説明

画像形成装置

【課題】ホルダが装置本体に正しく装着されたのを確認しやすい画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、装置本体10と、所定の配列方向に配列された複数の感光ドラム51を一体的に保持し、前記配列方向に移動させることで、装置本体10に対して装着されるホルダ60と、を備えている。ホルダ60は、複数の感光ドラム51の軸方向の両側に配置される一対の金属板300と、ホルダ60の装着方向の手前側の端部で一対の金属板300から前記軸方向外側に突出するシャフト63の両端部63Aと、を有している。装置本体10は、シャフト63の両端部63Aに対し、下側および前記装着方向の下流側から当接することで、ホルダ60を位置決めする本体側切欠部121と、本体側切欠部121よりも前記装着方向の下流側に設けられ、各金属板300を支持する支持部410と、を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の感光ドラムを一体的に保持するホルダを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置として、複数の感光ドラムを一体的に保持し、装置本体に対して引き出し可能なホルダを備えたカラープリンタが知られている(例えば、特許文献1参照)。具体的に、特許文献1に記載のカラープリンタにおいて、ホルダは、複数の感光ドラムを感光ドラムの軸方向両側から挟んで支持する一対の金属板と、一対の金属板の前端部(装着方向上流側端部)を連結する位置決め軸とを備えている。また、各金属板は、後端部(装着方向下流側端部)に、切欠部が形成されている。
【0003】
そして、ホルダが装置本体に装着されると、切欠部が、装置本体に設けられている左右方向に延びる基準軸に当接するとともに、位置決め軸が、装置本体の板金フレームに下から支持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−178657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した技術では、基準軸に当接することでホルダの前後および上下位置を決める切欠部が、ホルダの後端部に設けられているため、ユーザがホルダを装着した際に、切欠部がしっかりと基準軸に当接し、ホルダが装置本体に正しく装着されたかどうかを確認し難かった。
【0006】
そこで、本発明は、ホルダが装置本体に正しく装着されたのを確認しやすい画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記した目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、装置本体と、所定の配列方向に配列された複数の感光ドラムを一体的に保持し、前記配列方向に移動させることで、装置本体に対して装着されるホルダと、を備えている。
ホルダは、複数の感光ドラムの軸方向の両側に配置される一対の側板と、ホルダの装着方向の手前側の端部で一対の側板から感光ドラムの軸方向外側に突出する一対の突出部と、を有している。
そして、装置本体は、一対の突出部に対し、下側およびホルダの装着方向の下流側から当接することで、ホルダを位置決めする位置決め部と、位置決め部よりもホルダの装着方向の下流側に設けられ、各側板を支持する支持部と、を有している。
【0008】
このように構成された画像形成装置によれば、装置本体の位置決め部と当接する突出部がホルダの装着方向の手前側にあるので、ホルダが装置本体に正しく装着されたのを目視で確認しやすい。
【0009】
そして、前記した画像形成装置において、装置本体は、一対の側板よりも感光ドラムの軸方向外側に配置される、金属で形成された一対の第1側壁を有し、位置決め部は、各第1側壁に形成されていることが望ましい。
【0010】
このように構成された画像形成装置によれば、位置決め部が金属板に形成されているので、位置決めの精度が向上する。
【0011】
また、前記した第1側壁を有する画像形成装置は、第1側壁の内側に複数の感光ドラムを露光する露光部材を備えていても良い。
この画像形成装置においては、第1側壁は、露光部材を支持する本体部と、本体部から感光ドラム側に向けて延びる延出部とを有し、位置決め部は、延出部に形成されていることが望ましい。
【0012】
このように構成された画像形成装置によれば、金属で形成された第1側壁を精度良く位置決めするために必要な部分にのみ設けるので、コストを低減することができる。
【0013】
そして、前記した第1側壁を有する画像形成装置において、装置本体は、各第1側壁を固定し、樹脂で形成された一対の第2側壁をさらに備えていてもよい。
この画像形成装置においては、支持部は、各第2側壁に設けられていることが望ましい。
【0014】
このように構成された画像形成装置によれば、金属製の第1側壁に支持部を設ける場合に比べて、第1側壁を小型にすることができ、コストを低減することができる。
【0015】
また、前記した画像形成装置において、一対の突出部は、一本の金属製のシャフトにより一体に構成されていることが望ましい。
【0016】
このように構成された画像形成装置によれば、ホルダの装置本体に対する位置決めの精度がさらに向上する。
【0017】
そして、前記した画像形成装置は、装着方向の上流側から下流側に向かうにつれて、下方に傾斜するベルトをさらに備え、ホルダは、ベルトに沿って装着されることが望ましい。
【0018】
このように構成された画像形成装置によれば、ホルダの自重により、突出部を位置決め部に密着させることができる。
【0019】
また、前記した画像形成装置において、位置決め部は、突出部に対し下側から当接する第1面と、突出部に対しホルダの装着方向下流側の斜め上方から当接する、ホルダの装着方向上流側から下流側に向かうにつれて下方に傾斜する第2面と、を有している。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、装置本体の位置決め部と当接する突出部がホルダの手前側にあるので、ホルダが装置本体に装着されたのを目視で確認しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態に係るカラープリンタの構成を示す側断面図である。
【図2】ホルダの装置本体から引き出された状態を示す図である。
【図3】ホルダと複数の感光ドラムを示す斜視図である。
【図4】スキャナユニット、板金フレーム、樹脂フレームおよび支持板を示す斜視図(a)と、支持板を示す斜視図(b)である。
【図5】ホルダが装置本体に装着された状態における、シャフト周辺の拡大図(a)と、支持板周辺の拡大図(b)である。
【図6】板金フレームと樹脂フレームを示す側面図である。
【図7】変形例に係るカラープリンタの構成を示す側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
<カラープリンタの全体構成>
次に、本発明の一実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明においては、まず、画像形成装置の一例としてのカラープリンタ1の全体構成を説明した後、本発明の特徴部分の詳細を説明することとする。
【0023】
以下の説明において、方向は、カラープリンタ使用時のユーザを基準にした方向で説明する。すなわち、図1において、紙面に向かって右側を「前側(手前側)」、紙面に向かって左側を「後側(奥側)」とし、紙面に向かって奥側を「右側」、紙面に向かって手前側を「左側」とする。また、紙面に向かって上下方向を「上下方向」とする。
【0024】
図1に示すように、カラープリンタ1は、装置本体10内に、用紙Pを供給する給紙部20と、給紙された用紙Pに画像を形成する画像形成部30と、画像が形成された用紙Pを排出する排紙部90とを備えている。
【0025】
給紙部20は、用紙Pを収容する給紙トレイ21と、給紙トレイ21から用紙Pを画像形成部30へ搬送する用紙搬送機構22とを備えている。
【0026】
画像形成部30は、露光部材の一例としてのスキャナユニット40と、4つのプロセスカートリッジ50と、ホルダ60と、転写ユニット70と、定着ユニット80とを備えている。
【0027】
スキャナユニット40は、装置本体10内の上部に設けられ、図示しないレーザ発光部、ポリゴンミラー、レンズおよび反射鏡などを備えている。そして、スキャナユニット40では、レーザビームが図の2点鎖線で示す経路を通って、各感光ドラム51の表面上に高速走査にて照射される。
【0028】
また、スキャナユニット40は、図4(a)に示すように、筐体41を備えている。筐体41の左右両側壁には、それぞれ前後に並ぶ3つの突起42が形成されている。
【0029】
図1に戻り、プロセスカートリッジ50は、給紙部20の上方で前後方向(所定の配列方向)に配列されており、感光ドラム51や、図示しない公知の帯電器、現像ローラ52、トナー収容室などを備えて構成されている。
【0030】
ホルダ60は、4つのプロセスカートリッジ50を一体的に保持している。そして、ホルダ60は、装置本体10に対して後述する搬送ベルト73に沿って移動可能に構成されている。このホルダ60は、装置本体10の前面に配置されたフロントカバー11を開放することによって形成される開口部10Aを通して、前方から後方へ移動させて装置本体10に対して装着される。なお、ホルダ60周りの構造の詳細については、後で説明する。また、以下の説明において、ホルダ60の装着方向(前側から後側へ向かう方向)を単に「装着方向」という。
【0031】
転写ユニット70は、給紙部20と4つのプロセスカートリッジ50との間に設けられ、駆動ローラ71と、従動ローラ72と、ベルトの一例としての搬送ベルト73と、転写ローラ74とを備えている。
【0032】
駆動ローラ71および従動ローラ72は、前後方向に離間して平行に配置され、その間にエンドレスベルトからなる搬送ベルト73が張設されている。より詳細に、駆動ローラ71は、従動ローラ72の後方において、従動ローラ72よりもやや下方に配置されている。これにより、搬送ベルト73は、装着方向の上流側から下流側、つまり、前側から後側に向かうにつれて、下方に傾斜している。
【0033】
また、搬送ベルト73の内側には、各感光ドラム51との間で搬送ベルト73を挟持する転写ローラ74が、各感光ドラム51に対向して4つ配置されている。この転写ローラ74には、転写時に定電流制御によって転写バイアスが印加される。
【0034】
定着ユニット80は、4つのプロセスカートリッジ50および転写ユニット70の後側に配置され、加熱ローラ81と、加熱ローラ81と対向配置され加熱ローラ81を押圧する加圧ローラ82とを備えている。
【0035】
このように構成される画像形成部30では、まず、各感光ドラム51の表面が、帯電器により一様に帯電された後、スキャナユニット40で露光される。これにより、露光された部分の電位が下がって、各感光ドラム51上に画像データに基づく静電潜像が形成される。その後、現像ローラ52によって、トナー収容室内のトナーが、感光ドラム51上の静電潜像に供給されることで、感光ドラム51上にトナー像が担持される。
【0036】
次に、搬送ベルト73上に供給された用紙Pが各感光ドラム51と各転写ローラ74との間を通過することで、各感光ドラム51上に形成されたトナー像が用紙P上に転写される。そして、用紙Pが加熱ローラ81と加圧ローラ82との間を通過することで、用紙P上に転写されたトナー像が熱定着される。
【0037】
排紙部90は、用紙Pを搬送する複数の搬送ローラ91を主に備えている。トナー像が転写され、熱定着された用紙Pは、搬送ローラ91によって搬送され、装置本体10の外部に排出される。
【0038】
<ホルダ周りの構造>
次に、図3を参照して、ホルダ60周りの構造について詳細に説明する。
ホルダ60は、樹脂製のフレーム61と、左右一対の側板の一例としての金属板300と、シャフト63と、を備えて構成されている。
【0039】
フレーム61は、一対の金属板300の間に配置されて一対の金属板300を繋いでいる。フレーム61は、一対の金属板300の前後に設けられており、手前側のフレーム61には、取手部62が備えられている。これにより、ホルダ60は、ユーザが取手部62を把持して前後方向へ移動させることができるようになっている。
【0040】
各金属板300は、4つの感光ドラム51の軸線方向(以下、単に「軸線方向」という。)、つまり、左右方向の両側に配置され、4つの感光ドラム51を回転可能に支持している。金属板300は、鋼板などから形成され、4つの感光ドラム51に沿って前後方向に延び、前後端が上方へ延びた形状を有している。そして、各金属板300の前端には、後述するシャフト63が挿通される左右方向に貫通した孔310が形成されている。また、各金属板300の後端の上部には、後述する支持板400が係合するホルダ側切欠部320が形成されている。
【0041】
ホルダ側切欠部320は、図5(b)に示すように、金属板300の後端が前方へ凹むように形成されており、前方に向かうにつれて先細となる形状を有している。具体的に、ホルダ側切欠部320は、略前後方向に延びる被支持面321と、被支持面321の下方において前方から後方へ向かうにつれて下方へ傾斜する傾斜面322とを有している。ホルダ側切欠部320は、ホルダ60が装置本体10に安定して支持されるように、装着方向の最下流側に配置されている感光ドラム51よりも装着方向の下流側に配置されているのが望ましい。
【0042】
シャフト63は、図3に示すように、左右方向に延びる金属製の軸である。このシャフト63は、一対の金属板300の孔310に挿通されることで、一対の金属板300を連結している。そして、シャフト63の両端部63Aは、ホルダ60の装着方向の手前側の端部において金属板300から左右方向外側に突出した一対の突出部であり、後述する装置本体10の板金フレーム100に支持される部分である。このシャフト63の両端部63Aは、ホルダ60が装置本体10に安定して支持されるように、装着方向の最上流側に配置されている感光ドラム51よりも装着方向の上流側に配置されているのが望ましい。
【0043】
図4(a)に示すように、装置本体10は、金属で形成された第1側壁の一例としての板金フレーム100と、樹脂で形成された第2側壁の一例としての樹脂フレーム200と、支持板400と、を備えている。なお、図4(a)においては、図を見やすくするために、右側の樹脂フレーム200を省略している。
【0044】
板金フレーム100は、ホルダ60が装置本体10内に装着された状態において、ホルダ60の一対の金属板300よりも軸線方向の外側に配置されている。板金フレーム100は、感光ドラム51よりも上方、より詳細には、軸線方向に見てスキャナユニット40と重なる位置において(図1参照)略前後方向に延びる本体部110と、本体部110の前端が感光ドラム51側(下側)に向けて延びる延出部120とを有し、側面視略L字状に形成されている。この板金フレーム100は、軸線方向から見たときに、4つの感光ドラム51と重ならない位置に配置されている。
【0045】
本体部110は、前後方向に並ぶ3つの穴111を有している。この穴111には、スキャナユニット40の筐体41に形成されている突起42が係合しており、これにより、本体部110は、スキャナユニット40を支持している。
【0046】
延出部120は、下方の前端に、位置決め部の一例としての本体側切欠部121が形成されている。本体側切欠部121は、図5(a)に示すように、延出部120の前端が後方に向かって凹むように形成されており、後方に向かうにつれて先細となる形状を有している。具体的に、本体側切欠部121は、略前後方向に延びる第1面121Aと、第1面121Aの上部において前側から後側に向かうにつれて下方に傾斜する第2面121Bとを有している。この本体側切欠部121は、ユーザがフロントカバー11を開けて装置本体10内を見たときに、目視できる位置に形成されている。
【0047】
また、板金フレーム100は、図6に示すように、位置決め穴130と、3つの長穴140と、3つの挿通孔150(図4(a)参照)とを有している。位置決め穴130は、左右に貫通して形成される孔であり、本体部110の略中央部に形成されている。3つの長穴140は、左右に貫通して形成される孔であり、位置決め穴130の前後2箇所と、延出部120の本体側切欠部121の近傍に形成されている。この3つの長穴140のうち、位置決め穴130の前後、つまり、本体部110に形成されている長穴140は、4つの感光ドラム51の配列方向と平行な直線L1上において位置決め穴130と並んで配置されている。そして、本体部110に形成されている長穴140は、直線L1に沿って長く形成されている。なお、この直線L1は、後述する位置決め穴130に嵌る位置決めボス230の中心と、位置決め穴130の前後に配置されている長穴140に嵌るボス240の中心とを結ぶ直線でもある。また、延出部120の本体側切欠部121の近傍に形成されている長穴140は、当該長穴140に嵌るボス240の中心と、位置決め穴130に嵌る位置決めボス230の中心とを結ぶ直線L2に沿って長く形成されている。挿通孔150は、図4(a)に示すように、ネジ160が挿通される孔であり、位置決め穴130と本体部110に形成されている2つの長穴140に隣接して形成されている。
【0048】
樹脂フレーム200は、板金フレーム100よりも軸線方向の外側において、互いに対向するように配置されている。そして、樹脂フレーム200の内面には、後側の下方に支持板400の取付部210が形成されている。
【0049】
取付部210は、図4(b)に示すように、後述する支持板400の挿入部430が挿入される穴211と、穴211の下端において、軸線方向の内側に向けて平板状に延びる補強部212とを有している。
【0050】
支持板400は、一枚の金属板を側面視略コ字状に屈曲させて形成されている。具体的に、各支持板400は、前後に延びる支持部410と、支持部410の前端から下方へ延びた後、後ろ斜め下方へ延びる板バネ部420と、支持部410の左右端から樹脂フレーム200側へ延びる挿入部430とを有している。板バネ部420は、下端が下方へ向けて突出した屈曲部421を有している。
【0051】
このように構成された支持板400は、挿入部430が樹脂フレーム200の穴211に挿入されることで、樹脂フレーム200に取り付けられている。また、支持板400の支持部410は、樹脂フレーム200の補強部212と密着している。
【0052】
また、樹脂フレーム200は、図6に示すように、位置決めボス230と、3つのボス240と、3つのネジ穴250(図4(a)参照)とを有している。位置決めボス230は、板金フレーム100の位置決め穴130に対応した位置において、樹脂フレーム200の内面から突出して形成されている。この位置決めボス230は、位置決め穴130と略同じ直径を有している。3つのボス240は、板金フレーム100の長穴140に対応した位置において、樹脂フレーム200の内面から突出して形成されている。3つのネジ穴250は、図4(a)に示すように、板金フレーム100の挿通孔150に対応した位置に形成されている、ネジ160が螺合する穴である。
【0053】
板金フレーム100と樹脂フレーム200は、樹脂フレーム200の位置決めボス230が板金フレーム100の位置決め穴130に嵌り、樹脂フレーム200のボス240が板金フレーム100の長穴140と係合することで、樹脂フレーム200に対して板金フレーム100が位置決めされる。
【0054】
具体的に、位置決めボス230が位置決め穴130に嵌ることで、板金フレーム100が樹脂フレーム200に対して位置決めされる。そして、ボス240が長穴140と係合することで、位置決めボス230を中心に板金フレーム100が回転するのを防止している。これにより、板金フレーム100は、本体部110に支持されたスキャナユニット40と、4つの感光ドラム51とが所定の間隔に配置されるように位置決めされる。なお、長穴140は、位置決めボス230の中心とボス240の中心を結ぶ直線L1,L2に沿って長い形状を有しているため、熱膨張などにより樹脂フレーム200の寸法が変化しても、ボス240を長穴140に係合させつつ、スキャナユニット40と感光ドラム51の距離を略一定にすることができる。そして、ネジ160が挿通孔150を通ってネジ穴250に螺合することで、板金フレーム100が樹脂フレーム200に固定されている。
【0055】
次に、ホルダ60の位置決め方法について説明する。
図2に示すように、ユーザがフロントカバー11を開けて、ホルダ60を搬送ベルト73に沿って装置本体10内に挿入していくと、搬送ベルト73が装着方向の上流側から下流側に向かうにつれて下方へ傾斜しているので、ホルダ60の自重により後方へ引かれながら装着されていく。
【0056】
ホルダ60が装置本体10に装着されると、ホルダ60のシャフト63の両端部63Aが、本体側切欠部121と係合する。このとき、ホルダ60の自重により、シャフト63の両端部63Aと本体側切欠部121が密着する。具体的に、図5(a)に示すように、本体側切欠部121の第1面121Aが、シャフト63の両端部63Aに対し下側から当接する。これにより、ホルダ60の自重によってホルダ60が下方へ移動するのが規制され、ホルダ60の上下方向の位置決めがされる。そして、本体側切欠部121の第2面121Bが、シャフト63の両端部63Aに対し装着方向下流側の斜め上から当接する。これにより、ホルダ60が自重により装着方向下流側へ移動するのが規制され、ホルダ60の前後方向の位置決めがされる。また、シャフト63の両端部63Aは、第1面121Aと第2面121Bに挟まれるように本体側切欠部121と係合するので、シャフト63の両端部63Aが上下にがたつくのが防止される。
【0057】
また、シャフト63の両端部63Aが本体側切欠部121と係合する一方で、ホルダ側切欠部320が支持板400と係合する。具体的に、図5(b)に示すように、支持板400の支持部410が被支持面321に接触し、支持部410がホルダ60を下側から支持する。このようにホルダ60の後端を支持することで、シャフト63を中心にホルダ60が回転するのを防止することができるので、ホルダ60が安定して位置決めされた位置で保持される。また、板バネ部420の屈曲部421が傾斜面322に当接するので、板バネ部420に、傾斜面322を押す方向に付勢力が働き、支持板400がホルダ側切欠部320内で突っ張った状態となる。これにより、ホルダ60が上下にがたつくのが抑制される。
【0058】
以上のようにして、ホルダ60を装置本体10に対して位置決めすることができるので、従来のように、ホルダ60に位置決め軸を設け、さらに装置本体10に金属製の基準軸を設ける場合に比べて、コストを削減することができる。
【0059】
また、ホルダ60の位置決めをするために設けられている装置本体10の本体側切欠部121と、ホルダ60のシャフト63の端部63Aが、装着方向の手前側に配置されているので、位置決め部分が装着方向の奥側に配置されている場合に比べて、ホルダ60が装置本体10に正しく装着されたのを目視で確認しやすい。
【0060】
そして、ホルダ60は、傾斜した状態で装着されるため、ホルダ60の自重によって、シャフト63の両端部63Aを、本体側切欠部121に密着させることができるので、より確実にホルダ60の位置決めをすることができる。
【0061】
また、本体側切欠部121が形成されている板金フレーム100は、金属で形成されているので、樹脂で形成する場合に比べて、精度良くホルダ60の位置決めをすることができる。
【0062】
そして、本体側切欠部121と当接するホルダ60の金属板300から突出する突出部は、シャフト63の両端部63Aであるので、各突出部が連結されていない場合に比べて、精度良くホルダ60の位置決めをすることができる。
【0063】
そして、板金フレーム100は、本体部110と延出部120とから構成されていことで、精度良くホルダ60の位置決めをするために必要な箇所にのみ金属製の板金フレーム100が配置されるので、コストを低減することができる。
【0064】
また、ホルダ60の後端を支持する支持部410は、樹脂で形成されている樹脂フレーム200に設けられているので、支持部410を金属で形成されている板金フレーム100に設ける場合に比べて板金フレーム100を小さくすることができるので、コストをさらに低減することができる。
【0065】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではない。具体的な構成については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
【0066】
前記実施形態では、本体側切欠部121の第2面121Bが装着方向の上流側から下流側に向かうにつれて下方に傾斜するように形成されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2面121Bは、ホルダ60の前後方向の位置決めをすることができる形状であればよい。具体的に、このような形態の一例を説明すると、図7に示すように、板金フレーム100の延出部120は、下端が前方に延びるL字形状を有しており、略前後方向に延びる第1面122Aと、略上下方向に延びる第2面122Bを有している。第1面122Aは、シャフト63の両端部63Aに下方から当接している。これにより、ホルダ60の上下方向の位置が決められている。そして、第2面122Bは、シャフト63の両端部63Aに搬送方向の下流側から当接している。これにより、ホルダ60の前後方向の位置が決められている。
【0067】
また、前記実施形態では、支持部410は、樹脂フレーム200に取り付けられた金属製の支持板400に設けられ、また、支持板400は、ホルダ側切欠部320に当接する板バネ部420を有したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、支持部は、樹脂フレーム200の内面から突出した突起であり、突起をホルダ側に密着させるためのバネを有していなくてもよい。具体的に、このような形態の一例を説明すると、図7に示すように、樹脂フレーム200に、内面から突出した突起411が形成されている。そして、ホルダ60の一対の金属板300には、前端部がL字状に切欠かれることで、前後方向に延びる被支持面330が形成されている。このように構成されることにより、ホルダ60が装置本体10に装着されると、被支持面330に突起411が下側から当接し、突起411がホルダ60の前端を支持することができるようになっている。
【0068】
また、前記実施形態では、ベルトの一例として、用紙Pを搬送する搬送ベルト73を示したが、ベルトは、感光ドラム51から一時的にトナー像が転写される中間転写ベルトであってもよい。
前記実施形態では、カラープリンタ1に本発明を適用したが、本発明はこれに限定されず、その他の画像形成装置、例えば複写機や複合機などに本発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0069】
1 カラープリンタ
10 装置本体
40 スキャナユニット
50 プロセスカートリッジ
51 感光ドラム
60 ホルダ
63 シャフト
63A 端部
70 転写ユニット
73 搬送ベルト
100 板金フレーム
110 本体部
120 延出部
121 本体側切欠部
121A 第1面
121B 第2面
200 樹脂フレーム
300 金属板
320 ホルダ側切欠部
400 支持板
410 支持部
420 板バネ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体と、
所定の配列方向に配列された複数の感光ドラムを一体的に保持し、前記配列方向に移動させることで、前記装置本体に対して装着されるホルダと、を備えた画像形成装置であって、
前記ホルダは、前記複数の感光ドラムの軸方向の両側に配置される一対の側板と、前記ホルダの装着方向の手前側の端部で前記一対の側板から前記軸方向外側に突出する一対の突出部と、を有し、
前記装置本体は、
前記一対の突出部に対して下側および前記装着方向の下流側から当接することで、前記ホルダを位置決めする位置決め部と、
前記位置決め部よりも前記装着方向の下流側に設けられ、各前記側板を支持する支持部と、を有していることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記装置本体は、前記一対の側板よりも前記感光ドラムの軸方向の外側に配置される、金属で形成された一対の第1側壁を有し、
前記位置決め部は、前記各第1側壁に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1側壁の内側に前記複数の感光ドラムを露光する露光部材をさらに備え、
前記第1側壁は、
前記露光部材を支持する本体部と、前記本体部から前記感光ドラム側に向けて延びる延出部とを有し、
前記位置決め部は、前記延出部に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記装置本体は、各前記第1側壁を固定し、樹脂で形成された一対の第2側壁をさらに備え、
前記支持部は、各前記第2側壁に設けられていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記一対の突出部は、一本の金属製のシャフトにより一体に構成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記装着方向の上流側から下流側に向かうにつれて、下方に傾斜するベルトをさらに備え、
前記ホルダは、前記ベルトに沿って装着されることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記位置決め部は、
前記突出部に対し下側から当接する第1面と、
前記突出部に対し前記装着方向下流側の斜め上方から当接する、前記装着方向の上流側から下流側に向かうにつれて下方に傾斜する第2面と、を有していることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−15588(P2013−15588A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−146652(P2011−146652)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】