説明

画像形成装置

【課題】文書データの展開済み印刷データを保存し、その再利用によって印刷時間の短縮を図ると共に、保存すべき印刷データを自動的に選択することのできる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、文書データの印刷のためその文書データを展開して印刷データを生成した際に、該文書データの印刷要求を繰り返し受ける可能性をその文書が共有ディレクトリに保存されている文書データであるか否かや複数人に配信された電子メールの添付文書であるか否かを基準に判定し、保存要と判定した印刷データを自装置に保存する。該文書データと同一の文書データの印刷要求を受けた場合には、保存されている印刷データを用いて印刷を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書データを展開した印刷データを保存し、これを再利用して印刷可能な画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
PCなどの情報処理装置で作成された文書データをユーザがプリンタなどの画像形成装置に印刷させる際には、一般的に、まず文書データの印刷を指示するプリンタドライバによって文書データがPDL(Page Discription Language)データに変換され、このPDLデータがプリンタに送信される。次にこのプリンタに送信されたPDLデータがプリンタの展開部でリッピングされることで画像データに展開されて、この画像データの画像を印刷部が記録紙に形成することでプリンタでの文書データの印刷が行われる。
【0003】
このため、上記の場合には、文書データは作成されてから印刷されるまでにそのデータ形式の変換を2回受ける。この変換は文書データの印刷が指示される毎に行われるため、同一の文書データを印刷するのであれば、この文書データから変換された既にリッピングされている印刷データを用いて印刷すれば、こうしたデータ変換を省略でき、印刷に要する時間を短縮できる。
【0004】
そこで、文書データが印刷された際に既に展開されている印刷データを、記憶部に保存して再利用できるプリンタ制御装置がある(たとえば、特許文献1参照。)。
【0005】
文書データの配布を行うものとしては、会議で使用する文書データを添付したメールを自動作成し、該当する会議の参加者全てにこのメールを自動配信する電子メール処理装置がある(たとえば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−174956号公報
【特許文献2】特開2003−196208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1では、初回の印刷において展開部で展開された印刷データを全て保存しておき、保存された印刷データを再利用することで、繰り返し印刷される際の印刷時間を短縮できる。しかし、全ての印刷データを保存すると記憶容量の問題がある。また、ユーザが印刷データを保存するか否かの入力を行うと操作が煩雑になる。
【0008】
特許文献2では、会議の参加者に会議で使用する文書データを予め自動的にメールで配信することで、会議の参加者は必要な文書データの取得を簡便に行える。しかし、取得した文書データを印刷する際には、文書データのPDLデータへの変換と、PDLデータの画像データへの変換とが行なわれるため、文書データを印刷する時間の短縮には対応できない。
【0009】
本発明は、上記の課題を解決しようとするものであり、文書データの展開済み印刷データを保存し、その再利用によって印刷時間の短縮を図ると共に、保存すべき印刷データを自動的に選択することのできる画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
【0011】
[1]受信した文書データを印刷データに展開する展開部と、
記憶部と、
印刷部と、
前記文書データについて印刷要求を繰り返し受ける可能性を評価して、前記文書データを前記展開部で展開して得た前記印刷データの保存の要否を判定し、保存要の場合に前記印刷データを前記記憶部に保存させ、文書データの印刷要求を受けた場合に、該文書データに対応する印刷データが前記記憶部に保存されているときはその印刷データを使用して前記印刷要求にかかわる印刷を前記印刷部に行わせる制御部と
を有する
ことを特徴とする画像形成装置。
【0012】
上記発明では、文書データが印刷要求を繰り返し受ける可能性を評価した結果に応じて、その文書データを展開して得た印刷データの保存の要否を判定する。文書データが印刷要求を繰り返し受けるものであるか否かの評価は、たとえば、その文書データに対する印刷要求を複数人が発行し得るものか否か、たとえば、共有ディレクトリに保存されているか否かに基づいて行われる、あるいは、その文書データと同一の文書データが複数人に配布されたものであるか否か、たとえば、電子メール添付により複数のユーザに配布されているか否かなどの条件に基づいて行われる。
【0013】
さらに、たとえば、同一文書データに対して印刷要求を複数回受けた場合に今後もさらに印刷要求を受ける可能性があると評価して、対応する印刷データを保存するように構成されてもよい。なお、繰り返し受ける印刷要求は、同一のユーザから受けるものであってもよいし、異なるユーザから受けるものであってもよい。
【0014】
また、画像形成装置は文書データの印刷要求を受けた場合にその文書データに対応する印刷データが記憶部に保存されているか否かを確認し、対応する印刷データが保存されていればこれを使用して印刷を行う。これによりこの文書データを2回目以降に印刷する時間を短縮できる
【0015】
また、文書データが印刷要求を繰り返し受ける可能性を画像形成装置が評価するタイミングは、印刷要求を受けたときでもよいし、印刷要求とは別の任意のタイミングでもよい。たとえば、印刷要求とは別に印刷に先立って文書データをクライアントPCから受信した際にその文書データに対して上記評価を行い、保存要と判定した場合に、該文書データを印刷データに展開して保存するように構成されてもよい。
【0016】
[2]前記制御部は、前記評価として前記文書データが複数のユーザによるアクセスが可能な所定の記憶手段に保存されているか否かを検知し、前記記憶手段に保存されている場合に前記文書データの印刷データを保存要と判定する
ことを特徴とする[1]に記載の画像形成装置。
【0017】
上記発明では、所定のディレクトリに保存されている文書データは複数のユーザに共有されているため、繰り返し印刷されると判定される。これにより、該共有されている文書データが一度印刷されると、該文書データから展開された印刷データが記憶部に保存される。そしてこの文書データに対する印刷要求を再度受けた場合にこの保存されている印刷データが利用されることで、以降の該文書データの印刷時間が短縮される。
【0018】
[3]前記制御部は、前記評価として前記文書データが複数のユーザに配布されたか否かを検知し、複数のユーザに配布されている場合に前記文書データの印刷データを保存要と判定する
ことを特徴とする[1]または[2]に記載の画像形成装置。
【0019】
上記発明では、複数のユーザに配布された文書データは繰り返し印刷されると判定される。これにより、該配布された文書データが一度印刷されると、該文書データから展開された印刷データが記憶部に保存される。そして、この印刷データが再利用されることで、以降の該文書データの印刷時間が短縮される。
【0020】
複数のユーザへの文書データの配布方法には、たとえば、(1)同一の文書データの複数人への配信、(2)文書データを添付した電子メール等の複数人への送信、(3)文書データを記録した記録媒体の複数人への配布などがある。配布の有無は、配布方法に応じた方法で確認すればよく、配信サーバに問い合わせる、文書データの内容から判断するなどがある。たとえば、会議の資料の場合は、会議の参加者情報などから配布の有無を調べるようにしてもよい。
【0021】
[4]複数のユーザへの文書データの配布は、前記文書データを添付した電子メールをメールサーバから複数のユーザに配信することにより行われ、
前記制御部は、文書データが複数のユーザに配布されたか否かを、前記メールサーバにアクセスして検知する
ことを特徴とする[3]に記載の画像形成装置。
【0022】
上記発明では、文書データが複数のユーザに配布されたか否かを、文書データの添付された電子メールの配信処理を行うメールサーバに確認する。
【0023】
[5]前記制御部は、保存要と判定した印刷データとこの印刷データの展開元の文書データの識別情報とを関連付けて前記記憶部に保存させ、文書データの識別情報を含む印刷要求を受けた場合は、その文書データに対応する印刷データが前記記憶部に保存されているか否かの確認を、前記印刷要求に含まれている識別情報と同一の識別情報に関連付けされた印刷データが保存されているか否かの確認によって行う
ことを特徴とする[1]乃至[4]のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【0024】
上記発明では、文書データとこの文書データの展開済み印刷データとは識別情報をキーにして関連付けされる。すなわち、文書データの識別情報とこの文書データの印刷データとを関連付けて記憶しておくことで、目的の文書データに対応する印刷データが保存されているか否かを、その文書データの識別情報が記憶されているか否かによって確認する。これにより、データ形式が変換されても、目的の文書データから変換された印刷データが保存されているか否かを確認することができる。
【0025】
[6]前記制御部は、印刷要求と共に受信した文書データについて、前記評価を行う
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【0026】
上記発明では、画像形成装置が印刷要求と共に受信した文書データについて、該文書データを印刷すると共に該文書データが繰り返し印刷される可能性を評価し、印刷データの保存要と判定された場合には、展開部で展開した該文書データの印刷データを記憶部に保存する。
【発明の効果】
【0027】
本発明に係る画像形成装置によれば、文書データに対する印刷要求を繰り返し受ける可能性を評価して文書データに係る印刷データの保存要否を判定し、保存要の場合に印刷データを保存して再利用可能にしたので、全ての印刷データを一律に保存する等の場合に比べて、保存に必要な記憶容量を節減できる。また、保存の要否を自動的に判定するので、ユーザが個々に判断する場合に比べて高い利便性が確保される。さらに、保存された印刷データを再利用することで、印刷時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の概略構成を示す説明図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】ファイル共有サーバに共有されている文書データが繰り返し印刷される場合の動作の一例を示す説明図である。
【図4】ファイル共有サーバの動作を示す流れ図である。
【図5】クライアントPCの動作を示す流れ図である。
【図6】画像形成装置の動作を示す流れ図である。
【図7】第2の実施の形態におけるファイル共有サーバの動作を示す流れ図である。
【図8】第2の実施の形態における画像形成装置の動作を示す流れ図である。
【図9】第3の実施の形態における、同一の文書データがメールサーバにより複数のユーザにメール配信される場合の動作の一例を示す説明図である。
【図10】第3の実施の形態における、文書データが添付された電子メール配信時のメールサーバの動作を示す流れ図である。
【図11】第3の実施の形態におけるメールサーバの動作を示す流れ図である。
【図12】第3の実施の形態における画像形成装置の動作を示す流れ図である。
【図13】第4の実施の形態における画像形成装置の動作を示す流れ図である。
【図14】第5の実施の形態における、プリンタドライバを使用せずに文書データを印刷できる場合のそれぞれの動作の一例を示す説明図である。
【図15】第5の実施の形態におけるクライアントPCの動作を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面に基づき本発明の実施形態を説明する。
【0030】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の概略構成を示している。画像形成装置10は、原稿画像を読み取ってその複製画像を用紙に形成して出力するコピー機能、外部装置から受信した文書データを印刷データに展開し印刷を行うプリンタ機能などを備えたディジタル複合機(MFP)である。
【0031】
図1では、画像形成装置10に、ファイルサーバ30と、クライアントPC40aと、クライアントPC40bと、クライアントPC40cとがネットワーク2を介して通信可能に接続された構成を示している。ファイルサーバ30は、複数のユーザがアクセス可能なファイル(たとえば、文書データ)を保存する共有ディレクトリと、各ユーザが使用するファイルを保存する非共有ディレクトリ(他のユーザはアクセスできないディレクトリ)とに保存エリアを分けてファイルを管理しているサーバである。クライアントPC40a、40b、40cは、画像形成装置10の入力端末として機能する情報処理装置である。またネットワーク2は、有線による接続でも無線による接続でもよい。
【0032】
また、図1では、ファイルサーバ30に保存されている文書データを印刷する場合には、以下の手順でその処理が行われる。まず各クライアントPC(たとえば、クライアントPC40a)がMFP(たとえば、画像形成装置10)に印刷させる文書データをファイルサーバ30から読みだし、読み出した該文書データを各クライアントPC上のプリンタドライバがPDLデータに展開する。次に、各クライアントPCが該PDLデータを画像形成装置10に送信し、該PDLデータを受信した画像形成装置10がこれをラスタライズして印刷データに展開し、この生成した印刷データを用いて画像形成装置10が印刷を実行するようになっている。
【0033】
画像形成装置10は、通常のMFPとしての機能に加えて、該画像形成装置10で印刷した文書データが繰り返し印刷要求を受ける可能性を評価し、その評価結果に基づいて該文書データの印刷データに対する保存要否を判定し、保存要と判定した印刷データを該画像形成装置10の記憶部に保存する機能を備えている。
【0034】
たとえば、図1ではファイルサーバ30の共有ディレクトリに複数のユーザがアクセス可能な(共有されている)文書データが保存されている。この場合、第1の実施の形態に係る画像形成装置10は、印刷要求を受けた文書データが該ファイルサーバ30の共有ディレクトリに保存されているか否かを該ファイルサーバ30に確認する。
【0035】
また、画像形成装置10は、該文書データが共有ディレクトリに保存されている場合には、該文書データの印刷データを保存要と判定して画像形成装置10の記憶部に該印刷データを保存する。また、該文書データが共有ディレクトリに保存されていない場合には、該印刷データは保存不要と判定する。この際、画像形成装置10は、判定対象となる文書データを特定する情報として、ファイル識別情報をファイルサーバ30へ送信するようになっている。
【0036】
ファイル識別情報とは、ファイルの同一性を確認するためのメタデータ(あるデータがどのようなデータであるかを表すデータ)の一種である。ファイル識別情報はファイルを一意に特定できれば任意の情報でよい。たとえば、保存先のディレクトリ名とファイル名でもよいし、各ファイルに何らかの方法で付与した一意の識別番号などでもよい。
【0037】
また、ここでは、保存先のディレクトリ名とファイル名が同一であっても更新によってファイルの同一性が失われることを考慮して、保存された特定のファイルについて、ファイル名と、ファイルのチェックサムと、ファイルの更新日時とが関連付けられたデータをファイル識別情報とする。なお、チェックサムと更新日時はいずれか一方でもかまわない。
【0038】
ファイル識別情報は、識別対象であるファイルの内容(たとえば、文書データの記載内容など)が変更されると更新されるが、識別対象であるファイルの保存形式が変更されても(たとえば、文書データが印刷データに展開された場合)ファイル識別情報は変更されることがないようになっている。これにより、たとえば印刷などで、ある文書データの保存形式がPDLデータやビットマップデータに展開されたとしても、展開前の文書データに関するファイル識別情報が保存されることで、画像形成装置10やファイルサーバ30が同一のファイルであるか否かを識別することができるようになっている。
【0039】
ここでは、ファイルサーバ30は、ファイルサーバ30内の共有ディレクトリに保存されているファイルについて、予めファイル識別情報を作成し、そのリスト(ファイル識別情報リストとする)を保存するようになっている。
【0040】
すなわち、共有ディレクトリに新たなファイルが追加あるいは変更された際には、そのファイル(保存している文書データ)のチェックサムを生成し、該ファイル(文書データ)のファイル名とチェックサムと更新日時とを関連付けたものをそのファイルのファイル識別情報としてリストに追加または更新する。また、ファイルが共有ディレクトリから削除された場合は、リストからそのファイルのファイル識別情報を削除する。
【0041】
そして、画像形成装置10から共有ファイルか否かの確認依頼をその確認対象を特定するファイル識別情報と共に受信したとき、この受信したファイル識別情報と一致するファイル識別情報がファイル識別情報リストに保存されているか否かを検査する。一致するものが保存されている場合は、確認対象のファイルは共有ディレクトリに保存されているとの応答を画像形成装置10に返信し、一致するものが保存されていない場合は、確認対象のファイルは共有ディレクトリに保存されていないとの応答を画像形成装置10に返信するようになっている。
【0042】
なお、ファイル識別情報は、上記確認のほか、クライアントPCから文書データの印刷要求を受けた場合に、画像形成装置10の記憶部に該文書データを展開した印刷データが既に保存されているか否かを確認するための検索キーとしても使用される。
【0043】
また、クライアントPC40a〜40cには、画像形成装置10のプリンタドライバがインストールされている。このプリンタドライバは、画像形成装置10で文書データを印刷させる操作入力を受け付けると、該文書データのファイル識別情報を作成し、該文書データの印刷要求と作成したファイル識別情報とを画像形成装置10に送信する機能を備えている。このファイル識別情報は、ファイルサーバ30で作成されるファイル識別情報と同一の規格で作成されるようになっている。
【0044】
図2は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置10の構成を示すブロック図を示している。画像形成装置10は、当該画像形成装置10の動作を統括制御する制御部としてのCPU(Central Processing Unit)11にバス12を介して、ROM(Read Only Memory)13と、RAM(Random Access Memory)14と、不揮発メモリ15と、スキャナ部16と、プリンタ部17と、ファクシミリ通信部18と、ネットワーク通信部19と、表示部20と、操作部21と、画像処理部22と、補助記憶装置接続部24とを接続して構成される。補助記憶装置接続部24の配下には補助記憶装置23が接続されている。
【0045】
ROM13には各種のプログラムが格納されており、これらのプログラムに従ってCPU11が処理を実行することにより画像形成装置10としての各機能が実現される。RAM14はこのCPU11がプログラムを実行する際に各種のデータを一時的に格納するワークメモリや画像を格納する画像メモリ、送受信に係るデータを一時的に保存する通信バッファなどとして利用されるランダム・アクセス・メモリである。
【0046】
不揮発メモリ15は、電源をOFFにしてもその記憶内容が保存される書き換え可能なメモリである。この不揮発メモリ15には、画像形成装置10に対して設定された各種の設定内容(設定値)などが保存される。
【0047】
ネットワーク通信部19は、LAN(Local Area Network)などのネットワークを介してパーソナルコンピュータなどの端末装置(たとえば、クライアントPC40aなど)やサーバ(たとえば、ファイルサーバ30)などと通信して各種のデータや情報を送受信する機能を果たす。
【0048】
スキャナ部16は、原稿を光学的に読み取って画像を取得する機能を果たす。このスキャナ部16は、たとえば、原稿に光を照射する光源と、その反射光を受けて原稿を幅方向に1ライン分読み取るラインイメージセンサと、ライン単位の読み取り位置を原稿の長さ方向に順次移動させる移動手段と、原稿からの反射光をラインイメージセンサに導いて結像させるレンズやミラーなどからなる光学経路、ラインイメージセンサの出力するアナログ画像信号をディジタル画像に変換する変換部などを備えて構成されている。
【0049】
プリンタ部17は、画像に応じた画像を記録紙に印刷する印刷部としての機能を果たす。ここでは、記録紙の搬送装置と、感光体ドラムと、帯電装置と、レーザユニットと、現像装置と、転写装置と、分離装置と、クリーニング装置と、定着装置とを有し、電子写真プロセスによって画像形成を行う、所謂レーザープリンタとして構成されている。
【0050】
ファクシミリ通信部18は、ファクシミリ送信やファクシミリ受信のための通信制御、発呼(ダイアル)、着呼、電話回線との接続などを行うようになっている。
【0051】
表示部20は、各種の操作画面や設定画面、案内画面、警告画面などをUI(User Interface)として表示する機能を果たす。この表示部20は、たとえば液晶ディスプレイ(LCD;Liquid Crystal Display)などで構成される。
【0052】
操作部21は、ユーザからの各種の操作を受け付けCPU11に通知する機能を果たす。この操作部21は、たとえば表示部20の画面上に設けられたタッチパネルと、その他テンキー、スタートボタン、機能モードキーなどで構成される。
【0053】
画像処理部22は、外部の端末装置から受信した印刷データをイメージデータ(ビットマップデータ)に展開するラスタライズ処理などを行う展開部としての機能を備えている。
【0054】
補助記憶装置23は、大容量不揮発の記憶装置であり、画像データなどの情報量の大きいデータが保存される記憶部としての機能を備えている。この補助記憶装置23は、たとえばハードディスクドライブなどである。また、不揮発メモリ15に保存されている設定値などは、こちらに保存される構成でもよい。さらに、この補助記憶装置23には保存要と判定された印刷データと、この印刷データの展開元となった文書データのファイル識別情報とが関連付けされて保存される。
【0055】
次に、画像形成装置10の動作について説明する。
【0056】
図3は、クライアントPC40a、クライアントPC40b、およびクライアントPC40cによって、ファイルサーバ30に保存されている文書データの印刷ジョブが画像形成装置10へ投入される場合の、システム構成と動作シーケンスの一例を示している。たとえば、ここでは、画像形成装置10に、ファイルサーバ30とクライアントPC40aとクライアントPC40bとクライアントPC40cとがネットワークを介して接続された構成を示している。
【0057】
ファイルサーバ30は、複数のユーザがアクセスできる共有ディレクトリと、各ユーザが専有する非共有ディレクトリとにファイルを保存してファイルを管理している。たとえば、ここでは、ファイルサーバ30の共有ディレクトリには文書データAが保存されており、非共有ディレクトリには文書データBが保存されている。
【0058】
以後の説明では、画像形成装置10に対して文書データAの印刷要求をクライアントPC40aが最初に行い、その後、同じ文書データAの印刷要求をクライアントPC40bが画像形成装置10に対して行うものとする。またクライアントPC40cは画像形成装置10に対して文書データBの印刷要求を行うものとする。
【0059】
クライアントPC40aは、ファイルサーバ30の共有ディレクトリに保存されている文書データAを印刷するジョブをユーザより受け付けると、文書データAの送信をファイルサーバ30へ要求する(P1)。ファイルサーバ30は、文書データAをクライアントPC40aに送信する(P2)。
【0060】
クライアントPC40aは、文書データAをファイルサーバ30より受信すると、自装置のプリンタドライバで文書データAのファイル識別情報であるファイル識別情報Afを作成し、このファイル識別情報Afを含む印刷要求を画像形成装置10に送信する(P3)。
【0061】
画像形成装置10は、ファイル識別情報Afを含む印刷要求をクライアントPC40aから受信すると、文書データAを展開した印刷データAbが自装置の補助記憶装置23に保存されているか否かを、受信したファイル識別情報Afの内容(たとえば、ファイル名と、チェックサムと、更新日時)と補助記憶装置23に保存された印刷データのファイル識別情報とを照合することで確認する。
【0062】
この場合、印刷データAbは補助記憶装置23に保存されていないので、画像形成装置10は、文書データAのPDLデータApの送信要求をクライアントPC40aに送信する(P4)。クライアントPC40aは、画像形成装置10からPDLデータApの送信要求を受信すると、文書データAをプリンタドライバでPDLデータApに展開し、画像形成装置10にPDLデータApを送信する(P5)。
【0063】
画像形成装置10は、クライアントPC40aからPDLデータApを受信すると、PDLデータApを画像処理部22で展開し、文書データAの印刷データである印刷データAbを生成する。
【0064】
また、画像形成装置10は、文書データAの印刷要求を繰り返し受ける可能性を評価するために、ファイル識別情報Afを含む保存確認要求をファイルサーバ30に送信してファイルサーバ30の共有ディレクトリに文書データAが保存されているか否かをファイルサーバ30に問い合わせる(P6)。具体的には、該問い合わせを行うためにファイル識別情報Afを含む保存確認要求をファイルサーバ30に送信する。
【0065】
ファイルサーバ30は、画像形成装置10よりファイル識別情報Afを含む保存確認要求を受信すると、ファイルサーバ30の共有ディレクトリに該文書データAが保存されているか否かを、ファイル識別情報Afの内容(ファイルのファイル名と、チェックサムと、更新日時)と自装置に保存されているファイル識別情報のリストの内容とを照合することで確認し、その確認結果を示す確認応答を画像形成装置10に送信する(P7)。
【0066】
すなわち、一致するものがあれば、共有ディレクトリに保存されたファイルであることを、一致するものがなければ、共有ディレクトリに保存されたファイルでないことを示す確認応答を画像形成装置10に送信する。ここでは、文書データAは、共有ディレクトリに保存されている旨の確認応答を返送する。
【0067】
ファイルサーバ30より前述の確認応答を受信した画像形成装置10は、該確認応答の内容に基づいて、文書データAに関する印刷要求を繰り返し受ける可能性を評価する。すなわち、文書データAが共有ディレクトリに保存されているファイルの場合は、文書データAに関する印刷要求を繰り返し受けると評価し、文書データAに対応する印刷データAbを保存要と判定する。
【0068】
また、文書データAが共有ディレクトリに保存されていないファイルの場合は、文書データAに関する印刷要求は繰り返し受けないと評価し、文書データAに対応する印刷データAbを保存不要と判定する。ここでは、文書データAは共有ディレクトリに保存されている旨の確認応答をファイルサーバ30より受信したので、文書データAに関する印刷要求を繰り返し受けると評価し、印刷データAbとファイル識別情報Afとを関連付けて補助記憶装置23に保存する。
【0069】
展開済みの印刷データAbと、展開前の文書データAのファイル識別情報であるファイル識別情報Afとを関連付けて保存することにより、新たに受信したファイル識別情報のファイル名、チェックサム、更新日時の各項目が、保存されたファイル識別情報と一致するのを確認することで、以前印刷要求を受けた文書データと同一の文書データの印刷要求であると確認できる。
【0070】
これにより、文書データAの再印刷を要求された場合には、保存されている印刷データAbを再利用して印刷し、印刷に要する時間を短縮することができる。画像形成装置10は、印刷データAbの保存要否の判定が行われた後、印刷データAbを用いて文書データAの印刷を実行する。
【0071】
また、クライアントPC40aからの要求に基づく上記印刷が行われた後、クライアントPC40bは、ファイルサーバ30の共有ディレクトリに保存されている文書データAを印刷するジョブの投入をユーザから受け付ける。該印刷ジョブの投入を受けたクライアントPC40bは、P1、P2と同様に文書データAをファイルサーバ30から取得する(P8、P9)。次に、P3と同様にクライアントPC40bは自装置のプリンタドライバでファイル識別情報Afを作成し、このファイル識別情報Afを含む印刷要求を画像形成装置10へ送信する(P10)。
【0072】
画像形成装置10は、クライアントPC40bからファイル識別情報Afを含む印刷要求を受信すると、該受信したファイル識別情報Afと保存されているファイル識別情報との一致を検索することで印刷データAbが画像形成装置10の補助記憶装置23に保存されているか否かを確認する。
【0073】
この場合、印刷データAbは補助記憶装置23に保存されているので、画像形成装置10は文書データAの印刷を実行する旨の通知をクライアントPC40bに送信し(P11)、保存されている印刷データAbを用いて該文書データAの印刷を行う。クライアントPC40bは、該通知を画像形成装置10から受信すると、文書データAの印刷要求に係る処理を終了する。
【0074】
また、クライアントPC40cは、ファイルサーバ30の非共有ディレクトリに保存されている文書データBを印刷するジョブの投入をユーザから受け付ける。該印刷ジョブの投入を受けたクライアントPC40cは、P1と文書データBをファイルサーバ30から取得する(P12、P13)。次に、P3と同様にクライアントPC40cは自装置のプリンタドライバで文書データBのファイル識別情報であるファイル識別情報Bfを作成し、このファイル識別情報Bfを含む印刷要求を画像形成装置10に送信する(P14)。
【0075】
画像形成装置10は、クライアントPC40cからファイル識別情報Bfを含む印刷要求を受信すると、該受信したファイル識別情報Bfと、自装置に保存されている印刷データのファイル識別情報の一致を検索することで、印刷データBbが画像形成装置10の補助記憶装置23に保存されているか否かを確認する。
【0076】
この場合、印刷データBbは補助記憶装置23に保存されていないので、画像形成装置10は文書データBのPDLデータであるPDLデータBpの送信をクライアントPC40cに要求する(P15)。
【0077】
クライアントPC40cは、画像形成装置10からPDLデータBp送信の要求を受信すると、プリンタドライバで文書データBをPDLデータBpへ展開し、画像形成装置10にPDLデータBpを送信する(P16)。
【0078】
画像形成装置10は、クライアントPC40cからPDLデータBpを受信すると、PDLデータBpを画像形成装置10の画像処理部22で展開し、文書データBの印刷データである印刷データBbを生成する。
【0079】
また、画像形成装置10は、文書データBの印刷要求を繰り返し受ける可能性を評価するために、文書データBのファイル識別情報Bfを含む保存確認要求をファイルサーバ30に送信してファイルサーバ30の共有ディレクトリに文書データBが保存されているか否かをファイルサーバ30に問い合わせる(P17)。
【0080】
ファイルサーバ30は、画像形成装置10よりファイル識別情報Bfを含む保存確認要求を受信すると、P7と同様に、ファイルサーバ30の共有ディレクトリに文書データBが保存されているか否かを、ファイル識別情報Bfの内容(ファイルのファイル名と、チェックサムと、更新日時)と自装置に保存されているファイル識別情報リストの内容とを照合することで確認し、その結果を示す確認応答を画像形成装置10に送信する(P18)。ここでは、ファイルサーバ30は共有ディレクトリに保存されていない旨の確認応答を画像形成装置10に返送する。
【0081】
画像形成装置10は、ファイルサーバ30より該確認応答を受信すると、該確認応答の内容から文書データBはファイルサーバ30の共有ディレクトリに保存されていないことを確認して、文書データBの印刷要求を繰り返し受けることはないと判定され、ファイル識別情報Bfと印刷データBbとを関連付けた保存は行わない。この判定後、画像形成装置10は印刷データBbを用いて文書データBの印刷を行う。クライアントPC40cは、画像形成装置10での文書データBの印刷実行の通知を受信すると、文書データBの印刷要求に係る処理を終了する。
【0082】
図4は、ファイルサーバ30の動作の流れを示している。ファイルサーバ30は、ファイル識別情報を含む保存確認要求を画像形成装置10から受信すると(ステップS101、図3;P6、P17)、該受信したファイル識別情報とファイルサーバ30が保存しているファイル識別情報リストとを照合して(ステップS102)該文書データが共有ディレクトリに保存されているか否かを確認する(ステップS103)。
【0083】
受信したファイル識別情報と一致する文書データが共有ディレクトリに保存されていた場合(すなわち、受信したファイル識別情報がファイル識別情報リストに存在する場合)は(ステップS103;Yes)、該文書データが共有ディレクトリに保存されている旨の確認応答を画像形成装置10に送信して(ステップS104、図3;P7)、本処理を終了する(エンド)。
【0084】
共有ディレクトリに該文書データが保存されていなかった場合(すなわち、受信したファイル識別情報がファイル識別情報リストに存在しない場合)には(ステップS103;No)、ファイルサーバ30は該文書データが共有ディレクトリに保存されていない旨の確認応答を画像形成装置10に送信して(ステップS105、図3;P18)、本処理を終了する(エンド)。
【0085】
図5は、クライアントPCの動作の流れを示している。クライアントPCは、文書データの印刷ジョブをユーザより受け付けると(ステップS201)、該文書データをファイルサーバ30より取得して自装置のプリンタドライバで該文書データのファイル識別情報を作成し(ステップS202、図3;P2、P9、P13)、このファイル識別情報を含む印刷要求を画像形成装置10に送信し(ステップS203、図3;P3、P10、P14)、該文書データを展開した印刷データが画像形成装置10に保存されているか否かを確認する(ステップS204)。
【0086】
画像形成装置10に印刷データが保存されていた場合は(ステップS204;Yes)、印刷が実行される(該当する印刷データが保存されている)画像形成装置をユーザに通知し(ステップS205)、画像形成装置10に該文書データの印刷を実行させて本処理を終了する(エンド)。
【0087】
画像形成装置10に該印刷データが保存されていなかった場合は(ステップS204;No)、通常のプリンタドライバを用いた印刷を行う。すなわち、プリンタドライバを用いて該文書データをPDLデータに展開し、画像形成装置10に該PDLデータを送信し(ステップS206、図3;P5、P16)、該PDLデータに基づく印刷を画像形成装置10に依頼して本処理を終了する(エンド)。
【0088】
図6は、画像形成装置10の動作の流れを示している。画像形成装置10は、クライアントPCより該文書データのファイル識別情報を含む印刷要求を受信すると(ステップS301、図3;P3、P10、P14)、該文書データを展開した印刷データが補助記憶装置23に保存されているか否かの確認を、受信したファイル識別情報と補助記憶装置23に保存されているファイル識別情報との一致を検索することで行う(ステップS302)。
【0089】
該文書データの印刷データが保存されていた場合には(ステップS302;Yes)、画像形成装置10はその検索結果をクライアントPCに送信し(ステップS303、図3;P11、P15)、該印刷データを用いて該文書データの印刷を実行し(ステップS304)、本処理を終了する(エンド)。
【0090】
該文書データを展開した印刷データが保存されていなかった場合には(ステップS302;No)、画像形成装置10はその検索結果と該文書データのPDLデータの送信要求をクライアントPCに送信する(ステップS305、図3;P4、P15)。画像形成装置10は該文書データのPDLデータをクライアントPCより受信すると(ステップS306、図3;P5、P16)、該PDLデータを画像処理部22で展開し印刷データを生成する(ステップS307)。
【0091】
画像形成装置10は、生成した該印刷データの保存要否を判定するためにその展開元の文書データのファイル識別情報を含む保存確認要求をファイルサーバ30に送信し(ステップS308、図3;P6)該文書データがファイルサーバ30の共有ディレクトリに保存されているか否かを確認する(ステップS309)。
【0092】
該文書データが共有ディレクトリに保存されている旨の確認応答をファイルサーバ30より受信した場合は(ステップS309;Yes、図3;P7)、画像形成装置10は該印刷データを該ファイル識別情報と関連付けて記憶部に保存し(ステップS310)、さらに該印刷データを用いて該文書データの印刷を実行して(ステップS304)本処理を終了する(エンド)。
【0093】
該文書データが共有ディレクトリに保存されていない旨の確認応答をファイルサーバ30より受信した場合は(ステップS309;No、図3;P18)、画像形成装置10は該印刷データを該ファイル識別情報と関連付けて保存をせず、該印刷データを用いて該文書データの印刷を実行して(ステップS304)本処理を終了する(エンド)。
【0094】
このように、画像形成装置10は、文書データを展開して得た印刷データの保存の要否を、その文書データがファイルサーバ30の共有ディレクトリに保存されているか否かに基づいて自動的に判定するので、保存の要否をユーザが個々に指定する場合に比べて、保存対象の選択に係るユーザの操作が軽減されて高い利便性が提供される。
【0095】
また、保存した印刷データを再利用して印刷することで印刷時間を短縮することができる。さらに、文書データの保存確認要求を受信したファイルサーバ30側がその文書データが共有ファイルか否かを調べて、その結果を画像形成装置10に確認応答として返送するので、画像形成装置10側の処理負担が少ない。また、確認した結果のみを返送するので、データ転送量が少ないという利点がある。
【0096】
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。
【0097】
第1の実施の形態では、展開された印刷データの保存要否について、画像形成装置10がファイルサーバ30に判定対象の文書データのファイル識別情報を含む保存確認要求を送信し、これを受信したファイルサーバ30が自装置に保存されているファイル識別情報のリストと受信したファイル識別情報とを照合することで判定対象の文書データが共有ディレクトリに保存されているか否かを確認し、ファイルサーバ30はこの確認に基づく判定の結果を確認応答として画像形成装置10に送信していた。
【0098】
これに対し第2の実施の形態では、画像形成装置10は展開された印刷データを生成すると、その保存要否を判定するためにファイルサーバ30へ判定対象の文書データのファイル識別情報を含む保存確認要求を送信するのではなく、ファイルサーバ30に保存されているファイル識別情報リストの送信要求を行い、ファイルサーバ30から受信したファイル識別情報のリストに基づいて画像形成装置10が印刷データの保存要否を判定する。
【0099】
ここで、第1の実施の形態における印刷データ保存要否の判定方法を第1判定方法、第2の実施の形態における印刷データ保存要否の判定方法を第2判定方法と定義する。なお、共有ファイルか否かの確認方法以外については、装置構成を含めて、第1の実施の形態に示したものと同様であり、それらの説明は省略する。
【0100】
図7は、第2の実施の形態におけるファイルサーバ30の動作の流れを示す。ファイルサーバ30は、自装置に保存しているファイル識別情報リストの送信要求を画像形成装置10から受信すると(ステップS401)、自装置に保存されているファイル識別情報リストを画像形成装置10に送信し(ステップS402)、本処理を終了する(エンド)。
【0101】
図8は、第2の実施の形態における画像形成装置10の動作の流れを示す。なお、図8において図6と同一の処理を行うステップには同じステップ番号を付してある。以下では図8について、図6と差異があるステップについて説明する。
【0102】
図8では、画像形成装置10は、ステップS307完了後、ファイルサーバ30に保存されているファイル識別情報リストの送信要求をファイルサーバ30へ送信する(ステップS308B)。画像形成装置10は、該送信要求に応じてファイルサーバ30より送信されてきたファイル識別情報リストを受信すると(ステップS309B)、該受信したファイル識別情報リストとクライアントPCより受信したファイル識別情報とを照合する(ステップS310B)。
【0103】
クライアントPCより受信したファイル識別情報と一致するファイル識別情報がファイルサーバ30から受信したファイル識別情報リストに存在する場合は(ステップS309;Yes)、該当する印刷データを該ファイル識別情報と関連付けて補助記憶装置23に保存し(ステップS310)、該印刷データに基づく印刷を実行して(ステップS304)本処理を終了する(エンド)。
【0104】
クライアントPCより受信したファイル識別情報と一致するファイル識別情報がファイル識別情報リストに存在しない場合は(ステップS309;No)、ステップS310の保存は行わず、該印刷データに基づく印刷を実行して(ステップS304)本処理を終了する(エンド)。
【0105】
このように、第2の実施の形態において、画像形成装置10は、文書データを展開して得た印刷データの保存の要否を、ファイル識別情報リストをファイルサーバ30から取得してこのファイル識別情報リストに基づいて自動的に判定するので、保存の要否をユーザが個々に指定する場合に比べて、保存対象の選択に係るユーザの操作が軽減されて高い利便性が提供される。また、第1の実施の形態と同様に、印刷データを保存するための記憶容量を節減し、印刷時間を短縮することができる。
【0106】
さらに、画像形成装置10がファイル識別情報リストをファイルサーバ30から取得し、このファイル識別情報リストに基づいて画像形成装置10側が保存要否の判定を行うため、ファイルサーバ30側の処理負担を少なくすることができる。
【0107】
また、画像形成装置10がファイル識別情報リストをファイルサーバ30から取得した後、ファイルサーバ30の共有ディレクトリに保存されているファイル(文書データ)に変更がない場合は、ファイルサーバ30への保存確認要求の送信や、ファイルサーバ30からの確認応答を受信する必要がないように構成することで、ファイルサーバ30と画像形成装置10との通信を削減することができる。
【0108】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
【0109】
第1の実施の形態および第2の実施の形態では画像形成装置10で生成した印刷データの保存要否を、対応する文書データがファイルサーバの共有ディレクトリに保存されているか否かによって判定したが、第3の実施の形態では、対応する文書データが電子メールに添付され複数のユーザに配布されたものであるか否かによって判定するようになっている。
【0110】
図9は、第3の実施の形態に係るシステム構成および動作シーケンスの一例を示している。システム構成としては、図1に示すものに対し、
ファイルサーバ30がメールサーバ30bになっている点、およびメールサーバ30bに対して電子メールを送信するクライアントPC40dが存在する点で相違する。
【0111】
また、クライアントPC40a、40b、40cはメールサーバ30bから受信した電子メールの添付ファイル(文章データ)に係る印刷ジョブを画像形成装置10に投入するようになっている。クライアントPC40dは、たとえば、他のクライアントPC40a〜40cとは別のローカルネットワークに所属する端末装置である。なお、第3の実施の形態の画像形成装置の構成は図2に示すものと同一であり、その説明は省略する。
【0112】
メールサーバ30bは、各クライアントPCから受信した(配信依頼を受けた)電子メールの配信を管理するサーバである。メールサーバ30bは、受信した電子メールの宛先が複数であり、かつ、添付ファイルとして文書データが付されている場合は、その文書データのファイル識別情報を作成して自装置に保存する。
【0113】
なお、メールサーバ30bは、作成したファイル識別情報を所定期間保存する。また、保存中の各ファイル識別情報は、これらを一覧にまとめたファイル識別情報リストBの形式で保存される。ファイル識別情報は、第1の実施の形態と同様に、対応する文書データを一意に特定し得る情報であればよい。本実施の形態では、ファイル識別情報は、文書データのファイル名とチェックサムとから構成されるものとする。
【0114】
図9に例示する動作シーケンスにおいては、文書データCが添付された電子メールCがメールサーバ30bを介して配信されることにより、文書データCがクライアントPC40aと40bに配布され、文書データDが添付された電子メールDの配信により文書データDがクライアントPC40cに配布されているものとする。
【0115】
たとえば、複数の宛先に配信されている電子メールCは、クライアントPC40aのユーザとクライアントPC40bのユーザとが参加する会議の連絡であり、添付された文書データCはその会議で使用される資料である。これに対して、1つの宛先に配信されている電子メールDは、クライアントPC40cのユーザのみに対する連絡などであり、添付された文書データDはクライアントPC40cのユーザのみが使用する資料である。
【0116】
また、画像形成装置10に対して文書データCの印刷要求をクライアントPC40aが最初に行い、その後、同じ文書データCの印刷要求をクライアントPC40bが画像形成装置10に対して行うものとする。またクライアントPC40cは画像形成装置10に対して文書データDの印刷要求を行うものとする。
【0117】
クライアントPC40dは、文書データCの添付された電子メールCを複数のユーザ(クライアントPC40aと40b)に配信する入力操作を受け付けると、メールサーバ30bにこの電子メールCを送付する(P19)。該電子メールCを受信したメールサーバ30bは、この電子メールCが複数宛先でありかつ文書データCが添付されているので、ファイル識別情報Cfを作成してファイル識別情報リストBに追加保存し、電子メールCをクライアントPC40aと40bに配信する(P21、P27)。
【0118】
また、クライアントPC40dは、文書データDの添付された電子メールDをクライアントPC40cに配信する入力操作を受け付けると、メールサーバ30bにこの電子メールDを送付する(P20)。該電子メールDを受信したメールサーバ30bは、この電子メールDは単一宛先であるので、文書データDのファイル識別情報を作成せずに電子メールDをクライアントPC40cに送信する(P30)。
【0119】
クライアントPC40aは、文書データCが添付された電子メールCをメールサーバ30bより受信する。その後、クライアントPC40aは文書データCを印刷するジョブをユーザより受け付けると、自装置のプリンタドライバで文書データCのファイル識別情報Cfを作成し、このファイル識別情報Cfを含む印刷要求を画像形成装置10に送信する(P22)。
【0120】
画像形成装置10は、ファイル識別情報Cfを含む印刷要求をクライアントPC40aから受信すると、文書データCを展開した印刷データCbが自装置の補助記憶装置23に保存されているか否かを、受信したファイル識別情報Cfの内容(たとえば、ファイル名と、チェックサム)と補助記憶装置23に保存されているファイル識別情報とを照合することで確認する。
【0121】
この場合、印刷データCbは未だ補助記憶装置23に保存されていない(一致するファイル識別情報が保存されていない)ので、画像形成装置10は、文書データCのPDLデータCpの送信要求をクライアントPC40aに送信する(P23)。クライアントPC40aは、画像形成装置10からPDLデータCpの送信要求を受信すると、文書データCをプリンタドライバでPDLデータCpに展開し、画像形成装置10にPDLデータCpを送信する(P24)。
【0122】
画像形成装置10は、クライアントPC40aからPDLデータCpを受信すると、PDLデータCpを画像処理部22で展開し、文書データCの印刷データである印刷データCbを生成する。画像形成装置10は、文書データCの印刷要求を繰り返し受ける可能性を評価するために、ファイル識別情報Cfを含む保存確認要求をメールサーバ30bに送信して、メールサーバ30bのファイル識別情報リストBにファイル識別情報Cfが保存されているか否かをメールサーバ30bに問い合わせる(P25)。
【0123】
メールサーバ30bは、画像形成装置10よりファイル識別情報Cfを含む保存確認要求を受信すると、ファイル識別情報Cfの内容(ファイルのファイル名と、チェックサム)と自装置に保存されているファイル識別情報リストBの内容とを照合することでファイル識別情報Cfがファイル識別情報リストBに保存されているか否かを確認し、その確認結果を示す確認応答を画像形成装置10に送信する(P26)。一致するものがあれば、複数のユーザに配布されたファイルであることを、一致するものがなければ、複数のユーザに配布されたファイルでないことを通知する。ここでは、文書データCは、複数のユーザに配布されている旨の確認応答を返送する。
【0124】
メールサーバ30bより前述の確認応答を受信した画像形成装置10は、該確認応答の内容に基づいて、文書データCに関する印刷要求を繰り返し受ける可能性を評価する。
【0125】
すなわち、文書データCが複数のユーザに配布されたファイルである場合は、文書データCに関する印刷要求を繰り返し受けると評価し、文書データCに対応する印刷データCbを保存要と判定する。文書データCが複数のユーザに配布されていないファイルの場合には、文書データCに関する印刷要求は繰り返し受けないと評価し、文書データCに対応する印刷データCbを保存不要と判定する。
【0126】
ここでは、文書データCは複数のユーザに配布されている旨の確認応答をメールサーバ30bより受信したので、画像形成装置10は文書データCに関する印刷要求を繰り返し受けると評価し、印刷データCbとファイル識別情報Cfとを関連付けて補助記憶装置23に保存する。
【0127】
展開済みの印刷データCbと、展開前の文書データCのファイル識別情報Cfとを関連付けて保存することにより、新たに受信したファイル識別情報(ファイル名、チェックサムの各項目)が、保存されたファイル識別情報と一致するのを確認することで、以前印刷要求を受けた文書データと同一の文書データの印刷要求であると確認できる。
【0128】
これにより、文書データCの再印刷を要求された場合には、保存されている印刷データCbを再利用して印刷し、印刷に要する時間を短縮することができる。画像形成装置10は、印刷データCbの保存要否の判定が行われた後、印刷データCbを用いて文書データCの印刷を実行する。
【0129】
クライアントPC40aからの要求に基づく上記印刷が行われた後、クライアントPC40bは、電子メールCに添付されて配布された文書データCを印刷するジョブの投入をユーザから受け付ける。該印刷ジョブの投入を受けたクライアントPC40bは、P20と同様に自装置のプリンタドライバでファイル識別情報Cfを作成し、このファイル識別情報Cfを含む印刷要求を画像形成装置10に送信する(P28)。
【0130】
画像形成装置10は、クライアントPC40bからファイル識別情報Cfを含む印刷要求を受信すると、該受信したファイル識別情報Cfと保存されているファイル識別情報との一致を検索することで印刷データCbが画像形成装置10の補助記憶装置23に保存されているか否かを確認する。
【0131】
この場合、印刷データCbは補助記憶装置23に保存されているので、画像形成装置10はその旨の確認通知をクライアントPC40bに送信し(P29)、保存されている印刷データCbを用いて文書データCの印刷を行う。クライアントPC40bは、上記確認通知を受信すると、文書データCの印刷要求に係る処理を終了する。
【0132】
クライアントPC40cは、電子メールDに添付されて配布された文書データDを印刷するジョブの投入をユーザから受け付ける。該印刷ジョブの投入を受けたクライアントPC40cは、自装置のプリンタドライバで文書データDのファイル識別情報Dfを作成し、このファイル識別情報Dfを含む印刷要求を画像形成装置10に送信する(P31)。
【0133】
画像形成装置10は、クライアントPC40cからファイル識別情報Dfを含む印刷要求を受信すると、該受信したファイル識別情報Dfと保存されているファイル識別情報との一致を検索することで印刷データDbが画像形成装置10の補助記憶装置23に保存されているか否かを確認する。この場合、印刷データDbは補助記憶装置23に保存されていないので、画像形成装置10は文書データDのPDLデータであるPDLデータDpの送信をクライアントPC40cに要求する(P32)。
【0134】
クライアントPC40cは、画像形成装置10からPDLデータDpの送信要求を受信すると、プリンタドライバで文書データDをPDLデータDpへ展開し、画像形成装置10にPDLデータDpを送信する(P33)。
【0135】
画像形成装置10は、クライアントPC40cからPDLデータDpを受信すると、PDLデータDpを画像形成装置10の画像処理部22で展開し、文書データDの印刷データである印刷データDbを生成する。画像形成装置10は、文書データDの印刷要求を繰り返し受ける可能性を評価するために、ファイル識別情報Dfの保存確認要求をメールサーバ30bに送信して、メールサーバ30bのファイル識別情報リストにファイル識別情報Dfが保存されているか否かをメールサーバ30bに問い合わせる(P34)。
【0136】
メールサーバ30bは、画像形成装置10よりファイル識別情報Dfを受信すると、ファイル識別情報Dfの内容(ファイルのファイル名と、チェックサム)と自装置に保存されているファイル識別情報リストの内容とを照合することでファイル識別情報Dfがファイル識別情報リストに保存されているか否かを確認し、その確認結果を示す確認応答を画像形成装置10に送信する(P35)。
【0137】
ここでは、ファイル識別情報リストに保存されていない旨の確認応答を送信する。画像形成装置10は、メールサーバ30bより該確認応答を受信する。そして、該確認応答が、文書データDはメールサーバ30bのファイル識別情報リストに保存されていないことを示す場合には、文書データDの印刷要求を繰り返し受けることはないと判定し、ファイル識別情報Dfと印刷データDbを関連付けた保存は行わない。この判定後、画像形成装置10は印刷データDbを用いて文書データDの印刷を行う。クライアントPC40cは、画像形成装置10での文書データDの印刷実行の通知を受信すると、文書データDの印刷要求に係る処理を終了する。
【0138】
図10は、第3の実施の形態において、電子メールの配信依頼を受信したメールサーバ30bの動作を示す。メールサーバ30bはクライアントPCから電子メールの配信要求を受け付けると、該電子メールの配信先が複数のユーザでありかつ文書データが添付ファイルとして添付されているか否かを調べる(ステップS501)。
【0139】
文書データの添付ファイルがあり、かつ複数のユーザへの配信であった場合は(ステップS501;Yes)、該文書データのファイル識別情報を作成し、これを自装置に保存されているファイル識別情報リストBに追加保存し(ステップS502、図9;P21、P27)、該電子メールを各宛先に配信して(ステップS503)、本処理を終了する(エンド)。
【0140】
該電子メールの配信先が単一、もしくは該電子メールに文書データの添付ファイルが無い場合は(ステップS501;No)、クライアントPCから受信した電子メールを指定されている宛先へ配信し(ステップS503、図9;P30)、本処理を終了する(エンド)。
【0141】
図11は、第3の実施の形態においてメールサーバ30bが画像形成装置10からファイル識別情報を受信した場合の動作の流れを示す。なお、図11において図4と同一の処理を行うステップには同じステップ番号を付してある。以下では図11について、図4と差異があるステップについて説明する。
【0142】
図11ではステップS101完了後、図4のステップS102に代えてステップS102Bが行われる。ステップS102Bでは、メールサーバ30bが受信したファイル識別情報と、自装置に保存されている、ファイルが添付され、かつ複数のユーザ宛に配信された電子メールの配信記録に基づくファイル識別情報リストBとを照合する。ステップS102B完了後は、ステップS103以降を行う。
【0143】
図12は、第3の実施の形態において画像形成装置10がクライアントPCから文書データの印刷要求を受信した場合の動作の流れを示す。なお、図12において図6と同一の処理を行なうステップには同じステップ番号を付してある。以下では図12について、図6と差異があるステップについて説明する。
【0144】
図12ではステップS307完了後、図6のステップS308に代えてまずステップS308Cが行われる。ステップS308Cでは、画像形成装置10は印刷要求を受けた文書データのファイル識別情報をメールサーバ30bに送信し、該文書データがメールサーバ30bを介して複数のユーザに配布されたか否かをメールサーバ30bに確認させ、その結果をメールサーバ30bから受信する。ステップS308C完了後は、ステップS309以降を行う。
【0145】
このように、第3の実施の形態では、メールサーバ30bを介して複数のユーザに配布された文書データであるか否かに基づいて、生成した印刷データの保存要否を画像形成装置10側で自動的に判定する。これにより、第1の実施の形態と同様に、保存の要否をユーザが個々に指定する場合に比べて、保存対象の選択に係るユーザの操作が軽減されて高い利便性が提供される。また、補助記憶装置23における印刷データを保存するための記憶容量を節減することができる。その他の効果は第1の実施の形態と同一であり、その説明は省略する。
【0146】
次に、第4の実施の形態について説明する。
【0147】
第4の実施の形態では、第3の実施の形態と同様の構成だが、印刷データの保存要否を判定する方法が第2の実施形態と同様となっている(第2判定方法)。なお、第4の実施の形態におけるメールサーバ30bの動作は、第2の実施の形態のファイルサーバ30の動作(図7)と同一であり、その説明は省略する。また、複数のユーザに配布された文書データであるか否かの確認方法以外については、装置構成を含めて、第3の実施の形態に示したものと同様であり、それらの説明は省略する。
【0148】
図13は、第4の実施の形態において画像形成装置10がクライアントPCから文書データの印刷要求を受信した場合の動作の流れを示す。なお、図13において図6と同一の処理を行なうステップには同じステップ番号を付してある。以下では図13について、図6と差異があるステップについて説明する。
【0149】
図13ではステップS307の完了後、図6のステップS308に代えてまずステップS308Dが行われる。ステップS308Dでは、画像形成装置10はメールサーバ30bに保存されているファイル識別情報リストBの送信要求をメールサーバ30bへ送信する。
【0150】
画像形成装置10は、続くステップS309Dでファイル識別情報リストBをメールサーバ30bより受信すると、ステップS310Dで該受信したファイル識別情報リストBとクライアントPCより受信したファイル識別情報とを照合し、印刷要求を受けた文書データがメールサーバ30bを介して複数のユーザに配布されたか否かを確認する。
【0151】
すなわち、受信したファイル識別情報リストBの中にクライアントPCより受信したファイル識別情報と一致するものがあれば、該文書データの印刷データを保存要と判定する。なければ、該文書データの印刷データを保存不要と判定する。ステップS310D完了後は、ステップS309以降を行う。
【0152】
このように、第4の実施の形態では、画像形成装置10がメールサーバ30bからファイル識別情報リストBを取得し、このファイル識別情報リストBに基づいて、画像形成装置10側が印刷データの保存要否の判定を行う。このため、メールサーバ30b側の処理負担が少ない。その他の効果は、第3の実施の形態と同一であり、その説明は省略する。
【0153】
次に、第5の実施の形態について説明する。
【0154】
第5の実施の形態では、画像形成装置に既に保存されている印刷データを利用した印刷を、この画像形成装置に対応するプリンタドライバがインストールされていないクライアントPCから実行できるようになっている。なお、印刷要求を繰り返し受ける可能性を評価して画像形成装置に印刷データが保存されるまでの動作については第1〜第4の実施の形態で示したものと同一であり、その説明は省略する。
【0155】
図14は、第5の実施の形態に係るシステム構成および動作シーケンスの一例を示している。システム構成は図1に示すものと基本的に同一であるが、さらに画像形成装置10bおよび10cがネットワークに接続されている。なお、図14ではファイルサーバ30は図示省略してある。ここでは、画像形成装置10a、10b、10cは異なる機種のMFPであり、それぞれに適合する正規のプリンタドライバa、プリンタドライバb、プリンタドライバcがある。
【0156】
各プリンタドライバは、クライアントPCが文書データの印刷ジョブの入力を受けた場合に、該文書データのファイル識別情報を含む印刷要求を、対応する画像形成装置に送信する機能を備えており、第1の実施の形態等で示したものと同一である。
【0157】
また、画像形成装置10a、10cはカラー印刷とモノクロ印刷が可能なMFPであり、画像形成装置10bはモノクロ印刷のみ可能なMFPとなっている。本例では、クライアントPC40aにはプリンタドライバaとプリンタドライバbがインストールされており、クライアントPC40b、40cにはプリンタドライバbとダミードライバとがインストールされている。
【0158】
ダミードライバは、正規のプリンタドライバがインストールされていない画像形成装置においてその正規のプリンタドライバに替えてインストールされるプリンタドライバである。ダミードライバは文書データをPDLデータに変換する機能などは具備しない。
【0159】
また、ダミードライバは、適合するプリンタドライバがインストールされていない画像形成装置に対して、クライアントPCから文書データのファイル識別情報を含む印刷要求を送信する機能を果たす。該印刷要求には、その送信元がダミードライバであることを示す情報が含まれる。
【0160】
ダミードライバからファイル識別情報を含む印刷要求を受けた画像形成装置にそのファイル識別情報に対応付けされた印刷データが保存されている場合には、その印刷データを利用した印刷が実行される。すなわち、ダミードライバを使用することで、正規のプリンタドライバをインストールしていないクライアントPCから印刷を依頼することが可能になる。
【0161】
たとえば、モノクロのプリンタドライバしかインストールされていないクライアントPCでも、既に印刷データが保存されているカラーのプリンタに対して、ダミードライバから、その印刷データに対応するファイル識別情報を含む印刷要求を送信すれば、該カラープリンタに印刷を実行させることができる。
【0162】
図14に例示する動作シーケンスでは、まず、クライアントPC40aが画像形成装置10aで文書データEを印刷するジョブをユーザから受け付ける。クライアントPC40aには画像形成装置10aの正規プリンタドライバaがインストールされているので、該正規プリンタドライバaがこの印刷に係る処理を行う。
【0163】
すなわち、クライアントPC40aのプリンタドライバaは、図示しないファイルサーバ30より文書データEを取得し、この文書データEに対応するファイル識別情報Efを生成する。そして、文書データEとこのファイル識別情報Efを含む印刷要求を画像形成装置10aに送信する(P36)。
【0164】
ここで、画像形成装置10aには文書データEに対応する印刷データが保存されていないものとする。このため、画像形成装置10aは、図3のP4、P5と同様にPDLデータEpの送信要求をクライアントPC40aに対して送信する(P37)。
【0165】
これに応じて、クライアントPC40aはPDLデータEpを作成して画像形成装置10aに送信する(P38)。画像形成装置10aは受信したPDLデータEpより印刷データEbを生成して印刷を実行すると共に、その印刷データEbをファイル識別情報Efに対応付けて保存する。
【0166】
その後、クライアントPC40bは、画像形成装置10aで文書データEを印刷するジョブをユーザから受け付ける。クライアントPC40bは、画像形成装置10aの正規プリンタドライバaを具備しないので、ダミードライバがこの印刷ジョブに係る処理を行う。
【0167】
クライアントPC40bのダミードライバは、図示されないファイルサーバ30より文書データEを取得し、ファイル識別情報Efを作成し、該ファイル識別情報Efとダミードライバが送信元であることを示す情報とを含む印刷要求を画像形成装置10aに送信する(P39)。
【0168】
画像形成装置10aはクライアントPC40bから該印刷要求を受信すると、自装置の補助記憶装置23に既に印刷データEbが保存されているので、その旨を示す確認通知をクライアントPC40bに返信する(P40)と共に、印刷データEbを用いて印刷を実行する。確認通知を受信したクライアントPC40bは、文書データEの印刷要求に係る処理を終了する。
【0169】
また、クライアントPC40cは、正規のプリンタドライバがインストールされていない画像形成装置10cで文書データEを印刷するジョブをユーザから受け付ける。クライアントPC40cは、画像形成装置10cの正規プリンタドライバを具備しないので、ダミードライバがこの印刷ジョブに係る処理を行う。
【0170】
クライアントPC40cのダミードライバは、図示されないファイルサーバ30より文書データEを取得し、ファイル識別情報Efを作成し、該ファイル識別情報Efとダミードライバが送信元であることを示す情報とを含む印刷要求を画像形成装置10cに送信する(P41)。
【0171】
ここで、画像形成装置10cには、ファイル識別情報Efに対応する印刷データEbが保存されていないものとする。画像形成装置10cは、印刷要求の送信元がダミードライバなので、PDLデータの送信要求は行わず、印刷不可を示す確認通知をクライアントPC40cに送信する(P42)。
【0172】
印刷不可を示す確認通知を受信したクライアントPC40cは、ネットワークを介して接続された他の画像形成装置に対して、先ほどの印刷要求を送信し、他の画像形成装置での印刷を試みる。本例では、画像形成装置10aに対してファイル識別情報Efを含む印刷要求を送信する(P43)。
【0173】
画像形成装置10aにはファイル識別情報Efに対応付けて印刷データEbが保存されているので、画像形成装置10aは印刷データEbが保存されている旨の確認通知をクライアントPC40cに返信する(P44)と共に、印刷データEbを用いて印刷を実行する。確認通知を受信したクライアントPC40cのダミードライバは、文書データEの印刷要求に係る処理を終了する。
【0174】
図15は、第5の実施の形態におけるクライアントPCの動作の流れを示している。ここでは、クライアントPCにはダミードライバがインストールされ、印刷先に指定された画像形成装置の正規のプリンタドライバはインストールされていないものとする。なお、図15において図5と同一の処理を行うステップには同じステップ番号を付してある。
【0175】
クライアントPCはユーザから印刷ジョブを受け付けると(ステップS201)、ダミードライバを起動する。ダミードライバは該印刷ジョブで印刷対象に指定されている文書データのファイル識別情報を作成する。そして、印刷要求の送信元がダミードライバであることを示すダミードライバ情報と、作成したファイル識別情報とを含む印刷要求を、印刷先の画像形成装置へ送信する(ステップS203B、図14;P39、P41)。
【0176】
クライアントPCが、印刷要求の送信先の画像形成装置から、ファイル識別情報に一致する印刷データが存在する旨の確認通知を受信した場合は(ステップS204;Yes、図14;P40)、印刷が実行される画像形成装置の識別情報(名称や装置IDなど)を該クライアントPCのディスプレイなどに表示しユーザに通知して(ステップS205)、処理を終了する(エンド)。この場合、印刷先の画像形成装置では、当該クライアントPCから送信した印刷要求に対応する印刷を、画像形成装置が保存している印刷データを使用して行う。
【0177】
クライアントPCが、印刷要求の送信先の画像形成装置から、ファイル識別情報に一致する印刷データが存在しない旨の確認通知を受信した場合は(ステップS204;No、図14;P42)、印刷要求をまだ送信していない未確認の画像形成装置を検索し(ステップS204B、図14;P43)、未確認の画像形成装置があった場合は(ステップS204B;Yes、図14;P44)、ステップS203Bに戻り、その未確認の画像形成装置に対して、印刷要求を送信する。未確認の画像形成装置がない場合は(ステップS204B;No)、クライアントPCは該文書データの印刷ジョブの実行が不可能であることをユーザに通知して(ステップS206B)、本処理を終了する(エンド)。
【0178】
このように、第5の実施の形態では、画像形成装置に保存された印刷データを再利用することにより、正規のプリンタドライバがインストールされていないクライアントPCから画像形成装置に文書データの印刷を実行させることができる。
【0179】
また、印刷不可の確認通知を受けた場合に、ネットワーク上の他の画像形成装置に対して印刷要求を送信するようにしたので、印刷先に指定された画像形成装置とは別の画像形成装置に印刷データが保存されていた場合でも、その印刷データを利用した印刷を行うことができる。またユーザは該当する印刷データの保存されている画像形成装置を自分で探す作業から開放され、利便性が向上する。
【0180】
また、これまで印刷データの保存要否を画像形成装置が自動的に判定していたが、印刷データの保存可否を画像形成装置の正規のプリンタドライバで選択できるような構成にしてもよい。
【0181】
前述したように、ダミードライバは、MFPに保存されている印刷データを用いた印刷しか実行することができない。従って、正規のプリンタドライバを具備する(文書データをPDLデータに展開し、画像形成装置にそのPDLデータを送信できる)クライアントPCのユーザが、画像形成装置に保存させた印刷データの文書データのみが、ダミードライバによる印刷が可能な文書データとなる。そこで、印刷データの保存可否を画像形成装置の正規のプリンタドライバで選択できる構成にすることで、正規のプリンタドライバを具備するクライアントPCのユーザが、ダミードライバしかインストールされていないクライアントPCから印刷可能な文書データを任意に制限可能なシステムを構成することができる。
【0182】
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0183】
たとえば、実施の形態では画像形成装置に印刷データを保存する期限について設定されていなかったが、ユーザが印刷データの保持期限を任意に設定できる構成でもよい。
【0184】
また、実施の形態では画像形成装置10でファイル識別情報に関連付けて印刷データを保存したが、これに代えてファイル識別情報とPDLデータを関連付けて保存するようにしてもよい。この場合、画像形成装置10は、自装置が保存しているPDLデータと同一のファイル識別情報を含む印刷要求を受けた場合に、該PDLデータを展開して印刷データを生成し、該印刷データを用いて印刷を実行する構成でもよい。
【0185】
また、実施の形態では、クライアントPCが印刷要求を行う際にファイル識別情報を作成していたが、これに対し、サーバ側のみでファイル識別情報が作成され、クライアントPC側はサーバから文書データを取得した際に該文書データのファイル識別情報を同時に取得して用いるように構成されてもよい。
【0186】
この場合、ファイルサーバ側では共有ディレクトリに格納されるファイルのみについてファイル識別情報をクライアントPCへ通知するようにしてもよいし、非共有ディレクトリに保存されているファイルについてもファイル識別情報を作成してクライアントPCに通知するように構成されてもよい。前者の場合、たとえば、クライアントPCは、ファイルサーバからファイル識別情報が返信された場合には該ファイル識別情報を含む印刷要求を画像形成装置10に送信し、返信されない場合は文書データからPDLデータを作成して、該PDLデータを含む印刷要求を画像形成装置10に送信する。そして、画像形成装置10は、ファイル識別情報を含む印刷要求を受けた場合は第1の実施の形態等のように動作し、ファイル識別情報を含まない場合は受信したPDLデータから印刷データを作成し、該印刷データは保存せず、印刷を行うようにすればよい。
【0187】
また、ファイル識別情報としてパス情報(IPアドレスやディレクトリ情報など)を含む印刷要求をクライアントPCから送信できるようにしてもよい。この場合、予め特定の記憶手段のパスを画像形成装置10に設定し、該設定したパスとクライアントPCから受信したファイル識別情報のパスが一致した場合には、画像形成装置10は印刷要求を受けた文書データの印刷データを保存要と判定して保存する構成にしてもよい。
【0188】
また、実施の形態では、クライアントPCからファイル識別情報を文書データの印刷要求として画像形成装置10に送信するようにしたが、印刷を実行せずに文書データの評価だけを行う評価指示としてファイル識別情報を送信する構成でもよい。詳細には、クライアントPCからファイル識別情報を含む評価指示を画像形成装置10に送信し、これを受信した画像形成装置10は、印刷を実行せずに、そのファイル識別情報に対応する文書データが繰り返し印刷要求を受ける可能性を評価し、その評価結果をクライアントPCに通知する構成にしてもよい。
【0189】
また、これに続いて、繰り返し印刷要求を受けるとの評価結果の通知を受けたクライアントPCがPDLデータを画像形成装置10に送信して印刷データに展開させ、印刷は行わずに、該印刷データとファイル識別情報とを対応付けて画像形成装置10に保存のみさせるようにしてもよい。この保存された印刷データは、以後、画像形成装置10が該文書データの印刷要求を受けた際の印刷に使用される。
【0190】
また、画像形成装置10がクライアントPCに対してPDLデータの要求を送信し、該PDLデータをクライアントPCから受信するタイミングは、図6に例示したものに限定されない。たとえば、図6では、画像形成装置10は、ファイル識別情報に一致する印刷データが保存されていない場合に、PDLデータをクライアントPCに要求して入手してから該PDLデータに対応する印刷データの保存要否を判定している。これに対し、画像形成装置10が、クライアントPCから印刷要求を受けた文書データの印刷データについて保存要否を判定した後、クライアントPCに対してPDLデータの送信を要求するように構成されてもよい。
【0191】
また、画像形成装置10によるPDLデータから印刷データへの展開のタイミングや、ファイルサーバに保存確認要求を送信するタイミングは、図6などに示されたタイミング以外で実行されてもよい。たとえば、画像形成装置10はクライアントPCから受信したPDLデータを、まず印刷データに展開し、その次にファイルサーバに保存確認要求を送信していたが、この2つの動作は、前述の順序と逆順で実行されてもよい。
【0192】
また、画像形成装置10に現在保存されている印刷データを確認できる構成にしてもよい、たとえば、ネットワーク2を介して各クライアントPCから確認できるようにしてもよいし、画像形成装置10の表示部20などで確認できるようにしてもよい。
【0193】
また、画像形成装置10とファイルサーバとで定期的に通信を行い、保存要と判定された印刷データの文書データが、共有ディレクトリなど所定の場所から削除もしくは移動された場合には、該印刷データを画像形成装置10から消去できるようにしてもよい。
【0194】
また、印刷データの保存要否を判定する方法は、たとえば、会議の名称・場所・時間・参加者名・会議で配布する文書データなどが登録されたスケジュール管理サーバや会議の開催通知(たとえば、電子メール)などを参照することで、文書データが繰り返し印刷要求を受けるものであるか否かを評価するような方法でもよい。たとえば、印刷要求を受けた文書データが会議の配布資料であって今回の印刷部数が会議の参加人数より少ない場合は、この文書データに対する印刷要求を再び受ける可能性があると評価し、その文書データから生成した印刷データを保存要と判定し画像形成装置に保存するようにしてもよい。
【0195】
また、印刷データの保存要否を判定する方法は以下のような方法でもよい。まず初回に印刷した文書データのファイル識別情報を画像形成装置10に保存する(印刷データは保存せず)。次に、初回と同じファイル識別情報を含む印刷要求を受信した場合には(2回目の受信)、この文書データは繰り返し印刷要求を受けると判定し、今回展開した印刷データを該ファイル識別情報と関連付けて保存する。そして、初回と同じファイル識別情報を含む印刷要求を3回目以降に受信した場合(すなわち、そのファイル識別情報に関連付けて印刷データが保存されている場合)は、保存されている印刷データを使用して印刷する。
【0196】
また、印刷データの保存要否を判定する方法としては、印刷ジョブの実行を受け付けた画像形成装置で文書データの印刷が完了する前(ジョブキューにて待機中もしくは印刷中)に同一の文書データの印刷要求があった場合に、その文書データは繰り返し印刷要求を受けると評価し、その文書データを展開して得た印刷データを保存要と判定して保存する、という方法でもよい。
【0197】
なお、繰り返し印刷要求を受ける可能性の評価を、共有ディレクトリに保存されていることや複数ユーザへの配布等を判定基準として行う場合は、「繰り返し印刷要求を受ける」を「複数のユーザから印刷要求を受ける」、と換言してもよい。
【0198】
また、本実施の形態では画像形成装置10の一例としてMFPを用いたが、印刷ジョブを送信できる外部端末とネットワークを介した接続が可能であり、且つ展開した印刷データを保存できる出力装置(たとえば、プリンタなど)であればよく、スキャナ機能やファクシミリ機能などを具備しない他の装置でもよい。
【符号の説明】
【0199】
2…ネットワーク
10…画像形成装置
10a…画像形成装置
10b…画像形成装置
10c…画像形成装置
11…CPU
12…バス
13…ROM
14…RAM
15…不揮発メモリ
16…スキャナ部
17…プリンタ部
18…ファクシミリ通信部
19…ネットワーク通信部
20…表示部
21…操作部
22…画像処理部
23…補助記憶装置
24…補助記憶装置接続部
30…ファイルサーバ
30b…メールサーバ
40a…クライアントPC
40b…クライアントPC
40c…クライアントPC
40d…クライアントPC
A…文書データ
B…文書データ
C…文書データ
D…文書データ
E…文書データ
Ap…PDLデータ
Bp…PDLデータ
Cp…PDLデータ
Dp…PDLデータ
Ep…PDLデータ
Ab…印刷データ
Bb…印刷データ
Cb…印刷データ
Db…印刷データ
Eb…印刷データ
a…プリンタドライバ
b…プリンタドライバ
c…プリンタドライバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信した文書データを印刷データに展開する展開部と、
記憶部と、
印刷部と、
前記文書データについて印刷要求を繰り返し受ける可能性を評価して、前記文書データを前記展開部で展開して得た前記印刷データの保存の要否を判定し、保存要の場合に前記印刷データを前記記憶部に保存させ、文書データの印刷要求を受けた場合に、該文書データに対応する印刷データが前記記憶部に保存されているときはその印刷データを使用して前記印刷要求にかかわる印刷を前記印刷部に行わせる制御部と
を有する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記評価として前記文書データが複数のユーザによるアクセスが可能な所定の記憶手段に保存されているか否かを検知し、前記記憶手段に保存されている場合に前記文書データの印刷データを保存要と判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記評価として前記文書データが複数のユーザに配布されたか否かを検知し、複数のユーザに配布されている場合に前記文書データの印刷データを保存要と判定する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
複数のユーザへの文書データの配布は、前記文書データを添付した電子メールをメールサーバから複数のユーザに配信することにより行われ、
前記制御部は、文書データが複数のユーザに配布されたか否かを、前記メールサーバにアクセスして検知する
ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、保存要と判定した印刷データとこの印刷データの展開元の文書データの識別情報とを関連付けて前記記憶部に保存させ、文書データの識別情報を含む印刷要求を受けた場合は、その文書データに対応する印刷データが前記記憶部に保存されているか否かの確認を、前記印刷要求に含まれている識別情報と同一の識別情報に関連付けされた印刷データが保存されているか否かの確認によって行う
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部は、印刷要求と共に受信した文書データについて、前記評価を行う
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−66741(P2011−66741A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−216611(P2009−216611)
【出願日】平成21年9月18日(2009.9.18)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】