説明

画像形成装置

【課題】露光部材を感光体から退避させるためのスペースの縮小を図ることができる、画像形成装置を提供する
【解決手段】進退機構51は、装置本体2に対して軸線が固定された固定軸52と、一端部が固定軸52を中心に回動可能に支持された第1アーム53と、装置本体2に対して軸線が移動可能な移動軸54と、一端部がLEDヘッド18を保持し、他端部が移動軸54を介して第1アーム53の一端部に連結されており、移動軸54の軸線を中心に揺動可能に設けられた第2アーム55とを含んでいる。これにより、装置本体2内におけるドラムユニット6の上方には、第2アーム55の一端部が第1アーム53に近接した状態で、LEDヘッド18および進退機構51を収容できるスペースが確保されていればよく、LEDヘッド18を感光ドラム8から退避させるためのスペースの縮小を図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式のプリンタなどの画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタなどの画像形成装置において、LED露光方式を採用したものが提供されてきている。
LED露光方式を採用した画像形成装置には、たとえば、感光体ベルトを有するプロセスカートリッジと、感光体ベルトの外周面を露光するための像露光手段とを備えたものがある(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
この画像形成装置では、その前面に、装置内に対するプロセスカートリッジの着脱のための扉が設けられている。そして、像露光手段は、扉の開放に連動して、感光体ベルトから離間し、プロセスカートリッジの着脱経路から退避するようになっている。具体的には、像露光手段は、ガイド装置に上下動可能に収められている。扉が閉止された状態では、像露光手段は、その先端部が感光体ベルトの周面に近接する位置に配置されている。扉が開放されると、これに連動して、像露光手段は、ガイド装置内を下方に移動し、プロセスカートリッジの着脱経路から退避した位置に配置される。
【特許文献1】特開平4−212973号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような構成では、像露光手段がガイド装置内を直線的に移動されるため、ガイド装置を配置する大きな空間を装置内に確保する必要がある。すなわち、プロセスカートリッジに対して像露光手段が配置される側に、像露光手段がプロセスカートリッジの着脱経路から退避した状態で、像露光手段が完全に収容されるスペースが必要である。そのため、画像形成装置内のサイズの大型化を招いてしまう。
【0005】
そこで、本発明の目的は、露光部材を感光体から退避させるために必要なスペースの縮小を図ることができる、画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、画像形成装置において、着脱口が形成された装置本体と、感光体を有し、前記着脱口を介して前記装置本体内に着脱可能に装着される感光体ユニットと、前記装置本体に取り付けられ、前記感光体を露光するための露光部材と、前記装置本体に対する前記感光体ユニットの着脱方向と交差する方向において、前記露光部材を前記感光体に対して進退させるための進退機構とを備え、前記進退機構は、前記装置本体に対して軸線が固定された固定軸と、一端部が前記固定軸の軸線を中心に回動可能に支持された第1アームと、前記装置本体に対して軸線が移動可能な移動軸と、一端部が前記露光部材を保持し、他端部が前記移動軸を介して前記第1アームの前記一端部に連結されており、前記移動軸の軸線を中心に揺動可能に設けられた第2アームとを含むことを特徴としている。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記着脱口を開閉するカバーと、前記カバーと前記進退機構とに連結され、前記カバーの開放に連動して、前記進退機構に前記露光部材を前記感光体から退避させるための動力を伝達する動力伝達機構とを備えることを特徴としている。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記第2ア
ームの前記一端部は、前記露光部材が前記感光体から最も退避された状態で、前記着脱口から離反する離反方向に向けられることを特徴としている。
【0008】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記移動軸は、前記露光部材が前記感光体から退避されるときに、前記離反方向と逆方向に向けて移動されることを特徴としている。
【0009】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の発明において、前記露光部材を前記感光体に向けて付勢する付勢部材をさらに備えることを特徴としている。
また、請求項6に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、前記付勢部材は、前記第1アームと前記第2アームとの間に介在されていることを特徴としている。
【0010】
また、請求項7に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、前記第2アームの前記他端部は、前記移動軸に対して揺動可能に支持され、前記付勢部材は、前記移動軸と前記第2アームとの間に介在されていることを特徴としている。
また、請求項8に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、前記固定軸と一体的に回転する第1ギヤと、円周上の一部にギヤ歯を有しており、前記ギヤ歯が前記第1ギヤと噛合して、前記第1ギヤに前記露光部材を進退させるための動力を伝達し、前記露光部材が前記感光体に最も近接した状態で、前記第1ギヤに対する前記ギヤ歯の噛合が解除される第2ギヤ(セクターギヤ、欠歯ギヤ)とを備え、前記付勢部材は、前記装置本体と前記第1アームとの間に介在されていることを特徴としている。
【0011】
また、請求項9に記載の発明は、請求項1〜9のいずれか一項に記載の発明において、前記感光体は、前記着脱方向に並列に複数設けられ、前記露光部材は、各前記感光体に対応して、前記着脱方向に並列に複数設けられており、前記着脱口から最も離れた位置に配置された前記露光部材は、その他の前記露光部材と比較して、前記感光体に対する移動量が小さいことを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、装置本体には、着脱口が形成されている。装置本体内には、着脱口を介して、感光体を有する感光体ユニットが着脱可能に装着される。また、装置本体内には、感光体を露光するための露光部材と、この露光部材を装置本体に対する感光体ユニットの着脱方向と交差する方向において、感光体に対して進退させるための進退機構とが備えられている。
【0013】
進退機構は、固定軸、移動軸、第1アームおよび第2アームを含む構成である。固定軸は、装置本体に対して軸線が固定されている。移動軸は、装置本体に対して軸線が移動可能とされている。第1アームは、その一端部が固定軸を中心に回動可能に支持されている。第2アームは、一端部が露光部材を保持している。また、第2アームは、移動軸の軸線を中心に揺動可能に設けられ、その他端部が移動軸を介して第1アームの一端部に連結されている。これにより、第1アームおよび第2アームは、第2アームの一端部が第1アームに対して接離するように屈伸可能である。そして、移動軸の軸線を移動させることにより、第1アームを固定軸を中心に所定方向に回動させながら、第2アームの一端部が第1アームに近接するように、第1アームおよび第2アームを屈折させることによって、第2アームの一端部に保持されている露光部材を感光体から退避させることができる。そのため、感光体ユニットに対して露光部材が退避する側には、第2アームの一端部が第1アームに近接した状態で、露光部材および進退機構を収容できるスペースが確保されていればよい。その結果、露光部材が直線移動により感光体に対して接離される構成と比較して、露光部材を感光体から退避させるために必要なスペースの縮小を図ることができる。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、着脱口を開閉するカバーが設けられている。カバーおよび進退機構には、動力伝達機構が連結されている。カバーの開放に連動して、動力伝達機構により、露光部材を感光体から退避させるための動力が進退機構に伝達される。これにより、カバーの開放に連動して、露光部材を感光体から退避させることができる。
請求項3に記載の発明によれば、第2アームの一端部は、露光部材が感光体から最も退避された状態で、着脱口から離反する方向に向けられる。これにより、露光部材が装置本体の着脱口側に向かって露出しないので、露光部材に傷やゴミが付着することを防止することができる。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、移動軸は、露光部材が感光体から退避されるときに、離反方向と逆方向に向けて移動される。そして、この移動軸の移動と並行して、第1アームおよび第2アームが屈折されることにより、第2アームの一端部が確実に着脱口から離反する方向に向けられる。そのため、露光部材が着脱口側に向かって露出することを確実に防止できる。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、画像形成装置は、露光部材を感光体に向けて付勢する付勢部材をさらに備えている。露光部材が感光体に向けて付勢されることにより、感光体に対する一定位置に露光部材を位置決めすることができる。
請求項6に記載の発明によれば、付勢部材は、第1アームと第2アームとの間に介在されている。これにより、第1アームをベースとして、第2アームを感光体に向けて付勢することができる。そして、第2アームが付勢されることにより、第2アームの一端部に取り付けられた露光部材が感光体に向けて付勢され、感光体に対する一定位置に露光部材を位置決めすることができる。
【0017】
なお、第2アームの一端部と露光部材との間に付勢部材を介在させ、付勢部材の付勢力により露光部材を感光体に向けて付勢する構成が考えられる。しかし、この構成では、付勢部材の介在により、第2アームの一端部と露光部材との相対的な位置関係に遊びが生じ、この遊びのために、露光部材が感光体に対する一定位置に配置されていない状態で付勢されるおそれがある。これに対し、第1アームと第2アームとの間に付勢部材が介在される構成では、第1アームと第2アームとの相対的な位置関係に遊びが生じ、この遊びによる第2アームの他端部(第1アーム側の端部)の位置ずれが生じても、これがダイレクトに第2アームの一端部の位置ずれとなって現れない。よって、露光部材を感光体に対する一定位置に精度よく配置することができ、付勢手段による付勢により、露光部材を一定位置に良好に位置決めすることができる。
【0018】
請求項7に記載の発明によれば、第2アームの他端部は、移動軸に対して揺動可能に支持されている。そして、付勢部材は、移動軸と第2アームとの間に介在されている。
請求項8に記載の発明によれば、付勢部材は、装置本体と第1アームとの間に介在されている。画像形成装置は、第1ギヤと第2ギヤとを備えている。第1ギヤは、固定軸と一体的に回転する。また、第2ギヤは、円周上の一部にギヤ歯を有しており、このギヤ歯が第1ギヤと噛合して、第1ギヤに露光部材を進退させるための動力を伝達する。そして、露光部材が感光体から最も近接した状態では、第1ギヤに対する第2ギヤ(ギヤ歯)の噛合が解除される。この状態では、第2ギヤに対して第1ギヤがフリーであるので、第1アームが固定軸を中心に揺動可能である。したがって、露光部材が感光体から最も近接した状態で、第1アームが付勢されることにより、露光部材を感光体に対する一定位置に位置決めすることができる。
【0019】
請求項9に記載の発明によれば、感光体は、着脱方向に並列に複数設けられている。また、露光部材は、各感光体に対応して、着脱方向に並列に複数設けられている。着脱口か
ら最も離れた位置に配置された露光部材は、その他の露光部材と比較して、感光体に対する移動量が小さい。そのため、着脱口から最も離れた位置に配置された露光部材を感光体から退避させるために必要なスペースが小さくすむ。よって、そのスペース分の装置サイズの縮小を図ることができる。または、そのスペースに他の部材を配置するなど、装置本体内のスペースの有効利用を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
1.プリンタの全体構成
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の一例としてのプリンタの側断面図である。
プリンタ1は、ボックス形状に形成された装置本体2と、装置本体2上に支持部材3により支持されたフラットベッドスキャナ4とを備える、いわゆる複合機である。
(1)装置本体
装置本体2内には、感光体ユニットの一例としてのドラムユニット6が装着されている。ドラムユニット6は、ブラック、イエロー、マゼンタおよびシアンの4色の感光体の一例としての感光ドラム8を備えている。4色の感光ドラム8は、後述する搬送ベルト20による用紙Pの搬送方向に等間隔に並べて配置されている。さらに、ドラムユニット6には、各感光ドラム8に対応して、ドラムサブユニット9および現像器の一例としての現像カートリッジ10が備えられている。
【0021】
また、装置本体2内には、各感光ドラム8に対応して、LEDユニット24が設けられている。
感光ドラム8の回転に伴って、感光ドラム8の表面は、ドラムサブユニット9に備えられているスコロトロン型帯電器11によって一様に帯電された後、LEDユニット24からの光によって選択的に露光される。この露光により、感光ドラム8の表面には、画像データに基づく静電潜像が形成される。感光ドラム8の回転に伴って、静電潜像が現像カートリッジ10に備えられている現像ローラ16に対向すると、現像ローラ16から静電潜像にトナーが供給され、静電潜像がトナーによって可視像化される。これにより、感光ドラム8の表面上に、トナー像が形成される。
【0022】
装置本体2の底部には、用紙Pを収容する給紙カセット19が配置されている。給紙カセット19に収容されている用紙Pは、各種ローラにより、搬送ベルト20上に搬送される。搬送ベルト20は、4つの感光ドラム8に下方から対向して配置されている。感光ドラム8に対して搬送ベルト20の上側部分を挟んで対向する各位置には、転写ローラ21が配置されている。搬送ベルト20上に搬送された用紙Pは、搬送ベルト20の走行により、搬送ベルト20と各感光ドラム8との間を順次に通過する。そして、感光ドラム8の表面上のトナー像は、用紙Pと対向したときに、転写ローラ21に印加された転写バイアスによって、用紙Pに転写される。
【0023】
搬送ベルト20に対して用紙Pの搬送方向における下流側には、定着器22が設けられている。トナー像が転写された用紙Pは、定着器22に搬送される。定着器22では、加熱および加圧により、トナー像が用紙Pに定着される。トナー像が定着した用紙Pは、各種ローラにより、本体ケーシング2の上面の排紙トレイ23に排出される。
なお、以下の説明では、搬送ベルト20による用紙Pの搬送方向の上流側を前側(正面側)とし、その反対側の下流側を後側(背面側)とする。また、プリンタ1を前側から見たときを左右の基準とする。
(2)支持部材
図3は、図1に示すプリンタのIII−III線断面図である。
【0024】
支持部材3は、図3に示すように、装置本体2の上方に、装置本体2と一体的に設けられている。そして、支持部材3は、左右方向に互いに対向し、それぞれ前後方向に延びる1対の脚部28を有している。1対の脚部28の下端部同士は、排紙トレイ23により連結されている。なお、図1では、脚部28が仮想線で示されている。
各脚部28は、下方に向けて開放されるように形成されており、その内側の空間は、LEDユニット24の少なくとも一部を収容する収容空間として利用されている。
(3)フラットベッドスキャナ
フラットベッドスキャナ4は、支持部材3に固定される原稿台31と、原稿台31にヒンジ34を介して揺動可能に支持される押えカバー32とを備えている。
【0025】
原稿台31は、平面視矩形板状に形成されている。原稿台31の上面には、原稿が載置されるプラテンガラス33が設けられている。原稿台31の内部には、プラテンガラス33の下方に、プラテンガラス33上に載置された原稿の画像を読み取るためのCCDセンサ(図示せず)が備えられている。
2.フロントカバー
図2は、図1に示すプリンタにおいて、フロントカバーが開放された状態を示す側断面図である。
【0026】
装置本体2の前面には、着脱口7が形成されている。また、装置本体2の前面には、カバーの一例としてのフロントカバー5が着脱口7を開閉可能に設けられている。具体的には、装置本体2の前端部には、着脱口7の下方で左右方向に延びるカバー軸26が設けられている。カバー軸26には、側面視略U字状のカバーアーム27の一端が回動可能に支持されている。カバーアーム27の他端は、フロントカバー5の下端部の内面に固定されている。これにより、フロントカバー5は、カバーアーム27に支持され、カバー軸26を支点として、カバーアーム27と一体的に回動可能に設けられている。そして、フロントカバー5は、装置本体2の前面に沿って起立した状態(図1に示す状態)で着脱口7を閉塞し、装置本体2の前方に傾倒した状態(図2に示す状態)で着脱口7を開放する。
3.ドラムユニット
ドラムユニット6は、着脱口7が開放された状態で、前後方向のスライドにより、着脱口7を介して、装置本体2内に対して着脱させることができる。すなわち、着脱口7を開放して、ドラムユニット6を装置本体2内に向けて(後方に)押し込むことにより、ドラムユニット6を装置本体2内に装着することができる。また、着脱口7を開放して、装置本体2内からドラムユニット6を前方に引き出すことにより、ドラムユニット6を装置本体2内から離脱させることができる。
【0027】
そして、ドラムユニット6は、4つの感光ドラム8、4つのドラムサブユニット9および4つの現像カートリッジ10を一括して左右から挟む1対の側板25を備えている。側板25は、前後方向に延びる側面視略細長矩形板状に形成されている。側板25の後端部には、側面視略V字状の切欠部40が形成されている。ドラムユニット6が装置本体2内に装着されるときに、装置本体2内の後端部において左右方向に架設された基準軸41が切欠部40に嵌り込み、装置本体2に対するドラムユニット6の位置決めが達成される。また、側板25の上端部には、4つの位置決め用溝42が前後方向に等間隔で形成されている。各位置決め用溝42は、各感光ドラム8に対応し、側板25をその上端縁から対応する感光ドラム8の回転中心に向けて延びる略直線状に切り欠くことにより形成されている。
【0028】
1対の側板25間において、4つの感光ドラム8は、前後方向に等間隔に配置されている。そして、各感光ドラム8は、左右方向に延び、その両端部が側板25に回転可能に保持されている。各感光ドラム8の後方には、その感光ドラム8に対応するドラムサブユニット9が配置されている。各ドラムサブユニット9は、左右方向に延び、その両端部が側
板25に固定されている。
【0029】
4つの現像カートリッジ10は、1対の側板25間において、各感光ドラム8の前方に着脱可能に装着されている。現像カートリッジ10は、一端部に開口を有するボックス形状の筺体13を備えている。筐体13の一端部には、現像ローラ16がその周面の一部が露出した状態で回転可能に保持されている。現像カートリッジ10は、現像ローラ16の周面が感光ドラム8の周面に接触するように、その対応する感光ドラム8の前側上方から1対の側板25間に装着される。この装着状態において、筐体13は、上下方向に延び、側板25の上端縁よりも上方に大きく突出している。そして、筐体13における上端部(側板25の上端縁よりも上方に突出した部分)は、その後面が前方に少し窪んだ略直方体形状に形成されている。これにより、筐体13は、後述する案内部71に案内されるLEDヘッド18の移動経路を避けた外形を有している。
【0030】
なお、図面では、側板25の外形のみが示され、感光ドラム8や現像ローラ16などが側板25を透過して示されている。
4.LEDユニット
4つのLEDユニット24は、各感光ドラム8に対応して、前後方向に並列に設けられている。各LEDユニット24は、感光ドラム8の表面を露光するための露光部材の一例としてのLEDヘッド18と、このLEDヘッド18を感光ドラム8に対して進退させるための左右1対の進退機構51とを備えている。
【0031】
なお、図面(図1など)では、排紙トレイ23などがLEDユニット24を透過して示されている。
(1)LEDヘッド
LEDヘッド18は、多数のLEDを左右方向に並べた構成のLEDアレイ(図示せず)を内蔵している。LEDヘッド18の左端部および右端部には、それぞれ外方に突出する位置決めボス43が設けられている。
【0032】
左右の位置決めボス43の先端は、それぞれ装置本体2の左右の側板に形成された溝状の案内部71に嵌められている。案内部71は、各位置決め用溝42に対応して、装置本体2の各側板に4つずつ形成されている。各案内部71は、下端部がその対応する位置決め用溝42と側面視で重なり、前側上方に延び、後側が凸となる緩やかな円弧状をなしている。
(2)進退機構
左右1対の進退機構51は、それぞれLEDヘッド18の左端部および右端部に接続されている。各右方向両端部にそれぞれ左右1対設けられている。各進退機構51は、固定軸52、第1アーム53、移動軸54および第2アーム55を備えている。
【0033】
左右1対の進退機構51の固定軸52は、それぞれ支持部材3の左右の脚部28内に架設され、左右方向に延びる共通の固定軸線上に配置されている。そして、4つのLEDユニット24が前後方向に並列に設けられていることにより、各脚部28内には、4つの固定軸52が前後方向に等間隔で互いに平行をなして配置されている。
右側の脚部28内において、最前方に配置された固定軸52には、次に述べる第1アーム53の一端部に固定された入力ギヤ56が回動可能に支持されている。また、左右各側の脚部28内において、それぞれ最後方に配置された固定軸52には、第1アーム53の一端部に固定された伝達ギヤ59が回動可能に支持されている。
【0034】
第1アーム53は、細長い棒状に形成されている。そして、第1アーム53は、その一端部(基端部)が固定軸52に回動可能に支持されることにより、固定軸52の軸線を中心に揺動可能に設けられている。
移動軸54は、その軸線が左右方向に延び、第1アーム53の先端部(固定軸52に支持されている端部と反対側の端部)に回転不能に設けられている。これにより、移動軸54は、第1アーム55の揺動によって、固定軸52の軸線を中心とする円弧状の軌跡を描いて移動する。
【0035】
第2アーム55は、第1アーム53よりも少し短い棒状に形成されている。第2アーム55は、その基端部が移動軸54に回転可能に支持されている。より具体的には、第2アーム55の基端部には、第2アームの長手方向に延びる開口部が形成されており、この開口部に移動軸54が回転可能に挿通されている。これにより、第2アーム55は、移動軸54の軸線を中心に揺動可能に設けられている。そして、左右1対の進退機構51の第2アーム55の先端部間に、LEDヘッド18が左右方向に延びた状態に保持されている。
【0036】
また、第2アーム55の他端部に形成された開口部には、付勢部材の一例としてのコイルばね57が設けられている。コイルばね57の一端は、移動軸54に固定され、その他端は、開口部における先端縁に固定されている。すなわち、コイルばね57は、移動軸54と開口部の先端縁との間に介在されている。コイルばね57の付勢力により、第2アーム55は、その先端部が移動軸54から離間する方向に付勢されている。
【0037】
4つのLEDユニット24の左右各側において、前後方向に並ぶ4つの移動軸54は、前後方向に延びる側面視細長板状の連結部材58を回動可能に貫通し、その連結部材58により連結されている。そのため、連結部材58によって連結される4つの移動軸54は、互いに平行な状態を維持しつつ、それぞれ固定軸52の軸線を中心とする円弧状の軌跡を描いて移動する。
5.動力伝達機構
フロントカバー5と入力ギヤ56との間には、フロントカバー5の開閉に連動して、入力ギヤ56に進退機構51を動作させるための動力を伝達する動力伝達機構61が介在されている。
【0038】
動力伝達機構61は、ラックギヤ62と、ラックギヤ62と入力ギヤ56との間に介在される偶数個(この実施形態では、4つ)のギヤ63とを備えている。
ラックギヤ62は、揺動軸26を中心とする側面視略1/4円弧状に形成されており、その外周面に多数のギヤ歯を有している。ラックギヤ62の一端部は、フロントカバー5の内面の上下方向中央部に固定されている。
【0039】
偶数個のギヤ63は、互いに噛合して、1列のギヤ列を構成している。このギヤ列の一端のギヤ63は、ラックギヤ62に噛合している。ギヤ列の他端のギヤ63は、入力ギヤ56に噛合している。
なお、図面(図1など)では、ラックギヤ62の外形のみが示され、側板25などがラックギヤ62を透過して示されている。
6.同期機構
左右の伝達ギヤ59の間には、左右両側において最後方に配置された進退機構51の動きを同期させるための同期機構81が接続されている。
【0040】
同期機構81は、装置本体の左右の各側板に回転可能に保持された奇数個(この実施形態では、3つ)のギヤ83を備えている。左右各側の奇数個のギヤ83は、1列のギヤ列を構成し、左右対称をなしている。各ギヤ列の一端のギヤ83は、伝達ギヤ59に噛合している。そして、同期機構81は、各ギヤ列の他端のギヤ83の回転軸を連結する連結軸82を備えている。
【0041】
このような構成により、右側の伝達ギヤ59が回転すると、その回転が同期機構81に
より左側の伝達ギヤ59に伝達され、左側の伝達ギヤ59が側面視で右側の伝達ギヤ59と同じ方向に回転する。
7.LEDヘッドの進退動作
図1に示すように、フロントカバー5が着脱口7を閉塞した状態では、各LEDユニット24が露光姿勢をなす。この露光姿勢では、各LEDユニット24は、各現像カートリッジ10の後方に配置され、前後方向において現像カートリッジ10と重なる。具体的には、各LEDユニット24は、第1アーム53および第2アーム54が固定軸52と感光ドラム8との間で略直線状をなして伸長し、LEDヘッド18が感光ドラム8に上方から最も近接して対向する。そして、LEDヘッド18に設けられた各位置決めボス43は、先端が案内部71の下端に配置され、その左右方向の内側において、側板25の位置決め用溝42に嵌まり、コイルばね57の付勢力により位置決め用溝42の下端縁に押しつけられている。これにより、4つのLEDヘッド18は、それぞれ対応する感光ドラム8に対する一定位置に位置決めされ、その感光ドラム8の表面を良好に露光することができる。
【0042】
フロントカバー5が開かれると、その開放動作に伴い、ラックギヤ62が揺動軸26を中心に前方へ移動する。ラックギヤ62の移動は、ギヤ63で構成されるギヤ列を介して、入力ギヤ56に伝達される。これにより、入力ギヤ56が図中時計回りに回転し、入力ギヤ56に固定された第1アーム53が固定軸52を支点に図中時計回りに回転して、その先端部に設けられている移動軸54(右側の最前方の移動軸54)が前側上方に移動する。右側の4つの移動軸54が連結部材58により連結されているので、右側の最前方の移動軸54の移動に伴って、連結部材58が前側上方に移動し、右側の残り3つの移動軸54が前側上方に移動する。その結果、右側の4つの第1アーム53は、同期して、その先端部が前側上方に持ち上がるように回転する。
【0043】
さらに、4つの第1アーム53の回転に伴い、右側の最後方の第1アーム53に固定された伝達ギヤ59が図中時計回りに回転する。この右側の伝達ギヤ59の回転は、同期機構81により左側の伝達ギヤ59に伝達される。これにより、左側の伝達ギヤ59が図中時計回りに回転し、その伝達ギヤ59に固定された第1アーム53が固定軸52を支点に図中時計回りに回転して、その先端部に設けられている移動軸54(左側の最後方の移動軸54)が前側上方に移動する。左側の4つの移動軸54が連結部材58により連結されているので、左側の最後方の移動軸54の移動に伴って、左側の残り3つの移動軸54が前側上方に移動する。その結果、左側の4つの第1アーム53は、同期して、その先端部が前側上方に持ち上がるように回転する。
【0044】
すなわち、フロントカバー5が開かれると、その開放動作に伴い、すべての第1アーム53が同時に回転し、すべての移動軸54が前側上方に同時に移動する。
各移動軸54が前側上方に移動することにより、各第2アーム55が上方に持ち上げられる。この各第2アーム55の移動に伴って、各LEDヘッド18が上方に移動する。各LEDヘッド18に設けられた位置決めボス43が案内部71に嵌っているので、このとき位置決めボス43が案内部71に案内され、各LEDヘッド18は、案内部71に沿って上方に移動する。このように、移動軸54が前側上方に移動し、LEDヘッド18が案内部71に沿って上方に移動することにより、第1アーム53および第2アーム55は、第2アーム55の先端部(LEDヘッド18)が後側に向いたV字状に折りたたまれる(屈折する)。
【0045】
図2に示すように、フロントカバー5が完全に開けられると、各LEDユニット24が退避姿勢をなす。この退避姿勢では、各LEDヘッド18に設けられた位置決めボス43は、案内部71の上端に配置され、各LEDヘッド18は、感光ドラム8から最も退避する。これにより、各LEDユニット24は、各現像カートリッジ10の上方に配置され、
ドラムユニット6の着脱経路から離脱する。そして、左右の進退機構51は、第1アーム53および第2アーム55が最も鋭角をなすように折りたたまれた状態で、その一部がそれぞれ左右の脚部28に収容される。
【0046】
各LEDユニット24がドラムユニット6の着脱経路から離脱しているので、ドラムユニット6を、各LEDユニット24との干渉を生じることなく、装置本体2内に対して着脱させることができる。
8.作用効果
以上のように、装置本体2には、着脱口7が形成されている。装置本体2内には、着脱口7を介して、感光ドラム8を有するドラムユニット6が着脱可能に装着される。また、装置本体2内には、感光ドラム8を露光するためのLEDヘッド18と、このLEDヘッド18を装置本体2に対するドラムユニット6の着脱方向と交差する方向において、感光ドラム8に対して進退させるための進退機構51とが備えられている。
【0047】
進退機構51は、装置本体2に対して軸線が固定された固定軸52と、一端部が固定軸52を中心に回動可能に支持された第1アーム53と、装置本体2に対して軸線が移動可能な移動軸54と、一端部がLEDヘッド18を保持し、他端部が移動軸54を介して第1アーム53の一端部に連結されており、移動軸54の軸線を中心に揺動可能に設けられた第2アーム55とを含んでいる。これにより、第1アーム53および第2アーム55を、第2アーム55の一端部が第1アーム53に近接または離間するように屈伸させることができる。移動軸54を移動させながら、第2アーム55の一端部を第1アーム53に近接させることによって、第2アーム55の一端部に保持されているLEDヘッド18を感光ドラム8に対して退避させることができる。その結果、装置本体2内におけるドラムユニット6の上方には、第2アーム55の一端部が第1アーム53に近接した状態で、LEDヘッド18および進退機構51を収容できるスペースが確保されていればよく、LEDヘッド18を感光ドラム8から退避させるためのスペースの縮小を図ることができる。
【0048】
また、装置本体2には、着脱口7を開閉するフロントカバー5が設けられている。フロントカバー5と進退機構51とには、動力伝達機構61が連結されている。動力伝達機構61は、フロントカバー5の開放に連動して、進退機構51にLEDヘッド18を感光ドラム8から退避させるための動力を伝達する。これにより、フロントカバー5が開放に連動してLEDヘッド18を退避させることができる。
【0049】
また、第2アーム55の一端部は、LEDヘッド18が感光ドラム8から最も退避された状態で、後方(着脱口7から離反する方向)に向けられる。これにより、LEDヘッド18が装置本体2の着脱口7側に向かって露出することがなく、LEDヘッド18に傷やゴミが付着することを防止することができる。
また、移動軸54は、LEDヘッド18が感光ドラム8から退避されるときに、前方に向けて移動される。これにより、LEDヘッド18が感光ドラム8から退避されるときに、第2アーム55の一端部が後方に向けられるとともに、第2アーム55の他端部が前方に配置される。
【0050】
また、装置本体2には、円弧状の案内部71が設けられている。LEDヘッド18は、案内部71に案内されて進退する。また、ドラムユニット6は、感光ドラム8にトナーを供給するための現像カートリッジ10を備えている。現像カートリッジ10は、案内部71に案内されるLEDヘッド18の移動経路を避けた外形を有している。これにより、LEDヘッド18が円弧状の案内部71に案内されて進退されるときに、LEDヘッド18が現像カートリッジ10に接触することを防止することができる。
【0051】
また、LEDヘッド18を感光ドラム8に向けて付勢するコイルばね57が備えられて
いる。これにより、LEDヘッド18は、コイルばね57による付勢力を受けて、感光ドラム8を露光可能な位置に位置決めされる。
上記の実施形態において、コイルばね57は、移動軸54と第2アーム55との間に介在されているとしたが、コイルばね57は、第1アーム53と第2アーム55との間に介在されていればよい。これにより、第2アーム55を感光ドラム8に向けて付勢することができ、第2アーム55の一端部に取り付けられたLEDヘッド18を、感光ドラム8を露光可能な位置に位置決めすることができる。
9.第2の実施形態
図4は、本発明の他の実施形態に係るプリンタの側断面図である。また、図5は、図4に示すプリンタにおいて、カバーが開放された状態を示す側断面図である。なお、図4および5において、図1および2に示す各部に相当する部分には、それらの各部と同一の参照符号を付している。また、以下では、図4および5に示す構成に関して、図1および2に示す構成との相違点を中心に説明し、図1および2に示す各部に相当する部分についての説明を省略する。
【0052】
図1および2に示すプリンタ1では、移動軸54と第2アーム55との間にコイルばね57が介在されているのに対し、図4および5に示すプリンタ100では、そのコイルばね57が省略され、各第1アーム53の長手方向途中部と支持部材3の脚部28との間に、付勢部材の一例としてのコイルばね101が介在されている。
また、第1ギヤの一例としての入力ギヤ56に噛合する第2ギヤの一例としてのギヤ63は、その周面の一部にギヤ歯が形成されていない欠け歯部分63aを有する欠け歯ギヤとなっている。フロントカバー5が閉じられ、LEDユニット24が露光姿勢をなすときに、そのギヤ63の欠け歯部分63aが入力ギヤ56に対向し、ギヤ63と入力ギヤ56との噛合が解除される。この状態からギヤ63が回転すると、ギヤ63が入力ギヤ56に噛合し、ギヤ63の回転に伴って、入力ギヤ56が回転する。
【0053】
また、左右の各連結部材58において、入力ギヤ56に固定された第1アーム53の先端の移動軸54を除いて、その他の移動軸54は、前後方向に長い略長方形状の貫通孔102に挿通されている。
このような構成により、各LEDユニット24が露光姿勢をなすときに、ギヤ63の欠け歯部分63aが入力ギヤ56と対向する範囲内において、その入力ギヤ56に固定された第1アーム53は揺動可能である。また、その他の第1アーム53は、貫通孔102内で移動軸54が移動可能な範囲内において揺動可能である。そして、各第1アーム53がコイルばね101の付勢力により後方に付勢されることにより、各LEDヘッド18に設けられた各位置決めボス43が位置決め用溝42の下端縁に押しつけられ、4つのLEDヘッド18は、それぞれ対応する感光ドラム8に対する一定位置に位置決めされる。
【0054】
この図4および5に示すプリンタ100の構成によっても、図1および2に示すプリンタ1と同様な効果を奏することができる。
なお、入力ギヤ56に噛合するギヤ63は、欠け歯ギヤであるとしたが、このギヤ63としてセクタギヤが採用されてもよい。
10.第3の実施形態
図6は、本発明のさらに他の実施形態に係るプリンタの側断面図である。また、図7は、図6に示すプリンタにおいて、カバーが開放された状態を示す側断面図である。なお、図6および図7において、図1および2に示す各部に相当する部分には、それらの各部と同一の参照符号を付している。また、以下では、図6および7に示す構成に関して、図1および2に示す構成との相違点を中心に説明し、図1および2に示す各部に相当する部分についての説明を省略する。
【0055】
図6および7に示すプリンタ110では、左右の各連結部材58の後端部は、後側下方
に向けて延びている。より具体的には、各連結部材58の後端部は、LEDユニット24が露光姿勢から退避姿勢へと変位されるときに連結部材58が移動する方向と逆方向に延びている。そして、その後側下方に延びる部分には、屈曲部分に沿った形状の長孔111が形成されており、最後方の左右の進退機構51の移動軸54がスライド可能に挿通されている。
【0056】
フロントカバー5が閉じられ、各LEDユニット24が露光姿勢をなすとき、最後方の左右の進退機構51の移動軸54は、長孔111の上端部に配置されている。フロントカバー5が開かれ、その開放動作に伴い、左右の各連結部材58が連結部材58が前側上方に移動する。このとき、左右各側において、前方の3つの移動軸54は、各連結部材58の移動に伴って、それぞれ前側上方に移動する。一方、最後方の移動軸54は、絶対的な位置が変わらず、長孔111内を下端部に向かって相対的に移動する。そのため、前方の3つのLEDヘッド18は、上方に持ち上げられ、最後方のLEDヘッド18は、感光ドラム8に最も近接した位置から移動しない。
【0057】
そして、最後方の移動軸54が長孔111の下端部に配置された後、各連結部材58がさらに移動すると、最後方の移動軸54が前側上方に移動し、最後方のLEDヘッド18が前方3つのLEDヘッド18に遅れて上方に持ち上げられる。そのため、最後方のLEDヘッド18は、その他のLEDヘッド18と比較して感光ドラム8に対する移動量が小さい。
【0058】
図7に示すように、フロントカバー5が完全に開けられた状態で、最後方のLEDユニット24は、前後方向において現像カートリッジ10と重なる。しかし、最後方のLEDユニット24は、LEDヘッド18が側板25の上端縁よりも上方に配置されることにより、ドラムユニット6の着脱経路から離脱しているので、ドラムユニット6を、各LEDユニット24との干渉を生じることなく、装置本体2内に対して着脱させることができる。
【0059】
以上のように、着脱口7から最も離れた位置に配置された最後方のLEDヘッド18は、その他のLEDヘッド18と比較して、感光ドラム8に対する移動量が小さい。これにより、その最後方のLEDヘッド18を感光ドラム8から退避させるために必要なスペースが小さくすむ。よって、そのスペース分の装置サイズの縮小を図ることができる。または、そのスペースに他の部材を配置するなど、装置本体2内のスペースの有効利用を図ることができる。
11.変形例
たとえば、前述の各実施形態において、同期機構81が省略され、右側の最前方の進退機構51にも入力ギヤ56が設けられ、この入力ギヤ56との間に動力伝達機構61が介在されてもよい。
【0060】
また、連結部材58が省略され、各固定軸52とそれぞれ一体的に回転するギヤ歯が取り付けられて、前後方向に並ぶ各固定軸52間に動力を伝達するためのギヤ列が設けられてもよい。
また、図4および5に示すプリンタ100では、各第1アーム53にコイルばね101が接続されているが、コイルばね101は、少なくとも1つ設けられ、いずれかの第1アーム53に接続されていればよい。この場合、各移動軸54は、連結部材58に遊びなく挿通される。これにより、コイルばね101が連結されている第1アーム53が付勢されると、その付勢力が連結部材58を介して他の第1アーム53に伝達される。
【0061】
また、前述の各実施形態では、露光部材の一例として、複数のLEDを備えるLEDヘッド18を取り上げたが、露光部材は、LEDヘッド18に限らず、複数の発光部を備え
る他の構成のものを採用することもできる。複数の発光部は、1つの発光素子から構成されていてもよい。たとえば、発光素子として、蛍光灯などのバックライトを一つ用意し、バックライトの外側に、左右方向に一列に並んだ液晶またはPLZT素子の光学シャッタが設けられた構成が採用されてもよい。つまり、1つの発光素子と1列の光学シャッタを合わせることで1列に並んだ複数の発光部を形成することができる。また、発光部は、左右方向に1列に並べる構成ではなく、複数列並べる構成としてもよい。さらに、発光素子としては、LEDに限らず、EL(エレクトロ・ルミネッセンス)素子および蛍光体などを用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の一例としてのプリンタの側断面図である。
【図2】図1に示すプリンタにおいて、カバーが開放された状態を示す側断面図である。
【図3】図1に示すプリンタのIII−III線断面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係るプリンタの側断面図である。
【図5】図4に示すプリンタにおいて、カバーが開放された状態を示す側断面図である。
【図6】本発明の第3の実施形態に係るプリンタの側断面図である。
【図7】図6に示すプリンタにおいて、カバーが開放された状態を示す側断面図である。
【符号の説明】
【0063】
1 プリンタ
2 装置本体
5 カバー
6 ドラムユニット
7 着脱口
8 感光ドラム
10 現像カートリッジ
18 LEDヘッド
51 進退機構
52 固定軸
53 第1アーム
54 移動軸
55 第2アーム
56 第1ギヤ
57 コイルばね
61 動力伝達機構
63a 第2ギヤ
71 案内部
101 コイルばね

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着脱口が形成された装置本体と、
感光体を有し、前記着脱口を介して前記装置本体内に着脱可能に装着される感光体ユニットと、
前記装置本体に取り付けられ、前記感光体を露光するための露光部材と、
前記装置本体に対する前記感光体ユニットの着脱方向と交差する方向において、前記露光部材を前記感光体に対して進退させるための進退機構とを備え、
前記進退機構は、前記装置本体に対して軸線が固定された固定軸と、一端部が前記固定軸の軸線を中心に回動可能に支持された第1アームと、前記装置本体に対して軸線が移動可能な移動軸と、一端部が前記露光部材を保持し、他端部が前記移動軸を介して前記第1アームの前記一端部に連結されており、前記移動軸の軸線を中心に揺動可能に設けられた第2アームとを含むことを特徴とする、画像形成装置。
【請求項2】
前記着脱口を開閉するカバーと、
前記カバーと前記進退機構とに連結され、前記カバーの開放に連動して、前記進退機構に前記露光部材を前記感光体から退避させるための動力を伝達する動力伝達機構とを備えることを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第2アームの前記一端部は、前記露光部材が前記感光体から最も退避された状態で、前記着脱口から離反する離反方向に向けられることを特徴とする、請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記移動軸は、前記露光部材が前記感光体から退避されるときに、前記離反方向と逆方向に向けて移動されることを特徴とする、請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記露光部材を前記感光体に向けて付勢する付勢部材をさらに備えることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記付勢部材は、前記第1アームと前記第2アームとの間に介在されていることを特徴とする、請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第2アームの前記他端部は、前記移動軸に対して揺動可能に支持され、
前記付勢部材は、前記移動軸と前記第2アームとの間に介在されていることを特徴とする、請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記固定軸と一体的に回転する第1ギヤと、
円周上の一部にギヤ歯を有しており、前記ギヤ歯が前記第1ギヤと噛合して、前記第1ギヤに前記露光部材を進退させるための動力を伝達し、前記露光部材が前記感光体に最も近接した状態で、前記第1ギヤに対する前記ギヤ歯の噛合が解除される第2ギヤとを備え、
前記付勢部材は、前記装置本体と前記第1アームとの間に介在されていることを特徴とする、請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記感光体は、前記着脱方向に並列に複数設けられ、
前記露光部材は、各前記感光体に対応して、前記着脱方向に並列に複数設けられており、
前記着脱口から最も離れた位置に配置された前記露光部材は、その他の前記露光部材と比較して、前記感光体に対する移動量が小さいことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2011−221563(P2011−221563A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−173637(P2011−173637)
【出願日】平成23年8月9日(2011.8.9)
【分割の表示】特願2010−201699(P2010−201699)の分割
【原出願日】平成20年4月25日(2008.4.25)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】