説明

画像形成装置

【課題】画像形成を再開するまでの時間を短くすることが可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、トナー情報を記憶するトナーコンテナメモリー461を有するトナーコンテナ46と、トナーコンテナ46内のトナーの有無を検知するトナー検知センサー462と、トナー検知センサー462によってトナーコンテナ46内のトナーが無いことを検知した場合に、トナーエンプティモードを設定する制御部90と、を備える。制御部90は、トナーコンテナ46が交換された場合に、トナーコンテナ46のトナーコンテナメモリー461に記憶されるトナー情報に基づいてトナーエンプティモードを解除するための複数の解除条件の中からいずれか1つを選択し、トナーコンテナ46内にトナーが有ることをトナー検知センサー462によって継続して検知される時間が選択された解除条件を満たすと、設定されているトナーエンプティモードを解除する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トナーを利用して被転写材に画像を形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置には、トナーを利用して用紙(被転写材)に画像を形成するものがある。その画像形成装置は、例えば、トナーコンテナの下部に配置されたトナーボックスを備え、そのトナーボックスを介して、トナーコンテナに収容されたトナーを現像器に供給する。具体的には、このような構成の画像形成装置は、第1のモーターを駆動することにより、トナーコンテナに収容されたトナーをトナーボックスに供給し、第2のモーターを駆動することにより、トナーボックスに収容されたトナーを現像器に供給する(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−338768号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
トナーコンテナから現像器にトナーを供給する場合、トナーコンテナに収容されるトナーの量に応じて、単位時間当たりのトナーの供給量が異なっている。例えば、トナーコンテナにトナーが満載される場合には、トナーコンテナに収容されるトナーの量が少ない場合に比べて、単位時間当たりのトナーの供給量は多くなる。これは、トナーコンテナに収容されるトナーの量が少ない場合には、トナーコンテナにトナーが満載される場合に比べて、効率的にトナーを供給することができないためである。しかしながら、特許文献1に記載された装置では、トナーコンテナに収容されるトナーが無くなることにより、トナーコンテナを交換して、トナーボックスに収容されるトナーの量が相対的に多くなった場合でも、確実に現像器にトナーが供給されるようにするために、印刷を再開させるまでの時間を長めに設定している可能性がある。この場合には、印刷(画像形成)を再開するまでに時間がかかるという問題がある。
【0005】
本発明は、トナーコンテナに収容されるトナーの量が多い場合には、画像形成を再開するまでの時間を短くする画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、静電潜像が形成される像担持体と、前記像担持体に形成された静電潜像をトナーによって現像する現像器と、内部に収容されるトナーの量に関するトナー情報を記憶するトナーコンテナメモリーを有すると共に、前記内部に収容されるトナーを前記現像器に供給するトナーコンテナと、前記トナーコンテナ内のトナーの有無を検知するトナー検知センサーと、前記トナー検知センサーによって前記トナーコンテナ内のトナーが無いことを検知した場合に、トナーエンプティモードを設定して前記現像器の動作を停止させる制御部と、トナーエンプティモードを解除するための複数の解除条件を備えた記憶部と、を備え、前記制御部は、前記トナーコンテナが交換された場合に、当該交換されたトナーコンテナの前記トナーコンテナメモリーに記憶されるトナー情報に基づいてトナーエンプティモードを解除するための前記複数の解除条件の中からいずれか1つを選択し、前記交換されたトナーコンテナ内にトナーが有ることを前記トナー検知センサーによって継続して検知される時間が選択された解除条件を満たすと、設定されているトナーエンプティモードを解除して前記現像器を動作可能にさせる画像形成装置に関する。
【0007】
また、制御部は、前記トナー情報に基づく前記交換されたトナーコンテナ内のトナーの量が所定量以上の場合に、前記解除条件として第1時間を選択し、前記トナー情報に基づく前記交換されたトナーコンテナ内のトナーの量が前記所定量未満の場合に、前記解除条件として、前記第1時間よりも長い第2時間を選択することが好ましい。
【0008】
また、前記トナー情報には、前記トナー検知センサーによって前記トナーコンテナ内にトナーが無くなったことが検知された場合に記録されるトナーエンプティ履歴情報が含まれ、前記制御部は、前記トナー情報に前記トナーエンプティ履歴情報が含まれる場合に、前記解除条件として、前記第2時間よりも長い第3時間を選択することが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、画像形成を再開するまでの時間を短くすることが可能な画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】画像形成装置の一実施形態に係るコピー機の全体構成を説明するための図である。
【図2】コピー機の機能構成を示すブロック図である。
【図3】コピー機の動作について説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の画像形成装置の一実施形態に係るコピー機について説明する。まず、コピー機1の全体構成について説明する。図1は、画像形成装置の一実施形態に係るコピー機1の全体構成を説明するための図である。
【0012】
コピー機1は、原稿搬送部10と、原稿読取部20と、用紙搬送部30と、画像形成部40と、転写部50と、定着部60とを備えるコピー機本体2を有する。
原稿搬送部10は、ADF(Automatic Document Feeder)であり、原稿載置部11と、第1送りローラー12と、ガイド13と、タイミングローラー対14と、原稿排出部15とを備える。第1送りローラー12は、原稿載置部11に載置された原稿Gを1枚ずつ順にタイミングローラー対14に供給する。タイミングローラー対14は、原稿読取部20が原稿Gの画像を読み取るタイミングと、原稿Gの画像が原稿読取部20によって読み取られる位置(ガイド13が配置されている位置)に原稿Gを供給するタイミングとを合わせるために、原稿Gの搬送又は原稿Gの搬送停止を行う。ガイド13は、搬送された原稿Gを後述する第1読取面21aに導く。原稿排出部15は、原稿読取部20によって画像が読み取られた(ガイド13を通過した)原稿Gをコピー機本体2の外部に排出する。
原稿排出部15におけるコピー機本体2の外側には、原稿集積部16が形成される。原稿集積部16には、原稿排出部15から排出された原稿Gが積層して集積される。
【0013】
原稿読取部20は、第1読取面21aと、第2読取面22aとを備える。第1読取面21aは、ガイド13に対向して配置された第1コンタクトガラス21の上面に沿って形成され、原稿Gの画像を読み取る面となる。第2読取面22aは、第1読取面21aに隣接して(図1に示す場合では、第1読取面21aの右側の大部分に亘って)配置される。第2読取面22aは、原稿搬送部10を用いずに原稿Gの画像を読み取る場合に用いられる。第2読取面22aは、原稿Gが載置される第2コンタクトガラス22の上面に沿って形成され、原稿Gの画像を読み取る面となる。
【0014】
また、原稿読取部20は、照明部23と、第1ミラー24と、第2ミラー25と、第3ミラー26と、結像レンズ27と、撮像部28とをコピー機本体2の内部に備える。照明部23と第1ミラー24とは、それぞれ副走査方向Xに移動する。第2ミラー25と第3ミラー26とは、図1において照明部23及び第1ミラー24の左側に配置される。さらに、第2ミラー25及び第3ミラー26は、第1ミラー24と、第2ミラー25と、第3ミラー26と、結像レンズ27とを介した第1読取面21a又は第2読取面22aから撮像部28までの距離(光路長)を一定に保ちつつ、それぞれ副走査方向Xに移動する。
【0015】
照明部23は、原稿Gに光を照射する光源である。第1ミラー24、第2ミラー25及び第3ミラー26は、光路長を一定に保ちつつ、原稿Gによって反射された光を結像レンズ27に導くためのミラーである。結像レンズ27は、第3ミラー26から入射した光を撮像部28に結像させる。撮像部28は、入射された光を電気信号に変換することにより、結像された光像に基づいて画像データを得るための撮像素子であり、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサーである。
【0016】
用紙搬送部30は、第2送りローラー31と、第3送りローラー32と、レジストローラー対33と、用紙排出部34とを備える。第2送りローラー31は、給紙カセット36に収容される用紙T(被転写材)を転写部50に供給する。第3送りローラー32は、手差しトレイ37に載置される用紙T(被転写材)を転写部50に供給する。レジストローラー対33は、転写部50にトナー画像が到達するタイミングと、転写部50に用紙Tを供給するタイミングとを合わせるために、用紙Tの搬送又は用紙Tの搬送停止を行う。また、レジストローラー対33は、用紙Tのスキュー(斜め給紙)補正を行う。用紙排出部34は、トナー画像が定着された用紙Tをコピー機本体2の外部に排出する。
用紙排出部34におけるコピー機本体2の外側には、排紙集積部35が形成される。排紙集積部35には、用紙排出部34から排出された用紙Tが積層して集積される。
【0017】
画像形成部40は、後述する感光体ドラム41にトナー画像を形成して後述する中間転写ベルト48に転写するためのものであり、像担持体としての感光体ドラム41と、帯電部42と、レーザースキャナーユニット43と、現像器44と、クリーニング部45と、トナーコンテナ46と、トナー検知センサー462(図2参照)と、1次転写ローラー47と、中間転写ベルト48と、対向ローラー49とを備える。
感光体ドラム41(41a,41b,41c,41d)は、ブラック、シアン、マゼンタ及びイエローそれぞれのトナー画像を形成するために、感光体又は像担持体として機能する。各感光体ドラム41a,41b,41c,41dの周囲には、感光体ドラム41の回転方向に沿って上流側から下流側へ順に、帯電部42と、レーザースキャナーユニット43と、現像器44と、クリーニング部45とが配置される。帯電部42は、感光体ドラム41の表面を帯電させる。レーザースキャナーユニット43は、感光体ドラム41の表面から離れて配置され、原稿読取部20によって読み取られた原稿Gに関する画像データに基づいて感光体ドラム41の表面を走査露光する。これにより、感光体ドラム41の表面には、露光された部分の電荷が除去されて静電潜像が形成される。現像器44は、感光体ドラム41に形成された静電潜像をトナーによって現像する。すなわち、現像器44は、感光体ドラム41の表面に形成された静電潜像にトナーを付着させてトナー画像を形成する。クリーニング部45は、除電器(図示せず)によって感光体ドラム41の表面が除電された後のその表面に残るトナー等を除去する。
【0018】
トナーコンテナ46は、現像器44に供給される各色のトナーを収容する。トナーコンテナ46は、交換可能である。トナーコンテナ46と現像器44とは、トナー供給路(図示せず)により接続されている。そして、トナーコンテナ46は、内部に収容されるトナーを現像器44に供給する。さらに、トナーコンテナ46は、内部に収容されるトナーの量に関するトナー情報を記憶するトナーコンテナメモリー461を有する。トナー情報は、例えば、トナーコンテナ46内に残るトナーの量(重さ)についての情報である。トナー情報は、コピー機1が用紙Tに画像を形成する毎に(トナーが消費される度に)更新される。トナー情報は、トナーの消費量に関する情報であってもよい。
【0019】
トナー検知センサー462は、トナーコンテナ46の近傍に配置されており、トナーコンテナ46内のトナーを検知する。一例として、トナー検知センサー462は、光透過型センサーであり、トナーコンテナ46内のトナーの有無を検知することに基づいて、トナーコンテナ46内のトナーの有無を検知する。トナー検知センサー462は、例えば、トナーコンテナ46内のトナーが減少していくと、「トナー有り」と「トナー無し」とを交互に検知するようになる。これは、トナーコンテナ46内のトナーの分布(配置状態)によって、トナー検知センサー462の検知結果に少しの誤差が生じるためである。また、トナー検知センサー462は、トナーコンテナ46が空に近づくと、「トナー無し」を連続して検知するようになる。なお、本発明(本実施形態)では、現像器44内のトナーの有無を検知するセンサーは、設けられていない。
【0020】
1次転写ローラー47(47a,47b,47c,47d)は、中間転写ベルト48における各感光体ドラム41a,41b,41c,41dとは反対側にそれぞれ配置される。中間転写ベルト48は、画像形成部40及び転写部50を通過するベルトである。中間転写ベルト48の一部分は、各感光体ドラム41a,41b,41c,41dと各1次転写ローラー47a,47b,47c,47dとの間に挟み込まれ、各感光体ドラム41a,41b,41c,41dの表面に形成されたトナー画像が1次転写される。対向ローラー49は、環状形状の中間転写ベルト48の内側に配置され、中間転写ベルト48を図1に示す矢印A方向に進行させるための駆動ローラーである。
【0021】
転写部50は、2次転写ローラー51を備える。2次転写ローラー51は、中間転写ベルト48に関して対向ローラー49とは反対側に配置され、中間転写ベルト48の一部分を対向ローラー49との間に挟みこむ。さらに、2次転写ローラー51は、中間転写ベルト48に1次転写されたトナー画像を用紙Tに2次転写させる。
【0022】
定着部60は、加熱回転体61と、加圧回転体62とを備える。加熱回転体61と加圧回転体62とは、トナー画像が2次転写された用紙Tを挟み込んで、トナーを溶融及び加圧し、そのトナーを用紙Tに定着させる。
【0023】
次に、コピー機1の機能構成について説明する。図2は、コピー機1の機能構成を示すブロック図である。
コピー機1は、上述した構成要素(原稿搬送部10、原稿読取部20、用紙搬送部30、画像形成部40、転写部50及び定着部60)を備える。用紙搬送部30、画像形成部40、転写部50及び定着部60によりエンジン部3が構成される。なお、図1を用いて説明した構成要素については、その説明を省略する。
さらに、コピー機1は、上述した機能構成に加えて、操作部70と、記憶部80と、制御部90とを備える。
【0024】
操作部70は、テンキー(図示せず)、タッチパネル(図示せず)及びスタートキー(図示せず)等を備える。テンキーは、印刷部数等の数字を入力するために操作される。タッチパネルは、種々の機能(一例として、印刷倍率の設定機能や、複数のページを1枚の用紙Tに割り付ける機能(2in1等))が割り当てられた複数のキー等を表示する。タッチパネルに表示されたキーは、種々の機能のうちのいずれかをコピー機1に実行させるために操作される。スタートキーは、印刷を実行させるために操作される。操作部70は、いずれかのキーが操作されることにより、このキーが操作されたことを表す信号を制御部90に供給する。
【0025】
記憶部80は、ハードディスクや半導体メモリー等から構成される。記憶部80は、原稿読取部20によって読み取られた原稿Gに基づく画像データを記憶する。また、記憶部80は、コピー機1において利用される制御プログラム、及びこの制御プログラムによって利用されるデータ等を記憶する。また、トナーエンプティモードを解除するための複数の解除条件も記憶部80に記憶されている。
【0026】
制御部90は、原稿搬送部10、原稿読取部20、エンジン部3、操作部70等を制御する。
また、制御部90は、トナー検知センサー462によってトナーコンテナ46内のトナーが無いことを検知した場合に、トナーエンプティモードを設定して現像器44の動作を停止させる。すなわち、制御部90は、通常モードとトナーエンプティモードとを相互に切り換えることが可能である。通常モードは、エンジン部3等を使用して用紙Tに画像を形成することが可能なモードである。トナーエンプティモードは、トナーコンテナ46内にトナーが無いため(トナーコンテナ46内のトナーを使い切ったため)、用紙Tに画像を形成する動作を停止させるモードである。
【0027】
さらに、制御部90は、トナーコンテナ46が交換された場合に、その交換されたトナーコンテナ46のトナーコンテナメモリー461に記憶されるトナー情報に基づいて記憶部80に記憶されているトナーエンプティモードを解除するための複数の解除条件の中からいずれか1つを選択する。そして、制御部90は、交換されたトナーコンテナ46内にトナーが有ることをトナー検知センサー462によって継続して検知される時間が選択された解除条件を満たすと、設定されているトナーエンプティモードを解除して現像器44を動作可能にさせる。
【0028】
上述したように、解除条件は、トナー検知センサー462によってトナーを継続して検知している時間である。例えば、トナーコンテナメモリー461に記憶されるトナー情報に基づくトナーコンテナ46内のトナー量が所定量以上の場合には、解除条件は、第1時間になる。また、トナー情報に基づくトナーコンテナ46内のトナー量が所定量未満の場合には、解除条件は、第1時間よりも長い第2時間になる。ここで、所定量は、適宜設定される量であり、一例として、未使用のトナーコンテナ46に収容されるトナーの量に対して約2/3の量である。第1時間は、例えば、0.5秒〜1.5秒のうちのいずれかの時間であり、より具体的な一例としては1秒である。第2時間は、例えば、2.5秒〜3.5秒のうちのいずれかの時間であり、より具体的な一例としては3秒である。
【0029】
また、トナーコンテナ46のトナーコンテナメモリー461に記憶されたトナー情報にトナーエンプティ履歴情報が含まれる場合には、解除条件は、第2時間よりも長い第3時間である。トナーエンプティ履歴情報は、トナー検知センサー462によってトナーコンテナ46内にトナーが無くなったことが検知された場合に記録される。ここで、トナー検知センサー462は、トナーコンテナ46に収容されるトナーが無くなったことを検知した場合でも、そのトナーコンテナ46がユーザーによって振られた後にコピー機1に再装着された場合には、トナーコンテナ46内のトナーを再度検知することがある。これは、トナーコンテナ46が振られた場合には、トナーコンテナ46内のトナーが集められるためである。この場合には、トナーコンテナ46は、現像器44にトナーを供給することが可能になる。しかしながら、この場合における単位時間当たりのトナーの供給量は、トナーコンテナ46内にトナーが十分に収容されるときのトナーの供給量に比べて少ない。このため、トナーコンテナ46を振って再利用することを行い難くするために、解除条件は、第2時間よりも長い第3時間(例えば、10秒)になる。
【0030】
すなわち、制御部90は、トナーコンテナ46が交換され、且つ、そのトナーコンテナ46のトナーコンテナメモリー461に記憶されるトナー情報に基づくトナーコンテナ46内のトナーの量が所定量以上の場合に、解除条件として第1時間を選択する。また、制御部90は、トナーコンテナ46が交換され、且つ、そのトナーコンテナ46のトナーコンテナメモリー461に記憶されるトナー情報に基づくトナーコンテナ46内のトナーの量が所定量未満の場合に、解除条件として、第1時間よりも長い第2時間を選択する。また、制御部90は、トナーコンテナ46が交換され、且つ、そのトナーコンテナ46のトナーコンテナメモリー461に記憶されるトナー情報にトナーエンプティ履歴情報が含まれる場合に、解除条件として、第2時間よりも長い第3時間を選択する。
【0031】
さらに、制御部90は、トナー検知センサー462によって連続してトナーを検知する時間が選択された解除条件を満たすか否かを判断する。例えば、制御部90は、解除条件として第1時間(一例として1秒)を選択した場合に、トナー検知センサー462によってトナーコンテナ46内にトナーが有ることを連続して第1時間以上(1秒以上)検知されたか否かを判断する。制御部90は、トナー検知センサー462の検知結果が選択された解除条件を満たすと、設定されているトナーエンプティモードから通常モードに移行させて、用紙Tに画像を形成することを可能にする。
【0032】
次に、本実施形態におけるコピー機1の動作について説明する。図3は、コピー機1の動作について説明するためのフローチャートである。
本発明(本実施形態)のように、現像器44にトナーの有無を検知するセンサーが設けられていないコピー機1では、トナーコンテナ46内のトナーの有無に基づいてトナーエンプティモードを解除する必要がある。このため、本実施形態のコピー機1は、以下の動作を行う。なお、ここでの説明では、始めに、コピー機1がトナーエンプティモードに設定されていることを前提とする。
【0033】
制御部90は、例えば、トナーコンテナ46がユーザーによって交換された後、コピー機本体2のカバー(図示せず)が閉じられた場合に、又はコピー機1の電源がオン(ON)にされた場合に、トナーエンプティモードを解除するための処理を開始する。
【0034】
ステップST1において、制御部90は、トナーコンテナメモリー461からトナー情報を読み出す。
【0035】
ステップST2において、制御部90は、ステップST1にて読み出したトナーの量に関するトナー情報に基づいて、トナーエンプティモードを解除するための解除条件を選択する。例えば、制御部90は、トナー情報に基づくトナーコンテナ46内のトナーの量が所定量以上の場合に、解除条件として第1時間を選択する。また、制御部90は、トナー情報に基づくトナーコンテナ46内のトナーの量が所定量未満の場合に、解除条件として第2時間を選択する。さらに、制御部90は、トナー情報にトナーエンプティ履歴情報が含まれる場合に、解除条件として第3時間を選択する。
【0036】
ステップST3において、トナーコンテナ46は、現像器44にトナーを供給する。
【0037】
ステップST4において、制御部90は、トナー検知センサー462によって連続してトナーを検知する時間がステップST2にて選択された解除条件を満たすか否かを判断する。すなわち、制御部90は、トナー検知センサー462によって連続してトナーを検知する時間が選択された解除条件時間(第1時間、第2時間及び第3時間のうち選択された時間)以上になるか否かを判断する。選択した解除条件を満たす場合(Yes)には、処理は、ステップST5に進む。選択した解除条件を満たさない場合(No)には、処理は、終了する。なお、選択した条解除件を満たさない場合、制御部90は、処理を終了する前に、トナーコンテナ46の交換を促す警告を上述したタッチパネルに表示させてもよい。
【0038】
ステップST5において、制御部90は、トナーエンプティモードを解除して現像器44を動作可能にさせる。すなわち、制御部90は、コピー機1のモードを、用紙Tに画像を形成することが可能な通常モードに設定する。
【0039】
以上説明したように、本実施形態のコピー機1によれば、以下の効果が奏される。
すなわち、本実施形態のコピー機1は、制御部90によって、トナーコンテナ46が交換された場合に、トナー情報に基づいて複数の解除条件の中からいずれか1つを選択し、さらに、トナー検知センサー462によって継続して「トナー有り」が検知される時間が選択された解除条件を満たすと、設定されているトナーエンプティモードを解除して現像器44を動作可能にさせる。選択される解除条件は、第1時間、第2時間及び第3時間のうちのいずれかである。すなわち、トナーコンテナ46に多くのトナーが残る場合には、トナーコンテナ46から現像器44への単位時間当たりのトナーの供給量が多くなるため、解除条件として短い時間が選択される。これは、トナーコンテナ46から現像器44への単位時間当たりのトナーの供給量が多い場合には、用紙Tに画像を形成するまでに(次の印刷までに)十分な量のトナーが現像器44に供給されるからである。よって、コピー機1は、トナーコンテナ46に収容されるトナーの量にかかわらず、トナーエンプティモードを解除するまでの時間を一定にした場合に比べて、トナーエンプティモードを解除するまでの時間を短くすることができる。
【0040】
また、コピー機1は、トナー情報にトナーエンプティ履歴情報が含まれる場合に、解除条件として第3時間を選択する。これにより、コピー機1は、トナー検知センサー462の誤検知によってトナーエンプティモードが早期に解除されてしまうことを防止できる。
ここで、従来では、トナーエンプティモードに設定された場合、トナーコンテナは、コピー機から取り出されて振られた後、コピー機に再装着されることがある。この場合には、トナーコンテナ内のトナーが集められるため、トナー検知センサーは、トナー有りを検知する場合がある。その場合、制御部は、トナーエンプティモードを解除してしまう。しかしながら、制御部は、トナー検知センサーによって直ぐにトナー無しが検知されるため、トナーエンプティモードに移行させる。トナーエンプティモードが解除されてから再度トナーエンプティモードに設定されるまでの間では、現像器にはトナーがほとんど供給されないため、トナーの劣化が進行し、またトナー補給不足に起因して種々の問題が発生することになる。
この点、本実施形態のコピー機1は、トナー情報にトナーエンプティ履歴情報が含まれる場合には、解除条件として第3時間を選択するため、上述した従来の問題の発生を抑えることができる。
【0041】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されることはなく、種々の形態で実施することができる。
本実施形態のコピー機1は、カラーコピー機であるが、この形態に限定されることはなく、モノクロコピー機であってもよい。
また、本実施形態のコピー機1は、中間転写ベルト48を介して用紙Tにトナー画像を転写している(間接転写方式)が、この形態に限定されることはなく、感光体ドラムに形成されたトナー画像を直接に用紙Tに転写してもよい(直接転写方式)。
また、本実施形態のコピー機1は、用紙Tの片面を印刷する構成であるが、これに限定されることはなく、用紙の両面を印刷する構成であってもよい。
【0042】
また、本発明の画像形成装置は、上述したコピー機1に限定されることはない。すなわち、本発明の画像形成装置は、コピー機能、ファクシミリ機能、プリンター機能及びスキャナー機能を備える複合機であってもよく、ファクシミリやプリンターであってもよい。
また、本発明の画像形成装置によってトナー画像が定着される被転写材は用紙Tに限定されることはなく、例えば、OHP(オーバーヘッドプロジェクター)シート等のフィルムシートであってもよい。
【符号の説明】
【0043】
1…コピー機(画像形成装置)、40…画像形成部、41…感光体ドラム(像担持体)、44…現像器、46…トナーコンテナ、461…トナーコンテナメモリー、462…トナー検知センサー、90…制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電潜像が形成される像担持体と、
前記像担持体に形成された静電潜像をトナーによって現像する現像器と、
内部に収容されるトナーの量に関するトナー情報を記憶するトナーコンテナメモリーを有すると共に、前記内部に収容されるトナーを前記現像器に供給するトナーコンテナと、
前記トナーコンテナ内のトナーの有無を検知するトナー検知センサーと、
前記トナー検知センサーによって前記トナーコンテナ内のトナーが無いことを検知した場合に、トナーエンプティモードを設定して前記現像器の動作を停止させる制御部と、
トナーエンプティモードを解除するための複数の解除条件を備えた記憶部と、を備え、
前記制御部は、前記トナーコンテナが交換された場合に、当該交換されたトナーコンテナの前記トナーコンテナメモリーに記憶されるトナー情報に基づいてトナーエンプティモードを解除するための前記複数の解除条件の中からいずれか1つを選択し、前記交換されたトナーコンテナ内にトナーが有ることを前記トナー検知センサーによって継続して検知される時間が選択された解除条件を満たすと、設定されているトナーエンプティモードを解除して前記現像器を動作可能にさせる
画像形成装置。
【請求項2】
制御部は、
前記トナー情報に基づく前記交換されたトナーコンテナ内のトナーの量が所定量以上の場合に、前記解除条件として第1時間を選択し、
前記トナー情報に基づく前記交換されたトナーコンテナ内のトナーの量が前記所定量未満の場合に、前記解除条件として、前記第1時間よりも長い第2時間を選択する
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記トナー情報には、前記トナー検知センサーによって前記トナーコンテナ内にトナーが無くなったことが検知された場合に記録されるトナーエンプティ履歴情報が含まれ、
前記制御部は、前記トナー情報に前記トナーエンプティ履歴情報が含まれる場合に、前記解除条件として、前記第2時間よりも長い第3時間を選択する
請求項2に記載の画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2013−47719(P2013−47719A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−185730(P2011−185730)
【出願日】平成23年8月29日(2011.8.29)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】