画像形成装置
【課題】省電力状態でも、装置情報の要求があったときに適時にその情報を送信でき、消費電力を低く抑えることができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】一時中間復帰状態154と、省エネ状態152とで動作可能な画像形成装置は、装置情報を記憶する大容量HDD64と、フラッシュメモリ70と、一時中間復帰状態154では大容量HDD64およびフラッシュメモリ70に電力を供給し、省エネ状態152ではフラッシュメモリ70のみに電力を供給する電源と、装置情報についての要求を受信すると、フラッシュメモリ70から当該要求に対応する装置情報を検索して返信するサブコントローラ74と、省エネ状態152においてサブコントローラ74による検索が失敗したときに画像形成装置を一時中間復帰状態154に復帰させ、大容量HDD64から装置情報を検索して返信するシステムコントローラ62とを含む。
【解決手段】一時中間復帰状態154と、省エネ状態152とで動作可能な画像形成装置は、装置情報を記憶する大容量HDD64と、フラッシュメモリ70と、一時中間復帰状態154では大容量HDD64およびフラッシュメモリ70に電力を供給し、省エネ状態152ではフラッシュメモリ70のみに電力を供給する電源と、装置情報についての要求を受信すると、フラッシュメモリ70から当該要求に対応する装置情報を検索して返信するサブコントローラ74と、省エネ状態152においてサブコントローラ74による検索が失敗したときに画像形成装置を一時中間復帰状態154に復帰させ、大容量HDD64から装置情報を検索して返信するシステムコントローラ62とを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は画像処理装置に関し、特に、省エネルギー動作モード(以下「省エネモード」と呼ぶ。)で動作する装置におけるエネルギー消費量の削減技術に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置には、プリンタ、スキャナ、ファクシミリ装置、又は複写機、若しくはそれら機能を複数個持つ複合機がある。一般に、画像形成装置は、ネットワーク又は電話回線等の通信媒体を介して外部装置(計算機や他の画像形成装置等)と通信を行なうための通信装置(NIC(Network Interface Card)又はモデム(Modulator−Demodulator)など)を持つ。
【0003】
このような画像形成装置には、ある条件が成立すると省電力状態に移行する機能を持つものがある。省電力状態とは、画像形成装置の通常動作時よりも消費電力が小さな動作状態をいう。一般的には、画像形成装置が持つ操作入力部に対する操作も、通信装置を通じた外部装置からのデータ受信もない状態が一定時間以上継続した場合に、画像形成装置は省電力状態に移行する。省電力状態で動作するモードは一般に、スリープモードと呼ばれ、スリープモードに移行する機能はスリープ機能と呼ばれる。
【0004】
画像形成装置のうち、電力消費の大きい部品は定着装置及び制御回路などである。例えば定着装置はヒータを持ち通常動作ではヒータを動作させるため消費電力は大きい。省電力状態では、定着装置及び制御回路等に対する通電(電力供給)が遮断される。一方、通信装置については、電力供給が維持されることが多い。なぜなら、省電力状態である場合でも、外部装置からの要求に応答する必要があるためである。そのような要求があったときには、電力供給を受けていない機器を通常の動作状態に自動的に復帰させなければならない。
【0005】
画像形成装置が省電力状態にあるときに、画像形成装置に対して外部装置から何らかの処理が要求される場合がある。例えば画像形成要求を受けたときなどには、ハードディスクドライブ(HDD)を用いて画像を形成する処理を行なう必要がある。一方、省電力状態ではHDDは停止されている。したがって、このような要求に対する応答のためにはHDDを起動しなければならない。
【0006】
特開2009−229747号(特許文献1)は、省電力状態にあるときに画像形成要求を受け付けると、以下のような動作をする画像形成装置を開示している。この画像形成装置は、メモリの記憶容量を超える画像データを一度に記憶する必要がある場合にはHDDを通常動作に復帰させる。メモリの記憶容量を超える画像データを一度に記憶する必要がない場合には、HDDを通常動作に復帰させない。この構成によりHDDの消費電力を抑えることができる。
【0007】
特開2007−114620号(特許文献2)は、省電力モード時には電力が供給されないメモリ(第1のメモリ)と、省電力モード時にも電力が供給されるメモリ(第2のメモリ)とを持つ画像形成装置において、制御プログラムをダウンロードしたときのために以下のような機能を開示している。この画像形成装置は、ダウンロードされたモジュールが省電力モード時には動作しないモジュールである場合には、そのモジュールを第1のメモリに記憶する。ダウンロードされたモジュールが省電力モード時に電源が供給されないメモリに記憶し、ダウンロードしたモジュールが省電力モード時にも動作可能な場合は、そのモジュールを第2のメモリに記憶する。この構成によれば、省電力モード時には第2のメモリのみに電力供給をしておけばよい。第1のメモリへの電力供給は省電力モード時には遮断可能である。したがって省電力モード時のメモリ全体での電力消費の低減を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−229747号公報
【特許文献2】特開2007−114620号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記先行技術文献に記載された画像形成装置はいずれも、省電力動作中に外部から受信したデータを記憶する際に、記憶のためのメモリの消費電力を削減するという目的を達成できる。しかし、そのように記憶すべきデータを外部から受けたときだけでなく、他の場合にも省電力時の消費電力を小さくすることができれば望ましい。例えば、省電力動作中に外部から何らかの情報を送信するように要求されたときに、できるだけ消費電力の増加を抑えながら、必要な情報を適時に送信できるようにすることが好ましい。
【0010】
本発明は、省電力状態であっても、外部装置から何らかの情報に対する要求があったときに適時にその情報を送信できるようにするとともに、省電力状態での消費電力を低く抑えることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のある局面に係る画像形成装置は、第1の動作モードと、第1の動作モードより消費電力量の少ない第2の動作モードとで動作可能な画像形成装置である。この画像形成装置は、画像形成装置に関する装置情報を記憶する第1のメモリと、第1のメモリよりも動作時の電力が少なく、かつ容量も小さな第2のメモリと、第1の動作モードでは第1のメモリおよび第2のメモリに電力を供給し、第2の動作モードでは第1のメモリには電力を供給せず、第2のメモリに電力を供給するための電源手段と、外部から画像形成装置に関する装置情報についての要求を受信するための受信手段と、第2のメモリおよび受信手段に接続され、第2の動作モードにおいて、受信手段が画像形成装置を構成する装置の装置情報に関する要求を受けたことに応答して、第2のメモリから当該要求に対応する装置情報を検索して返信する第1の検索手段と、第1のメモリ、電源手段、および第1の検索手段に接続され、第2の動作モードにおいて、第1の検索手段による装置情報の検索が失敗したことに応答しての動作モードを第1の動作モードに変更し、第1のメモリから要求に対応する装置情報を検索して返信するための第2の検索手段とを含む。
【0012】
第2の動作モードでは、画像形成装置の消費電力が第1の動作モードのときよりも少ない。この動作モードでは、第1のメモリには電力は供給されず、第2のメモリのみに電力が供給される。受信手段が装置情報に対する要求を受けると、第1の検索手段が第2のメモリからその装置情報を検索して応答する。第1の検索手段による検索が失敗すると、第2の検索手段が画像形成装置の動作モードを第1の動作モードに変更する。第1の動作モードでは消費電力が多くなるが、第1のメモリにも電力が供給される。したがって第2の検索手段は第1のメモリから装置情報を検索できる。
【0013】
第2の動作モードで画像形成装置が動作しているときに装置情報に対する要求があったときにも、画像形成装置の動作モードを第1の動作モードに戻すことなく装置情報を返信することが可能になる。第2のメモリに所望の装置情報が記憶されていないときには、画像形成装置を第1の動作モードにして、第2の検索手段で装置情報を第1のメモリから検索して応答できる。
【0014】
画像形成装置が第2の動作モードにあるときに、装置情報の要求があったときに、画像形成装置を第1の動作モードに復帰させる必要が生ずる頻度を少なくできる。その結果、第1の動作モードよりも省電力な状態である第2の動作モードであっても、外部装置から何らかの装置情報に対する要求があったときに適時にその情報を送信できるとともに、省電力状態での消費電力を低く抑えることができる画像形成装置を提供することができる。
【0015】
好ましくは、画像形成装置はさらに、第1のメモリに記憶された装置情報のうち、予め定める装置情報を第2のメモリにコピーするためのコピー手段を含む。
【0016】
外部から要求される頻度が高い装置情報が分かっている場合、又は外部から要求される装置情報が固定されている場合がある。そうした場合、それらの装置情報を第2のメモリにコピーしておくことにより、要求に対して第2のメモリのみから装置情報を検索して応答できる確率が高くなる。その結果、第2の動作状態での消費電力を低く抑えることができる。
【0017】
より好ましくは、画像形成装置はさらに、受信手段に接続され、受信手段が受信した各装置情報の要求の頻度を算出するための頻度算出手段と、頻度算出手段により算出された頻度が最も高い装置情報から順番に、装置情報を第2のメモリにコピーするためのコピー手段とを含む。
【0018】
頻度算出手段は、各装置情報に対する要求の頻度を算出する。この頻度に基づき、コピー手段が、頻度の高いものから順番に装置情報を第2のメモリにコピーする。装置情報に対する要求があったときに、第2のメモリのみから装置情報を検索して応答できる確率が高くなる。その結果、第2の動作状態での消費電力を低く抑えることができる。
【0019】
さらに好ましくは、頻度算出手段は、受信手段に接続され、受信手段が装置情報に対する要求を受けたことに応答して、当該要求を受ける直前の予め定められる時間期間内に受信した装置情報の要求の頻度を算出するための手段を含む。
【0020】
装置情報の要求の頻度の計算が、要求を受ける直前の予め定められる時間期間内の要求に基づいて行なわれる。装置情報の要求の頻度として最新の情報が用いられるため、要求に対して第2のメモリのみから装置情報を検索して応答できる確率が高くなる。その結果、第2の動作状態での消費電力を低く抑えることができる。
【0021】
コピー手段は、頻度算出手段により算出された頻度が高い順に、かつ第2のメモリにコピー可能な容量を超える大きさのものは除外して、第1のメモリに記憶された装置情報を第2のメモリにコピーするための手段を含んでもよい。
【0022】
装置情報を第2のメモリにコピーする際、頻度算出手段により算出された頻度が高い順に装置情報が選択される。第2のメモリにコピー可能な容量を超える大きさの装置情報については除外される。頻度が他より小さくても、装置情報の容量の小さなものが追加して第2のメモリにコピーされる。したがって、要求に対して第2のメモリのみから装置情報を検索して応答できる確率が高くなる。その結果、第2の動作状態での消費電力を低く抑えることができる。
【0023】
好ましくは、画像形成装置はさらに、第1の動作モードにおいて、所定の条件が成立すると画像形成装置を第2の動作モードに移行するための移行手段と、受信手段に接続され、受信手段が受信した各装置情報の要求の頻度を算出するための頻度算出手段と、頻度算出手段により算出された頻度が最も高い装置情報から順番に、装置情報を第2のメモリにコピーするためのコピー手段とを含む。
【0024】
より好ましくは、画像形成装置は、当該画像形成装置に関する装置情報のうち、第2のメモリに記憶する装置情報以外の装置情報を第1のメモリに記憶する。
【0025】
さらに好ましくは、画像形成装置はさらに、画像形成装置が第1の動作モードで動作しているときに所定時間間隔で第1のメモリおよび第2のメモリに記憶させる装置情報を決定し更新するための装置情報管理手段を含む。
【0026】
画像形成装置はさらに、画像形成装置が第1の動作モードで動作しているときに画像形成装置の状態変化を検知するための検知手段と、検知手段により画像形成装置の状態変化が検知されたことに応答して、当該状態変化に応じて、第1のメモリに記憶されている、当該状態変化を反映すべき装置情報を更新するための手段とを含んでもよい。
【0027】
より好ましくは、画像形成装置はさらに、検知手段により画像形成装置の状態変化が検知されたことに応答して、当該状態変化に応じて、第2のメモリに記憶されている、当該状態変化を反映すべき装置情報を更新するための手段を含む。
【0028】
さらに好ましくは、画像形成装置はさらに、第1のメモリ、および受信手段に接続され、第1の動作モードにおいて、受信手段が画像形成装置を構成する装置の装置情報に関する要求を受けたことに応答して、第2のメモリに当該要求に対応する装置情報が記憶されていれば第2のメモリから、第2のメモリに当該要求に対応する装置情報が記憶されていなければ第1のメモリから、装置情報を検索して返信するための第3の検索手段を含む。
【0029】
画像形成装置はさらに、第1のメモリ、および受信手段に接続され、第1の動作モードにおいて、受信手段が画像形成装置を構成する装置の装置情報に関する要求を受けたことに応答して、第1のメモリから当該要求に対応する装置情報を検索して返信するための第3の検索手段を含んでもよい。
【0030】
好ましくは、画像形成装置は、第1の動作モードより消費電力量が大きな第3の動作モードでも動作可能である。画像形成装置はさらに、画像形成装置に対し、画像形成装置の装置情報についての要求と異なる要求入力を受付けるための入力手段と、画像形成装置が第1の動作モード又は第3の動作モードにあるときに、所定時間、要求入力手段による入力がされないときには画像形成装置を第2の動作モードに移行させ、画像形成装置が第2の動作モードにあるときに、入力手段による入力があったときには画像形成装置を第3の動作モードに移行させるためのモード遷移手段とを含む。
【発明の効果】
【0031】
以上のように本発明によれば、画像形成装置が省電力である第2の動作モードにあるときに装置情報に対する要求があると、第1の検索手段が第2のメモリからその装置情報を検索して応答する。画像形成装置の動作モードを第1の動作モードに戻すことなく装置情報を返信することが可能になる。したがって、省電力動作状態である第2の動作モードにおける画像形成装置の消費電力を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る複合機30のハードウェアブロック図である。
【図2】図1に示す複合機30の一部である複合機メインモジュール50の機能ブロック図である。
【図3】図1に示す複合機30の一部である省エネ機能モジュール52(省エネNIC)の機能ブロック図である。
【図4】図1に示す複合機30の状態遷移図である。
【図5】複合機30において、省エネモードへの移行判断および復帰を行なうプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図6】図5に制御構造を示すプログラムにおいて通常動作モード中に複合機30がストレージデバイスの記憶情報更新を行なう際に実行されるルーチンの制御構造を示すフローチャートである。
【図7】図5に制御構造を示すプログラムにおいて、複合機30を通常動作モードから省エネモードに移行する際に実行されるルーチンの制御構造を示すフローチャートである。
【図8】図5に制御構造を示すプログラムにおいて、複合機30を省エネモードから通常動作モードに復帰させる際に実行されるルーチンの制御構造を示すフローチャートである。
【図9】図5に制御構造を示すプログラムにおいて、複合機30が省エネモードにあるときに、外部から装置情報に対する要求を受けたときに実行されるルーチンの制御構造を示すフローチャートである。
【図10】図9に制御構造を示すプログラムにおいて、要求された装置情報がHDDに存在しているときに実行されるルーチンの制御構造を示すフローチャートである。
【図11】図5に制御構造を示すプログラムにおいて、装置情報の更新を行なう際に実行されるルーチンの制御構造を示すフローチャートである。
【図12】図5に制御構造を示すプログラム及び図10に制御構造を示すプログラムにおいて、要求された情報の要求頻度を示すデータを更新するためのルーチンの制御構造を示すフローチャートである。
【図13】第2の実施の形態に係る複合機において、複合機を通常動作モードから省エネモードに移行する際に実行されるルーチンの制御構造を示すフローチャートである。
【図14】第2の実施の形態に係る複合機において、複合機を省エネモードから通常動作モードに復帰させる際に実行されるルーチンの制御構造を示すフローチャートである。
【図15】第2の実施の形態に係る複合機において、装置情報の更新を行なう際に実行されるルーチンの制御構造を示すフローチャートである。
【図16】第2の実施の形態に係る複合機において、要求された情報の要求頻度を示すデータを更新するためのルーチンの制御構造を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下の説明及び図面において、同一の部品には同一の参照番号を付してある。それらの名称及び機能も同一である。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。以下に説明する実施の形態では、画像形成装置として複合機を想定している。しかし本発明はそのような実施の形態には限定されない。通信装置を持ち、通常動作モード(または一時復帰モード)と省エネ動作モードのように、消費電力の異なる動作モードで動作可能で、外部から画像形成装置に関する情報(装置情報)の照会があったときにはその情報を返信する機能を持つ画像形成装置であれば、どのようなものにも適用できる。
【0034】
なお、装置情報とは、複合機30を管理するために必要な情報である。例えば用紙トレイ内の用紙の状態、排紙トレイの状態、トナーの状態、複合機デバイス群60の構成、メモリおよびハードディスクの全記憶容量および使用済の記憶領域の容量、追加のソフトウエアの有無、ネットワークの状態(アドレス、通信プロトコル、所属ドメイン、デフォルトゲートウェイ、ネットワーク上の種々のサーバのアドレス、LANのステータス、ユーザ管理情報、エラーの発生状態、ジョブログ、セキュリティ設定などが装置情報である。
【0035】
[第1の実施の形態]
〈構成〉
図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る複合機30は、複合機メインモジュール50と、複合機メインモジュール50及びネットワーク32に接続された省エネ機能モジュール52とを含む。複合機30は、通常動作モードと、省エネモードと、省エネモード時に、一時的に省エネモードと通常動作モードとの中間の一時中間復帰状態との3つの動作モードを持つ。
【0036】
複合機メインモジュール50は、複合機30の基本的機能を実現するためのものである。概略的に言えば、複合機メインモジュール50は、複合機デバイス群60と、大容量HDD64と、これら複合機デバイス群60及び大容量HDD64に接続され、これらを制御するシステムコントローラ62とを含む。複合機デバイス群60、大容量HDD64及びシステムコントローラ62への電力供給は、いずれも省エネ機能モジュール52により制御される。
【0037】
省エネ機能モジュール52は、複合機メインモジュール50に対する電力供給を行なう複合機電源ユニット72と、小容量のフラッシュメモリ70とを含む。省エネ機能モジュール52はさらに、複合機電源ユニット72と、小容量のフラッシュメモリ70と、システムコントローラ62と、ネットワーク32とに接続されたサブコントローラ74を含む。サブコントローラ74は、複合機30の、通常動作モード又は一時中間復帰状態と省エネモードとの間の遷移、及び外部から装置情報の送信要求を受けたときの複合機30の動作を制御する。その詳細については後述する。
【0038】
複合機30に対して装置情報の要求を送信してくる外部機器としては、ネットワーク32に接続された、複合機30を管理するユーザのPC(パーソナルコンピュータ)34と、複合機30のベンダに所属するサービスマン用のサポートマシン36とがある。複合機30内部には、図示していないWEBサーバが稼動している。PC34などからこのWEBサーバに対するアクセスに応じ、複合機30の管理のための機器情報の送信及び更新などを行なうためのプログラムが起動される。なお、本実施の形態では、ユーザのPC34およびサポートマシン36のいずれもネットワーク32経由で複合機30に接続されているものとしている。しかし本発明はそのような実施の形態には限定されない。例えばサポートマシン36が公衆回線を通じて複合機30に接続するような構成でも良い。この場合、複合機30には公衆回線への接続装置(モデムなど)が必要になる。
【0039】
大容量HDD64は大容量で消費電力が大きい。大容量HDD64には、スキャン画像データ、複合機30のユーザの個人フォルダデータ及びユーザの共有フォルダデータ、複合機30の管理に関する詳細なWEBページデータ、サービスマン用の詳細サポート情報データなど、ユーザが複合機30を使用し管理するために必要な、大容量の情報が記憶される。
【0040】
フラッシュメモリ70は大容量HDD64よりはるかに小さな容量しか持たず、消費電力も桁違いに小さい。フラッシュメモリ70には、複合機30のシステム動作設定データ、システム状態データ、メンテナンス情報データ、複合機30の管理に関するWEBページデータ、サービスマン用のサポート情報データなどが格納される。フラッシュメモリ70は小容量なので、WEBページデータ、サポート情報データなどについても簡略なデータのみが記憶されている。
【0041】
図2を参照して、複合機デバイス群60は、画像データにより表される画像を記録用紙上に形成する画像形成部80、画像をスキャンして画像データ化する読取部82、並びに、読取られた画像及び複合機メインモジュール50の操作画面などを表示する表示部84を含む。これらはいずれもシステムコントローラ62により制御される。
【0042】
システムコントローラ62が実現する機能としては、画像処理90、通常動作から省エネモードへの移行判断92、HDDに格納されたデータの管理94、HDD64からフラッシュメモリ70に格納するデータについてのデータ抽出96、及び外部要求の頻度管理98がある。ここでいう外部要求の頻度管理とは、外部装置から装置情報に対する要求の回数を装置情報ごとに計数し、どの装置情報がどの程度の頻度で外部装置により要求されているかを管理する機能である。以下の説明では、装置情報ごとの要求の頻度を示すデータを頻度データと呼ぶ。なお、装置情報に対する外部装置からの要求は、装置の稼動環境により変化する可能性がある。したがってこの頻度は、最新の所定期間のものについてのみ集計するようにすることが望ましい。
【0043】
システムコントローラ62が実現する機能はさらに、複合機デバイス群60の各種デバイス制御100、外部からの要求に対する応答データの生成及び送信102、装置状態の検知104、及びフラッシュメモリ70に記憶されたデータの更新106がある。これらのうち、本願発明に特に関連する部分を除いた機能については、説明を明りょうにするためにここでは詳細には説明しない。
【0044】
サブコントローラ74が実現する機能は、複合機30の動作モードに応じた複合機電源ユニット72の制御130、フラッシュメモリ70に格納するデータに対するデータ管理132、及びネットワーク32との接続に関するネットワーク制御134を含む。ネットワーク制御134は、後述するように外部からの装置情報の要求を受信する機能を提供する。サブコントローラ74が実現する機能はさらに、複合機30が省エネモードで動作しているときに、複合機30の状態により通常動作又は一時中間復帰状態に移動するかに関する判断136、及び省エネモードで動作しているときに外部から装置情報に関する要求を受けたときの応答データの生成及び送信138を含む。これらのうち、本願発明に特に関連する部分を除いた機能については、説明を明りょうにするためにここでは詳細には説明しない。
【0045】
図4を参照して、複合機30は、既に説明したとおり3つの動作モードを持つ。システム起動状態150、省エネ状態152、及びシステム起動状態150と省エネ状態152との中間的な状態である一時中間復帰状態154である。
【0046】
省エネ状態152では、システムコントローラ62、複合機デバイス群60、及び大容量HDD64に対する電力供給が停止される。サブコントローラ74及びフラッシュメモリ70は稼動している。一時中間復帰状態154では、複合機デバイス群60に対する電力供給が停止される。システムコントローラ62、大容量HDD64、サブコントローラ74、及びフラッシュメモリ70に対しては電力が供給される。
【0047】
システム起動状態150において、複合機30に対して何ら操作がされなかったり、外部から何も要求がなく所定時間が経過したりすると、複合機30は省エネ状態152に移行する。ユーザにより何らかの操作がされると、複合機30は省エネ状態152からシステム起動状態150に復帰する。省エネ状態152でネットワーク制御134が外部から装置情報に対する要求を受信した場合には、場合により以下の2通りの処理が行なわれる。第1は、要求された装置情報がフラッシュメモリ70に存在する場合である。第2は、要求された装置情報がフラッシュメモリ70に存在しない場合である。
【0048】
第1の場合、複合機メインモジュール50を起動する必要はない。したがって省エネ機能モジュール52が単独でフラッシュメモリ70うちで装置情報を検索して読出し、応答データを生成して送信する。複合機30は省エネ状態152のままである。
【0049】
第2の場合、装置情報は大容量HDD64に記憶されている。したがって省エネ機能モジュール52は複合機メインモジュール50を起動して図4に示す一時中間復帰状態154に復帰させる。一時中間復帰状態154では複合機デバイス群60には電源は供給されないが、システムコントローラ62および大容量HDD64への電源供給が開始される。省エネ機能モジュール52のサブコントローラ74は、装置情報に対する要求を複合機メインモジュール50に与える。複合機メインモジュール50は、要求された装置情報を大容量HDD64うちで検索して読出し、応答データを生成して送信する。
【0050】
このように、フラッシュメモリ70に記憶されている装置情報に対する要求があったときには、システムコントローラ62、複合機デバイス群60、および大容量HDD64を起動する必要がない。フラッシュメモリ70に記憶されていない装置情報があったときのみ、システムコントローラ62および大容量HDD64を起動すればよい。したがって、装置情報に対する要求があったときに常に一時中間復帰状態154に復帰する場合と比較して、複合機30の消費電力を小さくすることができる。
【0051】
[ソフトウエア構成]
上記した機能は、図1‐図3に示すサブコントローラ74で実行されるプログラムにより実現できる。ただし、システムコントローラ62が動作しているときには、サブコントローラ74からの指示にしたがってシステムコントローラ62が自律的に複合機メインモジュール50の制御を行なう。
【0052】
図5を参照して、このプログラムは、電源スイッチの操作に応答して複合機30の電源をオンするステップ180と、複合機30の全モジュールに電源供給を開始するステップ182とを含む。ステップ182の後、通常動作モードでの処理を行なうステップ184を開始する。所定時間ごとに、省エネモードに移行する条件が成立したか否かをステップ186で判定する。条件が成立していれば制御はステップ188に進み、省エネ状態152への移行処理を実行する。条件が成立していなければ制御はステップ184に戻る。通常動作モード(システム起動状態150)でのステップ184での処理の詳細については後述する。
【0053】
ステップ188では、システム起動状態150から省エネ状態152に複合機30の動作モードを移行する。この処理の詳細についても後述する。
【0054】
ステップ188の後は、サブコントローラ74のみによる処理となる。サブコントローラ74は、ステップ188に続くステップ190において、外部装置からプリント要求があったか否かを判定する。判定が肯定であれば、複合機30をシステム起動状態150に復帰させる必要がある。したがってステップ198で複合機30を通常動作モード(システム起動状態150)に復帰させる処理を行なう。この後、制御はステップ184に戻る。ステップ190での判定が否定であれば、ステップ192においてユーザが復帰ボタンを押したか否かが判定される。判定が肯定であれば制御はステップ198に進み、ユーザの要求にしたがって複合機30をシステム起動状態150に復帰させる。
【0055】
ステップ192での判定が否定であれば、ステップ194において外部装置から装置情報の要求があったか否かを判定する。判定が肯定のときには、直ちに複合機30を一時中間復帰状態154に復帰させることなく、応答処理を実行する(ステップ196)。応答処理が完了すると制御はステップ190に戻る。
【0056】
図6を参照して、図5の通常動作モードでのステップ184の処理を実現するプログラムルーチンは以下のような制御構造を持つ。ステップ220で、コピー要求、または外部装置からのプリント要求を受けたか否かを判定する。制御は、判定が肯定のときはステップ224に、否定のときはステップ222に、それぞれ進む。
【0057】
ステップ224では、要求にしたがってコピー又はプリント処理を実行する。続いてステップ226で、装置状態の変化を検知したか否かを判定する。ステップ226の判定が肯定であれば制御はステップ228に進み、装置情報の更新処理を実行し、元のルーチンに復帰する。ステップ226の判定が否定であれば制御は直ちにこのルーチンから元のルーチンに復帰する。ステップ228で実行される装置情報の更新処理の詳細については後述する。ただしステップ228においては、データの更新内容に応じて、省エネ状態152における消費電力が節約できるよう、データの記憶先としてフラッシュメモリ70と大容量HDD64とのいずれか適切な方を選択する点に注意が必要である。
【0058】
一方、ステップ222では、外部装置から装置情報の要求があったか否かが判定される。判定が肯定であれば制御はステップ230に進み、さもなければ制御はステップ220に戻る。
【0059】
ステップ230では、要求を送信してきた外部装置が管理サーバか否かを判定する。ここでいう管理サーバとは図1に示すサービスマン用サポートマシンのように、複合機30を管理するための専用の装置のことをいう。ステップ230の判定は、外部装置から送られてくるその装置の識別情報に基づいて行なう。制御は、ステップ230の判定が肯定であればステップ232に進み、否定であればステップ234に進む。
【0060】
ステップ232では、管理サーバにより要求された情報を読出し、応答データを生成して管理サーバに送信する。本実施の形態では、大容量HDD64には装置情報が全て記憶されている。したがってステップ232では装置情報は大容量HDD64から検索され読出される。ステップ232の後、制御はステップ242に進む。
【0061】
一方、ステップ234に制御が進むのは、外部装置は例えば図1に示すPC34のように、ユーザの管理者がブラウザにより複合機30内のWEBサーバにアクセスしてきた場合である。ステップ234では、外部装置から要求された装置情報を大容量HDD64から検索して読出し、装置情報の表示用のWEBページのデータを作成して送信する。
【0062】
この後、ステップ236では外部装置から装置情報の更新要求があったか否かを判定する。制御は、判定が肯定であればステップ238に進み、否定であればステップ242に進む。ここでの装置情報の更新とは、例えばユーザの追加、パスワードの変更、複合機30のアドレスの変更、ネットワーク関係の設定の変更などのことをいう。
【0063】
ステップ238では、外部装置により要求された更新内容にしたがって、大容量HDD64に記憶されている装置情報を更新する。続いてステップ240で、更新完了のWEBページを作成し、要求を送信して来た外部装置に送信する。制御はステップ242に進む。
【0064】
ステップ242では、情報が要求された頻度に基づき、必要であれば、大容量HDD64に記憶されている情報とフラッシュメモリ70に記憶されている情報とを入替る処理(これを「データ更新処理」と呼ぶ。)が行なわれる。この入替は、省エネ状態152と一時中間復帰状態154との間での移行および復帰の回数を少なくするためのものである。ステップ242の処理が完了するとこのルーチンの実行を終了し、元のルーチンに復帰する。
【0065】
図7を参照して、通常動作モードでのステップ184(図5を参照)の処理を実現するルーチンは以下の制御構造を持つ。ステップ260において、大容量HDD64に記憶された装置情報の中で、ある選択基準で選択された装置情報をフラッシュメモリ70にコピーする。本実施の形態では、予めフラッシュメモリ70に記憶するように設定されている装置情報、および装置情報に対する要求頻度にしたがって装置情報を上位から順番に並べたときに、フラッシュメモリ70に記憶できる限りで多くの装置情報をフラッシュメモリ70に記憶させる。
【0066】
続いてステップ262で、大容量HDD64に記憶されている、装置情報の要求に関する頻度データがフラッシュメモリ70にコピーされる。最後にステップ264において複合機メインモジュール50への電源供給を遮断してこのルーチンの実行を終了し、元のルーチンに復帰する。
【0067】
図8を参照して、図5のステップ198で実行される復帰処理を実現するためのルーチンは以下の制御構造を持つ。ステップ280で、複合機メインモジュール50への電源供給を再開する。続いてステップ282で、フラッシュメモリ70に記憶されている装置情報および頻度データをフラッシュメモリ70にコピーし、元のルーチンに戻る。
【0068】
図9を参照して、図5のステップ196で実行される応答処理を実現するルーチンは、以下の制御構造を持つ。まずステップ300において、外部装置により要求された装置情報がフラッシュメモリ70に記憶されているか否かについて判定する。判定が肯定であれば制御はステップ302に進み、さもなければ制御は図10のステップ330に進む。
【0069】
ステップ302では、要求を送信してきた外部装置が管理サーバか否かを判定する。判定が肯定であれば制御はステップ304に進み、さもなければステップ308に進む。ステップ304では、要求された装置情報をフラッシュメモリ70から読出し、応答データを生成して外部装置に送信する。この後制御はステップ306に進む。
【0070】
一方ステップ308では、要求された装置情報をフラッシュメモリ70から読出し、ユーザPCのブラウザで表示させるためのWEBページのデータを生成し、外部装置に応答として送信する。続いてステップ310で、外部装置により装置情報の更新が要求されているか否かを判定し、判定結果にしたがって制御を分岐させる。この判定が否定であれば制御はステップ306に進む。肯定であれば制御はステップ312に進む。
【0071】
ステップ312では、要求された更新内容にしたがって、装置情報を更新する。続いてステップ314で、更新が完了したことを示すWEBページのデータを作成し、要求を送信してきた外部装置に送信する。制御はステップ306に進む。
【0072】
ステップ306では、要求された装置情報に関する頻度データの更新処理を実行してこのルーチンを終了し、元のルーチンに戻る。ステップ306の処理により、装置情報が要求された頻度データが最新の値に更新される。この更新情報を用い、省エネ状態152から一時中間復帰状態154への復帰回数をできるだけ少なくするよう、大容量HDD64に記憶された装置情報の内でフラッシュメモリ70にコピーを記憶させるべき装置情報を選択することが可能になる。
【0073】
図10を参照して、図9のステップ300での判定が否定のときには、以下のルーチンが実行される。このルーチンでは、要求された装置情報を大容量HDD64から読出して外部装置に返信する。ステップ330で、システムコントローラ62および大容量HDD64への電源供給が開始される。続くステップ332で、フラッシュメモリ70にある頻度データおよび装置情報を大容量HDD64にコピーする。続いてステップ334で、装置情報を要求してきた外部装置がサービスマンの管理サーバか否かを判定する。判定が肯定であれば制御はステップ336に進み、さもなければ制御はステップ350に進む。
【0074】
ステップ336では、要求された装置情報が大容量HDD64から読出される。この装置情報を使用して、応答データが作成され、要求を送信してきた外部装置に送信される。制御はステップ338に進む。
【0075】
一方ステップ350では、要求された装置情報を大容量HDD64から読出し、ユーザのPC上で動作するブラウザに装置情報を表示するためのWEBページデータを作成する。作成されたWEBページデータはユーザのPCに送信される。続いてステップ352で、外部装置からの装置情報の要求に伴い、装置情報の更新要求があるか否かが判定される。判定が肯定であれば制御はステップ354に進み、否定であれば制御はステップ338に進む。
【0076】
ステップ354では、要求された更新内容にしたがって、装置情報が更新される。続くステップ356で、更新が完了したことを示すWEBページデータが作成され、ユーザのPCに送信される。制御はステップ338に進む。
【0077】
ステップ338では、図6のステップ242と同様のデータ更新処理が実行される。その内容については後述する。制御はさらにステップ340に進む。
【0078】
ステップ340では、システムコントローラ62への電源供給が開始されてから一定時間が経過したか否かが判定される。制御は、判定が肯定であればステップ342に進み、否定であればステップ360に進む。
【0079】
ステップ360では、外部装置からプリント要求があったか否かが判定される。もしもプリント要求があればステップ366で複合機デバイス群60への電源供給を開始する。制御は図5のステップ184に戻る。外部装置からプリント要求がないときには、ステップ362でさらに、ユーザが複合機30の復帰ボタン(図示せず)を押下したか否かが判定される。復帰ボタンが押下されたときには、制御はステップ366に進み、上述と同様の処理が実行される。復帰ボタンが押下されていないときには、ステップ364でさらに、外部装置から装置情報の要求があったか否かが判定される。制御は、判定が肯定であればステップ334に進み、さもなければステップ340に戻る。
【0080】
一方、ステップ340での判定が肯定であるときには、ステップ342において大容量HDD64に記憶されている装置情報の内で、既に述べた選択条件に合致する装置情報をフラッシュメモリ70にコピーする。続くステップ344で、大容量HDD64に記憶された頻度データをフラッシュメモリ70にコピーする。さらにステップ346でシステムコントローラ62および大容量HDD64への電源供給を遮断する。制御は図9のステップ306の後に戻り、図9の応答処理を終了して元のルーチンに復帰する。
【0081】
すなわちこの複合機30では、省エネ状態152から一旦一時中間復帰状態154に復帰した後、一定時間が経過すると自動的に省エネ状態152に戻る。ただしその間にプリント要求又は復帰ボタンの押下があると、システム起動状態150に移行する。装置情報の要求があった場合には、その装置情報がフラッシュメモリ70にあればフラッシュメモリ70から情報を読出して応答する。装置情報がフラッシュメモリ70になければ、システムコントローラ62および大容量HDD64への電源供給を開始し、大容量HDD64からその装置情報を読出して外部装置に返信する。
【0082】
図11を参照して、図6のステップ228で実行される装置情報の更新処理を実現するルーチンは、以下のような制御構造を持つ。すなわち、ステップ380において、ステップ226でその変化が検知された装置情報で、大容量HDD64に記憶されている情報を更新する。装置情報の更新処理はこれで終了である。
【0083】
図12を参照して、データ更新処理(図5のステップ242および図10のステップ338)を実現するためのルーチンは、本実施の形態では以下の制御構造を持つ。ステップ390で、外部装置により要求された装置情報の頻度データを更新して、このルーチンの実行を終了する。
【0084】
〈動作〉
以上の構成を持つ複合機30は以下のように動作する。
【0085】
(1)通常動作モード
図5を参照して、複合機30の電源が投入されると(ステップ180)、図1に示すサブコントローラ74は複合機電源ユニット72を制御して複合機メインモジュール50の各モジュールに電源供給を開始する(ステップ182)。各モジュールが動作可能な状態となると、通常動作モードでのステップ184での処理を実行する。ステップ184では、図4のシステム起動状態150により示されるように、複合機デバイス群60、システムコントローラ62および大容量HDD64の全てに電源が供給される。
【0086】
‐コピー要求又はプリント要求
コピー要求又は外部からプリント要求があると、システムコントローラ62は大容量HDD64および大容量HDD64を制御して要求されたコピー要求又はプリント要求を処理する(図6のステップ220および224)。処理が終了して、装置状態の変化を検知すると(図6のステップ226でYES)、検知された装置状態を大容量HDD64に格納された装置情報に反映させる(図6のステップ228、図11のステップ380)。装置状態の変化がなければ何もせず、通常動作モードの実行に戻る。
【0087】
‐装置情報に対する要求
通常動作モードで外部装置から装置情報に対する要求があると(ステップ220でNO、ステップ222でYES)、以下のような処理を行なう。この要求の出所には2種類がある。第1は、ユーザのPC34(図1)である。第2は、サービスマンのサポートマシン36(管理サーバ)である。これらのうち、ユーザのPC34からの要求には、単なる装置情報の参照と、装置情報の更新とがある。サポートマシン36からの要求は参照のみである。
【0088】
要求がユーザのPC34からで、かつ装置情報の参照のみの場合には、図6においてステップ230,234,236および242の経路をたどる。すなわち、要求された装置情報を大容量HDD64から読出す。読出した装置情報にもとづき、装置情報をユーザのPC34のブラウザ上に表示させるためのWEBページデータを作成する。このWEBページデータをユーザのPC34に送信する。更新要求がないので、ステップ242で、要求された装置情報に関する頻度データの更新を行なって処理を終了する。
【0089】
要求がユーザのPC34からで、かつ装置情報の更新を含む場合には、図のステップ230,234,236,238,240および242の経路をたどる。ステップ230,234は更新なしの場合と同様である。ステップ236の判定は肯定となり、ステップ238で装置情報を更新する。ステップ240で更新が完了したことを示すWEBページデータを作成してユーザのPC34に送信する。ステップ242で、要求された装置情報の頻度データを更新して処理を終了する。
【0090】
要求がサービスマンのサポートマシン36(管理サーバ)からの場合には、制御はステップ230,232および242の経路をたどる。すなわち、ステップ232で、サポートマシン36から要求された装置情報を大容量HDD64から読出す。読出した装置情報をサポートマシン36に送信する。最後に、ステップ242で、要求された装置情報に関する頻度データを更新して処理を終了する。
【0091】
以上のようにシステム起動状態150(通常動作モード)では、装置情報の読出および書込は、いずれも大容量HDD64に対して行なわれる。
【0092】
‐省エネ状態152への移行
図5を参照して、複合機30がコピー要求又は外部からのプリント要求を受けずに所定時間が経過すると、ステップ186の判定が肯定となり制御はステップ188に進む。ステップ188の移行処理では次のような処理が実行される。
【0093】
図7を参照して、ステップ260,262および264の経路で処理が実行される。最初に、大容量HDD64に記憶された装置情報の中で、予め設定された装置情報と、それ以外の装置情報で要求頻度の高いものがフラッシュメモリ70にコピーされる。同様に、大容量HDD64に記憶された頻度データもフラッシュメモリ70にコピーする。これらのコピーが終了すると、複合機メインモジュール50への電源供給を遮断して移行処理を終了する。
【0094】
(2)省エネ状態152
省エネ状態152では、複合機30のサブコントローラ74は以下のように動作する。
【0095】
‐コピー要求又はプリント要求
コピー要求、外部からのプリント要求、又は復帰ボタンの押下があると、制御は図5のステップ188、190、198、又はステップ188,190,192および198を経てステップ184の通常動作モードでの処理に移行する。すなわち、サブコントローラ74は、これらの要求があると、複合機メインモジュール50への電源供給を開始する(図8のステップ280)。フラッシュメモリ70に記憶されている装置情報および頻度データを大容量HDD64にコピーする。この後は、通常動作モードでの処理に移行する。通常動作モードでの動作については既に説明したのでここでは繰返さない。
【0096】
‐装置情報に対する要求
装置情報に対する要求があると、制御は図5のステップ190,192,194および196という経路をたどり、応答処理(ステップ196)が実行される。図9を参照して、応答処理では、最初に、要求された装置情報がフラッシュメモリ70に記憶されたか否かを判定し、判定結果に従って制御の流れを分岐させる。以下、(A)フラッシュメモリ70にあるとき、および(B)フラッシュメモリ70にないとき、のサブコントローラ74の動作について説明する。
【0097】
(A)要求された装置情報がフラッシュメモリ70にあるとき
このときは、制御は図9のステップ300からステップ302をたどる。
【0098】
装置情報を要求した装置がサービスマンのサポートマシン36(管理サーバ)であれば、ステップ302、ステップ304および306という経路をたどる。すなわち、要求された装置情報をフラッシュメモリ70から読出す。読出された装置情報を、要求を送信してきた外部装置に送信する(以上ステップ304)。さらに、フラッシュメモリ70に記憶された頻度データについて、要求された情報に関する頻度を更新して処理を終了する。
【0099】
装置情報を要求した装置がユーザのPC34で、装置情報の参照のみの場合には制御はステップ302,308,310、および306という経路をたどる。すなわち、ステップ308で、要求された装置情報をフラッシュメモリ70から読出す。ユーザのPC34上のブラウザに装置情報を表示するためのWEBページデータを作成し、外部装置に送信する(ステップ308)。ステップ310の判定は否定となり、ステップ306でフラッシュメモリ70に記憶された頻度データを更新する。
【0100】
装置情報を要求した装置がユーザのPC34で、装置情報の参照だけでなく装置情報の更新を含む場合には、制御はステップ302,308,310、312,314および306という経路をたどる。ステップ308の処理については既に述べた。ステップ312で、フラッシュメモリ70に記憶された装置情報を更新し、ステップ314で、更新が完了したことを示すWEBページデータを作成して外部装置に送信する。続くステップ306での処理については既に説明した。
【0101】
(B)要求された装置情報がフラッシュメモリ70にないとき
このときは、制御は図10のステップ330に移る。ステップ330でシステムコントローラ62および大容量HDD64への電源供給を開始する。この結果、複合機30の状態は図4に示す省エネ状態152から一時中間復帰状態154に移行する。フラッシュメモリ70にある頻度データおよび装置情報を大容量HDD64にコピーする。この処理により、省エネ状態152の間の装置状態の変更による装置情報の更新、および装置情報の要求に関する最新の頻度データが大容量HDD64にコピーされる。
【0102】
外部要求がサービスマンのサポートマシン36(管理サーバ)からの場合には、制御はステップ334,336,338という経路をたどる。すなわち、ステップ334の判定は肯定となる。ステップ336で、要求された装置情報を大容量HDD64から読出し、外部装置に応答する。ステップ338では、頻度データの更新を行なう。ここでは、図12の頻度データの更新が行なわれる。
【0103】
外部要求がユーザのPC34からの要求で、かつ装置情報の参照のみの場合には、制御はステップ334,350,352および338という経路をたどる。すなわち、ステップ334の判定が否定となる。ステップ350で、要求された装置情報を大容量HDD64から読出し、ユーザのPC34のブラウザ上に装置情報を表示させるためのWEBページデータを作成する。このWEBページデータをユーザのPC34に送信する。ステップ354で、要求された更新内容にしたがって、大容量HDD64に記憶されている装置情報を更新する。ステップ356で、更新完了を示すWEBページデータを作成してユーザのPC34に送信する。続いてステップ338で、大容量HDD64に記憶されている頻度データを更新する。
【0104】
いずれの場合も、最終的にステップ340に制御が移る。ここでは、システムコントローラ62への電源供給を開始してから一定時間が経過するまでは、外部装置からプリント要求を受けるか(ステップ360でYES)、復帰ボタンの押下があれば(ステップ362でYES)、複合機デバイス群60の電源を投入して、通常動作モードに移行する。一時中間復帰状態154で外部機器から装置情報に対する要求を受けると(ステップ364でYES),ステップ334に制御は戻り、上記した処理を繰返す。
【0105】
システムコントローラ62への電源供給を開始(ステップ330)してから一定時間が経過し、この間、外部からのプリント要求も、復帰ボタンの押下もない場合(ステップ340でYES)には、複合機30は再び省エネ状態152に戻る。すなわち、ステップ342,344,346の経路をたどり、制御は図5のステップ190に戻る。この過程では、大容量HDD64に記憶された装置情報の中で、予め設定された装置情報と、要求頻度の高い装置情報とをフラッシュメモリ70にコピーする(ステップ342)。大容量HDD64に記憶された頻度データをフラッシュメモリ70にコピーする(ステップ344)。最後に、システムコントローラ62および大容量HDD64への電源供給を遮断して、制御を図5のステップ190に戻す。この結果、複合機30は再び省エネ状態152になる。
【0106】
以上のように、この複合機30は、システム起動状態150から省エネ状態152への移行、省エネ状態152からシステム起動状態150への復帰、省エネ状態152から一時中間復帰状態154への移行、一時中間復帰状態154からシステム起動状態150への移行、一時中間復帰状態154から省エネ状態152への移行という形でのシステムの状態を移行させる。複合機30が省エネ状態152にあるときに、外部機器から装置情報に関する要求があり、その装置情報がフラッシュメモリ70に記憶されていれば、複合機30を省エネ状態152にしたままでその応答をすることができる。大容量HDD64を起動する必要はない。要求された装置情報がフラッシュメモリ70にないときにのみ、一時中間復帰状態154に移行して、要求された装置情報を返信する。この結果、複合機30が省エネ状態152にあるときに装置情報の要求があっても、複合機メインモジュール50への電源供給を開始せずに省エネ機能モジュール52のみで装置情報の応答が可能になる。装置情報の応答のために複合機メインモジュール50への電源供給を行なう必要はなく、消費電力を削減できる。
【0107】
さらに、装置情報が要求される頻度を管理し、要求される頻度の高い装置情報をフラッシュメモリ70に記憶させている。複合機メインモジュール50への電源供給を行なう頻度を低くでき、省エネ状態152における消費電力をさらに有効に削減できる。
【0108】
[第2の実施の形態]
上記した第1の実施の形態では、装置状態の変化が検知されたとき(図6のステップ226でYES)、大容量HDD64内の装置情報のみが更新されている。システム起動状態150から省エネ状態152への移行のときに、大容量HDD64からフラッシュメモリ70に装置情報がコピーされること、および省エネ状態152以外の状態では常に大容量HDD64が参照されることにより、こうした処理で問題は生じない。
【0109】
しかし、複合機30が省エネ状態152にあるときに、フラッシュメモリ70に存在しない装置情報に対する要求があったときには、大容量HDD64に記憶された装置情報が参照される。このアクセスによる頻度データの更新はすぐに図6のステップ242で行なわれる。しかし、更新後の頻度データに基づいてフラッシュメモリ70に記憶された装置情報を更新する処理は、次に省エネ状態152に移行するまで行なわれない。大容量HDD64に記憶された装置情報に対するアクセスの結果、フラッシュメモリ70に記憶された装置情報よりも要求頻度の高い装置情報が大容量HDD64に記憶されていることになる場合もあり得る。フラッシュメモリ70へのアクセスと比較して、大容量HDD64へのアクセスにともなって消費される電力量が大きい。したがって、そのような頻度の変化をできるだけ早く、できればリアルタイムでフラッシュメモリ70の記憶内容に反映させることが望ましい。第2の実施の形態にかかる複合機はそのような機能を持つ。この第2の実施の形態では、通常動作モードおよび一時中間復帰状態154では、大容量HDD64の装置情報のうち、フラッシュメモリ70にそのコピーがあるものに対する変更は、同時にフラッシュメモリ70にも反映される。
【0110】
この第2の実施の形態に係る複合機を実現するためのハードウェア構成は第1の実施の形態に係るものと同じである。図5‐図12に制御構造を示すプログラムと同様の制御構造を持つプログラムにより、この第2の実施の形態に係る複合機の機能を実現できる。ただし、本実施の形態のプログラムは第1の実施の形態のものとは以下の点で異なる。
【0111】
〈通常動作における装置情報の読出〉
図6のステップ232およびステップ234では、要求された装置情報がフラッシュメモリ70にあるか否かを検索し、あればその装置情報をフラッシュメモリ70から読出す。無ければその装置情報を大容量HDD64から読出す。
【0112】
〈移行処理〉
第2の実施の形態では、図7に示す移行処理に代えて、図13に示す制御構造を示す移行処理が採用される。
【0113】
図13を参照して、第2の実施の形態に係る複合機の移行処理(システム起動状態150から省エネ状態152への移行処理)を実現するプログラムは、大容量HDD64に記憶された頻度データをフラッシュメモリ70にコピーするステップ262を含む。このプログラムはさらに、ステップ262に続き、複合機メインモジュール50への電源供給を停止して移行処理を終了するステップ264を含む。
【0114】
この移行処理では、図7に示すものと異なり、大容量HDD64に記憶された装置情報をフラッシュメモリ70にコピーすることはしない。これは、後に説明するように、フラッシュメモリ70には常に最新の頻度データを反映した装置情報が記憶されているためである。
【0115】
同様に、一時中間復帰状態154から省エネ状態152への移行処理(図10のステップ340−346)においても、ステップ342の処理が実行されない。
【0116】
〈復帰処理〉
第2の実施の形態では、図8に示す復帰処理に代えて、図14に制御構造を示す復帰処理が採用される。
【0117】
図14を参照して、第2の実施の形態に係る複合機の復帰処理(省エネ状態152からシステム起動状態150への復帰処理)を実現するプログラムは、複合機メインモジュール50への電源供給を再開するステップ280を含む。このプログラムはさらに、ステップ280に続き、フラッシュメモリ70に記憶されたデータを大容量HDD64にコピーして処理を終了するステップ400を含む。
【0118】
この復帰処理では、図8に示すものと異なり、フラッシュメモリ70の頻度データのみが大容量HDD64にコピーされる。装置情報がフラッシュメモリ70から大容量HDD64にコピーされることはない。これは、この第2の実施の形態では、最新の装置情報はフラッシュメモリ70に記憶されているが、後述するとおり、図16に示す処理により、必要が生じるつど、フラッシュメモリ70から大容量HDD64に装置情報が書込まれるためである。
【0119】
〈装置情報の更新〉
第2の実施の形態では、図11に示す装置情報更新処理に代えて、図15に制御構造を示す装置情報更新処理が採用される。
【0120】
図15を参照して、第2の実施の形態に係る複合機における装置情報の更新処理(図6のステップ228に相当)では、ステップ226で検知された装置状態の変化を、大容量HDD64だけでなくフラッシュメモリ70にも反映する処理が行なわれる。この結果、フラッシュメモリ70の装置情報は常に最新のものとなる。
【0121】
〈データ更新処理〉
第2の実施の形態では、図12に示すデータ更新処理に代えて、図16に制御構造を示すデータ更新処理が採用される。
【0122】
図16を参照して、第2の実施の形態に係るデータ更新処理(図6のステップ242、および図10のステップ338に相当)を実現するプログラムは、図12に示すものと同様、外部装置により要求された装置情報の頻度データ(大容量HDD64に記憶されたもの)を更新するステップ390を含む。このプログラムはさらに、更新後の頻度データに基づいて、大容量HDD64に記憶された装置情報の中に、フラッシュメモリ70に記憶された装置情報のいずれかよりも頻度が高くなったものがあるか否かを判定し、判定が否定のときにこの処理を終了するステップ420を含む。ここでは、説明を容易にするために、ステップ420の判定が肯定のとき、大容量HDD64に記憶されていた装置情報でそうした条件を満たすものを第1の装置情報と呼び、フラッシュメモリ70に記憶されていた装置情報を第2の装置情報と呼ぶことにする。すなわち、第1の装置情報の頻度は第2の装置情報の頻度より高い。このプログラムはさらに、ステップ420の判定が肯定のときに実行され、第1の装置情報と第2の装置情報とを入替てこの処理を終了するステップ422を含む。
【0123】
具体的には、ステップ422では、フラッシュメモリ70に記憶されていた第2の装置情報を大容量HDD64にコピーする。フラッシュメモリ70の第2の装置情報は削除する。これに代えて、大容量HDD64に記憶されていた第1の装置情報をフラッシュメモリ70にコピーする。
【0124】
このような構成にすると、フラッシュメモリ70には、装置情報のうち、最も頻度の高い一連の装置情報と、もしあれば、予め設定されていた装置情報とが格納されることになる。しかもそれらは最新の値である。したがって複合機が省エネ状態152にあるときに外部機器から装置情報の要求があったときに、フラッシュメモリ70の情報のみで対応することができる確率が高くなる。その結果、一時中間復帰状態154に復帰させる頻度が低くなり、エネルギー消費を少なくすることができる。
【0125】
第2の実施の形態に係る複合機の動作は第1の実施の形態に係る複合機30とほぼ同様である。その相違点は、上記した図13−16に示したとおりである。
【0126】
この第2の実施の形態によれば、複合機の動作状態にかかわらず、最新の装置情報のうち、外部装置からの要求頻度であってしかも最新の要求頻度の最も高いものがフラッシュメモリ70には格納されている。外部装置から装置情報の要求があったときに、フラッシュメモリ70に記憶された装置情報を用いて応答をすることができる確率が高くなる。大容量HDD64に記憶された装置情報を得るために複合機を一時中間復帰状態154にする頻度は低くなる。その結果、複合機の消費電力を削減できる。
【0127】
なおこの第2の実施の形態では、頻度データは、基本的には大容量HDD64において管理されている。すなわち、複合機が省エネ状態152にあるときには、頻度データはフラッシュメモリ70に記憶され管理されている。しかし、一時中間復帰状態154への復帰時に大容量HDD64にコピーされる。そして、省エネ状態152以外では、頻度データは大容量HDD64に記憶され管理される。
【0128】
頻度データのこのような管理に代えて、フラッシュメモリ70のみで頻度データを管理するようにしても良い。
【0129】
〈変形例〉
上記実施の形態では、フラッシュメモリ70に記憶する装置情報を選択するときに、予めそのように設定されているものを除き、その頻度データのみを基準とし、上位から順番にフラッシュメモリ70に記憶可能な限りのものを選択した。しかし本発明はそのような実施の形態には限定されない。フラッシュメモリ70の容量を最大限に利用するために、次のような基準でフラッシュメモリ70に記憶するデータを選択することもできる。
【0130】
すなわち、装置情報を、要求された頻度の降順で並べ替えたリスト(このリストを「候補リスト」と呼ぶことにする。)を作成する。リストには、各装置情報の記憶のために必要な記憶容量を一緒に記録する。新たなリスト(このリストを「選択リスト」と呼ぶことにする。)を空の状態で作成する。候補リストの先頭から順番にフラッシュメモリ70に記憶させる装置情報を選択する。選択リストに既に追加されている装置情報を記憶するための記憶容量の合計に、選択された装置情報を記憶するための記憶容量を加算する。この値が、フラッシュメモリ70のうち、装置情報の記憶のために予約されている領域の大きさを越えなければ、選択された装置情報を選択リストの末尾に追加する。そうでなければ、候補リストのうちで次の候補を選択し、同様の処理を行なう。フラッシュメモリ70の空き容量が完全に0になるか、候補リストがなくなった時点で、選択リストへの装置情報の追加を終了する。このようにして得られた選択リストに記載された装置情報をフラッシュメモリ70にコピーする。
【0131】
こうすることで、頻度の最も高い装置情報から順番に、フラッシュメモリ70の容量が許す限り、できるだけ多くの装置情報をフラッシュメモリ70に格納できる。順番通りに装置情報を格納した結果、途中でフラッシュメモリ70の容量が足りなくなった場合でも、頻度が低い他の装置情報をフラッシュメモリ70に記憶させることができる。その結果、一時中間復帰状態154に復帰する必要が生ずる確率はさらに小さくなり、省エネ状態152における消費電力を小さくすることができる。
【0132】
上記実施の形態では、サービスマンのサポートマシン36からの要求は装置情報の参照のみとした。しかし、外部から複合機30の保守を行なう場合もある(リモートメンテナンス)。そうした場合には、外部からの要求に応じて装置の設定を変更することがありえる。したがってその場合には、図6のステップ232の後に、ステップ236,238および240と同様の処理を組込み、図9のステップ304の後に、ステップ310,312および314と同様の処理を組込めばよい。
【0133】
上記実施の形態では、外部装置から装置情報に対する要求があったときに、その要求に応答して装置情報ごとの頻度計算を行なっている。しかし本発明はそのような実施の形態には限定されない。例えば、要求を受けるたびに、どの装置情報が要求されたかに関する履歴を保存しておき、所定時間ごとに頻度情報を算出しなおすようにしてもよい。この計算は、複合機がシステム起動状態150又は一時中間復帰状態154にあるときに行なっても良いし、それに加えて複合機が省エネ状態152にあるときに行なっても良い。その計算にしたがって直ちに大容量HDD64からフラッシュメモリ70に装置情報をコピーしてもよいし、次の移行時にコピーをするようにしてもよい。
【0134】
上記実施の形態では、装置情報を大容量HDD64又はフラッシュメモリ70に記憶している。しかし本発明はそのようなメモリの組合せには限定されない。記憶容量が大きいが動作時の消費電力も大きい不揮発性メモリと、記憶容量はこの不揮発性メモリよりも小さいが動作時の消費電力が小さなメモリとの組合せであれば、どのような組合せであってもよい。フラッシュメモリ70に代えて使用されるメモリは、揮発性でもよいし、不揮発性でもよい。さらに上記実施の形態では、画像形成装置は、通常動作モードと、一時中間復帰状態と、省エネモードとの間で移行し、特に、省エネモードで装置情報の要求を受けとったときに、フラッシュメモリ70にその装置情報がない場合には一時中間復帰状態に復帰する。しかし本発明はそのような実施の形態に限定されるわけではない。例えば動作モードとして通常モードと、通常モードより消費電力量の少ない省エネモードとからなる2つの状態の間で状態を移行し、省エネモードで装置情報の要求を受け取ったときに、フラッシュメモリ70にその装置情報がない場合には、通常動作モードに遷移して装置情報を返信するようにしてもよい。
【0135】
今回開示された実施の形態は単に例示であって、本発明が上記した実施の形態のみに制限されるわけではない。本発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含む。
【符号の説明】
【0136】
30 複合機
50 複合機メインモジュール
52 省エネ機能モジュール
60 複合機デバイス群
62 システムコントローラ
64 大容量HDD
70 フラッシュメモリ
72 複合機電源ユニット
74 サブコントローラ
150 システム起動状態
152 省エネ状態
154 一時中間復帰状態
【技術分野】
【0001】
この発明は画像処理装置に関し、特に、省エネルギー動作モード(以下「省エネモード」と呼ぶ。)で動作する装置におけるエネルギー消費量の削減技術に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置には、プリンタ、スキャナ、ファクシミリ装置、又は複写機、若しくはそれら機能を複数個持つ複合機がある。一般に、画像形成装置は、ネットワーク又は電話回線等の通信媒体を介して外部装置(計算機や他の画像形成装置等)と通信を行なうための通信装置(NIC(Network Interface Card)又はモデム(Modulator−Demodulator)など)を持つ。
【0003】
このような画像形成装置には、ある条件が成立すると省電力状態に移行する機能を持つものがある。省電力状態とは、画像形成装置の通常動作時よりも消費電力が小さな動作状態をいう。一般的には、画像形成装置が持つ操作入力部に対する操作も、通信装置を通じた外部装置からのデータ受信もない状態が一定時間以上継続した場合に、画像形成装置は省電力状態に移行する。省電力状態で動作するモードは一般に、スリープモードと呼ばれ、スリープモードに移行する機能はスリープ機能と呼ばれる。
【0004】
画像形成装置のうち、電力消費の大きい部品は定着装置及び制御回路などである。例えば定着装置はヒータを持ち通常動作ではヒータを動作させるため消費電力は大きい。省電力状態では、定着装置及び制御回路等に対する通電(電力供給)が遮断される。一方、通信装置については、電力供給が維持されることが多い。なぜなら、省電力状態である場合でも、外部装置からの要求に応答する必要があるためである。そのような要求があったときには、電力供給を受けていない機器を通常の動作状態に自動的に復帰させなければならない。
【0005】
画像形成装置が省電力状態にあるときに、画像形成装置に対して外部装置から何らかの処理が要求される場合がある。例えば画像形成要求を受けたときなどには、ハードディスクドライブ(HDD)を用いて画像を形成する処理を行なう必要がある。一方、省電力状態ではHDDは停止されている。したがって、このような要求に対する応答のためにはHDDを起動しなければならない。
【0006】
特開2009−229747号(特許文献1)は、省電力状態にあるときに画像形成要求を受け付けると、以下のような動作をする画像形成装置を開示している。この画像形成装置は、メモリの記憶容量を超える画像データを一度に記憶する必要がある場合にはHDDを通常動作に復帰させる。メモリの記憶容量を超える画像データを一度に記憶する必要がない場合には、HDDを通常動作に復帰させない。この構成によりHDDの消費電力を抑えることができる。
【0007】
特開2007−114620号(特許文献2)は、省電力モード時には電力が供給されないメモリ(第1のメモリ)と、省電力モード時にも電力が供給されるメモリ(第2のメモリ)とを持つ画像形成装置において、制御プログラムをダウンロードしたときのために以下のような機能を開示している。この画像形成装置は、ダウンロードされたモジュールが省電力モード時には動作しないモジュールである場合には、そのモジュールを第1のメモリに記憶する。ダウンロードされたモジュールが省電力モード時に電源が供給されないメモリに記憶し、ダウンロードしたモジュールが省電力モード時にも動作可能な場合は、そのモジュールを第2のメモリに記憶する。この構成によれば、省電力モード時には第2のメモリのみに電力供給をしておけばよい。第1のメモリへの電力供給は省電力モード時には遮断可能である。したがって省電力モード時のメモリ全体での電力消費の低減を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−229747号公報
【特許文献2】特開2007−114620号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記先行技術文献に記載された画像形成装置はいずれも、省電力動作中に外部から受信したデータを記憶する際に、記憶のためのメモリの消費電力を削減するという目的を達成できる。しかし、そのように記憶すべきデータを外部から受けたときだけでなく、他の場合にも省電力時の消費電力を小さくすることができれば望ましい。例えば、省電力動作中に外部から何らかの情報を送信するように要求されたときに、できるだけ消費電力の増加を抑えながら、必要な情報を適時に送信できるようにすることが好ましい。
【0010】
本発明は、省電力状態であっても、外部装置から何らかの情報に対する要求があったときに適時にその情報を送信できるようにするとともに、省電力状態での消費電力を低く抑えることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のある局面に係る画像形成装置は、第1の動作モードと、第1の動作モードより消費電力量の少ない第2の動作モードとで動作可能な画像形成装置である。この画像形成装置は、画像形成装置に関する装置情報を記憶する第1のメモリと、第1のメモリよりも動作時の電力が少なく、かつ容量も小さな第2のメモリと、第1の動作モードでは第1のメモリおよび第2のメモリに電力を供給し、第2の動作モードでは第1のメモリには電力を供給せず、第2のメモリに電力を供給するための電源手段と、外部から画像形成装置に関する装置情報についての要求を受信するための受信手段と、第2のメモリおよび受信手段に接続され、第2の動作モードにおいて、受信手段が画像形成装置を構成する装置の装置情報に関する要求を受けたことに応答して、第2のメモリから当該要求に対応する装置情報を検索して返信する第1の検索手段と、第1のメモリ、電源手段、および第1の検索手段に接続され、第2の動作モードにおいて、第1の検索手段による装置情報の検索が失敗したことに応答しての動作モードを第1の動作モードに変更し、第1のメモリから要求に対応する装置情報を検索して返信するための第2の検索手段とを含む。
【0012】
第2の動作モードでは、画像形成装置の消費電力が第1の動作モードのときよりも少ない。この動作モードでは、第1のメモリには電力は供給されず、第2のメモリのみに電力が供給される。受信手段が装置情報に対する要求を受けると、第1の検索手段が第2のメモリからその装置情報を検索して応答する。第1の検索手段による検索が失敗すると、第2の検索手段が画像形成装置の動作モードを第1の動作モードに変更する。第1の動作モードでは消費電力が多くなるが、第1のメモリにも電力が供給される。したがって第2の検索手段は第1のメモリから装置情報を検索できる。
【0013】
第2の動作モードで画像形成装置が動作しているときに装置情報に対する要求があったときにも、画像形成装置の動作モードを第1の動作モードに戻すことなく装置情報を返信することが可能になる。第2のメモリに所望の装置情報が記憶されていないときには、画像形成装置を第1の動作モードにして、第2の検索手段で装置情報を第1のメモリから検索して応答できる。
【0014】
画像形成装置が第2の動作モードにあるときに、装置情報の要求があったときに、画像形成装置を第1の動作モードに復帰させる必要が生ずる頻度を少なくできる。その結果、第1の動作モードよりも省電力な状態である第2の動作モードであっても、外部装置から何らかの装置情報に対する要求があったときに適時にその情報を送信できるとともに、省電力状態での消費電力を低く抑えることができる画像形成装置を提供することができる。
【0015】
好ましくは、画像形成装置はさらに、第1のメモリに記憶された装置情報のうち、予め定める装置情報を第2のメモリにコピーするためのコピー手段を含む。
【0016】
外部から要求される頻度が高い装置情報が分かっている場合、又は外部から要求される装置情報が固定されている場合がある。そうした場合、それらの装置情報を第2のメモリにコピーしておくことにより、要求に対して第2のメモリのみから装置情報を検索して応答できる確率が高くなる。その結果、第2の動作状態での消費電力を低く抑えることができる。
【0017】
より好ましくは、画像形成装置はさらに、受信手段に接続され、受信手段が受信した各装置情報の要求の頻度を算出するための頻度算出手段と、頻度算出手段により算出された頻度が最も高い装置情報から順番に、装置情報を第2のメモリにコピーするためのコピー手段とを含む。
【0018】
頻度算出手段は、各装置情報に対する要求の頻度を算出する。この頻度に基づき、コピー手段が、頻度の高いものから順番に装置情報を第2のメモリにコピーする。装置情報に対する要求があったときに、第2のメモリのみから装置情報を検索して応答できる確率が高くなる。その結果、第2の動作状態での消費電力を低く抑えることができる。
【0019】
さらに好ましくは、頻度算出手段は、受信手段に接続され、受信手段が装置情報に対する要求を受けたことに応答して、当該要求を受ける直前の予め定められる時間期間内に受信した装置情報の要求の頻度を算出するための手段を含む。
【0020】
装置情報の要求の頻度の計算が、要求を受ける直前の予め定められる時間期間内の要求に基づいて行なわれる。装置情報の要求の頻度として最新の情報が用いられるため、要求に対して第2のメモリのみから装置情報を検索して応答できる確率が高くなる。その結果、第2の動作状態での消費電力を低く抑えることができる。
【0021】
コピー手段は、頻度算出手段により算出された頻度が高い順に、かつ第2のメモリにコピー可能な容量を超える大きさのものは除外して、第1のメモリに記憶された装置情報を第2のメモリにコピーするための手段を含んでもよい。
【0022】
装置情報を第2のメモリにコピーする際、頻度算出手段により算出された頻度が高い順に装置情報が選択される。第2のメモリにコピー可能な容量を超える大きさの装置情報については除外される。頻度が他より小さくても、装置情報の容量の小さなものが追加して第2のメモリにコピーされる。したがって、要求に対して第2のメモリのみから装置情報を検索して応答できる確率が高くなる。その結果、第2の動作状態での消費電力を低く抑えることができる。
【0023】
好ましくは、画像形成装置はさらに、第1の動作モードにおいて、所定の条件が成立すると画像形成装置を第2の動作モードに移行するための移行手段と、受信手段に接続され、受信手段が受信した各装置情報の要求の頻度を算出するための頻度算出手段と、頻度算出手段により算出された頻度が最も高い装置情報から順番に、装置情報を第2のメモリにコピーするためのコピー手段とを含む。
【0024】
より好ましくは、画像形成装置は、当該画像形成装置に関する装置情報のうち、第2のメモリに記憶する装置情報以外の装置情報を第1のメモリに記憶する。
【0025】
さらに好ましくは、画像形成装置はさらに、画像形成装置が第1の動作モードで動作しているときに所定時間間隔で第1のメモリおよび第2のメモリに記憶させる装置情報を決定し更新するための装置情報管理手段を含む。
【0026】
画像形成装置はさらに、画像形成装置が第1の動作モードで動作しているときに画像形成装置の状態変化を検知するための検知手段と、検知手段により画像形成装置の状態変化が検知されたことに応答して、当該状態変化に応じて、第1のメモリに記憶されている、当該状態変化を反映すべき装置情報を更新するための手段とを含んでもよい。
【0027】
より好ましくは、画像形成装置はさらに、検知手段により画像形成装置の状態変化が検知されたことに応答して、当該状態変化に応じて、第2のメモリに記憶されている、当該状態変化を反映すべき装置情報を更新するための手段を含む。
【0028】
さらに好ましくは、画像形成装置はさらに、第1のメモリ、および受信手段に接続され、第1の動作モードにおいて、受信手段が画像形成装置を構成する装置の装置情報に関する要求を受けたことに応答して、第2のメモリに当該要求に対応する装置情報が記憶されていれば第2のメモリから、第2のメモリに当該要求に対応する装置情報が記憶されていなければ第1のメモリから、装置情報を検索して返信するための第3の検索手段を含む。
【0029】
画像形成装置はさらに、第1のメモリ、および受信手段に接続され、第1の動作モードにおいて、受信手段が画像形成装置を構成する装置の装置情報に関する要求を受けたことに応答して、第1のメモリから当該要求に対応する装置情報を検索して返信するための第3の検索手段を含んでもよい。
【0030】
好ましくは、画像形成装置は、第1の動作モードより消費電力量が大きな第3の動作モードでも動作可能である。画像形成装置はさらに、画像形成装置に対し、画像形成装置の装置情報についての要求と異なる要求入力を受付けるための入力手段と、画像形成装置が第1の動作モード又は第3の動作モードにあるときに、所定時間、要求入力手段による入力がされないときには画像形成装置を第2の動作モードに移行させ、画像形成装置が第2の動作モードにあるときに、入力手段による入力があったときには画像形成装置を第3の動作モードに移行させるためのモード遷移手段とを含む。
【発明の効果】
【0031】
以上のように本発明によれば、画像形成装置が省電力である第2の動作モードにあるときに装置情報に対する要求があると、第1の検索手段が第2のメモリからその装置情報を検索して応答する。画像形成装置の動作モードを第1の動作モードに戻すことなく装置情報を返信することが可能になる。したがって、省電力動作状態である第2の動作モードにおける画像形成装置の消費電力を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る複合機30のハードウェアブロック図である。
【図2】図1に示す複合機30の一部である複合機メインモジュール50の機能ブロック図である。
【図3】図1に示す複合機30の一部である省エネ機能モジュール52(省エネNIC)の機能ブロック図である。
【図4】図1に示す複合機30の状態遷移図である。
【図5】複合機30において、省エネモードへの移行判断および復帰を行なうプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図6】図5に制御構造を示すプログラムにおいて通常動作モード中に複合機30がストレージデバイスの記憶情報更新を行なう際に実行されるルーチンの制御構造を示すフローチャートである。
【図7】図5に制御構造を示すプログラムにおいて、複合機30を通常動作モードから省エネモードに移行する際に実行されるルーチンの制御構造を示すフローチャートである。
【図8】図5に制御構造を示すプログラムにおいて、複合機30を省エネモードから通常動作モードに復帰させる際に実行されるルーチンの制御構造を示すフローチャートである。
【図9】図5に制御構造を示すプログラムにおいて、複合機30が省エネモードにあるときに、外部から装置情報に対する要求を受けたときに実行されるルーチンの制御構造を示すフローチャートである。
【図10】図9に制御構造を示すプログラムにおいて、要求された装置情報がHDDに存在しているときに実行されるルーチンの制御構造を示すフローチャートである。
【図11】図5に制御構造を示すプログラムにおいて、装置情報の更新を行なう際に実行されるルーチンの制御構造を示すフローチャートである。
【図12】図5に制御構造を示すプログラム及び図10に制御構造を示すプログラムにおいて、要求された情報の要求頻度を示すデータを更新するためのルーチンの制御構造を示すフローチャートである。
【図13】第2の実施の形態に係る複合機において、複合機を通常動作モードから省エネモードに移行する際に実行されるルーチンの制御構造を示すフローチャートである。
【図14】第2の実施の形態に係る複合機において、複合機を省エネモードから通常動作モードに復帰させる際に実行されるルーチンの制御構造を示すフローチャートである。
【図15】第2の実施の形態に係る複合機において、装置情報の更新を行なう際に実行されるルーチンの制御構造を示すフローチャートである。
【図16】第2の実施の形態に係る複合機において、要求された情報の要求頻度を示すデータを更新するためのルーチンの制御構造を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下の説明及び図面において、同一の部品には同一の参照番号を付してある。それらの名称及び機能も同一である。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。以下に説明する実施の形態では、画像形成装置として複合機を想定している。しかし本発明はそのような実施の形態には限定されない。通信装置を持ち、通常動作モード(または一時復帰モード)と省エネ動作モードのように、消費電力の異なる動作モードで動作可能で、外部から画像形成装置に関する情報(装置情報)の照会があったときにはその情報を返信する機能を持つ画像形成装置であれば、どのようなものにも適用できる。
【0034】
なお、装置情報とは、複合機30を管理するために必要な情報である。例えば用紙トレイ内の用紙の状態、排紙トレイの状態、トナーの状態、複合機デバイス群60の構成、メモリおよびハードディスクの全記憶容量および使用済の記憶領域の容量、追加のソフトウエアの有無、ネットワークの状態(アドレス、通信プロトコル、所属ドメイン、デフォルトゲートウェイ、ネットワーク上の種々のサーバのアドレス、LANのステータス、ユーザ管理情報、エラーの発生状態、ジョブログ、セキュリティ設定などが装置情報である。
【0035】
[第1の実施の形態]
〈構成〉
図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る複合機30は、複合機メインモジュール50と、複合機メインモジュール50及びネットワーク32に接続された省エネ機能モジュール52とを含む。複合機30は、通常動作モードと、省エネモードと、省エネモード時に、一時的に省エネモードと通常動作モードとの中間の一時中間復帰状態との3つの動作モードを持つ。
【0036】
複合機メインモジュール50は、複合機30の基本的機能を実現するためのものである。概略的に言えば、複合機メインモジュール50は、複合機デバイス群60と、大容量HDD64と、これら複合機デバイス群60及び大容量HDD64に接続され、これらを制御するシステムコントローラ62とを含む。複合機デバイス群60、大容量HDD64及びシステムコントローラ62への電力供給は、いずれも省エネ機能モジュール52により制御される。
【0037】
省エネ機能モジュール52は、複合機メインモジュール50に対する電力供給を行なう複合機電源ユニット72と、小容量のフラッシュメモリ70とを含む。省エネ機能モジュール52はさらに、複合機電源ユニット72と、小容量のフラッシュメモリ70と、システムコントローラ62と、ネットワーク32とに接続されたサブコントローラ74を含む。サブコントローラ74は、複合機30の、通常動作モード又は一時中間復帰状態と省エネモードとの間の遷移、及び外部から装置情報の送信要求を受けたときの複合機30の動作を制御する。その詳細については後述する。
【0038】
複合機30に対して装置情報の要求を送信してくる外部機器としては、ネットワーク32に接続された、複合機30を管理するユーザのPC(パーソナルコンピュータ)34と、複合機30のベンダに所属するサービスマン用のサポートマシン36とがある。複合機30内部には、図示していないWEBサーバが稼動している。PC34などからこのWEBサーバに対するアクセスに応じ、複合機30の管理のための機器情報の送信及び更新などを行なうためのプログラムが起動される。なお、本実施の形態では、ユーザのPC34およびサポートマシン36のいずれもネットワーク32経由で複合機30に接続されているものとしている。しかし本発明はそのような実施の形態には限定されない。例えばサポートマシン36が公衆回線を通じて複合機30に接続するような構成でも良い。この場合、複合機30には公衆回線への接続装置(モデムなど)が必要になる。
【0039】
大容量HDD64は大容量で消費電力が大きい。大容量HDD64には、スキャン画像データ、複合機30のユーザの個人フォルダデータ及びユーザの共有フォルダデータ、複合機30の管理に関する詳細なWEBページデータ、サービスマン用の詳細サポート情報データなど、ユーザが複合機30を使用し管理するために必要な、大容量の情報が記憶される。
【0040】
フラッシュメモリ70は大容量HDD64よりはるかに小さな容量しか持たず、消費電力も桁違いに小さい。フラッシュメモリ70には、複合機30のシステム動作設定データ、システム状態データ、メンテナンス情報データ、複合機30の管理に関するWEBページデータ、サービスマン用のサポート情報データなどが格納される。フラッシュメモリ70は小容量なので、WEBページデータ、サポート情報データなどについても簡略なデータのみが記憶されている。
【0041】
図2を参照して、複合機デバイス群60は、画像データにより表される画像を記録用紙上に形成する画像形成部80、画像をスキャンして画像データ化する読取部82、並びに、読取られた画像及び複合機メインモジュール50の操作画面などを表示する表示部84を含む。これらはいずれもシステムコントローラ62により制御される。
【0042】
システムコントローラ62が実現する機能としては、画像処理90、通常動作から省エネモードへの移行判断92、HDDに格納されたデータの管理94、HDD64からフラッシュメモリ70に格納するデータについてのデータ抽出96、及び外部要求の頻度管理98がある。ここでいう外部要求の頻度管理とは、外部装置から装置情報に対する要求の回数を装置情報ごとに計数し、どの装置情報がどの程度の頻度で外部装置により要求されているかを管理する機能である。以下の説明では、装置情報ごとの要求の頻度を示すデータを頻度データと呼ぶ。なお、装置情報に対する外部装置からの要求は、装置の稼動環境により変化する可能性がある。したがってこの頻度は、最新の所定期間のものについてのみ集計するようにすることが望ましい。
【0043】
システムコントローラ62が実現する機能はさらに、複合機デバイス群60の各種デバイス制御100、外部からの要求に対する応答データの生成及び送信102、装置状態の検知104、及びフラッシュメモリ70に記憶されたデータの更新106がある。これらのうち、本願発明に特に関連する部分を除いた機能については、説明を明りょうにするためにここでは詳細には説明しない。
【0044】
サブコントローラ74が実現する機能は、複合機30の動作モードに応じた複合機電源ユニット72の制御130、フラッシュメモリ70に格納するデータに対するデータ管理132、及びネットワーク32との接続に関するネットワーク制御134を含む。ネットワーク制御134は、後述するように外部からの装置情報の要求を受信する機能を提供する。サブコントローラ74が実現する機能はさらに、複合機30が省エネモードで動作しているときに、複合機30の状態により通常動作又は一時中間復帰状態に移動するかに関する判断136、及び省エネモードで動作しているときに外部から装置情報に関する要求を受けたときの応答データの生成及び送信138を含む。これらのうち、本願発明に特に関連する部分を除いた機能については、説明を明りょうにするためにここでは詳細には説明しない。
【0045】
図4を参照して、複合機30は、既に説明したとおり3つの動作モードを持つ。システム起動状態150、省エネ状態152、及びシステム起動状態150と省エネ状態152との中間的な状態である一時中間復帰状態154である。
【0046】
省エネ状態152では、システムコントローラ62、複合機デバイス群60、及び大容量HDD64に対する電力供給が停止される。サブコントローラ74及びフラッシュメモリ70は稼動している。一時中間復帰状態154では、複合機デバイス群60に対する電力供給が停止される。システムコントローラ62、大容量HDD64、サブコントローラ74、及びフラッシュメモリ70に対しては電力が供給される。
【0047】
システム起動状態150において、複合機30に対して何ら操作がされなかったり、外部から何も要求がなく所定時間が経過したりすると、複合機30は省エネ状態152に移行する。ユーザにより何らかの操作がされると、複合機30は省エネ状態152からシステム起動状態150に復帰する。省エネ状態152でネットワーク制御134が外部から装置情報に対する要求を受信した場合には、場合により以下の2通りの処理が行なわれる。第1は、要求された装置情報がフラッシュメモリ70に存在する場合である。第2は、要求された装置情報がフラッシュメモリ70に存在しない場合である。
【0048】
第1の場合、複合機メインモジュール50を起動する必要はない。したがって省エネ機能モジュール52が単独でフラッシュメモリ70うちで装置情報を検索して読出し、応答データを生成して送信する。複合機30は省エネ状態152のままである。
【0049】
第2の場合、装置情報は大容量HDD64に記憶されている。したがって省エネ機能モジュール52は複合機メインモジュール50を起動して図4に示す一時中間復帰状態154に復帰させる。一時中間復帰状態154では複合機デバイス群60には電源は供給されないが、システムコントローラ62および大容量HDD64への電源供給が開始される。省エネ機能モジュール52のサブコントローラ74は、装置情報に対する要求を複合機メインモジュール50に与える。複合機メインモジュール50は、要求された装置情報を大容量HDD64うちで検索して読出し、応答データを生成して送信する。
【0050】
このように、フラッシュメモリ70に記憶されている装置情報に対する要求があったときには、システムコントローラ62、複合機デバイス群60、および大容量HDD64を起動する必要がない。フラッシュメモリ70に記憶されていない装置情報があったときのみ、システムコントローラ62および大容量HDD64を起動すればよい。したがって、装置情報に対する要求があったときに常に一時中間復帰状態154に復帰する場合と比較して、複合機30の消費電力を小さくすることができる。
【0051】
[ソフトウエア構成]
上記した機能は、図1‐図3に示すサブコントローラ74で実行されるプログラムにより実現できる。ただし、システムコントローラ62が動作しているときには、サブコントローラ74からの指示にしたがってシステムコントローラ62が自律的に複合機メインモジュール50の制御を行なう。
【0052】
図5を参照して、このプログラムは、電源スイッチの操作に応答して複合機30の電源をオンするステップ180と、複合機30の全モジュールに電源供給を開始するステップ182とを含む。ステップ182の後、通常動作モードでの処理を行なうステップ184を開始する。所定時間ごとに、省エネモードに移行する条件が成立したか否かをステップ186で判定する。条件が成立していれば制御はステップ188に進み、省エネ状態152への移行処理を実行する。条件が成立していなければ制御はステップ184に戻る。通常動作モード(システム起動状態150)でのステップ184での処理の詳細については後述する。
【0053】
ステップ188では、システム起動状態150から省エネ状態152に複合機30の動作モードを移行する。この処理の詳細についても後述する。
【0054】
ステップ188の後は、サブコントローラ74のみによる処理となる。サブコントローラ74は、ステップ188に続くステップ190において、外部装置からプリント要求があったか否かを判定する。判定が肯定であれば、複合機30をシステム起動状態150に復帰させる必要がある。したがってステップ198で複合機30を通常動作モード(システム起動状態150)に復帰させる処理を行なう。この後、制御はステップ184に戻る。ステップ190での判定が否定であれば、ステップ192においてユーザが復帰ボタンを押したか否かが判定される。判定が肯定であれば制御はステップ198に進み、ユーザの要求にしたがって複合機30をシステム起動状態150に復帰させる。
【0055】
ステップ192での判定が否定であれば、ステップ194において外部装置から装置情報の要求があったか否かを判定する。判定が肯定のときには、直ちに複合機30を一時中間復帰状態154に復帰させることなく、応答処理を実行する(ステップ196)。応答処理が完了すると制御はステップ190に戻る。
【0056】
図6を参照して、図5の通常動作モードでのステップ184の処理を実現するプログラムルーチンは以下のような制御構造を持つ。ステップ220で、コピー要求、または外部装置からのプリント要求を受けたか否かを判定する。制御は、判定が肯定のときはステップ224に、否定のときはステップ222に、それぞれ進む。
【0057】
ステップ224では、要求にしたがってコピー又はプリント処理を実行する。続いてステップ226で、装置状態の変化を検知したか否かを判定する。ステップ226の判定が肯定であれば制御はステップ228に進み、装置情報の更新処理を実行し、元のルーチンに復帰する。ステップ226の判定が否定であれば制御は直ちにこのルーチンから元のルーチンに復帰する。ステップ228で実行される装置情報の更新処理の詳細については後述する。ただしステップ228においては、データの更新内容に応じて、省エネ状態152における消費電力が節約できるよう、データの記憶先としてフラッシュメモリ70と大容量HDD64とのいずれか適切な方を選択する点に注意が必要である。
【0058】
一方、ステップ222では、外部装置から装置情報の要求があったか否かが判定される。判定が肯定であれば制御はステップ230に進み、さもなければ制御はステップ220に戻る。
【0059】
ステップ230では、要求を送信してきた外部装置が管理サーバか否かを判定する。ここでいう管理サーバとは図1に示すサービスマン用サポートマシンのように、複合機30を管理するための専用の装置のことをいう。ステップ230の判定は、外部装置から送られてくるその装置の識別情報に基づいて行なう。制御は、ステップ230の判定が肯定であればステップ232に進み、否定であればステップ234に進む。
【0060】
ステップ232では、管理サーバにより要求された情報を読出し、応答データを生成して管理サーバに送信する。本実施の形態では、大容量HDD64には装置情報が全て記憶されている。したがってステップ232では装置情報は大容量HDD64から検索され読出される。ステップ232の後、制御はステップ242に進む。
【0061】
一方、ステップ234に制御が進むのは、外部装置は例えば図1に示すPC34のように、ユーザの管理者がブラウザにより複合機30内のWEBサーバにアクセスしてきた場合である。ステップ234では、外部装置から要求された装置情報を大容量HDD64から検索して読出し、装置情報の表示用のWEBページのデータを作成して送信する。
【0062】
この後、ステップ236では外部装置から装置情報の更新要求があったか否かを判定する。制御は、判定が肯定であればステップ238に進み、否定であればステップ242に進む。ここでの装置情報の更新とは、例えばユーザの追加、パスワードの変更、複合機30のアドレスの変更、ネットワーク関係の設定の変更などのことをいう。
【0063】
ステップ238では、外部装置により要求された更新内容にしたがって、大容量HDD64に記憶されている装置情報を更新する。続いてステップ240で、更新完了のWEBページを作成し、要求を送信して来た外部装置に送信する。制御はステップ242に進む。
【0064】
ステップ242では、情報が要求された頻度に基づき、必要であれば、大容量HDD64に記憶されている情報とフラッシュメモリ70に記憶されている情報とを入替る処理(これを「データ更新処理」と呼ぶ。)が行なわれる。この入替は、省エネ状態152と一時中間復帰状態154との間での移行および復帰の回数を少なくするためのものである。ステップ242の処理が完了するとこのルーチンの実行を終了し、元のルーチンに復帰する。
【0065】
図7を参照して、通常動作モードでのステップ184(図5を参照)の処理を実現するルーチンは以下の制御構造を持つ。ステップ260において、大容量HDD64に記憶された装置情報の中で、ある選択基準で選択された装置情報をフラッシュメモリ70にコピーする。本実施の形態では、予めフラッシュメモリ70に記憶するように設定されている装置情報、および装置情報に対する要求頻度にしたがって装置情報を上位から順番に並べたときに、フラッシュメモリ70に記憶できる限りで多くの装置情報をフラッシュメモリ70に記憶させる。
【0066】
続いてステップ262で、大容量HDD64に記憶されている、装置情報の要求に関する頻度データがフラッシュメモリ70にコピーされる。最後にステップ264において複合機メインモジュール50への電源供給を遮断してこのルーチンの実行を終了し、元のルーチンに復帰する。
【0067】
図8を参照して、図5のステップ198で実行される復帰処理を実現するためのルーチンは以下の制御構造を持つ。ステップ280で、複合機メインモジュール50への電源供給を再開する。続いてステップ282で、フラッシュメモリ70に記憶されている装置情報および頻度データをフラッシュメモリ70にコピーし、元のルーチンに戻る。
【0068】
図9を参照して、図5のステップ196で実行される応答処理を実現するルーチンは、以下の制御構造を持つ。まずステップ300において、外部装置により要求された装置情報がフラッシュメモリ70に記憶されているか否かについて判定する。判定が肯定であれば制御はステップ302に進み、さもなければ制御は図10のステップ330に進む。
【0069】
ステップ302では、要求を送信してきた外部装置が管理サーバか否かを判定する。判定が肯定であれば制御はステップ304に進み、さもなければステップ308に進む。ステップ304では、要求された装置情報をフラッシュメモリ70から読出し、応答データを生成して外部装置に送信する。この後制御はステップ306に進む。
【0070】
一方ステップ308では、要求された装置情報をフラッシュメモリ70から読出し、ユーザPCのブラウザで表示させるためのWEBページのデータを生成し、外部装置に応答として送信する。続いてステップ310で、外部装置により装置情報の更新が要求されているか否かを判定し、判定結果にしたがって制御を分岐させる。この判定が否定であれば制御はステップ306に進む。肯定であれば制御はステップ312に進む。
【0071】
ステップ312では、要求された更新内容にしたがって、装置情報を更新する。続いてステップ314で、更新が完了したことを示すWEBページのデータを作成し、要求を送信してきた外部装置に送信する。制御はステップ306に進む。
【0072】
ステップ306では、要求された装置情報に関する頻度データの更新処理を実行してこのルーチンを終了し、元のルーチンに戻る。ステップ306の処理により、装置情報が要求された頻度データが最新の値に更新される。この更新情報を用い、省エネ状態152から一時中間復帰状態154への復帰回数をできるだけ少なくするよう、大容量HDD64に記憶された装置情報の内でフラッシュメモリ70にコピーを記憶させるべき装置情報を選択することが可能になる。
【0073】
図10を参照して、図9のステップ300での判定が否定のときには、以下のルーチンが実行される。このルーチンでは、要求された装置情報を大容量HDD64から読出して外部装置に返信する。ステップ330で、システムコントローラ62および大容量HDD64への電源供給が開始される。続くステップ332で、フラッシュメモリ70にある頻度データおよび装置情報を大容量HDD64にコピーする。続いてステップ334で、装置情報を要求してきた外部装置がサービスマンの管理サーバか否かを判定する。判定が肯定であれば制御はステップ336に進み、さもなければ制御はステップ350に進む。
【0074】
ステップ336では、要求された装置情報が大容量HDD64から読出される。この装置情報を使用して、応答データが作成され、要求を送信してきた外部装置に送信される。制御はステップ338に進む。
【0075】
一方ステップ350では、要求された装置情報を大容量HDD64から読出し、ユーザのPC上で動作するブラウザに装置情報を表示するためのWEBページデータを作成する。作成されたWEBページデータはユーザのPCに送信される。続いてステップ352で、外部装置からの装置情報の要求に伴い、装置情報の更新要求があるか否かが判定される。判定が肯定であれば制御はステップ354に進み、否定であれば制御はステップ338に進む。
【0076】
ステップ354では、要求された更新内容にしたがって、装置情報が更新される。続くステップ356で、更新が完了したことを示すWEBページデータが作成され、ユーザのPCに送信される。制御はステップ338に進む。
【0077】
ステップ338では、図6のステップ242と同様のデータ更新処理が実行される。その内容については後述する。制御はさらにステップ340に進む。
【0078】
ステップ340では、システムコントローラ62への電源供給が開始されてから一定時間が経過したか否かが判定される。制御は、判定が肯定であればステップ342に進み、否定であればステップ360に進む。
【0079】
ステップ360では、外部装置からプリント要求があったか否かが判定される。もしもプリント要求があればステップ366で複合機デバイス群60への電源供給を開始する。制御は図5のステップ184に戻る。外部装置からプリント要求がないときには、ステップ362でさらに、ユーザが複合機30の復帰ボタン(図示せず)を押下したか否かが判定される。復帰ボタンが押下されたときには、制御はステップ366に進み、上述と同様の処理が実行される。復帰ボタンが押下されていないときには、ステップ364でさらに、外部装置から装置情報の要求があったか否かが判定される。制御は、判定が肯定であればステップ334に進み、さもなければステップ340に戻る。
【0080】
一方、ステップ340での判定が肯定であるときには、ステップ342において大容量HDD64に記憶されている装置情報の内で、既に述べた選択条件に合致する装置情報をフラッシュメモリ70にコピーする。続くステップ344で、大容量HDD64に記憶された頻度データをフラッシュメモリ70にコピーする。さらにステップ346でシステムコントローラ62および大容量HDD64への電源供給を遮断する。制御は図9のステップ306の後に戻り、図9の応答処理を終了して元のルーチンに復帰する。
【0081】
すなわちこの複合機30では、省エネ状態152から一旦一時中間復帰状態154に復帰した後、一定時間が経過すると自動的に省エネ状態152に戻る。ただしその間にプリント要求又は復帰ボタンの押下があると、システム起動状態150に移行する。装置情報の要求があった場合には、その装置情報がフラッシュメモリ70にあればフラッシュメモリ70から情報を読出して応答する。装置情報がフラッシュメモリ70になければ、システムコントローラ62および大容量HDD64への電源供給を開始し、大容量HDD64からその装置情報を読出して外部装置に返信する。
【0082】
図11を参照して、図6のステップ228で実行される装置情報の更新処理を実現するルーチンは、以下のような制御構造を持つ。すなわち、ステップ380において、ステップ226でその変化が検知された装置情報で、大容量HDD64に記憶されている情報を更新する。装置情報の更新処理はこれで終了である。
【0083】
図12を参照して、データ更新処理(図5のステップ242および図10のステップ338)を実現するためのルーチンは、本実施の形態では以下の制御構造を持つ。ステップ390で、外部装置により要求された装置情報の頻度データを更新して、このルーチンの実行を終了する。
【0084】
〈動作〉
以上の構成を持つ複合機30は以下のように動作する。
【0085】
(1)通常動作モード
図5を参照して、複合機30の電源が投入されると(ステップ180)、図1に示すサブコントローラ74は複合機電源ユニット72を制御して複合機メインモジュール50の各モジュールに電源供給を開始する(ステップ182)。各モジュールが動作可能な状態となると、通常動作モードでのステップ184での処理を実行する。ステップ184では、図4のシステム起動状態150により示されるように、複合機デバイス群60、システムコントローラ62および大容量HDD64の全てに電源が供給される。
【0086】
‐コピー要求又はプリント要求
コピー要求又は外部からプリント要求があると、システムコントローラ62は大容量HDD64および大容量HDD64を制御して要求されたコピー要求又はプリント要求を処理する(図6のステップ220および224)。処理が終了して、装置状態の変化を検知すると(図6のステップ226でYES)、検知された装置状態を大容量HDD64に格納された装置情報に反映させる(図6のステップ228、図11のステップ380)。装置状態の変化がなければ何もせず、通常動作モードの実行に戻る。
【0087】
‐装置情報に対する要求
通常動作モードで外部装置から装置情報に対する要求があると(ステップ220でNO、ステップ222でYES)、以下のような処理を行なう。この要求の出所には2種類がある。第1は、ユーザのPC34(図1)である。第2は、サービスマンのサポートマシン36(管理サーバ)である。これらのうち、ユーザのPC34からの要求には、単なる装置情報の参照と、装置情報の更新とがある。サポートマシン36からの要求は参照のみである。
【0088】
要求がユーザのPC34からで、かつ装置情報の参照のみの場合には、図6においてステップ230,234,236および242の経路をたどる。すなわち、要求された装置情報を大容量HDD64から読出す。読出した装置情報にもとづき、装置情報をユーザのPC34のブラウザ上に表示させるためのWEBページデータを作成する。このWEBページデータをユーザのPC34に送信する。更新要求がないので、ステップ242で、要求された装置情報に関する頻度データの更新を行なって処理を終了する。
【0089】
要求がユーザのPC34からで、かつ装置情報の更新を含む場合には、図のステップ230,234,236,238,240および242の経路をたどる。ステップ230,234は更新なしの場合と同様である。ステップ236の判定は肯定となり、ステップ238で装置情報を更新する。ステップ240で更新が完了したことを示すWEBページデータを作成してユーザのPC34に送信する。ステップ242で、要求された装置情報の頻度データを更新して処理を終了する。
【0090】
要求がサービスマンのサポートマシン36(管理サーバ)からの場合には、制御はステップ230,232および242の経路をたどる。すなわち、ステップ232で、サポートマシン36から要求された装置情報を大容量HDD64から読出す。読出した装置情報をサポートマシン36に送信する。最後に、ステップ242で、要求された装置情報に関する頻度データを更新して処理を終了する。
【0091】
以上のようにシステム起動状態150(通常動作モード)では、装置情報の読出および書込は、いずれも大容量HDD64に対して行なわれる。
【0092】
‐省エネ状態152への移行
図5を参照して、複合機30がコピー要求又は外部からのプリント要求を受けずに所定時間が経過すると、ステップ186の判定が肯定となり制御はステップ188に進む。ステップ188の移行処理では次のような処理が実行される。
【0093】
図7を参照して、ステップ260,262および264の経路で処理が実行される。最初に、大容量HDD64に記憶された装置情報の中で、予め設定された装置情報と、それ以外の装置情報で要求頻度の高いものがフラッシュメモリ70にコピーされる。同様に、大容量HDD64に記憶された頻度データもフラッシュメモリ70にコピーする。これらのコピーが終了すると、複合機メインモジュール50への電源供給を遮断して移行処理を終了する。
【0094】
(2)省エネ状態152
省エネ状態152では、複合機30のサブコントローラ74は以下のように動作する。
【0095】
‐コピー要求又はプリント要求
コピー要求、外部からのプリント要求、又は復帰ボタンの押下があると、制御は図5のステップ188、190、198、又はステップ188,190,192および198を経てステップ184の通常動作モードでの処理に移行する。すなわち、サブコントローラ74は、これらの要求があると、複合機メインモジュール50への電源供給を開始する(図8のステップ280)。フラッシュメモリ70に記憶されている装置情報および頻度データを大容量HDD64にコピーする。この後は、通常動作モードでの処理に移行する。通常動作モードでの動作については既に説明したのでここでは繰返さない。
【0096】
‐装置情報に対する要求
装置情報に対する要求があると、制御は図5のステップ190,192,194および196という経路をたどり、応答処理(ステップ196)が実行される。図9を参照して、応答処理では、最初に、要求された装置情報がフラッシュメモリ70に記憶されたか否かを判定し、判定結果に従って制御の流れを分岐させる。以下、(A)フラッシュメモリ70にあるとき、および(B)フラッシュメモリ70にないとき、のサブコントローラ74の動作について説明する。
【0097】
(A)要求された装置情報がフラッシュメモリ70にあるとき
このときは、制御は図9のステップ300からステップ302をたどる。
【0098】
装置情報を要求した装置がサービスマンのサポートマシン36(管理サーバ)であれば、ステップ302、ステップ304および306という経路をたどる。すなわち、要求された装置情報をフラッシュメモリ70から読出す。読出された装置情報を、要求を送信してきた外部装置に送信する(以上ステップ304)。さらに、フラッシュメモリ70に記憶された頻度データについて、要求された情報に関する頻度を更新して処理を終了する。
【0099】
装置情報を要求した装置がユーザのPC34で、装置情報の参照のみの場合には制御はステップ302,308,310、および306という経路をたどる。すなわち、ステップ308で、要求された装置情報をフラッシュメモリ70から読出す。ユーザのPC34上のブラウザに装置情報を表示するためのWEBページデータを作成し、外部装置に送信する(ステップ308)。ステップ310の判定は否定となり、ステップ306でフラッシュメモリ70に記憶された頻度データを更新する。
【0100】
装置情報を要求した装置がユーザのPC34で、装置情報の参照だけでなく装置情報の更新を含む場合には、制御はステップ302,308,310、312,314および306という経路をたどる。ステップ308の処理については既に述べた。ステップ312で、フラッシュメモリ70に記憶された装置情報を更新し、ステップ314で、更新が完了したことを示すWEBページデータを作成して外部装置に送信する。続くステップ306での処理については既に説明した。
【0101】
(B)要求された装置情報がフラッシュメモリ70にないとき
このときは、制御は図10のステップ330に移る。ステップ330でシステムコントローラ62および大容量HDD64への電源供給を開始する。この結果、複合機30の状態は図4に示す省エネ状態152から一時中間復帰状態154に移行する。フラッシュメモリ70にある頻度データおよび装置情報を大容量HDD64にコピーする。この処理により、省エネ状態152の間の装置状態の変更による装置情報の更新、および装置情報の要求に関する最新の頻度データが大容量HDD64にコピーされる。
【0102】
外部要求がサービスマンのサポートマシン36(管理サーバ)からの場合には、制御はステップ334,336,338という経路をたどる。すなわち、ステップ334の判定は肯定となる。ステップ336で、要求された装置情報を大容量HDD64から読出し、外部装置に応答する。ステップ338では、頻度データの更新を行なう。ここでは、図12の頻度データの更新が行なわれる。
【0103】
外部要求がユーザのPC34からの要求で、かつ装置情報の参照のみの場合には、制御はステップ334,350,352および338という経路をたどる。すなわち、ステップ334の判定が否定となる。ステップ350で、要求された装置情報を大容量HDD64から読出し、ユーザのPC34のブラウザ上に装置情報を表示させるためのWEBページデータを作成する。このWEBページデータをユーザのPC34に送信する。ステップ354で、要求された更新内容にしたがって、大容量HDD64に記憶されている装置情報を更新する。ステップ356で、更新完了を示すWEBページデータを作成してユーザのPC34に送信する。続いてステップ338で、大容量HDD64に記憶されている頻度データを更新する。
【0104】
いずれの場合も、最終的にステップ340に制御が移る。ここでは、システムコントローラ62への電源供給を開始してから一定時間が経過するまでは、外部装置からプリント要求を受けるか(ステップ360でYES)、復帰ボタンの押下があれば(ステップ362でYES)、複合機デバイス群60の電源を投入して、通常動作モードに移行する。一時中間復帰状態154で外部機器から装置情報に対する要求を受けると(ステップ364でYES),ステップ334に制御は戻り、上記した処理を繰返す。
【0105】
システムコントローラ62への電源供給を開始(ステップ330)してから一定時間が経過し、この間、外部からのプリント要求も、復帰ボタンの押下もない場合(ステップ340でYES)には、複合機30は再び省エネ状態152に戻る。すなわち、ステップ342,344,346の経路をたどり、制御は図5のステップ190に戻る。この過程では、大容量HDD64に記憶された装置情報の中で、予め設定された装置情報と、要求頻度の高い装置情報とをフラッシュメモリ70にコピーする(ステップ342)。大容量HDD64に記憶された頻度データをフラッシュメモリ70にコピーする(ステップ344)。最後に、システムコントローラ62および大容量HDD64への電源供給を遮断して、制御を図5のステップ190に戻す。この結果、複合機30は再び省エネ状態152になる。
【0106】
以上のように、この複合機30は、システム起動状態150から省エネ状態152への移行、省エネ状態152からシステム起動状態150への復帰、省エネ状態152から一時中間復帰状態154への移行、一時中間復帰状態154からシステム起動状態150への移行、一時中間復帰状態154から省エネ状態152への移行という形でのシステムの状態を移行させる。複合機30が省エネ状態152にあるときに、外部機器から装置情報に関する要求があり、その装置情報がフラッシュメモリ70に記憶されていれば、複合機30を省エネ状態152にしたままでその応答をすることができる。大容量HDD64を起動する必要はない。要求された装置情報がフラッシュメモリ70にないときにのみ、一時中間復帰状態154に移行して、要求された装置情報を返信する。この結果、複合機30が省エネ状態152にあるときに装置情報の要求があっても、複合機メインモジュール50への電源供給を開始せずに省エネ機能モジュール52のみで装置情報の応答が可能になる。装置情報の応答のために複合機メインモジュール50への電源供給を行なう必要はなく、消費電力を削減できる。
【0107】
さらに、装置情報が要求される頻度を管理し、要求される頻度の高い装置情報をフラッシュメモリ70に記憶させている。複合機メインモジュール50への電源供給を行なう頻度を低くでき、省エネ状態152における消費電力をさらに有効に削減できる。
【0108】
[第2の実施の形態]
上記した第1の実施の形態では、装置状態の変化が検知されたとき(図6のステップ226でYES)、大容量HDD64内の装置情報のみが更新されている。システム起動状態150から省エネ状態152への移行のときに、大容量HDD64からフラッシュメモリ70に装置情報がコピーされること、および省エネ状態152以外の状態では常に大容量HDD64が参照されることにより、こうした処理で問題は生じない。
【0109】
しかし、複合機30が省エネ状態152にあるときに、フラッシュメモリ70に存在しない装置情報に対する要求があったときには、大容量HDD64に記憶された装置情報が参照される。このアクセスによる頻度データの更新はすぐに図6のステップ242で行なわれる。しかし、更新後の頻度データに基づいてフラッシュメモリ70に記憶された装置情報を更新する処理は、次に省エネ状態152に移行するまで行なわれない。大容量HDD64に記憶された装置情報に対するアクセスの結果、フラッシュメモリ70に記憶された装置情報よりも要求頻度の高い装置情報が大容量HDD64に記憶されていることになる場合もあり得る。フラッシュメモリ70へのアクセスと比較して、大容量HDD64へのアクセスにともなって消費される電力量が大きい。したがって、そのような頻度の変化をできるだけ早く、できればリアルタイムでフラッシュメモリ70の記憶内容に反映させることが望ましい。第2の実施の形態にかかる複合機はそのような機能を持つ。この第2の実施の形態では、通常動作モードおよび一時中間復帰状態154では、大容量HDD64の装置情報のうち、フラッシュメモリ70にそのコピーがあるものに対する変更は、同時にフラッシュメモリ70にも反映される。
【0110】
この第2の実施の形態に係る複合機を実現するためのハードウェア構成は第1の実施の形態に係るものと同じである。図5‐図12に制御構造を示すプログラムと同様の制御構造を持つプログラムにより、この第2の実施の形態に係る複合機の機能を実現できる。ただし、本実施の形態のプログラムは第1の実施の形態のものとは以下の点で異なる。
【0111】
〈通常動作における装置情報の読出〉
図6のステップ232およびステップ234では、要求された装置情報がフラッシュメモリ70にあるか否かを検索し、あればその装置情報をフラッシュメモリ70から読出す。無ければその装置情報を大容量HDD64から読出す。
【0112】
〈移行処理〉
第2の実施の形態では、図7に示す移行処理に代えて、図13に示す制御構造を示す移行処理が採用される。
【0113】
図13を参照して、第2の実施の形態に係る複合機の移行処理(システム起動状態150から省エネ状態152への移行処理)を実現するプログラムは、大容量HDD64に記憶された頻度データをフラッシュメモリ70にコピーするステップ262を含む。このプログラムはさらに、ステップ262に続き、複合機メインモジュール50への電源供給を停止して移行処理を終了するステップ264を含む。
【0114】
この移行処理では、図7に示すものと異なり、大容量HDD64に記憶された装置情報をフラッシュメモリ70にコピーすることはしない。これは、後に説明するように、フラッシュメモリ70には常に最新の頻度データを反映した装置情報が記憶されているためである。
【0115】
同様に、一時中間復帰状態154から省エネ状態152への移行処理(図10のステップ340−346)においても、ステップ342の処理が実行されない。
【0116】
〈復帰処理〉
第2の実施の形態では、図8に示す復帰処理に代えて、図14に制御構造を示す復帰処理が採用される。
【0117】
図14を参照して、第2の実施の形態に係る複合機の復帰処理(省エネ状態152からシステム起動状態150への復帰処理)を実現するプログラムは、複合機メインモジュール50への電源供給を再開するステップ280を含む。このプログラムはさらに、ステップ280に続き、フラッシュメモリ70に記憶されたデータを大容量HDD64にコピーして処理を終了するステップ400を含む。
【0118】
この復帰処理では、図8に示すものと異なり、フラッシュメモリ70の頻度データのみが大容量HDD64にコピーされる。装置情報がフラッシュメモリ70から大容量HDD64にコピーされることはない。これは、この第2の実施の形態では、最新の装置情報はフラッシュメモリ70に記憶されているが、後述するとおり、図16に示す処理により、必要が生じるつど、フラッシュメモリ70から大容量HDD64に装置情報が書込まれるためである。
【0119】
〈装置情報の更新〉
第2の実施の形態では、図11に示す装置情報更新処理に代えて、図15に制御構造を示す装置情報更新処理が採用される。
【0120】
図15を参照して、第2の実施の形態に係る複合機における装置情報の更新処理(図6のステップ228に相当)では、ステップ226で検知された装置状態の変化を、大容量HDD64だけでなくフラッシュメモリ70にも反映する処理が行なわれる。この結果、フラッシュメモリ70の装置情報は常に最新のものとなる。
【0121】
〈データ更新処理〉
第2の実施の形態では、図12に示すデータ更新処理に代えて、図16に制御構造を示すデータ更新処理が採用される。
【0122】
図16を参照して、第2の実施の形態に係るデータ更新処理(図6のステップ242、および図10のステップ338に相当)を実現するプログラムは、図12に示すものと同様、外部装置により要求された装置情報の頻度データ(大容量HDD64に記憶されたもの)を更新するステップ390を含む。このプログラムはさらに、更新後の頻度データに基づいて、大容量HDD64に記憶された装置情報の中に、フラッシュメモリ70に記憶された装置情報のいずれかよりも頻度が高くなったものがあるか否かを判定し、判定が否定のときにこの処理を終了するステップ420を含む。ここでは、説明を容易にするために、ステップ420の判定が肯定のとき、大容量HDD64に記憶されていた装置情報でそうした条件を満たすものを第1の装置情報と呼び、フラッシュメモリ70に記憶されていた装置情報を第2の装置情報と呼ぶことにする。すなわち、第1の装置情報の頻度は第2の装置情報の頻度より高い。このプログラムはさらに、ステップ420の判定が肯定のときに実行され、第1の装置情報と第2の装置情報とを入替てこの処理を終了するステップ422を含む。
【0123】
具体的には、ステップ422では、フラッシュメモリ70に記憶されていた第2の装置情報を大容量HDD64にコピーする。フラッシュメモリ70の第2の装置情報は削除する。これに代えて、大容量HDD64に記憶されていた第1の装置情報をフラッシュメモリ70にコピーする。
【0124】
このような構成にすると、フラッシュメモリ70には、装置情報のうち、最も頻度の高い一連の装置情報と、もしあれば、予め設定されていた装置情報とが格納されることになる。しかもそれらは最新の値である。したがって複合機が省エネ状態152にあるときに外部機器から装置情報の要求があったときに、フラッシュメモリ70の情報のみで対応することができる確率が高くなる。その結果、一時中間復帰状態154に復帰させる頻度が低くなり、エネルギー消費を少なくすることができる。
【0125】
第2の実施の形態に係る複合機の動作は第1の実施の形態に係る複合機30とほぼ同様である。その相違点は、上記した図13−16に示したとおりである。
【0126】
この第2の実施の形態によれば、複合機の動作状態にかかわらず、最新の装置情報のうち、外部装置からの要求頻度であってしかも最新の要求頻度の最も高いものがフラッシュメモリ70には格納されている。外部装置から装置情報の要求があったときに、フラッシュメモリ70に記憶された装置情報を用いて応答をすることができる確率が高くなる。大容量HDD64に記憶された装置情報を得るために複合機を一時中間復帰状態154にする頻度は低くなる。その結果、複合機の消費電力を削減できる。
【0127】
なおこの第2の実施の形態では、頻度データは、基本的には大容量HDD64において管理されている。すなわち、複合機が省エネ状態152にあるときには、頻度データはフラッシュメモリ70に記憶され管理されている。しかし、一時中間復帰状態154への復帰時に大容量HDD64にコピーされる。そして、省エネ状態152以外では、頻度データは大容量HDD64に記憶され管理される。
【0128】
頻度データのこのような管理に代えて、フラッシュメモリ70のみで頻度データを管理するようにしても良い。
【0129】
〈変形例〉
上記実施の形態では、フラッシュメモリ70に記憶する装置情報を選択するときに、予めそのように設定されているものを除き、その頻度データのみを基準とし、上位から順番にフラッシュメモリ70に記憶可能な限りのものを選択した。しかし本発明はそのような実施の形態には限定されない。フラッシュメモリ70の容量を最大限に利用するために、次のような基準でフラッシュメモリ70に記憶するデータを選択することもできる。
【0130】
すなわち、装置情報を、要求された頻度の降順で並べ替えたリスト(このリストを「候補リスト」と呼ぶことにする。)を作成する。リストには、各装置情報の記憶のために必要な記憶容量を一緒に記録する。新たなリスト(このリストを「選択リスト」と呼ぶことにする。)を空の状態で作成する。候補リストの先頭から順番にフラッシュメモリ70に記憶させる装置情報を選択する。選択リストに既に追加されている装置情報を記憶するための記憶容量の合計に、選択された装置情報を記憶するための記憶容量を加算する。この値が、フラッシュメモリ70のうち、装置情報の記憶のために予約されている領域の大きさを越えなければ、選択された装置情報を選択リストの末尾に追加する。そうでなければ、候補リストのうちで次の候補を選択し、同様の処理を行なう。フラッシュメモリ70の空き容量が完全に0になるか、候補リストがなくなった時点で、選択リストへの装置情報の追加を終了する。このようにして得られた選択リストに記載された装置情報をフラッシュメモリ70にコピーする。
【0131】
こうすることで、頻度の最も高い装置情報から順番に、フラッシュメモリ70の容量が許す限り、できるだけ多くの装置情報をフラッシュメモリ70に格納できる。順番通りに装置情報を格納した結果、途中でフラッシュメモリ70の容量が足りなくなった場合でも、頻度が低い他の装置情報をフラッシュメモリ70に記憶させることができる。その結果、一時中間復帰状態154に復帰する必要が生ずる確率はさらに小さくなり、省エネ状態152における消費電力を小さくすることができる。
【0132】
上記実施の形態では、サービスマンのサポートマシン36からの要求は装置情報の参照のみとした。しかし、外部から複合機30の保守を行なう場合もある(リモートメンテナンス)。そうした場合には、外部からの要求に応じて装置の設定を変更することがありえる。したがってその場合には、図6のステップ232の後に、ステップ236,238および240と同様の処理を組込み、図9のステップ304の後に、ステップ310,312および314と同様の処理を組込めばよい。
【0133】
上記実施の形態では、外部装置から装置情報に対する要求があったときに、その要求に応答して装置情報ごとの頻度計算を行なっている。しかし本発明はそのような実施の形態には限定されない。例えば、要求を受けるたびに、どの装置情報が要求されたかに関する履歴を保存しておき、所定時間ごとに頻度情報を算出しなおすようにしてもよい。この計算は、複合機がシステム起動状態150又は一時中間復帰状態154にあるときに行なっても良いし、それに加えて複合機が省エネ状態152にあるときに行なっても良い。その計算にしたがって直ちに大容量HDD64からフラッシュメモリ70に装置情報をコピーしてもよいし、次の移行時にコピーをするようにしてもよい。
【0134】
上記実施の形態では、装置情報を大容量HDD64又はフラッシュメモリ70に記憶している。しかし本発明はそのようなメモリの組合せには限定されない。記憶容量が大きいが動作時の消費電力も大きい不揮発性メモリと、記憶容量はこの不揮発性メモリよりも小さいが動作時の消費電力が小さなメモリとの組合せであれば、どのような組合せであってもよい。フラッシュメモリ70に代えて使用されるメモリは、揮発性でもよいし、不揮発性でもよい。さらに上記実施の形態では、画像形成装置は、通常動作モードと、一時中間復帰状態と、省エネモードとの間で移行し、特に、省エネモードで装置情報の要求を受けとったときに、フラッシュメモリ70にその装置情報がない場合には一時中間復帰状態に復帰する。しかし本発明はそのような実施の形態に限定されるわけではない。例えば動作モードとして通常モードと、通常モードより消費電力量の少ない省エネモードとからなる2つの状態の間で状態を移行し、省エネモードで装置情報の要求を受け取ったときに、フラッシュメモリ70にその装置情報がない場合には、通常動作モードに遷移して装置情報を返信するようにしてもよい。
【0135】
今回開示された実施の形態は単に例示であって、本発明が上記した実施の形態のみに制限されるわけではない。本発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含む。
【符号の説明】
【0136】
30 複合機
50 複合機メインモジュール
52 省エネ機能モジュール
60 複合機デバイス群
62 システムコントローラ
64 大容量HDD
70 フラッシュメモリ
72 複合機電源ユニット
74 サブコントローラ
150 システム起動状態
152 省エネ状態
154 一時中間復帰状態
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の動作モードと、前記第1の動作モードより消費電力量の少ない第2の動作モードとで動作可能な画像形成装置であって、
前記画像形成装置に関する装置情報を記憶する第1のメモリと、
前記第1のメモリよりも動作時の電力が少なく、かつ容量も小さな第2のメモリと、
前記第1の動作モードでは前記第1のメモリおよび第2のメモリに電力を供給し、前記第2の動作モードでは前記第1のメモリには電力を供給せず、前記第2のメモリに電力を供給するための電源手段と、
外部から前記画像形成装置に関する装置情報についての要求を受信するための受信手段と、
前記第2のメモリおよび前記受信手段に接続され、前記第2の動作モードにおいて、前記受信手段が前記画像形成装置を構成する装置の装置情報に関する要求を受けたことに応答して、前記第2のメモリから当該要求に対応する装置情報を検索して返信する第1の検索手段と、
前記第1のメモリ、前記電源手段、および前記第1の検索手段に接続され、前記第2の動作モードにおいて、前記第1の検索手段による装置情報の検索が失敗したことに応答して、前記画像形成装置の動作モードを前記第1の動作モードに変更し、前記第1のメモリから前記要求に対応する装置情報を検索して返信するための第2の検索手段とを含む、画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置であってさらに、前記第1のメモリに記憶された装置情報のうち、予め定める装置情報を前記第2のメモリにコピーするためのコピー手段を含む、画像形成装置。
【請求項3】
請求項1に記載の画像形成装置であってさらに、
前記受信手段に接続され、前記受信手段が受信した各装置情報の要求の頻度を算出するための頻度算出手段と、
前記頻度算出手段により算出された頻度が最も高い装置情報から順番に、前記装置情報を前記第2のメモリにコピーするためのコピー手段とを含む、画像形成装置。
【請求項4】
請求項3に記載の画像形成装置であって、前記頻度算出手段は、
前記受信手段に接続され、前記受信手段が装置情報に対する要求を受けたことに応答して、当該要求を受ける直前の予め定められる時間期間内に受信した装置情報の要求の頻度を算出するための手段を含む、画像形成装置。
【請求項5】
請求項3又は請求項4に記載の画像形成装置であって、前記コピー手段は、前記頻度算出手段により算出された頻度が高い順に、かつ前記第2のメモリにコピー可能な容量を超える大きさのものは除外して、前記第1のメモリに記憶された装置情報を前記第2のメモリにコピーするための手段を含む、画像形成装置。
【請求項6】
請求項1に記載の画像形成装置であって、さらに、
前記第1の動作モードにおいて、所定の条件が成立すると前記画像形成装置を前記第2の動作モードに移行するための移行手段と、
前記受信手段に接続され、前記受信手段が受信した各装置情報の要求の頻度を算出するための頻度算出手段と、
前記頻度算出手段により算出された頻度が最も高い装置情報から順番に、前記装置情報を前記第2のメモリにコピーするためのコピー手段とを含む、画像形成装置。
【請求項7】
請求項1に記載の画像形成装置であって、当該画像形成装置に関する装置情報のうち、前記第2のメモリに記憶する装置情報以外の装置情報を前記第1のメモリに記憶する、画像形成装置。
【請求項8】
請求項2に記載の画像形成装置であって、さらに、前記画像形成装置が前記第1の動作モードで動作しているときに所定時間間隔で前記第1のメモリおよび前記第2のメモリに記憶させる装置情報を決定し更新するための装置情報管理手段を含む、画像形成装置。
【請求項9】
請求項1に記載の画像形成装置であって、さらに、
前記画像形成装置が前記第1の動作モードで動作しているときに、前記画像形成装置の状態変化を検知するための検知手段と、
前記検知手段により前記画像形成装置の状態変化が検知されたことに応答して、当該状態変化に応じて、前記第1のメモリに記憶されている、当該状態変化を反映すべき装置情報を更新するための手段とを含む、画像形成装置。
【請求項10】
請求項9に記載の画像形成装置であって、さらに、前記前記検知手段により前記画像形成装置の状態変化が検知されたことに応答して、当該状態変化に応じて、前記第2のメモリに記憶されている、当該状態変化を反映すべき装置情報を更新するための手段を含む、画像形成装置。
【請求項11】
請求項10に記載の画像形成装置であって、さらに、前記第1のメモリ、および前記受信手段に接続され、前記第1の動作モードにおいて、前記受信手段が前記画像形成装置を構成する装置の装置情報に関する要求を受けたことに応答して、前記第2のメモリに当該要求に対応する装置情報が記憶されていれば前記第2のメモリから、前記第2のメモリに当該要求に対応する装置情報が記憶されていなければ前記第1のメモリから、装置情報を検索して返信するための第3の検索手段を含む、画像形成装置。
【請求項12】
請求項9に記載の画像形成装置であって、さらに、前記第1のメモリ、および前記受信手段に接続され、前記第1の動作モードにおいて、前記受信手段が前記画像形成装置を構成する装置の装置情報に関する要求を受けたことに応答して、前記第1のメモリから当該要求に対応する装置情報を検索して返信するための第3の検索手段を含む、画像形成装置。
【請求項13】
請求項1に記載の画像形成装置であって、前記第1の動作モードより消費電力量が大きな第3の動作モードでも動作可能であり、
前記画像形成装置はさらに、
前記画像形成装置に対し、前記画像形成装置の前記装置情報についての要求と異なる要求入力を受付けるための入力手段と、
前記画像形成装置が前記第1の動作モード又は前記第3の動作モードにあるときに、所定時間、前記要求入力手段による入力がされないときには前記画像形成装置を前記第2の動作モードに移行させ、前記画像形成装置が前記第2の動作モードにあるときに、前記入力手段による入力があったときには前記画像形成装置を前記第3の動作モードに移行させるためのモード遷移手段とを含む、画像形成装置。
【請求項1】
第1の動作モードと、前記第1の動作モードより消費電力量の少ない第2の動作モードとで動作可能な画像形成装置であって、
前記画像形成装置に関する装置情報を記憶する第1のメモリと、
前記第1のメモリよりも動作時の電力が少なく、かつ容量も小さな第2のメモリと、
前記第1の動作モードでは前記第1のメモリおよび第2のメモリに電力を供給し、前記第2の動作モードでは前記第1のメモリには電力を供給せず、前記第2のメモリに電力を供給するための電源手段と、
外部から前記画像形成装置に関する装置情報についての要求を受信するための受信手段と、
前記第2のメモリおよび前記受信手段に接続され、前記第2の動作モードにおいて、前記受信手段が前記画像形成装置を構成する装置の装置情報に関する要求を受けたことに応答して、前記第2のメモリから当該要求に対応する装置情報を検索して返信する第1の検索手段と、
前記第1のメモリ、前記電源手段、および前記第1の検索手段に接続され、前記第2の動作モードにおいて、前記第1の検索手段による装置情報の検索が失敗したことに応答して、前記画像形成装置の動作モードを前記第1の動作モードに変更し、前記第1のメモリから前記要求に対応する装置情報を検索して返信するための第2の検索手段とを含む、画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置であってさらに、前記第1のメモリに記憶された装置情報のうち、予め定める装置情報を前記第2のメモリにコピーするためのコピー手段を含む、画像形成装置。
【請求項3】
請求項1に記載の画像形成装置であってさらに、
前記受信手段に接続され、前記受信手段が受信した各装置情報の要求の頻度を算出するための頻度算出手段と、
前記頻度算出手段により算出された頻度が最も高い装置情報から順番に、前記装置情報を前記第2のメモリにコピーするためのコピー手段とを含む、画像形成装置。
【請求項4】
請求項3に記載の画像形成装置であって、前記頻度算出手段は、
前記受信手段に接続され、前記受信手段が装置情報に対する要求を受けたことに応答して、当該要求を受ける直前の予め定められる時間期間内に受信した装置情報の要求の頻度を算出するための手段を含む、画像形成装置。
【請求項5】
請求項3又は請求項4に記載の画像形成装置であって、前記コピー手段は、前記頻度算出手段により算出された頻度が高い順に、かつ前記第2のメモリにコピー可能な容量を超える大きさのものは除外して、前記第1のメモリに記憶された装置情報を前記第2のメモリにコピーするための手段を含む、画像形成装置。
【請求項6】
請求項1に記載の画像形成装置であって、さらに、
前記第1の動作モードにおいて、所定の条件が成立すると前記画像形成装置を前記第2の動作モードに移行するための移行手段と、
前記受信手段に接続され、前記受信手段が受信した各装置情報の要求の頻度を算出するための頻度算出手段と、
前記頻度算出手段により算出された頻度が最も高い装置情報から順番に、前記装置情報を前記第2のメモリにコピーするためのコピー手段とを含む、画像形成装置。
【請求項7】
請求項1に記載の画像形成装置であって、当該画像形成装置に関する装置情報のうち、前記第2のメモリに記憶する装置情報以外の装置情報を前記第1のメモリに記憶する、画像形成装置。
【請求項8】
請求項2に記載の画像形成装置であって、さらに、前記画像形成装置が前記第1の動作モードで動作しているときに所定時間間隔で前記第1のメモリおよび前記第2のメモリに記憶させる装置情報を決定し更新するための装置情報管理手段を含む、画像形成装置。
【請求項9】
請求項1に記載の画像形成装置であって、さらに、
前記画像形成装置が前記第1の動作モードで動作しているときに、前記画像形成装置の状態変化を検知するための検知手段と、
前記検知手段により前記画像形成装置の状態変化が検知されたことに応答して、当該状態変化に応じて、前記第1のメモリに記憶されている、当該状態変化を反映すべき装置情報を更新するための手段とを含む、画像形成装置。
【請求項10】
請求項9に記載の画像形成装置であって、さらに、前記前記検知手段により前記画像形成装置の状態変化が検知されたことに応答して、当該状態変化に応じて、前記第2のメモリに記憶されている、当該状態変化を反映すべき装置情報を更新するための手段を含む、画像形成装置。
【請求項11】
請求項10に記載の画像形成装置であって、さらに、前記第1のメモリ、および前記受信手段に接続され、前記第1の動作モードにおいて、前記受信手段が前記画像形成装置を構成する装置の装置情報に関する要求を受けたことに応答して、前記第2のメモリに当該要求に対応する装置情報が記憶されていれば前記第2のメモリから、前記第2のメモリに当該要求に対応する装置情報が記憶されていなければ前記第1のメモリから、装置情報を検索して返信するための第3の検索手段を含む、画像形成装置。
【請求項12】
請求項9に記載の画像形成装置であって、さらに、前記第1のメモリ、および前記受信手段に接続され、前記第1の動作モードにおいて、前記受信手段が前記画像形成装置を構成する装置の装置情報に関する要求を受けたことに応答して、前記第1のメモリから当該要求に対応する装置情報を検索して返信するための第3の検索手段を含む、画像形成装置。
【請求項13】
請求項1に記載の画像形成装置であって、前記第1の動作モードより消費電力量が大きな第3の動作モードでも動作可能であり、
前記画像形成装置はさらに、
前記画像形成装置に対し、前記画像形成装置の前記装置情報についての要求と異なる要求入力を受付けるための入力手段と、
前記画像形成装置が前記第1の動作モード又は前記第3の動作モードにあるときに、所定時間、前記要求入力手段による入力がされないときには前記画像形成装置を前記第2の動作モードに移行させ、前記画像形成装置が前記第2の動作モードにあるときに、前記入力手段による入力があったときには前記画像形成装置を前記第3の動作モードに移行させるためのモード遷移手段とを含む、画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2011−245791(P2011−245791A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−122858(P2010−122858)
【出願日】平成22年5月28日(2010.5.28)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月28日(2010.5.28)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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