説明

画像形成装置

【課題】メッセージのレベルによって、異なる状態で表示し、使用者の注意を引き、メッセージを認識しやすくし、確実に情報を伝える。
【解決手段】画像形成装置は、操作入力を受け付ける入力部と、複数のレベルで分類しつつ各メッセージを記憶する記憶部と、装置の状態や、画面を表示するとともに、記憶部に記憶されるメッセージを表示するメッセージ表示領域を有し、メッセージのレベルによって異なる状態でメッセージ表示領域にメッセージを表示し、上位のレベルのメッセージほど変化を持たせて表示する表示部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶パネル等の表示部や、タッチパネル等の入力部を備えた複写機、複合機、プリンタ、FAX装置等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、複写機、複合機等の画像形成装置には、警告や異常発生等の動作状態などを表示する表示部が設けられる場合がある。又、警告や異常の内容を知らせるため、例えば、表示部にランプやLED等のインジケータが設けられることがある。しかし、近年、画像形成装置は、多機能化しつつある。これに応じ、使用者に知らせる警告が増え、ランプやインジケータが多数必要となる場合がある。あまり多数のインジケータ等を設けると操作パネルを小型化できない等の弊害が生ずる。そこで、画像を表示する液晶表示部等を設け、この画面にアイコンやメッセージを表示する場合がある。
【0003】
具体的に、特許文献1には、警告又は異常通知を示すアイコン及び文字メッセージを表示する表示手段と、装置の動作を指示するために操作する操作手段とを備え、表示手段は操作手段が操作されたときには、文字メッセージを消去して、アイコンは表示したままにする記録装置が記載されている。この構成で、操作パネルの小型化を図りつつ、文字メッセージを操作の邪魔にならないようにし、アイコンは表示したままとして警告又は異常通知が確認できる状態を保持しようとする(特許文献1:請求項2、段落[0009]、図9等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−267515号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように、画像形成装置の表示部に液晶表示部等を含ませる場合がある。そして、ハイエンド機種(高価格帯機種)の画像形成装置では、大きなパネルサイズの液晶表示部が装備されることがある。しかし、低価格実現のため、小さいパネルサイズの液晶表示部が、画像形成装置に搭載されることがある。
【0006】
一般にパネルサイズが小さいほど、一画面内に表示できる情報量は少なくなる。そのため、警告等のメッセージを表示する領域が狭められる場合がある。又、パネルサイズが小さくても、設定画面や操作手順等、一画面内に情報を詰め込まざるを得ない場合があり、この場合、画面の表示構成が複雑となりやすく、メッセージ等が視認し難くなる。このように、メッセージを表示する領域が狭く、又、メッセージ等を視認しがたいため、使用者はメッセージを見落としてしまい、確実に情報を伝え難い場合があるという問題がある。
【0007】
ここで、特許文献1記載の発明によれば、確かに操作パネルを小型化できる。しかし、操作パネルを小型化すれば、操作パネルでの画面を表示する表示部等も小さくなり、アイコンやメッセージを表示する領域は狭くなる。又、特許文献1記載の表示部には、アイコンやメッセージ以外の内容も表示され(特許文献1の各図参照)、アイコンやメッセージが視認し難くなり得る。又、特許文献1の表示部に表示されるメッセージは単に表示されるだけであり、変化はない。従って、使用者のメッセージの見落としによって、確実に情報を伝えられないという問題を解決できない。
【0008】
本発明は、メッセージのレベルによって、異なる状態で表示することにより、使用者の注意を引き、メッセージを認識しやすくし、確実に情報を伝えることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題解決のため請求項1に係る画像形成装置は、操作入力を受け付ける入力部と、複数のレベルで分類しつつ各メッセージを記憶する記憶部と、装置の状態や、画面を表示するとともに、前記記憶部に記憶される前記メッセージを表示するメッセージ表示領域を有し、メッセージのレベルによって異なる状態で、前記メッセージ表示領域にメッセージを表示し、上位のレベルのメッセージほど変化を持たせて表示する表示部と、を備えることとした。
【0010】
この構成によれば、メッセージのレベルにより異なる状態でメッセージが表示され、上位のレベルのメッセージほど変化を持たせて表示される。これにより、レベルによってメッセージが異なる状態(表現)で表示されることによる変化を設けることができ、メッセージを注視させることができる。又、例えば、重要なメッセージほど上位レベルに位置づけるなど、上位のメッセージをより注視させることができる。従って、表示部のサイズがたとえ小さくても、メッセージが認識されやすくなり、使用者に対し確実に情報を伝えることができる。
【0011】
又、請求項2に係る発明は、請求項1の発明において、前記記憶部は、3段階のレベルで分類しつつ各メッセージを記憶し、前記表示部は、最下位レベルに分類されたメッセージを点滅させないで表示し、中位レベルに分類されたメッセージを点滅させて表示し、最上位レベルに分類されたメッセージを、強調用画像を付しつつ、点滅させて表示することとした。
【0012】
この構成によれば、最下位レベルに分類されたメッセージは、非点滅表示され、中位レベルに分類されたメッセージは、点滅表示され、最上位レベルに分類されたメッセージは強調用画像が付されつつ、点滅表示される。このように、上位にあるメッセージほど点滅や強調用画像の付加により、表示の変化が与えられ、注視されやすくなる。従って、重要度の高いメッセージをより高いレベルとすることで、エラー発生通知等、重要と考えられるメッセージを選択して、認識し易くすることができる。
【0013】
又、請求項3に係る発明は、請求項2の発明において、前記表示部は、メッセージの点滅周期と異なる点滅周期で、前記強調用画像を点滅させて表示することとした。
【0014】
この構成によれば、メッセージの点滅周期と異なる点滅周期で、強調用画像は点滅表示される。これにより、一層、使用者に最上位レベルのメッセージを注視させることができる。
【0015】
又、請求項4に係る発明は、請求項1乃至3の発明において、前記表示部は、メッセージの表示に1行が必要な場合、前記メッセージ表示領域を1行の文字列分の幅とし、メッセージの表示に複数行が必要な場合、前記メッセージ表示領域を複数行の文字列分の幅に広げることとした。
【0016】
この構成によれば、メッセージの表示に1行が必要な場合、メッセージ表示領域は1行の文字列分の幅とされ、メッセージの表示に複数行が必要な場合、メッセージ表示領域は複数行の文字列分の幅に広げられる。これにより、少し複雑な操作説明など、複数行に及ぶ長めのメッセージでも途切れた表示や、縮小表示を行うことなくメッセージを表示することができる。又、メッセージ表示領域の大きさについて、変化が与えられ、メッセージがより注視されやすくなる。従って、使用者に対し確実に情報を伝えることができる。
【0017】
又、請求項5に係る発明は、請求項1乃至4の発明において、前記記憶部は、前記入力部に対する操作を説明するためのメッセージを、最下位レベルよりも上位のレベルに分類づけて記憶することとした。
【0018】
この構成によれば、入力部に対する操作を説明するためのメッセージは、最下位レベルよりも上位のレベルに分類づけられる。レベル付けの一例を示すものであり、これにより使用者を補助、誘導するメッセージが視認しやすくなり、操作、設定で使用者がとまどうことをなくすことができる。
【0019】
又、請求項6に係る発明は、請求項1乃至5の発明において、前記記憶部は、装置のエラー及びメンテナンスに関するメッセージを、前記入力部に対する操作を説明するためのメッセージよりも上位のレベルに分類づけて記憶することとした。
【0020】
画像形成装置が使用できない状態の際、装置のエラー及びメンテナンスに関するメッセージが表示されるところ、この構成によれば、装置のエラー及びメンテナンスに関するメッセージは、入力部に対する操作を説明するためのメッセージよりも、上位のレベルに分類づけられる。レベル付けの一例を示すものであり、これにより、エラー解消等、重要度の高いメッセージほど、レベルが高く設定され、重要度の高いメッセージほど、視認されやすくなる。
【発明の効果】
【0021】
上述したように、メッセージ表示領域に表示される各メッセージをレベル付けし、メッセージのレベルに応じて、表示部は、異なる状態で表示する。これにより、使用者の注意を引き、メッセージを認識しやすくできる。従って、使用者にメッセージ(に含まれる情報)を確実に伝えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】実施形態に係る複合機の一例を示す正面模型的断面図である。
【図2】実施形態に係る操作パネルの一例を示す平面図である。
【図3】実施形態に係る複合機等のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図4】実施形態に係る液晶表示部に表示される機能選択画面の一例であり、(a)はコピーの機能選択画面の一例を示し、(b)は送信の機能選択画面の一例を示す。
【図5】実施形態に係る複合機でのメッセージのレベルの分類付けのテーブルの一例を示す説明図である。
【図6】実施形態に係るレベル2のメッセージの表示態様の一例を示す説明図である。
【図7】実施形態に係るレベル3のメッセージの表示態様の一例を示す説明図である。
【図8】実施形態に係るメッセージ表示領域の拡大の一例を示す説明図である。
【図9】実施形態に係るメッセージの表示制御の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を図1〜図9を用いて説明する。ここで、本実施形態では、複合機100(画像形成装置に相当)を例に挙げて説明する。但し、本実施の形態に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定するものではなく単なる説明例にすぎない。
【0024】
(複合機100の概略)
まず、図1を用いて、本発明の実施形態に係る複合機100の概略を説明する。図1は本発明の実施形態に係る複合機100の一例を示す正面模型的断面図である。
【0025】
まず、図1に示すように、複合機100の正面前方には、複合機100に関して各種設定を行うための操作パネル1が設けられる(波線で図示、詳細は後述)。そして、上部に、画像読取部2と原稿搬送装置3が設けられる。又、複合機100は、本体内部に、給紙部4a、搬送路4b、画像形成部5、中間転写部6a、定着部6b、用紙排出部7a、両面搬送路7b等を備える。
【0026】
原稿搬送装置3は、読み取る原稿を載置する原稿トレイ31を有する。そして、原稿搬送装置3は、原稿トレイ31から原稿を1枚ずつ、自動的に連続して読取位置(送り読取用コンタクトガラス21)に搬送する。又、原稿搬送装置3は、図1の紙面奥側を支点として画像読取部2に上下方向に開閉自在に取り付けられ、画像読取部2のコンタクトガラス(送り読取用コンタクトガラス21及び載置読取用コンタクトガラス22)を上方から押さえるカバーとして機能する。
【0027】
次に、画像読取部2は、図1に示すように、上面に送り読取用コンタクトガラス21と、書籍等の原稿を1枚ずつ読み取る際に原稿を載置する載置読取用コンタクトガラス22を含む。画像読取部2内には、ランプ、ミラー、レンズ、イメージセンサ等(不図示)が配される。イメージセンサは、送り読取用コンタクトガラス21を通過する原稿、あるいは、載置読取用コンタクトガラス22に載置された原稿の反射光を元に、原稿を読み取る。そして、イメージセンサは、反射光を画像濃度に応じたアナログの電気信号に変換し、その後、量子化を行い、その結果、原稿の画像データが得られる。尚、本実施形態の画像読取部2は、カラーでも読み取り可能であり、白黒でも読み取り可能である。
【0028】
複合機100本体内の複数の給紙部4aは、それぞれ、各サイズ(例えば、A4、B4等のA型、B型用紙等)、各種用紙(例えば、コピー用紙、再生紙、厚紙、OHPシート等)を複数枚収容する。各給紙部4aは、それぞれ回転駆動する給紙ローラ41を備え、印刷時、1枚ずつ搬送路4bに用紙を送り込む。
【0029】
搬送路4bは、給紙部4aから画像形成部5まで、装置内で用紙を搬送する通路である。そして、搬送路4bには、用紙の案内のためのガイド板や、用紙搬送時に回転駆動する搬送ローラ対42、43、44や、搬送される用紙を画像形成部5の手前で待機させ、形成されたトナー像の転写タイミングに合わせ用紙を送り出すレジストローラ対45等が設けられる。
【0030】
画像形成部5は、複数の画像形成ユニット50(ブラック用の50Bk、イエロー用の50Y、シアン用の50C、マゼンタ用の50M)と露光装置51を含む。露光装置51は、画像読取部2で読み取られた画像データや後述の記憶装置92に記憶される画像データ等に基づき、レーザ光を点消灯しつつ出力し、各感光体ドラムを走査露光する。画像形成ユニット50は、回転駆動可能に支持された感光体ドラムや、感光体ドラムの周囲に配設された帯電装置、現像装置、清掃装置等を備える。そして、各画像形成ユニット50と露光装置51によって、感光体ドラムの周面上にトナー像が形成される。
【0031】
中間転写部6aは、各画像形成ユニット50からトナー像の1次転写を受け、シートに2次転写を行う。中間転写部6aは、各1次転写ローラ61Bk〜61M、中間転写ベルト62、駆動ローラ63、複数の従動ローラ64、2次転写ローラ65、ベルト清掃装置66等で構成される。各1次転写ローラ61Bk〜61Mは、対応する感光体ドラムと無端状の中間転写ベルト62を挟み込む。各1次転写ローラ61Bk〜61Mには、転写用電圧が印加され、トナー像は中間転写ベルト62に転写される。
【0032】
中間転写ベルト62は、駆動ローラ63等に張架され、モータ等の駆動機構(不図示)に接続される駆動ローラ63の回転駆動により周回する。又、駆動ローラ63は、2次転写ローラ65とで中間転写ベルト62を挟み込む。各画像形成ユニット50で形成されたトナー像(ブラック、イエロー、シアン、マゼンタの各色)は、順次、ずれなく重畳して中間転写ベルト62に1次転写された後、所定の電圧を印加された2次転写ローラ65により、シートに転写される。
【0033】
定着部6bは、用紙に転写されたトナー像を定着させる。定着部6bは、主として、発熱体を内蔵する加熱ローラ67とこれに圧接する加圧ローラ68で構成される。そして、用紙が、加熱ローラ67と加圧ローラ68のニップを通過すると、トナーが溶融・加熱され、トナー像が用紙に定着する。
【0034】
用紙排出部7aは、定着部6bの用紙搬送下流側に設けられる。又、用紙排出部7aは、両面印刷を行う際、片面印刷済み用紙を再びレジストローラ対45上流側まで搬送する両面搬送路7bが接続される。
【0035】
用紙排出部7aには、正逆回転可能な排出ローラ対71を有する。定着部6bを通過した用紙は、排出ローラ対71に向けて搬送される。そして、排出ローラ対71は、片面印刷時や、両面印刷完了時には、用紙を排出トレイ72方向に搬送する方向に回転する。その結果、印刷済み用紙は、排出トレイ72に排出される。
【0036】
一方、両面印刷時の片面印刷済み用紙が送られてきた場合、排出ローラ対71は、片面印刷済み用紙を排出トレイ72に排出する方向に回転するが、片面印刷済み用紙を排出しきる前に逆回転する。このスイッチバックによって、機内方向に逆送される用紙は、両面搬送路7bに導かれる。
【0037】
両面搬送路7bには、複数の両面印刷用搬送ローラ対73、74、75が設けられる。各両面印刷用搬送ローラ対73〜75は、回転し、片面印刷済み用紙をレジストローラ対45上流に導く。
【0038】
(操作パネル1)
次に、図2を用いて、本発明の実施形態に係る操作パネル1の一例を説明する。図2は本発明の実施形態に係る操作パネル1の一例を示す平面図である。
【0039】
操作パネル1は、図1及び図2に示すように、複合機100の正面上方に設けられ、複合機100の設定や動作指示を与えるためのメニューやキー(図5等参照)や、複合機100等の状態のメッセージ等の各種画像、画面を表示する液晶表示部8(表示部に相当)を有する。使用者は、液晶表示部8に表示されたキーを押下して、複合機100のコピーにおける各種設定や動作指示を行える。
【0040】
又、液晶表示部8の上面にタッチパネル部11(入力部に相当)が設けられ、タッチパネル部11は、液晶表示部8のうち、使用者に押下された部分の位置、座標を検出するためのものである。このタッチパネル部11を用いた検出座標と、液晶表示部8に示される各種キーの位置、座標を比較し、使用者が押下して選択したキーが特定される。尚、タッチパネル部11としては、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、静電容量方式等、各方式のものを採用でき特に制限はない。
【0041】
又、操作パネル1には、以下のようなハードとしてのキー(ボタン)が設けられる。例えば、数字入力用のテンキー部12や、各種設定後、コピー等のジョブ開始指示用のスタートキー13や、開始されたジョブを中止させるストップキー14等が設けられる。又、コピー機能を利用する際に押下されるコピーキー15、スキャナ機能、FAX機能を利用する際に押下される送信キー16等が設けられる。このように、操作パネル1には、タッチパネル部11や各種ハードキーが備えられ、タッチパネル部11や各種ハードキーは、複合機100の各機能について、各種設定、モード選択等を行う入力部として機能する。
【0042】
(複合機100等のハードウェア構成)
次に、図3を用いて、本発明の実施形態に係る複合機100等のハードウェア構成の一例を説明する。図3は、本発明の実施形態に係る複合機100等のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0043】
まず、複合機100の本体側から説明する。複合機100本体内には、制御部9が設けられる。制御部9は、例えば、操作パネル1、原稿搬送装置3、画像読取部2、給紙部4a、搬送路4b、画像形成部5、定着部6b等と接続され、これらの制御を行う。
【0044】
制御部9は、例えば、CPU91等の素子を含む。CPU91は記憶装置92(記憶部に相当)に格納され、展開される制御プログラムに基づき演算等を行い、複合機100の各部を制御する。尚、制御部9は、全体制御や画像処理を行うメイン制御部や、画像形成や各種回転体を回転させるモータ等のON/OFF等を行い、印刷を制御するエンジン制御部等、機能ごとに分割して複数種設けられてもよい。本説明では、これらを1つの制御部9としてまとめた形態を示し、説明する。
【0045】
記憶装置92は、制御部9と接続される。記憶装置92は、ROM、RAM、HDD等の不揮発性と揮発性の記憶装置92を組み合わせて構成される。記憶装置92は、複合機100の制御用プログラム、制御用データ、設定データ、画像データ等の各種データを記憶できる。
【0046】
そして、制御部9は、各種コネクタ、ソケットやFAXモデム等を備えたインターフェイス部(以下、I/F部93)と接続される。I/F部93はネットワークや公衆回線等により複数の外部のコンピュータ200(例えば、パーソナルコンピュータ)や相手方FAX装置300(図7では、いずれも便宜上1つのみ図示)と接続される。例えば、画像読取部2で得られた画像データを画像データを記憶装置92に記憶させることや、外部のコンピュータ200や相手方FAX装置300に送信することができる(スキャナ機能、FAX機能)。又、外部のコンピュータ200や相手方FAX装置300から送信され、複合機100に入力される画像データに基づき印刷、FAX送信等を行うこともできる(プリンタ機能、FAX機能)。
【0047】
又、制御部9は、操作パネル1になされた入力を認識し、使用者の設定にあわせてコピー等が行われるように複合機100を制御する。例えば、操作パネル1で、使用する給紙部4aを指定してコピーする旨が設定されると、制御部9は、指定された給紙部4aから給紙を行わせる。又。操作パネル1で指定された送信先に、制御部9はI/F部93から画像データを送信させる。
【0048】
又、例えば、制御部9には、画像読取部2で原稿を読み取って得られた画像データやI/F部93を介して複合機100に入力された画像データに対し、画像処理を施す画像処理部94が設けられる。画像処理部94が処理した画像データは、例えば、露光装置51に送信され、感光体ドラムの走査・露光に用いられ、又、I/F部93に送信され、外部に発信される。
【0049】
本実施形態の操作パネル1は、表示制御部10、メモリ17(記憶部に相当)、ドライバ回路18、液晶表示部8、タッチパネル部11を有する。表示制御部10は、CPUやIC等で構成され、液晶表示部8の表示を制御し、タッチパネル部11の出力を受け、液晶表示部8で押下された座標を特定する。タッチパネル部11の出力と座標の対応を示すテーブル等のデータは、メモリ17に記憶される。表示制御部10は、押下位置の座標と、各設定画面の画像データを比較する等により、設定画面上で選択された(押下された)キーを特定、認識する。
【0050】
具体的に、複合機100の各機能の設定項目を選択し、設定値を設定するには、液晶表示部8における最上層の表示から、液晶表示部8に表示されるキーの選択を繰り返す。そして、キー選択ごとに、表示制御部10は、液晶表示部8の表示を切り換えさせ、最終的に、選択、設定しようとする機能の設定値が設定される。この機能の選択、設定が行われたことを表示制御部10は認識し、その内容を本体の制御部9に送信する。これにより、制御部9は、操作パネル1で選択、設定された機能を反映した動作を画像形成部5等の各部に行わせる。そして、使用者の意思が、印刷、送信等において反映される(例えば、濃度設定や拡大縮小など)。
【0051】
そして、液晶表示部8が表示する画面、画像の画像データは、例えば、操作パネル1内のメモリ17に記憶される。従って、表示制御部10は、設定項目の選択画面や各設定画面中のキーが押下されるごとに、表示制御部10は、次に表示すべき画面の画像データをメモリ17から読み出す。
【0052】
又、液晶表示部8が表示する画面、画像の画像データは、例えば、本体側の記憶装置92に記憶させてもよい。この場合、操作パネル1は、液晶表示部8で表示を行うための画像データを、制御部9を介し、記憶装置92から受信する。この画像データを受けて、表示制御部10は、液晶画面の表示を実際に制御するドライバ回路18に指示を与える。尚、操作パネル1には、表示制御部10やメモリ17を設けず、表示制御部10、メモリ17の機能を制御部9の構成(CPU91や記憶装置92)に代用させても良い。
【0053】
(液晶表示部8での表示)
次に、図4を用い、本発明の実施形態に係る液晶表示部8での表示の一例を説明する。図4は、本発明の実施形態に係る液晶表示部8に表示される機能選択画面DSの一例であり、(a)はコピーの機能選択画面DSの一例を示し、(b)は送信の機能選択画面DSの一例を示す。
【0054】
本実施形態の複合機100では、多数にわたる設定可能な機能を有する。そして、液晶表示部8は、複数の機能のうちから設定を行う機能を選ぶための機能選択画面DSを表示する。使用者は、印刷や送信で用いる機能(設定項目)を選ぶ。例えば、液晶表示部8は、各機能をキーとして表示する。そして、液晶表示部8は、選択された機能に関する設定画面を表示する。
【0055】
例えば、図4(a)は、コピーキー15を押下した際に表示されるコピーの機能選択画面DS1の一例である。例えば、図4(a)に示すコピー用の機能選択画面DS1には、給紙部4aに収容される用紙のうち用いる用紙の種類を選択する用紙選択キーK1と、コピーでの拡大、縮小を設定するための拡大/縮小キーK2と、印刷濃度を設定するための濃度キーK3と、両面印刷や分割印刷機能の設定をするための両面/分割キーK4と、複数ページ分の原稿を縮小して1ページにレイアウト(例えば、2in1等)する集約印刷機能を設定するページ集約キーK5と、原稿の画質を設定するための原稿画質キーK6が配される。
【0056】
機能選択画面DS1では、コピーに関する機能のうち、抽出された一部の機能のキーが表示される。抽出され、機能選択画面DS1に表示されるキーは、使用者の使用実態に合わせ、任意に設定できる。これにより、使用者は、頻繁に使用する機能の設定画面を速やかに開くことができる。
【0057】
又、上記の6つのキーで示される以外の機能を選択する場合、使用者は、機能選択画面DS1の下方に配される機能一覧キーK7を押下する。そうすると、複合機100のコピーに関し利用可能な機能の一覧が表示される。例えば、コピーに関し、複合機100では、例えば、原稿の画質(文字、写真、文字+写真等)、コピー濃度、用紙選択、倍率、エコプリント、とじしろ、センター移動、枠消し、両面/分割(片面→両面、両面→片面、見開き→両面等)、小冊子、表紙付け、原稿セット向き、原稿サイズ、ソート、仕分け、白黒反転、鏡像印刷、ページ付け、イメージ合成、集約(2in1、4in1等)、余白追加、連続読込一括印刷、試しコピー、再コピー、ステープル、パンチ等の機能が利用、設定できる。尚、各機能の詳細は、便宜上、説明を省略する。
【0058】
一方、図4(b)は、送信キー16を押下した際に表示されるスキャンやFAX等の画像データの送信に関する機能選択画面DS2の一例である。例えば、図4(b)に示す画像データ送信用の機能選択画面DS2には、複数の送信先が表示され、絞り込み、送信先を設定するためのアドレス帳機能を利用する際に押下されるアドレス帳キーK8と、送信での拡大、縮小を設定するための拡大/縮小キーK9と、送信する画像データの濃度を設定するための送信濃度キーK10と、両面印刷された原稿や見開きページの原稿での読み取りの設定をするための両面/見開き原稿キーK11と、原稿の読み取り解像度を設定するための読み込み解像度キーK12と、送信する画像データのファイル形式(例えば、PDFやTIFFやJPEG等)を設定するためのファイル形式キーK13が配される。
【0059】
この機能選択画面DS2でも、送信に関する機能のうち、抽出された一部の機能のキーが表示される。抽出され、機能選択画面DS2に表示されるキーは、使用者の使用実態に合わせ、任意に設定できる。
【0060】
又、上記の6つのキーで示される以外の機能を選択する場合、使用者は、機能選択画面DS2でも、下方に配される機能一覧キーK7を押下する。そうすると、複合機100の送信に関し利用可能な機能の一覧が表示される。例えば、スキャンに関し、原稿サイズ、送信サイズ、解像度、原稿セット向き、保存ファイル形式、画質(濃度、カラーモード、圧縮率、写真や文字等の原稿の画質等)、分割、枠消し、ページ毎出力、連続読み込み、ファイル名入力、センター移動、送信先選択、送信先登録、パスワード、Eメール送信、相手方受信確認等の機能が利用、設定できる。
【0061】
又、FAXに関し、自局情報登録(FAX番号、ID等)、ダイレクト送信、メモリ送信、回転通信、一括送信、Fコード通信、用紙切れ時受信、短縮番号、原稿濃度、原稿サイズ、送信先選択、送信先登録、リダイヤル、両面送信、拡大・縮小送信、予約送信、割込送信、時刻指定通信、ポーリング通信、中継送信、受信画像データの転送、暗号通信、通信結果通知、用紙サイズ確認、集約(2in1等)、両面受信等の機能が利用、設定できる。尚、スキャン、FAXの各機能の詳細は、便宜上、説明を省略する。
【0062】
このように、使用者は液晶表示部8に表示される機能を選択するためのキーや、選択した機能の設定画面で表示されるキーや、液晶表示部8の周辺に配された各種ハードキー等を押下し、多種多様な機能選択、設定を行える。
【0063】
(メッセージ表示領域Fの概要)
次に、図4を利用して、本発明の実施形態に係るメッセージ表示領域Fの概要を説明する。
【0064】
各図で、破線で囲うように、液晶表示部8には、メッセージ表示領域Fが設けられる。メッセージ表示領域Fは、使用者に対して、複合機100の状態や、設定での操作説明を表示する領域である。そして、メッセージ表示領域Fのうち、左側は、文字のメッセージを表示する文字メッセージ領域F1であり、右側は、アイコンや時間を表示するアイコン表示領域F2である。
【0065】
メッセージ表示領域Fは、各機能選択画面DSだけでなく、各機能の設定画面でも固定して表示される。言い換えると、メッセージ表示領域Fは、液晶表示部8の表示画面(表示内容)が切り替わっても、常時表示される。
【0066】
(メッセージのレベル)
次に、図5を用いて、本発明の実施形態に係る複合機100でのメッセージのレベルの分類の一例を説明する。図5は、本発明の実施形態に係る複合機100でのメッセージのレベルの分類付けのテーブルの一例を示す説明図である。
【0067】
メッセージ表示領域Fのうちの文字メッセージ領域F1には、多くのメッセージが表示される。例えば、図5に示すように、複合機100の状態に関し、「コピーできます。」、「送信できます。」、「中止中です。」、「印刷中です。」、「送信中です。」、「ジャムが発生しました。」、「原稿読み取りエラー。」などのメッセージが用意される。又、例えば、操作パネル1での設定操作に関し、「アドレス帳です」、「テンキーを使って相手方のFAX番号の入力を行ってください。」などのメッセージが用意される。尚、これらのメッセージは一例で、メッセージには多くの種類がある。尚、図5に示すように、メッセージの表示条件が予め定められており、複合機100の状態や操作パネル1での操作状況に応じて、メッセージが表示される。
【0068】
そして、図5に示すように、本実施形態の複合機100では、各メッセージは、重要度に応じてレベルで分類される。図5に示す例では、レベルの数字が大きいほど、上位のレベルであることを示し、レベルは3段階である例を示す。尚、レベルは、さらに多段階でもよいし、2段階としてもよい。
【0069】
各メッセージをいずれのレベルに割り振るかは、任意である。本実施形態の例では、エラー状態やトナー切れ等、複合機100での操作や動作ができない、進まない状態に表示されるメッセージ(エラーメッセージやメンテナンス用メッセージ)を、重要度が大きいとしてレベル3(最上位レベル)に割り当てている。
【0070】
又、本実施形態の例では、機器のジョブ実行状態や、操作パネル1での設定の説明などのメッセージを、重要度が比較的大きいとしてレベル2(中位レベル)に割り当てている。即ち、記憶部(記憶装置92、メモリ17)は、入力部(タッチパネル部11等)に対する操作を説明するためのメッセージを、最下位レベル(レベル1)よりも上位のレベルに分類づけて記憶する。又、記憶部(記憶装置92、メモリ17)は、装置のエラー及びメンテナンスに関するメッセージを、入力部(タッチパネル部11等)に対する操作を説明するためのメッセージよりも上位のレベルに分類づけて記憶する。
【0071】
又、本実施形態の例では、レベル2やレベル3に該当しないメッセージにレベル1(最下位レベル)を割り当てている。例えば、レベル1は、使用者がメッセージを確認しなくてもジョブの実行や操作パネル1での設定に支障がないといった、レベル3やレベル2のメッセージのように緊急性や使用者の確認、認識の必要性が低いメッセージに割り当てられる。
【0072】
図5に示すように、例えばテーブル形式で表される、メッセージや表示条件やレベルを定めたメッセージ用データ(例えば、テキストデータ等)は、操作パネル1のメモリ17に記憶される。尚、メッセージ用データは、記憶装置92に記憶されてもよい。そして、メッセージを表示する際、表示制御部10は、メッセージ用データを確認して、表示するメッセージのレベル等を確認する。
【0073】
(メッセージの表示状態・レベル1)
次に、図4を用いて、本発明の実施形態に係るレベル1のメッセージの表示態様の一例を説明する。
【0074】
レベル1に分類されたメッセージは、例えば、表示されるのみである。言い換えると、液晶表示部8は、レベル1のメッセージの表示状態を変化させない。例えば、図4(a)の例では、「コピーできます」のメッセージは、表示が必要な間、表示されたままであり、図4(b)の例では、「送信できます」のメッセージは、表示が必要な間、表示されたままである。
【0075】
(メッセージの表示状態・レベル2)
次に、図6を用いて、本発明の実施形態に係るレベル2のメッセージの表示態様の一例を説明する。図6は、本発明の実施形態に係るレベル2のメッセージの表示態様の一例を示す説明図である。尚、図6では、レベル2のメッセージとして、「中止中です。」のメッセージを一例に挙げて説明する。
【0076】
レベル2に分類されたメッセージは、メッセージの表示状態に変化が設けられ、例えば点滅表示される。言い換えると、液晶表示部8は、レベル2のメッセージの表示状態と非表示状態を繰り返す。液晶表示部8は、一定時間(例えば、1〜数秒(例えば、1.5秒))の表示と、一定時間(例えば、1〜数秒(例えば、1.5秒))の非表示を繰り返す。人間は、変化するポイントを注視する傾向がある。そのため、このメッセージの表示状態の変化によって、使用者によるメッセージの内容確認がなされるように仕向けることができる。
【0077】
例えば、図6は、レベル2に分類される「中止中です。」のメッセージの表示例を示している。コピーや画像データの送信開始をスタートキー13で指示し、ジョブ実行が開始されたものの、ストップキー14(図2参照)が押下されジョブ実行中止が指示されると、液晶表示部8は、「中止中です。」のメッセージをメッセージ表示領域Fに表示する。
【0078】
そして、図6に示すように、液晶表示部8は、レベル2のメッセージの表示、非表示を繰り返す。言い換えると、液晶表示部8は、レベル2のメッセージを点滅表示する。
【0079】
(メッセージの表示状態・レベル3)
次に、図7を用いて、本発明の実施形態に係るレベル3のメッセージの表示態様の一例を説明する。図7は、本発明の実施形態に係るレベル3のメッセージの表示態様の一例を示す説明図である。尚、図7では、レベル3のメッセージとして、「ジャムが発生しました。」のメッセージを一例に挙げて説明する。
【0080】
レベル3に分類されたメッセージは、メッセージの表示状態に変化が設けられ、例えば点滅表示される。更に、メッセージには、強調用画像iが付される。言い換えると、液晶表示部8は、強調用画像iを付しつつ、レベル3のメッセージの表示状態と非表示状態を繰り返す。
【0081】
ここで、図7に示す例では、強調用画像iとして、「→」を一例に挙げているが、矢印に限るものではなく、例えば、「!」や「◎」のように、任意の画像を強調用画像iとして用いることができる。
【0082】
液晶表示部8は、レベル3のメッセージの一定時間(例えば、1〜数秒(例えば、1.5秒))の表示と、一定時間(例えば、1〜数秒(例えば、1.5秒))の非表示を繰り返す。更に、液晶表示部8は、強調用画像iも一定時間(例えば、0.5〜数秒(例えば、0.75秒))の表示と、一定時間(例えば、0.5〜数秒(例えば、0.75秒))の非表示を繰り返す。これにより、単に点滅させるレベル2のメッセージ表示よりも、多くの変化点や表示態様を設けることができ、レベル2の場合よりも、使用者によるメッセージの内容確認がなされるように仕向けることができる。
【0083】
例えば、図7は、レベル3に分類される「ジャムが発生しました。」のメッセージの表示例を示している。このメッセージは、印刷中に用紙詰まり(ジャム)が発生した場合に表示される。
【0084】
複合機100には、用紙の搬送経路に沿って、複数の用紙の到達と通過を検知するための用紙検知センサS1が設けられる(図1参照)。用紙検知センサS1は、例えば、用紙の存在を検知しているときと、していないときで出力が変化する(例えば、光センサ。図1参照)。
【0085】
各用紙検知センサS1の出力は、制御部9に入力される(図3参照)。制御部9は、用紙の搬送状態を把握し、用紙の到達を検知すべきなのに到達を検知しない場合、用紙の通過を検知すべきなのに通過を検知しない場合、印刷において、搬送路4b等でジャム(詰まり)が発生したと認識する。制御部9は、ジャム発生を認識すると、さらなる紙詰まりを防ぐため、印刷を停止させる。
【0086】
そして、制御部9は、表示制御部10に指示して、ジャムが発生した旨を液晶表示部8に表示させ、使用者によるジャム処理(搬送路4b等からの用紙の取り除き)を促す。尚、原稿搬送装置3の原稿搬送路32にも用紙検知センサS1と同様の原稿検知センサS2が設けられる(図1、図3参照)。制御部9は、原稿検知センサS2の出力を受け、この出力に基づき、原稿の給紙ミスや原稿搬送路32での詰まりによる原稿の読み取りエラー発生を認識する。この原稿の読み取りエラーが発生したとき、制御部9は、表示制御部10に指示して、液晶表示部8に「原稿読み取りエラー」(レベル3)のメッセージを表示させる。
【0087】
図7に示すように、レベル3のメッセージの場合、液晶表示部8は、強調用画像iとメッセージの表示状態と非表示状態を繰り返す。図7は、強調用画像iの表示、非表示の周期を0.75秒とし、メッセージの表示、非表示の周期を1.5秒とした場合のメッセージ表示領域Fでの表示の変化を示している。
【0088】
図7の最上段の図に示すように、液晶表示部8は、強調用画像iとメッセージを同時に表示する。その後、図7の上から2段目の図に示すように、液晶表示部8は、メッセージは表示し、強調用画像iは表示しなくなる。更に、時間が経過すると、図7の上から3段目の図に示すように、液晶表示部8は、強調用画像iを表示し、メッセージを表示しなくなる。そして、図7の最下段に示すように、液晶表示部8は、強調用画像iも、メッセージも表示しなくなる。そして、再び、図7の最上段の図に示すように、液晶表示部8は、強調用画像iとメッセージを同時に表示する。
【0089】
このように、強調用画像iの表示、非表示の周期と、メッセージの表示、非表示の周期を異ならせることで、メッセージ表示領域Fでの表示が4態様に変化する。
【0090】
即ち、記憶部(記憶装置92、メモリ17)は、3段階のレベルで分類しつつ各メッセージを記憶し、表示部(液晶表示部8)は、最下位レベル(レベル1)に分類されたメッセージを点滅させないで表示し、中位レベル(レベル2)に分類されたメッセージを点滅させて表示し、最上位レベル(レベル3)に分類されたメッセージを、強調用画像iを付しつつ、点滅させて表示する。又、表示部(液晶表示部8)は、メッセージの点滅周期と異なる点滅周期で、強調用画像iを点滅させて表示する。
【0091】
(メッセージ表示領域Fの拡大)
次に、図8を用いて、本発明の実施形態に係るメッセージ表示領域Fの拡大の一例を説明する。図8は、本発明の実施形態に係るメッセージ表示領域Fの拡大の一例を示す説明図である。尚、図8では、アドレス帳での画像データの送信の設定を一例に挙げて説明する。
【0092】
図8で上段に示す画面は、アドレス帳を開いた際に表示されるアドレス帳画面DAである。液晶表示部8は、図4で示した機能選択画面DS2でアドレス帳キーK8が押下されると、図8の上段に示す画面を表示する。
【0093】
アドレス帳画面DAでは、画像データの送信先の名称や宛先アドレス(EメールアドレスやFAX番号)を含む送信先情報が一覧表形式で表示される。そして、アドレス帳画面DAの下方には、第1絞り込みキー群KG1が配される。尚、送信先情報は、例えば、操作パネル1のメモリ17が記憶する(複合機100内の記憶装置92でもよい)。
【0094】
第1絞り込みキー群KG1は、ひらがなの各行の先頭文字や数字やアルファベットが配された複数のキーを含む。そして、第1絞り込みキー群KG1内のキーが押下されると、表示制御部10は、名称の頭文字で、アドレス帳に含まれる送信先情報を絞り込み、絞り込んだ結果を表示させる。尚、図8の上段に示す画面は、第1絞り込みキー群KG1のうち「か」のキーを押下して、「か行」で送信先情報を絞り込んだ状態の一例を示している。
【0095】
又、第1絞り込みキー群KG1の下方には、第2絞り込みキー群KG2が設けられる。第2絞り込みキー群KG2は、原稿を読み取って得られた画像データの送信方法(Eメールや、複合機100内の記憶装置92内のフォルダへの記憶や、FAXや、インターネットFAX等)による送信先情報の絞り込みを行うためのキー群である。
【0096】
又、アドレス帳画面DAの最下方には、OKキーK14とキャンセルキーK15が配される。OKキーK14は、送信先の指定が完了した際に押下され、キャンセルキーK15は、送信先の指定をやめる際に押下される。
【0097】
又、アドレス帳画面DAの右側には、記憶されていない、未登録の送信先(アドレス帳画面DAに一覧表示されない)に送信を行うためのキーが配される。液晶表示部8は、新規メールキーK16が押下されると、画像データを送るEメールアドレス入力画面を表示する。又、液晶表示部8は、新規フォルダキーK17が押下されると、画像データを送るフォルダ入力画面を表示する。又、液晶表示部8は、新規FAXキーK18が押下されると、画像データを送る相手方FAX装置300のFAX番号入力画面DFを表示する。又、液晶表示部8は、新規i−FAXキーK19が押下されると、画像データを送る相手方インターネットFAX装置300のアドレス入力画面を表示する。
【0098】
そして、図8の下段に示す図は、新規FAXキーK18が押下され、液晶表示部8が、相手方FAX装置300のFAX番号入力画面DFを表示した状態の一例である。FAX番号入力画面DFには、今まで入力されたFAX番号を表示するFAX番号表示欄B1が設けられる。又、入力されたFAX番号をアドレス帳に登録する際に押下される登録キーK20や、FAX番号の入力をやめる際に押下されるキャンセルキーK21や、FAX番号の入力を完了するOKキーK22が配される。
【0099】
この図8の下段に示すFAX番号入力画面DFの表示状態では、液晶表示部8は、メッセージ表示領域Fに、「テンキーを使って、相手方のFAX番号の入力を行ってください。」というメッセージを表示する。尚、このメッセージは、操作方法を説明するメッセージなので、レベル2に分類される(図5参照)。
【0100】
この「テンキーを使って、相手方のFAX番号の入力を行ってください。」というメッセージは、1行で表示しきれない。そこで、液晶表示部8は、メッセージ表示領域Fを拡大し、2行にわたりメッセージを表示する。これにより、メッセージの語数が多くても、メッセージを縮小せずに表示することができる。
【0101】
即ち、表示部(液晶表示部8)は、メッセージの表示に1行が必要な場合、メッセージ表示領域Fを1行の文字列分の幅とし、メッセージの表示に複数行が必要な場合、メッセージ表示領域Fを複数行の文字列分の幅に広げる。
【0102】
尚、図8に示す例では、2行の幅にメッセージ表示領域Fを拡大する例を示したが、液晶表示部8は、メッセージの語数(長さ)に応じて、3行以上の幅にメッセージ表示領域Fを拡大してもよい。
【0103】
(メッセージ表示制御)
次に、図9に基づき、本発明の実施形態に係るメッセージの表示制御の一例を説明する。図9は、本発明の実施形態に係るメッセージの表示制御の一例を示すフローチャートである。
【0104】
尚、図9に示すフローチャートは、1つのメッセージに対する表示制御の一例を示す。従って、図9に示す表示制御が、メッセージが切り替わるごとに行われる。言い換えると、使用者による操作パネル1への入力や複合機100の状態変化等によって、表示すべきメッセージが変わるごとに、図9の表示制御が行われる。
【0105】
そして、図9に示すスタートは、メッセージの表示や表示の切り替えの必要性が発生した時点である。そして、表示制御部10は、表示すべきメッセージと、テーブルを確認して、メッセージのレベルを確認する(ステップ♯1)。
【0106】
次に、表示制御部10は、メッセージの文字数(長さ)を確認し、メッセージ表示領域Fを2行分の幅以上に拡大すべきかを確認する(ステップ♯2)。メッセージ表示領域Fを拡大すべき場合(ステップ♯2のYes)、液晶表示部8は、メッセージ表示領域Fを拡大表示する(表示幅を広げる、ステップ♯3)。そして、ステップ♯4に移行する。一方、メッセージ表示領域Fを拡大する必要がなければ(ステップ♯2のNo)、メッセージ表示領域Fを拡大することなくステップ♯4に移行する。
【0107】
そして、表示制御部10は、表示しようとするメッセージがレベル1(最下位レベル)かを確認する(ステップ♯4)。もし、レベル1であれば(ステップ♯4のYes)、液晶表示部8は、メッセージ表示領域Fにメッセージを変化させずに表示する(ステップ♯5)。
【0108】
そして、表示制御部10は、新たに操作パネル1への入力や、複合機100の状態変化などがあるまで、現在表示中のメッセージの表示を液晶表示部8に続けさせる。そして、新たに操作パネル1への入力や、複合機100の状態変化などがあると表示制御部10は、本表示制御は終了する(エンド)。
【0109】
表示しようとするメッセージがレベル1でなければ(ステップ♯4のNo)、表示制御部10は、表示しようとするメッセージがレベル2(中位レベル)かを確認する(ステップ♯6)。もし、レベル2であれば(ステップ♯6のYes)、液晶表示部8は、メッセージ表示領域Fにメッセージを点滅させつつ表示する(ステップ♯7)。
【0110】
そして、レベル1のメッセージの表示と同様に、表示制御部10は、新たに操作パネル1への入力や、複合機100の状態変化などがあるまで、現在表示中のメッセージの点滅表示を液晶表示部8に続けさせる。そして、新たに操作パネル1への入力や、複合機100の状態変化などがあると表示制御部10は、本表示制御は終了する(エンド)。
【0111】
一方、レベル2でなければ(ステップ♯6のNo)、表示しようとするメッセージは、本実施形態の複合機100の場合、レベル3(最上位レベル)となる。そこで、液晶表示部8は、メッセージ表示領域Fに、メッセージに強調用画像iを付し、かつ、メッセージと強調用画像iを点滅表示する(ステップ♯8)。
【0112】
そして、レベル1やレベル2のメッセージの表示と同様に、表示制御部10は、新たに操作パネル1への入力や、複合機100の状態変化などがあるまで、現在表示中のメッセージの点滅表示を液晶表示部8に続けさせる。そして、新たに操作パネル1への入力や、複合機100の状態変化などがあると表示制御部10は、本表示制御は終了する(エンド)。
【0113】
このようにして、本発明の画像形成装置(例えば、複合機100)は、操作入力を受け付ける入力部(タッチパネル部11等)と、複数のレベルで分類しつつ各メッセージを記憶する記憶部(記憶装置92、メモリ17)と、装置の状態や、画面を表示するとともに、記憶部(記憶装置92、メモリ17)に記憶されるメッセージを表示するメッセージ表示領域Fを有し、メッセージのレベルによって異なる状態で、メッセージ表示領域Fにメッセージを表示し、上位のレベルのメッセージほど変化を持たせて表示する表示部(液晶表示部8)と、を備える。
【0114】
従って、本発明によれば、メッセージのレベルにより異なる状態でメッセージが表示される。これにより、レベルによってメッセージが異なる状態(表現)で表示されることによる変化を設けることができ、メッセージを注視させることができる。又、例えば、重要なメッセージほど上位レベルに位置づけるなど、上位のメッセージをより注視させることができる。従って、表示部(液晶表示部8)のサイズがたとえ小さくても、メッセージが認識されやすくなり、使用者に対し確実に情報を伝えることができる。
【0115】
又、最下位レベル(レベル1)に分類されたメッセージは、非点滅表示され、中位レベル(レベル2)に分類されたメッセージは、点滅表示され、最上位レベル(レベル3)に分類されたメッセージは強調用画像iが付されつつ、点滅表示される。このように、上位にあるメッセージほど点滅や強調用画像iの付加により、表示の変化が与えられ、注視されやすくなる。従って、重要度の高いメッセージをより高いレベルとすることで、エラー発生通知等、重要と考えられるメッセージを選択して、認識し易くすることができる。又、メッセージの点滅周期と異なる点滅周期で、強調用画像iは点滅表示される。これにより、一層、使用者に最上位レベルのメッセージを注視させることができる。
【0116】
又、メッセージの表示に1行が必要な場合、メッセージ表示領域Fは1行の文字列分の幅とされ、メッセージの表示に複数行が必要な場合、メッセージ表示領域Fは複数行の文字列分の幅に広げられる。これにより、少し複雑な操作説明など、複数行に及ぶ長めのメッセージでも途切れた表示や、縮小表示を行うことなくメッセージを表示することができる。又、メッセージ表示領域Fの大きさについて、変化が与えられ、メッセージがより注視されやすくなる。従って、使用者に対し確実に情報を伝えることができる。
【0117】
又、入力部(タッチパネル部11等)に対する操作を説明するためのメッセージは、最下位レベル(レベル1)よりも上位のレベルに分類づけられる。レベル付けの一例を示すものであり、これにより使用者を補助、誘導するメッセージが視認しやすくなり、操作、設定で使用者がとまどうことをなくすことができる。
【0118】
又、画像形成装置(例えば、複合機100)が使用できない状態の際、装置のエラー及びメンテナンスに関するメッセージが表示されるところ、この構成によれば、装置のエラー及びメンテナンスに関するメッセージは、入力部(タッチパネル部11等)に対する操作を説明するためのメッセージよりも、上位のレベルに分類づけられる。レベル付けの一例を示すものであり、これにより、エラー解消等、重要度の高いメッセージほど、レベルが高く設定され、重要度の高いメッセージほど、視認されやすくなる。
【0119】
次に、他の実施形態を説明する。上記の実施形態では、レベルによりメッセージの表示の状態を異ならせる例として、点滅させる例を示したが、レベルによりメッセージの表示の状態を異ならせるため、メッセージの表示色を変えてもよいし、白黒反転の態様で行ってもよく、レベルによりメッセージの表示の状態が異なればよい。
【0120】
本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0121】
本発明は、液晶表示部等の表示部と、タッチパネル部等の入力部を有する画像形成装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0122】
11 タッチパネル部(入力部) 13 スタートキー(入力部)
12 テンキー部(入力部) 14 ストップキー(入力部)
15 コピーキー(入力部) 16 送信キー(入力部)
17 メモリ(記憶部) 8 液晶表示部(表示部)
92 記憶装置(記憶部) 100 複合機(画像形成装置)
F メッセージ表示領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作入力を受け付ける入力部と、
複数のレベルで分類しつつ各メッセージを記憶する記憶部と、
装置の状態や、画面を表示するとともに、前記記憶部に記憶される前記メッセージを表示するメッセージ表示領域を有し、メッセージのレベルによって異なる状態で、前記メッセージ表示領域にメッセージを表示し、上位のレベルのメッセージほど変化を持たせて表示する表示部と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記記憶部は、3段階のレベルで分類しつつ各メッセージを記憶し、
前記表示部は、最下位レベルに分類されたメッセージを点滅させないで表示し、中位レベルに分類されたメッセージを点滅させて表示し、最上位レベルに分類されたメッセージを、強調用画像を付しつつ、点滅させて表示することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記表示部は、メッセージの点滅周期と異なる点滅周期で、前記強調用画像を点滅させて表示することを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記表示部は、メッセージの表示に1行が必要な場合、前記メッセージ表示領域を1行の文字列分の幅とし、メッセージの表示に複数行が必要な場合、前記メッセージ表示領域を複数行の文字列分の幅に広げることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記記憶部は、前記入力部に対する操作を説明するためのメッセージを、最下位レベルよりも上位のレベルに分類づけて記憶することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記記憶部は、装置のエラー及びメンテナンスに関するメッセージを、前記入力部に対する操作を説明するためのメッセージよりも上位のレベルに分類づけて記憶することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−197926(P2011−197926A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−62934(P2010−62934)
【出願日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】