説明

画像形成装置

【課題】 装置側面から外方に延びた状態のカバー等を第1の給紙トレイとして使用するとき、第2の給紙トレイ(例えば、手差し用紙を支持するために所定長さの手差しガイド)を設置することができ、かつ、第1の給紙トレイを装置の側面に沿って収納するときに、第2の給紙トレイも収納することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】 MPトレイ9(第2の給紙トレイ)が閉状態にあるとき、MPトレイ9は閉状態にあるカバートレイ7(第1の給紙トレイ)よりも筐体3の内方側に位置する構成とする。これにより、側面S1から外方に延びた状態のカバートレイ7を使用するときであっても、MPトレイ9を設置することができるとともに、カバートレイ7を側面S1に沿って収納するときに、MPトレイ9をカバートレイ7よりも筐体3の内方側に収納することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載の画像形成装置では、装置の小型化を図るために引出しタイプの給紙トレイではなく、装置の側面に設けられた揺動可能なカバーを給紙トレイとして利用している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−066777号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の画像形成装置には、通常の画像形成装置に備えられている第2給紙機構をなす手差し給紙機構が備えられていない。このため、特許文献1に記載の画像形成装置では、装置側面から外方に延びた状態のカバーを給紙トレイとし、装置の側面に沿って立ち状態にしてカバーを収納するため、手差し給紙機構を設けようとすると、手差し用紙を支持するために所定長さの手差しガイドを設置することが困難である。
【0005】
本発明は、上記点に鑑み、装置側面から外方に延びた状態のカバー等を第1給紙トレイとして使用するとき、第2給紙トレイ(例えば、手差し用紙を支持するために所定長さの手差しガイド)を設置することができ、かつ、第1給紙トレイを装置の側面に沿って収納するときに、第2給紙トレイも収納することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明は、上記目的を達成するために、用紙に画像を形成する画像形成部(5)及びその画像形成部(5)に用紙を供給する搬送部(15)が内蔵された装置筐体(3)と、装置筐体(3)の側面(S1)に、ほぼ水平軸線の周りに回転可能に設けられ、側面(S1)から外方に延びた開状態と側面(S1)に沿った閉状態との間で回転可能な第1トレイ(7)と、側面(S1)に、第1トレイ(7)の水平軸線よりも上方でかつその水平軸線とほぼ平行な水平軸線の周りに回転可能に設けられ、第1トレイ(7)よりも上方で側面(S1)から外方に延びた開状態と側面(S1)に沿った閉状態との間で回転可能な第2トレイ(9)とを備え、第1トレイ(7)及び第2トレイ(9)は、それぞれ開状態で、画像形成部(5)に供給される用紙を載置することが可能であり、さらに、第2トレイ(9)は、閉状態で、閉状態にある第1トレイ(7)よりも装置筐体(3)の内方側に位置することを特徴とする。
【0007】
これにより、本願発明では、装置筐体(3)の側面(S1)から外方に延びた状態で画像形成前の用紙を載置する第1トレイ(7)を使用するときに、第2トレイ(9)を側面(S1)から開き開状態とすることで、第2トレイ(9)を設置することができるため、第2トレイ(9)として別部材を装着するなどの手間を必要とせずに容易に第2トレイ(9)を設置することができる。
【0008】
また、第1トレイ(7)を装置筐体(3)の側面(S1)に沿って収納するときに、第2トレイ(9)を第1トレイ(7)よりも装置筐体(3)の内方側に収納することができる。このため、第2トレイ(9)が装置筐体から外側に突出させることなく収納することができるので装置の小型化を図ることができる。
【0009】
また、搬送部(15)は、装置筐体(3)内のうち閉状態の第2トレイ(9)を挟んで側面(S1)と反対側に配置され、装置筐体(3)内には、第1トレイ(7)の開状態においてその第1トレイ(7)の延長方向に搬送部(15)に向けて延びる第1給紙支持部(11A)、及び第2トレイ(9)の開状態においてその第2トレイ(9)の延長方向に搬送部(15)に向けて延びる第2給紙支持部(13A)が設けられており、さらに、開状態の第1トレイ(7)及び第1給紙支持部(11A)により、用紙が載置される第1載置部(11)が構成され、かつ、開状態の第2トレイ(9)及び第2給紙支持部(13A)により、用紙が載置される第2載置部(13)が構成されることを特徴とする。
【0010】
これにより、装置筐体の奥行き方向(第1トレイ(7)から搬送部(15)へ向かう方向)の寸法を、用紙の載置に有効に使用することができるので、第1トレイ(7)及び第2トレイ(9)の長さを小さくでき、画像形成装置を小型化できる。
【0011】
また、画像形成部(5)は、第1給紙支持部(11A)及び第2給紙支持部(13A)の上方側に配置されていることを特徴とする。
また、第1トレイ(7)が開状態から閉状態へ回転する作動に連動して第2トレイ(9)を開状態から閉状態へ回転する連動機構(7C、17)を有していることを特徴とする。
【0012】
これにより、第1トレイ(7)及び第2トレイ(9)が開放位置にある状態から収納されるときに、第1トレイ(7)を収納する作動に連動して第2トレイ(9)も収納されるので、それぞれを別々に収納させる必要がなく、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0013】
また、連動機構(7C、17)として、第1トレイ(7)の回転領域内に第2トレイ(9)の回動領域が含まれるようにしたことを特徴とする。
これにより、第1トレイ(7)を収納位置へ回転させるときに、第1トレイ(7)と第2トレイ(9)が接触し、第1トレイ(7)が第2トレイ(9)を収納位置に収納させるので、簡易な構成で第1トレイ(7)と第2トレイ(9)を連動させることができる。
【0014】
また、連動機構は、第1トレイ(7)に設けられた第2トレイ(9)へ向けて突出した突起(7C)により構成されており、さらに、突起(7C)は、第1トレイ(7)が閉状態に向け回転するときに、第2トレイ(9)を閉状態に向け押圧することを特徴とする。
【0015】
これにより、第1トレイ(7)を閉じる動作によって、突起(7C)と第2トレイ(9)を接触させ、第2トレイを突起(7C)で押圧することができるので、第1トレイ(7)の閉じる動作に連動させて第2トレイ(9)を収納することができる。また、突起(7C)によって第2トレイ(9)を側面(S1)側に押圧するので、第1トレイ(7)を開くときに、第2トレイ(9)が勝手に開くことを抑制できる。
【0016】
また、連動機構は、第1トレイ(7)と第2トレイ(9)とを、回転方向に一体に連動するように連結するリンクであることを特徴とする。
また、搬送部(15)は、第1給紙支持部(11A)及び第2給紙支持部(13A)の双方に外周を臨ませた給紙ローラ(15A)を有しており、さらに、第1給紙支持部(11A)は、その上に載置された用紙を給紙ローラ(15A)に接触させるために用紙を給紙ローラ(15A)に向けて上昇させる圧板(11B)を有していることを特徴とする。
【0017】
これにより、第1トレイ(7)に載置された用紙又は第2トレイ(9)に載置された用紙を一つの給紙ローラで給紙することができるため、より簡易な構成で給紙することができ、装置の小型化を図ることができる。
【0018】
さらに、装置筐体(3)は、その上面に画像形成が終了した用紙が載置される排紙トレイ(3C)、及び排紙トレイ(3C)に向け用紙を排紙するよう開口する排紙口(3B)を有しており、さらに、排紙口(3B)は、水平方向において、装置筐体のうち第1トレイ(7)及び第2トレイ(9)と反対側の位置に設けられ、かつ、第1トレイ(7)及び第2トレイ(9)側に開口していることを特徴とする。
【0019】
これにより、画像形成済み用紙を第1トレイ(7)又は第2トレイ(9)と同一側に排出することができるので、ユーザが用紙のセットをしやすく画像形成後の用紙の取り出しも容易にできるので、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0020】
因みに、上記各手段等の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段等との対応関係を示す一例であり、本発明は上記各手段等の括弧内の符号に示された具体的手段等に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置1の中央断面図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係る画像形成装置1の中央断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
(第1実施形態)
本実施形態はモノクロ方式の画像形成装置に本発明を適用したものであり、以下に本実施形態を図面と共に説明する。
【0023】
1.画像形成装置の概要
画像形成装置1の筐体3内には、図1に示すように、記録用紙やOHPシート等の記録シート(以下、用紙という。)に画像を形成する電子写真方式の画像形成部5が収納されており、この画像形成部5は、感光ドラム5Aに担持された現像剤像(トナー像)を用紙に転写することにより用紙に画像を形成する。
【0024】
また、画像形成部5の下方側には、画像形成部5に搬送される用紙が載置される第1載置部11及び第2載置部13が配置されており、第1載置部11及び第2載置部13に載置された用紙は、給紙部15により1枚ずつ分離されて画像形成部5に送り出される。
【0025】
そして、給紙部15から画像形成部5に送出されて画像形成が終了した用紙は、排紙口3Bから排出された後、筐体3の上面に設定された排紙トレイ3Cに載置される。
なお、排紙口3Bは、画像形成部5より上方側かつ画像形成装置1の後面側(後述するカバートレイ7及びMPトレイ9の反対側)に配置され、かつ、画像形成装置1の前面側(後述するカバートレイ7及びMPトレイ側)に向けて開口している。排紙トレイ3Cは排紙口3Bより前面側に配置されている。
【0026】
2.本実施形態に係る画像形成装置の特徴的構造
筐体3の水平方向一端側(本実施形態では、前面側)の側面には、画像形成部5に用紙を給紙するための開口部3Aが設けられており、この開口部3Aを覆うカバートレイ7は、筐体3の下端側に配置された回転軸7Aを回転中心として、開口部3Aを覆うように閉塞する閉状態と開口部3Aを開放する開状態との間で回転できる。
【0027】
そして、回転軸7Aの軸方向は、開口部3Aの開口方向(本実施形態では、前後方向)に対して直交する水平方向(図1では紙面と直交する方向)となっている。なお、以下、カバートレイ7が開状態にあるときの開口部3Aの開口面を仮想平面として側面S1という。側面S1は、カバートレイ7が閉状態にあるときの画像形成部5側の面である。
【0028】
因みに、カバートレイ7が側面S1から外方(前方)側に延びて開口部3Aが開放された状態(図1の二点鎖線で示す状態)をカバートレイ7が開いた開状態といい、カバートレイ7が側面S1に沿った状態となって開口部3Aが覆われた状態(図1の実線で示す状態)をカバートレイ7が閉じた閉状態という。
【0029】
また、筐体3内のうち画像形成部5と閉状態のカバートレイ7との間には、開状態と閉状態との間で回転可能であって、開状態で画像形成部5に供給される用紙を載置可能なマルチパーパストレイ(以下、MPトレイ9)が設けられている。
【0030】
このMPトレイ9の回転軸9Aは、その軸方向が開口部3Aの開口方向(本実施形態では、前後方向)に対して直交する水平方向、つまり回転軸7Aの軸方向と平行な方向と一致するように設定されている。
【0031】
そして、カバートレイ7の回転軸7A及びMPトレイ9の回転軸9A及びMPトレイ9の開状態を保持するストッパ9Bは、筐体3に設けられている。MPトレイ9は、開状態のときの下面をストッパ9Bに当接することで、開状態で設置床と平行な状態で保持される。
【0032】
なお、カバートレイ7の先端側には、カバートレイ7を開閉する際にユーザにより把持される開閉ノブ7Bが設けられており、この開閉ノブ7Bが画像形成装置1の設置床に接触することにより、カバートレイ7を設置床と平行な開状態で保持される。
【0033】
また、回転軸9Aは、回転軸7Aより上方側であって、回動軸7Aより内方(画像形成部5)側に配置されている。よって、閉状態においてMPトレイ9はカバートレイ7よりも内方側に配置される。また、回転軸9AからMPトレイ9の先端までの寸法H2は、回転軸7Aからカバートレイ7の先端までの寸法H1より小さい寸法に設定されている。
【0034】
このため、カバートレイ7の回転領域θ1内にMPトレイ9の回動領域θ2が含まれた状態となるので、カバートレイ7が閉じた状態となった場合には、MPトレイ9は、カバートレイ7より内方側に位置して筐体3内に収納され、かつ、カバートレイ7により覆われた状態となる。
【0035】
また、カバートレイ7の幅方向(回転軸7Aと平行な方向)両端側には、MPトレイ9側に向けて突出した押圧突起7Cが設けられている。このため、カバートレイ7が開状態から閉状態に向けて回転すると、押圧突起7Cが開状態のMPトレイ9に当接してMPトレイ9が閉じる向きに押圧されるので、MPトレイ9は、カバートレイ7が開状態から閉状態へ回転する作動に連動して開状態から閉状態へ回転する。
【0036】
つまり、カバートレイ7の回転領域θ1内にMPトレイ9の回動領域θ2が含まれるため、押圧突起7Cは、カバートレイ7を開状態から閉状態へ回転する作動に連動させてMPトレイ9を開状態から閉状態へ回転させる連動機構として機能する。
【0037】
また、給紙部15は給紙ローラ15A及び分離パッド15B等から構成されており、給紙ローラ15Aは、筐体3内のうち閉状態のMPトレイ9を挟んで側面S1と反対側、つまり側面S1より画像形成部5側に配置されているとともに、第1載置部11又は第2載置部13に載置された用紙に接触して用紙に搬送力を付与する。分離パッド15Bは、給紙ローラ15Aと対向する位置に配置されて用紙に搬送抵抗を付与する。
【0038】
このため、給紙ローラ15Aが回転すると、給紙ローラ15Aと接触している用紙は給紙ローラ15Aから搬送力を受けて画像形成部5側に送出されるが、この送出される用紙より分離パッド15B側の用紙は、分離パッド15Bから搬送抵抗を受けて送出されることなく止まるので、1枚ずつ用紙が画像形成部5側に給紙される。
【0039】
ところで、カバートレイ7は開状態となったときに第1載置部11の一部を構成し、MPトレイ9は開状態となったときに第2載置部13の一部を構成するものであり、第2載置部13は第1載置部11より上方側に設定されている。
【0040】
そして、筐体3内には、カバートレイ7が開状態であるときのカバートレイ7の延長方向(本実施形態では、前後方向)に給紙部15側まで延びる第1給紙支持部11Aが設けられており、この第1給紙支持部11A及び開状態のカバートレイ7により第1載置部11が構成されている。
【0041】
同様に、筐体3内には、MPトレイ9が開状態であるときのMPトレイ9の延長方向(本実施形態では、前後方向)に給紙部15側まで延びる第2給紙支持部13Aが設けられており、この第2給紙支持部13A及び開状態のMPトレイ9により第2載置部13が構成されている。
【0042】
因みに、カバートレイ7(第1載置部11)は、画像形成に用いる主たる用紙が載置される部位であり、カバートレイ7には、MPトレイ9(第2載置部13)より多くの枚数の用紙を載置することができる。一方、MPトレイ9は、カバートレイ7に比べて多目的な用途(例えば、手差し給紙)を意図した給紙トレイである。
【0043】
ところで、本実施形態では、第1載置部11は第2載置部13より下方側に設定され、かつ、1つの給紙部15(給紙ローラ15A)にて第1載置部11又は第2載置部13に載置された用紙を給紙する構成とすべく、以下の構成を採用している。
【0044】
すなわち、第2給紙支持部13Aを不動として、給紙ローラ15AをMPトレイ9が開状態であるときのMPトレイ9の延長方向上に配置するとともに、第1給紙支持部11Aの一部に圧板11Bを設け、この圧板11Bにより、第1載置部11に載置された用紙を給紙ローラ15Aに向けて上昇させる。
【0045】
これにより、第1載置部11に載置された用紙を給紙ローラ15Aに接触させることができ、第1給紙支持部11A及び第2給紙支持部13A双方が、側面S1側から給紙ローラ15Aを臨む位置まで延びた構成となる。
【0046】
因みに、圧板11Bは、電動モータ等のアクチュエータ(図示せず。)によりその上昇作動が制御されている。そして、第2載置部13用の用紙センサ(図示せず。)により第2載置部13に用紙が載置されていると判断されると、圧板11Bが降下し、第2載置部13に載置されている用紙のみが給紙ローラ15Aと接触可能な状態となる。一方、第2載置部13に用紙が載置されていないと判断されると、圧板11Bが上昇し、第1載置部11に載置されている用紙が給紙ローラ15Aと接触可能な状態となる。
【0047】
3.本実施形態に係る画像形成装置の特徴
本実施形態では、MPトレイ9が閉状態にあるとき、MPトレイ9は閉状態にあるカバートレイ7よりも筐体3の内方側に位置するので、側面S1から外方に延びた状態のカバートレイ7を使用するときであっても、MPトレイ9を設置することができるとともに、カバートレイ7を側面S1に沿って収納するときに、MPトレイ9をカバートレイ7よりも筐体3の内方側に収納することができる。
【0048】
また、本実施形態では、開状態のカバートレイ7及び筐体3内に設けられた第1給紙支持部11Aにより第1載置部11が構成され、かつ、開状態のMPトレイ9及び筐体3内に設けられた第2給紙支持部13Aにより第2載置部13が構成されているので、筐体3の奥行き方向(カバートレイ7から給紙部15へ向かう方向)の寸法を、用紙の載置に有効に使用することができる。延いては、カバートレイ7及びMPトレイ9の長さを小さくできるので、画像形成装置1を小型化できる。
【0049】
また、本実施形態では、カバートレイ7が開状態から閉状態へ回転する作動に連動してMPトレイ9を開状態から閉状態へ回転させる押圧突起7C(連動機構)を有しているので、カバートレイ7及びMPトレイ9が開放位置にある状態から収納されるときに、カバートレイ7を収納すると同時にMPトレイ9も収納されこととなる。したがって、それぞれを別々に収納させる必要がないので、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0050】
また、本実施形態では、第1給紙支持部11Aには、その上に載置された用紙を給紙ローラ15Aに接触させるための圧板11Bを有しているので、カバートレイ7に載置された用紙又はMPトレイ9に載置された用紙を一つの給紙ローラで給紙することができる。
【0051】
また、本実施形態では、排紙口3Bは、水平方向において、筐体3のうちカバートレイ7及びMPトレイ9と反対側の位置に設けられ、かつ、カバートレイ7及びMPトレイ9側に開口しているので、画像形成済み用紙をカバートレイ7又はMPトレイ9と同一側に排出することができ、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0052】
4.発明特定事項と実施形態との対応関係
本実施形態では、カバートレイ7が特許請求の範囲に記載された第1トレイに相当し、MPトレイ9が特許請求の範囲に記載された第2トレイに相当する。
【0053】
(第2実施形態)
第1実施形態では、押圧突起7Cにより特許請求の範囲に記載された連動機構を構成したが、本実施形態は、図2に示すように、カバートレイ7とMPトレイ9とを回転方向に一体に連動するように連結するリンク17により、特許請求の範囲に記載された連動機構を構成したものである。
【0054】
因みに、第1実施形態に係る画像形成装置1では、カバートレイ7が開状態から閉状態へ回転する作動のみに連動してMPトレイ9が開状態から閉状態へ回転するものであったが、本実施形態では、カバートレイ7が開状態から閉状態へ回転する場合、及びカバートレイ7が閉状態から開状態へ回転する場合のいずれの場合に対してもMPトレイ9が連動して回転する。
【0055】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、モノクロ方式の画像形成装置に本発明を適用したが、本発明の適用はこれに限定されるものではない。
【0056】
また、上述の実施形態では、いわゆる「Cパス」と呼ばれるタイプの用紙搬送経路を有する画像形成装置に本発明を適用したが、本発明の適用はこれに限定されるものではない。
【0057】
また、上述の実施形態では、カバートレイ7を主たる給紙トレイとした画像形成装置に本発明を適用したが、本発明の適用はこれに限定されるものではない。
また、本発明は、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0058】
1…画像形成装置、3…筐体、3A…開口部、3B…排紙口、3B…排紙口、
3C…排紙トレイ、5…画像形成部、5A…感光ドラム、7…カバートレイ、
7A…回転軸、7B…開閉ノブ、7C…押圧突起、9…MPトレイ、
9A…回転軸、9B…ストッパ、11…第1載置部、11A…第1給紙支持部、
11B…圧板、13…第2載置部、13A…第2給紙支持部、15…給紙部、
15A…給紙ローラ、15B…分離パッド。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙に画像を形成する画像形成部及びその画像形成部に用紙を供給する搬送部が内蔵された装置筐体と、
前記装置筐体の側面に、ほぼ水平軸線の周りに回転可能に設けられ、前記側面から外方に延びた開状態と前記側面に沿った閉状態との間で回転可能な第1トレイと、
前記側面に、前記第1トレイの前記水平軸線よりも上方でかつその水平軸線とほぼ平行な水平軸線の周りに回転可能に設けられ、前記第1トレイよりも上方で前記側面から外方に延びた開状態と前記側面に沿った閉状態との間で回転可能な第2トレイとを備え、
前記第1トレイ及び第2トレイは、それぞれ前記開状態で、前記画像形成部に供給される用紙を載置することが可能であり、
さらに、前記第2トレイは、前記閉状態で、前記閉状態にある前記第1トレイよりも前記装置筐体の内方側に位置することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記搬送部は、前記装置筐体内のうち前記閉状態の前記第2トレイを挟んで前記側面と反対側に配置され、
前記装置筐体内には、前記第1トレイの開状態においてその第1トレイの延長方向に前記搬送部に向けて延びる第1給紙支持部、及び前記第2トレイの開状態においてその第2トレイの延長方向に前記搬送部に向けて延びる第2給紙支持部が設けられており、
さらに、前記開状態の前記第1トレイ及び前記第1給紙支持部により、用紙が載置される第1載置部が構成され、かつ、前記開状態の前記第2トレイ及び前記第2給紙支持部により、用紙が載置される第2載置部が構成されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像形成部は、前記第1給紙支持部及び前記第2給紙支持部の上方側に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1トレイが開状態から閉状態へ回転する作動に連動して前記第2トレイを開状態から閉状態へ回転する連動機構を有していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記連動機構として、前記第1トレイの回転領域内に前記第2トレイの回動領域が含まれるようにしたことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記連動機構は、前記第1トレイに設けられた前記第2トレイへ向けて突出した突起により構成されており、
さらに、前記突起は、前記第1トレイが閉状態に向け回転するときに、前記第2トレイを閉状態に向け押圧することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記連動機構は、前記第1トレイと前記第2トレイとを、回転方向に一体に連動するように連結するリンクであることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記搬送部は、前記第1給紙支持部及び前記第2給紙支持部の双方に外周を臨ませた給紙ローラを有しており、
さらに、前記第1給紙支持部は、その上に載置された用紙を前記給紙ローラに接触させるために用紙を前記給紙ローラに向けて上昇させる圧板を有していることを特徴とする請求項2又は3に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記装置筐体は、その上面に画像形成が終了した用紙が載置される排紙トレイ、及び前記排紙トレイに向け用紙を排紙するよう開口する排紙口を有しており、
さらに、前記排紙口は、水平方向において、前記装置筐体のうち前記第1トレイ及び第2トレイと反対側の位置に設けられ、かつ、前記第1トレイ及び前記第2トレイ側に開口していることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−185208(P2012−185208A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−46450(P2011−46450)
【出願日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】