説明

画像形成装置

【課題】画像品位が低下することがないようにする。
【解決手段】像担持体と、現像剤を担持するための現像剤担持体と、現像剤担持体に現像剤を供給する現像剤供給ローラと、現像剤担持体上の現像剤を薄層化する現像ブレード20とを有する。現像剤担持体は複数の支持体によって張設され、現像剤供給ローラ及び現像ブレード20は、二つの支持体間で現像剤担持体に当接させられる。現像剤供給ローラ及び現像ブレード20は、二つの支持体間で前記現像剤担持体に当接させられるので、現像ブレード20の現像剤担持体に対する当接圧力が低くなる。したがって、現像ブレード20を長期間にわたって使用しても、当接部が摩耗するのを抑制することができ、現像剤担持体上に所望の厚さの現像剤の薄層を安定させて形成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式を利用したプリンタ、複写機、ファクシミリ、複合機等の画像形成装置、例えば、プリンタにおいては、帯電、露光、現像、転写、クリーニング、除電等の処理が感光体ドラムの周囲で行われ、該感光体ドラム上に形成されたトナー像が用紙に転写されるようになっている。
【0003】
ところで、現像処理を行うための現像装置として、ベルト式の一成分現像器を備えたプリンタが提供されている。前記現像器は、感光体ドラムに当接させて走行自在に配設された現像ベルト、該現像ベルトに当接させて回転自在に配設されたトナー供給ローラ、前記現像ベルトに所定の圧力で当接させて配設された現像ブレード等を備え、トナー供給ローラから現像ベルトにトナーが供給され、現像ブレードによって、現像ベルト上のトナーが薄層化される。そして、現像ベルト上のトナーが感光体ドラム上の静電潜像に付着させられ、トナー像が形成される(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−64445号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来のベルト式の一成分現像器においては、前記現像ブレードを長期間にわたって使用すると、現像ブレードの先端に形成された当接部がトナーとの摩擦によって摩耗してしまい、現像ベルト上に所望の厚さのトナーの薄層を安定させて形成することができなくなってしまう。したがって、感光体ドラム上の静電潜像に付着させられるトナーの量が少なくなってしまう。その結果、プリンタにおける画像濃度が低くなり、画像品位が低下してしまう。
【0006】
本発明は、前記従来の現像器の問題点を解決して、画像品位が低下することがない画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そのために、本発明の画像形成装置においては、潜像を担持する像担持体と、現像剤を担持し、前記像担持体上の潜像を現像し、現像剤像を形成するための現像剤担持体と、該現像剤担持体に当接させて配設され、現像剤担持体に現像剤を供給する現像剤供給ローラと、前記現像剤担持体に当接させて配設され、現像剤担持体上の現像剤を薄層化する現像ブレードとを有する。
【0008】
そして、前記現像剤担持体は複数の支持体によって張設され、前記現像剤供給ローラ及び現像ブレードは、二つの支持体間で前記現像剤担持体に当接させられる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、画像形成装置においては、潜像を担持する像担持体と、現像剤を担持し、前記像担持体上の潜像を現像し、現像剤像を形成するための現像剤担持体と、該現像剤担持体に当接させて配設され、現像剤担持体に現像剤を供給する現像剤供給ローラと、前記現像剤担持体に当接させて配設され、現像剤担持体上の現像剤を薄層化する現像ブレードとを有する。
【0010】
そして、前記現像剤担持体は複数の支持体によって張設され、前記現像剤供給ローラ及び現像ブレードは、二つの支持体間で前記現像剤担持体に当接させられる。
【0011】
この場合、前記現像剤担持体は複数の支持体によって張設され、前記現像剤供給ローラ及び現像ブレードは、二つの支持体間で前記現像剤担持体に当接させられるので、現像ブレードの現像剤担持体に対する当接圧力が低くなる。したがって、現像ブレードを長期間にわたって使用しても、当接部が摩耗するのを抑制することができ、現像剤担持体上に所望の厚さの現像剤の薄層を安定させて形成することができる。
【0012】
その結果、像担持体上の静電潜像に付着させられる現像剤の量が少なくなることがないので、画像形成装置における画像濃度が低くなることがなく、画像品位が低下することがない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施の形態における画像形成ユニットの要部を示す概略図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における画像形成ユニットの概略図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における現像ブレードの断面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態における画像形成ユニットの要部を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、画像形成装置としての電子写真方式のプリンタについて説明する。
【0015】
図1は本発明の第1の実施の形態における画像形成ユニットの要部を示す概略図、図2は本発明の第1の実施の形態における画像形成ユニットの概略図である。
【0016】
図において、11は、表層に有機光半導体から成る感光体を備え、矢印A方向に回転自在に配設された像担持体としての感光体ドラム、12は、該感光体ドラム11の感光体に電荷を付与し、感光体ドラム11を約−600〔V〕に帯電させる帯電装置としての帯電ローラであり、該帯電ローラ12は、感光体の膜減りの発生を抑制するために、感光体ドラム11に対して連回りで回転させられ、負の極性の直流電圧が印加される。
【0017】
また、13は、前記感光体ドラム11と対向させて配設され、レーザ、LEDヘッド等を光源として備え、感光体ドラム11の表面を露光することによって感光体ドラム11の表面に潜像としての静電潜像を形成する光書込装置としての露光装置、21は静電潜像を現像して現像剤像としてのトナー像を形成する現像装置としての現像器、15は、感光体ドラム11と対向させて配設され、感光体ドラム11上のトナー像を媒体としての用紙Pに転写する転写部材としての転写ローラ、19はクリーニング部材としてのクリーニングブレードである。なお、前記感光体ドラム11、帯電ローラ12、現像器21、クリーニングブレード19等によって画像形成ユニットが構成される。
【0018】
前記現像器21は、感光体ドラム11上の静電潜像に現像剤としてのトナー18を付着させることによって、静電潜像を現像するための現像剤保持部としてのベルトユニット14、矢印B方向に回転自在に配設され、前記ベルトユニット14にトナー18を供給する現像剤供給部材としての、かつ、現像剤供給ローラとしてのトナー供給ローラ16、現像剤層規制部材としての現像ブレード20、及び現像剤収容部としてのトナーホッパ17を備える。本実施の形態において、前記現像ブレード20は、支持部52を介してトナーホッパ17に取り付けられる。
【0019】
前記ベルトユニット14は、前記感光体ドラム11の中心軸とトナー供給ローラ16の中心軸とを結ぶ線より上方に配設され、図示されない駆動部としてのモータに連結された第1の支持体としての、かつ、第1の回転体としての駆動ローラ22、前記感光体ドラム11の中心軸とトナー供給ローラ16の中心軸とを結ぶ線より下方に配設された第2の支持体としての、かつ、第2の回転体としての従動ローラ23、並びに前記駆動ローラ22及び従動ローラ23によって張設され、矢印C、D方向に走行自在に配設されたベルト部材としての、かつ、現像剤担持体としての現像ベルト25を備える。前記従動ローラ23は、図示されないコイルばね等の付勢部材によって駆動ローラ22と反対の方向(駆動ローラ22から離れる方向)に付勢され、現像ベルト25に一定の張力を与える。
【0020】
現像ベルト25は、駆動ローラ22と従動ローラ23との間における、走行に伴って、駆動ローラ22から離れ、従動ローラ23に巻かれる側の部分を第1の走行部位とし、従動ローラ23から離れ、駆動ローラ22に巻かれる側の部分を第2の走行部位としたとき、第1の走行部位におけるほぼ中央部分の当接部分p1において感光体ドラム11と当接させられ、第2の走行部位におけるほぼ中央部分の当接部分p2においてトナー供給ローラ16と当接させられ、第2の走行部位におけるトナー供給ローラ16より下流側の当接部分p3において現像ブレード20の先端と当接させられる。そして、前記現像ベルト25は、当接部分p2においてトナー供給ローラ16を巻くように当接させられ、当接部分p3において現像ブレード20によって押し込まれる。本実施の形態において、トナー供給ローラ16及び現像ブレード20は、駆動ローラ22と従動ローラ23との間(同じ二つの支持体間)の第2の走行部位においてそれぞれ現像ベルト25に当接させられる。
【0021】
なお、第1の走行部位の走行方向(矢印C方向)と感光体ドラム11の表面の移動方向(矢印A方向)とは同じにされ、第2の走行部位の走行方向(矢印D方向)とトナー供給ローラ16の表面の移動方向(矢印B方向)とは逆にされる。また、前記現像ベルト25は、前記当接部分p1において、感光体ドラム11の周速度に対して1.1倍以上、かつ、1.3倍以下の走行速度で走行させられ、前記当接部分p2において、トナー供給ローラ16の周速度に対して1.0倍の走行速度(ほぼ同じ速度)で走行させられる。
【0022】
そして、駆動ローラ22には高圧電源30によって電圧VDが、従動ローラ23には高圧電源31によって電圧VRが、トナー供給ローラ16には高圧電源32によって電圧VSが印加される。
【0023】
前記トナー供給ローラ16は、前記当接部分p2において、現像ベルト25にトナー18を供給するとともに、現像ベルト25からトナー18を掻き取る。また、現像ブレード20は、現像ベルト25上のトナー18を薄層化し、トナー18の薄層を形成する。
【0024】
前記構成のプリンタにおいては、まず、帯電ローラ12によって一様に帯電させられた感光体ドラム11の表面が露光装置13によって露光され、感光体ドラム11上に静電潜像が形成される。そして、該静電潜像は、前記現像器21において現像ベルト25から供給されたトナー18が付着させられて現像され、感光体ドラム11上にトナー像が形成される。
【0025】
続いて、感光体ドラム11上のトナー像は、転写ローラ15によって用紙Pに転写され、該用紙Pは図示されない定着装置としての定着器に送られ、該定着器において、前記トナー像が用紙Pに定着させられる。なお、転写後に感光体ドラム11上に残留したトナー18はクリーニングブレード19によって掻き取られ、除去される。
【0026】
次に、前記現像器21について説明する。
【0027】
本実施の形態において、前記現像ベルト25は、厚さが約1〔mm〕であり、走行方向における長さ、すなわち、円周長が40〔mm〕以上、かつ、80〔mm〕以下のベルトから成り、弾性体又は樹脂によって形成される。弾性体としては、シリコーンゴム、ウレタンゴム等のゴム材料が使用され、樹脂としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリウレタン等の高分子樹脂が使用される。また、現像ベルト25は、105 〔Ωcm〕以上、かつ、108 〔Ωcm〕以下の体積抵抗率、及び2〔μm〕以上、かつ、10〔μm〕以下の表面粗さRzを有する。なお、現像ベルト25の表面にコート層を形成することもできる。
【0028】
また、前記駆動ローラ22及び従動ローラ23は金属等の導電性を有する材料(導電材)によって形成される。
【0029】
前記トナー供給ローラ16は、金属製のシャフトに、ウレタンゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム等のゴム材料を、ソリッド又はスポンジの状態で被覆することによって形成され、107 〔Ωcm〕以上、かつ、109 〔Ωcm〕以下の体積抵抗率を有する。
【0030】
そして、トナー18として一成分現像用のトナーが使用され、該トナー18は、ポリエステル、ポリスチレン等の樹脂成分、着色剤、離型剤、帯電制御剤等の添加剤を含むトナー本体、及び該トナー本体の表層に付着させられたシリカ等の外添剤から成る。また、トナー18は粉砕法又は重合法によって製造され、3〔μm〕以上、かつ、10〔μm〕以下の体積平均粒径を有する。さらに、トナー18の外接円の面積に対するトナー18の断面積の比率を球形度としたとき、トナー18は、0.90以上、かつ、0.98以下の球形度を有し、帯電制御剤や外添剤等によって調整された、−10〔μQ/g〕以上、かつ、−50〔μQ/g〕以下のブローオフ帯電量を有する。
【0031】
次に、前記現像ブレード20について説明する。
【0032】
図3は本発明の第1の実施の形態における現像ブレードの断面図である。
【0033】
現像ブレード20は、ヤング率が100〔GPa〕以上の素材、例えば、鋼等の金属又はセラミックを、厚さが0.2〔mm〕以上、かつ、2〔mm〕以下の板状にすることによって形成される。また、現像ブレード20は、先端に、曲率半径が0.05〔mm〕以上、かつ、0.5〔mm〕以下、好ましくは、0.1〔mm〕以上、かつ、0.2〔mm〕以下の当接部20aを備え、前記現像ベルト25は、当接部20aによって、押込み量が0.3〔mm〕以上、かつ、1〔mm〕以下になるように押し込まれる(湾曲させられる)。そして、前記当接部20aと反対側(裏面側)の角部には、現像ブレード20の長手方向に対して傾斜させて傾斜部としてのカット部20bが形成される。したがって、現像ブレード20の先端が細くされる。
【0034】
次に、前記構成の現像器21の動作について説明する。
【0035】
まず、画像形成動作が開始されると、前記モータが駆動され、感光体ドラム11、駆動ローラ22及びトナー供給ローラ16が回転させられ、駆動ローラ22の回転に伴って、現像ベルト25が走行させられる。
【0036】
続いて、トナーホッパ17から供給されたトナー18が、トナー供給ローラ16の表面に付着させられ、現像ベルト25に向けて搬送される。このとき、トナー供給ローラ16に対するトナー18の付着力は、ワンデルワールス力、及び前記トナー供給ローラ16の表面粗さによる微小クーロン力によって形成される。そして、トナー供給ローラ16に付着したトナー18は、当接部分p2において現像ベルト25と接触させられる。
【0037】
ところで、前記駆動ローラ22に電圧VDが、従動ローラ23に電圧VRが印加されると、前記当接部分p2には、第2の走行部位における当接部分p2と駆動ローラ22との距離L1、及び当接部分p2と従動ローラ23との距離L2によって、電圧VD、VRの電位差を抵抗分割した電圧Vp2が形成される。したがって、前記トナー供給ローラ16に印加される電圧VSと当接部分p2に形成される電圧Vp2との電位差によって、トナー供給ローラ16に付着したトナー18を現像ベルト25に移動させるための電界が形成される。
【0038】
例えば、電圧VDが0〔V〕に、電圧VRが−400〔V〕に、電圧VSが−300〔V〕に設定され、距離L1、L2がほぼ等しくされると、当接部分p2に電圧Vp2
Vp2=−200〔V〕
の電圧が形成される。したがって、電圧VSが電圧Vp2より負の方向において高いので、負の極性に帯電させられたトナー18を現像ベルト25に移動させることができる。
【0039】
そして、現像ベルト25に付着したトナー18は、現像ベルト25が走行させられるのに伴って現像ブレード20を通過するときに、均一な薄層(トナー層)にされる。なお、前記現像ブレード20に、トナー18の帯電量、薄層の厚さ(層厚)等を制御するための電圧VLを印加することができる。
【0040】
前記現像ブレード20によって薄層化されたトナー18は、感光体ドラム11と接触して感光体ドラム11に付着させられ、感光体ドラム11上の静電潜像を現像し、トナー像を形成する。
【0041】
なお、前記駆動ローラ22に電圧VDが、従動ローラ23に電圧VRが印加されると、前記当接部分p1には、第1の走行部位における当接部分p1と駆動ローラ22との距離L3、及び当接部分p1と従動ローラ23との距離L4によって、電圧VD、VRの電位差を抵抗分割した電圧Vp1が形成される。したがって、帯電ローラ12によって前記感光体ドラム11の表面に形成される電位と当接部分p1に発生する電圧Vp1との電位差によって、現像ベルト25に付着したトナー18を感光体ドラム11に移動させるための電界が形成される。
【0042】
例えば、電圧VDが0〔V〕に、電圧VRが−400〔V〕に設定され、距離L3、L4がほぼ等しくされると、当接部分p1に電圧Vp1
Vp1=−200〔V〕
の電圧が形成される。したがって、当接部分p1に、負の極性に帯電させられたトナー18を感光体ドラム11に付着させ、反転現像を行うのに適した電圧を形成することができる。
【0043】
なお、当接部分p1を通過した現像ベルト25には、現像に使用されなかったトナー18が残るが、トナー供給ローラ16によって機械的に回収され(掻き取られ)、トナー供給ローラ16に移動させられる。そして、トナー供給ローラ16に移動させられたトナー18は、トナー供給ローラ16の回転に伴って、トナーホッパ17から供給されたトナー18と共に再び現像ベルト25に向けて搬送される。このように、画像形成動作中に、現像ベルト25に対して、トナー供給ローラ16によるトナー18の供給と回収とが繰り返される。
【0044】
したがって、画像濃度を安定させることができる。
【0045】
ところで、従来の現像器においては、現像ブレードとして、ステンレス等の金属製の板ばね材、ウレタンゴム板等の弾性部材等が使用され、現像ブレードが現像剤担持体としての現像ローラ等のソリッドゴム部材に当接させられるようになっている。また、現像ローラに対する現像ブレードの当接圧力は30〔g/cm〕以上、かつ、50〔g/cm〕以下に設定される。
【0046】
これに対して、本実施の形態においては、現像ブレード20として、鋼等の金属又はセラミックが使用され、現像ブレード20によって現像ベルト25が押し込まれるようになっているので、現像ブレード20が剛体として作用しても、現像ブレード20を現像ベルト25に対して低い当接圧力で、かつ、安定させて当接させることができる。なお、本実施の形態において、現像ベルト25に対する現像ブレード20の当接圧力は5〔g/cm〕以上、かつ、20〔g/cm〕以下にされる。
【0047】
また、前記現像ブレード20として、鋼等の金属又はセラミックが使用され、剛性及び耐摩耗性が高いだけでなく、現像ブレード20の現像ベルト25に対する当接圧力が低いので、現像ブレード20を長期間にわたって使用しても、現像ブレード20の当接部20aが、トナー18に含まれる外添剤によって摩耗するのを抑制することができる。したがって、長期間にわたって当接部20aの形状を維持することができ、現像ベルト25上に所望の厚さのトナー18の薄層を安定させて形成することができる。その結果、感光体ドラム11上の静電潜像に付着させられるトナー18の量が少なくならないので、プリンタにおける画像濃度が低くなることがなく、画像品位が低下することがない。
【0048】
また、現像ブレード20の当接部20aと反対側にカット部20bが形成され、現像ブレード20の先端が細くされるので、現像ベルト25上のトナー18を、現像ブレード20の先端によって堰き止めることなく円滑に搬送することができる。したがって、現像ブレード20の先端にトナー18が付着するのを抑制することができるので、トナー18の薄層を確実に形成することができる。
【0049】
さらに、当接圧力を低く設定することができるので、現像ベルト25を走行させるために必要となるモータのトルクを小さくすることができる。したがって、現像ベルト25を安定させて走行させることができ、ベルトユニット14の消費エネルギーを小さくすることができる。また、トナー18に加わる外力が小さくなるので、トナー18の耐久性を向上させることができ、画像品位を低下させることがない。
【0050】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0051】
図4は本発明の第2の実施の形態における画像形成ユニットの要部を示す概略図である。
【0052】
この場合、現像剤保持部としてのベルトユニット14は、像担持体としての前記感光体ドラム11の中心軸と、現像剤供給部材としての、かつ、現像剤供給ローラとしてのトナー供給ローラ16の中心軸とを結ぶ線より上方に配設され、駆動部としてのモータに連結された第1の支持体としての、かつ、第1の回転体としての駆動ローラ22、前記感光体ドラム11の中心軸とトナー供給ローラ16の中心軸とを結ぶ線より下方に配設された第2の支持体としての、かつ、第2の回転体としての従動ローラ23、前記感光体ドラム11の中心軸とトナー供給ローラ16の中心軸とを結ぶ線より上方において、駆動ローラ22と隣接させて配設された第3の支持体としての、かつ、第3の回転体としての従動ローラ24、並びに前記駆動ローラ22及び従動ローラ23、24によって張設され、矢印C、D方向に走行自在に配設されたベルト部材としての、かつ、現像剤担持体としての現像ベルト25を備える。前記従動ローラ23は、コイルばね等の付勢部材によって駆動ローラ22と反対の方向に付勢され、現像ベルト25に一定の張力を与える。
【0053】
該現像ベルト25は、駆動ローラ22と従動ローラ23との間における、走行に伴って、駆動ローラ22から離れ、従動ローラ23に巻かれる側の部分を第1の走行部位とし、従動ローラ23から離れ、従動ローラ24を経て、駆動ローラ22に巻かれる側の部分を第2の走行部位としたとき、第1の走行部位におけるほぼ中央部分の当接部分p1において感光体ドラム11と当接させられ、第2の走行部位における従動ローラ23、24間のほぼ中央部分の当接部分p2においてトナー供給ローラ16と当接させられ、第2の走行部位における従動ローラ24より下流側の当接部分p3において現像剤層規制部材としての現像ブレード20の先端と当接させられる。本実施の形態において、トナー供給ローラ16及び現像ブレード20は、従動ローラ23、24間、及び従動ローラ24と駆動ローラ22との間においてそれぞれ現像ベルト25に当接させられる。
【0054】
そして、前記現像ベルト25は、当接部分p2においてトナー供給ローラ16を巻くように当接させられ、当接部分p3において現像ブレード20によって押し込まれる。
【0055】
次に、現像装置としての現像器21の動作について説明する。
【0056】
まず、画像形成動作が開始されると、前記モータが駆動され、感光体ドラム11、駆動ローラ22及びトナー供給ローラ16が回転させられ、駆動ローラ22の回転に伴って、現像ベルト25が走行させられる。
【0057】
続いて、現像剤収容部としてのトナーホッパ17から供給された現像剤としてのトナー18が、トナー供給ローラ16の表面に付着させられ、現像ベルト25に向けて搬送される。トナー供給ローラ16に付着したトナー18は、当接部分p2において現像ベルト25と接触させられる。
【0058】
そして、現像ベルト25に付着したトナー18は、現像ベルト25が走行させられるのに伴って現像ブレード20を通過するときに、均一な薄層(トナー層)にされる。前記現像ブレード20によって薄層化されトナー18は、感光体ドラム11と接触して感光体ドラム11に付着させられ、感光体ドラム11上の潜像としての静電潜像を現像し、トナー像を形成する。
【0059】
本実施の形態においては、トナー供給ローラ16が従動ローラ23、24間(二つの支持体間)で現像ベルト25に当接させられ、現像ブレード20が従動ローラ24と駆動ローラ22との間(異なる二つの支持体間)で現像ベルト25に当接させられるので、現像ベルト25上においてトナー供給ローラ16と現像ブレード20とを十分に離間させることができる。したがって、トナー18を搬送する際に、トナー供給ローラ16と現像ブレード20とが干渉することがないので、トナー18を円滑に搬送することができ、画像を安定させて形成することができる。その結果、画像品位を低下させることがない。
【0060】
前記各実施の形態においては、電子写真方式のプリンタについて説明しているが、本発明を複写機、ファクシミリ、複合機等に適用することができる。
【0061】
なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【符号の説明】
【0062】
11 感光体ドラム
16 トナー供給ローラ
18 トナー
20 現像ブレード
22 駆動ローラ
23、24 従動ローラ
25 現像ベルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)潜像を担持する像担持体と、
(b)現像剤を担持し、前記像担持体上の潜像を現像し、現像剤像を形成するための現像剤担持体と、
(c)該現像剤担持体に当接させて配設され、現像剤担持体に現像剤を供給する現像剤供給ローラと、
(d)前記現像剤担持体に当接させて配設され、現像剤担持体上の現像剤を薄層化する現像ブレードとを有するとともに、
(e)前記現像剤担持体は複数の支持体によって張設され、
(f)前記現像剤供給ローラ及び現像ブレードは、二つの支持体間で前記現像剤担持体に当接させられることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記現像ブレードは、ヤング率が100〔GPa〕以上の素材を、厚さが0.2〔mm〕以上、かつ、2〔mm〕以下の板状にすることによって形成される請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
(a)前記現像ブレードは、先端に、曲率半径が0.05〔mm〕以上、かつ、0.5〔mm〕以下の当接部を備え、
(b)前記現像剤像担持体は、前記当接部によって、押込み量が0.3〔mm〕以上、かつ、1〔mm〕以下になるように押し込まれ、
(c)現像剤担持体に対する現像ブレードの当接圧力は5〔g/cm〕以上、かつ、20〔g/cm〕以下にされる請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記現像ブレードの当接部と反対側の角部にカット部が形成される請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
(a)潜像を担持する像担持体と、
(b)現像剤を担持し、前記像担持体上の潜像を現像し、現像剤像を形成するための現像剤担持体と、
(c)該現像剤担持体に当接させて配設され、現像剤担持体に現像剤を供給する現像剤供給ローラと、
(d)前記現像剤担持体に当接させて配設され、現像剤担持体上の現像剤を薄層化する現像ブレードとを有するとともに、
(e)前記現像剤担持体は複数の支持体によって張設され、
(f)前記現像剤供給ローラ及び現像ブレードは、同じ二つの支持体間で前記現像剤担持体に当接させられることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
(a)潜像を担持する像担持体と、
(b)現像剤を担持し、前記像担持体上の潜像を現像し、現像剤像を形成するための現像剤担持体と、
(c)該現像剤担持体に当接させて配設され、現像剤担持体に現像剤を供給する現像剤供給ローラと、
(d)前記現像剤担持体に当接させて配設され、現像剤担持体上の現像剤を薄層化する現像ブレードとを有するとともに、
(e)前記現像剤担持体は複数の支持体によって張設され、
(f)前記現像剤供給ローラ及び現像ブレードは、互いに異なる二つの支持体間でそれぞれ前記現像剤担持体に当接させられることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−13771(P2012−13771A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−147656(P2010−147656)
【出願日】平成22年6月29日(2010.6.29)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】