説明

画像形成装置

【課題】正規サイズ用紙に異なるサイズ(小サイズ)の用紙が混じっている場合、その異なるサイズの用紙について用紙サイズエラーを検出できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】給紙ローラ121を一時的に停止又は低速化し、それにより給紙センサSE1が記録用紙無しを検出すると、記録用紙サイズが正規サイズではないと判断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ機、或いはこれらのうち2以上を組み合わせた複合機等の画像形成装置に関する。
【0002】
一般的には、画像形成装置として、画像形成しようとするサイズの記録紙、オーバーヘッドプロジェクタ用シート等のシート状の記録媒体(以下、これらを「記録用紙」又は「用紙」と総称することがある。)を記録用紙供給部から給紙ローラにて該ローラより記録用紙搬送方向において下流側に位置する次段の搬送ローラへ供給し、該次段搬送ローラから画像形成部へ供給して該記録用紙に画像を形成でき、記録用紙を該次段搬送ローラから画像形成部へ供給するにあたり、用紙搬送を安定化させるために次段搬送ローラによる搬送と同時に前記給紙ローラにも該記録用紙を搬送させるように構成されている画像形成装置がある。
【0003】
ここで「次段の搬送ローラ」については、記録用紙に画像形成できるように画像形成部へ記録用紙を送り込むタイミングをとる、タイミングローラや、レジストローラと呼ばれているローラや、そのようなローラより用紙搬送方向において上流側に位置する用紙搬送ローラなどが「次段搬送ローラ」となる例を挙げることができる。
【0004】
いずれにしても、この種の画像形成装置では、画像形成しようとするサイズの記録用紙は、例えば画像形成装置の操作パネルにおける記録用紙サイズ指定部で指定されたり、記録用紙供給部における記録用紙サイズ検出手段(例えば記録用紙供給部における用紙位置決め定規の位置により用紙サイズを検出する手段)により検出され、確認される。
【0005】
かかる画像形成装置の記録用紙供給部からの用紙供給は、記録用紙サイズ指定部で指定されるか又は記録用紙サイズ検出手段により検出される正規サイズの記録用紙が記録用紙供給部に収容されているものとして、該正規サイズの記録用紙の搬送方向長さと給紙ローラによる正規の用紙搬送速度とに基づいて、記録用紙を1枚ずつ、且つ、先行用紙と後行用紙との間に、用紙搬送や画像形成部における画像形成速度等に支障のない間隔をあけて行われる。
【0006】
しかしながら、記録用紙を次段搬送ローラから画像形成部へ供給するにあたり、給紙ローラにも該記録用紙を搬送させる画像形成装置では、正規サイズの記録用紙に異なる用紙サイズの記録用紙、例えば正規サイズ用紙より用紙搬送方向長さが短い小サイズ用紙が紛れ込んでいると、その小サイズ用紙の供給にあたり、その搬送方向長より長い、正規サイズ用紙の長さ分の搬送を完了するまで、用紙供給部における給紙ローラ等が(給紙ローラ前に用紙を一枚ずつ捌き出すピックアップローラがあるときは該ローラも)給紙動作を続けるので、小サイズ記録用紙後端が給紙ローラを通過し終わったのちも給紙ローラ等が回りつづけて次の用紙を供給することとなり、かくして先行用紙と後行用紙との間に用紙間隔を得ることができなくなる。
【0007】
また、正規サイズ記録用紙に異なるサイズの記録用紙が混じっていると、ジャムが発生したり、ジャム発生が無いのに誤ってジャムが検出される、というようなこともあり得る。
【0008】
このように、記録用紙を次段搬送ローラから画像形成部へ供給するにあたり、給紙ローラにもひき続き該記録用紙を搬送させる画像形成装置では、正規サイズ記録用紙に異なるサイズの記録用紙が混じっていると、記録用紙供給、搬送に支障がでる。
【0009】
これに関連する技術として、特開2003−72987号公報には、正規サイズ記録用紙より大きいサイズの記録用紙が混じっている場合に、2枚目の記録用紙について給紙部ジャムを検出した場合、ジャムと判断せずに、1枚目の記録用紙の後端をレジストローラ近傍に設けられたレジストセンサが検出した後に、該2枚目の記録用紙について給紙動作を実行するという方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2003−72987号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
特開2003−72987号公報に記載された方法は、用紙供給部の給紙口に実際にセットされている用紙のサイズが、この給紙口において検出手段にて検出される記録用紙の正規サイズより大きいサイズの記録用紙である場合に適用できる技術であり、これから画像形成しようとする正規サイズの記録用紙より小さいサイズの記録用紙が混じっている場合に、これを用紙サイズエラーとして把握することはできない。
【0012】
また、給紙口において検出される記録用紙の搬送方向長さが、実際にその給紙口にセットされている記録用紙の搬送方向長の倍数である場合、幅方向においては同長である場合もあり、用紙サイズエラーを検出できないことがある。
【0013】
そこで本発明は、記録用紙サイズ指定部で指定されるか又は記録用紙サイズ検出手段により検出される正規サイズの記録用紙を記録用紙供給部から給紙ローラにて該給紙ローラより記録用紙搬送方向において下流側に位置する次段の搬送ローラへ供給し、該次段搬送ローラから画像形成部へ供給して該記録用紙に画像形成でき、記録用紙を該次段搬送ローラから画像形成部へ供給するにあたり給紙ローラにも該記録用紙を搬送させる画像形成装置であって、正規サイズの記録用紙に記録用紙搬送方向長が正規サイズ記録用紙のそれより短い小サイズ記録用紙が混じっている場合、該小サイズ記録用紙について用紙サイズエラーを検出できる画像形成装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は前記課題を解決するため、
記録用紙サイズ指定部で指定されるか又は記録用紙サイズ検出手段により検出される正規サイズの記録用紙を記録用紙供給部から給紙ローラにて該給紙ローラより記録用紙搬送方向において下流側に位置する次段の搬送ローラへ供給し、該次段搬送ローラから画像形成部へ供給して該記録用紙に画像形成でき、記録用紙を該次段搬送ローラから画像形成部へ供給するにあたり前記給紙ローラにも該記録用紙を搬送させる画像形成装置であり、
前記給紙ローラから前記次段搬送ローラへ記録用紙を導く用紙搬送路と、
記録用紙搬送方向において前記給紙ローラより下流側で前記次段搬送ローラより上流側に配置され、前記用紙搬送路に臨んで、該給紙ローラにより供給される記録用紙を検出するための給紙センサと、
前記記録用紙供給部の正規サイズ記録用紙に混じる可能性があることが予測される、正規サイズ記録用紙より記録用紙搬送方向長が短い小サイズ記録用紙が該正規サイズ記録用紙に混じっていると記録用紙サイズエラー検出を行うためのサイズエラー判断部とを含んでいる画像形成装置を提供する。
なお、記録用紙供給部の正規サイズ記録用紙に混じる可能性がある小サイズ記録用紙がどのようなものであるかは、経験等から予め把握することができる。
【0015】
本発明に係る画像形成装置において、前記用紙搬送路は、記録用紙を前記給紙ローラの連続運転にて前記次段搬送ローラへ搬送するときに記録用紙が通る長い湾曲搬送路を含んでいるものでもよい。この用紙搬送路の場合、記録用紙が該給紙ローラと該次段搬送ローラ間に跨がった状態で該次段搬送ローラを運転したまま該給紙ローラを減速することで、該長い湾曲搬送路にある記録用紙は、より短い湾曲搬送路へシフトすることができる。
【0016】
前記サイズエラー判断部は、前記記録用紙供給部から記録用紙が供給されるにあたり、記録用紙が正規サイズ記録用紙であるとき、前記給紙ローラによる正規サイズ記録用紙の供給開始から小サイズの記録用紙後端が前記給紙センサを通過完了するのに要する時間をT1、記録用紙が前記小サイズ記録用紙であるとき、前記給紙ローラによる小サイズ記録用紙の供給開始から小サイズ記録用紙後端が前記給紙ローラを通過完了するのに要する時間をT2とすると、前記給紙ローラによる記録用紙供給開始から時間T2経過時点以後で、時間T1経過前に前記給紙ローラを一時的に所定時間減速開始させ、該給紙ローラの所定時間の減速により、前記給紙センサが正規サイズ記録用紙無しを検出すると、記録用紙サイズは正規サイズではないサイズエラーと判断し、前記給紙ローラの所定時間の減速によっても、前記給紙センサが正規サイズ記録用紙無しを検出しないときは、サイズエラー無しと判断して該所定減速時間経過後、該給紙ローラの正規駆動を再開させる。
【0017】
本発明に係る画像形成装置において、前記「次段の搬送ローラ」としては、例えば、記録用紙に画像形成できるように画像形成部へ記録用紙を送り込むタイミングをとる、タイミングローラとか、レジストローラとか呼ばれているローラを挙げることができる。または、そのようなレジストローラより用紙搬送方向において上流側に位置する、給紙ローラの次段の用紙搬送ローラであってもよい。
【0018】
また、ここでの「給紙ローラの減速」には、給紙ローラの正規駆動による用紙搬送速度より用紙搬送速度が低速の場合のほか、給紙ローラが停止される場合も含まれる。
【0019】
前記サイズエラー判断部により、サイズエラーと判断される、前記小サイズ記録用紙としては、記録用紙搬送方向長が前記正規サイズ記録用紙の搬送方向長の1/整数(例えば半分)である記録用紙を例示できる。例えば縦長方向に搬送される正規サイズ記録用紙であるA3サイズ記録用紙に対して、短辺方向に搬送されるように混じったA4サイズ記録用紙を例示でる。
【0020】
本発明に係る画像形成装置によると、記録用紙は次段搬送ローラへ用紙搬送路に沿って進み、次段搬送ローラに到達すると、次段搬送ローラの運転(用紙搬送運転)及び給紙ローラの正規の用紙搬送駆動により、該用紙搬送路に沿って進む。
【0021】
記録用紙が給紙ローラと次段搬送ローラの両方に跨がっている場合、給紙ローラを停止又は減速(停止を除く)させると、該用紙搬送路にある記録用紙はより短い用紙搬送路へとシフトする。既述のように用紙搬送路として長い湾曲搬送路を設けてある場合、記録用紙が給紙ローラと次段搬送ローラの両方に跨がっているときに給紙ローラを停止又は減速(停止を除く)させると、記録用紙は長い湾曲搬送路からより短い湾曲搬送路へシフトする。
【0022】
そこで本発明に係る画像形成装置の前記サイズエラー判断部は、前記記録用紙供給部から記録用紙が供給されるにあたり、記録用紙が正規サイズ記録用紙であるとき、給紙ローラによる正規サイズ記録用紙の供給開始から小サイズの記録用紙後端が給紙センサを通過完了するのに要する時間をT1、記録用紙が前記小サイズ記録用紙であるとき、給紙ローラによる小サイズ記録用紙の供給開始から小サイズ記録用紙後端が給紙ローラを通過完了するのに要する時間をT2とすると、給紙ローラによる記録用紙供給開始から時間T2経過時点以後で、時間T1経過前に給紙ローラを一時的に所定時間減速開始させさせる。これにより、実際に供給される記録用紙のサイズが正規サイズ記録用紙のそれより小サイズである場合は、次の記録用紙の給紙ローラの正規駆動による進行を妨げ、該給紙ローラの所定時間の減速により、前記給紙センサが正規サイズ記録用紙無しを検出すると、記録用紙サイズは正規サイズではないサイズエラーと判断し、給紙ローラの所定時間の減速によっても、給紙センサが正規サイズ記録用紙無しを検出しないときは、サイズエラー無しと判断して該所定減速時間経過後、該給紙ローラの正規駆動を再開させる。
【0023】
かくして、ユーザーが、例えば用紙サイズを誤って記録用紙供給部にセットした場合でも、用紙サイズエラーを検出して、破棄する用紙を削減できる。
【0024】
前記給紙ローラを所定時間減速開始するタイミングとしては、給紙ローラによる記録用紙供給開始から前記時間T2に達したとき(時間T2経過したとき)を例示できる。
【0025】
また、前記の「給紙ローラの所定減速時間」としては、正規サイズとは異なる小サイズ記録用紙が混じっていることを検出できる時間を設定すればよいのであるが、記録用紙が正規サイズのものである場合、その損傷を防止する観点から、給紙ローラによる正規サイズ記録用紙の供給にて正規サイズ記録用紙が長い用紙搬送路に位置する状態から次段搬送ローラによる該記録用紙の搬送により最短用紙搬送路へシフトするのに要する時間よりは短く設定する場合を例示できる。
【0026】
前記給紙センサは様々のタイプのものを採用でき、また、給紙センサに応じて前記サイズエラー判断部による判断手法を定めることができる。以下にそれらの例を挙げる。
【0027】
(1)前記給紙センサは、前記用紙搬送路にある記録用紙から反射されてくる光を受けることで記録用紙を検出できる反射型センサであり、前記サイズエラー判断部は、前記給紙ローラの所定減速時間において該反射型センサが記録用紙を検出できないときがあると、サイズエラーと判断する。
(2)前記給紙センサは、透過型センサ本体と、該センサに嵌脱可能に配置されたアクチュエータとを含み、該アクチュエータが前記用紙搬送路にある記録用紙に持ち上げられてセンサ本体から脱離することで記録用紙を検出できる透過型センサであり、前記サイズエラー判断部は、前記給紙ローラの所定減速時間において該透過型センサが記録用紙を検出できないときがあると、サイズエラーと判断する。
(3)前記給紙センサは、前記用紙搬送路にある記録用紙との距離を検出可能の位置に配置された距離センサであり、前記サイズエラー判断部は、前記給紙ローラの所定減速時間経過後も該距離センサによる検出距離が予め定めた距離より大きいと、サイズエラーと判断する。
(4)前記給紙センサは、前記給紙ローラの近傍位置で前記湾曲搬送路における記録用紙の移動を検出できる動体検出センサであり、前記サイズエラー判断部は、該給紙ローラの所定減速時間において給紙ローラを停止させ、給紙ローラを停止させている時間に該動体検出センサが記録用紙の移動を検出できないときがあると、サイズエラーと判断する。
【発明の効果】
【0028】
以上説明したように本発明によると、記録用紙サイズ指定部で指定されるか又は記録用紙サイズ検出手段により検出される正規サイズの記録用紙を記録用紙供給部から給紙ローラにて該給紙ローラより記録用紙搬送方向において下流側に位置する次段の搬送ローラへ供給し、該次段搬送ローラから画像形成部へ供給して該記録用紙に画像形成でき、記録用紙を該次段搬送ローラから画像形成部へ供給するにあたり給紙ローラにも該記録用紙を搬送させる画像形成装置であって、正規サイズの記録用紙に記録用紙搬送方向長が正規サイズ記録用紙のそれより短い小サイズ記録用紙が混じっている場合、該小サイズ記録用紙について用紙サイズエラーを検出できる画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に係る画像形成装置の1例の構成を概略的に示す図である。
【図2】図1の画像形成装置の制御回路を示すブロック図である。
【図3】記録用紙供給部の給紙ローラからレジストローラへ至る長い湾曲搬送路及びそれより短い湾曲搬送路と、湾曲搬送路に臨む給紙センサ例とを示す図である。
【図4】記録用紙が正規サイズ記録用紙である場合に、該記録用紙が長い湾曲搬送路からより短い湾曲搬送路へシフトする様子を示す図である。
【図5】用紙サイズエラーが反射型給紙センサを用いて検出されるときの記録用紙搬送路における記録用紙状態例を示す図である。
【図6】サイズエラー判断部による、反射型給紙センサによる用紙サイズエラー検出動作を示すフローチャートである。
【図7】用紙サイズエラーが透過型給紙センサを用いて検出されるときの記録用紙搬送路における記録用紙状態例を示す図である。
【図8】用紙サイズエラーが距離センサを用いて検出されるときの記録用紙搬送路における記録用紙状態例を示す図である。
【図9】サイズエラー判断部による、距離センサによる用紙サイズエラー検出動作を示すフローチャートである。
【図10】サイズエラー判断部による、距離センサによる用紙サイズエラー検出動作の他の例を示すフローチャートである。
【図11】用紙サイズエラーが動体検出センサを用いて検出されるときの記録用紙搬送路における記録用紙状態例を示す図である。
【図12】サイズエラー判断部による、動体検出センサによる用紙サイズエラー検出動作を示すフローチャートである。
【図13】本発明に係る画像形成装置の他の例の構成を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照して本発明に係る画像形成装置の例について説明する。
図1は画像形成装置の1例の構成の概略を示している。図1の画像形成装置10は複写機、プリンタ、ファクシミリ機等の機能を有する複合機である。
図2は図1に示す画像形成装置10の制御回路の概略を示すブロック図である。
【0031】
図1に示す画像形成装置10は、画像形成装置本体1に画像読み取り装置2を搭載したものであり、画像形成装置10の動作を制御する制御部Cont(図2参照)も含んでいる。後述する画像形成装置各部の動作は制御部Contの指示のもとになされる。
【0032】
画像読み取り装置2はそれ自体既に知られているもので、原稿画像を読み取り、読み取った画像情報を原稿複写やファクシミリ送信等に供することができるものである。
【0033】
画像形成装置本体1は、画像形成部11、画像形成部下方の記録用紙供給部12、画像形成パス13、画像形成パスにつながる記録用紙搬送路a1及び排出反転ローラDr、さらに反転循環搬送路14等を含んでいる。
【0034】
画像形成部11は図示省略のベルト駆動部により回転駆動され駆動ローラd1と対向ローラd2に巻き掛けられて図中反時計方向αに回転駆動可能の中間転写ベルト111を含んでおり、該ベルトに沿ってベルト走行方向にイエロー画像形成ユニットY、マゼンタ画像形成ユニットM、シアン画像形成ユニットC及びブラック画像形成ユニットKがこの順序で配置されている。
【0035】
各色担当の画像形成ユニットは、画像読み取り装置2からの画像情報や、図示省略の外部コンピュータや外部ファクシミリ機等から送信されてくる画像情報に基づいて、制御部Contの指示のもとに、電子写真方式により感光体PC上に担当色画像に対応する静電潜像を形成し、該潜像を担当色トナーで現像してトナー像を形成し、これを図示省略の電源から1次転写バイアスが印加される1次転写ローラtrでベルト111上に1次転写することができる。
【0036】
画像形成ユニットを用いて画像形成するにあたっては、四つの画像形成ユニットのうちいずれか一つを用いてモノクロトナー像を形成することもできるし、二つ以上の画像形成ユニットを用いてカラー画像を形成することもできる。二つ以上の画像形成ユニットを用いる場合には、それら画像形成ユニットで形成される各色トナー像はベルト111上で重ねられるタイミングでベルト111に1次転写される。
【0037】
画像形成部11はさらに、中間転写ベルト111の回転方向においてブラック画像形成ユニットKの下流側で中間転写ベルト111に臨む2次転写ローラTR及びその上方に配置された定着装置112も含んでいる。
【0038】
画像形成パス13は、記録用紙供給部12から供給される記録用紙に2次転写ローラTRによりベルト111上の1次転写トナー像を2次転写し、定着装置112で定着させるように記録用紙を搬送するための搬送路であり、ベルト111と2次転写ローラTRのニップ部及び定着装置112を通る搬送路である。定着装置112の排出側には排出ローラ13Rが配置されており、該排出ローラから前記排出反転ローラDrへ用紙搬送路a1が延びている。ローラDrはその駆動部Drd(図2参照)により用紙排出回転又は後述する両面画像形成のための反転(逆転)が可能である。
【0039】
画像形成パス13の、2次転写ローラTRの若干上流側部分にレジストローラ(タイミングローラ)131が配置されている。レジストローラ131はその駆動部131D(図2参照)により回転駆動可能である。レジストローラ131は供給されてくる記録用紙を一端停止させ、ベルト111上のトナー像が2次転写領域へ到来するタイミングで該記録用紙を2次転写領域へ送り込むためのものである。レジストローラ131の手前にレジストセンサSe1があり、記録用紙がこれに検出されると、記録用紙がローラ131による搬送再開可能に一端停止される。
【0040】
前記のようにベルト111上に1次転写されるトナー像は、図示省略の電源から2次転写バイアスが印加され、駆動部TRD(図2参照)により回転駆動される2次転写ローラTRによって、画像形成パス13に沿って搬送されてくる記録用紙に2次転写され、定着装置112により加熱加圧下に記録用紙に定着される。記録用紙は画像形成部11下方の記録用紙供給部12から1枚ずつ供給される。記録用紙供給部12については後ほどさらに説明する。
【0041】
記録用紙の一方の面に画像形成して記録用紙を排出する片面モード(片面画像形成モード)では、定着装置112で2次転写トナー像が定着された記録用紙は、制御部Contの指示のもとに排出ローラ13Rで用紙搬送路a1へ搬送され、用紙搬送路a1に沿って排出ローラDrへ進み、排出ローラDrにより用紙排出トレイTへ排出される。
【0042】
記録用紙の両面に画像形成する両面モード(両面画像形成モード)では、制御部Contの指示のもとに、片面に画像形成された記録用紙の一部が、排出ローラDrによりトレイTへ排出され、該記録用紙の後端部が排出ローラDrを通過する前に該排出ローラDrが逆転される。それにより、記録用紙は、その腰の強さにも助けられて、反転循環搬送路14の循環搬送路a2へ搬入され、搬送ローラ駆動部RDにより回転駆動される用紙搬送ローラRにて再び画像形成パス13へ入る。記録用紙はそこで用紙検出センサSe1に検出され、レジストローラ131にて一端停止される。そして、2次転写領域へベルト111上の記録用紙裏面用のトナー像が到来するタイミングで該レジストローラ131にて2次転写領域へ送りこまれ、さらに定着装置112に通される。その後トレイTへ排出される。
【0043】
前記の記録用紙供給部12では、本例ではA3サイズの記録用紙をセットできるように、用紙位置決め定規120の位置が設定されている。供給部12には、記録用紙サイズ検出手段の1例である定規位置検出センサ12sが設けられており、定規位置検出センサ12sが定規位置を検出することで、供給部12にセットされるべき正規サイズの記録用紙Shの該正規サイズ、特に用紙搬送方向の長さ(以下、「FD長」と言うことがある。)が検出されるようになっている。定規位置検出センサ12sにより検出される記録用紙の正規サイズは制御部Contに入力される(図2参照)。
【0044】
記録用紙供給部12にはピックアップローラP及び給紙ローラ121が設けられている。ピックアップローラPは、その駆動部PD(図2参照)より昇降可能であるとともに回転駆動可能であり、供給部12から記録用紙を供給するタイミングでは、回転駆動されるとともに下降して、供給部12に収容されている記録用紙Sh群から1枚ずつ用紙を捌き出す。給紙ローラ121は駆動部12D(図2参照)により回転駆動可能であり、ローラPにより捌き出された用紙を受け取って後述するレジストローラ131へ供給する。
【0045】
給紙ローラ121からレジストローラ131へ向けて用紙案内ガイドGが延びており、給紙ローラ121から供給される記録用紙は、ガイドGにより提供される長い湾曲搬送路Aを進んでレジストローラ131へ到達することができる。この点について図3及び図4を参照してさらに説明する。
【0046】
図3は記録用紙給紙部12の給紙ローラ121からレジストローラ131へ至る長い湾曲搬送路A及びそれより短い湾曲搬送路B’と、湾曲搬送路に臨む給紙センサSE1とを示している。給紙センサSE1は発光部と該発光部から検出対象物に照射されて反射してくる反射光を受ける受光部とを含み、受光部で反射光を受けることで検出対象物を検出できる反射型センサである。
【0047】
長い湾曲搬送路Aは、記録用紙を給紙ローラ121の連続運転にてレジストローラ131へ搬送するときに記録用紙が通る搬送路である。記録用紙が長い湾曲搬送路Aにあり、且つ、給紙ローラ121とレジストローラ131との間に跨がった状態で、レジストローラ131は正規に運転したまま(正規用紙搬送回転させたまま)で給紙ローラ121を正規用紙搬送速度から停止又は減速(停止を除く)させると、図4に示すように、記録用紙は、より短い湾曲搬送路B’やB(図4も参照)へシフトする。湾曲搬送路B’は最短の湾曲搬送路である。
【0048】
図2に示すように画像形成装置10の制御回路は画像形成装置の動作を制御する制御部Contを含んでおり、画像形成部11や、他の動作する各部の駆動部等は制御部Contの指示に基づいて動作する。レジストセンサSe1や給紙センサSE1による用紙検出情報は制御部Contに入力される。
【0049】
制御部Contにはオペレータ(ユーザー)のための操作パネルPAも接続されている。操作パネルPAには、画像形成に用いる記録用紙のサイズを指定するキー、画像形成枚数を設定するテンキーのほか、片面画像形成モード又は両面画像形成モードを選択するためのキー等や、各種情報を表示するディスプレイDPも設けられている。
【0050】
本実施形態では、記録用紙供給部12は、1種類のサイズの記録用紙を供給するものであるが、記録用紙供給部には、それぞれが異なるサイズの記録用紙を供給できる複数の供給部が設けられていてもよく、そのような場合には、操作パネルPAにおいて所望サイズの記録用紙を選択可能としておくことができる。
【0051】
以上説明した画像形成装置10によると、記録用紙供給部12において、操作パネルPAで指定される又は記録用紙供給部のセンサ12sで検出される正規サイズの記録用紙に正規サイズ記録用紙より用紙搬送方向長さ(FD長)が短い小サイズ記録用紙が誤って混じっていた場合、小サイズ記録用紙について用紙サイズエラーを検出できる。すなわち、小サイズ記録用紙の場合、レジストローラ131に搬送され、給紙ローラ121から抜け出る。そのためセンサSE1によりサイズエラーを検出できる。そのための用紙サイズエラー判断部101が制御部Contに含まれている。なお、図1の画像形成装置例10の場合、操作パネルPAでは、記録用紙供給部12に収容され得る1種類のサイズの用紙だけ指定可能である。
なお、ここで小サイズの用紙としてはA4サイズの用紙が考えられる。A4サイズの用紙の長手方向がA3サイズの給紙カセットの幅方向になるようにセットする。すなわちA4サイズの用紙を横にしてA3サイズの給紙カセットにセットする。幅方向長さは同じであるがFD長は半分となる。ここではFD長が半分の用紙をセットした場合について説明したが、本発明はこれに限らず、1/3や1/4等の1/整数の長さのFD長の用紙であればよい。
【0052】
用紙サイズエラー判断部101についてさらに説明する。
サイズエラー判断部101は、記録用紙供給部12の正規サイズ記録用紙に混じる可能性があることが経験等から予め分かっている、正規サイズ記録用紙より記録用紙搬送方向長が短い小サイズ記録用紙が該正規サイズ記録用紙に混じっていると記録用紙サイズエラー検出を行う。
【0053】
記録用紙供給部12から記録用紙が供給されるにあたり、記録用紙が正規サイズ記録用紙であるとき、給紙ローラ121による正規サイズ記録用紙の供給開始から小サイズの記録用紙後端が給紙センサSE1を通過完了するのに要する時間をT1とし、記録用紙が小サイズ記録用紙であるとき、給紙ローラ121による小サイズ記録用紙の供給開始から小サイズ記録用紙後端が給紙ローラ121を通過完了するのに要する時間をT2とする。
【0054】
サイズエラー判断部101は、給紙ローラ121による記録用紙供給開始から時間T2経過時点以後で、時間T1経過前に給紙ローラ121を一時的に所定時間減速開始させさせる。本実施形態では、給紙ローラ121が記録用紙を供給開始してから時間T2経過するタイミングで給紙ローラ121を一時停止開始する。このタイミングは予め制御部Contに設定してある。
【0055】
この給紙ローラ121の一時的な所定時間停止により、実際に供給される記録用紙のサイズが正規サイズ記録用紙のそれより小サイズである場合は、次の記録用紙の給紙ローラ121の正規駆動による進行を妨げ、給紙ローラ121の所定時間の停止により給紙センサSE1が正規サイズ記録用紙無しを検出すると、記録用紙サイズは正規サイズではないサイズエラーと判断する。給紙ローラ121の所定時間の減速によっても、給紙センサSE1が正規サイズ記録用紙無しを検出しないときは、サイズエラー無しと判断して所定減速時間経過後、給紙ローラ121の正規駆動を再開させる。
【0056】
給紙ローラ121を一時停止させる前記所定時間については、
給紙ローラ121とレジストローラ131との間にわたって、長い湾曲搬送路Aに位置する正規サイズの記録用紙が、給紙ローラ121による搬送無しの状態でレジストローラ131の運転により最短湾曲搬送路B’へシフトするのに要する時間Taより短く、次に説明する時間Tb(<Ta)より長い時間とすればよい。この一時停止させる時間は制御部Contに記憶させてある。具体的には次の関係を満たす時間であればよい。
Tb<一時停止させる時間<Ta
【0057】
時間Taは、湾曲搬送路A、B’間の、計算及び(又は)実測等により求めた距離差をレジストローラ131の用紙搬送速度で割ることで求める。
時間Tbは、給紙ローラ121の停止とレジストローラ131の運転継続により、先行する記録用紙の後端部と後行の記録用紙の先端部との重なりが解け、さらに、先行する記録用紙と後の記録用紙との間に、給紙センサによる「用紙なし」検出が可能となる間隔が生じるに要する時間(その(重なり長さ+間隔)をレジストローラ131の用紙搬送速度で割って得られる時間)とすればよく、かかる重なりや間隔は予め算出することにより求めることができる。
【0058】
なお、先行記録用紙の後端部と後行記録用紙の先端部との重なりは、先行記録用紙が正規サイズ用紙より短いものであると、正規サイズ記録用紙を搬送するものとして動作するピックアップローラPを先行記録用紙後端が通過したあと、ピックアップローラPが後の記録用紙の先端部に触れて、該用紙を捌き出すことで発生する。
【0059】
図5は反射型の給紙センサSE1を用いてサイズエラーを検出している例を示している。Sh1は先行用紙であり、Sh2は後の用紙である。図5では用紙Sh1は正規サイズ用紙より短い小サイズ用紙であり、用紙Sh1とSh2との間が開いてしまっていて、センサSE1が「用紙なし」を検出している様子を示している。制御部Contのサイズエラー判断部101は図6のフローチャートに示すように動作する。
【0060】
すなわち、小サイズ記録用紙のFD長(搬送方向長さ)が給紙ローラ121を通過し終わると、給紙ローラ121を停止させ、給紙センサSE1が「用紙なし」を検出すると(換言すれば、「用紙あり」を検出できなければ)(ステップS11〜S13)、その場合は、記録用紙長さが正規サイズのものより短く、記録用紙後端が既にセンサSE1による検出位置を通過し終わっているものとして、サイズエラー検出処理として操作パネルPAのディスプレイDPにサイズエラーを表示し、画像形成を中止させる(ステップS16)。これによってサイズ違いのプリントを防止することができる。
【0061】
また、給紙ローラ121を停止開始したが、給紙センサSE1が「用紙あり」を検出していても、所定の一時停止時間の経過前に「用紙なし」を検出すると、その場合も、記録用紙長さが正規サイズのものより短いものとして、サイズエラー検出処理を行う。
【0062】
しかし、給紙ローラ停止開始後、所定の一時停止時間の間に給紙センサSE1が「用紙なし」を検出しないときは、用紙サイズが所望サイズ(正規サイズ)のものであるとして、給紙ローラ121の駆動を再開する(ステップS13〜S15)。
【0063】
給紙センサSE1は、反射型のものに代えて他のタイプの給紙センサとしてもよい。
図7は透過型センサSE2を給紙センサとして採用している例である。
透過型センサSE2は、透過型センサ本体Tseと、透過型センサ本体Tseに嵌脱可能に配置されたアクチュエータacとを含んでいる。
【0064】
アクチュエータacが湾曲搬送路にある記録用紙に持ち上げられて(例えば図7に鎖線で示す位置へ持ち上げられて)センサ本体Tseから脱離することで記録用紙を検出できる。記録用紙が正規サイズのものより短く、記録用紙間に間隔ができることで、アクチュエータacが揺動下降してセンサ本体Tseに嵌入し、そこを通っていた光が遮断されることでサイズエラーが検出される。センサSE2は、長い湾曲搬送路Aと短い湾曲搬送路B’との最大間隔が広い場合(搬送路Aの懐が深い場合)に使える。
【0065】
センサSE2を用いる場合、サイズエラー判断部101は、図6のフローチャートに示すと同様に、給紙ローラ121の所定一時停止時間においてセンサSE2が記録用紙を検出できないときがあると、記録用紙サイズが正規サイズではないと判断する。
【0066】
また、給紙センサとして、図8に示すように、距離センサSE3を採用することもできる。図8は、先行記録用紙Sh1と後の記録用紙Sh2との間が大きく開いてはいないが、先行用紙Sh1が正規サイズより短い用紙であるため、あとの用紙Sh2から浮き上がって、センサSE3による検出位置からは外れてしまっており、センサSE3は遠い位置にある記録用紙Sh2までの距離を検出している。
【0067】
図9及び図10は、それぞれ、距離センサSE3を使用する場合の、サイズエラー判断部101の動作例を示している。
【0068】
図9に示す例では、小サイズ記録用紙のFD長が給紙ローラ121を通過し終わると、給紙ローラ121を停止させ、給紙ローラ121の所定一時停止時間が経過すると、距離センサSE3から用紙までの距離を該センサで検出し、検出距離が「用紙あり」を示す所定距離以下でなければ、サイズエラー検出処理を行い(ステップS21〜S24、S26)、検出距離が「用紙あり」を示す所定距離以下であると、給紙ローラ駆動を再開する(ステップS25)。
【0069】
図10に示す例では、小サイズ記録用紙のFD長が給紙ローラ121を通過し終わると、給紙ローラ121を停止させ、距離センサSE3から用紙までの距離を距離センサSE3で検出し、検出距離が「用紙あり」を示す所定距離以下であると、給紙ローラ駆動を再開するが(ステップS31〜S34、S36)、そうでなければ、記録用紙長さが正規サイズのものより短いものとして、サイズエラー検出処理を行う(ステップS35)。
【0070】
いずれにしても、記録用紙あり、なしを判断するための基準となる距離センサSE3からの「所定距離」としてとり得る範囲は、センサSE3から湾曲搬送路B’にある記録用紙までの距離より大きく、センサSE3から湾曲搬送路Aにある記録用紙までの距離より小さいものである。
【0071】
また、給紙センサとして動体検出センサを採用することもできる。図11は動体検出センサとして物体の接触移動を検出できるエンコーダSE4を採用したものである。エンコーダSE4には従動ローラFrを対向させてある。エンコーダSE4は給紙ローラ121の近傍に配置してある。先行記録用紙が正規サイズ用紙であると、給紙ローラ121の一時停止開始後、該用紙レジストローラ131に引っ張られるため、エンコーダSE4が該用紙の移動を検出し、それにより用紙ありを検出することができる。図11は、先行用紙Sh1が正規サイズ用紙より小サイズであり、次の用紙はレジストローラ131により引っ張られないため、エンコーダSE4は用紙の移動を検出できず、それによりサイズエラーが検出される例を示している。
【0072】
図12は動体検出センサを使用する場合の、サイズエラー判断部101の動作例を示している。
図12に示すように、小サイズ記録用紙のFD長が給紙ローラ121を通過し終わると、給紙ローラ121を停止させ、センサSE4が記録用紙停止を検出するとサイズエラー検出処理を行う(ステップS41〜S43、S46)。
【0073】
また、給紙ローラ121を停止し始めたときにはセンサSE4が用紙移動を検出していても、所定の一時停止時間の経過前に用紙移動停止を検出すると、その場合も、記録用紙長さが正規サイズのものより短いものとして、サイズエラー検出処理を行う。
【0074】
しかし、給紙ローラ停止開始後、所定停止時間の間、センサSE4が用紙移動を検出していると、用紙サイズが所望サイズ(正規サイズ)のものであるとして、給紙ローラ121の駆動を再開する(ステップS43〜S45)。
なお、動体検出センサとしては、非接触のレーザードップラー速度計等の動体検知センサ等も採用できる。
【0075】
図6、図9、図10、図12のフローチャートを参照して説明したサイズエラー判断では、給紙ローラ121を所定時間一時停止させたが、給紙ローラ121を完全に停止させるのではなく、正規駆動時の用紙搬送速度より低速で用紙搬送を行う減速状態としてもよい。
【0076】
また、以上説明した図1の画像形成装置10では給紙ローラ121の次段の搬送ローラをレジストローラ131としたが、図13に示す画像形成装置のように、レジストローラ131より上流側で、且つ、給紙ローラ121より下流側に位置する、給紙ローラ121の次段のローラFRを次段搬送ローラとして本発明を適用することもできる。
【0077】
以上説明した画像形成装置は所謂タンデム型のカラー画像形成装置であってが、本発明は、他のタイプのカラー画像形成装置や、モノクロ画像形成装置にも適用でき、また、電子写真方式の画像形成装置だけでなく、インクによるプリントを行う画像形成装置などにも適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明は、正規サイズ用紙に異なるサイズの用紙が混じっている場合、その異なるサイズの用紙が正規サイズ用紙より小サイズの用紙である場合でも、該異なるサイズの用紙について用紙サイズエラーを検出できる画像形成装置を提供することに利用できる。
【符号の説明】
【0079】
10 画像形成装置
1 画像形成装置本体
11 画像形成部
111 中間転写ベルト
Y イエロー画像形成ユニット
M マゼンタ画像形成ユニット
C シアン画像形成ユニット
K ブラック画像形成ユニット
PC 感光体
tr 1次転写ローラ
TR 2次転写ローラ
112 定着装置
12 記録用紙供給部
121 給紙ローラ
P ピックアップローラ
120 定規
12s 用紙サイズ検出センサ
13 画像形成パス
131 レジストローラ
13R 搬送ローラ
14 反転循環搬送路
a1 搬送路
a2 循環搬送路
Dr 排出反転ローラ
R 搬送ローラ
Se1 レジストセンサ
SE1 反射型センサ
SE2 透過型センサ
SE3 距離センサ
SE4 動体検出センサ
A 長い湾曲搬送路
B 湾曲搬送路Aより短い湾曲搬送路
B’最短湾曲搬送路
G 記録用紙搬送ガイド
Cont 制御部
101 用紙サイズエラー判断部
PA 操作パネル
2 画像読み取り装置
Sh 記録用紙
Sh1 先行記録用紙
Sh2 後の記録用紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録用紙サイズ指定部で指定されるか又は記録用紙サイズ検出手段により検出される正規サイズの記録用紙を記録用紙供給部から給紙ローラにて該給紙ローラより記録用紙搬送方向において下流側に位置する次段の搬送ローラへ供給し、該次段搬送ローラから画像形成部へ供給して該記録用紙に画像形成でき、記録用紙を該次段搬送ローラから画像形成部へ供給するにあたり前記給紙ローラにも該記録用紙を搬送させる画像形成装置であり、
前記給紙ローラから前記次段搬送ローラへ記録用紙を導く用紙搬送路と、
記録用紙搬送方向において前記給紙ローラより下流側で前記次段搬送ローラより上流側に配置され、前記用紙搬送路に臨んで、該給紙ローラにより供給される記録用紙を検出するための給紙センサと、
前記記録用紙供給部の正規サイズ記録用紙に混じる可能性があることが予測される、正規サイズ記録用紙より記録用紙搬送方向長が短い小サイズ記録用紙が該正規サイズ記録用紙に混じっていると記録用紙サイズエラー検出を行うためのサイズエラー判断部とを含んでおり、
前記サイズエラー判断部は、前記記録用紙供給部から記録用紙が供給されるにあたり、記録用紙が正規サイズ記録用紙であるとき、前記給紙ローラによる正規サイズ記録用紙の供給開始から小サイズの記録用紙後端が前記給紙センサを通過完了するのに要する時間をT1、記録用紙が前記小サイズ記録用紙であるとき、前記給紙ローラによる小サイズ記録用紙の供給開始から小サイズ記録用紙後端が前記給紙ローラを通過完了するのに要する時間をT2とすると、前記給紙ローラによる記録用紙供給開始から時間T2経過時点以後で、時間T1経過前に前記給紙ローラを一時的に所定時間減速開始させ、前記給紙ローラの所定時間の減速により、前記給紙センサが正規サイズ記録用紙無しを検出すると、記録用紙サイズは正規サイズではないサイズエラーと判断し、前記給紙ローラの所定時間の減速によっても、前記給紙センサが正規サイズ記録用紙無しを検出しないときは、サイズエラー無しと判断して該所定減速時間経過後、前記給紙ローラの正規駆動を再開させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記小サイズ記録用紙は、記録用紙搬送方向長が前記正規サイズ記録用紙の搬送方向長の1/整数である記録用紙である請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記用紙搬送路は、記録用紙を前記給紙ローラの連続運転にて前記次段搬送ローラへ搬送するときに記録用紙が通る長い湾曲搬送路を含んでおり、記録用紙が前記給紙ローラと次段搬送ローラ間に跨がった状態で該次段搬送ローラを運転したまま該給紙ローラを減速することで、該長い湾曲搬送路にある記録用紙はより短い湾曲搬送路へシフトすることができる請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記給紙ローラを所定時間減速開始するタイミングは、該給紙ローラによる記録用紙供給開始から前記時間T2経過した時点である請求項1、2又は3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記給紙ローラの所定減速時間は、該給紙ローラによる正規サイズ記録用紙の供給にて該正規サイズ記録用紙が前記用紙搬送路に位置する状態から前記次段搬送ローラによる該記録用紙の搬送により最短用紙搬送路へシフトするのに要する時間よりは短く設定される請求項1から4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記給紙センサは、前記用紙搬送路にある記録用紙から反射されてくる光を受けることで記録用紙を検出できる反射型センサであり、前記サイズエラー判断部は、前記給紙ローラの所定減速時間において該反射型センサが記録用紙を検出できないときがあると、サイズエラーと判断する請求項1から5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記給紙センサは、透過型センサ本体と、該センサに嵌脱可能に配置されたアクチュエータとを含み、該アクチュエータが前記用紙搬送路にある記録用紙に持ち上げられてセンサ本体から脱離することで記録用紙を検出できる透過型センサであり、前記サイズエラー判断部は、前記給紙ローラの所定減速時間において該透過型センサが記録用紙を検出できないときがあると、サイズエラーと判断する請求項1から5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記給紙センサは、前記用紙搬送路にある記録用紙との距離を検出可能の位置に配置された距離センサであり、前記サイズエラー判断部は、前記給紙ローラの所定減速時間経過後も該距離センサによる検出距離が予め定めた距離より大きいと、サイズエラーと判断する請求項1から5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記給紙センサは、前記給紙ローラの近傍位置で前記用紙搬送路における記録用紙の移動を検出できる動体検出センサであり、前記サイズエラー判断部は、該給紙ローラの所定減速時間において給紙ローラを停止させ、給紙ローラを停止させている時間に該動体検出センサが記録用紙の移動を検出できないときがあると、サイズエラーと判断する請求項1から5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記給紙ローラの減速は、該給紙ローラの停止である請求項1から8のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−201667(P2011−201667A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−71412(P2010−71412)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】