説明

画像形成装置

【課題】弾性層を有する中間転写ベルトと,弾性層を有する二次転写ローラとをともに用い,なおかつ,色ズレの抑制,分離性の向上,転写性の向上のいずれをも満たすことのできる画像形成装置を提供すること。
【解決手段】本発明のカラープリンタは,弾性層11bを有し,無端ベルト状であるとともにベルトローラ42に架け渡されて回転移動される中間転写ベルト11と,ベルトローラ42に対向して配置され,中間転写ベルト11に形成されたトナー像を記録部材へ転写する二次転写ローラ41とを有するものであって,二次転写ローラ41は,中心に配置されている芯金41aと,最外周に配置されている外層41cと,芯金41aと外層41cとの間に配置されている内層41bとを有し,各層の硬度の関係が,内層の硬度>弾性層の硬度>外層の硬度となっているものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,電子写真方式の画像形成装置に関する。さらに詳細には,弾性層を有する弾性ベルト状の像担持体を有する画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より,電子写真方式の画像形成装置では,例えばタンデム型のカラープリンタ等において,中間転写ベルトとして,無端ベルト状の像担持体が用いられることが多い。さらに,中間転写ベルトとして,基材と表層との間に弾性層を有する弾性中間転写ベルトが採用される場合がある。
【0003】
例えば,特許文献1には,弾性層を有する中間転写ベルトを備えた画像形成装置が開示されている。本文献によれば,中間転写ベルトを駆動する駆動ローラと二次転写ローラとの間に挟まれた中間転写ベルトが,弾性層の弾性変形によって凹むので,転写材が分離されやすくなるとされている。
【0004】
また,転写効率を高めるために,転写ローラとして弾性体層を有するものを用いることもある(例えば,特許文献2参照。)。この文献では,比較的硬度の高い最外層と弾性体層との間に,中間層を設けた転写ローラが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−201470号公報
【特許文献2】特開2007−292844号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら,このように弾性層を有する中間転写ベルトと,弾性層を有する二次転写ローラとをともに用いて,分離性と転写効率とをともに高めようとすると,別の問題が発生することが分かった。例えば,中間転写ベルトを挟んで互いに圧接される二次転写ローラとベルトローラとを有する装置では,これらのニップにおける転写材の有無,あるいはその転写材の厚さによって,圧接状態が異なる。さらに,圧接状態によって,これらのローラまたは中間転写ベルトの駆動状態が異なるのである。そのため,転写材の突入・脱出の前後で,各部材の駆動状態が変化するという問題点があった。
【0007】
例えば,二次転写ローラとベルトローラとが,バネ等の弾性力によって圧接されているものでは,転写材の突入・脱出時に両ローラの軸間距離が変化する。あるいは,ローラの軸間距離が固定されているものでは,弾性層の圧縮によって回転トルクが変化する。これらの場合では,転写材の突入・脱出の前後で,中間転写ベルトの駆動速度が異なる。あるいは,その瞬間に中間転写ベルトの駆動速度が変化する。そのため,そのときにいずれかの色の一次転写が行われている途中であると,色ズレの原因となるおそれがあった。
【0008】
本発明は,前記した従来の画像形成装置が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,弾性層を有する中間転写ベルトと,弾性層を有する二次転写ローラとをともに用い,なおかつ,色ズレの抑制,分離性の向上,転写性の向上のいずれをも満たすことのできる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題の解決を目的としてなされた本発明の画像形成装置は,弾性層を有し,無端ベルト状であるとともに複数のベルトローラに架け渡されて回転移動される中間転写ベルトと,中間転写ベルト上にトナー像を形成するトナー像形成部と,ベルトローラの1つに対向して配置され,トナー像形成部によって中間転写ベルトに形成されたトナー像を記録部材へ転写する転写ローラとを有する画像形成装置であって,転写ローラは,中心に配置されている芯金と,最外周に配置されている外層と,芯金と外層との間に配置されている内層とを有し,弾性層の硬度と,外層の硬度と,内層の硬度との関係が,内層の硬度 > 弾性層の硬度 > 外層の硬度であるものである。
【0010】
本発明の画像形成装置によれば,弾性層を有する中間転写ベルトと,芯金+内層+外層の層構造を有する転写ローラとを有するものであって,その各層の硬度の序列が
内層の硬度 > 弾性層の硬度 > 外層の硬度
となっている。すなわち,転写ローラの外層は,最も軟らかい弾性材で形成されている。一方,転写ローラの内層は,これら3層のうちでは最も硬い。このように3層の硬度がそれぞれ異なるとともに,この順となっていることにより,これらの間のニップでは,転写材の突入・脱出時の圧接状態の変化が段階的に受け止められる。従って,弾性層を有する中間転写ベルトと,弾性層を有する二次転写ローラとをともに用い,なおかつ,色ズレの抑制,分離性の向上,転写性の向上のいずれをも満たすことができる。
【0011】
さらに本発明では,外層は,弾性材の発泡材によって形成されており,内層は,弾性材によって形成されていることが望ましい。
このようなものであれば,上記のような関係の硬度を有する転写ローラを形成することは容易である。
【0012】
さらに本発明では,転写ローラと中間転写ベルトとの接触箇所に形成されるニップの形状は,中間転写ベルトの移動方向についての中央部においては,転写ローラ側が凸の曲面であり,中央部の前後に位置する両端部においては,中間転写ベルト側が凸の曲面であることが望ましい。
このようなものであれば,そのニップ中の箇所によってそれぞれ,転写性及び分離性をともに確保することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の画像形成装置によれば,弾性層を有する中間転写ベルトと,弾性層を有する二次転写ローラとをともに用い,なおかつ,色ズレの抑制,分離性の向上,転写性の向上のいずれをも満たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本形態に係る画像形成装置の概略構成図である。
【図2】中間転写ベルトを示す断面図である。
【図3】二次転写ローラを示す断面図である。
【図4】ニップの形状を示す説明図である。
【図5】比較例のニップの形状を示す説明図である。
【図6】比較例のニップの形状を示す説明図である。
【図7】比較例のニップの形状を示す説明図である。
【図8】比較例のニップの形状を示す説明図である。
【図9】比較例のニップの形状を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下,本発明を具体化した最良の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,タンデム型の電子写真方式のカラープリンタに本発明を適用したものである。
【0016】
本形態のカラープリンタ1は,その概略構成を図1に示すように,カラー画像の形成が可能ないわゆるタンデム方式の画像形成装置である。図中で中段には,4色の画像形成部が,図中左から右へ,イエロー10Y,マゼンタ10M,シアン10C,ブラック10Kの順に中間転写ベルト11に沿って配置されている。また,カラープリンタ1の図中左下部には,着脱可能な給紙カセット13が,図中右下部には,手差しユニット14がそれぞれ装着されている。
【0017】
イエローの画像形成部10Yは,図1に示すように,感光体21を中心に,帯電部22,現像部24,一次転写部25,クリーナ26を有している。図では,イエローの画像形成部10Yのみに符号を付して説明したが,他の色についてもほぼ同様の構成となっている。また,露光部23は,各色の画像形成部の下部に設けられ,各色で共通のものとなっている。さらに,中間転写ベルト11の図中で上方には,各色のトナーを貯留するホッパ28Y,28M,28C,28Kが備えられている。ブラックの画像形成部やホッパは,他色のものよりやや大きい。
【0018】
さらに,図1中で右側には,用紙搬送経路31,32が設けられている。図中で下から上向きに用紙を搬送する用紙搬送経路31と,図中で上から下向きに用紙を搬送する用紙搬送経路32とが,並べて設けられている。用紙搬送経路32は,両面印刷を行う場合に使用されるものである。用紙搬送経路31,32には,それぞれ複数の搬送ローラ33が設けられている。本形態のカラープリンタ1は,これらの搬送ローラ33を制御することにより,各搬送路31,32に沿って用紙の搬送または停止等を必要に応じて行うことができるようになっている。
【0019】
用紙搬送経路31上には,図1に示すように,二次転写部35と定着部36とが配置されている。定着部36は,互いに対向する2つのローラ(加熱ローラ37と加圧ローラ38)によるローラ対を有している。二次転写部35は,二次転写ローラ41を有している。なお,中間転写ベルト11は,複数のベルトローラ42,43等に巻き掛けられており,二次転写ローラ41は,中間転写ベルト11を間に挟んで,そのうちの1つのベルトローラ42に対してバネを用いて圧接されている。機内にはさらに,各部の制御を行う制御部40も設けられている。
【0020】
本形態の中間転写ベルト11は,図2に示すように,弾性材層を含む層構造のものである。図2中で下側に示しているのが最内層(図1において内周側に配置される層)であり,内側から外側へ順に,基材層11a,弾性層11b,表面層11cを有している。なお,これら以外にもさらに別の層を有していてもよい。
【0021】
基材層11aは,PET(ポリエチレンテレフタレート)またはPVdF(ポリフッ化ビニリデン)等により形成された厚み50〜200μm程度の層である。弾性層11bは,NBR(ニトリルゴム),CR(クロロプレン)ゴム,ウレタンゴム等の弾性材により,100〜500μm程度の厚さに形成された弾性体による層である。また,表面層11cは,アクリル,ABS(アクリルニトリル・ブタジエン・スチレン共重合合成樹脂)等の樹脂材や,これにフッ素樹脂コートや酸化処理等を施してさらに離型性を高めたものによる層であり,0.1〜5μm程度の厚さに形成されている。
【0022】
また,本形態の二次転写ローラ41は,図3に示すように,芯金41a,内層41b,外層41cを有している。芯金41aは,回転駆動力を受けて二次転写ローラ41を回転させるものである。内層41bは,弾性材で形成されている層である。また,外層41cは,弾性材を発泡させた発泡材で形成されている層である。内層41bや外層41cの素材の弾性材の種類としては,例えば,NBR,CRゴム,ウレタンゴム等を用いることができる。内層41bと外層41cとの素材の種類は,同じものでもよいし,異なるものでもよい。
【0023】
ここで,本形態では,中間転写ベルト11の弾性層11bの硬度E11bと,二次転写ローラ41の内層41bの硬度E41bおよび外層41cの硬度E41cが,以下のような関係となるように,その材質を選択している。
E41b > E11b > E41c
すなわち,二次転写ローラ41の内層41bが最も硬く,二次転写ローラ41の外層41cが最も軟らかい。中間転写ベルト11の弾性層11bは,それらの中間の硬度のものである。
【0024】
3層の硬度がこの関係となっているので,中間転写ベルト11と二次転写ローラ41との圧接箇所におけるニップNの形状は,図4に示すように,波状の曲面となる。ニップNでは,3層のうち最も軟らかい外層41cが最も大きく圧縮される。ただし,ニップNの中央部付近では,外層41cが大きく圧縮されることにより,外層41cはその裏側にある最も硬い内層41bによる反発力を受ける。そのため,外層41cの圧縮量がある程度以上であると内層41bよりは軟らかい弾性層11bも圧縮される。
【0025】
その結果,中間転写ベルト11と二次転写ローラ41とニップNは,図4に示すように,両端部Neと中央部Nfとで異なる向きにふくらんだ形状となっている。ニップNから内層41bまでの距離が大きい両端部Neでは,圧縮されているのはほとんど外層41cのみである。そのため,両端部Neでは,中間転写ベルト11側が凸となる。一方,ニップNから内層41bまでの距離が小さい中央部Nfでは,内層41bの反発力により,中間転写ベルト11も圧縮される。そして,中央部Nfでは,二次転写ローラ41側が凸となる。
【0026】
従って,全体としてはニップNは比較的平らであり,ニップNを通ることで,用紙にクセが付くようなことはない。さらに,ニップNの出口Pでは,図4に示すように,二次転写ローラ41の外周面が大きくカーブしているので,用紙の両面における曲率分離が可能となっている。なお,この図では,中間転写ベルト11と二次転写ローラ41との間に僅かに隙間を設けて示しているが,これは両方の部材がいずれもこの形状になっていることを明示するためである。ニップNに用紙等が挟まっているときを除いて,これらの間に隙間は生じない。
【0027】
本形態では,このようなニップNの形状になることから,転写性が高いものとなっている。ニップNのうち,二次転写ローラ41側が凸となる範囲が限定されているので,圧力分布がシャープなものとなる。従って,その範囲の中央で加えられる圧力は大きい。また,ニップNの中央部で中間転写ベルト11が凹となるので,用紙に多少凹んだ部分があっても,弾性層11bが用紙の形状によく追随することができる。特に,凹凸用紙(例えば,グリーティングカード等に用いられる厚手で表面に風合いを付けた用紙)の凹部にも適切に転写できる。
【0028】
さらに,本形態では,用紙分離性にも優れている。ニップNの形状は,どちらがわにも比較的曲率の大きい部分を持つ。従って,用紙の両面側ともに,ニップNの出口付近で曲率分離をすることになる。特に,ニップNの出口P付近では中間転写ベルト11側が凸となる形状となっているとともに,比較的急なカーブをなしているので,用紙自身の弾力で剥がれ,用紙分離性もまた良好である。
【0029】
さらに本形態によれば,色ズレも抑制されている。用紙突入・脱出時における用紙の厚さ分の圧縮量は,各層で分配される。多くの部分は,最も軟らかい層である二次転写ローラ41の外層41cの変形によってなされる。この変形によって用紙突入・脱出のショックが主に吸収される。さらに,二番目に軟らかい中間転写ベルト11の弾性層11bによって,両面側において段階的にショックが吸収される。従って,ベルトローラ42や二次転写ローラ41の回転駆動状態が変化するほどの影響はない。これにより,色ズレは効果的に抑制されている。
【0030】
次に,このカラープリンタ1によってカラー画像が形成される際の,各部の動作を説明する。各色の感光体21にはそれぞれ,タイミングを合わせてトナー像が形成される。すなわち,帯電部22によって一様に帯電され,続いて露光部23によって露光される。これにより,各色の感光体21の表面には,各色の画像データに基づいた静電潜像が形成される。次に,現像部24によって,その静電潜像にトナーが供給され,感光体21上にトナー像が形成される。
【0031】
各色の感光体21上にそれぞれ形成されたトナー像は,それぞれの一次転写部25によって中間転写ベルト11上に転写され,互いに重ね合わせられる。これによって,中間転写ベルト11にカラーのトナー像が形成される。なお,一次転写領域を通過した後も感光体21に残留しているトナーは,クリーナ26によって掻き取られる。
【0032】
一方,画像形成されるための記録部材である用紙は,図1中の下方に矢印hで示すように,給紙カセット13または手差しユニット14から1枚ずつ用紙搬送経路31へと引き出される。そして,用紙搬送経路31を二次転写部35へ向かって搬送される。中間転写ベルト11上に重ね合わせられたトナー像は,二次転写部35において,搬送されてきた用紙に転写される。
【0033】
トナー像が転写された用紙は,さらに上方へ搬送されて定着部36に至り,加熱されるとともに加圧される。これにより,トナーが用紙に定着される。そして,画像形成された用紙は,機外に排出される。また,中間転写ベルト11の二次転写後の箇所は,さらに図中の矢印g方向に回転され,ベルトクリーナ51に至る。ベルトクリーナ51によってその表面の付着物を除去された中間転写ベルト11は,さらに移動して次回の画像形成に供される。
【0034】
発明者は,本形態の効果を実験で確かめた。そのために,中間転写ベルト11の弾性層11b,二次転写ローラ41の内層41bおよび外層41cの材質を適切に選択し,それらの硬度の関係が本形態の関係となるようにした実施例を製造した。さらに,これらの硬度の関係が,本形態の序列とは異なる5種類の比較例を用意した。これらの比較例はいずれも,各層の硬度の序列関係以外は,本形態のものと同様の層構成となっているものである。
【0035】
実施例は,これらの各層を,高分子計器株式会社製のASKER MD−1 タイプCによって測定したマイクロゴム硬度で,E11b=48°,E41b=60°,E41c=40°であった。従って,E41b>E11b>E41cの関係を満たしている。なお,ここでは,中間転写ベルト11の弾性層11bはNBRであり,二次転写ローラ41の内層41bはNBR,外層41cはNBRを発泡させたものを用いた。
【0036】
比較例1〜5はいずれも,実施例とは硬度の大小関係が異なるものである。それぞれの硬度の序列は,比較例1がE41b>E41c>E11b,比較例2がE11b>E41b>E41c,比較例3がE11b>E41c>E41b,比較例4がE41c>E11b>E41b,比較例5がE41c>E41b>E11bとした。これらの組合せとなるように,中間転写ベルト11の素材および二次転写ローラ41の素材をそれぞれ適切に選択した。
【0037】
この実験では,凹凸用紙の転写性,用紙分離性,色ズレの3点を評価した。凹凸用紙の転写性の評価では,凹凸紙の例として「レザック用紙」と呼ばれる紙(「レザック」は商品名)を用い,用紙の凹部への転写性を評価した。凹部への転写が良好にできたものを○,不良であったものを×とした。また,用紙分離性の評価では,「ST用紙」と呼ばれる紙を用いて両面印刷を行い,特に分離しにくい2面目の分離性を評価した。分離できたものは○,分離できなかったものは×とした。色ズレの評価では,目視による評価を行った。色ズレの発生がなく良好な画質が得られたものは○,目視にて判断できる程度の色ズレが見られた場合に×とした。
【0038】
【表1】

【0039】
本実験の結果を表1に示す。また,各例のニップ部の形状を図4〜図9に示した。実施例では,転写性,分離性,色ズレともに良好な結果であった。比較例1では,転写性は良好であるが,分離性,色ズレともに良好ではなかった。比較例2,3では,色ズレはなかったが,転写性,分離性ともに良好ではなかった。比較例4,5では,転写性,分離性ともに良好な結果であったが,色ズレが発生した。従って,この実験によって,本形態の効果が確認できた。
【0040】
以上詳細に説明したように本形態の画像形成装置によれば,中間転写ベルト11の弾性層11bの硬度E11bと,二次転写ローラ41の内層41bの硬度E41bおよび外層41cの硬度E41cが,E41b>E11b>E41cの関係となっている。従って,二次転写のニップNの形状は,凹凸をともに有する曲面となる。すなわち,中間転写ベルト11が凸となる箇所と,二次転写ローラ41が凸となる箇所とがある。これにより,それぞれの箇所によって,転写性,分離性をともに良好なものとすることができる。さらに,両側の弾性層によって用紙の突入・脱出時のショックを受けることができるので,色ズレが抑制されている。これにより,弾性層を有する中間転写ベルトと,弾性層を有する二次転写ローラとをともに用い,色ズレの抑制,分離性の向上,転写性の向上のいずれをも満たすものとなっている。
【0041】
なお,本形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。
例えば,本形態では,タンデム型のカラープリンタを例示しているが,これに限るものではない。
【符号の説明】
【0042】
1 カラープリンタ
10Y,10M,10C,10K 画像形成部
11 中間転写ベルト
11b 弾性層
41 二次転写ローラ
41a 芯金
41b 内層
41c 外層
42 ベルトローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性層を有し,無端ベルト状であるとともに複数のベルトローラに架け渡されて回転移動される中間転写ベルトと,前記中間転写ベルト上にトナー像を形成するトナー像形成部と,前記ベルトローラの1つに対向して配置され,前記トナー像形成部によって前記中間転写ベルトに形成されたトナー像を記録部材へ転写する転写ローラとを有する画像形成装置において,
前記転写ローラは,
中心に配置されている芯金と,
最外周に配置されている外層と,
前記芯金と前記外層との間に配置されている内層とを有し,
前記弾性層の硬度と,前記外層の硬度と,前記内層の硬度との関係が,
内層の硬度 > 弾性層の硬度 > 外層の硬度
であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において,
前記外層は,弾性材の発泡材によって形成されており,
前記内層は,弾性材によって形成されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の画像形成装置において,
前記転写ローラと前記中間転写ベルトとの接触箇所に形成されるニップの形状は,
前記中間転写ベルトの移動方向についての中央部においては,前記転写ローラ側が凸の曲面であり,
前記中央部の前後に位置する両端部においては,前記中間転写ベルト側が凸の曲面であることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−22245(P2012−22245A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−161729(P2010−161729)
【出願日】平成22年7月16日(2010.7.16)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】