説明

画像形成装置

【課題】 転写ベルトからの記録材の分離性の向上。
【解決手段】 弾性状の転写搬送ベルトを持つ画像形成装置において、紙が転写ベルトから分離する部分に、張架ローラと曲率の異なる突起物が出るようになっていて、突起物を出す長手方向の高さ分布を、紙種によって切り替えることで、最適な分離状態を得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機やレーザプリンタ等の電子写真の技術を用いて像担持体に担持されたトナー像を記録材に転写する画像形成装置に関する。詳しくは、記録材の転写、搬送を行う転写ベルトを有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のローラにより張架した転写ベルトにより記録材を担持搬送する電子写真装置では、転写ベルト上の記録材は、転写ニップ部を通過すると転写ベルトに静電的に吸着される。
【0003】
しかし、記録材の剛度が弱いと、転写ベルトを張架する分離ローラの曲率と記録材の剛度を利用するだけでは、記録材を転写ベルトから分離することができない。すなわち、記録材が分離ローラの位置で転写ベルトに張り付いたままとなり、分離不良が生ずる。そこで、分離位置において転写ベルトにうねりをつける構成としては、転写ベルトを張架する分離ローラ表面に一様に突起物を形成して、記録材を分離させる方法がある(特許文献1)。このような構成を用いることによって、分離位置において転写ベルトにうねりを形成することができるが、転写ベルトに常に局所的に大きな張力を働かせてしまう。その結果、転写ベルトの局所的な磨耗が生じることによる抵抗ムラの影響で転写性が安定しなくなる。
【0004】
記録材を担持する円筒状の転写材担持シートを、記録材分離のために変形させつつも、変形による磨耗を低減する方法が特許文献2に記載されている。特許文献2には、内側から転写シートを押し上げる位置と押し上げない位置に動くことができる押し上げ手段としてコロを設けた構成が記載されている。特許文献2に記載の方法では、記録材の分離を転写シートをコロで押し上げることによって行い、記録材を分離しない間は転写シートを押し上げない。必要以上に転写材シートを変形させずに、様々な厚さの記録材を分離するために、特許文献3には、薄い記録材を大きな押し上げ量で分離して、厚い記録材を小さい押し上げ量で分離する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−015987
【特許文献2】特開平5−119636
【特許文献3】特開平5−341664
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような構成を転写ベルトに適用して、転写ベルト上の記録材にトナー像を転写する転写部材から記録材搬送方向において下流側に、分離工程時に転写ベルトを転写ベルトの幅方向において局所的に押し上げる動作をする押し上げ手段を配置する構成になる。薄い紙等の記録材の剛度が弱い場合に、転写ベルトが局所的に押し上げられた状態で記録材を搬送することにより記録材にうねりをつけて、分離工程時の記録材のこしの強さを大きくすることができる。
【0007】
転写ベルトに形成する突出の幅方向における間隔を広くすると、隣り合う突出と突出の間に、記録材にうねりをつけにくい領域が生じてしまう。そこで、突出と突出の間に記録材にうねりをつけにくい領域が生じるのを抑制するためには、突出と突出の間隔を保つのが望ましい。
【0008】
一方で、記録材のこしをより大きくするには、押し上げ手段が転写ベルトを押し上げる押し上げ量をより大きくして、転写ベルトに形成する突出をより高くするのが有効である。
【0009】
しかし、隣り合う突出と突出の間隔を短く保ちつつ、突出をより高くすると、隣り合う突出と突出の間に形成される谷形状がより急峻で深くなってしまう。その結果、谷形状の底部に記録材が追従しにくくなり、底部において記録材と転写ベルト間の隙間が広がり、放電が隙間で生じて記録材のトナー画像を乱すおそれがある。
【0010】
ところで、押し上げ量を大きくして突出を高くした場合であっても、隣り合う突出との高さが異なるようにすると、隣り合う突出間に形成される転写ベルトの谷形状が深くなるのが抑制されて、底部において記録材と転写ベルト間の隙間が広がるのが抑制されることがわかった。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するための本発明は、トナー像を担持する像担持体と、記録材を担持搬送する移動可能なベルト部材と、前記ベルト部材に担持搬送された記録材に前記像担持体に形成されたトナー像を静電的に転写する転写部材と、前記ベルト部材の幅方向において局所的にベルト面が突出するように、記録材の搬送方向において前記転写部材よりも下流側の前記ベルト部材を内面側から押し上げる押し上げ手段と、を有する画像形成装置において、記録材が前記ベルト部材で搬送されると、前記押し上げ手段は前記ベルト部材を押し上げて前記ベルト部材の幅方向において局所的な突出を幅方向に異なる位置に複数形成して、記録材を分離するモードであって、転写後のベルト面に対して垂直な垂直方向において第一の高さを有する第一の突出と、前記第一の突出に隣り合う位置に前記第一の高さより高い第二の突出を形成する第一のモードを実行可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
転写ベルトを局所的に押し上げて複数の突出を形成することにより転写ベルトから記録材を分離する構成において転写ベルトを押し上げる量をより大きくしても、隣り合う突出の間隔を短く保持しながら、隣り合う突出間に形成される転写ベルトの谷形状が深くなるのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施例1を説明する図である。
【図2】分離装置と転写ベルトを説明する図である。
【図3】分離装置を説明する図である。
【図4】実施例1を説明する図である。
【図5】実施例1を説明する図である。
【図6】実施例1を説明する図である。
【図7】実施例2を説明する図である。
【図8】実施例2を説明する図である。
【図9】分離装置による転写ベルトに生ずるうねりを説明する図である。
【図10】実施例2を説明する図である。
【図11】実施例3を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<実施例1>
<画像形成装置について>
本発明に係る画像形成装置について説明する。
【0015】
まず、図1を用いて画像形成装置の構成及び動作について説明する。図1に示した画像形成装置は電子写真方式を用いたカラーの画像形成装置である。図1に示した画像形成装置は、4色の画像形成部を中間転写ベルト上に並べて配置した、所謂中間転写タンデム方式の画像形成装置の断面図である。
【0016】
まずは、画像形成部(画像形成ユニット)100について説明する。本実施例では、周知の画像形成ユニット100Y、100M,100C,100Kを有するものである。次にそれぞれの画像形成部について説明する。
【0017】
1Y、1M、1C、1kはそれぞれ矢線A方向へ回転可能である像担持体としての感光ドラムである。2Y、2M、2C、2kはそれぞれの感光ドラムを帯電するための帯電装置である。3Y、3M、3C、3kは入力された画像情報に基づいてそれぞれの感光ドラムを像露光する露光装置である。4Y、4M、4C、4kはそれぞれの感光ドラム上にトナー像を形成するための現像装置である。4Yはイエロー(Y)のトナーを用いて現像する現像装置、4Mはマゼンタ(M)のトナーを用いて現像する現像装置、4Cはシアン(C)のトナーを用いて現像する現像装置と、4Kはブラック(k)のトナーを用いて現像する現像装置である。11Y,11M,11C,11Kは、転写工程後に感光ドラムに残留したトナーを除去するためのクリーニング装置である。
【0018】
次に、それぞれの感光ドラムに対向する中間転写体或いは像担持体である中間転写ベルト6について説明する。中間転写ベルト6は、張架部材である複数の張架ローラ20、21、22に張架され、矢印Gの方向へ回動するようになっている。本実施の形態では、張架ローラ20は中間転写ベルト6の張力を一定となるように中間転写ベルト6にテンションを与えるテンションローラである。張架ローラ22は中間転写ベルト6に駆動力を伝達する駆動ローラ、張架ローラ21は2次転写部を形成する内対向ローラである。この中間転写ベルト6の内部には、それぞれの感光ドラムに形成されたトナー像を中間転写ベルト6に転写するための1次転写部材である一次転写ローラ5Y、5M,5C,5Kが設けられている。以上の構成により、中間転写ベルト6上に4色のトナー像が重畳して転写され、二次転写部に搬送される。
【0019】
次に中間転写ベルト6上に形成されたトナー像を記録材に転写する二次転写部Nの構成について説明する。二次転写部は、中間転写ベルト6の内面に設けられた第一転写部材である内対向ローラ21と、中間転写ベルト6と転写ベルト24とを介して中間転写ベルト6の外面側から内対向ローラ21を押圧する第二転写部材である外対向ローラ9とから形成される。また、外対向ローラ9に2次転写高圧電源13からトナーの正規の帯電極性と逆極性の電圧が印加されることで、トナーが記録材に転写される。記録材を搬送する搬送部については後述する。
【0020】
中間転写ベルト6上に形成されたトナー像は、予め設定されたタイミングでレジストローラ8から転写ベルト24に送られ、二次転写部に搬送されてきた記録材上に二次転写される。その後、記録材Pは記録材ガイド29に搬送され、その後、定着装置60へと搬送される。定着装置は、図1では対向する定着ローラ615および加圧ローラ614が形成する定着ニップ内で所定の加圧力と熱量を与えて記録材上にトナー像を溶融固着させるものである。
【0021】
<転写ベルトの構成>
24は記録材を担持搬送する移動可能なベルト部材である転写ベルトである。転写ベルト24は、張架部材である複数の張架ローラ25、26、27に張架されおり、矢印Bの方向へ回動する。本実施の形態では、張架ローラ26が転写ベルト24に駆動力を伝達する駆動ローラとなっている。また、25,26、27は、転写ベルト24の回転に従動して回転する張架ローラである。張架ローラ25、26、27はそれぞれ円柱形状のローラである。
【0022】
レジストローラ8から搬送された記録材Pは、転写ベルト24の移動方向において二次転写部Nよりも上流側にある転写ベルト25のベルト面で転写ベルト24と当接を開始する。本実施例では、記録材を転写ベルト24に静電的に吸着させるための吸着ローラ等の吸着手段を有しない構成であるが、吸着手段を用いて記録材Pを転写ベルト24に吸着させてもいい。
【0023】
二次転写部Nよりも上流側で転写ベルト24表面に載せられた記録材Pは、転写ベルト24の移動と共に二次転写部Nに搬送される。この二次転写部Nでトナー像が記録材に転写された後は、記録材は転写ベルト24から分離される。本実施例では、記録材の坪量が所定の値よりも大きい場合には、後述する分離補助装置40は作動せずに、張架ローラ26による曲率により記録材は転写ベルト24から分離する。このように、張架ローラ26は、転写ベルト24に担持された記録材を転写ベルト24から分離可能である分離張架部材として機能する。一方、記録材の坪量が小さい場合には、後述する分離補助装置40が作動することで、記録材が転写ベルト24から分離するものである。
【0024】
本実施例の転写ベルト24は、ポリイミド、ポリカーボネートなどの樹脂または各種ゴム等に帯電防止剤としてカーボンブラックを適当量含有させたものである。そして、その体積抵抗率を1E+9〜1E+14[Ω・cm]、厚みを0.07〜0.1[mm]としたものを用いている。また、引っ張り試験法(JIS K 6301)で測定したヤング率の値が0.5MPa以上10MPa以下となるような弾性体のものを使用している。また、転写ベルト24の引っ張り試験におけるヤング率を0.5MPa以上の部材を使用することで、ベルトの形状を十分に保って回転駆動ができる。一方で、10MPa以下の十分に弾性変形が可能な部材を使用することで、後述する分離補助装置40によって記録材Pに効果的にうねり発生させて、より効果的な転写ベルト24からの記録材Pの分離を達成することが可能になる。また、十分に弾性変形が可能な部材は、部材が変形した状態から変形量を減らした際の部材の緩和現象が起こりやすいため、分離補助装置40による転写ベルト24の磨耗を低減することが可能になる。
【0025】
<分離補助装置40>
本実施形態では、転写ベルトからの記録材の分離を行うために局所的に転写ベルトを押し上げて変形させるための押し上げる手段として分離補助装置40を有する。分離補助装置40は、記録材搬送方向において2次転写部Nより下流側であって、張架ローラ26よりも上流側の転写ベルト24の内面側に設けられている。
【0026】
分離補助装置40の詳細な構成および、動作を示しているのが図2(a)、図2(b)、図2(c)、図2(d)である。分離補助装置40は分離補助部材である分離補助コロ41と、分離補助コロ41を回転可能に支持するコロフレーム42を有する。更に、分離補助コロ41の揺動移動中心となるコロ揺動中心軸43と、分離補助コロ41を軸43を中心にして揺動移動させるコロ駆動ギア44と、コロ駆動ギア44に駆動力を伝達するためのモータ駆動伝達ギア45と、駆動源であるモータ46とからなる。モータ46からの駆動力がモータ駆動伝達ギア45によって、コロ駆動ギア44に伝達される。ここで、コロ駆動ギア44とコロ揺動中心軸43の間にはベアリングを設けているため、コロ揺動中心軸43は、モータ46による回転駆動の影響は受けず位置が動かないようになっている。
【0027】
分離補助コロ41、コロフレーム42はコロ揺動中心軸43を中心にモータ46の所定量の正回転により、図2(a)で示されるコロ退避位置からY1方向へ図2(b)で示されるコロ41が転写ベルト24の内面に当接する位置まで動く動作を行う。さらに、モータ46の所定量の逆回転によりの図2(b)のベルト押し上げ位置からY2方向へ図2(a)で示されるコロ41が転写ベルト24から離間したベルト押し上げ位置から退避した退避位置へ動くことができる。すなわち、このような揺動運動を行うようになっている。
【0028】
ここで、図2(a)の状態(離間状態)で、分離補助コロ41から転写ベルト24までの距離は6mmである。本実施例では、離間状態時に分離補助コロ41と転写ベルト24との接触を確実に防止できる間隔としてこのような距離に設定しているが、もちろん本発明はこの値に限定されるものではない。図2(b)の状態(押し上げ状態)では分離補助コロ41が転写ベルト24のベルト面を内面側から押し上げる量が2〜10mmに設定される。本実施例では、押し上げ状態時に転写ベルト24のベルト面の押し上げを確保できる間隔としてこのような距離に設定しているが、もちろん本発明はこの値に限定されるものではない。なお、押し上げ量は、離間状態のベルト面を基準としている。本実施例では、モータ軸の移動量は、退避位置における分離補助コロ41と離間状態のベルト面間の距離と、押し上げ量に基づいて設定する。このようにモータ軸の移動量を設定することにより、本実施例では所望の押し上げ量を実現する。所望の押し上げ量を実現する構成は、本実施例の構成に限れられず、移動量を規制する規制部材を設ける構成であってもいい。あるいは分離補助コロ41の外径の大きさに基づいて設定してもよい。
【0029】
また、図2(b)の状態では、複数の分離補助コロ41が転写ベルト24を局所的に押し上げるために、分離補助コロ41に押し上げられる部分と押し上げられない部分との間に段差が生じる。その結果、転写ベルト面がうねり、変形が生ずる。なお、本実施例では、離間状態では分離補助コロ41は、転写ベルト24と離間する構成であるが、もちろん転写ベルト面の形状に影響を与えない程度に接触している構成であってもいい。ここで、転写ベルト面の形状に影響を与えない程度とは、転写ベルト幅方向において、転写ベルト上に分離補助コロ41による凹凸が現れない程度、具体的には、最大段差が0.5mmに収まる範囲内にある必要がある。幅方向とは、移動する転写ベルト24のベルト面の移動する方向と直交する方向である。
【0030】
分離補助コロ41はエチレン−プロピレンゴム(EPDM)からなり、外径は8mm、転写ベルトの幅方向における幅は10mm程度である。もちろんこの数値に限定するものではない。このような分離補助コロ41が転写ベルト24を押し上げると、転写ベルト24の幅方向に局所的な突出が転写ベルトに形成される。分離補助コロ41は、転写ベルト24の内面の磨耗を軽減するために、弾性部材であるゴムを使用することが望ましい。
【0031】
図3は、分離補助コロ41の幅と、分離補助コロ41間の間隔について説明する図である。分離補助コロ41を複数配置する場合に分離補助コロ41の幅方向の配置間隔を狭くしすぎると、全体的に転写ベルトが持ち上がってしまい、局所的な突出が転写ベルト24に形成されなくなり、分離性を高めることができない。局所的な突出を形成するためには、ある程度間隔を広くとることが必要になる。そこで本実施形態では、分離補助コロ41の幅(10mm)と、分離補助コロ41間の間隔(35mm)が設定される。L1はコロ先端同士で囲まれた部分の長さ、Wkはコロ先端の幅を示している。L2は、隣り合った二つのコロ41の対向する端面間の間隔であり、L1−2Wkによって得られる。本実施形態では、L2が2Wk以上と設定する。すなわち、分離補助コロ41で転写ベルト24に接触している長さより分離補助コロ41が転写ベルト24に接触していない長さの方が長くなり、全体的に持ち上がろうとするより局所的に変形して転写ベルト24に凹凸をつけやすくなる。
【0032】
予め設定された厚みの記録材が搬送されるときには、分離補助コロ41による押し上げによって転写ベルト24には幅方向に局所的な変形が生ずる。転写ローラ9により、転写ベルト24の内面にはトナーと逆極性の電荷が付与されるので、記録材は少なくとも二次転写部Nでの静電転写の影響で、転写ベルト24に吸着している状態である。さらに、剛度の低い記録材はこしが弱く、変形しやすい。そのため、図6に示すように、転写ベルト24の変形に伴い記録材にも、うねりが生じることになる。その結果、記録材の断面二次モーメント、すなわち記録材のこしの強さ、が大きくなる。これによって、こしの弱い極端に薄い記録材を分離するために有効な分離効果を得ることができる。
【0033】
図2(c)は本実施例の分離補助装置40の斜視図である。分離補助コロ41が、転写ベルト24の幅方向に異なる位置に7つ並べて配置されている。本実施例では7個の分離補助コロ41a、41b、41c、41d、41e、41f、41gが、幅方向の端から順に配置されている。分離補助コロ41の幅方向における位置は固定されており、隣り合う分離補助コロ41の対向する端面間の間隔は、35mmで等間隔である。もちろんこの数値に限定するものではない。分離補助コロ41dは、どの幅のサイズの記録材も幅方向の中央が共通の基準線に実質的に一致するように搬送される記録材の略中央部に位置するように配置されている。そして、両端部の分離補助コロ41a、41gは、予め設定されている通紙可能な最大サイズの記録材の幅方向の通過領域に配置されているものである。
【0034】
ここで、予め設定されている通紙可能な最大サイズの記録材とは、画像形成装置の仕様の説明書等に記載されているその装置で画像形成に使用できる最大幅のサイズの記録材である。
【0035】
記録材のサイズが大きい場合には、小さいサイズの記録材と同じうねりを生じさせても、記録材自身の重量も増加するために重力の影響を大きくうけることで記録材のこしの強さは低下することになる。そのため、記録材のサイズが大きくなる場合には、複数の分離補助コロ41を用いることが望ましい。分離補助コロの両端の長さを記録材の幅方向の長さよりも短くすることで、分離補助コロの凸部の記録材に確実に形成できるため、このような長さ関係にする必要がある。
【0036】
図2(d)は、図2(a)の矢印方向から見た分離補助コロ装置の駆動部を示す。コロ駆動ギア44a、44b、44c、44d、44e、44f、44gは、それぞれの分離補助コロを揺動移動させる。モータ駆動伝達ギア45a、45b、45c、45d、45e、45f、45gはそれぞれのコロ駆動ギアにモータからの駆動力を伝えるためのものである。本実施例では駆動源として4個のモータ46−1、46−2、46−3、46−4を有する。モータ46−1の駆動力は、モータ駆動伝達ギア45a、45gを介して、それぞれの分離補助コロ41a、41gのコロ駆動ギアに伝達される。モータ46−2の駆動力は、モータ駆動伝達ギア45b、45fを介して、それぞれの分離補助コロ41b、41fのコロ駆動ギアに伝達される。モータ46−3の駆動力は、モータ駆動伝達ギア45c、45eを介して、それぞれの分離補助コロ41c、41eのコロ駆動ギアに伝達される。モータ46−4の駆動力は、モータ駆動伝達ギア45dを介して、分離補助コロ41dのコロ駆動ギアに伝達される。このような構成にすることにより、押し上げ量の分布を転写ベルトの中央部に対称な分布になるように設定することができる。なお、押し上げ量は、離間状態のベルト面を基準としている。
【0037】
<分離補助装置40の動作制御>
分離補助装置40の動作位置は制御部50によって制御される。この制御の関係を示しているのが図4である。分離補助装置40の動作位置信号の制御は、ユーザーに指定された記録材坪量情報、レジストローラ対8の記録材送りタイミングから取得される記録材先端位置情報、2次転写高圧電源13によって読み取られる2次転写電流値に基づく。制御部50はCPU、ROM、RAMを含む構成である。そして、ユーザーが画像形成部を操作する操作部102からの情報は制御部50に入力される。また、レジストローラ8の動作タイミングは制御部50に入力される。また、二次転写高圧電源からの二次転写電流値の情報が制御部50に入力される。一方、制御部50は、分離補助装置40のモータの動作を制御する。
【0038】
本実施例では、以下の二通りのパターン(変形状態、離間状態)がROMに予め記憶されている。変形状態における分離補助コロ41の押し上げ量については後で詳細を説明する。
・記録材が坪量40g/m以下の場合には、分離補助コロ41が押し上げ位置に位置して転写ベルト24を幅方向で局所に突出させる(変形状態)。
・記録材が坪量40g/mより大きい場合には、分離補助コロ41が収納位置に位置する。収納位置において分離補助コロ41は転写ベルト24から離間している(離間状態)。
【0039】
すなわち、特定の坪量(第一の坪量)の記録材に対して分離補助コロ41を押し上げる動作を行い、第一の坪量より大きい第二の坪量の記録材に対しては分離補助コロ41を押し上げる動作を行わない。
【0040】
記録材の坪量について説明する。坪量とは、1m当り(単位面積当り)の記録材の重量である。この坪量は、操作部102でユーザーが入力する場合や、記録材を収容する収容部に収容された記録材の坪量を画像形成装置にユーザーが入力する場合等により画像形成装置に入力された坪量の情報に基づいて制御部50が分離補助装置40の動作を決定する。なお、本実施例では、記録材の剛度として坪量を用いたが、記録材に厚みに対応させてもいい。坪量が大きくなると、記録材の剛度は高くなり、坪量が小さくなると、記録材の剛度は低くなる。記録材の剛度を記録材の厚みに関連つけると、記録材の厚みが大きくなると、記録材の剛度が高くなる。逆に、記録材の厚みが小さくなると、記録材の剛度が低くなる。このように、記録材の厚みを用いる場合には、従来から知られている記録材の厚みを検知する厚み検知部材を記録材の搬送方向においてレジストローラよりも上流側に設け、その出力に基づいて分離補助装置40の動作を制御部50が制御する構成であってもいい。
【0041】
次に、分離補助装置40の動作を制御するフローチャートを、図5を用いて説明する。まず、図5で示されるように、画像形成信号が入力されることでスタートすると(S01),制御部50は画像形成に使用される記録材の坪量に関する情報、即ち、本実施例ではユーザー操作部102でユーザーが設定した記録材の坪量情報を読み取る(S02)。制御部50は、読み取った坪量が40g/mより大きいかどうかが判断される(S03)。制御部50がS03で記録材の坪量が40g/mより大きいと判断した場合には、制御部50は分離コロを収容位置に配置して(S06)、終了する(S07)。記録材の坪量が40g/m以下の場合には、転写ベルト24から記録材を分離するために、分離補助装置40により転写ベルトを押し上げて突出を形成する動作を行う。分離補助コロ41はY1方向へ動かされて、転写ベルト24を押し上げた、押し上げ位置に配置される(S04)。分離補助コロ41により変形された転写ベルト上で、記録材Pは、うねりがつけられてこしの強さが大きくなり、張架ローラ26に到達する前に、転写ベルトから分離される。次に、記録材の先端が記録材ガイド29に到達しているかどうかの判断を行う(S05)。本実施例では、記録材ガイド29には不図示が記録材検知センサーが設けられている構成であり、この記録材検知センサーにより記録材の先端が記録材ガイド29に達しているかどうかの判断が行われる。もちろんこの記録材検知センサーを記録材ガイド29に設けずに、所定のポイントからカウントすることで記録材の位置を検知する等の他の方法であってもいい。記録材が記録材ガイド29に到達している場合には、制御部50は分離が行われたと判断して、分離コロを収容位置に移動させて(S06)、終了する(S07)。一方、記録材検知センサーが記録材を検知しない場合には、制御部50は、記録材が記録材ガイド29に到達していないと判断して、分離コロを押し上げを維持する。
【0042】
(分離補助コロ41の押し上げ量分布)
本実施例では、「変形」状態における各分離補助コロ41の押し上げ量は制御部50に予め記憶されている。本実施例では、「変形」状態において、分離補助コロ41aと41gの押し上げ量は10mm、分離補助コロ41bと41fの押し上げ量は8mm、分離補助コロ41cと41eの押し上げ量は6mm、分離補助コロ41dの押し上げ量は4mmとする。ここで押し上げ量は、「離間」状態における転写ベルト面に対して垂直な方向において上向きの変化量のことをいう。各分離補助コロ41の押し上げ量は、各分離補助コロ41を駆動するためのモータの回転駆動量を制御することにより、設定される。転写ベルト24に形成される突出の高さは、分離補助コロの押し上げ量と同程度である。分離補助コロの押し上げにより転写ベルトに突出が複数形成される。分離補助コロ41a、41b、41c、41d、41e、41fに対応する突出の高さは、10mm、8mm、6mm、4mm、6mm、8mm、10mm程度になる。このように隣り合う突出同士の高さの差異は2mmで均一になっている。
【0043】
このように「変形」状態は、第一の高さの突出(第一の突出)の隣りに、第一の高さより高い第二の突出を形成するモード(第一のモード)である。
【0044】
図6は、本実施例の「変形」状態における転写ベルトの斜視図を示す。幅方向に互いに隣り合う分離補助コロ41の押し上げ量が異なるように設定されている。この理由について図9(a)、図9(b)、図9(c)を用いて説明する。これらの図は、分離補助コロが転写ベルトを押し上げたときの記録材搬送方向に垂直な断面を示す。図9(a)は、転写ベルト24に形成する突出が低い場合(2mm程度)である。この場合には、隣り合う突出間に形成される谷形状は浅い。そのため、谷形状の底部において記録材は転写ベルトに触れているか、あるいは触れていなかったとしても、底部と記録材間に形成される隙間は小さい。しかし、図9(b)は、記録材に付与するこしの強さを大きくするために転写ベルト24に形成する突出を高くする場合である。この場合には、隣合う突出間に形成される谷形状は深く急峻になる。谷形状の底部において記録材は浮き上がった状態になり、記録材と谷形状の隙間が大きくなる。その結果、隙間で放電が生じて、トナー画像を乱すおそれがある。
【0045】
図9(c)は、隣り合う分離補助コロ41の押し上げ量が異なるように、押し上げ量を高くした場合である。この場合には、第一の高さを有する突出(第一の突出)の隣りに、第一の高さより高い第二の高さの突出(第二の突出)が形成される。突出と突出の間に形成される転写ベルトの谷部は浅い状態に維持される。その結果、記録材に付与するこしの強さを大きくしても、分離補助コロ41の押し上げにより形成される谷形状を深くするのを抑制することができる。
【0046】
本実施例では、図9(c)に示されるように、第一の高さの突出の隣りに第一の高さより高い第二の突出を形成するモードを実行可能である。転写ベルトからの記録材の分離を転写ベルトを局所的に押し上げて複数の突出を形成することにより行う構成において転写ベルトを押し上げる量をより大きくしても、隣り合う突出の間隔を短く保持しながら、隣り合う突出間に形成される転写ベルトの谷形状が深くなるのを抑制することができる。
【0047】
また、本実施例では、幅方向における端部の押し上げ量を中央の押し上げ量よりも大きく設定することにより、記録材の幅方向における端部が押し上げにより支えられ、記録材の幅方向における端部がたれて記録材ガイド29に引っかかるのを抑制する。
【0048】
<実施例2>
【0049】
【表1】

【0050】
実施例1と重複する部分については、実施例1と同様なので説明を割愛する。
【0051】
坪量が同じ記録材であっても、記録材の材質が異なると、記録材自身の抵抗値は異なるものになる。その結果、坪量が同じ記録材であっても、2次転写バイアスが定電圧制御されていると、記録材が2次転写ニップを通過する際に実際に流れる2次転写電流値は同じにはならないという事態が生じる。記録材が2次転写ニップを通過する際に流れる2次転写電流が大きくなると、記録材と転写ベルト24との静電吸着力が強くなり、分離性が悪化すると考えられる。そこで、2次転写電流が、記録材の転写ベルト24からの分離性に与える影響について検討した。検討したところ、2次転写電流値が40μAより大きくなると、坪量が40g/mより大きく60g/mより小さい記録材を張架ローラ26により転写ベルト24から分離するのが困難になるとわかった。そこで、本実施例では転写電流値を検知する転写電流検知部を設けた上で、記録材先端が2次転写ニップを通過する際に転写電流検知部により検知された転写電流値を踏まえてから、分離補助装置40の動作制御を判断する。
【0052】
すなわち本実施例では、分離補助装置40の動作位置制御は、表1で示されるマトリクスに基づいて、図8で示されるフローで行われる。
【0053】
表1は、制御部50内に設けられている記憶部に予め記憶されているテーブルである。この制御テーブルは、記録材の坪量、記録材先端が転写ニップを通過する際の転写電流値に応じて、分離補助コロ41により転写ベルト24を変形させる場合(変形)と、分離補助コロ41を転写ベルト24から離間させている場合(離間)とを分けるものである。坪量が40g/m以下で2次転写電流が40uA以上の場合に「変形1」状態にする。坪量が40g/m以下で2次転写電流が40uA以下の場合に「変形2」状態にする。40〜60g/m2で2次転写電流が40uA以上の場合に「変形3」状態にする。40〜60g/m2で2次転写電流が40uA以下の場合、坪量が60g/m以上である場合に「離間」状態にする。「変形1」、「変形2」、「変形3」状態については後で詳細を説明する。
【0054】
次に、図8を用いて実施例2における分離補助コロ41の動作制御フローチャートを説明する。
【0055】
スタートすると(S01)、紙の坪量情報を取得する(S02)。記録材の坪量が60g/m2以上であるかが判断される(S03)。60g/m2以上であると判断された場合、分離補助コロ41を退避位置へ配置して(S15)、終了する(S16)。60g/m2以上である場合、記録材の分離は、分離張架ローラ26により行う。一方で、60g/m2より小さい場合には、記録材の分離のために、記録材のこしを強くする押し上げ動作を行う必要がある。S03において坪量が60g/m2以上ではないと判断されると、坪量が40g/m2より大きいかが判断される(S04)。設定する変形状態を坪量によって異ならせるためである。
【0056】
S04において坪量が40g/m2より大きいと判断されると、2次転写電流を取得して(S05)、2次転写電流が40uA以下であるかが判断される(S06)。2次転写電流が高いほど、記録材と転写ベルト24の静電吸着力が強くなり、記録材が転写ベルト24から分離しにくくなるからである。2次転写電流が40uA以下の場合には、分離補助コロ41を退避位置へ配置して(S15)、終了する(S16)。2次転写電流が40uAより大きいと判断されると、押し上げ動作が行われて、「変形3」状態になる(S07)。記録材は押し上げにより転写ベルト24から分離する。S08において紙先端が記録材ガイドに到達したと判断されると、分離補助コロ41を退避位置へ移動させて(S15)、終了する(S16)。
【0057】
S04において坪量が40g/m2より大きくないと判断された場合には、S09において2次転写電流を取得して、転写電流値が40uA以下であるかが判断される(S10)。転写電流値が40uA以下であると判断された場合には、S11において押し上げ動作が行われて、「変形2」状態になる。記録材は押し上げにより転写ベルトから24から分離する。S12において記録材が記録材ガイドに到達したと判断されると、分離補助コロ41を退避位置へ移動させて(S15)、終了する(S16)。
【0058】
S10において転写電流値が40uAより大きいと判断された場合には、S13において押し上げ動作がオンされて、「変形1」状態になる。記録材は転写ベルト24から分離する。S14において記録材先端が記録材ガイドに到達したと判断されると、分離補助コロ41を退避位置へ移動させて(S15)、終了する(S16)。
【0059】
(分離補助コロ41の動作制御のタイミング)
図10を用いて、坪量が40g/mより大きくて60g/mより小さい場合で、2次転写電流値が40μA以上の場合に分離補助コロを制御するタイミングについて説明する。定電圧制御された2次転写バイアスが印加(ON)されて、記録材の先端が2次転写ニップに到達すると、転写電流検知部材により2次転写電流が読み取られる。記録材先端が2次転写ニップに到達してから読み取られた2次転写電流値が40μA以上である場合、分離補助コロ41を押し上げ位置に移動させる分離補助コロ動作信号が制御部50から分離補助コロ41に伝達される。その後、記録材の先端が記録材ガイド29の案内面に到着したと判断されると、分離補助コロ41を収納位置に移動させる分離補助コロ動作信号が制御部50から分離補助コロ41に伝達される。
【0060】
(分離補助コロ41の押し上げ量分布)
本実施例では、表2に示されるように、坪量が40g/m以下で2次転写電流が40uA以上の場合に「変形1」状態にする。坪量が40g/m以下で2次転写電流が40uA以下の場合に「変形2」状態にする。40〜60g/m2で2次転写電流が40uA以上の場合、「変形3」状態にする。そのため、記録材の分離性を確保するために分離補助コロ41が転写ベルトを押し上げても、分離補助コロ41により転写ベルトにかかる余分な負荷を低減することができる。
【0061】
まず、3つの場合の中で記録材が最も分離しにくいのは、坪量が40g/m以下で2次転写電流が40uA以上の場合である。そこで「変形1」状態では、分離補助コロ41aと41gの押し上げ量を10mm、分離補助コロ41bと41fの押し上げ量を8mm、分離補助コロ41cと41eの押し上げ量を6mm、分離補助コロ41dの押し上げ量を4mmに設定する。分離補助コロ41a、41b、41c、41d、41e、41fに対応する突出の高さは、10mm、8mm、6mm、4mm、6mm、8mm、10mm程度になる。これは、図6に示される実施例1における「変形」状態と同じ設定である。押し上げ量が大きく、かつ、全体として谷型形状が形成されるので、記録材のこしの強さを大きくする効果が大きい。また、隣り合う分離補助コロ41の押し上げ量が異なるように押し上げ量の分布を設定するので、記録材に付与するこしの強さを大きくしても、突出と突出間に形成される転写ベルトの谷形状が深く急峻になるのを抑制することができる。
【0062】
3つの場合の中で記録材の分離性を確保するために必要なこしの強さが次に大きいのは、坪量が40g/m以下で2次転写電流が40uA以下の場合である。そこで、「変形2」状態では、分離補助コロ41aと41gの押し上げ量を8mm、分離補助コロ41bと41fの押し上げ量を6mm、分離補助コロ41cと41eの押し上げ量を4mm、分離補助コロ41dの押し上げ量を2mmに設定する。分離補助コロ41a、41b、41c、41d、41e、41fに対応する突出の高さは、8mm、6mm、4mm、2mm、4mm、6mm、8mm程度になる。「変形1」状態に比べると押し上げ量は小さく設定されるので余分な押し上げを低減することができる。一方で、全体として谷型形状を形成して、記録材の分離性を確保している。また、隣り合う分離補助コロ41の押し上げ量が異なるように押し上げ量の分布を設定するので、記録材に付与するこしの強さを大きくしても、突出と突出間に形成される転写ベルトの谷形状が深く急峻になるのを抑制することができる。
【0063】
3つの場合のなかで記録材が次に分離しにくいのは、40〜60g/m2で2次転写電流が40uA以上の場合である。「変形3」状態では、分離補助コロ41a〜41fの押し上げ量を2mmで均等に設定する。図7は「変形3」状態の斜視図を示す。「変形2」状態に比べて押し上げ量を小さくして、余分な押し上げを低減している。また、押し上げ量は小さいので、隣り合う突出間に形成される転写ベルト24の谷形状は深くならない。よって隣り合う高さを異ならせるように突出を形成しない。
【0064】
<実施例3>
実施例1と重複する部分については割愛する。本実施例が実施例1と相違するのは、分離補助コロ41により転写ベルト24を変形させる場合(変形)の各分離補助コロ41の押し上げ分布である。本実施例では「変形」状態では、分離補助コロ41aと41gの押し上げ量を4mm、分離補助コロ41bと41fの押し上げ量を6mm、分離補助コロ41cと41eの押し上げ量を8mm、分離補助コロ41dの押し上げ量を10mmに設定する。分離補助コロ41a、41b、41c、41d、41e、41fに対応する突出の高さは、4mm、6mm、8mm、10mm、8mm、6mm、4mm程度になる。図11は、本実施例における変形状態の転写ベルトの斜視図を示す。隣り合う分離補助コロ41の押し上げ量が異なるように押し上げ量の分布を設定するので、記録材に付与するこしの強さを大きくしても、突出と突出間に形成される転写ベルトの谷形状が深く急峻になるのを抑制することができる。
【符号の説明】
【0065】
1 感光ドラム
2 1次帯電器
3 露光装置
4 現像器
5 1次転写ローラ
6 中間転写ベルト
8 レジストローラ
9 2次転写ローラ
11 ドラムクリーニング装置
12 ベルトクリーニング装置
13 2次転写高圧電源
20 中間転写ベルト張架ローラ(テンションローラ)
21 中間転写ベルト張架ローラ(2次転写ローラ9の対向ローラ)
22 中間転写ベルト張架ローラ(駆動ローラ)
24 転写ベルト
25 転写ベルト張架ローラ
26 分離張架ローラ
27 転写ベルト張架ローラ(テンションローラ)
29 記録材ガイド
31 転写ベルトクリーニング装置
40 分離補助装置
50 制御部
60 定着装置
P 記録材
A 感光ドラムの回転方向
B 転写ベルトの回転方向
G 中間転写ベルト回転方向
N 2次転写部位

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー像を担持する像担持体と、
記録材を担持搬送する移動可能なベルト部材と、
前記ベルト部材に担持搬送された記録材に前記像担持体に形成されたトナー像を静電的に転写する転写部材と、
前記ベルト部材の幅方向において局所的にベルト面が突出するように、記録材の搬送方向において前記転写部材よりも下流側の前記ベルト部材を内面側から押し上げる押し上げ手段と、
を有する画像形成装置において、
記録材が前記ベルト部材で搬送されると、前記押し上げ手段が前記ベルト部材を押し上げて前記ベルト部材の幅方向において局所的な突出を幅方向に異なる位置に複数形成して、記録材を分離するモードであって、転写後のベルト面に対して垂直な垂直方向において第一の高さを有する第一の突出と、前記第一の突出に隣り合う位置に前記第一の高さより高い第二の突出を形成する第一のモードを実行可能であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
記録材が前記ベルト部材で搬送されると、前記押し上げ手段が前記ベルト部材を押し上げて前記ベルト部材の幅方向において局所的な突出を幅方向に異なる位置に複数形成して、記録材を分離するモードであって、各突出の前記垂直方向における高さが第一の高さ以下の高さで均等になるように突出を形成する第二のモードを実行可能である請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
第一の厚みの記録材が前記ベルト部材で搬送されるときには、第一のモードを実行して記録材を前記ベルト部材から分離して、第一の厚みより厚い第二の厚みの記録材が搬送されるときには、第二のモードを実行して記録材を前記ベルト部材から分離する請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第一のモードにおいて、隣り合う突出同士の前記垂直方向における高さの差異が均一になるように各突出を形成する請求項1乃至3いずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記押し上げ手段は、前記ベルト部材の幅方向において端に近いほど突出の高さが大きくなるように前記転写ベルトを押し上げることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−2932(P2012−2932A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−136309(P2010−136309)
【出願日】平成22年6月15日(2010.6.15)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】