説明

画像形成装置

【課題】転写ニップへの用紙の進入に起因する衝撃を緩和しつつも、用紙の搬送に伴う様々な衝撃による転写性能の低下を抑制する。
【解決手段】画像形成装置は、用紙Pの先端が転写ニップを通過した後、用紙Pの搬送位置に基づいて、ニップ荷重を初期荷重よりも大きい最大荷重に制御している。ここで、初期荷重は、用紙Pの先端が転写ニップに進入する際に設定するニップ荷重に相当する。これにより、用紙Pの搬送に伴う様々な衝撃による転写性能の低下を抑制することができる。また、用紙Pが転写ニップに進入する前提として、ニップ荷重が小さい荷重に設定されていることで、転写ニップへの用紙Pの進入に起因する衝撃を緩和することができる。これにより、画像品質の低下を抑制することができるので、高品質な画像形成を実現することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、プリンター、複写機などとして電子写真方式の画像形成装置が知られている。例えばタンデム型カラー画像形成装置は、中間転写ベルトと転写ローラーとの間に転写ニップを形成しており、この転写ニップの通過過程において用紙に画像を転写し、その後、当該用紙に対して定着処理を施すという一連のプロセスを通じ、用紙に画像を形成する。ところで、このような画像形成装置では、用紙の先端が転写ニップに進入する際に衝撃が生じ、1次転写ずれといった画像品質の低下を招くという問題がある。このような現象は、坪量が大きい用紙といったように剛性が高い用紙ほど顕著に現れる。そこで、用紙先端の進入に対応して、転写ニップの圧接状態を緩和させることにより、用紙進入時における衝撃を緩和する手法が知られている。
【0003】
例えば特許文献1には、所定以上の厚さの用紙の先端が転写ニップに進入すると、転写ニップ間に進入した用紙の厚みに起因して、支持機構による転写ローラーの支持を解除する手段を備える画像形成装置が開示されている。また、この画像形成装置は、支持機構による転写ローラーの支持を解除した後に、転写ニップの圧力状態を再度増加させる仕様となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−10840号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された手法によれば、複数のバネを組み合わせ、これらのバネの力関係を利用して、転写ローラーの支持を機械的に解除したり、転写ニップの圧力状態を機械的に増加させたりしている。したがって、転写ローラーの支持の解除は、用紙の先端が転写ニップに進入して、転写ニップ間に用紙の厚みが作用した後に行われる。そのため、用紙先端が進入する際には、転写ニップの圧力は高いままに維持されており、前述のような衝撃の発生は依然として懸念される。また、転写ニップの圧力状態を再度増加させる場合であっても、単に機械的に復帰させるのみであるので、どのタイミングまでに転写ニップの圧力状態を再度増加させるのかといったように、時間的な概念が取り入れられている訳ではない。そのため、転写ニップの圧接状態が緩和されている際に、用紙の搬送に伴う様々な衝撃により転写性能が低下するといった不都合が起こる可能性がある。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、転写ニップへの用紙の進入に起因する衝撃を緩和しつつも、用紙の搬送に伴う様々な衝撃による転写性能の低下を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を解決するために、本発明は、表面に画像を担持する像担持体と、像担持体に圧接して転写ニップを形成し、像担持体上の画像を用紙に転写する転写部材と、転写部材を可動させて像担持体と転写部材との間の圧接状態を設定する可動機構と、可動機構を制御することにより、転写ニップにおけるニップ荷重を可変制御する制御部と、を有する画像形成装置を提供する。ここで、制御部は、用紙の先端が転写ニップを通過した後、用紙の搬送位置に基づいて、ニップ荷重を、用紙の先端が転写ニップに進入する際に設定するニップ荷重である第1の荷重よりも大きい第2の荷重に制御する。
【0008】
ここで、本発明は、用紙の搬送経路において転写部材の下流に配置されており、互いに圧接されて定着ニップを形成する一対の定着部材によって用紙に定着処理を行う定着装置をさらに有し、制御部は、用紙の先端が定着ニップに進入するまでにニップ荷重を第2の荷重に制御することが好ましい。
【0009】
また、本発明は、用紙の搬送経路において転写部材の上流に配置されており、互いに圧接された一対の搬送ローラーで構成されるレジストローラーをさらに有し、制御部は、用紙の後端がレジストローラーを通過するまでにニップ荷重を第2の荷重に制御することが好ましい。
【0010】
また、本発明において、制御部は、用紙の先端が定着ニップに進入するタイミング、及び、用紙の後端がレジストローラーを通過するタイミングのうち、いずれか早い方のタイミングまでにニップ荷重を第2の荷重に制御することが好ましい。
【0011】
また、本発明は、用紙の搬送経路において転写部材の上流に配置されており、互いに圧接又は離間可能な一対の搬送ローラーで構成されるレジストローラーをさらに有し、制御部は、レジストローラーによる用紙の搬送時に当該レジストローラーである一対の搬送ローラーを圧接状態から離間状態へと切り換える切換制御を行うとともに、当該切換制御の実行開始のタイミングまでにニップ荷重を第2の荷重に制御することが好ましい。
【0012】
また、本発明において、制御部は、用紙の先端が定着ニップに進入するタイミング、及び、切換制御の実行開始のタイミングのうち、いずれか早い方のタイミングまでにニップ荷重を第2の荷重に制御することが好ましい。
【0013】
また、本発明において、制御部は、先行する用紙の後端が転写ニップを通過してから、後続の用紙の先端が転写ニップに進入するまでの紙間において、ニップ荷重を第2の荷重よりも小さい第3の荷重に制御することが好ましい。
【0014】
また、本発明において、制御部は、第3の荷重を第1の荷重よりも小さい荷重に設定することが好ましい。
【0015】
また、本発明において、転写部材は、回転駆動される像担持体の回転に応じて従動して回転する構成であることが好ましい。
【0016】
また、本発明は、転写部材に転写電圧を印加するための転写電流を供給する電源部をさらに有し、制御部は、ニップ荷重に応じて転写電流を可変的に制御することが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、用紙の先端通過後、用紙の搬送位置に基づいて、ニップ荷重を第2の荷重に制御することで、転写ニップへの用紙の進入に起因する衝撃を緩和することを目的として設定される第1の荷重よりもニップ荷重を増加させることができる。これにより、用紙の搬送に伴う衝撃が生じた場合であっても、転写性能の低下を抑制することができる。また、用紙が転写ニップに進入する前提として、ニップ荷重が第1の荷重に設定されていることで、転写ニップへの用紙の進入に起因する衝撃を緩和することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】画像形成装置を模式的に示す構成図
【図2】2次転写ユニットの構成を模式的に示す説明図
【図3】画像形成装置の制御系を概略的に示すブロック図
【図4】ニップ荷重と2次転写電流との対応関係を示す説明図
【図5】画像形成装置によるニップ荷重の可変制御の手順を示すフローチャート
【図6】可変制御におけるニップ荷重の推移を示す説明図
【図7】可変制御におけるニップ荷重の推移を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0019】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態にかかる画像形成装置を模式的に示す構成図である。この画像形成装置は、例えば複写機といった電子写真方式の画像形成装置であり、複数の感光体を一本の中間転写ベルトに対面させて縦方向に配列することによりフルカラーの画像を形成する、いわゆる、タンデム型カラー画像形成装置である。
【0020】
画像形成装置は、原稿読取装置SC、4組の画像形成部10Y,10M,10C,10K、定着装置30を主体に構成され、これらが一つの筐体内に収められている。
【0021】
原稿読取装置SCは、走査露光装置の光学系により原稿の画像を走査露光し、その反射光をラインイメージセンサーにより読み取り、これにより、画像信号を得る。この画像信号は、A/D変換、シェーディング補正、圧縮等の処理が施された後、画像データとして制御部50に入力される。なお、制御部50に入力される画像データとしては、原稿読取装置SCで読み取ったものに限らず、例えば、画像形成装置に接続されたパーソナルコンピューターや他の画像形成装置から受信したものであってもよい。
【0022】
4組の画像形成部10Y,10M,10C,10Kは、イエロー(Y)の画像を形成する画像形成部10Y、マゼンダ(M)の画像を形成する画像形成部10M、シアン(C)の画像を形成する画像形成部10C、ブラック(K)の画像を形成する画像形成部10Kである。
【0023】
画像形成部10Yは、感光体ドラム1Y及びその周辺に配置された帯電部2Y、光書込部3Y、現像装置4Y及びドラムクリーナー5Yで構成されている。同様に、画像形成部10M,10C,10Kも、感光体ドラム1M,1C,1K及びその周辺に配置された帯電部2M,2C,2K、光書込部3M,3C,3K、現像装置4M,4C,4K及びドラムクリーナー5M,5C,5Kで構成されている。
【0024】
感光体ドラム1Y〜1Kは、帯電部2Y〜2Kによりその表面が一様に帯電させられており、光書込部3Y〜3Kによる走査露光により、感光体ドラム1Y〜1Kには潜像が形成される。そして、現像装置4Y〜4Kは、トナーで現像することによって感光体ドラム1Y〜1K上の潜像を顕像化する。これにより、各感光体ドラム1Y〜1K上には、イエロー、マゼンダ、シアン、ブラックに対応するトナー画像がそれぞれ形成される。各感光体ドラム1Y〜1K上に形成されたトナー画像は、1次転写ローラー7Y,7M,7C,7Kにより回転する中間転写ベルト6上の所定位置へと逐次転写される。中間転写ベルト6は、対向ローラー8を含む複数のローラーに対して回転自在に架け渡されており、表面に画像を担持する像担持体として機能する。
【0025】
中間転写ベルト6上に転写された各カラーよりなるトナー画像は、後述するように用紙Pが所定のタイミングで搬送されることにより、2次転写ユニット20により用紙Pに転写される。
【0026】
図2は、2次転写ユニット20の構成を模式的に示す説明図である。2次転写ユニット20は、2次転写ローラー21と、可動機構とを主体に構成されている。
【0027】
2次転写ローラー21は、中間転写ベルト6を介して対向ローラー8に押し当てるように配置されており、これにより、中間転写ベルト6に圧接して転写ニップを形成し、転写ニップにおける用紙Pの通過に対応して中間転写ベルト6上の画像を用紙Pに転写する。この2次転写ローラー21の近傍には、第1の回転軸22が配置されており、この第1の回転軸22に対して支持板金23が回動可能に取り付けられている。また、支持板金23は、2次転写ローラー21を回転自在に支持しており、これにより、2次転写ローラー21は支持板金23とともに第1の回転軸22を中心として回動する。なお、2次転写ローラー21は、回転駆動する中間転写ベルト6の回転に応じて従動して回転する構成となっている。
【0028】
可動機構は、2次転写ローラー21を可動させて中間転写ベルト6と2次転写ローラー21との間の圧接状態を設定するための機構である。具体的には、可動機構は、L字状に屈曲した可動アーム24を備えており、この可動アーム24は、第2の回転軸26に対して回動可能に取り付けられている。可動アーム24の一方の端部と、支持板金23との間には、圧縮コイルばね25が配設されており、このコイルばね25の付勢力により、2次転写ローラー21が中間転写ベルト6(対向ローラー8)側へと押圧される。さらに、この可動アーム24の他方の端部には、回転軸に連結されたカム27が当接可能に設けられている。このカム27は、その回転位置に応じて可動アーム24の他方の端部の位置を変位させる。このような変位を通じて、可動アーム24が第2の回転軸26を中心に回動すると、可動アーム24と支持板金23との間の相対距離が変位する。この相対距離の変位と、圧縮コイルばね25の押圧力とに応じて、中間転写ベルト6と2次転写ローラー21との間の圧接状態、すなわち、転写ニップにおけるニップ荷重を増減させることができる。
【0029】
また、2次転写ローラー21には、高圧電源部29が接続されている。この高圧電源部29は2次転写ローラー21に2次転写電流を供給し、これにより、2次転写に必要な電圧(2次転写電圧)が2次転写ローラー21に印加される。
【0030】
再び図1を参照するに、給紙部40は、それぞれが用紙Pを収容する複数の給紙トレイ41を備えており、給紙トレイ41に収容された用紙Pは、最上面の一枚が取り込まれ、搬送経路へと送り出される。この搬送経路において、転写ニップ、すなわち、用紙Pにトナー画像を転写する転写位置よりも上流側には、レジストローラー42を含む複数の搬送ローラーが配置されている。給紙トレイ41から送り出された用紙Pは、複数の搬送ローラーによって搬送された後、用紙Pの搬送経路において転写ニップの上流(直上)に位置するレジストローラー42によって中間転写ベルト6上の画像と同期するように、所定のタイミングで転写ニップへと搬送される。
【0031】
トナー画像が転写された用紙Pは、用紙Pの搬送経路において転写ニップの下流(直下)に位置する定着装置30へと搬送される。定着装置30は、未定着な状態のトナー画像を用紙Pに定着する装置であり、例えば、定着ニップを形成する一対の定着ローラー31,32と、一方の定着ローラー31を加熱するヒーターとで構成されている。この定着装置30は、用紙Pの搬送過程において当該用紙Pが定着ニップを通過することより、一対の定着ローラー31,32による加圧と、定着ローラー31の有する熱との作用を通じて、用紙へのトナー画像の定着が行われる。
【0032】
定着装置30により定着処理が施された用紙Pは、排紙ローラーにより、筐体の外部側面に取り付けられた排紙トレイ43に排出される。また、用紙Pの裏面にも画像形成を行う場合、用紙表面に対する画像形成を終えた用紙Pは、ガイド部材45により、下方にある反転搬送部46へと搬送される。反転搬送部46は、搬送された用紙Pを反転させて、再給紙搬送経路に送り出す。この再給紙搬送経路へと送り出された用紙Pは、複数の搬送ローラーによって搬送され、これにより、転写ニップよりも上流側の搬送経路へと用紙Pを回帰させる。
【0033】
図3は、本実施形態にかかる画像形成装置の制御系の構成を概略的に示すブロック図である。制御部50は、画像形成装置を統合的に制御する機能を担っており、CPU、ROMやRAMなどのメモリ、通信I/Fなどを備えるマイクロコンピュータを用いることができる。
【0034】
制御部50は、画像形成装置の各部を制御することにより、以下に示す各プロセスを実行し、用紙Pにトナー画像を形成する。
(1)感光体ドラム1Y〜1Kを帯電させる
(2)光書込部3Y〜3Kにより感光体ドラム1Y〜1K上に静電潜像を形成する
(3)形成された静電潜像にトナーを付着させる
(4)感光体ドラム1Y〜1K上のトナー画像を中間転写ベルト6に一次転写させる
(5)中間転写ベルト6上のトナー画像を用紙Pに二次転写させる
(6)定着装置30により用紙Pに転写されたトナー画像に定着処理を施す
【0035】
また、本実施形態との関係において、制御部50は、カム駆動モーター28を制御する。カム駆動モーター28は、ギヤ等の動力伝達機構を介してカム27の回転軸に接続されており、カム駆動モーター28の駆動量に応じて、カム27を任意の回転位置に設定することができる。そのため、制御部50は、必要に応じてカム駆動モーター28を制御することにより、転写ニップにおけるニップ荷重を可変的に制御することができる。本実施形態の特徴の一つとして、制御部50は、用紙Pの先端が転写ニップを通過した後、用紙Pの搬送位置に基づいて、ニップ荷重を、用紙Pの先端が転写ニップに進入する際に設定するニップ荷重である初期荷重(第1の荷重)よりも大きい最大荷重(第2の荷重)に制御することにある。
【0036】
さらに、本実施形態の特徴の一つとして、制御部50は、高圧電源部29を制御することにより、2次転写ローラー21に供給する2次転写電流を可変的に制御することができる。制御部50は、図4に示すように、ニップ荷重と2次転写電流との対応関係を規定したマップ又は演算式を保持しており、ニップ荷重に対応して、2次転写電流を制御する。
【0037】
この制御部50には、前述の制御を行うために、各種の信号が入力されている。用紙検出センサー51は、搬送経路を搬送される用紙Pを検出するセンサーであり、例えばレジストローラー42と転写ニップとの間に配置されている。用紙検出センサー51としては、例えば発光素子と受光素子とを有する反射型の光学センサーを用いることができる。用紙検知センサー101は、通常オフ信号を出力しており、用紙Pがセンサーの検出位置を通過している間においてオン信号を出力する。この用紙検知センサー101の信号立ち上がり及び信号立ち下がりに応じて、用紙Pの先端及び後端の通過を判定することができる。これにより、制御部50は、用紙検出センサー51の検出信号に基づいて、センサー位置における用紙Pの通過を認識することができ、また、用紙Pの搬送速度、用紙Pのサイズ及び用紙Pのセンサー位置の通過タイミングを基準として、搬送経路における用紙Pの搬送位置を認識することができる。
【0038】
2次転写電流センサー52は、高圧電源部29と2次転写ローラー21との間の電流経路に配置されており、高圧電源部29からの2次転写電流を検出する。制御部50は、2次転写電流センサー52の検出信号に基づいて、高圧電源部29から供給する2次転写電流を所望の値へとフィードバック制御することができる。
【0039】
操作部60は、画像形成装置の上部に配置されており(図1参照)、ユーザーによって設定される種々の情報を制御部50に出力する。操作部60としては、例えば、ディスプレイ上に表示される情報に従い、入力操作を行うことが可能なタッチパネルを用いることができる。かかる操作部60を通じて、ユーザーは、印刷条件、すなわち、印刷対象となる用紙Pの種類(例えばサイズや坪量)、印刷部数などを設定することができる。なお、用紙Pの種類の設定は、給紙トレイ41と、そこの収容する用紙Pの種類とを予め対応付けておくことで、給紙トレイ41の指定を通じて行ってもよい。また、制御部50は、操作部60を制御することにより、当該操作部60を介してユーザーに種々のメッセージを表示することができる。なお、ユーザーによって設定される種々の情報は、操作部60によらずとも、画像形成装置に接続されたパーソナルコンピューターや他の画像形成装置から制御部50に出力してもよい。
【0040】
図5は、本実施形態にかかる画像形成装置によるニップ荷重の可変制御の手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、ユーザによるジョブの実行指令に応じて呼び出され、制御部50によって実行される。この処理の実行時、制御部50は、操作部60から出力される情報に基づいて、実行するジョブの印刷情報を認識することができる。また、制御部50は、後述するニップ荷重の制御に対応して高圧電源部29を制御することにより、ニップ荷重に応じて次転写電流を制御することができる。
【0041】
まず、ステップ10(S10)において、制御部50は、印刷対象となる用紙Pが、ニップ荷重を可変制御するための対象用紙であるか否かを判断する。本実施形態にかかるニップ荷重の可変制御は、剛性の高い用紙Pを対象として行う。そこで、制御部50は、印刷対象となる用紙Pが剛性の高い用紙Pであるか否かを判断する。
【0042】
具体的には、制御部50は、用紙Pの坪量が判定閾値以上か否かを判断する。これは、用紙Pの剛性が用紙Pの坪量と大きな相関があり、用紙Pの坪量が大きい程、用紙Pの剛性が高くなるという傾向があるからである。そのため、判定閾値は、可変制御の可否を切り分ける用紙Pの坪量として、実験やシミュレーションにより最適値が予め設定されている。この判定閾値としては、例えば130g/m^2といった値を用いることができる。ステップ10において否定判定された場合、すなわち、用紙Pの坪量が判定閾値よりも小さい場合、ステップ11(S11)に進む。一方、ステップ10において肯定判定された場合、すなわち、用紙Pの坪量が判定閾値以上の場合、ステップ12(S12)に進む。
【0043】
ステップ11において、制御部50は、転写ニップのニップ荷重を通常制御する。この通常制御は、ジョブに対応する1枚目の用紙Pから最終の用紙P(最終紙)に至るまで、全ての用紙Pに対して、予め設定された通常荷重に基づいてニップ荷重を定常的に制御する手法である。ここで、通常荷重は、良好な転写性能を維持できるようにとの観点から設定された荷重であり、実験やシミュレーションを通じてその最適値が予め設定されている。通常荷重としては、例えば6kgといった値を用いることができる。
【0044】
ステップ12において、制御部50は、ニップ荷重の可変制御の実行に先立ち、ニップ荷重を変更させる変更点(以下「制御変更点」という)を決定する。後述するように、ニップ荷重を最大荷重へと制御する際には、用紙の搬送位置が所定の地点に至るまでにこれを実行しておくことを要する。すなわち、この制御変更点は、最大荷重へとニップ荷重の制御を完了させておく用紙の搬送位置を所定のタイミングとして規定するものである。本実施形態において、制御変更点は、用紙Pが転写ニップを通過している間において用紙搬送に伴う衝撃が発生するタイミングであり、具体的には、用紙Pの先端が定着ニップに進入するタイミング、又は、用紙Pの後端がレジストローラーを通過するタイミングが該当する。また、本実施形態では、用紙Pが転写ニップを通過する間にこれらの事象がそれぞれ生じるため、これらのタイミングのうちいずれか早い方のタイミングが制御変更点に該当することとなる。この制御変更点を決定する場合には、用紙Pのサイズ(用紙搬送方向の長さ)、転写ニップと定着ニップとの間の距離、及び、転写ニップとレジストローラー42との間の距離が考慮される。
【0045】
ステップ13(S13)において、制御部50は、給紙部40より用紙Pの搬送を開始する。
【0046】
ステップ14(S14)において、制御部50は、ニップ荷重を初期荷重に制御する。この初期荷重は、用紙Pに対してトナー画像の転写が可能なニップ荷重の範囲のうち、最も小さい荷重に設定されており、実験やシミュレーションを通じてその最適値が予め設定されている。この初期荷重は、前述の通常荷重よりも小さな値であり、例えば3kgといった値を用いることができる。
【0047】
ステップ15(S15)において、制御部50は、用紙Pの先端が転写ニップを通過したか否かを判断する。このステップ15において肯定判定された場合、すなわち、用紙Pの先端が転写ニップを通過した場合には、ステップ16(S16)に進む。一方、ステップ15において否定判定された場合、すなわち、用紙Pの先端が転写ニップを通過していない場合には、ステップ15に戻る。
【0048】
ステップ16において、制御部50は、ニップ荷重の増加制御を行う。この増加制御は、ステップ12において設定された制御変更点に到達するまでにニップ荷重を初期荷重から最大荷重へと増加させ、その後はニップ荷重を最大荷重で維持する制御をいう。ここで、最大荷重は、前述の通常荷重と同様の値を用いることができる。また、ニップ荷重を初期荷重から最大荷重へと増加させる場合、制御部50は、例えば、時間の増加に比例してニップ荷重を増加させるといった手法を用いることができる。もっとも、これ以外の手法を排除するものではなく、時間の二次関数に対応して増加させてもよいし、ニップ荷重の瞬時的な増加を周期的に繰り返し、ステップ的にニップ荷重を増加させてもよい。
【0049】
ステップ17(S17)において、制御部50は、用紙Pの後端が転写ニップを通過したか否かを判断する。このステップ17において肯定判定された場合、すなわち、用紙Pの後端が転写ニップを通過した場合には、ステップ18(S18)に進む。一方、ステップ17において否定判定された場合、すなわち、用紙Pの後端が転写ニップを通過していない場合には、ステップ17に戻る。
【0050】
ステップ18において、制御部50は、ニップ荷重を最小荷重(第3の荷重)に制御する。この最小荷重は、2次転写ローラー21の摩耗低減及び耐久性向上を考慮して設定される荷重であり、実験やシミュレーションを通じてその最適値が予め設定されている。この初期荷重は、前述の初期荷重よりも小さな値であり、例えば1kgといった値を用いとができる。
【0051】
ステップ19(S19)において、制御部50は、転写ニップを通過した用紙Pが、ジョブにおける最終紙であるか否かを判断する。このステップ19において肯定判定された場合、すなわち、用紙Pが最終紙である場合には、本ルーチンを終了する。一方、ステップ19において否定判定された場合、すなわち、用紙Pが最終紙でない場合には、ステップ20(S20)に進む。
【0052】
ステップ20において、制御部50は、次頁の用紙Pが転写ニップへ到達するか、すなわち、用紙Pの先端が転写ニップの所定距離手前の位置に到達したか否かを判断する。このステップ20において肯定判定された場合、すなわち、次頁の用紙Pが転写ニップへ到達する場合には、前述したステップ14の処理に戻る。一方、ステップ20において否定判定された場合、すなわち、次頁の用紙Pが転写ニップへ到達していない場合には、ステップ20に戻る。
【0053】
図6は、可変制御におけるニップ荷重の推移を示す説明図である。同図(a)は、A3サイズの用紙Pにおけるニップ荷重の推移を示し、同図(b)は、A4サイズの用紙Pにおけるニップ荷重の推移を示す。ここで、「ta」は用紙Pの先端が転写ニップに到達したタイミング、「tb」は用紙Pの先端が定着ニップに到達したタイミング、「tc」は用紙Pの後端がレジストローラー42を通過したタイミング、「td」は用紙Pの後端が転写ニップを通過したタイミングを示す。
【0054】
このように本実施形態において、画像形成装置は、用紙Pの先端が転写ニップを通過した後、用紙Pの搬送位置に基づいて、ニップ荷重を初期荷重よりも大きい最大荷重に制御している。ここで、初期荷重は、用紙Pの先端が転写ニップに進入する際に設定するニップ荷重に相当する。
【0055】
かかる構成によれば、用紙Pの先端通過後、用紙Pの搬送位置に基づいて、ニップ荷重を最大荷重に制御することで、初期荷重よりもニップ荷重を増加させることができる。これにより、用紙Pの搬送に伴う衝撃が生じるよりも前に転写ニップにおける圧接状態を強めることができるので、当該衝撃が生じた場合であっても、用紙ずれ等が抑制され、転写性能の低下を抑制することができる。また、用紙Pが転写ニップに進入する前提として、ニップ荷重が初期荷重に設定されていることで、転写ニップへの用紙Pの進入に起因する衝撃を緩和することができる。これにより、画像品質の低下を抑制することができるので、高品質な画像形成を実現することができる。
【0056】
また、本実施形態において、画像形成装置は、用紙Pの先端が定着ニップに進入するまでにニップ荷重を最大荷重に制御している。用紙Pの先端が定着ニップに進入する際には、衝撃が生じ易く、ニップ荷重が小さい状態では、発生した衝撃により用紙Pがずれ、転写不良を引き起こす可能性がある。この点、本実施形態では、用紙Pの先端が定着ニップに進入するまでにニップ荷重を最大荷重に制御することで、転写性能の低下を抑制することができる。
【0057】
また、本実施形態において、画像形成装置は、用紙Pの後端がレジストローラー42を通過するまでにニップ荷重を最大荷重に制御している。用紙Pの後端がレジストローラー42を通過する際には、衝撃が生じ易く、ニップ荷重が小さい状態では、発生した衝撃により用紙Pがずれ、転写不良を引き起こす可能性がある。この点、本実施形態では、用紙Pの後端がレジストローラー42を通過するまでにニップ荷重を最大荷重に制御することで、転写性能の低下を抑制することができる。
【0058】
また、本実施形態において、画像形成装置は、用紙Pの先端が定着ニップに進入するタイミング、及び、用紙Pの後端がレジストローラー42を通過するタイミングのうち、いずれか早い方のタイミングまでにニップ荷重を最大荷重に制御している。かかる構成によれば、衝撃の要因のうち、その事象の発生タイミングが早い要因に併せてニップ荷重を制御することにより、両事象の発生時には、ニップ荷重を最大荷重に設定することができる。これにより、転写性能の低下を抑制することができる。
【0059】
また、本実施形態において、画像形成装置は、先行する用紙Pの後端が転写ニップを通過してから、後続の用紙Pの先端が転写ニップに進入するまでの紙間において、ニップ荷重を最大荷重よりも小さい最小荷重に制御している。これにより、後続の用紙Pが定着ニップに進入するまでに、ニップ荷重を低下させることができるので、転写ニップへの用紙Pの進入に起因する衝撃を緩和することができる。
【0060】
また、本実施形態において、画像形成装置は、最小荷重を初期荷重よりも小さい荷重に設定している。かかる構成によれば、2次転写ローラー21の摩耗を低減させて、耐久性の向上を図ることができる。
【0061】
また、本実施形態において、2次転写ローラー21は、回転駆動される中間転写ベルト6の回転に応じて従動して回転する構成となっている。このような構成のメリットは以下に示す理由による。
【0062】
例えば、2次転写ローラー21に、中間転写ベルト6の駆動機構からギヤを介して動力を伝達した場合、ニップ荷重の変更に応じて2次転写ローラー21の潰れ量が変化する。そのため、ギヤ同士の中心間距離が変わり、動力が正常に伝達されず、画像不良が発生し得る。また、2次転写ローラー21に、単独で駆動モーターを装備した場合であっても、2次転写ローラー21の潰れ量の変化により、ローラー線速が変わるため、中間転写ベルト6と同期がとれず、画像不良が発生し得る。以上の理由より、転写ニップのニップ荷重を可変制御する場合には、2次転写ローラーを従動させる構成することが望ましい。
【0063】
また、本実施形態において、画像形成装置は、ニップ荷重に応じて転写電流を可変的に制御する。このような構成のメリットは以下に示す理由による。
【0064】
ニップ荷重の変更に応じて2次転写ローラー21の潰れ量が変化すると、同時にニップ面積も変化する。ニップ面積は、ローラー間の電気的な抵抗値に影響を及ぼす。例えば、ニップ荷重を徐々に増大させると、抵抗値は減少することとなり、結果として、転写効率が上昇し、画像が徐々に濃くなる現象が発生する。そこで、ニップ荷重に応じて転写電流を可変的に制御することにより、このような現象の発生を抑制することができる。
【0065】
なお、本実施形態では、用紙Pの剛性を、用紙Pの坪量から判定しているが、これ以外にも、用紙Pのメーカーや漉き方向を考慮して、用紙Pの剛性を判定してもよい。
【0066】
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態にかかる画像形成装置について説明する。この第2の実施形態にかかる画像形成装置が、第1の実施形態のそれと相違する点は、レジストローラー42の離間タイミングを考慮して制御変更点を決定することにある。第1の実施形態と重複する構成については説明を省略することとし、以下、相違点を中心に説明する。
【0067】
本実施形態において、レジストローラー42は、これを構成する一対のローラー同士を圧接状態と離間状態とで切り換える可能に構成されるとともに、用紙Pの搬送方向と直行する方向(以下「用紙幅方向」という)に対して揺動可能に構成されている。レジストローラー12に関する圧接状態と離間状態との切り換え、及び、揺動状態は、制御部50によって制御される。
【0068】
画像形成装置を実際に運転した場合、用紙幅方向において用紙Pの搬送位置に片寄りが発生し、用紙Pが本来搬送される位置からずれてしまうといった実態が生じ得る。用紙Pの片寄りは、例えば、反転搬送部46を経由して転写ニップへと用紙Pが搬送されたりするといったように、比較的長い距離を用紙Pが搬送されることにより、搬送部材の機械的な誤差などの影響によって生じ得る。また、給紙トレイ41内に収容される用紙Pの初期的な収容状態も、用紙Pの片寄りの要因となり得る。
【0069】
そこで、制御部11は、レジストローラー42による用紙Pの搬送時、これ揺動させることにより用紙Pの搬送位置を調整する。このレジスト揺動により、用紙Pと、中間転写ベルト6上のトナー画像との位置が適切に合致した状態で用紙Pにトナー画像が形成されることとなる。
【0070】
このようなレジスト揺動を行う場合、レジスト揺動を行う場合には、レジストローラー42は規定のホームポジションにセットされた後、用紙Pの片寄り量に応じた揺動を行い、その後、次に搬送され用紙Pに対するレジスト揺動に向けて、ホームポジションへと復帰する。このようなホームポジションへの復帰は、紙間で実行されているものの、近年の高速化の要請に応えるためには、紙間での動作では限界がある。そのため、片寄り量に応じたレジストローラー42の揺動を行い、かつ、用紙Pが転写ニップへ進入した場合には、レジストローラー42を圧接状態から離間状態へと切り換える切換制御を行い、その後、レジストローラー42をホームポジションへと復帰させる。そして、紙間においてレジストローラー42を圧接させて、次に搬送され用紙Pに備えることとしている。
【0071】
このような構成の画像形成装置においては、レジストローラー42が離間する動作により、用紙Pにショックが伝わる要因となる。そこで、本実施形態では、制御部50は、当該切換制御の実行までにニップ荷重を最大荷重に制御することとする。すなわち、制御部50は、制御変更点として、用紙Pの先端が定着ニップに進入するタイミング、及び、レジストローラー42の切換制御の実行開始のタイミングのうち、いずれか早い方のタイミングを設定することとなる。
【0072】
図7は、可変制御におけるニップ荷重の推移を示す説明図である。同図(a)は、A3サイズの用紙Pにおけるニップ荷重の推移を示し、同図(b)は、A4サイズの用紙Pにおけるニップ荷重の推移を示す。ここで、「ta」は用紙Pの先端が転写ニップに到達したタイミング、「tb」は用紙Pの先端が定着ニップに到達したタイミング、「td」は用紙Pの後端が転写ニップを通過したタイミング、「te」はレジストローラー42の切換制御の実行開始のタイミングを示す。
【0073】
かかる構成によれば、画像形成装置は、切換制御の実行開始のタイミングまでにニップ荷重を最大荷重に制御している。レジストローラー42を圧接状態から離間状態に切り換えた際には、衝撃が生じ易く、ニップ荷重が小さい状態では、発生した衝撃により用紙Pがずれ、転写不良を引き起こす可能性がある。この点、本実施形態では、レジストローラー42の切換制御の実行開始のタイミングまでにニップ荷重を最大荷重に制御することで、転写性能の低下を抑制することができる。
【0074】
また、画像形成装置は、用紙Pの先端が定着ニップに進入するタイミング、及び、切換制御の実行開始のタイミングのうち、いずれか早い方のタイミングまでにニップ荷重を最大荷重に制御している。かかる構成によれば、衝撃の要因のうち、その事象の発生タイミングが早い要因に併せてニップ荷重を制御することにより、両事象の発生時には、ニップ荷重を最大荷重に設定することができる。これにより、転写性能の低下を抑制することができる。
【0075】
以上、本発明の実施形態にかかる画像形成装置について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、その発明の範囲内において種々の変形が可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0076】
SC 原稿読取装置
6 中間転写ベルト
8 対向ローラー
10Y〜10K 画像形成部
20 2次転写ユニット
21 2次転写ローラー
24 可動アーム
25 圧縮コイルばね
27 カム
28 カム駆動モーター
29 高圧電源部
30 定着装置
31,32 定着ローラー
40 給紙部
42 レジストローラー
43 排紙トレイ
45 ガイド部材
46 反転搬送部
50 制御部
51 用紙検出センサー
52 2次転写電流センサー
60 操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に画像を担持する像担持体と、
前記像担持体に圧接して転写ニップを形成し、前記像担持体上の画像を用紙に転写する転写部材と、
前記転写部材を可動させて前記像担持体と前記転写部材との間の圧接状態を設定する可動機構と、
前記可動機構を制御することにより、前記転写ニップにおけるニップ荷重を可変制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、用紙の先端が前記転写ニップを通過した後、用紙の搬送位置に基づいて、前記ニップ荷重を、用紙の先端が前記転写ニップに進入する際に設定するニップ荷重である第1の荷重よりも大きい第2の荷重に制御することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
用紙の搬送経路において前記転写部材の下流に配置されており、互いに圧接されて定着ニップを形成する一対の定着部材によって用紙に定着処理を行う定着装置をさらに有し、
前記制御部は、用紙の先端が前記定着ニップに進入するまでに前記ニップ荷重を前記第2の荷重に制御することを特徴とする請求項1に記載された画像形成装置。
【請求項3】
用紙の搬送経路において前記転写部材の上流に配置されており、互いに圧接された一対の搬送ローラーで構成されるレジストローラーをさらに有し、
前記制御部は、用紙の後端が前記レジストローラーを通過するまでに前記ニップ荷重を前記第2の荷重に制御することを特徴とする請求項1又は2に記載された画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、用紙の先端が前記定着ニップに進入するタイミング、及び、用紙の後端が前記レジストローラーを通過するタイミングのうち、いずれか早い方のタイミングまでに前記ニップ荷重を前記第2の荷重に制御することを特徴とする請求項3に記載された画像形成装置。
【請求項5】
前記用紙の搬送経路において前記転写部材の上流に配置されており、互いに圧接又は離間可能な一対の搬送ローラーで構成されるレジストローラーをさらに有し、
前記制御部は、前記レジストローラーによる用紙の搬送時に当該レジストローラーである一対の搬送ローラーを圧接状態から離間状態へと切り換える切換制御を行うとともに、当該切換制御の実行開始のタイミングまでに前記ニップ荷重を前記第2の荷重に制御することを特徴とする請求項1又は2に記載された画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部は、用紙の先端が前記定着ニップに進入するタイミング、及び、前記切換制御の実行開始のタイミングのうち、いずれか早い方のタイミングまでに前記ニップ荷重を前記第2の荷重に制御することを特徴とする請求項5に記載された画像形成装置。
【請求項7】
前記制御部は、先行する用紙の後端が前記転写ニップを通過してから、後続の用紙の先端が前記転写ニップに進入するまでの紙間において、前記ニップ荷重を前記第2の荷重よりも小さい第3の荷重に制御することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載された画像形成装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記第3の荷重を前記第1の荷重よりも小さい荷重に設定することを特徴とする請求項7に記載された画像形成装置。
【請求項9】
前記転写部材は、回転駆動される前記像担持体の回転に応じて従動して回転する構成であることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載された画像形成装置。
【請求項10】
前記転写部材に転写電圧を印加するための転写電流を供給する電源部をさらに有し、
前記制御部は、前記ニップ荷重に応じて前記転写電流を可変的に制御することを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載された画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−72908(P2013−72908A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−210050(P2011−210050)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】