画像形成装置
【課題】支持ユニットを装置本体に対して着脱させることができながら、画像形成装置の転倒を防止できる画像形成装置を提供すること。
【解決手段】
現像剤を収容する各プロセスカートリッジ13を支持し、本体ケーシング2内に収容される収容位置と、本体ケーシング2から引き出される引出位置とに移動可能で、引出位置において本体ケーシング2に対して着脱可能なプロセスユニット9に、プロセスユニット9が収容位置に配置されているときに、最後方のプロセスカートリッジ13の後端部よりも前側に配置される奥側取っ手33と、奥側取っ手33よりも前側に配置される手前側取っ手32とを設ける。
【解決手段】
現像剤を収容する各プロセスカートリッジ13を支持し、本体ケーシング2内に収容される収容位置と、本体ケーシング2から引き出される引出位置とに移動可能で、引出位置において本体ケーシング2に対して着脱可能なプロセスユニット9に、プロセスユニット9が収容位置に配置されているときに、最後方のプロセスカートリッジ13の後端部よりも前側に配置される奥側取っ手33と、奥側取っ手33よりも前側に配置される手前側取っ手32とを設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式が採用される画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置として、静電潜像が形成される感光ドラムと、感光ドラムに圧接され、感光ドラムにトナーを供給する現像ローラとを備えるプリンタが知られている。
【0003】
このようなプリンタとして、例えば、各色に対応する複数の感光ドラムを一体的に支持し、本体ケーシングに対して着脱可能なドラムユニットと、各感光ドラムに対応してドラムユニットに着脱可能に支持される複数の現像カートリッジとを備えるカラーレーザプリンタが知られている(たとえば、下記特許文献1参照。)。
【0004】
このカラーレーザプリンタでは、ドラムユニットは、その前端部に設けられる手前側把持部と、その後端部に設けられる奥側把持部とを備えている。そして、ドラムユニットは、ユーザが奥側把持部にアクセスできるように、奥側把持部が本体ケーシングのドラム収容空間から露出されるまで、前方に引き出されてから、本体ケーシングから離脱される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−26541号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかるに、上記した特許文献1に記載のカラーレーザプリンタでは、ドラムユニットを本体ケーシングから離脱させるときに、奥側把持部が本体ケーシングのドラム収容空間から露出されるように、ドラムユニットのほぼ全てを本体ケーシングから前方に引き出す必要がある。
【0007】
そのため、ドラムユニットをそのように引き出した状態では、カラーレーザプリンタの重心が前方に大きく移動され、カラーレーザプリンタのバランスが崩れて、カラーレーザプリンタが前方に倒れるおそれがある。
【0008】
そこで、本発明の目的は、支持ユニットを装置本体に対して着脱させることができながら、画像形成装置の転倒を防止できる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)上記した目的を達成するために、本発明の画像形成装置は、装置本体と、現像剤を収容し、互いに間隔を隔てて並列配置される複数のカートリッジと、各カートリッジを支持し、各カートリッジの並列方向において、装置本体内に収容される収容位置と、装置本体から引き出される引出位置とに移動可能で、引出位置において装置本体に対して着脱可能な支持ユニットとを備えている。
【0010】
支持ユニットは、筐体と、第1取手部と、第1取手部よりも引出方向下流側に配置される第2取手部とを備えている。
【0011】
第1取手部は、筐体に接続される接続部と、支持ユニットが収容位置に配置されているときに、引出方向最上流側のカートリッジの引出方向上流側端部よりも引出方向下流側に配置される把持部とを備えている。
(2)また、第1取手部の接続部は、筐体に固定されていてもよい。その場合、第1取手部の把持部は、支持ユニットの重心よりも引出方向上流側に配置され、第2取手部は、支持ユニットの重心よりも引出方向下流側に配置されている。
(3)また、第1取手部の接続部は、筐体に回動可能に接続されていてもよい。その場合、第1取手部の接続部は、支持ユニットの重心よりも引出方向上流側に配置され、第2取手部は、支持ユニットの重心よりも引出方向下流側に配置されている。
【発明の効果】
【0012】
(1)本発明の画像形成装置によれば、第1取手部の把持部は、引出方向最上流側のカートリッジの引出方向上流側端部よりも引出方向下流側に配置されている。
【0013】
そのため、支持ユニットを、その引出方向上流側部分(引出方向最上流側のカートリッジよりも引出方向上流側の部分)が装置本体内に残るように引き出せば、第1取手部の把持部を装置本体から引き出すことができる。
【0014】
つまり、把持部を把持できるように支持ユニットを装置本体から引き出したときに、支持ユニットの引出方向上流側部分を装置本体内に残すことができ、画像形成装置のバランスが崩れることを抑制できる。
【0015】
その結果、支持ユニットを装置本体に対して着脱させることができながら、画像形成装置の転倒を防止できる。
(2)また、第1取手部の接続部が筐体に固定されている場合に、第1取手部の把持部が、支持ユニットの重心よりも引出方向上流側に配置され、第2取手部が、支持ユニットの重心よりも引出方向下流側に配置されていると、装置本体から離脱された支持ユニットを、その重心の引出方向両側で、安定に支持することができる。
(3)また、第1取手部の接続部が筐体に回動可能に接続されている場合に、第1取手部の接続部が、支持ユニットの重心よりも引出方向上流側に配置され、第2取手部が、支持ユニットの重心よりも引出方向下流側に配置されていると、装置本体から離脱された支持ユニットを、その重心の引出方向両側で、安定に支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の画像形成装置の一例としてのプリンタの第1実施形態を示す断面図である。
【図2】図1に示すプロセスユニットを引出位置に引き出した状態を示す断面図である。
【図3】図2に示す引出位置に引き出されたプロセスユニットの平面図である。
【図4】本体ケーシングから離脱されたプロセスユニットの把持を説明する説明図である。
【図5】プリンタの第2実施形態において、本体ケーシングから離脱されたプロセスユニットの把持を説明する説明図である。
【図6】プリンタの第3実施形態を示し、(a)は、プロセスユニットを引出位置に引き出した状態を示す断面図であり、(b)は、本体ケーシングから離脱されたプロセスユニットの把持を説明する説明図である。
【図7】プリンタの第4実施形態において、引出位置に引き出されたプロセスユニットの平面図である。
【図8】プリンタの第4実施形態において、本体ケーシングから離脱されたプロセスユニットの把持を説明する説明図である。
【図9】プリンタの第5実施形態において、引出位置に引き出されたプロセスユニットの平面図である。
【図10】プリンタの第6実施形態において、本体ケーシングから離脱されたプロセスユニットの把持を説明する説明図である。
【図11】プリンタの第7実施形態において、本体ケーシングから離脱されたプロセスユニットの把持を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
1.カラーレーザプリンタの全体構成
図1に示すように、プリンタ1は、横置きタイプのタンデム型カラーレーザプリンタであって、装置本体の一例としての本体ケーシング2内に、用紙Pを給紙するための給紙部3と、給紙された用紙Pに画像を形成するための画像形成部4とを備えている。
(1)本体ケーシング
本体ケーシング2は、画像形成部4を収容する側面視略矩形状のボックス状に形成されており、その一方側壁には、本体開口部23が形成されている。
【0018】
なお、以下の説明において、本体開口部23が形成される側(図1における左側)を前側とし、その反対側(図1における右側)を後側とする。また、プリンタ1を前側から見たときを左右の基準とする。すなわち、図1の紙面手前側が右側であり、紙面奥側が左側である。
【0019】
本体開口部23は、本体ケーシング2の前端部と前側上端部とにわたって形成されている。本体開口部23の前側上端部は、平面視において、プロセスカートリッジ13(後述)の前後方向長さよりも長い前後方向長さで開口されている(図2参照)。
【0020】
また、本体ケーシング2は、その前端部において、フロントカバー5を備えている。
【0021】
フロントカバー5は、本体開口部23を閉鎖(図1参照)または開放(図3参照)できるように、上下方向に延び、その上端部において後側へ屈曲される側面視略L字形状に形成されている。フロントカバー5は、その下端部を支点として揺動可能に設けられている。
【0022】
また、本体ケーシング2の左右方向両側壁には、その上下方向略中央において、前後方向に沿って延びるガイド溝21が形成されている(図2参照)。
【0023】
ガイド溝21は、本体ケーシング2の左右方向両側壁の左右方向内面から左右方向外側へ凹む凹溝である。ガイド溝21の前端部は、上下方向に投影したときに本体開口部23よりも後側に配置されている。また、ガイド溝21の前端部には、ガイド溝21の下壁から上側に向かって膨出する側面視略半円形状のストッパ22が設けられている。
(2)給紙部
給紙部3は、用紙Pを収容する給紙トレイ6を備えている。
【0024】
給紙トレイ6に収容されている用紙Pは、給紙トレイ6の前端部上側に配置される1対のレジストローラ7間に向けて1枚ずつ給紙され、所定のタイミングで、画像形成部4(感光ドラム14(後述)と搬送ベルト17(後述)との間)に向けて搬送される。
(3)画像形成部
画像形成部4は、スキャナユニット8、支持ユニットの一例としてのプロセスユニット9、転写ユニット10、および定着ユニット11を備えている。
(3−1)スキャナユニット
スキャナユニット8は、本体ケーシング2の上部において、上下方向に投影したときに本体開口部23よりも後側に配置されている。スキャナユニット8は、実線で示すように、4つの感光ドラム14(後述)に向けて、画像データに基づくレーザビームをそれぞれ出射し、感光ドラム14(後述)を露光する。
(3−2)プロセスユニット
(3−2−1)プロセスユニットの構成
プロセスユニット9は、スキャナユニット8の下側において、給紙トレイ6の上側に配置されており、1つのドロワユニット12と、各色に対応する4つのカートリッジの一例としてのプロセスカートリッジ13とを備えている。
【0025】
ドロワユニット12は、本体ケーシング2内に収容される収容位置(図1参照)と、本体ケーシング2から引き出される引出位置(図2参照)とに、前後方向に沿ってスライド移動可能に設けられ、引出位置において本体ケーシング2に対して着脱可能である。
【0026】
各プロセスカートリッジ13は、前後方向に沿って並列配置されるように、ドロワユニット12に着脱自在に装着されている。具体的には、前側から後側に向かって、ブラックプロセスカートリッジ13K、イエロープロセスカートリッジ13Y、マゼンタプロセスカートリッジ13Mおよびシアンプロセスカートリッジ13Cが、順次配置されている。なお、各プロセスカートリッジ13は、それらの着脱時にユーザによって把持される取っ手42を、それらの上端部から上側へ向かって立設されるように備えている。
【0027】
また、各プロセスカートリッジ13は、感光ドラム14を備えている。
【0028】
感光ドラム14は、左右方向に沿って延びる略円筒形状に形成され、下側に向けて露出されるように、プロセスカートリッジ13の下端部に回転自在に支持されている。
【0029】
また、プロセスカートリッジ13は、トナーを担持する現像ローラ(図示せず)を、感光ドラム14に前上側から接触されるように回転可能に備えている。また、プロセスカートリッジ13は、感光ドラム14に上側から対向されるように、スコロトロン型の帯電器(図示せず)を備えている。また、プロセスカートリッジ13内には、各色に対応するトナーが収容されている。
(3−2−2)現像動作
プロセスカートリッジ13内のトナーは、現像ローラ(図示せず)の回転に伴って、現像ローラ(図示せず)の表面に担持される。
【0030】
一方、感光ドラム14の表面は、感光ドラム14の回転に伴って、帯電器(図示せず)により一様に帯電された後、スキャナユニット8からのレーザビーム(図1破線参照。)の高速走査により露光される。これにより、用紙Pに形成すべき画像に対応した静電潜像が感光ドラム14の表面に形成される。
【0031】
感光ドラム14がさらに回転すると、現像ローラ(図示せず)の表面に担持されているトナーが、感光ドラム14の表面に形成されている静電潜像に供給される。これにより、感光ドラム14の静電潜像は可視像化され、感光ドラム14の表面には、反転現像によるトナー像が担持される。
(3−3)転写ユニット
転写ユニット10は、本体ケーシング2内において、プロセスユニット9の下側であって、給紙部3の上側に、前後方向に沿って配置されている。転写ユニット10は、駆動ローラ15、従動ローラ16、搬送ベルト17を備えている。
【0032】
駆動ローラ15および従動ローラ16は、前後方向に間隔を隔てて対向配置されている。
【0033】
搬送ベルト17は、その上側部分が各感光ドラム14に接触されるように、駆動ローラ15および従動ローラ16の周りに掛け渡されている。また、搬送ベルト17は、駆動ローラ15の駆動および従動ローラ16の従動により、各感光ドラム14と接触する上側部分が前側から後側に向かって移動するように、周回移動されている。
【0034】
そして、給紙部3から給紙された用紙Pは、搬送ベルト17によって、前側から後側に向かって、各感光ドラム14と搬送ベルト17とが対向する転写位置を順次通過するように搬送される。その搬送中に、各感光ドラム14に担持されている各色のトナー像が用紙Pに順次転写され、用紙P上にカラー画像が形成される。
(3−4)定着ユニット
定着ユニット11は、プロセスユニット9の後側に配置され、加熱ローラ18、および、加熱ローラ18に対向する加圧ローラ19を備えている。
【0035】
そして、上記のように用紙Pに転写されたカラー画像は、定着ユニット11において、用紙Pが加熱ローラ18と加圧ローラ19との間を通過する間に、加熱および加圧されることによって用紙Pに熱定着される。
(4)排紙
定着ユニット11においてトナー像を定着された用紙Pは、本体ケーシング2の上面に形成される排紙トレイ20上に排紙される。
2.プロセスユニットの詳細
(1)ドロワユニットの構成
ドロワユニット12は、図2および図3に示すように、各プロセスカートリッジ13を支持する筐体の一例としてのドロワフレーム31と、ドロワフレーム31の前側を支持するための第2取手部の一例としての手前側取っ手32と、ドロワフレーム31の後側を支持するための第1取手部の一例としての奥側取っ手33とを備えている。
【0036】
ドロワフレーム31は、略矩形枠形状に形成されており、左右1対の側壁34、前壁35、後壁36、および、3つの仕切壁37を備えている。
【0037】
両側壁34は、前後方向に長手の略矩形平板形状に形成され、各プロセスカートリッジ13を挟むように、互いに左右方向に間隔を隔てて対向配置されている。また、側壁34の後端部には、最後方のシアンプロセスカートリッジ13Cの後側において、本体ケーシング2のガイド溝21内に嵌合されるころ38が、回転可能に設けられている。
【0038】
ころ38は、プロセスユニット9が引出位置に引き出されたときに、ガイド溝21内のストッパ22に後側から当接される。
【0039】
前壁35は、両側壁34の前端部間に架設される略平板形状に形成されている。
【0040】
後壁36は、両側壁34の後端部間に架設される略平板形状に形成されている。
【0041】
各仕切壁37は、略平板形状に形成され、前壁35と後壁36との間において、等間隔を隔てて並列配置されるように、両側壁34間に架設されている。つまり、前壁35、後壁36および両側壁34に囲まれる空間は、各仕切壁37により、前後方向に4等分されている。そして、各仕切壁37によって仕切られた4つの空間に、各プロセスカートリッジ13が1つずつ装着される。
【0042】
手前側取っ手32は、前壁35の左右方向略中央に設けられている。手前側取っ手32は、前壁35の上端部の前面から連続して前側へ向かって延び、その前端部において下側へ屈曲される側面視略L字形状に形成されている。
【0043】
奥側取っ手33は、最後方の仕切壁37の左右方向略中央において、仕切壁37の上面から連続して上側へ向かって立設されている。つまり、奥側取っ手33は、最後方のシアンプロセスカートリッジ13Cよりも前側に配置されている。
【0044】
また、奥側取っ手33は、下側が開放された正面視略U字形状に形成され、左右1対の脚部39と、把持部40とを一体的に備えている。
【0045】
両脚部39は、仕切壁37の上面から連続して上側へ向かって延びる略角柱形状に形成されている。両脚部39の下端部は、仕切壁37に接続される接続部として機能し、仕切壁37に固定されている。
【0046】
把持部40は、両脚部39の上端部間に架設されるように、左右方向に延びる略角柱形状に形成されている。また、把持部40は、プロセスカートリッジ13の取っ手42よりも上側に配置されている。
(2)本体ケーシングに対するプロセスカートリッジの着脱
使用済みのプロセスカートリッジ13を未使用のプロセスカートリッジ13に交換するときなど、本体ケーシング2に対してプロセスカートリッジ13を着脱させるときには、まず、図2に示すように、フロントカバー5を開放して、ドロワユニット12の手前側取っ手32を把持し、ころ38がストッパ22に当接されるまで、プロセスユニット9を前側へ引き出す。これにより、プロセスユニット9は、引出位置に配置される。
【0047】
このとき、各プロセスカートリッジ13は、本体ケーシング2の上壁よりも前側に引き出されている(図3参照)。また、シアンプロセスカートリッジ13Cは、上下方向に投影したときに、本体ケーシング2の前端部と重なるように配置されている。
【0048】
そして、使用済みのプロセスカートリッジ13をドロワユニット12から上側へ離脱させ、未使用のプロセスカートリッジ13を上側からドロワユニット12に装着する。なお、シアンプロセスカートリッジ13Cは、本体開口部23の上下方向に通過するように、ドロワユニット12に対して着脱される。
【0049】
その後、再び、プロセスユニット9を本体ケーシング2内に収容し、フロントカバー5を閉鎖する。これにより、プロセスカートリッジ13の本体ケーシング2への交換作業が完了する。
(3)本体ケーシングに対するプロセスユニットの着脱
搬送ベルト17と各感光ドラム14との間に用紙Pが詰まった場合などには、プロセスユニット9を本体ケーシング2から離脱させる。
【0050】
プロセスユニット9を本体ケーシング2から離脱させるには、まず、上記し、図2に示すように、プロセスユニット9を本体ケーシング2から引き出して、引出位置に配置する。
【0051】
このとき、プロセスユニット9の奥側取っ手33は、本体開口部23の後端部よりも前側に引き出されている。すなわち、奥側取っ手33の把持部40は、本体開口部23から露出されている。
【0052】
次いで、一方の手で手前側取っ手32を把持した状態で、他方の手で奥側取っ手33の把持部40を把持し、プロセスユニット9の前端部を、プロセスユニット9の後端部を支点として回動させるように、上側へ持ち上げる。
【0053】
そして、ころ38がストッパ22を前側へ向かって乗り越えるように、プロセスユニット9を本体ケーシング2から離脱させる。
【0054】
離脱されたプロセスユニット9の重心Bは、図4に示すように、プロセスユニット9の前後方向略中央に存在している。つまり、プロセスユニット9が本体ケーシング2から離脱されたときには、奥側取っ手33の把持部40は、プロセスユニット9の重心Bよりも後側に配置され、手前側取っ手32は、プロセスユニット9の重心Bよりも前側に配置されている。
【0055】
そして、プロセスユニット9の離脱によって露出された搬送ベルト17の上から、詰まった用紙Pを取り除く。
【0056】
その後、手前側取っ手32と奥側取っ手33とを把持して、プロセスユニット9の後端部を、ころ38がストッパ22の後側においてガイド溝21に嵌合されるように、本体ケーシング2内に挿入する。
【0057】
そして、奥側取っ手33から手を放して、プロセスユニット9を後側へ押し込み、プロセスユニット9を本体ケーシング2内に収容して、フロントカバー5を閉鎖する。
【0058】
これにより、プロセスユニット9の本体ケーシング2への着脱作業が完了する。
3.作用効果
(1)このプリンタ1によれば、図1に示すように、奥側取っ手33は、最後方の仕切壁37の上端部に立設されている。すなわち、奥側取っ手33の把持部40は、最後方のシアンプロセスカートリッジ13Cの後端部よりも前側に配置されている。
【0059】
そのため、プロセスユニット9を、その後端部(最後方のシアンプロセスカートリッジ13Cよりも後側の部分)が本体ケーシング2内に残るように引き出せば、奥側取っ手33の把持部40を本体ケーシング2から引き出すことができる。
【0060】
つまり、奥側取っ手33の把持部40を把持できるようにプロセスユニット9を本体ケーシング2から引き出したときに、プロセスユニット9の後端部を本体ケーシング2内に残すことができ、プリンタ1のバランスが崩れることを抑制できる。
【0061】
その結果、プロセスユニット9を本体ケーシング2に対して着脱させることができながら、プリンタ1の転倒を防止できる。
(2)また、このプリンタ1によれば、図4に示すように、奥側取っ手33の脚部39が、その下端部において側壁34に固定されており、奥側取っ手33の把持部40が、プロセスユニット9の重心Bよりも後側に配置され、手前側取っ手32がプロセスユニット9の重心Bよりも前側に配置されている。
【0062】
そのため、本体ケーシング2から離脱されたプロセスユニット9を、その重心Bの前後両側で、安定に把持することができる。
4.第2実施形態
図5を参照して、プリンタ1の第2実施形態を説明する。なお、第2実施形態において、上記した第1実施形態と同様の部材には同様の符号を付し、その説明を省略する。
【0063】
上記した第1実施形態では、奥側取っ手33を、最後方の仕切壁37の上面に、上下方向に延びるように設けているが、第2実施形態では、例えば、図5に示すように、奥側取っ手33を、後側へ屈曲する側面視略L字形状に形成し、その把持部40が最後方の仕切壁37の上側に配置されるように、最前方の仕切壁37の上面に設けてもよい。
【0064】
詳しくは、両脚部39は、最前方の仕切壁37の上面から連続して上側へ向かって延び、その上端部において後側へ屈曲されて後側へ延びている。両脚部39の後端部は、最後方の仕切壁37の上側に配置されている。
【0065】
そして、把持部40は、両脚部39の後端部間に架設されている。
【0066】
これにより、奥側取っ手33の把持部40は、プロセスユニット9の重心Bよりも後側に配置され、手前側取っ手32は、プロセスユニット9の重心Bよりも前側に配置されている。
5.第3実施形態
図6を参照して、プリンタ1の第3実施形態を説明する。なお、第3実施形態において、上記した第1実施形態と同様の部材には同様の符号を付し、その説明を省略する。
【0067】
上記した第1実施形態では、奥側取っ手33を最後方の仕切壁37の上端部に固定しているが、第3実施形態では、図6に示すように、奥側取っ手33を、最後方の仕切壁37に上下方向に進退可能に設けている。
【0068】
詳しくは、最後方の仕切壁37の左右方向略中央に左右方向にわたって、把持部収容穴41を設け、奥側取っ手33を、把持部収容穴41内に進退可能に収容する。
【0069】
把持部収容穴41は、仕切壁37の上面から下側へ向かって凹み、左右方向両端部が鉤状となるように、形成されている。
【0070】
そして、奥側取っ手33は、把持部収容穴41内に退避される退避位置(図6(a)参照)と、把持部収容穴41から上側へ進出される進出位置(図6(b)参照)とに進退可能に設けられている。
【0071】
なお、奥側取っ手33は、退避位置において、プロセスカートリッジ13の取っ手42とほぼ同じ突出長さ(上下方向長さ)で把持部収容穴41から上側に突出され、進出位置において、プロセスカートリッジ13の取っ手42よりも上側に突出される。なお、奥側取っ手33は、その下端部の左右方向両端部が、把持部収容穴41内の左右両端部(鉤状の部分)に当接されて、それ以上の上側への進出が規制されている。
【0072】
また、奥側取っ手33の把持部40は、プロセスユニット9の重心Bよりも後側に配置され、手前側取っ手32は、プロセスユニット9の重心Bよりも前側に配置されている。
【0073】
そして、プロセスユニット9を本体ケーシング2内に収容するときには、奥側取っ手33を退避位置に収容し、プロセスユニット9を本体ケーシング2から離脱させるときには、奥側取っ手33を進出位置に引き出して、奥側取っ手33を把持する。
【0074】
第3実施形態においても、上記した第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0075】
また、第3実施形態では、プロセスユニット9を本体ケーシング2内に収容するときには、奥側取っ手33を退避位置に収容することができ、プロセスユニット9をコンパクトに本体ケーシング2内に収容することができる。
【0076】
また、プロセスユニット9を本体ケーシング2から離脱させるときには、奥側取っ手33を進出位置に引き出して、奥側取っ手33を把持することができ、奥側取っ手33を容易に把持することができる。
6.第4実施形態
図7および図8を参照して、プリンタ1の第4実施形態を説明する。なお、第4実施形態において、上記した第1実施形態と同様の部材には同様の符号を付し、その説明を省略する。
【0077】
上記した第1実施形態では、奥側取っ手33を最後方の仕切壁37の上端部に固定しているが、第4実施形態では、図8に示すように、奥側取っ手45を、両側壁34の後端部に回動可能に設けている。
【0078】
詳しくは、奥側取っ手45は、上下方向に起立される起立位置と、前後方向に傾倒される傾倒位置とに回動される。
【0079】
なお、奥側取っ手45は、起立位置において、その上端部がプロセスカートリッジ13の取っ手42よりも上側に配置されるように起立され、傾倒位置において、その上端部がプロセスカートリッジ13の取っ手42よりも下側に配置されるように傾倒される。
【0080】
また、奥側取っ手45は、図7に示すように、一方に開放された略U字形の角柱形状に屈曲形成され、左右1対の脚部39と、把持部40とを一体的に備えている。
【0081】
両脚部39は、一方と他方(一方と反対側の方向)とを結ぶ方向に延びる略角柱形状に形成されている。
【0082】
把持部40は、両脚部39の他端部間に架設されるように、左右方向に延びる略角柱形状に形成されている。
【0083】
そして、奥側取っ手45は、両脚部39の一端部において、ドロワユニット12の側壁34の後端部(シアンプロセスカートリッジ13Cより後側の側壁34)の上面に回動可能に接続されている。つまり、両脚部39の一端部は、仕切壁37に接続される接続部として機能する。
【0084】
これにより、奥側取っ手45の接続部(両脚部39の一端部)は、プロセスユニット9の重心Bよりも後側に配置され、手前側取っ手32は、プロセスユニット9の重心Bよりも前側に配置されている。
【0085】
また、奥側取っ手45が傾倒位置に配置されているときには、把持部40は、最後方の仕切壁37の上側に配置され、両脚部39は、最後方のプロセスカートリッジ13の左右方向外側の側壁34の上側に配置される。
【0086】
そして、プロセスユニット9を本体ケーシング2内に収容するときには、奥側取っ手45を傾倒させ、プロセスユニット9を本体ケーシング2から離脱させるときには、奥側取っ手45を、傾倒位置から右側面視時計回りに回動させて起立させ、奥側取っ手45の把持部40を把持する。
【0087】
第4実施形態においても、上記した第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0088】
また、第4実施形態では、図8に示すように、奥側取っ手45の両脚部39が、最後方のシアンプロセスカートリッジ13Cの前側に隣接されるマゼンタプロセスカートリッジ13Mよりも後側において、プロセスユニット9に回動可能に接続されている。
【0089】
そのため、プロセスユニット9が収容位置に配置されているときに、奥側取っ手45を前側に傾倒させておけば、プロセスユニット9を、上下方向にコンパクトに本体ケーシング2内に収容することができる。
【0090】
また、プロセスユニット9を引き出したときには、傾倒された奥側取っ手45の把持部40を、前側から容易に把持することができる。
【0091】
また、奥側取っ手45の両脚部39の一端部が、プロセスユニット9の重心Bよりも後側において、ドロワフレーム31に回動可能に接続され、手前側取っ手32が、プロセスユニット9の重心Bよりも前側に配置されているので、本体ケーシング2から離脱されたプロセスユニット9を、その重心Bの前後両側で、安定に支持することができる。
7.第5実施形態
図9を参照して、プリンタ1の第5実施形態を説明する。なお、第5実施形態において、上記した第4実施形態と同様の部材には同様の符号を付し、その説明を省略する。
【0092】
また、上記した第4実施形態では、奥側取っ手45の両脚部39を、それぞれ、その一端部において、ドロワユニット12の側壁34の後端部の上面に回動可能に接続したが、第5実施形態では、図9に示すように、奥側取っ手45の両脚部39を、最後方のシアンプロセスカートリッジ13Cの左右方向両側において、ドロワユニット12の側壁34に回動可能に接続することもできる。
【0093】
この場合にも、奥側取っ手45の接続部(両脚部39の一端部)は、プロセスユニット9の重心Bよりも後側に配置され、手前側取っ手32は、プロセスユニット9の重心Bよりも前側に配置されている。
【0094】
また、上記した第4実施形態では、奥側取っ手45が傾倒位置に配置されているときに、奥側取っ手45の把持部40を、最後方の仕切壁37の上側に配置させたが、第5実施形態では、図9に示すように、奥側取っ手45の把持部40を、他の仕切壁37の上側に配置させることもできる。
8.第6実施形態
図10を参照して、プリンタ1の第6実施形態を説明する。なお、第6実施形態において、上記した第4実施形態と同様の部材には同様の符号を付し、その説明を省略する。
【0095】
また、第6実施形態では、図10に示すように、上記した第4実施形態において、奥側取っ手45の回動範囲を規制することもできる。
【0096】
詳しくは、両脚部39の一端部を、その後端部がその前端部よりも一方に突出するように、一方へ向かうに従って後側へ傾斜するように切り欠き形成する。
【0097】
これにより、奥側取っ手45を傾倒位置から起立させるように回動させると、両脚部39の後端部が側壁34の上端部に当接されることにより、奥側取っ手45のそれ以上の回動が規制され、把持部40は、シアンプロセスカートリッジ13Cの上側に位置規制される。
【0098】
この場合にも、奥側取っ手45の接続部(両脚部39の一端部)は、プロセスユニット9の重心Bよりも後側に配置され、手前側取っ手32は、プロセスユニット9の重心Bよりも前側に配置されている。
9.第7実施形態
図11を参照して、プリンタ1の第7実施形態を説明する。なお、第7実施形態において、上記した第6実施形態と同様の部材には同様の符号を付し、その説明を省略する。
【0099】
上記した第6実施形態では、奥側取っ手33を、両側壁34の後端部に回動可能に設けているが、第7実施形態では、例えば、図11に示すように、奥側取っ手33を、最前方の仕切壁37の左右方向両側において、側壁34に、回動可能に設けてもよい。
【0100】
詳しくは、両脚部39は、その一端部において、最前方の仕切壁37の左右方向両側の側壁34に回動可能に接続されている。なお、両脚部39の他端部は、奥側取っ手33が傾倒されたときに、最後方の仕切壁37の左右方向両側に配置される。
【0101】
つまり、奥側取っ手45が傾倒位置に配置されているときには、把持部40は、最後方の仕切壁37の上側に配置される。
【0102】
そして、奥側取っ手45を傾倒位置から起立させるように、右側面視反時計回りに回動させると、両脚部39の一端部が側壁34の上端部に当接されることにより、奥側取っ手45のそれ以上の回動が規制される。
【0103】
このとき、把持部40は、マゼンタプロセスカートリッジ13Mの上側に位置規制される。
10.その他の実施形態
上記した第1実施形態では、本体開口部23は、本体ケーシング2の前端部と前側上端部とにわたって形成しているが、本体開口部23は、ドロワユニット12を引き出し可能に開口されていればよく、例えば、本体ケーシング2の前端部のみ開口されていてもよい。
【符号の説明】
【0104】
1 プリンタ
2 本体ケーシング
9 プロセスユニット
13 プロセスカートリッジ
32 手前側把持部
33 奥側把持部
45 奥側把持部
B 重心
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式が採用される画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置として、静電潜像が形成される感光ドラムと、感光ドラムに圧接され、感光ドラムにトナーを供給する現像ローラとを備えるプリンタが知られている。
【0003】
このようなプリンタとして、例えば、各色に対応する複数の感光ドラムを一体的に支持し、本体ケーシングに対して着脱可能なドラムユニットと、各感光ドラムに対応してドラムユニットに着脱可能に支持される複数の現像カートリッジとを備えるカラーレーザプリンタが知られている(たとえば、下記特許文献1参照。)。
【0004】
このカラーレーザプリンタでは、ドラムユニットは、その前端部に設けられる手前側把持部と、その後端部に設けられる奥側把持部とを備えている。そして、ドラムユニットは、ユーザが奥側把持部にアクセスできるように、奥側把持部が本体ケーシングのドラム収容空間から露出されるまで、前方に引き出されてから、本体ケーシングから離脱される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−26541号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかるに、上記した特許文献1に記載のカラーレーザプリンタでは、ドラムユニットを本体ケーシングから離脱させるときに、奥側把持部が本体ケーシングのドラム収容空間から露出されるように、ドラムユニットのほぼ全てを本体ケーシングから前方に引き出す必要がある。
【0007】
そのため、ドラムユニットをそのように引き出した状態では、カラーレーザプリンタの重心が前方に大きく移動され、カラーレーザプリンタのバランスが崩れて、カラーレーザプリンタが前方に倒れるおそれがある。
【0008】
そこで、本発明の目的は、支持ユニットを装置本体に対して着脱させることができながら、画像形成装置の転倒を防止できる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)上記した目的を達成するために、本発明の画像形成装置は、装置本体と、現像剤を収容し、互いに間隔を隔てて並列配置される複数のカートリッジと、各カートリッジを支持し、各カートリッジの並列方向において、装置本体内に収容される収容位置と、装置本体から引き出される引出位置とに移動可能で、引出位置において装置本体に対して着脱可能な支持ユニットとを備えている。
【0010】
支持ユニットは、筐体と、第1取手部と、第1取手部よりも引出方向下流側に配置される第2取手部とを備えている。
【0011】
第1取手部は、筐体に接続される接続部と、支持ユニットが収容位置に配置されているときに、引出方向最上流側のカートリッジの引出方向上流側端部よりも引出方向下流側に配置される把持部とを備えている。
(2)また、第1取手部の接続部は、筐体に固定されていてもよい。その場合、第1取手部の把持部は、支持ユニットの重心よりも引出方向上流側に配置され、第2取手部は、支持ユニットの重心よりも引出方向下流側に配置されている。
(3)また、第1取手部の接続部は、筐体に回動可能に接続されていてもよい。その場合、第1取手部の接続部は、支持ユニットの重心よりも引出方向上流側に配置され、第2取手部は、支持ユニットの重心よりも引出方向下流側に配置されている。
【発明の効果】
【0012】
(1)本発明の画像形成装置によれば、第1取手部の把持部は、引出方向最上流側のカートリッジの引出方向上流側端部よりも引出方向下流側に配置されている。
【0013】
そのため、支持ユニットを、その引出方向上流側部分(引出方向最上流側のカートリッジよりも引出方向上流側の部分)が装置本体内に残るように引き出せば、第1取手部の把持部を装置本体から引き出すことができる。
【0014】
つまり、把持部を把持できるように支持ユニットを装置本体から引き出したときに、支持ユニットの引出方向上流側部分を装置本体内に残すことができ、画像形成装置のバランスが崩れることを抑制できる。
【0015】
その結果、支持ユニットを装置本体に対して着脱させることができながら、画像形成装置の転倒を防止できる。
(2)また、第1取手部の接続部が筐体に固定されている場合に、第1取手部の把持部が、支持ユニットの重心よりも引出方向上流側に配置され、第2取手部が、支持ユニットの重心よりも引出方向下流側に配置されていると、装置本体から離脱された支持ユニットを、その重心の引出方向両側で、安定に支持することができる。
(3)また、第1取手部の接続部が筐体に回動可能に接続されている場合に、第1取手部の接続部が、支持ユニットの重心よりも引出方向上流側に配置され、第2取手部が、支持ユニットの重心よりも引出方向下流側に配置されていると、装置本体から離脱された支持ユニットを、その重心の引出方向両側で、安定に支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の画像形成装置の一例としてのプリンタの第1実施形態を示す断面図である。
【図2】図1に示すプロセスユニットを引出位置に引き出した状態を示す断面図である。
【図3】図2に示す引出位置に引き出されたプロセスユニットの平面図である。
【図4】本体ケーシングから離脱されたプロセスユニットの把持を説明する説明図である。
【図5】プリンタの第2実施形態において、本体ケーシングから離脱されたプロセスユニットの把持を説明する説明図である。
【図6】プリンタの第3実施形態を示し、(a)は、プロセスユニットを引出位置に引き出した状態を示す断面図であり、(b)は、本体ケーシングから離脱されたプロセスユニットの把持を説明する説明図である。
【図7】プリンタの第4実施形態において、引出位置に引き出されたプロセスユニットの平面図である。
【図8】プリンタの第4実施形態において、本体ケーシングから離脱されたプロセスユニットの把持を説明する説明図である。
【図9】プリンタの第5実施形態において、引出位置に引き出されたプロセスユニットの平面図である。
【図10】プリンタの第6実施形態において、本体ケーシングから離脱されたプロセスユニットの把持を説明する説明図である。
【図11】プリンタの第7実施形態において、本体ケーシングから離脱されたプロセスユニットの把持を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
1.カラーレーザプリンタの全体構成
図1に示すように、プリンタ1は、横置きタイプのタンデム型カラーレーザプリンタであって、装置本体の一例としての本体ケーシング2内に、用紙Pを給紙するための給紙部3と、給紙された用紙Pに画像を形成するための画像形成部4とを備えている。
(1)本体ケーシング
本体ケーシング2は、画像形成部4を収容する側面視略矩形状のボックス状に形成されており、その一方側壁には、本体開口部23が形成されている。
【0018】
なお、以下の説明において、本体開口部23が形成される側(図1における左側)を前側とし、その反対側(図1における右側)を後側とする。また、プリンタ1を前側から見たときを左右の基準とする。すなわち、図1の紙面手前側が右側であり、紙面奥側が左側である。
【0019】
本体開口部23は、本体ケーシング2の前端部と前側上端部とにわたって形成されている。本体開口部23の前側上端部は、平面視において、プロセスカートリッジ13(後述)の前後方向長さよりも長い前後方向長さで開口されている(図2参照)。
【0020】
また、本体ケーシング2は、その前端部において、フロントカバー5を備えている。
【0021】
フロントカバー5は、本体開口部23を閉鎖(図1参照)または開放(図3参照)できるように、上下方向に延び、その上端部において後側へ屈曲される側面視略L字形状に形成されている。フロントカバー5は、その下端部を支点として揺動可能に設けられている。
【0022】
また、本体ケーシング2の左右方向両側壁には、その上下方向略中央において、前後方向に沿って延びるガイド溝21が形成されている(図2参照)。
【0023】
ガイド溝21は、本体ケーシング2の左右方向両側壁の左右方向内面から左右方向外側へ凹む凹溝である。ガイド溝21の前端部は、上下方向に投影したときに本体開口部23よりも後側に配置されている。また、ガイド溝21の前端部には、ガイド溝21の下壁から上側に向かって膨出する側面視略半円形状のストッパ22が設けられている。
(2)給紙部
給紙部3は、用紙Pを収容する給紙トレイ6を備えている。
【0024】
給紙トレイ6に収容されている用紙Pは、給紙トレイ6の前端部上側に配置される1対のレジストローラ7間に向けて1枚ずつ給紙され、所定のタイミングで、画像形成部4(感光ドラム14(後述)と搬送ベルト17(後述)との間)に向けて搬送される。
(3)画像形成部
画像形成部4は、スキャナユニット8、支持ユニットの一例としてのプロセスユニット9、転写ユニット10、および定着ユニット11を備えている。
(3−1)スキャナユニット
スキャナユニット8は、本体ケーシング2の上部において、上下方向に投影したときに本体開口部23よりも後側に配置されている。スキャナユニット8は、実線で示すように、4つの感光ドラム14(後述)に向けて、画像データに基づくレーザビームをそれぞれ出射し、感光ドラム14(後述)を露光する。
(3−2)プロセスユニット
(3−2−1)プロセスユニットの構成
プロセスユニット9は、スキャナユニット8の下側において、給紙トレイ6の上側に配置されており、1つのドロワユニット12と、各色に対応する4つのカートリッジの一例としてのプロセスカートリッジ13とを備えている。
【0025】
ドロワユニット12は、本体ケーシング2内に収容される収容位置(図1参照)と、本体ケーシング2から引き出される引出位置(図2参照)とに、前後方向に沿ってスライド移動可能に設けられ、引出位置において本体ケーシング2に対して着脱可能である。
【0026】
各プロセスカートリッジ13は、前後方向に沿って並列配置されるように、ドロワユニット12に着脱自在に装着されている。具体的には、前側から後側に向かって、ブラックプロセスカートリッジ13K、イエロープロセスカートリッジ13Y、マゼンタプロセスカートリッジ13Mおよびシアンプロセスカートリッジ13Cが、順次配置されている。なお、各プロセスカートリッジ13は、それらの着脱時にユーザによって把持される取っ手42を、それらの上端部から上側へ向かって立設されるように備えている。
【0027】
また、各プロセスカートリッジ13は、感光ドラム14を備えている。
【0028】
感光ドラム14は、左右方向に沿って延びる略円筒形状に形成され、下側に向けて露出されるように、プロセスカートリッジ13の下端部に回転自在に支持されている。
【0029】
また、プロセスカートリッジ13は、トナーを担持する現像ローラ(図示せず)を、感光ドラム14に前上側から接触されるように回転可能に備えている。また、プロセスカートリッジ13は、感光ドラム14に上側から対向されるように、スコロトロン型の帯電器(図示せず)を備えている。また、プロセスカートリッジ13内には、各色に対応するトナーが収容されている。
(3−2−2)現像動作
プロセスカートリッジ13内のトナーは、現像ローラ(図示せず)の回転に伴って、現像ローラ(図示せず)の表面に担持される。
【0030】
一方、感光ドラム14の表面は、感光ドラム14の回転に伴って、帯電器(図示せず)により一様に帯電された後、スキャナユニット8からのレーザビーム(図1破線参照。)の高速走査により露光される。これにより、用紙Pに形成すべき画像に対応した静電潜像が感光ドラム14の表面に形成される。
【0031】
感光ドラム14がさらに回転すると、現像ローラ(図示せず)の表面に担持されているトナーが、感光ドラム14の表面に形成されている静電潜像に供給される。これにより、感光ドラム14の静電潜像は可視像化され、感光ドラム14の表面には、反転現像によるトナー像が担持される。
(3−3)転写ユニット
転写ユニット10は、本体ケーシング2内において、プロセスユニット9の下側であって、給紙部3の上側に、前後方向に沿って配置されている。転写ユニット10は、駆動ローラ15、従動ローラ16、搬送ベルト17を備えている。
【0032】
駆動ローラ15および従動ローラ16は、前後方向に間隔を隔てて対向配置されている。
【0033】
搬送ベルト17は、その上側部分が各感光ドラム14に接触されるように、駆動ローラ15および従動ローラ16の周りに掛け渡されている。また、搬送ベルト17は、駆動ローラ15の駆動および従動ローラ16の従動により、各感光ドラム14と接触する上側部分が前側から後側に向かって移動するように、周回移動されている。
【0034】
そして、給紙部3から給紙された用紙Pは、搬送ベルト17によって、前側から後側に向かって、各感光ドラム14と搬送ベルト17とが対向する転写位置を順次通過するように搬送される。その搬送中に、各感光ドラム14に担持されている各色のトナー像が用紙Pに順次転写され、用紙P上にカラー画像が形成される。
(3−4)定着ユニット
定着ユニット11は、プロセスユニット9の後側に配置され、加熱ローラ18、および、加熱ローラ18に対向する加圧ローラ19を備えている。
【0035】
そして、上記のように用紙Pに転写されたカラー画像は、定着ユニット11において、用紙Pが加熱ローラ18と加圧ローラ19との間を通過する間に、加熱および加圧されることによって用紙Pに熱定着される。
(4)排紙
定着ユニット11においてトナー像を定着された用紙Pは、本体ケーシング2の上面に形成される排紙トレイ20上に排紙される。
2.プロセスユニットの詳細
(1)ドロワユニットの構成
ドロワユニット12は、図2および図3に示すように、各プロセスカートリッジ13を支持する筐体の一例としてのドロワフレーム31と、ドロワフレーム31の前側を支持するための第2取手部の一例としての手前側取っ手32と、ドロワフレーム31の後側を支持するための第1取手部の一例としての奥側取っ手33とを備えている。
【0036】
ドロワフレーム31は、略矩形枠形状に形成されており、左右1対の側壁34、前壁35、後壁36、および、3つの仕切壁37を備えている。
【0037】
両側壁34は、前後方向に長手の略矩形平板形状に形成され、各プロセスカートリッジ13を挟むように、互いに左右方向に間隔を隔てて対向配置されている。また、側壁34の後端部には、最後方のシアンプロセスカートリッジ13Cの後側において、本体ケーシング2のガイド溝21内に嵌合されるころ38が、回転可能に設けられている。
【0038】
ころ38は、プロセスユニット9が引出位置に引き出されたときに、ガイド溝21内のストッパ22に後側から当接される。
【0039】
前壁35は、両側壁34の前端部間に架設される略平板形状に形成されている。
【0040】
後壁36は、両側壁34の後端部間に架設される略平板形状に形成されている。
【0041】
各仕切壁37は、略平板形状に形成され、前壁35と後壁36との間において、等間隔を隔てて並列配置されるように、両側壁34間に架設されている。つまり、前壁35、後壁36および両側壁34に囲まれる空間は、各仕切壁37により、前後方向に4等分されている。そして、各仕切壁37によって仕切られた4つの空間に、各プロセスカートリッジ13が1つずつ装着される。
【0042】
手前側取っ手32は、前壁35の左右方向略中央に設けられている。手前側取っ手32は、前壁35の上端部の前面から連続して前側へ向かって延び、その前端部において下側へ屈曲される側面視略L字形状に形成されている。
【0043】
奥側取っ手33は、最後方の仕切壁37の左右方向略中央において、仕切壁37の上面から連続して上側へ向かって立設されている。つまり、奥側取っ手33は、最後方のシアンプロセスカートリッジ13Cよりも前側に配置されている。
【0044】
また、奥側取っ手33は、下側が開放された正面視略U字形状に形成され、左右1対の脚部39と、把持部40とを一体的に備えている。
【0045】
両脚部39は、仕切壁37の上面から連続して上側へ向かって延びる略角柱形状に形成されている。両脚部39の下端部は、仕切壁37に接続される接続部として機能し、仕切壁37に固定されている。
【0046】
把持部40は、両脚部39の上端部間に架設されるように、左右方向に延びる略角柱形状に形成されている。また、把持部40は、プロセスカートリッジ13の取っ手42よりも上側に配置されている。
(2)本体ケーシングに対するプロセスカートリッジの着脱
使用済みのプロセスカートリッジ13を未使用のプロセスカートリッジ13に交換するときなど、本体ケーシング2に対してプロセスカートリッジ13を着脱させるときには、まず、図2に示すように、フロントカバー5を開放して、ドロワユニット12の手前側取っ手32を把持し、ころ38がストッパ22に当接されるまで、プロセスユニット9を前側へ引き出す。これにより、プロセスユニット9は、引出位置に配置される。
【0047】
このとき、各プロセスカートリッジ13は、本体ケーシング2の上壁よりも前側に引き出されている(図3参照)。また、シアンプロセスカートリッジ13Cは、上下方向に投影したときに、本体ケーシング2の前端部と重なるように配置されている。
【0048】
そして、使用済みのプロセスカートリッジ13をドロワユニット12から上側へ離脱させ、未使用のプロセスカートリッジ13を上側からドロワユニット12に装着する。なお、シアンプロセスカートリッジ13Cは、本体開口部23の上下方向に通過するように、ドロワユニット12に対して着脱される。
【0049】
その後、再び、プロセスユニット9を本体ケーシング2内に収容し、フロントカバー5を閉鎖する。これにより、プロセスカートリッジ13の本体ケーシング2への交換作業が完了する。
(3)本体ケーシングに対するプロセスユニットの着脱
搬送ベルト17と各感光ドラム14との間に用紙Pが詰まった場合などには、プロセスユニット9を本体ケーシング2から離脱させる。
【0050】
プロセスユニット9を本体ケーシング2から離脱させるには、まず、上記し、図2に示すように、プロセスユニット9を本体ケーシング2から引き出して、引出位置に配置する。
【0051】
このとき、プロセスユニット9の奥側取っ手33は、本体開口部23の後端部よりも前側に引き出されている。すなわち、奥側取っ手33の把持部40は、本体開口部23から露出されている。
【0052】
次いで、一方の手で手前側取っ手32を把持した状態で、他方の手で奥側取っ手33の把持部40を把持し、プロセスユニット9の前端部を、プロセスユニット9の後端部を支点として回動させるように、上側へ持ち上げる。
【0053】
そして、ころ38がストッパ22を前側へ向かって乗り越えるように、プロセスユニット9を本体ケーシング2から離脱させる。
【0054】
離脱されたプロセスユニット9の重心Bは、図4に示すように、プロセスユニット9の前後方向略中央に存在している。つまり、プロセスユニット9が本体ケーシング2から離脱されたときには、奥側取っ手33の把持部40は、プロセスユニット9の重心Bよりも後側に配置され、手前側取っ手32は、プロセスユニット9の重心Bよりも前側に配置されている。
【0055】
そして、プロセスユニット9の離脱によって露出された搬送ベルト17の上から、詰まった用紙Pを取り除く。
【0056】
その後、手前側取っ手32と奥側取っ手33とを把持して、プロセスユニット9の後端部を、ころ38がストッパ22の後側においてガイド溝21に嵌合されるように、本体ケーシング2内に挿入する。
【0057】
そして、奥側取っ手33から手を放して、プロセスユニット9を後側へ押し込み、プロセスユニット9を本体ケーシング2内に収容して、フロントカバー5を閉鎖する。
【0058】
これにより、プロセスユニット9の本体ケーシング2への着脱作業が完了する。
3.作用効果
(1)このプリンタ1によれば、図1に示すように、奥側取っ手33は、最後方の仕切壁37の上端部に立設されている。すなわち、奥側取っ手33の把持部40は、最後方のシアンプロセスカートリッジ13Cの後端部よりも前側に配置されている。
【0059】
そのため、プロセスユニット9を、その後端部(最後方のシアンプロセスカートリッジ13Cよりも後側の部分)が本体ケーシング2内に残るように引き出せば、奥側取っ手33の把持部40を本体ケーシング2から引き出すことができる。
【0060】
つまり、奥側取っ手33の把持部40を把持できるようにプロセスユニット9を本体ケーシング2から引き出したときに、プロセスユニット9の後端部を本体ケーシング2内に残すことができ、プリンタ1のバランスが崩れることを抑制できる。
【0061】
その結果、プロセスユニット9を本体ケーシング2に対して着脱させることができながら、プリンタ1の転倒を防止できる。
(2)また、このプリンタ1によれば、図4に示すように、奥側取っ手33の脚部39が、その下端部において側壁34に固定されており、奥側取っ手33の把持部40が、プロセスユニット9の重心Bよりも後側に配置され、手前側取っ手32がプロセスユニット9の重心Bよりも前側に配置されている。
【0062】
そのため、本体ケーシング2から離脱されたプロセスユニット9を、その重心Bの前後両側で、安定に把持することができる。
4.第2実施形態
図5を参照して、プリンタ1の第2実施形態を説明する。なお、第2実施形態において、上記した第1実施形態と同様の部材には同様の符号を付し、その説明を省略する。
【0063】
上記した第1実施形態では、奥側取っ手33を、最後方の仕切壁37の上面に、上下方向に延びるように設けているが、第2実施形態では、例えば、図5に示すように、奥側取っ手33を、後側へ屈曲する側面視略L字形状に形成し、その把持部40が最後方の仕切壁37の上側に配置されるように、最前方の仕切壁37の上面に設けてもよい。
【0064】
詳しくは、両脚部39は、最前方の仕切壁37の上面から連続して上側へ向かって延び、その上端部において後側へ屈曲されて後側へ延びている。両脚部39の後端部は、最後方の仕切壁37の上側に配置されている。
【0065】
そして、把持部40は、両脚部39の後端部間に架設されている。
【0066】
これにより、奥側取っ手33の把持部40は、プロセスユニット9の重心Bよりも後側に配置され、手前側取っ手32は、プロセスユニット9の重心Bよりも前側に配置されている。
5.第3実施形態
図6を参照して、プリンタ1の第3実施形態を説明する。なお、第3実施形態において、上記した第1実施形態と同様の部材には同様の符号を付し、その説明を省略する。
【0067】
上記した第1実施形態では、奥側取っ手33を最後方の仕切壁37の上端部に固定しているが、第3実施形態では、図6に示すように、奥側取っ手33を、最後方の仕切壁37に上下方向に進退可能に設けている。
【0068】
詳しくは、最後方の仕切壁37の左右方向略中央に左右方向にわたって、把持部収容穴41を設け、奥側取っ手33を、把持部収容穴41内に進退可能に収容する。
【0069】
把持部収容穴41は、仕切壁37の上面から下側へ向かって凹み、左右方向両端部が鉤状となるように、形成されている。
【0070】
そして、奥側取っ手33は、把持部収容穴41内に退避される退避位置(図6(a)参照)と、把持部収容穴41から上側へ進出される進出位置(図6(b)参照)とに進退可能に設けられている。
【0071】
なお、奥側取っ手33は、退避位置において、プロセスカートリッジ13の取っ手42とほぼ同じ突出長さ(上下方向長さ)で把持部収容穴41から上側に突出され、進出位置において、プロセスカートリッジ13の取っ手42よりも上側に突出される。なお、奥側取っ手33は、その下端部の左右方向両端部が、把持部収容穴41内の左右両端部(鉤状の部分)に当接されて、それ以上の上側への進出が規制されている。
【0072】
また、奥側取っ手33の把持部40は、プロセスユニット9の重心Bよりも後側に配置され、手前側取っ手32は、プロセスユニット9の重心Bよりも前側に配置されている。
【0073】
そして、プロセスユニット9を本体ケーシング2内に収容するときには、奥側取っ手33を退避位置に収容し、プロセスユニット9を本体ケーシング2から離脱させるときには、奥側取っ手33を進出位置に引き出して、奥側取っ手33を把持する。
【0074】
第3実施形態においても、上記した第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0075】
また、第3実施形態では、プロセスユニット9を本体ケーシング2内に収容するときには、奥側取っ手33を退避位置に収容することができ、プロセスユニット9をコンパクトに本体ケーシング2内に収容することができる。
【0076】
また、プロセスユニット9を本体ケーシング2から離脱させるときには、奥側取っ手33を進出位置に引き出して、奥側取っ手33を把持することができ、奥側取っ手33を容易に把持することができる。
6.第4実施形態
図7および図8を参照して、プリンタ1の第4実施形態を説明する。なお、第4実施形態において、上記した第1実施形態と同様の部材には同様の符号を付し、その説明を省略する。
【0077】
上記した第1実施形態では、奥側取っ手33を最後方の仕切壁37の上端部に固定しているが、第4実施形態では、図8に示すように、奥側取っ手45を、両側壁34の後端部に回動可能に設けている。
【0078】
詳しくは、奥側取っ手45は、上下方向に起立される起立位置と、前後方向に傾倒される傾倒位置とに回動される。
【0079】
なお、奥側取っ手45は、起立位置において、その上端部がプロセスカートリッジ13の取っ手42よりも上側に配置されるように起立され、傾倒位置において、その上端部がプロセスカートリッジ13の取っ手42よりも下側に配置されるように傾倒される。
【0080】
また、奥側取っ手45は、図7に示すように、一方に開放された略U字形の角柱形状に屈曲形成され、左右1対の脚部39と、把持部40とを一体的に備えている。
【0081】
両脚部39は、一方と他方(一方と反対側の方向)とを結ぶ方向に延びる略角柱形状に形成されている。
【0082】
把持部40は、両脚部39の他端部間に架設されるように、左右方向に延びる略角柱形状に形成されている。
【0083】
そして、奥側取っ手45は、両脚部39の一端部において、ドロワユニット12の側壁34の後端部(シアンプロセスカートリッジ13Cより後側の側壁34)の上面に回動可能に接続されている。つまり、両脚部39の一端部は、仕切壁37に接続される接続部として機能する。
【0084】
これにより、奥側取っ手45の接続部(両脚部39の一端部)は、プロセスユニット9の重心Bよりも後側に配置され、手前側取っ手32は、プロセスユニット9の重心Bよりも前側に配置されている。
【0085】
また、奥側取っ手45が傾倒位置に配置されているときには、把持部40は、最後方の仕切壁37の上側に配置され、両脚部39は、最後方のプロセスカートリッジ13の左右方向外側の側壁34の上側に配置される。
【0086】
そして、プロセスユニット9を本体ケーシング2内に収容するときには、奥側取っ手45を傾倒させ、プロセスユニット9を本体ケーシング2から離脱させるときには、奥側取っ手45を、傾倒位置から右側面視時計回りに回動させて起立させ、奥側取っ手45の把持部40を把持する。
【0087】
第4実施形態においても、上記した第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0088】
また、第4実施形態では、図8に示すように、奥側取っ手45の両脚部39が、最後方のシアンプロセスカートリッジ13Cの前側に隣接されるマゼンタプロセスカートリッジ13Mよりも後側において、プロセスユニット9に回動可能に接続されている。
【0089】
そのため、プロセスユニット9が収容位置に配置されているときに、奥側取っ手45を前側に傾倒させておけば、プロセスユニット9を、上下方向にコンパクトに本体ケーシング2内に収容することができる。
【0090】
また、プロセスユニット9を引き出したときには、傾倒された奥側取っ手45の把持部40を、前側から容易に把持することができる。
【0091】
また、奥側取っ手45の両脚部39の一端部が、プロセスユニット9の重心Bよりも後側において、ドロワフレーム31に回動可能に接続され、手前側取っ手32が、プロセスユニット9の重心Bよりも前側に配置されているので、本体ケーシング2から離脱されたプロセスユニット9を、その重心Bの前後両側で、安定に支持することができる。
7.第5実施形態
図9を参照して、プリンタ1の第5実施形態を説明する。なお、第5実施形態において、上記した第4実施形態と同様の部材には同様の符号を付し、その説明を省略する。
【0092】
また、上記した第4実施形態では、奥側取っ手45の両脚部39を、それぞれ、その一端部において、ドロワユニット12の側壁34の後端部の上面に回動可能に接続したが、第5実施形態では、図9に示すように、奥側取っ手45の両脚部39を、最後方のシアンプロセスカートリッジ13Cの左右方向両側において、ドロワユニット12の側壁34に回動可能に接続することもできる。
【0093】
この場合にも、奥側取っ手45の接続部(両脚部39の一端部)は、プロセスユニット9の重心Bよりも後側に配置され、手前側取っ手32は、プロセスユニット9の重心Bよりも前側に配置されている。
【0094】
また、上記した第4実施形態では、奥側取っ手45が傾倒位置に配置されているときに、奥側取っ手45の把持部40を、最後方の仕切壁37の上側に配置させたが、第5実施形態では、図9に示すように、奥側取っ手45の把持部40を、他の仕切壁37の上側に配置させることもできる。
8.第6実施形態
図10を参照して、プリンタ1の第6実施形態を説明する。なお、第6実施形態において、上記した第4実施形態と同様の部材には同様の符号を付し、その説明を省略する。
【0095】
また、第6実施形態では、図10に示すように、上記した第4実施形態において、奥側取っ手45の回動範囲を規制することもできる。
【0096】
詳しくは、両脚部39の一端部を、その後端部がその前端部よりも一方に突出するように、一方へ向かうに従って後側へ傾斜するように切り欠き形成する。
【0097】
これにより、奥側取っ手45を傾倒位置から起立させるように回動させると、両脚部39の後端部が側壁34の上端部に当接されることにより、奥側取っ手45のそれ以上の回動が規制され、把持部40は、シアンプロセスカートリッジ13Cの上側に位置規制される。
【0098】
この場合にも、奥側取っ手45の接続部(両脚部39の一端部)は、プロセスユニット9の重心Bよりも後側に配置され、手前側取っ手32は、プロセスユニット9の重心Bよりも前側に配置されている。
9.第7実施形態
図11を参照して、プリンタ1の第7実施形態を説明する。なお、第7実施形態において、上記した第6実施形態と同様の部材には同様の符号を付し、その説明を省略する。
【0099】
上記した第6実施形態では、奥側取っ手33を、両側壁34の後端部に回動可能に設けているが、第7実施形態では、例えば、図11に示すように、奥側取っ手33を、最前方の仕切壁37の左右方向両側において、側壁34に、回動可能に設けてもよい。
【0100】
詳しくは、両脚部39は、その一端部において、最前方の仕切壁37の左右方向両側の側壁34に回動可能に接続されている。なお、両脚部39の他端部は、奥側取っ手33が傾倒されたときに、最後方の仕切壁37の左右方向両側に配置される。
【0101】
つまり、奥側取っ手45が傾倒位置に配置されているときには、把持部40は、最後方の仕切壁37の上側に配置される。
【0102】
そして、奥側取っ手45を傾倒位置から起立させるように、右側面視反時計回りに回動させると、両脚部39の一端部が側壁34の上端部に当接されることにより、奥側取っ手45のそれ以上の回動が規制される。
【0103】
このとき、把持部40は、マゼンタプロセスカートリッジ13Mの上側に位置規制される。
10.その他の実施形態
上記した第1実施形態では、本体開口部23は、本体ケーシング2の前端部と前側上端部とにわたって形成しているが、本体開口部23は、ドロワユニット12を引き出し可能に開口されていればよく、例えば、本体ケーシング2の前端部のみ開口されていてもよい。
【符号の説明】
【0104】
1 プリンタ
2 本体ケーシング
9 プロセスユニット
13 プロセスカートリッジ
32 手前側把持部
33 奥側把持部
45 奥側把持部
B 重心
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体と、
現像剤を収容し、互いに間隔を隔てて並列配置される複数のカートリッジと、
各前記カートリッジを支持し、各前記カートリッジの並列方向において、前記装置本体内に収容される収容位置と、前記装置本体から引き出される引出位置とに移動可能で、前記引出位置において前記装置本体に対して着脱可能な支持ユニットと
を備え、
前記支持ユニットは、筐体と、第1取手部と、前記第1取手部よりも前記引出方向下流側に配置される第2取手部とを備え、
前記第1取手部は、
前記筐体に接続される接続部と、
前記支持ユニットが前記収容位置に配置されているときに、前記引出方向最上流側の前記カートリッジの前記引出方向上流側端部よりも前記引出方向下流側に配置される把持部とを備えていることを特徴とする、画像形成装置。
【請求項2】
前記第1取手部の前記接続部は、前記筐体に固定されており、
前記第1取手部の前記把持部は、前記支持ユニットの重心よりも前記引出方向上流側に配置され、前記第2取手部は、前記支持ユニットの重心よりも前記引出方向下流側に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1取手部の前記接続部は、前記筐体に回動可能に接続されており、
前記第1取手部の前記接続部は、前記支持ユニットの重心よりも前記引出方向上流側に配置され、前記第2取手部は、前記支持ユニットの重心よりも前記引出方向下流側に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項1】
装置本体と、
現像剤を収容し、互いに間隔を隔てて並列配置される複数のカートリッジと、
各前記カートリッジを支持し、各前記カートリッジの並列方向において、前記装置本体内に収容される収容位置と、前記装置本体から引き出される引出位置とに移動可能で、前記引出位置において前記装置本体に対して着脱可能な支持ユニットと
を備え、
前記支持ユニットは、筐体と、第1取手部と、前記第1取手部よりも前記引出方向下流側に配置される第2取手部とを備え、
前記第1取手部は、
前記筐体に接続される接続部と、
前記支持ユニットが前記収容位置に配置されているときに、前記引出方向最上流側の前記カートリッジの前記引出方向上流側端部よりも前記引出方向下流側に配置される把持部とを備えていることを特徴とする、画像形成装置。
【請求項2】
前記第1取手部の前記接続部は、前記筐体に固定されており、
前記第1取手部の前記把持部は、前記支持ユニットの重心よりも前記引出方向上流側に配置され、前記第2取手部は、前記支持ユニットの重心よりも前記引出方向下流側に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1取手部の前記接続部は、前記筐体に回動可能に接続されており、
前記第1取手部の前記接続部は、前記支持ユニットの重心よりも前記引出方向上流側に配置され、前記第2取手部は、前記支持ユニットの重心よりも前記引出方向下流側に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−230137(P2012−230137A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−96553(P2011−96553)
【出願日】平成23年4月22日(2011.4.22)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月22日(2011.4.22)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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