説明

画像形成装置

【課題】電源回路及び電流検出回路の数の削減と回路実装面積の削減を可能とする。
【解決手段】トナー像を転写するための一次転写パッド40、二次転写ローラ10と、中間転写ベルト9に残留したトナーをクリーニングするICLブラシ50、ICLローラ39と、画像形成を制御するCPU85と、電圧を印加する電源Vt1b、Vt2rと、電源を流れる電流を検出する電流検出回路81g、81hを備えた画像形成装置であって、電源Vt1b、Vt2rは、一次転写パッド40、二次転写ローラ10及びICLブラシ50、ICLローラ39に電圧を印加する共通電源であり、CPU85は、画像形成前に一次転写パッド40、二次転写ローラ10に電源Vt1b、Vt2rから所定電圧を印加した時に電流検出回路81g、81hにより検出された電流値に基づき決定された転写電圧を、画像形成の際に一次転写パッド40、二次転写ローラ10に印加する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に電子写真プロセスを採用したカラーレーザプリンタ、カラー複写機、カラーファクシミリ等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真プロセスを採用した画像形成装置は、潜像を現像剤であるトナーによって顕像化し、プリント用紙等の記録材に転写して定着させることにより画像を形成する。このような画像形成装置において、特にカラー画像を形成するために、複数色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナー像を中間転写ベルトに一次転写して重畳し、しかる後に記録材に一括して二次転写する構成が一般に知られている。そして、記録材にカラー画像が転写された後の中間転写ベルト上に残留する残留トナーを回収する方法として、クリーニング帯電ローラによって帯電した後に、中間転写ベルトから回収する方法が知られている。一次転写、二次転写、残留トナーの帯電を行う際には、高圧の電圧を被印加部材に印加する必要があり、被印加部材毎に専用の電源回路、及び電流値を検出するための電流検出回路を設ける場合がある。この場合には、被印加部材毎に独立した電源及び電流検出回路を設けているので、部品点数増加によるコストアップという課題がある。また、小型化が進んでいる画像形成装置においては、部品点数増加に伴い回路の実装面積の増加も課題の一つである。
【0003】
特許文献1では、被印加部材である複数の転写手段に対して電流検出手段を共通化して検出回路の数を減らす方式が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−242723号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、画像形成装置はより一層の小型化が求められており、更なる電源回路及び電流検出回路の削減と、回路実装面積の削減が求められている。また、特許文献1にて提案されている、複数の転写手段に対して電流検出回路を共通化することは、転写手段が一つしかないロータリ方式の画像形成装置においては、その効果がほとんどなかった。
【0006】
本発明はこのような状況のもとでなされたもので、電源回路及び電流検出回路の数の削減と回路実装面積の削減を可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した課題を解決するため、本発明では次のとおりに構成する。
【0008】
トナー像を転写するための転写手段と、中間転写手段に残留したトナーをクリーニングするためのクリーニング手段と、画像形成を制御する制御手段と、被印加部材に電圧を印加する電圧印加手段と、前記電圧印加手段に流れる電流を検出する電流検出手段と、を備えた画像形成装置であって、前記電圧印加手段は、前記転写手段及び前記クリーニング手段に電圧を印加する共通電圧印加手段であり、前記制御手段は、画像形成前に前記転写手段に前記電圧印加手段から所定電圧を印加した時に前記電流検出手段により検出された電流値に基づき決定された転写電圧を、画像形成の際に前記転写手段に印加することを特徴とする画像形成装置。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、電源回路及び電流検出回路の数の削減と回路実装面積の削減ができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施例1〜4の画像形成装置の全体構成を示す断面図
【図2】実施例1〜4の電圧電源、電流検出回路の回路構成を示す図
【図3】実施例1の電圧値決定手順、画像形成制御手順を示すフローチャート
【図4】実施例2〜4の中間転写ベルトに、二次転写ローラのみ、又は二次転写ローラ及びICLローラを当接させた場合の回路模式図
【図5】実施例2の電流値決定手順、画像形成制御手順を示すフローチャート
【図6】実施例4の中間転写ベルト上の画像領域とクリーニング機構の位置関係を示す図
【図7】実施例4の電流値決定手順、画像形成制御手順を示すフローチャート、及び二次転写ローラ当接からクリーニング終了までの制御の流れを示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下本発明を実施するための形態を、実施例により詳しく説明する。
【実施例1】
【0012】
[画像形成装置の構成及び画像形成動作の概要]
図1を参照して、画像形成装置の概略構成と一連の画像形成動作について説明する。図1は、4色(イエローY、マゼンタM、シアンC、ブラックBk)の現像器から一つの像担持体である感光ドラムにトナー像を現像するロータリ方式のカラー画像形成装置の全体構成を示す断面図である。
【0013】
記録材への画像形成時、画像形成装置は、給紙ローラ3を回転させてカセット1内の記録材2を1枚給紙し、レジストローラ8へ搬送して、回転可能な中間転写体としての無端状の中間転写ベルト9上に画像が形成されるまで待機する。画像形成するために、静電潜像を形成する像担持体である感光ドラム15は帯電ローラ17により表面を均一に帯電される。そして、画像信号に応じてレーザ露光を行い感光ドラム15上(像担持体上)に静電潜像を形成するレーザスキャナ30により、イエロー画像の静電潜像が形成される。帯電電圧電源80eは、帯電ローラ17に電圧を印加する。イエロー現像器20Yは、容器内のトナーを送出する機構により塗布ローラ20YRにトナーを送り込む。そして、矢印Aの方向に回転する塗布ローラ20YR、及び現像ローラ20YSの外周に圧接された現像ブレード20YBにより、矢印Bの方向に回転する現像ローラ20YSの外周にトナーが薄層塗布され、トナーへの電荷が付与(摩擦帯電)される。静電潜像が形成された感光ドラム15と対向した現像ローラ20YSに現像電圧を印加することにより、感光ドラム15上に形成された静電潜像がトナーにより現像される。現像・ブレード電圧電源80fは、現像ブレード20YB及び現像ローラ20YSに電圧を印加する。感光ドラム15上に形成されたトナー像に逆極性の電圧を、一次転写部材である一次転写パッド40(被印加部材)に印加して、感光ドラム15のトナー像を中間転写ベルト9上に一次転写する。一次転写部材としては、一次転写ローラ、一次転写ブレード等を用いてもよい。尚、マゼンタ現像器20M、シアン現像器20C、ブラック現像器20Bkの構成は、イエロー現像器20Yと同じであるため、説明を省略する。
【0014】
イエローのトナー像が中間転写ベルト9へ一次転写されると、現像ロータリ23が回転し、次に画像形成を行うマゼンタ現像器20Mが回転移動し、感光ドラム15に画像形成を行うための現像位置に停止する。感光ドラム15を帯電し、露光して形成された静電潜像に、イエローと同様にしてマゼンタのトナー像が形成され、中間転写ベルト9に一次転写される。次に、シアン現像器20C、ブラック現像器20Bkによりシアン、ブラックの静電潜像形成、現像、中間転写ベルト9への一次転写が行われ、中間転写ベルト9上にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーが多重転写されたカラー画像が形成される。中間転写ベルト9にカラー画像が形成された後、画像形成装置はレジストローラ8で待機させておいた記録材2を二次転写部へ搬送する。
【0015】
二次転写部は、中間転写ベルト9に当接離間可能な二次転写ローラ10(被印加部材)と、二次転写対向ローラ5からなる。二次転写対向ローラ5は中間転写ベルト9を回転駆動する駆動ローラであり、従動ローラ4は中間転写ベルト9の移動に伴い従動回転し、かつ中間転写ベルト9に一定の張力を付与する。二次転写ローラ10は、図1に図示した実線の状態(離間状態)と破線の状態(当接状態)のように、中間転写ベルト9に対して当接・離間が可能である。中間転写ベルト9上に各色のトナー像を多重転写している間は、中間転写ベルト9上に形成されたトナー像を乱さぬよう、二次転写ローラ10は図1の実線で示す位置にあり、中間転写ベルト9から離間している。中間転写ベルト9上に各色のトナー像を転写し終わった後、記録材2に画像を二次転写するタイミングに合わせて、二次転写ローラ10は図1の破線で示す位置に移動する、すなわち、二次転写ローラ10は中間転写ベルト9に当接する。二次転写ローラ10及び二次転写対向ローラ5により、記録材2は中間転写ベルト9に圧接されると共に、二次転写ローラ10にトナーと逆極性の電圧を印加することにより、中間転写ベルト9上のカラー画像は記録材2に転写される。
【0016】
中間転写ベルト9から記録材2にカラー画像が転写された後、第1の帯電部材(以下、「ICLブラシ50」という)(被印加部材)及び第2の帯電部材(以下、「ICLローラ39」という)(被印加部材)が中間転写ベルト9に当接する。ICLブラシ50は、中間転写ベルト9上に残留する残留トナーを均一に散らす。ICLローラ39は、ICLブラシ50によって散らされた残留トナーを現像時のトナーの帯電極性とは逆極性に帯電する。ICLブラシ50、ICLローラ39は、図1に図示した実線の状態(離間状態)と破線の状態(当接状態)のように、中間転写ベルト9に対して当接・離間する。残留トナーの帯電が終了すると、ICLブラシ50、ICLローラ39は中間転写ベルト9から離間される。なお、連続して画像形成を行う場合は、ICLブラシ50、ICLローラ39が中間転写ベルト9に当接し、残留トナーを帯電している間に、次のイエロー画像が感光ドラム15上に形成される。形成された画像は中間転写ベルト9上に一次転写され、中間転写ベルト9上に転写されたイエロー画像がICLブラシ50、ICLローラ39との当接位置を通過する時には、ICLブラシ50、ICLローラ39は中間転写ベルト9から離間している。
【0017】
ICLローラ39により帯電された残留トナーは、感光ドラム15と中間転写ベルト9が当接する一次転写部にて感光ドラム15に静電的に転写され、クリーナブレード16によってクリーニング容器14に回収される。また、残留トナーを感光ドラム15に転写することと、イエロートナー像を感光ドラム15から中間転写ベルト9へ一次転写することとが同時に行われる。
【0018】
記録材2は、中間転写ベルト9から剥離された後、定着部25へ搬送され、加圧ローラ27と定着ローラ26間の定着ニップ部Nで定着される。そして、記録材2は、排紙ローラ36を介して本体上部の排紙トレイ37上へ画像面を下向きにして排出され、画像形成動作が終了する。
【0019】
[電圧電源、電流検出回路の構成について]
図2は、本実施例における画像形成装置の電源回路、電流検出回路の回路構成を示す図である。図2では、一次転写部材40とICLブラシ50に印加する電源回路と電流検出回路を共通化し、更に二次転写部材10とICLローラ39に印加する電源回路と電流検出回路を共通化している。図2において、電源回路Vt1b(電圧印加手段)は一次転写部材とICLブラシに電力供給する共通電源回路である(共通電圧印加手段)。また、電圧電源Vt2r(電圧印加手段)は二次転写部材とICLローラに電力供給する共通電源回路(共通電圧印加手段)である。電流検出回路81gは一次転写電圧とICLブラシ電圧用の共通の電流検出回路であり、電流検出回路81hは二次転写電圧とICLローラ電圧用の共通の電流検出回路である。制御手段であるCPU85は電流検出回路81g、81hからの電圧信号や画像形成装置の環境情報、中間転写ベルト等の寿命情報等を基に、二次転写電圧電源Vt1b、Vt2rの出力電圧等を制御するワンチップマイクロコンピュータである。CPU85は、内部にメモリであるRAM86、ROM87を有する。ROM87には、画像形成装置の画像形成動作を制御するプログラムや各種データが格納されている。RAM86は、画像形成装置の画像形成動作を制御するのに必要なデータの演算や一時的な記憶等に使用される。また、CPU85は、時間測定等に使用するタイマー(不図示)も有している。
【0020】
本実施例では、一次転写電圧とICLブラシ電圧用の電圧電源と電流検出回路を電圧電源Vt1b及び電流検出回路81gで共通化している。更に、二次転写電圧とICLローラ電圧用の電圧電源と電流検出回路を電圧電源Vt2r及び電流検出回路81hで共通化している。ICLブラシ50と一次転写パッド40には、環境変動による負荷(抵抗値)変動が少ない電子導電性の部材を採用する。一方、ICLローラ39と二次転写ローラ10には、環境変動による負荷変動が若干大きいが、ローラ外周における抵抗のばらつきが小さいイオン導電性の部材を採用する。従って、環境変化による負荷変動の性質が似ている部材で構成された構成品の電圧電源及び電流検出回路を共通化することによって、それぞれに最適な電圧を供給することが可能になる。仮に、イオン導電性の一次転写パッド40と電子導電性の二次転写ローラに対する電源を共通化すると、負荷変動の傾向が異なるため、例えば、イオン導電性の一次転写パッドに合わせて電圧を決定すると、二次転写ローラに対する電圧の設定が難しくなる。
【0021】
[転写電圧の決定手順、画像形成制御手順]
次に、一次転写電圧、二次転写電圧の決定から、画像形成動作終了までの制御手順について図3を用いて説明する。図3は、本実施例の一次転写電圧、二次転写電圧の電圧決定手順、及びそれに続く画像形成制御手順を示すフローチャートである。本手順は、ROM87に格納されたプログラムに基づいて、CPU85により実行される。
【0022】
まず、画像形成に先立ち、CPU85は電圧電源Vt1bを制御して、一次転写パッド40に所定の電圧Vtest11(所定電圧)(図中、一次転写バイアスと記す)を印加する(ステップ(以下、Sとする)1)。一次転写電圧の印加により、一次転写電流が、一次転写パッド40→中間転写ベルト9→感光ドラム15→GNDを経由して流れる。一次転写パッド40、中間転写ベルト9、感光ドラム15の合成抵抗値をR1t_11と定義すると、一次転写時の電流値I1t_11(=Vtest11/R1t_11)は、電流検出回路81gにて検出され、CPU85に出力される。そして、一次転写に必要な所定の電流値をI1t_12と定義すると、CPU85は、この電流値を満足する一次転写電圧V1tbを算出式V1tb=Vtest11×I1t_12/I1t_11により算出し、RAM86に保存する(S2)。CPU85は、電圧電源Vt1bに対し、電圧Vtest11の出力停止を指示する(S3)。
【0023】
次に、CPU85は、二次転写ローラ10を中間転写ベルト9に当接させる(S4)。二次転写ローラ10を中間転写ベルト9に当接させた後に、CPU85は電圧電源Vt2rを制御して、二次転写ローラ10に所定の電圧Vtest12(所定電圧)を印加する(S5)。二次転写電圧の印加により、二次転写電流が、二次転写ローラ10→中間転写ベルト9→二次転写対向ローラ5→GNDを経由して流れる。二次転写ローラ10、中間転写ベルト9、二次転写対向ローラ5の合成抵抗値をR2t_11と定義すると、二次転写時の電流値I2t_11(=Vtest12/R2t_11)は、電流検出回路81hにて検出され、CPU85に出力される。そして、二次転写に必要な所定の電流値をI2t_12と定義すると、CPU85は、この電流値を満足する二次転写電圧V2trを算出式V2tr=Vtest12×I2t_12/I2t_11により算出し、RAM86に保存する(S6)。CPU85は、電圧電源Vt2rに対し、電圧Vtest12の出力停止を指示し(S7)、二次転写ローラ10を中間転写ベルト9から離間させる(S8)。
【0024】
次に、CPU85は画像形成を開始し、3色(イエロー、マゼンタ、シアン)分のトナー像の中間転写ベルト9への一次転写を終了させる(S9)。CPU85は、画像形成を開始すると、一次転写電圧電源Vt1bに対し、一次転写パッド40に、S2で決定した一次転写電圧V1tbを印加するよう指示し、定電圧制御を行う。4色目(ブラック)のトナー像の一次転写が開始され(S10)、4色目が一次転写された中間転写ベルト上のトナー像先端が二次転写ローラ10に到達するタイミングに合わせて、CPU85は、二次転写ローラ10を中間転写ベルト9に当接させる(S11)。CPU85は、二次転写電圧電源Vt2rに対し、S6で算出した二次転写電圧V2trを二次転写ローラ10に印加する定電圧制御を開始し(S12)、二次転写を行う(S13)。中間転写ベルト9上の二次転写後の残留トナーが、ICLブラシ50及びICLローラ39を通過する前に、CPU85はICLブラシ50及びICLローラ39を中間転写ベルト9に当接させる(S14)。ICLブラシ50とICLローラ39によって、中間転写ベルト9のクリーニングが行われる(S15)。CPU85は、ICLブラシ50に一次転写電圧と同一の電圧値V1tbを印加し、ICLローラ39に二次転写電圧と同一の電圧値V2trを印加する(S15)。中間転写ベルト9から記録材2への二次転写、及び中間転写ベルトのクリーニングが終了すると、CPU85は一次転写電圧電源Vt1b、二次転写電圧電源Vt2rを制御して電圧の印加を停止し、定電圧制御を終了させる(S16)。続いて、CPU85は、中間転写ベルト9から、二次転写ローラ10、ICLブラシ50、ICLローラ39を離間させる(S17)。そして、CPU85は記録材2の印刷が終了したかどうかを判断し、終了していなければ、S9の処理に戻り、終了していれば画像形成を終了する(S18)。
【0025】
以上説明したように、本実施例によれば、一次転写とICLブラシ用の電圧電源回路、電流検出回路の共通化、及び二次転写とICLローラ用の電圧電源及び電流検出回路の共通化により、コスト削減と回路実装面積の削減ができる。本実施例では、環境変化による負荷(抵抗値)変動の性質が似ている部材を採用した構成品同士の電源回路及び電流検出回路を共通化することにより、各部材同士の負荷変動のばらつきを抑えた共通化を実現することができる。更に、環境変動等による負荷ばらつきが許容される場合には、一次転写電圧とICLローラ電圧の電源及び電流検出回路の共通化や、二次転写電圧とICLブラシ電圧の電源及び電流検出回路の共通化も可能である。以上、本実施例によれば、電源回路及び電流検出回路の数の削減と回路実装面積の削減ができる。
【実施例2】
【0026】
画像形成装置において、二次転写中は、転写機構だけでなく、クリーニング機構も中間転写ベルト9に当接離間させる必要がある。当接状態としては、転写機構のみの当接、転写機構とクリーニング機構の両方が当接、クリーニング機構のみが当接する3つの状態が存在する。
【0027】
その結果、各々の当接状態において電流検出回路による電流検出結果が異なり、電源回路を共通化した場合には定電流制御を行うことが困難である。しかしながら、転写、クリーニング制御においては、トナーに与える電流値を一定にすること(定電流制御)により、トナーを安定して転写し、画像不良やクリーニング不良を防ぐことが好ましい。そこで、本実施例では、画質に大きく影響のある二次転写に重点を置き、二次転写ローラ10及びICLローラ39に関する最適な定電流制御について説明する。本実施例においては、二次転写とクリーニングを同時に行っている場合は、二次転写に最適な定電流制御を行い、二次転写が終了し、クリーニングのみを行う場合には、クリーニングに最適な定電流制御を行うこととする。以下では、二次転写開始時には、必ずICLローラ39が中間転写ベルト9に当接していることを前提に説明を行う。
【0028】
[二次転写用電流値、クリーニング用電流値の算出]
本実施例では、実施例1の図2に示された電圧電源の回路構成と電流検出回路を用いる。図4(a)〜(d)は、中間転写ベルト9に二次転写ローラ10、ICLローラを当接させた場合の負荷状況を示した回路の模式図である。図4(a)〜図4(d)を用いて、定電流制御時に設定する二次転写用電流値及びクリーニング用電流値の算出手順について説明する。なお、二次転写及びクリーニングに必要な電流値の算出は、実施例1と同様に画像形成動作を行う前に行われる。
【0029】
図4(a)は、ICLローラ39は離間状態で、二次転写ローラ10のみを中間転写ベルト9に当接し、電圧Vtest12を印加した時の負荷状況を示した回路模式図である。図4(a)において、抵抗R2t_21は、二次転写電流が流れる二次転写ローラ10、中間転写ベルト9、二次転写対向ローラ5の合成抵抗を示し、電流I2t_21は抵抗R2t_21を流れる電流を示す。電流I2t_21の電流値は、電流検出回路81hにより検出され、CPU85に出力される。CPU85は、二次転写電流の算出式I2t_21=Vtest12/R2t_21から、合成抵抗R2t_21の抵抗値を算出することができる。
【0030】
図4(b)は、図4(a)の状態からICLローラ39を当接させ、二次転写ローラ10とICLローラ39の両方が中間転写ベルト9に当接した状態で、電圧Vtest12を印加した時の負荷状況を示した回路模式図である。図4(b)において、抵抗R2r_21は、クリーニング電流I2r_21が流れるICLローラ39、中間転写ベルト9、二次転写対向ローラ5の合成抵抗を示し、電流I2r_21は抵抗R2r_21を流れる電流を示す。二次転写ローラ10とICLローラ39の両方が中間転写ベルト9に当接した状態の回路は、二次転写電流I2t_21が流れる抵抗R2t_21と、クリーニング電流I2r_21が流れる抵抗R2r_21が並列接続された回路として考えられる。電流Ixは、二次転写電流I2t_21とクリーニング電流I2r_21の合成電流であり、その電流値は、電流検出回路81hにより検出され、CPU85に出力される。CPU85は、抵抗R2r_21に流れるクリーニング電流I2r_21の電流値を算出式I2r_21=Ix−I2t_21(電流検出結果の差分)から算出することができる。更に、CPU85は、抵抗R2r_21の抵抗値を算出式R2r_21=Vtest12/I2r_21により算出することができる。
【0031】
図4(c)は、二次転写ローラ10とICLローラ39が中間転写ベルト9に当接した図4(b)の状態で、二次転写に適切な所定の電流値(第1の所定電流値)の電流I2t_22を二次転写ローラ10に印加した時の負荷と電流量を示した回路模式図である。この時に印加される二次転写電圧は、算出式I2t_22×R2t_21により算出され、クリーニング電流の電流値は、算出式I2t_22×R2t_21/R2r_21により算出される。その結果、二次転写電流とクリーニング電流の合成定電流I2tr_21の電流値(第1の適正電流値)は、算出式I2tr_21=I2t_22+(I2t_22×R2t_21/R2r_21)により算出される。CPU85は、二次転写中は、適切な二次転写電流が供給されるように、電流I2tr_21の定電流制御を行う。なお、前述した二次転写電流I2t_22の所定の電流値は予めROM87に保存されており、CPU85により必要に応じて読み出される。
【0032】
図4(d)は、二次転写ローラ10とICLローラ39が中間転写ベルト9に当接した図4(b)の状態で、クリーニングに適切な所定の電流値(第2の所定電流値)の電流I2r_22をICLローラ39に印加した時の負荷と電流量を示した回路模式図である。この時に印加される二次転写電圧は、算出式I2r_22×R2r_21により算出され、二次転写電流の電流値は、算出式I2r_22×R2r_21/R2t_21により算出される。その結果、二次転写電流とクリーニング電流の合成定電流I2tr_22の電流値(第2の適正電流値)は算出式I2tr_22=I2r_22+(I2r_22×R2r_21/R2t_21)により算出される。CPU85は、二次転写終了後、クリーニングのみを行う際は、適切なクリーニング電流が供給されるように電流I2tr_22の定電流制御を行う。なお、前述したクリーニング電流I2r_22の所定の電流値は予めROM87に保存されており、CPU85により必要に応じて読み出される。
【0033】
[二次転写用、クリーニング用電流値の決定手順、画像形成制御手順]
次に、一次転写電圧、二次転写用電流値、クリーニング用電流値の決定から、画像形成動作終了までの制御手順について図5を用いて説明する。図5は、本実施例の一次転写電圧、二次転写用電流値、クリーニング用電流値の決定手順、及びそれに続く画像形成制御手順を示すフローチャートである。本手順は、ROM87に格納されたプログラムに基づいて、CPU85により実行される。
【0034】
まず、画像形成前に、CPU85は、実施例1と同様に一次転写に必要な電圧値V1tbを決定する(S21〜S23)。S21〜S23の処理については、実施例1の図3のS1〜S3と同様であるため、説明を省略する。次に、CPU85は、二次転写ローラ10を中間転写ベルト9に当接させ(S24)、電圧電源Vt2rに対し、二次転写ローラ10に電圧Vtest12を印加するように指示する(S25)。前述したように、この時、二次転写ローラ10、中間転写ベルト9、二次転写対向ローラ5を経由して流れる二次転写電流I2t_21の電流値は、電流検出回路81hにより検出されて、CPU85に出力される。CPU85は、その電流値をRAM86に保存する(S26)。次に、CPU85は、ICLローラ39を中間転写ベルト9に当接させる(S27)。そして、CPU85は、二次転写ローラ10とICLローラ39の両方が中間転写ベルト9に当接している状態で、二次転写電流I2t_21の電流値と、図4(b)〜(d)を用いて説明した前述の手順に基づいて、定電流制御時の電流値算出を行う。CPU85は、算出した二次転写時における定電流I2tr_21、クリーニング時における電流I2tr_22のそれぞれの適正電流値をRAM86に保存する(S28)。CPU85は、電圧電源Vt2rに対し、電圧Vtest12の出力停止を指示する(S29)。続いて、CPU85は、二次転写ローラ10、ICLローラ39を中間転写ベルト9から離間させる(S30)。
【0035】
次に、CPU85は画像形成を開始し、3色(イエロー、マゼンタ、シアン)分のトナー像の中間転写ベルト9への一次転写を終了させる(S31)。4色目(ブラック)のトナー像の一次転写が開始され(S32)、4色目が一次転写された中間転写ベルト上のトナー像先端が二次転写ローラ10に到達するタイミングに合わせて、CPU85は、二次転写ローラ10を中間転写ベルト9に当接させる(S33)。続いて、CPU85は、ICLブラシ50、ICLローラ39も中間転写ベルト9に当接させる(S34)。CPU85は、S28で算出した二次転写時の電流I2tr_21の適正電流値をRAM86より読み出し、電圧電源Vt2rに対し、読み出した電流値を二次転写ローラ10、及びICLローラ39に供給するように指示し、定電流制御を開始する(S35)。これにより、定電流I2tr_21による二次転写(S36)、クリーニング(S37)が行われる。そして、CPU85は、二次転写が終了したかどうかを監視し、二次転写が終了したと判断したら、S39の処理に進む(S38)。
【0036】
S39では、CPU85はS28で算出したクリーニング時の電流I2tr_22の適正電流値をRAM86より読み出し、電圧電源Vt2rに対し、読み出した電流値を二次転写ローラ10及びICLローラ39に供給するように指示し定電流制御を継続する。これにより、定電流I2tr_22によるクリーニングが行われる(S39)。中間転写ベルト9のクリーニングが終了すると、CPU85は電圧電源Vt2rに対し、電流I2tr_22の供給停止を指示し、定電流制御を終了させる(S40)。そして、CPU85は、中間転写ベルト9から、二次転写ローラ10、ICLブラシ50、ICLローラ39を離間させる(S41)。次に、CPU85は記録材2の印刷が終了したかどうかを判断し、終了していなければ、S31の処理に戻り、終了していれば画像形成を終了する(S42)。
【0037】
以上説明したように、本実施例によれば、一次転写とICLブラシ用の電圧電源回路、電流検出回路の共通化、及び二次転写とICLローラ用の電圧電源及び電流検出回路の共通化により、コスト削減と回路実装面積の削減ができる。特に、二次転写時及びクリーニング時の適正電流値を算出し、トナーに与える電流値を一定にする定電流制御により、トナーを安定して転写することができる。その結果、画像不良やクリーニング不良を防ぐことができ、画質及びクリーニングの精度が向上する。
【0038】
[一次転写用電流値、クリーニング用電流値の算出]
また、本実施例では、二次転写ローラ10とICLローラ39に着目した説明を行ったが、一次転写パッド40とICLブラシ50に関しても同様の制御を行うことは可能であり、その結果、画質及びクリーニング精度を向上させることができる。すなわち、一次転写用電流値及びICLブラシのクリーニング用電流値は、前述の図4(a)〜(d)を用いて説明した手順において、二次転写ローラを一次転写パッドに、ICLローラをICLブラシに読み替えることにより、算出することができる。そのため、図4(a)〜(d)において、電圧Vtest12は、電圧電源Vt1bから供給される電圧Vtest11に読み替える。そして、二次転写電流I2t_21は一次転写電流、ICLローラのクリーニング電流I2r_21は、ICLブラシのクリーニング電流に読み替える。また、抵抗R2t_21は、一次転写電流が流れる一次転写パッド40、中間転写ベルト9、感光ドラム15の合成抵抗に読み替える。同様に、抵抗R2r_21は、ICLブラシのクリーニング電流が流れるICLブラシ50、中間転写ベルト9、二次転写対向ローラ5の合成抵抗に読み替える。その結果、電流Ixは、一次転写電流I2t_21とICLブラシのクリーニング電流I2r_21の合成電流に読み替えられ、その電流値は、電流検出回路81gにより検出され、CPU85に出力される。以上の読み替えにより、図4(a)は、ICLブラシ50が離間状態で、一次転写パッド40に電圧Vtest11を印加した時の負荷状況を示した回路模式図となる。
【0039】
そして、図4(b)は、図4(a)の状態からICLブラシ50を中間転写ベルト9に当接した状態で、電圧Vtest11を印加した時の負荷状況を示した回路模式図となる。更に、図4(c)は、ICLブラシ50が中間転写ベルト9に当接した図4(b)の状態で、一次転写に適切な所定の電流値の電流I2t_22を一次転写パッド40に流した時の負荷と電流量を示した回路模式図となる。同様に、図4(d)は、ICLブラシ50が中間転写ベルト9に当接した図4(b)の状態で、クリーニングに適切な所定の電流値の電流I2r_22をICLブラシ50に流した時の負荷と電流量を示した回路模式図となる。そして、前述した図4(a)〜(d)を用いて説明した手順により、一次転写用電流値、ICLブラシのクリーニング用電流値、及びこれらの電流が流れる合成抵抗の抵抗値の算出を行うことができる。
【0040】
[一次転写用、クリーニング用電流値の決定手順、画像形成制御手順]
続いて、二次転写用、クリーニング用の電流値決定手順、画像形成制御手順を示す図5のフローチャートに基づいて、一次転写用、クリーニング用の電流値の決定から、画像形成動作終了までの制御手順について説明する。なお、図5は二次転写ローラ10、ICLローラ39用の処理手順であるため、以下では、一次転写パッド40、ICLブラシ50用に処理内容を読み替えながら説明する。
【0041】
まず、図5のS21〜S23の処理は、一次転写に必要な電圧値V1tbを決定する処理であるが、一次転写用電流値、クリーニング用電流値の算出には不要であるため、説明を省略する。また、S24は、二次転写ローラ10を中間転写ベルト9に当接させる処理であるが、一次転写パッド40には当接・離間がなく、本処理も不要である。次に、CPU85は、一次転写パッド40に電圧Vtest11を印加するように指示する(S25)。前述したように、この時、一次転写パッド40、中間転写ベルト9、感光ドラム15を経由して流れる一次転写電流I2t_21の電流値は、電流検出回路81gにより検出されて、CPU85に出力される。CPU85は、その電流値をRAM86に保存する(S26)。次に、CPU85は、ICLブラシ50を中間転写ベルト9に当接させる(S27)。そして、CPU85は、ICLブラシ50が中間転写ベルト9に当接している状態で、一次転写電流I2t_21の電流値と、図4(b)〜(d)を用いて説明した前述の手順に基づいて、定電流制御時の電流値算出を行う。CPU85は、算出した一次転写時における定電流I2tr_21、クリーニング時における電流I2tr_22のそれぞれの適正電流値をRAM86に保存する(S28)。CPU85は、電圧電源Vt1bに対し、電圧Vtest11の出力停止を指示する(S29)。続いて、CPU85は、ICLブラシ50を中間転写ベルト9から離間させる(S30)。
【0042】
次に、CPU85は画像形成を開始し、3色(イエロー、マゼンタ、シアン)分のトナー像の中間転写ベルト9への一次転写を終了させる(S31)。CPU85は、一次転写中は、一次転写に適切な所定の電流I2t_22の電流値をROM87より読み出し、電圧電源Vt1bに対し、読み出した電流値を一次転写パッド40に供給するように指示し、定電流制御を行う。4色目(ブラック)のトナー像の一次転写が開始され(S32)、4色目が一次転写された中間転写ベルト上のトナー像先端が二次転写ローラ10に到達するタイミングに合わせて、CPU85は、二次転写ローラ10を中間転写ベルト9に当接させる(S33)。続いて、CPU85は、ICLブラシ50、ICLローラ39も中間転写ベルト9に当接させる(S34)。CPU85は、S28で算出した一次転写時の電流I2tr_21の適正電流値をRAM86より読み出し、電圧電源Vt1bに対し、読み出した電流値を一次転写パッド40、及びICLブラシ50に供給するように指示し、定電流制御を継続する(S35)。これにより、定電流I2tr_21による一次転写(S36)、クリーニング(S37)が行われる。そして、CPU85は、一次転写が終了したかどうかを監視し、一次転写が終了したと判断したらS39の処理に進む(S38)。
【0043】
S39では、CPU85はS28で算出したクリーニング時の電流I2tr_22の適正電流値をRAM86より読み出し、電圧電源Vt1bに対し、読み出した電流値を一次転写パッド40及びICLブラシ50に供給するように指示し定電流制御を継続する。これにより、定電流I2tr_22によるクリーニングが行われる(S39)。中間転写ベルトのクリーニングが終了すると、CPU85は電圧電源Vt1bに対し、電流I2tr_22の供給停止を指示し、定電流制御を終了させる(S40)。そして、CPU85は、中間転写ベルト9から二次転写ローラ10、ICLブラシ50、ICLローラ39を離間させる(S41)。次に、CPU85は記録材2の印刷が終了したかどうかを判断し、終了していなければS31の処理に戻り、終了していれば画像形成を終了する(S42)。
【0044】
以上説明したように、図5の制御手順を読み替えることにより、一次転写パッド40とICLブラシ50に関しても、二次転写ローラ10とICLローラ39と同様の制御を行うことができる。これにより、トナーを安定して転写することができ、その結果、画像不良やクリーニング不良を防ぐことができ、画質及びクリーニングの精度が向上する。
【実施例3】
【0045】
二次転写、クリーニング制御において、画像形成装置が置かれた環境によっては定電流制御よりも定電圧制御が適している場合があり、例えば、図1の定着部25における加圧ローラ27の抵抗値が小さい場合である。図1において、記録材2が二次転写ニップ部と定着ニップ部に挟持されている場合に、加圧ローラ27の抵抗値が小さいと、高温多湿環境等で二次転写電圧を印加した際に記録材2の抵抗値が下がる。その結果、二次転写ローラ10から記録材2と加圧ローラ27を伝わって、正規ルート(二次転写ローラ10→記録材2→中間転写ベルト9→二次転写対向ローラ5→GND)ではない部分に電流(漏れ電流)が流れる場合がある。この場合、CPU85が、正規ルートを流れる電流値と漏れ電流の合算値を二次転写時の電流値だと誤検知して定電流制御を行うと、適切な二次転写電流が正規ルートに供給されないため、画質低下が発生する。また、同様の現象は、搬送ガイド等の記録材2に接する部品の抵抗値が下がった場合で、高温多湿環境等で二次転写電圧を印加した際にも発生する。そこで、画像形成装置内に設けた湿度センサ等により装置使用時の湿度を検出し、高湿度状態の場合には、定電流制御ではなく定電圧制御に切り替えて、画像形成動作を行う制御が望まれる。
【0046】
そこで、本実施例では、画質に大きく影響のある二次転写に重点を置き、二次転写ローラ10及びICLローラ39に関する最適な定電圧制御について説明する。本実施例においては、二次転写とクリーニングを同時に行っている場合は、二次転写に最適な定電圧制御を行い、二次転写が終了し、クリーニングのみを行う場合には、クリーニングに最適な定電圧制御を行う。以下では、二次転写開始時には、必ずICLローラ39が中間転写ベルト9に当接していることを前提に説明を行う。
【0047】
[二次転写用電圧値、クリーニング用電圧値の算出]
本実施例では、実施例1の図2に示された電圧電源の回路構成と電流検出回路を用いる。次に、実施例2の図4(a)、(b)を用いて、定電圧制御時に設定する二次転写用電圧値及びクリーニング用電圧値の算出手順について説明する。なお、二次転写及びクリーニングに必要な電圧値の算出は、実施例1、2と同様に画像形成動作を行う前に行われる。
【0048】
図4(a)において、二次転写ローラ10、中間転写ベルト9、二次転写対向ローラ5の合成抵抗R2t_21を流れる二次転写電流I2t_21の電流値は、電流検出回路81hにて検出され、CPU85に入力される。また、CPU85は、合成抵抗R2t_21の抵抗値は、算出式R2t_21=Vtest12/I2t_21より算出することができる。次に、実施例2と同様に、CPU85は、二次転写電流I2t_22の適切な所定の電流値をROM87から読み出し、二次転写に必要な定電圧値V2t_21(第1の適正電圧値)を算出式V2t_21=Vtest12×I2t_22/I2t_21より算出する。そして、CPU85は、二次転写中は、二次転写ローラ10への印加電圧値がV2t_21となるように定電圧制御を行う。
【0049】
図4(b)において、電圧Vtest12を印加した時の合成電流をIxとする。電流Ixの電流値は、電流検出回路81hにて検出され、CPU85に入力される。また、CPU85は、ICLローラ39、中間転写ベルト9、二次転写対向ローラ5の合成抵抗R2r_21に流れるクリーニング電流I2r_21の電流を、算出式I2r_21=Ix−I2t_21(電流検出結果の差分)から算出することができる。また、CPU85は、合成抵抗R2r_21の抵抗値は、算出式R2r_21=Vtest12/I2r_21から算出することができる。実施例2と同様に、CPU85はクリーニング電流I2r_22の適切な所定の電流値をROM87から読み出し、クリーニングに必要な定電圧V2r_21(第2の適正電圧値)を算出式V2r_21=Vtest12×I2r_22/I2r_21より算出する。そして、CPU85は、二次転写終了後、クリーニングのみを行う際は、ICLローラ39への印加電圧値がV2r_21となるように定電圧制御を行う。
【0050】
[二次転写用電圧値、クリーニング用電圧値の決定手順、画像形成制御手順]
本実施例における電圧の決定から画像形成動作終了までの制御手順については、二次転写用の定電圧算出、クリーニング用の定電圧算出、定電流制御を定電圧制御に切り替える処理を除き、実施例2の図5と同様である。すなわち、本実施例においては、図5のS28の処理は、上述した二次転写用定電圧値(V2t_21)算出、クリーニング用定電圧値(V2r_21)算出となる。同様に、S35の処理は、定電圧制御開始(電圧値V2t_21)、S36は、二次転写(電圧値V2t_21)、S37は、ICLローラによるクリーニング(電圧値V2t_21)となる。更に、S39の処理は、ICLローラによるクリーニング(電圧値V2r_21)、S40は、定電圧制御終了となる。なお、定電圧算出手順については前述したので、図5のフローチャートに基づいた詳細な説明は省略する。
【0051】
以上説明したように、本実施例によれば、一次転写とICLブラシ用の電圧電源回路、電流検出回路の共通化、及び二次転写とICLローラ用の電圧電源及び電流検出回路の共通化により、コスト削減と回路実装面積の削減ができる。二次転写時及びクリーニング時の適正電圧値を算出し、定電圧制御を行うことで、高温多湿な環境によって、二次転写ローラやICLローラ以外の想定外のルートに漏れ電流が流れた場合においても、画質劣化を防止することができる。
【0052】
また、本実施例では、二次転写ローラ10とICLローラ39に着目した説明を行ったが、一次転写パッド40とICLブラシ50に関しても同様の制御を行うことが可能であり、その結果、画質及びクリーニング精度を向上させることができる。すなわち、実施例2と同様に、図4(a)、(b)を用いた前述の説明手順において、二次転写ローラ10及びICLローラ39を一次転写パッド40及びICLブラシ50に読み替えることにより、一次転写用及びクリーニング用電圧値の算出を行うことができる。また、電圧の決定から画像形成動作終了までの制御手順も、実施例2で説明した一次転写パッド40、ICLブラシ50の定電流値算出を定電圧値算出に切り替え、定電流制御を定電圧制御に切り替える点を除き、実施例2の図5を用いた説明と同様である。すなわち、前述の制御手順の説明における二次転写ローラ10とICLローラ39を一次転写パッド40とICLブラシ50に読み替えることにより、定電圧制御時の制御手順を一次転写パッド40とICLブラシ50にも適用できる。これにより、高温多湿な環境によって、一次転写パッドやICLブラシ以外の想定外のルートに漏れ電流が流れた場合においても、画質劣化を防止することができる。
【実施例4】
【0053】
実施例2、3においては、二次転写開始時には、必ずICLローラ39が中間転写ベルト9に当接していることを前提に、定電流制御や定電圧制御について説明を行った。ところで、プリンタの小型化が進み、中間転写ベルト9の周長が短くなると、二次転写開始時にクリーニング機構(ICLブラシ50やICLローラ39)を中間転写ベルト9に当接できない場合がある。図6は、ベルト周長が短い場合における中間転写ベルト9上の画像領域90(斜線部分)とクリーニング機構の位置関係を示した図である。図6に示すように、4色目が重畳された中間転写ベルト9上のトナー像先端が二次転写開始位置に来た時に、クリーニング機構が中間転写ベルト9に当接する位置には、これから4色目が転写される画像領域90が存在するために、クリーニング機構を当接できない。そのため、画像領域90がクリーニング機構位置を通過した後に、クリーニング機構を中間転写ベルト9に当接することになる。
【0054】
そこで、本実施例では、実施例2、3と同様に画質に大きく影響を及ぼす二次転写に重点を置き、二次転写開始時にICLローラ39が中間転写ベルト9に当接できない場合の二次転写ローラ10及びICLローラ39に関する最適な定電流制御について説明する。本実施例においては、二次転写のみ、又は二次転写とクリーニングを同時に行っている場合には、二次転写に最適な定電流制御を行い、二次転写が終了し、クリーニングのみを行う場合には、クリーニングに最適な定電流制御を行う。また、本実施例における二次転写開始からクリーニング終了までの制御の流れは、二次転写ローラ10当接→二次転写開始→二次転写中にICLローラ39当接→二次転写及びクリーニング実行→二次転写終了→クリーニングのみ実行→クリーニング終了となる。
【0055】
本実施例では、実施例1と同様の電圧構成(図2)を用いる。
【0056】
[二次転写用、クリーニング用電流値の決定手順、画像形成制御手順]
次に、一次転写電圧、二次転写用及びクリーニング用電流値の決定から、画像形成動作終了までの制御手順について図7を用いて説明する。図7(a)は、本実施例の一次転写電圧、二次転写用電流値、クリーニング用電流値の決定手順、及びそれに続く画像形成制御手順を示すフローチャートである。本手順は、ROM87に格納されたプログラムに基づいて、CPU85により実行される。また、図7(b)は、図7(a)の制御手順に基づいて、二次転写ローラ10当接からクリーニング終了までの制御の流れと定電流制御の設定電流値の変化を時系列で表したチャートであり、縦軸は電流値、横軸は経過時間を示す。
【0057】
図7(a)において、S51〜S53の一次転写電圧を決定する制御動作は、実施例2の図5に示すS21〜S23と同様であるため、説明を省略する。次に、CPU85は、二次転写ローラ10を中間転写ベルト9に当接させ(S54)、電圧電源Vt2rに対し、二次転写ローラ10に電圧Vtest12を印加するように指示する(S55)。この時、二次転写ローラ10、中間転写ベルト9、二次転写対向ローラ5を経由して流れる二次転写電流I2t_21の電流値は、電流検出回路81hにより検出されて、CPU85に出力され、CPU85はその電流値をRAM86に保存する(S56)。
【0058】
次に、CPU85は、二次転写電流I2t_22に適切な所定の電流値をROM87から読み出し、二次転写に必要な定電圧値V2t_21を算出式V2t_21=Vtest12×I2t_22/I2t_21より算出し、RAM86に保存する(S56)。次に、CPU85は、ICLローラ39を中間転写ベルト9に当接し(S57)、実施例2と同様に、二次転写における適正電流値I2tr_21、クリーニングにおける適正電流値I2tr_22を算出し、RAM86に保存する(S58)。CPU85は、電圧電源Vt2rに対し、二次転写電圧の出力停止を指示し(S59)、二次転写ローラ10、ICLローラ39を中間転写ベルト9から離間させる(S60)。
【0059】
次に、CPU85は画像形成を開始し、3色(イエロー、マゼンタ、シアン)分のトナー像の中間転写ベルト9への一次転写を終了させる(S61)。4色目(ブラック)のトナー像の一次転写が開始され(S62)、4色目が一次転写された中間転写ベルト上のトナー像先端が二次転写ローラ10に到達するタイミングに合わせて、CPU85は、二次転写ローラ10を中間転写ベルト9に当接させる(S63)。CPU85は、二次転写時の電流I2t_22の適正電流値をROM87より読み出し、電圧電源Vt2rに対し、読み出した電流値を二次転写ローラ10に供給するように指示し、定電流制御を開始する(S64)。これにより、定電流I2t_22による二次転写が行われる(S65)。
【0060】
中間転写ベルト9上の画像領域90の最後尾がICLローラ39との当接位置を通り過ぎた後に、CPU85はICLローラ39を中間転写ベルト9に当接させる。ところが、ICLローラ39当接時には、急激な負荷変動が生じ、電流検出が乱れるため、定電流制御を続けることが難しい。そこで、ICLローラ39当接直前から当接後の一定時間(T1時間)を定電流制御から定電圧制御に切り替える。そのため、CPU85はS56の処理で算出した二次転写に必要な定電圧値V2t_21をRAM86から読み出し、読み出した電圧値を二次転写ローラ10に印加するように電圧電源Vt2rに指示し、定電圧制御に切り替える(S66)。そして、CPU85はT1時間の経過を監視するためにタイマーを起動すると共に、中間転写ベルト9にICLブラシ50、及びICLローラ39を当接させる(S67)。なお、ICLローラ39当接タイミングや定電圧制御時間は、一次転写タイミングやプロセススピード、負荷変動が安定するまでの時間を元に予めROM87に格納しておけばよい。
【0061】
CPU85は、タイマーによりT1時間が経過したかどうか判断し、T1時間が経過したと判断すると定電圧制御から定電流制御に切り替える(S68)。CPU85は、RAM86からS58の処理で算出した二次転写用定電流値I2tr_21を読み出し、電圧電源Vt2rに対し、読み出した電流値を二次転写ローラ10、及びICLローラ39に供給するように指示し、定電流制御に切り替える(S68)。これにより、定電流I2tr_21による二次転写、クリーニングが行われる(S69)。そして、CPU85は二次転写が終了したかどうかを監視し、二次転写が終了したと判断したらS71の処理に進む(S70)。S71では、CPU85は、クリーニング時の電流I2tr_22の適正電流値をRAM86より読み出し、電圧電源Vt2rに対し、読み出した電流値を二次転写ローラ10、及びICLローラ39に供給するように指示し、定電流制御を継続する。これにより、定電流I2tr_22によるクリーニングが行われる(S71)。中間転写ベルト9のクリーニングが終了すると、CPU85は電圧電源Vt2rに対し電流I2tr_22の供給停止を指示し、定電流制御を終了させる(S72)。そして、CPU85は、中間転写ベルト9から二次転写ローラ10、ICLブラシ50、ICLローラ39を離間させる(S73)。次に、CPU85は記録材2の印刷が終了したかどうかを判断し、終了していなければS61の処理に戻り、終了していれば画像形成を終了する(S74)。
【0062】
以上説明したように、本実施例によれば、一次転写とICLブラシ用の電圧電源回路、電流検出回路の共通化、及び二次転写とICLローラ用の電圧電源及び電流検出回路の共通化により、コスト削減と回路実装面積の削減ができる。二次転写時及びクリーニング時の適正電流値を算出し、定電圧制御と定電流制御を組み合わせることで、中間転写ベルト9の周長が短く二次転写開始後にクリーニング機構を当接させる場合においても、画像不良やクリーニング不良を防ぐことができる。二次転写、クリーニング制御においては、トナーに与える電流値を一定にする定電流制御により、トナーを安定して転写することができ、その結果、画像不良やクリーニング不良を防ぐことができ、画質及びクリーニングの精度が向上する。ところが、ICLローラ39を中間転写ベルト9に当接した際には、急激な負荷変動により電流検出が乱れるため、定電流制御を続けることが難しい。そこで、本実施例では、ICLローラ39当接直前から当接後の一定時間を定電圧制御に切り替えて、画像不良やクリーニング不良を防止している。
【0063】
[一次転写用、クリーニング用電流値の決定手順、画像形成制御手順]
また、本実施例では、二次転写ローラ10とICLローラ39に着目した説明を行ったが、一次転写パッド40とICLブラシ50に関しても同様の制御を行うことが可能であり、その結果、画質及びクリーニング精度を向上させることができる。すなわち、一次転写パッド40とICLブラシ50に関しても、図7(a)に示した制御手順を、実施例2、3と同様に、一次転写用及びICLブラシ用に読み替えることにより、一次転写パッド40とICLブラシ50に関する制御を行うことができる。
【0064】
図7(a)において、S51〜S60の処理は、実施例2の図5のS21〜S30と同様の処理であり、実施例2において一次転写パッド40とICLブラシ50の場合の処理を詳しく説明したので、ここでの説明を省略する。なお、S56の処理において、一次転写用定電圧値(V2t_21)の算出は、以下の処理により行われる。S56では、CPU85は、一次転写電流I2t_22に適切な所定の電流値をROM87から読み出し、一次転写に必要な定電圧値V2t_21を算出式V2t_21=Vtest11×I2t_22/I2t_21より算出し、RAM86に保存する。
【0065】
続いて、CPU85は画像形成を開始するが、S61〜S63までの処理は、図5のS31〜S33と同様なので、その説明を省略する。CPU85は、一次転写パッド40に対する定電流制御を継続する(S64)。なお、S65は二次転写ローラ10に対する処理なので、この場合には不要な処理である。次に、ICLブラシ50当接時には、急激な負荷変動が生じ、電流検出が乱れるため、定電流制御を続けることが難しいので、CPU85は、ICLブラシ50当接直前から当接後の一定時間(T1時間)を定電流制御から定電圧制御に切り替える。そのため、CPU85はRAM86からS56の処理で算出した一次転写に必要な定電圧値V2t_21を読み出し、読み出した電圧値を一次転写パッド40に印加するように電圧電源Vt1bに指示し、定電圧制御に切り替える(S66)。そして、CPU85はT1時間の経過を監視するためにタイマーを起動すると共に、中間転写ベルト9にICLブラシ50、及びICLローラ39を当接させる(S67)。
【0066】
CPU85は、タイマーによりT1時間が経過したと判断すると、定電圧制御から定電流制御に切り替える(S68)。CPU85は、RAM86からS58の処理で算出した一次転写用定電流値I2tr_21を読み出し、電圧電源Vt1bに対し、読み出した電流値を一次転写パッド40、及びICLブラシ50に供給するように指示し、定電流制御に切り替える(S68)。これにより、定電流I2tr_21による一次転写、クリーニングが行われる(S69)。そして、CPU85は、一次転写が終了したかどうかを監視し、一次転写が終了したと判断したら、S71の処理に進む(S70)。S71では、CPU85は、クリーニング時の電流I2tr_22の適正電流値をRAM86より読み出し、電圧電源Vt1bに対し、読み出した電流値を一次転写パッド40、及びICLブラシ50に供給するように指示し、定電流制御を継続する。これにより、定電流I2tr_22によるクリーニングが行われる(S71)。中間転写ベルトのクリーニングが終了すると、CPU85は電圧電源Vt1bに対し、電流I2tr_22の供給停止を指示し、定電流制御を終了させる(S72)。そして、CPU85は、中間転写ベルト9から、二次転写ローラ10、ICLブラシ50、ICLローラ39を離間させる(S73)。次に、CPU85は記録材2の印刷が終了したかどうかを判断し、終了していなければ、S61の処理に戻り、終了していれば画像形成を終了する(S74)。
【0067】
以上説明したように、図7の制御手順を読み替えることにより、一次転写パッド40とICLブラシ50に関しても、二次転写ローラ10とICLローラ39と同様の制御を行うことができる。これにより、中間転写ベルト9の周長が短く二次転写開始後にクリーニング機構を当接させる場合においても、画像不良やクリーニング不良を防ぐことができる。特に、ICLブラシ50を中間転写ベルト9に当接した際には、急激な負荷変動により電流検出が乱れ、定電流制御を続けることが難しい。そのため、ICLブラシ50当接直前から当接後の一定時間を定電圧制御に切り替え、画像不良やクリーニング不良を防止している。
【符号の説明】
【0068】
9 中間転写ベルト
10 二次転写ローラ
39 ICLローラ
40 一次転写パッド
50 ICLブラシ
85 CPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー像を転写するための転写手段と、中間転写手段に残留したトナーをクリーニングするためのクリーニング手段と、画像形成を制御する制御手段と、被印加部材に電圧を印加する電圧印加手段と、前記電圧印加手段に流れる電流を検出する電流検出手段と、を備えた画像形成装置であって、
前記電圧印加手段は、前記転写手段及び前記クリーニング手段に電圧を印加する共通電圧印加手段であり、
前記制御手段は、画像形成前に前記転写手段に前記電圧印加手段から所定電圧を印加した時に前記電流検出手段により検出された電流値に基づき決定された転写電圧を、画像形成の際に前記転写手段に印加することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御手段は、画像形成前に、前記中間転写手段に当接させた前記転写手段に前記所定電圧を印加した場合に検出された前記電流値から、画像形成の際に前記転写手段に所定の電流値を印加するための印加電圧値を算出し、
画像形成の際に、前記中間転写手段に当接させた前記転写手段と前記クリーニング手段に、前記電圧印加手段から前記印加電圧値の印加を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御手段は、画像形成前に、前記中間転写手段に当接させた前記転写手段に前記所定電圧を印加した場合に検出された前記電流値と、前記転写手段及び前記クリーニング手段を前記中間転写手段に当接させ、前記所定電圧を印加した場合に検出された電流値から、前記転写手段及び前記クリーニング手段の抵抗値を算出し、
更に、転写のみを行う場合に前記転写手段に印加する第1の所定電流値と、クリーニングのみを行う場合に前記クリーニング手段に印加する第2の所定電流値と、前記転写手段及び前記クリーニング手段の前記抵抗値に基づいて、転写を行う場合に前記中間転写手段に当接させた前記転写手段及び前記クリーニング手段に印加する第1の適正電流値と、クリーニングのみを行う場合に前記中間転写手段に当接させた前記転写手段及び前記クリーニング手段に印加する第2の適正電流値と、を算出し、
画像形成の際に、前記中間転写手段に当接させた前記転写手段及び前記クリーニング手段に、転写を行う場合には前記電圧印加手段から前記第1の適正電流値の印加を行い、クリーニングのみを行う場合には前記電圧印加手段から前記第2の適正電流値の印加を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御手段は、画像形成前に、前記中間転写手段に当接させた前記転写手段に前記所定電圧を印加した場合に検出された前記電流値と、前記転写手段及び前記クリーニング手段を前記中間転写手段に当接させ、前記所定電圧を印加した場合に検出された電流値から、前記転写手段及び前記クリーニング手段の抵抗値を算出し、
更に、転写のみを行う場合に前記転写手段に印加する第1の所定電流値と、クリーニングのみを行う場合に前記クリーニング手段に印加する第2の所定電流値と、前記転写手段及び前記クリーニング手段の前記抵抗値に基づいて、転写を行う場合に前記中間転写手段に当接させた前記転写手段及び前記クリーニング手段に印加する第1の適正電圧値と、クリーニングのみを行う場合に前記中間転写手段に当接させた前記転写手段及び前記クリーニング手段に印加する第2の適正電圧値と、を算出し、
画像形成の際に、前記中間転写手段に当接させた前記転写手段及び前記クリーニング手段に、転写を行う場合には前記電圧印加手段から前記第1の適正電圧値の印加を行い、クリーニングのみを行う場合には前記電圧印加手段から前記第2の適正電圧値の印加を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御手段は、画像形成前に、前記中間転写手段に当接させた前記転写手段に前記所定電圧を印加した場合に検出された前記電流値と、前記転写手段及び前記クリーニング手段を前記中間転写手段に当接させ、前記所定電圧を印加した場合に検出された電流値から、前記転写手段及び前記クリーニング手段の抵抗値を算出し、
更に、転写のみを行う場合に前記転写手段に印加する第1の所定電流値と、クリーニングのみを行う場合に前記クリーニング手段に印加する第2の所定電流値と、前記転写手段及び前記クリーニング手段の前記抵抗値に基づいて、転写を行う場合に前記中間転写手段に当接させた前記転写手段及び前記クリーニング手段に印加する第1の適正電流値と、クリーニングのみを行う場合に前記中間転写手段に当接させた前記転写手段及び前記クリーニング手段に印加する第2の適正電流値と、を算出し、
画像形成の際に、前記中間転写手段に当接させた前記転写手段に前記電圧印加手段から第1の所定電流値の印加を行い、前記クリーニング手段の前記中間転写手段への当接に先立ち、前記第1の所定の電流値を印加した場合に前記転写手段に生じた電圧を前記電圧印加手段から前記転写手段に印加し、その後、前記中間転写手段に前記クリーニング手段を当接させて所定の時間の経過した後に、転写を行う場合には前記電圧印加手段から第1の適正電流値の印加を行い、クリーニングのみを行う場合には前記電圧印加手段から第2の適正電流値の印加を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記転写手段は像担持体上に形成されたトナー像を前記中間転写手段に転写する一次転写パッドであり、前記クリーニング手段は前記中間転写手段に残留したトナーを散らすICLブラシであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記転写手段は前記中間転写手段に形成されたトナー像を記録材に転写する二次転写ローラであり、前記クリーニング手段は前記中間転写手段に残留したトナーを帯電するICLローラであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記制御手段が前記転写手段及び前記クリーニング手段に前記電圧印加手段から電圧印加を行った場合、前記転写手段の抵抗と前記クリーニング手段の抵抗は並列の関係にあることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−247680(P2012−247680A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−120324(P2011−120324)
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】