説明

画像形成装置

【課題】並列方向と直交する直交方向一方側において無端ベルトが対向される感光体に対して、他方側から現像カートリッジが対向される構成において、直交方向一方側から、現像カートリッジを装置本体に対して容易に着脱させることができる画像形成装置を提供すること。
【解決手段】
各色に対応する感光ドラム20に上側から中間転写ベルト30が接触され、各感光ドラム20の下側に、現像ローラ23を有する現像カートリッジ22が配置されるプリンタ1において、スコロトロン型帯電器21を支持するドラムユニット43を感光ドラム20の後側に配置される帯電位置と、感光ドラム20の上側に配置される退避位置とに移動可能に設け、対応する感光ドラム20に隣接する感光ドラム20に対応するドラムユニット43を退避位置に配置させて、現像カートリッジ22をプロセスユニット15に対して、上側から着脱させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式が採用される画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式のカラープリンタとして、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に対応して設けられる4つの感光ドラムを備えるカラープリンタが知られている。
【0003】
このようなカラープリンタとして、例えば、感光ドラムと現像ユニット(現像ローラ、第1供給ローラ、第2供給ローラ、層厚規制ブレードおよびトナー収容部から構成されている)とを有し、水平方向に並列配置される各色のプロセスカートリッジと、各プロセスカートリッジを一体的に支持し、本体ケースから前方に引き出し可能な支持フレームと、各プロセスカートリッジの感光ドラムに上から接触されるように水平方向に延びる中間転写ベルトと、中間転写ベルトに水平方向一方から接触される2次転写ローラとを備えるカラー複合機が提案されている(たとえば、下記特許文献1参照。)。
【0004】
このプリンタでは、支持フレームを本体ケースから前方に引き出した状態で、各プロセスカートリッジを支持フレームに対して着脱させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−157135号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかるに、上記した特許文献1に記載のカラー複合機では、各プロセスカートリッジは、感光ドラムと現像ユニットとを一体的に備えている。
【0007】
ここで、一般に、感光ドラムは、トナーを再充填する頻度よりも低い頻度で交換が必要となる。そのため、感光ドラムを交換せずに、現像ユニットのみを交換することが要求される場合がある。
【0008】
しかし、上記した特許文献1に記載のカラー複合機では、感光ドラムは、プロセスカートリッジの上端部に支持されており、現像ユニットは、感光ドラムの下側に配置されている。
【0009】
そのため、支持フレームから現像ユニットのみを上下方向に着脱させることが困難である。
【0010】
そこで、本発明の目的は、直交方向一方側において無端ベルトが対向される感光体に対して、直交方向他方側から現像カートリッジが対向される構成において、直交方向一方側から、現像カートリッジを装置本体に対して容易に着脱させることができる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)上記した目的を達成するため、本発明は、画像形成装置であって、装置本体と、装置本体の内部に互いに間隔を隔てて並列配置され、現像剤像を担持する複数の感光体と、各感光体に対応して、感光体の並列方向一方側に対向配置され、対応する感光体を帯電させる複数の帯電器と、並列方向に延びるように張架され、張架された面が、並列方向と直交する直交方向一方側から各感光体に対向される無端ベルトと、各感光体に対応して設けられ、感光体に供給される現像剤を担持する現像剤担持体を有し、対応する感光体に直交方向他方側から対向される複数の現像カートリッジと、無端ベルトと各感光体とを、互いに近接される第1相対配置と、互いに離間される第2相対配置とに相対的に移動させる移動手段を備えている。
【0012】
画像形成装置は、各帯電器を対応する感光体の並列方向一方側から退避させる退避手段を備えている。
【0013】
現像カートリッジは、移動手段により無端ベルトと各感光体とが第2相対配置に配置され、かつ、退避手段により対応する感光体の並列方向他方側に隣接する感光体に対応する帯電器が退避されているときに、対応する感光体の並列方向他方側を通過して、直交方向一方側から装置本体に装着、または、装置本体から直交方向一方側へ離脱可能である。
【0014】
このような構成によれば、対応する感光体の並列方向他方側に隣接する感光体に対応する帯電器を退避させることにより、対応する感光体の並列方向他方側を直交方向に開放することができる。そして、現像カートリッジを、感光体の並列方向他方側(直交方向に開放された空間)を通過するように着脱させることができる。
【0015】
そのため、直交方向一方側において無端ベルトが対向される感光体に対して、直交方向他方側から現像カートリッジが対向される構成において、直交方向一方側から、現像カートリッジを装置本体に対して容易に着脱させることができる。
(2)また、退避手段は、現像カートリッジの離脱に連動して、隣接する感光体に対応する帯電器を退避させるとともに、現像カートリッジの装着に連動して、隣接する感光体に対応する帯電器を対応する感光体に対向配置させる連動手段を有していてもよい。
【0016】
このような構成によれば、現像カートリッジを離脱させるときに、隣接する感光体に対応する帯電器を確実に退避させることができ、また、現像カートリッジを装着するときに、隣接する感光体に対応する帯電器を感光体に確実に対向させることができる。
(3)また、連動手段は、帯電器を感光体に対して変位可能に支持する支持部材と、現像カートリッジに設けられる当接部と、隣接する感光体に対応する帯電器、または、隣接する感光体に対応する帯電器を支持する支持部材に設けられ、当接部が当接される被当接部とを備えていてもよい。
【0017】
このような構成によれば、少なくとも現像カートリッジを離脱させるときに、現像カートリッジの当接部を、隣接する感光体に対応する帯電器の被当接部に当接させることにより、隣接する感光体に対応する帯電器を退避させることができる。
(4)また、現像カートリッジは、装置本体から離脱されるときに、帯電器に当接する第1当接部と、装置本体に装着されるときに帯電器に当接する第2当接部とを有し、帯電器は、現像カートリッジが装置本体から離脱されるときに第1当接部が当接される第1被当接部と、現像カートリッジが装置本体に装着されるときに第2当接部が当接される第2被当接部とを有していてもよい。
【0018】
このような構成によれば、感光体の並列方向一方側に対向されている帯電器の第1被当接部を、現像カートリッジの着脱軌跡内に配置すれば、現像カートリッジを離脱させるときに、現像カートリッジの第1当接部と、帯電器の第1被当接部とを確実に当接させることができる。
【0019】
そのため、現像カートリッジの離脱動作に伴って、帯電器を感光体の並列方向一方側から確実に退避させることができる。
【0020】
また、感光体の並列方向一方から退避された帯電器の第2被当接部を、現像カートリッジの着脱軌跡内に配置すれば、現像カートリッジを装着させるときに、現像カートリッジの第2当接部と帯電器の第2被当接部とを確実に当接させることができる。
【0021】
そのため、現像カートリッジの離脱動作に伴って、帯電器を感光体の並列方向一方側に確実に対向させることができる。
【0022】
その結果、現像カートリッジを円滑に着脱することができる。
(5)また、帯電器は、退避されたときに、直交方向一方から感光体に対向していてもよい。
【0023】
このような構成によれば、帯電器が退避されたときに、感光体を帯電器により直交方向一方から被覆することができる。
【0024】
そのため、現像カートリッジを装着するときに、現像カートリッジが、感光体に直交方向一方から、接触することを防止できる。
(6)また、帯電器をクリーニングするためのクリーニング手段を有し、クリーニング手段は、帯電器が退避されたときに、直交方向一方側へ露出していてもよい。
【0025】
このような構成によれば、帯電器が退避されたときに、直交方向一方側から帯電器を容易にクリーニングすることができる。
(7)また、各感光体に対向配置され、各感光体を露光する複数のLEDユニットを備えていてもよい。
【0026】
このような構成によれば、レーザービームを出射するスキャナなどにより感光体を露光する場合と比べて、より小型なLEDユニットにより感光体を露光することができる。
【0027】
そのため、画像形成装置を小型化することができる。
(8)また、無端ベルトには、各感光体に担持される現像剤像が転写されていてもよい。
【0028】
このような構成によれば、現像剤像を直接、記録媒体に転写するダイレクトタンデム型と比べて、感光体と無端ベルトとの間に記録媒体を通過させることなく記録媒体に現像剤像を転写することができる。
【0029】
そのため、記録媒体の搬送経路を簡略化することができる。
(9)また、さらに、並列方向最他方側の感光体の並列方向他方側において、無端ベルトをクリーニングするクリーニングユニットを備えていてもよい。
【0030】
クリーニングユニットは、常には、並列方向最他方側の感光体の並列方向他方側に近接される近接位置に配置されており、無端ベルトと感光体とが第2相対配置に移動されたときに、並列方向最他方側の感光体の並列方向他方側から退避される退避位置に移動可能であってもよい。
【0031】
並列方向最他方側の現像カートリッジは、無端ベルトと感光体とが第2相対配置に配置され、クリーニングユニットが退避位置に配置されているときに、並列方向最他方側の感光体の並列方向他方を通過して、直交方向一方側から装置本体に装着、または、装置本体から直交方向一方側へ離脱可能であってもよい。
【0032】
このような構成によれば、無端ベルトをクリーニングすることができる。
【0033】
さらに、クリーニングユニットを退避させることにより、並列方向最他方側の感光体の並列方向他方側を直交方向に開放することができる。
【0034】
そのため、並列方向最他方側の現像カートリッジを、並列方向最他方側の感光体の並列方向他方側(直交方向に開放された空間)を通過するように着脱できる。
【0035】
その結果、並列方向最他方側の現像カートリッジを、直交方向一方から容易に着脱できる。
【0036】
また、クリーニングユニットを退避させることにより、並列方向最他方側の現像カートリッジの着脱経路を開放できる。
【0037】
そのため、クリーニングユニットを並列方向最他方側の感光体から並列方向他方へ離して配置させることなく、クリーニングユニットを並列方向最他方側の感光体の並列方向他方に近接配置することができる。
【0038】
その結果、クリーニングユニットを並列方向最他方側の感光体の並列方向他方に効率よく配置でき、画像形成装置を並列方向に小型化することができる。
(10)また、現像カートリッジは、その直交方向一方側端部において把持部材を備えていてもよい。
【0039】
把持部材は、無端ベルトと各感光体とが第1相対配置に配置されているときに、感光体の直交方向一方側端部より直交方向他方側へ退避し、無端ベルトと各感光体とが第2相対配置に配置されているときに、感光体の直交方向一方側端部より直交方向一方側へ進出してもよい。
【0040】
このような構成によれば、現像カートリッジを着脱させるときに、感光ドラムの直交方向一方側端部より直交方向他方側へ進出された把持部材を容易に把持することができる。
【0041】
その結果、現像カートリッジの着脱動作を円滑に実施することができる。
(11)また、現像カートリッジは、把持部材を直交方向一方側へ付勢する付勢部材を備えていてもよい。
【0042】
装置本体は、無端ベルトと各感光体とが第1相対配置に配置されているときに、把持部材に直交方向一方側から当接され、付勢部材の付勢力に抗して把持部材を直交方向他方側へ退避させる当接部材を備えていてもよい。
【0043】
このような構成によれば、無端ベルトと各感光体とが、第1相対配置に配置されているときには、当接部材を把持部材に直交方向一方側から当接させて、付勢部材の付勢力に抗して、把持部材を直交方向他方側に退避されることができ、無端ベルトと各感光体とが、第2相対配置に配置されているときには、付勢部材の付勢力により、把持部材を直交方向一方側に進出されることができる。
【0044】
その結果、簡単な構成で、無端ベルトと各感光体との相対移動と、把持部材の進退とを連動させることができる。
(12)また、移動手段は、各感光体を保持し、装置本体に装着される装着位置と、装置本体から引き出される引出位置とに、並列方向に沿って移動可能な移動部材を備えていてもよい。
【0045】
移動部材は、装着位置において、無端ベルトと各感光体とを第1相対配置に配置させ、引出位置において、無端ベルトと各感光体とを第2相対配置に配置させていてもよい。
【0046】
このような構成によれば、移動部材を並列方向他方側に引き出して、現像カートリッジを移動部材に対して着脱させる、いわゆるフロントアクセスを実現することができる。
【発明の効果】
【0047】
本発明によれば、直交方向一方側において無端ベルトが対向される感光体に対して、直交方向他方側から現像カートリッジが対向される構成において、直交方向一方側から、現像カートリッジを装置本体に対して容易に着脱させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】図1は、本発明の画像形成装置の第1実施形態としてのプリンタを示す中央断面図である。
【図2】図2は、図1に示すプロセスカートリッジの着脱を説明する説明図であって、本体ケーシングからプロセスユニットを引き出した状態を示す。
【図3】図3は、図1に示すプロセスカートリッジの着脱を説明する説明図であって、 (a)は、ドラムユニットが帯電位置に配置されたときのプロセスユニットを上面から見た状態を示し、 (b)は、ドラムユニットが退避位置に配置されたときのプロセスユニットを上面から見た状態を示す。
【図4】図4は、第2実施形態のプリンタを説明する説明図であって、プロセスユニットが本体ケーシングに装着され、現像カートリッジの取っ手が下側へ退避している状態を示す。
【図5】図5は、第2実施形態のプリンタを説明する説明図であって、プロセスユニットが本体ケーシングから引き出され、現像カートリッジの取っ手が上側へ進出している状態を示す。
【図6】図6は、第3実施形態のプリンタを説明する説明図であって、トップカバーが開位置に配置された状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0049】
1.プリンタの全体構成
図1に示すように、画像形成装置の一例としてのプリンタ1は、横置きタイプの中間転写型カラープリンタである。
【0050】
また、プリンタ1は、装置本体の一例としての本体ケーシング2と、本体ケーシング2の上に設けられ、原稿の画像情報を読み取るフラットベッドスキャナ3とを一体的に備える複合機である。
【0051】
プリンタ1は、本体ケーシング2内において、記録媒体としての用紙Pを給紙するための給紙部4と、給紙された用紙Pに画像を形成するための画像形成部5とを備えている。
(1)本体ケーシング
本体ケーシング2は、給紙部4および画像形成部5を収容する側面視略矩形状のボックス形状に形成されており、その一方側壁には、本体開口部6が形成されており、フロントカバー7が、その下端部を支点として揺動されることにより、本体開口部6を閉鎖(図1参照)または開放(図2参照)する。
【0052】
なお、以下の説明において、フロントカバー7が設けられる側(図1における紙面左側)を前側とし、その反対側(図1における紙面右側)を後側とする。また、プリンタ1を前側から見たときを左右の基準とする。すなわち、図1の紙面手前側が右側であり、紙面奥側が左側である。
(2)給紙部
給紙部4は、用紙Pを収容する給紙トレイ8を備えている。給紙トレイ8は、本体ケーシング2内の底部に着脱自在に装着されている。
【0053】
また、給紙部4には、給紙トレイ8の後端部上側に配置されるピックアップローラ10と、ピックアップローラ10の後側に配置される給紙ローラ11と、給紙ローラ11の下側に対向配置される給紙パッド12と、給紙ローラ11に後側から接触される上下1対のピンチローラ13と、給紙ローラ11の上側に配置され、互いに前後方向に対向される1対のレジストローラ14とが設けられている。
【0054】
そして、給紙トレイ8上の用紙Pは、ピックアップローラ10の回転により、給紙ローラ11と給紙パッド12との間に送られ、給紙ローラ11の回転により1枚ずつ捌かれる。その後、捌かれた用紙Pは、給紙ローラ11の回転により、給紙ローラ11と各ピンチローラ13との間を順次通過するように、上側の両レジストローラ14間に向けて給紙され、レジストローラ14の回転により、所定のタイミングで、画像形成部5(中間転写ベルト30(後述)と二次転写ローラ27(後述)との間)に供給される。
(3)画像形成部
画像形成部5は、給紙部4の上側に配置されており、移動手段および移動部材の一例としてのプロセスユニット15、各色に対応する4つのLEDユニット16、転写ユニット17および定着ユニット18を備えている。
(3−1)プロセスユニット
プロセスユニット15は、前後方向に投影したときにピックアップローラ10と重なるように、ピックアップローラ10の前側において、給紙トレイ8に上側から対向配置され、本体ケーシング2内に装着される装着位置(図1参照)と、本体ケーシング2から引き出される引出位置(図2参照)とに、前後方向に沿ってスライド可能に設けられている。
【0055】
プロセスユニット15が装着位置に配置されているときには、中間転写ベルト30(後述)と各感光ドラム20(後述)とは、互いに近接される第1相対配置に配置され、プロセスユニット15が引出位置に配置されているときには、中間転写ベルト30(後述)と各感光ドラム20(後述)とは、互いに離間される第2相対配置に配置されている。
【0056】
また、プロセスユニット15は、各色に対応する4つの感光体の一例としての感光ドラム20と、各感光ドラム20に対応する4つの帯電器の一例としてのスコロトロン型帯電器21と、各感光ドラム20に対応する4つの現像カートリッジ22とを保持している。
【0057】
各感光ドラム20は、左右方向に長手の略円筒形状に形成されており、左右に沿って設けられている。また、各感光ドラム20は、その中心に左右方向に延びるようにドラム軸47を備えている。
【0058】
各感光ドラム20は、前後方向に互いに間隔を隔てて並列配置されている。具体的には、前側から後側に向かって、ブラック感光ドラム20K、イエロー感光ドラム20Y、マゼンタ感光ドラム20Mおよびシアン感光ドラム20Cが、順次配置されている。
【0059】
各スコロトロン型帯電器21は、対応する感光ドラム20の後側において、対応する感光ドラム20に間隔を隔てて対向配置されている。
【0060】
スコロトロン型帯電器21は、金属製の帯電用ワイヤ99およびグリッド81を備えている。
【0061】
帯電用ワイヤ99は、左右方向に張設されている。また、コロナ放電を発生させ、感光ドラム20の表面を一様に正極性に帯電させるように構成されている。
【0062】
グリッド81は、帯電用ワイヤ99と感光ドラム20との間に配置されている。
【0063】
各現像カートリッジ22は、対応する感光ドラム20の前下側に対向配置されている。
【0064】
また、各現像カートリッジ22は、前後方向に互いに間隔を隔てて並列配置されている。具体的には、前側から後側に向かって、ブラック現像カートリッジ22K、イエロー現像カートリッジ22Y、マゼンタ現像カートリッジ22Mおよびシアン現像カートリッジ22Cが、順次配置されている。
また、各現像カートリッジ22は、カートリッジフレーム61と、カートリッジフレーム61に支持される現像剤担持体の一例としての現像ローラ23とを備えている。
【0065】
カートリッジフレーム61は、左右方向に延びる略ボックス形状に形成されている。
【0066】
現像ローラ23は、カートリッジフレーム61の後側上端部において、上側から露出されるように回転可能に支持されており、感光ドラム20に対して下側から接触されている。
【0067】
なお、現像カートリッジ22は、カートリッジフレーム61内において、現像ローラ23にトナーを供給する供給ローラ24、現像ローラ23に供給されたトナーの厚みを規制する層厚規制ブレード25を備えている。また、各カートリッジフレーム61内には、供給ローラ24の前側において、各色に対応する現像剤の一例としてのトナーが収容されている。
(3−2)LEDユニット
各LEDユニット16は、対応する現像カートリッジ22の後側において、対応する感光ドラム20に下側から対向するように設けられている。LEDユニット16は、所定の画像データに基づいて、対応する感光ドラム20の表面を露光する。
(3−3)転写ユニット
転写ユニット17は、ベルトユニット26と二次転写ローラ27とを備えている。
【0068】
ベルトユニット26は、プロセスユニット15の上側において、各感光ドラム20に上側から対向するように、前後方向に沿って配置されている。
【0069】
ベルトユニット26は、駆動ローラ28、従動ローラ29、無端ベルトの一例としての中間転写ベルト30、および、4つの一次転写ローラ31を備えている。
【0070】
駆動ローラ28および従動ローラ29は、前後方向に間隔を隔てて対向配置されている。
【0071】
中間転写ベルト30は、その下側部分の下面が上側から各感光ドラム20に接触されるように、駆動ローラ28および従動ローラ29の周りに張架されている。また、中間転写ベルト30は、駆動ローラ28の駆動により、各感光ドラム20と接触する下側部分が前側から後側に向かって移動するように、周回移動されている。
【0072】
各一次転写ローラ31は、各感光ドラム20と、それぞれ中間転写ベルト30の下側部分を挟んで対向するように、設けられている。
【0073】
二次転写ローラ27は、ベルトユニット26の駆動ローラ28と、中間転写ベルト30を挟んで対向するように、ベルトユニット26の後側に設けられている。
(3−4)定着ユニット
定着ユニット18は、二次転写ローラ27の上側に配置され、加熱ローラ37、および、加熱ローラ37に対向する加圧ローラ38を備えている。
(3−5)画像形成動作
(3−5−1)現像動作
現像カートリッジ22内のトナーは、供給ローラ24に供給され、さらに、現像ローラ23に供給される。
【0074】
現像ローラ23に供給されたトナーは、現像ローラ23の回転に伴って、供給ローラ24と現像ローラ23との間で正極性に摩擦帯電され、層厚規制ブレード25によって厚さが規制されて、一定厚さの薄層として現像ローラ23の表面に担持される。
【0075】
一方、感光ドラム20の表面は、感光ドラム20の回転に伴って、スコロトロン型帯電器21により一様に正帯電された後、LEDユニット16により露光される。これにより、用紙Pに形成すべき画像に対応した静電潜像が感光ドラム20の表面に形成される。
【0076】
感光ドラム20がさらに回転すると、現像ローラ23の表面に担持され、かつ、正帯電されているトナーが、感光ドラム20の表面に形成されている静電潜像に供給される。これにより、感光ドラム20の静電潜像は可視像化され、感光ドラム20の表面には、反転現像によるトナー像が担持される。
(3−5−2)転写・定着動作
感光ドラム20の表面に反転現像により担持されたトナー像は、前側から後側へ移動される中間転写ベルト30の下側部分に順次、一次転写される。これにより、中間転写ベルト30にカラー画像が形成される。
【0077】
中間転写ベルト30に形成されたカラー画像は、中間転写ベルト30が二次転写ローラ27との対向位置を通過する間に、給紙部4から供給される用紙Pに、二次転写される。
【0078】
そして、用紙Pに転写されたカラー画像は、定着ユニット18において、用紙Pが加熱ローラ37と加圧ローラ38との間を通過する間に、加熱および加圧されることによって用紙Pに熱定着される。
(4)排紙
本体ケーシング2の上面には、用紙Pが排紙される排紙トレイ33が形成されている。また、本体ケーシング2の後側上端部には、排紙トレイ33よりも上側へ突出する排紙部39が形成されている。
【0079】
排紙部39には、排紙トレイ33よりも上側において、用紙Pを排紙する排紙口19が形成されている。また、排紙部39は、排紙口19内において、用紙Pを排紙トレイ33へ搬送する複数(3つ)の排紙ローラ32を備えている。
【0080】
そして、定着ユニット18においてトナー像が定着された用紙Pは、各排紙ローラ32によって、排紙トレイ33上に排紙される。
(5)フラットベッドスキャナ
フラットベッドスキャナ3は、排紙トレイ33の上方に間隔を隔てて、排紙部39の上端部に支持されている。フラットベッドスキャナ3では、原稿が押えカバー34とガラス面35との間に配置された後、CCDセンサ36がスライドすることにより、原稿の画像情報が読み取られる。
2.プロセスユニットの詳細
プロセスユニット15は、図1に示すように、プロセスフレーム41を備えている。
【0081】
プロセスフレーム41は、有底略矩形枠形状に形成され、ドラムユニット43、現像カートリッジ22、クリーニングユニットの一例としてのベルトクリーニングユニット44、および、LEDユニット16を保持している。
(1)ドラムユニット
ドラムユニット43は、感光ドラム20と、スコロトロン型帯電器21と、ドラムクリーニングローラ50と、支持部材の一例としてのユニットフレーム58とを備えている。
【0082】
感光ドラム20は、ドラム軸47の左右方向両端部において、プロセスフレーム41の左右方向両側壁に回転可能に支持されている。
【0083】
スコロトロン型帯電器21は、上記したように、感光ドラム20の後側に対向配置されている。
【0084】
ドラムクリーニングローラ50は、感光ドラム20の周面に接触するように感光ドラム20の後側に対向配置されている。ドラムクリーニングローラ50は、トナー像が中間転写ベルト30に転写された後に感光ドラム20表面に残存しているトナーを回収する。
【0085】
ユニットフレーム58は、左右方向に延びる略ボックス形状に形成されており、対応する感光ドラム20に向かって開放されている。ユニットフレーム58は、その下端部にスコロトロン型帯電器21を支持し、その上端部にドラムクリーニングローラ50を支持している。
【0086】
また、ユニットフレーム58には、その下側後端部において、スコロトロン型帯電器21の帯電用ワイヤ99を露出させる開口62が形成されている。また、ユニットフレーム58は、クリーニング手段の一例としての、クリーニング部材98を備えている(図3(b)参照)。
【0087】
開口62は、左右方向に延びる略矩形状に形成されている(図3(b)参照)。
【0088】
クリーニング部材98は、開口62内において帯電用ワイヤ99を挟持するように備えられ、帯電用ワイヤ99が延びる左右方向に沿ってスライドされるように設けられている(図3(b)参照)。クリーニング部材98は、スライドされることにより帯電用ワイヤ99をクリーニングする。
【0089】
また、ブラック感光ドラム20Kに対応するユニットフレーム58と、イエロー感光ドラム20Yに対応するユニットフレーム58と、マゼンタ感光ドラム20Mに対応するユニットフレーム58とには、第1着脱補助部材52および第2着脱補助部材53が設けられている。
【0090】
第1着脱補助部材52は、ドラムユニット43が帯電位置(後述)に配置されたときにユニットフレーム58の後端部から後側へ突出するように、左右方向に延びる突条として形成されている(図3(a)参照)。
【0091】
第2着脱補助部材53は、ドラムユニット43の下側に配置され、当接板55と、アーム部54とを備えている。
【0092】
当接板55は、前後左右に延びる略平板形状に形成されている。
【0093】
アーム部54は、当接板55の前端部の左右方向両端部から上側へ延びる略杆形状に形成されている。
【0094】
そして、第2着脱補助部材53は、アーム部54の上端部がユニットフレーム58の下端部から垂下するように、ユニットフレーム58の下端部の左右両端部に揺動可能に支持されている。
【0095】
そして、ユニットフレーム58は、その左右方向両端部において、感光ドラム20のドラム軸47に回動可能に支持されている。
【0096】
これにより、ユニットフレーム58は、図2および図3に示すように、スコロトロン型帯電器21が感光ドラム20の後側に対向配置される帯電位置(図2のイエロー感光ドラム20Y、マゼンタ感光ドラム20Mおよびシアン感光ドラム20Cに対応するドラムユニット43参照)と、スコロトロン型帯電器21が感光ドラム20の上側に退避する退避位置(図2のブラック感光ドラム20Kに対応するドラムユニット43参照)とに、ドラム軸47を中心として回動可能に支持される。
【0097】
ユニットフレーム58が帯電位置に配置されているときには、第2着脱補助部材53は、当接板55がプロセスユニット15の底部に当接するように配置される(イエロー感光ドラム20Y、マゼンタ感光ドラム20Mおよびシアン感光ドラム20Cに対応する第2着脱補助部材53参照)。
【0098】
また、ユニットフレーム58が退避位置に配置されたときには、第2着脱補助部材53は、当接板55が、対応する感光ドラム20と、対応する感光ドラム20の後側に隣接配置される感光ドラム20との間から露出されるように各感光ドラム20間に配置される(ブラック感光ドラム20Kに対応する第2着脱補助部材53参照)。
(2)現像カートリッジ
カートリッジフレーム61は、図1に示すように、トナーを収容するトナー収容部69と、現像ローラ23を支持する現像部70とを備えている。
【0099】
トナー収容部69は、カートリッジフレーム61の前側部分であり、その上端部に取っ手63を備えている。また、トナー収容部69の前壁67には、前側へ向かって膨らむ断面略円弧形状の膨出部66が上下に2つ形成されている。
【0100】
取っ手63は、カートリッジフレーム61の左右方向略中央の上端部から上側へ向かって延びている。
【0101】
現像部70は、カートリッジフレーム61の後側部分であり、上記したように、現像ローラ23と、供給ローラ24と、層厚規制ブレード25とを支持している。
【0102】
また、現像カートリッジ22の前後方向長さは、各感光ドラム20間の前後方向間隔より長い。
【0103】
そして、現像カートリッジ22は、ドラムユニット43が帯電位置に配置されているときに、トナー収容部69の上側の膨出部66が第1着脱補助部材52に下側から対向するように、プロセスユニット15に装着されている。このとき、トナー収容部69の底壁68は、当接板55に上側から対向されている。
(3)ベルトクリーニングユニット
ベルトクリーニングユニット44は、図1および図2に示すように、最も前側にあるブラック現像カートリッジ22Kに前側から隣接するように配置されており、廃トナー収容部91と、中継ローラ92と、掻き取りブレード93と、ベルトクリーニングローラ94と、それらを収容するクリーニング筐体97とを備えている。
【0104】
廃トナー収容部91は、クリーニング筐体97において、上端部に開口95を有する略ボックス形状に区画されている。
【0105】
中継ローラ92は、廃トナー収容部91の開口95の上側において、開口95に対向配置されている。
【0106】
掻き取りブレード93は、前後方向に延びる略平板形状に形成され、その後端部(遊端部)が中継ローラ92に下側から接触されるように、その前端部(基端部)が、開口95の前側周縁部において、廃トナー収容部91に固定されている。
【0107】
ベルトクリーニングローラ94は、中継ローラ92に上側から接触されるように、ベルトクリーニングユニット44の上端部において、回転可能に支持されている。
【0108】
クリーニング筐体97は、上端部が開口される略ボックス形状に形成されている。
【0109】
クリーニング筐体97は、ベルトクリーニングローラ94をその上端部から露出するように回転可能に支持している。また、クリーニング筐体97は、中継ローラ92をベルトクリーニングローラ94の下側において回転可能に支持している。
【0110】
クリーニング筐体97の下端部には、プロセスフレーム41に揺動可能に支持される回動軸96が設けられている。
【0111】
そして、ベルトクリーニングユニット44は、ベルトクリーニングローラ94が中間転写ベルト30の下側部分に下側から接触されるように配置されている。
【0112】
また、ベルトクリーニングユニット44は、常には、ブラック感光ドラム20Kに前側から近接する近接位置に配置され、プロセスユニット15が引出位置に引き出されたときに、ブラック感光ドラム20Kから前側に退避する退避位置に回動軸96を中心に揺動可能となる。
【0113】
そして、ベルトクリーニングユニット44は、近接位置に配置されているときに、中間転写ベルト30の表面に残存したトナーなどを、ベルトクリーニングローラ94によってクリーニングする。ベルトクリーニングローラ94に保持されたトナーは、一旦中継ローラ92に保持された後、掻き取りブレード93で掻き取られることにより、廃トナー収容部91内に収容される。
【0114】
このとき、ベルトクリーニングユニット44の上端部は、現像カートリッジ22の前後方向長さよりも短い前後方向間隔を隔てて、ブラック感光ドラム20Kの前側に対向配置されている(図1参照)。
【0115】
また、ベルトクリーニングユニット44が、退避位置に配置されたときには、ベルトクリーニングユニット44の上端部は、現像カートリッジ22の前後方向長さよりも長い前後方向間隔を隔てて、ブラック感光ドラム20Kの前側と対向配置されている(図2参照)。
3.現像カートリッジの着脱
各現像カートリッジ22をプロセスユニット15から着脱するには、まず、図2に示すように、フロントカバー7を開放し、プロセスユニット15を前方に引き出して引出位置に配置させる。
【0116】
ここで、カラーの現像カートリッジ22(イエロー現像カートリッジ22Y、マゼンタ現像カートリッジ22Mおよびシアン現像カートリッジ22C)のプロセスユニット15に対する着脱を、イエロー現像カートリッジ22Yを例に挙げて説明する。
【0117】
イエロー現像カートリッジ22Yをプロセスユニット15から離脱させるには、イエロー現像カートリッジ22Yの取っ手63を把持して、イエロー現像カートリッジ22Yをプロセスフレーム41から上側へ引き抜く。
【0118】
すると、イエロー現像カートリッジ22Yの上側への移動に伴って、イエロー現像カートリッジ22Yの上側の膨出部66が、ブラック感光ドラム20Kに対応するドラムユニット43の第1着脱補助部材52を下側から前上側へ向かって、押圧する。すなわち、カートリッジフレーム61の膨出部66が、当接部および第1当接部として機能する。
【0119】
すると、ブラック感光ドラム20Kに対応するユニットフレーム58が、感光ドラム20のドラム軸47を支点として右側面視反時計回りに回動される。
【0120】
そして、イエロー現像カートリッジ22Yがさらに上側へ引き抜かれると、ブラック感光ドラム20Kに対応するユニットフレーム58が、さらに右側面視反時計回りに回動されて、ブラック感光ドラム20Kとイエロー感光ドラム20Yとの間からブラック感光ドラム20Kの上側へ退避されて退避位置に配置される。
【0121】
これにより、ブラック感光ドラム20Kとイエロー感光ドラム20Yとの間が上下方向に開放される。すなわち、膨出部66と第1着脱補助部材52とは、現像カートリッジ22の離脱に連動して、ドラムユニット43を退避させる退避手段(連動手段)を構成する。
【0122】
そして、さらにイエロー現像カートリッジ22Yを上側へ引き抜くと、イエロー現像カートリッジ22Yは、イエロー感光ドラム20Yとブラック感光ドラム20Kとの間(すなわち、イエロー感光ドラム20Yの前側)を通過するように、上側へ離脱される。
【0123】
これにより、イエロー現像カートリッジ22Yのプロセスユニット15からの離脱が完了する。
【0124】
また、イエロー現像カートリッジ22Yをプロセスユニット15に装着するには、まず、イエロー現像カートリッジ22Yを、現像ローラ23が後側に配置されるとともに上側に向かって露出されるように、イエロー現像カートリッジ22Yの取っ手63を把持して、ブラック感光ドラム20Kとイエロー現像カートリッジ22Yとの間において、プロセスフレーム41の上側に位置決めする。
【0125】
そして、イエロー現像カートリッジ22Yを、当接板55に当接されるように上側からプロセスフレーム41に挿入する。
【0126】
すると、イエロー現像カートリッジ22Yの底壁68が、当接板55に上側から当接される。すなわち、イエロー現像カートリッジ22Yの底壁68が、当接部および第2当接部として機能する。
【0127】
そして、さらにイエロー現像カートリッジ22Yをプロセスフレーム41内に挿入すると、第2着脱補助部材53が底壁68に上側から押圧されて、下側へ移動する。
【0128】
すると、第2着脱補助部材53の移動により、ユニットフレーム58が後下側へ引っ張られ、ユニットフレーム58が右側面視時計回りに回動される。
【0129】
そして、当接板55がプロセスユニット15の底部に当接するまで、イエロー現像カートリッジ22Yがプロセスフレーム41内に挿入されると、ブラック感光ドラム20Kに対応するスコロトロン型帯電器21が、ブラック現像カートリッジ22Kの後側に対向されて、対向位置に配置される。
【0130】
すなわち、第2着脱補助部材53と底壁68とは、現像カートリッジ22の装着に連動して、ドラムユニット43を対向させる連動手段を構成する。
【0131】
これにより、イエロー現像カートリッジ22Yのプロセスユニット15への装着が完了する。
【0132】
また、ブラック現像カートリッジ22Kをプロセスユニット15から離脱させるには、ブラック現像カートリッジ22Kの取っ手63を把持して、ブラック現像カートリッジ22Kをプロセスフレーム41から上側へ引き抜く。
【0133】
すると、ブラック現像カートリッジ22Kの上側への移動に伴って、ブラック現像カートリッジ22Kの膨出部66が、クリーニング筐体97の後側上端部を後側から押圧する。
【0134】
その結果、ベルトクリーニングユニット44は、上記したように、回動軸96を支点として右側面視反時計回りに回動され、ブラック感光ドラム20Kから前側へ離間するように退避されて退避位置に配置される。
【0135】
これにより、ベルトクリーニングユニット44の上端部とブラック感光ドラム20Kとが、ブラック現像カートリッジ22Kの前後方向長さよりも長い前後方向間隔を隔てて対向される。
【0136】
そして、ブラック現像カートリッジ22Kは、ベルトクリーニングユニット44とブラック感光ドラム20Kとの間(すなわち、ブラック感光ドラム20Kの前側)が退避されることにより形成された空間を通過するように、上側へ離脱される。
【0137】
これにより、ブラック現像カートリッジ22Kのプロセスユニット15からの離脱が完了する。
【0138】
また、ブラック現像カートリッジ22Kをプロセスユニット15に装着するには、ブラック現像カートリッジ22Kを、現像ローラ23が後側に配置されるとともに上側に向かって露出されるように、ブラック現像カートリッジ22Kの取っ手63を把持して、ベルトクリーニングユニット44とブラック感光ドラム20Kとの間において、プロセスフレーム41の上側に位置決めする。
【0139】
そして、ブラック現像カートリッジ22Kを、上側からプロセスフレーム41に挿入する。
【0140】
すると、ブラック現像カートリッジ22Kの底壁68が、プロセスユニット15の底部に当接されたときに、ブラック現像カートリッジ22Kのプロセスユニット15への装着が完了する。
【0141】
そして、クリーニング筐体97の上端部を後側へ押圧して、ベルトクリーニングユニット44を回動軸96を支点として右側面視時計回りに回動させて近接位置へ配置させる。
【0142】
その後、プロセスユニット15を後側へ押し込んで、装着位置に配置させる。そして、図1に示すように、フロントカバー7を閉じる。
4.作用効果
(1)このプリンタ1によれば、図2に示すように、対応する感光ドラム20(イエロー感光ドラム20Y)の前側に隣接する感光ドラム20(ブラック感光ドラム20K)に対応するドラムユニット43を退避させることにより、対応する感光ドラム20の前側を上下方向に開放することができる。そして、現像カートリッジ22を、対応する感光ドラム20の前側(上下方向に開放された空間)を通過するように着脱させることができる。
【0143】
そのため、上側においてベルトユニット26が対向される感光ドラム20に対して、下側から現像カートリッジ22が対向される構成において、上側から、現像カートリッジ22を本体ケーシング2に対して容易に着脱させることができる。
(2)このプリンタ1によれば、図2に示すように、現像カートリッジ22を離脱させるときに、現像カートリッジ22の膨出部66をドラムユニット43の第1着脱補助部材52に当接させて、隣接する感光ドラム20に対応するドラムユニット43を確実に退避させることができ、また、現像カートリッジ22を装着するときに、現像カートリッジ22の底壁68を第2着脱補助部材53(当接板55)に当接させて、隣接する感光ドラム20に対応するドラムユニット43を感光ドラム20に確実に対向させることができる。
(3)このプリンタ1によれば、図2に示すように、感光ドラム20の後側に対向されているスコロトロン型帯電器21の第1着脱補助部材52が、現像カートリッジ22の着脱軌跡内で現像カートリッジ22の膨出部66の上側に配置されているので、現像カートリッジ22を離脱させるときに、現像カートリッジ22の膨出部66と、隣接する感光ドラム20に対応するスコロトロン型帯電器21の第1着脱補助部材52とを確実に当接させることができる。
【0144】
そのため、現像カートリッジ22の離脱動作に伴って、隣接する感光ドラム20に対応するスコロトロン型帯電器21を隣接する感光ドラム20の後側から確実に退避させることができる。
【0145】
また、隣接する感光ドラム20の後側から退避されたスコロトロン型帯電器21の第2着脱補助部材53(当接板55)を、現像カートリッジ22の着脱軌跡内に配置すれば、現像カートリッジ22を装着させるときに、現像カートリッジ22の底壁68とスコロトロン型帯電器21の第2着脱補助部材53(当接板55)とを確実に当接させることができる。
【0146】
そのため、現像カートリッジ22の装着動作に伴って、スコロトロン型帯電器21を隣接する感光ドラム20の後側に確実に対向させることができる。
【0147】
その結果、現像カートリッジ22を円滑に着脱することができる。
(4)このプリンタ1によれば、図2および図3に示すように、スコロトロン型帯電器21が退避されたときに、感光ドラム20を感光ドラム20に対応するスコロトロン型帯電器21により上側から被覆することができる。
【0148】
そのため、感光ドラム20がスコロトロン型帯電器21によりカバーされるので、現像カートリッジ22を装着するときに、現像カートリッジ22が、感光ドラム20に上側から、接触することを防止できる。
(5)このプリンタ1によれば、図3(b)に示すように、感光ドラム20に対応するスコロトロン型帯電器21が退避されたときに、クリーニング部材98がユーザの手の届きやすい上側に配置されるので、スコロトロン型帯電器21の帯電用ワイヤ99を容易にクリーニングすることができる。
(6)このプリンタ1によれば、図1に示すように、レーザービームを出射するスキャナなどにより感光ドラム20を露光する場合と比べて、より小型なLEDユニット16により感光ドラム20を露光することができる。
【0149】
そのため、プリンタ1を小型化することができる。
(7)このプリンタ1によれば、図1に示すように、トナー像を直接、用紙Pに転写するダイレクトタンデム型と比べて、感光ドラム20とベルトユニット26との間に用紙Pを通過させることなく用紙Pにトナー像を転写することができる。
【0150】
そのため、用紙Pの搬送経路を簡略化することができる。
(8)このプリンタ1によれば、図1に示すように、中間転写ベルト30をクリーニングすることができる。
【0151】
さらに、図2に示すように、ベルトクリーニングユニット44を退避させることにより、最前側のブラック感光ドラム20Kの前側を上下方向に開放することができる。
【0152】
そのため、最前側のブラック現像カートリッジ22Kを、ブラック感光ドラム20Kの前側(上下方向に開放された空間)を通過するように着脱できる。
【0153】
その結果、ブラック現像カートリッジ22Kを、上側から容易に着脱できる。
【0154】
また、ベルトクリーニングユニット44を退避させることにより、ブラック現像カートリッジ22Kの着脱経路を開放できるため、ベルトクリーニングユニット44をブラック感光ドラム20Kから前側へ離間して配置させることなく、ベルトクリーニングユニット44をブラック感光ドラム20Kの前側に近接配置することができる。
【0155】
その結果、ベルトクリーニングユニット44をブラック感光ドラム20Kの前側に効率よく配置でき、プリンタ1を前後方向に小型化することができる。
(9)このプリンタ1によれば、図2に示すように、プロセスユニット15を前側に引き出して、現像カートリッジ22をプロセスユニット15に対して着脱させる、いわゆるフロントアクセスを実現することができる。
5.第2実施形態
図4および図5を参照して、プリンタ1の第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態において、第1実施形態と同様の部材には同様の符号を付し、その説明を省略する。
【0156】
上記した第1実施形態では、カートリッジフレーム61の左右方向略中央の上端部に、上側へ向かって延びる取っ手63を備えたが、第2実施形態では、取っ手63を上下に進退可能に設け、図4に示すように、プロセスユニット15が本体ケーシング2に装着されているときに、取っ手63をカートリッジフレーム61内に退避させ、図5に示すように、プロセスユニット15が本体ケーシング2から引き出されたときに、取っ手63をカートリッジフレーム61から進出させる。
【0157】
詳しくは、第2実施形態では、図4および図5に示すように、本体ケーシング2内に、取っ手63を下側へ押圧する1対の当接部材の一例としてのレール部材111が設けられている。
【0158】
両レール部材111は、前後方向に延びる略平板形状に形成されている。また、両レール部材111は、ベルトユニット26を挟んで左右方向に互いに間隔を隔てて配置され、その上端部において、本体ケーシング2の上壁に固定されている。
【0159】
現像カートリッジ22には、取っ手63を収容する取っ手収容部112が形成されている。また、現像カートリッジ22は、取っ手63を上側へ付勢する付勢部材の一例としての圧縮ばね113を備えている。
【0160】
取っ手収容部112は、カートリッジフレーム61の上端部において、上下方向に延びる側面視略矩形状に区画されている。
【0161】
そして、取っ手63は、取っ手収容部112内に上下方向にスライド可能に収容されている。
【0162】
圧縮ばね113は、一端部が取っ手収容部112の底壁に接続され、他端部が取っ手63の下端部に接続されている。これにより、取っ手63は、常には、上側へ向かって付勢されている。
【0163】
第2実施形態では、図4に示すように、プロセスユニット15が本体ケーシング2に装着されているときには、取っ手63は、その上端部においてレール部材111の下端部に当接されており、レール部材111によって上側から押圧されている。
【0164】
これにより、取っ手63は、圧縮ばね113の付勢力に抗して、その上端部が感光ドラム20の上端部より下側に退避されるように、カートリッジフレーム61の取っ手収容部112内に退避されている。
【0165】
そして、図5に示すように、プロセスユニット15を本体ケーシング2から引き出すと、レール部材111と取っ手63との当接が解除され、レール部材111による取っ手63に対する押圧が解除される。
【0166】
すると、取っ手63は、圧縮ばね113の付勢力により、その上端部が感光ドラム20の上端部より上側に進出されるように、カートリッジフレーム61の取っ手収容部112から進出される。
【0167】
第2実施形態によれば、図4および図5に示すように、プロセスユニット15を本体ケーシング2から引き出し、現像カートリッジ22をプロセスユニット15に対して着脱させるときには、感光ドラム20の上端部より上側へ進出された取っ手63を容易に把持することができる。
【0168】
その結果、現像カートリッジ22の着脱動作を円滑に実施することができる。
【0169】
また、第2実施形態によれば、図4および図5に示すように、ベルトユニット26と各感光ドラム20とが、第1相対配置に配置されているときには、レール部材111を取っ手63に上側から当接させて、圧縮ばね113の付勢力に抗して、取っ手63を下側に退避されることができ、ベルトユニット26と各感光ドラム20とが、第2相対配置に配置されているときには、圧縮ばね113の付勢力により、取っ手63を上側に進出されることができる。
【0170】
その結果、簡単な構成で、ベルトユニット26と各感光ドラム20との相対移動と、取っ手63の進退とを連動させることができる。
【0171】
また、第2実施形態においても、第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
6.第3実施形態
図6を参照して、プリンタ1の第3実施形態について説明する。なお、第3実施形態において、第1実施形態と同様の部材には同様の符号を付し、その説明を省略する。
【0172】
上記した第1実施形態では、本体ケーシング2の前端部にフロントカバー7を設け、プリンタ1を、フロントカバー7を開放してプロセスユニット15を引き出すフロントアクセス可能なプリンタとして構成している。
【0173】
しかし、第3実施形態では、図6に示すように、本体ケーシング2の上端部に移動手段および移動部材の一例としてのトップカバー120を設け、トップカバー120を開放して各現像カートリッジ22を本体ケーシング2に対して着脱する。
【0174】
詳しくは、本体ケーシング2には、その上壁と、後壁の上端部とにわたって、トップカバー120が設けられている。
【0175】
トップカバー120は、本体ケーシング2の後壁の途中(定着ユニット18の後側)を支点として、揺動可能に形成され、図示しない支持機構により、ベルトユニット26および定着ユニット18を支持している。
【0176】
そして、トップカバー120は、本体ケーシング2の上端部すべてを開放するように、ベルトユニット26および定着ユニット18とともに揺動される。
【0177】
トップカバー120が開放されると、ベルトユニット26が各感光ドラム20から上側に離間されて、第2相対配置に配置される。また、このとき、プロセスユニット15の上端部が上側から露出され、各現像カートリッジ22に上側からアクセス可能となる。
【0178】
そして、各現像カートリッジ22を本体ケーシング2に対して着脱させるには、まず、トップカバー120を上側に向かって揺動させて、本体ケーシング2の上端部を開放する。次いで、開放された本体ケーシング2の上端部から、各現像カートリッジ22を本体ケーシング2に対して着脱させる。
【0179】
第3実施形態においても、第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0180】
1 プリンタ
2 本体ケーシング
15 プロセスユニット
16 LEDユニット
20 感光ドラム
21 スコロトロン型帯電器
22 現像カートリッジ
23 現像ローラ
30 中間転写ベルト
44 ベルトクリーニングユニット
52 第1着脱補助部材
53 第2着脱補助部材
55 当接板
58 ユニットフレーム
63 取っ手
66 膨出部
68 底壁
98 クリーニング部材
111 レール部材
113 圧縮ばね

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体と、
前記装置本体の内部に互いに間隔を隔てて並列配置され、現像剤像を担持する複数の感光体と、
各前記感光体に対応して、前記感光体の並列方向一方側に対向配置され、対応する前記感光体を帯電させる複数の帯電器と、
前記並列方向に延びるように張架され、張架された面が、前記並列方向と直交する直交方向一方側から各前記感光体に対向される無端ベルトと、
各前記感光体に対応して設けられ、前記感光体に供給される現像剤を担持する現像剤担持体を有し、対応する前記感光体に前記直交方向他方側から対向される複数の現像カートリッジと、
前記無端ベルトと各前記感光体とを、互いに近接される第1相対配置と、互いに離間される第2相対配置とに相対的に移動させる移動手段と、
各前記帯電器を対応する前記感光体の前記並列方向一方側から退避させる退避手段と
を備え、
前記現像カートリッジは、前記移動手段により前記無端ベルトと各前記感光体とが前記第2相対配置に配置され、かつ、前記退避手段により対応する前記感光体の前記並列方向他方側に隣接する感光体に対応する帯電器が退避されているときに、対応する前記感光体の前記並列方向他方側を通過して、前記直交方向一方側から前記装置本体に装着、または、前記装置本体から前記直交方向一方側へ離脱可能であることを特徴とする、画像形成装置。
【請求項2】
前記退避手段は、
前記現像カートリッジの離脱に連動して、前記隣接する感光体に対応する帯電器を退避させるとともに、
前記現像カートリッジの装着に連動して、前記隣接する感光体に対応する帯電器を前記感光体に対向配置させる連動手段を有することを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記連動手段は、
前記帯電器を前記感光体に対して変位可能に支持する支持部材と、
前記現像カートリッジに設けられる当接部と、
前記隣接する感光体に対応する帯電器、または、前記隣接する感光体に対応する帯電器を支持する前記支持部材に設けられ、前記当接部が当接される被当接部と
を備えることを特徴とする、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記現像カートリッジは、前記装置本体から離脱されるときに前記帯電器に当接する第1当接部と、前記装置本体に装着されるときに前記帯電器に当接する第2当接部とを有し、
前記帯電器は、前記現像カートリッジが前記装置本体から離脱されるときに第1当接部が当接される第1被当接部と、前記現像カートリッジが前記装置本体に装着されるときに第2当接部が当接される第2被当接部とを有していることを特徴とする、請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記帯電器は、退避されたときに、前記直交方向一方から前記感光体に対向することを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記帯電器をクリーニングするためのクリーニング手段を有し、
前記クリーニング手段は、前記帯電器が退避されたときに、前記直交方向一方側へ露出することを特徴とする、請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
各前記感光体に対向配置され、各前記感光体を露光する複数のLEDユニットを備える
ことを特徴とする、請求項1ないし6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記無端ベルトには、各前記感光体に担持される現像剤像が転写されることを特徴とする、請求項1ないし7のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
さらに、前記並列方向最他方側の前記感光体の前記並列方向他方側において、前記無端ベルトをクリーニングするクリーニングユニットを備え、
前記クリーニングユニットは、常には、前記並列方向最他方側の前記感光体の前記並列方向他方側に近接される近接位置に配置されており、前記無端ベルトと前記感光体とが前記第2相対配置に移動されたときに、前記並列方向最他方側の前記感光体の前記並列方向他方側から退避される退避位置に移動可能であり、
前記並列方向最他方側の前記現像カートリッジは、前記無端ベルトと前記感光体とが前記第2相対配置に配置され、前記クリーニングユニットが前記退避位置に配置されているときに、前記並列方向最他方側の前記感光体の前記並列方向他方を通過して、前記直交方向一方側から前記装置本体に装着、または、前記装置本体から前記直交方向一方側へ離脱可能であることを特徴とする、請求項1ないし8のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記現像カートリッジは、その前記直交方向一方側端部において把持部材を備え、
前記把持部材は、
前記無端ベルトと各前記感光体とが前記第1相対配置に配置されているときに、前記感光体の前記直交方向一方側端部より前記直交方向他方側へ退避し、
前記無端ベルトと各前記感光体とが前記第2相対配置に配置されているときに、前記感光体の前記直交方向一方側端部より前記直交方向一方側へ進出することを特徴とする、請求項1ないし9のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記現像カートリッジは、前記把持部材を前記直交方向一方側へ付勢する付勢部材を備え、
前記装置本体は、前記無端ベルトと各前記感光体とが前記第1相対配置に配置されているときに、前記把持部材に前記直交方向一方側から当接され、前記付勢部材の付勢力に抗して前記把持部材を前記直交方向他方側へ退避させる当接部材を備えていることを特徴とする、請求項1ないし10のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記移動手段は、
各前記感光体を保持し、前記装置本体に装着される装着位置と、前記装置本体から引き出される引出位置とに、前記並列方向に沿って移動可能な移動部材を備え、
前記移動部材は、
前記装着位置において、前記無端ベルトと各前記感光体とを前記第1相対配置に配置させ、
前記引出位置において、前記無端ベルトと各前記感光体とを前記第2相対配置に配置させることを特徴とする、請求項1ないし11のいずれか一項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−29649(P2013−29649A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−165327(P2011−165327)
【出願日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】