説明

画像形成装置

【課題】PDL化処理を必要としないドキュメントを印刷する場合であっても、ユーザの利用権限を正確に判定する。
【解決手段】通信回線を介して接続された上位装置との間でデータの送受信を行う通信部と、前記通信部が受信した印刷ジョブデータから送信元のユーザを識別するユーザ識別子を抽出するユーザ情報解析部と、前記ユーザ情報解析部が前記ユーザ識別子を抽出できないと判定したとき、前記印刷ジョブデータの送信元の上位装置へ前記ユーザ識別子を問い合わせる制御部とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予め設定されたユーザの利用権限に基づいて印刷等の利用許可を行う、いわゆる認証印刷機能を有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置は、当該画像形成装置を使用するユーザ個々にユーザを識別するためのユーザ識別子として識別ID(以下、「PIN−ID」という。)を設定し、そのPIN−ID毎に当該画像形成装置の利用権限を設定できるようにしている。この場合、上位装置としてのパーソナルコンピュータからドキュメントの印刷を要求するとき、その印刷要求時に開かれたプリンタドライバは、ユーザの操作によりPIN−IDの入力を受付け、または当該パーソナルコンピュータの記憶部に予め格納されているPIN−IDを読み出す。その後、プリンタドライバは印刷対象のドキュメントをページ記述言語(Page Description Language:以下、「PDL」という。)に変換して印刷ジョブデータを生成する際に、入力または読み出したPIN−IDをその印刷ジョブデータに付加し、PIN−IDを付加した印刷ジョブデータを画像形成装置へ送信するようにしている。
【0003】
また、それぞれのクライアントがジョブIDを付加した印刷ジョブデータを印刷制御装置へ送信し、その印刷制御装置がジョブIDに基づいて合成ジョブを生成して印刷するようにしているものもある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−212741号公報(段落「0029」〜段落「0032」、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の技術においては、PDF(Portable Documennt Format)形式等のPDL化処理を必要としないドキュメントを印刷する場合、ユーザのPIN−IDを印刷ジョブデータに付加することができないため、画像形成装置側でユーザの利用権限を正確に判定することができず、ゲストモード等の最も低い利用権限で印刷等の利用許可を行っているという問題がある。
【0006】
本発明は、このような問題を解決することを課題とし、PDL化処理を必要としないドキュメントを印刷する場合であっても、ユーザの利用権限を正確に判定できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そのため、本発明は、通信回線を介して接続された上位装置との間でデータの送受信を行う通信部と、前記通信部が受信した印刷ジョブデータから送信元のユーザを識別するユーザ識別子を抽出するユーザ情報解析部と、前記ユーザ情報解析部が前記ユーザ識別子を抽出できないと判定したとき、前記印刷ジョブデータの送信元の上位装置へ前記ユーザ識別子を問い合わせる制御部とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
このようにした本発明は、PDL化処理を必要としないドキュメントを印刷する場合であっても、ユーザの利用権限を正確に判定できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施例におけるPCおよびMFPの構成を示すブロック図
【図2】第1の実施例におけるユーザデータ格納部に格納されたデータの説明図
【図3】第1の実施例におけるドライバの処理を示すフローチャート
【図4】第1の実施例におけるMFPの全体処理を示すフローチャート
【図5】第1の実施例におけるデータ受信処理を示すフローチャート
【図6】第1の実施例におけるユーザ判別処理を示すフローチャート
【図7】第1の実施例におけるユーザ認証処理を示すフローチャート
【図8】第1の実施例におけるデータ解析処理を示すフローチャート
【図9】第1の実施例における画像形成処理を示すフローチャート
【図10】第1の実施例におけるPIN−ID照合処理を示すフローチャート
【図11】第1の実施例におけるユーザ問合せ処理を示すフローチャート
【図12】第1の実施例におけるPIN−ID送信処理を示すフローチャート
【図13】第1の実施例におけるPIN−ID入力画面の説明図
【図14】第1の実施例におけるPIN−ID受信処理を示すフローチャート
【図15】第1の実施例における後認証処理を示すフローチャート
【図16】第1の実施例における保留ジョブ読み出し処理を示すフローチャート
【図17】第2の実施例におけるPCおよびMFPの構成を示すブロック図
【図18】第2の実施例におけるWebアプリケーションの処理を示すフローチャート
【図19】第2の実施例におけるWebアプリケーション画面の説明図
【図20】第2の実施例におけるMFPの全体処理を示すフローチャート
【図21】第2の実施例におけるユーザ判別処理を示すフローチャート
【図22】第2の実施例におけるユーザ認証処理を示すフローチャート
【図23】第2の実施例におけるPIN−ID照合処理を示すフローチャート
【図24】第2の実施例におけるPIN−ID取得処理を示すフローチャート
【図25】第2の実施例におけるWebアプリケーション画面の説明図
【図26】第2の実施例におけるユーザデータ格納部に格納されたデータの説明図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明による画像形成装置の実施例を説明する。
【実施例1】
【0011】
図1は第1の実施例におけるPCおよびMFPの構成を示すブロック図である。
図1において、100は上位装置としてのPC(パーソナルコンピュータ)、600は画像形成装置としてのMFP(MultiFunction Peripheral:多機能周辺装置)であり、画像形成装置制御ソフトウェアとしてのMFPドライバ300を含むPC100とMFP600とは、通信回線2を介して通信可能にネットワーク接続され、MFP600はPC100から送信されたデータに基づいて印刷等の処理を行う。
【0012】
図1(a)はPC100の構成を詳細に説明するものである。
図1(a)において、PC100は、通信手段11およびMFPドライバ(以下、「ドライバ」という。)300を含み、通信手段11は、通信回線2を介して接続されるMFP600等の機器との間でデータ信号を送受信する。
【0013】
ドライバ300は、I/O制御部10、パケット解析部20、翻訳部30、諸元取得部40、判別部51を含む主制御部50、ドキュメントデータ読込部60、表示制御部70、UI制御部80、およびデータバッファ3を備えている。
データバッファ3は、印刷すべきドキュメントのデータを一時的に記憶し、格納する記憶領域である。
【0014】
I/O制御部10は、通信手段11とドライバ300との間で情報の授受を行うものであり、通信回線2に接続された外部の機器から受信したデータ(情報)をパケット解析部20へ転送し、また主制御部50および翻訳部30から送られたデータを通信手段11に転送し、通信回線2に接続された外部の機器へ送信する。
パケット解析部20は、I/O制御部10から転送されたデータの内容を解釈して主制御部50へ渡す。
【0015】
主制御部50は、ドライバ300を統合的に制御し、パケット解析部20から受信したデータが「PIN−ID問合せ」である場合、PIN−ID問合せ処理を実行する。このとき、表示制御部70を介してPC100に接続されたモニタにPIN−ID要求画面を表示し、PIN−IDの入力を要求する。また、PIN−ID要求画面の表示中にUI制御部80からPIN−IDの入力があった場合は、入力されたPIN−IDをユーザのPIN−IDとして処理する。ここで、PIN−IDとは、ユーザを識別するために個々のユーザに付与されたユーザ識別子である。
【0016】
PC100のユーザが印刷を命令する操作を行うことによりドライバ300が起動された場合、主制御部50はドキュメントデータ読込部60にドキュメントデータの読み込みを指令する。
【0017】
ドキュメントデータの読み込みが終了すると主制御部50はドキュメントデータ読込部60からドキュメントデータのヘッダ情報を受信し、判別部51でドキュメントデータの種類を判別し、PDF形式であればデータバッファ3に格納されたドキュメントデータをそのまま加工することなくI/O制御部10に転送し、そのドキュメントデータをI/O制御部10を介して通信手段11からMFP600へ送信させる。
【0018】
一方、PDF形式でない場合は、諸元取得部40および翻訳部30に命じてデータバッファ3に格納されたドキュメントデータをPDL化し、PDL化したデータをI/O制御部10を介して通信手段11からMFP600へ送信させる。
判別部51は、印刷対象のドキュメントデータの種類がPDL化不要なダイレクト印刷できるPDF形式であるか否かを判別する。
【0019】
ドキュメントデータ読込部60は、主制御部50からの指令に従って印刷対象となっているドキュメントデータを読込み、データバッファ3に格納するとともに主制御部50へドキュメントデータのヘッダ情報を送信する。
諸元取得部40は、主制御部50の指令に従って、印刷を実行しようとしているユーザのPIN−IDを取得し、翻訳部30へ渡す。
【0020】
翻訳部30は、主制御部50がデータバッファ3から読み出して転送するドキュメントデータに、諸元取得部40から送られたPIN−IDを付加し、そのドキュメントデータをプリンタ制御言語(PDL)に変換してI/O制御部10に送信する。
表示制御部70は、ドライバ300からユーザに対して情報を液晶ディスプレイ(モニタ)等の表示デバイスに表示する場合に、その表示デバイスを制御する。
【0021】
UI制御部80は、ドライバ300がユーザからキーボード等の入力デバイスを介して情報を取得する場合に、その入力デバイスを制御する。
このように構成されたPC100は演算手段および制御手段としての中央処理装置を備え、その中央処理装置がメモリ等の記憶部に記憶された制御プログラム(ソフトウェア)にしたがって装置全体の動作を制御する。
【0022】
図1(b)はMFP600の構成を詳細に説明するものである。
図1(b)において、MFP600は、I/O制御部110、ユーザ情報解析部125を含むデータ解析部120、制御部130、認証部140、画像形成部150、ならびに受信データバッファ210、イメージデータバッファ220、およびデータ仮置部225を備えている。
【0023】
I/O制御部110は、MFP600と通信回線2を介して接続された機器との間で情報を授受する。I/O制御部110は、印刷ジョブデータを受信した場合、その印刷ジョブデータを受信データバッファ210に格納し、データ解析部120に印刷ジョブデータを受信した旨を通知する。また、I/O制御部110は、ユーザのPIN−IDを受信した場合、そのPIN−IDを制御部130に転送する。さらに、I/O制御部110は、制御部130から送られたPIN−ID問合せデータを、そのPIN−ID問合せデータに含まれているIPアドレス等の送信先アドレス宛に通信回線2を介して送信する。
【0024】
データ解析部120は、受信データバッファ210に格納されている印刷ジョブデータを解析し、その印刷ジョブデータを印刷画像化した印刷画像データをイメージデータバッファ220に格納し、制御部130に印刷画像データをイメージデータバッファ220に格納した旨を通知する。
【0025】
印刷ジョブデータの解析にあたっては、ユーザ情報解析部125が当該印刷ジョブデータを発行した送信元のユーザのPIN−IDをその印刷ジョブデータから抽出し、制御部130を介して認証部140に送り、抽出したPIN−IDを有するユーザの利用権限を調べる。データ解析部120は、調べた利用権限にしたがって印刷画像データを作成する。
【0026】
ここで、利用権限とは、MFP600のユーザ毎に定義され、印刷ジョブデータに適用可能な機能範囲を示すものであり、例えば、受信した印刷ジョブデータがカラー印刷指定であっても、この印刷ジョブデータに付加されているPIN−IDのユーザにモノクロ印刷の利用権限しかなければ、データ解析部120はモノクロ印刷画像データを作成する。
【0027】
また、PIN−IDが付加されていない印刷ジョブデータの場合、データ解析部120は、その印刷ジョブデータから送信元IPアドレス等の送信元アドレスを抽出するとともに、この印刷ジョブデータに一意の識別番号を付与してデータ仮置部225に格納する。印刷ジョブデータをデータ仮置部225に格納するとデータ解析部120は、抽出した送信元アドレスおよび付与した識別番号を制御部130に送信する。
【0028】
制御部130は、MFP600の動作を統合的に制御するものである。この制御部130は、データ解析部120からはイメージデータバッファ220に格納された印刷画像データの先頭アドレスを受信し、また印刷ジョブデータから抽出したPIN−IDを受信する。
また、制御部130は、データ解析部120に対してはPIN−IDに対応するユーザのMFP600における利用権限を示す利用権限情報を渡す。なお、この利用権限情報は認証部140から送られたものである。
【0029】
また、制御部130は、上述したデータ解析部120から送信元アドレスおよび識別番号を受信した場合、PIN−IDが不明な印刷ジョブデータを受信したものと判断し、I/O制御部110に対してPIN−ID問合せデータを送信する。PIN−ID問合せデータを送信した制御部130は、I/O制御部110からこれに応答するPIN−ID情報を受信する。
【0030】
また、制御部130は、認証部140に対してPIN−IDを送信する。PIN−IDを送信した制御部130は、その認証部140から当該PIN−IDを有するユーザのMFP600における利用権限情報を受信する。
また、制御部130は、画像形成部150に対してイメージデータバッファ220から読み出した印刷画像データを転送する。
【0031】
認証部140は、制御部130から受信したPIN−IDを元にユーザデータ格納部230を検索し、そのPIN−IDを有するユーザのMFP600における利用権限情報を抽出して取得し、制御部130へ返送する。すなわち、認証部140は、MFP600のユーザ毎の利用権限情報で規定される印刷ジョブデータに適用可能な機能範囲を読取るものである。なお、認証部140は、制御部130から受信したPIN−IDに識別番号が含まれている場合、返送する利用権限情報に、その識別番号をそのまま付加して返送する。
【0032】
画像形成部150は、制御部130から転送された印刷画像データを印刷媒体上に顕画像化して出力する。
受信データバッファ210は、MFP600が受信した印刷ジョブデータが一時的に格納されるメモリ等の記憶部である。イメージデータバッファ220は、データ解析部120が作成した印刷画像データが格納されるメモリ等の記憶部である。
【0033】
データ仮置部225は、HDD(Hard Disk Drive)やIC(メモリ)カードなどの記憶デバイスで実現され、送信元のPIN−IDが不明な印刷ジョブデータを格納しておく記憶部である。
ユーザデータ格納部230は、MFP600のユーザのPIN−IDと、そのPIN−IDに対応付けて当該ユーザの利用権限を表す利用権限情報が格納されている記憶部である。
【0034】
このユーザデータ格納部230に格納されているデータは、例えば図2に示すように、PIN−IDに対応付けてユーザ名、ならびに利用権限を表す利用権限情報としてのPCプリント、最大割付、コピー、FAX、およびScanToUSB等が記憶されたものである。なお、PCプリントとは、カラー印刷の可否、最大割付とは、印刷する用紙の1ページに割付可能な原稿枚数、コピーとは、カラーコピーの可否、FAXとは、ファクシミリ送信の可否、ScanToUSBとは、スキャナで読取った原稿画像データのUSB(Universal Serial Bus)メモリへの格納の可否を示している。
【0035】
このように構成されたMFP600は演算手段および制御手段としての中央処理装置を備え、その中央処理装置がメモリ等の記憶部に記憶された制御プログラム(ソフトウェア)にしたがって装置全体の動作を制御する。
なお、データ解析部120は、制御部130の一部として構成するようにしても良い。
【0036】
上述した構成の作用について説明する。
本実施例の処理は、図1におけるPC100がドライバ300を介して印刷ジョブデータを送信する処理(図3)と、MFP600が印刷ジョブデータを受信してユーザ認証を行い、画像を形成する処理(図4)と、MFP600が取得した印刷ジョブデータにユーザ認証すべきPIN−IDが付加されていなかった場合にMFP600から問い合わせることにより印刷ジョブデータとは別に印刷ジョブデータを発行したユーザのPIN−IDを取得するPIN−ID照合処理(図10)とから構成されている。
【0037】
まず、PC100のドライバ300が行う処理を図3の第1の実施例におけるドライバの処理を示すフローチャートの図中Sで表すステップに従って図1を参照しながら説明する。
S11:ユーザの操作によりPC100でドキュメントの印刷指令を受付けると、ドライバ300が起動され、ドライバ300のドキュメントデータ読込部60は印刷対象のドキュメントデータを読み込む。
【0038】
S12:印刷対象のドキュメントデータを読み込んだドキュメントデータ読込部60は、そのドキュメントデータをデータバッファ3に格納する。
S13:また、ドキュメントデータ読込部60は、そのドキュメントデータのヘッダ情報を主制御部50の判別部51に渡す。
S14:判別部51は、渡されたヘッダ情報からドキュメントデータの種類を判別してその結果を主制御部50へ通知する。
【0039】
S15:主制御部50は、ドキュメントデータの種類がPDF形式であるか否かを判定し、PDF形式であると判定すると処理をS18へ移行し、PDF形式でないと判定すると処理をS16へ移行する。
S16:PDF形式でないと判定した主制御部50は、諸元取得部40にユーザのPIN−IDを取得して翻訳部30に渡すように指令する。
【0040】
S17:また、主制御部50は、データバッファ3に格納されたドキュメントデータを翻訳部30に転送し、翻訳部30に、S16において取得したPIN−IDをドキュメントデータに付加させ、そのドキュメントデータをPDL化させた印刷ジョブデータを生成させる。
S18:主制御部50は、S17において生成された印刷ジョブデータをI/O制御部10へ転送し、通信手段11を介してMFP600へ送信する。
【0041】
一方、S15においてドキュメントデータの種類がPDF形式であると判定した主制御部50は、データバッファ3に格納されているドキュメントデータ(PIN−IDが付加されていないドキュメントデータ)をそのまま印刷ジョブデータとしてI/O制御部10へ転送し、通信手段11を介してMFP600へ送信して処理を終了する。
【0042】
次に、PC100から印刷ジョブデータを受信したMFP600が行う処理を図4の第1の実施例におけるMFPの全体処理を示すフローチャートの図中Sで表すステップに従って図1を参照しながら説明する。
S110:MFP600は、PC100から印刷ジョブデータを受信するとI/O制御部110がデータ受信処理を行い受信した印刷ジョブデータを受信データバッファ210に格納する。
【0043】
S120:次に、ユーザ情報解析部125がユーザ判別処理を行い、送信元ユーザのPIN−IDを取得する。
S130:このPIN−IDを用いて認証部140がユーザ認証処理を行い、そのPIN−IDに対応するユーザのMFP600における利用権限を表す利用権限情報をデータ解析部120に通知する。
【0044】
S140:データ解析部120は、通知された利用権限の範囲内で受信データバッファ210に格納された印刷ジョブデータを印刷画像データ化し、これをイメージデータバッファ220に格納する。
S150:制御部130は、イメージデータバッファ220に格納された印刷画像データを画像形成部150に転送し、画像形成部150はその印刷画像データを印刷出力して処理を終了する。
【0045】
なお、S120のユーザ判別処理において送信元ユーザのPIN−IDが抽出できなかった場合、データ解析部120がPIN−IDを抽出できなかった印刷ジョブデータをデータ仮置部225に格納し、図10に示すPIN−ID照合処理を起動するとともに図4中のAに処理を移行して本処理を中断する。
【0046】
以下に、図4に示した各処理の詳細を説明する。
まず、図4のS110におけるデータ受信処理を図5の第1の実施例におけるデータ受信処理を示すフローチャートの図中Sで表すステップに従って図1を参照しながら説明する。なお、このデータ受信処理はI/O制御部110が実行する。
【0047】
S111:I/O制御部110は、PC100から印刷ジョブデータを受信する。
S112:I/O制御部110は、受信した印刷ジョブデータを受信データバッファ210に格納する。
S113:I/O制御部110は、印刷ジョブデータを格納した受信データバッファ210の先頭アドレスをデータ解析部120へ通知し、処理を終了する。
【0048】
次に、図4のS120におけるユーザ判別処理を図6の第1の実施例におけるユーザ判別処理を示すフローチャートの図中Sで表すステップに従って図1を参照しながら説明する。なお、このユーザ判別処理はデータ解析部120およびユーザ情報解析部125が実行する。
【0049】
S121:データ解析部120は、I/O制御部110から印刷ジョブデータを格納した受信データバッファ210の先頭アドレスを受信する。
S122:データ解析部120は、受信した先頭アドレスに基づいて印刷ジョブデータを読み出す。
S123:データ解析部120のユーザ情報解析部125は、読み出した印刷ジョブデータから送信元のPIN−IDを抽出する。
【0050】
S124:データ解析部120は、PIN−IDを抽出できたか否かを判定し、抽出できたと判定すると処理をS125へ移行し、抽出できなかったと判定すると処理をS126へ移行する。ここで、PIN−IDを抽出できなかったとは、印刷ジョブデータにPIN−IDが含まれていないことをいう。
S125:抽出できたと判定したデータ解析部120は、抽出したPIN−IDを制御部130へ送信して処理を終了する。
【0051】
S126:抽出できなかったと判定したデータ解析部120は、印刷ジョブデータから送信元IPアドレス等の送信元アドレスを抽出する。
S127:また、データ解析部120は、当該印刷ジョブデータに一意の識別番号を付加する。
S128:データ解析部120は、識別番号を付加した印刷ジョブデータをデータ仮置部225に格納する。
【0052】
S129:データ解析部120は、S126において抽出した送信元アドレスと、S127において印刷ジョブデータに付加した識別番号とを制御部130へ送信し、図4に示すAへ処理を移行し、MFPの全体処理を中断させる。
なお、ここでデータ解析部120が送信した送信元アドレスと識別番号とを制御部130が受信することにより、後述する図10に示すPIN−ID照合処理が起動される。
【0053】
次に、図4のS130におけるユーザ認証処理を図7の第1の実施例におけるユーザ認証処理を示すフローチャートの図中Sで表すステップに従って図1を参照しながら説明する。なお、このユーザ認証処理は認証部140が実行する。
S131:図6で説明したユーザ判別処理においてユーザ情報解析部125が抽出したPIN−IDは、制御部130を経由して認証部140に渡され、認証部140はPIN−IDを受信する。
【0054】
S132:認証部140は、ユーザデータ格納部230を参照し、受信したPIN−IDに基づいてユーザデータ格納部230を検索する。
S133:認証部140は、受信したPIN−IDと一致するPIN−IDがユーザデータ格納部230に存在するか否かを判定し、存在すると判定すると処理をS134へ移行し、一方存在しないと判定すると処理をS135へ移行する。
【0055】
S134:受信したPIN−IDと一致するPIN−IDがユーザデータ格納部230に存在すると判定した認証部140は、そのPIN−IDに対応するユーザのMFP600の利用権限情報を取得して制御部130に返し、処理を終了する。
【0056】
ここで、ユーザデータ格納部230には、図2に示すようにユーザ毎に利用権限を表す利用権限情報がデータテーブルとして保存されている。例えば、認証部140が受信したPIN−IDが「890081」である場合、このユーザ「仙台二郎」は、PC100からの印刷においてカラー印刷が可能、印刷媒体の1面に印刷ジョブデータの1ページを割り付けて出力することが可能である。
【0057】
S135:一方、受信したPIN−IDと一致するPIN−IDがユーザデータ格納部230に存在しないと判定した認証部140は、ゲストユーザの利用権限情報を取得して制御部130に返し、処理を終了する。
【0058】
例えば、認証部140が受信したPIN−IDが「200112」である場合、このPIN−IDは図2に示すユーザデータ格納部230に存在しないため、ゲストユーザとみなし、PC100からの印刷においてモノクロ印刷で、印刷媒体の1面に印刷ジョブデータの2ページ分を縮小して割り付けた出力のみを許可する。
【0059】
次に、図4のS140におけるデータ解析処理を図8の第1の実施例におけるデータ解析処理を示すフローチャートの図中Sで表すステップに従って図1を参照しながら説明する。なお、このデータ解析処理はデータ解析部120が実行する。
S141:図7で説明したユーザ認証処理において認証部140が取得したユーザの利用権限情報は、制御部130を経由してデータ解析部120に渡され、データ解析部120はユーザの利用権限情報を受信する。
【0060】
S142:データ解析部120は、受信データバッファ210に格納された印刷ジョブデータを、受信した利用権限情報にしたがって印刷画像データ化する。
例えば、印刷ジョブデータにカラー印刷出力指定がされた場合、ユーザの利用権限が「PCプリント:カラー」であればカラーの印刷画像データを作成するが、利用権限が「PCプリント:モノクロ」であれば印刷ジョブデータにカラー印刷出力指定がされていても作成する印刷画像データはモノクロである。
【0061】
S143:データ解析部120は、作成した印刷画像データをイメージデータバッファ220に格納する。
S144:印刷画像データをイメージデータバッファ220に格納したデータ解析部120は、印刷画像データを格納したイメージデータバッファ220の先頭アドレスを制御部130へ通知する。
【0062】
次に、図4のS150における画像形成処理を図9の第1の実施例における画像形成処理を示すフローチャートの図中Sで表すステップに従って図1を参照しながら説明する。なお、この画像形成処理は制御部130および画像形成部150が実行する。
S151:制御部130は、データ解析部120から印刷画像データを格納したイメージデータバッファ220の先頭アドレスを受信する。
【0063】
S152:制御部130は、イメージデータバッファ220にアクセスし、受信したイメージデータバッファ220の先頭アドレスから始まる印刷画像データを読み出す。
S153:制御部130は、読み出した印刷画像データを画像形成部150へ転送する。
S154:画像形成部150は、受信した印刷画像データを顕画像化し、その画像を印刷媒体に転写、定着して出力し処理を終了する。
【0064】
次に、MFPおよびPCが行うPIN−ID照合処理を図10の第1の実施例におけるPIN−ID照合処理を示すフローチャートの図中Sで表すステップに従って図1を参照しながら説明する。なお、本処理は、上述した図6のS129においてデータ解析部120が送信した送信元アドレスおよび識別番号を制御部130が受信することにより起動される。
【0065】
S210:制御部130は、ユーザ問合せ処理を実行し、受信した送信元アドレスのPC100にインストールされているドライバ300宛てにPIN−IDを問い合わせる。
S220:この問合せに対し、PC100のドライバ300は、PIN−ID送信処理を実行し、ユーザからPIN−IDの入力を受付け、入力されたPIN−IDをMFP600宛に送信する。
【0066】
S230:MFP600は、PIN−ID受信処理を実行し、PC100から受信したPIN−IDを認証部140まで送達する。
S240:認証部140は、後認証処理を実行し、受信したPIN−IDを認証してユーザの利用権限情報を取得する。
【0067】
S250:データ解析部120は、保留ジョブ読み出し処理を実行し、取得した利用権限情報にしたがって保留してある印刷ジョブデータを印刷画像データ化する。
S150:制御部130および画像形成処理150は、画像形成処理を実行し、印刷画像データを印刷出力して処理を終了する。
【0068】
以下に、図10に示した各処理の詳細を説明する。
まず、図10のS210におけるユーザ問合せ処理を図11の第1の実施例におけるユーザ問合せ処理を示すフローチャートの図中Sで表すステップに従って図1を参照しながら説明する。なお、このユーザ問合せ処理は制御部130およびI/O制御部110が実行する。
【0069】
S211:制御部130は、図6に示すユーザ判別処理のS129においてデータ解析部120が送信した送信元アドレスおよび識別番号を受信する。
S212:送信元アドレスおよび識別番号を受信した制御部130は、この識別番号を付加したPIN−ID問合せデータを作成する。
【0070】
S213:制御部130は、作成したPIN−ID問合せデータを、受信した送信元アドレス宛に送信するようにI/O制御部110に依頼する。
S214:I/O制御部110は、その依頼にしたがってPIN−ID問合せデータを指定された送信元アドレス宛に送信して処理を終了する。
【0071】
次に、図10のS220におけるPIN−ID送信処理を図12の第1の実施例におけるPIN−ID送信処理を示すフローチャートの図中Sで表すステップに従って図1を参照しながら説明する。なお、このPIN−ID送信処理はPC100にインストールされているドライバ300が実行する。
【0072】
S221:PC100のドライバ300は、図11のS214においてMFP600から送信されたPIN−ID問合せデータをI/O制御部10で受信する。
S222:PIN−ID問合せデータを受信するとパケット解析部20は、そのPIN−ID問合せデータを解析し、PIN−ID問合せデータであることが判明する。
【0073】
S223:パケット解析部20は、そのPIN−ID問合せデータを主制御部50へ転送する。
S224:主制御部50は、PIN−ID問合せデータに含まれている識別番号を抽出した後、表示制御部70に対しPIN−ID入力画面を表示するように指令する。なお、抽出した識別番号は、後に取得するPIN−IDと合わせてMFP600へ返送することにより、PIN−IDが不明な印刷ジョブデータと、本処理で取得するPIN−IDとを対応付けるために必要となる。
【0074】
S225:表示制御部70は、主制御部50からの指令に従い、モニタにPIN−ID入力画面を表示する。このPIN−ID入力画面は、例えば図13に示すように、利用者のPIN−IDの入力を促す文言、入力されたPIN−IDを表示するための領域、PIN−IDの入力操作を終了させるための「OK」ボタン等で構成されたものである。
ユーザは、表示されたPIN−ID入力画面の指示に従い、キーボードから自身のPIN−IDをタイプ入力し、「OK」ボタンをクリックするものとする。
【0075】
S226:UI制御部80は、PIN−IDの入力を受付け、そのPIN−IDを主制御部50へ転送する。
S227:主制御部50は、受信したPIN−IDに、S224において抽出した識別番号を添付してPIN−ID情報としてI/O制御部10へ送信する。
S228:I/O制御部10は、通信手段11を介してこのPIN−ID情報をMFP600へ返送して処理を終了する。
【0076】
次に、図10のS230におけるPIN−ID受信処理を図14の第1の実施例におけるPIN−ID受信処理を示すフローチャートの図中Sで表すステップに従って図1を参照しながら説明する。なお、このPIN−ID受信処理はMFP600の制御部130およびI/O制御部110が実行する。
【0077】
S231:MFP600のI/O制御部110は、図12のS228においてPC100から送信されたPIN−ID情報をデータとして受信する。
S232:I/O制御部110は、受信したデータは印刷ジョブデータでないので、受信したデータをそのまま制御部130へ転送する。
S233:制御部130は、受信したデータがPIN−ID情報であることを判別すると、これを認証部140へ転送して処理を終了する。
【0078】
次に、図10のS240における後認証処理を図15の第1の実施例における後認証処理を示すフローチャートの図中Sで表すステップに従って図1を参照しながら説明する。なお、この後認証処理は認証部140が実行する。
S241:認証部140は、制御部130からPIN−ID情報を受信する。図12のS227で説明したとおり、このPIN−ID情報には、ユーザのPIN−IDおよび印刷ジョブデータの識別番号が含まれている。
【0079】
S242:認証部140は、受信したPIN−ID情報からPIN−IDを抽出し、これを用いてユーザデータ格納部230を参照する。
S243:認証部140は、抽出したPIN−IDと一致するPIN−IDがユーザデータ格納部230に存在するか否かを判定し、存在すると判定すると処理をS244へ移行し、一方存在しないと判定すると処理をS245へ移行する。
【0080】
S244:抽出したPIN−IDと一致するPIN−IDがユーザデータ格納部230に存在すると判定した認証部140は、そのユーザデータ格納部230から当該PIN−IDに対応するユーザのMFP600の利用権限情報を取得し、取得した利用権限情報を印刷ジョブデータの識別番号とともに制御部130に返し、処理を終了する。
【0081】
S245:一方、抽出したPIN−IDと一致するPIN−IDがユーザデータ格納部230に存在しないと判定した認証部140は、ユーザデータ格納部230からゲストユーザのMFP600の利用権限情報を取得し、取得した利用権限情報を印刷ジョブデータの識別番号とともに制御部130に返し、処理を終了する。
【0082】
次に、図10のS250における保留ジョブ読み出し処理を図16の第1の実施例における保留ジョブ読み出し処理を示すフローチャートの図中Sで表すステップに従って図1を参照しながら説明する。なお、この保留ジョブ読み出し処理は制御部130およびデータ解析部120が実行する。
S251:制御部130は、認証部140から印刷ジョブデータの識別番号およびユーザの利用権限情報を受信する。
【0083】
S252:制御部130は、受信した印刷ジョブデータの識別番号およびユーザの利用権限情報をデータ解析部120へ転送する。
S253:データ解析部120は、転送された印刷ジョブデータの識別番号に基づきデータ仮置部225を検索し、その識別番号に一致する識別番号を有する印刷ジョブデータをデータ仮置部225から読み出す。
【0084】
S254:データ解析部120は、転送されたユーザの利用権限情報で規定される機能範囲に従い、データ仮置部225から読み出した印刷ジョブデータを処理、すなわち印刷画像化し、印刷画像データを作成する。なお、このときの利用権限の考え方は、上述した図8におけるS142で説明したものと同様である。
S255:データ解析部120は、作成した印刷画像データをイメージデータバッファ220に格納する。
【0085】
S256:データ解析部120は、印刷画像データを格納したイメージデータバッファ220の先頭アドレスを制御部130へ通知し、処理を終了する。
なお、図10のS150における画像形成処理は、図9のS151〜S154と同様なのでその説明を省略する。
【0086】
このように、PDF形式等のPDL化処理を必要としないドキュメントを印刷する場合等、PCから画像形成装置へ送信される印刷ジョブデータにユーザの利用権限情報が含まれていない場合であっても、この印刷ジョブデータを受信した画像形成装置側からPCへユーザの利用権限を問合せ、PCにインストールされたドライバを介してユーザの利用権限情報を取得することにより、ユーザの利用権限を正確に判定した印刷を行うことができる。
【0087】
以上説明したように、第1の実施例では、PDF形式等のPDL化処理を必要としないドキュメントを印刷する場合であっても、画像形成装置側からPCへユーザの利用権限を問合せることにより、ユーザの利用権限を正確に判定した印刷を行うことができるという効果が得られる。
【実施例2】
【0088】
図17は第2の実施例におけるPCおよびMFPの構成を示すブロック図である。
図17において、100は上位装置としてのPC、600は画像形成装置としてのMFPであり、PC100とMFP600とは、通信回線2を介して通信可能にネットワーク接続され、MFP600はPC100から送信されたデータに基づいて印刷等の処理を行う。
【0089】
図17(a)はPC100の構成を詳細に説明するものである。
図17(a)において、PC100は、通信手段11、PC制御部12、Webブラウザ13、UI制御部14、およびドキュメントデータ格納部15を備えている。
通信手段11は、通信回線2を介して接続されるMFP600等の機器との間でデータ信号を送受信する。
【0090】
PC制御部12は、PC100の各機能を統合的に制御するものであり、通信手段11から信号(データ)を受信し、その信号(データ)の内容に従ってWebブラウザ13を起動し、表示内容を制御する。またWebブラウザ13で表示しているWebアプリケーションソフトウェア(以下、「Webアプリケーション」という。)のスクリプトに従って、通信手段11を介して必要な情報をMFP600へ送信する。さらに、ユーザが入力デバイスを用いて入力した情報を、UI制御部14を介して受信する。
【0091】
Webブラウザ13は、PC制御部12から送信される信号に従ってWebアプリケーション画面を表示する。本実施例では、ユーザはWebアプリケーション画面から印刷するファイルを指定し、ダイレクト印刷を実行するものとする。
UI制御部14は、ユーザからキーボード等の入力デバイスを介して情報を取得する場合に、その入力デバイスを制御してユーザが入力したデータを取得し、そのデータをPC制御部12へ送信する。
【0092】
ドキュメントデータ格納部15は、ユーザが印刷するドキュメントデータが格納されるメモリ等の記憶部である。本実施例では、ダイレクト印刷をするため、PDF形式等の翻訳部によるPDL化が不要なドキュメントデータが格納してあるものとする。
このように構成されたPC100は、演算手段および制御手段としての中央処理装置を備え、メモリ等の記憶部に記憶された制御プログラム(ソフトウェア)にしたがってその中央処理装置が全体の動作を制御する。
【0093】
図17(b)はMFP600の構成を詳細に説明するものである。
図17(b)において、MFP600は、I/O制御部110、ユーザ情報解析部125を含むデータ解析部120、制御部130、認証部140、画像形成部150、Webサーバ160、ならびに受信データバッファ210、イメージデータバッファ220、およびデータ仮置部225を備えている。
【0094】
I/O制御部110は、MFP600と通信回線2を介して接続された機器との間で情報を授受する。I/O制御部110は、印刷ジョブデータを受信した場合、その印刷ジョブデータを受信データバッファ210に格納し、データ解析部120に印刷ジョブデータを受信した旨を通知する。また、I/O制御部110は、Webサーバ160が提供するWebアプリケーションデータをPC100へ送信し、これに対応してPC100から送られたデータを受信してWebサーバ160へ転送する。
【0095】
データ解析部120は、受信データバッファ210に格納されている印刷ジョブデータを解析し、その印刷ジョブデータを印刷画像化した印刷画像データをイメージデータバッファ220に格納し、制御部130に印刷画像データをイメージデータバッファ220に格納した旨を通知する。
【0096】
印刷ジョブデータの解析にあたっては、ユーザ情報解析部125が当該印刷ジョブデータを発行したユーザのPIN−IDと、Webアプリケーションによって自動的に一意に付与された識別番号とをその印刷ジョブデータから抽出し、そのPIN−IDおよび識別番号を、制御部130を介して認証部140に送り、抽出したPIN−IDを有するユーザの利用権限を調べる。データ解析部120は、調べた利用権限にしたがって印刷画像データを作成する。例えば、受信した印刷ジョブデータがカラー印刷指定であっても、この印刷ジョブデータに付加されているPIN−IDのユーザにモノクロ印刷の利用権限しかなければ、データ解析部120はモノクロ印刷画像を作成する。
【0097】
また、PIN−IDが付加されていない印刷ジョブデータの場合、データ解析部120は、その印刷ジョブデータをデータ仮置部225に格納する。印刷ジョブデータをデータ仮置部225に格納するとデータ解析部120は、識別番号を制御部130に送信する。
【0098】
制御部130は、MFP600の動作を統合的に制御するものである。この制御部130は、データ解析部120からはイメージデータバッファ220に格納された印刷画像データの先頭アドレスを受信し、また印刷ジョブデータから抽出したPIN−IDおよび識別番号、または識別番号のみを受信する。
【0099】
また、制御部130は、データ解析部120に対してはPIN−IDに対応するユーザのMFP600における利用権限情報を渡す。なお、この利用権限情報は認証部140から送られたものである。
また、制御部130は、認証部140に対してPIN−IDを送信する。PIN−IDを送信した制御部130は、その認証部140から当該PIN−IDを有するユーザのMFP600における利用権限情報を受信する。
【0100】
また、制御部130は、データ解析部120または認証部140から識別番号のみを受信した場合、PIN−IDが不明または不正な印刷ジョブデータを受信したものと判断し、Webサーバ160に印刷ジョブデータの識別番号を渡してPIN−IDの取得を依頼する。制御部130は、この依頼に対してWebサーバ160から応答があった場合、PIN−IDを受信し、そのPIN−IDを認証部140に渡す。なお、PIN−IDが不明とは、印刷ジョブデータにPIN−IDが含まれていないことをいい、PIN−IDが不正とは、印刷ジョブデータに含まれているPIN−IDがユーザデータ格納部230に存在しないことをいう。
【0101】
また、制御部130は、画像形成部150に対してイメージデータバッファ220から読み出した印刷画像データを転送する。
【0102】
認証部140は、制御部130から受信したPIN−IDを元にユーザデータ格納部230を検索し、そのPIN−IDを有するユーザのMFP600における利用権限情報を抽出して取得し、制御部130へ返送する。すなわち、認証部140は、MFP600のユーザ毎の利用権限情報で規定される印刷ジョブデータに適用可能な機能範囲を読取るものである。なお、認証部140は、制御部130から受信したPIN−IDに識別番号が含まれている場合、返送する利用権限情報に、その識別番号をそのまま付加して返送する。
【0103】
画像形成部150は、制御部130から転送された印刷画像データを印刷媒体上に顕画像化して出力する。
【0104】
Webサーバ160は、ドキュメントのダイレクト印刷を支援するWebアプリケーションをPC100に提供するソフトウェアである。このWebサーバ160は、I/O制御部110を介してPC100のWebブラウザ13にダイレクト印刷用のWebアプリケーション画面を表示させる。この画面に対してユーザが所望のファイルを指定してMFP600へ送信する場合、Webアプリケーションのスクリプトによりユーザ指定したファイルに一意のジョブ識別番号を付与する。
【0105】
また、Webサーバ160は、制御部130からPIN−ID問合せ要求を受けた場合、ジョブ識別番号からダイレクト印刷用のWebアプリケーション画面を表示しているPC100を判別し、そのPC100のモニタにPIN−ID入力画面を表示させる。PC100でのユーザからの入力はI/O制御部110を介してWebサーバ160が取得し、制御部130へ渡す。
【0106】
このようにして制御部130は、Webサーバ160によりPC100に提供されたWebアプリケーションを用いてPIN−IDを問い合せる。
受信データバッファ210は、MFP600が受信した印刷ジョブデータが一時的に格納されるメモリ等の記憶部である。イメージデータバッファ220は、データ解析部120が作成した印刷画像データが格納されるメモリ等の記憶部である。
【0107】
データ仮置部225は、HDDやIC(メモリ)カードなどの記憶デバイスで実現され、送信元のPIN−IDが不明な印刷ジョブデータを格納しておく記憶部である。
【0108】
ユーザデータ格納部230は、MFP600のユーザのPIN−IDと、そのPIN−IDに対応付けて利用権限を表す利用権限情報が格納されている記憶部である。このユーザデータ格納部230に格納されているデータは、例えば図26に示すように、PIN−IDに対応付けてユーザ名、ならびに利用権限を表す利用権限情報としてのPCプリント、最大割付、コピー、FAX、およびScanToUSB等が記憶されたものである。なお、PCプリントとは、カラー印刷の可否、最大割付とは、印刷する用紙の1ページに割付可能な原稿枚数、コピーとは、カラーコピーの可否、FAXとは、ファクシミリ送信の可否、ScanToUSBとは、スキャナで読取った原稿画像データのUSBメモリへの格納可否を示している。
【0109】
このように構成されたMFP600は演算手段および制御手段としての中央処理装置を備え、その中央処理装置がメモリ等の記憶部に記憶された制御プログラム(ソフトウェア)にしたがって装置全体の動作を制御する。
なお、データ解析部120は、制御部130の一部として構成するようにしても良い。
【0110】
上述した構成の作用について説明する。
本実施例の処理は、図17におけるPC100のWebブラウザ13に表示されたWebアプリケーション画面を介して印刷ジョブデータを送信する処理(図18)と、MFP600が印刷ジョブデータを受信してユーザ認証を行い、画像を形成する処理(図20)と、MFP600が取得した印刷ジョブデータにユーザ認証すべきPIN−IDが付加されていなかった場合にMFP600から問い合わせることにより印刷ジョブデータとは別に印刷ジョブデータを発行したユーザのPIN−IDを取得するPIN−ID照合処理(図23)とから構成されている。
【0111】
まず、PC100のWebアプリケーションが行う処理を図18の第2の実施例におけるWebアプリケーションの処理を示すフローチャートの図中Sで表すステップに従って図17を参照しながら説明する。なお、図18はPC100のユーザによる印刷要求時のPC100側の処理の流れを示している。
【0112】
S31:ユーザがPC100からダイレクト印刷を指令する場合、まずユーザの指令によりPC制御部12がWebブラウザ13を起動する。
S32:起動されたWebブラウザ13は、MFP600のWebサーバ160との接続を確立する。
【0113】
S33:MFP600のWebサーバ160との接続を確立したWebブラウザ13は、Webサーバ160から提供されるWebアプリケーションに従って、図19に例示するダイレクトプリントユーティリティ画面をモニタに表示する。
【0114】
ユーザは、このダイレクトプリントユーティリティ画面において、印刷するファイルを指定し、自らのPIN−IDをタイプ入力して「OK」ボタンをクリックするものとする。なお、このとき、PIN−IDを入力せずに「OK」ボタンをクリックした場合や誤ったPIN−IDを入力した場合は、後述するPIN−ID照合処理(図23)で再度入力することができる。
PC制御部12は、このようにしてダイレクトプリントユーティリティ画面で入力されたファイル名およびPIN−IDを取得する。
【0115】
S34:ファイル名およびPIN−IDを取得したPC制御部12は、取得したファイル名で指定されたファイルをドキュメントデータ格納部15から読み出す。
S35:Webブラウザ13にダイレクトプリントユーティリティ画面を表示しているWebアプリケーションは、読み出されたファイルにスクリプトを用いてジョブ識別番号を付与し、添付する。
S36:PC制御部12は、通信手段11を介してジョブ識別番号が添付されたファイルをダイレクト印刷の印刷ジョブデータとしてMFP600宛てに送信して処理を終了する。
【0116】
次に、PC100からダイレクト印刷の印刷ジョブデータを受信したMFP600が行う処理を図20の第2の実施例におけるMFPの全体処理を示すフローチャートの図中Sで表すステップに従って図1を参照しながら説明する。
S110:MFP600は、PC100から印刷ジョブデータを受信するとI/O制御部110がデータ受信処理を行い受信した印刷ジョブデータを受信データバッファ210に格納する。
【0117】
S320:次に、ユーザ情報解析部125がユーザ判別処理を行い、送信元ユーザのPIN−IDを取得する。
S330:このPIN−IDを用いて認証部140がユーザ認証処理を行い、そのPIN−IDに対応するユーザのMFP600における利用権限情報をデータ解析部120に通知する。
【0118】
S140:データ解析部120は、通知された利用権限情報の範囲内で受信データバッファ210に格納された印刷ジョブデータを印刷画像データ化し、これをイメージデータバッファ220に格納する。
S150:制御部130は、イメージデータバッファ220に格納された印刷画像データを画像形成部150に転送し、画像形成部150はその印刷画像データを印刷出力して処理を終了する。
【0119】
なお、S320のユーザ判別処理において送信元ユーザのPIN−IDが抽出できなかった場合、データ解析部120がPIN−IDを抽出できなかった印刷ジョブデータをデータ仮置部225に格納し、図23に示すPIN−ID照合処理を起動するとともに図20中のBに処理を移行して本処理を中断する。
【0120】
以下に、図20に示した各処理の詳細を説明する。
なお、図20のS110におけるデータ受信処理は、図5の第1の実施例におけるデータ受信処理を示すフローチャートと同様であり、図20のS140におけるデータ解析処理は、図8の第1の実施例におけるデータ解析処理を示すフローチャートと同様であり、図20のS150における画像形成処理は、図9の第1の実施例における画像形成処理を示すフローチャートと同様であるため、その説明を省略する。
【0121】
まず、図20のS320におけるデータ判別処理を図21の第2の実施例におけるユーザ判別処理を示すフローチャートの図中Sで表すステップに従って図17を参照しながら説明する。なお、このユーザ判別処理はデータ解析部120およびユーザ情報解析部125が実行する。
S321:データ解析部120は、I/O制御部110から印刷ジョブデータを格納した受信データバッファ210の先頭アドレスを受信する。
【0122】
S322:データ解析部120は、受信した先頭アドレスに基づいて印刷ジョブデータを読み出す。
S323:データ解析部120のユーザ情報解析部125は、読み出した印刷ジョブデータから送信元のPIN−IDおよびジョブ識別番号を抽出する。
【0123】
S324:データ解析部120は、PIN−IDを抽出できたか否かを判定し、抽出できたと判定すると処理をS325へ移行し、抽出できなかった(PIN−IDが不明)と判定すると処理をS326へ移行する。
S325:抽出できたと判定したデータ解析部120は、そのPIN−IDおよびジョブ識別番号を制御部130へ送信して処理を終了する。
【0124】
S326:抽出できなかったと判定したデータ解析部120は、その印刷ジョブデータをデータ仮置部225に格納する。
S327:データ解析部120は、抽出したジョブ識別番号のみを制御部130へ送信して処理を終了する。
【0125】
次に、図20のS330におけるユーザ認証処理を図22の第2の実施例におけるユーザ認証処理を示すフローチャートの図中Sで表すステップに従って図17を参照しながら説明する。なお、このユーザ認証処理は認証部140が実行する。
【0126】
S331:制御部130は、図21のS325またはS327においてデータ解析部120が送信したデータを受信し、または、後述するS336において認証部140が送信したデータを受信し、そのデータがPIN−IDおよびジョブ識別番号であると判定した場合、処理をS332へ移行してユーザ認証処理を続け、一方ジョブ識別番号のみと判定した場合、処理をS337へ移行する。
【0127】
S332:受信したデータがPIN−IDおよびジョブ識別番号であると判定した制御部130は、そのPIN−IDおよびジョブ識別番号を認証部140へ送信する。
S333:認証部140は、ユーザデータ格納部230を参照し、受信したPIN−IDに基づいてユーザデータ格納部230を検索する。
【0128】
ここで、ユーザデータ格納部230には、図26に示すようにユーザ毎に利用権限を示す利用権限情報がデータテーブルとして保存されている。例えば、認証部140が受信したPIN−IDが「890081」である場合、このユーザ「仙台二郎」は、PC100からの印刷においてカラー印刷が可能、印刷媒体の1面に印刷ジョブデータの1ページを割り付けて出力することが可能である。また、認証部140が受信したPIN−IDが「999999」である場合、このユーザは「ゲスト」であるとし、PC100からの印刷においてモノクロ印刷で、印刷媒体の1面に印刷ジョブデータの2ページ分を縮小して割り付けた出力のみを許可する。
【0129】
S334:認証部140は、受信したPIN−IDと一致するPIN−IDがユーザデータ格納部230に存在するか否かを判定し、存在すると判定すると処理をS335へ移行し、一方存在しない(PIN-IDが不正)と判定すると処理をS336へ移行する。
S335:受信したPIN−IDと一致するPIN−IDがユーザデータ格納部230に存在すると判定した認証部140は、そのPIN−IDに対応するユーザのMFP600の利用権限情報を取得して制御部130に返し、処理を終了する。
【0130】
S336:S334において、受信したPIN−IDと一致するPIN−IDがユーザデータ格納部230に存在しないと判定した認証部140は、受信したジョブ識別番号をそのまま制御部130へ返送して処理をS331に戻す。このとき、認証部140は、データ解析部120に依頼して印刷ジョブデータをデータ仮置部225に格納させる。
【0131】
S337:一方、S331において、制御部130は、データ解析部120または認証部140からジョブ識別番号のみを受信したと判定した場合、Webサーバ160へジョブ識別番号を送信し、図20に示すBへ処理を移行し、MFPの全体処理を中断させる。
なお、ここで制御部130が送信したジョブ識別番号をWebサーバ160が受信することにより、後述する図23に示すPIN−ID照合処理が起動される。
【0132】
次に、MFPおよびPCが行うPIN−ID照合処理を図23の第2の実施例におけるPIN−ID照合処理を示すフローチャートの図中Sで表すステップに従って図17を参照しながら説明する。なお、本処理は、上述した図22のS337において制御部130が送信したジョブ識別番号をWebサーバ160が受信することにより起動される。
【0133】
S410:Webサーバ160は、PIN−ID取得処理を実行し、既に接続が確立されているPC100の中からPIN−IDが不明なジョブ識別番号を有する印刷ジョブデータを送信したPC100宛てに問い合わせ、送信元ユーザのPIN−IDを取得する。Webサーバ160は、取得したPIN−IDを制御部130経由で認証部140まで送達する。
【0134】
S330:認証部140は、ユーザ認証処理を実行し、受信したPIN−IDを認証してユーザの利用権限情報を取得する。
S250:データ解析部120は、保留ジョブ読み出し処理を実行し、取得した利用権限情報にしたがって保留してある印刷ジョブデータを印刷画像データ化する。
S150:制御部130および画像形成処理150は、画像形成処理を実行し、印刷画像データを印刷出力して処理を終了する。
【0135】
以下に、図23に示した各処理の詳細を説明する。
まず、図23のS410におけるPIN−ID取得処理を図24の第2の実施例におけるPIN−ID取得処理を示すフローチャートの図中Sで表すステップに従って図17を参照しながら説明する。なお、このPIN−ID取得処理はWebサーバ160が実行する。
S411:Webサーバ160は、制御部130からジョブ識別番号を受信する。
【0136】
S412:Webサーバ160は、ジョブ識別番号を受信するとPIN−IDが不明な印刷ジョブデータであると判断して該当するPC100のモニタにPIN−ID問合せ画面を表示させる。このとき、Webサーバ160は1台以上のPC100との間でダイレクトプリントアプリケーションを提供するためにhttpプロトコルによる接続が確立しているものとする。また、ジョブ識別番号はWebサーバ160が提供するWebアプリケーション中のスクリプトを用いて一意に付与したものであるため、ジョブ識別番号を取得したWebサーバ160はどのPC100にPIN−ID問合せ画面を表示すればよいかは自明である。
【0137】
PIN−ID問合せ画面は、図25に示すように、利用者のPIN−IDまたはゲストモードのPIN−IDの入力を促す文言、入力されたPIN−IDを表示するための領域、PIN−IDを送信させるための「送信」ボタン等で構成されたものである。
S413:ユーザは、PIN−ID問合せ画面において自身のPIN−IDまたはゲストモードのPIN−IDを入力して「送信」ボタンをクリックするものとする。入力されたPIN−IDはMFP600へ送信され、Webサーバ160はそのPIN−IDをI/O制御部110を介して取得する。
【0138】
S414:Webサーバ160は、取得したPIN−IDにジョブ識別番号を結合し、そのPIN−IDおよびジョブ識別番号を制御部130へ送信して処理を終了する。
なお、PIN−IDとジョブ識別番号を受信した制御部130は、図23に示すS330のユーザ認証処理を起動するが、そのユーザ認証処理は図22を用いて説明したユーザ認証処理と同様なのでその説明を省略する。
【0139】
また、図23に示すS250の保留ジョブ読み出し処理は図16を用いて説明した第1の実施例と同様であり、S150の画像形成処理は図9を用いて説明した第1の実施例と同様であるため、その説明を省略する。
【0140】
このように、MFPがWebアプリケーションを用いてダイレクト印刷機能を提供するようにしたことにより、MFPのドライバをインストールしていないPCからでもダイレクト印刷を実行することが可能であり、かつWebアプリケーションからユーザ固有のPIN−IDを入力できるので、MFPでは各ユーザの利用権限に応じた印刷を行うことができる。
【0141】
また、入力されたPIN−IDが誤っている場合や入力し忘れた場合は、MFP側からWebアプリケーションを介してPIN−IDの入力を促し、予め送信済みの印刷ジョブデータに入力されたPIN−IDを結合するようにしたことにより、安易にゲストモードを使用することなく、的確にユーザの利用権限を適用した印刷を行うことができる。
【0142】
以上説明したように、第2の実施例では、MFPがユーザ固有のPIN−IDを入力できるWebアプリケーションを用いてダイレクト印刷機能を提供するようにしたことにより、MFPでは各ユーザの利用権限に応じた印刷を行うことができ、ユーザの利用権限を正確に判定した印刷を行うことができるという効果が得られる。
【0143】
また、入力されたPIN−IDが誤っている場合や入力し忘れた場合であっても、MFP側からWebアプリケーションを介してPIN−IDの入力を促し、予め送信済みの印刷ジョブデータに入力されたPIN−IDを結合するようにしたことにより、ユーザの利用権限を正確に判定した印刷を行うことができるという効果が得られる。
【0144】
なお、第1の実施例および第2の実施例では、画像形成装置をMFPとして説明したが、それに限られることなく、画像形成装置を、認証印刷機能を備えたプリンタやファクシミリ装置など、ユーザIDの入力を要求する機能を有する装置としても良い。
【0145】
また、第1の実施例および第2の実施例では、本発明をMFPにおける印刷機能に適用した例で説明したが、MFPのファクシミリ(FAX)機能や電子メール機能、認証印刷機能を備えたプリンタの印刷機能など、ユーザIDの入力を要求する機能に本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0146】
2 通信回線
3 データバッファ
10、110 I/O制御部
11 通信手段
12 PC制御部
13 Webブラウザ
14、80 UI制御部
15 ドキュメントデータ格納部
20 パケット解析部
30 翻訳部
40 諸元取得部
50 主制御部
51 判別部
60 ドキュメントデータ読込部
70 表示制御部
100 PC
120 データ解析部
125 ユーザ情報解析部
130 制御部
140 認証部
150 画像形成部
160 Webサーバ
210 受信データバッファ
220 イメージデータバッファ
225 データ仮置部
230 ユーザデータ格納部
600 MFP

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信回線を介して接続された上位装置との間でデータの送受信を行う通信部と、
前記通信部が受信した印刷ジョブデータから送信元のユーザを識別するユーザ識別子を抽出するユーザ情報解析部と、
前記ユーザ情報解析部が前記ユーザ識別子を抽出できないと判定したとき、前記印刷ジョブデータの送信元の上位装置へ前記ユーザ識別子を問い合わせる制御部とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1の画像形成装置において、
前記ユーザ識別子に対応付けて前記印刷ジョブデータに適用可能な機能範囲を規定する利用権限情報を記憶するユーザデータ格納部と、
前記ユーザ識別子に基づいて前記ユーザデータ格納部を検索して前記ユーザ識別子に対応付けられた前記利用権限情報を抽出する認証部と、
前記ユーザ情報解析部が前記ユーザ識別子を抽出できないと判定した前記印刷ジョブデータを記憶するデータ仮置部とを備え、
前記制御部は、前記問合せの応答として上位装置からユーザ識別子を受信すると、前記認証部に前記受信したユーザ識別子に対応付けられた利用権限情報を抽出させ、該利用権限情報で規定される前記機能範囲にしたがって前記データ仮置部に記憶しておいた印刷ジョブデータを処理することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2の画像形成装置において、
前記ユーザ情報解析部は、前記印刷ジョブデータに前記ユーザ識別子が含まれていないことを検知したとき、前記印刷ジョブデータから前記ユーザ識別子を抽出できないと判定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3の画像形成装置において、
前記ユーザ情報解析部は、前記印刷ジョブデータに含まれる前記ユーザ識別子が前記ユーザデータ格納部に予め記憶された前記ユーザ識別子と一致しないとき、前記印刷ジョブデータから前記ユーザ識別子を抽出できないと判定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項の画像形成装置において、
前記制御部は、前記上位装置にインストールされた画像形成装置制御ソフトウェアに前記ユーザ識別子を問い合わせることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1から請求項4のいずれか1項の画像形成装置において、
前記上位装置にWebアプリケーションソフトウェアを提供するWebサーバを備え、
前記制御部は、前記上位装置に提供された前記Webアプリケーションソフトウェアを用いて前記ユーザ識別子を問い合わせることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2012−103917(P2012−103917A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−252177(P2010−252177)
【出願日】平成22年11月10日(2010.11.10)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】