成時のドラム1の回転方向の上流側に配置される、いわゆるカウンター方向に配置されている。クリーニングブレードがカウンター方向に配置されることで、トナーの清掃を効率良く行うことができる。
【0022】
ここで、本実施例における静電潜像像担持体である前記ドラム1について説明する。図3はドラム1の層構成の模式図である。このドラム1は、導電性の支持体11の上に電子写真感光層(電荷発生層)12が形成されている。そして、その感光層12の上に更に表面層(電荷輸送層)13が形成されている。表面層13は主として電荷輸送材料とバインダー樹脂と潤滑剤を溶剤中に溶解させた塗料を塗工乾燥して形成する。乾燥過程で潤滑材は電荷湯像材料やバインダー樹脂に比べ、表面エネルギーが小さい為に、表層に析出する。用いられる電荷輸送材料としては各種のトリアリールアミン系化合物、ヒドラゾン系化合物、スチルベン系化合物等が用いられる。
【0023】
なお、本実施例におけるドラム1は、表面に潤滑剤を含む層を持っている。印刷動作の中でドラム1がクリーニング手段7と摺擦を繰り返すうちに、次第にこの潤滑剤は剥離される。このような潤滑剤の層を持っている理由は、未使用の感光体ユニットにおいて最初にクリーニングブレード71に転写残トナー等の潤滑物が到達するまでの間、ドラム1表面とクリーニングブレード71間の摩擦係数μを低減するためである。摩擦係数μを低減することにより、クリーニングブレード71がタックしてめくれてしまうのを防止することが可能となる。タックしてめくれてしまうとは、クリーニングブレード71のドラム1表面への粘着性が高まり、クリーニングブレード71がドラム1の回転に引っ張られて、めくれてしまうことである。タックとは、ブレード71がドラム1にベトッとくっついてしまう状態である。また、このようにドラム1表面に潤滑剤の層を持つことにより、クリーニングブレード71に潤滑剤を塗布しなくてもドラム1表面とクリーニングブレード71間の摩擦抵抗を低減することができる。印刷動作を行なううちに、感光ドラム1上にトナーが供給され、クリーニングブレード71には潤滑物たるトナーが供給されるため、潤滑剤が剥離された後もドラム1表面とクリーニングブレード71間の摩擦係数μは低い状態に保たれる。また、潤滑剤には櫛型ポリマーを用いた。市販品としてUS270、US380,US450(東亞合成者製)等があるが、本実施例ではUS270を用いた。今回の実施例では以上の物質を挙げたが、本実施例の現象は潤滑剤一般でおきうるものであり、例えば、ジメチルシリコンオイル、メチルフェニルシリコンオイル等の物質も想定できる。また、本実施例では、電荷輸送材料とバインダー樹脂と潤滑剤を溶剤中に溶解させた塗料を塗布乾燥させて表面層を作っているがこれに限られるものではない。電荷輸送層を形成後、ドラム1の表面に潤滑剤のみを塗布乾燥させることにより、潤滑剤を含む表面層を形成するようにしてもよい。
【0024】
また、本実施例ではドラム1に潤滑剤を塗布を行なった場合の形態を示したが、クリーニングブレードに潤滑剤を塗布した場合について述べる。クリーニングブレードに潤滑剤を塗布した場合であっても、画像形成を行なうことで、ドラム1とクリーニングブレード71との摺擦により、クリーニングブレード表面の潤滑剤は、少しずつ剥がれていく。本実施例では、クリーニングブレードはドラムに対して当接したまま回転する構成である為、ドラムの使用時間はクリーニングブレードの使用時間は同一である。従って、ドラムの使用時間を用いて、同様の制御を行うことができる。ドラム対して、クリーニングブレードの当接、離間を選択できる構成では、クリーニングブレードの使用時間を別途検知する必要がある。
【0025】
次に、画像形成装置Aの画像形成動作について説明する。コントローラ部(不図示)は画像形成スタート信号が入力されると、メインモータ(不図示)を駆動させる。これにより、ドラム1が矢印R1の方向に、ベルト61が矢印R3の方向に150mm/secのプロセススピードで駆動される。ドラム1の駆動に伴い帯電手段としての帯電ローラ2は従動回転を開始し、帯電バイアスとして約−1000Vの直流電圧が印加され、ドラム1の表面電位を暗電位(VD)−500Vに帯電する。
【0026】
現像手段5においては、現像ローラ53がドラム1と接触状態で、現像ローラ53に駆動が伝達され現像バイアスとして−300Vの直流電圧が印加される。2次転写ローラ66はベルト61から離隔した非作用位置に移動されて保持されている。
【0027】
露光装置3からは画像信号に対応して変調されたレーザー光Lが出力されてドラム面が走査露光される。これにより、ドラム面に画像に対応した静電潜像が形成される。露光された部分の電位は、明電位(VL)−100Vとなる。その静電潜像が現像器5によりトナー像(現像剤像)として現像される。
【0028】
本実施例においては、現像器5の現像ローラ53がトナーを介してドラム1に接触している。現像ローラ53はドラム1に接触した状態でドラム1に形成された静電潜像を現像する。所謂、接触現像方式を用いている。現像器5には、画像形成実行時に画像形成装置本体側の駆動手段(不図示)と電源部(不図示)から駆動力と現像バイアスが入力される。現像ローラ53は矢印R4の方向に所定の速度で回転駆動される。従って、現像ローラ53のドラム接触部における回転方向はドラム1の回転方向R1に対して順方向である。現像ローラ53の回転駆動速度は225mm/secとし、ドラム1の回転速度の1.5倍のスピードで回転駆動するものとする。また、現像ローラ53に接触して現像ローラ53にトナーを供給する塗布ローラ54は矢印R5の方向に所定の速度で回転駆動される。従って、塗布ローラ54の現像ローラ接触部における回転方向は現像ローラ53の回転方向R4に対して逆方向(カウンタ方向)である。回転する現像ローラ53の周上には回転する塗布ローラ54によってトナーが塗布され、塗布されたトナーが規制ブレード55により薄層にコーティングされる。そのトナー薄層が現像ローラ53の引き続く回転により搬送されてドラム1の面に適用される。また、現像ローラ53には現像バイアス電源部Vから−300Vの直流電圧が印加される。これにより、現像ローラ53の周上のトナー薄層がドラム面の静電潜像に対応して選択的にドラム面に転移する。これにより静電潜像がトナー像として現像される。静電潜像の現像に供されなかったトナーは現像ローラ53の引き続く回転により現像剤容器52内に戻し搬送される。そして、塗布ローラ54により現像ローラ53の面から除去されるとともに、現像ローラ53の面には再び塗布ローラ54によってトナーが塗布される。この動作が繰り返されて、ドラム面の静電潜像の現像が実行される。
【0029】
ドラム1上に現像されたトナー像は1次転写ニップ部においてベルト61上に1次転写される。その際、1次転写ローラ62には所定の制御タイミングでトナーの帯電極性とは逆極性(正極性)の1次転写バイアスが印加される。1次転写時に1次転写ローラに印加される電圧は、画像形成時に定電圧制御される。
【0030】
1次転写後のドラム1上の転写残トナーは、クリーニングブレード71によりドラム1上から取り除かれる。取り除かれたトナーはクリーナー容器72に収容される。このクリーニングブレード71は、一般的にウレタンゴム等の柔軟性のあるものが用いられる。通常、クリーニングブレードは、ゴム硬度、厚さ、弾性率、突き出し量等の条件を最適化する必要がある。その後、ドラム1は次の画像形成に備えるため、再び帯電手段2により帯電が行われる。
【0031】
一方、所定の制御タイミングで記録材給送部(不図示)から第2の記録媒体としてのシート状の記録材Pが一枚分離されて給送される。その記録材Pはレジストローラユニット(不図示)によって所定の制御タイミングにて2次転写ローラ66とベルト61との接触部である2次転写ニップ部に導入される。2次転写ローラ66にはトナーの帯電極性とは逆極性(正極性)で所定電位の2次転写バイアスが印加される。2次転写ローラ66に印加される電圧は、画像形成時に定電圧制御される。これにより、記録材Pが2次転写ニップ部を挟持搬送されていく過程で、ベルト61上のトナー像が記録材Pの面に順次に一括2次転写される。
【0032】
記録材Pはベルト61の面から分離されて定着ユニット8へ導入され、定着ニップ部で加熱・加圧される。これによりトナー像の記録材Pへの定着がなされる。そして、記録材Pは定着ユニット8を出て、画像形成物として排出部(不図示)に排出される。また、記録材分離後のベルト61の表面に残留した2次転写残トナーはベルトクリーニング手段67によって除去される。
【0033】
画像形成の終了後、コントローラ部(不図示)はドラム1、レーザースキャナユニット3、ベルト61等の駆動を停止するとともに2次転写ローラ66を非作用位置に移動する。そして、次の画像形成スタート信号の入力を待つ待機状態へ移行する。画像形成の終了後とは、ホスト装置から送られてきた画像形成信号に基づいて行われる記録材への画像形成が終了した後をさす。記録材複数枚にわたる連続の画像形成信号が送られてきた場合は、複数枚の画像形成が終了した後である。この時画像形成のために、回転していたドラム1の停止方法について、実験結果と共に詳しく後述する。画像形成のためにドラム1が回転していた第1の方向を正回転、正回転とは逆方向の第2の方向を逆回転と定義する。
【0034】
初めに、紙分噛み込みと潤滑剤付着の課題について説明する。以下の検討は常温23℃で印刷動作を行ったものである。
【0035】
紙粉の噛み込みは、2次転写ニップ部で、記録材としての紙にトナー像を転写する際に、紙から紙粉がベルト61に付着することで発生する。ベルト61に付着した紙粉は、ベルト61の回転により1次転写ニップ部に到達し、1次転写ニップ部においてベルト61からドラム1に移動する。そして、ドラム1の回転によりクリーニングブレード71とドラム1の接触部へ到達する。クリーニングブレード71とドラム1との間に紙粉が噛み込んだ状態でドラム1が回転するとドラム1に傷がつき画像に影響を与える。なお、本実施例では、中間転写体であるベルト61を介してトナー像を記録材に転写をする構成で説明したが、ドラム1から記録材に直接転写をするような装置であっても同様の課題は発生する。
【0036】
潤滑剤付着は、潤滑剤がクリーニングブレード71の先端に捕集されることにより発生する。その捕集された潤滑剤のついたクリーニングブレード先端がドラム1へ押圧されることで、ドラム1へ潤滑剤が付着する。この潤滑剤の付着により、横スジ状の画像不良画像が出現することがある。具体的な現象については後述する。
【0037】
次に、今回問題にしている紙分噛み込みと潤滑剤付着に対して、正回転のまま停止した場合と逆回転後に停止した場合の現象レベルを示し、そのメカニズムを述べる。
【0038】
【表1】

【0039】
表1(A)に紙粉噛み込みのレベルについて示した。ドラムの回転時間とは、使用初期のドラムからの回転時間を示している。紙粉噛み込みはドラムの回転時間が短い方がレベルが良い。これは図4のようにドラムを回転させるに従いドラムとクリーニングブレード間の動摩擦係数が上昇するので、ドラム回転時間が長くなるほど紙粉を捕獲しやすくなる為である。ドラムを回転させるに従い、潤滑剤が次第に剥離する為に動摩擦係数が上昇していく。一方でトナーが滑剤の役割も担うようになる為に、ある程度の動摩擦係数で安定する。正回転のまま停止した場合は、ドラムの回転時間が所定時間以上長くなった場合に、ブレード71とドラム1との間に紙粉の噛み込みが発生した。逆回転後停止を行なうことで、噛み込みを防止することができる。これは図5(C)のように、一旦噛み込んだ紙粉を逆回転に沿わせて掻き出すことで、除去できる為だと考えている。以上から紙粉噛み込みを防ぐ為には、ドラムの回転時間がある程度長くなってから逆回転を行なうことが必要である。本実施例における検討結果では回転時間が10分で逆回転が必要になった。
【0040】
表1(B)に潤滑剤付着のレベルについて示した。図5(D)のように潤滑剤がドラムに押し付けられると、潤滑剤がドラムに付着する。潤滑剤の付着が強固であると、画像形成中にも、潤滑剤はドラム上に付着し続ける。潤滑剤をまとったドラムは、十分にレーザー露光を受けることができずに、狙いと異なった濃度のトナー像になる。これが画像上横スジとして出現する場合があり潤滑剤付着跡と呼ぶ。ユーザーに対して、○を限度内のレベル、×を限度外のレベルと定める。潤滑剤付着はドラムの回転時間が長い方がレベルが良い。これは、ドラムの回転時間が長くなるほど剥離される潤滑剤の量が少なくなる為、付着物質自体少なくなり、付着レベルが良いと考えられる。図4はドラムの回転時間に対するドラムとクリーニングブレード間の動摩擦係数のグラフであるが、グラフの傾きが急峻である程、剥離する潤滑剤が多いといえる。従って、ドラム回転初期は剥離される潤滑剤の量が多いといえる。また、潤滑剤付着は逆回転停止を行なうことで、レベルが悪化する。これは図5(A)のように潤滑剤は画像形成時、ブレードを裏回りして捕集されていると考えられる。逆回転後に停止した場合は、図5(B)のようにドラム上に捕集された潤滑剤が正回転のまま停止した場合に比べて強く押圧される為レベルが悪くなると考えられる。従って、潤滑剤付着を低減する為には、ドラムの回転時間が短いうちには正回転を行なうことが必要である。本実施例では回転時間が10分程度で付着跡の発生が許容限度内となった。
【0041】
これらの現象を踏まえて、本実施例では、ドラムの初期は正回転のまま停止、初期以降は逆回転後に停止に切り替えることで、紙粉噛み込みと潤滑剤付着両方に関して、寿命を通じて良好なレベルを保つことに成功した。
【0042】
注記するが、動摩擦係数μの測定は、常温常湿(25℃/50%RH)において新東科学(株)製のHEIDON−14を用いて行った。詳しくは、クリーニングブレードを一定の荷重をかけた状態で感光ドラムに接触設置する。そして、感光ドラムを50rpmで回転駆動させたときに、感光ドラムとクリーニングブレードとの間に働く摩擦力を、クリーニングブレード側に取り付けた歪みゲージの歪み量として計測し、引っ張り荷重に換算した。動摩擦係数は感光ドラムが動いている時の〔感光ドラムに加わる力(g)〕/〔ブレードに加えた荷重(g)〕から求められる。使用ブレードは長手幅230mmのウレタンブレード(ゴム硬度67°)で、荷重100gでwith方向、角度27°にて測定した。本試験は画像形成装置の使用状況と異なるが、潤滑剤量と動摩擦係数との対応関係を見積もることができる。
【0043】
次に本実施例における、仕様について示す。図6に本実施例の画像形成装置ドラム回転速度についてのタイミングチャートを示す。図6の横軸は動作時間で、縦軸は正逆回転速度を相対値で示す。図6のようにドラムは画像形成終了後、停止動作を経て停止する。本実施例での停止動作制御は二種類ある。図6の点線である正回転のまま停止の場合と実線である逆回転有りの場合である。正回転のまま停止の場合は、課題を解決するための手段で記述した、正回転のまま停止させる第1の停止動作制御に相当する。一方で、逆回転有りの場合は、課題を解決するための手段で記述した、逆回転をさせて停止させる第2の停止動作制御に相当する。本実施例ではこの制御を像担持体の使用時間に応じて選択する。
【0044】
逆回転時間は本発明で効果がある範囲で最適なところに決めた。逆回転量が小さすぎると、紙粉噛み込みの除去効果が減り、大きすぎるとベルト61にトナーが擦り付けられ、別の汚れを生じさせてしまうことがある。以上を考慮して、今回は15mmの逆回転量になるように設計した。
【0045】
図7に画像形成装置の制御ブロック図を示す。制御手段(CPU)15は、検知部15a(検知手段)と、ドラム駆動制御部15bを備える。メモリ10は、カートリッジの新品時からのドラムの回転時間を記憶する記憶部である。ドラム駆動部17は、CPU15のドラム駆動制御部15bの指示を受けてドラム1の回転駆動の制御を行う。検知部はドラムの回転時間を検知する部分であり、ドラム回転時間を算出してメモリ10に逐次書き込みを行う。ドラム駆動制御部15bは、メモリ10に記憶されたドラム回転時間から所定時間(本実施例では10分)以下か、それよりも多いかに応じて、ドラム駆動部の制御を変更する。
【0046】
その際のフローチャートを図1に示す。最初に画像形成を行い(S1)、画像形成が終了した時点でドラムの回転時間が閾値以下かどうかを判断する(S2)。閾値以下であった場合、正回転のまま停止を行ない、閾値より大きかった場合逆回転を行なった後に停止動作を行なう(S3)。その後次のジョブを待つ待機状態になる。
【0047】
本実施例では、10分以内(第1の使用時間)ではドラムは画像形成終了後に正回転のまま停止をする第1の停止動作制御をする。ドラムの回転時間が10分を越える(第2の使用時間)とドラムは逆回転せずに正回転で停止した後逆回転を経て停止する第2の停止動作制御をする。
【0048】
このように、第1の使用時間と、第1の使用時間よりもドラム1の使用時間が多い第2の使用時間とで、停止制御を選択するようにしている。
【0049】
【表2】

【0050】
こうすることで、表2のようにドラムの寿命を通じて良好な画像を得ることができた。即ちブレードクリーニング方式を用いた画像形成装置において、潤滑剤による低摩擦処理を施した像担持体を用いた場合でも、像担持体への、潤滑剤付着及び傷が入ることによる画像弊害を低減化できた。
【0051】
なお、本実施例では、ドラムの回転時間に基づいて停止制御方法を変更しているがこれに限られるものではない。例えば、ドラムの回転時間10分に相当する、ドラムの回転数を基準に停止制御方法を変更してもよい。または、ドラムの回転時間に関練する情報として、例えば画像形成枚数を基準にしてもよい。
【0052】
また、本実施例では、ドラム1と帯電手段2、現像手段5、ドラムクリーニング手段7を一体とし、画像形成装置本体から着脱可能に設けたカートリッジとしていたがこれに限られるものではない。例えば、ドラムのみ交換可能なドラムカートリッジとしてもよい。このドラムカートリッジにメモリ10を設け、ドラムの回転時間を記憶させ、当該ドラム回転時間に基づいてドラム停止制御を選択するようにしてもよい。
【0053】
また、クリーニングブレードの表面に潤滑剤を塗布したような構成では、クリーニングブレードの使用時間に応じて、ドラム停止制御を選択するようにする。これは、ドラムの表面層に潤滑剤を設けた場合と同様に、クリーニングブレードの使用時間に応じて、クリーニングブレードから潤滑剤の剥がれが発生するためである。クリーニングブレードの使用時間は、ドラムの使用時間と同じである。したがって、実施例1のように、ドラム1とドラムクリーニング手段7等を一体としたカートリッジを用いた場合、クリーニングブレードの使用時間に関する情報として、実施例1と同様に、カートリッジ使用初期からのドラムの回転時間を検知する。また、クリーニング手段のみ交換可能なクリーニングカートリッジとした場合は、クリーニングカートリッジにメモリを設け、クリーニングカートリッジの使用初期からのドラムの回転時間を検知することで、クリーニング使用時間に関する情報とすることができる。
【0054】
また、メモリを交換部品であるカートリッジ側に設けるのではなく、画像形成装置本体に設けるようにしてもよい。この場合は、潤滑剤を含むドラム(又はクリーニングブレード)の交換のタイミングで、交換されたフラグをメモリに記憶させ、交換されてからのドラム1の回転時間を検知する。
【0055】
(実施例2)
第二の実施例では常温23℃以外の雰囲気の温度で印刷動作を行った場合についての説明を行う。画像形成装置の構成と印刷動作について第一の実施例と共通のものは省略する。第一の実施例では、常温23℃での印刷動作を元に、第一の停止動作と第二の停止動作を切り替えるタイミングとして、ドラム1の回転時間10分を閾値として挙げた。この閾値は、図4からわかるように、ドラムの動摩擦係数が1.0となる値であった。ここで、本発明者らは印刷の行われた雰囲気の温度に応じて、閾値を補正することで、より精度の高い制御を行うことができることを見出した。
【0056】
図8に印刷の行われた温度毎に、ドラム1の回転時間に対して、動摩擦係数の変化を測定した結果を示す。動摩擦係数は、ドラム1が回転するにつれて上昇していく。その上昇曲線には温度依存があり、低温であるほど、より急峻に上昇し、高温であるほど、なだらかに上昇する。従って、閾値として設定すべきである動摩擦係数1.0程度までに要する時間も、温度に応じて変化する。15℃では8分程度、25℃では10分程度、30℃では13分程度必要とされる。この現象は、低い温度ではドラム1に対して当接する部材(例えば帯電ローラ2、現像ローラ53、クリーニングブレード71等)が硬化することが原因で発生する。ドラム1が回転した際にこれらの部材が、より硬い状態で、ドラム1表面に摺擦されることで、ドラム1の潤滑剤の層がより早く削れる。その結果、より短い回転時間で潤滑剤付着の懸念は無くなる。また削れと同時に粗さも上昇する為、紙分噛み込みの懸念はより短い回転時間から発生する。次に図9に印刷の行われた雰囲気温度に対して動摩擦係数が1.0になる回転時間を示す。印刷をする雰囲気の温度が常に一定であるとするならば、このライン上に閾値に設けることが、最適な閾値の設定である。しかし、常に同じ温度で印刷動作を行わないことが多い為、雰囲気温度毎のドラム1の回転時間(言い換えるとドラム1表面の削れ速度)に重み付けをして、最適な閾値を見積もるようにする。例えば表3のように設定する。表3の値は23℃を1として、図9における動摩擦係数が閾値に達するまでの時間の比の逆数である。
【0057】
【表3】

【0058】
本体内に備えた温度センサ68の読み値を元に、1ジョブ毎に重みAを定め、1ジョブのドラム1の回転時間tと重みAをかけあわせた回転時間を積算したものを補正回転数とする。即ち、
補正回転時間=ΣA×t
を算出する。補正回転時間はジョブ毎に積算するものとする。そして、補正回転時間を新たな閾値との比較パラメータとして採用することで、閾値の補正を実現させる。以下に具体的に説明する。
【0059】
図10に実施例2の画像形成装置のブロック図を示す。実施例1のブロック図(図7)に比べて、制御手段(CPU)15の中に環境検知部(温度検知部)15cを追加している。環境(温度)検知部では本体の置かれた雰囲気温度を印刷時に検知する。加えて、CPU内ではドラムの回転時間を検知結果(検知温度)に応じて補正をかける動作が追加される。それ以外の構成は実施例1に準ずる。図11にフローチャート図を示す。まず、画像形成を行い(S1)、画像形成に伴って、ドラムの回転時間のカウント(S2)と温度検知(S3)を行う。画像形成が終了した時点でCPU内で温度に応じてドラムの回転時間を補正した値を計算し、記憶部メモリに積算する(S4)。次に補正後のドラムの回転時間を積算した値が閾値以下であるかどうかを判断する(S5)。以下は実施例1に準ずる。
【0060】
ドラム表面1の回転時間の重み付けは、温度以外にも、帯電バイアスの印加の有無、帯電ローラ2、現像ローラ53、クリーニングブレード71の当接の有無を考慮して行われることも一般的である。これらの重み付けと各温度毎の重み付けとを併用して行うこともできる。
【0061】
【表4】

【0062】
先に実施例では、温度毎に回転時間に重み付けをする例を挙げたが、閾値を変動させることもできる。その場合は、本体内に備えた温度センサ68の読み値に基づいて、1ジョブ毎に表4から重みBを選択する。重みBは各温度領域で、表3と同様のタイミングで停止動作が切り替わるように設定した値である。そして、1ジョブのドラムの回転時間tと重みBとを掛け合わせる。掛け合わせた結果が、このジョブでの閾値の補正分である。その値をデフォルトの閾値600秒から加減し、更に、各ジョブでこの計算を繰り返す。定式化すると以下のようになる。
補正閾値[秒]=600[秒]+ΣB×t[秒]
【0063】
温度毎に閾値を補正する為には、回転時間に重み付けをした時と同様に、ブロック図10の構成を用いることで実現できる。停止動作の切り替えを選択する為のフローチャートを図12に示した。図11のフローチャートにから、S4で温度に応じて閾値を1ジョブ毎に補正を行うように変更した。以上のような制御を行うことで、温度毎に閾値を変動させることもできる。
【符号の説明】
【0064】
A 画像形成装置
1 感光ドラム
5 現像器
6 転写手段
7 ドラムクリーニング手段
P 転写材(紙)
T 現像剤(トナー)
15 CPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に潤滑剤を含む層を有し、静電潜像を担持する像担持体と、
前記像担持体の静電潜像を現像して現像剤像とする現像装置と、
クリーニングブレードを前記像担持体に潤滑剤を介して圧接し、前記像担持体が回転することで、前記像担持体の上の現像剤を、除去するクリーニング手段と、
前記像担持体の使用時間に関する情報を検知する検知手段を備え、
前記像担持体は画像形成のために第1の方向に回転させられ、
前記画像形成の終了後に、前記像担持体を第1の方向とは逆方向の第2の方向に回転をさせないで停止させる第1の停止動作制御と、前記第2の方向に回転をさせた後停止させる第2の停止動作制御とを制御する制御手段を備え、
前記クリーニングブレードは、前記第1の方向に対してカウンター方向に配置され、
前記検知手段によって検知される前記使用時間に関する情報から得られる前記像担持体の使用時間について、第1の使用時間と、前記第1の使用時間よりも前記像担持体の使用時間が多い第2の使用時間とした時、
前記制御手段は、前記第1の使用時間の場合は、前記第1の停止動作制御を行い、前記第2の使用時間の場合は、前記第2の停止動作制御を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記使用時間に関する情報とは前記像担持体の回転数又は、回転時間であり、前記回転数又は回転時間が、閾値以下の時は前記第1の停止動作を選択し、前記閾値より大きい時は前記第2の停止動作を選択することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
画像形成装置の設置された温度を検知する環境検知部を備え、前記環境検知部の検知結果に応じて、前記像担持体の使用時間に関する情報を補正することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
画像形成装置の設置された温度を検知する環境検知部を備え、前記環境検知部の検知結果に応じて、前記像担持体の停止動作を選択する為の閾値を補正することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
静電潜像を担持する像担持体と、
前記像担持体の静電潜像を現像して現像剤像とする現像装置と、
表面に潤滑剤を有するクリーニングブレードを前記像担持体に潤滑剤を介して圧接し、前記像担持体が回転することで、前記像担持体の上の現像剤を、除去するクリーニング手段と、
前記クリーニングブレードの使用時間に関する情報を検知する検知手段を備え、
前記像担持体は画像形成のために第1の方向に回転させられ、
前記画像形成の終了後に、前記像担持体を第1の方向とは逆方向の第2の方向に回転をさせないで停止させる第1の停止動作制御と、前記第2の方向に回転をさせた後停止させる第2の停止動作制御とを制御する制御手段を備え、
前記クリーニングブレードは、前記第1の方向に対してカウンター方向に配置され、
前記検知手段によって検知される前記使用時間に関する情報から得られる前記クリーニングブレードの使用時間について、第1の使用時間と、前記第1の使用時間よりも前記クリーニングブレードの使用時間が多い第2の使用時間とした時、
前記制御手段は、前記第1の使用時間の場合は、前記第1の停止動作制御を行い、前記第2の使用時間の場合は、前記第2の停止動作制御を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
前記使用時間に関する情報とは前記像担持体の回転数又は、回転時間であり、前記回転数又は回転時間が、閾値以下の時は前記第1の停止動作を選択し、前記閾値より大きい時は前記第2の停止動作を選択することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
画像形成装置の設置された温度を検知する温度検知部を備え、
前記温度検知部の検知結果に応じて、前記像担持体の使用時間に関する情報を補正することを特徴とする請求項5または6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
画像形成装置の設置された温度を検知する環境検知部を備え、
前記環境検知部の検知結果に応じて、前記像担持体の停止動作を選択する為の閾値を補正することを特徴とする請求項5または6に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−150293(P2011−150293A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−248982(P2010−248982)
【出願日】平成22年11月5日(2010.11.5)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】