説明

画像形成装置

【課題】トナーの濃度を検知するトナー濃度検知部と、直線的に往復運動することによりトナー濃度検知部の検知面をクリーニングするクリーニング部材とを備える画像形成装置において、クリーニング部材の駆動機構や制御を簡易化できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】トナーの濃度をするトナー濃度検知部110と、直線的に往復運動することによりトナー濃度検知部110の検知面111をクリーニングするクリーニング部材130と、回転軸141を有するモータ140と、回転軸141による回転運動をクリーニング部材130の直線的な往復運動に変換する運動変換部150と、を備え、運動変換部150は、前記回転運動を1回転行う度に前記往復運動を1往復行わせる形状を有するカム152を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直線的に往復運動することによりトナー濃度検知部の検知面をクリーニングするクリーニング部材を備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ等の画像形成装置は、例えば、複数の感光体ドラムに形成された各色のトナー画像が順次1次転写される中間転写ベルトを備えている。また、画像形成装置には、形成される画像の品質を確保するため、中間転写ベルト上のトナーの濃度(トナー濃度)を検知するトナー濃度検知部が設けられている。トナー濃度検知部は、その中間転写ベルトとの対向面に、検知面を有する。この検知面がトナー等で汚れると、トナー濃度を正確に検知できなくなる虞がある。そのため、画像形成装置には、検知面をクリーニングするクリーニング部材が設けられている。クリーニング部材は、直線的な往復運動(往復移動)をすることにより、検知面を拭いて汚れを除去する(例えば、下記特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−026157号公報
【特許文献2】特開2002−031919号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1,2に記載の技術においては、動力源を使い分けたり、制御を工夫することによって、クリーニング部材の往復運動を実現している。そのため、クリーニング部材の駆動機構や制御が複雑である。
【0005】
本発明は、トナーの濃度を検知するトナー濃度検知部と、直線的に往復運動することによりトナー濃度検知部の検知面をクリーニングするクリーニング部材とを備える画像形成装置において、クリーニング部材の駆動機構や制御を簡易化できる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、トナーの濃度をするトナー濃度検知部と、直線的に往復運動することにより前記トナー濃度検知部の検知面をクリーニングするクリーニング部材と、回転軸を有するモータと、前記回転軸による回転運動を前記クリーニング部材の直線的な往復運動に変換する運動変換部と、を備え、前記運動変換部は、前記回転運動を1回転行う度に前記往復運動を1往復行わせる形状を有するカムを備える画像形成装置に関する。
【0007】
また、前記運動変換部は、前記回転軸に固定されたウォームギアと、前記ウォームギアに直接的に又は間接的に噛み合う外歯及びカム溝を有する前記カムと、支点部、前記カム溝に係合する第1凸部を有する第1アーム部及び第2凸部を有する第2アーム部を備える伝達アーム部材であって前記支点部を中心に往復回動する伝達アーム部材と、水平方向に往復移動自在な水平移動部材であって、上下方向に延び前記第2凸部が係合する長孔を有すると共に前記水平移動部材の往復移動に伴って前記トナー濃度検知部の検知面を上面側から被覆する被覆部及び前記検知面を上面側から露出させる開放部を有する水平移動部材と、を備え、前記クリーニング部材は、前記水平移動部材の前記被覆部の下側に固定されることが好ましい。
【0008】
また、前記被覆部が前記検知面を被覆する被覆方向に前記水平移動部材を移動させる付勢力を前記水平移動部材に付与する付勢部材を更に備え、前記カム溝は、前記伝達アーム部材の前記第1凸部が前記付勢力により前記カムの径方向外側へ移動することを許容する径方向移動許容溝部を有することが好ましい。
【0009】
また、前記径方向移動許容溝部は、前記カム溝における所定位置であって前記水平移動部材の移動に伴って前記開放部が前記検知面を完全に又は大部分露出させた状態からその他の状態へ変化する所定位置、又は前記カム溝における前記所定位置の下流側の近傍に設けられることが好ましい。
【0010】
また、前記クリーニング部材の位置を検知するクリーニング部材位置検知部を更に備え、前記クリーニング部材位置検知部は、前記画像形成装置の装置本体に対して固定された光センサであって投光部及び受光部を有し該投光部からの光が該受光部に受光されるか否かを検知する光センサと、前記投光部から前記受光部への光の到達を遮断可能な遮断部であって前記運動変換部に固定され前記運動変換部の運動変換動作に伴って移動する遮断部と、を有することが好ましい。
【0011】
また、前記モータ、前記カム、前記伝達アーム部材及び前記クリーニング部材位置検知部を覆って保持すると共に前記装置本体に取り付けるカバー部材を更に備え、前記カバー部材は、該カバー部材の外側に、前記トナー濃度検知部、前記モータ及び前記クリーニング部材位置検知部のケーブルをまとめて保持するケーブル保持部を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、トナーの濃度を検知するトナー濃度検知部と、直線的に往復運動することによりトナー濃度検知部の検知面をクリーニングするクリーニング部材とを備える画像形成装置において、クリーニング部材の駆動機構や制御を簡易化できる画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の画像形成装置の第1実施形態としてのプリンタ1の各構成要素の配置を説明するための図である。
【図2】図1に示したプリンタ1の外観を示す斜視図である。
【図3】第1実施形態におけるトナー濃度検知装置100の全体構成を示す正面図である。
【図4】図3に示したトナー濃度検知装置100から、カバー部材を取り除いた状態の正面図である。
【図5】図3に示したトナー濃度検知装置100の裏面図である。
【図6】図5に示したトナー濃度検知部110とクリーニング部材130との位置関係を示す斜視図である。
【図7】図3に示したトナー濃度検知装置100における運動変換部150の要部の構成を示す拡大図である。
【図8】図7に示したカム152の正面図である。
【図9】図7に示したカム152のカム溝152bと伝達アーム部材153との係合状態を示す斜視図である。
【図10】図7に示した状態からカム152が1/4回転したときの伝達アーム部材153の回動状態の説明図である。
【図11】図10に示した状態から更にカム152が1/4回転したときの伝達アーム部材153の回動状態の説明図である。
【図12】図11に示した状態から更にカム152が1/4回転したときの伝達アーム部材153の回動状態の説明図である。
【図13】水平移動部材154と伝達アーム部材153との係合位置を示す斜視図である。
【図14】トナー濃度検知部110の検知面111が水平移動部材154の被覆部154dで覆われた状態の斜視図である。
【図15】クリーニング部材位置検知部230によってクリーニング部材130の位置が往復移動前の初期位置(図6の位置)にあると検知される状態を示す斜視図である。
【図16】クリーニング部材位置検知部230によってクリーニング部材130の位置が検知面111の他端側に移動していると検知される状態の斜視図である。
【図17】図6に示したように開放部154eが検知面111の上に位置した状態になるときにおける、伝達アーム部材153及び水平移動部材154の位置関係を示す斜視図である。
【図18】図14に示したように被覆部154dが検知面111の上に位置した状態になるときにおける、伝達アーム部材153及び水平移動部材154の位置関係を示す斜視図である。
【図19】図18に示した位置関係の状態を、その反対側から示した説明図である。
【図20】第2実施形態における伝達アーム部材153及び水平移動部材154の位置関係を示す斜視図(図17対応図)である。
【図21】第2実施形態におけるカム160の正面図(図8対応図)である。
【図22】(A)から(D)は、図21に示したカム160が回転するのに伴って、伝達アーム部材153の第1凸部170がカム溝161を移動する過程を90度毎に示す正面図である。
【図23】第2実施形態において、水平移動部材154の移動に伴って水平移動部材154の開放部154eがトナー濃度検知部110の検知面111を完全に露出させた状態における、伝達アーム部材153の回動状態の説明図(図7対応図)である。
【図24】図23に示した状態からカム160が1/4回転したときの伝達アーム部材153の回動状態の説明図(図10対応図)である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<第1実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の画像形成装置の第1実施形態を説明する。
図1及び図2により、本発明の画像形成装置の第1実施形態としてのプリンタ1における全体構造を説明する。図1は、本発明の画像形成装置の第1実施形態としてのプリンタ1の各構成要素の配置を説明するための図である。図2は、図1に示したプリンタ1の外観を示す斜視図である。
【0015】
図1及び図2に示すように、画像形成装置としてのプリンタ1は、装置本体Mと、所定の画像情報に基づいてシート状の被転写材としての用紙Tに所定のトナー画像を形成する画像形成部GKと、用紙Tを画像形成部GKに給紙すると共にトナー画像が形成された用紙Tを排紙する給排紙部KHとを有する。
装置本体Mにおける外形は、筐体としてのケース体BDにより構成される。
【0016】
図1に示すように、画像形成部GKは、像担持体(感光体)としての感光体ドラム2a、2b、2c、2dと、帯電部10a、10b、10c、10dと、露光ユニットとしてのレーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dと、現像器16a、16b、16c、16dと、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dと、トナー供給部6a、6b、6c、6dと、ドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dと、除電器12a、12b、12c、12dと、中間転写ベルト7と、1次転写ローラ37a、37b、37c、37dと、2次転写ローラ8と、対向ローラ18と、定着部9と、を備える。
【0017】
図1に示すように、給排紙部KHは、給紙カセット52と、手差し給紙部64と、用紙Tの搬送路Lと、レジストローラ対80と、複数のローラ又はローラ対と、排紙部50と、を備える。なお、搬送路Lは、後述するように、第1搬送路L1と、第2搬送路L2と、第3搬送路L3と、手差し搬送路Laと、戻し搬送路Lbとの集合体である。
【0018】
以下、画像形成部GK及び給排紙部KHの各構成について詳細に説明する。
まず、画像形成部GKについて説明する。
画像形成部GKにおいては、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に沿って順に、上流側から下流側に順に、帯電部10a、10b、10c、10dによる帯電、レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dによる露光、現像器16a、16b、16c、16dによる現像、中間転写ベルト7及び1次転写ローラ37a、37b、37c、37dによる1次転写、除電器12a、12b、12c、12dによる除電、及びドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dによるクリーニングが行われる。
また、画像形成部GKにおいては、中間転写ベルト7、2次転写ローラ8及び対向ローラ18による2次転写、並びに定着部9による定着が行われる。
【0019】
感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれは、円筒形状の部材からなり、感光体又は像担持体として機能する。感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれは、中間転写ベルト7の進行方向に対して直交する方向に延びる機軸を中心に矢印の方向に回転可能に配置される。感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれにおける表面には、静電潜像が形成され得る。
【0020】
帯電部10a、10b、10c、10dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に対向して配置される。帯電部10a、10b、10c、10dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面を一様に負(マイナス極性)又は正(プラス極性)に帯電させる。
【0021】
レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dは、露光ユニットとして機能するものであり、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面から離間して配置される。レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dそれぞれは、不図示のレーザ光源、ポリゴンミラー、ポリゴンミラー駆動用モータ等を有して構成される。
【0022】
レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dそれぞれは、PC(パーソナルコンピュータ)等の外部機器から入力された画像情報に基づいて、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面を走査露光する。レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dそれぞれにより走査露光されることで、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面の露光された部分の電荷が除去される。これにより、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に静電潜像が形成される。
【0023】
現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dにそれぞれ対応して設けられ、感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面に対向して配置される。現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に形成された静電潜像に各色のトナーを付着させて、カラーのトナー画像を感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に形成する。現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの色に対応する。現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面に対向配置された現像ローラ、トナー攪拌用の攪拌ローラ等を有して構成される。
【0024】
トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれは、現像器16a、16b、16c、16dそれぞれに対応して設けられており、現像器16a、16b、16c、16dそれぞれに対して供給される各色のトナーを収容する。トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれは、イエローのトナー、シアンのトナー、マゼンタのトナー、ブラックのトナーを収容する。
【0025】
トナー供給部6a、6b、6c、6dそれぞれは、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5d及び現像器16a、16b、16c、16dにそれぞれ対応して設けられており、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれに収容された各色のトナーを、現像器16a、16b、16c、16dそれぞれに対して供給する。トナー供給部6a、6b、6c、6dそれぞれと現像器16a、16b、16c、16dそれぞれとは、不図示のトナー供給路により結ばれている。
【0026】
中間転写ベルト7には、感光体ドラム2a、2b、2c、2dに形成された各色のトナー画像が順次1次転写される。中間転写ベルト7は、従動ローラ35、駆動ローラからなる対向ローラ18、テンションローラ36等に掛け渡される。テンションローラ36が中間転写ベルト7を内側から外側に付勢するため、中間転写ベルト7には所定の張力が与えられる。
【0027】
中間転写ベルト7を挟んで感光体ドラム2a、2b、2c、2dと反対の側には、1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれが対向して配置される。
【0028】
中間転写ベルト7における所定部分は、1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれと、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれとにより挟み込まれる。この挟み込まれた所定部分は、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれにおける表面に押し当てられる。感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれと1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれとの間で、それぞれ1次転写ニップN1a、N1b、N1c、N1dが形成される。1次転写ニップN1a、N1b、N1c、N1dそれぞれにおいて、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれに現像された各色のトナー画像が中間転写ベルト7に順次1次転写される。これにより、中間転写ベルト7には、フルカラーのトナー画像が形成される。
【0029】
1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれには、不図示の1次転写バイアス印加部により、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれに形成された各色のトナー画像を中間転写ベルト7に転写させるための1次転写バイアスが印加される。
【0030】
除電器12a、12b、12c、12dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に対向して配置される。除電器12a、12b、12c、12dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に光を照射することにより、1次転写が行われた後の感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面を除電する(電荷を除去する)。
【0031】
ドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に対向して配置される。ドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に残存したトナーや付着物を除去すると共に、除去されたトナー等を所定の回収機構へ搬送して、回収させる。
【0032】
2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7に1次転写されたフルカラーのトナー画像を用紙Tに2次転写させる。2次転写ローラ8には、不図示の2次転写バイアス印加部により、中間転写ベルト7に形成されたフルカラーのトナー画像を用紙Tに転写させるための2次転写バイアスが印加される。
【0033】
2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7に対して当接したり離間したりする。具体的には、2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7に当接される当接位置と中間転写ベルト7から離間する離間位置とに移動可能に構成される。詳細には、2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7の表面に1次転写されたフルカラーのトナー画像を用紙Tに2次転写させる場合には当接位置に配置され、他の場合には離間位置に配置される。
【0034】
中間転写ベルト7における2次転写ローラ8とは反対側には、対向ローラ18が配置される。中間転写ベルト7における所定部分は、2次転写ローラ8と対向ローラ18とによって挟み込まれる。そして、用紙Tは中間転写ベルト7の外面(トナー画像が1次転写された面)に押し当てられる。中間転写ベルト7と2次転写ローラ8との間で2次転写ニップN2が形成される。2次転写ニップN2において、中間転写ベルト7に1次転写されたフルカラーのトナー画像が用紙Tに2次転写される。
【0035】
定着部9は、用紙Tに2次転写されたトナー画像を構成する各色のトナーを溶融及び加圧して、用紙Tに定着させる。定着部9は、ヒータにより加熱される加熱回転体9aと、加熱回転体9aに圧接される加圧回転体9bと、を備える。加熱回転体9aと加圧回転体9bとは、トナー画像が2次転写された用紙Tを挟み込んで加圧すると共に、搬送する。加熱回転体9aと加圧回転体9bとの間に挟まれた状態で用紙Tが搬送されることによって、用紙Tに転写されたトナーは、溶融及び加圧をされることで用紙Tに定着される。
【0036】
次に、給排紙部KHについて説明する。
図1に示すように、装置本体Mの下部には、用紙Tを収容する主収容部としての給紙カセット52が配置される。給紙カセット52は、装置本体Mの筐体から水平方向に引き出し可能に構成される。給紙カセット52には、用紙Tが載置される載置板60が配置される。給紙カセット52には、用紙Tが載置板60の上に積層された状態で収容される。載置板60に載置された用紙Tは、給紙カセット52における用紙送り出し側の端部(図1において右側の端部)に配置されるカセット給紙部51により搬送路Lに送り出される。カセット給紙部51は、載置板60上の用紙Tを取り出すための前送りコロ61と、用紙Tを1枚ずつ搬送路Lに送り出すための給紙ローラ対81とからなる重送防止機構を備える。
【0037】
装置本体Mの左側面(図1において左側)には、用紙Tを収容する手差し給紙部64が設けられる。手差し給紙部64は、給紙カセット52にセットされる用紙Tとは異なる大きさや種類の用紙Tを装置本体Mに供給することを主目的として設けられる。手差し給紙部64は、閉状態において装置本体Mの左側面の一部を構成する手差しトレイ65と、給紙コロ66とを備える。手差しトレイ65は、その下端が給紙コロ66の近傍に回動自在(開閉自在)に取り付けられる。開状態の手差しトレイ65には、用紙Tが載置される。給紙コロ66は、開状態の手差しトレイ65に載置された用紙Tを手差し搬送路Laに給紙する。
【0038】
用紙Tを搬送する搬送路Lは、カセット給紙部51から2次転写ニップN2までの第1搬送路L1と、2次転写ニップN2から定着部9までの第2搬送路L2と、定着部9から排紙部50までの第3搬送路L3と、給紙部64から供給される用紙を第1搬送路L1に合流させる手差し搬送路Laと、第3搬送路L3を下流側から上流側へ搬送する用紙を、表裏反転させて第1搬送路L1に戻す戻し搬送路Lbと、を備える。
【0039】
第1搬送路L1は、給紙カセット52に収容される用紙Tを画像形成部GKに向けて搬送する。手差し搬送路Laは、手差し給紙部64に収容される用紙Tを後述するレジストローラ対80に向けて搬送する。
【0040】
また、第1搬送路L1の途中には、第1合流部P1及び第2合流部P2が設けられている。第3搬送路L3の途中には、第1分岐部Q1が設けられている。
第1合流部P1は、手差し搬送路Laが第1搬送路L1に合流する合流部である。第2合流部P2は、戻し搬送路Lbが第1搬送路L1に合流する合流部である。
第1分岐部Q1は、戻し搬送路Lbが第3搬送路L3から分岐する分岐部である。
【0041】
第1搬送路L1の途中(詳細には、第2合流部P2と2次転写ローラ8との間)には、用紙Tを検出するための用紙検出センサ(図示せず)と、用紙Tのスキュー(斜め給紙)補正や画像形成部GKにおけるトナー画像の形成とタイミングを合わせるためのレジストローラ対80とが配置される。前記用紙検出センサは、用紙Tの搬送方向におけるレジストローラ対80の直前(搬送方向における上流側)に配置される。レジストローラ対80は、前記用紙検出センサからの検出信号情報に基づいて上述の補正やタイミング調整をして用紙Tを搬送する。
【0042】
第1搬送路L1における第1合流部P1と第2合流部P2との間には、第1ローラとしての第1搬送ローラ対82が配置される。第1搬送ローラ対82は、給紙ローラ対81の下流側に配置され、給紙ローラ対81により搬送される用紙Tを挟持して、第2ローラとしてのレジストローラ対80へ搬送する。
【0043】
戻し搬送路Lbは、用紙Tに両面印刷を行う際に、既に印刷されている面とは反対面(未印刷面)を中間転写ベルト7に対向させるために設けられる搬送路である。戻し搬送路Lbには、用紙Tを第2合流部P2に向けて搬送する複数の第2搬送ローラ対83が所定の間隔ごとに配置される。戻し搬送路Lbによれば、第1分岐部Q1から排紙部50側に搬送された用紙Tを表裏反転させて第1搬送路L1に戻して、2次転写ローラ8の上流側に配置されたレジストローラ対80の上流側に搬送させることができる。戻し搬送路Lbにより表裏反転された用紙Tには、2次転写ニップN2において未印刷面に対して所定のトナー画像が転写される。
【0044】
第1分岐部Q1には、整流部材58が設けられている。整流部材58は、定着部9から搬出され第3搬送路L3を上流側から下流側に向けて搬送する用紙Tの搬送方向を、排紙部50に向かう方向に整流すると共に、排紙部50から第3搬送路L3を下流側から上流側に向けて搬送する用紙Tの搬送方向を、戻し搬送路Lbに向かう方向に整流する。
【0045】
第3搬送路L3における端部には、排紙部50が形成される。排紙部50は、装置本体Mにおける上方側に配置される。排紙部50は、装置本体Mの左側面側(図1において左側)に向けて開口している。排紙部50は、用紙Tを装置本体Mの外部に排紙する。排紙部50は、排出ローラ対53を有している。排出ローラ対53によれば、第3搬送路L3を上流側から下流側に搬送される用紙Tを装置本体Mの外部に排紙すると共に、排紙部50において用紙Tの搬送方向を反転させて用紙Tを第3搬送路L3の上流側に向けて搬送することができる。
【0046】
排紙部50における開口側には、排紙集積部M1が形成される。排紙集積部M1は、装置本体Mにおける上面(外面)に形成される。排紙集積部M1は、装置本体Mにおける上面が下方に窪んで形成された部分である。排紙集積部M1の底面は、装置本体Mにおける上面の一部を構成する開閉部材としてのトップカバー部材M2により形成される。排紙集積部M1を形成するトップカバー部材M2の上面には、所定のトナー画像が形成され排紙部50から排紙された用紙Tが積層して集積される。
なお、各搬送路の所定位置には用紙検出用のセンサが配置される。
【0047】
第1実施形態のプリンタ1は、図2に示すように、装置本体Mの内部に、トナー濃度検知装置100を備える。このトナー濃度検知装置100は、中間転写ベルト7の外面のトナー画像におけるトナー濃度を検出するトナー濃度検知部と、トナー濃度検知部の検知面をクリーニングするクリーニング機構と、を備える。トナー濃度検知装置100の詳細については、後述する。
【0048】
次に、図1を参照して、第1実施形態のプリンタ1の動作について、簡単に説明する。
まず、給紙カセット52に収容された用紙Tに片面印刷を行う場合について説明する。
給紙カセット52に収容された用紙Tは、前送りコロ61及び給紙ローラ対81によって第1搬送路L1に送り出され、その後、第1合流部P1及び第1搬送路L1を介して、第1搬送ローラ対82により、レジストローラ対80に搬送される。
レジストローラ対80においては、用紙Tのスキュー補正や、画像形成部GKにおけるトナー画像の形成とのタイミング調整が行われる。
【0049】
レジストローラ対80から排出された用紙Tは、第1搬送路L1を介して中間転写ベルト7と2次転写ローラ8との間(2次転写ニップN2)に導入される。そして、用紙Tには、中間転写ベルト7と2次転写ローラ8との間において、トナー画像が転写される。
その後、用紙Tは、中間転写ベルト7と2次転写ローラ8との間から排出され、第2搬送路L2を介して、定着部9における加熱回転体9aと加圧回転体9bとの間の定着ニップに導入される。そして、定着ニップにおいてトナーが溶融し、トナーが用紙Tに定着される。
【0050】
次いで、用紙Tは、第3搬送路L3を通して排紙部50に搬送され、排出ローラ対53により排紙部50から排紙集積部M1に排出される。
このようにして、給紙カセット52に収容された用紙Tの片面印刷が完了する。
【0051】
手差しトレイ65に載置された用紙Tに片面印刷を行う場合には、手差しトレイ65に載置された用紙Tは、給紙コロ66によって手差し搬送路Laに送り出され、その後、第1合流部P1及び第1搬送路L1を介して、レジストローラ対80に搬送される。それ以降の動作は、前述した、給紙カセット52に収容された用紙Tの片面印刷の動作と同様であり、説明を省略する。
【0052】
次に、両面印刷を行う場合のプリンタ1の動作について説明する。
片面印刷の場合には、前述した通り、片面印刷がされた用紙Tが、排紙部50から排紙集積部M1に排出されて印刷動作が完了する。
これに対し、両面印刷を行う場合には、片面印刷がされた用紙Tが、戻し搬送路Lbを介して、片面印刷時とは表裏反転して、レジストローラ対80に再度搬送されることにより、用紙Tに両面印刷が施される。
【0053】
詳述すると、片面印刷がされた用紙Tが排出ローラ対53により排紙部50から排出されるまでは、前述した片面印刷の動作と同様である。而して、両面印刷の場合には、片面印刷がされた用紙Tが排出ローラ対53により保持されている状態において、排出ローラ対53の回転を停止させ、逆方向に回転させる。このように排出ローラ対53を逆方向に回転させると、排出ローラ対53に保持されている用紙Tは、第3搬送路L3を逆方向(排紙部50から第1分岐部Q1に向かう方向)に搬送される。
【0054】
前述したように、用紙Tが、第3搬送路L3を逆方向に搬送されると、整流部材58により、用紙Tは、戻し搬送路Lbへ整流され、その後、第2合流部P2を介して、第1搬送路L1に合流する。ここで、用紙Tは、片面印刷時とは表裏反転している。
【0055】
更に、用紙Tは、レジストローラ対80により前記補正又は前記調整が行われ、第1搬送路L1を介して、2次転写ニップN2に導入される。用紙Tは、戻し搬送路Lbを経由することにより、未印刷面が中間転写ベルト7に対向するので、未印刷面にトナー画像が転写され、その結果、両面印刷が施される。
【0056】
次に、第1実施形態のプリンタ1の特徴であるトナー濃度検知装置100について、図3から図19を参照しながら説明する。図3は、第1実施形態におけるトナー濃度検知装置100の全体構成を示す正面図である。図4は、図3に示したトナー濃度検知装置100から、カバー部材を取り除いた状態の正面図である。図5は、図3に示したトナー濃度検知装置100の裏面図である。図6は、図5に示したトナー濃度検知部110とクリーニング部材130との位置関係を示す斜視図である。図7は、図3に示したトナー濃度検知装置100における運動変換部150の要部の構成を示す拡大図である。
【0057】
図8は、図7に示したカム152の正面図である。図9は、図7に示したカム152のカム溝152bと伝達アーム部材153との係合状態を示す斜視図である。図10は、図7に示した状態からカム152が1/4回転したときの伝達アーム部材153の回動状態の説明図である。図11は、図10に示した状態から更にカム152が1/4回転したときの伝達アーム部材153の回動状態の説明図である。図12は、図11に示した状態から更にカム152が1/4回転したときの伝達アーム部材153の回動状態の説明図である。図13は、水平移動部材154と伝達アーム部材153との係合位置を示す斜視図である。図14は、トナー濃度検知部110の検知面111が水平移動部材154の被覆部154dで覆われた状態の斜視図である。
【0058】
図15は、クリーニング部材位置検知部230によってクリーニング部材130の位置が往復移動前の初期位置(図6の位置)にあると検知される状態を示す斜視図である。図16は、クリーニング部材位置検知部230によってクリーニング部材130の位置が検知面111の他端側に移動していると検知される状態の斜視図である。図17は、図6に示したように開放部154eが検知面111の上に位置した状態になるときにおける、伝達アーム部材153及び水平移動部材154の位置関係を示す斜視図である。図18は、図14に示したように被覆部154dが検知面111の上に位置した状態になるときにおける、伝達アーム部材153及び水平移動部材154の位置関係を示す斜視図である。図19は、図18に示した位置関係の状態を、その反対側から示した説明図である。
【0059】
まず、第1実施形態のトナー濃度検知装置100の概略構成を、図3から図9に基づいて説明する。
第1実施形態のトナー濃度検知装置100は、図3から図6に示すように、中間転写ベルト7の外面のトナー画像におけるトナーの濃度を検出するトナー濃度検知部110と、トナー濃度検知部110の検知面111(図6参照)をクリーニングするクリーニング機構120と、を備える。そして、クリーニング機構120は、図6に示すクリーニング部材130と、図7に示すモータ140と、カム152を有する運動変換部150と、を備える。
【0060】
トナー濃度検知部110は、図6に示す略直方体状のセンサケース112と、センサケース112の内部に収容されたトナー濃度検出用の光学センサ(不図示)と、を備える。検知面111は、センサケース112の上面112aに設けられている。検知面111は、前記光学センサが投受光する光を透過可能な透明板材で形成された窓部である。
【0061】
光学センサは、投光素子及び受光素子を有している。光学センサは、投光素子が出射する光線を検知面111を透過させて中間転写ベルト7の外面に投射すると共に、中間転写ベルト7の外面で反射した光線を検知面111を介して受光素子で受光し、受光素子が受光した反射光の強度からトナー濃度を検知する。
【0062】
センサケース112は、図6に示すように、第1支持構造物200に固定される。第1支持構造物200は、図3から図5に示すように、その下部側において、第2支持構造物201に固定される。第2支持構造物201は、プリンタ1の装置本体Mであるケース体BDに固定される本体側構造物である。第2支持構造物201は、検知面111が中間転写ベルト7の外面に対向するように、第1支持構造物200を介してセンサケース112を支持している。
第2支持構造物201は、第1支持構造物200の下方に、後述の運動変換部150の構成部品やケーブル270,271等を配置する配置部を有する。
【0063】
クリーニング部材130は、図6に矢印X1で示すように、トナー濃度検知部110の検知面111に沿って直線的に往復運動することにより、検知面111を拭いてクリーニングする。このクリーニング部材130は、検知面111の表面に面接触する平板状に、ゴム等の弾性材料で形成されている。
【0064】
モータ140は、図7に示すように、運動変換部150を駆動するための回転力を出力する回転軸141を有している。このモータ140の回転は、ケース体BD内に配置される不図示の制御部により、制御される。
【0065】
運動変換部150は、モータ140の回転軸141による回転運動を、クリーニング部材130の直線的な往復運動に変換する機構である。この運動変換部150は、図7に示すように、回転軸141に固定されたウォ−ムギア151と、中継歯車156と、カム152と、伝達アーム部材153と、を備えると共に、図6に示すように、水平移動部材154と、クリーニング部材130と、を備える。
【0066】
運動変換部150を構成するモータ140、ウォ−ムギア151、中継歯車156、カム152、伝達アーム部材153、及び後述のクリーニング部材位置検知部230は、図3及び図7に示すように、カバー部材210に保持される。カバー部材210は、図3に示すように、第1支持構造物200及び第2支持構造物201に取り付けられる。言い換えれば、モータ140、中継歯車156、ウォ−ムギア151、カム152、伝達アーム部材153、及び後述のクリーニング部材位置検知部230は、カバー部材210を介して、プリンタ1の装置本体Mであるケース体BDに取り付けられる。
【0067】
ウォ−ムギア151は、図7に示すように、モータ140の回転軸141に固定されており、回転軸141と一体的に回転する。
【0068】
第1実施形態におけるカム152は、図7に示すように、外歯152aと、カム溝152bと、を有する。そして、外歯152aは、中継歯車156を介して、ウォ−ムギア151に噛み合う。中継歯車156は、ウォ−ムギア151に噛み合う大歯車156aと、大歯車156aと同軸に一体的に形成された小歯車156bと、を備える。中継歯車156は、ウォ−ムギア151から大歯車156aに伝達された回転を、減速して小歯車156bから出力する。カム152の外歯152aは、中継歯車156の小歯車156bに噛み合っている。ウォ−ムギア151の回転は、中継歯車156を介して伝達される。
【0069】
即ち、第1実施形態においては、カム152の外歯152aは、中継歯車156を介して、間接的にウォ−ムギア151に噛み合う。なお、例えば、中継歯車156による減速処理等が不要の場合には、外歯152aを直接的にウォ−ムギア151に噛み合わせる構成とすることも可能である。
【0070】
カム152においては、外歯152aの中心軸152cは、カバー部材210に回転自在に支持される。カム152のカム溝152bは、図8及び図9に示すように、後述する伝達アーム部材153に突設された第1凸部170(図7参照)が嵌合する溝である。このカム溝152bは、中心軸152cから大きく偏心した位置に中心を有する円周状に形成されている。
また、カム152は、図8に示すように、その重量を軽減するための肉抜き部152d,152eを有する。
【0071】
カム152のカム溝152bについて、更に詳しく説明する。
第1実施形態におけるカム152は、モータ140から入力される回転駆動力により、図8及び図9に矢印R1で示す方向に回転駆動される。カム152が1回転すると、円周状のカム溝152bは、中心軸152cを中心に中心軸152cの周囲を1周分、旋回する。
【0072】
カム溝152bには、伝達アーム部材153の第1凸部170が係合している。カム溝152bが中心軸152cの周囲を1周分旋回することで、伝達アーム部材153は、図9に矢印J(J1,J2)で示すように、伝達アーム部材153の回動中心軸である支点部153aを中心に、所定の角度範囲で、往復回動動作をする。詳細は後述するが、この伝達アーム部材153の往復回動動作により、クリーニング部材130を固定している水平移動部材154は、図6の矢印X1方向に往復移動する。
【0073】
図10から図12は、カム152が図7に示した状態から1回転するときに、カム152の回転に伴って、伝達アーム部材153が1回往復回動する動作を段階的に示したものである。図12に示した状態から、更にカム152が矢印R方向に1/4回転すると、このカム152の回転により、伝達アーム部材153は図7に示した状態に戻される。
【0074】
即ち、第1実施形態におけるカム152は、中心軸152cの周りに1回転する度に、伝達アーム部材153を支点部153aの周りに1回往復回動させて、伝達アーム部材153の往復動に従動するクリーニング部材130の往復運動を1往復行わせる形状を有する。この形状は、円周状のカム溝152bの径寸法や、中心軸152cに対するカム溝152bの偏心量に基づいて設定される。
【0075】
伝達アーム部材153は、図7に示すように、支点部153aと、第1アーム部153bと、第2アーム部153cと、第3アーム部153dと、を備える。
【0076】
支点部153aは、伝達アーム部材153の回動中心軸である。支点部153aは、その軸方向の両端部において、カバー部材210と、カバー部材210が取り付けられる第2支持構造物201とに、回転自在に支持される。即ち、伝達アーム部材153は、支点部153aを支点として回動自在に支持される。
図5に示すように、第2支持構造物201には、支点部153aの一端を回転自在に支持する軸支孔201aが設けられている。
【0077】
第1アーム部153bは、図7に示すように、支点部153aから半径方向に延出して設けられている。この第1アーム部153bは、その先端部に、図9に示したように、カム溝152bに係合する第1凸部170を有している。
【0078】
第2アーム部153cは、図7に示すように、支点部153aから半径方向に且つ第1アーム部153bと直交する方向に延出して、設けられている。この第2アーム部153cは、その先端部に、水平移動部材154に係合する第2凸部171を有している。
第2凸部171は、図13に示すように、水平移動部材154に一体的に形成されたアーム係合部154bの長孔154cに係合している。
【0079】
第3アーム部153dは、伝達アーム部材153から第1アーム部153bとは逆側に延出して形成されている。第3アーム部153dは、後述するクリーニング部材位置検知部230による位置検知を可能にするために、設けられている。この第3アーム部153dの詳細な構成については、クリーニング部材位置検知部230の構成と共に後述する。
【0080】
伝達アーム部材153は、カム152の回転に伴って、支点部153aを中心に往復回動する。この往復回動は、カム溝152bに係合している第1凸部170を介して第1アーム部153bに伝達される力によって、行われる。
【0081】
第2凸部171が係合する水平移動部材154は、図3に示したように、第1支持構造物200の上方側において、水平方向(図3では、矢印X3方向)に往復移動自在に配置される。
【0082】
この水平移動部材154は、図13に示すように、第1支持構造物200の上方に水平に配置される移動部材本体154aと、移動部材本体154aの長さ方向の中央部から垂直下方に延設されたアーム係合部154bと、アーム係合部154bに貫通して形成された長孔154cと、を備えている。
【0083】
長孔154cは、第2凸部171が係合する孔である。長孔154cは、ケース体BDの上下方向である垂直方向(図13の矢印Y2方向)に長く延びた形状に、形成されている。長孔154cは、伝達アーム部材153の回動時における第2凸部171の垂直方向の変位がアーム係合部154bには伝達されず、且つ、第2凸部171の水平方向の変位のみがアーム係合部154bに伝達されるように、形成されている。
このような長孔154cと第2凸部171との係合により、伝達アーム部材153が往復回動を1回すると、それに伴って、水平移動部材154は、水平方向への往復移動を1回行う。
【0084】
水平移動部材154の移動部材本体154aは、図6及び図14に示すように、被覆部154dと、開放部154eと、を備えている。被覆部154dは、移動部材本体154aの一部分であり、図14に示すように、水平移動部材154が、往復移動方向の一方側である矢印X4方向(以下「被覆方向X4」ともいう)に水平移動したときに、トナー濃度検知部110の検知面111を上面側から被覆する領域である。開放部154eは、被覆部154dに隣接する領域を切り欠くことで形成されている。開放部154eは、図6に示すように、水平移動部材154が、往復移動方向の他方側である矢印X5方向(以下「露出方向X5」ともいう)に水平移動したときに、トナー濃度検知部110の検知面111を上面側から露出させる部分である。
【0085】
水平移動部材154は、トナー濃度検知部110の検知面111から出射される光を遮断する遮光材料により形成されている。したがって、図6に示したように、開放部154eが検知面111の上に位置している状態では、トナー濃度検知部110は、光学センサによる投受光に基づいて、中間転写ベルト7の外面のトナー濃度を検出することができる。しかし、図14に示すように、被覆部154dにより検知面111の上面側が覆われている状態では、トナー濃度検知部110は、トナー濃度の検出を行うことができない。
【0086】
クリーニング部材130は、被覆部154dの下側(裏面側)に固定されている。クリーニング部材130は、水平移動部材154が往復移動する際に、検知面111を拭いて、検知面111をクリーニングする。
【0087】
第1実施形態においては、カバー部材210には、クリーニング部材位置検知部230が設けられている。
クリーニング部材位置検知部230は、伝達アーム部材153の回動位置を検知することにより、伝達アーム部材153によって水平移動するクリーニング部材130の位置を検知する。クリーニング部材位置検知部230は、カバー部材210を介して、第2支持構造物201に固定される。これにより、クリーニング部材位置検知部230は、プリンタ1の装置本体Mであるケース体BDに固定される。
【0088】
このクリーニング部材位置検知部230は、図15及び図16に示すように、光センサ231と、遮断部232とを備える。
【0089】
光センサ231は、投光部231a及び受光部231bを有し、投光部231aからの光が受光部231bに受光されるか否かを検知する。
【0090】
遮断部232は、投光部231aから受光部231bへの光の到達を遮断可能な部位である。遮断部232は、運動変換部150に固定されており、運動変換部150の運動変換動作に伴って移動する。更に詳しく説明すると、遮断部232は、図15及び図16に示すように、伝達アーム部材153に一体的に形成された第3アーム部153dの先端部から突設された板状部である。
【0091】
この遮断部232は、カム152の回転による伝達アーム部材153の往復回動により、図15に示すように投光部231aから受光部231bへの光の到達を遮断した状態、又は、図16に示すように投光部231aから受光部231bへの光の到達を許容する状態に切り替えられる。
【0092】
クリーニング部材130は、伝達アーム部材153の往復回動により、水平方向に往復移動し、検知面111に対する位置が定まる。従って、伝達アーム部材153の遮断部232が光センサ231の光を遮断する位置にあるか否かによって、クリーニング部材位置検知部230は、クリーニング部材130の位置を検知することができる。
【0093】
更に、第1実施形態において、モータ140、中継歯車156、カム152、伝達アーム部材153及びクリーニング部材位置検知部230などを覆って保持するカバー部材210は、図3及び図13に示すように、その外側(外面側)に、少なくとも1つ以上のケーブル保持部250を有する。
ケーブル保持部250は、電気ケーブルを保持するクランプ部材であり、トナー濃度検知部110、モータ140及びクリーニング部材位置検知部230のケーブル270,271をまとめて保持する。
【0094】
トナー濃度検知装置100においては、画像形成部GKの非動作時(例えば、プリンタ1の電源が遮断されている状態のとき)には、図14に示したように、検知面111が被覆部154dにより覆われた状態となるように、伝達アーム部材153の位置が制御される。
【0095】
また、トナー濃度検知装置100においては、カム152を1回転させる度に、クリーニング部材130を1往復させる。通常では、カム152の回転は、半回転単位で制御される。例えば、プリンタ1の電源投入時に、まず、カム152が半回転駆動されて、図14の位置にあった被覆部154dを図6に示す位置に移動させる。図6に示した状態では、トナー濃度検知部110が中間転写ベルト7の外面上のトナー濃度を検知可能である。
そして、プリンタ1の電源がOFFにされるとき、更にカム152が半回転駆動されて、図6の位置にあった被覆部154dが図14に示す位置に戻される。
【0096】
なお、トナー濃度検知装置100に、カム152を1回転させるクリーニング指示ボタンを設けることができる。この場合、ユーザがクリーニング指示ボタンを操作することで、検知面111のクリーニングを適時に実施できる。
【0097】
第1実施形態によれば、例えば、次の効果が奏される。
第1実施形態のプリンタ1は、トナーの濃度をするトナー濃度検知部110と、直線的に往復運動することによりトナー濃度検知部110の検知面111をクリーニングするクリーニング部材130と、回転軸141を有するモータ140と、回転軸141による回転運動をクリーニング部材130の直線的な往復運動に変換する運動変換部150と、を備え、運動変換部150は、回転運動を1回転行う度に往復運動を1往復行わせる形状を有するカム152を備える。
【0098】
従って、第1実施形態によれば、モータ140の動作制御として一方向の回転制御を行うだけで、クリーニング部材130の往復移動を行うことができる。また、例えば、カム152、カム152により往復回動動作をする伝達アーム部材153などの少ない部品によって、運動変換部150を構成することができる。
そのため、クリーニング部材130の駆動機構や制御を簡易化できるプリンタ1を提供することができる。また、カム152の採用によって運動変換部150の構成部品の点数が削減されるため、運動変換部150の組立性の向上、部品削減に起因したコストの削減を図ることもできる。
【0099】
また、第1実施形態のプリンタ1においては、運動変換部150は、回転軸141に固定されたウォ−ムギア151と、ウォ−ムギア151に間接的に噛み合う外歯152a及びカム溝152bを有するカム152と、支点部153a、カム溝152bに係合する第1凸部170を有する第1アーム部153b及び第2凸部171を有する第2アーム部153cを備える伝達アーム部材153であって支点部153aを中心に往復回動する伝達アーム部材153と、水平方向に往復移動自在な水平移動部材154であって、上下方向に延び第2凸部171が係合する長孔を有すると共に水平移動部材154の往復移動に伴ってトナー濃度検知部110の検知面111を上面側から被覆する被覆部154d及び検知面111を上面側から露出させる開放部154eを有する水平移動部材154と、水平移動部材154の被覆部154dの下側に固定されるクリーニング部材130と、を備える。
【0100】
そのため、第1実施形態によれば、構成部品が少ないにも拘わらず、カム152の回転動作を、クリーニング部材130の水平方向への往復移動動作に変換することができ、クリーニング部材130による検知面111のクリーニングを実現することができる。
【0101】
また、第1実施形態のプリンタ1においては、クリーニング部材130の位置を検知するクリーニング部材位置検知部230を更に備え、クリーニング部材位置検知部230は、プリンタ1の装置本体Mに対して固定された光センサ231であって投光部231a及び受光部231bを有し投光部231aからの光が受光部231bに受光されるか否かを検知する光センサ231と、投光部231aから受光部231bへの光の到達を遮断可能な遮断部232であって運動変換部150に固定され運動変換部150の運動変換動作に伴って移動する遮断部232と、を有する。
【0102】
そのため、第1実施形態によれば、プリンタ1の電源が不用意に遮断されて、トナー濃度検知部110の検知面111上をクリーニング部材130が覆ったままトナー濃度検知装置100が動作停止したような場合であっても、プリンタ1の電源の再投入時などには、クリーニング部材位置検知部230がクリーニング部材130の位置を検知する。そのため、クリーニング部材130の位置を適正位置に戻すことが可能である。従って、クリーニング部材130等によって検知面111の上面が覆われている状態が見落とされて、適正にトナー濃度の検知ができなくなるといった不都合の発生を防止することができ、トナー濃度検知装置100の動作信頼性を向上させることができる。
【0103】
また、第1実施形態のプリンタ1においては、モータ140、カム152、伝達アーム部材153及びクリーニング部材位置検知部230を覆って保持すると共に装置本体Mに取り付けるカバー部材210を更に備え、カバー部材210は、カバー部材210の外側に、トナー濃度検知部110、モータ140及びクリーニング部材位置検知部230のケーブル270,271をまとめて保持するケーブル保持部250を有する。
【0104】
そのため、第1実施形態によれば、図3及び図13に示すように、トナー濃度検知部110やクリーニング部材位置検知部230に接続されるケーブル270,271を、別体のクランプ部品等を使うことなく、整然と処理することができ、ケーブル用部品の削減や、組立性の向上を図ることができる。
【0105】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態については、主として、第1実施形態とは異なる点を説明し、第1実施形態と同様の構成について同じ符号を付し、説明を省略する。第2実施形態について特に説明しない点については、第1実施形態についての説明が適宜適用される。第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が奏される。
【0106】
第2実施形態は、第1実施形態に比して、被覆部154dが検知面111を被覆する被覆方向X4に水平移動部材154を移動させる付勢力を水平移動部材154に付与する付勢部材155を更に備える。また、第2実施形態においては、カム160におけるカム溝161は、伝達アーム部材153の第1凸部170が前記付勢力によりカム160の径方向外側へ移動することを許容する径方向移動許容溝部163を有する。従って、第2実施形態については、これらの相違点を中心に説明する。
【0107】
図20は、第2実施形態における伝達アーム部材153及び水平移動部材154の位置関係を示す斜視図(図17対応図)である。図21は、第2実施形態におけるカム160の正面図(図8対応図)である。図22(A)から図22(D)は、図21に示したカム160が回転するのに伴って、伝達アーム部材153の第1凸部170がカム溝161を移動する過程を90度毎に示す正面図である。図23は、第2実施形態において、水平移動部材154の移動に伴って水平移動部材154の開放部154eがトナー濃度検知部110の検知面111を完全に露出させた状態における、伝達アーム部材153の回動状態の説明図(図7対応図)である。図24は、図23に示した状態からカム160が1/4回転したときの伝達アーム部材153の回動状態の説明図(図10対応図)である。
【0108】
図20に示すように、第2実施形態における運動変換部150は、ウォ−ムギア151と、中継歯車156と、カム152と、伝達アーム部材153と、水平移動部材154と、クリーニング部材130と、に加えて、付勢部材155を更に備える。
付勢部材155は、被覆部154dが検知面111を被覆する被覆方向X4に水平移動部材154を移動させる付勢力を水平移動部材154に付与する。
【0109】
付勢部材155は、コイルスプリングからなる。付勢部材155の一端部155aは、水平移動部材154のアーム係合部154bにおける被覆方向X4の一端部154fに連結されている。
付勢部材155の他端部155bは、第1支持構造物200に設けられた係合孔202に係合している。そのため、付勢部材155は、水平移動部材154をアーム係合部154bにおいて被覆方向X4に常時付勢している。また、伝達アーム部材153は、第1凸部170においてアーム係合部154bの長孔154cに係合している。そのため、伝達アーム部材153には、アーム係合部154bを介して間接的に、伝達アーム部材153を所定の非検知方向J1(図23及び図24参照)に回動させる付勢力が、付勢部材155から付与される。また、第1凸部170には、付勢部材155により間接的にカム160の径方向外側へ付勢力が付与される。
【0110】
第2実施形態においては、図21に示すように、カム160は、第1規制溝部162、径方向移動許容溝部163及び第2規制溝部164を有するカム溝161を備える。第1規制溝部162、径方向移動許容溝部163及び第2規制溝部164は、伝達アーム部材153の第1凸部170の移動方向の上流側から下流側に向けて順に、接続されており、1周のカム溝161を形成している。
【0111】
第1規制溝部162は、略円弧状の溝部であり、第1凸部170の径と略等しい幅を有している。そのため、第1凸部170は、第1規制溝部162に係合している状態において、第1規制溝部162が延びる方向のみに移動することができる。
【0112】
径方向移動許容溝部163は、第1凸部170が付勢部材155の付勢力によりカム160の径方向外側へ移動することを許容する溝部である。
径方向移動許容溝部163は、カム溝161における所定位置であって水平移動部材154の移動に伴って水平移動部材154の開放部154eがトナー濃度検知部110の検知面111を完全に又は大部分露出させた状態からその他の状態へ変化する所定位置、又はカム溝161における前記所定位置の下流側の近傍に設けられる。
「大部分」とは、トナー濃度検知部110の機能が発揮可能な程度に検知面111が露出していることを意味する。「所定位置の下流側の近傍」とは、所定位置から下流側に、例えば30度以内の位置をいう。
【0113】
第2規制溝部164は、上流側から下流側に向けて徐々に幅が狭くなる略弧状の溝部である。第2規制溝部164は、その上流側(径方向移動許容溝部163側)においては第1凸部170の径よりも十分に広い幅を有すると共に、その下流側(第1規制溝部162側)においては第1凸部170の径と略等しい幅を有している。
なお、第1凸部170には、付勢部材155により間接的にカム160の径方向外側へ付勢力が付与されている。そのため、第2規制溝部164における上流側において、第1凸部170は、第2規制溝部164の径方向外側の側縁に当接しながら、第2規制溝部164を安定的に移動する。
【0114】
第2実施形態における運動変換部150においては、付勢部材155の付勢力により、水平移動部材154を被覆方向X4に移動して、被覆部154dによりトナー濃度検知部110の検知面111を被覆すると共に、伝達アーム部材153を非検知方向J1へ回動させる。このとき、クリーニング部材位置検知部230の遮断部232は、図24に示すように、光センサ231の投光部231aから受光部231bへの光の到達を許容する位置に位置する。
【0115】
また、第2実施形態における運動変換部150においては、付勢部材155による付勢力に抗して、水平移動部材154を露出方向X5に移動させる場合には、開放部154eによりトナー濃度検知部110の検知面111を露出すると共に、伝達アーム部材153を検知方向J2へ回動させる。このとき、クリーニング部材位置検知部230の遮断部232は、図23に示すように、光センサ231の投光部231aから受光部231bへの光の到達を遮断する位置に位置する。
【0116】
次に、第2実施形態における運動変換部150のカム160が1回転する動作サイクルについて説明する。
図21及び図22(A)に示すように、第1凸部170が第1規制溝部162の下流側端部の近傍に位置するときに、第1凸部170は、カム160の外歯160aの中心軸160cに最も接近する。この状態において、図20及び図23に示すように、水平移動部材154は、開放部154eがトナー濃度検知部110の検知面111を露出させる位置に位置する。同時に、クリーニング部材位置検知部230の遮断部232は、光センサ231の投光部231aから受光部231bへの光の到達を遮断する位置に位置する。
【0117】
カム160が更に回転すると、図21及び図22(B)に示すように、第1凸部170は、しばらく第1規制溝部162を移動した後、径方向移動許容溝部163に到達する。径方向移動許容溝部163においては、第1凸部170がカム160の径方向外側へ移動することが許容されている。また、第1凸部170は、付勢部材155により間接的にカム160の径方向外側へ付勢されている。そのため、第1凸部170は、カム160の径方向外側へ速やかに移動し、第2規制溝部164の径方向外側の側縁に当接する。これにより、水平移動部材154は、被覆部154dがトナー濃度検知部110の検知面111を被覆する位置に、速やかに位置する。同時に、クリーニング部材位置検知部230の遮断部232は、光センサ231の投光部231aから受光部231bへの光の到達を許容する位置に、速やかに位置する。
【0118】
その後、図21、図22(C)及び図22(D)に示すように、第1凸部170は、第2規制溝部164及び第1規制溝部162の順で移動し、図22(A)に示す位置に戻る。
【0119】
第2実施形態によれば、第1実施形態の効果に加えて、例えば、以下の効果が奏される。
第2実施形態は、被覆部154dが検知面111を被覆する被覆方向X4に水平移動部材154を移動させる付勢力を水平移動部材154に付与する付勢部材155を更に備える。また、カム溝161は、伝達アーム部材153の第1凸部170が前記付勢力によりカム160の径方向外側へ移動することを許容する径方向移動許容溝部163を有する。
【0120】
そのため、第2実施形態によれば、第1実施形態に比して、例えば、前述のように第1凸部170をカム160の径方向外側へ速やかに移動させることができる。そのため、水平移動部材154の開放部154eがトナー濃度検知部110の検知面111を露出させ、クリーニング部材位置検知部230の遮断部232が光センサ231の投光部231aから受光部231bへの光の到達を遮断する状態(図20、図23参照)から、水平移動部材154の被覆部154dが検知面111を被覆し、遮断部232が光センサ231の投光部231aから受光部231bへの光の到達を許容する状態(図24参照)へ、カム160の回転とは無関係に速やかに移行させることができる。
そのため、カム160が1回転する動作サイクルにおいて、検知面111が被覆された状態でもなく且つ露出した状態でもない第3の状態が発生する時間を短縮することができる。
【0121】
また、第2実施形態においては、径方向移動許容溝部163は、カム溝161における所定位置であって水平移動部材154の移動に伴って水平移動部材154の開放部154eがトナー濃度検知部110の検知面111を完全に又は大部分露出させた状態からその他の状態へ変化する所定位置、又はカム溝161における前記所定位置の下流側の近傍に設けられる。
そのため、第2実施形態によれば、水平移動部材154の開放部154eがトナー濃度検知部110の検知面111を完全に又は大部分露出させた状態から、水平移動部材154の被覆部154dがトナー濃度検知部110の検知面111を被覆した状態への移行時間を一層短縮することができる。
【0122】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。
例えば、実施形態のプリンタ1は、中間転写ベルト7を介して用紙Tにトナー画像を転写する形態(間接転写方式)であるが、これに制限されず、感光体ドラム2aから2dに形成されたトナー画像を直接的に用紙Tに転写する形態(直接転写方式)であってもよい。
本発明の画像形成装置の種類は、特に限定がなく、カラーコピー機、プリンタ、ファクシミリ、又はこれらの複合機などであってもよい。
【符号の説明】
【0123】
1……プリンタ(画像形成装置)、110……トナー濃度検知部、111……検知面、130……クリーニング部材、140……モータ、141……回転軸、150……運動変換部、151……ウォ−ムギア、152……カム、152a……外歯、152b……カム溝、153……伝達アーム部材、153a……支点部、153b……第1アーム部、153c……第2アーム部、153d……第3アーム部、154……水平移動部材、154c……長孔、154d……被覆部、154e……開放部、155……付勢部材、163……径方向移動許容溝部、170……第1凸部、171……第2凸部、210……カバー部材、230……クリーニング部材位置検知部、231……光センサ、231a……投光部、231b……受光部、232……遮断部、250……ケーブル保持部、270,271……ケーブル、M……装置本体、X4……被覆方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナーの濃度をするトナー濃度検知部と、
直線的に往復運動することにより前記トナー濃度検知部の検知面をクリーニングするクリーニング部材と、
回転軸を有するモータと、
前記回転軸による回転運動を前記クリーニング部材の直線的な往復運動に変換する運動変換部と、を備え、
前記運動変換部は、前記回転運動を1回転行う度に前記往復運動を1往復行わせる形状を有するカムを備える
画像形成装置。
【請求項2】
前記運動変換部は、
前記回転軸に固定されたウォームギアと、
前記ウォームギアに直接的に又は間接的に噛み合う外歯及びカム溝を有する前記カムと、
支点部、前記カム溝に係合する第1凸部を有する第1アーム部及び第2凸部を有する第2アーム部を備える伝達アーム部材であって前記支点部を中心に往復回動する伝達アーム部材と、
水平方向に往復移動自在な水平移動部材であって、上下方向に延び前記第2凸部が係合する長孔を有すると共に前記水平移動部材の往復移動に伴って前記トナー濃度検知部の検知面を上面側から被覆する被覆部及び前記検知面を上面側から露出させる開放部を有する水平移動部材と、
を備え、
前記クリーニング部材は、前記水平移動部材の前記被覆部の下側に固定される
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記被覆部が前記検知面を被覆する被覆方向に前記水平移動部材を移動させる付勢力を前記水平移動部材に付与する付勢部材を更に備え、
前記カム溝は、前記伝達アーム部材の前記第1凸部が前記付勢力により前記カムの径方向外側へ移動することを許容する径方向移動許容溝部を有する
請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記径方向移動許容溝部は、前記カム溝における所定位置であって前記水平移動部材の移動に伴って前記開放部が前記検知面を完全に又は大部分露出させた状態からその他の状態へ変化する所定位置、又は前記カム溝における前記所定位置の下流側の近傍に設けられる
請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記クリーニング部材の位置を検知するクリーニング部材位置検知部を更に備え、
前記クリーニング部材位置検知部は、前記画像形成装置の装置本体に対して固定された光センサであって投光部及び受光部を有し該投光部からの光が該受光部に受光されるか否かを検知する光センサと、前記投光部から前記受光部への光の到達を遮断可能な遮断部であって前記運動変換部に固定され前記運動変換部の運動変換動作に伴って移動する遮断部と、を有する
請求項2から4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記モータ、前記カム、前記伝達アーム部材及び前記クリーニング部材位置検知部を覆って保持すると共に前記装置本体に取り付けるカバー部材を更に備え、
前記カバー部材は、該カバー部材の外側に、前記トナー濃度検知部、前記モータ及び前記クリーニング部材位置検知部のケーブルをまとめて保持するケーブル保持部を有する
請求項5に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2012−118204(P2012−118204A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−266480(P2010−266480)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリュ−ションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】